特許第6579602号(P6579602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6579602エアドライヤ装置用キャッチタンク及びフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579602
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】エアドライヤ装置用キャッチタンク及びフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/00 20060101AFI20190912BHJP
   B60R 19/56 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   B60T17/00 B
   B60R19/56
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-58119(P2015-58119)
(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公開番号】特開2016-175568(P2016-175568A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2018年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134212
【弁理士】
【氏名又は名称】提中 清彦
(72)【発明者】
【氏名】宮川 和郎
【審査官】 谷口 耕之助
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−117592(JP,A)
【文献】 特開2013−031798(JP,A)
【文献】 米国特許第06945576(US,B1)
【文献】 米国特許第05860685(US,A)
【文献】 実開昭55−075550(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 17/00
B60R 19/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮したエアをエアタンクに貯留して利用するエアシステムにおけるエアドライヤ装置のパージ処理の際に排出されるパージエアから少なくとも水分を分離して貯留するエアドライヤ装置用キャッチタンク及び車両に備えられるフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体であって、
前記フロントアンダーランプロテクタデバイスの内部空間に前記エアドライヤ装置用キャッチタンクが存在すると共に、
当該エアドライヤ装置用キャッチタンクの内部空間が、車幅方向において仕切り板により連通可能に仕切られることを特徴とするエアドライヤ装置用キャッチタンク及びフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体
【請求項2】
圧縮したエアをエアタンクに貯留して利用するエアシステムにおけるエアドライヤ装置のパージ処理の際に排出されるパージエアから少なくとも水分を分離して貯留するエアドライヤ装置用キャッチタンク及び車両に備えられるフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体であって、
前記フロントアンダーランプロテクタデバイスの内部空間に前記エアドライヤ装置用キャッチタンクが存在すると共に、
当該エアドライヤ装置用キャッチタンクの内部空間が、上下方向において仕切り板により連通可能に仕切られることを特徴とするエアドライヤ装置用キャッチタンク及びフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体
【請求項3】
当該エアドライヤ装置用キャッチタンクの内部空間に、金属濾網が配設されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエアドライヤ装置用キャッチタンク及びフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等においてサービスブレーキ、エアサスなど利用されるサービスエアから水分等を除去するためのエアドライヤ装置に関する。特に、パージ処理の際にパージエアから水分や油分等を分離して貯留するキャッチタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トラック、バスなどの大型車両においては、エアコンプレッサにより所定圧力(例えば、10kgf/cm程度)に圧縮した空気をエアタンクに貯留しておき、この圧縮空気(サービスエア)を作動動力源の一部として利用するといったサービスブレーキシステムや、コイルスプリングや板バネの代わりに圧縮空気を利用したエアサスペンションシステムなどが採用されている。
【0003】
ここで、エアコンプレッサにより圧縮された空気は、通常圧力の大気圧状態に比べて含有する水蒸気の凝結により水を発生しやすい状態にある。
また、エンジンにより回転駆動されるクランク機構やピストンを含んで構成されるエアコンプレッサを潤滑するための潤滑油が圧縮空気中に混在するといった場合も想定される。
【0004】
