(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
図1〜
図3を参照して、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、装置本体2と、自動原稿搬送装置3と、画像読取装置4と、後処理装置5と、操作パネル6と、排紙部7とを備えている。装置本体2と後処理装置5との間に、胴内空間8が設けられている。胴内空間8は、画像形成装置1の前側に開放されている。
【0015】
説明の便宜上、画像形成装置1の操作パネル6側を画像形成装置1の前側とし、その反対側を画像形成装置1の後側とする。また、画像形成装置1の前後方向に直交する水平方向の一方側を画像形成装置1の右側とし、他方側を画像形成装置1の左側とする。
【0016】
操作パネル6は、使用者によって操作される。使用者は、操作パネル6を操作することにより、画像形成装置1に対して各種の動作を指示し得る。操作パネル6は、画像読取装置4の前面42aに配置されている。
【0017】
自動原稿搬送装置3は、原稿積載トレイ3aを有する。自動原稿搬送装置3は、画像読取装置4の上側に配置されている。原稿積載トレイ3aには、複数の原稿が積載される。自動原稿搬送装置3は、使用者による操作パネル6の操作に応じて、原稿を原稿積載トレイ3aから1枚ずつ取り出して画像読取装置4に搬送する。
【0018】
画像読取装置4は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に基づいて画像データを生成する。原稿は、自動原稿搬送装置3から画像読取装置4に搬送された原稿、又は、使用者によって画像読取装置4に載置された原稿である。画像読取装置4は、後処理装置5の上側に配置されている。
【0019】
装置本体2は、画像データに基づいて用紙に画像を形成する。画像データは、例えば、画像読取装置4が生成した画像データである。装置本体2は、筐体21と、給紙カセット22と、画像形成部23と、廃棄トナーボトル24と、胴内排紙トレイ25とを備える。
【0020】
筐体21は、給紙カセット22、画像形成部23及び廃棄トナーボトル24を収容する。詳しくは、給紙カセット22は、筐体21の下部に配置されている。画像形成部23は、給紙カセット22の上側に配置されている。廃棄トナーボトル24は、給紙カセット22の左側に配置されている。
【0021】
給紙カセット22は、画像形成部23に用紙を供給する。給紙カセット22には、複数の用紙が積載されている。画像形成部23は、トナーを用いて、画像データが示す画像を用紙に形成する。廃棄トナーボトル24は、画像形成部23が用紙に画像を形成した際に発生した廃棄トナーを収容する。
【0022】
筐体21は、略直方体形の箱状である。筐体21は、前面21F、後面21B、左側面21L、右側面21R及び上面21Uを有する。また、筐体21は、開口部21aと、開閉カバー21bとを有する。開口部21a及び開閉カバー21bは、筐体21の左側面21Lに設けられている。
【0023】
開口部21aは、廃棄トナーボトル24を筐体21内から取り出すための開口部である。開口部21aは、例えば矩形である。開閉カバー21bは、開口部21aを開閉する。開閉カバー21bは、例えば矩形状である。開閉カバー21bの一方の側辺は、開口部21aの一方の縁辺に回動可能に連結されている。
【0024】
胴内排紙トレイ25は、筐体21の上面21Uに設けられている。
【0025】
後処理装置5は、装置本体2によって画像が形成された用紙を後処理する。本実施形態において、後処理は、パンチ孔形成処理又はステープル処理である。パンチ孔形成処理とは、用紙にパンチ孔を形成する処理である。ステープル処理とは、複数枚の用紙をホチキスで綴じる処理である。後処理装置5は、装置本体2の上側に配置されている。
【0026】
後処理装置5は、左側面51Lを有する。左側面51Lは、用紙搬出口51eを有する。後処理装置5は、後処理した用紙を用紙搬出口51eから排紙部7に排出する。
【0027】
排紙部7には、後処理装置5によって後処理された用紙が排出される。排紙部7は、後処理装置5の左側面51L側に配置されている。
【0028】
