(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変更手段は、前記文書を表示している画面がタッチスクリーンである場合であって、前記操作の種類が該タッチスクリーンに対して指又はペンを用いている操作であるときは、変更の速度を遅く、又は、当初の速度を維持する、
請求項13に記載の情報処理装置。
前記変更手段は、前記閾値として、該スクリーンロック時間より長い時間とし、閲覧不可となっている前記時間が該閾値未満又は以下である場合、前記文書の提示形態を変更する、
請求項19に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0054】
本実施の形態である情報処理装置100は、文書を表示するものであって、
図1の例に示すように、制御モジュール105、表示モジュール120を有している。
ここで表示される「文書」は、ファイルとも言われ、テキストデータ、数値データ、図形データ、画像データ、動画データ、音声データ等、又はこれらの組み合わせであり、閲覧の対象となりえるものをいう。具体的には、文書は、文書作成プログラム(いわゆるワープロソフト)によって作成された文書、画像読取装置(スキャナー等)で読み込まれた画像、Webページ、写真、動画等を含む。
【0055】
制御モジュール105は、算出モジュール110、表示制御モジュール115を有しており、表示モジュール120と接続されている。制御モジュール105は、表示モジュール120によって表示される文書の表示形態を制御する。
算出モジュール110は、ユーザが文書を表示しているときの状況から、閲覧権限のないユーザが文書の内容を閲覧できる可能性の度合いを算出する。
ここで「閲覧権限のないユーザ」は、文書を開いたユーザ(もちろんのことながら、閲覧権限のあるユーザ)以外のユーザであり、例えば、文書が表示されている表示装置を(物理的に)覗き見する者が主な者である。ただし、その表示装置が社内にある場合は、文書を開いたユーザ以外のユーザは「閲覧権限のないユーザ」である可能性は低いので、「閲覧権限のないユーザが文書の内容を閲覧できる可能性の度合い」は低くなる。そして、その表示装置が社外にある場合は、文書を開いたユーザ以外のユーザは「閲覧権限のないユーザ」である可能性は高いので、「閲覧権限のないユーザが文書の内容を閲覧できる可能性の度合い」は高くなる。
【0056】
算出モジュール110が行う「可能性の度合いを算出」として、例えば、以下のように行ってもよい。
(1)文書を提示(表示を含む)している時間を用いて、可能性の度合いを算出する。具体的には、文書を提示している時間が長くなるほど、可能性の度合いが高くなるようにすればよい。もちろんのことながら、文書を提示している時間が短いと、可能性の度合いは低くなるようにすればよい。例えば、時間を変数として度合いを算出する計算式(増加関数)を用いるようにしてもよい。また、この関係を有している時間と度合いとを対応させたテーブルを用いるようにしてもよい。ここで、文書を提示している時間として、その文書が提示されている時間のうち、その文書に対して操作が行われていない時間としてもよい。
【0057】
(2)文書を閲覧できる者の制限の強度を用いて、可能性の度合いを算出する。具体的には、制限の強度が強い場合は、可能性の度合いが高くなるようにすればよい。もちろんのことながら、制限の強度が弱いと、可能性の度合いは低くなるようにすればよい。制限の強度が強いとして、例えば、文書を閲覧できる者の役職が高い者であることが該当する。制限の強度が弱いとして、例えば、文書を閲覧できる者に制限がないことが該当する。制限の強度の詳細については、
図19の例に示す開示範囲テーブル1900を用いて後述する。例えば、「文書を閲覧できる者の制限の強度」を変数として度合いを算出する計算式(増加関数)を用いるようにしてもよい。また、この関係を有している「文書を閲覧できる者の制限の強度」と度合いとを対応させたテーブルを用いるようにしてもよい。
【0058】
(3)文書の閲覧が行われている場所を用いて、可能性の度合いを算出する。具体的には、その場所がセキュリティを保てない場所である場合は、可能性の度合いが高くなるようにすればよい。もちろんのことながら、その場所がセキュリティを保つことができる場所である場合は、可能性の度合いは低くなるようにすればよい。セキュリティを保てない場所として、例えば、公共の場所等が該当する。例えば、この関係を有している「文書の閲覧が行われている場所」と度合いとを対応させたテーブルを用いるようにしてもよい。
【0059】
(4)文書を表示している端末のセキュリティ状態を用いて、可能性の度合いを算出する。具体的には、端末のセキュリティ状態が保たれていない場合は、可能性の度合いが高くなるようにすればよい。もちろんのことながら、端末のセキュリティ状態が保たれている場合は、可能性の度合いは低くなるようにすればよい。例えば、この関係を有しているセキュリティ状態と度合いとを対応させたテーブルを用いるようにしてもよい。
【0060】
(5)文書を表示している画面の勾配を用いて、可能性の度合いを算出する。具体的には、その画面が他の人にも閲覧可能である勾配の場合は、可能性の度合いが高くなるようにすればよい。もちろんのことながら、その画面が他の人には閲覧可能でない勾配の場合は、可能性の度合いは低くなるようにすればよい。例えば、画面の勾配を変数として度合いを算出する計算式(増加関数)を用いるようにしてもよい。また、この関係を有している画面の勾配と度合いとを対応させたテーブルを用いるようにしてもよい。
【0061】
(6)文書に対しての操作があるか否かを用いて、可能性の度合いを算出する。具体的には、その文書に対しての操作がない場合は、可能性の度合いが高くなるようにすればよい。もちろんのことながら、その文書に対しての操作がある場合は、可能性の度合いは低くなるようにすればよい。例えば、この関係を有している操作の有無と度合いとを対応させたテーブルを用いるようにしてもよい。
【0062】
(7)文書に対しての操作の種類を用いて、可能性の度合いを算出する。具体的には、文書を表示している画面がタッチスクリーンである場合であって、操作の種類がそのタッチスクリーンに対して指又はペンを用いている操作であるときは、可能性の度合いが低くなるようにすればよい。もちろんのことながら、文書を表示している画面がタッチスクリーンである場合であって、操作の種類がそのタッチスクリーンに対して指又はペンを用いていない操作であるとき(具体的には、キーボードを用いているとき)は、可能性の度合いは高くなるようにすればよい。例えば、この関係を有している「操作の種類がそのタッチスクリーンに対して指又はペンを用いている操作の有無」と度合いとを対応させたテーブルを用いるようにしてもよい。
