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特許6579903運転支援装置、車両、および車庫協調制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579903
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】運転支援装置、車両、および車庫協調制御システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20190912BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20190912BHJP
   B60R 99/00 20090101ALI20190912BHJP
   B60W 30/06 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   G08G1/16 D
   G08G1/09 D
   B60R99/00 310
   B60W30/06
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-203639(P2015-203639)
(22)【出願日】2015年10月15日
(65)【公開番号】特開2017-76266(P2017-76266A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2018年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100106622
【弁理士】
【氏名又は名称】和久田 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一
(72)【発明者】
【氏名】冨山 浩一
(72)【発明者】
【氏名】板東 史晃
(72)【発明者】
【氏名】井口 裕介
(72)【発明者】
【氏名】柴田 宗平
(72)【発明者】
【氏名】市岡 大典
(72)【発明者】
【氏名】野勢 健太
【審査官】 白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−67238(JP,A)
【文献】 特開2005−42398(JP,A)
【文献】 特開2014−108711(JP,A)
【文献】 特開2000−258169(JP,A)
【文献】 特開平8−218669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
B60R 99/00
B60W 30/06
G08G 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車庫のシャッターを開閉させるシャッター制御装置を備えた車庫から車両を自動で出庫させる車載用の運転支援装置において、
前記シャッター制御装置と協調して前記車両を自動で出庫させる自動出庫協調制御を行う自動出庫制御部であって、自動出庫要求信号を受け付けた際に前記車両の周辺における異常の有無に関する車両周辺情報を取得し、前記車両周辺情報に基づいて前記車両の周辺が安全であると判定した場合に前記シャッター制御装置に前記シャッターのオープン要求信号を送信し、前記車両の周辺に異常が有ると判定した場合に前記自動出庫協調制御を中止する、自動出庫制御部を備える、
運転支援装置。
【請求項2】
前記自動出庫制御部は、前記車両の周辺に異常が有ると判定した場合に、ユーザの携帯端末に異常検出情報を通知する、
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記自動出庫制御部は、自動走行する前記車両が前記車庫から外部に出たことを検知した場合に、前記シャッター制御装置に前記シャッターのクローズ要求信号を送信する、
請求項1又は2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記自動出庫制御部は、前記シャッター制御装置に前記オープン要求信号を送信後、外部から車庫内に動体が侵入したことを検知した場合に、前記自動出庫協調制御を中止する、
請求項1から3の何れか一項に記載の運転支援装置。
【請求項5】
前記自動出庫制御部は、前記シャッター制御装置に前記オープン要求信号を送信後、外部から車庫内に動体が侵入したことを検知した場合に、ユーザの携帯端末に動体侵入情報を通知する、
請求項1から4の何れか一項に記載の運転支援装置。
【請求項6】
前記自動出庫制御部は、前記シャッター制御装置に前記オープン要求信号を送信後、前記シャッターの異常停止を検知した場合に、前記自動出庫協調制御を中止する、
請求項1から5の何れか一項に記載の運転支援装置。
【請求項7】
前記自動出庫制御部は、前記シャッター制御装置に前記オープン要求信号を送信後、前記シャッターの異常停止を検知した場合に、ユーザの携帯端末にシャッターの異常停止情報を通知する、
請求項1から6の何れか一項に記載の運転支援装置。
【請求項8】
前記自動出庫制御部は、前記シャッター制御装置に前記オープン要求信号を送信後、前記シャッターの開口高さが車両高さを超えたことを検知した場合に、前記車両を発進させる、
請求項1から7の何れか一項に記載の運転支援装置。
【請求項9】
前記自動出庫制御部は、自動出庫要求信号を受け付けた際に前記車両に運転者が乗車していることを検知した場合に、自動出庫制御中におけるステータス情報を運転者に通知する、
請求項1から8の何れか一項に記載の運転支援装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れか一項に記載の運転支援装置を搭載した車両。
【請求項11】
車庫のシャッターを開閉させるシャッター制御装置と、
前記車庫から車両を自動で出庫させる車載用の運転支援装置と、
前記車両の周辺における異常の有無を検出するための検出手段と、
を備えた車庫協調制御システムであって、
前記運転支援装置は、前記シャッター制御装置と協調して前記車両を自動で出庫させる自動出庫協調制御を行う自動出庫制御部を備え、
前記自動出庫制御部は、出庫要求信号を受け付けた際に前記検出手段から前記車両の周辺における異常の有無に関する車両周辺情報を取得し、
前記車両周辺情報に基づいて前記車両の周辺が安全であると判定した場合に前記シャッター制御装置に前記シャッターのオープン要求信号を送信し、前記車両の周辺に異常が有ると判定した場合に前記自動出庫協調制御を中止する、