排紙部7は、可動排紙トレイユニット71と、仕分けトレイユニット72とを備える。
【0029】
可動排紙トレイユニット71には、後処理装置5の用紙搬出口51eから排出された用紙が積載される。可動排紙トレイユニット71は、後処理装置5の左側面51L側に配置されている。
【0030】
可動排紙トレイユニット71は、可動排紙トレイ71aと、一対の支持部71bとを備える。
【0031】
一対の支持部71bは、可動排紙トレイ71aの両端部を上下方向に移動可能に支持する。一対の支持部71bは、後処理装置5の左側面51Lに配置され、用紙搬出口51eの両側に位置されている。可動排紙トレイ71aは、後処理装置5の用紙搬出口51eの下側に配置され、用紙搬出口51eの下方側に移動可能である。
【0032】
仕分けトレイユニット72には、後処理装置5の用紙搬出口51eから排出された用紙が積載される。仕分けトレイユニット72は、後処理装置5の左側面51Lに配置され、可動排紙トレイユニット71の上側に位置されている。
【0033】
仕分けトレイユニット72は、複数の仕分けトレイ72aと、支持部72bとを備える。
【0034】
支持部72bは、複数の仕分けトレイ72aを支持する。支持部72bは、後処理装置5の左側面51Lに配置され、用紙搬出口51eの上側に位置されている。支持部72bは、後処理装置5の上方に延設されている。複数の仕分けトレイ72aは、上下方向に沿って並んでいる。
【0035】
図2は、
図1のII-II線に沿った断面図である。
【0036】
図2に示すように、胴内排紙トレイ25は、筐体21の上面21Uに凹状に設けられている。胴内排紙トレイ25は、底面25aと、後側内面25bとを有する。底面25aは、底面25aの前辺から後辺に向かって下方向に傾斜している。後側内面25bは、底面25aの後端から上方へ立ち上がっている。
【0037】
装置本体2の筐体21は、第1用紙搬出口21cと、第2用紙搬出口21dとを更に備える。
【0038】
第1用紙搬出口21cは、画像形成部23によって画像が形成された用紙を胴内排紙トレイ25に排出するための開口である。第1用紙搬出口21cは、胴内排紙トレイ25の後側内面25bの上部に設けられている。
【0039】
第2用紙搬出口21dは、画像形成部23によって画像が形成された用紙を後処理装置5に搬出するための開口である。第2用紙搬出口21dは、筐体21の上面21Uの後部に設けられている。
【0040】
装置本体2は、用紙搬送路27と、切替ガイド28とを更に備える。
【0041】
用紙搬送路27は、用紙を給紙カセット22から第1用紙搬出口21c又は第2用紙搬出口21dに搬送する搬送路である。用紙搬送路27は、例えばS字パス方式である。即ち、用紙搬送路27は、給紙カセット22の前側から後側に反転し、給紙カセット22の後側に向かって略水平方向に伸びている。そして、用紙搬送路27は、筐体21の後面21Bに沿って上方に伸びて、分岐点27aで2つの経路に分岐している。2つの経路のうち、一方の経路は、第1用紙搬出口21cに至り、他方の経路は、第2用紙搬出口21dに至る。
【0042】
切替ガイド28は、用紙の搬送方向を第1用紙搬出口21c側又は第2用紙搬出口21d側に切り替える。切替ガイド28は、分岐点27aに配置されている。切替ガイド28は、回動軸線28aを中心に回動可能である。回動軸線28aは、筐体21の左右方向に延びる。
【0043】
後処理装置5は、筐体51と、用紙積載トレイ52と、第1搬送路53と、搬送部54と、パンチ孔形成部80とを備える。搬送部54は、第1搬送ローラーユニット55と、複数の搬送ローラー対56a,56b,56cとを含む。パンチ孔形成部80は、後処理部の一例である。
【0044】
筐体51は、用紙積載トレイ52、第1搬送路53、搬送部54、及び、パンチ孔形成部80を収容する。筐体51は、略台形の箱状である。筐体51は、下面51aを有する。下面51aは、連結面51bと、連結面51bに連接する傾斜面51cとからなる。
【0045】
詳しくは、連結面51bは、下面51aの後部を構成する。連結面51bは、装置本体2の上面21Uの後部と当接している。傾斜面51cは、下面51aの中央部及び前部を構成する。傾斜面51cは、前方向に向かって上方向に傾斜している。傾斜面51cと胴内排紙トレイ25との間の空間が、
