(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
超音波を出力する超音波発振器と、前記超音波発振器と対向して配置され、受信した超音波に応じた信号を出力する超音波受信器と、記憶部と、を有する重送検出装置における重送検出方法であって、
前記信号の最大振幅を、前記信号の信号値と閾値に基づいて用紙の重送が発生したことを検出する際に設定される第1振幅以下、及び、前記第1振幅より小さい第2振幅以下に設定可能であり、
前記超音波発振器と前記超音波受信器の間に用紙を介さずに、前記信号の最大振幅を前記第2振幅以下に設定し、前記超音波受信器から出力された信号に基づく第1信号値を事前に取得して前記記憶部に記憶し、
利用者によって重送検出装置が使用される運用環境において、前記超音波発振器と前記超音波受信器の間に用紙を介さずに、前記信号の最大振幅を前記第2振幅以下に設定し、前記超音波受信器から出力された信号に基づく第2信号値を取得して、前記第1信号値及び前記第2信号値に基づいて、前記閾値を補正する、
ことを含むことを特徴とする重送検出方法。
超音波を出力する超音波発振器と、前記超音波発振器と対向して配置され、受信した超音波に応じた信号を出力する超音波受信器と、記憶部と、を有する重送検出装置に実行させる制御プログラムであって、
前記信号の最大振幅を、前記信号の信号値と閾値に基づいて用紙の重送が発生したことを検出する際に設定される第1振幅以下、及び、前記第1振幅より小さい第2振幅以下に設定可能であり、
前記超音波発振器と前記超音波受信器の間に用紙を介さずに、前記信号の最大振幅を前記第2振幅以下に設定し、前記超音波受信器から出力された信号に基づく第1信号値を事前に取得して前記記憶部に記憶し、
利用者によって重送検出装置が使用される運用環境において、前記超音波発振器と前記超音波受信器の間に用紙を介さずに、前記信号の最大振幅を前記第2振幅以下に設定し、前記超音波受信器から出力された信号に基づく第2信号値を取得して、前記第1信号値及び前記第2信号値に基づいて、前記閾値を補正する、
ことを前記重送検出装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一側面に係る原稿搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
図1は、イメージスキャナとして構成された原稿搬送装置100を示す斜視図である。
【0014】
原稿搬送装置100は、重送検出装置の一例である。原稿搬送装置100は、上側筐体101、下側筐体102、原稿台103、排出台105、複数の操作ボタン106及び表示装置107等を備える。
【0015】
上側筐体101は、原稿搬送装置100の上面を覆う位置に配置され、原稿つまり時、原稿搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより下側筐体102に係合している。
【0016】
原稿台103は、原稿を載置可能に下側筐体102に係合している。原稿台103には、原稿の搬送方向と直行する方向に移動可能なサイドガイド104a及び104bが設けられている。以下では、サイドガイド104a及び104bを総じてサイドガイド104と称する場合がある。
【0017】
排出台105は、矢印A1で示す方向に回転可能なように、ヒンジにより下側筐体102に係合しており、
図1のように開いている状態では、排出された原稿を保持することが可能となる。
【0018】
複数の操作ボタン106は、それぞれ上側筐体101の表面に配置され、押下されると、各ボタンに応じた操作検出信号を生成して出力する。
【0019】
表示装置107は、液晶、有機EL等から構成されるディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0020】
図2は、原稿搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0021】
原稿搬送装置100内部の搬送経路は、接触センサ111、給送ローラ112a、112b、ブレーキローラ113a、113b、第1発光器114a、第1受光器114b、超音波発振器115a、超音波受信器115b、第1搬送ローラ116a、116b、第1従動ローラ117a、117b、第2発光器118a、第2受光器118b、第1撮像装置119a、第2撮像装置119b、第1照明装置120a、第2照明装置120b、第2搬送ローラ121a、121b及び第2従動ローラ122a、122b等を有している。
【0022】
以下では、給送ローラ112a及び112bを総じて給送ローラ112と称する場合がある。また、ブレーキローラ113a及び113bを総じてブレーキローラ113と称する場合がある。また、第1搬送ローラ116a及び116bを総じて第1搬送ローラ116と称する場合がある。また、第1従動ローラ117a及び117bを総じて第1従動ローラ117と称する場合がある。また、第2搬送ローラ121a及び121bを総じて第2搬送ローラ121と称する場合がある。また、第2従動ローラ122a及び122bを総じて第2従動ローラ122と称する場合がある。
【0023】
上側筐体101の下面は原稿の搬送路の上側ガイド108aを形成し、下側筐体102の上面は原稿の搬送路の下側ガイド108bを形成する。
図2において矢印A2は原稿の搬送方向を示す。以下では、上流とは原稿の搬送方向A2の上流のことをいい、下流とは原稿の搬送方向A2の下流のことをいう。
【0024】
接触センサ111は、給送ローラ112及びブレーキローラ113の上流側に配置され、原稿台103に原稿が載置されているか否かを検出する。接触センサ111は、原稿台103に原稿が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1原稿検出信号を生成して出力する。
【0025】
第1発光器114a及び第1受光器114bは、給送ローラ112及びブレーキローラ113の下流側、かつ第1搬送ローラ116及び第1従動ローラ117の上流側に、原稿の搬送路を挟んで対向するように配置される。第1発光器114aは、第1受光器114bに向けて光を放射する。第1受光器114bは、第1発光器114aから放射された光を検出し、検出した光に応じた電気信号である第2原稿検出信号を生成して出力する。即ち、第2原稿検出信号は、第1発光器114aと第1受光器114bの間に原稿が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する信号である。以下では、第1発光器114a及び第1受光器114bを総じて第1光センサ114と称する場合がある。
