(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記被覆部材は、前記電極部が外部に露出するように、前記電極部を除いて前記素体の第1の面を覆うように形成される、請求項2又は3に記載のコイル部品の製造方法。
前記フープ材は、前記電極部が前記複数の金属板及び前記支持部材が位置する平面から離れた平面に位置するように折り曲げ加工されている、請求項4に記載のコイル部品の製造方法。
前記素体の第1の面で露出する前記複数の金属ピンのそれぞれの一端部に導電性接合材を設け、当該導電性接合材の上に前記複数の金属板が接合されるように、前記素体の第1の面に前記支持部材を配置することを含む、請求項1〜5のいずれか1つに記載のコイル部品の製造方法。
前記素体には、前記複数の金属ピンの間で且つ前記素体の第1の面と第2の面との間に位置する領域に、前記素体よりも比透磁率が高い磁性部材が埋設されている、請求項1〜6のいずれか1つに記載のコイル部品の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の基礎となった知見)
本発明者らは、コイル部品の性能を一層向上させるために鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
【0012】
特許文献1の製造方法では、磁性体粒子を含む成形体である素体を1次モールド成形し、当該素体に設けられた突起部にコイル導体を挿入した後、当該コイル導体を覆うように前記素体を2次モールド成形することによって、コイル部品を製造する。この製造方法では、2次モールド成形の際、コイル導体に対して巻回軸方向に圧縮力が掛かり、コイル導体が圧縮されながら、コイル導体を構成する線材間に巻回軸方向に対して交差する方向に素体が侵入する。このため、各線材間の間隔にバラツキが生じやすい。当該バラツキが生じると、L値が一定にならず、狭偏差品のコイル部品が作りにくい。
【0013】
これに対して、本発明者らは、コイル導体の一部を構成する複数の金属ピンを前記素体を貫通するように埋設し、当該素体の両面で露出する複数の金属ピンのそれぞれの端部を、コイル導体の残部を構成する複数の導体で電気的に接続する製造方法を見出した。この製造方法によれば、各金属ピンに対して軸方向と交差する方向に力が加わらないようにして、金属ピン間の間隔を一定にすることが可能になる。その結果、L値を一定にして、コイル部品の性能を維持または向上させ、L値偏差バラツキ特性を小さくすることができる。したがって、特許文献1のようなコイル導体間の間隔にバラツキは生じにくい。
【0014】
更に、本発明者らは、複数の金属ピンのそれぞれの端部を電気的に接続する複数の導体の少なくとも一部に金属板を用い、当該金属板と前記素体の表面との間に隙間を設ける製造方法を見出した。この製造方法によれば、金属ピンどうしの接続のために直流抵抗が小さい金属板が用いられるので、損失の小さいコイル部品を得ることができる。
【0015】
これらの点を踏まえて、本発明者らは、以下の発明に至った。
【0016】
本発明の一態様に係るコイル部品の製造方法は、
磁性体粒子を含む成形体である素体の第1の面に複数の金属ピンの一端部が露出するとともに、前記第1の面と対向する前記素体の第2の面に前記複数の金属ピンの他端部が露出するように、前記複数の金属ピンが埋設された前記素体を準備する工程と、
前記素体の第1の面において、一の金属ピンの一端部と他の一の金属ピンの一端部とを金属板で電気的に接続するように、支持部材に支持される複数の前記金属板を前記素体の第1の面に配置する工程と、
前記素体の第2の面において、一の金属ピンの他端部と他の一の金属ピンの他端部とを導体で電気的に接続するように、複数の前記導体を前記素体の第2の面に配置する工程と、
前記複数の金属ピンの一端部と前記複数の金属板とが電気的に接続された後に前記支持部材の少なくとも一部を除去する工程と、
を含み、
前記複数の金属ピンと前記複数の金属板と前記複数の導体とでコイル導体が構成される。
【0017】
この製造方法によれば、少なくとも一方の面側の金属ピンどうしの接続のために直流抵抗が小さい金属板が用いられるので、損失の小さいコイル部品を得ることができる。
【0018】
なお、前記複数の金属板及び前記支持部材は、金属製シートをエッチング又は打ち抜き加工したフープ材で構成され、前記複数の金属ピンの一端部と前記複数の金属板とが電気的に接続された後、前記支持部材と前記複数の金属板とが切り離され、前記支持部材が除去されてもよい。これにより、金属板を有する本発明のコイル部品をより容易に製造することができる。
【0019】
また、前記素体の第1の面を覆うように被覆部材を形成する工程を更に含んでもよい。これにより、コイル導体が外部に露出しないようにすることができる。
【0020】
