特許第6579416号(P6579416)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6579416釣り糸ガイドの製造方法、釣り糸ガイド及びこれを含む釣り竿
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6579416
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】釣り糸ガイドの製造方法、釣り糸ガイド及びこれを含む釣り竿
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/04 20060101AFI20190912BHJP
【FI】
   A01K87/04 E
   A01K87/04 Z
【請求項の数】10
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2019-531364(P2019-531364)
(86)(22)【出願日】2018年12月25日
(86)【国際出願番号】JP2018047624
【審査請求日】2019年6月11日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0024646
(32)【優先日】2018年2月28日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0093080
(32)【優先日】2018年8月9日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】特願2018-5465(P2018-5465)
(32)【優先日】2018年1月17日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237385
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 一仁
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/178174(WO,A1)
【文献】 特開2011−223920(JP,A)
【文献】 特開平9−172914(JP,A)
【文献】 実公平7−7726(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 87/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り糸を案内するガイドリングを有して釣り竿の管状竿に取り付けられる釣り糸ガイドを製造する方法であって、
金属製の薄板からなり、前記ガイドリングを保持するリング保持部と前記リング保持部と一体に形成されるリング支持部とを含み、前記リング保持部には、リング保持孔である貫通孔を形成して前記ガイドリングの外周面と接触する補強フランジが形成されている、リングサポートを加工する段階と、
前記管状竿の外周面と嵌合される内周面を有する環状の取付部を、前記リング支持部の下側一部が前記取付部に埋め込まれるように、前記リングサポートをインサートとして用いて樹脂材料によって射出成形する段階と、を含み、
前記リングサポートを加工する段階は、
金属シートに前記貫通孔を形成する段階と、
前記貫通孔を形成する段階の後に、前記金属シートの前記貫通孔を取り囲む縁部を前記金属シートから突出させることにより、内周面で前記ガイドリングが嵌合される前記補強フランジを形成する段階と、
前記金属シートに少なくとも1つの曲げ部が形成されるように前記金属シートをベンディングする段階と、
前記金属シートから前記リングサポートをブランキングする段階と、を含む、
釣り糸ガイドの製造方法。
【請求項2】
前記補強フランジを形成する段階は、
バーリングパンチの中心軸が前記貫通孔の中心軸と一致するようにバーリングパンチを前記金属シート上に整列する段階と、
前記バーリングパンチを中心軸方向に移動させて前記バーリングパンチの先端が前記貫通孔を取り囲む縁部を曲げる段階と、
前記バーリングパンチで前記貫通孔を完全に貫通させる段階と、を含む、
請求項1に記載の釣り糸ガイドの製造方法。
【請求項3】
前記金属シートをベンディングする段階は、
前記管状竿に向かう下方方向に前記リング支持部の下端まで延長する第1曲げ部が形成されるように前記金属シートをベンディングする段階と、
前記リング保持部と前記リング支持部との間の境界となって前記リングサポートの下端に凸な第2曲げ部が形成されるように金属シートをベンディングする段階と、を含む、
請求項1に記載の釣り糸ガイドの製造方法。
【請求項4】
前記リングサポートを加工する段階は、
前記金属シートをベンディングする段階の前に、前記リング支持部を貫通して形成された一対の第1開口を前記金属シートに形成する段階を含み、
前記第1開口は、前記取付部を射出成形する段階により前記樹脂材料で満たされる、
請求項1に記載の釣り糸ガイドの製造方法。
【請求項5】
前記リングサポートを加工する段階は、
前記補強フランジを形成する段階の後に、前記補強フランジの内周面をシェービングして前記ガイドリングの外周面と接触する複数の嵌合突起を形成する段階をさらに含む、
請求項1に記載の釣り糸ガイドの製造方法。
【請求項6】
釣り竿の管状竿に取り付けられて釣り糸を案内する釣糸ガイドであって、
硬化した樹脂材料からなり、前記管状竿の外周面と嵌合される内周面を有する環状の取付部と、
釣り糸が通るガイドリングと、
金属製の薄板からなり、前記ガイドリングが結合されるリング保持孔を有するリング保持部と、前記リング保持部と一体に形成され、前記取付部と部分的に結合されるリング支持部とを含むリングサポートと、を含み、
前記リング支持部の下側一部が前記取付部に埋め込まれるように、前記リングサポートをインサートとして用いて、前記取付部をなす樹脂材料の射出成形によって前記リングサポートと前記取付部が部分的に結合され、
前記取付部は、前記取付部の上端に位置して外側半径方向に突出する上方リブと、前記取付部の中心より下に位置して前記外側半径方向に突出する一対の側方リブと、を含み、
前記リング支持部は、前記リング支持部内で一方向に延長する曲げ部を基準として所定の曲げ角で曲げられ、
前記リング保持部は、前記リング保持孔を形成するように前記リング保持孔の軸方向に沿って突出して前記ガイドリングの外周面と接触する補強フランジを含み、
前記補強フランジは、内周面と、前記内周面と繋がる湾曲した形状を有して前記ガイドリングの外周面が前記内周面と接触するように案内する案内面と、を含み、
前記補強フランジの案内面と前記ガイドリングの外周面との間の所定の空間には、前記ガイドリングの周方向に沿って接着剤が塗布される、
釣り糸ガイド。
【請求項7】
前記補強フランジの内周面には、前記ガイドリングの外周面と接触する複数の嵌合突起が形成された、
請求項6に記載の釣り糸ガイド。
【請求項8】
前記上方リブ及び前記一対の側方リブは、前記釣り竿のバットに向かう後方方向に前記取付部の後端面まで延長し、
前記取付部の後端面が前記上方リブの後端面と前記一対の側方リブの後端面を含む、
請求項6に記載の釣り糸ガイド。
【請求項9】
前記上方リブの後端面と前記一対の側方リブの後端面は、前記管状竿に取り付けられた他の釣り糸ガイドの取付部の前端面と接触可能である、
請求項6に記載の釣り糸ガイド。
【請求項10】
複数の管状竿と、
前記管状竿の1つに取り付けられる請求項6〜請求項9のいずれか1項に記載の釣り糸ガイドと、を含む、
釣り竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、釣り糸を案内する釣り糸ガイドの製造方法、釣り糸ガイド及びこれを含む釣り竿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
仕掛けをキャストする際に、または魚を釣り上げる際に釣り糸をガイドするために釣り糸ガイドが釣り竿の管状竿に取り付けられる。釣り糸ガイドは、釣り糸が通るガイドリングと、ガイドリングを保持及び支持するフレームと、フレームと結合して釣り竿の管状竿に取り付けられる取付部を有する。
【0003】
釣り竿のうち、いわゆる振出式釣り竿(telescopic fishing rod)には、釣り竿の管状竿の外周面に締まり嵌めにより固定される遊動ガイドまたはスライディングガイドが用いられている。遊動ガイドは、釣り竿の管状竿が貫通する環状の取付部を有する。遊動ガイドは、管状竿が取付部を貫通した状態で管状竿に沿って移動可能であり、取付部と管状竿の外周面との間の締まり嵌めにより管状竿に固定される。
【0004】
遊動ガイドの一例として、日本国特許第4275457号公報(特許文献1)と日本国実公平7−7726号公報(特許文献2)は、管状竿に嵌合される環状の取付部と、ガイドリングを支持して取付部に嵌合される取付リングを有する金属製のフレームとを備える遊動ガイドを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国特許第4275457号公報
【特許文献2】日本国実公平7−7726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遊動ガイドを振出式釣り竿に設置するために、遊動ガイドの環状取付部は、釣り竿の後端に向かってスライド移動する。振出式釣り竿の管状竿は、釣り竿の先端へ行くほど直径が小さくなるテーパ状を有する。従って、管状竿の外径と取付部の内径が同一となる位置で、取付部は管状竿の外周面に固定され得る。この時、取付部を釣り竿の後端側に強く押すと、取付部が若干変形され、取付部が釣り竿の外周面に締まり嵌めにより固定され得る。
【0007】
