【実施例】
【0033】
以下、本発明の平滑剤の製造例、当該製造例で得られた平滑剤を含有する電気銅メッキ浴の実施例、ビアホールの銅充填性及びスルーホールの均一析出性の評価試験例を順次説明する。
尚、本発明は下記の製造例、実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0034】
《平滑剤の製造例》
製造例1〜9のうち、製造例1はイミダゾールと両末端メシラート化ポリアルキレンオキシド化合物(ポリアルキレンオキシド化合物はポリプロピレンオキシド化合物並びにポリエチレンオキシド化合物の併用、基本的に以下の製造例も同じ)とを反応させた例である。製造例2はジメチルアミンと両末端メシラート化ポリアルキレンオキシド化合物とトリエチルアミンを反応させた例である。製造例3はピペリジンと両末端トシラート化ポリアルキレンオキシド化合物とを反応させた例である。製造例4〜5、7〜8は上記製造例1を基本として、イミダゾールを他のアミン化合物に夫々代替したもので、製造例4はジエタノールアミンに代替した例、製造例5はテトラメチルエチレンジアミンに代替した例、
製造例7はテトラメチルキシレンジアミンに代替した例、製造例8はベンズイミダゾールに代替した例である。製造例6はモルホリンと両末端クロロ化ポリアルキレンオキシド化合物とを反応させた例である。製造例9はジメチルアミンと両末端メシラート化ポリアルキレンオキシドとを反応させて、いわば、上記製造例2の中間段階の生成物を得た例である。
【0035】
(1)製造例1
温度計、撹拌機を取り付けた1Lの3つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量2000)の両末端メシレート化物100gと約5倍当量のイミダゾール15.8g及びエタノール500mLを加えた。系内を窒素置換した後、撹拌下、70℃で48時間反応させた。反応終了後、エバポレーターを用いて溶媒留去し、得られた残渣に塩化メチレン200gを加え、白色析出物をろ過した。ろ液を分液ロート移し、8Nの水酸化ナトリウム水溶液35.0gを加え、塩化メチレン層を分液した。さらに、イオン交換水100gを加えで塩化メチレン層を分液し、硫酸ナトリウム20gを加え、室温で撹拌し、脱水乾燥させた。反応液をろ過後、エバポレーターで溶媒留去し、ポリプロピレングリコールの両末端イミダゾール化物を105.0g得た。
次いで、温度計、撹拌機を取り付けた200mLの3つ口フラスコに、得られたポリプロピレングリコールの両末端イミダゾール化物を20.0gとポリエチレングリコール(重量平均分子量2000)の両末端メシラート化物20.3g、メチルセルロース20.0gを加え、系内を窒素置換した後、撹拌下、105℃で20時間反応させた。
反応終了後、60℃まで冷却し、イオン交換水20.3gを加え、イミダゾールと、両末端メシラート化ポリアルキレンオキシド化合物の反応物の50%水溶液を80.5g得た。
【0036】
(2)製造例2
温度計、撹拌機を取り付けた200mLの3つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量1000)の両末端メシレート化物52.2gと約5倍当量のジメチルアミン11.0g、エタノール100mLを加えた。系内を窒素置換した後、撹拌下、70℃で15時間反応させた。反応終了後、エバポレーターを用いて溶媒留去し、得られた残渣に塩化メチレン100gを加え、白色析出物をろ過した。ろ液を分液ロート移し、8Nの水酸化ナトリウム水溶液35.0gを加え、塩化メチレン層を分液した。さらに、イオン交換水100gを加えで塩化メチレン層を分液し、硫酸ナトリウム27gを加え、室温で撹拌し、脱水乾燥させた。反応液をろ過後、エバポレーターで溶媒留去し、ポリプロピレングリコールの両末端ジメチルアミノ化物を51.0g得た。
次いで、温度計、撹拌機を取り付けた200mLの3つ口フラスコに、得られたポリプロピレングリコールの両末端ジメチルアミノ化物を31.5gとポリエチレングリコール(重量平均分子量1000)の両末端メシラート化物32.9g、メチルセルロース31.5g、トリエチルアミン1.0gを加え、系内を窒素置換した後、撹拌下、90℃で35時間反応させた。
反応終了後、60℃まで冷却し、イオン交換水32.9gを加え、ジメチルアミンと、両末端メシラート化ポリアルキレンオキシド化合物の反応物の50%水溶液を129.8g得た。
【0037】
(3)製造例3
