(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
火災受信機からの伝送線に試験機能付き火災感知器が複数接続され、前記火災受信機は、伝送線を介して各火災感知器に試験結果返送命令を送信し、前記各火災感知器は、該試験結果返送命令への応答として、前記伝送線を介して前記火災受信機に試験結果信号を送信する火災報知設備において、
前記火災感知器は、
各火災感知器で固有に設定される自己のアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、
前記火災受信機からの試験結果返送命令、又は他の火災感知器からの試験結果信号を伝送線を介して受信する受信手段と、
火災検出部の試験を実行する試験実行手段と、
を備え、
前記試験実行手段は、
自己のアドレスよりも1つ前のアドレスを所有する火災感知器から送信される試験結果信号を前記受信手段が受信すると、又は、自己のアドレスよりも1つ前のアドレスを所有する火災感知器宛てに送信される試験結果返送命令を前記受信手段が受信すると、自己の火災検出部の試験を実行し、
自己のアドレスよりも2つ前のアドレスを所有する火災感知器から送信される試験結果信号を前記受信手段が受信してから、第1の所定時間を経過しても自己のアドレスよりも1つ前のアドレスを所有する火災感知器から送信される試験結果信号を前記受信手段が受信しないと、自己の火災検出部の試験を実行する、
又は、自己のアドレスよりも1つ前のアドレスを所有する火災感知器宛てに送信される試験結果返送命令を前記受信手段が受信してから、第3の所定時間を経過しても、自己のアドレスよりも1つ前のアドレスを所有する火災感知器から送信される試験結果信号を前記受信手段が受信しないと、自己の火災検出部の試験を実行する
ことを特徴とする火災報知設備。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の火災報知設備及び火災感知器の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る火災報知設備の概略構成を示すブロック図、
図2は
図1の火災受信機の概略構成を示すブロック図、
図3は
図1の火災感知器の概略構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係る火災報知設備は、
図1に示すように、火災受信機10と、火災受信機10からの伝送線L1、L2にそれぞれ接続された複数の火災感知器20(試験機能付き火災感知器の一例)とで構成されている。例えば、伝送線L1には、グループ1として1回線に接続が可能な255個の火災感知器20が接続され、伝送線L2には、グループ2として150個の火災感知器20が接続されている。なお、グループ数、グループ毎の火災感知器20の個数は一例であって限定されるものではない。
【0010】
火災受信機10は、
図2に示すように、制御部11と、グループ毎に設けられた復旧スイッチ、警報音停止スイッチ等、図示しない各種のスイッチ、及び表示装置を構成するLCDを備えた表示操作部12と、記憶部13と、伝送線L1、L2を介してそれぞれ複数の火災感知器20が接続された送受信部14とを備えている。
【0011】
制御部11は、グループ毎(伝送線L1、L2毎)に各火災感知器20に対して、例えば各火災感知器20の動作状態を確認するための状態収集命令を一定周期で交互に繰り返し送信する。制御部11は、状態収集命令の送信により、各火災感知器20から伝送線L1、L2を介して状態応答信号が受信されたときには、状態応答信号に基づいて状態変化(故障等)のある火災感知器20を特定する。また、制御部11は、状態変化のある火災感知器20を特定した場合には、特定した火災感知器20のグループ番号、アドレス、設置場所、状態変化の情報等を関連付けて記憶部13に格納し、かつ、それらを表示操作部12のLCDに表示して報知する。さらに、制御部11は、状態応答信号が受信されなかったときには、異常(無応答)と判定して、状態応答信号がなかった火災感知器20のグループ番号、アドレス、設置場所等を関連付けて記憶部13に格納し、かつ、それらを表示操作部12のLCDに表示して報知する。
【0012】
ここで、火災受信機10は、記憶部13として、各伝送線L1、L2に接続された火災感知器20のアドレスを記憶するアドレス記憶部を有する。そして、火災受信機10は、アドレス記憶部を参照して、状態収集命令として、各伝送線L1、L2毎に、火災感知器20のアドレスを指定して送信し、当該アドレスを指定された単一又は複数の火災感知器20だけに応答させて状態応答信号を送信させる。そして、このような状態収集命令を全ての火災感知器20に対して循環的に送信することにより、火災受信機10は、伝送線L1、L2に接続された全ての火災感知器20から状態応答信号を受信することができる構成となっている。
