(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記走行路形成部は、前記傾斜面として、前記走行方向の一方側を向く第一傾斜面と、前記第一傾斜面と前記走行方向に対して異なる方向に傾斜して前記走行方向の他方側を向く第二傾斜面とを有する請求項2に記載の軌道。
前記走行路形成部は、前記傾斜面として、前記走行方向の一方側を向く第一傾斜面と、前記第一傾斜面と前記走行方向に対して異なる方向に傾斜して前記走行方向の他方側を向く第二傾斜面とを有している請求項11に記載の走行路形成部。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したスラブ軌道では、バラスト自体を補強している。そのため、地盤沈下が生じた際に、バラストと軌道スラブ用パネルとの間に隙間が発生して、コンクリート製の軌道スラブ用パネルが割れてしまう可能性がある。また、上述したスラブ軌道では、隣接する軌道スラブ用パネルの間にコンクリートを充填して軌道スラブ用パネル同士を固定している。そのため、上述したスラブ軌道では、部分的にメンテナンスを行って、レールの位置を調整することが難しい。
【0009】
軌道系交通システムの軌道では、鉄輪を用いた車両と異なり、レールを介さずに走行輪が走行路に直接接触する。そのため、地盤沈下が生じて部分的に路面が歪んだ場合に、レールを用いる鉄道よりも、走行時の影響が大きくなる可能性がある。そのため、走行輪が走行可能な走行路をメンテナンスが容易になるように形成したいという要望がある。
【0010】
本発明は、メンテナンスが容易で走行輪が直接走行可能な走行路を形成可能な軌道、走行路形成部、
及び軌道の敷設方
法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様における軌道は、車両の走行輪が転動しながら接触する走行面を有する走行路を備え、該走行路は、前記車両の走行方向に互いに隣接するように複数が配置されるとともに、前記走行面の一部をそれぞれ形成する単位走行面を有する走行路形成部と、互いに隣接する前記走行路形成部の相対位置を固定する位置決め部と、を有する。
【0012】
このような構成によれば、位置決め部を介して複数走行路形成部の相対位置が固定されることで複数の単位走行面によって、走行面を形成することができる。したがって、仮に地盤沈下が路盤の一部で発生した場合であっても、地盤沈下が発生した箇所に対応する走行路形成部のみを交換したり位置を調整したりすることで、路盤に対する走行面の位置を部分的に調整することができる。つまり、短時間でコストをかけずに簡単に走行路のメンテナンスを行うことができる。
【0013】
本発明の第二の態様における軌道では、第一の態様において、前記走行路形成部は、前記隣接する他の前記走行路形成部と向き合う端面に前記走行方向に対して傾斜して形成された傾斜面を有していてもよい。
【0014】
このような構成によれば、隣接する走行路形成部同士の境界を走行方向に対して傾斜させることができる。つまり、走行輪が各単位形成面に進入してくる方向に対して各走行路形成部同士の繋ぎ目を傾斜させることができる。これにより、隣接する走行路形成部間の繋ぎ目上を車両が走行する際の騒音やガタツキを抑えることができる。
【0015】
本発明の第三の態様における軌道では、第二の態様において、前記走行路形成部は、前記傾斜面として、前記走行方向の一方側を向く第一傾斜面と、前記第一傾斜面と前記走行方向に対して異なる方向に傾斜して前記走行方向の他方側を向く第二傾斜面とを有していてもよい。
【0016】
このような構成によれば、第一傾斜面と第二傾斜面との角度が異なることで、走行輪が走行路形成部から進入してくる場合と出ていく場合とで、各走行路形成部同士の繋ぎ目を走行輪が通過する際の条件を不規則にさせることができる。これにより、隣接する走行路形成部間の繋ぎ目上を車両が走行する際の騒音やガタツキをより抑えることができる。
【0017】
本発明の第四の態様における軌道では、第三の態様において、前記走行路は、前記走行路形成部として、前記走行方向に交互に配置される第一走行路形成部及び第二走行路形成部を備え、前記第一走行路形成部の前記第一傾斜面と、前記第二走行路形成部の前記第一傾斜面とが前記走行方向に対して異なる方向に傾斜していてもよい。
【0018】
このような構成によれば、走行方向の一方側と他方側とで角度の異なる傾斜面を有する第一走行路形成部と第二走行路形成部を並べるだけで、隣接する走行路形成部同士の間の隙間が大きくなってしまうことを抑えて、曲線区間のように曲がった走行路を形成することができる。
【0019】
本発明の第五の態様における軌道では、第四の態様において、前記第二走行路形成部は、前記走行方向の長さが前記第一走行路形成部の前記走行方向の長さよりも長く形成されていてもよい。
【0020】
このような構成によれば、直線区間において、使用する走行路形成部の数を減らして走行路を形成することができる。そのため、軌道を敷設する際の製造コストを低減することができる。
【0021】
本発明の第六の態様における軌道では、第一から第五のいずれか一つの態様において、前記走行路形成部は、前記車両の幅方向の一方側の走行輪のみが接触する第一プレートと、前記第一プレートと前記幅方向に離間して配置され、前記幅方向の他方側の走行輪のみが接触する第二プレートとを有していてもよい。
【0022】
このような構成によれば、走行路形成部が第一プレートと第二プレートとの幅方向に離れて配置されている二つの部材を有している。そのため、幅方向の一方側の走行面と幅方向の他方側の走行面とを異なる部材によって形成することができる。したがって、幅方向に離れて形成される走行面の間の領域を一体的に形成する必要が無くなり、走行路形成部の製造コストを抑えることができる。
【0023】
本発明の第七の態様における軌道では、第一から第六のいずれか一つの態様において、前記走行路は、前記車両を案内するガイドレールが取り付けられるガイドポストを備え、前記ガイドポストは、前記走行路形成部に固定されて前記単位走行面と交差する方向に延びていてもよい。
【0024】
このような構成によれば、ガイドポストを介して複数の走行路形成部をガイドレールに固定することができる。そのため、路盤に対するガイドレールの位置を調整するだけで、走行面を形成する複数の単位走行面の路盤に対する位置を調整することができる。つまり、単位走行面を有する複数の走行路形成部のそれぞれの路盤に対する位置を調整することなく、複数の単位走行面の位置をまとめて調整することができる。これにより、路盤に対して走行方向に滑らかに延びる走行面を形成することができる。
【0025】
本発明の第八の態様における軌道では、第七の態様において、前記走行路は、前記単位走行面と交差して前記走行路形成部の前記車両の幅方向を向く端面から前記幅方向の外側に向かって突出し、前記ガイドポストが固定されている支持部材を有していてもよい。
【0026】
このような構成によれば、ガイドポストを設置するために走行路形成部の大きさを車両の幅方向に大きくする必要が無くなる。そのため、走行路形成部の製造コストを抑えることができる。
【0027】
本発明の第九の態様における軌道では、第一から第八のいずれか一つの態様において、前記走行路形成部は、路盤上に設けられたバラスト上に直接配置されていてもよい。
【0028】
このような構成によれば、路盤と走行路との間にバラストを配置することで、地盤沈下等によって路盤がずれてしまった場合でも、走行路自体を調整するだけでなく、バラストを追加して走行面の位置を調整できる。したがって、走行面の歪み等を補修するためのメンテナンス費用をより抑えることができる。
【0029】
