特許第6579190号(P6579190)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579190
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20190912BHJP
   B66F 9/07 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   B65G1/04 527
   B66F9/07 C
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-253535(P2017-253535)
(22)【出願日】2017年12月28日
(62)【分割の表示】特願2014-178315(P2014-178315)の分割
【原出願日】2014年9月2日
(65)【公開番号】特開2018-48030(P2018-48030A)
(43)【公開日】2018年3月29日
【審査請求日】2018年1月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】上田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 昌重
(72)【発明者】
【氏名】牧村 和典
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−020846(JP,A)
【文献】 実開平05−082914(JP,U)
【文献】 特開平09−058809(JP,A)
【文献】 実開平07−000924(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B66F 9/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向に沿って立設された昇降案内マストと、
前記昇降案内マストに案内されて昇降移動する物品搬送用の昇降体と、を備え、
前記昇降案内マストが、多角柱状の外形を有する柱状部を備え、
前記柱状部は、高さ方向に見て当該柱状部の角部の夫々に配置されて高さ方向に沿って延在する複数の支柱と、前記複数の支柱のうち隣接する一対の前記支柱同士を連結する連結部と、を備えた物品搬送装置であって、
前記柱状部の少なくとも一つの側面における前記連結部の少なくとも一部が、作業者が昇降することができる梯子部を兼ねる梯子兼用連結部として構成され、
前記梯子兼用連結部は、高さ方向に沿って延在すると共に前記一対の支柱のうちの対応する前記支柱にそれぞれ固定される一対の縦桟と、前記一対の縦桟の間を高さ方向の複数箇所で連結する複数の横桟と、を備えた梯子ユニットを用いて構成され、
前記一対の支柱の夫々における互いに対向する対向面部に、高さ方向に沿って延在する梯子取付部が形成され、
前記梯子ユニットにおける前記一対の縦桟の夫々が、前記一対の支柱のうちの対応する前記支柱に形成された前記梯子取付部に嵌合した状態で、前記一対の縦桟が前記一対の支柱に固定されている物品搬送装置。
【請求項2】
前記梯子兼用連結部は、前記一対の支柱の高さ方向に複数の前記梯子ユニットを並べて構成されている請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記複数の梯子ユニットの一部が、他の前記梯子ユニットに比べて高さ方向に異なる長さとなるように構成されている請求項2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記昇降案内マストが、走行経路を走行する走行台車に固定され、
前記走行経路は、物品を収納する収納部を複数並べて備えた物品収納棚の正面に沿って配置され、
前記柱状部が、前記走行経路の延びる方向に沿って延在する一対の前記側面である第一側面及び第二側面を備え、
前記昇降案内マストに対して前記走行経路の延びる方向に沿って作用する力である走行方向荷重による前記第一側面の変形を抑制する第一変形抑制部材が、前記第一側面に平行に設けられていると共に、前記走行方向荷重による前記第二側面の変形を抑制する第二変形抑制部材が、前記第二側面に平行に設けられている請求項1〜の何れか1項に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高さ方向に沿って立設された昇降案内マストと、前記昇降案内マストに案内されて昇降移動する物品搬送用の昇降体と、を備え、前記昇降案内マストが、多角柱状の外形を有する柱状部を備え、前記柱状部は、高さ方向に見て当該柱状部の角部の夫々に配置されて高さ方向に沿って延在する複数の支柱と、前記複数の支柱のうち隣接する一対の前記支柱同士を連結する連結部と、を備えた物