温度計、撹拌機を取り付けた500mLの3つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(M.W.400)の両末端トシラート化物32.9gと約5倍当量のピペリジン19.6g、エタノール100mLを加えた。系内を窒素置換した後、撹拌下、70℃で24時間反応させた。反応終了後、エバポレーターを用いて溶媒留去し、得られた残渣に塩化メチレン100gを加え、白色析出物をろ過した。ろ液を分液ロート移し、8Nの水酸化ナトリウム水溶液35.0gを加え、塩化メチレン層を分液した。さらに、イオン交換水100gを加えで塩化メチレン層を分液し、硫酸ナトリウム20.0gを加え、室温で撹拌し、脱水乾燥させた。反応液をろ過後、エバポレーターで溶媒留去し、ポリプロピレングリコールの両末端ピペリジン化物を35.0g得た。
温度計、撹拌機を取り付けた200mLの3つ口フラスコに、得られたポリプロピレングリコールの両末端ピペリジン化物を14.8gとポリエチレングリコール(M.W.1000)の両末端メシラート化物29.5g、メチルセルロース14.8gを加え、系内を窒素置換した後、撹拌下、100℃で24時間反応させた。
反応終了後、50℃まで冷却し、イオン交換水29.5gを加え、ピペリジンと、両末端メシラート化ポリアルキレンオキシド化合物の反応物の50%水溶液を88.6g得た。
【0038】
(4)製造例4
温度計、撹拌機を取り付けた500mLの3つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(M.W.1000)の両末端メシレート化物52.2gと約5倍当量のジエタノールアミン5.0g、エタノール100mLを加えた。系内を窒素置換した後、撹拌下、65℃で30時間反応させた。反応終了後、エバポレーターを用いて溶媒留去し、得られた残渣に塩化メチレン100gを加え、白色析出物をろ過した。ろ液を分液ロート移し、8Nの水酸化ナトリウム水溶液35.0gを加え、塩化メチレン層を分液した。さらに、イオン交換水100gを加えで塩化メチレン層を分液し、硫酸ナトリウム30.0gを加え、室温で撹拌し、脱水乾燥させた。反応液をろ過後、エバポレーターで溶媒留去し、ポリプロピレングリコールの両末端ジエタノールアミノ化物を50.5g得た。
温度計、撹拌機を取り付けた200mLの3つ口フラスコに、得られたポリプロピレングリコールの両末端ジエタノールアミノ化物を29.8gとポリエチレングリコール(M.W.800)の両末端メシラート化物26.0g、メチルセルロース29.8gを加え、系内を窒素置換した後、撹拌下、102℃で36時間反応させた。
反応終了後、50℃まで冷却し、イオン交換水26gを加え、ジエタノールアミンと、両末端メシラート化ポリアルキレンオキシド化合物の反応物の50%水溶液を111.6g得た。
【0039】
(5)製造例5
温度計、撹拌機を取り付けた500mLの3つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(M.W.1000)の両末端メシレート化物52.1gと約5倍当量のテトラメチルエチレンジアミン26.7g、エタノール100mLを加えた。系内を窒素置換した後、撹拌下、70℃で20時間反応させた。反応終了後、エバポレーターを用いて溶媒留去し、得られた残渣に塩化メチレン100gを加え、白色析出物をろ過した。ろ液を分液ロート移し、8Nの水酸化ナトリウム水溶液35gを加え、塩化メチレン層を分液した。さらに、イオン交換水100gを加えで塩化メチレン層を分液し、硫酸ナトリウム25gを加え、室温で撹拌し、脱水乾燥させた。反応液をろ過後、エバポレーターで溶媒留去し、ポリプロピレングリコールの両末端テトラメチルエチレンジアミノ化物を65.3g得た。
温度計、撹拌機を取り付けた200mLの3つ口フラスコに、得られたポリプロピレングリコールの両末端テトラメチルエチレンジアミノ化物を37.0gとポリエチレングリコール(M.W.400)の両末端メシラート化物13.6g、メチルセルロース37gを加え、系内を窒素置換した後、撹拌下、90℃で30時間反応させた。
反応終了後、50℃まで冷却し、イオン交換水13.6gを加え、テトラメチルエチレンジアミンと、両末端メシラート化ポリアルキレンオキシド化合物の反応物の50%水溶液を101.2g得た。
【0040】
(6)製造例6
温度計、撹拌機を取り付けた200mLの3つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(M.W.400)の両末端クロロ化物24.0gと5倍当量のモルホリン20.0g、エタノール100mLを加えた。系内を窒素置換した後、撹拌下、70℃で48時間反応させた。反応終了後、エバポレーターを用いて溶媒留去し、得られた残渣に塩化メチレン100gを加え、白色析出物をろ過した。ろ液を分液ロート移し、8Nの水酸化ナトリウム水溶液35gを加え、塩化メチレン層を分液した。さらに、イオン交換水100gを加えで塩化メチレン層を分液し、硫酸ナトリウム30gを加え、室温で撹拌し、脱水乾燥させた。反応液をろ過後、エバポレーターで溶媒留去し、ポリプロピレングリコールの両末端モルホリン化物を26.4g得た。