また、火災受信機10は、記憶部13として、各伝送線L1、L2に接続された火災感知器20の試験の順番を記憶する試験順番記憶部を有する。試験順番記憶部には、各伝送線L1、L2毎に、各火災感知器20のアドレスに対応して、試験の順番が記憶される。本実施の形態では、アドレス「001」、「002」、…「255」の火災感知器20の試験の順番が、「001」番、「002」番、…、「255」番となっており、つまり、各伝送線L1、L2毎に、各火災感知器20のアドレスが、そのまま試験の順番として記憶されている。
そして、火災受信機10は、この試験順番記憶部を利用して、全ての火災感知器20が状態応答信号を送信する1サイクル分の周期よりも長い周期、例えば1週間毎に、定期的に、各火災感知器20に対して、試験結果返送命令を送信し、その応答として試験結果信号を受信する構成となっている。
【0013】
例えば、伝送線L1を例に説明すると、火災受信機10は、試験順番記憶部を参照して、まず一番目の火災感知器20のアドレス「001」を指定して試験結果返送命令を送信し、当該アドレスを指定された火災感知器20だけに応答させて試験結果信号を送信させる。そして、このような試験結果返送命令を、二番目の火災感知器20のアドレス「002」、…、最後尾の火災感知器20のアドレス「225」の順番で、伝送線L1に接続された全ての火災感知器20に対して循環的に送信することにより、火災受信機10は、伝送線L1に接続された全ての火災感知器20から試験結果信号を受信することができる構成となっている。
そして、火災受信機10の制御部11は、試験結果返送命令の送信により、各火災感知器20から伝送線L1、L2を介して試験結果信号が受信されたときには、試験結果信号に基づいて火災感知器20の試験結果(試験正常又は試験異常)を特定する。また、制御部11は、試験異常の火災感知器20を特定した場合には、特定した火災感知器20のグループ番号、アドレス、設置場所、状態変化の情報等を関連付けて記憶部13に格納し、かつ、それらを表示操作部12のLCDに表示して報知する。
【0014】
なお、試験結果返送命令の送信周期は、例えば10秒に設定されており、火災受信機10は、N番目の火災感知器20に対して試験結果返送命令を送信してから、N+1番目の火災感知器20に対して試験結果返送命令を送信するまでの間(10秒間)に、N番目の火災感知器20から試験結果信号を受信しないと、N番目の火災感知器20は異常(無応答)と判定して、異常と判定した火災感知器20のグループ番号、アドレス、設置場所等を関連付けて記憶部13に格納し、かつ、それらを表示操作部12のLCDに表示して報知する。
【0015】
それぞれの火災感知器20は、
図3に示すように、例えば焦電素子等からなる赤外線センサー23を備えた炎感知器で、制御部21と、火災検出部である赤外線センサー23と、赤外線センサー23の受光感度の試験を行うときに擬似の火災光を発光する試験光源22と、記憶部24と、送受信部25と、タイマー26を備えている。前述の赤外線センサー23は、炎から放射されるCO
2共鳴放射の赤外線を受光し、その受光量に応じて電気信号に変換し制御部21に入力する。記憶部24には、各火災感知器20で固有に設定された自己のアドレスが記憶されている。
【0016】
各火災感知器20に設定されたアドレスは、例えば
図1に示すように、グループ毎に付与された連番からなり、火災受信機10に最も近い火災感知器20には「001」が付与され、火災受信機10から遠ざかるに連れ「002」、「003」と順に番号が付与されている。グループ1における最後尾の火災感知器20には、「255」のアドレスが付与され、グループ2における最後尾の火災感知器20には、「150」のアドレスが付与されている。
【0017】
送受信部25には、火災受信機10から一定周期で伝送線L1(又はL2)を介して送信される状態収集命令、試験結果返送命令を受信し、また、後述するが、他の火災感知器20からの試験結果信号を伝送線L1(又はL2)を介して受信する受信手段を有している。
【0018】
各火災感知器20の制御部21は、伝送線L1(又はL2)に接続される各火災感知器20のうちで、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20から送信される試験結果信号が送受信部25に受信されると、試験光源22を発光させて赤外線センサー23の試験を実行する試験実行手段を備えている。
ここで、本実施の形態では、前述したとおり、各火災感知器20は、各伝送線L1、L2毎に、各火災感知器20のアドレスの小さいほうから順番で、火災感知器20の試験を実行する。そのため、制御部21は、自己のアドレスよりも1つ前のアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号が送受信部25に受信されると、前述のように、試験光源22を発光させて赤外線センサー23の試験を実行し、試験結果を記憶部24に記憶する。そして、その試験結果の情報を添付した試験結果信号を、火災受信機10から送信される試験結果返送命令を受信したときに、火災受信機10(及び他の火災感知器20)に送信する。試験結果信号には、グループ番号、自己のアドレスが含まれている。