また、前記被覆部材は、磁性体粒子を含む成形体である被覆用素体であってもよい。これにより、コイル導体の全部を素体内に埋設させることができる。
【0021】
また、前記フープ材は、前記コイル部品の端子電極となる電極部を備え、前記電極部は、前記支持部材が除去された後も前記素体の第1の面側に位置し、前記被覆部材は、前記電極部が外部に露出するように、前記電極部を除いて前記素体の第1の面を覆うように形成されてもよい。これにより、コイル部品の電極部を別途形成する必要性を無くすことができ、コイル部品をより容易に製造することができる。
【0022】
また、前記フープ材は、前記電極部が前記複数の金属板及び前記支持部材が位置する平面から離れた平面に位置するように折り曲げ加工されてもよい。これにより、コイル部品の電極部を別途形成する必要性を無くすことができ、コイル部品をより容易に製造することができる。特にコイル導体が全て素体に埋設される場合に効果が大きい。
【0023】
また、前記素体の第1の面で露出する前記複数の金属ピンのそれぞれの一端部に導電性接合材を設け、当該導電性接合材の上に前記複数の金属板が接合されるように、前記素体の第1の面に前記支持部材を配置することを含んでもよい。これにより、コイル部品をより容易に製造することができる。また、金属ピンと金属板との間に導電性接合材が存在するので、金属板と素体の表面との間に隙間を設けやすくすることができる。
【0024】
また、前記素体には、前記複数の金属ピンの間で且つ前記素体の第1の面と第2の面との間に位置する領域に、前記素体よりも比透磁率が高い磁性部材が埋設されてもよい。これにより、コイル部品全体の比透磁率を向上させることができる。
【0025】
また、前記磁性体粒子は磁性金属粉末であり、前記素体は前記磁性金属粉末を含む圧粉成形体であってもよい。この圧粉成形体は、磁性金属粉末を樹脂等の結合材を介して圧縮成形したものであり、素体における磁性金属粉末のコンテンツを高めることができる。このため、磁気飽和を起こしにくく、直流重畳特性に優れたコイル部品を構成できる。なお、圧粉成形体は樹脂を含んでいなくてもよい。
【0026】
また、前記磁性体粒子は複合磁性体材料を含んでもよい。
【0027】
また、前記素体内には、複数の前記コイル導体が形成され、1つのコイル導体を含む個々のコイル部品となるように前記素体を切断して個片化する工程を更に含んでもよい。これにより、複数のコイル部品をより容易に製造することができる。
【0028】
また、前記導体は、金属板であり、前記金属板は、前記素体の裏面との間に隙間を有するように配置され、前記素体の第2の面で露出する金属ピンの他端部に電気的に接続されてもよい。これにより、素体の第1の面、第2の面の両面において、金属ピンどうしの接続のために直流抵抗が小さい金属板が用いられるので、さらに損失の小さいコイル部品を得ることができる。
【0029】
また、本発明の一態様に係るコイル部品は、
磁性体粒子を含む成形体である素体と、
一端部が前記素体の第1の面で露出するとともに他端部が前記第1の面と対向する前記素体の第2の面で露出するように前記素体の内部に埋設された複数の金属ピンと、
前記素体の第1の面において、一の金属ピンの一端部と他の一の金属ピンの一端部とを電気的に接続するように、前記素体の第1の面に配置された複数の金属板と、
前記素体の第2の面において、一の金属ピンの他端部と他の一の金属ピンの他端部とを電気的に接続するように、前記素体の第2の面に配置された複数の導体と、
を備え、
前記複数の金属ピンと前記複数の金属板と前記複数の導体とでコイル導体が構成され、
前記複数の金属板と前記素体の第1の面との間には、隙間が設けられている。
【0030】
この構成によれば、素体内に複数の金属ピンを埋設し、少なくとも一方の面側の金属ピンどうしの接続のために直流抵抗が小さい金属板が用いられるので、損失の小さいコイル部品を得ることができる。また、金属板と素体の第1の面との間に隙間を設けているので、磁気飽和を抑えることができる。その結果、コイル部品の性能を一層向上させることができる。
【0031】
なお、前記金属板と前記素体の第1の面との隙間の平均寸法は、前記金属ピンの外周面と前記素体との隙間の平均寸法よりも大きくてもよい。これにより、磁気飽和をより確実に抑えて、コイル部品の性能を一層向上させることができる。また、金属ピンの外周面と素体との隙間が狭く、より密着することで、素体の特性(特に直流重畳特性)を向上させることができる。
【0032】
また、前記素体には、前記複数の金属ピンの間で且つ前記素体の第1の面と第2の面との間に位置する領域に、前記素体よりも比透磁率が高い磁性部材が埋設されてもよい。
【0033】
また、前記磁性体粒子は複合磁性体材料を含んでもよい。
【0034】
また、本発明の一態様に係DC−DCコンバータは、
スイッチング素子と、当該スイッチング素子に接続されたチョークコイルと、を備えるDC−DCコンバータであって、
前記チョークコイルは、