温度計、撹拌機を取り付けた200mLの3つ口フラスコに、得られたポリプロピレングリコールの両末端モルホリン化物を14.8gとポリエチレングリコール(M.W.400)の両末端メシラート化物14.6g、メチルセルロース14.8gを加え、系内を窒素置換した後、撹拌下、102℃で36時間反応させた。
反応終了後、60℃まで冷却し、イオン交換水14.6gを加え、モルホリンと、両末端メシラート化ポリアルキレンオキシド化合物の反応物の50%水溶液を58.8g得た。
【0041】
(7)製造例7
温度計、撹拌機を取り付けた500mLの3つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(M.W.2000)の両末端メシレート化物92.0gと2倍当量のテトラメチルキシレンジアミン15.2g、エタノール100mLを加えた。系内を窒素置換した後、撹拌下、70℃で48時間反応させた。反応終了後、エバポレーターを用いて溶媒留去し、得られた残渣に塩化メチレン200gを加え、白色析出物をろ過した。ろ液を分液ロート移し、8Nの水酸化ナトリウム水溶液35gを加え、塩化メチレン層を分液した。さらに、イオン交換水100gを加えで塩化メチレン層を分液し、硫酸ナトリウム30gを加え、室温で撹拌し、脱水乾燥させた。反応液をろ過後、エバポレーターで溶媒留去し、ポリプロピレングリコールの両末端テトラメチルキシレンジアミン化物を60.0g得た。
温度計、撹拌機を取り付けた200mLの3つ口フラスコに、得られたポリプロピレングリコールの両末端テトラメチルキシレンジアミン化物を50.2gとポリエチレングリコール(M.W.2000)の両末端メシラート化物46.0g、メチルセルロース50.2gを加え、系内を窒素置換した後、撹拌下、110℃で47時間反応させた。
反応終了後、60℃まで冷却し、イオン交換水46.0gを加え、テトラメチルキシレンジアミンと、両末端メシラート化ポリアルキレンオキシド化合物の反応物の50%水溶液を192.3g得た。
【0042】
(8)製造例8
温度計、撹拌機を取り付けた500mLの3つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(M.W.700)の両末端メシレート化物38.4gと2倍当量のベンズイミダゾール10.9g、エタノール100mLを加えた。系内を窒素置換した後、撹拌下、70℃で48時間反応させた。反応終了後、エバポレーターを用いて溶媒留去し、得られた残渣に塩化メチレン100gを加え、白色析出物をろ過した。ろ液を分液ロート移し、8Nの水酸化ナトリウム水溶液35gを加え、塩化メチレン層を分液した。さらに、イオン交換水100gを加えで塩化メチレン層を分液し、硫酸ナトリウム30gを加え、室温で撹拌し、脱水乾燥させた。反応液をろ過後、エバポレーターで溶媒留去し、ポリプロピレングリコールの両末端ベンズイミダゾール化物を38.0g得た。
温度計、撹拌機を取り付けた200mLの3つ口フラスコに、得られたポリプロピレングリコールの両末端ベンズイミダゾール化物を22.4gとポリエチレングリコール(M.W.1500)の両末端メシラート化物22.5g、メチルセルロース22.4gを加え、系内を窒素置換した後、撹拌下、100℃で36時間反応させた。反応終了後、60℃まで冷却し、イオン交換水22.5gを加え、ベンズイミダゾールと、両末端メシラート化ポリアルキレンオキシド化合物の反応物の50%水溶液を89.8g得た。
【0043】
(9)製造例9
温度計、撹拌機を取り付けた500mLの3つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(M.W.1000)の両末端メシレート化物52.2gと約5倍当量のジメチルアミン11.0g、エタノール100mLを加えた。系内を窒素置換した後、撹拌下、70℃で48時間反応させた。反応終了後、エバポレーターを用いて溶媒留去し、得られた残渣に塩化メチレン100gを加え、白色析出物をろ過した。ろ液を分液ロート移し、8Nの水酸化ナトリウム水溶液35gを加え、塩化メチレン層を分液した。さらに、イオン交換水100gを加えで塩化メチレン層を分液し、硫酸ナトリウム35gを加え、室温で撹拌し、脱水乾燥させた。反応液をろ過後、エバポレーターで溶媒留去し、ポリプロピレングリコールの両末端ジメチルアミノ化物を50.4g得た。
温度計、撹拌機を取り付けた200mLの3つ口フラスコに、得られたポリプロピレングリコールの両末端ジメチルアミノ化物を31.5gとポリエチレングリコール(M.W.1000)の両末端メシラート化物33.0g、メチルセルロース31.5g、を加え、系内を窒素置換した後、撹拌下、97℃で48時間反応させた。
反応終了後、60℃まで冷却し、イオン交換水33.0gを加え、ジメチルアミンと、両末端メシラート化ポリアルキレンオキシド化合物の反応物の50%水溶液を129.0g得た。
