(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内容液が充填されたスクイズ容器(1)と、内容液の計量を行う計量筒部(12)の下端に前記スクイズ容器(1)の口筒部(2)に組み付く外筒部(11)が設けられた計量部本体(10)と、内容液を前記スクイズ容器(1)から前記計量筒部(12)に押し上げるパイプ(4)と、前記計量筒部(12)の上端開口(12a)を被冠する蓋体(50)とを有するスクイズ式計量容器であって、
前記計量部本体(10)の計量筒部(12)と外筒部(11)の連結部分に設けられるシール部(40)と、前記計量部本体(10)内に揺動自在に立設され、前記シール部(40)のシール状態を制御する棒状体(30)と、前記蓋体(50)の頂壁(52)に設けられて前記棒状体(30)の上端(31a)が案内されて挿入されるガイド斜面(54)を備えるガイド孔(53)と、を有し、
前記計量筒部(12)の上端開口(12a)を前記蓋体(50)で被冠するときに、前記棒状体(30)が傾斜姿勢に設定されるものであり、
前記計量筒部(12)と前記外筒部(11)の連結部分に設けられる第1凹部(21)と、該第1凹部(21)の下端で且つ前記外筒部(11)の内側に配置される第2凹部(22)と、前記第1凹部(21)と前記第2凹部(22)との連結部に配置される段差部(23)と、前記第2凹部(22)の下端に設けられてパイプ(4)の上端を保持する保持部(24)とを有して成る内筒凹部(20)が設けられ、前記棒状体(30)が前記内筒凹部(20)にて立設されていることを特徴とするスクイズ式計量容器。
棒状体(30)が、第2凹部(22)内に揺動自在に遊挿される棒下端部(32)及び計量筒部(12)側に延設される棒本体部(31)を備えると共に前記棒下端部(32)と前記棒本体部(31)との境界に外周設されたフランジ部(33)とを有する請求項1記載のスクイズ式計量容器。
シール部(40)が、内筒凹部(20)の段差部(23)と、棒状体(30)のフランジ部(33)と、前記段差部(23)と前記フランジ部(33)の間に配置されるシール材(41)とを有する請求項2記載のスクイズ式計量容器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載のスクイズ式計量容器では、計量中に計量する内容物の容量について、減じる方向に変更が生じたときには、キャップ本体100の注出管140の外周面と周壁130の内面とを摺動させて計量筒部200を下方に移動させる必要があるところ、計量中にこのような操作を行うと計量筒部200から内容物が零れてしまう虞があるという問題がある。また内容物の零れを防止するためには、一度蓋部300を閉じてから計量筒部200を下方に移動させる必要があり、計量時の作業が煩雑になるという問題もある。
また内容物を計量する容量について微調整することが難しいという問題もある。
さらには上記特許文献1に記載のスクイズ式計量容器では、内容物が計量筒部200に注出された状態で操作を止めると、内容物は計量筒部200に残留したままの状態が維持されてしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、計量中は計量筒部内の内容液を簡単な操作で容器内に戻すことを可能とし、計量後は計量筒部内に残留している内容液を自動的に容器内に戻すことを可能とするスクイズ式計量容器を創出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の主たる手段は、
内容液が充填されたスクイズ容器と、内容液の計量を行う計量筒部の下端にスクイズ容器の口筒部に組み付く外筒部が設けられた計量部本体と、内容液をスクイズ容器から計量筒部に押し上げるパイプと、計量筒部の上端開口を被冠する蓋体とを有するスクイズ式計量容器であって、
計量部本体の計量筒部と外筒部の連結部分に設けられるシール部と、計量部本体内に揺動自在に立設され、シール部のシール状態を制御する棒状体と、蓋体の頂壁に設けられて棒状体の上端が案内されて挿入されるガイド斜面を備えるガイド孔と、を有し、計量筒部の上端開口を蓋体で被冠するときに、棒状体が傾斜姿勢に設定される