車庫協調制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置、車両、および車庫協調制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車庫から車両を自動で出庫することが可能な運転支援装置が知られている。このような運転支援装置を備えた車両は、運転者が乗車することなく自動で車庫からの出庫が可能である。また、車庫のシャッターを自動で開閉するシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。この種のシャッター自動開閉システムでは、赤外線リモコンなどのリモコン操作によってシャッターを開閉するものが知られている。また、近年では、車両のアクセサリー(ACC)電源がオンされた際に自動的にシャッターを開放し、車両が車庫から一定距離離れてからシャッターを自動で閉じるシステムも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−271869号公報
【特許文献2】特開2008−285878号公報
【特許文献3】特開2007−230319号公報
【特許文献4】特開2007−233771号公報
【特許文献5】特開平8−218669号公報
【特許文献6】特開2010−67238号公報
【特許文献7】特開2008−51774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両の自走出庫機能を有する運転支援装置を備えた車両において、運転者が乗車することなく無人で自動出庫を行う場合、従来は運転者が実施していた車庫内における車両周辺の安全確認がなされぬまま車両が自動で車庫から出庫されてしまうことが懸念される。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、運転者が乗車することなく無人で自動出庫を行う場合においても、車庫内の安全確認を行うことができる運転支援装置に関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上述した課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明に係る運転支援装置は、車庫のシャッターを開閉させるシャッター制御装置を備えた車庫から車両を自動で出庫させる車載用の運転支援装置において、前記シャッター制御装置と協調して前記車両を自動で出庫させる自動出庫協調制御を行う自動出庫制御部であって、自動出庫要求信号を受け付けた際に前記車両の周辺における異常の有無に関する車両周辺情報を取得し、前記車両周辺情報に基づいて前記車両の周辺が安全であると判定した場合に前記シャッター制御装置に前記シャッターのオープン要求信号を送信し、前記車両の周辺に異常が有ると判定した場合に前記自動出庫協調制御を中止する、自動出庫制御部を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記自動出庫制御部は、前記車両の周辺に異常が有ると判定した場合に、ユーザの携帯端末に異常検出情報を通知するように構成されていてもよい。
【0008】
また、前記自動出庫制御部は、自動走行する前記車両が前記車庫から外部に出たことを検知した場合に、前記シャッター制御装置に前記シャッターのクローズ要求信号を送信するように構成されていてもよい。
【0009】
また、前記自動出庫制御部は、前記シャッター制御装置に前記オープン要求信号を送信後、外部から車庫内に動体が侵入したことを検知した場合に、前記自動出庫協調制御を中止するように構成されていてもよい。
【0010】
また、前記自動出庫制御部は、前記シャッター制御装置に前記オープン要求信号を送信後、外部から車庫内に動体が侵入したことを検知した場合に、ユーザの携帯端末に動体侵入情報を通知するように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記自動出庫制御部は、前記シャッター制御装置に前記オープン要求信号を送信後、前記シャッターの異常停止を検知した場合に、前記自動出庫協調制御を中止するように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記自動出庫制御部は、前記シャッター制御装置に前記オープン要求信号を送信後、前記シャッターの異常停止を検知した場合に、ユーザの携帯端末にシャッターの異常停止情報を通知するように構成されていてもよい。
【0013】
また、前記自動出庫制御部は、前記シャッター制御装置に前記オープン要求信号を送信後、前記シャッターの開口高さが車両高さを超えたことを検知した場合に、前記車両を発進させるように構成されていてもよい。
【0014】
また、前記自動出庫制御部は、自動出庫要求信号を受け付けた際に前記車両に運転者が乗車していることを検知した場合に、自動出庫制御中におけるステータス情報を運転者に通知するように構成されていてもよい。
【0015】
また、本発明は、上述までの何れかの運転支援装置を搭載した車両として特定することができる。
【0016】
また、本発明は、車庫協調制御システムとして特定することができる。即ち、本発明に係る車庫協調制御システムは、車庫のシャッターを開閉させるシャッター制御装置と、前記車庫から車両を自動で出庫させる車載用の運転支援装置と、前記車両の周辺における異常の有無を検出するための検出手段と、を備えた車庫協調制御システムであって、前記運転支援装置は、前記シャッター制御装置と協調して前記車両を自動で出庫させる自動出庫協調制御を行う自動出庫制御部を備え、前記自動出庫制御部は、出庫要求信号を受け付けた際に前記検出手段から前記車両の周辺における異常の有無に関する車両周辺情報を取得し、前記車両周辺情報に基づいて前記車両の周辺が安全であると判定した場合に前記シャッター制御装置に前記シャッターのオープン要求信号を送信し、前記車両の周辺に異常が有ると判定した場合に前記自動出庫協調制御を中止することを特徴とする。
【0017】
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて採用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、運転者が乗車することなく無人で自動出庫を行う場合においても、車庫内の安全確認を行うことができる運転支援装置に関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態1に係る車庫協調制御システムの概略図である。
図2図2は、実施形態1に係る車庫の概略図である。
図3図3は、実施形態1に係る車両の構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態1に係る自動出庫制御において、車庫から自動で車両を出庫させる際の出庫経路を示す図である。
図5図5は、実施形態1に係る車両における前方カメラ、後方カメラ、側方カメラ、車内カメラ、周辺物センサの設置位置を示す図である。
図6図6は、実施形態1に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
図7図7は、運転支援装置が実行する自動出庫協調制御のメインルーチンの処理を示すフローチャートである。
