(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の受付手段は、使用者によって前記複数のテキスト情報の中から入力すべきテキスト情報が選択されない場合、予め設定された変換方法により変換されたテキスト情報を前記属性情報および部品品番として入力する請求項3記載の部品管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
様々な種類の部品情報を登録しておき、必要な時には欲しい部品情報の条件を設定して検索することにより条件に合致した部品リストを得られるような部品情報データベースが用いられている。
【0006】
このような部品情報データベースでは、様々な条件で部品情報を検索できるようにするためには、各部品毎に様々な属性情報を登録する必要がある。
【0007】
また、このような各部品の属性情報を図面データに基づいて登録しようとした場合、どのような種類の部品についてどのような属性を登録すべきかを把握することが必要であるため、部品の種類と図面の記載内容を理解できる経験者でないと登録作業ができない。
【0008】
本発明の目的は、部品に対する知識が少ない者であっても、部品の種類に応じた登録すべき属性情報を把握することが可能な部品管理システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[部品管理システム]
請求項1に係る本発明は、予め設定された複数の部品分類の中から、新しく登録を行う部品に合致する部品分類の選択を受け付ける第1の受付手段と、
選択された部品分類に対して設定されている属性情報および部品品番を含む部品情報の入力を受け付ける第2の受付手段と、
前記第2の受付手段により属性情報および部品品番が入力された部品情報を格納する部品情報データベースと、
前記部品情報データベースに格納されている部品情報の中から、指定された条件に合致する部品情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された部品情報のリストを出力する出力手段とを有
し、
前記部品分類は、設計的視点による分類である機能分類と、調達・製造的視点による分類である工法・材料・形状分類の2つの分類の組み合わせにより2次元的に設定された複合部品分類であり、
前記属性情報には、選択された複合部品分類に対して設定され各複合部品分類毎に異なる複数の属性情報と、複合部品分類に関係なくどの部品に対しても共通に設定されている共通属性情報が存在する
部品管理システムである。
【0010】
請求項2に係る本発明は、新しく登録を行う部品の図面画像中の位置を指定する位置指定手段と、
前記図面画像の中から、前記位置指定手段により指定された位置を含む文字列画像を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された文字列画像をテキスト情報に変換する変換手段とをさらに有し、
前記第2の受付手段は、前記変換手段により変換されたテキスト情報を前記属性情報および部品品番として入力する請求項1記載の部品管理システムである。
【0012】
請求項
3に係る本発明
は、予め設定された複数の部品分類の中から、新しく登録を行う部品に合致する部品分類の選択を受け付ける第1の受付手段と、
選択された部品分類に対して設定されている属性情報および部品品番を含む部品情報の入力を受け付ける第2の受付手段と、
前記第2の受付手段により属性情報および部品品番が入力された部品情報を格納する部品情報データベースと、
前記部品情報データベースに格納されている部品情報の中から、指定された条件に合致する部品情報を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された部品情報のリストを出力する出力手段と、
新しく登録を行う部品の図面画像中の位置を指定する位置指定手段と、
前記図面画像の中から、前記位置指定手段により指定された位置を含む文字列画像を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された文字列画像を複数の異なる変換方法により複数のテキスト情報に変換する変換手段とを有し、
前記第2の受付手段は、前記変換手段により変換された複数のテキスト情報の中から、使用者により選択されたテキスト情報を前記属性情報および部品品番として入力
する部品管理システムである。
【0013】
請求項
4に係る本発明では、前記第2の受付手段は、使用者によって前記複数のテキスト情報の中から入力すべきテキスト情報が選択されない場合、予め設定された変換方法により変換されたテキスト情報を前記属性情報および部品品番として入力する請求項4記載の部品管理システムである。
【0014】
請求項
5に係る本発明は、選択された部品分類に対して設定されている属性情報に対して、新たな属性項目を追加する追加手段をさらに有し、
前記第2の受付手段は、選択された部品分類に対して設定されている属性情報に前記追加手段により追加された属性項目を含めて、部品情報の入力を受け付ける請求項1から
4のいずれか1項記載の部品管理システムである。
【0015】
請求項
6に係る本発明は、予め設定された複数の部品分類の中から、新しく登録を行う部品に合致する部品分類の選択を受け付ける受付手段と、
選択された部品分類に予め設定されている複数の属性項目のそれぞれに対応する属性情報の入力を、順に受け付け可能な状態とする入力手段と、
前記入力手段により入力された属性情報を格納する部品情報データベースと、
新しく登録を行う部品に関する図面画像中の位置を指定する位置指定手段と、
前記図面画像の中から、前記位置指定手段により指定された位置を含む文字列画像を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された文字列画像をテキスト情報に変換する変換手段とを有し、
