特許第6579404号(P6579404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579404
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】複数ドラム洗濯機の加熱制御方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/02 20060101AFI20190912BHJP
   D06F 31/00 20060101ALI20190912BHJP
   D06F 39/04 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   D06F33/02 D
   D06F31/00
   D06F39/04 Z
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-529272(P2017-529272)
(86)(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公表番号】特表2017-536901(P2017-536901A)
(43)【公表日】2017年12月14日
(86)【国際出願番号】CN2015088590
(87)【国際公開番号】WO2016090968
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2017年11月2日
(31)【優先権主張番号】201410766842.8
(32)【優先日】2014年12月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
(72)【発明者】
【氏名】李文偉
(72)【発明者】
【氏名】王金凱
(72)【発明者】
【氏名】呉軍
(72)【発明者】
【氏名】常園園
【審査官】 山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0083235(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0022465(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0047661(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/02
D06F 31/00
D06F 39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1加熱装置を有する第1洗濯槽と、第2加熱装置を有する第2洗濯槽とを少なくとも含む、制御ユニットを備えた複数ドラム洗濯機の加熱制御方法であって、
第1洗濯槽が加熱プログラムを実行する前に、第2洗濯槽が加熱プログラムを実行しているかどうかを判断する必要があり;加熱プログラムを実行していない場合、第1洗濯槽は加熱プログラムを実行するように制御され;加熱プログラムを実行している場合、第2洗濯槽の残りの加熱時間が設定値Tminより短いかどうかを判断する必要がある;
設定値Tminより短い場合、第1洗濯槽は加熱プログラムの実行を一時見合わせするように制御され;第2洗濯槽が加熱プログラムを完了してから、第1洗濯槽は加熱プログラムに入り;そうでない場合、第1洗濯槽および第2洗濯槽の残りの加熱時間を判断し、残りの加熱時間が短い洗濯槽が加熱プログラムを実行するように制御され、もう1つの洗濯槽はその後に加熱プログラムを実行し、
残りの加熱時間は、加熱時間の設定値の合計と、加熱プログラムにおいて加熱された時間との差に等しいことを特徴とする方法。
【請求項2】
第1洗濯槽が加熱プログラムを実行しているとき、第2洗濯槽は加熱、脱水および乾燥プログラムのいずれか1つを同時に実行することができない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2洗濯槽が加熱プログラムを実行していないと判断した場合、第2洗濯槽が脱水プログラムまたは乾燥プログラムを実行しているかどうかを判断する必要がある;
脱水プログラムまたは乾燥プログラムを実行している場合、第1洗濯槽は加熱プログラムの実行を一時見合わせ、第2洗濯槽が対応する脱水プログラムまたは乾燥プログラムを完了してから、加熱プログラムを実行する;
そうでない場合、第1洗濯槽は加熱プログラムを直接実行する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第1洗濯槽が加熱プログラムを実行するとき、第2洗濯槽が脱水プログラムを実行している場合、第1洗濯槽は加熱プログラムの実行を一時見合わせ;第2洗濯槽が脱水プログラムおよびその後の乾燥プログラムを完了してから、加熱プログラムを実行する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
第1洗濯槽および第2洗濯槽の残りの加熱時間が等しいとき、洗濯槽の残りの加熱時間が設定値Tmaxより長いかどうかを判断する必要がある;
設定値Tmaxより長い場合、第1洗濯槽および第2洗濯槽が交互に加熱する交互加熱プログラムを実行し、そうでない場合、先に第2洗濯槽、後に第1洗濯槽が加熱する順序加熱プログラムを実行する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記交互加熱プログラムは、第1洗濯槽および第2洗濯槽が順次交互に一定の時間間隔で加熱し;各時間間隔の加熱が終了すると、第1洗濯槽および第2洗濯槽の加熱が終了したかどうかを判断し、第1洗濯槽または第2洗濯槽の加熱が終了した場合、第2洗濯槽または第1洗濯槽は終了するまで続けて加熱し;そうでなければ引き続き交互に加熱する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2洗濯槽の加熱の全時間がTm2であり、前記設定値Tmaxが2/3Tm2≦Tmax≦Tm2の条件を満た、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2洗濯槽の加熱の全時間がTm2であり、前記設定値Tminが0<Tmin≦1/3Tm2の条件を満た、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第1洗濯槽または第2洗濯槽の加熱時間が、対応する洗濯槽が実行する洗濯プログラムに対応する設定値であり;洗濯機は第1洗濯槽または第2洗濯槽の加熱過程を計測し、対応する洗濯槽のすでに加熱した時間を得;さらに、残りの加熱時間=加熱時間−すでに加熱した時間、に基づいて、第1洗濯槽または第2洗濯槽の残りの加熱時間を得る、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第1洗濯槽が加熱プログラムを実行するとき、先に第2洗濯槽が動作中かどうかを判断し;動作中でない場合、第1洗濯槽は加熱プログラムを直接実行し;動作中の場合、第2洗濯槽が加熱プログラムを実行しているかどうかを判断する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯分野の洗濯機および洗濯機の制御方法に属し、該洗濯機は衣類の量およびタイプに基づき、異なる方式で衣類を洗浄する複数の洗濯槽を有する。さらに、該複数槽洗濯機の洗濯水を加熱する制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、洗浄、すすぎ、遠心脱水〜水分除去の操作を実行し、洗剤および水の相互作用によって、衣類に付着した汚れを取り除く。乾燥機は、もう1つの代表的な衣類処理装置として、湿った衣服などを乾燥させる家電製品である。近頃、洗濯機および乾燥機を組み合わせた機能を有する家電製品が、すでに幅広く使用されている。