磁性体粒子を含む成形体である素体と、
一端部が前記素体の第1の面で露出するとともに他端部が前記第1の面と対向する前記素体の第2の面で露出するように前記素体の内部に埋設された複数の金属ピンと、
前記素体の第1の面において、一の金属ピンの一端部と他の一の金属ピンの一端部とを電気的に接続するように、前記素体の第1の面に配置された複数の金属板と、
前記素体の第2の面において、一の金属ピンの他端部と他の一の金属ピンの他端部とを電気的に接続するように、前記素体の第2の面に配置された複数の導体と、
を備え、
前記複数の金属ピンと前記複数の金属板と前記複数の導体とでコイル導体が構成され、
前記複数の金属板と前記素体の第1の面との間には、隙間が設けられている。
【0035】
この構成によれば、素体内に複数の金属ピンを埋設し、少なくとも一方の面側の金属ピンどうしの接続のために直流抵抗が小さい金属板が用いられるので、損失の小さいコイル部品を得ることができる。また、金属板と素体の第1の面との間に隙間を設けているので、磁気飽和を抑えることができる。その結果、チョークコイル部品の性能を一層向上させることができる。
【0036】
また、前記磁性体粒子は複合磁性体材料を含んでもよい。
【0037】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0038】
(実施の形態1)
図1を用いて、本発明の実施の形態1に係るコイル部品の製造方法により製造されるコイル部品の構成を説明する。
図1は当該コイル部品の概略構成を示す斜視図である。
図2は、
図1のA1−A1線断面図である。
図3は、
図1のB1−B1線断面図である。
【0039】
本実施の形態に係るコイル部品1は、
図1〜
図3に示すように、直方体形状の素体2と、素体2の表面2aを覆うように設けられた被覆部材の一例である被覆用素体3と、素体2の裏面2bを覆うように設けられた被覆部材の一例である被覆用素体4とを備えている。被覆用素体3の表面3aには、端子電極となる一対の電極部5が露出するように設けられている。なお、本実施の形態において、表面2aは素体2の第1の面であり、裏面2bは素体2の第2の面である。
【0040】
素体2及び被覆用素体3,4は、磁性体粒子を含む成形体である。素体2は、磁性体粒子を80体積%以上、好ましくは95体積%以上含む。素体2及び被覆用素体3,4は、磁性体粒子がバインダ中に分散している複合磁性体、特に、磁性金属粉末がバインダ(樹脂)中に分散しているメタルコンポジット材が好ましく、例えば、鉄系の磁性金属粉末を熱硬化性のバインダ樹脂(例えば、エポキシ樹脂)で圧粉成形した構造を有する。鉄系の磁性金属粉末の磁性体粒子は、例えば、鉄に添加物としてマンガン又はクロムを加えたものであってよい。また、素体2は、バインダ樹脂を含まず、磁性体粒子の表面に絶縁体として酸化膜を形成し、当該酸化膜を構成する結晶同士が繋がるように成形された成形体であってもよい。この場合、磁性体粒子間の酸化膜が互いにつながっていてもよい。さらに酸化膜の結晶が連続的につながっていてもよい。
【0041】
なお、鉄系の磁性金属粉末にはMn、Cr等の添加物又は不純物を含んでいてもよい。バインダは、例えばエポキシ樹脂である。なお、磁性体粒子として、鉄系の磁性金属粉末に限定するものではない。磁性体粒子としてフェライト粉末等を用いてもよい。なお、磁性体粒子として鉄系の磁性金属粉末を用いた場合、比透磁率が高く、飽和しにくいのでパワーインダクタ用のコイル部品として有用である。
【0042】
素体2は、例えば、複合磁性体、特に、メタルコンポジット材を印刷工程等で設けた後、圧粉成形によって形成できる。磁性金属粉末の体積分率は、例えば、80体積%以上であり、さらに、95体積%以上であることが好ましい。磁性金属粉末の割合を高くできるので、パワーインダクタ用として有用である。また、単に印刷によって設けるだけでなく、圧粉成形することで磁性金属粉末の充填密度を高めることができるので比透磁率が高い。また、素体2は、バインダ(樹脂)を用いないで、磁性体粒子を、その表面の酸化膜を介して接触するように成形することによって形成できる。
【0043】
被覆用素体3,4は、素体2と同様の磁性体粒子がバインダ中に分散している複合磁性体、特に、磁性金属粉末がバインダ中に分散しているメタルコンポジット材、あるいは、バインダ(樹脂)を含まず、磁性体粒子が、その表面の酸化膜を介して接触するように成形された成形体である。
【0044】
被覆用素体3,4は、例えば、素体2に対して上記の複合磁性体等を印刷することによって設けることができる。なお、印刷に限られず、他の方法によって設けてもよい。被覆用素体3,4が印刷により形成される場合、素体2の比透磁率は、被覆用素体3,4の比透磁率よりも高くなる。
【0045】
図2及び