仕掛けをキャストする際に、または魚を釣り上げる際に、取付部に結合したフレームに多様な外力が作用する。例えば、釣り竿に横方向に外力がフレームに加えられると、フレームと取付部が管状竿を中心として回転することができ、その場合、遊動ガイドの釣り糸案内機能が喪失する。しかし、環状の取付部と取付リングにより取付部と結合するフレームを有する従来技術の遊動ガイドは、フレームに加えられる横方向の力に抵抗する十分な回転防止強度を有せず、ユーザーがフレームに加える不注意な衝撃、または釣り場所での岩または地面がフレームに加える衝撃により、管状竿を中心として容易に回転することができる。従来技術の遊動ガイドは、管状竿を中心とした回転に抵抗する回転防止強度が大きくなるように設計されていない。また、従来技術の遊動ガイドは、金属製の取付リングがフレームから突出しているので、十分な曲げ強度を有することができず、遊動ガイドに発生する釣り糸の糸絡みを円滑に解除できない。
【0008】
振出式釣り竿は、水辺、浜、磯等での釣りのために用いられ得る。磯釣りのための振出式釣り竿は、4.5m〜5.5mの全長を有することができ、このような振出式釣り竿には、一般に10個〜15個の遊動ガイドが取り付けられ得る。仕掛けのキャストを円滑にするために、または魚を容易に釣り上げるためには、軽量の釣り竿が有利であり、このためには、軽量の遊動ガイドが振出式釣り竿に要求される。しかし、金属製の取付リングを有する金属製のフレームにより、従来技術の遊動ガイドは軽量化に応じることができない。
【0009】
本開示による多様な実施例は、前述の従来技術の問題のうち、少なくとも一部を解決した釣り糸ガイドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施例によると、釣り糸ガイドの製造方法が提供される。また、一実施例によると、補強フランジが形成されたリングサポートとリングサポートの下端が取付部に埋め込まれた釣り糸ガイドが提供される。また、大きさが小さい取付部の後端が、大きさが大きい取付部の前端に挿入されるのを防止できる構造が提供された釣り糸ガイドが提供される。
【0011】
本開示の一実施例によれば、釣り糸を案内するガイドリングを有して釣り竿の管状竿に取り付けられる釣り糸ガイドを製造する方法は、金属製の薄板からなり、前記ガイドリングを保持するリング保持部と、前記リング保持部と一体に形成されるリング支持部とを含み、前記リング保持部には、リング保持孔である貫通孔を形成して前記ガイドリングの外周面と接触する補強フランジが形成されている、リングサポートを加工する段階と、前記管状竿の外周面と嵌合される内周面を有する環状の取付部を、前記リング支持部の下側一部が前記取付部に埋め込まれるように、前記リングサポートをインサートとして用いて樹脂材料によって射出成形する段階とを含み得る。前記リングサポートを加工する段階は、金属シートに前記貫通孔を形成する段階と、前記貫通孔を形成する段階の後に、前記金属シートの前記貫通孔を取り囲む縁部を前記金属シートから突出させることにより、内周面で前記ガイドリングが嵌合される前記補強フランジを形成する段階と、前記金属シートに少なくとも1つの曲げ部が形成されるように前記金属シートをベンディングする段階と、前記金属シートから前記リングサポートをブランキングする段階とを含み得る。
【0012】
一実施例によれば、前記補強フランジを形成する段階は、バーリングパンチの中心軸が前記貫通孔の中心軸と一致するようにバーリングパンチを前記金属シート上に整列する段階と、前記バーリングパンチを中心軸方向に移動させて前記バーリングパンチの先端が前記貫通孔を取り囲む縁部を曲げる段階と、前記バーリングパンチで前記貫通孔を完全に貫通させる段階とを含み得る。
【0013】
一実施例によれば、前記金属シートをベンディングする段階は、前記管状竿に向かう下方方向に前記リング支持部の下端まで延長する第1曲げ部が形成されるように前記金属シートをベンディングする段階と、前記リング保持部と前記リング支持部との間の境界となって前記リングサポートの下端に凸な第2曲げ部が形成されるように金属シートをベンディングする段階とを含み得る。
【0014】
一実施例によれば、前記リングサポートを加工する段階は、前記金属シートをベンディングする段階の前に、前記リング支持部を貫通して形成された一対の第1開口を前記金属シートに形成する段階を含み、前記第1開口は、前記取付部を射出成形する段階により前記樹脂材料で満たされ得る。
【0015】
一実施例によれば、前記リングサポートを加工する段階は、前記補強フランジを形成する段階の後に、前記補強フランジの内周面をシェービングして前記ガイドリングの外周面と接触する複数の嵌合突起を形成する段階をさらに含み得る。
【0016】
本開示の他の実施例によれば、釣り竿の管状竿に取り付けられて釣り糸を案内する釣糸ガイドは、硬化した樹脂材料からなり、前記管状竿の外周面と嵌合される内周面を有する環状の取付部と、釣り糸が通るガイドリングと、金属製の薄板からなり、前記ガイドリングが結合されるリング保持孔を有するリング保持部と、前記リング保持部と一体に形成され、前記取付部と部分的に結合されるリング支持部とを含むリングサポートと、を含み得る。前記リング支持部の下側一部が前記取付部に埋め込まれるように、前記リングサポートをインサートとして用いて、前記取付部をなす樹脂材料の射出成形によって前記リングサポートと前記取付部が部分的に結合され得る。前記取付部は、前記取付部の上端に位置して外側半径方向に突出する上方リブと、前記取付部の中心より下に位置して前記外側半径方向に突出する一対の側方リブと、を含み得る。前記リング支持部は、前記リング支持部内で一方向に延長する曲げ部を基準として所定の曲げ角で曲げられ得る。前記リング保持部は、前記リング保持孔を形成するように前記リング保持孔の軸方向に沿って突出して前記ガイドリングの外周面と接触する補強フランジを含み得る。前記補強フランジは、内周面と、前記内周面と繋がる湾曲した形状を有して前記ガイドリングの外周面が前記内周面と接触するように案内する案内面と、を含み、前記補強フランジの案内面と前記ガイドリングの外周面との間の所定の空間には、前記ガイドリングの周方向に沿って接着剤が塗布され得る。
【0017】
一実施例によれば、前記補強フランジの内周面には前記ガイドリングの外周面と接触する複数の嵌合突起が形成され得る。
【0018】
一実施例によれば、前記上方リブ及び前記一対の側方リブは、前記釣り竿のバットに向かう後方方向に前記取付部の後端面まで延長し、前記取付部の後端面が前記上方リブの後端面と前記一対の側方リブの後端面を含み得る。
【0019】
一実施例によれば、前記上方リブの後端面と前記一対の側方リブの後端面は、前記管状竿に取り付けられた他の釣り糸ガイドの取付部の前端面と接触可能である。
【0020】
本開示のまた他の実施例による釣り竿は、複数の管状竿と、前記管状竿の1つに取り付けられる釣り糸ガイドとを含み得る。
【発明の効果】
【0021】
本開示の多様な実施例によれば、リング保持部に補強フランジが形成されるので、ガイドリングとリング保持部との間の結合性を向上させることができる。また、補強フランジはバーリング工程及びシェービング工程を通じて形成されて案内面を有するので、ガイドリングがリング保持孔に挿入される過程でガイドリングの割れが防止され得る。また、取付部に取付部の後端面まで延長する上方リブ及び側方リブを形成することにより大きさが小さい取付部の後端が、大きさが大きい取付部の前端に挿入されることが防止され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の一実施例による釣り糸ガイドが設置された振出式釣り竿の一例を示す。
図2A】本開示の一実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図2B】本開示の一実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図2C】本開示の一実施例による釣り糸ガイドを示す図である。
図3図2Aに示す釣り糸ガイドをI−I方向に切断した断面図である。
図4A】本開示の一実施例による釣り糸ガイドのリングサポートを示す図である。
図4B】本開示の一実施例による釣り糸ガイドのリングサポートを示す図である。
図4C】本開示の一実施例による釣り糸ガイドのリングサポートを示す図である。
図4D】本開示の一実施例による釣り糸ガイドのリングサポートを示す図である。
図5】本開示の一実施例による釣り糸ガイドの製造方法を示すフローチャートである。
図6図5に示す釣り糸ガイドの製造方法においてリングサポートを加工する段階を示すフローチャートである。
図7図5に示す釣り糸ガイドの製造方法において補強フランジを形成する段階を示すフローチャートである。
図8A】本開示の一実施例によるリングサポートが製造される過程を説明するための図である。
図8B】本開示の一実施例によるリングサポートが製造される過程を説明するための図である。
図8C】本開示の一実施例によるリングサポートが製造される過程を説明するための図である。
図8D】本開示の一実施例によるリングサポートが製造される過程を説明するための図である。
図8E】本開示の一実施例によるリングサポートが製造される過程を説明するための図である。
図8F】本開示の一実施例によるリングサポートが製造される過程を説明するための図である。
図9】比較例によりリングサポートが製造される過程を説明するための図である。
図10】本開示の一実施例によるリングサポートと比較例によるリングサポートを説明するための図である。
図11】本開示の一実施例による釣り糸ガイドを製造する過程で用いられる金型の一部を示す斜視図である。
図12】比較例による補強フランジの形成方法と本開示の一実施例による補強フランジの形成方法を示す図である。
図13】比較例によるリング保持部と本開示の一実施例によるリング保持部を比較するための表である。
図14】比較例によるリング保持部にガイドリングが挿入される過程と本開示の一実施例によるリング保持部にガイドリングが挿入される過程を説明するための図である。