また、操作の種類が拡大である場合は、可能性の度合いが高くなるようにしてもよい。もちろんのことながら、操作の種類が拡大以外である場合は、可能性の度合いは低くなるようにすればよい。さらに、操作の種類が縮小である場合は、可能性の度合いをさらに低くなるようにすればよい。例えば、この関係を有している操作の種類(拡大か否か、縮小か否か)と度合いとを対応させたテーブルを用いるようにしてもよい。
【0063】
(8)文書を表示している日時を用いて、可能性の度合いを算出する。具体的には、文書を表示している日時が、就業時間外である場合は、可能性の度合いが高くなるようにすればよい。もちろんのことながら、文書を表示している日時が、就業時間内である場合は、可能性の度合いは低くなるようにすればよい。例えば、この関係を有している「文書を表示している日時」と度合いとを対応させたテーブルを用いるようにしてもよい。
【0064】
(9)文書を閲覧不可の状態にした後に、閲覧可能な状態に戻した場合、閲覧不可となっている時間を用いて、可能性の度合いを算出する。例えば、閲覧不可となっている時間とスクリーンロック時間を用いた閾値とを比較することによって、可能性の度合いを算出する。具体的には、閲覧不可となっている時間が閾値未満又は以下である場合は、可能性の度合いが高くなるようにすればよい。もちろんのことながら、閲覧不可となっている時間が閾値以上又はより長い場合は、可能性の度合いは低くなるようにすればよい。
【0065】
表示制御モジュール115は、算出モジュール110によって算出された度合いが高い場合と低い場合とで、文書の提示形態を変更するように制御する。度合いが高い又は低いの判断は、予め定められた閾値との比較で判断してもよい。また、度合いに応じて変更の速度を調整してもよい。例えば、度合いが高い場合は変更の速度を速くすること、度合いが低い場合は変更の速度を速くすること、を行うようにしてもよい。
【0066】
表示制御モジュール115は、算出モジュール110によって算出された度合いが高い場合と低い場合とで、文書の提示形態を変更するように制御する。
ここで「提示形態を変更」として、例えば、文書そのもの又はその文書を表示している枠(ウィンドウフレームともいう)等の色彩、形状(枠の太さ等)、模様等を変更すること、文字列(いわゆるメッセージ)、図形、記号等の変更(付加、追加、削除を含む)を行うこと、動的に変化させること(例えば、フラッシュ、アニメーション等)、点滅させること(点滅における変更対象は、点滅を行うか否か、点滅を行っている期間、点滅の間隔等がある)等があり、さらに、音(合成音声、音楽を含む)の発生、振動の発生、又は、これらの組み合わせであってもよい。
なお、第三者による覗き見の可能性を知らせるが、ユーザによる閲覧の邪魔をしないために、文書そのものを見えにくくすることはしないようにしてもよい。したがって、その場合は、変更対象としては、文書そのものを含めず、その文書を表示している枠、音等を変更対象としてもよい。
【0067】
なお、文書を閲覧できる者の制限がある場合に、文書の提示形態を変更するようにしてもよい。文書を閲覧できる者の制限がない場合(例えば、だれでもアクセス可能なインターネット上のホームページ等)は、表示制御モジュール115による文書の提示形態の変更制御を行わないようにしてもよい。
また、「文書を閲覧できる者の制限」として、文書又はその文書が含まれているフォルダ毎に設定されており、文書を閲覧できる者の範囲(例えば、役員以上であること等)、アクセス権を用いるようにしてもよい。なお、フォルダに設定されている場合は、そのフォルダに含まれている文書は、その設定にしたがうことになる。
【0068】
また、表示制御モジュール115は、文書を提示している時間に応じて(例えば、文書を提示している時間を用いて算出モジュール110によって算出された度合いに応じて)、その文書の提示形態を変更するようにしてもよい。
ここで「文書を提示している時間に応じて、その文書の提示形態を変更する」として、例えば、文書を提示している時間が長くなるにしたがって、文書を表示している枠の色彩を、緑色、黄色、赤色に変更させること等が該当する。ここでの「緑色、黄色、赤色」は、信号機に色と同様に、危険性が増していることを意味している。
また、「文書を提示している時間」を、(1)文書が開かれてから現在までの時間としてもよいし、(2)文書が開かれてから現在までの時間のうち、その文書を表示している端末に対して操作が行われていない時間としてもよいし、(3)文書が開かれてから現在までの時間のうち、その文書に対して操作が行われていない時間としてもよい。
【0069】
また、表示制御モジュール115は、文書を閲覧できる者の制限の強度に応じて(例えば、文書を閲覧できる者の制限の強度を用いて算出モジュール110によって算出された度合いに応じて)、変更の速度を調整するようにしてもよい。
ここで「制限の強度」として、例えば、閲覧者の役職が、(レベル3)役員以上であること、(レベル2)部長以上であること、(レベル1)課長以上であること、のようにレベル分けされていることをいう。
図19の例に示す開示範囲テーブル1900を用いて後述する。
具体的には、表示制御モジュール115は、制限の強度が強い場合は、変更の速度を速くするようにしてもよい。
逆に、表示制御モジュール115は、制限の強度が弱い場合は、変更の速度を遅く、又は、当初の速度を維持するようにしてもよい。
ここで「制限の強度が強い(又は弱い)」か否かは、その制限の強度を予め定められた閾値と比較して判断すればよい。前述の例の場合、制限の強度がレベル2以上である場合(レベル2、3である場合)を制限の強度が強い場合として、レベル3(役員以上)であると、最も速く変更させることになる。
【0070】
また、表示制御モジュール115は、文書の閲覧が行われている場所に応じて(例えば、文書の閲覧が行われている場所を用いて算出モジュール110によって算出された度合いに応じて)、変更の速度を調整するようにしてもよい。
ここで「文書の閲覧が行われている場所」は、文書を表示している表示装置の場所であるが、後述する携帯情報処理装置200、携帯情報処理装置210、文書管理装置250の場所であってもよい。
