特許第6579434号(P6579434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6579434非接触給電装置、および非接触給電装置を備えた処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579434
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】非接触給電装置、および非接触給電装置を備えた処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 38/14 20060101AFI20190912BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20190912BHJP
【FI】
   H01F38/14
   H02J50/10
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-163983(P2015-163983)
(22)【出願日】2015年8月21日
(65)【公開番号】特開2017-41605(P2017-41605A)
(43)【公開日】2017年2月23日
【審査請求日】2018年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138416
【弁理士】
【氏名又は名称】北田 明
(72)【発明者】
【氏名】山中 悠司
(72)【発明者】
【氏名】小▲崎▼ 守
(72)【発明者】
【氏名】守屋 英朗
【審査官】 井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−049560(JP,A)
【文献】 特開昭62−296398(JP,A)
【文献】 特開2008−019470(JP,A)
【文献】 特開2013−135040(JP,A)
【文献】 特開平10−225024(JP,A)
【文献】 特開2010−041888(JP,A)
【文献】 特開2010−047169(JP,A)
【文献】 特開2010−042690(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/203098(WO,A1)
【文献】 特開昭52−005103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 38/14
H02J 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器と、前記密閉容器の内部に備えられて該密閉容器の内部を移動可能な移動部とを備えた処理装置に用いられて、前記移動部に対して前記密閉容器の外部から電力を給電可能な非接触給電装置であって、
給電部と放熱体とを備え、
前記給電部は、給電線と給電トランスとを備え、
前記給電線に高周波電流を流し、磁束数を時間的に変化させることで前記給電トランスが有する二次巻線に電圧が誘起され、これにより前記給電線から前記二次巻線に非接触で電力が供給されるものであって、
前記給電線は、前記移動部の移動方向に沿って配置された給電領域部を、前記密閉容器の内部に有し、
前記給電トランスは、前記密閉容器の内部にあって前記給電領域部に非接触で対向するよう配置されるとともに、前記移動部とともに移動するよう設けられ、
前記放熱体は、前記給電領域部に熱伝導可能に接続された一端側部分と前記密閉容器の外部に導出された他端側部分とを備えていることを特徴とする非接触給電装置。
【請求項2】
前記放熱体の一端側部分は前記給電領域部に電気的に接続され、前記放熱体の他端側部分から前記給電領域部に給電される請求項1記載の非接触給電装置。
【請求項3】
前記給電線は、長手方向一端側部分が一体化された第一給電線部と第二給電線部とを備え、
前記第一給電線部および前記第二給電線部は、ともに有する前記給電領域部が平行となるように配置され、
前記第一給電線部および前記第二給電線部は、ともに長手方向で複数分割されて、長手方向に間隔を置いて配置されており、
前記第一給電線部の分割位置と前記第二給電線部の分割位置とは、長手方向で位置ずれさせており、
前記第一給電線部の分割位置と前記第二給電線部の分割位置とで、前記第一給電線部および前記第二給電線部の分割部分の各々における長手方向両側部を前記密閉容器の外部に露出させて前記放熱体とされ、
前記第一給電線部の分割位置と前記第二給電線部の分割位置との長手方向での位置ずれ量は、前記給電トランスの移動位置にかかわらず、該給電トランスが有する前記二次巻線の存在する長手方向の範囲ごとに、前記第一給電線部と前記第二給電線部とで前記分割位置に設けた間隔が一箇所のみ存在するよう設定されている請求項1または請求項2の何れかに記載の非接触給電装置。
【請求項4】
前記密閉容器は、その内部を大気圧より低く維持することを可能とされた請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の非接触給電装置。
