特許第6579193号(P6579193)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6579193プリントヘッドアセンブリおよび流体相互接続システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579193
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】プリントヘッドアセンブリおよび流体相互接続システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20190912BHJP
【FI】
   B41J2/175 153
   B41J2/175 119
   B41J2/175 113
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-513578(P2017-513578)
(86)(22)【出願日】2015年9月8日
(65)【公表番号】特表2017-526562(P2017-526562A)
(43)【公表日】2017年9月14日
(86)【国際出願番号】JP2015004559
(87)【国際公開番号】WO2016038885
(87)【国際公開日】20160317
【審査請求日】2018年6月7日
(31)【優先権主張番号】14/485,262
(32)【優先日】2014年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】コンプリン・スティーブン アール.
【審査官】 小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−046607(JP,A)
【文献】 特開2007−301780(JP,A)
【文献】 特開平09−164698(JP,A)
【文献】 特開平10−244686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバを備えているカートリッジ本体と、
液体充填孔と流出ポートとを備えているブラダーであって、前記カートリッジ本体の前記チャンバ内に設けられ、液体を受けて収容するように設けられているブラダーと、
前記カートリッジ本体の前記チャンバの上に設けられている蓋と、
液体相互接続システムと、を備え、
前記液体相互接続システムは、
注入ポートと液体出口とを備えている嵌合部品であって、前記注入ポートは液体相互コネクタを支持するように構成されており、前記液体出口は前記カートリッジ本体と係合するように構成されていることにより、前記液体出口は前記ブラダーの液体充填孔と揃って、液体を前記ブラダー内に送る嵌合部品と、
前記カートリッジ本体に設けられ、前記ブラダーと流体連通して、前記ブラダーから液体を受けて前記液体を印刷媒体上に吐出するプリントヘッドチップと、を備え
前記カートリッジ本体は、前記嵌合部品と係合するように構成されている開口部を有している
プリントヘッドアセンブリ。
【請求項2】
前記嵌合部品は、前記カートリッジ本体の前記開口部と係合するように構成されている溝を有している
請求項に記載のプリントヘッドアセンブリ。
【請求項3】
チャンバを備えているカートリッジ本体と、
液体充填孔と流出ポートとを備えているブラダーであって、前記カートリッジ本体の前記チャンバ内に設けられ、液体を受けて収容するように設けられているブラダーと、
前記カートリッジ本体の前記チャンバの上に設けられている蓋と、
液体相互接続システムと、を備え、
前記液体相互接続システムは、
注入ポートと液体出口とを備えている嵌合部品であって、前記注入ポートは液体相互コネクタを支持するように構成されており、前記液体出口は前記カートリッジ本体と係合するように構成されていることにより、前記液体出口は前記ブラダーの液体充填孔と揃って、液体を前記ブラダー内に送る嵌合部品と、
前記カートリッジ本体に設けられ、前記ブラダーと流体連通して、前記ブラダーから液体を受けて前記液体を印刷媒体上に吐出するプリントヘッドチップと、を備え、
前記液体相互接続システムは、
前記液体充填孔と揃って、前記液体を前記ブラダー内へと放出する針と、
外部液体供給部に接続するように構成されている外部液体接続部と、
前記外部液体接続部に接続されているインターロックであって、前記嵌合部品と解除可能に接続するように構成されている、インターロックと、を備えている
リントヘッドアセンブリ。
【請求項4】
前記外部液体接続部の前記インターロックは、前記嵌合部品と回転可能に係合して、前記嵌合部品と接続または分離するねじナットを備えている
請求項に記載のプリントヘッドアセンブリ。
【請求項5】
チャンバを備えているカートリッジ本体と、
液体充填孔と流出ポートとを備えているブラダーであって、前記カートリッジ本体の前記チャンバ内に設けられ、液体を受けて収容するように設けられているブラダーと、
前記カートリッジ本体の前記チャンバの上に設けられている蓋と、
液体相互接続システムと、を備え、
前記液体相互接続システムは、
注入ポートと液体出口とを備えている嵌合部品であって、前記注入ポートは液体相互コネクタを支持するように構成されており、前記液体出口は前記カートリッジ本体と係合するように構成されていることにより、前記液体出口は前記ブラダーの液体充填孔と揃って、液体を前記ブラダー内に送る嵌合部品と、