前記入力手段は、前記変換手段により変換されたテキスト情報を、前記属性情報として入力し、当該入力後に、前記属性情報とは異なる他の属性情報の入力を受け付け可能な状態とする部品管理システムである。
【0016】
[プログラム]
請求項
7に係る本発明は、予め設定された複数の部品分類の中から、新しく登録を行う部品に合致する部品分類の選択を受け付ける第1の受付ステップと、
選択された部品分類に対して設定されている属性情報および部品品番を含む部品情報の入力を受け付ける第2の受付ステップと、
前記第2の受付ステップにおいて属性情報および部品品番が入力された部品情報を部品情報データベースに格納するステップと、
前記部品情報データベースに格納されている部品情報の中から、指定された条件に合致する部品情報を検索する検索ステップと、
前記検索ステップにおいて検索された部品情報のリストを出力する出力ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム
であって、
前記部品分類は、設計的視点による分類である機能分類と、調達・製造的視点による分類である工法・材料・形状分類の2つの分類の組み合わせにより2次元的に設定された複合部品分類であり、
前記属性情報には、選択された複合部品分類に対して設定され各複合部品分類毎に異なる複数の属性情報と、複合部品分類に関係なくどの部品に対しても共通に設定されている共通属性情報が存在するプログラムである。
請求項8に係る本発明は、予め設定された複数の部品分類の中から、新しく登録を行う部品に合致する部品分類の選択を受け付ける第1の受付ステップと、
選択された部品分類に対して設定されている属性情報および部品品番を含む部品情報の入力を受け付ける第2の受付ステップと、
前記第2の受付ステップにおいて属性情報および部品品番が入力された部品情報を部品情報データベースに格納するステップと、
前記部品情報データベースに格納されている部品情報の中から、指定された条件に合致する部品情報を検索する検索ステップと、
前記検索ステップにおいて検索された部品情報のリストを出力する出力ステップと、
新しく登録を行う部品の図面画像中の位置を指定する位置指定ステップと、
前記図面画像の中から、前記位置指定ステップにおいて指定された位置を含む文字列画像を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出された文字列画像を複数の異なる変換方法により複数のテキスト情報に変換する変換ステップとをコンピュータに実行させる際に、
前記第2の受付ステップでは、前記変換ステップにおいて変換された複数のテキスト情報の中から、使用者により選択されたテキスト情報を前記属性情報および部品品番として入力するプログラムである。
請求項9に係る本発明は、予め設定された複数の部品分類の中から、新しく登録を行う部品に合致する部品分類の選択を受け付ける受付ステップと、
選択された部品分類に予め設定されている複数の属性項目のそれぞれに対応する属性情報の入力を、順に受け付け可能な状態とする入力ステップと、
前記入力ステップにおいて入力された属性情報を部品情報データベースに格納する格納ステップと、
新しく登録を行う部品に関する図面画像中の位置を指定する位置指定ステップと、
前記図面画像の中から、前記位置指定ステップにおいて指定された位置を含む文字列画像を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップにおいて抽出された文字列画像をテキスト情報に変換する変換ステップとをコンピュータに実行させる際に、
前記入力ステップでは、前記変換ステップにおいて変換されたテキスト情報を、前記属性情報として入力し、当該入力後に、前記属性情報とは異なる他の属性情報の入力を受け付け可能な状態とするプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る本発明によれば、部品に対する知識が少ない者であっても、部品の種類に応じた登録すべき属性情報を把握することが可能な部品管理システムを提供することができる。
また、請求項1に係る本発明によれば、開発設計部門と調達・製造部門(環境管理部門・品質部門・原価管理部門等)とで共通に使用することができ、かつ各部品毎に登録する必要がある属性情報の属性項目の数を、全ての部品について同じ属性情報を設定する場合と比較して削減することが可能な部品管理システムを提供することができる。
【0018】
請求項2に係る本発明によれば、文字列の範囲を指定して図面画像から文字列を選択する場合と比較して、部品の図面画像から部品データベースに属性情報として登録しようとする文字列を簡単な操作により選択することが可能な部品管理システムを提供することができる。
【0020】
請求項
3に係る本発明によれば、文字列画像をテキスト情報に変換する際の精度を、1つの変換方法によってのみ変換を行う場合と比較して、高くすることが可能な部品管理システムを提供することができる。
【0021】
請求項
4に係る本発明によれば、使用者が複数のテキスト情報から属性情報として登録すべきテキスト情報を選択しない場合でも、属性情報として登録するテキスト情報を決定することができるという効果を得ることができる。
【0022】
請求項
5に係る本発明によれば、選択した部品分類に設定されていない属性情報を部品情報として部品データベースに登録することが可能な部品管理システムを提供することができる。
【0023】
請求項
6に係る本発明によれば、文字列の範囲を指定して図面画像から文字列を選択する場合と比較して、部品の図面画像から部品データベースに属性情報として登録しようとする文字列を簡単な操作により選択することが可能な部品管理システムを提供することができる。
【0024】
請求項
7に係る本発明によれば、部品に対する知識が少ない者であっても、部品の種類に応じた登録すべき属性情報を把握することが可能なプログラムを提供することができる。