本発明の第十の態様における軌道では、第一から第八のいずれか一つの態様において、バラストに埋設されている枕木と、前記枕木上に設置されて、前記車両の幅方向に離間して配置される複数のレールと、を備え、前記走行路形成部は、前記レール上に前記単位走行面が設けられるように配置されていてもよい。
【0030】
このような構成によれば、レールを利用して走行面を形成することができる。つまり、路盤に対する傾きが調整されたレール上に走行面を形成することができる。したがって、単位走行面を有する複数の走行路形成部のそれぞれの路盤に対する位置を調整することなく、複数の単位走行面の位置をまとめて調整することができる。これにより、路盤に対して走行方向に滑らかに延びる走行面を形成することができる。
【0031】
本発明の第十一の態様における走行路形成部は、車両の走行方向に互いに隣接するように複数が配置されることで、前記車両の走行輪が転動しながら接触する走行面を有する走行路を形成する走行路形成部であって、前記走行面の一部を形成する単位走行面と、前記単位走行面と交差し、隣接する他の走行路形成部と向き合う端面と、を有し、前記端面は、前記走行方向に対して傾斜して形成された傾斜面を有している。
【0032】
本発明の第十二の態様における走行路形成部では、第十一の態様において、隣接する他の走行路形成部との相対位置を固定する位置決め部を有していてもよい。
【0033】
本発明の第十三の態様における走行路形成部では、第十一又は第十二の態様において、前記単位走行面と交差し、隣接する他の走行路形成部と向き合う端面を有し、前記端面は、前記走行方向に対して傾斜して形成された傾斜面を有していてもよい。
【0034】
本発明の第十四の態様における走行路形成部では、第十三の態様において、前記走行路形成部は、前記傾斜面として、前記走行方向の一方側を向く第一傾斜面と、前記第一傾斜面と前記走行方向に対して異なる方向に傾斜して前記走行方向の他方側を向く第二傾斜面とを有していてもよい。
【0035】
本発明の第十五の態様における走行路形成部では、第十一から第十四の態様のいずれか一つにおいて、前記走行路形成部は、前記車両の幅方向の一方側の走行輪のみが接触する第一プレートと、前記第一プレートと前記幅方向に離間して配置され、前記幅方向の他方側の走行輪のみが接触する第二プレートとを有していてもよい。
【0036】
本発明の第十六の態様における走行路形成部では、第十一から第十五の態様のいずれか一つにおいて、前記走行路形成部は、前記車両を案内するガイドレールが取り付けられ、前記単位走行面と交差する方向に延びるガイドポストを有していてもよい。
【0037】
本発明の第十七の態様における走行路形成部では、第十六の態様において、前記走行路形成部は、前記単位走行面と交差して前記車両の幅方向を向く端面から前記幅方向の外側に向かって突出し、前記ガイドポストが固定されている支持部材を有していてもよい。
【0038】
本発明の第十八の態様における軌道の敷設方法は、車両の走行輪が転動しながら接触する走行面を有する走行路を備える軌道の敷設方法であって、前記走行面の一部を形成する単位走行面を有する走行路形成部を、前記車両の走行方向に複数配置する配置工程と、互いに隣接する前記走行路形成部の相対位置を固定する位置決め部によって、隣接する前記走行路形成部同士を連結し、路盤に対する複数の前記単位走行面の傾きを一括して調整する位置調整工程と、前記走行路形成部の前記路盤に対する位置を固定する走行路形成部固定工程とを含む。
【0039】
本発明の第十九の態様における軌道の敷設方法では、第十八の態様において、前記配置工程は、隣接する他の前記走行路形成部と向き合う端面に前記走行方向に対して傾斜して形成された傾斜面を有する前記走行路形成部を配置してもよい。
【0040】
本発明の第二十の態様における軌道の敷設方法では、第十八又は第十九の態様において、前記配置工程は、前記走行方向の一方側を向く第一傾斜面と、前記第一傾斜面と前記走行方向に対して異なる方向に傾斜して前記走行方向の他方側を向く第二傾斜面とを有する第一走行路形成部を、前記走行方向に間隔を空けて複数配置する第一配置工程と、二つの前記第一走行路形成部同士の前記走行方向の間に、前記第一走行路形成部の前記第一傾斜面と前記走行方向に対して異なる方向に傾斜して前記走行方向の一方側を向く第一傾斜面を有する第二走行路形成部を配置する第二配置工程とを有していてもよい。
【0041】
本発明の第二十一の態様における軌道の敷設方法では、第十八から第二十の態様のいずれか一つにおいて、前記配置工程は、前記車両を案内するガイドレールが取り付け可能とされ、前記単位走行面と交差する方向に延びるガイドポストを有する前記走行路形成部を配置し、前記位置調整工程は、複数の前記ガイドポストに対してガイドレールを固定するガイドレール固定工程を有していてもよい。
【0042】
本発明の第二十二の態様における軌道の敷設方法では、第十八から第二十一の態様のいずれか一つにおいて、前記位置調整工程は、前記走行路形成部を前記路盤に対して持ち上げる走行路形成部上昇工程を有し、前記走行路形成部固定工程は、持ち上げられた前記走行路形成部と前記路盤との間にバラストを搬入し、前記路盤に対する前記走行路形成部の位置を固定してもよい。
【0043】
本発明の第二十三の態様における軌道の敷設方法では、第十八から第二十二の態様のいずれか一つにおいて、前記配置工程は、バラストに埋設されている枕木上に設置されて前記車両の幅方向に離間して配置される複数のレール上に、前記走行路形成部を配置してもよい。
【0044】
本発明の第二十四の態様における軌道のメンテナンス方法は、車両の走行輪が転動しながら接触する走行面を有する走行路を備え、該走行路は、前記車両の走行方向に互いに隣接するように複数が配置されるとともに、前記走行面の一部をそれぞれ形成する単位走行面を有する走行路形成部と、互いに隣接する前記走行路形成部の相対位置を固定する位置決め部と、を有する軌道のメンテナンス方法であって、部分的に位置のずれた前記走行面に対応する前記走行路形成部のみを交換する。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、複数の走行路形成部を並べることで、メンテナンスが容易で走行輪が直接走行可能な走行路を形成できる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
《第一実施形態》
以下、本発明に係る第一実施形態の軌道について
図1から
図4を参照して説明する。
本発明の第一実施形態に係る軌道1は、車両100を案内するガイドレール8から反力を受けて走行輪120を転舵させながら走行する案内軌条式鉄道車両が走行する軌道である。
【0048】
ここで、以下では、車両100が走行する方向を走行方向Drと称する。走行方向Drと直交する車両100の幅方向を単に幅方向Dwと称する。走行方向Dr及び幅方向Dwと直交する方向を上下方向Dvと称する。なお、本実施形態において、上下方向Dvとは、正確な意味での鉛直方向とは異なり、後述する走行面4に対して垂直な方向である。また、本実施形態では、車両100の幅方向Dwの中心を基準として、幅方向Dwの一方(第一)側を右側(
図1紙面右側)とし、幅方向Dwの他方(第二)側を左側(
図1紙面左側)とする。また、本実施形態では、車両100を基準として走行方向Drの一方(第一)側を前側(
図2紙面下側)とし、車両100に対して走行方向Drの他方(第二)側を後側(
図2紙面上側)とする。
【0049】
本実施形態の軌道1を走行する車両100(案内軌条式鉄道車両)は、
図1に示すように、側方案内軌条式の新交通システムの車両である。この車両100は、車体110と、走行輪120と、案内装置130と、を備えている。
【0050】
車体110は、内部に空洞を有する外形視箱体状の構造物を有している。車体110は、側面部に不図示の開閉扉や窓等が設けられている。