前記カートリッジ本体に設けられ、前記ブラダーと流体連通して、前記ブラダーから液体を受けて前記液体を印刷媒体上に吐出するプリントヘッドチップと、を備え、
前記ブラダーは、
空洞と可撓性側壁とを備えている枠部材と、
該枠部材の空洞と前記可撓性側壁との間に設けられたばね部材であって、前記枠部材の空洞および前記側壁と係合して、前記可撓性側壁を前記枠部材から離れる方向に付勢して、前記ブラダー内で真空圧を形成させる、ばね部材と、を備えている
リントヘッドアセンブリ。
【請求項6】
さらに、前記可撓性側壁と前記ばね部材との間に設けられて、前記可撓性側壁をばねによる穿刺から保護するように構成されているばねガードを備えている
請求項に記載のプリントヘッドアセンブリ。
【請求項7】
前記ブラダーは、前記液体充填孔内に、隔壁と、ボールと、ボールばねと、を備えている
請求項に記載のプリントヘッドアセンブリ。
【請求項8】
チャンバを備えているカートリッジ本体と、
液体充填孔と流出ポートとを備えているブラダーであって、前記カートリッジ本体の前記チャンバ内に設けられ、液体を受けて収容するように設けられているブラダーと、
前記カートリッジ本体の前記チャンバの上に設けられている蓋と、
液体相互接続システムと、を備え、
前記液体相互接続システムは、
注入ポートと液体出口とを備えている嵌合部品であって、前記注入ポートは液体相互コネクタを支持するように構成されており、前記液体出口は前記カートリッジ本体と係合するように構成されていることにより、前記液体出口は前記ブラダーの液体充填孔と揃って、液体を前記ブラダー内に送る嵌合部品と、
前記カートリッジ本体に設けられ、前記ブラダーと流体連通して、前記ブラダーから液体を受けて前記液体を印刷媒体上に吐出するプリントヘッドチップと、を備え、
前記液体相互コネクタは、前記カートリッジ本体内で隔壁に接続するように構成されているチューブである
リントヘッドアセンブリ。
【請求項9】
前記チューブには、前記ブラダーに流入する液体の流れを調節するためのバルブが含まれている
請求項に記載のプリントヘッドアセンブリ。
【請求項10】
前記液体相互接続システムは、前記嵌合部品内に少なくとも部分的に延びる接続チューブを含んでおり、前記接続チューブは前記チューブと接続するように構成されている
請求項に記載のプリントヘッドアセンブリ。
【請求項11】
前記ブラダーの液体充填孔と前記流出ポートは、互いに対して相対的に90度に向けられている
請求項に記載のプリントヘッドアセンブリ。
【請求項12】
前記嵌合部品は、前記ブラダーの前記枠部材と一体形成されている
請求項に記載のプリントヘッドアセンブリ。
【請求項13】
注入ポートと液体出口とを備えている嵌合部品を備えている流体相互接続システムであって、
前記注入ポートは相互コネクタを支持するように構成されており、前記液体出口はプリントカートリッジと係合するように構成されているので、液体が液体供給源から、前記相互コネクタおよび前記注入ポートを通って流れ、前記液体出口から前記プリントカートリッジ内へと流入し、
前記相互コネクタは、前記プリントカートリッジ内で隔壁に接続するように構成されたチューブである
流体相互接続システム。
【請求項14】
前記嵌合部品は、前記プリントカートリッジから取り外されるように構成されていることにより、別の嵌合部品と交換できる
請求項13に記載の流体相互接続システム。
【請求項15】
前記注入ポートは、前記プリントカートリッジから外向きに突き出しており、前記相互コネクタと同心的に係合するようにされており、
前記液体出口は、前記プリントカートリッジ内に内向きに延びている
請求項13に記載の流体相互接続システム。
【請求項16】
前記チューブには、前記プリントカートリッジに流入する流体の流れを制御するためのバルブが含まれている
請求項13に記載の流体相互接続システム。
【請求項17】
さらに、前記嵌合部品内に少なくとも部分的に延びる接続チューブを備えており、前記接続チューブは前記チューブと接続するように構成されている
請求項13に記載の流体相互接続システム。
【請求項18】
注入ポートと液体出口とを備えている嵌合部品を備えている流体相互接続システムであって、
前記注入ポートは相互コネクタを支持するように構成されており、前記液体出口はプリントカートリッジと係合するように構成されているので、液体が液体供給源から、前記相互コネクタおよび前記注入ポートを通って流れ、前記液体出口から前記プリントカートリッジ内へと流入し、
記相互コネクタは、
前記液体を前記プリントカートリッジ内に放出する針と、
外部流体供給部に接続するように構成されている外部流体接続部と、を備えている
体相互接続システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くはインクジェットプリンタに関し、より具体的にはプリントカートリッジと外部流体供給部との間の流体相互嵌合機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なインクジェットプリンタには、プリントヘッドおよびキャリアが含まれる。インクジェットプリントヘッドには、プリントヘッド本体、ノズルおよびそれに対応するインク吐出アクチュエータが含まれ得る。これらのアクチュエータは、インクをノズルから印刷媒体上に、画像領域内の選択されたインクドット位置で吐出させる。キャリアはプリントヘッドを媒体に対して相対的に移動させ、その間に選択されたピクセル位置へとインクドットが噴出される。