【0019】
また、制御部21は、自己のアドレスよりも2つ前のアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を送受信部25が受信してから、第1の所定時間を経過しても自己のアドレスよりも1つ前のアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を送受信部25が受信しないときには、試験光源22を発光させて赤外線センサー23の試験を実行する。つまり、1つ前のアドレスを所有する火災感知器20が交換により伝送線L1(又はL2)から取り外されているなどの異常(無応答)であり、動作試験を実行不可能な状態であると判断して、試験の順番をスキップして、自身の試験を実行し、試験結果を記憶部24に記憶する。そして、前述したように、試験結果の情報を添付した試験結果信号を、火災受信機10から送信される試験結果返送命令を受信したときに、火災受信機10(及び他の火災感知器20)に送信する。
【0020】
2つ前のアドレスかどうか、また、1つ前のアドレスかどうかは、そのアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号に含まれるアドレス(番号)と自己のアドレス(番号)とを比較して判定している。つまり、同一伝送線L1、L2上の各火災感知器20の制御部21は、試験を行った他の火災感知器20から送信される試験結果信号から自己の試験タイミングを判定しており、自己のアドレスよりも2つ前のアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を受信してから第1の所定時間を経過したかどうかをタイマー26から判定している。
ここで、前述したとおり、火災受信機10における試験結果返送命令の送信周期が、例えば10秒に設定されていることから、試験結果返送命令に基づく試験結果信号の送信周期も概ね10秒程度となる。そのため、第1の所定時間は、10秒よりもやや大きい時間であればよいが、本実施の形態では、試験結果信号の伝送誤差も考慮して、第1の所定時間は、例えば13秒に設定されている。
【0021】
同一伝送線L1、L2上で一番小さいアドレス(001)を所有する火災感知器20の制御部21は、即ち、同一伝送線L1、L2上で最初に動作試験を実行する火災感知器20の制御部21は、自己の試験を実行してから、全ての火災感知器20が試験を実行する1サイクル分の周期よりも長い第2の所定時間を経過すると、新たに自己の赤外線センサー23の試験を実行し、試験結果を記憶部24に記憶する。これにより、他の火災感知器20と試験タイミングが重なることを防止することができる。
第2の所定時間は、1回線に接続が可能な255個の火災感知器20のうち、1個目の火災感知器20から255個目の火災感知器20が試験を終了する時間よりも長い時間である。グループ2上の火災感知器20は、150個であるが、前記の第2の所定時間を経過したときに、新たに自己の赤外線センサー23の試験を実行するようになっている。なお、各グループ毎に接続した火災感知器20の個数に合わせて第2の所定時間を設定できるようにしてもよい。
ここで、前述したとおり、試験結果返送命令に基づく試験結果信号の送信周期が概ね10秒程度であることから、1回線に接続が可能な255個の火災感知器20が試験を終了する時間は、10秒の255倍である2550秒である。そのため、第2の所定時間は、2550秒よりも長い時間であればよい。本実施の形態では、第2の所定時間は、2550秒よりも長く、かつ、火災受信機10による当該火災感知器20に対する試験結果返送命令の送信周期(例えば、1週間)よりも短い時間である、例えば1日に設定されている。
なお、同一伝送線L1、L2上で最初に動作試験を実行する火災感知器20の制御部21は、1回も試験を実行していない電源投入時は、第2の所定時間として、電源投入からの経過時間を計測し、第2の所定時間が経過すると、自己の赤外線センサー23の試験を実行する。
【0022】
前記のように構成された火災報知設備において、火災発生時の動作について説明する。
出火により炎が発生すると、その場所に設置された火災感知器20の赤外線センサーが、炎から発生する赤外線を受光し、赤外線の受光量に応じて電気信号に変換し制御部21に入力する。制御部21は、入力された電気信号の電圧値(又は電流値)と予め設定された火災判定値とを比較する。制御部21は、電気信号の電圧値が火災判定値以上のときには、グループ番号、自己のアドレスを含む火災検出信号を生成して、記憶部24に記憶する。
【0023】
一方、例えば、火災受信機10の制御部11は、グループ1(伝送線L1)の各火災感知器20に対して状態収集命令を送信し、次いで、グループ2(伝送線L2)の各火災感知器20に対して状態収集命令を送信し、これを一定周期で交互に繰り返し送信している。