図1を参照して説明した胴内空間8である。
【0046】
筐体51は、用紙搬入口51dを有する。用紙搬入口51dは、用紙を装置本体2の第2用紙搬出口21dから後処理装置5の内部に搬入する開口である。用紙搬入口51dは、連結面51bに設けられている。
【0047】
用紙積載トレイ52には、用紙が積載される。用紙積載トレイ52は、筐体51の内部の中央部に水平に配置されている。用紙積載トレイ52は、トレイ本体52aと、ストッパー52bとを有する。トレイ本体52aは、平板状である。ストッパー52bは、トレイ本体52aに積載された複数の用紙の後端を揃える。ストッパー52bは、トレイ本体52aの後端において上方向に向けて立設されている。
【0048】
第1搬送路53は、用紙を用紙搬入口51dから用紙積載トレイ52まで搬送するための搬送路である。第1搬送路53は、用紙搬入口51dから上方向に伸び、用紙積載トレイ52の後側から前方向に湾曲している。そして、第1搬送路53は、用紙積載トレイ52の上側を通って前方向に伸び、用紙積載トレイ52の上方の位置Qに至る。位置Qは、用紙積載トレイ52における前後方向の中央位置から一定距離に上がった位置である。
【0049】
複数の搬送ローラー対56a,56b,56cは、第1搬送路53に沿って配置されている。複数の搬送ローラー対56a,56b,56cは、用紙を第1搬送路53に沿って用紙搬入口51dから用紙積載トレイ52まで搬送する。
【0050】
第1搬送ローラーユニット55は、トレイ本体52aに積載された用紙をストッパー52bまで後退させる。この結果、ストッパー52bによって、トレイ本体52aに積載された複数の用紙の後端が揃えられる。第1搬送ローラーユニット55は、用紙積載トレイ52の付近に配置されている。
【0051】
第1搬送ローラーユニット55は、第1上部搬送ローラー55aと、第1下部搬送ローラー55cと、支持部55bとを備える。
【0052】
第1下部搬送ローラー55cは、用紙積載トレイ52に配置されている。詳しくは、トレイ本体52aは、開口部52cを有する。第1下部搬送ローラー55cは、トレイ本体52aの開口部52cの下側に配置されている。第1下部搬送ローラー55cは、回転軸部W3を中心に回転可能である。回転軸部W3は、後処理装置5の左右方向に沿っている。第1下部搬送ローラー55cの上部は、開口部52cからトレイ本体52aの上側に張り出している。
【0053】
支持部55bは、第1上部搬送ローラー55aを支持する。第1上部搬送ローラー55aは、支持部55bの前端に配置され、回転軸部W1を中心に回転可能である。支持部55bの後端は、用紙積載トレイ52の中央部の上方に配置され、回動軸部W2を中心に回動可能である。回転軸部W1及び回動軸部W2は、後処理装置5の左右方向に沿っている。例えば、第1上部搬送ローラー55aは、回転駆動される。第1下部搬送ローラー55cは、用紙の移動に伴って従動回転する。
【0054】
第1上部搬送ローラー55aは、第1下部搬送ローラー55cの上方に配置されている。第1上部搬送ローラー55aは、支持部55bが回動軸部W2を中心に正回転方向に回動することによって、トレイ本体52aに搬出された用紙(不図示)の上面に当接する。支持部55bは、用紙が、第1搬送路53から第1上部搬送ローラー55aの下側を通ってトレイ本体52aに搬出されると、回動軸部W2を中心に正回転方向に回動する。用紙は、第1上部搬送ローラー55aが回転することによって、ストッパー52bまで後退させられる。この結果、トレイ本体52aに積載された複数の用紙の後端は、ストッパー52bによって揃えられる。用紙の後端がストッパー52bによって揃えられると、支持部55bが回動軸部W2を中心に逆回転方向に回動し、第1上部搬送ローラー55aが用紙積載トレイ52の上方の位置に戻る。
【0055】
パンチ孔形成部80は、用紙にパンチ孔を形成する。パンチ孔形成部80は、第1搬送路53の付近に配置されている。パンチ孔形成部80は、使用者による操作パネル6の操作に応じて、第1搬送路53の所定箇所を通過する用紙にパンチ孔を形成する。
【0056】
図3は、
図1のIII-III線に沿った断面図である。
【0057】