図8図8は、図7のステップS102で実行されるサブルーチンの処理を示すフローチャートである。
図9図9は、シャッター制御ユニットが実行する自動出庫協調制御の処理を示すフローチャートである。
図10図10は、図7のステップS106で実行されるサブルーチンの処理を示すフローチャートである。
図11図11は、車庫から車両を自動出庫させる際、自動走行中における車両の最後端がちょうど出庫ラインを通過するときの状態を示す図である。
図12図12は、実施形態5に係る監視用ロボットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0021】
<実施形態1>
《システム構成》
図1は、実施形態1に係る車庫協調制御システム1の概略図である。車庫協調制御システム1は、車両2と、携帯端末3と、車庫4(図2を参照)に付設されるシャッター制御ユニット5を含んで構成されている。車庫協調制御システム1は、車庫4から自動で車両2を出庫させるシステムである。車両2、携帯端末3およびシャッター制御ユニット5は、ネットワーク6によって接続されている。ネットワーク6は、例えばWi−Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信規格であってもよい。
【0022】
シャッター制御ユニット5は、図2に示す車庫(ガレージ)4に付随して設けられるホームサーバである。図2(a)は、車庫4の立面図、図2(b)は車庫4の平面図を示している。車庫4には、道路側の出入口41を閉鎖するシャッター装置42が設けられている。シャッター装置42は、上下方向に昇降することで出入口41の開閉を行う開閉体であるシャッター43と、シャッター43を巻回した状態で収納するシャッターケース44と、シャッター駆動部45等を有している。シャッターケース44は、例えば出入口41の上方に設けられており、出入口41は、シャッター43がシャッターケース44から下方に繰り出されることで閉鎖され、シャッター43がシャッターケース44内にて巻き取られることで開放される。
【0023】
シャッター駆動部45は、電動モータ等を含んで構成されている。シャッター駆動部45が駆動することで、シャッター43の巻き取りや繰り出しが行われる。即ち、シャッター駆動部45の駆動に伴って出入口41が開閉される。
【0024】
車庫4の内部(駐車スペース)における床面付近の空間について、横方向から人の存在を感知する感知センサ46が設置されている。感知センサ46は、赤外線センサや超音波センサであってもよい。感知センサ46は、車庫4に入庫された車両2の底部の安全確認を行うために用いられるセンサである。入庫された車両2の下方空間に子供や動物等が入り込んでいても、それらを感知センサ46によって検出することが可能である。
【0025】
また、車庫4における出入口41の外側には、該出入口41の両脇に一対の測距(距離)センサ47が設置されている。一対の測距センサ47は、出入口41に近接した位置に設けられている。測距センサ47は、センサ内部の光源(例えば、LEDやレーザダイオード等)から照射された光が、測定対象物にあたると反射され、センサの受光素子で受光した反射光を評価・演算することで距離に換算して出力するセンサである。
【0026】
シャッター制御ユニット5は、制御部50、記憶部51、通信部52、入出力IF53等を備えており、これらは通信バスによって接続されている。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等によって構成されるマイクロコンピュータである。CPUは、各種プログラム
を実行することにより、本実施形態に係る各種の処理を行う。RAMやROMは、CPUが読み出したプログラムやデータをキャッシュしたり、CPUの作業領域を展開したりする主記憶装置である。記憶部51は、具体的には、HDD(Hard-disk Drive)やSSD
(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multi-Media Card)、フラッシュメモリ等である。通信部52は、他のコンピュータとの間でデータを送受信するためのインターフェースであり、通信部52を介してネットワーク6に接続される。入出力IF53は、入出力装置と接続され、ユーザから入力を受け付けたり、ユーザへ情報を出力したりする。入出力装置は、具体的には、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチパネル等である。シャッター制御ユニット5は、シャッター駆動部45、感知センサ46、測距センサ47と電気配線を介して接続されている。
【0027】
図3は、実施形態1に係る車両2の構成を示すブロック図である。車両2には、車内通信ネットワークである図示しないCAN(Controller Area Network)に接続された運転
支援装置7が備えられている。運転支援装置7は、ドライバーの運転を支援するための装置であり、車庫4に対する車両2の入庫および出庫を自動で制御する機能も運転支援装置7が備える機能の一つである。運転支援装置7は、自動入出庫制御部8および画像処理部26を備えている。自動入出庫制御部8および画像処理部26は、例えばCPU、RAMおよびROM等を含むマイクロコンピュータを主体として構成される電子制御ユニットECU(Electric Control Unit)である。
【0028】
車両2は、ナビゲーション装置9、エンジン10、アクセル開度を制御するアクセル開度制御装置11、ステアリングの操舵量を変更する操舵アクチュエータ12、シフトチェンジ装置13、電動パーキングブレーキを制御するパーキングブレーキ制御装置14等を備えている。さらに、車両2は、前方(フロント)カメラ15、後方(リア)カメラ16、左右一対の側方(サイド)カメラ17、車内カメラ18、車両2の周辺の障害物位置を検出する周辺物センサ19、エンジン始動装置21、ブレーキを制御するブレーキ制御装置22、通信部23、ディスプレイ装置24、記憶装置25、運転席に設けられた着座センサ27等を備えている。運転支援装置7は、CANを介して上述の各種機器と電気的に接続されている。記憶装置25は、具体的には、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multi-Media Card)、フラッシュメモリ等で
ある。
【0029】
ナビゲーション装置9は、GPS(Global Positioning System)で用いられる測位衛
星からのGPS信号に基づいて自車の位置を検出すると共に、地図データに基づいて目的