具体的には、表示制御モジュール115は、文書の閲覧が行われている場所がセキュリティを保てない場所である場合は、変更の速度を速くするようにしてもよい。
逆に、表示制御モジュール115は、文書の閲覧が行われている場所がセキュリティを保てる場所である場合は、変更の速度を遅く、又は、当初の速度を維持するようにしてもよい。
ここで「セキュリティを保てない場所」か否かは、具体的には、次のように判断すればよい。例えば、「セキュリティを保てない場所」(例えば、駅構内、公園等)のリスト、そして、位置情報と施設等(例えば、駅構内、公園等)を対応づけているテーブルを予め用意しておき、携帯情報処理装置200等に備え付けられているGPS(Global Positioning System(汎地球測位システム))が出力する位置情報から、テーブルを利用してその携帯情報処理装置200等がある施設等を抽出し、その施設等がリスト内にあるか否かを判断すればよい。その施設等がリスト内にある場合は、「セキュリティを保てない場所」と判断する。また、例えば、「セキュリティを保てる場所」(例えば、会社内、個室等)のリスト、そして、前述のテーブルを予め用意しておき、携帯情報処理装置200等に備え付けられているGPSが出力する位置情報から、その携帯情報処理装置200等がある施設等を抽出し、その施設等がリスト内にあるか否かを判断すればよい。その施設等がリスト内にない場合は、「セキュリティを保てない場所」と判断する。
【0071】
また、表示制御モジュール115は、文書を表示している端末(後述する携帯情報処理装置200、携帯情報処理装置210、文書管理装置250等)のセキュリティ状態に応じて(例えば、端末のセキュリティ状態を用いて算出モジュール110によって算出された度合いに応じて)、変更の速度を調整するようにしてもよい。
ここで「セキュリティ状態」として、例えば、ウイルス対策ソフト、セキュリティソフト、OSのバージョン、会社等から指定されたパッチを施しているか否か等がある。
具体的には、表示制御モジュール115は、端末のセキュリティ状態が保たれていない場合は、変更の速度を速くするようにしてもよい。
逆に、表示制御モジュール115は、端末のセキュリティ状態が保たれている場合は、変更の速度を遅く、又は、当初の速度を維持するようにしてもよい。
【0072】
また、表示制御モジュール115は、文書を表示している画面の勾配(例えば、画面の勾配を用いて算出モジュール110によって算出された度合いに応じて)に応じて、変更の速度を調整するようにしてもよい。
具体的には、表示制御モジュール115は、画面が他の人にも閲覧可能である場合は、変更の速度を速くするようにしてもよい。
逆に、表示制御モジュール115は、画面が他の人には閲覧可能でない場合は、変更の速度を遅く、又は、当初の速度を維持するようにしてもよい。
ここで「画面が他の人にも閲覧可能である場合」として、例えば、文書を表示しているのが携帯端末(例えば、タブレット型端末、ノートパソコン等)の画面である場合は、画面が水平になっているときである。逆に、この携帯端末で、画面が水平ではなく、傾きを有している場合(一人で閲覧している場合は、傾きを有しているのが一般的である)は、画面が他の人にも閲覧可能でない場合であると判断して、例えば、変更の速度を遅くする。また、例えば、文書を表示しているのが固定されたパソコンの画面である場合は、画面は垂直になっていることが多く、この場合は変更の速度を速くする。「傾きを有している場合」として、例えば、水平位置からの端末の傾き角度が閾値(例えば、30度)より高い場合としてもよい。
また、端末のセンサ(振動検知センサ等)が微小な動きを感知している場合(又は、携帯情報処理装置200をユーザが持っていることを検知した場合)を、「画面が他の人には閲覧可能でない場合」としてもよい。また、水平位置からの端末の傾き角度が閾値以内であって、かつ、微小な動きを感知している場合を、「画面が他の人には閲覧可能でない場合」としてもよい。
【0073】
また、表示制御モジュール115は、文書に対しての操作があるか否かに応じて(例えば、文書に対しての操作の有無を用いて算出モジュール110によって算出された度合いに応じて)、変更の速度を調整するようにしてもよい。
具体的には、表示制御モジュール115は、文書に対しての操作がない場合は、変更の速度を速くするようにしてもよい。
逆に、表示制御モジュール115は、文書に対しての操作がある場合は、変更の速度を遅く、又は、当初の速度を維持するようにしてもよい。
【0074】
また、表示制御モジュール115は、文書に対しての操作の種類に応じて(例えば、文書に対しての操作の種類を用いて算出モジュール110によって算出された度合いに応じて)、変更の速度を調整するようにしてもよい。
具体的には、表示制御モジュール115は、文書を表示している画面がタッチスクリーンである場合であって、操作の種類がそのタッチスクリーンに対して指又はペンを用いている操作であるときは、変更の速度を遅く、又は、当初の速度を維持するようにしてもよい。指又はペンが画面上にあるので、その指又はペンがじゃまとなり覗き見られるのを防止できているからである。なお、タッチスクリーンであるか否かは、携帯情報処理装置200等の構成情報から判断すればよい。また、タブレット型端末であるか否かを判断することによって、タッチスクリーンであるか否かの判断を代用するようにしてもよい。なお、操作の種類がタッチスクリーン以外に対しての操作として、携帯情報処理装置200等の周囲にあるボタン等の操作、音声認識を用いた音声指示による操作等がある。
逆に、表示制御モジュール115は、文書を表示している画面がタッチスクリーンである場合であって、操作の種類が指又はペンを用いている操作でないときは、変更の速度を速くするようにしてもよい。
また、表示制御モジュール115は、操作の種類が拡大である場合は、変更の速度を速くするようにしてもよい。拡大された場合は、容易に文字等を読めるようになるからである。
逆に、表示制御モジュール115は、操作の種類が縮小である場合は、変更の速度を遅く、又は、当初の速度を維持するようにしてもよい。
【0075】
また、表示制御モジュール115は、文書を表示している日時(年、月、日、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい)に応じて(例えば、文書を表示している日時を用いて算出モジュール110によって算出された度合いに応じて)、変更の速度を調整するようにしてもよい。