図3に示すように、後処理装置5は、第1搬送ローラーユニット55を2つ備えている。2つの第1搬送ローラーユニット55は、後処理装置5の左右方向に並んでいる。また、筐体51は、連結面51bを2つ有する。2つの連結面51bは、
図1を参照して説明した装置本体2の上面21Uの左部及び右部に連結されている。
【0058】
後処理装置5は、第2搬送路57と、一対の可動ガイド58L,58R(第1可動ガイド、第2可動ガイド)と、ステープル処理部81とを更に備える。筐体51は、左側面51Lと、用紙搬出口51eとを更に有する。ステープル処理部81は、後処理部の一例である。
【0059】
用紙搬出口51eは、用紙を後処理装置5から排紙部7に搬出する開口である。用紙搬出口51eは、筐体51の左側面51Lに設けられている。
【0060】
第2搬送路57は、用紙を用紙積載トレイ52から用紙搬出口51eまで搬送する搬送路である。用紙は、第2搬送路57の上面を摺動して搬送される。第2搬送路57は、後処理装置5の左右方向(横方向)に沿っている。従って、第2搬送路57は、第1搬送路53に対して直交している。
【0061】
一対の可動ガイド58L,58Rは、用紙積載トレイ52に積載された用紙を第2搬送路57に沿って位置P1(第1位置)から位置P2(第2位置)まで搬送する。位置P1は、用紙積載トレイ52の左端の位置である。位置P2は、位置P1と用紙搬出口51eとの間(即ち位置P1と排紙部7との間)に存在する。
【0062】
一対の可動ガイド58L,58Rは、用紙積載トレイ52の左右両側に配置されている。用紙は、第1搬送路53から用紙積載トレイ52に搬送されると、一対の可動ガイド58L,58Rの間に配置される。一対の可動ガイド58L,58Rは、用紙積載トレイ52に積載された複数の用紙の左右両端を揃える。
【0063】
一対の可動ガイド58L,58Rは、一対の可動ガイド58L,58Rの間隔を維持して、第2搬送路57に沿って移動する。
【0064】
ステープル処理部81は、用紙積載トレイ52に積載された複数の用紙をホチキスで綴じる。ステープル処理部81は、第2搬送路57の付近に配置されている。ステープル処理部81は、一対の可動ガイド58L,58Rが複数の用紙を位置P2に搬送したとき、使用者による操作パネル6の操作に応じて、複数の用紙をホチキスで綴じる。
【0065】
搬送部54は、第2搬送ローラーユニット59と、搬送ローラー対60とを更に備える。
【0066】
第2搬送ローラーユニット59は、用紙を位置P2から用紙搬出口51eに搬送する。第2搬送ローラーユニット59は、第2搬送路57の付近に配置されている。搬送ローラー対60は、用紙を用紙搬出口51eから排紙部7に排出する。搬送ローラー対60は、用紙搬出口51eの付近に配置されている。
【0067】
第2搬送ローラーユニット59は、第2上部搬送ローラー59aと、第2下部搬送ローラー59cと、支持部59bとを備える。
【0068】
詳しくは、第2下部搬送ローラー59cは、第2搬送路57に配置されている。第2搬送路57は、開口部57hを有する。第2下部搬送ローラー59cは、第2搬送路57の開口部57hの下側に配置され、回転軸部W6を中心に回転可能である。回転軸部W6は、後処理装置5の前後方向に沿っている。第2下部搬送ローラー59cの上部は、開口部57hから第2搬送路57の上側に張り出している。
【0069】
また、支持部59bは、第2上部搬送ローラー59aを支持する。第2上部搬送ローラー59aは、支持部59bの前端に配置され、回転軸部W4を中心に回転可能である。支持部59bの後端は、第2搬送路57の上方に配置され、回動軸部W5を中心に回動可能である。回転軸部W4及び回動軸部W5は、後処理装置5の前後方向に沿っている。例えば、第2上部搬送ローラー59aは、回転駆動される。第2下部搬送ローラー59cは、用紙の移動に伴って従動回転する。
【0070】
第2上部搬送ローラー59aは、第2下部搬送ローラー59cの上方に配置されている。そして、用紙(不図示)の左端が位置P1から位置P2まで移動するように、一対の可動ガイド58L,58Rが用紙を搬送する。その後、支持部59bが回動軸部W5を中心に正回転方向に回動し、第2上部搬送ローラー59aが用紙の上面に当接する。そして、第2上部搬送ローラー59aが回転して、用紙が、第2搬送路57に沿って位置P2から用紙搬出口51eに搬送される。第2上部搬送ローラー59aによる用紙の搬送が完了すると、支持部59bが回動軸部W5を中心に逆回転方向に回動して第2上部搬送ローラー59aが上方の位置に戻る。