図3に示すように、素体2の内部には、複数の金属ピン6が埋設されている。各金属ピン6は、素体2を高さ方向Zに貫通するように設けられている。各金属ピン6の一端部6aは、素体2の表面2aで露出し、導電性接合材7aを介して導体である金属板8aに電気的に接続されている。各金属板8aは、一の金属ピン6の一端部6aと他の一の金属ピン6の一端部6aとを電気的に接続するように素体2の表面2aに配置されている。各金属板8aと素体2の表面2aとの間には、隙間CL1が設けられている。各金属ピン6の他端部6bは、素体2の裏面2bで露出し、導電性接合材7bを介して導体である金属板8bに電気的に接続されている。各金属板8bは、一の金属ピン6の他端部6bと他の一の金属ピン6の他端部6bとを電気的に接続するように素体2の裏面2bに配置されている。各金属板8bと素体2の裏面2bとの間には、隙間CL2が設けられている。導電性接合材7a,7bは、例えば、錫・銀系の半田である。
【0046】
隙間CL1,CL2の平均寸法は、例えば1μm以上10μm以下である。なお、金属板8a,8bと素体2の表面2aとが部分的に接してもよい。即ち、隙間CL1,CL2の寸法は、実質的に0μmである部分があってもよいし、10μmより大きい部分があってもよい。また、隙間CL1,CL2は、磁気飽和を抑えることができればよく、空気層であることに限定されない。例えば、隙間CL1,CL2には、樹脂などの絶縁部材が充填されてもよい。
【0047】
金属ピン6は、例えば、金属塊(バルク)をピン状に加工して構成されている。金属ピン6の直径は、例えば100μm以上200μm以下である。また、金属板8a,8bは、例えば、金属塊(バルク)を板状に加工して構成されている。金属板8a,8bは、蒸着やエッチングによって形成されるものではなく、実質的に樹脂を含んでいない金属部材である。また、金属板8a,8bは、実質的に樹脂を含んでいない金属部材である。金属板8a,8bの厚さは、例えば50μm以上200μm以下である。このように構成することにより、金属ピン6及び金属板8a,8bの直流抵抗を小さくして、損失の少ないパワーインダクタのようなコイル部品を実現することができる。
【0048】
電極部5は、
図2及び後述する
図15に示すように、コイル部品1において横方向(長手方向)Xの両端部側に位置する2つの金属板8aを、高さ方向Zに延伸し、被覆用素体3の表面3aに沿うように折り曲げることにより構成されている。
【0049】
図4は、コイル部品1の概略構成を示す平面図であり、複数の金属ピン6及び複数の金属板8aの位置関係を示す図である。
図5は、コイル部品1の概略構成を示す底面図であり、複数の金属ピン6及び複数の金属板8bの位置関係を示す図である。
【0050】
複数の金属ピン6は、
図4及び
図5に示すように、横方向Xに2列配置されている。複数の金属板8aは、
図4に示すように、横方向X及び縦方向(短手方向)Yに対して斜めに延在するように配置されている。横方向Xに配列された金属ピン6の配置間隔は、例えば100μmである。複数の金属板8bは、
図5に示すように、縦方向Yに延在するように配置されている。これにより、複数の金属ピン6と複数の金属板8a,8bとで螺旋状のコイル導体が構成されている。
【0051】
本実施の形態1に係るコイル部品1によれば、素体2内に複数の金属ピン6を埋設し、当該複数の金属ピン6の両端部を金属板8a,8bで電気的に接続してコイル導体を構成するようにしているので、例えば、金属板8a,8bの代わりに導電性ペーストの焼結体である導体を用いた場合と比較して、直流抵抗を小さくして、損失の少ないコイル部品を実現することができる。また、金属板(フープ材)自体が弾性を持つ薄板状であるため、コイル部品の耐衝撃性も改善する。また、金属板8aと素体2の表面2aとの間に隙間CL1を設けるとともに、金属板8bと素体2の裏面2bとの間に隙間CL2を設けているので、磁気飽和を抑えることができる。その結果、コイル部品1の性能を一層向上させることができる。
【0052】
なお、金属ピン6の外周面と素体2との間には、製造上、隙間が生じることがある。隙間CL1,CL2の平均寸法は、この金属ピン6の外周面と素体2との隙間の平均寸法よりも大きくすることが好ましい。言い換えれば、素体2の表面2aと金属板8aとの単位面積当たりの接触面積及び素体2の裏面2bと金属板8bとの単位面積当たりの接触面積は、金属ピン6の外周面と素体2との単位面積当たりの接触面積よりも小さいことが好ましい。これにより、磁気飽和をより確実に抑えて、コイル部品1の性能を一層向上させることができる。また、金属ピン6の外周面と素体2との隙間が狭く、より密着することで、素体2の特性(特に直流重畳特性)を向上させることができる。
【0053】
次に、
図6〜
図12を用いて、本発明の実施の形態1に係るコイル部品1の製造方法を説明する。
図6〜
図12は、本発明の実施の形態1に係るコイル部品1の製造方法を模式的に示す断面図又は斜視図である。
【0054】
まず、