具体的には、表示制御モジュール115は、文書を表示している日時が、就業時間外である場合(例えば、17時から9時まで)は、変更の速度を速くするようにしてもよい。
逆に、表示制御モジュール115は、文書を表示している日時が、就業時間内である場合(例えば、9時から17時まで)は、変更の速度を遅く、又は、当初の速度を維持するようにしてもよい。
【0076】
また、表示制御モジュール115は、文書を閲覧不可の状態にした後に、閲覧可能な状態に戻した場合、閲覧不可となっている時間に応じて(例えば、閲覧不可となっている時間を用いて算出モジュール110によって算出された度合いに応じて)、その文書の提示形態を変更するようにしてもよい。つまり、表示制御モジュール115は、文書を閲覧不可の状態にした後に、その文書を閲覧可能な状態で再度表示した場合、閲覧不可の状態になる前にその文書を表示していたときのその文書の提示形態と同じ提示形態となるよう変更する。そして、表示制御モジュール115は、文書を閲覧不可の状態にした後に、その文書を閲覧可能な状態で再度表示するまでの時間の長さが閾値を超えた場合、閲覧不可の状態になる前にその文書を表示していたときのその文書の提示形態のうち、閲覧不可の状態になる直前のその文書の提示形態よりも、その文書を初めて表示(つまり、文書の初期表示であって、文書の提示形態が変更される前の状態の表示)したときのその文書の提示形態と同じになるよう変更する。
ここで「文書を閲覧不可の状態」として、例えば、その文書に対して「閉じる」(例えば、その文書を開いているウィンドウを閉じる)操作を行った場合、その文書を提示している装置(例えば、パソコン等)を電源断の状態にした場合、その文書を非アクティブ状態(例えば、その文書を開いているウィンドウを「最小化」すること、その文書を開いているウィンドウをバックにすること等)にした場合等が該当する。
【0077】
例えば、表示制御モジュール115は、閲覧不可となっている時間とスクリーンロック時間を用いた閾値とを比較することによって、文書の提示形態を変更するようにしてもよい。
ここで「スクリーンロック時間」は、その端末に対する操作がなかった時からスクリーンロックになるまでの時間であり、文書を表示している端末毎に設定されている。スクリーンロック時間経過後は、画面が切り替わり、表示されていた画面も見えなくし(つまり、表示していた文書も見えない)、端末の操作ができないようになる。端末の使用を継続するためには、利用者によるスクリーンロックの解除操作(例えば、パスワードの入力等)が必要である。
具体的には、閾値として、そのスクリーンロック時間より長い時間とし、表示制御モジュール115は、閲覧不可となっている時間がその閾値未満又は以下である場合、文書の提示形態を変更するようにしてもよい。
【0078】
表示モジュール120は、制御モジュール105と接続されている。表示モジュール120は、液晶ディスプレイ等の表示装置に文書を表示する。特に、表示モジュール120は、閲覧権限のあるユーザが開くことのできる文書を表示した場合は、表示制御モジュール115の制御にしたがって、文書の提示形態を変更する。
【0079】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
図2(a)は、スタンドアロン型のシステム構成例を示すものである。
携帯情報処理装置200は、情報処理装置100、ディスプレイ205を有している。情報処理装置100の制御にしたがって、文書をディスプレイ205に表示する。
図2(b)は、ネットワーク型のシステム構成例を示すものである。
携帯情報処理装置210(携帯情報処理装置210A、携帯情報処理装置210B、携帯情報処理装置210C)は、ディスプレイ215(ディスプレイ215A、ディスプレイ215B、ディスプレイ215C)を有している。
固定端末220(固定端末220A、固定端末220B)は、ディスプレイ225(ディスプレイ225A、ディスプレイ225B)と接続されている。
文書管理装置250は、情報処理装置100を有している。
携帯情報処理装置210A、携帯情報処理装置210B、携帯情報処理装置210C、固定端末220A、固定端末220B、文書管理装置250内の情報処理装置100は、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。また、情報処理装置100による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。情報処理装置100の制御にしたがって、各端末(携帯情報処理装置210、固定端末220)のディスプレイ(ディスプレイ215、ディスプレイ225)に文書を表示する。
【0080】
携帯情報処理装置200等で文書を読み続けると、情報漏洩のリスク(物理的な覗き見)が増加していく。特に、文書を開きっぱなしの状態にしていることは、第三者によって覗き見られる機会が増えてしまう。
そこで、本実施の形態の情報処理装置100は、文書を提示している時間が長くなると、その文書の提示形態を変更するようにして、覗き見られる危険度が増していることをユーザに知らせるようにしている。
【0081】
以下、「文書の提示形態を変更」の対象として、主に、文書を表示しているウィンドウフレームの色彩を例示する。
図3は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS302では、対象としている文書の「閲覧制限」の有無を取得する。例えば、その文書の属性(アクセス権等)を取得すればよい。
ステップS304では、その文書には閲覧制限があるか否かを判断し、ある場合はステップS306へ進み、それ以外の場合はステップS318へ進む。
【0082】
ステップS306では、閲覧可能性度合を算出する。ステップS306の詳細な処理については、
図7〜14の例に示すフローチャートを用いて後述する。
ステップS308では、閲覧可能性度合の高低を判断し、閲覧可能性度合が「高」の場合はステップS310へ進み、「低」の場合はステップS314へ進む。例えば、閲覧可能性度合と予め定められた閾値との比較を行えばよい。
【0083】
ステップS310では、予め定められた期間A1の後、ウィンドウフレームの色を変える。