【0003】
一般的なタイプのインクジェットプリンタでは、交換可能なプリントカートリッジが使用されており、該プリントカートリッジには、プリントヘッドと、該プリントカートリッジ内に収容されるインクとが収容され得る。プリントカートリッジは詰替え式ではないので、初回のインクが切れるとそのプリントカートリッジを廃棄して、走査式キャリッジ内に新しいプリントカートリッジを取り付ける。このタイプのプリントカートリッジの槽は通常小容量の液体で、場合によってはわずか10mLしかないので、頻繁に交換しなければならないこともある。
【0004】
より高価なビジネスグレードのプリンタは、プリントヘッド上で次第に大きくなるインクタンクを使用するが、印刷走査幅および/もしくは高さ、ならびに/または、プリントヘッドの動作速度が増すと、液体の体積により大きな質量と慣性がプリントヘッドに加わることになり、印刷精度が低下してしまうことから、プリントヘッドと一体のタンクを有することは結局は実用的でなくなる。さらに、プリントヘッドにインクタンクがあると、通常は交換時に、実行中のジョブをすべて中止することを必ず必要とするリプライミングおよびアラインメントチェックが必要になる。
【0005】
この問題を克服するために、プリントカートリッジに接続された静置式の外部流体供給部を提供することが知られている。米国特許第5,980,032号明細書、同第5,751,319号明細書、同第8,371,682号明細書および同第6,843,558号明細書などにその例が開示されている。インクは、必要に応じて外部流体供給部から流体接続部を通ってプリントカートリッジへと流入する。外部流体配送システムは、非常に大きなもしくは高価な印刷タスクを中断することなく詰替え可能であるかまたは再準備可能である。
【0006】
ところが、外部流体配送システムにはいくつか欠点がある。既存の外部流体配送システムは、カスタマイズできない。このようなシステムのプリントヘッドアセンブリは、通常インクと一緒に販売されており、そのシステムでのみ使用されるように設計されている。したがって、既存のシステムは多目的用途では汎用性に欠ける。既存の外部流体配送システムの他の欠点としては、プリントカートリッジ内のインク圧力の変動が望ましくない、プリントカートリッジと外部インク供給部間の流体封止が複雑かつ当てにならない、プリントカートリッジから外部インク供給部まで流体接続の位置揃え工程が難しい、外部インク供給部をプリントカートリッジに接続するためプリンタのサイズが大きくなる、インク配送システム内の詰まり、プリントカートリッジにつながるチューブ内に空気が溜まる、インク漏れ、高コスト、および複雑さが挙げられる。
【0007】
さらなる短所は、現行の外部流体配送システム、具体的にはプリントヘッドアセンブリは、複雑な組立ておよび製造工程を必要とすることである。これらのパーツは組立てラインでの占有面積を大きくとる場合があるので、通常は製造工程を完了するのに追加のツールやコストを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5980032号明細書
【特許文献2】米国特許第5751319号明細書
【特許文献3】米国特許第8371682号明細書
【特許文献4】米国特許第6843558号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、流体相互嵌合機構を有するプリントカートリッジを提供することであり、該流体相互嵌合機構によって該プリントカートリッジを外部流体配送システムにさらに便利にカスタマイズして接続できる。
【0010】
プリントカートリッジは、ガイド付き嵌合部品に対応するように設計されている。嵌合部品は、組立て工程の後半にプリントカートリッジに接続されるように設計されているので、製造上の複雑さが低減され、利便性とカスタマイズ能力が増大する。流体相互コネクタは、その一端を嵌合部品に、他端を外部流体供給部に接続する。インクなどの流体が、外部インク供給部から流体相互コネクタおよび嵌合部品を通過してプリントカートリッジ内へと運ばれる。
【0011】
嵌合部品は、堅牢で、プリントカートリッジの諸部品と噛み合うように設計されており、外部流体供給部との位置揃えが容易で、しっかりと接続でき、ユーザーにとって容易な脱着オプションがある。嵌合部品は他の類似のシステムと交換可能なので、印刷システムは汎用性を保ちながら、ユーザーの様々なタイプの印刷タスクのニーズに応えることができる。嵌合部品は、外部流体の粘性に応じて、あるいはユーザーが別の流体流を望む場合などに、交換可能である。さらに、取外し可能な嵌合部品のおかげで、ユーザーは、インク配送システム内の詰まり、空気の蓄積および漏れを容易に診断することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一例示的実施形態によると、プリントヘッドアセンブリが開示され、該プリントヘッドアセンブリは、チャンバを備えたカートリッジ本体と、ブラダーと、該カートリッジ本体の該チャンバの上に設けられた蓋と、液体相互接続システムと、プリントヘッドチップとを備えている。ブラダーは、液体充填孔と流出ポートとを備えており、カートリッジ本体のチャンバ内に設けられて、液体を受けて収容するように設けられている。プリントヘッドチップはカートリッジ本体に設けられ、ブラダーと流体連通してブラダーから液体を受けて印刷媒体上に吐出する。液体相互接続システムは、注入ポートと液体出口とを含む嵌合部品を備えている。注入ポートは液体相互コネクタを支持するように構成されており、液体出口はカートリッジ本体と係合するように構成されているので、液体出口はブラダーの液体充填孔と揃って液体をブラダー内に移動させる。