【0003】
人々の生活の質が向上するのに伴い、衛生意識も次第に高まっており、特に家庭での衣類の洗濯において、次第に多くの人が衣類を分けて洗濯している。既存の洗濯機を用いて、複数回洗濯する方式を講じる場合、洗濯時間の要求を満たすのが難しい。2台または数台の洗濯機を購入し、分けて同時に洗濯する場合、エネルギーおよび水資源の極めて大きい浪費となるだけでなく、占有空間が大きく、家庭での使用に適さない。したがって、複数槽洗濯機を用いると、上記の需要を満たすことができ、エネルギー、水、および空間の浪費となる問題を解決する。
【0004】
合理的な2槽の設計は上下配列である。空間の節約に便利であるが、洗濯機全体の使用電力を制御する必要がある。特に、加熱、乾燥および高速脱水を同時に行うと、過負荷が生じ、機器の使用安定性および寿命に深刻な影響を及ぼす。
【0005】
中国特許出願番号第200880124154.4号明細書において、その制御方法は2つの槽の加熱を交互または順番に行うことを強調している。しかし、2槽洗濯機の洗濯プログラムは異なるため、2つの洗濯槽の洗濯加熱時間は異なる。1つの洗濯槽の洗濯プログラムが必要な加熱時間が比較的長い場合、該洗濯槽が洗濯加熱プログラムを実行するとき、もう1つの洗濯槽はすでに脱水、乾燥プログラムを実行している。このように、2つの洗濯槽が高電力プログラムを同時に実行する状況が生じる。
【0006】
さらに、上記洗濯の加熱制御方法は、その制御工程が比較的複雑であり、2槽洗濯機の電力制御も全面的ではない。
【0007】
このことを考慮して、特に本発明を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許出願番号第200880124154.4号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、複数ドラム洗濯機の加熱制御方法を提供することであり、これにより複数ドラム洗濯機は加熱プログラムを独立、安定して実行することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明が上記技術的問題を解決するために採用した具体的な技術案は、次の通りである。複数ドラム洗濯機の加熱制御方法において、該洗濯機は第1加熱装置を有する第1洗濯槽と、第2加熱装置を有する第2洗濯槽とを少なくとも含む。第1洗濯槽が加熱プログラムを実行する前に、第2洗濯槽が加熱プログラムを実行しているかどうかを判断する必要がある。加熱プログラムを実行していない場合、第1洗濯槽は加熱プログラムを実行し、加熱プログラムを実行している場合、第2洗濯槽の残りの加熱時間が設定値Tminより短いかどうかを判断する必要がある。
設定値Tminより短い場合、第1洗濯槽は加熱プログラムの実行を一時見合わせ、第2洗濯槽が加熱プログラムを完了してから、第1洗濯槽は加熱プログラムを実行する。そうでない場合、第1洗濯槽および第2洗濯槽の残りの加熱時間を判断し、残りの加熱時間が短い洗濯槽が優先的に加熱プログラムを実行し、もう1つの洗濯槽はその後に加熱プログラムを実行する。
【0011】
さらに、第1洗濯槽が加熱プログラムを実行しているとき、第2洗濯槽は加熱、脱水および乾燥プログラムのいずれか1つを同時に実行することができない。
【0012】
さらに、第2洗濯槽が加熱プログラムを実行していないと判断した場合、第2洗濯槽が脱水プログラムまたは乾燥プログラムを実行しているかどうかを判断する必要がある。脱水プログラムまたは乾燥プログラムを実行している場合、第1洗濯槽は加熱プログラムの実行を一時見合わせ、第2洗濯槽が対応する脱水プログラムまたは乾燥プログラムを完了してから、加熱プログラムを実行する。そうでない場合、第1洗濯槽は加熱プログラムを直接実行する。
【0013】
さらに、第1洗濯槽が加熱プログラムを実行するとき、第2洗濯槽が脱水プログラムを実行している場合、第1洗濯槽は加熱プログラムの実行を一時見合わせる。第2洗濯槽が脱水プログラムおよびその後の乾燥プログラムを完了してから、加熱プログラムを実行する。
【0014】
さらに、第1洗濯槽および第2洗濯槽の残りの加熱時間が等しいとき、洗濯槽の残りの加熱時間が設定値Tmaxより長いかどうかを判断する必要がある。設定値Tmaxより長い場合、第1洗濯槽および第2洗濯槽が交互に加熱する交互加熱プログラムを実行し、そうでない場合、先に第2洗濯槽、後に第1洗濯槽が加熱する順序加熱プログラムを実行する。
【0015】
さらに、前記交互加熱プログラムは、第1洗濯槽および第2洗濯槽が順次交互に一定の時間間隔で加熱する。各時間間隔の加熱が終了すると、第1洗濯槽および第2洗濯槽の加熱が終了したかどうかを判断する。第1洗濯槽または第2洗濯槽の加熱が終了した場合、第2洗濯槽または第1洗濯槽は終了するまで続けて加熱し、そうでなければ引き続き交互に加熱する。
【0016】
さらに、前記第2洗濯槽の加熱の全時間はTm2であり、前記設定値Tmaxは2/3Tm2≦Tmax≦Tm2の条件を満たし、好ましくは10min<Tmaxである。
【0017】
さらに、前記第2洗濯槽の加熱の全時間はTm2であり、前記設定値Tminは0<Tmin≦1/3Tm2の条件を満たし、好ましくは0<Tmin≦5minである。
【0018】
さらに、第1洗濯槽または第2洗濯槽の加熱時間は、対応する洗濯槽が実行する洗濯プログラムに対応する設定値である。洗濯機は、第1洗濯槽または第2洗濯槽の加熱過程を計測し、対応する洗濯槽のすでに加熱した時間を得る。さらに、残りの加熱時間=加熱時間−すでに加熱した時間、に基づいて、第1洗濯槽または第2洗濯槽の残りの加熱時間を得る。
【0019】
さらに、第1洗濯槽が加熱プログラムを実行するとき、先に第2洗濯槽が動作中かどうかを判断する。動作中でない場合、第1洗濯槽は加熱プログラムを直接実行し、動作中の場合、第1洗濯槽の加熱時間が第1洗濯槽の最大加熱時間に近いかどうかを判断して、第1洗濯槽が加熱プログラムを実行するかどうかを確定する。動作中とは、取水プログラム、給水プログラム、洗濯プログラム、すすぎプログラム、排水プログラム、脱水プログラム、乾燥プログラムなどを実行していることを指す。
【0020】
さらに、第1洗濯槽の設定加熱温度、設定水位および加熱時間は、第1洗濯槽が実行する洗濯プログラムに対応する設定値である。第2洗濯槽の設定加熱温度、設定水位および加熱時間は、第2洗濯槽が実行する洗濯プログラムに対応する設定値である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
1、洗濯槽が加熱プログラムを行う前に、残りの加熱時間を判断することにより、残りの時間がより短い洗濯槽が優先的に加熱を行って、ユーザの待ち時間を短縮し、洗濯装置の使いやすさの程度が向上する。
2、洗濯槽が加熱プログラムを実行する前に、もう1つの洗濯槽が高電力プログラムを実行しているかどうかを判断して、2つの槽が同時に高電力プログラムを実行するのを防止する。洗濯機の摩耗を低下させ、さらに洗濯機の瞬時電力を低下させ、2槽洗濯機の適した電力利用環境が向上する。