【請求項5】
密閉容器と、該密閉容器の内部を移動可能な移動部と、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の非接触給電装置とを備えたことを特徴とする処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触給電装置、および密閉容器の内部で半導体ウエハ基板、ガラス基板等の被処理体を搬送したり、その他処理したりする処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の処理装置として、従来、リニアモータの駆動により移動可能とされた移動体を備えたものが提案されている。図示しないが、例えば保持台上に配置された給電線と、給電線の上側に直接対向するよう配置された給電トランスと、給電トランスにベース等の部材を介して載置された移動体を備えた処理装置が提案されている。すなわち、この処理装置では、給電線および給電トランスは、大気中において、非接触で対向させた構成である。
【0003】
ところで、半導体ウエハ基板、ガラス基板等の被処理体は、大気圧より低い圧力である真空状態において処理されることが好ましい。このため、移動体を密閉容器に収容することが考えられる。移動体を密閉容器に収容した構成の処理装置として、例えば下記特許文献1に記載のものが提案されている。特許文献1に記載の処理装置では、真空状態を維持することが可能な密閉容器の外部に一次給電線が配置されている。また、密閉容器の内部に、一次給電線に非接触で給電される給電トランス、給電トランスの移動に伴って移動する移動体が配置されている。すなわち、給電トランスは、一次給電線に、密閉容器の隔壁を介して密閉容器の内部に配置されている。
【0004】
特許文献1の処理装置では、一次給電線に高周波電流を流し、磁束数を時間的に変化させることで給電トランスを介して磁気的に結合される、該給電トランスの二次巻線に電圧が誘起され、これにより一次給電線から二次巻線に電力が供給される。また、二次巻線は共振回路になっていて、無効電力を少なくし、電力伝送効率を増大させている。
【0005】
しかしながら、一次給電線と二次巻線の磁気結合は互いの間に存在する空間幅に依存するため、特許文献1の処理装置のように、一次給電線から隔壁を介して二次巻線に給電を行う場合には、その分だけ一次給電線と二次巻線との間の空間幅が広がるから、空間幅が広がった分だけ一次給電線から二次巻線への電力伝送効率が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5470770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、一次給電線と二次巻線との間の空間幅をできるだけ小さくするために、一次給電線および給電トランス(二次巻線)の双方を密閉容器の内部に配置することで、隔壁を介さず両者を直接的に対向させて結合係数を高くし、伝送効率を向上させる構成が考えられる。しかしそうなると、一次給電線および二次巻線の発熱が問題になる。
【0008】
一般的に、放熱方法として熱伝導、対流、および輻射が知られている。しかしながら、密閉容器という閉ざされた空間においては、何れの放熱方法も期待できない。特に、密閉容器の内部を真空状態とすると、熱伝導や対流は全く期待できず、輻射ですら有効な放熱方法ではない。そうなると、一次給電線および二次巻線で損失として発生する熱は、密閉容器の内部にこもる。なお、このような問題は、密閉容器の内部を真空状態とする場合に限らず、大気圧として用いる処理装置でも同様に指摘される。
【0009】
そこで本発明は、上記課題に鑑み、密閉容器の内部に一次給電線、および二次巻線を備えた給電トランスを配置していても、確実に放熱を行うことのできる処理装置、および一次給電線に発生した熱を放熱することのできる非接触給電装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、密閉容器と、前記密閉容器の内部に備えられて該密閉容器の内部を移動可能な移動部とを備えた処理装置に用いられて、前記移動部に対して前記密閉容器の外部から電力を給電可能な非接触給電装置であって、給電部と放熱体とを備え、前記給電部は、給電線と給電トランスとを備え、前記給電線に高周波電流を流し、磁束数を時間的に変化させることで前記給電トランスが有する二次巻線に電圧が誘起され、これにより前記給電線から前記二次巻線に非接触で電力が供給されるものであって、前記給電線は、前記移動部の移動方向に沿って配置された給電領域部を、前記密閉容器の内部に有し、前記給電トランスは、前記密閉容器の内部にあって前記給電領域部に非接触で対向するよう配置されるとともに、前記移動部とともに移動するよう設けられ、前記放熱体は、前記給電領域部に熱伝導可能に接続された一端側部分と前記密閉容器の外部に導出された他端側部分とを備えていることを特徴としている。
【0011】