図15】比較例によるリング保持部にガイドリングが挿入された様子と本開示の一実施例によるリング保持部にガイドリングが挿入された様子を説明するための図である。
図16】比較例による釣り糸ガイドを説明するための図である。
図17】本開示の一実施例により複数のリブが提供された取付部を備えた釣り糸ガイドを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が、以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的説明で限定されるものではない。
【0024】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであって、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0025】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」などのような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open‐ended terms)として理解されるべきである。
【0026】
本開示で記述された単数型の表現は、異なって言及しない限り、複数型の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数型の表現にも同様に適用される。
【0027】
本開示で用いられる「第1」、「第2」などの表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
【0028】
本開示で、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「接続されて」いると言及された場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得たり、接続され得るものとして、または新たな他の構成要素を介して連結され得たり、接続され得るものとして理解されるべきである。
【0029】
本開示で記載される寸法と数値は、記載された寸法と数値だけで限定されるものではない。異なって特定されない限り、このような寸法と数値は記載された値及びこれを含む同等の範囲を意味するものとして理解され得る。例えば、本開示に記載された「7mm」という寸法は「略7mm」を含むものとして理解され得る。
【0030】
本開示で用いられる「上方」、「上」などの方向指示語は、添付の図面でリングサポートが取付部に対して位置する方向を基準とし、「下方」、「下」などの方向指示語は、その反対方向を意味する。添付の図面に示す釣り糸ガイドは異なって配向され得、前記方向指示語はそれに合わせて解釈され得る。
【0031】
本開示の図面に表示された座標系において、「TD」は前方方向を意味し、「BD」は後方方向を意味する。また、「UD」は上方方向を意味し、「LD」は下方方向を意味する。また、「WD」は幅方向を意味する。
【0032】
以下、添付の図面を参照して、本開示の実施例を説明する。添付の図面において、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものとして意図されはしない。
【0033】
図1は、本開示の多様な実施例による釣り糸ガイド1が設置された振出式釣り竿1000の一例を示す。
【0034】
矢印(TD)は、釣り竿のチップ(tip)1001に向かう前方方向を指し、矢印(BD)は、釣り竿のバット(butt)1002に向かう後方方向を指す。図1に示す釣り竿1000は、当該分野で振出式(telescopic)釣り竿として参照され得る。釣り竿1000は、水辺、浜、船上、磯等での釣りのために用いられ得るものの、釣り竿1000の使用場所が前述の場所に限定されはしない。
【0035】
釣り竿1000は、長い円筒状の竿体1005を含む。竿体1005は、釣り竿1000に作用する種々の外力に抵抗して、釣り竿1000の形状を維持する構造物として機能し得る。竿体1005は、第1〜第5管状竿1110,1120,1130,1140,1150を含み得る。また、1つの管状竿が、その次に位置し、それより大きい外径を有する管状竿の内部に嵌められるテレスコピック(telescopic)方式で複数の管状竿が結合して、竿体1005を構成し得る。図1は、拡張された釣り竿1000の竿体1005を示す。
【0036】
竿体1005の管状竿のうち、釣り竿1000の後端に位置する第1管状竿1110は、ユーザーが握り得る元竿として機能し得る。第1管状竿1110にはリールシート1115が取り付けられ、リールシート1115には釣り糸(図示せず)を放出したり巻くためのリール(図示せず)が除去可能に取り付けられ得る。
【0037】
釣り竿1000は、第2〜第5管状竿1120,1130,1140,1150に設置される複数の釣り糸ガイドを備えることができる。釣り糸ガイドは、仕掛けをキャストする際にリールから放出されたり、魚を釣り上げる際にリールに巻かれる釣り糸を案内する。前記複数の釣り糸ガイドとして、開示された種々の実施例のいずれか1つによる釣り糸ガイドが用いられ得る。本開示の一実施例による釣り糸ガイド1が、竿体1005の第2〜第5管状竿1120,1130,1140,1150の1つに取り付けられることができる。
【0038】
例えば、竿体1005の第3管状竿1130が釣り糸ガイド1の環状の取付部を貫通して、釣り糸ガイド1が竿体1005に取り付けられ得る。釣り糸ガイド1が竿体1005に取り付けられる前に、釣り糸ガイド1はその取付部で、竿体1005に沿って前方方向(TD)または後方方向(BD)にスライド可能であり、竿体1005に対して回転可能である。竿体1005の第3管状竿1130は、前方方向(TD)に外径が小さくなるテーパ状を有する。従って、釣り糸ガイド1を後方方向(BD)に移動させるにつれて、釣り糸ガイド1の取付部が第3管状竿1130の外周面と締まり嵌めで結合することにより、釣り糸ガイド1が竿体1005に取り付けられ得る。実施例による釣り糸ガイドは、当該分野において「遊動ガイド」または「スライディングガイド」として参照され得る。
【0039】
図2A図2Cは、本開示の一実施例による釣り糸ガイド1を多様な方向で示す図である。図2Aは釣り糸ガイド1の斜視図であり、図2Bは釣り糸ガイド1の正面図であり、図2Cは釣り糸ガイド1の側面図である。
【0040】
釣り糸ガイド1は、リングサポート1a及びリングサポート1aと結合される取付部1bを含み得る。リングサポート1aは、リング保持孔10aが形成されるリング保持部11及びリング保持部11から下側に延長形成されるリング支持部13を含み得る。リング保持孔10aには、ガイドリング12が挿入されて固定され得る。取付部1bは、リングサポート1aをインサートとしてカーボン長繊維強化樹脂からインサート射出成形されてリング支持部13を取り囲むように形成され得る。取付部1bは、図1に示す釣り竿1000の外周に沿って移動可能に設置され得る。
【0041】
取付部1bは、環状の形状を有し、竿体1005の管状竿のうち、例えば、第3管状竿1130が取付部1bを貫通し得る。取付部1bは、第3管状竿1130が貫通し得る環状体16を含む。環状体16には第3管状竿1130の外周面に嵌合される円筒状のボア10Bが釣り竿の中心軸(R)に沿って貫通している。ボア10Bの直径は、前方方向(TD)または後方方向(BD)に均一であってもよい。例えば、第3管状竿1130がボア10Bを貫通した状態で、取付部1bは第3管状竿1130に沿ってスライド可能であり、第3管状竿1130に対して回転することができる。
【0042】
図1を参照すると、第3管状竿1130は、前方方向(TD)に細くなるテーパ状を有する。従って、環状体16を後方方向(BD)に移動させる途中、第3管状竿1130の外径とボア10Bの直径が略同一となる位置で、環状体16は第3管状竿1130の外周面と嵌合され得る。この時、環状体16を後方方向(BD)にさらに移動させると、環状体16が若干変形されながら、取付部1bは第3管状竿1130に堅固に嵌合されて固定され得る。
【0043】
環状体16の内周面には、ボア10Bの軸方向に延長して中心軸(R)に向かって突出した複数のセレーション17が形成され得る。複数のセレーション17の端部にはとがった形状のチップが形成され得る。即ち、複数のセレーション17は三角形の形状の断面を有し得る。取付部1bを所定の大きさ以上の押込荷重で竿体1005に押し込む場合、複数のセレーション17のチップが竿体1005の外周面に食いつくことになり、竿体1005と環状体16との間の固定力が強化され得る。
【0044】
リング保持孔10aは、リング保持部11にリング保持部11の厚さ方向(即ち、断面方向)に貫通している。リング保持孔10aは、ガイドリング12の外周面に合わせられるように楕円形の内周面を有することができる。他の例として、リング保持孔10aは、円形の形状を有してもよい。ガイドリング12は、釣り糸による摩耗の防止のためにセラミック材料で構成され得る。ガイドリング12は、その外周面でリング保持孔10aを取り囲むリング保持部11の内周面に嵌合され、点接触または面接触などによりリング保持部11の内周面と結合され得る。また、リング保持部11の内周面とガイドリング12の外周面との間には、これらを接着させるための接着剤が塗布されてもよい。リング保持部11は、リング保持孔10aによりガイドリング12の全周に沿ってガイドリング12を保持するように略環状をとる。
【0045】
環状体16は、前方方向(TD)に位置して外径が相対的に大きい大外径部16aと、大外径部16aより小さい外径を有して大外径部16aと繋がっている小外径部16bとを有する。大外径部16aでの環状体16の半径方向厚さは、小外径部16bでの環状体16の半径方向厚さより大きい。大外径部16aの前方方向(TD)の表面が取付部1bの環状の前端面161aを形成し得、小外径部16bの後方方向(BD)の表面が取付部1bの環状の後端面161bを形成し得る。