ものであり、
計量筒部と外筒部の連結部分に設けられる第1凹部と、第1凹部の下端で且つ外筒部の内側に配置される第2凹部と、第1凹部と第2凹部との連結部に配置される段差部と、第2凹部の下端に設けられてパイプの上端を保持する保持部とを有して成る内筒凹部が設けられ、棒状体が内筒凹部にて立設されていることを特徴とする、と云うものである。
【0007】
本発明の主たる手段では、棒状体を傾倒させるだけでシール部を制御して計量筒部内の内容液の減少、及び負圧の解消を達成し得る。また蓋体を回して閉じる操作を行うことにより、計量筒部内に残留している内容液をスクイズ容器内に戻すと共に負圧の解消を達成し得る。さらには、閉蓋状態とすることにより、シール部をシール状態とすることを達成し得る。
【0009】
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、棒状体が、第2凹部内に揺動自在に遊挿される棒下端部及び計量筒部側に延設される棒本体部を備えると共に棒下端部と棒本体部との境界に外周設されたフランジ部とを有する、との手段を加えたものである。
【0010】
また本発明の他の手段は、上記手段に、シール部が、内筒凹部の段差部と、棒状体のフランジ部と、段差部とフランジ部の間に配置されるシール材とを有する、との手段を加えたものである。
【0011】
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、スクイズ容器の容器軸から側方に位置ずれした偏芯位置に、ガイド孔が設けられている、との手段を加えたものである。
【0012】
また本発明の他の手段は、上記主たる手段に、棒状体の上部に偏芯部が設けられている、との手段を加えたものであり、例えば、偏芯部が、棒状体の側面に突設された厚肉部で形成される手段、または偏芯部が、棒状体の側面に突設された薄板状の凸リブで形成される手段、あるいは棒状体にクランク部又は折り曲げ部を設けて偏芯部とした手段である。
【0013】
また本発明の他の手段は、上記主たる手段に、スクイズ容器の容器軸から側方に位置ずれした偏芯位置に、内筒凹部が設けられている、との手段を加えたものである。
【0014】
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に蓋体をネジキャップとした、との手段を加えたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、棒状体を傾倒させることにより、計量筒部内の内容液を自由に減少させることができるため、計量中に計量する内容物の容量について減じる方向に変更が生じたとしても、変更後の内容物の計量を簡単に行うことができる。
また蓋体を回して閉じる操作を行うことにより、計量筒部内に残留している内容液を自動的にスクイズ容器内に戻すことができる。
また蓋体を完全に閉じることにより、シール部におけるシールを確実に行うことができる。
さらに、棒状体の操作は、傾倒角度を調整したり、操作する時間又は回数を調整したりという簡単な操作であるため、計量時の微調整を容易とし、正確な計量を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の第1実施例としてのスクイズ式計量容器を示す部分拡大図であり、Aは蓋体の底面図、Bは計量部本体の正面側断面図、
図2は蓋体を被冠した状態を示すスクイズ式計量容器の正面側断面図、
図3はスクイズ状態を示すスクイズ式計量容器の側面側断面図、
図4はスクイズ解除状態を示すスクイズ式計量容器の側面側断面図、
図5は蓋体を被冠し、計量筒部内の内容液をスクイズ容器側に戻す状態を示すスクイズ式計量容器の正面側拡大断面図である。
【0018】
本発明のスクイズ式計量容器は、例えばスクイズ容器に充填されている洗浄剤や消毒剤などを計量して使用する容器として用いられるが、それらに限られるものではなく、その他の洗剤、洗口剤などを計量する場合に使用することも可能である。