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような物品搬送装置として、特許第5110124号公報(特許文献1)には、昇降案内マストが四角柱状の外形を有する柱状部を備え、柱状部を構成する4本の支柱のうち、昇降体の昇降案内面と対向する面を形成する一対の支柱の間に設けられる連結部として、作業者が昇降するための梯子として使用される複数の横桟が、高さ方向に間隔を隔てて各別に支柱に固定されたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5110124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、横桟を1つずつ各別に支柱に固定することになるため、上記のように連結部を梯子の横桟として用いる形態の昇降案内マストを製作する際に、製作作業が煩雑になるという問題があった。
【0005】
そこで、連結部を梯子の横桟として用いる形態の昇降案内マストを製作する際に、製作作業の簡素化が可能な物品搬送装置の実現が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明に係る物品搬送装置は、高さ方向に沿って立設された昇降案内マストと、前記昇降案内マストに案内されて昇降移動する物品搬送用の昇降体と、を備え、前記昇降案内マストが、多角柱状の外形を有する柱状部を備え、前記柱状部は、高さ方向に見て当該柱状部の角部の夫々に配置されて高さ方向に沿って延在する複数の支柱と、前記複数の支柱のうち隣接する一対の前記支柱同士を連結する連結部と、を備えた物品搬送装置であって、
前記柱状部の少なくとも一つの側面における前記連結部の少なくとも一部が、作業者が昇降することができる梯子部を兼ねる梯子兼用連結部として構成され、前記梯子兼用連結部は、高さ方向に沿って延在すると共に前記一対の支柱のうちの対応する前記支柱にそれぞれ固定される一対の縦桟と、前記一対の縦桟の間を高さ方向の複数箇所で連結する複数の横桟と、を備えた梯子ユニットを用いて構成され、
前記一対の支柱の夫々における互いに対向する対向面部に、高さ方向に沿って延在する梯子取付部が形成され、前記梯子ユニットにおける前記一対の縦桟の夫々が、前記一対の支柱のうちの対応する前記支柱に形成された前記梯子取付部と嵌合した状態で、前記一対の縦桟が前記一対の支柱に固定されている点を特徴とする。
【0007】
すなわち、複数の支柱のうち隣接する一対の支柱同士を連結する連結部の少なくとも一部が、梯子部を兼ねる梯子兼用連結部として構成されるから、隣接する一対の支柱同士を適切に連結して昇降案内マストを構成できる。しかも、昇降案内マストの複数の支柱のうち隣接する一対の前記支柱同士を連結する連結部を作業者が昇降することができる梯子部を兼ねる梯子兼用連結部とすることによって、作業者が昇降する梯子を別途設ける必要がなく、作業者昇降用の梯子を備えた物品搬送装置の構成の簡素化が実現できる。なお、高さ方向に隣接する横桟同士のピッチは、作業者が当該横桟を1段ずつ昇降する際に、作業
者が無理のない姿勢で昇降できる程度のピッチとすることが好ましい。
【0008】
そして、上記のような昇降案内マストを製作するに当たって、一対の縦桟と一対の縦桟の間を高さ方向の複数箇所で連結する複数の横桟とを備えた梯子ユニットの縦桟のうちの一方と他方との夫々を対応する支柱に固定するものであるから、横桟を1つずつ各別に支柱に固定する構成に比べて、昇降案内マストの製作作業が簡素化できる。なお、梯子ユニットを製作する際にも一対の縦桟に複数の横桟を取り付ける作業は発生するが、横桟支柱に直接取り付ける場合にはまず支柱を高さ方向に沿う姿勢で固定しておき、その支柱に対して横桟を取り付ける必要があるのに対して、支柱梯子ユニットを製作するに当たっては、縦桟を水平方向に沿う横倒し姿勢にした状態で横桟を取り付けることができるので、製作作業は格段に容易である。
このように、連結部を梯子の横桟として用いる形態の昇降案内マストを製作する際に、製作作業の簡素化が可能な物品搬送装置が実現できる。
また、支柱に形成された梯子取付部に縦桟を嵌合させることで、支柱に対する縦桟の位置を適切な位置に位置決めすることができる。この為、例えば昇降案内マストの製作時には、固定前の梯子ユニットを支柱に対して適正な位置に位置決めしておくことができ、梯子ユニットを支柱に固定する作業が容易になる。また、梯子ユニットを支柱に固定した後には、梯子ユニットと支柱との相対位置を適正な位置関係に維持し易い。
【0009】
本発明に係る物品搬送装置においては、前記梯子兼用連結部は、前記一対の支柱の高さ方向に複数の前記梯子ユニットを並べて構成されていることが好ましい。
【0010】