ステップS312では、閲覧時間の経過とともに速度A2でウィンドウフレームの色を強調していく。
ステップS314では、予め定められた期間B1の後、ウィンドウフレームの色を変える。なお、期間A1は、期間B1よりも短い。
ステップS316では、閲覧時間の経過とともに速度B2でウィンドウフレームの色を強調していく。なお、速度A2は、速度B2よりも速い。
ステップS318では、ウィンドウフレームの強調表示をしない。
【0084】
なお、
図3の例に示すフローチャートでは、提示形態の変更速度(以下、強調速度といってもよい)として速度A2、速度B2という2種類の例を用いたが、3種類以上としてもよい。
【0085】
図4は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
携帯情報処理装置200は、ディスプレイ205を有しており、ディスプレイ205に文書410が表示されている状態を示している。そして、閲覧時間に応じて、提示形態が変化する例を示している。
図4(a)は、閲覧制限がない場合(ステップS304でNO、ステップS318)の提示例を示している。閲覧時間が経過しても、
図4(a1)のウィンドウフレーム(白)420−a1、
図4(a2)のウィンドウフレーム(白)420−a1、
図4(a3)のウィンドウフレーム(白)420−a1のように白のままである。
図4(b)は、閲覧制限があって、閲覧可能性度合が低い場合(ステップS308で「低」)の提示例を示している。
図4(b1)の最初の提示ではウィンドウフレーム(緑)420−b1とし、時間の経過にしたがって、
図4(b2)のウィンドウフレーム(黄)420−b2、
図4(b3)のウィンドウフレーム(赤)420−b3と変化させている。
図4(c)は、閲覧制限があって、閲覧可能性度合が高い場合(ステップS308で「高」)の提示例を示している。
図4(c1)の最初の提示ではウィンドウフレーム(緑)420−c1とし、時間の経過にしたがって、
図4(c2)のウィンドウフレーム(黄)420−c2、
図4(c3)のウィンドウフレーム(赤)420−c3、
図4(c4)のウィンドウフレーム(赤太)420−c4と変化させ、その変化の速度は、
図4(b)の場合よりも速い。
なお、
図4(b)の場合、表示当初の状態は、ウィンドウフレーム(白)420−a1としておき、期間B1の後、ウィンドウフレーム(緑)420−b1に変化させてもよい。
図4(c)の場合、表示当初の状態は、ウィンドウフレーム(白)420−a1としておき、期間A1(期間B1よりも短い期間)の後、ウィンドウフレーム(緑)420−c1に変化させてもよい。
【0086】
図5は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図4の例では、時間の経過にしたがってウィンドウフレームの色彩(緑、黄、赤)、ウィンドウフレームの太さを変化させたが、色彩(緑、黄、赤)の他に、ウィンドウフレームを点滅させるようにしてもよい。
図5は、閲覧制限があって、閲覧可能性度合が高い場合(ステップS308で「高」)の提示例を示している。最初の提示ではウィンドウフレーム(緑)520−1とし、時間の経過にしたがって、ウィンドウフレーム(黄)520−2、ウィンドウフレーム(赤)520−3、ウィンドウフレーム(点滅・赤)520−4と変化させている。点滅させることによって、第三者による覗き見の可能性が高まっていることをユーザに知らせている。
【0087】
図6は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。色彩は固定(例えば、赤)し、時間の経過とともに、ウィンドウフレームの太さを変化させてもよい。
図6は、閲覧制限があって、閲覧可能性度合が高い場合(ステップS308で「高」)の提示例を示している。最初の提示ではウィンドウフレーム(赤細)620−1とし、時間の経過にしたがって、より太いウィンドウフレーム(赤中)620−2、さらに太いウィンドウフレーム(赤太)620−3と変化させている。ウィンドウフレームを太くすることによって、第三者による覗き見の可能性が高まっていることをユーザに知らせている。
提示形態の変化として、ウィンドウフレームの色彩、太さ、点滅を組み合わせてもよいし、前述したように、ウィンドウフレーム内にメッセージ、模様、アニメーション、音、振動を対象として変化させてもよい。
【0088】
図7は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS702では、対象文書の閲覧制限を取得する。
ステップS704では、閲覧制限を用いて閲覧可能性度合を算出する。
この処理は、閲覧制限の強度に応じて、変更の速度を調整するものである。特に、閲覧制限の強度が強い場合は、変更の速度を速くするようにしている。
例えば、開示範囲テーブル1900を用いてもよい。
図19は、開示範囲テーブル1900のデータ構造例を示す説明図である。開示範囲テーブル1900は、開示範囲欄1910、セキュリティレベル欄1920を有している。開示範囲欄1910は、開示範囲を記憶している。セキュリティレベル欄1920は、その開示範囲に対応するセキュリティレベルを記憶している。
例えば、開示範囲:役員以上はセキュリティレベル「3」であり、開示範囲:部長以上はセキュリティレベル「2」であり、開示範囲:課長以上はセキュリティレベル「1」である。例えば、セキュリティレベル「2」以上である場合(セキュリティレベル「2」、「3」)、閲覧可能性度合を「高」(又は、「高」となる数値)としてもよい。この場合、セキュリティレベル「1」は、閲覧可能性度合が「低」(又は、「低」となる数値)となる。
【0089】
図8は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS802では、携帯情報処理装置200の場所を取得する。その文書を表示している携帯情報処理装置200の場所を取得する。例えば、前述したように、携帯情報処理装置200からGPSによる位置情報を取得してもよい。
ステップS804では、ステップS802で取得した場所を用いて閲覧可能性度合を算出する。
この処理は、文書の閲覧が行われている場所に応じて、変更の速度を調整するものである。特に、その場所がセキュリティを保てない場所である場合(例えば、駅構内等)は、変更の速度を速くするようにしている。
【0090】