【0019】
先ず、第1実施例に示すスクイズ式計量容器の構成について説明する。
図1乃至
図5に示すように、スクイズ式計量容器は、洗剤、洗口剤などの内容液が充填されるスクイズ容器(容器本体)1と、このスクイズ容器1の頭部の口筒部2に設けられる計量部本体10と、内容液をスクイズ容器1内から前記計量筒部12に押し上げるパイプ4と、ネジキャップ式の蓋体50とを有して構成されている。スクイズ容器1、計量部本体10、パイプ4及び蓋体50は全て合成樹脂材料により形成することができるが、これに限られるものではない。また以下の各実施例に示すスクイズ容器1は、側面側の胴部3が正面側の胴部3に比較して幅の狭い平断面長方形状(
図2~4参照)から成る容器であるが、このような形状に限られるものではない。
【0020】
計量部本体10は、スクイズ容器1の口筒部2に組み付けられる外筒部11及び内容液の計量を行う計量筒部12を有して構成されている。外筒部11の内周面には雌ネジ部11aが刻設され、スクイズ容器1の口筒部2の外周面には雄ネジ部2aが刻設されており、これら雄ネジ部2aと雌ネジ部11aとが螺合することにより、スクイズ容器1の口筒部2に計量部本体10の外筒部11を装着することが可能とされている。
【0021】
また計量筒部12の内面には計量用の複数の目盛り線12bが刻設されており、計量筒部12に注出された内容液の液面をいずれかの目盛り線12bに合わせることにより、所定の容量を計量することが可能となっている。
【0022】
計量筒部12の底部には内筒凹部20が設けられている。内筒凹部20は、外筒部11と計量筒部12との連結部分で且つ計量筒部12の底部と外筒部11の上面11Aとの間に形成された第1凹部21と、この第1凹部21の下端に連設されると共に外筒部11の内側に配置される円筒状の第2凹部22と、第1凹部21と第2凹部22との間に、外筒部11の上面11Aから構成されて成る段差部23と、第2凹部22の下端の位置に連結されるパイプ4の上端を保持する保持部24と、を有して構成されている。
【0023】
計量筒部12の内部には長尺形状からなる棒状体30が設けられている。棒状体30は、棒本体部31と、この棒本体部31の下端に設けられた棒下端部32と、棒本体部31と棒下端部32との境界部分にリング状に突設されたフランジ部33とが設けられている。
【0024】
内筒凹部20の段差部23の上には、例えばゴム製又はシリコーン製の弾性部材で形成され、円環状又はOリング状に形成されて成るシール材41が載置されている。そして、棒状体30は、棒下端部32がシール材41の孔内に挿通されると共に第2凹部22内に遊挿され、且つ棒本体部31が計量筒部12内に配置された状態で揺動自在に立設されている。棒下端部32の外周面とシール材41の内縁との間には隙間S1(
図5参照)が形成されており、この隙間S1を介して第1凹部21と第2凹部22とが連通可能とされている。また複数の抜け止めリブ34は下端から上端にかけて断面拡径状に形成されており、各抜け止めリブ34の上端がシール材41の内縁に係止可能とされることにより、棒下端部32がシール材41から抜け出ることが防止されている。
【0025】
シール材41は段差部23とフランジ部33の下面との間に挟み込まれており、後述するように棒状体30が下方に押圧された状態では、第1凹部21と第2凹部22との間がシールされ、計量筒部12とスクイズ容器1との間をシール状態に設定される。このように、段差部23、フランジ部33及びシール材41は、計量筒部12とスクイズ容器1との間をシール状態に設定するシール部40として機能している。
そして、棒状体30を傾倒させると、フランジ部33も傾斜してフランジ部33の下面とシール材41との間に隙間S2(
図5参照)が部分的に形成されるため、第1凹部21と第2凹部22との間が連通し、シール部40のシール状態を解除することができる。また