また、請求項7に係る本発明によれば、開発設計部門と調達・製造部門(環境管理部門・品質部門・原価管理部門等)とで共通に使用することができ、かつ各部品毎に登録する必要がある属性情報の属性項目の数を、全ての部品について同じ属性情報を設定する場合と比較して削減することが可能なプログラムを提供することができる。
請求項8に係る本発明によれば、文字列画像をテキスト情報に変換する際の精度を、1つの変換方法によってのみ変換を行う場合と比較して、高くすることが可能なプログラムを提供することができる。
請求項9に係る本発明によれば、文字列の範囲を指定して図面画像から文字列を選択する場合と比較して、部品の図面画像から部品データベースに属性情報として登録しようとする文字列を簡単な操作により選択することが可能なプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の部品管理システム10を含むシステム全体の構成を示す図である。
【0028】
本発明の第1の実施形態の部品管理システム10は、
図1に示されるように、ネットワーク30を介して端末装置21〜23と接続された構成となっている。ここで、端末装置21〜23は、それぞれ、開発設計部門、調達部門、製造部門に設置されている。なお、本実施形態では、説明を簡単にするために3台の端末装置21〜23のみが部品管理システム10に接続されているものとして説明を行うが、実際には多数の端末装置を部品管理システム10に接続することが可能である。
【0029】
また、部品管理システム10は、管理サーバ31と、部品情報データベース32と、図面データベース33とから構成されている。
【0030】
部品情報データベース32は、様々な部品の部品品番や属性情報を含む部品情報が格納されている。図面データベース33は、部品の図面画像が図面データとして格納されている。
【0031】
端末装置21〜23は、管理サーバ31にアクセスして、図面データベース33に格納されている図面データを閲覧したり、部品情報データベース32に格納されている部品情報を検索したりすることが可能となっている。
【0032】
次に、本実施形態の部品管理システム10における管理サーバ31のハードウェア構成を
図2に示す。
【0033】
管理サーバ31は、
図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、ユーザインタフェース(UI)装置14、ネットワーク30を介して部品情報データベース32、図面データベース33、端末装置21〜23等の外部装置との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)15を有する。これらの構成要素は、制御バス16を介して互いに接続されている。
【0034】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、管理サーバ31の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0035】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される管理サーバ31の機能構成を示すブロック図である。
【0036】
本実施形態の管理サーバ31は、
図3に示されるように、情報送受信部41と、部品検索部42と、部品リスト出力部43とを備えている。
【0037】
情報送受信部41は、予め設定された複数の部品分類の中から、新しく登録を行う部品に合致する部品分類の選択を受け付ける(第1の受付手段)。
【0038】
そして、情報送受信部41は、選択された部品分類に対して設定されている属性情報および部品品番を含む部品情報の入力を受け付ける(第2の受付手段)。
【0039】
そして、部品情報データベース32は、情報送受信部41により属性情報および部品品番が入力された部品情報を格納する。
【0040】
部品検索部42は、部品情報データベース32に格納されている部品情報の中から、情報送受信部41を介して端末装置21〜23から指定された検索条件に合致する部品情報を検索する。
【0041】
部品リスト出力部43は、部品検索部42により検索された部品情報のリストを、端末装置21〜23のうち検索を指示した端末装置に対して出力する。
【0042】
次に、本実施形態の部品管理システム10における端末装置21〜23のハードウェア構成を
図4に示す。
【0043】
端末装置21〜23は、それぞれ、
図4に示されるように、CPU51、メモリ52、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置53、ユーザインタフェース(UI)装置54、ネットワーク30を介して管理サーバ31等の外部装置との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)55を有する。これらの構成要素は、制御バス56を介して互いに接続されている。
【0044】
CPU51は、メモリ52または記憶装置53に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、端末装置21〜23の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU51は、メモリ52または記憶装置53内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU51に提供することも可能である。
【0045】
図5は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される端末装置21〜23の機能構成を示すブロック図である。
【0046】
本実施形態の端末装置21〜23は、それぞれ、
図5に示されるように、通信部61と、制御部62と、表示部63と、操作部64とを備えている。
【0047】