すなわち、梯子ユニットを、昇降案内マストの高さ方向での所要の範囲に対して短い長さの複数のユニットとすることで、梯子ユニットを小型化することができる。このため、昇降案内マストにおける高さ方向での所要の範囲に亘って梯子を設ける場合において、当該所要の範囲の全てに亘って単一の梯子ユニットとした場合に比べ、梯子ユニットの運搬や取付けを容易に行うことができる。
【0011】
本発明に係る物品搬送装置においては、前記複数の梯子ユニットの一部が、他の前記梯子ユニットに比べて高さ方向に異なる長さとなるように構成されていることが好ましい。
【0012】
すなわち、複数の梯子ユニットの一部を、高さ方向に複数の異なる長さの梯子ユニットとすることによって、昇降案内マストの構成に応じて、複数の異なる長さのうち適切な長さの梯子ユニットを選択して取り付けることができる。
説明を加えると、例えば、昇降案内マストの上端に近い位置においては、長さの長い梯子ユニットをその取付け位置まで搬送することが難しい場合があるため、短い梯子ユニットを用いる等、夫々の位置に応じた適切な長さの梯子ユニットを用いることで、製作作業を容易にすることができる。
【0019】
本発明に係る物品搬送装置においては、前記昇降案内マストが、走行経路を走行する走行台車に固定され、前記走行経路は、物品を収納する収納部を複数並べて備えた物品収納棚の正面に沿って配置され、前記柱状部が、前記走行経路の延びる方向に沿って延在する一対の前記側面である第一側面及び第二側面を備え、前記昇降案内マストに対して前記走行経路の延びる方向に沿って作用する力である走行方向荷重による前記第一側面の変形を抑制する第一変形抑制部材が、前記第一側面に平行に設けられていると共に、前記走行方向荷重による前記第二側面の変形を抑制する第二変形抑制部材が、前記第二側面に平行に設けられていることが好ましい。
【0020】
走行台車に固定された昇降案内マストには、走行台車の走行に伴って、走行経路の延びる方向に沿う力である走行方向荷重が作用する。
そこで、走行経路の延びる方向に延在する第一側面の変形を抑制する第一変形抑制部材と、走行経路の延びる方向に延在する第二側面の変形を抑制する第二変形抑制部材と、を設けることによって、上記走行方向荷重によるマストの走行方向での変形を抑制することができる。
また、上記第一側面及び第二側面を、昇降案内面と異なる面とすることで、昇降案内面には梯子を設けつつも、昇降案内面とは異なる面でマストの走行方向での変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】物品搬送装置が設けられる物品収納設備の要部斜視図
図2】物品搬送装置の側面図
図3】昇降案内マストの横断平面図
図4】支柱の横断平面図
図5】梯子ユニットの分解斜視図
図6】梯子ユニットの斜視図
図7】支柱に梯子ユニットを固定した状態を示す斜視図
図8】昇降案内マストから梯子ユニットを取り外した分解斜視図
図9】昇降案内マストに取り付けられる連結体を示す斜視図
図10】昇降案内マストから変形抑制部材を取り外した分解斜視図
図11】変形抑制部材の斜視図
図12】変形抑制部材のXII−XII矢視断面図
図13】一対の支柱への変形抑制部材の取付けを示す横断平面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて、本発明の物品搬送装置を備えた物品保管設備の実施形態を説明する。
図1に示すように、物品保管設備Aは、物品Bを収納する収納部Sを上下方向及び横方向に複数並べて備えた物品収納棚1を備えている。物品収納棚1は、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置されている(図1には、対向する一対の物品収納棚1のうちの一方だけを図示している)。また、物品収納棚1の正面には、物品搬送装置としてのスタッカークレーンCの走行台車31が走行する走行レールR1が、当該物品収納棚1の正面に沿って敷設されている。また、走行レールR1の上方であって物品収納棚1の上端よりも高い位置には、スタッカークレーンCの上部枠33を案内する上部レールR2が設けられている。なお、品実施形態では、収納部Sを、物品出し入れ方向に2つの物品を並べて収納できる構成としているが、物品出し入れ方向に1つの物品を収納する収納部Sとしてもよい。
【0023】
スタッカークレーンCは、走行レールR1を走行する走行台車31と、当該走行台車31に固定されて高さ方向(図1におけるZ方向)に沿って立設された単一の昇降案内マスト5を備えている。なお、以下の説明において「ある方向に沿う」とは、ある方向に対する傾斜角度が10度未満であることをいう。