図3に示すように、棒状体30の姿勢は傾倒しなくとも、棒状体30自体が上方に移動すると、フランジ部33も上方に離間し、シール材41の弾圧が解除されるため、これによっても第1凹部21と第2凹部22との間が隙間S1を介して連通し、シール部40のシール状態を解除することが可能となっている。このように棒状体30を制御することにより、シール部40をシール状態に設定し、又はシール状態を解除することが可能となっている。
【0026】
計量筒部12の外周面の上端には雄ネジ部12Aが刻設され、蓋体50の側壁51の内周面には雌ネジ部51Aが刻設されている。これら雄ネジ部12Aと雌ネジ部51Aとが螺合することにより、蓋体50で計量筒部12の上端開口12aを被冠することが可能とされている。
図1に示すように、蓋体50の頂壁52の下面にはガイド孔53が形成されている。第1実施例に示すガイド孔53は、その軸O
Gがスクイズ容器1の容器軸Oから側方に位置ずれした偏芯位置(
図1では左方の位置)に設けられている。このガイド孔53の下端にはすり鉢状(拡径状ともいう。)から成るガイド斜面54が連設されている。
【0027】
棒状体30の棒本体部31の上端31aは、計量筒部12の上端開口12aの近傍の位置まで延設されている。このため、
図2に示すように蓋体50を計量筒部12の上端開口12aに螺合させて完全に閉じる(閉蓋状態)と、ガイド孔53内において頂壁52の下面が棒状体30の上端31aに当接し、棒状体30を下方に押圧する。この閉蓋状態では、シール材41がフランジ部33によって強固に弾圧させられるため、シール部40を確実にシール状態とすることが可能となっている。
また閉蓋状態では、棒状体30の上端31aがガイド孔53で係止され、棒状体30がこれ以上傾くことが防止されるため、シール部40におけるシール状態を維持することが可能となっている。
【0028】
次に、上記スクイズ式計量容器の使用方法について説明する。
(計量時の使用方法)
スクイズ式計量容器を用いて計量を行うには、蓋体50を外して開蓋状態に設定し、蓋体50のガイド孔53による棒状体30の係止を解放する(
図1B参照)。
【0029】
続いて
図3に示すように、スクイズ容器1の胴部3をスクイズ(圧搾)し、スクイズ容器1内の内容液をパイプ4及び保持部24を通じて第2凹部22内に押し出す。第2凹部22内が内容液で満たされると、内容液はさらに棒状体30を押し上げて上方へ移動させるため、フランジ部33も上方に押し上げられる。すると、棒下端部32とシール材41の内縁との間の隙間S1を介して第1凹部21と第2凹部22との間が連通してシール部40のシール状態が解除され、内容液を計量筒部12内に注出させることができる。
【0030】
スクイズ操作による内容液の計量筒部12内への注出は、計量筒部12内の内容液の液面が所望の目盛り線12bの高さ以上となるまで行い、目盛り線12bを越えたことを確認してから胴部3に対するスクイズ操作を停止すると良い。
【0031】
手を離してスクイズ操作を停止させた直後は、スクイズ操作によってスクイズ容器1の胴部3が陥没変形した状態にあり、スクイズ容器1内は負圧状態にある。このため、棒状体30がスクイズ容器1内に吸い込まれ、フランジ部33が再びシール材41を弾圧してシール部40をシール状態にする。よって、この状態では計量筒部12内に注出された内容液がスクイズ容器1内に逆流して戻されることがない。すなわち、スクイズ操作後に胴部3から手を離すことにより、注出された内容液を計量筒部12内で保持することができる。
【0032】
またスクイズ操作を停止させた状態において、指等で棒状体30の上端31aを押して棒状体30を傾倒させると、フランジ部33の下面とシール材41との間に隙間S2(
図5参照)が形成され、第1凹部21と第2凹部22との間を連通させることができる(シール状態の解除)。これにより、内容液を計量筒部12から隙間S1及び隙間S2を介してスクイズ容器1内に戻すことが可能となるため、計量筒部12内に溜まっている内容液を減少させることができる。
【0033】