図9は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS902では、携帯情報処理装置200のセキュリティ状態を取得する。
ステップS904では、セキュリティ状態を用いて閲覧可能性度合を算出する。
この処理は、文書を表示している端末のセキュリティ状態に応じて、変更の速度を調整するものである。特に、その端末のセキュリティ状態が保たれていない場合(例えば、パッチの未対応等)は、変更の速度を速くするようにしている。
【0091】
図10は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1002では、ディスプレイ205の勾配を取得する。
ステップS1004では、勾配を用いて閲覧可能性度合を算出する。
この処理は、文書を表示している画面の勾配に応じて、変更の速度を調整するものである。特に、その画面が他の人にも閲覧可能である場合(例えば、タブレット型端末が水平になっている場合等)は、変更の速度を速くするようにしている。
【0092】
図11は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1102では、対象文書の操作状態を取得する。
ステップS1104では、操作はあるか否かを判断し、ある場合はステップS1106へ進み、それ以外の場合はステップS1108へ進む。
ステップS1106では、閲覧可能性度合を低くする。
ステップS1108では、閲覧可能性度合を高くする。
この処理は、文書に対しての操作があるか否かに応じて、変更の速度を調整するものである。特に、その文書に対しての操作がない場合は、変更の速度を速くするようにしている。
【0093】
図12は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1202では、ディスプレイの種類を取得する。
ステップS1204では、対象文書の操作状態を取得する。
ステップS1206では、タッチスクリーンであって、指又はペンを用いた操作であるか否かを判断し、タッチスクリーンであって、指又はペンを用いた操作である場合はステップS1208へ進み、それ以外の場合はステップS1210へ進む。
ステップS1208では、閲覧可能性度合を低くする。
ステップS1210では、閲覧可能性度合を高くする。
この処理は、文書に対しての操作の種類に応じて、変更の速度を調整するものである。特に、その文書を表示している画面がタッチスクリーンである場合は、操作の種類が指又はペンを用いている操作である場合は、変更の速度を遅く、又は、当初の速度を維持するようにしている。
【0094】
図13は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1302では、ディスプレイの種類を取得する。
ステップS1304では、対象文書の操作状態を取得する。
ステップS1306では、タッチスクリーンであって、拡大の操作ではないか否かを判断し、タッチスクリーンであって、拡大の操作でない場合はステップS1308へ進み、それ以外の場合(タッチスクリーンでない場合、又は、拡大の操作である場合)はステップS1310へ進む。
ステップS1308では、閲覧可能性度合を低くする。
ステップS1310では、閲覧可能性度合を高くする。
この処理は、文書に対しての操作の種類に応じて、変更の速度を調整するものである。特に、その操作の種類が拡大である場合は、変更の速度を速くするようにしている。逆に、その操作の種類が縮小である場合は、変更の速度を遅くするようにしてもよい。
【0095】
図14は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1402では、対象文書を表示している現在の日時を取得する。
ステップS1404では、時間帯に応じて、閲覧可能性度合を算出する。
この処理は、文書を表示している日時に応じて、変更の速度を調整するものである。特に、その文書を表示している時間が、就業時間外である場合は、変更の速度を速くするようにしている。
【0096】
図15は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。「閲覧場所」、「端末セキュリティの状態」の両方を用いて、変更速度を調整する処理を行う具体例を示すものである。
ステップS1502では、「閲覧制限」の有無の取得、「閲覧場所」の取得、「端末セキュリティの状態」の取得を行う。
ステップS1504では、閲覧制限があるか否かを判断し、ある場合はステップS1506へ進み、それ以外の場合はステップS1522へ進む。
【0097】
ステップS1506では、ウィンドウフレームの色を変える。
ステップS1508では、未適応パッチがあるか否かを判断し、ある場合はステップS1510へ進み、それ以外の場合はステップS1520へ進む。
【0098】
ステップS1510では、閲覧可能性度合を強める。
ステップS1512では、閲覧場所が自社以外であるか否かを判断し、閲覧場所が自社以外の場合はステップS1514へ進み、それ以外の場合はステップS1518へ進む。
【0099】
ステップS1514では、閲覧可能性度合を強める。
ステップS1516では、閲覧時間の経過とともに閲覧可能性度合に応じてウィンドウフレームの色を強調していく。
【0100】
ステップS1518では、閲覧時間の経過とともに閲覧可能性度合に応じてウィンドウフレームの色を強調していく。
ステップS1520では、閲覧時間の経過とともに閲覧可能性度合に応じてウィンドウフレームの色を強調していく。
ステップS1522では、ウィンドウフレームの強調表示をしない。
【0101】
図16は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図15の例に示したフローチャートによる処理による携帯情報処理装置200における文書の提示形態の変更の例を示すものである。
図16(a)の例は、閲覧制限はあるが、未適応パッチがない場合(ステップS1508でNOの場合)の文書の提示形態の変更の例を示すものである。
具体的には、
図16(a1)の例に示す最初の状態ではウィンドウフレーム(緑)1620−1であり、
図16(a4)の例に示す閲覧時間になってウィンドウフレーム(黄)1620−2に変更している。
【0102】
図16(b)の例は、閲覧制限があり、未適応パッチがあり、閲覧場所が自社である場合(ステップS1512でNOの場合)の文書の提示形態の変更の例を示すものである。