上記構成を備えた本発明の非接触給電装置では、移動部を移動させるための電力は、給電線の給電領域部から給電トランスを介して、例えば移動部に搭載されたモータ等に電力が供給され、給電線の給電領域部に加えられた電力の一部は損失によって熱に変化するが、放熱体の一端側部分を給電領域部に熱伝導可能に接続し、他端側部分を密閉容器の外部に導出させていることから、密閉容器の内部に給電線を配置して給電領域部と給電トランスとを非接触で対向するよう配置した構成であっても、損失として給電線に発生した熱が放熱される。
【0012】
本発明の処理装置では、前記放熱体の一端側部分は前記給電領域部に電気的に接続され、前記放熱体の他端側部分から前記給電領域部に給電される構成を採用できる。
【0013】
上記構成のように、給電領域部に供給する電力を、放熱体の他端側部分を用いて密閉容器の外部において得るようにすることで、給電線と放熱体とを兼用できる。
【0014】
本発明の処理装置では、前記給電線は、長手方向一端側部分が一体化された第一給電線部と第二給電線部とを備え、前記第一給電線部および前記第二給電線部は、ともに有する前記給電領域部が平行となるように配置され、前記第一給電線部および前記第二給電線部は、ともに長手方向で複数分割されて、長手方向に間隔を置いて配置されており、前記第一給電線部の分割位置と前記第二給電線部の分割位置とは、長手方向で位置ずれさせており、前記第一給電線部の分割位置と前記第二給電線部の分割位置とで、前記第一給電線部および前記第二給電線部の分割部分の各々における長手方向両側部を前記密閉容器の外部に露出させて前記放熱体とされ、前記第一給電線部の分割位置と前記第二給電線部の分割位置との長手方向での位置ずれ量は、前記給電トランスの移動位置にかかわらず、該給電トランスが有する前記二次巻線の存在する長手方向の範囲ごとに、前記第一給電線部と前記第二給電線部とで前記分割位置に設けた間隔が一箇所のみ存在するよう設定された構成を採用できる。
【0015】
上記構成によれば、給電トランスの存在する位置における給電線部の分割位置(すなわち、給電領域部がない部分)を半減させることができる。このため、分割されて継目部分を備えた第一給電線部と、分割されて継目部分を備えた第二給電線部との組合わせであっても、継目部分での出力垂下を半分に抑えることができる。
【0016】
本発明の処理装置では、前記密閉容器はその内部を大気圧より低く維持することを可能とされた構成を採用できる。
【0017】
上記構成によれば、特に、密閉容器はその内部を大気圧より低く維持することで、大気圧の場合よりも密閉容器の内部にある給電領域部での放熱がされにくい状態になるが、その場合でも、給電領域部に発生する熱の一部は、密閉容器の外部において、放熱体の他端側部分から放熱される。
【0018】
本発明の処理装置は、密閉容器と、該密閉容器の内部を移動可能な移動部と、前記何れかに記載の非接触給電装置とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、給電線の給電領域部に加えられた電力の一部は損失によって熱に変化するが、放熱体の一端側部分を給電領域部に熱伝導可能に接続し、他端側部分を密閉容器の外部に導出させていることから、密閉容器の内部で給電領域部と給電トランスとを非接触で対向するよう配置した構成であっても、損失として給電線に発生した熱が放熱される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第一の実施形態を表した真空処理装置の概略側面断面図である。
図2】同給電トランスの拡大断面図である。
図3】本発明の第二の実施形態を表した真空処理装置の概略側面断面図である。
図4】本発明の第三の実施形態を表した真空処理装置の斜視図である。
図5】同全体構成の側面図である。
図6】同全体構成を表した概略断面図である。
図7】本発明の第四の実施形態を表した真空処理装置の概略側面断面図である。
図8】本発明の第五の実施形態を表した真空処理装置の斜視図である。
図9】同全体構成を表した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る非接触給電装置を、密閉容器の内部を大気圧より低く維持して用いる真空処理装置に用いた場合を例に説明する。この真空処理装置は、半導体ウエハ基板、ガラス基板等の被処理体を搬送したり、その他処理したりするのに用いられる。
【0022】
第一の実施形態における真空処理装置1は、図1に示すように、密閉容器(減圧容器とも称する)2と、移動部3と、非接触給電装置4とを備えている。まず、非接触給電装置4以外の真空処理装置1の概略構成を説明する。
【0023】
密閉容器2は、全体を直方体形状に形成され、外壁20によって内外を区画されている。密閉容器2の内部は真空室22とされている。密閉容器2の底壁21の両側に一対のレールが平行に敷設されている(図示せず)。移動部3は、レールに沿って移動を案内される箱状の移動体8と、移動体8の移動とともに移動可能に構成された給電トランス14と、移動体8の内部に配置されるモータ等からなる駆動部(負荷)10とを備える。移動体8の移動経路は、密閉容器2の長手方向に沿う方向である。