【0046】
取付部1bは、リングサポート1aと結合する結合部18を含み得る。結合部18は、大外径部16aの上側外周部に形成され得る。結合部18は前方結合部18aと後方結合部18bを含み得る。結合部18にはリングサポート1aの下端が挿入される結合口181が形成され得る。
【0047】
環状体16の外周面には、第1〜第3リブ15A,15b,15cが形成され得る。第1リブ15aは上方リブとして説明でき、第2及び第3リブ15b,15cは一対の側方リブとして説明できる。第1リブ15aは、後方結合部18bの外側端部と小外径部16bの後端面161bとの間に形成され得る。一対の第2及び第3リブ15b,15cは小外径部16bの下側の部分の両側に形成され得る。図2Bを参照すると、第1〜第3リブ15a,15b,15cは正面方向で概ね三角形の形状をなし得る。
【0048】
第1リブ15aは、リング支持部13に隣接して環状体16の上端に位置することができる。第1リブ15aは、後方結合部18bと小外径部16bにわたって形成されている。第1リブ15aの外周面151aは、中心軸(R)に向かって傾いている。第1リブ15aは釣り竿のバットに向かう後方方向(BD)にテーパされた形状を有することができる。これにより、第1リブ15aは、後方方向(BD)での後端面161bから釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に拡大する幅を有することができる。図2Cを参照すると、第1リブ15aの外周面151aに含まれた長手方向中心線(M2)は、釣り竿の中心軸(R)と所定の角度(δ1)を形成し得る。所定の角度(δ1)は略、20度〜50度の間となり得る。
【0049】
一対の第2及び第3リブ15b,15cは、環状体16の側端で環状体16の中心より下に位置する。一対の第2及び第3リブ15b,15cは、大外径部16aと小外径部16bにわたって形成されている。一対の第2及び第3リブ15b,15cの幅は、第1リブ15aの幅より小さい。第1リブ15aと一対の第2及び第3リブ15b,15cとの間の中心軸(R)に対する角度は略120度になり得るが、これに限定されるわけではない。
【0050】
第1リブ15aと一対の第2及び第3リブ15b、15cは、釣り竿のバットに向かう後方方向に取付部1bの後端面161bまで延長することができる。これにより、取付部1bの後端面161bが第1リブ15aの後端面と前記第2及び第3リブ15b,15cの後端面を含み得る。即ち、取付部1bの後端面161bと第1〜第3リブ15a,15b,15cの後端面は、1つの一体となった平面上に配置され得る。
【0051】
図2Bを参照すると、小外径部16bは、周方向に沿って一定の半径方向の厚さを有する下側取付部161と、下側取付部161の両先端から周方向に沿って半径方向の厚さが増加するように構成された上側取付部162を含み得る。上側取付部162は、中心軸(R)を基準として上側に位置することができ、下側取付部161は中心軸(R)を基準として下側に位置することができる。上側取付部162は第1リブ15aと繋がるように形成され得、下側取付部161は一対の第2及び第3リブ15b,15cと繋がるように形成され得る。
【0052】
上側取付部162は、下側取付部161の両先端から第1リブ15aへ行くほど次第に半径方向の厚さが厚くなる形状を有することができる。即ち、上側取付部162で第1リブ15aと繋がる部分の半径方向の厚さが最も大きくなり得る。中心軸(R)と下側取付部161の両先端を連結した線の間の角度(α)は170度以下になり得る。上側取付部162は、インサート射出成形時、中心線(M1)に向かう射出物の流速を減少させて反転流の流入を促進することによりウェルドラインの形成を抑制することができる。
【0053】
図3は、図2Aに示す釣り糸ガイド1をI−I方向に切断した断面図である。
リングサポート1aは、強度向上のための構造物として、リング保持部11内に補強フランジ112を備えることができる。補強フランジ112は、ガイドリング12の外形に対応するように楕円形の形状を有することができる。補強フランジ112は、リング保持部11から前方方向(TD)及び下方方向(LD)の間の斜めの方向に突出することができる。例えば、補強フランジ112は、リング保持部11の前端面116からリング保持孔の中心軸(R)方向に突出するように形成され得る。例えば、補強フランジ112は、内周面119の突出長さ(ST)がリング保持部11の厚さ(RT)より小さくなるように、リング保持部11から突出することができる。
【0054】
補強フランジ112は、その内周面119でリング保持孔10aを限定する。リング保持部11は、前端面116の反対側の後端面117と補強フランジ112の内周面119との間に形成されて湾曲した形状を有する案内面118を含み得る。内周面119は環状に延長し、ガイドリング12が内周面119に嵌合され得る。案内面118は内周面119に繋がっており、案内面118は内周面119に沿って環状に延長する。案内面118は、内周面119に対して湾曲しており、曲面に形成される。即ち、案内面118の直径は、後端面117から内周面119に向かって縮小される。
【0055】
ガイドリング12は、案内面118と隣接した位置からリング保持孔10aの軸方向(R)に移動しながら補強フランジ112の内周面119と接触して前記リング保持孔に嵌められることができる。ガイドリング12が補強フランジ112に嵌合される時、ガイドリング12は案内面118から内周面119に嵌合され得る。即ち、ガイドリング12の外周面が案内面118に沿って内周面119に嵌合され得る。これにより、ガイドリング12とリング保持部11との間の嵌合時にガイドリング12の外周面での割れが防止され得る。
【0056】
ガイドリング12の外周面121は、補強フランジ112の内周面119と接触する第1外周面121aと、案内面118と所定の空間を形成する第2外周面121bとを含み得る。このような所定の空間には、ガイドリング12の周方向に沿って接着剤(G)が塗布され得る。これにより、ガイドリング12と補強フランジ112との間に強い接着強度が達成され得る。
【0057】
リング保持部11に形成された補強フランジ112により、リングサポート1aの曲げ強度が向上する。補強フランジ112は、リングサポート1aを成形するための金属シート内にリング保持孔10aの形状に対応する貫通孔を形成し、バーリング(burring)工程を通じて貫通孔を取り囲む縁部を金属シートから突出させることにより形成され得る。バーリング(burring)工程に関する詳細な説明は、後述する。
【0058】
図4A図4Dは、本開示の一実施例による釣り糸ガイド1のリングサポート1aを多様な方向で示す図である。図4Aはリングサポート1aの斜視図であり、図4B図4Aに示すリングサポート1aをII−II方向に切断した断面図であり、図4Cはリングサポート1aの側面図であり、図4Dはリングサポート1aの後面図である。
【0059】
リングサポート1aはガイドリング12を保持し、取付部1bに対してガイドリング12を支持することができる。リングサポート1aはステンレススチール、ステンレス合金、チタン合金、純チタンなどの金属材料で製造された薄板からなり得る。リングサポート1aは、その中に形成された曲げ部によりリングサポート1aを構成する部分が互いに対して折り曲げられたり湾曲している薄板として形成されている。また、リングサポート1aは、前記金属材料の1つからなる薄い金属シート(当該分野で、このような金属シートはブランク(blank)として参照され得る)をパンチング、ブランキング、ベンディングのようなプレス加工により形成され得る。
【0060】
リングサポート1aは、リング支持部13の右半部131と左半部132にそれぞれ形成された一対の第1開口1351を有することができる。第1開口1351はリング支持部13を釣り竿の中心軸(R)に沿って厚さ方向に貫通して形成されており、第1曲げ部1331に対して対称に形成されている。前述のインサート射出成形時に、取付部1bを構成する樹脂材料が第1開口1351に流入して第1開口1351内で硬化する。即ち、第1開口1351は硬化した取付部1bの樹脂材料で満たされ得る。これにより、取付部1bとリングサポート1aとの間の結合構造が補強され、釣り糸ガイド1の強度が向上でき、リングサポート1aが取付部1bの結合部18に対して回転したり結合部18から分離されることが防止され得る。
【0061】
リングサポート1aは、リング支持部13の右半部131と左半部132にそれぞれ形成される第2開口1352を有することができる。第2開口1352は、リング支持部13を釣り竿の中心軸(R)の方向に(厚さ方向に)貫通して形成されている。第2開口1352は、第1曲げ部1331に対して対称に形成され、略三角形の形状を有する。第2開口1352により、釣り糸ガイド1はさらに軽量化され得る。第2開口1352は、取付部1bの結合部18よりも外側(上方方向(UD))でリング支持部13に位置する。第2開口1352は、結合部18の上側輪郭線に重ならないように形成されるので、取付部1bとリング支持部13との間の結合強度を維持したままでリング支持部13の軽量化が達成され得る。
【0062】
リングサポート1aは、リング支持部13内に形成された第1曲げ部1331を有することができる。第1曲げ部1331は、幅方向(WD)でリング支持部13の中央にまたは概ね中央に位置する。リング支持部13は、第1曲げ部1331を基準として釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))または釣り竿のバットに向かう方向(例えば、後方方向(BD))に曲げられ得る。
【0063】
第1曲げ部1331は、リングサポート1a内で釣り竿の中心軸(R)に向かう下方方向(LD)に(または、釣り糸ガイドが取り付けられる管状竿に向かう下方方向に)リング支持部13の下端まで延長する。また、第1曲げ部1331は、釣り竿の中心軸(R)から概ね上方方向(UD)に延長し、第2曲げ部1332の中央と合う。