【0026】
超音波発振器115a及び超音波受信器115bは、原稿の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。超音波発振器115aは超音波を出力する。一方、超音波受信器115bは、超音波発振器115aにより発振され、原稿を通過した超音波を受信し、受信した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。以下では、超音波発振器115a及び超音波受信器115bを総じて超音波センサ115と称する場合がある。また、超音波受信器115bが出力する超音波信号を第1超音波信号と称する場合がある。
【0027】
第2発光器118a及び第2受光器118bは、第1搬送ローラ116及び第1従動ローラ117の下流側、かつ第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bの上流側に、原稿の搬送路を挟んで対向するように配置される。第2発光器118aは、第2受光器118bに向けて光を放射する。第2受光器118bは、第2発光器118aから放射された光を検出し、検出した光に応じた電気信号である第3原稿検出信号を生成して出力する。即ち、第3原稿検出信号は、第2発光器118aと第2受光器118bの間に原稿が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する信号である。以下では、第2発光器118a及び第2受光器118bを総じて第2光センサ118と称する場合がある。
【0028】
第1撮像装置119aは、主走査方向に直線状に配列されたCCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える縮小光学系タイプの撮像センサを有する。この撮像センサは、原稿の裏面を撮像してアナログの画像信号を生成して出力する。同様に、第2撮像装置119bは、主走査方向に直線状に配列されたCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプの撮像センサを有する。この撮像センサは、原稿の表面を撮像してアナログの画像信号を生成して出力する。なお、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bを一方だけ配置し、原稿の片面だけを読み取るようにしてもよい。また、CCDの代わりにCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)を利用することもできる。以下では、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bを総じて撮像装置119と称する場合がある。
【0029】
第1照明装置120aは、原稿の裏面を照らす光源と、原稿の表面に対して用いられる裏当てとを有し、第1撮像装置119aと原稿搬送路の間であり且つ第2撮像装置119bと対向する位置に設けられる。同様に、第2照明装置120bは、原稿の表面を照らす光源と、原稿の裏面に対して用いられる裏当てとを有し、第2撮像装置119bと原稿搬送路の間であり且つ第1撮像装置119aと対向する位置に設けられる。以下では、第1照明装置120a及び第2照明装置120bを総じて照明装置120と称する場合がある。
【0030】
原稿台103に載置された原稿は、給送ローラ112が
図2の矢印A3の方向に回転することによって、上側ガイド108aと下側ガイド108bの間を原稿搬送方向A2に向かって搬送される。ブレーキローラ113は、原稿搬送時、
図2の矢印A4の方向に回転する。給送ローラ112及びブレーキローラ113の働きにより、原稿台103に複数の原稿が載置されている場合、原稿台103に載置されている原稿のうち給送ローラ112と接触している原稿のみが分離される。これにより、分離された原稿以外の原稿の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。給送ローラ112及びブレーキローラ113は、原稿の分離部として機能する。
【0031】
原稿は、上側ガイド108aと下側ガイド108bによりガイドされながら、第1搬送ローラ116と第1従動ローラ117の間に送り込まれる。原稿は、第1搬送ローラ116が
図2の矢印A5の方向に回転することによって、第1撮像装置119aと第2撮像装置119bの間に送り込まれる。撮像装置119により読み取られた原稿は、第2搬送ローラ121が
図2の矢印A6の方向に回転することによって排出台105上に排出される。
【0032】
図3は、原稿搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0033】
原稿搬送装置100は、前述した構成に加えて、第1画像A/D変換器140a、第2画像A/D変換器140b、超音波検出回路141、駆動装置147、インタフェース装置148、記憶装置150及びCPU(Central Processing Unit)160等をさらに有する。
【0034】
第1画像A/D変換器140aは、第1撮像装置119aから出力されたアナログの画像信号をアナログデジタル変換してデジタルの画像データを生成し、CPU150に出力する。同様に、第2画像A/D変換器140bは、第2撮像装置119bから出力されたアナログの画像信号をアナログデジタル変換してデジタルの画像データを生成し、CPU150に出力する。これらのデジタルの画像データが読取画像として用いられる。以下では、第1画像A/D変換器140a及び第2画像A/D変換器140bを総じて画像A/D変換器140と称する場合がある。
【0035】
超音波検出回路141は、超音波センサ115に加えて、前段増幅器142、フィルタ143、後段増幅器144、ピークホールド回路145及びA/D変換器146等を含んでいる。
【0036】
超音波発振器115aが出力する超音波の強さは、CPU160により変更可能であり、CPU160から設定される。CPU160は、超音波発振器115aの駆動パルス数を変更することにより、超音波発振器115aが出力する超音波の発振回数を変更して、超音波の強さを変更する。または、CPU160は、超音波発振器115aが出力する超音波の発振電圧、即ち超音波発振器115aに印加する発振電圧を変更することにより、超音波発振器115aが出力する超音波の振幅を変更して、超音波の強さを変更する。
【0037】
前段増幅器142は、超音波センサ115から出力された第1超音波信号を増幅させてフィルタ143に出力する。即ち、前段増幅器142は、第1超音波信号をCPU160又は記憶装置150が取得する前に増幅する。前段増幅器142による第1増幅率は、CPU160により変更可能であり、CPU160から設定される。