本実施形態では、スタッカークレーンCは、昇降案内マスト5において走行台車31の走行方向(図1におけるX方向)に並ぶ一対の側面(図1図3においてM1及びM2で表す面)の夫々に沿って昇降移動する一対の昇降体4(第1昇降体4a、第2昇降体4b)を備えている。昇降体4の夫々には、物品Bを収納部Sと自己との間で移載する移載装置4Fが備えられている。なお、本実施形態では、移載装置4Fは同時に物品出し入れ方向に2つの物品を並べて支持できるように構成されているが、収納部Sを物品出し入れ方向に1つの物品のみを収納する構成とした場合には、移載装置4Fも物品出し入れ方向に1つの物品を支持するように構成する。
【0024】
図1及び図2に示すように、走行台車31には、駆動輪WKを駆動する走行モータG1(第1走行モータG11、第2走行モータG12)を高さ方向視で走行台車31の走行方向に直交する横幅方向(図1におけるY方向)に一対備えている。なお、図示はしていないが、駆動輪WKは一対の第1走行モータG11、第2走行モータG12の夫々に対応して設けられている。なお、走行台車31の走行方向における一方側の端部には、スタッカークレーンCの作動を制御するクレーンコントローラが格納された制御ボックスHが設けられている。
【0025】
また、昇降案内マスト5の下端部分におけるY方向の両側方に振り分けて、昇降体4を昇降させるための一対の昇降駆動モータG3(第1昇降駆動モータG31、第2昇降駆動モータG32)が設けられている。第1昇降駆動モータG31は第1昇降用ワイヤ(図示省略)を巻き取り又は繰り出し自在なドラムを回転駆動するようになっており、第1昇降用ワイヤの他端は第1昇降体4aのアップライト部に接続されている。第2昇降駆動モータG32は、第2昇降用ワイヤ(図示省略)を巻き取り又は繰り出し自在なドラムを回転駆動するようになっており、第2昇降用ワイヤの他端は第2昇降体4bのアップライト部
に接続されている。第1昇降駆動モータG31及び第2昇降駆動モータG32は、夫々独立して駆動可能となっており、これにより、第1昇降体4aと第2昇降体4bとは、各別に昇降駆動できるようになっている。
【0026】
さらに、昇降案内マスト5の上部枠33には、上部レールR2の両側面の夫々に当接する一対の上部走行輪WU(第1上部走行輪WU1、第2上部走行輪WU2)を回転駆動する上部走行駆動モータG2(第1上部走行駆動モータG21、第2上部走行駆動モータG22)が取り付けられている。第1上部走行駆動モータG21と第2上部走行駆動モータG22とは、走行モータG1による走行台車31の走行レールR1に沿う走行移動距離と等しい距離だけ昇降案内マスト5の上部枠33が上部レールR2に沿って移動するように回転駆動される。これにより、昇降案内マスト5の長手方向が鉛直方向に沿うようにスタッカークレーンCを走行させることができる。
【0027】
以下、昇降案内マスト5の構成を説明する。
図3に示すように、昇降案内マスト5は、高さ方向視で四角形の角部に、高さ方向に沿って延在する4本の支柱5S(支柱5Sa、5Sb、5Sc、5Sd)を備えている。すなわち、昇降案内マスト5は、4本の支柱5Sが角部の夫々に配置された四角柱状の外形を有する柱状部を備えている。4本の支柱5Sのうち、支柱5Saと支柱5Scとは、走行台車31の走行方向での一方側に位置し、支柱5Sbと支柱5Sdとは、走行台車31の走行方向での他方側に位置するように配設されている。なお、支柱5Saと支柱5Sb、及び、支柱5Scと支柱5Sdとは、高さ方向に見て180度の回転対称関係にあり、支柱5Saと支柱5Sc、及び、支柱5Sbと支柱5Sdとは、上下を逆転させた形状となっている。したがって、同一の形状の支柱部材の向きや姿勢を配置箇所に応じて調整することで、支柱5Sa〜支柱5Sdを構成することができる。
【0028】
支柱5Sの夫々は、アルミ等の金属の押出成型で形成され、図8に示すように、複数の支柱部材5SB(本実施形態では、支柱部材5SB1と5SB2の2つ)を高さ方向に接続して構成されている。図4は、支柱5Sを高さ方向に見た断面形状を示す図である。支柱5Sには、昇降体4の案内ローラ(図示省略)が当接する第1部分51及び第2部分52が形成されている。支柱5Sa〜5Sd夫々の第1部分51は、高さ方向視で走行台車31の走行方向と直交する方向(図1〜4のX方向)において、支柱5Saと支柱5Scとの並び方向、及び、支柱5Sbと支柱5Sdとの並び方向の外方側に突出している。また、支柱5Sa〜5Sd夫々の第2部分52は、第1部分51よりも、支柱5Saと支柱5Sbとの並び方向、及び、支柱5Scと支柱5Sdとの並び方向において外方側(以降、単に昇降案内マストの走行方向外方側と称する)に、走行台車31の走行方向に沿うように形成されている。支柱5Sa〜5Sdにおける第1部分51よりも支柱5Saと支柱5Sbとの並び方向、及び、支柱5Scと支柱5Sdとの並び方向の内方側(以降、単に昇降案内マストの走行方向内方側と称する)には、夫々、走行台車31の走行方向に沿う第3部分53が形成されている。