【0013】
例示的実施形態では、嵌合部品は、カートリッジ本体の開口部と係合するように構成された溝を有する。
【0014】
例示的実施形態では、液体相互接続システムはさらに、充填孔と揃って液体をブラダー内へと放出する針と、外部流体供給部に接続するように構成されている外部液体接続部と、外部液体接続部に接続されたインターロックとを備え、インターロックは嵌合部品と解除可能に接続するように構成されている。
【0015】
例示的実施形態では、外部液体接続部のインターロックは、回転して嵌合部品と係合して、嵌合部品と接続および分離する、ねじナットを備えている。
【0016】
例示的実施形態では、ブラダーは、枠部材を備え、該枠部材は、空洞と、可撓性側壁と、該枠部材の空洞と該可撓性側壁の間に設けられたばね部材とを備えている。ばね部材は、枠部材の空洞および可撓性側壁と係合して、可撓性側壁を枠部材から離れる方向に付勢して、ブラダー内で真空圧を形成させる。
【0017】
例示的実施形態では、プリントヘッドアセンブリはさらに、可撓性側壁とばね部材の間に設けられて、可撓性側壁をばねによる穿刺から保護する、ばねガードを備えている。
【0018】
例示的実施形態では、ブラダーは、液体充填孔内に、隔壁と、ボールと、ボールばねとを備えている。
【0019】
例示的実施形態では、液体相互接続システムは、カートリッジ本体内で隔壁に接続するように構成されたチューブである。
【0020】
例示的実施形態では、チューブには、ブラダーに流入する液体流を調節するためのバルブが含まれる。
【0021】
例示的実施形態では、液体相互接続システムは、嵌合部品内に少なくとも部分的に延びる接続チューブを含み、該接続チューブはチューブと接続するように構成されている。
【0022】
例示的実施形態では、ブラダーの充填孔と流出ポートとは、互いに対して相対的に90度に向けられている。
【0023】
例示的実施形態では、嵌合部品は、ブラダーの枠部材と一体形成されている。
【0024】
例示的実施形態では、流体相互接続システムは、注入ポートと流体出口とを含む嵌合部品を備えている。注入ポートは流体相互コネクタを支持するように構成されており、流体出口はカートリッジ本体と係合するように構成されているので、流体出口はブラダーの流体充填孔と揃って流体をブラダー内に移動させる。
【0025】
例示的実施形態では、嵌合部品は、カートリッジ本体から取り外されるように構成されているので、別の嵌合部品と交換できる。
【0026】
例示的実施形態では、注入ポートは、カートリッジ本体から外向きに突き出しており、外部流体相互コネクタと面一かつ同心的に係合するようにされており、流体出口は、カートリッジ本体内に内向きに延びており、充填孔と同心に揃って流体を流体ブラダー内に移動させるようにされている。
【0027】
例示的実施形態では、流体相互接続部は、カートリッジ本体内で隔壁に接続するように構成されたチューブである。
【0028】
例示的実施形態では、チューブには、ブラダーに流入する流体の流れを制御するためのバルブが含まれる。
【0029】
例示的実施形態では、流体相互コネクタシステムはさらに、嵌合部品内に少なくとも部分的に延びる接続チューブを備え、該接続チューブはチューブと接続するように構成されている。
【0030】
例示的実施形態では、流体相互接続部は、流体充填孔と揃って流体をブラダー内へと放出する針と、外部液体供給部に接続するように構成されている外部流体接続部とを備えている。
【0031】
本発明のこれらのおよびその他の特徴および利点は、以下の様々な例示的実施形態の詳細な説明、添付図面および付属の各請求項から容易に明らかになる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によるプリントヘッドアセンブリは、流体相互嵌合機構を有するプリントカートリッジを提供することができ、該流体相互嵌合機構によって該プリントカートリッジを外部流体配送システムにさらに便利にカスタマイズして接続できる。
【0033】
上述した本発明の概要ならびに以下の本発明の例示的実施形態の詳細な説明は、添付図面と照らし合わせて読むことでさらに完全に理解される。図面全体で、類似の要素を表すのに類似の番号を付与している。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一例示的実施形態によるプリントカートリッジアセンブリの分解斜視図である。
図2図1のプリントカートリッジアセンブリの斜視図である。
図3図1のプリントカートリッジアセンブリの一部分の詳細断面図である。
図4】本発明の一例示的実施形態による図1のプリントカートリッジアセンブリと一緒に使用されるインクブラダーの分解図である。
図5】本発明の一例示的実施形態による図1のプリントカートリッジアセンブリと一緒に使用される嵌合部品の詳細図である。
図6図1のプリントカートリッジアセンブリと一緒に組み立てられた図5の嵌合部品の斜視図である。
図7図6に示すアセンブリの断面図である。
図8】本発明の一例示的実施形態による図1のプリントカートリッジアセンブリと一緒に使用される流体相互コネクタの斜視図である。