このため、エアコンプレッサにより圧縮した空気をそのままエアタンクに貯留しておいて、その貯留されている圧縮空気を、サービスブレーキシステム等の各種エアシステムに供給してしまうと、圧縮空気が触れる部分に腐食や汚損などを発生させ、延いては各種エアシステムに機能障害などを生じさせるおそれがあるなど、システムの信頼性等に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0005】
このようなことから、エアコンプレッサにより圧縮した空気を、エアタンクに貯留する前に、エアドライヤ装置によって乾燥させ油分を除去して浄化することなどが行われている。
【0006】
かかるエアドライヤ装置の一例として、例えば特許文献1に記載されているようなものがあり、このものは、図12に示すように、エアコンプレッサ20が空気を圧縮する負荷状態の時(ロード時)には、この圧縮された空気をインレットポート11からエアドライヤ装置10内へ取り入れ、取り入れた圧縮空気をフィルタ室12のフィルタ13へ導き通過させ、油分や塵埃等を捕集した後、乾燥室14に導くようになっている。
そして、乾燥室14では、当該乾燥室14に収容されている乾燥剤15によって圧縮空気に含まれている水分を吸着除去し、その後、圧縮空気はパージ室16を経てアウトレット17を介してエアタンク30へ導かれるようになっている。
【0007】
この一方、エアタンク30内の圧力が所定圧力(例えば、10kgf/cm程度)に到達すると、プレッシャーレギュレータ40が動作し、エアコンプレッサ20は空気を圧縮しない無負荷状態(アンロード状態)とされるが、この状態において、パージバルブ18を開弁し、パージ室16内の圧縮空気を、乾燥室14及びフィルタ室12を通過させつつ外部へ排出する所謂パージ処理を行うようになっている。
【0008】
なお、かかるパージ処理により、乾燥室14内の水分(乾燥剤に吸着された水分や底部に溜まった水分など)と、フィルタ室12内の油分や塵挨(フィルタ13に捕集された油分や塵挨等、及び底部に溜まった油分や塵挨など)が外部へ排出され、乾燥剤15やフィルタ13の再生がなされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平5−26136号公報
【特許文献2】実開平07−010514号公報
【特許文献3】実開平2−61189号公報
【特許文献4】実開昭61−25924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、所定圧力のパージエアを用いて乾燥剤15やフィルタ13を再生するパージ処理を行うと、エアドライヤ装置10内に蓄積されていた水分や油分等がドレン19からパージエアと伴に空気中や地面に向けて噴出されるため、付近の壁や地面を汚損するなどといったおそれがあり、不用意にこのような油分を含んだ水分を外部へ排出しないようにすることが望まれる。
【0011】
このようなことから、特許文献2に記載されている圧縮空気乾燥装置(エアドライヤ装置)では、パージエアの通路に、所謂キャッチタンク(容器)を介装し、ここでパージエアから水分や油分を分離させて捕集するようにした技術が記載されている。
【0012】
しかしながら、パージ処理において所望のパージ性能を発揮させ良好に乾燥剤やフィルタを再生させるためには単位時間当たりに所定量のパージエア(例えば、4L/秒)を乾燥剤やフィルタに流す必要があるため、キャッチタンクの通気抵抗を小さくする必要があり、このようなことから比較的小さい通気抵抗となるように設計された特許文献2に記載のエアドライヤ装置では、パージ処理の際には、ドレンタンク内に流入するパージエアの圧力は比較的高く維持され、この高い圧力のまま外部へ排出されることになるので、十分にパージエア中の水分や油分などを捕集できないおそれがあると共に、ドレンタンク内にパージエア中の水分や油分などを捕集して一旦貯留できたとしても、これらを、次回パージ処理の際に、パージエアが再び巻き込み外部へ排出してしまうおそれがある。
【0013】
このようなことから、特許文献3に記載されている圧縮空気乾燥装置(エアドライヤ装置)では、水分や油分を含むパージエアを内燃機関の吸気通路(吸気マニホールド)に導き、吸気と共に燃焼室に導き水分や油分を蒸発や燃焼させるといった構成を採用している。
【0014】
しかし、水分や油分を含むパージエアを吸気通路に導く場合、燃焼室、吸気通路、吸気弁などに対して水分が悪影響を与えるおそれがある。なお、油分は燃焼室にて燃焼されて排出されるため、パティキュレートの排出量が増大するおそれがあると共に、排気通路に介装される触媒やパティキュレートフィルタなどに悪影響を与えるおそれがある。
【0015】
特許文献4に記載されている圧縮空気乾燥装置(エアドライヤ装置)では、水分や油分を含むパージエアを内燃機関の排気通路(消音器上流)に導き、排気熱により、パージエア中の水分や油分を蒸発させるといった構成を採用している。
【0016】
しかし、近年では、内燃機関から排出される排気有害物質(NOx、CO、HCなど)及びパティキュレートの排出量の制限から、排気通路に触媒やパティキュレートフィルタが介装されており、排気中に油分が含まれると、そもそもパティキュレートの排出量を増大させてしまうそれがあると共に、排気通路に介装される触媒やパティキュレートフィルタなどに悪影響を与えるおそれがある。
【0017】
なお、キャッチタンクを設置する場合には、車両上に設置スペースを必要とするため、車両レイアウトの自由度、架装の自由度が制限されるといった問題もある。
【0018】
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、簡単かつ低コストな構成でありながら、車両への搭載レイアウトを制限するおそれが少なく、所望のパージ性能を維持することができ、パージエアから水分や油分等を効果的に除去することができるエアドライヤ装置用キャッチタンク及びフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