【0051】
走行輪120は、この車体110の下部に配置されている。走行輪120は、車体110の上下方向Dvの下側に設けられている。走行輪120は、車体110の幅方向Dwの左側と右側とにそれぞれ設けられている。走行輪120は、電車線から集電装置を介して電気を受けることで動力部によって駆動されて回転する。走行輪120は、鉄輪のように金属材料によって構成されているわけではなく、例えばゴムタイヤのようにゴム材によって構成されている。
【0052】
案内装置130は、後述するガイドレール8に沿って車両100を目的の走行方向Drに導く。案内装置130は、車体110の下側に配設された案内枠131と、案内枠131に回転可能に支持された案内輪132とを有する。
【0053】
案内輪132は、車体110の側面よりも外側に配置されている。案内輪132は、案内枠131に対して、上下方向Dvに延びる回転軸回りに回転可能に支持されている。案内輪132は、上下方向Dvの位置がガイドレール8と略同一の高さとなるように設けられている。したがって、車両100が走行する際には、案内輪132はガイドレール8に接触することで回転する。
【0054】
軌道1は、所定の路線に沿って延在し、その途中では直線区間と曲線区間とが必要に応じて混在している。軌道1は、走行輪120が転動しながら接触する左右一対の走行面4を有している。走行面4は、走行方向Drに延びている。走行面4は、走行輪120の幅方向Dwの位置に対応して、幅方向Dwに離れて一対設けられている。本実施形態の軌道1では、路盤2上に盛られたバラスト3の上に走行面4が設けられている。
【0055】
軌道1は、バラスト3と、走行路5と、ガイドレール8とを備えている。
バラスト3は、路盤2上に敷かれた砕石や砂利である。
走行路5は、路盤2上に走行面4を形成している。本実施形態の走行路5は、路盤2上にバラスト3を介して走行面4を形成している。走行路5は、
図2に示すように、走行路形成部50と、位置決め部52と、ガイドポスト53と、支持部材54と、を有している。
【0056】
ガイドレール8は、車両100の走行する方向を規制する。ガイドレール8は、案内輪132が接触することで生じる反力により、車両100の進む方向を規制している。ガイドレール8は、軌道1の総延長にわたって走行面4を挟むように、軌道1の幅方向Dwの両側にそれぞれ設けられている。ガイドレール8は、車両100の走行する走行方向Drに沿って走行面4から同一の高さで延在している。ガイドレール8は、走行方向Drの長さが一つの走行路形成部50よりも長く形成されている。そのため、ガイドレール8は、複数の走行路形成部50に跨って配置されている。
【0057】
本実施形態の走行路形成部50は、車両100の走行方向Drに互いに隣接するように複数が配置されるとともに、走行面4の一部をそれぞれ形成する単位走行面51aを有する。本実施形態の走行路形成部50の一部は、接続部材55を有している。
【0058】
走行路形成部50は、バラスト3を介して路盤2上に配置されている。走行路形成部50は、走行面4の一部を形成可能な単位走行面51aを有している。単位走行面51aは、走行路形成部50がバラスト3上に配置された際に、上下方向Dvの上側を向くように走行路形成部50に形成されている。
【0059】
走行路形成部50は、単位走行面51aと交差して隣接する他の走行路形成部50と向き合う走行方向Drの両側の端面が、傾斜面51bを有している。傾斜面51bは、単位走行面51aと直交するように延びつつ、走行方向Drに対して傾斜して形成されている。つまり、走行面4は、隣接する走行路形成部50の傾斜面51b同士が互いに対向するように、複数の走行路形成部50が走行方向Drに並んで配置されることで、単位走行面51aが走行方向Drに連続して配置されることで形成されている。本実施形態の走行路形成部50は、コンクリートによって形成されたブロックである。
【0060】
走行路形成部50は、
図1に示すように、幅方向Dwの一方側である右側の走行輪120のみが接触する第一プレート511と、幅方向Dwの他方側である左側の走行輪120のみが接触する第二プレート512と、を有する。
【0061】
本実施形態の第一プレート511は、単位走行面51a及び傾斜面51bに対して交差して、幅方向Dwを向く端面が走行方向Drと平行に形成されている。第一プレート511は、上下方向Dvから見た際に、幅方向Dwにおける車両100の中心に向かって走行方向Drの両側の傾斜面51bが互いに近づくような台形状のコンクリートブロックである。つまり、本実施形態の第一プレート511の単位走行面51aは、上下方向Dvから見た際に、台形状をなしている。
【0062】
第二プレート512は、第一プレート511と幅方向Dwに離間して配置されている。本実施形態の第二プレート512は、幅方向Dwにおける車両100の中心を境界として第一プレート511と対称な形状をなしている。第二プレート512は、上下方向Dvから見た際に、第一プレート511とは逆側から幅方向Dwにおける車両100の中心に向かって走行方向Drの両側の傾斜面51bが互いに近づくような台形状のコンクリートブロックである。つまり、本実施形態の第二プレート512の単位走行面51aは、上下方向Dvから見た際に、台形状をなしている。なお、第二プレート512は、本実施形態のように対称なだけで第一プレート511と同じ形状で形成されていてもよく、第一プレート511と異なる形状や大きさで形成されていてもよい。
【0063】
接続部材55は、第一プレート511と第二プレート512とを接続している。本実施形態の接続部材55は、走行路形成部50の一部として、第一プレート511及び第二プレート512に一体に設けられている。具体的には、本実施形態の接続部材55は、第一プレート511及び第二プレート512の幅方向Dwの内側を向く端面同士を接続している。接続部材55は、単位走行面51aと交差して幅方向Dwの左側を向く第一プレート511の端面と、単位走行面51aと交差して幅方向Dwの右側を向く第二プレート512の端面とを接続している。本実施形態の接続部材55は、H鋼材によって構成されている。
【0064】
位置決め部52は、互いに隣接する走行路形成部50の相対位置を固定する。本実施形態の位置決め部52は、一の走行路形成部50と、一の走行路形成部50に隣接する他の走行路形成部50の走行路形成部50と、を着脱可能に連結させる。つまり、位置決め部52は、隣接する走行路形成部50同士を完全に固定するわけではなく、取り外し可能な状態で連結して、体外の相対位置を固定している。本実施形態の位置決め部52は、走行路形成部50の一部として、第一プレート511及び第二プレート512にそれぞれ設けられている。具体的には、本実施形態の位置決め部52は、傾斜面51bに形成されている。位置決め部52は、凸部521と、凹部522とによって構成されている。
【0065】
凸部521は、
図3に示すように、傾斜面51bから走行方向Drに突出している。本実施形態の凸部521は、断面半円形状をなして幅方向Dwに延びている。凸部521は、傾斜面51bの上下方向Dvの中心に形成されている。つまり、本実施形態の凸部521は、走行路形成部50と一体をなしている。
【0066】
凹部522は、
図4に示すように、傾斜面51bから走行方向Drに凹んでいる。凹部522は、凸部521の形状に対応して、凸部521が嵌り込むことが可能な大きさで形成されている。本実施形態の凹部522は、凸部521が形成された走行路形成部50と走行方向Drに隣接する他の走行路形成部50の傾斜面51bに形成されている。つまり、凹部522は、凸部521が形成されている走行路形成部50とは異なる走行路形成部50に形成されている。凹部522は、凸部521よりもわずかに大きな断面半円形状をなして幅方向Dwに延びている。凹部522は、凸部521と傾斜面51bに対する上下方向Dvの位置が同じとなるように、上下方向Dvの中心に形成されている。
