(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579326
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】浮遊生物処理装置
(51)【国際特許分類】
B09B 3/00 20060101AFI20190912BHJP
【FI】
B09B3/00 303Z
B09B3/00ZAB
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-58399(P2016-58399)
(22)【出願日】2016年3月23日
(65)【公開番号】特開2017-170325(P2017-170325A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2018年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】宇部興産機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 友一
(74)【代理人】
【識別番号】100174609
【弁理士】
【氏名又は名称】関 博
(72)【発明者】
【氏名】松永 隆昌
【審査官】
中野 孝一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−079531(JP,A)
【文献】
特開平11−138146(JP,A)
【文献】
実開昭50−126041(JP,U)
【文献】
特開平05−003769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B1/00−5/00、
B65F5/00−9/00、
B65G11/00−11/20、
A23L13/00−17/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板と、前記底板を間に挟む一対の側板を有し、傾斜させた前記底板の上面に上部供給口から下部排出口へ向けて浮遊生物が移動する搬送路を形成したシュートと、
前記搬送路の前記浮遊生物に向けて熱水を散水する熱水供給部と、
を備え、
前記底板の上面から鉛直方向に伸びていずれか一方の前記側板と接続し、前記浮遊生物の搬送路を一部遮断する仕切板を設け、
前記熱水供給部は、前記仕切板の前記上部供給口側の前記底板の上面に設けたことを特徴とする浮遊生物処理装置。
【請求項2】
前記熱水供給部は、一方の前記側板から前記底板の中央に向けて水平方向に延出した先端側に散水ノズルを備え、
前記熱水供給部と対向する前記他方の側板側に前記熱水を外部へ排出する排出部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の浮遊生物処理装置。
【請求項3】
底板と、前記底板を間に挟む一対の側板を有し、傾斜させた前記底板の上面に上部供給口から下部排出口へ向けて浮遊生物が移動する搬送路を形成したシュートと、
前記搬送路の前記浮遊生物に向けて熱水を散水する熱水供給部と、
を備え、
前記熱水供給部は、一方の前記側板から前記底板の中央に向けて水平方向に延出した先端側に散水ノズルを備え、
前記熱水供給部と対向する前記他方の側板側に前記熱水を外部へ排出する排出部を備えたことを特徴とする浮遊生物処理装置。
【請求項4】
前記底板は、前記上部供給口側の上面に前記浮遊生物と海水を分離する水切部を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の浮遊生物処理装置。
【請求項5】
前記底板を任意の傾斜角に変更可能な傾斜角調整部を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の浮遊生物処理装置。
【請求項6】
前記シュートは、上面開口と、前記底板を覆う保温カバーを備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1に記載の浮遊生物処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラゲなどの浮遊生物を廃棄するために減容化処理を行う浮遊生物処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用水の用水路又は発電所などの冷却水を取水するための水路には、除塵装置が設置されている。この除塵装置は、網状のスクリーンで水路中の塵芥を除去するものであり、海水や河川水路内に設置する構造上、塵芥中にクラゲなどの浮遊生物が含まれている。特に海水を冷却水として利用している発電所においては、夏の昼間の電力使用量のピーク時に、冷却水の取水口に取り付けたスクリーン設備が大量発生したクラゲで閉塞されてしまい、発電所の冷却水量が低下して運転に支障を来す事態が問題となっている。
【0003】
塵芥中に含まれる浮遊生物は、そのほとんどが水分であり、地上で放置すると腐敗し悪臭を放つため、引き揚げ後は、短時間で処分しなければならない。従来のクラゲの処分方法は、そのまま土中に埋めたり、あるいは焼却処理している。しかし、埋設の場合短時間で処分できるが、クラゲの水分により、埋め立て箇所がぬかるんだり腐敗臭が発生したりする。また焼却処理する場合も、クラゲの水分により焼却に時間がかかり多くの熱量が必要となっていた。