図9図1のプリントカートリッジアセンブリおよび図6の嵌合部品と接続した流体相互コネクタの斜視図である。
図10図9に示す流体相互コネクタアセンブリの代替実施形態の斜視図である。
図11A】捩じりロックナットを取り外した状態の、図10と同様の斜視図である。
図11B図11Aで特定した領域の詳細図である。
図12図10に示す実施形態の断面図である。
図13】本発明の一例示的実施形態によるインクジェット印刷システムの斜視図である。
図14】本発明の別の例示的実施形態によるプリントカートリッジアセンブリの概略図である。
図15】本発明の別の例示的実施形態によるプリントカートリッジアセンブリの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の例示的実施形態では、プリントカートリッジを外部流体配送システムに接続することを可能にするガイド付き嵌合部品による流体相互接続が提供される。この流体相互接続により、製造上の複雑さが低減され、カスタマイズが可能になる。
【0036】
本明細書で使用する見出し項目は、構成上の目的しかなく、明細書または請求項の範囲を限定するために使用するものではない。本出願全体で使用する「してもよい」および「できる」という言葉は、強制(つまり「ねばならぬ」)の意味ではなく、許容(つまり「可能性がある」)の意味で使用している。同様に、「含む」および「含んでいる」という言葉は、何かを含むが限定的ではないことを意味する。理解しやすいように、可能な場合は、諸図に共通する類似の要素を表すのに類似の番号を付与している。
【0037】
まず図1図2を参照すると、本発明の一例示的実施形態によるプリントカートリッジには、プリントヘッドアセンブリ1と、インクカートリッジ本体10と、チャンバ20と、フィルター30と、フィルターキャップ40と、ガスケット50と、蓋60と、インクブラダー70とが含まれる。本明細書でさらに説明するが、嵌合部品80と開口部15も図示されている。図ではインクブラダー70を1つしか示していないが、複数のインクブラダー70および/または他のタイプのインク容器を備えて1種以上のカラーインクを収容することもできることを理解されたい。インクブラダー70はチャンバ20内に取り付けられ、インクをプリントヘッドアセンブリ1の他の部分に配送するための流出ポート71を含んでいる。本明細書でさらに説明するが、流出ポート71は、プリントヘッドアセンブリ1の別の部分と連結するためのリップやエクステンションなどのインターフェース構造を含む場合がある。
【0038】
インクカートリッジ本体10には、インクを用紙またはその他の物などの印刷媒体に配送するための複数のノズルを含むプリントヘッドチップ11が取り付けられている。実施形態では、ノズルは、プリントヘッドチップ11とは別の構造物に取り付けられる場合もある。インクは、インクブラダー70の流出ポート71から、インクカートリッジ本体10の下側部分のチャネル内を流れる。インクは次に、インクカートリッジ本体10内をプリントヘッドチップ11のマニフォールドへと流れ、そこからノズルへと引かれて印刷媒体上に吐出される。
【0039】
次に図3を参照すると、インクカートリッジ本体10の下側部分には内部空洞がタワー13として含まれている。タワー13は、印刷用インクを受けるための、任意の適切なエクステンション、構造物、ポートまたはインターフェースを含み得る。図示のように、タワー13は、インクが通って流れ得る1つ以上の開口部14を有する、立ち上がった管状エクステンションすなわち立て管を含み得る。当業者には自明であるが、他のタワー構成も可能である。
【0040】
フィルターキャップ40はタワー13と係合し、具体的には、タワー13の直立した外側周壁に溶接その他により取り付けられ得る。フィルターキャップ40には、インクカートリッジ本体10とインクブラダー70の間に通路を提供するコンジットまたはガイド部品が含まれる。図示の例示的実施形態では、フィルターキャップ40には内部通路41が含まれ、ここを通ってインクが提供される。内部通路41は先細構成を有し、インクブラダー70側の端部は小径上側通路部分42、インクカートリッジ本体10に近いほうの端部は大径下側通路部分43となっている。フィルターキャップ40は、たとえばナイロンなどのポリアミド、PET、Norylなどの高分子材料で作製され得る。実施形態では、フィルターキャップ40は、タワー13、インクカートリッジ本体10およびインクブラダー70に対する耐流体性封止を提供できる追加のまたは代替の材料で形成され得る。
【0041】
フィルターキャップ40の上側通路部分42は、対応するインクブラダー70の流出ポート71と係合して、インクをインクブラダー70からフィルターキャップ40の内部通路41へと流入させる。ガスケット50がフィルターキャップ40に隣接して設けられて、フィルターキャップ40とインクブラダー70間の封止を補助している。この意味で、ガスケット50は上側通路部分42と係合して流体封止を生成し、流体および蒸発ロスを制御し、空気が当該システムに入るのを防ぐので、背圧を維持することができる。ガスケット50は、適切なエラストマー材、または他の良好な封止特性のある材料で作製され得る。実施形態では、別のまたは補助的なタイプの封止部材が使用され得る。
【0042】