【0044】
(10)比較製造例1
冒述の特許文献3の段落26には、アミンとエポキシドとを反応させる好適な方法として、アミン(例えば、イミダゾール)と、エポキシド(例えば、エピクロルヒドリン)とを、同じ溶媒中に所望の濃度で溶解させ、例えば、20〜240分間反応させた後、溶媒を真空下で除去して生成物を得ることが記載される。
そこで、この方法に準拠して、当該特許文献3の段落58に記載の化合物(1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル)と、イミダゾールとを反応させて生成物を得た。
【0045】
そこで、上記製造例1〜9で得られた各平滑剤(アミン結合型オキシアルキレン反復化合物)を含有する電気銅メッキ浴の実施例を述べる。
《電気銅メッキ浴の実施例》
下記の実施例1〜11のうち、実施例1は上記製造例1の平滑剤を使用した例である。
実施例2は実施例1を基本としてポリマーを変更した例である。実施例3は実施例1を基本として平滑剤を製造例2に変更し、ポリマーを実施例2で用いたものに変更した例である。実施例4は実施例3を基本としてポリマーを変更した例である。実施例5は実施例1を基本として平滑剤を製造例3に変更し、ポリマーを変更した例である。実施例6は実施例1を基本として平滑剤を製造例4に変更し、ポリマーを変更した例である。実施例7は実施例1を基本として平滑剤を製造例5に変更し、ポリマーを変更した例である。実施例8は実施例1を基本として平滑剤を製造例6に変更し、ポリマーを変更した例である。実施例9は実施例1を基本として平滑剤を製造例7に変更した例である。実施例10は実施例1を基本として平滑剤を製造例8に変更した例である。実施例11は実施例1を基本として平滑剤を製造例9に変更し、ポリマーを変更した例である。
【0046】
また、比較例1〜6のうち、比較例1は平滑剤として従来公知の平滑剤としてヤーナスグリーンを用いた例、比較例2は同じくジアリルアミンポリマーを用いた例である。比較例3は冒述の特許文献1に開示されたオキシアルキレン鎖の末端にイミダゾール環基が結合した化合物(製造例1)を平滑剤に用いた例であり、比較例4は同特許文献1の製造例2を平滑剤に用いた例である。比較例5は冒述の特許文献2に開示されたカチオン性ポリエーテル抑制剤(段落33のTetronic 704)を平滑剤に用いた例である。比較例6は冒述の特許文献3に開示されたアミン化合物とポリエポキシド化合物とを反応させた生成物(即ち、上記比較製造例1)を平滑剤に用いた例である。
【0047】
(1)実施例1
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
製造例1の平滑剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
ポリエチレングリコール(重量平均分子量4000) 1g/L
塩素 60g/L
【0048】
(2)実施例2
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
製造例1の平滑剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
テトラ-ポリプロポキシ-エトキシ-エチレンジアミン
-スルホコハク酸ナトリウム 1g/L
塩素 60g/L
上記テトラ-ポリプロポキシ-エトキシ-エチレンジアミン-スルホコハク酸ナトリウムはBASF社製のTPSO3以下の実施例も同じ)である。
【0049】
(3)実施例3
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
製造例2の平滑剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
テトラ-ポリプロポキシ-エトキシ-エチレンジアミン
-スルホコハク酸ナトリウム 1g/L
塩素 60g/L
【0050】
(4)実施例4
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
製造例2の平滑剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
テトラ-ポリプロポキシ-エトキシ-エチレンジアミン 1g/L
塩素 60g/L
上記テトラ-ポリプロポキシ-エトキシ-エチレンジアミンは(株)ADEKA製のプルロニックTR−704(以下の実施例も同じ)である。
【0051】
(5)実施例5
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
製造例3の平滑剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 1g/L