3、本発明は比較的簡単な制御論理を有し、実際の洗濯プログラムにおいて、制御の安定性が比較的高い。さらに一般的な洗濯状況において、2つの槽が高電力プログラムを同時に実行しないように制御することができ、さらに洗濯中の加熱時間を合理的に制御する。
4、加熱プログラムを実行している洗濯槽がまもなく加熱プログラムを終了する(残りの加熱時間が設定値Tminより短い)とき、どのような状況でも、その槽が加熱プログラムを優先的に実行する必要がある。これにより、完了に近い加熱プログラムを中断して、熱損失が生じるのを防止する。
【0022】
さらに、本発明の加熱制御方式は簡単で、信頼でき、効果は顕著であり、幅広い使用に適している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下、図を組み合わせて、本発明について具体的に説明する。
【0024】
図1図1は、本発明の複数ドラム洗濯機の構造概要図である。
図2図2は、本発明の複数ドラム洗濯機における洗濯加熱過程のフローチャートである。
図3図3は、本発明のもう1つの実施例の複数ドラム洗濯機における洗濯加熱過程のフローチャートである。
図4図4は、本発明の取水〜給水過程のフローチャートである。
図5図5は、本発明の水の再利用過程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1に示すように、複数ドラム洗濯機は、衣類の洗濯工程を独立して実行することができる第1洗濯槽1および第2洗濯槽2を少なくとも有する。第1洗濯槽1および第2洗濯槽は、それぞれ独立して、衣類に対して洗濯プログラム、すすぎプログラム、脱水プログラムを順次実行することができ、これにより衣類を洗濯する目的を達成する。好ましくは、前記複数ドラム洗濯機にさらに乾燥装置が設けられる。脱水プログラムの終了後、乾燥プログラムを実行し、第1洗濯槽1および/または第2洗濯槽2中の衣類を乾燥させることができる。
【0026】
本発明において、第1洗濯槽1内に内部の洗濯水を加熱する第1加熱装置が設けられ、第2洗濯槽2内に内部の洗濯水を加熱する第2加熱装置が設けられる。これにより、洗濯プログラムを実行する過程において、各加熱装置はそれぞれ対応する洗濯槽中の洗濯水を加熱処理し、衣類の洗濯過程における水温を制御する。
【0027】
しかし、一般的な家庭用ケーブルが許容できる電流は比較的小さいため、第1洗濯槽および第2洗濯槽が同時に動作する場合、比較的大きな負荷の瞬時電流が生じ、ユーザの家庭における配電盤のブレーカが落ち、さらにはケーブルが焼損する。したがって、2槽洗濯機の2つの槽は高電力プログラムを異なる段階で実行するようにして、瞬時大電流が生じるのを防止する必要がある。前記高電力プログラムは、加熱プログラム、脱水プログラムおよび乾燥プログラムなどを含む。
【0028】
洗濯機の加熱時、瞬時大電流が生じるのを防止するため、第1洗濯槽が加熱プログラムを実行するとき、第2洗濯槽は加熱、脱水および乾燥プログラムのいずれか1つを同時に実行することができない。これにより、洗濯機の2つの槽が高電力プログラムを同時に実行するのを防止する。
【実施例】
【0029】
実施例1
本実施例において、複数ドラム洗濯機の加熱制御方法を以下のように説明する。
第1洗濯槽が加熱プログラムを実行する前に、先に第2洗濯槽の残りの加熱時間と、第1洗濯槽の残りの加熱時間とを比較する必要がある。残りの時間が短い洗濯槽が優先的に加熱プログラムを実行し、残りの時間が長い洗濯槽は、優先的に実行した洗濯槽の加熱が停止してから、加熱プログラムを引き続き実行する。
【0030】
図2に示すように、本実施例において、複数ドラム洗濯機の加熱制御方法は具体的に以下の通りである。
1)第1洗濯槽が加熱プログラムを実行する前に、
2)第2洗濯槽が加熱プログラムを実行しているかどうかを判断する。
加熱プログラムを実行している場合、工程3)を実行し、そうでない場合、工程4)を実行する。
3)第1洗濯槽の残りの加熱時間T1および第2洗濯槽の残りの加熱時間T2の長さを判断する。T1>T2の場合、工程8)を実行し、T1<T2の場合、工程9)を実行する。
4)第2洗濯槽が脱水プログラムを実行しているかどうかを判断する。
脱水プログラムを実行している場合、工程5)を実行し、そうでない場合、工程6)を実行する。
5)第1洗濯槽は加熱プログラムを停止し、第2洗濯槽の脱水が完了すると、工程6)を実行する。
6)第2洗濯槽が乾燥プログラムを実行しているかどうかを判断する。
乾燥プログラムを実行している場合、工程7)を実行し、そうでない場合、工程8)を実行する。
7)第1洗濯槽は加熱プログラムを停止し、第2洗濯槽の乾燥が完了すると、工程8)を実行する。
8)第1洗濯槽は加熱プログラムを停止し、第2洗濯槽の加熱が完了すると、工程10)を実行する。
9)第2洗濯槽は加熱プログラムを停止し、工程11)を実行する。
10)第1洗濯槽は、第1洗濯槽の加熱が完了するまで加熱プログラムを実行する。
11)第1洗濯槽は加熱プログラムを実行し、第1洗濯槽の加熱が完了すると、第2洗濯槽は引き続き加熱プログラムを実行する。
【0031】
本実施例において、第1洗濯槽の加熱時間は、第1洗濯槽が実行する洗濯プログラムに対応する設定値である。第2洗濯槽の加熱時間は、第2洗濯槽が実行する洗濯プログラムに対応する設定値である。
【0032】
本実施例において、前記第1洗濯槽および第2洗濯槽の加熱制御方法は同じである。すなわち工程1)から工程11)の第1洗濯槽および第2洗濯槽の位置を交換して、第2洗濯槽の加熱制御方法を得ることができる。
【0033】
本実施例において、第1洗濯槽または第2洗濯槽の加熱時間は、洗濯槽が実行する洗濯プログラムに対応する設定値である。洗濯機は、第1洗濯槽または第2洗濯槽の加熱過程を計測して、すでに加熱した時間を得る。さらに、残りの加熱時間=加熱時間−すでに加熱した時間、に基づいて、第1洗濯槽または第2洗濯槽の残りの加熱時間を得る。
【0034】
本実施例には、以下の特殊な状況が存在する。
特殊な状況1、第1洗濯槽および第2洗濯槽の残りの加熱時間が等しい。このとき、洗濯槽の残りの加熱時間が設定値Tmaxより大きいかどうかを判断する必要がある。
設定値Tmaxより大きい場合、交互に加熱する原則に基づき、第1洗濯槽および第2洗濯槽が交互に加熱する交互加熱プログラムを実行する。
そうでない場合、順序の原則に基づき、先に第2洗濯槽、後に第1洗濯槽が加熱する順序加熱プログラムを実行する。
【0035】
さらに、前記交互加熱プログラムは、第1洗濯槽および第2洗濯槽が順次交互に一定の時間間隔で加熱する。各時間間隔の加熱が終了すると、第1洗濯槽および第2洗濯槽の加熱が終了したかどうかを判断する。第1洗濯槽または第2洗濯槽の加熱が終了した場合、第2洗濯槽または第1洗濯槽は終了するまで続けて加熱し、そうでなければ引き続き交互に加熱する。
【0036】
本実施例において、前記第2洗濯槽の加熱の全時間はTm2である。前記設定値Tmaxは2/3Tm2≦Tmax≦Tm2の条件を満たし、好ましくは10min<Tmaxである。前記設定値Tminは0<Tmin≦1/3Tm2の条件を満たし、好ましくは0<Tmin≦5minである。
【0037】
さらに、前記順序加熱プログラムは、先に開始した洗濯槽が優先的に実行し、これによりプログラムの中断後、熱損失が生じるのを防止する。