フィルター30はタワー13内に設けられて、プリントヘッドチップ11(図1)に接近するインクの汚染物質を濾過する。フィルター30はまた、毛管機能も提供でき、必要に応じてインクを通過させるが、空気がプリントヘッドチップ11に入ることは阻止する。フィルター30は、金属織物、高分子織物、または他のメッシュ、スクリーン、または織物材料で作製され得る。たとえば、ステンレス鋼dutch twillまたはステンレス鋼織物材料を使ってフィルター30を形成することができる。フィルター30は、インクカートリッジ本体10内に設けられる場合もあるし、別の例では、インクカートリッジ本体10内に熱かしめされる場合もある。
【0043】
図1および図2に戻ると、蓋60は、これを通って流体が浸透する蒸気ロスを阻止するのに用いられ得る。蓋60およびそれが連結するインクカートリッジ本体10を形成するのに使用される材料は、Nylon6,6、Nylon6、Nylon6,12などのナイロン材料、またはその他のタイプの高分子材料、たとえばポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレンなどであり得る。実施形態では、蓋70は、蒸気ロス防止に適した異なる特性をもつ、たとえば異なるタイプのインクとの両立が可能な、追加のまたは代替の材料で形成され得る。実施形態では、蓋70は、浸透によるある程度の蒸気ロスを許容することがある。したがって、インクブラダー70の存在により、別の蒸気バリアを提供する場合がある。この意味で、インクブラダー70は、ポリプロピレンまたはポリエチレン系の材料などの高分子材料で作製されて、十分な浸透バリアを生成することができる。実施形態では、インクブラダー70は、追加のまたは代替の材料で形成され得る。この意味で、インクブラダー70は、インクカートリッジ本体10に一次的浸透境界を提供し得る。インクブラダー70がインクカートリッジ本体10と蓋60の内側に取り付けられると、面積に対する長さの割合が高い、すなわち断面の直径よりも長さのほうがかなり長い、蛇行性の通気路が形成される。この蛇行路は内部を空気が移動することを許容し、一方で高湿度環境を維持して、蒸発ロスを低減し、システムからの浸透を大きく減少させる。
【0044】
次に図4を参照すると、インクブラダー70の分解図が示されている。インクブラダー70には、枠体72、プレートばね73、ボールばね74、栓ボール75、隔壁76、ばねガード77およびバックプレート78が含まれる。枠体72は長方形または正方形であり得、任意の適切な材料、たとえばポリプロピレンおよび/またはポリエチレン材料で作製され得る。本明細書でさらに説明するが、枠体72は、他の流体接続部を連結できるハブを提供する。ブラダー70の側部には、隔壁76およびインクカートリッジ本体10の開口部15(後述する)と同心のインク充填孔79が設けられている。インク充填孔79内にボールばね74と栓ボール75とを設置して、インク漏れを防止しつつインクをインクブラダー70内へと通過させることができる。ボールばね74は、栓ボール75に力をかけて、隔壁76といっしょに封止を生成する。ボールばね74は、屈曲することで栓ボール75と隔壁76の表面の封止を解除できる。実施形態では、隔壁76は、中に栓ボール75が収まる凹所を画定し得る。
【0045】
プレートばね73は、金属材料、たとえばステンレス鋼316などの鋼材で作製され得る。実施形態では、プレートばね73は、追加のまたは代替の材料で形成され得る。プレートばね73は、枠体72とバックプレート78とに力を配送して背圧、たとえば少なくとも部分的には真空圧を生成し、それによって外部インク供給部はインクブラダー70内のインクとの平衡を保つことができ、望ましくない圧力変動を避けることができる。プレートばね73の一端は枠体72の空洞内に、他端はばねガード77に設置されている。この意味で、プレートばね73はばねガード77に付勢して内部負圧を生成し、たとえば取付け中にプリントヘッドからインクが垂れるのを防止している。ばねガード77はバックプレート78と枠体72内の空洞とを押しており、これらはシステム内で背圧を生成する堅固な表面領域の役割を果たしている。ばねガード77は、ばね力がそれ全体に分散する面積を提供することで、ばね力により内圧を画定するのに役立つほか、バックプレート78をばねによる穿刺から保護する役割もある。バックプレート78は、圧力変動を受けてこれを調節しやすいように、可撓性のある側壁を有していてもよい。バックプレート78とばねガード77は、任意の適切な材料、たとえば金属、高分子および/または複合材料で作製され得る。図示の例示的実施形態では、インク充填孔79と流出ポート71は互いに対して90度に設置されている。実施形態では、インク充填孔79と流出ポート71は違う向きでもよいことが理解される。
【0046】