【0029】
支柱5Sa〜5Sdの夫々における、支柱5Saと支柱5Scとの並び方向、及び、支柱5Sbと支柱5Sdとの並び方向の内方側に位置する対向面部50TMには、後述する梯子ユニット6を嵌合して取り付ける梯子取付部54が形成されている。また、支柱5Sa〜5Sdの夫々における、梯子取付部54よりも支柱5Saと支柱5Sbとの並び方向、及び、支柱5Scと支柱5Sdとの並び方向の内方側には、変形抑制部材7を取り付けるための板状体取付部55が形成されている。
【0030】
第1昇降体4aは、支柱5Sa及び支柱5Scの夫々の梯子取付部54を結ぶ仮想面の走行方向外方側を、第1部分51及び第2部分52に案内されて高さ方向に昇降移動する。第2昇降体4bは、支柱5Sb及び支柱5Sdの夫々の梯子取付部54を結ぶ仮想面の
走行方向外方側を、第1部分51及び第2部分52に案内されて高さ方向に昇降移動する。以降の説明において、支柱5Sa及び支柱5Scの夫々の梯子取付部54を結ぶ仮想面を、第1昇降案内面M1(図1〜3参照)、支柱5Sb及び支柱5Sdの夫々の梯子取付部54を結ぶ仮想面を、第2昇降案内面M2(図1〜3参照)と称する。また、支柱5Sa及び支柱5Sbの夫々の板状体取付部55を結ぶ仮想面を第一側面M3(図3参照)、支柱5Sc及び支柱5Sdの夫々の板状体取付部55を結ぶ仮想面を第二側面M4(図3参照)と称する。すなわち、柱状部が、走行経路の延びる方向(図1〜3におけるX方向)に沿って延在する一対の側面である第一側面M3及び第二側面M4を備えている。
【0031】
梯子ユニット6は、図5に示すように、高さ方向に見て、凹部形成部61M1と凹部形成部61M2とを中間接続部61Gの両面に備えてH型に形成される一対の縦桟61を備えている。縦桟61の凹部形成部61M1に連続する対向部分61a及び61bには、取付用孔部61hが形成され、横桟62における取付用孔部61hに対応する部分に取付用孔部62hが形成されている。そして、横桟62を対向部分61a及び61bの間に挟みこんだ状態で、リベット63を縦桟61の取付用孔部61hを介して横桟62の取付用孔部62hに噛合させることで、図6のように横桟62が縦桟61に固定される。また、横桟62は、図7に示すように、縦桟61の長手方向に離間して、縦桟61に複数取付けられる。高さ方向に隣接する横桟62同士の間隔は、作業者が当該横桟を1段ずつ昇降する際に、作業者が無理のない姿勢で昇降できる程度の間隔(少なくとも500mm未満、好ましくは300mm未満)とする。本実施形態では、270mm程度としている。図8に示すように、梯子ユニット6は、縦桟61の長さの異なる複数の梯子ユニット6A、6B、6Cを備えて構成されている。すなわち、複数の梯子ユニット6の一部が、他の梯子ユニット6に比べて高さ方向に異なる長さとなるように構成されている。
【0032】
縦桟61の凹部形成部61M2に連続するに対向部分61c及び61dは、対向部分61a及び61bよりも、中間接続部61Gからの突出距離が短く形成されている。
図4に示すように、4本の支柱5Sの夫々における梯子取付部54は、梯子ユニット6における対向部分61c及び61dの間に嵌合する嵌合突部54Tを備えている。嵌合突部54Tは、梯子ユニット6の対向部分61cと61dとの間に嵌合可能な寸法に形成されている。
そして、嵌合突部54Tが対向部分61cと61dとで挟み込まれる状態とすることによって梯子ユニット6が支柱5Sに対して走行台車31の走行方向で位置決めされる。梯子ユニット6は、上記のように嵌合突部54Tと対向部分61cと61dとで位置決めされた状態で、ボルト、ナット、及びタッププレートによって、支柱5Saと支柱5Scとの間、及び、支柱5Sbと支柱5Sdとの間に固定される。つまり、一対の支柱5Sの夫々における互いに対向する対向面部50TMに、高さ方向に沿って延在する梯子取付部54が形成され、梯子ユニット6における一対の縦桟61の夫々が、一対の支柱5Sのうちの対応する支柱5Sに形成された梯子取付部と嵌合した状態で、一対の縦桟61が一対の支柱5Sに固定されている。このようにして、第1昇降案内面M1に、当該第1昇降案内面M1に沿って作業者が昇降できるように構成された梯子6aが設けられ、第2昇降案内面M2に、当該第2昇降案内面M2に沿って作業者が昇降できるように構成された梯子6bが設けられる。
【0033】
図8に示すように、梯子ユニット6の一対の縦桟61は、一対の支柱5Sに取り付けた状態において、一対の支柱5Sの夫々における支柱部材5SB1と支柱部材5SB2との接続箇所と、高さ方向で重複する位置に配置されている。つまり、支柱部材5SB1の上端部と、支柱部材5SB2の下端部に亘って、縦桟61が連続して存在することになる。このため、支柱部材5SBを高さ方向に複数接続する構成とした場合に、支柱部材5SBの接続部分を縦桟61にて補強することができる。