通信部61は、ネットワーク30を介して管理サーバ31通信を確立して、図面データベース33に格納されている部品の図面データを受信したり、部品情報データベース32からの検索結果等の情報を管理サーバ31から受信する。
【0048】
制御部62は、通信部61を介して取得した図面データを図面画像として表示部63に表示させたり、部品情報データベース32を検索した検索結果情報等を表示部63に表示させる。
【0049】
操作部64は、表示部63に表示された新しく登録を行う部品の図面画像中の位置を指定する(位置指定手段)。例えば、操作部64は、ユーザによるマウスの操作等により図面画像中に表示されたポインタを移動させ、指定したい位置においてユーザがクリック動作をすることにより図面画像中の任意の位置の指定を行う。
【0050】
そして、制御部62は、表示部63に表示された図面画像の中から、指定された位置を含む文字列画像を抽出し(抽出手段)、抽出された文字列画像をOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)処理することによりテキスト情報に変換する(変換手段)。
【0051】
そして、OCR処理により変換されたテキスト情報は、属性情報や部品品番の情報として管理サーバ31に送信され、部品情報データベース32に登録されることになる。
【0052】
なお、制御部62は、図面画像中から抽出された文字列画像を複数の異なる変換方法、例えば数字優先、アルファベット有線(文字優先)等の複数の変換方法により変換して複数のテキスト情報に変換するようにしても良い。この場合、制御部62は、複数のテキスト情報をユーザに表示させ、ユーザにより選択されたテキスト情報を最終的な変換結果として、属性情報および部品品番として管理サーバ31に送信する。ここで、複数の変換方法に優先順位を設けておき、ユーザによって複数のテキスト情報の中から入力すべきテキスト情報が選択されない場合、予め設定された変換方法(例えば優先順位が最も高い変換方法)により変換されたテキスト情報を登録すべき属性情報および部品品番として管理サーバ31に転送するようにしても良い。
【0053】
なお、管理サーバ31では、情報送受信部41により、端末装置21〜23から送信されてきた属性情報等が部品情報として、部品情報データベース32に登録される。
【0054】
なお、制御部62は、選択された部品分類に対して設定されている属性情報に対して、新たな属性項目を追加するような機能を備えるようにしても良い(追加手段)。この場合、管理サーバ31では、選択された部品分類に対して設定されている属性情報に追加された属性項目を含めた部品情報を部品情報データベース32に登録する。
【0055】
次に、本実施形態の部品管理システム10における具体的な動作を図面を参照して説明する。
【0056】
先ず、図面データベース33に格納されている図面データの一例を
図6に示す。
図6に示された図面データは、「ファンモータ」の図面例であり、部品の外形形状等ともに各種の特性情報等が画像情報として構成されている。
【0057】
以下の説明では、この
図6に示した図面データから部品情報を抽出して部品情報データベース32に登録する際の動作を用いて説明する。ここでは、端末装置21により部品情報の登録を行う場合を用いて説明する。
【0058】
端末装置21では、操作部64の操作により部品情報の登録を行う図面が選択されると(図面選択部)、制御部62は、選択された図面データを、管理サーバ31を介して図面データベース33から受け取り、画面上に表示する。
【0059】
図6に示した部品図面に基づいて部品情報の登録を行う際に、端末装置21の表示部63に表示される画面例を
図7に示す。
【0060】
この
図7に示した画面例では、部品情報の登録を行う部品の図面画像とともに属性情報の入力のための操作画面が表示されている。
【0061】
そして、登録作業を行うユーザは、先ず、この操作画面上において、登録する部品の部品分類を選択する。この
図7に示した例では、部品が「ファンモータ」であるため、ユーザはプルダウンメニューの中から部品分類として「モータ」を選択する場合が示されている。
【0062】
このような部品分類の選択が行われることにより、属性情報を入力するための操作画面には、
図8に示すように、選択された部品分類である「モータ」に対して予め設定されている属性項目が自動的に表示される。
【0063】
具体的には、「部品番号」、「部品名」、「メーカー名」、「メーカー型番」、「速度検出方式」、「制御方式」、「定格電圧」、「定格回転数」、「定格負荷トルク」という属性項目が、「モータ」という部品分類を選択することにより表示されている。
【0064】
なお、表示される属性項目は部品分類毎に設定されており、例えば、「モータ」という部品分類について
図9(A)に示すような属性項目が設定され、「ベアリング」という部品分類については
図9(B)に示すような属性項目が設定されている。
【0065】
このように、本実施形態では、各部品分類毎に入力すべき属性項目が予め設定されており、部品分類が選択されるだけで、各部品分類毎に設定された属性項目が表示され、属性値の入力が促されることになる。その結果、本実施形態の部品管理システムによれば、部品に対する知識が少ない者であっても、部品の種類に応じた登録すべき属性項目を把握して、部品情報の登録作業を行うことが可能となる。
【0066】
そして、ユーザが各属性項目に対して部品図面に基づいて属性値を入力する際に、ユーザは図面画像中の入力しようとする文字列領域内の任意の場所をクリックすることにより位置指定を行う。すると、クリックされた位置を含む文字領域が認識され、この文字列領域内の文字列画像が選択される。そして、選択された文字列画像に対するOCR処理が行われてテキスト情報に変換されて、変換されたテキスト情報が入力欄71内に表示される。
【0067】