【0024】
次に、本発明の特徴的な構成を備えた非接触給電装置4について説明する。非接触給電装置4は、高周波電源部12と、給電線13と、給電トランス14と、放熱体15とを備える。高周波電源部12は密閉容器2の外部に配置され、商用電源16に接続される。給電線13は一次給電線であるため、以下一次給電線13と称する。一次給電線13は、往きと戻りの第一給電線部131、第二給電線部132を備えている。第一給電線部131、第二給電線部132は、導電性材料(例えばアルミニウム製)から形成され、図示しないが、それぞれ断面が円形に形成されている。
【0025】
第一給電線部131および第二給電線部132は、それぞれの長手方向途中部分が密閉容器2の内部に配置された直線状の給電領域部131A,132Aを備えている。給電領域部131A,132Aは、底壁21に対して一定の高さで離間するよう位置保持されている。給電領域部131A,132Aは、密閉容器2の長手方向を含む水平面内にあって、互いに間隔を置いて平行に配置されている。第一給電線部131および第二給電線部132は、レールに沿って、該レールの間に配置されている。
【0026】
第一給電線部131、第二給電線部132の一端側部分(長手方向一端側部分)は連続的に折り曲げられて一体化されている。第一給電線部131、第二給電線部132の他端側部分は下方に向けて直角に折曲され、底壁21に装着された真空シール機構18を介して密閉容器2の外部で露出するよう導出された円柱状(杆状)の放熱体15とされている。他端側部分である放熱体15が、高周波電源部12に電気的に接続されている。
【0027】
本実施形態では、磁性体からなるコア19、および二次巻線191からなるピックアップコイルが、一次給電線13と対向して、前記給電トランス14を構成している。具体的に、給電トランス14は、図2に示すように、一次給電線13に対して非接触で磁気的に結合されたコア19と、コア19に設けられた二次巻線191と、給電トランス14の上端面に取付けられたベース7と、ベース7を給電トランス14の上端面に取付けるための係止部材140とを備える。
【0028】
コア19は、底壁21に対して浮いた状態にあり、第一給電線部131および第二給電線部132に供給された電力が、コア19側へ非接触給電される構成となっている。コア19は、基部190Aと、基部190Aの両側および中心から垂下する三個の脚部190B,190Cを備えて下側を開放した断面E字状に形成されている。二次巻線191は、中心の脚部190Cに捲回されている。脚部190B,190Cの間のそれぞれの空間における上寄りに、一次給電線13の給電領域部131A、あるいは給電領域部132Aが挿入されている。なお、二次巻線191を脚部190Cに固定するために、給電領域部131A,132Aと基部190Aとの間の隙間に、コア19の移動に支障ないように樹脂材を充填することが考えられる。
【0029】
係止部材140は、コア19の上端部に側方に突出するよう形成された鍔部19aに対して上下方向で係止するものであってコア19の長さを有し、コア19の上端部側部に対で設けられている。ベース7は、コア19の上端面に載置されるとともに、両側側部が係止部材140の上端面に載置され、取付ねじ8aをベース7の上方から、ベース7を介して係止部材140に螺合することで、係止部材140がコア19の鍔部19aに圧接して、ベース7がコア19の上端面に固定されている。
【0030】
上記構成の非接触給電装置4を備えた真空処理装置1では、高周波電源部12から一次給電線13(第一給電線部131および第二給電線部132)の給電領域部131A,132Aに供給された電力(高周波電流)によって生じる磁界の電磁誘導で、二次巻線191から駆動部10に電力が供給される。給電領域部131A,132A、コア19、および二次巻線191は密閉容器2の内部に配置され、両者を直接的に対向させているから、高い結合係数を確保することができる。供給された電力によって駆動部10が駆動し、密閉容器2の内部の真空室22において、移動体8が移動経路に沿うよう、線形的に往復動する。
【0031】
高周波電源部12から一次給電線13の給電領域部131A,132Aへ電力が供給されると損失が生じ、この損失は、一次給電線13の温度を上昇させる熱となる。特に、本実施形態の場合では、給電領域部131A,132Aには高周波電源部12から電力が供給されるため、一次給電線13の温度は上昇し易い。そして給電領域部131A,132Aは、真空室22に配置されており、特に放熱しにくい環境下にある。
【0032】
一般的に、放熱方法として熱伝導、対流、および輻射が知られている。しかしながら、密閉容器2という閉ざされた空間内に発熱体である一次給電線13を配置する場合では、一次給電線13を開放された容器に配置する場合に比べて熱伝導や対流の効果が減少し、一次給電線13や容器内部の温度が上昇してしまう。密閉容器2の内部を大気圧より低い圧力状態(例えば真空状態)とすると、熱伝導や対流による放熱効果はさらに減少し、特に、高真空状態以上の真空度においては、熱伝導および対流は全く期待できず、放熱能力が著しく低下する。換言すれば、非接触給電装置4では、一次給電線13において損失として発生する熱により、一次給電線13が過熱し得る状態となる。