【0038】
したがって、先に開始した第2洗濯槽が引き続き加熱プログラムを実行する必要がある。後に開始する第1洗濯槽は実行を一時見合わせ、第2洗濯槽の加熱プログラムが完了してから、加熱プログラムを実行する。
【0039】
特殊な状況2、第1洗濯槽が加熱プログラムを実行する必要があるとき、第2洗濯槽が加熱プログラムを実行している場合、第2洗濯槽の残りの加熱時間は比較的短い(設定値Tmin以下)。このとき、待ち時間は比較的短いため、熱損失を低下させるため、先に第2洗濯槽の加熱プログラムを完了させる必要があり、その後、第1洗濯槽は加熱プログラムを開始する。
【0040】
したがって、上記工程1)から11)を基に、以下の工程を追加する必要がある。
第1洗濯槽が加熱プログラムを実行する前に、第2洗濯槽が加熱プログラムを実行している場合、第2洗濯槽の残りの加熱時間が最短設定値Tminより短いかどうかを判断する必要がある。
最短設定値Tminより短い場合、第1洗濯槽は加熱プログラムの実行を一時見合わせ、第2洗濯槽が加熱プログラムを完了してから、第1洗濯槽は加熱プログラムを実行する。
そうでない場合、本実施例の工程2)を実行する。
【0041】
実施例2
本実施例において、複数ドラム洗濯機の加熱制御方法を以下のように説明する。
第1洗濯槽が加熱プログラムを実行する前に、先に第2洗濯槽が加熱プログラムを実行しているかどうかを判断する必要がある。これにより、第1洗濯槽および第2洗濯槽が加熱プログラムを同時に実行し、洗濯機に比較的大きい負荷電流が生じるのを防止する。
【0042】
本実施例では、第1洗濯槽が正常な状況下で優先的に加熱プログラムを実行するように指定する。ユーザが急いで洗濯する必要がある衣類を第1洗濯槽に投入して、ユーザが急いで洗濯する必要がある衣類の待ち時間を短縮する。
【0043】
第1洗濯槽が必要な加熱時間が長すぎる特殊な状況では、第2洗濯槽が実行しているプログラムを完了させてから、第1洗濯槽が優先的に加熱プログラムを開始する。これにより、第2洗濯槽が待つ時間が過度に長くなるのを防止する。
【0044】
好ましくは、第1洗濯槽の洗濯容量は第2洗濯槽の洗濯容量より少ない。
【0045】
本実施例では、下記3つの判断条件により、第1洗濯槽が必要な加熱時間が長すぎるかどうかを判定する。
11)第1洗濯槽の設定加熱温度が、常用設定温度より高いかどうか。
12)第1洗濯槽の設定水位が、常用水位より高いかどうか。
13)第1洗濯槽の設定加熱温度値と実際の測定値との差が、第2洗濯槽の設定加熱温度値と実際の測定値との差より大きいかどうか。
上記判断条件11)から判断条件13)のいずれか1つが高い、または大きい場合、第1洗濯槽が必要な加熱時間は長すぎる。
上記判断条件11)から判断条件13)のいずれも高くない、または大きくない場合、第1洗濯槽が必要な加熱時間は長すぎない。
【0046】
図3に示すように、本実施例における、複数ドラム洗濯機の加熱制御の具体的な方法は以下の通りである。
1)第1洗濯槽が加熱プログラムを実行する前に、
2)第1洗濯槽の設定加熱温度t1が常用設定温度t’より高いかどうかを判断し、高くない場合、工程3)を実行し、高い場合、工程5)を実行する。
3)第1洗濯槽の設定水位Q1が常用水位Q’より高いかどうかを判断し、高くない場合、工程4)を実行し、高い場合、工程5)を実行する。
4)第1洗濯槽の設定加熱温度値t1と実際の測定値t1nとの差が、第2洗濯槽の設定加熱温度値t2と実際の測定値t2nとの差より大きいかどうかを判断し、大きくない場合、工程12)を実行し、大きい場合、工程5)を実行する。
5)第2洗濯槽が加熱プログラムを実行しているかどうかを判断し、加熱プログラムを実行している場合、工程8)を実行し、そうでない場合、工程6)を実行する。
6)第2洗濯槽が脱水プログラムを実行しているかどうかを判断し、脱水プログラムを実行している場合、工程9)を実行し、そうでない場合、工程7)を実行する。
7)第2洗濯槽が乾燥プログラムを実行しているかどうかを判断し、乾燥プログラムを実行している場合、工程10)を実行し、そうでない場合、工程11)を実行する。
8)第1洗濯槽は加熱プログラムの実行を一時見合わせ、第2洗濯槽は引き続き加熱プログラムを実行する。第2洗濯槽が加熱プログラムを完了してから、第1洗濯槽は加熱プログラムを実行する。
9)第1洗濯槽は加熱プログラムの実行を一時見合わせ、第2洗濯槽は引き続き脱水プログラムを実行する。第2洗濯槽が脱水プログラムを完了すると、工程7)を実行する。
10)第1洗濯槽は加熱プログラムの実行を一時見合わせ、第2洗濯槽は引き続き乾燥プログラムを実行する。第2洗濯槽が乾燥プログラムを完了すると、工程11)を実行する。
11)第1洗濯槽は加熱プログラムを実行する。
12)第2洗濯槽が加熱プログラムを実行しているかどうかを判断し、加熱プログラムを実行している場合、工程15)を実行し、そうでない場合、工程13)を実行する。
13)第2洗濯槽が脱水プログラムを実行しているかどうかを判断し、脱水プログラムを実行している場合、工程15)を実行し、そうでない場合、工程14)を実行する。
14)第2洗濯槽が乾燥プログラムを実行しているかどうかを判断し、乾燥プログラムを実行している場合、工程15)を実行し、そうでない場合、工程16)を実行する。
15)第2洗濯槽は対応するプログラムの実行を一時見合わせ、第1洗濯槽は加熱プログラムを実行する。第1洗濯槽の加熱が完了してから、第2洗濯槽は対応するプログラムを再開する。
16)第1洗濯槽が加熱プログラムを実行する。
【0047】
本実施例において、第1洗濯槽の設定加熱温度t1、設定水位Q1は、第1洗濯槽が実行する洗濯プログラムに対応する設定値である。第2洗濯槽の設定加熱温度t2、設定水位Q2は、第2洗濯槽が実行する洗濯プログラムに対応する設定値である。
【0048】
本実施例において、常用設定温度t’および常用水位Q’は、複数回の試験を経て得られた、洗濯機を正常に使用するときに必要な加熱温度および水位である。好ましくは、第1洗濯槽には複数の取水水位が設けられており、常用水位は使用回数が比較的多い取水水位である。第1洗濯槽には複数の加熱レベルも設けられ、各加熱レベルは使用回数が比較的多く、比較的高い加熱レベルに対応する設定温度値である。さらに好ましくは、常用水位に対応する洗濯水の深度値は第1洗濯槽の直径の1/2以下、第1洗濯槽の直径の1/4以上である。
【0049】
例えば、第1洗濯槽に1、2、3、4の4つの取水水位が設けられ、各取水水位は第1レベルから第4レベルまで順次増大する。好ましくは、第1洗濯槽の常用水位Q’は第3レベルの取水水位である。
【0050】
第1洗濯槽に5つの加熱レベルが設けられ、対応する設定加熱温度はそれぞれ30、40、50、60および90℃である。好ましくは、第1洗濯槽の常用設定温度t’は60℃である。
【0051】
本実施例において、第1洗濯槽の実際の測定値t1nおよび第2洗濯槽の実際の測定値t2nは、第1洗濯槽および第2洗濯槽中の洗濯水に対して、リアルタイム温度測定または定時温度測定を行って得られた、各対応する回の測定値である。
【0052】