塩素 60g/L
上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物は(株)ADEKA製のプルロニックL-64である。
【0052】
(6)実施例6
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
製造例4の平滑剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
テトラ-ポリプロポキシ-エトキシ-エチレンジアミン 1g/L
塩素 60g/L
【0053】
(7)実施例7
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
製造例5の平滑剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
テトラ-ポリプロポキシ-エトキシ-エチレンジアミン 1g/L
塩素 60g/L
【0054】
(8)実施例8
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
製造例6の平滑剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
テトラ-ポリプロポキシ-エトキシ-エチレンジアミン 1g/L
塩素 60g/L
【0055】
(9)実施例9
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
製造例7の平滑剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
ポリエチレングリコール(重量平均分子量4000) 1g/L
塩素 60g/L
【0056】
(10)実施例10
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
製造例8の平滑剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
ポリエチレングリコール(重量平均分子量4000) 1g/L
塩素 60g/L
【0057】
(11)実施例11
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
製造例9の平滑剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
テトラ-ポリプロポキシ-エトキシ-エチレンジアミン 1g/L
塩素 60g/L
【0058】
(12)比較例1
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
ヤヌスグリーン 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
ポリエチレングリコール(重量平均分子量4000) 1g/L
塩素 60g/L
【0059】
(13)比較例2
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
ジアリルアミンポリマー 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
ポリエチレングリコール(重量平均分子量4000) 1g/L
塩素 60g/L
上記ジアリルアミンポリマーはニットウボウメディカル社製のPAS-H-1Lである。
【0060】
(14)比較例3
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
特許文献1の製造例1の化合物 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
ポリエチレングリコール(重量平均分子量4000) 1g/L
塩素 60g/L
上記特許文献1の製造例1の化合物は同文献1の段落52に基づいて製造した。その具体的な製造例は次の通りである。
[製造例(特許文献1の製造例1に相当)]
温度計、撹拌機を取り付けた200mlの3つ口フラスコに、ω−クロロポリオキシエチレン(EO14)−α−ナフチルエーテル20g、1−ブチルイミダゾール3.18gおよびメチルセロソルブ20mlを加えた。系内を窒素置換した後、撹拌下、120℃で18時間反応させた。反応終了後、内容物を2N−水酸化ナトリウム水溶液と塩化メチレンで振り、塩化メチレン層を分液した。この塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去してω−(1−ブチルイミダゾリウムクロリド−3−イル)ポリオキシエチレン(EO14)−α−ナフチルエーテル21.5gを得た。
【0061】
(15)比較例4
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