図10に示す例では、部品番号の入力をしようとするユーザにより図面画像中の「123A48005」という文字列が選択されて、入力欄71には「123A48005」という文字が表示されているのがわかる。
【0068】
そして、
図10に示したような状態において、ユーザが属性値入力釦72をクリックすると、
図11に示すように、入力欄71の文字が「部品番号」の属性値として入力される。
【0069】
なお、
図12を参照して、部品図面画像中の文字列が選択される様子を詳細に説明する。
図12に示す例では、ユーザが部品名に対する文字列を選択する場合が示されている。
【0070】
図12(A)に示すように、ユーザが「ファンモータ」という文字列の一部をクリックすることにより、
図12(B)に示されるように、「ファンモータ」という文字列が選択され、この文字列を囲む領域の色が変化している。
【0071】
そして、
図12(C)に示されるように、選択された「ファンモータ」という文字列はテキスト情報に変換されて、入力欄71内に表示されることになる。
【0072】
そして、ユーザは、
図13に示すように部品図面画像に対して移動、拡大、縮小等の操作を行って、部品図面画像から各属性項目に対して入力すべき文字列の選択、入力を繰り返す。
【0073】
具体的には、制御部62は、選択された部品分類に予め設定されている複数の属性項目のそれぞれに対応する属性情報の入力を、順に受け付け可能な状態とする(入力手段)。
【0074】
そして、操作部64により新しく登録を行う部品に関する図面画像中の位置が指定されると、制御部62は、操作部64により指定された位置を含む文字列画像を抽出してテキスト情報に変換する。
【0075】
さらに、制御部62は、変換したテキスト情報を、属性情報として入力し、その入力後に、入力した属性情報とは異なる他の属性情報の入力を受け付け可能な状態とする。
【0076】
このような操作の結果、
図14に示すように全ての属性項目に対して属性値が入力されると、ユーザは、登録釦73をクリックする。
【0077】
すると、この属性項目に入力された属性値は、この部品の属性情報等として管理サーバ31に送信されて、部品情報データベース32に登録される。
【0078】
なお、選択された文字列画像をテキスト情報に変換する際に、数字優先、アルファベット優先(文字優先)というような複数の変換方法を用いる場合、
図15に示すようにそれぞれの変換方法による変換結果を文字列の選択の際に表示させ、ユーザにより入力欄71に入力すべきテキスト情報を選択されるようにしても良い。
【0079】
なお、ユーザが特に選択を行わない場合には、予め設定しておいた変換方法、例えば数字優先による変換方法の変換結果が入力欄71に入力されないようにすれば、ユーザが選択動作を行う手間を省くことができる。
【0080】
また、文字列画像のテキスト情報への変換には誤変換が発生する場合もあるため、
図16に示すように、入力欄71に入力されたテキスト情報をユーザが手入力操作により修正できるようになっている。
【0081】
例えば、
図16(A)では、入力欄71に「123AAB005」という文字列が表示されているが、ユーザの操作により、
図16(B)に示されるように「123A48005」という文字列に修正されているのが分かる。
【0082】
また、部品分類に対して予め設定さている属性項目以外の属性項目を追加して部品情報を管理したい場合、
図17に示すように、表示された属性項目に対して、ユーザにより新たな属性項目を追加できるようにしても良い。このような属性項目の追加は、部品管理システムを制御するプログラムの修正を必要とすることなく実現することが可能である。
【0083】
図17に示す例では、部品分類「モータ」に対して、予め設定されていない「重量」という属性項目がユーザの操作により追加された場合が示されている。
【0084】
そして、上記で説明した処理により図面画像から各種属性情報が取り込まれて部品情報が生成され、様々な部品の部品情報が部品情報データベース32に登録される。
【0085】
ここで、ユーザがある検索条件に合致する部品情報を得ようとする場合、ユーザが端末装置21〜23を介して管理サーバ31に検索条件を指定する。すると、管理サーバ31の部品検索部42は、部品情報データベース32に格納されている部品情報の中から、情報送受信部41を介して端末装置21〜23から指定された検索条件に合致する部品情報を検索する。
そして、部品リスト出力部43は、部品検索部42により検索された部品情報のリストを、端末装置21〜23のうち検索を指示した端末装置に対して出力する。
【0086】
例えば、ユーザが、部品分類が「ベアリング」、属性項目の「内径」が「12mm」という検索条件を指定すると、部品検索部42は、部品情報データベース32の部品情報の中から、部品分類が「ベアリング」、属性項目の「内径」が「12mm」という条件に合致する部品のリストを抽出する。そして、部品リスト出力部43が、部品検索部42により抽出された部品のリストを端末装置21〜23のうち検索を指示した端末装置に対して出力することにより、この端末装置の画面において抽出された部品リストを見ることができる。
【0087】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の部品管理システムについて説明する。
【0088】
本実施形態の部品管理システムは、
図1に示した第1の実施形態の部品管理システム10と基本的な構成は同様であるためその説明は省略する。
【0089】
本発明の第2の実施形態の部品管理システムは、部品分類が、設計的視点による分類である機能分類と、調達・製造的視点による分類である工法・材料・形状分類の2つの分類の組み合わせにより2次元的に設定された複合部品分類であり、属性情報には、選択された複合部品分類に対して設定され各複合部品分類毎に異なる複数の属性情報と、複合部品分類に関係なくどの部品に対しても共通に設定されている共通属性情報が存在する点が、上記で説明した第1の実施形態の部品管理システムと異なる。