このため、本発明は、
圧縮したエアをエアタンクに貯留して利用するエアシステムにおけるエアドライヤ装置のパージ処理の際に排出されるパージエアから少なくとも水分を分離して貯留するエアドライヤ装置用キャッチタンク及び車両に備えられるフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体であって、
前記フロントアンダーランプロテクタデバイスの内部空間に前記エアドライヤ装置用キャッチタンクが存在すると共に、
当該エアドライヤ装置用キャッチタンクの内部空間が、車幅方向において仕切り板により連通可能に仕切られることを特徴とする。
【0020】
また、本発明
圧縮したエアをエアタンクに貯留して利用するエアシステムにおけるエアドライヤ装置のパージ処理の際に排出されるパージエアから少なくとも水分を分離して貯留するエアドライヤ装置用キャッチタンク及び車両に備えられるフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体であって、
当該エアドライヤ装置用キャッチタンクの内部空間が、上下方向において仕切り板により連通可能に仕切られることを特徴とする
【0022】
本発明において、フロントアンダーランプロテクタデバイスの内部空間に、金属濾網が配設されることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡単かつ低コストな構成でありながら、車両への搭載レイアウトを制限するおそれが少なく、所望のパージ性能を維持することができ、パージエアから水分や油分等を効果的に除去することができるエアドライヤ装置用キャッチタンク及びフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】(A)は本発明の実施形態に係るエアドライヤ装置用キャッチタンクを備えた車両前方(キャビン付近)を概略的に示す全体構成図であり、(B)はエアドライヤ装置用キャッチタンクを抜き出して拡大して示す正面図(車両前方から見た図)及びその左右側面図である。
図2】同上実施形態に係るエアドライヤ装置用キャッチタンク(フロントアンダーランプロテクタデバイス)を抜き出して拡大して示す斜視図である。
図3】同上実施形態に係るエアドライヤ装置用キャッチタンク(フロントアンダーランプロテクタデバイス)の内部空間に仕切り板を配設した一構成例を示す正面図(車両前方から見た図)及びその左右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係るエアドライヤ装置用キャッチタンク及びフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体の一実施の形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施形態により、本発明が限定されるものではない。
【0026】
本実施の形態に係るエアドライヤ装置用キャッチタンク100は、図1(A)に示すように、エアドライヤ装置10のドレン(排気ポート)からパージ処理の際に排出されるパージエア(水分や油分・塵埃等を含む。例えば、圧力10kgf/cm程度で、単位時間流量約4L/秒)を、インレットパイプ120を介してインレット110より全量を内部に導入するように構成されている。
【0027】
なお、エアドライヤ装置10の構成については、上述した従来と同様とすることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
【0028】
なお、図1(B)は、図1(A)に示したエアドライヤ装置用キャッチタンク100を抜き出して拡大して示した正面図(車両前方から見た図)である。
【0029】
ここで、大型車両においては、法規上、フロントアンダーランプロテクタデバイス(FUPD)101は、万一、乗用車などの高さの低いものと衝突した場合、乗用車などが車体の下に潜り込むのを抑制するためのもので、図2に示すように、例えば、No.1クロスメンバーの下側(路面側)に装着することが義務付けられている。
【0030】
フロントアンダーランプロテクタデバイス(FUPD)101は車両に搭載が義務付けられている部品であるが、鋼板等を溶接等により接合して形成されていて、内側に空間を有する中空断面部材であるため、この内部空間をキャッチタンク(気油分離室、オイル溜め室)として利用することができれば、車両の搭載レイアウトの自由度を制限することがなく、所望のパージ性能を維持するために十分な容積を有しており、この大きな容積のためにパージエアの流速を低下させることができるため、パージエアから水分や油分等を効果的に除去することができる。更に、分離した水分や油分等を貯留しておくには十分な容積であり、かつ、パージエアの流速を低下できるため、パージの際に、前回のパージにより捕集し貯留していた水分や油分等を今回のパージエアに再び巻き込んで外部へ放出してしまうなどのおそれも少ない。
【0031】
このため、本実施の形態では、フロントアンダーランプロテクタデバイス(FUPD)101を、エアドライヤ装置用キャッチタンク100として利用(機能)させることとした。
【0032】
本実施の形態では、図1(B)に示すように、エアドライヤ装置用キャッチタンク100は、車幅方向に延在されるフロントアンダーランプロテクタデバイス101の一端付近に、インレットパイプ120に接続されるインレット110が設けられ、このインレット110から、内部空間102に、エアドライヤ装置10のドレン(排気ポート)からパージ処理の際に排出されるパージエア(水分や油分・塵埃等を含む)が導入されるようになっている。