図6及び
図7に示すように、台座100上に複数の金属ピン6を横方向Xに2列配置する。
【0055】
次いで、
図8に示すように、台座100上に複数の金属ピン6を内部に埋設するように未硬化状態の素体2を形成し、硬化(圧粉成形)させて金属ピン6と一体化する。これにより、素体2内に複数の金属ピン6が埋設される。また、各金属ピン6は、高さ方向Zに延在するように配置される。
【0056】
次いで、
図9に示すように、素体2の表層部分を研磨して、素体2の表面2aから金属ピン6の一端部6aを露出させる。また、素体2から台座100を取り外し、素体2の裏面2bから金属ピン6の他端部6bを露出させる。これにより、素体2の表面2aに複数の金属ピン6の一端部6aが露出するとともに、素体2の裏面2bに複数の金属ピン6の他端部6bが露出するように、複数の金属ピン6が埋設された素体2が準備される。なお、素体2の表層部分の研磨は、例えば、サンドブラストによって行うことができる。また、素体2の裏面2bも研磨してもよい。
【0057】
次いで、
図10に示すように、各金属ピン6の一端部6aに導電性接合材7aを設けた後、素体2の表面2aにフープ材10aを配置する。また、各金属ピン6の他端部6bに導電性接合材7bを設けた後、素体2の裏面2bにフープ材10bを配置する。フープ材10aは、例えば、
図13〜
図15に示す製造方法により製造される。
【0058】
まず、
図13に示すように、金属塊(バルク)を圧延した金属製シート10を用意する。次いで、
図14に示すように、金属製シート10をエッチング又は打ち抜き加工して、複数の金属板8aと、当該複数の金属板8aを支持する支持部材11aと、コイル部品1の端子電極となる電極部5とを備えるフープ材10Aを形成する。このとき、フープ材10Aは複数の金属板8a,支持部材11a及び電極部5が切れ目なく連続的に形成されている。本実施の形態1において、支持部材11aは、複数の金属板8aに接続される複数のゲート部11aaと、複数のゲート部11aaがそれぞれ接続されるランナー部11abとを備えている。次いで、
図15に示すように、電極部5が複数の金属板8a及び支持部材11aが位置する平面から離れた平面に位置するように、例えば金型を用いて、フープ材10Aを折り曲げ加工する。これにより、フープ材10aが製造される。
【0059】
なお、裏面側のフープ材10bは、表面側のフープ材10aと同様に、金属製シート10をエッチング又は打ち抜き加工することによって、複数の金属板8bと、当該複数の金属板8bを支持する支持部材11bとを備えるように製造される。このとき、フープ材10bは複数の金属板8b及び支持部材11bが切れ目なく連続的に形成されている。本実施の形態1において、支持部材11bは、複数の金属板8bに接続される複数のゲート部11baと、複数のゲート部11baがそれぞれ接続されるランナー部11bbとを備えている。裏面側のフープ材10bは、電極部5を備えないので、折り曲げ加工は行われない。
【0060】
図16は、フープ材10a,10bと複数の金属ピン6との位置関係を示す斜視図である。なお、
図16では、導電性接合材7a,7b及び素体2の図示を省略している。
【0061】
図16に示すように、表面側のフープ材10aは、各金属板8aが各金属ピン6の一端部6aに設けられた導電性接合材7a上に位置するように、素体2の表面2aに配置される。このとき、導電性接合材7aの厚みは、例えば30μmである。その後、リフローを行うなどして導電性接合材7aを硬化させることにより、金属板8aと金属ピン6の一端部6aとが電気的に接続される。このとき、導電性接合材7aの厚みは、例えば10μmである。
【0062】
また、裏面側のフープ材10bは、各金属板8bが金属ピン6の他端部6bに対して導電性接合材7bを介して電気的に接続されるように、素体2の裏面2bに配置される。このとき、導電性接合材7bの厚みは、例えば30μmである。その後、リフローを行うなどして導電性接合材7bを硬化させることにより、金属板8bと金属ピン6の他端部6bとが電気的に接続される。このとき、導電性接合材7bの厚みは、例えば10μmである。
【0063】
その後、支持部材11a,11bと複数の金属板8a,8bとを切り離し、複数の金属板8a,8bを素体2の表面2a又は裏面2b上に残して、支持部材11a,11bを除去する。複数の金属板8aと支持部材11aのゲート部11aaとの切り離し、及び複数の金属板8bと支持部材11bのゲート部11baとの切り離しは、例えば、カッターやレーザーを用いて行うことができる。これにより、複数の金属ピン6と複数の金属板8a,8bとで、螺旋状のコイル導体が構成される。なお、本実施の形態1においては、1つの素体2内に2つのコイル部品となる2つのコイル導体が形成されるものとしている。
【0064】
図10に示す工程の後、