【0004】
この他の処理方法として破砕処理、分解酵素や酸処理などの薬剤処理する方法もあるが設備及び処理コストが嵩む虞があった。
そこで特許文献1に開示の減容化処理装置は、ネットコンベアの搬送途中に熱水槽を設けてクラゲを脱水して排出する減容化処理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−138146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1に開示の処理装置では、ネットコンベアの搬送途中に設けた熱水槽の容量が大きく、かつ放熱も大きく、処理量が多くなると加熱及び保温の加熱コストが嵩む虞があった。また、ネットコンベアは熱水中を潜らせる構造のため海水の塩分や熱水により腐食が進行し易く、設備のメンテナンス維持が難しい虞があった。
上記従来技術の問題点に鑑み、本発明は、浮遊生物を廃棄するための減容化処理を効率的に行える浮遊生物処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明は、底板と、前記底板を間に挟む一対の側板を有し、傾斜させた前記底板の上面に上部供給口から下部排出口へ向けて浮遊生物が移動する搬送路を形成したシュートと、前記搬送路の前記浮遊生物に向けて熱水を散水する熱水供給部と、を備えたことを特徴とする浮遊生物処理装置を提供することにある。
上記第1の手段によれば、少ない熱水で浮遊生物を減容化させることができるので、熱水生成や保温設備などの設備及び処理コストを低減できる。
また、傾斜させたシュート上を浮遊生物が落下して移動するため、ベルトコンベアなどの搬送手段が必要なく、設備コストを大幅に低減できる。
また、稼働中の除塵装置などの塵芥の排出口に容易に取り付けることができるため、既存設備にも容易に適用することができる。
【0008】
上記課題を解決するための第2の手段として、本発明は、前記第1の手段において、前記底板の上面から鉛直方向に伸びていずれか一方の前記側板と接続し、前記浮遊生物の搬送路を一部遮断する仕切板を設け、前記熱水供給部は、前記仕切板の前記上部供給口側の前記底板の上面に設けたことを特徴とする浮遊生物処理装置を提供することにある。
上記第2の手段によれば、少量の熱水を効率良く浮遊生物に接触させることができる。またシュート上を移動する浮遊生物と熱水の接触面積を大きくし、かつ浮遊生物と熱水の接触時間を長くして減容化を行うことができる。また、仕切板の上部供給口側の主面と底板により、浮遊生物と熱水の一時的な滞留箇所を形成でき、減容化処理を促進させることができる。また、熱水供給部は、シュート上の搬送路、換言すると仕切板の無い箇所に配置している。このため、シュート上を浮遊生物が搬送路をそのまま下降するのではなく、熱水供給部上で一旦停止する。このとき、熱水もシュート上の搬送路をそのまま下降するのではなく、熱水供給部上で一旦停止するので、熱水溜まりを形成できる。このため浮遊生物の減容化処理を促進させることができる。
【0009】
上記課題を解決するための第3の手段として、本発明は、前記第1又は第2の手段において、前記熱水供給部は、一方の前記側板から前記底板の中央に向けて水平方向に延出した先端側に散水ノズルを備え、前記熱水供給部と対向する前記他方の側板側に前記熱水を外部へ排出する排出部を備えたことを特徴とする浮遊生物処理装置を提供することにある。
上記第3の手段によれば、シュート上を移動する浮遊生物に熱量を与えて温度低下した水を外部へ速やかに排出して、新たに供給される熱水の温度低下を防止して、減容化処理に好適な温度を維持できる。
【0010】
上記課題を解決するための第4の手段として、本発明は、前記第1ないし第3のいずれか1の手段において、前記底板は、前記上部供給口側の上面に前記浮遊生物と海水を分離する水切部を備えたことを特徴とする浮遊生物処理装置を提供することを目的としている。
上記第4の手段によれば、浮遊生物と海水を分離して、海水に熱量を奪われることなく、浮遊生物に熱水の熱量を与えることができる。従って設備及び処理コストの低減化を図ることができる。
【0011】
上記課題を解決するための第5の手段として、本発明は、前記第1ないし第4のいずれか1の手段において、前記底板を任意の傾斜角に変更可能な傾斜角調整部を備えたことを特徴とする浮遊生物処理装置を提供することを目的としている。
上記第5の手段によれば、浮遊生物の大きさ、処理量、減容化の処理時間などに応じてシュートの傾斜角を任意に変更、例えば傾斜角を小さく(緩める)ことにより浮遊生物と熱水の接触時間を長くし、傾斜角を大きくすることにより処理時間を短く調整することができる。この場合、シュートへの投入量を一定にする目的で、除塵装置の塵芥排出口や浮遊生物を含有する海水容器の排出ゲートから供給される浮遊生物及び海水の量が一定となるように調整すると良い。シュートへの供給量が変化し、浮遊生物の温度上昇が不完全になり、減容化の程度がばらつかないようにするためである。
【0012】