グループ1及びグループ2の各火災感知器20の制御部21は、それぞれ自己アドレス宛の状態収集命令を受信すると、記憶部24を参照し、火災を検出している場合は、状態応答信号としての火災検出信号を、送受信部25から伝送線L1(又はL2)を介して、火災受信機10に送信する。なお、火災を検出していない場合は、状態応答信号としての正常信号を送信する。
火災受信機10の送受信部14に火災検知信号が入力されると、制御部11は、火災検出信号に含まれるグループ番号、火災感知器20のアドレス、その火災感知器20の設置場所、火災発生の旨等を記憶部13に格納し、かつ、それらの情報を表示操作部12のLCDに表示すると共に、火災受信機10に内蔵されたブザーを起動して警報音を発し、管理者に報知する。
【0024】
次に、火災感知器20の試験動作について説明する。
まず、伝送線L1、L2(グループ1、2)上の全ての各火災感知器20の設置後に、火災受信機10に電源が投入されることによって、各火災感知器20に電源が投入される。そして、火災受信機10の制御部11は、前述したとおり、1週間が経過する毎に、定期的に、各火災感知器20に対して、試験結果返送命令を送信する。まず、火災受信機10の制御部11は、試験順番記憶部を参照して、伝送線L1に対して、まず一番目の火災感知器20のアドレス「001」を指定して試験結果返送命令を送信し、当該アドレスを指定された火災感知器20だけに応答させて試験結果信号を送信させる。そして、このような試験結果返送命令を、二番目の火災感知器20のアドレス「002」、…、最後尾の火災感知器20のアドレス「225」の順番で、伝送線L1に接続された全ての火災感知器20に対して循環的に送信する。その後、伝送線L2に対しても同様に全ての火災感知器20に対して試験結果返送命令を送信する。
【0025】
グループ1の各火災感知器20において、アドレス(001)を所有する火災感知器20の制御部21は、電源投入からの経過時間を計測し、第2の所定時間が経過すると、試験光源22を発光(擬似の火災光)させて赤外線センサー23に受光させ、その受光量に基づく試験結果(試験正常又は試験異常)を記憶部24に記憶する。なお、記憶部24に記憶される試験結果は、試験を実施する度に、最新の試験結果に上書き更新される。
受光量に基づく試験結果とは、受光量に応じた電圧値(又は電流値)が前述の火災判定値以上かどうかの判定に基づいた結果である。つまり、受光量に応じた電圧値が火災判定値以上のときに正常と判定し、受光量に応じた電圧値が火災判定値未満のときには異常と判定する。なお、試験で用いる判定値としては、火災判定値に限らず、それ以外の試験用判定値であってもよい。
そして、火災受信機10から送信される自己アドレス宛の試験結果返送命令が受信されると、記憶部24に記憶された試験結果の情報を添付した試験結果信号を伝送線L1上に送信する。この試験結果信号は、伝送線L1を介して火災受信機10に受信されると共に、伝送線L1上の他の火災感知器20に受信される。
【0026】
一方、他の火災感知器20の制御部21は、それぞれ自己のアドレスよりも1つ前のアドレスを所有する火災感知器20から試験結果信号が送信されたかどうか、また、自己のアドレスよりも2つ前のアドレスを所有する火災感知器20から試験結果信号が送信されたかどうかを判定する。この時、アドレス(002)を所有する火災感知器20の制御部21は、1つ前のアドレス(001)を所有する火災感知器20から試験結果信号が送信されたと認識したときには、試験光源22を発光させて赤外線センサー23に受光させ、その受光量に基づく試験結果を記憶部24に記憶する。そして、火災受信機10から送信される自己アドレス宛の試験結果返送命令が受信されると、記憶部24に記憶された試験結果の情報を添付した試験結果信号を伝送線L1上に送信する。
【0027】
このように、試験結果信号が伝送線L1上に送信される毎に、試験結果信号を送信した火災感知器20のアドレスに「+1」のアドレスを所有する火災感知器20から順番に赤外線センサー23の試験を行っていく。そして、グループ1上で一番小さいアドレス(001)を所有する火災感知器20の制御部21は、自己の試験を実行してから第2の所定時間を経過したかどうかを判定しており、全ての火災感知器20が試験を実行する1サイクル分の周期よりも長い第2の所定時間を経過したときには、新たに自己の赤外線センサー23の試験を実行して、試験結果を記憶部24に記憶する。そして、火災受信機10から送信される自己アドレス宛の試験結果返送命令が受信されると、試験結果信号を伝送線L1上に送信する。
【0028】