ステップS1510で閲覧可能性度合を強めることが1回行われており、
図16(a)の例の場合よりも早く、ウィンドウフレームの色彩を変更している。
具体的には、
図16(b1)の例に示す最初の状態ではウィンドウフレーム(緑)1620−1であり、
図16(b3)の例に示す閲覧時間になってウィンドウフレーム(黄)1620−2に変更し、
図16(b5)の例に示す閲覧時間になってウィンドウフレーム(赤)1620−3に変更している。
【0103】
図16(c)の例は、閲覧制限があり、未適応パッチがあり、閲覧場所が自社以外である場合(ステップS1512でYESの場合)の文書の提示形態の変更の例を示すものである。
ステップS1510とステップS1514で閲覧可能性度合を強めることが2回行われており、
図16(b)の例の場合よりも早く、ウィンドウフレームの色彩を変更している。
具体的には、
図16(c1)の例に示す最初の状態ではウィンドウフレーム(緑)1620−1であり、
図16(c2)の例に示す閲覧時間になってウィンドウフレーム(黄)1620−2に変更し、
図16(c3)の例に示す閲覧時間になってウィンドウフレーム(赤)1620−3に変更している。
【0104】
図17は、本実施の形態による表示形態の変更速度例を示す説明図である。
横軸に閲覧時間、縦軸に強調度(例えば、ウィンドウフレームの色彩変更の段階)としたグラフを示している。傾きが変更速度を示すことになる。つまり、リスクが高い状況であるほど強調度の変化度が高くなる。なお、「閲覧制限」「端末セキュリティ状態」は2値(0又は1)でなく、そのレベルに応じて変更してもよい。
具体的には、閲覧制限があり、閲覧場所が自社以外であり、端末セキュリティが不十分(未適応パッチがある場合)である場合、最も変更速度が速い。
閲覧制限があり、閲覧場所が自社であり、端末セキュリティが十分(未適応パッチがない場合)である場合、最も変更速度が遅い。
閲覧制限があり、閲覧場所が自社以外であり、端末セキュリティが十分である場合、変更速度は前2者の中間の速度である。
【0105】
図18は、本実施の形態による表示形態の変更速度例を示す説明図である。
図17の例と同様に、横軸に閲覧時間、縦軸に強調度(例えば、ウィンドウフレームの色彩変更の段階)としたグラフを示している。傾きが変更速度を示すことになる。
この例は、「文書を閲覧できる者の制限の強度」に応じて、変更速度を決定しているものである。
具体的には、セキュリティレベルが「3」(役員以上でないと閲覧できない文書)である場合、最も変更速度が速い。
セキュリティレベルが「1」(課長以上でないと閲覧できない文書)である場合、最も変更速度が遅い。
セキュリティレベルが「2」(部長以上でないと閲覧できない文書)である場合、変更速度は前2者の中間の速度である。
【0106】
図20は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。文書の表示開始時点で、文書の提示形態を変更した例を示すものである。具体的には、ウィンドウフレームの初期の色彩を変更したものである。
図20(a)の例は、閲覧制限はあるが、閲覧場所が自社であり、端末セキュリティが十分(未適応パッチがない場合)である場合、
図20(a1)の例に示すように、文書の表示開始時点ではウィンドウフレーム(緑)2020−1である。その後、
図20(a2)の例に示すようにウィンドウフレーム(黄)2020−2となり、
図20(a3)の例に示すようにウィンドウフレーム(赤)2020−3となる。
図20(b)の例は、閲覧制限があり、閲覧場所が自社であり、端末セキュリティが不十分(未適応パッチがある場合)である場合、
図20(b1)の例に示すように、文書の表示開始時点で既にウィンドウフレーム(黄)2020−2である(ウィンドウフレーム(緑)2020−1ではない)。その後、
図20(b2)の例に示すようにウィンドウフレーム(赤)2020−3となる。
図20(c)の例は、閲覧制限があり、閲覧場所が自社以外であり、端末セキュリティが不十分(未適応パッチがある場合)である場合、
図20(c1)の例に示すように、文書の表示開始時点で既にウィンドウフレーム(赤)2020−3である(ウィンドウフレーム(緑)2020−1でなく、ウィンドウフレーム(黄)2020−2でもない)。
【0107】
図21は、本実施の形態による処理例を示したフローチャートである。これは、
図2(b)のシステム形態での処理例を示すものであり、携帯情報処理装置210と文書管理装置250との間で通信を行う。
文書管理装置250では、各文書の開示(アクセス)範囲を管理し、各端末の状態を管理し、自拠点(自社)の位置情報を管理している。
文書管理装置250が情報を管理することで、情報が変化した場合や、会社独自のルール(一部パッチが入っていなくても問題なしとすること等)にも対応できる。
【0108】
S2102では、ユーザ2110が、携帯情報処理装置210に対して、閲覧操作(文書を開く操作)を行う。
ステップS2104では、携帯情報処理装置210が、文書管理装置250に対して、「文書ID」により「文書の開示範囲(セキュリティレベル)」を取得する要求をし、「端末ID」により「端末セキュリティ状態」を取得する要求をし、「GPS情報」(又は、ネットワーク情報)により「閲覧場所が自社拠点か否か?」を取得する要求をする。
【0109】
ステップS2106では、文書管理装置250が、携帯情報処理装置210に対して、「開示範囲」、「セキュリティ状態」、「自社拠点か否か?の回答」を送信する。
ステップS2108では、携帯情報処理装置210が、「開示範囲」、「セキュリティ状態」、「自社拠点か否か?の回答」に応じて表示を変更する。
【0110】
図22は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。文書を閲覧不可の状態にした後に、閲覧可能な状態に戻した場合、閲覧不可となっている時間に応じて、その文書の提示形態を変更する処理例を示すものである。
【0111】
ステップS2202では、対象文書は閲覧不可であるか否かを判断し、閲覧不可の場合はステップS2204へ進み、それ以外の場合は閲覧不可となるまで待機する。
ステップS2204では、閲覧不可時間の計測を開始する。
【0112】
ステップS2206では、対象文書は閲覧可能であるか否かを判断し、閲覧可能となった場合はステップS2208へ進み、それ以外の場合は閲覧可能となるまで待機する。