【0034】
本実施形態においては、隣接する一対の支柱5Saと支柱5Scを連結する梯子ユニット6、隣接する一対の支柱5Sbと支柱5Sdを連結する梯子ユニット6、隣接する一対の支柱5Saと支柱5Sbを連結する第一変形抑制部材7a、及び、隣接する一対の支柱5Scと支柱5Sdを連結する第二変形抑制部材7bの夫々が、連結部に相当し、複数の梯子ユニット6(梯子ユニット6A〜梯子ユニット6C)が梯子兼用連結部に相当する。なお、以後の説明において、第一変形抑制部材7aと第二変形抑制部材7bとをまとめて変形抑制部材7と称する。
すなわち、柱状部が、当該柱状部の側面の角部の夫々に配置された複数の支柱5Sと、当該複数の支柱5Sのうち隣接する支柱5S同士を連結する連結部とを備えて構成され、柱状部の第1昇降案内面M1及び第2昇降案内面M2における連結部が、作業者が昇降することができる梯子部を兼ねる梯子兼用連結部として構成されている。そして、梯子兼用連結部は、高さ方向に沿って延在すると共に一対の支柱5S(支柱5Saと支柱5Sc、又は、支柱5Sbと支柱5Sd)のうちの対応する支柱5Sにそれぞれ固定される一対の縦桟61と、一対の縦桟61の間を高さ方向の複数箇所で連結する複数の横桟62と、を備えた梯子ユニット6を用いて構成されている。また、梯子兼用連結部は、一対の支柱5Sの高さ方向に複数の梯子ユニット6を並べて構成されている。
【0035】
そして、一対の昇降体4のうち一方が故障し、高所にて停止した場合等には、故障していない他方の昇降体4を昇降下限位置に下降させる。図2には、第1昇降体4aが故障し他場合を示している。このとき、故障していない第2昇降体4bを上昇位置(点線で示す)から昇降下限位置(実線で示す)に下降させ、作業者が、第2昇降案内面M2側の梯子を昇降する。これにより、作業者は、上方に昇降体4の存在しない安全な状態で梯子を昇降することができる。
【0036】
また、図3及び図8に示すように、4本の支柱5Sによって形成される柱状部の側面(第1昇降案内面M1、第2昇降案内面M2、第一側面M3、第二側面M4)よりも内側に、4本の支柱5Sを一体的に連結する連結体8が設けられている。連結体8は、長手方向が走行方向に沿う姿勢で支柱5Saと支柱5Sbとの間を連結する第1連結部材81aと、長手方向が走行方向に沿う姿勢で支柱5Scと支柱5Sdとの間を接続する第2連結部材81bとを備えている。第1連結部材81aは第一側面M3に近接する位置に設けられ、支柱5Sa及び支柱5Sbの夫々に接続部材を介してボルト固定された状態で連結される。また、第2連結部材81bは第二側面M4に近接する位置に設けられ、支柱5Sc及び支柱5Sdの夫々に接続部材を介してボルト固定された状態で連結される。また、第1連結部材81a及び第2連結部材81bの走行方向中央部分にて、第1連結部材81aと第2連結部材81bとを、走行方向に沿って並ぶ2本の相互連結部材82a、82bにて連結している。第1連結部材81aと2本の相互連結部材82a、82bの夫々、及び、第2連結部材81bと2本の相互連結部材82a、82bの夫々は、連結固定部材83に夫々溶接固定されている。このため、連結体8における第1連結部材81a、第2連結部材81b、及び相互連結部材82a、82bは全体として強固に固定される。よって、連結体8を介して相互に連結される支柱5Sa、支柱5Sb、支柱5Sc、支柱5Sdの夫々の高さ方向視での相対位置関係を維持することができる。
【0037】
連結体8は、上述したように、第1連結部材81aが第一側面M3に近接する位置に設けられ、第2連結部材81bが第二側面M4に近接する位置に設けられており、相互連結部材82a、82bは第1連結部材81a及び第2連結部材81bの長手方向の中央部分に位置しているため、連結体8を構成する部材は、走行方向(図3のX方向)における横桟62の内側に隣接する部分には存在しない。また、連結体8を構成する部材は、横桟62の長手方向(図3のY方向)においては両端部分に偏在しているため横桟62の長手方向中央部分には存在しない。なお、横桟62の内側に隣接する領域である横桟周辺領域は、高さ方向には、横桟62の上端面から当該横桟62の上方側に隣接する横桟62の存在
高さまでの領域としている。したがって、本実施形態では、高さ方向に並ぶ全ての横桟62についての横桟周辺領域が連続しており、横桟62の存在する高さ方向に連続する領域となっている。すなわち、連結体8は、横桟62の内側に隣接する領域であって横桟62の上端面から予め定められた高さまでの領域である横桟周辺領域と重複しないように配置されている。
【0038】
図3及び図10に示すように、支柱5Saと支柱5Sbとの間には、昇降案内マスト5に対して走行台車31の走行方向(X方向)に沿って作用する力である走行方向荷重による第一側面M3の変形を抑制する板状の第一変形抑制部材7aが、第一側面M3に平行に設けられている。