【0033】
しかしながら、本実施形態における非接触給電装置4には、給電領域部131A,132Aに熱伝導可能に接続されて密閉容器2の外部へ導出された放熱体15が設けられている。このため、給電領域部131A,132Aに発生する熱の一部が密閉容器2の外部で放熱されるから、給電領域部131A,132A(一次給電線13)を過熱させない。
【0034】
また、一次給電線13の一部が密閉容器2の外部へ導出されており、この導出部分が放熱体15として用いられることにより、その分だけ、密閉容器2の内部において、放熱のために用いる部材の部品点数が多くなることを抑えられる。
【0035】
本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。ここで、図3を参照しつつ、本発明の第二の実施形態を説明する。第二の実施形態では、第一給電線部131、第二給電線部132の給電領域部131A,132Aを密閉容器2の内部に配置し、第一給電線部131、第二給電線部132のそれぞれの一端側部分、他端側部分をそれぞれ底壁21から、真空シール機構18を介して密閉容器2の外部へ導出させている。
【0036】
そして、第一給電線部131、第二給電線部132の、密閉容器2の外部へ導出させた部分が放熱体15として用いられる構成である。第一の実施形態と同様に、第一給電線部131、第二給電線部132の一端側部分である放熱体15には高周波電源部12が接続されている。また、第一給電線部131、第二給電線部132の他端側部分である放熱体15どうしは、密閉容器2の外部で電気的に接続されている。
【0037】
他の構成は第一の実施形態と同様であるから、その説明を繰返さない。そして、第二実施形態によれば、第一給電線部131、第二給電線部132の他端側部分どうしを密閉容器2の内部で接続せず、密閉容器2の外部へ露出させて接続している分だけ、放熱体15の個数が増えている。このため、放熱能力がさらに向上する。また、第一給電線部131、第二給電線部132の他端側部分どうしを密閉容器2の内部で接続しないことで、放熱体15の延設が容易にできる。他の作用効果は第一の実施形態と同様である。
【0038】
図4ないし図6を参照しつつ、本発明の第三の実施形態を説明する。第三の実施形態における真空処理装置1は、密閉容器2と、移動部3と、非接触給電装置4とを備えている。
【0039】
密閉容器2は、全体を直方体形状に形成され、外壁20によって内外を区画されている。密閉容器2の内部は真空室22とされている。密閉容器2の底壁21の両側に、密閉容器2の長手方向に沿う一対のレール5が平行に敷設されている(図4参照)。移動部3は、レール5に四個の支持脚6を介して取付け支持されるベース7と、ベース7に載置支持された箱状の移動体8と、移動体8の移動とともに移動可能に構成された給電トランス14と、移動体8の内部に配置されるモータ等からなる駆動部(負荷)10とを備える。移動体8の移動経路はレール5によって形成される。すなわち移動経路は、密閉容器2の長手方向に沿う方向にある。
【0040】
次に、本発明の特徴的な構成を備えた非接触給電装置4について説明する。非接触給電装置4は、高周波電源部12と、給電線13と、給電トランス14と、放熱体15とを備える。高周波電源部12は密閉容器2の外部に配置され、商用電源16に接続される。給電線13は一次給電線であり、往きと戻りの第一給電線部131および第二給電線部132を備えている。第一給電線部131、第二給電線部132は、レール5の間に互いに平行に配置されている。第一給電線部131、第二給電線部132は、導電性材料(例えばアルミニウム)から形成され、それぞれ断面が円形に形成されている。
【0041】
第一給電線部131および第二給電線部132は、ともに長手方向の同じ位置で二分割されて、長手方向に間隔を置いて配置されている。長手方向一方側と長手方向他方側の第一給電線部131、長手方向一方側と長手方向他方側の第二給電線部132は、それぞれ配置が異なるのみで構成は同一である。このため、以下に、長手方向一方側の第一給電線部131、長手方向一方側の第二給電線部132の説明をし、これをもって長手方向他方側の第一給電線部131、長手方向他方側の第二給電線部132の説明に兼用する。
【0042】
以下、長手方向一方側の第一給電線部131を、「一方側の第一給電線部131」と称し、長手方向他方側の第一給電線部131を、「他方側の第一給電線部131」と称し、長手方向一方側の第二給電線部132を、「一方側の第二給電線部132」と称し、長手方向他方側の第二給電線部132を、「他方側の第二給電線部132」と称する。
【0043】