また、試験中において、何れかの火災感知器20の制御部21は、自己のアドレスよりも2つ前のアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を送受信部25が受信してから、第1の所定時間を経過しても自己のアドレスよりも1つ前のアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を送受信部25が受信しないときには、自己の試験光源22を発光させて赤外線センサー23の試験を実行する。このような場合は、自己の火災感知器20より1つ前に試験を行うべき火災感知器20が交換のために取り外されている状態で、試験を中断しないようにするためである。
【0029】
一方、グループ2の各火災感知器20は、グループ1と同様に、アドレスの順番に試験を行い、「150」のアドレスを有する火災感知器20が試験を終了すると、グループ2上で一番小さいアドレス(001)を所有する火災感知器20の制御部21は、自己の試験を実行してから第2の所定時間を経過したかどうかを判定しており、第2の所定時間を経過したときには、新たに自己の赤外線センサー23の試験を実行して、試験結果を記憶部24に記憶する。そして、火災受信機10から送信される自己アドレス宛の試験結果返送命令が受信されると、試験結果信号を伝送線L2上に送信する。
【0030】
以上のように実施の形態によれば、試験結果信号が伝送線L1(又はL2)上に送信される毎に、試験結果信号を送信した火災感知器20のアドレスに「+1」のアドレスを所有する火災感知器20から順番に赤外線センサー23の試験を行っていくようにしているので、自己のタイマーで試験タイミングをとる火災感知器と比べ、各火災感知器20の試験タイミングが他の火災感知器20と重なるようなことがない。このため、試験時(試験光源22の発光時)に電源容量がオーバーするようなことがなくなり、伝送線L1、L2の電圧降下による火災感知器20の電源電圧が大きく変動するようなこともなくなり、火災感知器20の機能低下を抑えることができる。
【0031】
また、自己のアドレスよりも2つ前のアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を受信してから、第1の所定時間を経過しても自己のアドレスよりも1つ前のアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を受信しないときには、自己の赤外線センサー23の試験を行うようにしている。これにより、自己の火災感知器20より1つ前に試験を行うべき火災感知器20が取り外された状態であっても、試験を中断することなく継続して行うことができる。
【0032】
(変形例1)
本実施の形態では、火災感知器20の試験をアドレスの順番に行うようにしたが、火災感知器20が、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスを記憶し、その火災感知器20が試験を実行した後に、自己の火災感知器20の試験を実行するようにしてもよい。つまり、火災感知器20の試験がアドレスの順番に実行されないようにしてもよい。
【0033】
変形例1における各火災感知器20は、伝送線L1(又はL2)に接続された火災感知器20のうちで、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレス(前アドレス)が記憶された記憶部24(前アドレス記憶手段の一例)と、記憶部24に記憶されているアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を送受信部25が受信すると、自己の赤外線センサー23の試験を実行する試験実行手段を有する制御部21とを備えている。
【0034】
例えば、同一伝送線L1、L2上で最初に試験を行う火災感知器20は、本実施の形態における同一伝送線L1、L2上で一番小さいアドレス(001)を所有する火災感知器20と同様に動作し、その火災感知器20の制御部21は、電源投入時には、電源投入からの経過時間を計測し、第2の所定時間が経過すると、前述したように、自己の赤外線センサー23の試験を実行し、試験結果を記憶部24に記憶する。そして、火災受信機10から送信される自己アドレス宛の試験結果返送命令が受信されると、記憶部24に記憶された試験結果の情報を添付した試験結果信号を伝送線L1(又はL2)を介して火災受信機10に送信して試験結果を通知すると共に、伝送線L1(又はL2)上の他の火災感知器20に受信させる。
【0035】
一方、他の火災感知器20の制御部21は、試験結果信号が受信されると、試験結果信号に添付されたアドレスが記憶部24に記憶されたアドレスと同一かどうかを判定する。他の火災感知器20のうちで、次に試験を行うべき1個の火災感知器20の制御部21が、記憶部24に記憶されたアドレスと同一と判定して、前記と同様に、自己の赤外線センサー23の試験を実行し、試験結果を記憶部24に記憶する。そして、火災受信機10から送信される自己アドレス宛の試験結果返送命令が受信されると、記憶部24に記憶された試験結果の情報を添付した試験結果信号を伝送線L1(又はL2)を介して火災受信機10に送信して試験結果を通知すると共に、伝送線L1(又はL2)上の他の火災感知器20に受信させる。