図11に示すように、素体2の表面2aを覆うように被覆用素体3を形成するとともに、素体2の裏面2bを覆うように被覆用素体4を形成する。このとき、隙間CL1,CL2が維持されるとともに電極部5が露出するように、被覆用素体3,4を形成する(
図3参照)。これにより、素体2が繋がった複数のコイル部品1が製造される。なお、このとき、隙間CL1,CL2には、磁性体粒子を除く被覆用素体3,4の一部(樹脂)が侵入してもよい。なお、例えば、隙間CL1,CL2の最大寸法を磁性体粒子の直径(例えば、30μm)よりも小さくすることで、磁性体粒子が隙間CL1,CL2に侵入することを防ぐことができる。
【0065】
次いで、
図12に示すように、個々のコイル部品1となるように、
図11にて点線で示す切断線L1に沿って、例えばダイサーを用いて素体2を切断する。これにより、コイル部品1が製造される。
【0066】
本実施の形態1に係る製造方法によれば、素体2内に複数の金属ピン6を埋設し、その後、直流抵抗が小さい複数の金属板8a,8bを形成してコイル導体を構成するようにしているので、損失の小さいコイル部品を得ることができる。また、金属板8aと素体2の表面2aとの間に隙間CL1を設けるとともに、金属板8bと素体2の裏面2bとの間に隙間CL2を設けているので、磁気飽和を抑えることができる。その結果、コイル部品1の性能を一層向上させることができる。
【0067】
また、本実施の形態1に係る製造方法によれば、複数の金属板8aが支持部材11aに支持された状態で素体2の表面2aに配置されるとともに、複数の金属板8bが支持部材11bに支持された状態で素体2の裏面2bに配置される。その後、複数の金属ピン6の一端部6aと複数の金属板8aとが電気的に接続された後、支持部材11aが除去される。また、複数の金属ピン6の他端部6bと複数の金属板8bとが電気的に接続された後、支持部材11bが除去される。これにより、複数の金属ピン6と複数の金属板8a,8bとの電気的接続をより効率的に行うことができ、金属板8a,8bを有するコイル部品1をより容易に製造することができる。
【0068】
また、本実施の形態1に係る製造方法によれば、素体2の表面2a及び裏面2bを覆うように被覆用素体3,4を形成する工程を含んでいる。これにより、コイル導体が外部に露出しないようにすることができる。また、コイル導体の全部を、磁性体粒子を含む成形体である素体2又は被覆用素体3,4内に埋設させることができる。
【0069】
また、本実施の形態1に係る製造方法によれば、複数の金属板8a,8b及び支持部材11a,11bを、金属製シート10をエッチング又は打ち抜き加工したフープ材10a,10bで構成している。これにより、コイル部品1をより容易に製造することができる。
【0070】
また、本実施の形態1に係る製造方法によれば、フープ材10aがコイル部品1の端子電極となる電極部5を備え、電極部5は、支持部材11aが除去された後も素体2の表面2a側に位置するようにしている。また、電極部5が外部に露出するように、電極部5を除いて素体2の表面2aを覆うように被覆用素体3を形成するようにしている。これにより、コイル部品1の電極部5を別途形成する必要性を無くすことができ、コイル部品1をより容易に製造することができる。
【0071】
また、本実施の形態1に係る製造方法によれば、電極部5が複数の金属板8a及び支持部材11aが位置する平面から離れた平面に位置するようにフープ材10aが折り曲げ加工されている。これにより、被覆用素体3を形成したとしてもコイル部品1の電極部5を別途形成する必要性を無くすことができ、コイル部品1をより容易に製造することができる。特にコイル導体が全て素体に埋設される場合に効果が大きい。
【0072】
また、本実施の形態1に係る製造方法によれば、素体2の表面2aで露出する複数の金属ピン6の一端部6aに導電性接合材7aを設け、当該導電性接合材7a上に複数の金属板8aが接合されるように、素体2の表面2aに支持部材11bを配置している。また、素体2の裏面2bで露出する複数の金属ピン6の他端部6bに導電性接合材7bを設け、当該導電性接合材7b上に複数の金属板8bが接合されるように、素体2の裏面2bに支持部材11bを配置している。これにより、コイル部品1をより容易に製造することができる。また、金属ピン6の一端部6aと金属板8aとの間に導電性接合材7aが存在するので、金属板8aと素体2の表面2aとの間に隙間CL1を設けやすくすることができる。また、金属ピン6の他端部6bと金属板8bとの間に導電性接合材7bが存在するので、金属板8bと素体2の裏面2bとの間に隙間CL2を設けやすくすることができる。
【0073】
また、本実施の形態1に係る製造方法によれば、磁性体粒子は磁性金属粉末であり、素体2は磁性金属粉末を含む圧粉成形体である。この圧粉成形体は、磁性金属粉末を樹脂等の結合材を介して圧縮成形したものであり、素体2における磁性金属粉末のコンテンツ(体積あたりの比率)を高めることができる。このため、磁気飽和を起こしにくく、直流重畳特性に優れたコイル部品1を構成できる。なお、圧粉成形体は樹脂を含んでいなくてもよい。