また、支柱5Scと支柱5Sdとの間には、上記走行方向荷重による第二側面M4の変形を抑制する板状の第二変形抑制部材7bが、第二側面M4に平行に設けられている。
【0039】
図11に示すように、第一変形抑制部材7a及び第二変形抑制部材7bは、第1側面及び第2側面に沿って延在する板状体70とを備えている。板状体70の走行方向の両側には、高さ方向に沿って延在する一対の側縁部70Sが設けられ、一対の側縁部70Sの夫々には、当該一対の側縁部70Sの夫々を一対の支柱5S(支柱5Saと支柱5Sb、又は支柱5Scと支柱5Sd)のうちの対応する支柱に固定する固定部73を備えている。板状体70は、図11に示すように、平板状部70Hから当該板状体70の厚さ方向に突出した部分が当該板状体70の板面に沿って帯状に延在する突条部70Tを備えている。図12は、図11におけるXII−XII方向矢視断面図である。突条部70Tは、一対の支柱5S(支柱5Saと支柱5Sb、又は支柱5Scと支柱5Sd)の一方と他方との互いに異なる高さの箇所の間を交互に結んで蛇行する折れ線状に配置されている。また、板状体70は、突条部70Tが存在しない領域である非存在領域に、当該板状体70を厚さ方向に貫通する開口を形成する開口形成部70Kが形成されている。また、板状体70は、一対の支柱5Sの高さ方向に複数の板状体70(本実施形態では、板状体70A〜70Dの4つ)を並べて構成されている。
【0040】
続いて、走行台車31の走行方向に沿って並ぶ一対の支柱5Sの夫々への板状体70の取付け構造について説明する。なお、ここでは、支柱5Saと支柱5Sbとの間を連結する第一変形抑制部材7aについて説明するが、支柱5Scと支柱5Sdとの間を連結する第二変形抑制部材7bについても同様であるので、第二変形抑制部材7bの取付方法については説明を省略する。
【0041】
図13に示すように、板状体70の一対の側縁部70Sの夫々は、走行台車31の走行方向に直交する面に沿って延在する一対の端面70Eを備えている。図4及び図13に示すように、一対の支柱5Sのうちの一方である支柱5Saは、高さ方向に沿って延在して板状体70の端面70Eのうちの一方(端面70Ea)と当接する第1当接面55Taを備えている。また、一対の支柱5Sのうちの他方である支柱5Sbは、高さ方向に沿って延在して板状体70の端面70Eのうちの他方(端面70Eb)と当接する第2当接面55Tbを備えている。
【0042】
また、支柱5Saは、側縁部70Sにおける厚さ方向の一方側である厚さ第1方向Yb側の面である側縁第1面70Saに当接する第1側縁部当接面55Saを備え、かつ、第1側縁部当接面55Saから厚さ第1方向Yb側とは反対側である厚さ第2方向Ya側に突出する第1当接面形成部55TKaに第1当接面55Taが形成され、さらに、第1側縁部当接面55Saにおける第1当接面形成部55TKaよりも支柱5Sb側に、支柱5Sb側に向かうに従って厚さ第2方向Ya側へ向う方向に傾斜する第1傾斜面55Kaが、高さ方向に沿って延在するように形成されている。
【0043】
支柱5Sbは、側縁部70Sにおける厚さ第1方向Yb側の面である側縁第2面70Sbに当接する第2側縁部当接面55Sbを備え、かつ、第2側縁部当接面55Sbから厚さ第2方向Ya側に突出する第2当接面形成部55TKbに第2当接面55Tbが形成され、さらに、第2側縁部当接面55Sbにおける第2当接面形成部55TKbよりも支柱5Sa側に、支柱5Sa側に向かうに従って厚さ第2方向Ya側へ向う方向に傾斜する第2傾斜面55Kbが、高さ方向に沿って延在するように形成されている。
【0044】
板状体70には、側縁第1面70Saから連続し、高さ方向視で端面70Eb側に向かうに従って厚さ第2方向Ya側へ向う方向に傾斜する板状体第1傾斜面70Kaと、側縁第2面70Sbから連続し、高さ方向視で端面70Ea側に向かうに従って厚さ第2方向Ya側へ向う方向に傾斜する板状体第2傾斜面70Kbとが形成されている。
したがって、板状体70の端面70Eaを支柱5Saの第1当接面55Taに当接させた状態において、板状体70の側縁第1面70Saが支柱5Saの第1側縁部当接面55Saと当接するとともに、板状体70の板状体第1傾斜面70Kaが支柱5Saの第1傾斜面55Kaに当接する状態となる。この為、板状体70を支柱5Saに取り付けた際、板状体70の支柱5Saに対する走行台車31の走行方向での位置ずれを抑制することができる。また、板状体70の端面70Ebを支柱5Sbの第2当接面55Tbに当接させた状態において、板状体70の側縁第2面70Sbが支柱5Sbの第2側縁部当接面55Sbと当接するとともに、板状体70の板状体第2傾斜面70Kbが支柱5Sbの第2傾斜面55Kbに当接する状態となる。この為、板状体70を支柱5Sbに取り付けた際、板状体70の支柱5Sbに対する走行台車31の走行方向での位置ずれを抑制することができる。この取付構造は、支柱5Sc及び支柱5Sdについても同様である。つまり、板状体70は、支柱5Saと支柱5Sb、又は、支柱5Scと支柱5Sdの夫々に、走行台車31の走行方向での位置ずれを抑制した状態で取り付けることができる。