地までの経路案内等を行う。また、運転支援装置7は、エンジン始動装置21、パーキングブレーキ制御装置14、シフトチェンジ装置13、操舵アクチュエータ12、アクセル開度制御装置11等の駆動制御を行うことにより、車両2の自動操舵走行を実現する結果、車庫4に対して車両2を無人で入庫する自動入庫制御、および車庫4から車両2を無人で出庫させる自動出庫制御を行うことができる。なお、自動入庫制御および自動出庫制御に係る自動操舵走行において、車両2の入庫経路および出庫経路は予め定められている。例えば、図4は、自動出庫制御において、車庫4から自動で車両2を出庫させる際の出庫経路Loutを示している。自動出庫制御において車両2は自動操舵走行され、車庫4から出庫された後、所定の出庫停止位置にて自動停止される。自動入庫制御および自動出庫制御は、ナビゲーション装置9で用いられるGPS信号に基づいて検出した自車位置と地図データに基づいて、車両2が入庫経路および出庫経路を走行するように制御される。
【0030】
図5は、実施形態1に係る車両2における前方カメラ15、後方カメラ16、側方カメラ17、車内カメラ18、周辺物センサ19の設置位置を示す図である。前方カメラ15は、車両2の前部に設けられる。例えば、車両2の前部のナンバープレート取り付け位置近傍に前方カメラ15を設けるようにしてもよい。後方カメラ16、車両2の後部に設けられる。例えば、車両2の後部のナンバープレート取り付け位置近傍に後方カメラ16、車両2の後部に設けられる。例えば、車両2の後部のナンバープレート取り付け位置近傍に後方カメラ16を設けるようにしてもよい。一対の側方カメラ17は、車両2の左右側面に設けられる。例えば、車両2の左右のドアミラーに、一対の側方カメラ17を設けるようにしてもよい。
【0031】
前方カメラ15、後方カメラ16、一対の側方カメラ17には、例えば、180度以上の画角を有する魚眼レンズを採用してもよい。この場合、前方カメラ15、後方カメラ16、一対の側方カメラ17を利用して、車両2の全周囲の撮影が可能となる。車内カメラ18は、車内に設置カメラであって、フロントガラス越しに、車室外を撮影するカメラである。車内カメラ18は、車両2の屋根近傍の高さ、例えばルームミラー(図示せず)近傍位置に取り付けられている。また、図5に示すように、周辺物センサ19は、車両2の四隅に設けられている。但し、周辺物センサ19の数は特に限定されない。例えば、車両2の四隅に加えて、前方カメラ15、後方カメラ16の近傍位置にも周辺物センサ19を設置してもよい。
【0032】
次に、携帯端末3の構成について説明する。図6は、実施形態1に係る携帯端末3の構成を示すブロック図である。携帯端末3は、例えば、携帯電話機やスマートフォン、タブレットなど、ネットワーク6に接続可能な情報処理装置(端末装置)を用いることができる。携帯端末3は、制御部30、通信部31、操作部32、ディスプレイ33、スピーカ34、記憶部35等を備えている。
【0033】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory
)及びROM(Read Only Memory)等のコンピュータによって構成されている。ROMに記憶されている所定のプログラムに従ってCPUが演算処理を行うことにより、制御部30は各種の処理を行う。
【0034】
通信部31は、アンテナ、無線回路部、通信制御部等を有しており、ネットワーク6を介して車両2における通信部23との通信に使用される通信インターフェースである。操作部32は、文字、数字等を入力するための操作キー、所定のメニューを選択するための選択キーを有している。また、操作部32として、タッチパネルを利用してもよい。ディスプレイ33は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やELディスプレイ等であり、各種のデータや画像等の表示を行う。ディスプレイ33としてタッチパネルを利用した場合、例えば、ディスプレイ33の表示領域にタッチパネルを一体的に設けるようにし
てもよい。記憶部35は、フラッシュメモリやSRAM(Static Random Access Memory
)等から構成されており、送受信したデータ、アプリケーションプログラム等を記憶する。
【0035】
《自動出庫制御》
本実施形態における車庫協調制御システム1では、車両2に乗車した運転者の運転によって車庫4から出庫するほか、車両2に運転者が乗車せずに無人の自動操舵制御によって車両2を車庫4から出庫させる自動出庫制御が可能である。ところで、車庫4から無人で車両2を出庫させる際、車庫4のシャッター43は防犯上、閉まっているのが通常である。そのため、自動出庫制御を行う際には、車庫4の駐車スペースに入庫されている車両2の周囲の安全確認を行ってからシャッター43を開放し、車両2を出庫させる必要がある。そこで、本実施形態における車両2の自動入出庫制御部8は、車庫4側のシャッター制御ユニット5と協調(連携、協働)して安全に車両2を車庫4から出庫させる自動出庫協調制御を行うように構成されている。
【0036】
以下、車庫協調制御システム1における自動出庫協調制御で実行される処理フローについて説明する。自動出庫協調制御は、車両2における運転支援装置7(自動入出庫制御部8)と、車庫4のシャッター制御ユニット5とが協調して各処理を行うようになっている。
【0037】
図7は、車両2における運転支援装置7が実行する自動出庫協調制御のメインルーチンの処理を示すフローチャートである。自動出庫協調制御は、自動出庫要求信号を、車両2側の通信部23が受け付けることを契機として開始される(ステップS101)。この自動出庫要求信号は、例えば車両2の所有者が携帯端末3の操作部32を操作することで携帯端末3の通信部31から送信される。携帯端末3の通信部31から送信された自動出庫要求信号は、ネットワーク6を介して車両2の通信部23が受信する。また、車両2の電子キーに自動出庫ボタンが設けられており、自動出庫ボタンの操作がなされたことを契機に電子キーから自動出庫要求信号が車両2に向けて送信されてもよい。
【0038】
自動出庫要求信号を受け付けた自動入出庫制御部8は、車両2の周辺における異常の有無に関する車両周辺情報を取得する(ステップS102)。自動入出庫制御部8は、車両2を出庫させる際、車両2の周囲(前後左右)と、車両の下方空間(車両2の底部と車庫4の床面との隙間)における安全確認を行う。車両2の周囲(前後左右)の安全確認(異常の有無)については、車両2に備えられている前方カメラ15、後方カメラ16、左右一対の側方カメラ17を用いて撮像した車両2の周囲の撮像データに基づいて判別する。また、車両2の下方空間の安全確認(異常の有無)については、車庫4内に設置した感知センサ46を用いたセンシング結果に基づいて判別する。
【0039】
図8は、図7のステップS102で実行されるサブルーチンの処理を示すフローチャートである。ステップS1021において、車両2(運転支援装置7)の自動入出庫制御部8は、前方カメラ15、後方カメラ16、一対の側方カメラ17を用いて車両2の周囲を撮像させる。ステップS1021の処理が終了すると、ステップS1022に進む。ステップS1022において、車両2(運転支援装置7)の画像処理部26は、前方カメラ15、後方カメラ16、一対の側方カメラ17によって撮像された画像を合成して車両周囲俯瞰画像Pnを生成し、記憶装置25に記憶する。俯瞰画像の生成方法について周知のため、その詳しい説明は省略する。なお、車両2の記憶装置25には、車両2が車庫4に入庫した際に画像処理部26が生成した車両周囲俯瞰画像Ppも記憶されている。画像処理部26は、記憶装置25から入庫時の車両周囲俯瞰画像Ppと、現在の車両周囲俯瞰画像Pnとを読み出し、車両周囲俯瞰画像Pn,Ppの差分を検出した差分画像Pdを生成する。ステップS1022の処理が終了すると、ステップS1023の処理に進む。