【0033】
また、フロントアンダーランプロテクタデバイス101の車幅方向の他端付近には、アウトレット130が設けられていて、該アウトレット130から直接外部或いはアウトレットパイプ等を介して外部へ、パージエアが排出されるようになっている。
【0034】
インレット110から、内部空間102に、エアドライヤ装置10のドレン(排気ポート)から排出されるパージエア(水分や油分・塵埃等を含む)が導入されると、内部空間102はその容積が大きいため、ここに導入されたパージエアの流速が急速に低下するため、比較的重量のある水分や油分がエアから効果的に分離(捕集)されて、エアのみがアウトレット130から外部へ排出されることになる。
【0035】
パージエアから分離された水分や油分等は、内部空間102の底部に貯留されるため、例えば、ある一定量が貯留されたら、適切な場所にてドレンコック140を開いて、適切な処置などを準備したうえで(例えば、水分や油分などの受け皿を準備したうえで)、外部に排出する。
【0036】
このため、本実施の形態によれば、従来のように、予測できないタイミングで不定期に行われるパージ処理の際に、パージエアに含まれている水分や油分等がパージエアと伴に空気中や地面に向けて噴出され、付近の壁や地面を汚損するなどといったおそれを回避することができ、不用意にこのような油分を含んだ水分を外部へ排出することを回避することができる。
【0037】
また、本実施の形態では、車両に既設されているフロントアンダーランプロテクタデバイス101の内部空間102を、エアドライヤ装置用キャッチタンク100のキャッチタンク用空間として利用するので、車両の搭載レイアウトの自由度を制限することがない。
【0038】
また、フロントアンダーランプロテクタデバイス101の内部空間102は、所望のパージ性能を維持するために十分な容積を有しており、この大きな容積のためにパージエアの流速を低下させることができるため、パージエアから水分や油分等を効果的に除去することができる。
【0039】
更に、フロントアンダーランプロテクタデバイス101の内部空間102は、分離した水分や油分等を貯留しておくには十分な容積であり、かつ、パージエアの流速を低下できるため、パージの際に、前回のパージにより捕集し貯留していた水分や油分等を今回のパージエアに再び巻き込んで外部へ放出してしまうなどのおそれも少ない。
【0040】
また、本実施の形態では、フロントアンダーランプロテクタデバイス101の内部空間102をエアドライヤ装置用キャッチタンク100として利用する(機能させる)ようにしたので、エアドライヤ装置専用のキャッチタンクを備えなくて良いため、コストや質量などの面においても有利である。
【0041】
すなわち、フロントアンダーランプロテクタデバイス101の内部空間102をエアドライヤ装置用キャッチタンク100として利用する(機能させる)ようにした本実施の形態によれば、簡単かつ低コストな構成でありながら、車両への搭載レイアウトを制限するおそれが少なく、所望のパージ性能を維持することができ、パージエアから水分や油分等を効果的に除去することができるエアドライヤ装置用キャッチタンク及びフロントアンダーランプロテクタデバイスからなる構造体を提供することができる。
【0042】
なお、図3に示すように、フロントアンダーランプロテクタデバイス101の内部空間102を連通可能に仕切る仕切り板150を設け、該仕切り板150にパージエアを衝突させることで、パージエアに含まれている水分や油分等をパージエアから効果的に分離することができるようにした構成を採用することもできる。
【0043】
仕切り板150の構成例としては、樹脂や金属等のメッシュ、多孔質材、樹脂や金属等のパンチング部材(打ち抜き開口を有する部材)などの連通可能な仕切り板を利用することができる。
【0044】
また、仕切り板150の位置は、図3に示した例に限定されるものではなく、適宜変更することができると共に、図3では車幅方向(左右方向)において空間102を仕切る場合を示しているが、図3において上下方向において空間102を仕切るような配置を採用することができる。
【0045】
また、フロントアンダーランプロテクタデバイス101の内部空間102内に、パージエアに含まれている水分や油分等をパージエアから効果的に分離することができるように、金属濾網(例えば、金属たわしのように、多数の線状や帯状の金属を所定形状にまとめたもの)などを配設することもできる。
【0046】
なお、フロントアンダーランプロテクタデバイス101の内部空間102の全部をエアドライヤ装置用キャッチタンク100のキャッチタンク用空間として利用する場合に限定されるものではなく、フロントアンダーランプロテクタデバイス101の内部空間102の一部のみをエアドライヤ装置用キャッチタンク100のキャッチタンク用空間として利用するように仕切り板などで仕切った構成とすることも可能である。
【0047】
以上で説明した実施形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
【符号の説明】
【0048】
10 エアドライヤ装置
100 エアドライヤ装置用キャッチタンク
101 フロントアンダーランプロテクタデバイス(FUPD)
102 内部空間
110 インレット(導入口)
120 インレットパイプ(パージエア導入通路)
130 アウトレット(排出口)
140 ドレンコック
150 仕切り板
図1
図2
図3