【0036】
このように、各火災感知器20は、記憶部24に記憶されている自己よりも1つ前に試験を実行するアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号が受信されると、自己の赤外線センサー23の試験を実行するようにしているので、各火災感知器20のアドレスを連番とする必要がなくなり、火災感知器20の設置作業が容易になる。また、自己のタイマーで試験タイミングをとる火災感知器と比べ、各火災感知器20の試験タイミングが他の火災感知器20と重なるようなことがない。このため、試験時(試験光源22の発光時)に電源容量がオーバーするようなことがなくなり、伝送線L1、L2の電圧降下による火災感知器20の電源電圧が大きく変動するようなこともなくなり、火災感知器20の機能低下を抑えることができる。
【0037】
(変形例2)
変形例1では、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスを記憶し、その火災感知器20が試験結果信号を送信した後に、自己の火災感知器20の試験を実行するようにしたが、変形例2は、試験を実行する前に、伝送線L1、L2に接続された各火災感知器20が試験を実行する順番を参照して、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスを判別する。
【0038】
変形例2における各火災感知器20は、伝送線L1(又はL2)に接続された各火災感知器20のうちで、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレス(前アドレス)、及び同一伝送線L1、L2上で各火災感知器20の試験を実行する順番がそれぞれ記憶された記憶部24(前アドレス記憶手段、試験順番記憶手段の一例)と、火災受信機10からの状態収集命令に応答して送信された状態応答信号を送受信部25が受信することにより、伝送線L1(又はL2)に接続される各火災感知器20の設置状態を把握し、記憶部24に記憶された試験の順番を参照して、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスを認識し、かつ認識したアドレスと記憶部24に記憶された火災感知器20のアドレスと異なるときには、認識したアドレスを、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスとして更新するアドレス更新手段を有する制御部21とを備えている。
【0039】
先ず、伝送線L1(又はL2)上の各火災感知器20の制御部21は、それぞれ火災受信機10からの状態収集命令に応答して送信された他の火災感知器20からの状態応答信号を受信して、伝送線L1(又はL2)に接続される各火災感知器20の設置状態を把握する。例えば、自己を中心として前後にそれぞれ何個の火災感知器20が存在するかを把握する。そして、それぞれの制御部21は、記憶部24に記憶された試験の順番を参照して、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスを認識し、かつ認識したアドレスと、記憶部24に予め記憶された自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスとが異なるときには、認識したアドレスを、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスとして更新する。
つまり、状態応答信号を受信できない他の火災感知器20は、交換により伝送線L1(又はL2)から取り外されているなどの異常(無応答)であり、動作試験を実行不可能な状態であると考えられる。そのため、それぞれの制御部21は、記憶部24に記憶された試験の順番を参照し、状態応答信号を受信した火災感知器20のアドレスのうちで、自己アドレスよりも試験の順番が1つ前となる火災感知器20のアドレスを判別し、当該アドレスを、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスとする。
そして、変形例1と同様に、火災感知器20の制御部21は、試験結果信号が受信されると、試験結果信号に添付されたアドレスが記憶部24に記憶された自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスと同一かどうかを判定し、同一と判定したときには、自己の赤外線センサー23の試験を実行する。
【0040】