一方側の第一給電線部131、一方側の第二給電線部132は、それぞれの長手方向途中部分が密閉容器2の内部に配置された直線状の給電領域部131A,132Aを備えている。給電領域部131A,132Aは、底壁21に対して一定の高さで離間するよう、支持台17を介して位置保持されている(図4参照)。給電領域部131A,132Aは、レール5に沿って、レール5の間に配置されている。
【0044】
これら第一給電線部131、第二給電線部132の一端側部分(長手方向一端側部分)は下方に向けて直角に折曲され、底壁21に装着された真空シール機構18を介して密閉容器2の外部で露出するよう導出された杆状の放熱体15とされている。この一端側部分である放熱体15が、高周波電源部12に電気的に接続されている。第一給電線部131、第二給電線部132の他端側部分は下方に向けて直角に折曲され、底壁21に装着された真空シール機構18を介して密閉容器2の外部で露出するよう導出されて、杆状の放熱体15とされている。
【0045】
なお、本実施形態では、放熱体15は、密閉容器2の外部で露出している領域として特定するが、第一給電線部131、第二給電線部132のうち、給電領域部131A,132A以外の部分として特定することもできる。
【0046】
一方側の第一給電線部131に対し、長手方向に間隔を空けて、一方側の第一給電線部131と同様の構成を備えた他方側の第一給電線部131が設けられている。一方側の第二給電線部132に対し、長手方向に間隔を空けて、一方側の第二給電線部132と同様の構成を備えた他方側の第二給電線部132が設けられている。
【0047】
各第一給電線部131の構成は同様であり、各第二給電線部132の構成は同様であって、他方側の第一給電線部131、他方側の第二給電線部132もその一端側部分、他端側部分が底壁21に装着された真空シール機構18を介して密閉容器2の外部で露出するよう導出されて、杆状の放熱体15とされている。すなわち、第三の実施形態における放熱体15は八つ設けられている。各放熱体15が第一給電線部131、第二給電線部132を一体的に折曲して形成されていることで、給電領域部131A,132Aと放熱体15とは、伝熱可能に接続されている。また、給電領域部131A,132Aと放熱体15とは電気的に接続されている。この場合、放熱体15は給電線13を兼ねている。
【0048】
一方側の第一給電線部131の他端側部分と、他方側の第一給電線部131の一端側部分どうし、すなわち両第一給電線部131の放熱体15どうしは、電気的に接続されている。一方側の第二給電線部132の他端側部分と、他方側の第二給電線部132の一端側部分どうし、すなわち両第二給電線部132の放熱体15どうしは、電気的に接続されている。また、他方側の第一給電線部131の他端側部分と、他方側の第二給電線部132の他端側部分どうし、すなわち放熱体15どうしは電気的に接続されている。
【0049】
なお、給電トランス14の構成は、第一の実施形態と同様であるのでその説明を繰返さない。但し、本実施形態では、図6に示すように、給電トランス14は複数個、長手方向に隣合うよう設けられている。
【0050】
上記構成の非接触給電装置4を備えた真空処理装置1では、高周波電源部12から給電線13(第一給電線部131および第二給電線部132)の給電領域部131A,132Aに供給された電力(高周波電流)によって生じる磁界の電磁誘導で、二次巻線191から駆動部10に電力が供給される。給電領域部131A,132Aおよび給電トランス14は密閉容器2の内部に配置され、両者を直接的に対向させているから、結合係数を確保することができる。供給された電力によって駆動部10が駆動し、レール5に支持脚6が案内されつつ、密閉容器2の内部の真空室22において、移動体8が支持脚6とともに移動経路に沿うよう、線形的に往復動する。
【0051】
高周波電源部12から給電線13の給電領域部131A,132Aへ電力が供給されると損失が生じ、この損失は、給電線13の温度を上昇させる熱となる。特に、本実施形態の場合では、給電領域部131A,132Aには高周波電源部12から電力が供給されるため、給電線13の温度は上昇し易い。そして給電領域部131A,132Aは、真空室22に配置されており、特に放熱しにくい環境下にある。
【0052】
しかしながら、本実施形態における非接触給電装置4には、給電領域部131A,132Aに熱伝導可能に接続された一端側部分と密閉容器2の外部へ導出された他端側部分とを備えた放熱体15が設けられている。このため、給電領域部131A,132Aに発生する熱の一部が密閉容器2の外部で放熱され、給電領域部131A,132Aを過熱させない。
【0053】
他の作用効果は、第二の実施形態と同様であり、しかも第三の実施形態によれば、さらに長手方向に、上記した第一給電線部131および第二給電線部132と同様の構成の第一給電線部131および第二給電線部132を増設(延設)し、その放熱体15どうしを接続することで、所望の長手方向長さを備えた真空処理装置1(真空室22)を容易に得られる。
【0054】
逆に、第一給電線部131および第二給電線部132をさらに短く分設することも可能である。このようにすることで、放熱体15の数が増えるから、その分だけ放熱能力を向上させられる。