上記課題を解決するための第6の手段として、本発明は、前記第1ないし第5のいずれか1の手段において、前記シュートは、上面開口と、前記底板を覆う保温カバーを備えたことを特徴とする浮遊生物処理装置を提供することを目的としている。
上記第6の手段によれば、底板及び上面開口からの熱水の無駄な放熱を防止して所定温度に維持したまま効率良く浮遊生物を減容化することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、所定温度の熱水を無駄に放熱することなく、少量の熱水を浮遊生物に接触させることができ、効率良く減容化することができる。
また、傾斜させたシュート上を移動する浮遊生物に熱水を接触させて減容化する簡易な構成を採用しているため、既設の除塵装置などの塵芥排出口などに容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の浮遊生物処理装置の構成概略を示す説明図である。
【
図3】除塵装置の塵芥排出口に取り付けた浮遊生物処理装置の説明図である。
【
図4】浮遊生物を含有する海水容器の排出ゲートに取り付けた浮遊生物処理装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の浮遊生物処理装置の実施形態を添付の図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
本発明は、クラゲの成体の他、ポリフ(クラゲの幼体)、サルパ(ホヤ類)などの浮遊生物を減容化の処理対象としている。
【0016】
[浮遊生物処理装置10]
図1は本発明の浮遊生物処理装置の構成概略を示す説明図である。
図2はシュートの断面図である。図示のように、本発明の浮遊生物処理装置10は、シュート20と、熱水供給部40を基本構成としている。
【0017】
シュート20は、底板22と、底板22を間に挟んで接続した一対の側板(左側板24a、右側板24b)からなる本体26と、仕切板28と、水切部を有している。
本体26は、底板22と、一対の側板(左側板24a、右側板24b)とからなり上面を開口し、断面視で略コ字型に形成されている。本体26は、下面に傾斜角調整部32を備えて、底板22を任意の傾斜角に変更することができる。この傾斜角調整部32は、例えば、油圧式又は電動式のシリンダ構造、ダンパー構造などを下部排出口側のシュート20下面に取り付けて、シュート20の上部供給口側を支点として揺動させて傾斜角を調整することができる。
このようなシュート20は、底板22を任意の傾斜角に傾けて上面に浮遊生物12の搬送路21が形成され、上端が上部供給口20aとなり、下端が下部排出口20bとなる。
【0018】
仕切板28は、シュート20の搬送路21の一部を遮断するものであり、複数(
図1に示す実施形態では2つ)設けている。仕切板28は、底板22の主面(上面)から鉛直方向に延出し、かつ側板(左側板24a、右側板24b)のいずれか一方に接続している。
図1に示す仕切板28は、上部供給口20a側の仕切板28aが左側板24aに接続しており、右側板24b側が浮遊生物の搬送路21となる。そして、下部排出口20b側の仕切板28bが右側板24bに接続しており、左側板24a側が浮遊生物12の搬送路21となる。このような仕切板28の構成により、シュート上の搬送路21は、ジグザグに蛇行して搬送距離を長くできる。また、仕切板28の上部供給口20a側の主面と底板22との間に浮遊生物12と熱水が一時的貯留する箇所を形成でき、少量の熱水で効率良く減容化することができる。
【0019】
水切部は、シュート20の上部供給口20a側に設けた上部水切部30aと、下部排出口20b側に設けた下部水切部30bからなる。
上部水切部30aは、除塵装置の塵芥排出口や、浮遊生物12を含有する海水容器の排出ゲートから供給される浮遊生物12及び海水を分離するものである。上部水切部30aは、例えば、網、スリット、グレーチングなどを用いて、主面がシュート20の搬送面と同一平面上に形成されている。このような構成の上部水切部30aは、浮遊生物12と海水を分離して、海水が上部水切部30aの下方から外部へ排水されて、上部水切部30a上の浮遊生物12がシュート20の傾斜に沿って搬送路21を下方へ移動する。なお、シュート20の上部水切部30aへの投入量を一定にする目的で、除塵装置の塵芥排出口や浮遊生物12を含有する海水容器の排出ゲートから供給される浮遊生物12及び海水の量が一定となるように調整すると良い。シュート20への供給量が変化し、浮遊生物12の温度上昇が不完全になり、減容化の程度がばらつかないようにするためである。
【0020】
下部水切部30bは、シュート20の搬送路上で減容化した浮遊生物12と熱水を分離するものである。下部水切部30bは、上部水切部30aと同様に、例えば、網、スリット、グレーチングなどを用いて、主面がシュート20の搬送面と同一平面上に形成されている。また下部水切部30bは、減容化した浮遊生物12を分離するため、上部水切部30aよりも篩目を細かく設定すると良い。
【0021】