特許文献1の製造例2の化合物 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
ポリエチレングリコール(重量平均分子量4000) 1g/L
塩素 60g/L
上記特許文献1の製造例2の化合物は同文献1の段落53に基づいて製造した。その具体的な製造例は次の通りである。
[製造例(特許文献1の製造例2に相当)]
温度計、撹拌機を取り付けた200mlの3つ口フラスコに、ビスフェノールAポリエトキシレート(EO14)−ω,ω′−ジメシレート20g、1−アリルイミダゾール4.32gおよびメチルセロソルブ20mlを加えた。系内を窒素置換した後、撹拌下、100℃で24時間反応させた。反応終了後、内容物を2N−水酸化ナトリウム水溶液と塩化メチレンで振り、塩化メチレン層を分液した。この塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を留去してω,ω′−ビス(1−アリルイミダゾリウムメタンスルホネート−3−イル)ビスフェノールAポリエトキシレート(EO14)23.8gを得た。
【0062】
(16)比較例5
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
特許文献2のカチオン性ポリエーテル抑制剤 1mg/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
ポリエチレングリコール(重量平均分子量4000) 1g/L
塩素 60g/L
上記特許文献2のカチオン性ポリエーテル抑制剤は段落33に記載のTetronic 704(BASF社)を用いた。
【0063】
(17)比較例6
下記の組成で電気銅メッキ浴を建浴した。
硫酸銅 200g/L
硫酸 80g/L
比較製造例1の平滑剤 1mg/L
ポリエチレングリコール(重量平均分子量4000) 1g/L
ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド 1mg/L
塩素 60g/L
上記比較製造例1は特許文献3の実施例2(段落57)の化合物である。
【0064】
そこで、上記実施例1〜11及び比較例1〜6の各電気ニッケル系メッキ浴を用いて、ビアホール及びスルーホールを兼備した基板に電気メッキを施して、ビアホールでの充填性並びにスルーホールでの均一析出性の優劣を評価した。
《充填性並びに均一析出性の評価試験例》
ビアホール付きPCB基板(具体的には、4層ビルドアップ基板)を3分間、45±3℃で酸性脱脂し、30秒、45±3℃で温水洗浄し、30秒、20〜25℃で水洗した後、硫酸(98%)の10重量%溶液に1分間、20〜25℃で浸漬して酸活性処理を施した。
次いで、上記実施例1〜11及び比較例1〜6の各電気ニッケル系メッキ浴を用いて、電流密度1.5A/dm2、51分間(目標膜厚17μm)の条件で電気メッキを施した後、30秒、20〜25℃で水洗し、乾燥して、下記の通り、ビアホールでの充填性並びにスルーホールでの均一析出性を評価した。
【0065】
(1)ビアホール(VH)での充填性
ビアホールの断面を切断し、断面研磨後、顕微鏡にて微視観察し、
図1に示す通り、ビアホールの開口部の窪み(Dimple)を測定し、下記の基準で充填性の優劣を評価した。
この場合、ビアホールの開口径は100μm、深さは80μmであった。
◎: ビアホールの窪み(Dimple)= 5μm未満
○:ビアホールの窪み(Dimple) =10μm未満
×:ビアホールの窪み(Dimple) =10μm以上
【0066】
(2)スルーホール(TH)での均一析出性
スルーホールの断面を切断し、断面研磨後、顕微鏡にて微視観察し、
図2に示す通り、スルーホールのA〜Fの各部位の析出厚みを測定し、下式に基づいてスルーホールでの均一析出性、即ち、スローイングパワー(TH.P)(%)を算出し、下記の基準で均一析出性の優劣を評価した。
TH.P={[(C+D+E+F)/4]/[(A+B)/2]}×100
ちなみに、上記部位A、Bはスルーホールの外表面、部位C、Dはスルーホールの角隅部、部位E、Fはスルーホールの深さ方向中央部の内壁面である。また、スルーホールの開口径は250μm、基板厚みは1mmであった。
◎:TH.P =80%以上
○:TH.P =75%以上
×:TH.P =70%以下
【0067】
《試験結果》
下表はその試験結果である。
充填性 均一析出性 充填性 均一析出性
実施例1 ◎ ◎ 比較例1 × ×
実施例2 ◎ ◎ 比較例2 × ○
実施例3 ◎ ◎ 比較例3 × ×
実施例4 ◎ ◎ 比較例4 × ×
実施例5 ◎ ◎ 比較例5 × ×
実施例6 ◎ ◎ 比較例6 × ○
実施例7 ◎ ◎
実施例8 ◎ ◎
実施例9 ◎ ◎
実施例10 ◎ ◎
実施例11 ○ ○
【0068】