ステップS2208では、閲覧不可時間の計測を終了する。
【0113】
ステップS2210では、携帯情報処理装置200の設定されているスクリーンロック時間を取得する。
ステップS2212では、スクリーンロック時間を用いて閾値を算出する。例えば、スクリーンロック時間に予め定められた閾値(1以上の値)を乗算するようにしてもよいし、スクリーンロック時間に予め定められた閾値(0以上の値)を加算するようにしてもよい。
なお、閾値をスクリーンロック時間より長い時間としているのは、簡単な中断からの継続か否か(別業務からの再開でないか否か)により、表示状態を戻すか否かの判断基準(クライテリア)としているからである。つまり、スクリーンロック時間程度の閲覧不可時間は、簡単な中断とみなせるからである。
【0114】
ステップS2214では、「閲覧不可時間<閾値」であるか否かを判断し、「閲覧不可時間<閾値」の場合はステップS2216へ進み、それ以外の場合はステップS2218へ進む。
ステップS2216では、閲覧不可になる前の表示状態と閲覧不可時間に応じたウィンドウフレームで文書を表示する。
ステップS2218では、初期状態のウィンドウフレームで文書を表示する。
【0115】
図23は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
この携帯情報処理装置200に設定されているスクリーンロック時間は、1時間であるとする。そして、ステップS2214で用いる閾値は1時間5分である。
文書を開いた最初の状態ではウィンドウフレーム(緑)2320−1であるが、15分後にはウィンドウフレーム(黄)2320−2となり、さらに15分後にはウィンドウフレーム(赤)2320−3となっている。この時点で、文書を閉じたとする。
例えば、文書を閉じてから1時間経過後に、同じ文書を開いた場合、ウィンドウフレーム(黄)2320−2の提示形態で文書を表示する。閾値時間以内に、同じ文書が再度開かれたので、ウィンドウフレーム(緑)2320−1ではなく、ウィンドウフレーム(黄)2320−2の提示形態で文書を表示する。これによって、第三者による覗き見を注意喚起している。なお、閉じる直前の状態であるウィンドウフレーム(赤)2320−3より一段階低い状態であるウィンドウフレーム(黄)2320−2としているが、ウィンドウフレーム(赤)2320−3のままとしてもよい。また、閲覧不可となっている時間に応じて、ウィンドウフレーム(赤)2320−3、ウィンドウフレーム(黄)2320−2を選択できるようにしてもよい。具体的には、閲覧不可となっている時間が予め定められた閾値(ステップS2214で用いる閾値よりも短い時間)より短い又は以下である場合は、閉じる直前の状態であるウィンドウフレーム(赤)2320−3として、それ以外の場合は、ウィンドウフレーム(黄)2320−2としてもよい。
また、文書を閉じてから2時間経過後に、同じ文書を開いた場合は(閾値以上であるので)、初期状態であるウィンドウフレーム(緑)2320−1の提示形態で文書を表示する。
【0116】
なお、本実施の形態としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、
図24に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバーとなり得るコンピュータ等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU2401を用い、記憶装置としてRAM2402、ROM2403、HDD2404を用いている。HDD2404として、例えば、ハードディスク、フラッシュ・メモリであるSSD(Solid State Drive)等を用いてもよい。制御モジュール105、算出モジュール110、表示制御モジュール115、表示モジュール120等のプログラムを実行するCPU2401と、そのプログラムやデータを記憶するRAM2402と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM2403と、設定情報記憶モジュール120等としての機能を有する補助記憶装置であるHDD2404と、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイク、カメラ(視線検知カメラ等を含む)等に対する利用者の操作(動作、音声、視線等を含む)に基づいてデータを受け付ける受付装置2406と、CRT、液晶ディスプレイ、スピーカー等の出力装置2405と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース2407、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス2408により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0117】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、
図24に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図24に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに
図24に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0118】
また、前述の実施の形態の説明内での比較処理において、「以上」、「以下」、「より大きい」、「より小さい(未満)」としたものは、その組み合わせに矛盾が生じない限り、それぞれ「より大きい」、「より小さい(未満)」、「以上」、「以下」としてもよい。
【0119】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【課題】文書を閲覧する権限のないユーザが、その文書の内容を閲覧してしまう危険性を、その文書を閲覧する権限のあるユーザに対して喚起することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置100の表示手段は、閲覧権限のあるユーザが開くことのできる文書を表示し、変更手段は、ユーザが文書を表示しているときの状況から算出された、閲覧権限のないユーザが文書の内容を閲覧できる可能性が高い場合と低い場合とで、文書の提示形態を変更する。