【0064】
リングサポート1aは、リング保持部11とリング支持部13との間の境界となる第2曲げ部1332を有することができる。第2曲げ部1332は、概ねその中央で第1曲げ部1331に連結される。リング保持部11は、第2曲げ部1332を基準としてリング支持部13に対して釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))または釣り竿のバットに向かう方向(例えば、後方方向(BD))に曲げられ得る。図4Aを参照すると、リング保持部11は、第2曲げ部1332を基準として釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))に曲げられている。
【0065】
第1及び第2曲げ部1331,1332は、リングサポート1aをなす金属製の薄板内で所定の曲率で湾曲した部分を含み得る。リングサポート1aに曲げ形状を用いた強度補強構造を提供するために、第1及び第2曲げ部1331,1332は、多様な幅を有することができる。リングサポート1aの前端面116及び後端面117上で、第1及び第2曲げ部1331,1332は、細い線の形状、狭い面の形状、狭い曲面の形状、比較的広い曲面の形状のうちいずれか1つの形状で現れ得る。リングサポート1aの縦断面をとる場合、第1及び第2曲げ部1331、1332は、リングサポート1aの前端面116及び後端面117上で後方方向(BD)に凸な円弧状で現れ得る。図4A及び図4Dを参照すると、第2曲げ部1332は、第1及び第2曲げ部1331,1332間の連結点(図4Aに示す第2曲げ部1332)の中心点(P))から第1曲げ部1331に対して鈍角で延長する一対の直線状曲げ部1333,1334を含む。
【0066】
リングサポート1aは、リング保持部11とリング支持部13との間の境界となり、リング保持部11の曲げの基準になる第2曲げ部1332を有する。第2曲げ部1332は、リングサポート1aの一側端から他側端まで延長し、リングサポート1aの下端(リング支持部13の下端)に向かって凸である。リング保持部11とリング支持部13は、共通の縁を有する。これにより、リングサポート1aにおいて、リング保持部11の下端縁とリング支持部13の上端縁が、第2曲げ部1332を形成する。一実施例において、第2曲げ部1332は、下方方向(LD)に凸なV字状を有し、第1曲げ部1331の上端に連結される。また、リングサポート1aの側方視において、第2曲げ部1332は、前方方向(TD)と上方方向(UD)との間の斜めの方向に傾いている。他の実施例において、第2曲げ部1332は、下方方向(LD)に凸な円弧状を有することができる。
【0067】
互いに合う第1及び第2曲げ部1331、1332は、Y字状形状を形成し、リングサポート1aにY字状曲げ部を形成する。従って、リングサポート1aは、前述の金属シート(ブランク)を第1及び第2曲げ部1331,1332に沿ってプレス加工して形成され得る。図4B及び図4Cを参照すると、金属シート(ブランク)に第1及び第2曲げ部1331,1332を形成し、リング支持部13を第1曲げ部1331を基準として第1曲げ角(α1)で曲げ、リング保持部11を第2曲げ部1332を基準として第2曲げ角(α2)で曲げるベンディング加工により、リングサポート1aが形成され得る。
【0068】
リングサポート1aは、リング保持部11、リング支持部13の右半部131及びリング支持部13の左半部132が互いに向かって曲げられた金属製の薄板として形成され得る。また、このような金属製の薄板において、リング保持部11、リング支持部13の右半部131及びリング支持部13の左半部132は、Y字状曲げ部をなす第1及び第2曲げ部1331,1332を介して一体に形成され、これらが第1及び第2曲げ部1331,1332により互いに向かって曲げられている。
【0069】
前述の金属シートのプレス加工は、金属シートをなす金属材料が加工硬化を引き起こすまで行われることができる。従って、図4Aを参照すると、リングサポート1aは、前記プレス加工により前記金属材料が加工硬化されて生成する加工硬化部1341,1342を含み得る。加工硬化部1341,1342の形状は、第1及び第2曲げ部1331,1332のY字状に対応する形状を有する。加工硬化部1341,1342は、第1及び第2曲げ部1331,1332に沿ってリングサポート1aの内部に形成される。加工硬化部1341,1342は、リングサポート1aのリング保持部11及びリング支持部13より高い降伏点(yield point)を有するので、リングサポート1aは加工硬化部1341,1342が生成されている第1及び第2曲げ部1331,1332で塑性変形を引き起こし難い。従って、第1及び第2曲げ部1331,1332がなすY字状曲げ部により、リングサポート1aは、リングサポート1aに加えられる外力に対して強い抵抗を有し、リングサポート1aの強度が補強され得る。
【0070】
図4Bを参照すると、リング支持部13は、第1曲げ角(α1)で第1曲げ部1331を基準として前方方向(TD)に曲げられている。第1曲げ角(α1)は、120度〜170度の鈍角になってもよい。第1曲げ角(α1)が鈍角である場合、リング支持部13の横風と面する面積が減少することができ、強い横風の抗力により釣り竿が撓むことを減少させることができる。第1曲げ角(α1)が120度以上である場合、横風が強い場合にリング支持部13に対する横風の抗力による影響を効果的に減少させることができ、リング支持部13に対して曲げられているリング保持部11の広さを単純な形状で十分に確保することができる。第1曲げ角(α1)が170度を超える場合、リング支持部13を第1曲げ部1331を基準としてベンディングさせる際に、第1曲げ部1331に圧縮による加工硬化が発生しないことがある。この場合、リングサポート1aを釣り竿の管状竿を中心として回転させる外力がリングサポート1aに作用すれば、折り曲げられたリング支持部13が外力のベクトル方向に一直線形状に変形され易く、リングサポート1aが取付部1bから分離され得る。
【0071】
図4Bを参照すると、中心軸(R)に沿ってリング支持部13の前端のリング支持部13の側端縁とリング支持部13の後端(後端面117上の第1曲げ部1331)との間の距離(ベンディングされたリング支持部の厚さ)(T)は0.5mm〜3mmになり得る。樹脂材料の取付部は弾性変形しやすく、小さい応力によっても撓みや変形を引き起こすことがある。距離(T)が0.5mm未満である場合、リングサポート1aを釣り竿の中心軸(R)を中心として回転させる方向の外力がリングサポート1aに加えられる際に(図4Aでの矢印(F1)参照)、リング支持部13によって押される結合口181の表面が変形し、リングサポート1aに必要な反力が作用せず、リング支持部13が結合口181を乗り越えて移動することがある。距離(T)が3mmを超える場合、リングサポート1aが過度に大きくなり得、釣り糸ガイドの軽量化を達成できないことがある。また、取付部1bから突出したリング支持部13の部分が横風の影響を強く受けることがあり、釣り竿の持ち重り感じが著しく悪化することがある。
【0072】
図4Cを参照すると、リング保持部11は、リング支持部13に対して第2曲げ部1332を基準として第2曲げ角(α2)で前方方向(TD)に曲げられ得る。リング保持部11は、釣り竿のチップに向かって(前方方向(TD)に)リング支持部13に対して第2曲げ角(α2)で傾いている。第2曲げ角(α2)は、リングサポート1aの曲げ強度向上と糸絡みの円滑な解除のために、例えば、15度〜20度であってもよい。
【0073】
ユーザーによりまたは外部的な衝撃により、リングサポート1aを第3管状竿1130(図1参照)を中心として(釣り竿の中心軸(R)を中心として)回転させる外力(F1、図4A参照)がリングサポート1aに繰り返し作用することがある。しかし、リングサポート1aのY字状曲げ部により、リングサポート1aは、第3管状竿1130に横方向に作用する外力(F1)に抵抗する向上した回転防止強度を有する。
【0074】
図4B及び図4Cを参照すると、リング支持部13の右半部131と左半部132は、第1曲げ部1331を基準として中心軸(R)に対して鋭角に斜めに位置して互いに向かっている。リング保持部11は、リング支持部13と一体に形成されており、平らである。即ち、リング保持部11は、リング支持部13から第2曲げ部1332を介して折り曲げられている。リング保持部11の下端縁とリング支持部13の上端縁は、V字状の第2曲げ部1332として形成される。
【0075】
図4Dを参照すると、第2曲げ部1332のV字状と関連し、第2曲げ部1332の直線状曲げ部1333、1334が第1曲げ部1331の上端からリングサポート1aの上端に向かって傾斜している。第2曲げ部1332のV字状での夾角(α3)(即ち、直線状曲げ部1333,1334間の夾角)は曲げ強度の向上と糸絡みの円滑な解除のために、110度〜120度であってもよい。即ち、リング支持部13の右半部131及び左半部132のそれぞれの上端縁は、リングサポート1aの幅方向(WD)での中心からリングサポート1aの上端に向かって傾斜している。平らなリング保持部11は、右半部131及び左半部132のそれぞれの上端縁に第2曲げ部1332を介して連結されている。このように、リングサポート1aには第1及び第2曲げ部1331、1332が形成するY字状曲げ部が提供されている。
【0076】
従って、リングサポート1aに外力(F1)が作用しても、リングサポート1aは、リング支持部13の右半部131及び左半部132が開かれたり、狭まる方向に変形したり、撓んだり、捩れたりすることに対して強く抵抗することができる。また、リングサポート1aは、前記Y字状曲げ部により、外力(F1)に強く抵抗するため、リングサポート1aは向上した回転防止強度を有する。従って、リング支持部13が取付部1bの結合口181を拡張させたり、リング支持部13が取付部1bの結合口181を乗り越えて取付部1bに対して回転したり、リング支持部13が取付部1bの結合部18から抜けてしまうことが防止される。