このように、各火災感知器20の試験を実行する際に、各火災感知器20の制御部21は、記憶部24に記憶された試験の順番を参照して、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスと、記憶部24に予め記憶された自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスとが同一かどうかを判定する。各火災感知器20の制御部21は、双方のアドレスが同一のときには、自己の記憶部24に記憶されている1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスから自己の試験タイミングを計り、アドレスが同一でないときには、試験の順番を参照して認識したアドレスを、自己の1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスとして更新する。
【0041】
これにより、変形例1の効果に加えて、自己の火災感知器20より1つ手前に試験を行うべき火災感知器20が取り外された状態であっても、試験を中断することなく継続して行うことができる。
なお、本変形例2において、記憶部24には、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレス(前アドレス)、及び同一伝送線L1、L2上で各火災感知器20の試験を実行する順番がそれぞれ記憶されるものとして説明したが、同一伝送線L1、L2上で各火災感知器20の試験を実行する順番だけを記憶してもよく、その場合であっても、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスを判別(更新)可能であり、更に言えば、同一伝送線L1、L2上で各火災感知器20の試験を実行する順番を更新可能である。
【0042】
(変形例3)
変形例2では、伝送線L1、L2に接続される各火災感知器20から送信される状態応答信号を受信できたか否かにより、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレスを判別するようにしたが、変形例3は、本実施の形態のように、自己よりも2つ前に試験を行う火災感知器20が試験結果信号を送信してから、第1の所定時間を経過しても1つ前に試験を行う火災感知器20が試験結果信号を送信しないときには、自己の赤外線センサー23の試験を実行するようにしたものである。
【0043】
変形例3における各火災感知器20は、伝送線L1(又はL2)に接続された各火災感知器20のうちで、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレス(前アドレス)、及び各火災感知器20の試験を実行する順番がそれぞれ記憶された記憶部24(前アドレス記憶手段、試験順番記憶手段の一例)と、自己よりも2つ前に試験を実行するアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を送受信部25が受信してから、第1の所定時間を経過しても自己よりも1つ前に試験を実行するアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を送受信部25が受信しないと、自己の赤外線センサー23の試験を実行する試験実行手段を有する制御部21とを備えている。
【0044】
この場合、伝送線L1、L2上の火災感知器20のアドレスは連番でもよいし、連番でなくてもよい。例えば、伝送線L1上で最初に試験を行う火災感知器20から送信された試験結果信号が伝送線L1を介して他の火災感知器20に受信されると、他の火災感知器20の制御部21は、記憶部24を参照し、試験の順番が次であれば試験を実行する。
【0045】
各火災感知器20が順番に従って試験を実施しているときに、何れかの火災感知器20の制御部21は、自己のアドレスよりも2つ前に試験を行うアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を送受信部25が受信してから、第1の所定時間を経過しても自己のアドレスよりも1つ前に試験を行うアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を送受信部25が受信しないときには、自己の赤外線センサー23の試験を実行する。
【0046】
これにより、変形例1の効果に加えて、自己の火災感知器20より1つ前に試験を行うべき火災感知器20が取り外された状態であっても、試験を中断することなく継続して行うことができる。
【0047】
なお、本変形例3において、記憶部24には、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20のアドレス(前アドレス)、及び同一伝送線L1、L2上で各火災感知器20の試験を実行する順番がそれぞれ記憶されるものとして説明したが、同一伝送線L1、L2上で各火災感知器20の試験を実行する順番だけを記憶してもよく、その場合であっても、第1の所定時間を計測可能である。