【0071】
図4及び
図5を参照して、一対の可動ガイド58L,58R、及び第2搬送路57について詳しく説明する。
図4は、後処理装置5の内部及び排紙部7の内部を示した斜視図である。
図5は、後処理装置5の内部及び排紙部7の内部を示した他の斜視図である。
【0072】
図4に示すように、可動ガイド58Lは、ガイド本体58aと、水平板部58bと、スリット58cとを有する。可動ガイド58Lは、一対の可動ガイド58L,58Rのうち、排紙部7側の可動ガイドである。
【0073】
水平板部58bは、用紙積載トレイ52に積載された用紙の下側に配置される。水平板部58bは、矩形の平板である。ガイド本体58aは、矩形の板状であり、水平板部58bの左辺に立設されている。スリット58cは、ガイド本体58aと水平板部58bとに跨って形成されている。詳しくは、スリット58cは、ガイド本体58aの全高に亘って上下方向に沿って形成されている。また、スリット58cは、水平板部58bの左端から中央まで左右方向に沿って形成されている。スリット58cは、可動ガイド58Lの前後方向に沿って間隔を空けて複数形成されている。
【0074】
可動ガイド58Rは、ガイド本体58dと、水平板部58eとを有する。
【0075】
水平板部58eは、用紙積載トレイ52に積載された用紙の下側に配置される。水平板部58eは、矩形の平板である。ガイド本体58aは、三角形の板状であり、水平板部58eの右辺に立設されている。
【0076】
第2搬送路57は、第1平坦路57aと、段差部57bと、第2平坦路57cと、ガイド板57dとを有する。
【0077】
段差部57bは、第1平坦路57aと第2平坦路57cとの間に配置されている。段差部57bの上下方向の幅は、可動ガイド58Lのガイド本体58aの上下方向の幅と同じである。第1平坦路57aは、用紙積載トレイ52の左端と段差部57bの下端とを繋ぐ平坦路である。第2平坦路57cは、段差部57bの上端と、
図1を参照して説明した用紙搬出口51eとを繋ぐ平坦路である。段差部57bは、前側が傾斜面57eであり、後側が垂直面57fである。傾斜面57eは、後処理装置5の右方向に向かって(即ち
図3を参照して説明した位置P2から位置P1に向かって)下方向に傾斜している。垂直面57fは、第1平坦路57aに垂直であって且つ後処理装置5の前後方向に沿っている。
【0078】
ガイド板57dは、三角形の板状である。ガイド板57dは、垂直面57fと第1平坦路57aとの間の凹角部に配置されており、垂直面57fと第1平坦路57aとに垂直である。なお、ガイド板57dは、上下方向且つ右方向に沿って配置されている。
【0079】
ガイド板57dは、上辺57gを有する。上辺57gは、傾斜面57eと同じ角度で傾斜している。ガイド板57dは、垂直面57fに沿って間隔を空けて複数配置されている。複数のガイド板57dの各々は、可動ガイド58Lの複数のスリット58cの各々に対応している。
【0080】
一対の可動ガイド58L,58Rが用紙(不図示)を位置P1から位置P2(即ち垂直面57fの位置)まで搬送するために移動すると、可動ガイド58Lが垂直面57fに当接する。また、その移動の過程で、ガイド板57dが可動ガイド58Lのスリット58cに挿通される。一対の可動ガイド58L,58Rによって垂直面57fの位置(即ち位置P2)まで用紙が搬送される過程で、用紙の左端部(排紙部7側の端部)がガイド板57dの上辺57gを上って可動ガイド58Lの上端部に達する。換言すると、ガイド板57dによって、用紙の左端部が可動ガイド58Lの上端まで持ち上げられる。この結果、用紙が可動ガイド58Lを超えて(即ち段差部57bを超えて)第2平坦路57cに搬送される。したがって、本実施形態によれば、簡単な構成で、可動ガイド58Lを超えて、用紙を搬送することができる。
【0081】