《充填性と均一析出性の総合評価》
上表によると、平滑剤に従来公知の化合物を用いた比較例1〜2を見ると、比較例2の一方の均一析出性は良好な評価であったが、他方の充填性に劣り、比較例1は両方で評価が劣ったことから、基板のビアホールの充填性とスルーホールの均一析出性を共に良好に達成できないことが分かる。
これに対して、本発明の反復化合物を平滑剤に用いた実施例1〜11では、全てに亘りビアホールの充填性とスルーホールの均一析出性を共に良好に達成することができ、特に、実施例1〜10では、ビアホールの充填性とスルーホールの均一析出性の両方に優れた評価であった。
【0069】
冒述の特許文献1の製造例1〜2を平滑剤に用いた各比較例3〜4では、基板のビアホールの充填性とスルーホールの均一析出性の両方で劣ることが分かる。
この比較例3〜4を実施例1〜11に対比すると、比較例3〜4の化合物はオキシアルキレン鎖の末端にイミダゾール環基が結合した構造を有するが、この結合を反復した構造を具備しない点で、当該反復構造を具備する本発明の平滑剤とは異なっている。
従って、この反復構造の有無が試験結果の差異となって顕現したものと考えられ、当該反復構造を有する本発明の平滑剤を含む電気銅メッキ浴の顕著な優位性が裏付けられた。
【0070】
冒述の特許文献2のカチオン性ポリエーテル抑制剤を平滑剤に用いた比較例5では、やはり、基板のビアホールの充填性とスルーホールの均一析出性の両方で劣ることが分かる。
この比較例5を実施例1〜11に対比すると、比較例5の化合物は特許文献2の化学式(5)(段落33)で表わされ、エチレンジアミンを中心に、当該アミンの窒素原子にポリオキシアルキレン鎖が結合したものであるが、この結合を反復した構造を具備しない点で、当該反復構造を具備する本発明の平滑剤とは異なる。
従って、上記比較例3〜4の場合と同じく、この反復構造の有無が試験結果の差異となって顕現したものと考えられ、当該反復構造を有する本発明の平滑剤を含む電気銅メッキ浴の顕著な優位性が裏付けられた。
【0071】
冒述の特許文献3に基づく化合物である比較製造例1を平滑剤に用いた比較例6では、比較例2と同じく、一方の均一析出性は良好であったが、他方の充填性に劣り、基板のビアホールの充填性とスルーホールの均一析出性の両方を良好に達成することはできない。
この比較例6を実施例1〜11に対比すると、比較製造例1はアミン化合物とポリエポキシド化合物とを反応させた生成物であり、ポリアルキレンオキシド鎖を必須構成単位としないうえ、本発明の平滑剤のような反復構造の具備も期待できないため、両者の間で上記試験結果の差異が顕現したものと考えられ、当該反復構造を有する本発明の平滑剤を含む電気銅メッキ浴の顕著な優位性が裏付けられた。
【0072】
そこで、実施例1〜11を詳細に検討する。
先ず、実施例5はトシル基を反応性基とするポリアルキレンオキシド化合物とアミン化合物とを反応させた生成物(製造例3)を平滑剤に用いた例であり、同じく実施例8はハロゲンを反応性基とした例(製造例6)であり、他の実施例はメシル基を反応性基とした例である。実施例1〜10を対比すると、共に、ビアホールの充填性とスルーホールの均一析出性に優れた効果を奏することが分かり、上記各種の反応性基を選択しても優れた効果に差異がないことが判断できる。
また、実施例1〜2はアミン化合物にイミダゾールを用いた生成物(製造例1)を平滑剤に用いた例、実施例3〜4は同じくアミン化合物にジメチルアミンとトリエチルアミンを併用した例、実施例5はアミン化合物にピペリジンを用いた例、実施例6はアミン化合物にジエタノールアミンを用いた例、実施例7はアミン化合物にテトラメチルエチレンジアミンを用いた例、実施例8はアミン化合物にモルホリンを用いた例、実施例9はアミン化合物にテトラメチルキシレンジアミンを用いた例、実施例10はアミン化合物にベンズイミダゾールを用いた例である。実施例1〜10を対比すると、共にビアホールの充填性とスルーホールの均一析出性に優れた効果を奏することが分かり、アミン化合物に上記各種の化合物を選択しても優れた効果に差異がないことが判断できる。
さらに、実施例3〜4はアミン化合物にジメチルアミンとトリエチルアミンを併用した例であり、前記反応式(a)〜(c)に示したように、反復化合物の両末端にアミン構造を有する。これに対して、実施例11はアミン化合物にジメチルアミンを単用した例であり、反復化合物の末端の少なくとも一方には反応性基が残存した構造を有する。実施例11では、ビアホールの充填性とスルーホールの均一析出性は共に○の評価であり、比較例1〜6との対比から、ビア充填並びにスルーホールへの銅析出は実用的なレベルを兼備できることが分かる一方、実施例1、或は他の実施例2〜10のように、反復化合物の両末端をアミン構造とすることにより、ビアホールの充填性とスルーホールの均一析出性をさらに改善できることが判断できる。