【0074】
また、本実施の形態1に係る製造方法によれば、素体2内には複数のコイル導体が形成され、1つのコイル導体を含む個々のコイル部品1となるように素体2を切断して個片化する工程を含んでいる。これにより、複数のコイル部品1をより容易に製造することができる。
【0075】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、複数の金属板8aの両端部を支持部材11aのゲート部11aaで支持するようにフープ材10aを構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の金属板8aの一端部のみを支持部材11aのゲート部11aaで支持するようにフープ材10aを構成してもよい。
【0076】
また、前記では、複数の金属板8bの両端部を支持部材11bのゲート部11baで支持するようにフープ材10bを構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の金属板8bの一端部のみを支持部材11bのゲート部11baで支持するようにフープ材10bを構成してもよい。
【0077】
また、前記では、複数の金属板8aと支持部材11aのゲート部11aaとを切り離すようにしたが、この際、ゲート部11aaの一部が複数の金属板8aに残るように切り離されてよい。同様に、前記では、複数の金属板8bと支持部材11bのゲート部11baとを切り離すようにしたが、この際、ゲート部11baの一部が複数の金属板8bに残るように切り離されてよい。これにより、ゲート部11aaの一部及びゲート部11baの一部がアンカーとして機能し、金属板8a,8bを剥がれ難くすることができる。
【0078】
また、前記では、複数の金属板8aと支持部材11aのゲート部11aaとの切り離し、及び複数の金属板8bと支持部材11bのゲート部11baとの切り離しを、被覆用素体3,4の形成前に行ったが、本発明はこれに限定されない。前記切り離しを、被覆用素体3,4の形成後に行ってもよい。例えば、
図12に示すように個々のコイル部品1となるように素体2を切断するときに、前記各切り離しを行ってもよい。なお、ゲート部11aa及びゲート部11baは、金属板8a,8bよりも幅が狭いことが好ましい。これにより、ゲート部11aa及びゲート部11baを容易に切断することができる。
【0079】
また、前記では、支持部材11a,11bが、ゲート部11aa,11baと、ランナー部11ab,11bbとを備えるものとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、支持部材11a,11bは、複数の金属板8a,8bを支持可能なものであればよく、例えば、転写用フィルムであってもよい。
【0080】
また、前記では、被覆部材の一例として被覆用素体3,4を用いたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コイル部品1をパワーインダクタではなく、アンテナコイルとして用いる場合には、被覆部材は、磁性体を含まない樹脂などの部材であってもよい。
【0081】
また、前記では、素体2の表面2a及び裏面2bの両面に、金属ピン6同士を接続する導体として複数の金属板8a,8bを設けたが、本発明はこれに限定されない。素体2の表面2a及び裏面2bの一方には、導電性ペーストを硬化させた金属パターンなどの金属板8a,8b以外の導体が設けられてもよい。
【0082】
また、前記では、台座100上に複数の金属ピン6を配列した後、素体2を形成するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、素体2を形成した後、複数の金属ピン6を素体2内に埋設するようにしてもよい。
【0083】
また、前記では、例えば、
図11に示すように、1つの素体2内に2つのコイル部品となる2つのコイル導体が横方向Xに形成される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。1つの素体2内に3つ以上のコイル部品となる3つ以上のコイル導体を形成するようにしてもよい。例えば、1つの素体2内に4つのコイル導体が、横方向Xに2つ、縦方向Yに2つ(すなわち、2×2)形成されてもよい。この場合、例えば、フープ材10aに代えて、