これにより、第1洗濯槽を、加熱プログラムを優先的に実行する優先槽に指定し、ユーザが急いで洗濯する必要がある衣類を該槽に投入して洗濯し、ユーザの待ち時間を短縮できるようにする。さらに、第1洗濯槽を第2洗濯槽の洗濯容量に対して比較的少なくして、正常な状況下では、小さい槽で洗濯プログラムを優先的に実行し、ユーザが急いで洗濯する必要がある衣類の待ち時間をさらに短縮する。より特別に、優先洗濯槽で加熱プログラムを実行する前に、必要な加熱時間を予め判断して、優先槽が比較的長い洗濯加熱時間を必要とする特殊な状況を考慮する。加熱時間が長すぎて、もう1つの洗濯槽が待つ時間が比較的長くなるのを防止し、洗濯設備の使いやすさの程度が上昇する。
【0053】
実施例3
本実施例と実施例1との違いは次の通りである。実施例1の工程3)を実行する前に、先に第1洗濯槽が必要な加熱時間が長すぎるかどうかを判断する。加熱時間が長すぎない場合、第2洗濯槽が優先的に加熱プログラムを実行し、第2洗濯槽の加熱が完了してから、第1洗濯槽は加熱プログラムを実行する。加熱時間が長すぎる場合、工程3)を実行し、残りの時間が短い方が優先的に実行する原則に基づき、第1洗濯槽の加熱プログラムを確定する。
【0054】
これにより、洗濯機の第1洗濯槽を正常な状況下で優先的に実行させる。第1洗濯槽の加熱時間が長すぎる特殊な状況下では、2つの洗濯槽の残りの加熱時間の長さを判断することにより、残りの加熱時間が短い洗濯槽が優先的に加熱プログラムを実行する。
【0055】
本実施例において、第1洗濯槽が必要な加熱時間が長すぎるかどうかを判断する方法は、実施例2と同じであり、下記3つの判断条件により判断する。
11)第1洗濯槽の設定加熱温度が、常用設定温度より高いかどうか。
12)第1洗濯槽の設定水位が、常用水位より高いかどうか。
13)第1洗濯槽の設定加熱温度値と実際の測定値との差が、第2洗濯槽の設定加熱温度値と実際の測定値との差より大きいかどうか。
上記判断条件11)から判断条件13)のいずれか1つが高い、または大きい場合、第1洗濯槽が必要な加熱時間は長すぎる。
上記判断条件11)から判断条件13)のいずれも高くない、または大きくない場合、第1洗濯槽が必要な加熱時間は長すぎない。
【0056】
実施例4
本実施例と上記実施例1から3との違いは次の通りである。第1洗濯槽が加熱プログラムを実行する前に、最初に、第2洗濯槽が動作中であるかどうかを判断する。動作中でない場合、第1洗濯槽は加熱プログラムを直接実行し、動作中である場合、さらに実施例1から3のいずれか1つの工程2)を実行して、第1洗濯槽が加熱プログラムを起動するかどうかを確定する。
【0057】
本実施例において、動作中とは、取水プログラム、給水プログラム、洗濯プログラム、すすぎプログラム、排水プログラム、脱水プログラム、乾燥プログラムなどを実行していることを指す。
【0058】
実施例5
本発明において、第1洗濯槽1および第2洗濯槽2は、管路を介して同一の取水管路とつながり、管路に水流の通過、遮断を制御する制御装置が設けられる。これにより、洗濯過程を実行する前に、取水管路を介して第1洗濯槽および/または第2洗濯槽中に洗濯水を注入することができる。
【0059】
しかし、家庭用取水管路の取水の流速は一定であるため、第1洗濯槽および第2洗濯槽が同時に取水すると、取水の流速が比較的低くなり、第1洗濯槽および第2洗濯槽が設定水位に達しないことがある。取水の流速が不安定になり、第1洗濯槽および第2洗濯槽中の洗濯水の水位を正確に判定することができない問題が生じることもある。
【0060】
本発明は上記の状況が生じるのを防止するため、第1洗濯槽および第2洗濯槽が洗濯プログラムを実行する過程において、槽内の水量または水位を持続的に、または定時に監視して、槽内の取水量が不足する、および衣類が充分に吸水することにより、水位が低下する問題を改善し、速やかに洗濯水を補充する。
【0061】
さらに、第1洗濯槽が取水プログラムを実行するとき、第2洗濯槽は取水および給水プログラムのいずれか1つを同時に実行することができない。同様に、第2洗濯槽が取水プログラムを実行するとき、第1洗濯槽は取水および給水プログラムのいずれか1つを同時に実行することができない。これにより、2つの槽が同時に取水するのを防止する。
【0062】
本実施例において、複数槽洗濯機の給水制御方法を以下のように説明する。
第1洗濯槽が取水プログラムおよび給水プログラムを実行するとき、第2洗濯槽が取水プログラムまたは給水プログラムを実行しているかどうかを判断する必要がある。これにより、2つの洗濯槽が取水または給水を同時に実行し、洗濯槽の取水量が不足するのを防止する。
【0063】
図4に示すように、本実施例における、複数ドラム洗濯機の取水〜給水制御方法は以下の通りである。
1)第1洗濯槽が取水プログラムを実行する前に、
2)第2洗濯槽が取水プログラムを実行しているかどうかを判断する。
取水プログラムを実行している場合、工程4)を実行し、そうでない場合、工程3)を実行する。
3)第2洗濯槽が給水プログラムを実行しているかどうかを判断する。
給水プログラムを実行している場合、工程4)を実行し、そうでない場合、工程5)を実行する。
4)第1洗濯槽は取水プログラムの実行を停止し、第2洗濯槽の取水または給水プログラムが完了すると、工程5)を実行する。
5)第1洗濯槽は取水が完了するまで取水プログラムを実行する。
6)第1洗濯槽は洗濯プログラムを実行する。
7)洗濯過程において、第1洗濯槽中の洗濯水の水位が設定水位より低い場合、工程8)を実行する。
8)第1洗濯槽は給水プログラムを実行する。
9)第2洗濯槽が取水プログラムを実行しているかどうかを判断する。
取水プログラムを実行している場合、工程13)を実行し、そうでない場合、工程10)を実行する。
10)第2洗濯槽が給水プログラムを実行しているかどうかを判断する。
給水プログラムを実行している場合、工程11)を実行し、そうでない場合、工程12)を実行する。
11)第1洗濯槽は給水プログラムの実行を停止し、第2洗濯槽の給水プログラムが完了すると、工程12)を実行する。
12)第1洗濯槽は給水プログラムを実行し、第1洗濯槽中の洗濯水が設定水位に達すると、給水プログラムを停止する。
13)第2洗濯槽は取水プログラムの実行を停止し、第1洗濯槽は給水プログラムを実行する。第1洗濯槽中の洗濯水が設定水位に達すると、第2洗濯槽は取水プログラムを再開する。
【0064】
本実施例において、前記設定水位は、第1洗濯槽が実行する洗濯プログラムに対応する設定値である。第1洗濯槽が取水プログラムを実行するとき、第2洗濯槽は取水または給水プログラムを同時に実行することができない。第1洗濯槽の取水プログラムを完了する条件は、第1洗濯槽中の洗濯水の水位が設定水位に達することである。
【0065】
本実施例において、前記第1洗濯槽および第2洗濯槽の給水制御方法は同じである。すなわち工程1)から13)の第1洗濯槽および第2洗濯槽の位置を交換して、第2洗濯槽の給水制御方法を得ることができる。
【0066】
本実施例において、上記制御工程1)から13)に、さらに以下の特殊な状況が存在する。
特殊な状況1、第1洗濯槽が取水プログラムを実行しているとき、第2洗濯槽が給水プログラムを実行する必要がある場合、第1洗濯槽は待ち、第2洗濯槽は給水プログラムを正常に実行する。第2洗濯槽の給水が終了してから、第1洗濯槽は取水プログラムを実行する。これにより、洗濯時間が短い洗濯槽が優先的に動作して、ユーザの待ち時間を短縮し、洗濯機全体の使いやすさの程度が上昇する。
【0067】