【0040】
ステップS1023において、画像処理部26は、差分画像Pdに対してエッジ抽出や機械学習等といった公知の画像処理手法を用いて、差分画像Pdに含まれる人や動物、障害物等を検出し、差分画像Pdに対する人や障害物の検出結果に関する情報(以下、「車両周囲情報」という)Isを生成する。画像処理部26が生成した車両周囲情報Isは、記憶装置25に記憶される。続くステップS1024において、自動入出庫制御部8は、車両周囲情報Isを記憶装置25から読み出し、取得する。
【0041】
次に、ステップS1025において、車両2(運転支援装置7)の自動入出庫制御部8は、シャッター制御ユニット5から感知センサ46の検出データを、車両2の下方空間の安全確認に関する情報(以下、「車両下方情報」という)Ibとして取得する。シャッター制御ユニット5および車両2間のデータの送受信は、ネットワーク6を介して行われる。シャッター制御ユニット5の通信部52を介して送信された車両下方情報Ib(感知センサ46の検出データ)は、車両2の通信部23によって受信され、記憶装置25に記憶される。自動入出庫制御部8は、記憶装置25から、車両下方情報Ibを読み取り、取得する。ステップS1025の処理が終了すると、本サブルーチンを終了する。
【0042】
以上のように、図7のステップS102では、車両2の自動入出庫制御部8が、車両周囲情報Isおよび車両下方情報Ibを取得する。ステップS102の処理が終了すると、ステップS103に進む。
【0043】
ステップS103において、自動入出庫制御部8は、車両周囲情報Isおよび車両下方情報Ibに基づき、車両2の周辺(周囲および下方)が安全であるか否か、即ち車両2の周辺に人や障害物等が存在しないかどうかを判定する。本ステップで、車両2の周辺に安全であると判定された場合(ステップS103;Yes)、ステップS104に進む。一方、車両2の周辺が安全ではない(異常がある)と判定された場合(ステップS103;No)、ステップS107に進む。
【0044】
ステップS104において、車両2の自動入出庫制御部8は、シャッター制御ユニット5にシャッター43のオープン要求信号を送信する。オープン要求信号は、シャッター43の開放を要求する指令信号である。ステップS104の処理が終了すると、ステップS105に進む。
【0045】
ここで、図9は、シャッター制御ユニット5が実行する自動出庫協調制御の処理を示すフローチャートである。シャッター制御ユニット5は、車両2からシャッター43のオープン要求信号を受信したことを契機として、本制御ルーチンの処理を開始する。図9のステップS201において、シャッター制御ユニット5の制御部50が、シャッター43を開放するオープン指令信号をシャッター駆動部45に出力することで、シャッター駆動部45にシャッター43を開放させる。
【0046】
続くステップS202において、シャッター制御ユニット5の制御部50は、シャッター43が全開状態となったか否かを判定する。ここで、シャッター43の巻き取り量は、図示しない巻き取り量検出センサの検出結果に基づいて検出することができる。そして、シャッター43の巻き取り量を検出することで、シャッター43が全開状態となったか否かを判定することができる。
【0047】
ステップS202において、シャッター43が全開状態ではないと判定された場合(ステップS202;No)、一定時間の経過後にステップS201に戻る。一方、ステップS202において、シャッター43が全開状態であると判定された場合(ステップS202;Yes)、制御部50は、ステップS203に進む。そして、ステップS203にお
いて、制御部50は、車両2にシャッター全開情報を送信する。シャッター全開情報は、シャッター43が全開状態であることを示す情報である。ステップS203の処理が終了すると、本制御ルーチンを終了する。
【0048】
図7のフローチャートに戻ると、ステップS105において、自動入出庫制御部8は、シャッター制御ユニット5からシャッター全開情報を受信しているか否かを判定する。上述した図9のステップS203において、シャッター制御ユニット5の制御部50から車両2に送信されたシャッター全開情報は、記憶装置25に記憶される。
【0049】
ステップS105において、自動入出庫制御部8は、記憶装置25にアクセスし、シャッター制御ユニット5からのシャッター全開情報を受信しているかどうかを判定する。そして、シャッター全開情報を受信してないと判定された場合(ステップS105;No)、一定時間の経過後にステップS105に戻る。一方、シャッター全開情報を受信していると判定された場合(ステップS105;Yes)、シャッター43が全開となっていることを検知する。この場合、自動入出庫制御部8は、ステップS106に進む。
【0050】
なお、上記の処理フローでは、シャッター43が全開状態であるか否かをシャッター制御ユニット5が判定していたが、当該判定を車両2の自動入出庫制御部8が行ってもよい。例えば、シャッター制御ユニット5は、センサによって検出したシャッター43の巻き取り量を車両2に対して定期的に送信する。これによれば、シャッター43の巻き取り量が全開位置に対応する値に到達した場合に、シャッター43の全開状態を車両2の自動入出庫制御部8が検知することができる。
【0051】
ステップS106において、自動入出庫制御部8は、予め定められた出庫経路Lout上(図4を参照)を車両2が走行するように、車両2の自動出庫走行を実行する。図10は、図7のステップS106で実行されるサブルーチンの処理を示すフローチャートである。ステップS1061において、車両2(運転支援装置7)の自動入出庫制御部8は、エンジン始動装置21にエンジン10を始動させると共に、パーキングブレーキ制御装置14に電動パーキングブレーキをオフにさせる。さらに、本ステップにおいて、自動入出庫制御部8は、シフトチェンジ装置13に車両2のシフト位置をD(ドライブ)レンジにチェンジする。これによって、車両2が走行できる状況となる。そして、続くステップS1062において、自動入出庫制御部8は、操舵アクチュエータ12およびアクセル開度制御装置11の駆動制御を行い、設定された出庫経路Lout上に沿って車両2を自動走行させる。
【0052】