【0090】
本実施形態における部品情報データベース32は、設計的視点による分類である機能分類と、調達・製造的視点による分類である工法・材料・形状分類の2つの分類の組み合わせにより2次元的に設定された複数の複合部品分類毎に異なる属性情報、複合部品分類に関係なくどの部品に対しても共通に設定されている共通属性情報および部品品番を含む複数の部品情報を格納する。なお、この部品情報データベース32の詳細については後述する。
【0091】
部品の様々な属性情報が登録されている部品データベースは、社内の様々な部門により使用される。そのため、各部門毎に各部品に対して登録することを希望する属性情報が異なる。
【0092】
例えば、開発設計部門では、部品を機能毎に分類して、必要な機能を達成するための部品が既に存在するか等の情報を得ることができる部品データベースを希望する。
【0093】
これに対して、購買部等の調達部門、製造部門等は、部品の機能的な分類よりも、材料、加工法で分類した部品データベースを使用して、調達先の選定等を行うことができることを希望する。何故ならば、購買部等の調達部門では、板金部品であれば板金部品メーカーに発注し、樹脂部品であれば樹脂部品メーカーに発注するため、その部品がどのような機能を有するのかよりもどのような材料、加工法で作られるのかが必要になるからである。
【0094】
そのため、開発設計部門で必要となる部品データベースと、調達部門、製造部門等で必要な部品データベースとでは要求される仕様が異なり、別々のデータベースを構築して運用する場合もあった。
【0095】
しかし、部品単価を低減させて製品のコストを削減しようとした場合、開発設計部門の部品データベースと、調達部門、製造部門等の部品データベースが連携していないと、どの部品がどのような価格でどこから調達されているのかを開発設計部門では把握できないという課題が発生する。
【0096】
そのため、開発設計部門と調達部門、製造部門等とで共通に使用することができ、かつ必要な情報を得ることが可能なデータベースを構築しようとすると、各部品に登録するための属性項目の数が多くなってしまうという問題がある。
【0097】
また、既に部品品番が設定されている部品の中から希望する仕様の部品を選択する場合や、似たような仕様の部品を統合して部品単価を低減しようとする場合、部品品番毎にその部品の仕様が登録されていることが必要となる。
【0098】
しかし、部品の種類毎にその部品の特性を表現する属性項目が異なる。例えば、モータ、ベアリングおよび樹脂部品では、その部品の特性を表現するための属性項目が全く異なる。そのため、各部品品番毎に必要な属性項目を登録できるようにした場合、部品品種が多くなると属性項目の数が膨大になってしまい現実的に使用することができなくなる。そのため、各部品の重量、寸法や発注先、材質程度の共通的な属性情報を登録することしかできないという制限があった。
【0099】
また、膨大な数の図面から属性項目を引き出して紐付ける作業をするためには各部品を分類しておくようにすることが考えられる。なぜなら部品を分類すればその分類種毎に登録する属性項目をあらかじめ決めておく事ができるため、図面に記載されている属性項目のうちどの属性情報を選択して登録するかを容易に判断することができるからである。しかしこの「分類」は、設計部門では「機能分類」で、調達・製造部門では「材料加工分類」で、それぞれ行われてきたためお互いの部門で共通に利用できなかった。
【0100】
このような事情により、調達部門、製造部門等と開発設計部門とで共通に使用することができ、各部品毎に必要な属性情報が登録可能な部品データベースを構築しようとしても、各部品毎に登録しなければならない属性項目の数が膨大になり現実的に使用可能な範囲を超えてしまい使い難い、または使うことができないものになってしまう。
【0101】
このような理由により、本実施形態では、開発設計部門と調達・製造部門(環境管理部門・品質部門・原価管理部門等)とで共通に使用することができ、かつ各部品毎に登録する必要がある属性項目の数を、全ての部品について同じ属性項目を設定する場合と比較して削減することが可能な部品管理システムを実現させることを目的としている。
【0102】
次に、本実施形態の部品管理システムを、
図3を参照して説明する。なお、以下の説明では、上記で説明した第1の実施形態の部品管理システムとは異なる部分についてのみ説明を行う。
【0103】
本実施形態の情報送受信部41は、設計的視点による分類である機能分類と、調達・製造的視点による分類である工法・材料・形状分類の2つの分類の組み合わせにより2次元的に設定された複数の複合部品分類の中から、新しく登録を行う部品に合致する複合部品分類の選択を受け付ける。
【0104】
そして、本実施形態における情報送受信部41は、選択された複合部品分類に対して設定され各複合部品分類毎に異なる複数の属性情報、複合部品分類に関係なくどの部品に対しても共通に設定されている共通属性情報および部品品番を含む部品情報の入力を受け付ける。
【0105】
そして、部品情報データベース32は、情報送受信部41により受け付けられ、複合部品分類毎に異なる属性情報が設定された部品情報を格納する。
【0106】
より、詳細に説明すると、本実施形態の部品管理システム10における部品情報データベース32は、上記でも説明したように、設計的視点による分類である機能分類と、調達・製造的視点による分類である工法・材料・形状分類の2つの分類の組み合わせにより2次元的に設定された複数の複合部品分類毎に異なる属性情報、複合部品分類に関係なくどの部品に対しても共通に設定されている共通属性情報および部品品番を含む複数の部品情報を格納する。
【0107】
このように部品情報データベース32に格納されている部品情報において、複合部品分類毎に異なる属性情報が設定されている理由を説明する。
【0108】