特殊な状況2、第1洗濯槽が給水プログラムを実行しているとき、第2洗濯槽が給水プログラムを実行する必要がある場合、順序の原則に基づいて、第2洗濯槽が優先的に給水プログラムを実行し、第2洗濯槽の給水が終了してから、第1洗濯槽は給水プログラムを実行する。これにより、第2洗濯槽および第1洗濯槽の取水〜給水は交互に行われず、取水バルブの開閉回数を減少させ、洗濯機の制御プログラムの簡略化に有利である。
【0068】
さらに、洗濯機は、どの時点でも1つの取水コマンドまたは給水コマンドしか送信することができず、該コマンドは第1洗濯槽および第2洗濯槽の1つが、取水プログラムまたは給水プログラムを実行するように制御することしかできない。これにより、洗濯機の制御ユニットは、同じ時刻に第1洗濯槽または第2洗濯槽に、取水もしくは給水のコマンドを送信することしかできず、第1洗濯槽および第2洗濯槽が取水または給水プログラムを同時に実行するのを防止する。
【0069】
第1洗濯槽および第2洗濯槽に、それぞれ洗濯水の水位を測定するセンサが設けられる。第1洗濯槽または第2洗濯槽が取水プログラムを開始するとき、取水バルブは開放状態を保持する。洗濯水が設定水位に達したことをセンサが検出すると、取水バルブは閉鎖し、取水プログラムは完了する。第1洗濯槽または第2洗濯槽の洗濯過程において、洗濯水の水位が設定値より低いと、第1洗濯槽または第2洗濯槽は給水プログラムを開始し、取水バルブは開放状態を保持する。洗濯水が設定水位に達したことをセンサが検出すると、取水バルブは閉鎖し、給水プログラムは完了する。
【0070】
本実施例において、第1洗濯槽および第2洗濯槽が、取水プログラムまたは給水プログラムを実行しているかどうかを判断する条件は、第1洗濯槽および第2洗濯槽の対応する取水バルブが開放しているかどうかである。
【0071】
取水バルブが開放しているかどうかを判断する方式として、取水バルブが前回受信したコマンドが開放コマンドであるとき、取水バルブは開放状態であると判断し、前回受信したコマンドが閉鎖コマンドであるとき、取水バルブは閉鎖状態であると判断する。第1洗濯槽または第2洗濯槽に設けた水位センサが、洗濯水の水位が設定水位より低いことを検出すると、第1洗濯槽または第2洗濯槽は取水プログラムまたは給水プログラムを開始する必要がある。このとき、本実施例の工程1)から工程13)の関連する工程を開始して、第1洗濯槽または第2洗濯槽が取水または給水プログラムを開始するかどうかを判断する。第1洗濯槽または第2洗濯槽が取水または給水プログラムを開始する必要があるとき、洗濯機の制御ユニットは、対応する取水バルブに開放信号を送信し、取水バルブを開放状態にする。取水または給水過程で、対応する洗濯槽中の洗濯水の水位が設定水位に達したことを水位センサが検出すると、対応する取水バルブに閉鎖信号を送信し、取水バルブを閉鎖状態にする。
【0072】
または、取水バルブが開放しているかどうかを判断する方式として、対応する取水バルブを水が通るかどうかを判断する。水が取水バルブを通るとき、取水バルブは開放状態であり、水が取水バルブを通らなかったとき、取水バルブは閉鎖状態である。第1洗濯槽および第2洗濯槽の取水バルブに、対応する取水バルブを通る水の流量を測定する流量センサがそれぞれ設けられる。洗濯水が流れたことを流量センサが検出すると、対応する取水バルブは開放状態であると判断し、そうでなければ対応する取水バルブは閉鎖状態であると判断する。
【0073】
または、取水バルブが開放しているかどうかを判断する方式として、取水バルブの開放時間が設定時間に達しているかどうかを判断する。取水バルブの開放時間が設定時間に達したとき、取水バルブは閉鎖状態であり、取水バルブの開放時間が設定時間に達していないとき、取水バルブは開放状態である。洗濯機にタイマーが設けられ、取水バルブが開放信号を受信すると、タイマーが計測し始め、計測した時間が設定時間に達していない前は、取水バルブは終始開放状態にある。計測した時間が設定時間に達すると、取水バルブは閉鎖状態にある。
【0074】
本実施例において、好ましくは、第1洗濯槽の取水バルブおよび第2洗濯槽の取水バルブに、相互にロックするインターロック装置が設けられ、これにより第1洗濯槽の取水バルブが開放状態にあるとき、第2洗濯槽の取水バルブは開くことができず、第2洗濯槽の取水バルブが開放状態にあるとき、第1洗濯槽の取水バルブは開くことができない。これにより、第1洗濯槽および第2洗濯槽の取水バルブが同時に開放するのを防止する。当然、インターロック装置は、第1洗濯槽および第2洗濯槽の取水バルブがいずれも閉鎖状態である第3の状態も有する。
【0075】
実施例6
本実施例において、洗濯機の水使用量を節約するため、複数ドラム洗濯機の第1洗濯槽および第2洗濯槽をつなげることにより、第1洗濯槽が排出した、清浄度を満たす洗濯水を取水または給水水源として、第2洗濯槽中に流入させて再び利用することができる。第2洗濯槽が排出した、清浄度を満たす洗濯水を取水または給水水源として、第1洗濯槽中に流入させて再び利用することもできる。
【0076】
したがって、上記実施例5を基に、以下の判断を追加する必要がある。すなわち、実施例5の工程2)を実行する前に、第2洗濯槽が排水プログラムを実行している、または実行しようとしているかどうかを判断する必要がある。排水プログラムを実行していない、または実行しようとしていない場合、第1洗濯槽はきれいな水を水源として、直接取水プログラムまたは給水プログラムを実行する。排水プログラムを実行している、または実行しようとしている場合、第2洗濯槽中の洗濯水を繰り返し利用することができるかどうかを判断する。繰り返し利用することができる場合、第1洗濯槽は取水プログラムまたは給水プログラムの実行を一時見合わせ、第2洗濯槽が排水を開始すると、第2洗濯槽中の洗濯水を取水または給水の水源として、第1洗濯槽中に流入させる。
【0077】
本実施例において、第2洗濯槽が排水プログラムを実行しようとしているかどうかを判断する条件は、第2洗濯槽が次の排水プログラムを実行するまでの残りの時間が、設定時間より短いかどうかである。設定時間より短い場合、第1洗濯槽は取水プログラムまたは給水プログラムの実行を一時見合わせ、第2洗濯槽が排水を開始すると、第2洗濯槽中の洗濯水を第1洗濯槽中に流入させて繰り返し利用する。そうでない場合、第1洗濯槽はきれいな水を直接取水する。
【0078】
本実施例において、第2洗濯槽中の洗濯水を繰り返し利用することができるかどうかを判断する条件として、第2洗濯槽内の水の濁度値または泡沫濃度値を測定する。濁度値または泡沫濃度値が設定値より小さい場合、第2洗濯槽の水は繰り返し利用することができ、そうでなければ第2洗濯槽の水は繰り返し利用することができない。
【0079】
実施例7
図5に示すように、本実施例は取水の待ち時間を判断基準として採用し、水を繰り返し利用するかどうかを判断する。取水の待ち時間に基づき、取水プログラムに達したとき、もう1つの槽の排水を待ち、繰り返し使用するかどうかを判定する。簡単な判断および制御論理を有し、実際の洗濯プログラムにおいて、制御の安定性が比較的高い。さらに、水を充分に繰り返し利用することを実現し、実用的な価値が高く、より効果的に幅広く応用することができる。
【0080】
本実施例の取水で繰り返し利用するかどうかの判断は、実施例5に記載の取水〜給水プログラムの工程における判断と組み合わせることができる。これにより洗濯槽外への排水を、もう1つの洗濯槽の取水または給水水源として再び使用することができるかどうかを判定し、洗濯水を繰り返し利用する目的を達成する。
【0081】