そして、この時、棒状体30の傾斜角度を調整し、あるいは棒状体30を傾ける時間又は回数を調整し、内容液が減る容量を微調整することにより、内容液の液面を所望の目盛り線12bに正確に位置合わせすること、すなわち内容液を高精度に計量することができる。そして、計量後に棒状体30を直立姿勢に戻すと共にスクイズ式計量容器自体を傾け、計量筒部12の上端開口12aから他の容器等に移すことにより、正確に計量された内容液を得ることができる。
【0034】
さらに計量中に計量する内容物の容量について減じる方向に変更が生じたとしても、上記同様棒状体30の傾斜角度を自由に調整し、あるいは棒状体30を傾ける時間又は回数を自由に調整することにより、簡単に変更後の容量に合わせることができる。
【0035】
(残留内容液をスクイズ容器に戻す方法)
図5に示すように、蓋体50で計量筒部12の上端開口12aを被冠すると、棒状体30の上端31aがガイド斜面54に当接する。そして、蓋体50の雌ネジ51Aを計量筒部12の雄ネジ12Aに螺合させ、蓋体50を回して徐々に閉めて行くと、蓋体50を徐々に下方にネジ送りさせることができる。ガイド孔53は偏芯した位置に形成されており、上端31aはガイド斜面54に案内されてガイド孔53に向かって摺動するため、棒状体30を傾斜姿勢とすることができ、この傾斜姿勢の状態で上端31aがガイド孔53内に挿入されて係止されることになる。棒状体30の傾斜角度は、上端31aがガイド孔53内に入り込む際に最大となるが、棒状体30は下方に押圧される直前の状態にある。このため、シール部40を構成するフランジ部33とシール材41との間に隙間S2が形成され、スクイズ容器1と計量筒部12との間が隙間S1及び隙間S2を介して連通し(シール状態の解除)、スクイズ容器1内に外部の空気が導入されるので、スクイズ容器1内の負圧状態を解消することができる。
【0036】
この際、計量筒部12内に内容液が残留している場合には、内容液がスクイズ容器1内に吸い込まれるため、残留している内容液をスクイズ容器1内に戻すことができる。
【0037】
この機能は、蓋体50による被冠後、棒状体30の上端31aが蓋体50の頂壁52の下面に当接することでフランジ部33がシール材41を弾圧することによるシール状態が開始されるまで続くことになる。すなわち、負圧の解消は、蓋体50の雌ネジ51Aを計量筒部12の雄ネジ12Aに螺合させ、蓋体50を回して完全に閉蓋状態に至るまで、つまりは上端31aが頂壁52の下面に当接し、棒状体30が下方に押圧されてシール部40がシール状態に至るまで、ある程度の時間を要するため、この間に計量筒部12内に残留している内容液をスクイズ容器1内に完全に戻すことができる。またスクイズ容器1内の負圧状態を完全に解消し、スクイズ操作によって陥没状態にあったスクイズ容器1の胴部3を元の状態に復元することができる。すなわち、蓋体50を回して閉めるという操作を行うだけで、自動的に、残留している内容液をスクイズ容器1内に戻し且つ胴部3の形状をスクイズ前の元の形状に復元することが可能となる。
【0038】
次に、本発明の第2実施例について説明する。
図6は本発明の第2実施例として、蓋体を被冠した直後の状態を示すスクイズ式計量容器の正面側断面図、
図7は本発明の第2実施例として、蓋体を完全に閉めた閉蓋状態を示すスクイズ式計量容器の正面側断面図、
図8は棒状体の偏芯部の実施例の上面図、断面図及び底面図を示し、Aは偏芯部として厚肉部を備えた第1実施例、Bは偏芯部として薄板状の凸リブを備えた第2実施例、Cは偏芯部としてクランク部を備えた第3実施例、Dは偏芯部として折り曲げ部を備えた第4実施例である。
【0039】
第2実施例を示すスクイズ式計量容器が上記第1実施例と異なる主な点は、棒状体30と蓋体50の構成にあり、その他の構成及び効果は上記第1実施例と同様である。
【0040】
すなわち、
図6乃至
図8に第2実施例として示すスクイズ式計量容器では、棒状体30の上部側面に、棒状体30の軸O
Lから外れて側方に突出する偏芯部35が設けられている。また棒状体30の上端31aが挿入されるガイド孔53は蓋体50の中心に設けられており、これはスクイズ容器1の容器軸Oと一致する位置とされている。
【0041】
例えば、
図6、
図7及び