【0055】
本発明の第四の実施形態を、図7を参照しつつ説明する。第四の実施形態では、第一給電線部131および第二給電線部132は、ともに長手方向で三分割されて、長手方向に間隔を置いて配置されている。第一給電線部131および第二給電線部132が、ともに長手方向で三分割されることで、それぞれの第一給電線部131および第二給電線部132において、三本の給電領域部131A,132Aが設けられている。
【0056】
第一給電線部131の分割位置と第二給電線部132の分割位置とは、長手方向で位置ずれさせており、第一給電線部131の分割位置、第二給電線部132の分割位置で、それぞれ第一給電線部131、第二給電線部132の長手方向両側部を密閉容器2の外部で露出させて放熱体15とするよう、底壁21から、真空シール機構18を介して導出させている。
【0057】
第一給電線部131において、長手方向途中の放熱体15どうしは電気的に接続されている。第二給電線部132において、長手方向途中の放熱体15どうしは電気的に接続されている。また、長手方向一方側端の放熱体15は、密閉容器2の外部において、高周波電源部12に接続されている。長手方向他方側端の放熱体15どうしは、電気的に接続されている。
【0058】
前述した、第一給電線部131の分割位置と第二給電線部132の分割位置との長手方向での位置ずれ量は、給電トランス14の移動位置にかかわらず、給電トランス14が存在する位置ごとに、第一給電線部131の分割位置と第二給電線部132の分割位置に設けた間隔が一箇所のみ存在するよう設定されている。他の構成は第三の実施形態と同様であるので、同一の機能を有する構成部品には同一の符を付して、その説明を繰返さない。
【0059】
上記構成によれば、給電トランス14の存在する位置における給電線部の分割位置(すなわち、給電領域部がない部分)を、第三の実施形態に比べて半減させることができる。このため、分割されて継目部分を備えた第一給電線部131と、分割されて継目部分を備えた第二給電線部132との組合わせであっても、継目部分での出力垂下を半分に抑えることができる。
【0060】
図8および図9を参照しつつ、第五の実施形態を説明する。第五の実施形態における非接触給電装置4では、第一給電線部131は、長手方向で二分割されて長手方向に間隔を置いて配置され、且つ一方側の第一給電線部131と他方側の第一給電線部131とは、中央の第一給電線部(継目用給電線)1311で電気的に接続されている。両側の第一給電線部131に比べて中央の第一給電線部1311の長手方向寸法が短く設定されている。なお、中央の第一給電線部1311は、長手方向全部が給電領域部とされている。
【0061】
第二給電線部132は、長手方向で二分割されて長手方向に間隔を置いて配置され、且つ一方側の第二給電線部132と他方側の第二給電線部132とは、中央の第二給電線部1321で電気的に接続されている。両側の第二給電線部132に比べて中央の第二給電線部1321の長手方向寸法が短く設定されている。
【0062】
長手方向で隣合う第一給電線部131,1311は導電性材料からなる接続部材133を介して接続されている。長手方向で隣合う第二給電線部132,1321は導電性材料からなる接続部材133を介して接続されている。図9に示すように、接続部材133は、平板状の載置片133aと、載置片133aの長手方向端部から垂下する垂下部133bを備えてL字アングル状に形成されている。
【0063】
第一給電線部131,1311どうしの接続部分において、一対の接続部材133の垂下部133bどうしが、長手方向で対向するよう配置される。第二給電線部132,1321どうしの接続部分において、一対の接続部材133の垂下部133bどうしが、長手方向で対向するよう配置される。そして、第一給電線部131、第二給電線部132の長手方向端部が接続部材133の載置片133aに載置されてビス止めされている。
【0064】
一対の接続部材133における垂下部133bの間に、導電性材料からなる放熱体15である丸棒(角棒でもよい)の上端部が挟み込まれて、放熱体15が一次給電線13に熱伝導可能に接続されている。
【0065】
換言すれば、放熱体15は、上端部側が第一給電線部131,1311に接続され、他端部側が第一給電線部131,1311に対して直下方に延びて密閉容器2の底壁21を貫通し、容器外へ露出した状態にある。また、放熱体15は、上端部側が第二給電線部132,1321に接続され、他端部側が第二給電線部132,1321に対して直下方に延びて密閉容器2の底壁21を貫通し、容器外へ露出した状態にある。
【0066】
なお、一対の接続部材133は、長手方向両側の第一給電線部131、第二給電線部132の両端部にも接続されていて、この接続部材133に放熱体15が熱伝導可能、且つ電気的に接続されている。そして第一給電線部131、第二給電線部132の両端部に接続された放熱体15が貫通する底壁21の貫通孔には、放熱体15との隙間を塞ぐ真空シール機構18が設けられている。