なお、ここでは、車庫4に対して後向きに入庫した車両2を自動出庫する場合を例に説明しているため、ステップS1061において車両2のシフト位置をDレンジに変更したが、車庫4に対して前向きに入庫した車両2を自動出庫する場合には、ステップS1061において車両2のシフト位置をR(リバース)レンジに変更するとよい。或いは、ステップS1061において、自動入出庫制御部8は、車両2の向いている方位を地磁気センサ等によって検出し、その検出結果に基づいて車両2の前方と後方のどちらがシャッター43側(出入口41側)に向いているかを判別してもよい。そして、車両2の前方がシャッター43側に向いている場合には車両2のシフト位置をDレンジに変更し、逆向きの場合にはシフト位置をRレンジに変更してもよい。
【0053】
そして、ステップS1062の処理が終了すると、ステップS1063に進む。ステップS1063において、自動入出庫制御部8は、自車位置が出庫経路Loutの終点位置(目標位置)である出庫停止位置に一致しているかどうかを判定する。自車位置はGPS信号に基づいて検出することができ、検出した自車位置と地図データに基づいて、自車位置が出庫停止位置に一致しているかどうかを判定することができる。自車位置が出庫停止
位置に一致していないと判定された場合(ステップS1063;No)、一定時間経過後に再びステップS1063に戻る。そして、自車位置が出庫停止位置に一致していると判定された場合(ステップS1063;Yes)、自動出庫走行を終了してもよいと判断され、ステップS1064に進む。
【0054】
ステップS1064において、自動入出庫制御部8は、アクセル開度制御装置11を制御して車両2を停止させる。そして、シフトチェンジ装置13にシフト位置をP(パーキング)レンジにチェンジさせると共に、パーキングブレーキ制御装置14に電動パーキングブレーキを作動させる。本ステップの処理が終了すると、本サブルーチンを終了する。そして、図7のステップS106において、車両2を出庫経路Loutに沿って出庫停止位置まで自動走行させることで、車両の自動出庫が完了する。ステップS106の処理が終了すると、本メインルーチンを終了する。
【0055】
ところで、図7のステップS103で車両2の周辺が安全ではない(異常がある)と判定された場合(ステップS103;No)、ステップS107に進む。ステップS107において、自動入出庫制御部8は、車両2の周辺に異常が有ることを車両2の所有者に報知すべく、携帯端末3に異常検出情報を送信する。この異常検出情報は、車両2の周辺に異常が有ることを示す情報である。ステップS107の処理が終了すると、本メインルーチンを終了する。なお、車両2から異常検出情報を受信した携帯端末3は、異常検出情報を記憶部35に記憶すると共に、異常検出情報をディスプレイ33に表示させる。これにより、車両2の周辺に異常が有ることを車両2の所有者に知らせることができ、所有者は車庫4に立ち入ることで、車庫4内の安全確認を実際に行うことができる。なお、車両2の自動入出庫制御部8は、ステップS107において携帯端末3に異常検出情報を送信した後、車庫4から車両2を出庫させることなく自動出庫協調制御を中止(終了)する。車両2の周辺に異常が有ると判別されており、車庫4から自動で車両2を出庫すべきではないからである。
【0056】
以上説明した本実施形態に係る車庫協調制御システム1によれば、無人の車両2を車庫4から出庫させる自動出庫制御を行う際に、車庫4内における車両周辺の安全確認を行ってからシャッター43を開放し、車両2の自動出庫走行を開始することができる。そして、車両2の周辺の安全確認を、自動入出庫制御部8が実行する制御によって行うことができ、運転者が車両2の周辺まで接近して安全確認を行う必要がないため、車庫4から遠く離れた位置から遠隔操作によって、車両2の無人による自動出庫が可能となる。
【0057】
なお、本実施形態に係る車庫協調制御システム1によれば、車庫4から無人で車両2を出庫する場合のほか、車庫4の運転者が乗車した状態で出庫することも勿論可能である。そのような場合、上述した図7〜10に示す制御フローを行う間、運転者は時間を持て余してしまうことが予想される。そこで、車両2の自動入出庫制御部8は、自動出庫要求信号を受け付けた場合に、着座センサ27の検出信号に基づいて車両2の運転席に運転者が着座しているか否かの判別を行う。そして、車両2の自動入出庫制御部8は、車両2の運転席に運転者が着座していることを検知した場合に、自動出庫制御中におけるステータス情報を運転者に通知するようにしてもよい。ここでいうステータス情報とは、自動出庫制御において車庫4内の車両2の周辺の安全確認を行った際の安全確認結果を示す情報や、
現在、車両2と車庫4がどのような協調制御を行っているのかを示す情報を含んでいてもよい。また、運転者へのステータス情報の通知は、車両2のディスプレイ装置24にステータス情報を表示させることで行ってもよいし、携帯端末3のディスプレイ33にステータス情報を表示させることで行ってもよい。
【0058】
また、本実施形態に係る車庫協調制御システム1によれば、自動出庫協調制御において車両2の周囲の安全が確認されてから車両2のエンジン10を始動させるため、車庫4内
に人がいる状態で車庫4に入庫されている車両2から排気ガスが排出されてしまうことを抑制できる。車両2が自動出庫要求信号の受け付け後、車両2の周囲の安全を確認するまでの間は、車両2の電源状態は、アクセサリー(ACC)がオンの状態か、イグニッション(IG)電源がオンの状態となっているとよい。なお、車両2は、ハイブリッド自動車や電気自動車(Electric Vehicle)であってもよい。車両2がハイブリッド自動車である場合、自動出庫要求信号の受け付け後、車両2の周囲の安全を確認するまでの間は、エンジンが始動していない待機状態(Ready−on状態)に維持するとよい。
【0059】
<変形例>
本実施形態に係る車庫協調制御システム1において、上述の自動出庫制御は種々の変形例を採用することができる。例えば、上述の自動出庫制御では、車両2の周辺の安全確認を行うに当たり、車両2の全周囲(前後左右)と、下方空間の双方を行っているが、どちらか一方のみの安全が確認された場合に、シャッター43を開放し、自動出庫走行を行うようなシステムとしてもよい。
【0060】
また、上述の自動出庫制御では、図7のステップS101において、車両2が自動出庫要求信号を受け付けてから、車載の前方カメラ15、後方カメラ16、側方カメラ17や、車庫4に設置された感知センサ46によって、車両2の周辺における安全を確認する例を説明したが、車両2が車庫4に入庫された後、一定時間ごとに、上記カメラやセンサを用いて車庫4内に異常がないかどうかを、自動出庫要求信号を受け付ける前に予め実施しておいてもよい。
【0061】
また、上述の自動出庫制御では、シャッター43が全開状態となったことを検知してから車庫4から車両2を発進させるようにしているが、シャッター43の開口高さHoが車両2の高さHcを超えたことを検知した時点で、車両2を発進させてもよい。シャッター43の開口高さHoは、シャッター43の巻き取り量に基づいて求めることができ、シャッター43の巻き取り量は巻き取り量検出センサ(図示せず)によって検出することができる。車両2の高さHcは、ユーザによる設定入力を予め受け付けるようにしてもよい。ユーザ(例えば、車両2の所有者)は、カタログ等を参照して、車両2の高さHcを入力装置(図示せず)を介して入力し、設置値を登録しておく。例えば、車両2のディスプレイ装置24をタッチパネル式にしておき、タッチパネル操作を介して車両2の高さHcについて設定してもよい。