図5に示すように、第2搬送ローラーユニット59の支持部59bが回動軸部W5を中心に正回転方向に回動されると、第2上部搬送ローラー59aが用紙(不図示)の上面に当接する。そして、第2上部搬送ローラー59aが回転することによって、用紙が位置P2から搬送ローラー対60に搬送される。そして、搬送ローラー対60が回転することによって、
図1を参照して説明した用紙搬出口51eから用紙が排紙部7に搬出される。その後、支持部59bが回動軸部W5を中心に逆回転方向に回動し、第2上部搬送ローラー59aが第2下部搬送ローラー59cの上方の位置に戻る。
【0082】
図5を参照して、可動排紙トレイユニット71について詳しく説明する。
【0083】
図5に示すように、可動排紙トレイユニット71は、駆動機構71cを更に備える。駆動機構71cは、回転軸部71dと、第1滑車71eと、第2滑車71fと、駆動ギア71gと、無端ベルト71hと、連結部71iと、中継ギア71jと、駆動部71kと、制御部71mとを備える。
【0084】
回転軸部71dは、
図1を参照して説明した一対の支持部71bに跨って配置されている。回転軸部71dの前側の端部に第1滑車71eが固定されている。第1滑車71e、第2滑車71f、無端ベルト71h、及び連結部71iは、一対の支持部71bのうちの前側の支持部71bに収容されている。第2滑車71fは、第1滑車71eから下方向に離れた位置で、回転可能に支持されている。無端ベルト71hは、第1滑車71eと第2滑車71fとに張設されている。連結部71iは、無端ベルト71hと可動排紙トレイ71aとを連結している。同様に、一対の支持部71bのうちの後側の支持部71bにも、2つの滑車71e,71fと、無端ベルト71hと、連結部71iとが収容されている。
【0085】
駆動部71kは、例えばモーターである。駆動部71kは、中継ギア71jを介して、駆動ギア71gを正回転方向又は逆回転方向に回転駆動させる。駆動ギア71gは、回転軸部71dに固定されており、回転軸部71dを正回転方向又は逆回転方向に回転させる。
【0086】
回転軸部71dが正回転方向に回転すると、無端ベルト71hが正回転方向に周回移動して、可動排紙トレイ71aが下方向に移動する。回転軸部71dが逆回転方向に回転すると、無端ベルト71hが逆回転方向に周回移動して、可動排紙トレイ71aが上方向に移動する。
【0087】
制御部71mは、可動排紙トレイ71aに積載される用紙の枚数に基づいて、可動排紙トレイ71aが上下動するように駆動部71kを制御する。詳しくは、制御部71mは、可動排紙トレイ71aに積載される用紙が多くなるほど、可動排紙トレイ71aが下方向に移動するように駆動部71kを制御する。
【0088】
図6を参照して、仕分けトレイユニット72について詳しく説明する。
図6は、排紙部7の断面図である。
【0089】
図6に示すように、仕分けトレイユニット72は、搬送路72cと、主切替ガイド72dと、複数の副切替ガイド72e(切替ガイド)とを更に備える。搬送路72c、主切替ガイド72d及び複数の副切替ガイド72eは、支持部72bの内部に配置されている。
【0090】
支持部72bの左側面72fは開放されており、複数の仕分けトレイ72aは、支持部72bから左方向に突出するように、支持部72bに支持されている。
【0091】
搬送路72cは、支持部72bの内部に搬入された用紙を複数の仕分けトレイ72aに搬送する搬送路である。搬送路72cは、支持部72bの右側面72hの下部から上方に伸びている。支持部72bの右側面72hの下部は開放されている。右側面72hは、後処理装置5の上面51Uの左端部から上方に延びている。
【0092】
主切替ガイド72dは、後処理装置5から排出された用紙の搬送先を可動排紙トレイ71a又は搬送路72cに切り替える。主切替ガイド72dは、搬送路72cの入口付近に配置されている。主切替ガイド72dは、矢印Y1方向及び矢印Y2方向に回動可能である。主切替ガイド72dが矢印Y1方向に回動すると、用紙搬出口51eから排出された用紙は、可動排紙トレイ71aに排出される。主切替ガイド72dが矢印Y2方向に回動すると、後処理装置5から排出された用紙は、搬送路72cに搬入される。
【0093】