また、変形例1乃至3において、火災受信機10の試験順番記憶部は、各火災感知器20に設定される試験の順番に合わせて、各伝送線L1、L2毎に、各火災感知器20のアドレスに対応して、試験の順番を記憶する。そして、火災受信機10は、この試験順番記憶部を利用して、例えば1週間毎に、定期的に、各火災感知器20に対して、試験結果返送命令を送信し、その応答として試験結果信号を受信する。
【0048】
前記実施の形態、及び変形例1乃至3において、火災受信機10は、伝送線L1、L2上の全ての火災感知器20に対して、アドレスを指定した試験結果返送命令を個別に送信するものとして説明したが、伝送線L1、L2上の最初に試験を行う火災感知器20に対してだけ、アドレスを指定した試験結果返送命令を送信するようにしてもよい。そして、最初に試験を行う火災感知器20が応答して試験結果信号を送信すると、当該試験結果信号を受信した二番目に試験を行う火災感知器20が試験を行って試験結果信号を送信するようにし、以降、三番目、…、最後に試験を行う火災感知器20が順次同様に動作して、火災受信機10が、伝送線L1、L2上の全ての火災感知器20から試験結果信号を受信するようにしてもよい。
【0049】
また、前記実施の形態、及び変形例1乃至3において、伝送線L1、L2上の最初に試験を行う火災感知器20は、第2の所定時間が経過すると、試験動作を行うものとしたが、火災受信機10から送信される試験開始命令を受信したときに、試験動作を行うようにしてもよい。つまり、火災受信機10は、当該火災感知器20宛てに試験結果返送命令を送信する前、例えば、試験結果返送命令の送信周期と同じ時間である10秒前に、当該火災感知器20宛てに試験開始命令を送信する。その場合であっても、他の火災感知器20との試験タイミングの重なりを防止することができる。
このとき、伝送線L1、L2上の最初から2番目に試験を行う火災感知器20は、試験開始命令から第1の所定時間を経過しても最初に試験を行う火災感知器20が試験結果信号を送信しない場合に自己の試験を開始するようにしてもよい。
【0050】
また、前記実施の形態、及び変形例1乃至3のいずれかにおいて、火災感知器20は、同一伝送線L1、L2上に接続される火災感知器20のうちで、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20から送信される試験結果信号を受信すると、自己の火災検出部の試験を実行するものとして説明したが、これに代えて、同一伝送線L1、L2上に接続される火災感知器20のうちで、自己よりも1つ前に試験を実行する火災感知器20宛てに送信される試験結果返送命令を受信すると、自己の火災検出部の試験を実行するようにしてもよい。このようにしても、他の火災感知器20との試験タイミングの重なりを防止することができる。
【0051】
また、前記実施の形態、及び変形例1乃至3のいずれかにおいて、火災感知器20は、自己よりも2つ前に試験を実行するアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を受信してから、第1の所定時間を経過しても自己よりも1つ前に試験を実行するアドレスを所有する火災感知器20から送信される試験結果信号を受信しないと、自己の火災検出部の試験を実行するものとして説明したが、これに代えて、自己よりも1つ前に試験を実行するアドレスを所有する火災感知器20宛てに送信される試験結果返送命令を受信してから、第3の所定時間が経過しても、自己よりも1つ前に試験を実行するアドレスを所有する火災感知器20から試験結果信号を受信しないと、自己の火災検出部の試験を実行するようにしてもよい。なお、各種命令、信号の伝送誤差も考慮して、第3の所定時間は、例えば3秒程度に設定すればよい。
【0052】
また、前記実施の形態、及び変形例1乃至3は、適宜組み合わせて実施してもよい。
なお、前記した本発明として、火災感知器20は、同一伝送線L1、L2上に接続される火災感知器20のうちで、自己よりもN回前に試験を実行する火災感知器20から送信される試験結果信号を受信すると、又は、同一伝送線L1、L2上に接続される火災感知器20のうちで、自己よりもN回前に試験を実行する火災感知器20宛てに送信される試験結果返送命令を受信すると、自己の火災検出部の試験を実行するものとしてよく、前記実施の形態、及び変形例1乃至3として説明したように、N=1回に限定されない。
このとき、伝送線L1、L2上のN回目迄に試験を行う火災感知器20は、自己よりもN回前に試験を実行する火災感知器20として、(M+1)−N回目に試験を実行する火災感知器20を用いてもよい。ここで、Mは、同一伝送線L1、L2上に接続される火災感知器20の接続可能数、又は総数(個数)である。このようにしても、他の火災感知器20との試験タイミングの重なりを防止することができる。なお、伝送線L1、L2上のN回目迄に試験を行う火災感知器20は、今回の試験結果を、次回の試験結果返送タイミングで火災受信機10に送信することになる。
【0053】
なお、実施の形態では、火災感知器を炎感知器として説明したが、煙感知器、熱感知器などのその他の火災感知器に適用できることはいうまでもない。