【0067】
ガイドポスト53は、
図2に示すように、ガイドレール8が固定可能とされている。ガイドポスト53は、走行路形成部50に固定されている。本実施形態のガイドポスト53は、走行路形成部50の一部として、第一プレート511及び第二プレート512のそれぞれと一体に設けられている。具体的には、ガイドポスト53は、単位走行面51aと交差する方向に延びている。本実施形態のガイドポスト53は、単位走行面51aに対して垂直に延びている。本実施形態のガイドポスト53は、支持部材54によって走行路形成部50よりも幅方向Dwの外側に設けられている。ガイドポスト53は、幅方向Dwの内側にガイドレール8が固定されている。つまり、幅方向Dwの右側のガイドポスト53は、第一プレート511よりも幅方向Dwの右側に設けられて、幅方向Dwに左側にガイドレール8が固定されている。一方、幅方向Dwの左側のガイドポスト53は、第二プレート512よりも幅方向Dwの左側に設けられて、幅方向Dwに右側にガイドレール8が固定されている。本実施形態のガイドポスト53は、接続部材55と同じく、H鋼材によって構成されている。
【0068】
支持部材54は、単位走行面51aと交差している走行路形成部50の幅方向Dwを向く端面から幅方向Dwの外側に向かって突出している。支持部材54は、ガイドポスト53が固定されている。本実施形態の支持部材54は、走行路形成部50の一部として、第一プレート511及び第二プレート512のそれぞれと一体に設けられている。具体的には、本実施形態の支持部材54は、走行路形成部50の幅方向Dwの外側を向く端面から延びている。つまり、幅方向Dwに右側の支持部材54は、第一プレート511に対して幅方向Dwの右側に設けられている。幅方向Dwの右側の支持部材54は、第一プレート511と接続されていない側の幅方向Dwの端部にガイドポスト53が固定されている。一方、幅方向Dwの左側の支持部材54は、第二プレート512に対して幅方向Dwの左側に設けられている。幅方向Dwの左側の支持部材54は、第二プレート512と接続されていない側の幅方向Dwの端部にガイドポスト53が固定されている。本実施形態の支持部材54は、接続部材55やガイドポスト53と同じH鋼材によって構成されている。
【0069】
本実施形態の走行路5は、走行路形成部50として、走行方向Drに交互に配置される第一走行路形成部60及び第二走行路形成部70を備える。
【0070】
第一走行路形成部60は、
図3に示すように、第一プレート511として、第一Aプレート61を有する。第一走行路形成部60は、第二プレート512として、第二Aプレート62を有する。第一走行路形成部60は、接続部材55を有する。第一走行路形成部60には、ガイドポスト53と、支持部材54とが接続されている。本実施形態の第一走行路形成部60では、支持部材54と接続部材55とが同一のH鋼材で形成されることで一体をなしている。つまり、第一走行路形成部60では、第一Aプレート61及び第二Aプレート62を幅方向Dwに貫通するようにH鋼材が設けられている。これにより、第一走行路形成部60では、第一Aプレート61と第二Aプレート62とが繋がれている。
【0071】
第一Aプレート61は、単位走行面51aとして、第一A形成面61aが形成されている。第一A形成面61aは、台形状をなして上下方向Dvの上方を向く面である。第一Aプレート61は、傾斜面51bとして、走行方向Drの前側を向く第一a1傾斜面61b(第一傾斜面)と、走行方向Drの後側を向く第一a2傾斜面61c(第二傾斜面)とを有している。第一a1傾斜面61bと第一a2傾斜面61cとは、走行方向Drに対してそれぞれ異なる方向を向いて傾斜している。第一a1傾斜面61bは、第一Aプレート61における幅方向Dwの内側である左側かつ走行方向Drの前側を向くように傾斜している。第一a2傾斜面61cは、幅方向Dwの左側かつ走行方向Drの後側を向くように傾斜している。第一Aプレート61には、第一a1傾斜面61b及び第一a2傾斜面61cに、位置決め部52として、凸部521がそれぞれ形成されている。
【0072】
第二Aプレート62は、単位走行面51aとして、第二A形成面62aが形成されている。第二A形成面62aは、第一A形成面61aと同じ大きさの台形状をなして上下方向Dvの上方を向く面である。つまり、第二Aプレート62は、第一Aプレート61と走行方向Drの長さが同じ長さで形成されている。第二Aプレート62は、傾斜面51bとして、走行方向Drの前側を向く第二a1傾斜面62b(第一傾斜面)と、走行方向Drの後側を向く第二a2傾斜面62c(第二傾斜面)とを有している。第二a1傾斜面62bと第二a2傾斜面62cとは、走行方向Drに対してそれぞれ異なる方向を向いて傾斜している。第二a1傾斜面62bは、第二Aプレート62における幅方向Dwの内側である右側かつ走行方向Drの前側を向くように傾斜している。本実施形態の第二a1傾斜面62bは、第一a2傾斜面61cと平行に形成されている。第二a2傾斜面62cは、幅方向Dwの右側かつ走行方向Drの後側を向くように傾斜している。本実施形態の第二a2傾斜面62cは、第一a1傾斜面61bと平行に形成されている。第二Aプレート62には、第二a1傾斜面62b及び第二a2傾斜面62cに、位置決め部52として、凸部521がそれぞれ形成されている。
【0073】
第二走行路形成部70は、第一走行路形成部60に対して走行方向Drに並んで配置されている。第二走行路形成部70は、
図4に示すように、第一プレート511として、第一Bプレート71を有する。第二走行路形成部70は、第二プレート512として、第二Bプレート72を有する。第二走行路形成部70には、ガイドポスト53と、支持部材54とが接続されている。本実施形態の第二走行路形成部70は、第一走行路形成部60と異なり、接続部材55を有していない。したがって、第二走行路形成部70では、第一Bプレート71と第二Bプレート72とがそれぞれ独立している。
【0074】
第一Bプレート71は、単位走行面51aとして、第一B形成面71aが形成されている。本実施形態の第一B形成面71aは、第一A形成面61aと同じ大きさの台形状をなして上下方向Dvの上方を向く面である。つまり、第一Bプレート71は、第一Aプレート61と走行方向Drの長さが同じ長さで形成されている。第一Bプレート71は、傾斜面51bとして、走行方向Drの前側を向く第一b1傾斜面71b(第一傾斜面)と、走行方向Drの後側を向く第一b2傾斜面71c(第二傾斜面)とを有している。第一b1傾斜面71bと第一b2傾斜面71cとは、走行方向Drに対してそれぞれ異なる方向を向いて傾斜している。第一b1傾斜面71bは、第一Bプレート71における幅方向Dwの外側である右側かつ走行方向Drの前側を向くように傾斜している。したがって、第一a1傾斜面61bと、第一b1傾斜面71bとは、走行方向Drに対して異なる方向に傾斜している。第一b1傾斜面71bは、第一a2傾斜面61cと平行に形成されている。第一b2傾斜面71cは、幅方向Dwの右側かつ走行方向Drの後側を向くように傾斜している。したがって、第一a2傾斜面61cと、第一b2傾斜面71cとは、走行方向Drに対して異なる方向に傾斜している。第一b2傾斜面71cは、第一a1傾斜面61bと平行に形成されている。第一Bプレート71には、第一b1傾斜面71b及び第一b2傾斜面71cに、位置決め部52として、凹部522がそれぞれ形成されている。
【0075】