先ず、製品を開発設計して販売する一般的な企業における各部門間の連携の様子の概略を
図18に示す。
【0109】
いわゆるメーカーと呼ばれる企業における製品の企画、開発、設計、調達、製造、販売、保守等の各部門には、業務を実行する際の流れにより分類すると大きく分けて2つの軸が存在する。そのうちの1つは、企画、開発設計、生産準備、生産技術等の部門によるエンジニアリング軸であり、もう1つは、調達・購買、製造、出荷、販売、販売計画、生産計画、保守等の部門によるサプライチェーン軸である。
【0110】
そして、これらの各部門は、部品管理を行う際に部品を分類したい分類方法が異なっている。
【0111】
具体的には、企画、開発設計、生産準備、生産技術等のエンジニアリング軸の部門では、設計的視点による分類である機能分類により部品を管理する必要がある。また、調達・購買、製造、出荷、販売、販売計画、生産計画、保守等の部門のサプライチェーン軸の部門では、調達・製造的視点による分類である工法・材料・形状分類により部品を管理する必要がある。
【0112】
そのため、本実施形態の部品管理システム10では、部品情報は、設計的視点による分類である機能分類と、調達・製造的視点による分類である工法・材料・形状分類の2つの分類の組み合わせにより2次元的なマトリクス状に設定された複数の複合部品分類毎に異なる属性情報が設定できるようになっている。
【0113】
次に、この複合部品分類の具体例を
図19を参照して説明する。
【0114】
図19に示した具体例では、設計的視点(開発・設計部門的視点)による分類である機能分類として、ベアリング、ギヤ・歯車、カバー・シュート、フレームという分類が示されている。また、
図19に示した具体例では、調達製造的視点(調達部門・製造部門的視点)による分類である工法・材料・形状分類として、金属切削・研削部品、板金・プレス部品、粉末冶金部品、樹脂射出成型部品、樹脂ブロー成型部品という分類が示されている。
【0115】
そして、複合部品分類として、上記の機能分類、工法・材料・形状分類の2つの分類を2次元的(2軸的)に組み合わせて、ボールベアリング、切削フレーム、プレスギヤ、板金カバー、板金フレーム等の分類が示されている。
【0116】
例えば、「ボールベアリング」という複合部品分類は、「ベアリング」という機能分類と、「金属切削・研削部品」という工法・材料・形状分類の2つの分類の両方に含まれる部品分類である。
【0117】
そして、本実施形態の部品管理システム10では、このような「ボールベアリング」、「切削フレーム」、「プレスギヤ」等の複合部品分類毎に、異なる属性項目が登録可能になっている。
【0118】
そのため、新規の部品の部品情報を部品情報データベース32に登録しようとする場合、部品の登録をしようとするユーザ(使用者)は、この複数の複合部品分類の中から1つの複合部品分類を選択する。
【0119】
例えば、「成型カバー」という複合部品分類が選択された場合、部品情報を登録するための登録フレーム枠として
図20に示すような登録フレーム枠が表示される。
【0120】
この
図20に示される登録フレーム枠では、選択された複合部品分類が「成型カバー」であるため、機能分類として「カバー」、工法・材料・形状分類として「樹脂(射出成型)」という分類名が既に登録済みとなっている。
【0121】
そして、この
図20に示された「成型カバー」という複合部品分類の登録フレーム枠では、属性項目として「最大板厚」、「投影面積」、「成形圧力」、「成形型締め力」という項目が設定されている。
【0122】
そのため、ユーザは、
図21に示すように、この登録フレーム枠に対して、部品品番、部品名、メーカー情報、重量、XYZ(縦、横、高さ)寸法、最大板厚、投影面積、成形圧力、成形型締め力等の属性情報を順次入力して、部品情報として登録することができる。
【0123】
また、
図19に示した複合部品分類において「板金カバー」が選択された場合に表示される登録フレーム枠の一例を
図22に示す。
【0124】
この
図22に示した例では、選択された複合部品分類が「板金カバー」であるため、機能分類として「カバー」、工法・材料・形状分類として「板金・プレス」という分類名が既に登録済みとなっている。
【0125】
そして、この
図22に示された「板金カバー」という複合部品分類の登録フレーム枠では、属性項目として「板厚」、「展開寸法」、「プレストン数」、「型種類(単/順送)」、「ステージ数」、「穴数」という項目が設定されている。
【0126】
また、
図19に示した複合部品分類において「プレスギヤ」が選択された場合に表示される登録フレーム枠の一例を
図23に示す。
【0127】
この
図23に示した例では、選択された複合部品分類が「プレスギヤ」であるため、機能分類として「ギヤ」、工法・材料・形状分類として「板金・プレス」という分類名が既に登録済みとなっている。
【0128】
そして、この
図23に示された「プレスギヤ」という複合部品分類の登録フレーム枠では、属性項目として「段数」、「歯数」、「外形φ」、「内径φ」、「歯幅」、「歯形誤差」という項目が設定されている。
【0129】
そして、このように複合部品分類毎に異なる属性情報が登録された部品情報の一例を
図24に示す。
【0130】
図24を参照すると分かるように、機能分類が同じでも工法・材料・形状分類が異なれば違う属性項目が設定される場合もあり、また、工法・材料・形状分類が同じでも機能分類が異なれば違う属性項目が設定される場合もある。
【0131】
例えば、機能分類が「カバー」であっても、工法・材料・形状分類が「樹脂(射出成型)」であるか「板金・プレス」であるかにより部品情報の属性項目が異なっている(
図20、
図22参照)。また、例えば、工法・材料・形状分類が「板金・プレス」であっても、機能分類が「カバー」であるか「ギヤ」であるかにより部品情報の属性項目が異なっている(
図22、
図23参照)。
【0132】