図17に示すように、2つのフープ材10aを縦方向Yに隣接して配置し、2つのフープ材10aのそれぞれ一方のランナー部11abを共有するように構成したフープ材10Axを用いればよい。また、同様に、フープ材10bに代えて、例えば、2つのフープ材10bを縦方向Yに隣接して配置し、2つのフープ材10bのそれぞれ一方のランナー部11bbを共有するように構成したフープ材(図示せず)を用いればよい。これにより、4つのコイル部品1をより容易に製造することができる。このようにして、1つの素体2内に所望の数のコイル導体を横方向X及び縦方向Yに形成し、1つのコイル導体を含む個々のコイル部品1となるように素体2を切断して個片化することで、X×Y個の複数のコイル部品1をより容易に製造することができる。また、このとき、各フープ材は、所望の数に応じた形状に形成すればよい。
【0084】
なお、被覆用素体3,4は、素体2よりも比透磁率μが大きい方が好ましい。これにより、磁気閉じ込め性を向上させることができる。
【0085】
また、
図18に示すように、素体2には、複数の金属ピン6の間で且つ素体2の表面2aと裏面2bとの間に位置する領域に、素体2よりも比透磁率が高い磁性部材20(例えば比透磁率が100の磁性部材)が埋設されることが好ましい。これにより、コイル部品1の全体の比透磁率を向上させることができる。例えば、コイル部品1の全体の比透磁率を30から60まで向上させることができる。
【0086】
磁性部材20は、1つのコイル部品1に対して1つ設けられればよい。また、磁性部材20は、素体2よりも比透磁率が高い部材であればよい。例えば、磁性部材20は、磁性金属粉末を含む圧粉成形体であってもよいし、フェライトであってもよい。磁性部材20としてフェライトを用いる場合、各金属ピン6に接触しないように、コイル部品1の中心付近に配置することが好ましい。これにより、直流重畳特性が低下することを抑えることができる。なお、このような配置は、例えば、素体2の一部を形成し、当該素体2の一部上に磁性部材20を載置した後、素体2の残部を形成することによって実現できる。
【0087】
(DC−DCコンバータ)
次に、
図19及び
図20を用いて、本実施の形態1に係るコイル部品1を備えるDC−DCコンバータ50の構成例について説明する。
【0088】
図19は、コイル部品1を備えるDC−DCコンバータ50の斜視図である。
図20は、
図19のDC−DCコンバータ50の回路図である。
【0089】
DC−DCコンバータ50は、昇降圧型のDC−DCコンバータである。DC−DCコンバータ50は、
図19に示すように、プリント配線基板51上に、スイッチング素子52と、チョークコイルとして用いられるコイル部品1と、入力コンデンサ53と、出力コンデンサ54とを実装した構造を有している。
【0090】
コイル部品1は、
図20に示すように、スイッチング素子52に接続されている。スイッチング素子52の入力端子には、入力コンデンサ53の一端が接続されている。入力コンデンサ53の他端は接地されている。スイッチング素子52の出力端子には、出力コンデンサ54の一端が接続されている。出力コンデンサ54の他端は接地されている。
【0091】
この構成によれば、DC−DCコンバータ50が前述したコイル部品1を備えているので、DC−DCコンバータ50の性能を向上させることができ、大電流に対応したDC−DCコンバータを構成できる。
【0092】
(実施の形態2)
図21及び
図22を用いて、本発明の実施の形態2に係るコイル部品の製造方法により製造されるコイル部品の構成を説明する。
図21は、当該コイル部品の概略構成を示す斜視図である。
図22は、
図21のA2−A2線断面図である。
図23は、本発明の実施の形態2に係るコイル部品の製造方法に用いるフープ材10Aaと複数の金属ピン6との位置関係を示す斜視図である。なお、前記実施の形態1で説明した部品と同一又は類似の部品については、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0093】
本実施の形態2に係るコイル部品1Aが前記実施の形態1のコイル部品1と異なる点は、電極部5Aが、被覆用素体3の表面3aではなく、素体2の表面2aに設けられ、被覆用素体3の表面3aに設けられた開口部3bから露出している点である。
【0094】
本実施の形態2において、フープ材10aとして、
図23に示すフープ材10Aaを用いる。電極部5Aは、
図22及び
図23に示すように、コイル部品1において横方向Xの両端部側に位置する2つの金属板8aを、横方向X及び縦方向Yに延伸させることにより構成されている。
【0095】
本実施の形態2に係るコイル部品1Aによれば、電極部5Aを形成するために、フープ材10Aaを折り曲げ加工する必要性を無くすことができる。
【0096】
なお、被覆用素体3に設けられた開口部3bから電極部5Aを露出させるには、例えば、電極部5A上にマスク部材を配置した状態で、被覆用素体3を形成すればよい。
【0097】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【0098】
なお、前記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。