【0077】
リングサポート1aには、釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に、または釣り竿のバットに向かう後方方向(BD)に外力(F2、図4A参照)が作用することがある。例えば、釣り途中の釣り糸により、または外部衝撃により、外力(F2)がリングサポート1aに作用し得る。しかし、リングサポート1aは、外力(F2)に抵抗する向上した曲げ強度を有する。リングサポート1aのY字状曲げ部により、リング保持部11が外力(F2)の方向に変形したり撓むこと、または、リング支持部13の右半部131と左半部132が外力(F2)の方向に開かれたり撓むことが防止される。このように、リングサポート1aは、外力(F2)に抵抗する向上した曲げ強度を有する。
【0078】
前述の実施例において、金属製の薄板からなるリングサポート1aと硬化した樹脂材料からなる取付部1bがインサート射出成形されて一体に結合されている。詳細には、リング支持部13の下側一部が大外径部16aの結合部18内に埋め込まれる方式で、リングサポート1aと取付部1bが射出成形により一体に結合されている。これにより、リングサポート1aは、取付部1bに嵌合される取付リング(図示せず)のような連結部品を備えない。従って、取付部と取付リングが形成されたフレームとが結合される従来技術の釣り糸ガイドと比較して、一実施例の釣り糸ガイドは顕著に小さい重量を有し、軽量化を達成できる。
【0079】
図5は、本開示の一実施例による釣り糸ガイドの製造方法(S10)を示すフローチャートである。図6は、図5に示す釣り糸ガイドの製造方法(S10)においてリングサポートを加工する段階(S100)を示すフローチャートであり、図7は、図6に示された釣り糸ガイドの製造方法において補強フランジを形成する段階(S120)を示すフローチャートである。図8A図8Fは、本開示の一実施例によるリングサポートが製造される過程を説明するための図である。
【0080】
釣り糸ガイドの製造方法(S10)は、上述の本開示の一実施例による釣り糸ガイド1を製造する方法である。釣り糸ガイドの製造方法(S10)は、金属製の薄板からなるリングサポートを加工する段階(S100)、リングサポートをインサートとして用いて樹脂材料によって取付部を射出成形する段階(S200)、およびガイドリングをリング保持孔に嵌合する段階(S300)を含むことができる。
【0081】
取付部を構成する樹脂材料は、カーボン長繊維強化樹脂であり得る。カーボン長繊維強化樹脂材料は、カーボン短繊維強化樹脂材料に比べて3〜5倍の高い衝撃強度を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、高い繊維配合量で高剛性を有し、高温で優れたクリープ特性を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、高温で高い弾性維持率を有し、低温で優れた衝撃維持率を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、撓み変形量や引っ張り変形量が小さく、線膨張係数が小さいため寸法安定性が高く、優れた耐摩耗性を有する。
【0082】
カーボン長繊維強化樹脂材料の一例は、270MpAの引張強度、340MPAの曲げ強度、17000MpAの曲げ弾性率、22KJ/mのノッチ付きシャルピー衝撃強度(Charpy notched impact strength)、178°Cの荷重たわみ温度、1.16g/cmの密度を有することができる。カーボン長繊維の一例は、略7mmの長さと円筒状を有することができる。カーボン長繊維強化樹脂材料におけるカーボン含量は約30%となり得る。カーボン長繊維強化樹脂材料における樹脂は、ナイロン樹脂であってもよい。
【0083】
図6を参照すると、リングサポートを加工する段階(S100)は、金属シートにガイドリングが結合される貫通孔を形成する段階(S110)、金属シートの貫通孔を取り囲む縁部を金属シートから突出させて補強フランジを形成する段階(S120)、補強フランジの内周面をシェービングして複数の嵌合突起を形成する段階(S130)、一対の第1開口を金属シートに形成する段階(S140)、金属シートに少なくとも1つの曲げ部が形成されるように金属シートをベンディングする段階(S150)、および金属シートからリングサポートをブランキングする段階(S160)を含み得る。
【0084】
図6及び図8Aを参照すると、段階(S110)において、四角の平板である金属シート100が準備され、金属シート100に貫通孔101が形成される。金属シート100は、ステンレススチール、ステンレス合金、チタン合金、純チタンのような金属材料からなり得る。例えば、金属シート100は純チタンの金属材料からなる。貫通孔101の形成は、パンチングまたはドリリングにより行われることができる。貫通孔101は、段階(S120,S130)が行われた後に、図2Aに示すリング保持孔になり得る。
【0085】
図6及び図8Bを参照すると、段階(S120)において、金属シート100の貫通孔を取り囲む縁部を金属シート100から突出させることにより、内周面119でガイドリングが嵌合される補強フランジ112を形成することができる。また、これを通じて図8Aに示された貫通孔101より大きさが拡張された拡張孔102が形成され得る。
【0086】
段階(S120)により、内周面119と案内面118とを有して内周面119によりリング保持孔を限定する、補強フランジ112がリングサポート1aに形成され得る。補強フランジ112は金属シート100から垂直に突出することができる。補強フランジ112の内周面に図2Aに示すガイドリングが嵌合され得る。
【0087】
補強フランジ112の形成は、バーリング工程(burring)により、例えば、バーリングパンチを用いて貫通孔101の縁部全体を釣り竿のチップに向かうように突出させることにより行われることができる。図7を参照すると、段階(S120)は、バーリングパンチの中心軸が貫通孔の中心軸と一致するようにバーリングパンチを金属シート上に整列する段階(S121)、バーリングパンチを中心軸方向に移動させてバーリングパンチの先端が貫通孔101を取り囲む縁部を曲げる段階(S122)、およびバーリングパンチで貫通孔101を完全に貫通させる段階(S123)を含み得る。
【0088】
図6及び図8Cを参照すると、段階(S130)は、補強フランジ112の内周面119にガイドリングの外周面と接触する複数の嵌合突起115を形成し得る。嵌合突起115の形成は、シェービング(shaving)工程により行われることができる。例えば、シェービング(shaving)により内周面119を嵌合突起115が残るように切削することで、嵌合突起115が形成され得る。段階(S130)により、ガイドリングを3個所での嵌合により保持する構造がリングサポートに設けられることができる。
【0089】
また、段階(S130)で、シェービング工程により補強フランジ112の厚さが調節され得る。バーリングパンチで貫通孔を貫通させた後には、補強フランジ112は要求される厚さより大きい厚さを有することができ、補強フランジ112の先端はラフな形状を有することができる。段階(S130)を通じて、このようなラフな形状の先端を切断して、補強フランジ112の厚さを要求される大きさに調節することができる。また、シェービング工程により図8Bに示す拡張孔102から図8Cに示すリング保持孔10aの形状が完成することができる。
【0090】
図6及び図8Dを参照すると、段階(S140)は、金属シートをベンディングする段階(S150)の前に、一対の第1開口1351を金属シートに形成することができる。第1開口1351は、図5の取付部を射出成形する段階(S200)により樹脂材料で満たされ得る。また、段階(S140)が行われる過程で、一対の第2開口1352を金属シートに形成することができる。
【0091】
第1開口1351及び第2開口1352の形成は、パンチングまたはドリリングにより行われることができる。図8Eに示すように、金属シート100に第1曲げ部1331が形成されると、第1曲げ部1331は、一対の第1開口1351及び第2開口1352の間を通る。第1開口1351及び第2開口1352は、第1曲げ部1331に対称に位置する。図8Fに示すように、金属シート100からブランキングされたリングサポート1aで、第1開口1351及び第2開口1352は、リングサポート1aのリング支持部13に位置する。
【0092】
図6及び図8Eを参照すると、段階(S150)は、管状竿に向かう下方方向にリング支持部の下端まで延長する第1曲げ部が形成されるように前記金属シートをベンディングする段階(S151)と、リング保持部とリング支持部との間の境界となってリングサポートの下端に凸な第2曲げ部が形成されるように金属シートをベンディングする段階(S152)とを含み得る。金属シートをベンディングする段階(S150)と関連し、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332は、金属シート100に同時に形成され得る。他の例として、第1曲げ部1331が第2曲げ部1332より先に金属シート100に形成されてもよく、第2曲げ部1332が第1曲げ部1331より先に金属シート100に形成されてもよい。
【0093】