【0067】
長手方向一方側端の一対の放熱体15は、高周波電源部12に接続されるとともに、第一給電線部131、あるいは第二給電線部132に熱伝導可能に、且つ電気的に接続されている。長手方向他方側の端部に配置された一対の放熱体15は互いに電気的に接続され、第一給電線部131、あるいは第二給電線部132に熱伝導可能に、且つ電気的に接続されている。この構成により、第一給電線部131、第二給電線部132に発生する熱は、放熱体15によって、密閉容器2の外部で放熱される。
【0068】
第五の実施形態では、第一給電線部131、第二給電線部132を三つに分割している。このため、長手方向長さが同じ給電線を一本で形成する場合に比べて、各第一給電線部131,1311、第二給電線部132,1321に発生する熱を抑えることができる。
【0069】
また、第一給電線部1311、第二給電線部1321は、放熱体15を垂下し、第一給電線部131、第二給電線部132との組合わせにより側面視T字型に構成されている。このように構成することで、第一給電線部1311、第二給電線部1321は、電路部分を確保した構成となっており、給電線部分割位置に間隔を設けず、長手方向全部に給電領域部が形成される。したがって、給電線部が分割されていたとしても、給電トランス14の出力垂下が抑えられる。
【0070】
さらに、高周波電流は第一給電線部1311、第二給電線部1321を流れるが、放熱体15は単に垂下されている構成であることから、高周波電流は放熱体15には流れない。このため、放熱体15には通電による温度上昇がない。この構成から、第一給電線部131,1311、第二給電線部132,1321に生じた熱が放熱体15で放熱し易く、したがって、放熱効率を向上させられる。
【0071】
第五の実施形態では、給電領域部131A,132Aに、第一給電線部1311、第二給電線部1321を一箇所ずつ配置した場合を例示した。しかしながら、給電領域部131A,132Aを複数箇所で分割して、継目用給電線である第一給電線部1311、第二給電線部1321で接続することも可能である。この際、第一給電線部1311、第二給電線部1321の配置位置を、給電トランス14の移動位置にかかわらず、給電トランス14の存在する位置ごとに存在するよう設定すれば、放熱体15に対向する位置に給電トランス14が存在することで生じる渦電流が平均化されて、給電トランス14による電力への変換効率の低下や、給電トランス14出力変動が抑えられ、安定した出力が得られる。
【0072】
上記各実施形態において、一次給電線として絶縁層で被覆したケーブルを用いてもよく、また、上記各実施形態では一次給電線としてアルミニウムを例示したが、銅材、その他の導電体であってよいことは勿論である。
【0073】
一次給電線としてケーブルを用いる場合では、一次給電線が絶縁層に被覆されている。そして、前述した理由により、非接触給電装置4では、一次給電線13において損失として発生する熱は、一次給電線13を過熱させてしまうおそれがある。このような過熱は、一次給電線13の絶縁層の焼損をもたらし、あるいは該焼損に加えて、絶縁層や導体である給電線からガスを発生させる。そしてこのガスは、密閉容器2の内部の真空度を低下させる。
【0074】
しかしながら、本発明では、給電領域部に熱伝導可能に接続されて密閉容器2の外部へ導出された放熱体15が設けられており、給電領域部に発生する熱の一部は、密閉容器2の外部において放熱体15から放熱される。このため、給電領域部131A,132A(一次給電線13)を過熱させない。その結果、一次給電線13の絶縁層を焼損させず、また、絶縁層や給電線から熱によるガスを発生させることがなく、したがって、密閉容器2の内部の真空度を低下させない。
【0075】
上記各実施形態では、放熱体は密閉容器の底壁から外部へ導出した構成とした。しかしながら、放熱体は密閉容器の底壁に限らない外壁(天壁を含む)から導出することもできる。給電線も同様に、密閉容器の底壁から導入、導出する構成に限らず、密閉容器の底壁に限らない外壁から導入、導出することができる。給電トランスも同様に、密閉容器の底壁側に配置することに限定されず、密閉容器の底壁に限らない外壁に沿って移動するよう構成することができる。
【0076】
また、上記各実施形態では、密閉容器の内部を大気圧より低く維持して用いる真空処理装置に用いた場合を例に説明した。しかしながら、本発明は、密閉容器の内部に給電領域部を配置して、密閉容器の内部を大気圧で用いる処理装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0077】
1…真空処理装置、2…密閉容器、3…移動部、4…非接触給電装置、8…移動体、13…一次給電線、14…給電トランス、15…放熱体、19…コア、21…底壁、22…真空室、131,1311…第一給電線部、131A,132A…給電領域部、132,1321…第二給電線部、191…二次巻線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9