なお、「ソレノイド」、「ファンモータ」、「その企業に特殊な機能部材」等のように工法・材料・形状分類が存在しない又は分類できない部品については、機能分類毎に異なる属性情報が登録可能になっている。
【0133】
例えば、シャフトを持った3層ロールの場合は紙送りロールとして登録し、シャフト、ゴムの属性情報を登録する。これは「紙送りロール」が金属シャフトとゴムロールという組合せと製作方法が10年〜20年という時間的スパンで安定的に固定されている事が明瞭であるからである。
【0134】
また、金属シャフトに成形樹脂ロールを組み合わせて使用するような場合はそれぞれ独立した末端部品として登録する。
【0135】
さらに、金属シャフトに成形樹脂ロールを一体成形する場合等、特殊な場合は材料分類を複数持たせることで対応させることも可能である。
【0136】
例えば、金属シャフト周囲にEPDMゴム(エチレン・プロピレン・ジエン・ゴム)を接着固定しその表層にウレタン樹脂を積層したような材料では、このロールが帯電ロールといった従来から認知されている特定の機能部材であれば複合分類のカテゴリではなくその機能名称で一つの分類として登録する。そして、機能が認知されておらず特定できないような部品であれば、ゴムロールといった複合分類にあてはめ、属性としてシャフト材料、積層する2種の有機材料を登録する方法も可能である。工法・材料・形状分類で単にゴムではなく、単層ゴムと積層ゴムなどに分類しておけば、積層ゴムロールなどの分類に登録できる。これらの場合どの分類方法でも、分類につく属性は材料種が複数になる分多くはなるが、単にロールなどといった一般的機能分類の属性数に比べればはるかに低減することができ、必要な属性情報を図面などから抽出する困難さは大幅に軽減される。
【0137】
本実施形態の部品管理システム10では、管理しようとする数多くの部品を、設計的視点による分類である機能分類と、調達・製造的視点による分類である工法・材料・形状分類の2つの分類の組み合わせにより2次元的に設定された複合部品分類により分類している。そのため、開発設計部門と調達・製造部門(環境管理部門・品質部門・原価管理部門等)の両方の部門において共通して本実施形態の部品管理システム10を使用することができ、全社的に統一した部品管理を行うことが可能となる。
【0138】
また、本実施形態の部品管理システム10では、この複合部品分類毎に異なる部品情報を各部品に登録することができるようにしているため、部品毎に登録することが必要な属性項目の数を現実的に利用可能な数に抑えつつ、各部品の様々な仕様等を部品情報に登録することが可能となる。
【0139】
さらに、従来設計部門として必要であった分類により作成され設計部門で活用されてきた部品構成表の分類と、調達や製造部門毎にそれぞれの部門用に分類し構築・活用してきた部品構成表の分類を、複合分類によって少ない修正で結合することが可能であるため、部門毎に構築してきた部品構成表という部門資産を全社資産として継続して有効活用できるというメリットもある。
【0140】
例えば、複合部品分類毎に異なる属性項目を設定せずに、単に属性項目を増やした場合の比較例を
図25に示す。
【0141】
この
図25に示した比較例では、部品の種類に関係なく登録可能な属性項目を増やした場合が示されている。そして、この
図25に示した例では、その部品に必要が無い属性項目まで設定されていることによりこの部品についてはどの属性項目を利用して属性情報を登録すれば良いのかが分かり難く利用者が利用し難いものとなっているのが分かる。
【0142】
具体的には、
図25に示した例では、部品として「樹脂のカバー」を登録する際の例が示されていて、属性項目として「最大板厚」、「投影面積」、「成形圧力」、「成形型締め力」という項目に属性情報を登録する場合の例が示されているが、利用者はどの属性項目に属性情報を登録すべきなのかが分かり難いものとなっている。
【0143】
これに対して、本実施形態の部品管理システム10は、複合部品分類として、「成型カバー」という分類を選択するだけで、
図20に示すような登録フレーム枠が用意されることにより、利用者は、どの属性項目に属性情報を登録すべきなのかを容易に把握することができる。
【0144】
そして、本実施形態の部品管理システム10によれば、各部門間が単独で部品管理をすることなく全部門で共通した部品管理ができるようになり、全社的に統一した部品データベースを構築することが可能となる。そのため、本実施形態の部品管理システム10を利用することにより、製品のコスト削減を効果的に推進して、総原価低減に貢献することができる。
【0145】
具体的には、本実施形態の部品管理システム10を利用することにより、1つの部品に複数の部品番号が設定されるような一部品多部品品番の発生を防止することにより適正な部品価格の実現が可能となる。
【0146】
また、本実施形態の部品管理システム10によれば、部品の仕様と単価の比較が容易になることにより、通常より価格設定が高い部品を見つけることが可能となり、適正な部品価格の実現が容易になる。
【0147】
また、本実施形態の部品管理システム10によれば、仕様が近い部品を容易に把握することができるようになり、部品の標準化を図って部品種類を削減したり、類似属性の部品比較を行ってコスト的に有利な部品選択を行うことができるようになる。
【0148】
さらに、本実施形態の部品管理システム10を用いることにより、どのような部品をどのような仕入れ先からどれだけ購入しているのかを知ることが可能になり、購買実績、調達状況の把握が容易に把握可能になる。
【0149】
なお、本実施形態では説明していないが、部品部面の図面データを管理する図面管理システムと本実施形態の部品管理システム10とを連携させるようにすることも可能である。このように、図面管理システムと部品管理システム10とを連携させることにより、図面データから属性情報を直接入力可能としたり、検索した部品の図面データを利用者が容易に閲覧できるようになる。