複数の副切替ガイド72eは、後処理装置5から排出された用紙を複数の仕分けトレイ72aに分配する。複数の副切替ガイド72eの各々は、複数の仕分けトレイ72aの各々に対応している。複数の副切替ガイド72eは、矢印Y3方向及び矢印Y4方向に回動可能である。複数の副切替ガイド72eのうち、一の副切替ガイド72eが矢印Y3方向に回動し、残りの副切替ガイド72eが矢印Y4方向に回動すると、搬送路72cを上方に移動する用紙は、一の副切替ガイド72eによって、一の副切替ガイド72eに対応する仕分けトレイ72aに排出される。
【0094】
図1〜
図6を参照して説明した画像形成装置1によれば、後処理後の用紙が排出される排紙部7の容量を大きくしても、画像形成装置1の全高が高くなることを抑制できる。
【0095】
即ち、一般的に、装置本体の用紙搬送路がS字パス方式である場合、装置本体の上側に配置される後処理装置は、前面側から用紙を排出する姿勢で装置本体に装着される。この場合、可動排紙トレイユニットを使用すると、可動排紙トレイの下方への移動によって胴内空間の開口が塞がれるおそれがある。そのため、胴内空間の開口が塞がれないように、可動排紙トレイの下方への移動を制限する必要がある。従って、排紙部の容量を大きくすることができない。あるいは、排紙部の容量を大きくするために、後処理装置の高さを高くする必要がある。換言すると、画像形成装置の全高を高くする必要がある。
【0096】
これに対して、画像形成装置1によれば、装置本体2の用紙搬送路27がS字パス方式であっても、排紙部7を後処理装置5の左側に配置することができる。従って、可動排紙トレイ71aの下方への移動によって胴内空間8の開口が塞がれない。よって、画像形成装置1の全高が高くすることなく、排紙部7の容量を大きくすることができる。
【0097】
また、可動排紙トレイを上方へ移動させて、排紙部の容量を大きくする構成において、仕分けトレイユニットを可動排紙トレイユニットの上方に配置した場合、画像形成装置の全高が益々高くなる。これに対して、画像形成装置1によれば、可動排紙トレイ71aを下方へ移動させて、排紙部7の容量を大きくすることができる。従って、仕分けトレイユニット72を可動排紙トレイユニット71の上方に配置しても、画像形成装置1の全高が高くなることを抑制できる。
【0098】
また、
図1に示すように、装置本体2の左側面21Lには、廃棄トナーボトル24を取り出すための開閉カバー21bが配置されている。従って、装置本体2の左側には、開閉カバー21bを開閉するためのスペースを予め確保する必要がある。その結果、従来、画像形成装置の左方のスペースは、デッドスペースとなっていた。これに対し、画像形成装置1によれば、排紙部7を画像形成装置1の左側に配置して、デッドスペースを有効に活用することができる。
【0099】
以上、図面(
図1〜
図6)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(2))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0100】
(1)
図7を参照して、本発明の変形例1について説明する。
図7は、本発明の変形例1に係る画像形成装置1の斜視図である。
【0101】
本変形例に係る画像形成装置1は、
図1〜
図6を参照して説明した実施形態に係る画像形成装置1と比べて、可動排紙トレイ71aが装置本体2の下部まで降下可能である点で相違している。詳しくは、本変形例に係る画像形成装置1では、一対の支持部71bは、装置本体2の下部まで延設されている。従って、可動排紙トレイ71aは、装置本体2の下部まで降下できる。この結果、可動排紙トレイ71aの容量を一層大きくできる。
【0102】
(2)
図8を参照して、本発明の変形例2について説明する。
図8は、本発明の変形例2に係る画像形成装置1の斜視図である。
【0103】
本変形例に係る画像形成装置1は、装置本体2と、後処理装置5と、可動排紙トレイユニット71とを備える。即ち、本変形例に係る画像形成装置1は、
図1〜
図7を参照して説明した実施形態に係る画像形成装置1と比べて、自動原稿搬送装置3、画像読取装置4、操作パネル6、及び、仕分けトレイユニット72を備えない点で相違している。従って、画像形成装置1の全高を、
図1〜
図7を参照して説明した実施形態に係る画像形成装置1の全高よりも低くできる。