第1洗濯槽および第2洗濯槽が同時に動作状態にあるとき、水を繰り返し利用する制御方法は、以下の通りである。
複数槽洗濯機の水を繰り返し利用する制御方法において、前記複数槽洗濯機は、少なくとも第1洗濯槽および第2洗濯槽を含む。第1洗濯槽および第2洗濯槽が同時に動作状態にあるとき、水を繰り返し利用する制御方法は次の通りである。第1洗濯槽が取水プログラムに達したとき、第2洗濯槽が排水プログラムに達する時間T22と、第1洗濯槽が次回の取水プログラムに達する時間T21とを比較する。T22≧T21の場合、第1洗濯槽はきれいな水を直接取水し、T22<T21の場合、第1洗濯槽は第2洗濯槽の排水を待つ。
【0082】
第2洗濯槽が排水プログラムに達する時間T22と、第1洗濯槽が次回の取水プログラムに達する時間T21とを比較する前に、第2洗濯槽の水を繰り返し利用することができるかどうかを判断する。繰り返し利用することができない場合、第1洗濯槽はきれいな水を直接取水し、繰り返し利用することができる場合、第2洗濯槽が排水プログラムに達する時間T22と、第1洗濯槽が次回の取水プログラムに達する時間T21とを比較する。または、第1洗濯槽が第2洗濯槽の排水を待つとき、第2洗濯槽の水を繰り返し利用することができるかどうかを判断する。繰り返し利用することができない場合、第1洗濯槽はきれいな水を直接取水し、繰り返し利用することができる場合、第2洗濯槽の水を第1洗濯槽に排出して繰り返し利用する。
【0083】
具体的に、工程1:第1洗濯槽が取水プログラムに達すると、第2洗濯槽が排水プログラムに達する時間T22と、第1洗濯槽が次回の取水プログラムに達する時間T21とを比較する。T22≧T21の場合、第1洗濯槽はきれいな水を直接取水し、T22<T21の場合、第1洗濯槽は第2洗濯槽の排水を待ち、工程2を実行する。
工程2:第2洗濯槽の水を繰り返し利用することができるかどうかを判断する。繰り返し利用することができる場合、第2洗濯槽の水を第1洗濯槽に排出して繰り返し利用し、そうでない場合、第1洗濯槽はきれいな水を直接取水する。待つかどうかを判断する過程を追加し、第2洗濯槽の水を繰り返し利用する確率を大幅に高め、より多くの水を繰り返し利用することができる。
【0084】
工程1において、第1洗濯槽が取水プログラムに達したとき、第2洗濯槽が排水している場合、第2洗濯槽が排水プログラムに達する時間T22は0である。待つ必要はなく、直接工程2に進む。第2洗濯槽が排水プログラムに達する時間T22と、第1洗濯槽が次回の取水プログラムに達する時間T21とを比較する前に、先に第2洗濯槽がこのとき排水プログラムを実行しているかどうかを判断することもできる。第2洗濯槽が排水プログラムを実行していない場合、さらに第2洗濯槽が排水プログラムに達する時間T22と、第1洗濯槽が次回の取水プログラムに達する時間T21とを比較する。
【0085】
工程1において、許容待ち時間T(T<T21)を設定する。T22<Tの場合、第1洗濯槽は第2洗濯槽の排水を待ち、工程2を実行し、T22≧Tの場合、第1洗濯槽はきれいな水を直接取水する。該工程により、第1洗濯槽が長い時間待つのを防止することができ、第1洗濯槽の洗濯時間を保証する前提で、水の繰り返し利用を合理的に調整する。水を繰り返し使用することのみを考慮するために、第1洗濯槽の多くの時間を浪費することはない。洗濯機が、待つ時間が過度に長く、設定した許容待ち時間を超えたと判断した場合、第1洗濯槽は第2洗濯槽の水をくり返し利用しない。該判断は、水の繰り返し利用をより合理的にし、待つ時間と、水の繰り返し利用との関係を最大限に調整した。
【0086】
工程2において、第2洗濯槽内の水の濁度値または泡沫濃度値を測定する。濁度値または泡沫濃度値が設定値より小さい場合、第2洗濯槽の水は繰り返し利用することができ、そうでなければ第2洗濯槽の水は繰り返し利用することができない。水の濁度値または泡沫濃度値が設定範囲内にあるときしか、水は繰り返し利用することができない。
【0087】
工程1において、第1洗濯槽が取水プログラムに達したとき、開始する取水プログラムが最後のすすぎの取水であるかどうかを判断する。そうである場合、第1洗濯槽はきれいな水を直接取水し、そうでない場合、第2洗濯槽が排水プログラムに達する時間T22と、第1洗濯槽が次回の取水プログラムに達する時間T21とを引き続き比較する。最後のすすぎの取水は、きれいな水を取水することを保証し、衣類の洗濯完了後の効果を保証する。
【0088】
工程2において、第2洗濯槽の水を第1洗濯槽に排出する前に、第1洗濯槽が洗濯の取水プログラムを実行するかどうかを判断する。洗濯の取水プログラムを実行する場合、第1洗濯槽は先に洗剤ケースを洗い流す取水を行い、第1洗濯槽の洗剤ケースを洗い流す取水が終了してから、第2洗濯槽の水を第1洗濯槽に排出する。そうでない場合、直接第2洗濯槽の水を第1洗濯槽に排出する。
【0089】
工程2において、第2洗濯槽の水を第1洗濯槽に排出するとき、第1洗濯槽内の水位の高さを測定する。第1洗濯槽内の水位が設定水位値に達したとき、第2洗濯槽内にまだ水がある場合、第2洗濯槽の残りの水は直接排出する。第2洗濯槽内の水を全て第1洗濯槽内に排出しても、第1洗濯槽内の水位が設定水位値に達しない場合、第1洗濯槽はきれいな水を取水する。
【0090】
第2洗濯槽の水を直接排出する前に、第1洗濯槽がこのとき脱水プログラムを実行しているかどうかを判断する。脱水プログラムを実行している場合、第2洗濯槽は第1洗濯槽の脱水の完了を待って排水する。そうでない場合、第1洗濯槽の脱水までの時間をT41、第1洗濯槽の脱水の所要時間をT44とし、許容待ち時間Tを設定する。T41+T44<Tの場合、第2洗濯槽は第1洗濯槽の脱水の完了を待って排水し、そうでなければ第2洗濯槽の水は直接排出する。
【0091】
洗濯状態および洗濯回数を判断することにより、第2洗濯槽の水を繰り返し利用することができるかを判断することもできる。工程2において、第2洗濯槽の排水時、洗濯状態であり、第1洗濯槽の取水時、すすぎ状態であるか、または第2洗濯槽の排水時および第1洗濯槽の取水時、いずれも洗濯状態であり、第2洗濯槽の洗濯回数が第1洗濯槽の洗濯回数より少ないか、または第2洗濯槽の排水時および第1洗濯槽の取水時、いずれもすすぎ状態であり、第2洗濯槽のすすぎ回数が第1洗濯槽のすすぎ回数より少ない場合、第2洗濯槽の水は繰り返し利用することができない。
【0092】
第2洗濯槽が取水プログラムに達したとき、第1洗濯槽が排水プログラムに達する時間と、第2洗濯槽が次回の取水プログラムに達する時間とを比較し、第2洗濯槽が第1洗濯槽の排水を待つかどうかを判断する。
【0093】
第2洗濯槽の排水口が第1洗濯槽とつながり、第2洗濯槽内の水を第1洗濯槽に排出して、繰り返し利用することができる。第2洗濯槽の排水口部分に止水バルブが設けられ、第2洗濯槽の水は止水バルブを経過して第1洗濯槽に進入することができる。第1洗濯槽に取水バルブが設けられ、外部のきれいな水は取水バルブを介して第1洗濯槽に進入することができる。前記制御方法は以下の通りである。
1)第1洗濯槽が取水プログラムに達する。
2)第2洗濯槽内の水を繰り返し利用するかどうかを判断し、繰り返し利用する場合、工程3)を実行し、そうでない場合、工程6)を実行する。
3)第1洗濯槽が次回の取水プログラムを実行するまでの時間をT21、第2洗濯槽が排水プログラムを実行するまでの時間をT22とする。T22<T21の場合、工程4)を実行し、T22≧T21の場合、工程6)を実行する。