次に図5を参照すると、本発明の一例示的実施形態による流体相互コネクタ嵌合部品80が示されている。嵌合部品80には、入口81と、溝82と、出口83とが含まれる。入口81と出口83は図示のように円筒状でもよいし、他の構成であってもよい。嵌合部品80は、任意の適切な材料、たとえば、ステンレス鋼などの金属材料、複合材料、またはポリエチレンやポリプロピレンなどの高分子材料、またはその他任意の適切な材料で形成され得る。溝82は、入口81と出口83を分ける2つの壁によって画定され得る。溝82は、インクカートリッジ本体10の開口部15を受けてこれと噛み合うので、嵌合部品80は確実にインクカートリッジ本体10に連結される。実施形態では、溝82は、たとえば圧入、締まり嵌め、スナップ嵌め、摩擦嵌め、熱もしくは超音波溶接、接着または機械的固定といった任意の適切な方法で、インクカートリッジ本体10に接続され得る。嵌合部品80は、製造工程の後半に付加されるように設計されているので、組立ラインでも製造範囲として無理がなく、組立てに関する問題や製造部品の複雑性が低減できる。さらに、製造工程の後半に嵌合部品80を付加することで、特定の消費者のニーズに基づくカスタマイズも可能になる。ユーザーの特定の印刷タスクに基づいて、汎用性を目的として、嵌合部品80を他の類似の嵌合部品と交換することもできる。たとえば、粘性が異なる様々な流体および様々な直径の外部チューブを用いる印刷には、異なる入口81および出口83のサイズを有する嵌合部品80が望ましいこともある。また、ユーザーがもっと小さい入口81を用いて液流を絞りたい場合も、嵌合部品80を別の嵌合部品と交換できる。
【0047】
図6および図7を参照すると、インクカートリッジ本体10といっしょに組み立てられた嵌合部品80が示されている。嵌合部品80をインクカートリッジ本体10の開口部15に取り付けるとき、入口81はインク充填孔79と揃えられ得る。入口81は、図示のように、インク充填孔79と同心に揃えられ得る。実施形態では、入口81は、インク充填孔79からずれている場合もある。
【0048】
図8を参照すると、針91と、インターロック92と、外部流体コネクタ93とを含む流体相互コネクタ90の一例示的実施形態が示されている。流体相互コネクタ90は、入口81およびインク充填孔79と同心に揃えられ、外部との流体接続中に適切なアラインメントが保証されるように設計されている。適切に流体接続するために、針91が隔壁76に挿入される。隔壁76は可撓性があり、プリントヘッドアセンブリ1が外部インク供給部に接続していないときは枠体72および栓ボール75の両方に対し封止している。隔壁76は、プリントヘッドアセンブリ1が外部インク供給部に接続しているときは、枠体および針91に対し封止している。
【0049】
図9を参照すると、流体相互コネクタ90と嵌合部品80とが完全にインクカートリッジ本体10に取り付けられると、インクはまず外部流体供給部から流体相互コネクタ90へ、そして嵌合部品80の注入ポート81へと流入する。次にインクは出口ポート83を通ってインクブラダー70のインク充填孔79へと流入する。インクブラダー70は、多量のインクを入れられるように、外部インク供給部との圧力平衡を保つように設計されているので、インク配送システム内での急激な圧力の高まりは制限される。インターロック92は、嵌合部品80と噛み合うように設計されている。実施形態では、インターロック92のスリーブが嵌合部品80にスナップ式に嵌って、適切な流体封止を確実にする。インターロック92はまた、ユーザーにとって容易な着脱オプションを可能にし、さらに、外部流体相互コネクタ93もこれにしっかりと掛かって適切に封止することが可能になる。
【0050】
実施形態では、インターロック92は嵌合部品80と常時接続しているように構成されることもある。嵌合部品80を流体相互コネクタ90に接続するには、ユーザーが容易に脱着できるオプションを提供できるような摩擦嵌め、スナップ嵌め、ねじ嵌め、締まり嵌め、圧入、または任意の他のタイプの係止もしくは嵌め方、あるいはそれらの組合せが挙げられ得ることを理解されたい。
【0051】
図10を参照すると、流体相互コネクタ90に捩じりナットロック94を備えて、嵌合部品80を流体相互コネクタ90から取り外す間の漏れを低減することができる。これは、引き始めの間の抜力を最小限化できるからである。捩じりナットロック94は流体相互コネクタ90に対しねじ係合またはその他の回転的な係合をし得る。さらに図11Aを参照すると、アセンブリが見え易いようにナットロック94と蓋60を除いて図示してある。
【0052】
次に図11Bを参照すると、捩じりナットロック94とともに使用される嵌合部品80の一例示的実施形態の詳細図が示されている。図示のように、嵌合部品80には、ナットロック94の雌ねじ部、たとえば捩じりナットロック94の1つ以上の雌ねじ構造と係合する、雄ねじ部84が含まれ得る。実施形態では、捩じりナットロック94と嵌合部品80は別の方法で、たとえば差込みタイプの接続により相互係合してもよい。実施形態では、嵌合部品80と捩じりナットロック94の相互係合には他の構造体の組合せも備えられ得ることが理解される。
【0053】
さらに図12を参照すると、組み立てられたロックナット94、嵌合部品80および流体相互コネクタ90の断面図が示されている。この実施形態のロックナット94は、たとえば流体相互コネクタ90とプリントヘッドアセンブリ1を比較的手早く接続および/または分離することが望ましい場合に、使用され得る。隣接して噛み合う取外し可能な部品同士を脱着しやすい性質により、詰まり、空気の蓄積、流体の漏れおよび/またはその他の障害の診断および補修が容易になり得る。さらに、嵌合部品80と流体相互コネクタ90を交換可能とすることで、印刷システムの汎用性はそのままで特定のユーザーのニーズに応えることができる。したがってユーザーには、その時々の具体的な用途に応じて選択できる、複数の使用構成が提供される。
【0054】