【0062】
また、車両2に設けられている車内カメラ18の撮影した画像に基づいて、シャッター43の開放時における開口高さHoを推定し、その推定高さが車両2の高さHcを超えたと判定された場合に、それを契機として車両2を発進させてもよい。本変形例によれば、シャッター43が全開状態となるまで待たずとも、その開口高さHoが車両2の高さHcを超えたことを検知した時点で車両2を出庫させるべく発進させることで、安全且つ迅速に車両2を出庫させることができる。
【0063】
<実施形態2>
〔シャッターの異常検知〕
実施形態2に係る車庫協調制御システム1では、自動出庫制御において、シャッター43を開放する際、シャッター43の異常の有無について判別する制御を付加的に行う。具体的には、自動出庫制御において、シャッター制御ユニット5がシャッター駆動部45にシャッター43の開放を開始する指令を出した後、シャッター制御ユニット5は、シャッター駆動部45が正常であれば一定周期毎に発信されるパルス信号(以下、「ウォッチドッグ信号」ともいう)を監視する。そして、シャッター制御ユニット5は、シャッター駆動部45にオープン指令信号を出力してから一定時間が経過した後に、シャッター駆動部45からのパルス信号が定期的に受信されているか否かを判定し、シャッター43(シャ
ッター駆動部45)が正常に作動しているどうかを判断する。
【0064】
そして、シャッター駆動部45からのウォッチドッグ信号が定期的に受信されず、シャッター駆動部45が正常に作動していないと判定された場合、シャッター制御ユニット5の制御部50は、車両2の自動入出庫制御部8にシャッター異常停止情報を送信する。このシャッター異常停止情報は、シャッター43が異常停止したことを示す情報である。
【0065】
上記のようにシャッター異常停止情報をシャッター制御ユニット5から受信した車両2はシャッター異常停止情報を記憶装置25に記憶する。そして、車両2の自動入出庫制御部8は、シャッター異常停止情報を記憶装置25から読み取ることで、シャッター43の異常停止を検知することができる。このようにして、自動出庫制御中におけるシャッター43の異常停止を検知した場合に、車両2の自動入出庫制御部8は、自動出庫制御を中止すると共にシャッター異常停止情報を車両2の所有者の携帯端末3に送信する。このような場合に、車庫4から車両2を出庫させることなく自動出庫協調制御を中止するのは、シャッター43に故障や停電が起こっている可能性があるからであり、そうすることで、車庫4から自動で出庫される車両2がシャッター43に衝突することを好適に防ぐことができる。
【0066】
一方、車両2側からシャッター異常停止情報を受信した携帯端末3は、シャッター異常停止情報を記憶部35に記憶すると共に、シャッター異常停止情報をディスプレイ33に表示させることで、シャッター43の異常(例えば故障、停電等)を車両2の所有者に通知する。これにより、車両2の所有者は、シャッター43の故障や、停電が起こっているという状況を速やかに把握することができる。なお、シャッター異常停止情報を受信した携帯端末3は、シャッター異常停止情報をスピーカ34からの音声出力によってシャッター43の異常を車両2の所有者に通知してもよい。
【0067】
<変形例>
なお、実施形態2において、シャッターの異常検知を、シャッター制御ユニット5がシャッター駆動部45から一定周期毎にウォッチドッグ信号を受信できているか否かに基づいて行っているが、他の変形例を採用することができる。例えば、シャッター駆動部45からの故障信号を受け付けたことを契機として、シャッター制御ユニット5がシャッター異常停止情報を車両2に送信してもよい。
【0068】
或いは、車両2に設けられた各カメラや、周辺物センサ19によってシャッター43の動作を監視し、その結果に基づいてシャッター駆動部45が正常に作動しているかどうかを判定してもよい。例えば、シャッター制御ユニット5がシャッター駆動部45にオープン指令信号を出力したにも関わらず、シャッター43が動いていないことがカメラによって検知された場合に、シャッター制御ユニット5が車両2の自動入出庫制御部8にシャッター異常停止情報を送信するようにしてもよい。
【0069】
より具体的には、車庫4に車両2が後向きに入庫されていた場合、車両2のフロント側がシャッター43に面しているため、前方カメラ15、車内カメラ18、車両2のフロント側に位置する周辺物センサ19によってシャッター43の動作を監視するとよい。一方、車両2のリア側がシャッター43に面している場合、後方カメラ16や、車両2のリア側に位置する周辺物センサ19によってシャッター43の動作を監視するとよい。また、車両2の方位を地磁気センサ等によって検出し、その検出結果に基づいて車両2のフロント側とリア側のどちらがシャッター43側(出入口41側)に面しているかを判別することができる。さらに、車両2にミリ波レーダ等が備えられている場合、ミリ波レーダの検出結果に基づいてシャッター43の動作を監視してもよい。
【0070】
<実施形態3>
〔シャッターの閉鎖タイミング〕
実施形態3に係る車庫協調制御システム1では、自動出庫制御において、自動走行する車両2の全体が車庫4から外部に出たことを運転支援装置7の自動入出庫制御部8が検知した場合に、自動入出庫制御部8はシャッター制御ユニット5にシャッター43のクローズ要求信号を送信することを特徴とする。
【0071】
本実施形態では、図7のステップS106で車両2の自動出庫走行を開始した後、自動入出庫制御部8は、後方カメラ16に自動出庫走行中における車両2の後方を撮影させる。自動出庫走行中に後方カメラ16が撮影した車両後方画像Pbは、車両2の記憶装置25に順次記憶されるようになっている。また、図4に示すように、車庫4の出入口41の外側には、路面に出入口41の幅方向に沿って出庫ラインLwが引かれている。出庫ラインLwは、例えば白線によって描かれていているが、他の色であってもよい。
【0072】
本実施形態では、自動出庫走行中の車両後方画像Pbに基づいて、車両2の最後端が出庫ラインLwを通過したことを確認することで、車両2の全体が車庫4から外部に出たことを検知する。図11は、車庫4から車両2を自動出庫させる際、自動走行中における車両2の最後端がちょうど出庫ラインLwを通過するときの状態を示す図である。
【0073】