第二Bプレート72は、単位走行面51aとして、第二B形成面72aが形成されている。第二B形成面72aは、第二A形成面62aと同じ大きさの台形状をなして上下方向Dvの上方を向く面である。つまり、第二Bプレート72は、第二Aプレート62と走行方向Drの長さが同じ長さで形成されている。第二Bプレート72は、傾斜面51bとして、走行方向Drの前側を向く第二b1傾斜面72b(第一傾斜面)と、走行方向Drの後側を向く第二b2傾斜面72c(第二傾斜面)とを有している。第二b1傾斜面72bと第二b2傾斜面72cとは、走行方向Drに対してそれぞれ異なる方向を向いて傾斜している。第二b1傾斜面72bは、第二Bプレート72における幅方向Dwの外側である左側かつ走行方向Drの前側を向くように傾斜している。したがって、第二a1傾斜面62bと、第二b1傾斜面72bとは、走行方向Drに対して異なる方向に傾斜している。本実施形態の第二b1傾斜面72bは、第二a2傾斜面62c及び第一b2傾斜面71cと平行に形成されている。第二b2傾斜面72cは、幅方向Dwの右側かつ走行方向Drの後側を向くように傾斜している。したがって、第二a2傾斜面62cと、第二b2傾斜面72cとは、走行方向Drに対して異なる方向に傾斜している。本実施形態の第二b2傾斜面72cは、第二a1傾斜面62b及び第一b1傾斜面71bと平行に形成されている。第二Bプレート72には、第二b1傾斜面72b及び第二b2傾斜面72cに、位置決め部52として、凹部522がそれぞれ形成されている。
【0076】
次に、本実施形態における軌道の施工方法について
図5から
図11に基づいて、説明する。本実施形態の軌道の施工方法では、上述したような走行路5及びガイドレール8を用いて、車両100を案内するガイドレール8から反力を受けて走行輪120を転舵させながら走行する案内軌条式鉄道車両の軌道1を路盤2上に敷設する。本実施形態の軌道の施工方法は、曲線区間を形成する場合を例に挙げて説明するが、直線区間を形成する場合も同様の工程で形成される。本実施形態の軌道の施工方法は、配置工程S10と、位置調整工程S20と、走行路形成部固定工程S30とを含んでいる。
【0077】
配置工程S10では、走行路形成部50が、路盤2上に走行方向Drに複数配置される。本実施形態の配置工程S10は、複数の第一走行路形成部60を配置する第一配置工程S11と、複数の第二走行路形成部70を配置する第二配置工程S12とを有する。
【0078】
第一配置工程S11では、
図5A及び
図5Bに示すように、複数の第一走行路形成部60が走行方向Drの互いに離れた状態で配置される。第一配置工程S11では、敷設する軌道1の形状に沿って、ガイドポスト53及び支持部材54が固定された第一走行路形成部60が路盤2上に直接配置される。第一配置工程S11では、複数の第一走行路形成部60が走行方向Drに互いに間隔を空けて配置される。本実施形態の第一配置工程S11では、第二走行路形成部70の走行方向Drの長さよりも大きな間隔を走行方向Drに空けて、複数の第一走行路形成部60が配置される。
【0079】
第二配置工程S12では、
図6に示すように、第一配置工程S11後に、二つの第一走行路形成部60同士の走行方向Drの間に一つの第二走行路形成部70が配置される。本実施形態の第二走行路形成部70では、第一Bプレート71と第二Bプレート72とが独立している。そのため、第二配置工程S12では、ガイドポスト53及び支持部材54が固定された第一Bプレート71及び第二Bプレート72がそれぞれ別々に配置される。具体的には、第二配置工程S12では、第一Bプレート71が走行方向Drに離れて並んでいる二つの第一Aプレート61の間に配置される。これにより、第一Bプレート71は一対の第一Aプレート61に対して凸部521が凹部522に引っ掛かった状態で僅かに間隔を空けて配置される。第二配置工程S12では、第二Bプレート72が走行方向Drに離れて並んでいる二つの第二Aプレート62の間に配置される。これにより、第二Bプレート72は一対の第二Aプレート62に対して凸部521が凹部522に引っ掛かった状態で僅かに間隔を空けて配置される。
【0080】
位置調整工程S20では、路盤2に対する複数の単位走行面51aの傾きが一括して調整される。第一実施形態の位置調整工程S20は、配置工程S10後に実施される。位置調整工程S20では、路盤2に対するガイドレール8の傾きが調整される。第一実施形態の位置調整工程S20は、ガイドレール固定工程S21と、走行路形成部上昇工程S22と、を有する。
【0081】
ガイドレール固定工程S21では、
図7に示すように、第二配置工程S12後に、複数のガイドポスト53に対してガイドレール8が固定される。ガイドレール固定工程S21では、第二走行路形成部70の位置決め部52と第一走行路形成部60の位置決め部52とが連結されるように、第一走行路形成部60の第一Aプレート61及び第二Aプレート62と第二走行路形成部70の第一Bプレート71及び第二Bプレート72との走行方向Drの位置を調整して、ガイドレール8が固定される。本実施形態のガイドレール固定工程S21では、第一走行路形成部60のガイドポスト53に対してガイドレール8が固定される。なお、本実施形態のガイドレール固定工程S21では、第二走行路形成部70のガイドポスト53に対してガイドレール8が仮固定される。つまり、本実施形態のガイドレール固定工程S21では、第一走行路形成部60とガイドレール8との位置のみが完全に固定される。
【0082】
走行路形成部上昇工程S22では、
図8に示すように、走行路形成部50が路盤2に対して持ち上げられる。本実施形態の走行路形成部上昇工程S22は、ガイドレール固定工程S21後に実施される。走行路形成部上昇工程S22では、幅方向Dwの両側の支持部材54に高さ調整機能を有するジャッキアップ用部材91がそれぞれ取り付けられて、走行路形成部50が支持部材54ごと路盤2に対して平行に上昇させられる。本実施形態では、第一走行路形成部60の支持部材54及び第二走行路形成部70の支持部材54がジャッキアップ用部材91によってそれぞれ持ち上げられる。ジャッキアップ用部材91とは、支持部材54に対して着脱可能とされている据付調整用のネジ棒である。
【0083】
走行路形成部上昇工程S22では、第一走行路形成部60及び第二走行路形成部70が持ち上げられた状態で、路盤2に対してガイドレール8が略水平となるように、ガイドレール8の位置が調整される。走行路形成部上昇工程S22では、
図9に示すように、ガイドレール8の位置が決定した後に、ガイドレール8に対して第二走行路形成部70が固定される。これにより、第二走行路形成部70は、第一走行路形成部60に傾斜面51bが接触した状態で位置が固定される。なお、走行路形成部上昇工程S22では、ガイドレール8に対して、第一走行路形成部60のガイドポスト53が固定されている。そのため、第一走行路形成部60の単位走行面51aの路盤2に対する傾きもまとめて調整される。
【0084】
なお、本実施形態の走行路形成部上昇工程S22では、第一走行路形成部60及び第二走行路形成部70を共に持ち上げたが、これに限定されるものではない。つまり、第一走行路形成部60及び第二走行路形成部70は位置決め部52によって連結されているため、走行路形成部上昇工程S22では、第一走行路形成部60及び第二走行路形成部70のいずれか一方のみを持ち上げてもよい。この際、走行路形成部上昇工程S22では、ガイドレール8が固定されている第一走行路形成部60の支持部材54を持ち上げることが好ましい。
【0085】
走行路形成部固定工程S30は、位置調整工程S20後に実施される。走行路形成部固定工程S30では、走行路形成部50と路盤2との間にバラスト3が搬入され、走行路形成部50の路盤2に対する位置が固定される。本実施形態の走行路形成部固定工程S30では、