段階(S150)において、金属シート100をプレス金型を用いてプレス加工することにより、金属シート100に第1曲げ部1331及び第2曲げ部1332が形成されるように金属シート100をベンディングさせる。第1及び第2曲げ部1331、1332の形成と金属シート100のベンディングは、金属シート100に第1曲げ部1331と第2曲げ部1332とを形成できるプレス金型を用いて行われる。図8Fを参照すると、前記プレス金型を用いる金属シートのベンディングにより、金属シート100に第1及び第2曲げ部1331、1332が形成されながら、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332周辺の金属シート100の部分が前述の第1曲げ角(α1)と第2曲げ角(α2)でベンディングされる。第1曲げ部1331は、リング保持孔10aに隣接し、金属シート100の下端まで延長する。第2曲げ部1332は、金属シート100の下端に凸であり、第1曲げ部1331と連結される。第2曲げ部1332は、金属シート100の一側端から他側端まで延長する。
【0094】
図6及び図8Fを参照すると、段階(S160)において、第1及び第2曲げ部1331、1332が形成され、これらを介してベンディングされた金属シート100から、リングサポート1aが形成される。金属シート100からリングサポート1aを形成するのは、プレス金型を用いたブランキングによって行われることができる。金属シート100から得られたリングサポート1aは、ガイドリングを保持するリング保持部11と、リング保持部11と一体に形成されるリング支持部13とを有する金属製の薄板で形成されている。また、リングサポート1aでは、リング支持部13が、リング保持孔10a付近からリング支持部13の下端まで延長する第1曲げ部1331を基準として、第1曲げ角(α1)で曲げられている。また、リングサポート1aでは、リング保持部11は、リングサポート1aの一側端から他側端まで延長しリングサポート1aの下端に凸な第2曲げ部1332を基準として、リング支持部13に対して第2曲げ角(α2)で曲げられている。第2曲げ部1332は、リング保持部11とリング支持部13との間の境界となり、その中間で第1曲げ部1331に連結される。
【0095】
図5を参照すると、段階(S200)において、リングサポート1aをインサートとして用いてカーボン長繊維強化樹脂によって取付部1bが射出成形される。リングサポート1aが射出成形のインサートとして用いられる際に、リングサポート1aの下側一部が取付部を射出成形するための成形空洞内に挿入される。これにより、第1曲げ部1331の下側一部を含むリング支持部13の下側一部が取付部1bに埋め込まれながら、取付部1bが射出成形される。また、リングサポート1aのリング支持部13と取付部1bとが部分的に結合される。
【0096】
一実施例の釣り糸ガイドの製造方法は、段階(S200)の後に、ガイドリングをリング保持孔に嵌め合わせる段階(S300)を含み得る。図3を参照すると、ガイドリング12をリング保持孔10aに嵌め合わせることにより、釣り糸を案内するガイドリング12を有して釣り竿の管状竿に取り付けられる釣り糸ガイド1が製造され得る。
【0097】
図5図7に示すフローチャートで、プロセス段階、方法段階、アルゴリズムなどが順次的な順序で説明されたが、そのようなプロセス、方法及びアルゴリズムは、任意の適合した順序で作動するように構成され得る。言い換えれば、本開示の多様な実施例で説明されるプロセス、方法及びアルゴリズムの段階が、本開示で記述された順序で行われる必要はない。また、一部段階が非同時的に行われるものとして説明されたとしても、他の実施例ではこのような一部段階が同時に行われることができる。また、図面での描写によるプロセスの例示は、例示されたプロセスがそれに対する他の変化及び修正を除くことを意味せず、例示されたプロセスまたはその段階のうち任意のものが本開示の多様な実施例の1つ以上に必須的であることを意味せず、例示されたプロセスが望ましいということを意味しない。
【0098】
図9は、比較例によりリングサポート1a’が製造される過程を説明するための図である。図10は、本開示の一実施例によるリングサポート1aと比較例によるリングサポート1a’を説明するための図である。
【0099】
比較例によるリングサポート1a’は、次のような過程を通じて製造され得る。図9(a)を参照すると、金属シート100’に貫通孔101’を形成する。次に、図9(b)を参照すると、バーリング工程を通じて補強フランジ112’を形成する。次に、図9(c)を参照すると、シェービング工程を通じて嵌合突起115’を形成する。次に、図9(d)を参照すると、金属シート100’に第1開口1351’及び第2開口1352’を形成する。
【0100】
後の段階で、本開示の一実施例によるリングサポートの製造方法(S10)と比較例との間に差が生じる。本開示の一実施例によれば、金属シートをベンディングする曲げ工程をブランキング工程より先に実行するが、比較例によれば、ブランキング工程が曲げ工程より先に実行される。図9(e)を参照すると、金属シート100’から平らな形状のリングサポートプリフォームを分離する。次に、図9(f)を参照すると、リングサポートプリフォームから第1及び第2曲げ部1331’,1332’を形成してリングサポート1a’を製造する。
【0101】
図10を参照すると、比較例のようにリングサポート1a’を製造する場合、リング保持部11’に対する曲げ現象が発生し得る。従って、本開示の一実施例のように、リングサポートとなる部分と金属シート100の残りの部分とが一体になっている状態で曲げ工程を行い、その次にブランキング工程を行う必要がある。
【0102】
比較例のように、ブランキング工程を先に行って曲げ工程を後に進めれば、リング保持部11’を含むリングサポート1a’の形状全体が厚さ方向に角度を有するように「V」字状に曲がることがあり、このような「V」字状は厚さ方向に形状の不均衡をもたらすので、寸法安定性が低くなることがある。即ち、比較例によるリングサポート1a’は、製造過程でブランキング工程が曲げ工程より先に実行されながら、リング保持部11’及びリング保持部11’に含まれた補強フランジ112’がともに曲がり得る。従って、リング保持部11’及び補強フランジ112’は、平らな状態を維持できず、中心線(M1)に沿って曲がり得るので、ブランキング工程後に曲げ工程を行うことになれば、リング保持部11’の寸法変化が大きくなり得る。
【0103】
比較例と異なって、本開示の一実施例のように、曲げ工程を先に行ってブランキング工程を後に進めることになれば、金属シート100の概ね平らな板部が残っているので、厚さ方向への不均衡が最小化されたリングサポートを製造することができる。即ち、リングサポートの製造過程で曲げ工程を実行した後にブランキング工程を実行することにより、曲げ過程で第1曲げ部を形成するようにリング支持部を「V」字型にベンディングする際に、金属シート100の平らな板部を共に曲がらぬ様に押さえることが出来て、リング保持部及びリング保持部に含まれた補強フランジが共に曲げられず、寸法変化が最小化されることができる。従って、リング保持部及び補強フランジは、平らな板で構成され得るので、曲げ工程後にブランキング工程を行っても補強フランジは平らな内周面を有することができ、リング支持部の寸法変化が少なくなることができる。
【0104】
一方、本開示の一実施例によりリングサポートをインサートとして取付部を射出する過程で、金型に入れるリングサポートの精度によって金型とリングサポートとの間に間隙が発生し得る。例えば、比較例のような構造では、リング保持部が曲がった形状を有するので、金型とリングサポートとの間に間隙が発生する可能性があり、このような間隙から樹脂漏れなどの不良が発生し得る。従って、このような間隙発生の緩和または防止のために図9に示す比較例によるリングサポート製造方法ではなく、実施例によるリングサポート製造方法を採用することができる。
【0105】
図11は、本開示の一実施例による釣り糸ガイドを製造する過程で用いられる金型の一部を示す斜視図である。以下では、図4A図4Dに表示された参照番号を参考にして説明する。
【0106】
取付部の射出成形のために、リングサポート1aが金型330のインサートシート334に安着して固定される。インサートシート334は、リングサポート1aの下側一部が成形空洞331内に挿入されるように、成形空洞331から延長して形成されている。成形空洞331に挿入されるリングサポート1aの前記下側一部は、第1曲げ部1331の下側一部及び第1開口1351を含むリング支持部13の下側一部である。他の実施例として、成形空洞331に挿入されるリングサポート1aの前記下側一部は、第1曲げ部1331の下側一部を含むリング支持部13の下側一部になってもよい。
【0107】
インサートシート334は、成形空洞331と連通し、金型330の上面から凹んでいる。インサートシート334は、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332により曲げられたリングサポート1aが安着するように形成されている。インサートシート334は、成形空洞331の領域に位置する部分を除いたリングサポート1aの前端面と密着するように形成された底壁335と、リングサポート1aの側面と密着するように形成された側壁336とを有する。底壁335には、リングサポート1aの第1曲げ部1331の形状に対応する突出部337と、リングサポート1aの第2曲げ部1332の形状に対応する突出部338とが形成され得る。また、底壁335には、リングサポート1aの第2開口1352に挿入され得る突起が形成され得る。インサートシート334の底壁335と側壁336は、本開示の実施例によるリングサポート1aを固定できるように形成され得る。
【0108】
金型330には、成形空洞331と連通する水平注入路332が形成されている。水平注入路332の端には、成形空洞331と通じて樹脂材料が成形空洞331に入るゲート333が形成されている。樹脂材料は、リングサポート1aがインサートシート334に安着した状態で、水平注入路332を通じて供給され、取付部が形成され得る。
【0109】