4)第1洗濯槽は第2洗濯槽の排水を待ち、工程5)を実行する。
5)第2洗濯槽内の水を第1洗濯槽に排出する。
6)第1洗濯槽はきれいな水を直接取水し、第2洗濯槽の水は直接排出する。
【0094】
前記制御方法は、第2洗濯槽が排水プログラムに達する時間T22と、第1洗濯槽が次回の取水プログラムに達する時間T21とを比較する前に、第2洗濯槽が排水しているかどうかを判断する過程を追加することもできる。制御方法は以下の通りである。
1)第1洗濯槽が取水プログラムに達する。
2)第2洗濯槽内の水を繰り返し利用するかどうかを判断し、繰り返し利用する場合、工程3)を実行し、そうでない場合、工程7)を実行する。
3)第2洗濯槽がこのとき排水プログラムを実行しているかどうかを判断し、排水プログラムを実行していない場合、工程4)を実行し、排水プログラムを実行している場合、工程6)を実行する。
4)第1洗濯槽が次回の取水プログラムを実行するまでの時間をT21、第2洗濯槽が排水プログラムを実行するまでの時間をT22とする。T22<T21の場合、工程5)を実行し、T22≧T21の場合、工程7)を実行する。
5)第1洗濯槽は第2洗濯槽の排水を待ち、工程6)を実行する。
6)第2洗濯槽内の水を第1洗濯槽に排出する。
7)第1洗濯槽はきれいな水を直接取水し、第2洗濯槽の水は直接排出する。
【0095】
前記制御方法は、第1洗濯槽が第2洗濯槽の排水を待つ時間を充分に有するかどうかを判断することを含むこともできる。制御方法は以下の通りである。
1)第1洗濯槽が取水プログラムに達する。
2)第2洗濯槽内の水を繰り返し利用するかどうかを判断し、繰り返し利用する場合、工程3)を実行し、そうでない場合、工程8)を実行する。
3)第2洗濯槽がこのとき排水プログラムを実行しているかどうかを判断し、排水プログラムを実行していない場合、工程4)を実行し、排水プログラムを実行している場合、工程7)を実行する。
4)第1洗濯槽が次回の取水プログラムを実行するまでの時間をT21、第2洗濯槽が排水プログラムを実行するまでの時間をT22とする。T22<T21の場合、工程5)を実行し、T22≧T21の場合、工程8)を実行する。
5)許容待ち時間Tを設定し、T22<Tの場合、工程6)を実行し、T22≧Tの場合、工程8)を実行する。
6)第1洗濯槽は第2洗濯槽の排水を待ち、工程7)を実行する。
7)第2洗濯槽内の水を第1洗濯槽に排出する。
8)第1洗濯槽はきれいな水を直接取水し、第2洗濯槽の水は直接排出する。
【0096】
前記第2洗濯槽の水が汚い場合、繰り返し利用することはできない。または第1洗濯槽が最後のすすぎの取水であっても、繰り返し利用することはできない。制御方法は以下の通りである。
1)第1洗濯槽が取水プログラムに達する。
2)第1洗濯槽が最後のすすぎの取水を残すのみであるかどうかを判断し、そうでない場合、工程3)を実行し、そうである場合、工程9)を実行する。
3)第2洗濯槽がこのとき排水プログラムを実行しているかどうかを判断し、排水プログラムを実行していない場合、工程4)を実行し、排水プログラムを実行している場合、工程7)を実行する。
4)第1洗濯槽が次回の取水プログラムを実行するまでの時間をT21、第2洗濯槽が排水プログラムを実行するまでの時間をT22とする。T22<T21の場合、工程5)を実行し、T22≧T21の場合、工程9)を実行する。
5)許容待ち時間Tを設定し、T22<Tの場合、工程6)を実行し、T22≧Tの場合、工程9)を実行する。
6)第1洗濯槽は第2洗濯槽の排水を待ち、工程7)を実行する。
7)第2洗濯槽内の水の濁度値または泡沫濃度値を測定し、濁度値または泡沫濃度値が設定値より小さいかどうかを判断する。
設定値より小さい場合、工程8)を実行し、そうでない場合、工程9)を実行する。
8)第2洗濯槽内の水を第1洗濯槽に排出する。
9)第1洗濯槽はきれいな水を直接取水し、第2洗濯槽の水は直接排出する。
【0097】
第2洗濯槽の水を第1洗濯槽に排出するとき、第1洗濯槽が洗濯の取水である場合、洗剤ケースを洗い流す必要も、水位を測定する必要もある。制御方法は以下の通りである。
1)第1洗濯槽が取水プログラムに達する。
2)第1洗濯槽が最後のすすぎの取水を残すのみであるかどうかを判断し、そうでない場合、工程3)を実行し、そうである場合、工程12)を実行する。
3)第2洗濯槽がこのとき排水プログラムを実行しているかどうかを判断し、排水プログラムを実行していない場合、工程4)を実行し、排水プログラムを実行している場合、工程7)を実行する。
4)第1洗濯槽が次回の取水プログラムを実行するまでの時間をT21、第2洗濯槽が排水プログラムを実行するまでの時間をT22とする。T22<T21の場合、工程5)を実行し、T22≧T21の場合、工程12)を実行する。
5)許容待ち時間Tを設定し、T22<Tの場合、工程6)を実行し、T22≧Tの場合、工程12)を実行する。
6)第1洗濯槽は第2洗濯槽の排水を待ち、工程7)を実行する。
7)第2洗濯槽内の水の濁度値または泡沫濃度値を測定し、濁度値または泡沫濃度値が設定値より小さいかどうかを判断する。
設定値より小さい場合、工程8)を実行し、そうでない場合、工程12)を実行する。
8)第1洗濯槽が洗濯の取水プログラムを実行するかどうかを判断し、洗濯の取水プログラムを実行する場合、工程9)を実行し、そうでない場合、工程10)を実行する。
9)第1洗濯槽は先に洗剤ケースを洗い流す取水を行い、第1洗濯槽の洗剤ケースを洗い流す取水が終了した後、工程10)を実行する。
10)第2洗濯槽内の水を第1洗濯槽に排出する。
11)第1洗濯槽内の水位の高さを測定し、第1洗濯槽内の水位が設定水位値に達したとき、第2洗濯槽内にまだ水がある場合、残りの水は直接排出する。第2洗濯槽内の水を全て第1洗濯槽内に排出しても、第1洗濯槽内の水位が設定水位値に達しない場合、外部の取水口から第1洗濯槽に取水する。
12)第1洗濯槽はきれいな水を直接取水し、第2洗濯槽の水は直接排出する。
【0098】
本実施例において、第2洗濯槽の取水口が第1洗濯槽の排水口とつながり、第1洗濯槽内の水を第2洗濯槽に排出して、繰り返し利用することができる。第1洗濯槽の排水口部分に止水バルブが設けられ、第1洗濯槽の水は止水バルブを経過して第2洗濯槽に進入することができる。第2洗濯槽にさらに取水バルブが設けられ、外部のきれいな水は取水バルブを介して第2洗濯槽に進入することができる。
【0099】
本実施例において、第1洗濯槽および第2洗濯槽は、説明を便利にするために付けた番号に過ぎない。順序関係を割り当てず、第1洗濯槽の水を再び利用することもできる。しかし、2つの洗濯槽は上記工程を同時に実行することはできず、これにより2つの洗濯槽が同時に待ち、閉鎖ループとなるのを防止する。
【0100】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明をいかなる形式でも制限しない。本発明は好ましい実施例により上記のように開示したが、本発明を限定するものではない。当業者は本発明の技術案を逸脱しない範囲内で、上記に開示した技術的内容を利用して、同等に変更した等価実施例に修正または修飾することができるが、いずれも本発明の技術案の内容を逸脱しない。本発明の技術的本質に基づいて、以上の実施例に対して行う簡単な修正、同等の変更および修飾は、いずれも本発明案の範囲内に属する。
図1
図2
図3
図4
図5