図10に示すように、支持部材54に固定治具92が取り付けられて、路盤2に対する走行路形成部50の高さ等の位置が移動しないように走行路形成部50が固定される。その後、走行路形成部固定工程S30では、
図11に示すように、走行路形成部50と路盤2との間にバラスト3が搬入されて詰め込まれる。走行路形成部固定工程S30では、バラスト3によって走行路形成部50が移動しなくなった状態で、ジャッキアップ用部材91と固定治具92とが支持部材54から取り外される。
【0086】
上記のような軌道の施工方法によって施工された軌道1では、複数の第一走行路形成部60と複数の第二走行路形成部70とが交互に走行方向Drに並べられている。さらに、位置決め部52を介して、第一Aプレート61及び第一Bプレート71と、第二Aプレート62と及び第二Bプレート72とがそれぞれ相対位置が固定されている。そのため、第一A形成面61aと第一B形成面71aとによって、走行方向Drに連続する走行面4を幅方向Dwの右側に形成することができる。加えて、第二A形成面62aと第二B形成面72aとによって、走行方向Drに連続する走行面4を幅方向Dwの左側に形成することができる。したがって、仮に地盤沈下が路盤2の一部で発生した場合であっても、地盤沈下が発生した箇所に対応する走行路形成部50のみを交換したり位置を調整したりすることで、路盤2に対する走行面4の位置を部分的に調整することができる。つまり、短時間でコストをかけずに簡単に走行路5のメンテナンスを行うことができる。これにより、メンテナンスが容易で走行輪120が直接走行可能な軌道1を形成することができる。
【0087】
位置決め部52が、第一Aプレート61及び第二Aプレート62に形成された凸部521と、第一Bプレート71及び第二Bプレート72によって形成された凹部522とによって構成されている。そのため、隣接する走行路形成部50同士の相対位置を固定する位置決め部52を着脱可能で単純な構成によって形成することができる。
【0088】
走行路形成部50がガイドポスト53を有していることで、ガイドポスト53を介して複数の第一走行路形成部60や複数の第二走行路形成部70をガイドレール8に固定することができる。そのため、路盤2に対するガイドレール8の位置を調整するだけで、走行面4を形成する第一A形成面61a及び第二A形成面62aや第一B形成面71a及び第二B形成面72aの路盤2に対する位置を調整することができる。つまり、走行面4を形成する単位走行面51aを有する複数の走行路形成部50のそれぞれの路盤2に対する位置を調整することなく、複数の単位走行面51aの位置をまとめて調整することができる。これにより、路盤2に対して走行方向Drに滑らかに延びる走行面4を形成することができる。
【0089】
ガイドポスト53が固定された支持部材54を第一走行路形成部60及び第二走行路形成部70が有している。支持部材54が走行路形成部50の幅方向Dwの外側に向かって突出していることで、ガイドポスト53を設置するために第一Aプレート61、第二Aプレート62、第一Bプレート71、及び第二Bプレート72の大きさを幅方向Dwに大きくする必要がなくなる。そのため、走行路形成部50の製造コストを抑えることができる。
【0090】
第一走行路形成部60が第一Aプレート61と第二Aプレート62との幅方向Dwに離れて配置されている二つの部材を有している。同様に、第二走行路形成部70が第一Bプレート71と第二Bプレート72との幅方向Dwに離れて配置されている二つの部材を有している。そのため、幅方向Dwの右側の走行面4と幅方向Dwの左側の走行面4とを異なる部材によって形成することができる。したがって、幅方向Dwに離れて形成される走行面4の間の領域を一体的に形成する必要が無くなり、走行路形成部50の製造コストをより抑えることができる。
【0091】
第一Aプレート61の第一a1傾斜面61bと第一Bプレート71の第一b2傾斜面71cとが対向した状態で、第一Aプレート61と第一Bプレート71とが連結されている。同時に、第一Aプレート61の第一a2傾斜面61cと第一Bプレート71の第一b1傾斜面71bとが対向した状態で、第一Aプレート61と第一Bプレート71とが連結されている。したがって、第一Aプレート61と第一Bプレート71との境界を走行方向Drに対して傾斜させることができる。同様に、第二Aプレート62の第二a1傾斜面62bと第二Bプレート72の第二b2傾斜面72cとが対向した状態で、第二Aプレート62と第二Bプレート72とが連結されている。同時に、第二Aプレート62の第二a2傾斜面62cと第二Bプレート72の第二b1傾斜面72bとが対向した状態で、第二Aプレート62と第二Bプレート72とが連結されている。したがって、第二Aプレート62と第二Bプレート72との境界を走行方向Drに対して傾斜させることができる。つまり、走行輪120が各走行路形成部50に進入してくる方向に対して各走行路形成部50同士の繋ぎ目を傾斜させることができる。これにより、隣接する走行路形成部50間の繋ぎ目上を車両100が走行する際の騒音やガタツキを抑えることができる。
【0092】
第一Aプレート61の走行方向Drの前側の第一a1傾斜面61bと第一Bプレート71の走行方向Drの前側の第一b1傾斜面71bとが、走行方向Drに対して異なる角度で形成されている。同様に、第一Aプレート61の走行方向Drの後側の第一a2傾斜面61cと第一Bプレート71の走行方向Drの後側の第一b2傾斜面71cとが、走行方向Drに対して異なる角度で形成されている。また、第二Aプレート62の走行方向Drの前側の第二a1傾斜面62bと第二Bプレート72の走行方向Drの前側の第二b1傾斜面72bとが、走行方向Drに対して異なる角度で形成されている。同様に、第二Aプレート62の走行方向Drの後側の第二a2傾斜面62cと第二Bプレート72の走行方向Drの後側の第二b2傾斜面72cとが、走行方向Drに対して異なる角度で形成されている。
【0093】
したがって、走行方向Drの前側の傾斜面51b(第一傾斜面)と後側の傾斜面51b(第二傾斜面)との角度が異なることで、走行輪120が第一走行路形成部60及び第二走行路形成部70に対して進入してくる場合と出ていく場合とで、走行輪120が通過する際の条件を不規則にさせることができる。これにより、隣接する走行路形成部50間の繋ぎ目上を車両100が走行する際の騒音やガタツキをより抑えることができる。
【0094】
走行方向Drの前側と後側とで走行方向Drに対する角度の異なる傾斜面51bを有する第一走行路形成部60と第二走行路形成部70とを並べて走行面4が形成されている。したがって、隣接する走行路形成部50の間の隙間が大きくなってしまうことを抑えて、曲線区間のように曲がった走行路5を形成することができる。
【0095】
コンクリートのブロックである走行路形成部50を用いている。そのため、走行路形成部50は、単位走行面51aがコンクリートで形成されている。これにより、コンクリート製の走行面4を形成することができる。
【0096】
走行路5はバラスト3上に直接配置されている。そのため、路盤2と走行路5との間にバラスト3を配置することで、地盤沈下等によって路盤2がずれてしまった場合でも、走行路5自体を調整するだけでなく、バラスト3を追加して走行面4の位置を調整できる。したがって、走行面4の歪み等を補修するためのメンテナンス費用をより抑えることができる。
【0097】
第一実施形態の軌道の施工方法では、配置工程S10で複数の第一走行路形成部60と、複数の第二走行路形成部70とを配置した後に、ガイドポスト53に対してガイドレール8を固定してガイドレール8の位置を調整している。そのため、路盤2に対するガイドレール8の位置を調整するだけで、走行面4を形成する第一A形成面61a及び第二A形成面62aや第一B形成面71a及び第二B形成面72aの路盤2に対する位置を一括して調整することができる。つまり、走行面4を形成する単位走行面51aを有する複数の走行路形成部50のそれぞれの路盤2に対する位置を調整することなく、複数の単位走行面51aの位置をまとめて調整することができる。これにより、路盤2に対して走行方向Drに滑らかに延びる走行面4を形成することができる。