図12は、比較例による補強フランジの形成方法と本開示の一実施例による補強フランジの形成方法とを示す図である。
【0110】
図12(a)を参照すると、図13の比較例A(平板比較例)は、平らな金属シートにガイドリングの挿入のためのリング保持孔40Aが形成されたリング保持部41であり、厚さ補強のための追加の加工が提供されない。図12(b)を参照すると、図13の比較例B(ディープドローイング比較例)は、平らな金属シートにガイドリングの挿入のための貫通孔を先に形成し、後に貫通孔を取り囲む縁部にディープドローイング工程を行って補強フランジ512が形成されたリング保持部51である。リング保持部51には、リング保持孔50aが形成されている。ディープドローイング工程は、貫通孔を取り囲む縁部をディープドローイングロードへ押して金属シートに垂直な方向に前記縁部を伸ばす工程を意味し、ディープドローイングロードが平板を完全には貫通しない。図12(c)を参照すると、本開示による図13の実施例C(バーリング及びシェービング実施例)は、平板にガイドリングの挿入のための貫通孔を先に形成して貫通孔を取り囲む縁部にバーリング工程及びシェービング工程を行って補強フランジ112が形成された、リング保持部11である。リング保持部11には、リング保持孔10aが形成されている。
【0111】
図13は、比較例A及び比較例Bによるリング保持部と本開示の一実施例Cによるリング保持部とを比較するための表である。図14は、比較例A及び比較例Bによるリング保持部にガイドリングが挿入される過程と本開示の一実施例Cによるリング保持部にガイドリングが挿入される過程とを説明するための図である。図15は、比較例A及び比較例Bによるリング保持部にガイドリングが挿入された様子と本開示の一実施例Cによるリング保持部にガイドリングが挿入された様子とを説明するための図である。図14(a)及び図15(a)は比較例Aを示し、図14(b)及び図15(b)は比較例Bを示し、図14(c)及び図15(c)は実施例Cを示す。
【0112】
図13の第1列を参照すると、リングサポートを製造するための金属シートの厚さ(mm)が記載されており、平板比較例(比較例A)は、ディープドローイング比較例(比較例B)とバーリング及びシェービング実施例(比較例C)より厚い厚さを有する。また、図13の第2列を参照すると、製造されたリングサポートの重量(g)が記載されており、ディープドローイング比較例(比較例B)の重量が最も大きい。これにより、図13の第3列を参照すると、ディープドローイング比較例(比較例B)の平板対比重量比率が最も大きい。これにより、要求されるリングサポートの強度を確保するために、ディープドローイング比較例(比較例B)が最も大きい重量を有することが確認できる。
【0113】
図13の第4列及び図14を参照して、ガイドリングの押込時の割れの可能性について比較例と実施例とを比較することができる。比較例Aにおいて、ガイドリング12がリング保持孔40Aに嵌められながら、ガイドリング12の縁122とリング保持部41の縁412とが接触することになるので、セラミック材料で構成されたガイドリング12が割れる可能性が比較的高い。同様に、比較例Bにおいて、ガイドリング12がリング保持孔50aに嵌められながら、ガイドリング12の縁122と補強フランジ512の縁513が接触することになるので、ガイドリング12が割れる可能性が比較的高い。比較例A及び比較例Bとは異なって、実施例Cでは、ガイドリング12が後端面117から前端面116に移動しながらリング保持孔10aに嵌められることになるので、ガイドリング12が補強フランジ112の製造過程(即ち、バーリング工程)で形成された案内面118と接触することになる。従って、実施例Cのガイドリング12が割れる可能性が比較的低くなる。
【0114】
図13の第5列及び図15を参照して、接着剤の溜まり場所の有無について比較することができる。比較例Aには、接着剤の溜まり場所がないので、ガイドリング12とリング保持部41との間の接着強度が低い。これとは異なり、比較例Bにおいて、リング保持部51の内周面とガイドリング12の外周面との間に接着剤(G)が塗布され得る。従って、接着剤が溜まることができる空間が提供されるので、フレームとガイドリングとの間の接着強度が比較例Aより強い。また、実施例Cにおいて、ガイドリング12の外周面121は、補強フランジ112の内周面119と接触することになり、案内面118とガイドリング12の外周面121との間の空間に接着剤(G)が塗布され得る。従って、接着剤が溜まることができる空間が提供されるので、フレームとガイドリングとの間の接着強度が比較例Aより強い。具体的には、図13の第6列を参照すると、実施例Cのガイドリング12とリング保持部との間の接着強度は、比較例Aの接着強度に比べて略26.5%向上する。
【0115】
ガイドリングとフレームとの間の付着強度を向上させる方法として、比較例Bのようなディープドローイング方式が用いられ得るが、平板と比較して重量を増加させ、また、比較例によるディープドローイング工程の折り曲げた縁と、実施例によるバーリング工程のリング保持孔周囲の折り曲げた縁を比較しても、バーリング工程の折り曲げた縁の体積の方が小さく、フレームの軽量化が図れる。
【0116】
上述の実施例によれば、インサート射出成形の不良を低減するためには、リングサポートのリング支持部は、曲面より平面で構成されることが必要であり、ディープドローイング方式はリング保持部と共にリング支持部も曲面を構成され得るが、実施例のバーリング方式はリング保持部が曲面を構成され得るが、リング支持部は平面を構成できる。また、リング保持部の案内面とガイドリングの外周面との間に接着剤を塗布できる空間が提供され得るので、ガイドリングとリング保持部との間の組立(押込)工程の不良率を軽減することができる。
【0117】
図16は、比較例による釣り糸ガイドを説明するための図である。図16(a)は比較例による大きさが互いに異なる取付部610,620,630が釣竿を収納した際の集合した様子を示し、図16(b)は図16(a)の断面であり、取付部620の上方リブ650が取付部610に食い込み、傷が付く状態を示し、図16(c)は上方リブ650に食い込み傷が付いた様子を示す。
【0118】
図16(a)を参照すると、取付部610に隣接し取付部610より小さい大きさの取付部620の後端が、取付部610に形成されたボアに挿入されている。図16(b)を参照すると、取付部620の後端が斜めになり、取付部610に形成されたボアに挿入されている。比較例によれば、釣り糸ガイドが管状竿に沿ってスライド移動する過程で、上方リブ650が隣接した取付部の上方の縁に押さえられて食い込み傷651が発生し得る。図16(c)を参照すると、比較例による釣り糸ガイドにおいて、取付部の上端には1つの上方リブ650のみが提供されており、上方リブ650は隣接した取付部の上方の縁に沿って食い込み傷651を有している。図16(a)及び図16(b)に示す状況では、取付部610と取付部620間の分離がうまくいかないので、釣り竿の使用に煩わしさが発生し得、前述の上方リブ650の食い込み傷651は取付部の割れを引き起こし得る。
【0119】
図17は、本開示の一実施例により複数のリブが提供された取付部を備えた釣り糸ガイドを説明するための図である。
【0120】
図17(b)を参照すると、上方リブ15a及び一対の側方リブ15b、15cは、取付部の外周面に沿って概ね三角形をなすように配置され得る。また、上方リブ15a及び一対の側方リブ15b,15cの後端面が取付部の後端面161bに含まれるように、上方リブ15a及び一対の側方リブ15b,15cは、中心軸方向に取付部の後端面161bまで延長するように形成され得る。
【0121】
図17(a)を参照すると、本開示の実施例によれば、大きさが大きい取付部の前端面と大きさが小さい取付部の後端面とが隣接するように、大きさが大きい取付部を有する釣り糸ガイドと大きさが小さい取付部を有する釣り糸ガイドとが互いに近づく場合、大きさが小さい取付部の上方リブの後端面及び一対の側方リブの後端面は、大きさが大きい取付部の前端面と接触するように構成され得る。これにより、大きさが小さい釣り糸ガイドの取付部の後端が、大きさが大きい取付部のボアに食い込むことが防止され得る。
【0122】
以上、一部実施例と添付の図面に示す例によって本開示の技術的思想が説明されたものの、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を知っているべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。
【符号の説明】
【0123】
1 釣り糸ガイド、1a リングサポート、1b 取付部、10a リング保持孔、11 リング保持部、12 ガイドリング、112 補強フランジ、13 リング支持部、1331 第1曲げ部、1332 第2曲げ部、15a 上方リブ、15b,15c 側方リブ。
【要約】
釣り竿の管状竿に取り付けられて釣り糸を案内する釣り糸ガイドが提供される。釣り糸ガイド(1)は、硬化した樹脂材料からなり、管状竿の外周面と嵌合される内周面を有する環状の取付部(1b)と、釣り糸が通るガイドリング(12)と、金属製の薄板からなり、ガイドリング(12)が結合されるリング保持孔(10a)を有するリング保持部(11)と、リング保持部(11)と一体に形成され、取付部(1b)と部分的に結合されるリング支持部(13)とを含むリングサポート(1a)とを含む。リング保持部(11)は、リング保持孔(10a)を形成するように突出してガイドリング(12)の外周面と接触する補強フランジ(112)を含む。リング支持部(13)の下側一部が取付部(1b)に埋め込まれるように、リングサポート(1a)をインサートとして用いて、取付部(1b)をなす樹脂材料の射出成形によってリングサポート(1a)と取付部(1b)が部分的に結合され得る。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17