次に図13を参照すると、印刷システムの一例示的実施形態が全体的に1000で表されている。図示のように、プリントヘッドアセンブリ1は、チューブ95により外部インク供給部100に接続される。チューブ95は、たとえばチャネル、コンジットまたはケーブルなど、流体接続に適した、内部を流体が通過するように構成された任意のタイプであり得る。実施形態では、チューブ95は、所望の用途によりたとえば剛性、半剛性または可撓性であり得る。たとえば、チューブ95は、プリントヘッドが走査式キャリッジに設けられる場合は可撓性であり得、または静止式プリントヘッドの場合は部分的もしくは完全に剛性であり得る。チューブ95は、インクの搬送に適した任意の材料、たとえば高分子材料で形成され得る。本明細書の様々な実施形態により説明されるように、インクは、外部インク供給部100からチューブ95を通ってプリントヘッドアセンブリ1へと搬送される。
【0055】
図14を参照すると、実施形態では、チューブ95は隔壁76に直接接続され、インクカートリッジ本体10から嵌合部品80を通って外向きに延びている。チューブ95は、たとえば外部インク供給部100に接続された別の流体チューブと接続する(図13)ために、嵌合部品80と境界を接して延びていても、または嵌合部品80を通ってインクカートリッジ本体10から外部へと延びていてもよい。実施形態では、嵌合部品80は、図示のようにインクカートリッジ本体10から外部へと突き出し得る。したがって、嵌合部品80は、それを通って延びるチューブ95を支持し、かつインクを搬送してインクブラダー70に供給するチューブ95の位置揃えもしている。実施形態では、外部リテーナを嵌合部品80および/またはインクカートリッジ本体10に備えて、チューブ95を支持および/または案内させる場合もある。
【0056】
実施形態では、チューブ95の一部分に沿ってバルブ97を備えて、中を通るインクの流れを制御する場合もある。実施形態では、バルブ97は、ユーザーがバルブ97を制御するための外部要素、たとえばルアータイプのロックではレバーまたはスイッチを含み得る。チューブ95と一緒に使用される他の適切なバルブ構成も、本発明の例示的実施形態にしたがって想定される。実施形態では、バルブ97が存在することで、隔壁76と一緒に使用する別個の栓ボール75およびばね74(図4)の必要がなくなり得る。実施形態では、バルブ97が存在するのに加えて、隔壁76と一緒に使用される栓ボール75およびばね74が提供され得る。
【0057】
図15を参照すると、実施形態では、接続チューブ96がインクブラダー70から直接延びて、嵌合部品80の内部を延びまたは貫通する場合もあり、その結果として嵌合部品80およびそれを貫通して延びている接続チューブ96は、たとえばユーザーや製造者により提供されるチューブ95などの外付けチューブ用の取付けポイントを提供することができる。この意味で、ユーザーはチューブ95を接続チューブ96に被せて嵌めて、インクがインクブラダー70に流入しやすくできる。実施形態では、チューブ95は、嵌合部品80の注入ポート81内で接続チューブ96に被せて嵌るサイズか、または嵌合部品80の注入ポート81に被せて嵌るサイズにされ得る。この点において、プリントヘッドアセンブリ1は、たとえば異なるサイズの接続チューブ96を提供すること、ならびに/または、異なるサイズのチューブ95を接続チューブ96および/もしくは嵌合部品80と接続するための1個以上のアダプタ部材を提供することにより、種々のインクジェット印刷システムまたはその構成要素とともに使用するためにカスタマイズすることができる。
【0058】
なおも図15を参照すると、接続チューブ96はインクブラダー70と直接接続されるので、たとえば接続チューブ96はインクブラダー70と一体形成してもよいので、接続チューブ96とインクブラダー70間に封止をもたらす隔壁76の必要性(図14)はなくなり得る。実施形態では、隔壁76を、接続チューブ96またはチューブ95に沿って任意のポイントに備えて、接続チューブ96と一緒に使用することもできる。
【0059】
実施形態では、コネクタチューブの非存在下で嵌合部品80を直接インクブラダー70に接続して、嵌合部品80がインクブラダー70と外部インク供給部100間の流体接続ポイントを提供するようにしてもよい。上述したように、バルブ97を備えてチューブ96内の流体の流れを制御する場合もある。
【0060】
本発明の実施形態を図示し、詳しく説明してきたので、当業者にとっては様々な変更形態および改善は容易に明らかになる。したがって、上述した本発明の例示的実施形態は、説明を目的とするもので、限定的なものではない。本発明の精神と範囲は広く解釈すべきである。
【符号の説明】
【0061】
1 プリントヘッドアセンブリ
10 インクカートリッジ本体
11 プリントヘッドチップ
13 タワー
14、15 開口部
20 チャンバ
30 フィルター
40 フィルターキャップ
41 内部通路
42 上側通路部分
43 下側通路部分
50 ガスケット
60 蓋
70 インクブラダー
71 流出ポート
72 枠体
73 プレートばね
74 ばね
75 栓ボール
76 隔壁
77 ばねガード
78 バックプレート
79 インク充填孔
80 嵌合部品
81 注入ポート
82 溝
83 出口ポート
90 流体相互コネクタ
91 針
92 インターロック
93 外部流体コネクタ
94 捩じりナットロック
95 チューブ
96 接続チューブ
97 バルブ
100 外部インク供給部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15