図8Aは偏芯部35の第1実施例であり、棒状体30の側面に突設された厚肉部36を偏芯部35としたものである。また
図8Bは偏芯部35の第2実施例として棒状体30の側面に突設された薄板状の凸リブ37を偏芯部35としたものであり、
図8Cは偏芯部35の第3実施例として棒状体30にクランク部38を設けて偏芯部35としたものであり、
図8Dは偏芯部35の第4実施例として棒状体30に折り曲げ部39を設けて偏芯部35としたものである。
【0042】
第2実施例として示すスクイズ式計量容器の構成は、特に負圧の解消方法において第1実施例との違いが見られる。すなわち、
図6に示すように、蓋体50を計量筒部12の上端開口12aに被冠すると、棒状体30の偏芯部35の上端部35aがガイド斜面54に当接する。そして、蓋体50を回して徐々に閉めて行くと、上端部35aがガイド斜面54に案内されてガイド孔53に向かって摺動するため、第1実施例同様に棒状体30が傾斜姿勢となり、この傾斜姿勢の状態でガイド孔53内に挿入されて係止させることが可能となる。
よって、上記第1実施例同様に蓋体50を回して完全に閉蓋状態にする操作を行うことにより、自動的に、計量筒部12内の内容液をスクイズ容器1内に完全に戻すことができると共に、スクイズ容器1内の負圧状態を解消し、スクイズ操作によって陥没状態にあったスクイズ容器1の胴部3を元の状態に復元することができる。
【0043】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
図9は本発明の第3実施例として、蓋体を外した状態を示すスクイズ式計量容器の正面側断面図、
図10は本発明の第3実施例として、蓋体を完全に閉めた閉蓋状態を示すスクイズ式計量容器の正面側断面図である。
【0044】
第3実施例を示すスクイズ式計量容器が上記第1実施例と異なる主な点は、棒状体30、蓋体50及び内筒凹部20の構成にあり、その他の構成及び効果は上記第1実施例と同様である。
すなわち、
図9に示すように、棒状体30は偏心部35が設けられていない点において、蓋体50は第2実施例同様にガイド孔53が蓋体50の中心に、スクイズ容器1の容器軸Oと一致する状態で設けられている点において上記第1実施例と相違する。これに加えて、内筒凹部20が、計量筒部12の底部に、容器軸Oから側方(
図9、
図10では右方)に位置ずれした偏芯位置(内筒凹部20の軸をO
20とする。)に形成されている点、すなわち内筒凹部20を構成する第1凹部21、第2凹部22、段差部23及び保持部24の全てが、容器軸Oから側方に位置ずれした偏芯位置に設けられた内筒凹部20の軸O
20に沿って形成されている点において上記第1実施例と相違する。
【0045】
この構成では、棒状体30の棒下端部32を第2凹部22に挿入すると、第1及び第2実施例同様に棒状体30も容器軸Oから側方に位置ずれした位置に立設することができる。
よって、蓋体50を計量筒部12の上端開口12aに被冠すると、棒状体30の上端31aがガイド斜面54に当接するが、さらに蓋体50を回して徐々に閉めて行くと、上端31aがガイド斜面54に案内されてガイド孔53内に挿入されるため、第1及び第2実施例同様に棒状体30を傾斜姿勢とすることが可能となっている。
よって、上記第1実施例同様に蓋体50を回して完全に閉蓋状態にする操作を行うことにより、自動的に、計量筒部12内の内容液をスクイズ容器1内に完全に戻すことができると共に、スクイズ容器1内の負圧状態を解消し、スクイズ操作によって陥没状態にあったスクイズ容器1の胴部3を元の状態に復元することができる。
【0046】
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
【0047】
上記各実施例では、蓋体50を被冠する際に棒状体30を傾斜姿勢にする手段として、第1実施例では蓋体50のガイド孔53を偏心位置に形成することにより、第2実施例では棒状体30に偏芯部35を形成することにより、第3実施例では計量筒部12の底部に設けられる内筒凹部20を偏芯位置に形成することを示して説明したが、これらの本実施例に限定されるものではない。