【0098】
ガイドポスト53に対してガイドレール8を固定するガイドレール固定工程S21後に第一Aプレート61、第二Aプレート62、第一Bプレート71、及び第二Bプレート72を路盤2に対して持ち上げることで、数の走行路形成部50を別々に持ち上げる必要が無くなる。そのため、複数の走行路形成部50と路盤2との間にバラスト3を設ける際の工程を簡略化できる。
【0099】
なお、本実施形態の軌道の施工方法では、第一走行路形成部60と第二走行路形成部70とを第一配置工程S11及び第二配置工程S12のようにガイドレール8を固定する前に連続して配置しているが、このような順序に限定されるものではない。軌道の施工方法では、例えば、第一配置工程S11後にガイドレール固定工程S21や位置調整工程S20を実施して第一走行路形成部60にガイドレール8を固定して位置を調整した後に、第二走行路形成部70を配置してガイドレール8に固定してもよい。
【0100】
第一実施形態の位置決め部52の凸部521及び凹部522は、幅方向Dwに延びている形状に限定されるものではない。凸部521及び凹部522は、上下方向Dvに延びており、傾斜面51bの幅方向Dwの中心に形成されていてもよい。
【0101】
位置決め部52の凸部521及び凹部522は、変形例として、例えば、
図12及び
図13に示すように、断面形状がL字状なすように、第一走行路形成部60及び第二走行路形成部70の上下方向Dvの片側を向く面に面して形成されていてもよい。
【0102】
具体的には、変形例の凸部521aは、
図12に示すように、第一Aプレート61の第一a1傾斜面61b及び第一a2傾斜面61cと、第二Aプレート62の第二a1傾斜面62b及び第二a2傾斜面62cと、にそれぞれ形成されている。凸部521aの上下方向の下側を向く面は、第一Aプレート61や第二Aプレート62の上下方向の下側を向く面と一体をなしている。凸部521aの上下方向の上側を向く面は、第一A形成面61aや第二A形成面62aと段差を形成している。
【0103】
変形例の凹部522aは、
図13に示すように、第一Bプレート71の第一b1傾斜面71b及び第一b2傾斜面71cと、第二Bプレート72の第二b1傾斜面72b及び第二b2傾斜面72cと、にそれぞれ形成されている。凹部522aの上下方向の上側を向く面は、第一B形成面71aや第二B形成面72aと一体をなしている。凹部522aの上下方向の下側を向く面は、第一Bプレート71や第二Bプレート72の上下方向の下側を向く面と段差を形成している。その結果、第一走行路形成部60及び第二走行路形成部70が走行方向Drに並べられることで、凹部522aの上下方向の下側を向く面は、凸部521aの上下方向の上側を向く面と対向して配置される。
【0104】
凸部521及び凹部522は、第一走行路形成部60と第二走行路形成部70とでそれぞれ別に形成されている構造に限定されるものではない。例えば、一つの走行路形成部50に対して、凸部521が走行方向Drの前方の傾斜面51bに形成され、凹部522が走行方向Drの後方の傾斜面51bに形成されていてもよい。また、第一プレート511と第二プレート512とで、凸部521及び凹部522が走行方向Drの異なる位置に形成されていてもよい。
【0105】
《第二実施形態》
次に、
図14を参照して第二実施形態の軌道について説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第二実施形態の軌道1は、第二走行路形成部700の形状について、第一実施形態と相違する。
【0106】
即ち、第二実施形態の軌道1における第二走行路形成部700は、走行方向Drの長さが第一走行路形成部60の走行方向Drの長さよりも長く形成されている。具体的には、第二走行路形成部700は第一Bプレート710の走行方向Drの長さが最も長い部分Lbの大きさが、第一走行路形成部60の第一Aプレート61の走行方向Drの長さが最も長い部分Laよりも長く形成されている。第二走行路形成部700は、第一Bプレート710及び第二Bプレート720は走行方向Drの長さが最も長い部分Lbの大きさが同じ長さで形成されている。
【0107】
第二走行路形成部700は、第一Bプレート710と第二Bプレート720とが接続部材550で繋がれている。第二走行路形成部700は、第一実施形態と同様に位置決め部52として、凹部522が形成されている。第二実施形態の第二走行路形成部700は、第一実施形態とは異なり、支持部材54やガイドポスト53を接続されていない。
【0108】
上記のような第二実施形態の軌道1によれば、第二走行路形成部700によって走行方向Drの距離を伸ばすことで、まっすぐな直線区間において、使用する走行路形成部50の数を減らして走行面4を形成することができる。そのため、軌道1を敷設する際の製造コストを低減することができる。また、メンテナンス時に位置を調整する走行路形成部50の数も低減できる。そのため、効率的に走行面4のメンテナンスを行うことができる。
【0109】
第一実施形態及び第二実施形態の第一走行路形成部60の第一Aプレート61及び第二Aプレート62は、台形状に形成されていることに限定されるものではなく、傾斜面51bを有していればよい。したがって、第一Aプレート61及び第二Aプレート62は、菱形状や平行四辺形状をなしていてもよい。同様に、第二走行路形成部70の第一Bプレート71及び第二Bプレート72は、台形状に形成されていることに限定されるものではなく、傾斜面51bを有していればよい。したがって、第一Bプレート71及び第二Bプレート72は、菱形状や平行四辺形状をなしていてもよい。
【0110】
第一実施形態及び第二実施形態の走行路5は、第一走行路形成部60及び第二走行路形成部70、700が走行方向に交互に並んで配置される構造としたが、これに限定されるものではない。例えば、走行路5は、第一走行路形成部60と第二走行路形成部70、700との間に、別の形状の走行路形成部を有してもよい。具体的には、
図15に示すように、第一実施形態の一部の第一走行路形成部60と第二走行路形成部70との間に、走行路形成部として、傾斜面51bを有する調整プレート(走行路形成部)80を有していてもよい。
図15において、調整プレート80は、平行四辺形状をなしているが、傾斜面51bを有していればよく、菱形状や台形状をなしていてもよい。
【0111】
《第三実施形態》
次に、
図16及び17を参照して第三実施形態の軌道について説明する。
第三実施形態においては第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第三実施形態の軌道1は、鉄製のレール42上に走行面4を形成する点について、第一実施形態及び第二実施形態と相違する。
【0112】
即ち、第三実施形態の軌道1は、
図16に示すように、走行路形成部が第一実施形態と異なっている。第三実施形態の軌道1は、路盤2上にバラスト3だけでなく、枕木41と鉄製のレール42を介して配置された走行路300によって走行面4が形成されている。つまり、走行路300は、路盤2上に設けられたバラスト軌道のレール42上に配置されている。
【0113】
枕木41は、バラスト3に埋設されている。枕木41は、軌道1の総延長にわたって走行方向Drに互いに離間して複数配置されている。
【0114】