自動出庫制御において、車両2の自動入出庫制御部8は、一定時間毎に車両後方画像Pbを記憶装置25から読み出し、自動走行する車両2の最後端が出庫ラインLwを跨いだか否かを判定する。そして、自動走行する車両2の最後端が出庫ラインLwを跨いでいると判定された場合、図11にも示すように車両2の全体が車庫4から外部に出ていると判断する。本実施形態では、車両2の全体が車庫4から外部に出たことを検知した時点で、車両2の自動入出庫制御部8がシャッター制御ユニット5にシャッター43を閉じるクローズ要求信号を送信する。シャッター43のクローズ要求信号を受信したシャッター制御ユニット5は、制御部50がシャッター駆動部45にシャッター43を閉じるクローズ指令信号を出力することで、シャッター駆動部45にシャッター43を閉じさせる制御が行われる。これにより、シャッター43を閉じるタイミングを、より安全に決定することができる。
【0074】
<変形例>
なお、実施形態3において、自動出庫走行時における車両2の全体が車庫4から外部に出たことの検知は、他の方法を採用してもよい。例えば、自動出庫走行を開始してからの車両2の走行距離を検出してもよい。そして、車両2が予め設定された距離を走行した時点で、車両2の全体が車庫4から外部に出たことを推定してもよい。なお、自動出庫走行時における車両2の走行距離は、例えばGPS信号に基づいて算出することができる。或いは、図11に示すように、車庫4の出入口41に設けられている一対の測距センサ47の検出結果に基づいて、自動出庫走行時における車両2の全体が車庫4から外部に出たことを検知してもよい。
【0075】
なお、実施形態3に係る自動出庫制御において、車両2の自動入出庫制御部8がシャッター制御ユニット5にシャッター43のクローズ要求信号を送信した後、シャッター43が全閉状態になったことを検知した場合に、シャッター43が全閉状態となったことを示すシャッター全閉情報を記憶装置25に記憶させておき、車両2を出庫経路Loutに沿って出庫停止位置まで自動走行させた後、運転席に運転者が着座した時にシャッター全閉情報を運転者に通知してもよい。
【0076】
ここで、シャッター43の全閉状態は、シャッター43の巻き取り量に基づいて検知することができる。シャッター制御ユニット5は、シャッター43の巻き取り量が全開位置
に対応する値に到達した時に、車両2にシャッター全閉情報を送信してもよい。シャッター全閉情報を受信した車両2は、記憶装置25にシャッター全閉情報を記憶しておく。そして、出庫経路Loutの終点に停止している車両2の運転席への運転者の着座は、着座センサ27によって検出することができる。
【0077】
車両2の運転席に運転者が着座したことを検知した場合、車両2の自動入出庫制御部8は、シャッター43が全閉となっていることを運転者に報知する。例えば、自動入出庫制御部8は、シャッター全閉情報をディスプレイ33に表示させたり、音声スピーカ34に音声を出力させる。また、自動入出庫制御部8は、携帯端末3にシャッター全閉情報を送信し、ディスプレイ33やスピーカ34からシャッター全閉情報を出力させることで、シャッター43が全閉となっていることを運転者に報知してもよい。これにより、運転者は安心して車両2を運転し、車庫4を離れることができる。
【0078】
<実施形態4>
〔出庫時侵入検知〕
実施形態4に係る車庫協調制御システム1では、自動出庫制御において、自動入出庫制御部8がシャッター制御ユニット5にシャッター43のオープン要求信号を要求した後、外部から車庫4内に不審者や子供などの動体が侵入したか否かを判定する。具体的には、図2(b)や図11等に示す測距センサ47のセンシング結果に基づいて、車両2の自動入出庫制御部8は不審者や子供などの動体を検知する。
【0079】
本実施形態においては、自動出庫制御中に、不審者や子供などといった動体の車庫4へ侵入を検知した場合、動出庫協調制御を中止する。例えば、動体の車庫4へ侵入を検知した時点で、シャッター43の開閉制御を停止すると共に、車両2の所有者の携帯端末3に動体侵入情報を通知する。動体侵入情報とは、自動出庫制御中に、不審者や子供などが車庫4に侵入したことを示す情報である。車両2の自動入出庫制御部8は、動体侵入情報を携帯端末3に送信する。動体侵入情報を車両2から受信した携帯端末3は、動体侵入情報をディスプレイ33に表示したり、スピーカ34から音声出力することで、車庫4に外部から何者かが侵入した可能性があることを車両2の所有者に通知することができる。
【0080】
<実施形態5>
実施形態5に係る車庫協調制御システム1では、感知センサ46の代わりに、車庫4の床面を走行(自走)する自走式の監視用ロボット100によって、車両2の周囲および下方空間の安全確認を行う点が、実施形態1と相違する。図12は、実施形態5に係る監視用ロボット100を示す図である。監視用ロボット100は、制御部110、カメラ120、通信部130、駆動輪等を含む走行手段140を備えている。監視用ロボット100は、走行手段140を駆動させることで、車庫4内の床面を自由に自走することができる。監視用ロボット100は、駐車スペースに入庫されている車両2の下方空間を自走しながら、カメラ120によって車両2の下方空間を撮像する。
【0081】
制御部110は、CPU、このCPUによって読み出されるプログラムなどの固定的なデータを格納した格納部であるROM、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの各種メモリエリアを動的に形成するエリア格納部であるRAMなどを備えている。通信部130は、ネットワーク6を通じて車両2と通信可能に接続されている。
【0082】
本実施形態における自動出庫制御では、図7のステップS102で、車両2の自動入出庫制御部8は、車両2の周辺における異常の有無に関する車両周辺情報(車両周囲情報Isおよび車両下方情報Ib)を、監視用ロボット100から取得する。監視用ロボット100は、車両2の周囲および下方空間を自走しながら、カメラ120によって撮像する。
カメラ120によって撮像された車両2の周辺画像は、監視用ロボット100から車両2に送信される。そして、監視用ロボット100から車両2に送信された車両2の周辺画像に基づいて、車両2の自動入出庫制御部8は、車両2の周辺(周囲および下方)に人や障害物等が存在しないかどうかを判定し、安全確認を行う。その他の点は、実施形態1と同様である。
【0083】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る運転支援装置を備える車両および車庫協調制御システムはこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。また、上述した車庫協調制御システム1で実行される処理の順序は適宜入れ替えることができ、また、一部の処理を適宜省略することも可能である。
【符号の説明】
【0084】
1・・・車庫協調制御システム
2・・・車両
3・・・携帯端末
4・・・車庫
5・・・シャッター制御ユニット
6・・・ネットワーク
7・・・運転支援装置
8・・・自動入出庫制御部
43・・・シャッター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12