【0045】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、昇降案内面を形成する一対の支柱5Sの間を接続する複数の連結部材の全部を梯子の横桟62とする構成を説明したが、上下方向に複数備えられる連結部材のうちの一部(例えば、昇降案内マストの下端や上端等で、梯子を備える必要がない部分)に横桟62を備えない構成としてもよい。その場合、例えば、昇降案内マスト5の下端部分及び上端部分は横桟62ではなく板状の枠体としたり、横桟62を梯子としての適正な間隔よりも大きな間隔(例えば、500mm以上)を隔てて設ける構成としてもよい。
【0046】
(2)上記実施形態では、昇降案内マスト5を、四角形状の外形を有する柱状部を備えて構成し、昇降体4として、第1昇降案内面M1に沿って昇降移動する第1昇降体4aと、第2昇降案内面M2に沿って昇降移動する第2昇降体4bとを備え、第1昇降案内面M1と第2昇降案内面M2とを、柱状部における対向する側面とし、第1昇降案内面M1と第2昇降案内面M2との夫々を構成する一対の支柱5Sの間に梯子ユニット6を取り付ける構成としたが、柱状部の1つの側面のみを昇降体4の昇降案内面Mとし、当該昇降案内面Mとは逆側の側面を構成する一対の支柱5Sの間に梯子ユニット6を取り付ける構成としてもよい。
【0047】
(3)上記実施形態では、梯子兼用連結部を、一対の支柱5Sの高さ方向に3つの梯子ユニット(梯子ユニット6A、6B、6C)を並べて構成する例を示したが、複数の梯子ユニットとして2つまたは4つ以上の梯子ユニットを並べて梯子兼用連結部を構成してもよい。また、梯子兼用連結部を単一の梯子ユニットで構成してもよい。
また、本実施形態では、3つの梯子ユニット6A、6B、6Cの全てを、縦桟61の長さが異なる梯子ユニットとするように構成したが、複数の梯子ユニットにおける縦桟61の長さをすべて同じ長さとしたり、複数の梯子ユニットのうちの一部の梯子ユニットにお
ける縦桟61の長さを同じ長さとしてもよい
【0048】
(4)上記実施形態では、複数の支柱5Sを一体的に連結する連結体8を、横桟62の内側に隣接する領域に設ける構成を記載したが、連結体8を設けない構成としてもよい。また、上記実施形態では、連結体8を、第1連結部材81a、第2連結部材81b、及び相互連結部材82a、82bを用いて形成する構成を説明したが、連結体8を、単一の部材から形成(例えば削り出し形成等)する構成としてもよい。さらに、上記実施形態では、連結体8の上面の高さを梯子の横桟62の上面の高さに揃えた位置とする構成としたが、連結体8の上面の高さが梯子の横桟62の上面の高さよりも高い位置となる構成でもよい。
【0049】
(5)上記実施形態では、一対の支柱5Sの夫々(支柱5Saと支柱5Sc、又は支柱5Sbと支柱5Sd)における互いに対向する平面状の対向面部50TMに、高さ方向に沿って延在する梯子取付部54が形成される構成を説明したが、対向面部50TMは、平面に限らず、高さ方向視で曲面となるように構成してもよい。
【0050】
(6)上記実施形態では、昇降案内マスト5が走行経路を走行する走行台車31に固定される構成を説明したが、昇降案内マスト5が床面に固定された搬送装置としてもよい。また、昇降案内マスト5が、天井に支持された上部レールを走行する天井走行台車から吊り下げ状態で設けられる構成としてもよい。
【0051】
(7)上記実施形態では、走行経路の延びる方向に沿って延在する側面である第一側面M3に設けられる第一変形抑制部材7aと、第一側面に対向し、走行経路の延びる方向に沿って延在する側面である第二側面M4に設けられる第二変形抑制部材7bとを、斜行する突条部70Tを備えた板状体70で構成する例を示したが、このような構成に限定されるものではなく、第一変形抑制部材7a及び第二変形抑制部材7bの夫々を、一対の支柱5Sの一方と他方との互いに異なる高さの箇所の間を交互に結ぶ複数の棒状の斜材で構成してもよい。
【符号の説明】
【0052】
4 昇降体
5 昇降案内マスト
5S 支柱
6 梯子ユニット
7 変形抑制部材
8 連結体
31 走行台車
50TM 対向面部
54 梯子取付部
61 縦桟
62 横桟
M 昇降案内面
M3 第一側面
M4 第二側面
S 収納部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13