レール42は、枕木41上に設置されている。レール42は、軌道1の総延長にわたって走行方向Drに延びている。本実施形態のレール42は、一方の走行面4に対して二本ずつ配置されている。この二本のレール42は、幅方向Dwに互いに離間してそれぞれ配置されている。つまり、本実施形態では、バラスト軌道として設けられた一対のレール42に二本追加した合計四本のレール42が配置されている。
【0115】
走行路300は、車両100の走行方向Drに隣接して配置されている走行路形成部31を有している。さらに、走行路300は、位置決め部32と、ガイドポスト33と、を有している。
【0116】
走行路形成部31は、レール42を介して路盤2上に配置されている。走行路形成部31は、走行面4の一部を形成可能な単位走行面31aを有している。単位走行面31aは、走行路形成部31がレール42上に配置された際に、上下方向Dvの上側を向くように走行路形成部31に形成されている。第三実施形態の単位走行面31aは、上下方向Dvから見た際に、矩形状をなしている。つまり、第三実施形態の走行面4は、複数の走行路形成部31がレール42上に単位走行面31aが設けられるように走行方向Drに並んで配置された状態で、単位走行面31aが走行方向Drに連続して配置されることで形成されている。第三実施形態の走行路形成部31は、鋼板等のコンクリートよりも強度の高い金属材料によって形成された板状の部材である。第三実施形態の走行路形成部31は、幅方向Dwの右側の走行輪120のみが接触する第一プレート311と、幅方向Dwの左側の走行輪120のみが接触する第二プレート312と、を有する。
【0117】
第三実施形態の第一プレート311は、プレート本体311aと、プレート固定部311bとを有している。
プレート本体311aは、レール42を上下方向Dvの上方から覆うような矩形箱状をなしている。
プレート固定部311bは、後述する位置決め部32にボルトを介して着脱可能に固定される。プレート固定部311bは、プレート本体311aと一体なしている。プレート固定部311bは、プレート本体311aの開口端からレール42に対して幅方向Dwの外側に突出している。
第三実施形態の第二プレート312は、第一プレート311と同じ形状で形成されている。
【0118】
第三実施形態の位置決め部32は、枕木41に対して走行路形成部31を着脱可能に固定することで、互いに隣接する走行路形成部31の相対位置を固定する。第三実施形態の位置決め部32は、ボルト等の締結部材を介して走行路形成部31に対して着脱可能に固定されている。位置決め部32は、位置決め本体32aと、位置決め固定部32bとを有している。
【0119】
位置決め本体32aは、枕木41に固定されている。位置決め本体32aは、枕木41とレール42とに挟み込まれるように配置されている。位置決め本体32aは、レール42を上下方向Dvの下方から覆うような矩形箱状をなしている。
【0120】
位置決め固定部32bは、プレート固定部311bにボルトを介して着脱可能に固定される。位置決め固定部32bは、位置決め本体32aと一体なしている。位置決め固定部32bは、位置決め本体32aの開口端からレール42に対して幅方向Dwの外側に突出している。つまり、位置決め部32は、走行路形成部31に対して上下方向Dvに対称な形状をなしている。
【0121】
第三実施形態のガイドポスト33は、枕木41に直接固定され、単位走行面31aと交差する方向に延びている。第三実施形態のガイドポスト33は、第一実施形態のガイドポスト33と同じ構造をなしている。
【0122】
第三実施形態のような軌道1を敷設する軌道の施工方法としては、例えば、二本のレール42が既に敷設されている一般的なバラスト軌道に対して、レール42を追加して敷設する。具体的には、事前に準備を行う工程として、既に敷設されているレール42の幅方向Dwに追加のレール42を配置する。これにより、一組の幅方向Dwに近接して配置されたレール42を枕木41上の幅方向Dwに離れた位置に配置する。その後、複数の枕木41ごとに位置決め部32を配置する。位置決め部32は、レール42と枕木41との間に挟みこまれた状態で、枕木41に固定される。その後、位置調整工程として、レール42の路盤2に対する傾きを調整する。
【0123】
レール42の傾きを調整した後、走行路形成部31を、レール42上に走行方向Drに複数配置する。レール42上に配置した走行路形成部31を位置決め部32に対してボルトで固定することで、隣接する走行路形成部31同士を位置決め部32によって連結させて走行方向Drに複数配置する。
【0124】
上記のような第三実施形態の軌道1によれば、レール42を利用して走行面4を形成することができる。つまり、例えば、既にレール42が設けられているバラスト軌道を利用する等により、路盤2に対する傾きが調整されたレール42上に走行面4を形成することができる。したがって、単位走行面31aを有する複数の走行路形成部31のそれぞれの路盤2に対する位置を調整することなく、複数の単位走行面31aの位置をまとめて調整することができる。これにより、路盤2に対して走行方向に滑らかに延びる走行面4を形成することができる。
【0125】
なお、第三実施形態の軌道1では、レール42を四本使用しているが、このような構造に限定されるものではない。例えば、一般的なバラスト軌道のように、二本のレール42のみが幅方向Dwに一本ずつ離れて配置されているだけでもよい。このような構造の場合には、既に敷設されているバラスト軌道をそのまま利用して、案内軌条式鉄道車両が走行する軌道1を形成することができる。
【0126】
また、第三実施形態の単位走行面31aも第一実施形態や第二実施形態と同様に、台形状をなしていてもよい。つまり、第三実施形態の走行路形成部31は、傾斜面51bが形成されていない構造に限定されるものではない。例えば、第三実施形態の走行路形成部31は、第一実施形態と同様に走行方向Drに対して傾斜した傾斜面51bが形成されていてもよい。
【0127】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0128】
本発明の走行路形成部31は、第一プレート311及び第二プレート312のように幅方向Dwに離れて形成されている構造に限定されるものではない。走行路形成部31は、単位走行面31aが形成されていればよい。例えば、走行路形成部31は、幅方向Dwに連続したブロック状をなしており、幅方向Dwの両側の走行面4を一つの走行路形成部31によって形成していてもよい。
【0129】
また、第一実施形態及び第二実施形態の位置決め部32は、凸部521及び凹部522のように走行路形成部31と一体に構成される構造に限定されるものではない。例えば、第一実施形態及び第二実施形態においても、第三実施形態のように、位置決め部32は、走行路形成部31とは別部材によって形成されていてもよい。
【0130】
なお、本実施形態では走行路形成部を用いた軌道の敷設方法を説明したが、このように軌道1を敷設する場合のみに走行路形成部50,31を用いることに限定されるものではない。例えば、敷設された後の軌道1に対して走行路形成部50,31を交換することで補修する軌道のメンテナンス方法としても走行路形成部50,31は用いられる。具体的には、軌道のメンテナンス方法では、仮に地盤沈下が路盤2の一部で発生した場合に生じ、走行面4全体に対して部分的に位置のずれた領域に対応する単位走行面を有する走行路形成部50,31のみを交換すればよい。ここで、走行面4全体に対して部分的に位置のずれた領域とは、例えば、路盤2に対して位置のずれた走行面4の一部の領域や、ガイドレール8に対して位置のずれた走行面4の一部の領域や、レール42に対して位置のずれた走行面4の一部の領域が挙げられる。これにより、地盤沈下が発生した箇所に対応する走行路形成部50,31のみを交換するだけで、路盤2に対する走行面4の位置を部分的に補修することができる。