熱水供給部40は、先端側に熱水の散水ノズル42を備えた散水管である。熱水供給部40は、シュート20の一方の側板から底板22の中央に向けて水平方向に延出して、先端の散水ノズル42が底板22の中央付近に位置するように取り付けている。
熱水供給部40は、一端側の散水ノズル42と反対側の他端側に加熱部(不図示)が接続しており、温度70度以上の熱水を供給可能な構成としている。加熱部は所定温度の熱水を製造できるものであれば良く、例えば、スチーム供給式、電熱ヒータ式などを用いることができる。
このような熱水供給部40は、搬送路21を跨るように取り付けている。このため、シュート上の搬送路を下降する浮遊生物を一旦停止させることができる。
【0022】
排出部50は、熱水供給部40と対向する他方の側板側に熱水を外部へ排出する排出管である。排出部50は、仕切板28の上部供給口20a側の主面と底板22との間に浮遊生物12と熱水が一時的貯留する箇所の側板に接続しており、浮遊生物12と熱交換して温度が下がった水を外部へ排出することができる。
【0023】
[作用]
上記構成による本発明の浮遊生物処理装置の作用について以下説明する。
本発明の浮遊生物処理装置10は、上部供給口20a及び下部排出口20bを備えたシュート20を任意の傾斜角に設定する簡易構成を採用している。このため、
図3に示すような既設の除塵装置60の塵芥排出口62に取り付けることができる。また既設の除塵装置60の塵芥排出口62に設置スペースが無いなどの場合、
図4に示すような浮遊生物を含有する海水容器70の排出ゲート72に取り付けることができる。
図3及び
図4はいずれも浮遊生物処理装置のシュートの下面には排水路80が形成されており、また下部排出口20b側には減容化された浮遊生物の回収箱82を取り付けることができる。また、シュート20の上部水切部30aへの投入量を一定にする目的で、除塵装置60の塵芥排出口62や浮遊生物12を含有する海水容器70の排出ゲート72から供給される浮遊生物12及び海水の量が一定となるように調整する。シュート20への供給量が変化し、浮遊生物12の温度上昇が不完全になり、減容化の程度がばらつかないようにするためである。
【0024】
シュート22の上部供給口20aから浮遊生物12を含有する海水が供給されると、上部水切部30aにおいて、浮遊生物12と海水が分離されて、海水が上部水切部30aから外部の排水路へ排出される。上部水切部30a上の浮遊生物12は、シュート22の傾斜に沿って下方へ移動する。
【0025】
シュート22の上面に設けた仕切板28の上部供給口20a側の主面に浮遊生物12が達すると、熱水供給部40から散水される所定温度の熱水によって、浮遊生物12が脱水して減容化処理が行われる。このとき、仕切板28の上部供給口20a側の主面と底板22との間に形成された浮遊生物12と熱水が一時的貯留する箇所において、少量の熱水が放熱することなく所定温度を維持したまま浮遊生物に効率的に接触させることができ減容化処理を行うことができる。
また、熱水供給部40は、シュート22上の搬送路21、換言すると仕切板28の無い箇所に配置している。このため、シュート22上を浮遊生物12が搬送路21をそのまま下降するのではなく、熱水供給部40上で一旦停止する。このとき、熱水もシュート上の搬送路21をそのまま下降するのではなく、熱水供給部40上で一旦停止するので、熱水溜まりを形成できる。このため浮遊生物の減容化処理を促進させることができる。
【0026】
そして減容化した浮遊生物12は、仕切板28と側板の間に設けた搬送路21から熱水供給部40を乗り越えてシュート20の傾斜に沿って下方の仕切板28に達する。ここでも再度同様に、熱水供給部40から散水される熱水によって、浮遊生物12がさらに脱水して減容化処理が行われる。
シュート20の下部排出口20b側に設けた下部水切部30bによって、減容化した浮遊生物12と熱水が分離されて、回収箱に回収される。
【0027】
[変形例]
本発明の浮遊生物処理装置の変形例について、以下説明する。
図5は保護カバーの説明図である。同図はシュートの断面図であり、シュート20の長手方向に沿って、シュート20の底板22及び上面開口を覆う保護カバー90を設けている。
この保護カバー90は、シュート20の底板22及び上面開口から熱水の放熱を防止するものであれば良く、例えば、断熱材を用いてシュート20の外周を覆う構成などを採用することができる。
【0028】
このような本発明の浮遊生物処理装置によれば、所定温度の熱水を無駄に放熱することなく、少量の熱水を浮遊生物に接触させることができ、効率良く減容化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、発電所など各種プラントの取水分野において、産業上利用することができる。
【符号の説明】
【0030】
10………浮遊生物処理装置、12………浮遊生物、20………シュート、21………搬送路、22………底板、24a,24b………側板、26………本体、28………仕切板、30a………上部水切部、30b………下部水切部、32………傾斜角調整部、40……熱水供給部、42………散水ノズル、50………排出部、60………除塵装置、62………塵芥排出口、70………海水容器、72………排出ゲート、80………排水路、82………回収箱、90………保護カバー。