【0038】
フィルタ143は、前段増幅器142から出力された信号に対して、所定の周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタを適用し、後段増幅器144に出力する。
【0039】
後段増幅器144は、フィルタ143から出力された信号を増幅させてピークホールド回路145に出力する。即ち、後段増幅器144は、第1超音波信号をCPU160又は記憶装置150が取得する前に増幅する。後段増幅器144による第2増幅率は、CPU160により変更可能であり、CPU160から設定される。
【0040】
ピークホールド回路145は、後段増幅器144から出力された信号についてピークホールドを取った信号を生成し、A/D変換器146に出力する。ピークホールド回路145は、後段増幅器144から出力された信号の極大値を一定のホールド期間だけホールドすることによりピークホールドを取った信号を生成する。
【0041】
A/D変換器146は、ピークホールド回路145から出力されたアナログの信号をアナログデジタル変換してデジタルの超音波信号を生成し、CPU160に出力する。以下では、A/D変換器146が出力し、記憶装置150及びCPU160が取得する超音波信号を第2超音波信号と称する場合がある。
【0042】
駆動装置147は、1つ又は複数のモータを含み、CPU160からの制御信号によって、給送ローラ112、ブレーキローラ113、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ121を回転させて原稿の搬送動作を行う。
【0043】
インタフェース装置148は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して読取画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置148の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
【0044】
記憶装置150は、記憶部の一例である。記憶装置150は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置150には、原稿搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置150にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD−ROM(compact disk read only memory)、DVD−ROM(digital versatile disk read only memory)等である。さらに、記憶装置150には、読取画像、及び、工場出荷前に事前に取得した第2超音波信号の信号値等が記憶される。
【0045】
CPU160は、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づいて動作する。なお、CPU160に代えて、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)等が用いられてもよい。また、CPU160に代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programming Gate Array)等が用いられてもよい。
【0046】
CPU160は、操作ボタン106、接触センサ111、第1光センサ114、超音波センサ115、第2光センサ118、第1撮像装置119a、第2撮像装置119b、第1画像A/D変換器140a、第2画像A/D変換器140b、駆動装置147、インタフェース装置148及び記憶装置150等と接続され、これらの各部を制御する。CPU160は、駆動装置147の駆動制御、撮像装置119の原稿読取制御等を行い、読取画像を取得する。また、CPU160は、超音波検出回路141の設定制御、重送検出処理等を行う。
【0047】
図4は、記憶装置150及びCPU160の概略構成を示す図である。
【0048】
図4に示すように、記憶装置150には、設定プログラム151、取得プログラム152、制御プログラム153、補正プログラム154、画像生成プログラム155及び検出プログラム156等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。CPU160は、記憶装置150に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、設定部161、取得部162、制御部163、補正部164、画像生成部165及び検出部166として機能する。
【0049】
図5は、テスト環境における信号値の記憶処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0050】
以下、
図5に示したフローチャートを参照しつつ、第1信号値の記憶処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主にCPU160により原稿搬送装置100の各要素と協働して実行される。
図5に示す動作のフローは、原稿搬送装置100の工場出荷前に、温度、湿度又は気圧等の環境条件が一定に保たれた工場等のテスト環境において実行される。
【0051】
最初に、設定部161は、超音波信号の最大振幅を第1振幅以下になるように設定し、さらに、超音波発振器115aによる超音波の出力をOFFに設定する(ステップS101)。第1振幅は、検出部166が用紙の重送が発生したことを検出する際に設定される、超音波信号の最大振幅である。
【0052】
設定部161は、A/D変換器146に入力される超音波信号の最大振幅が第1振幅以下になるように、超音波信号の最大振幅を設定する。なお、設定部161は、超音波受信器115bから出力された超音波信号の最大振幅が第1振幅以下になるように、超音波信号の最大振幅を設定してもよい。または、設定部161は、CPU160に入力される超音波信号の最大振幅が第1振幅以下になるように、超音波信号の最大振幅を設定してもよい。
【0053】
設定部161は、超音波発振器115aが出力する超音波の発振回数を設定して、超音波発振器115aが出力する超音波の強さを変更することにより、超音波信号の最大振幅を設定する。または、設定部161は、超音波発振器115aが出力する超音波の発振電圧、即ち超音波発振器115aに印加する発振電圧を設定して、超音波発振器115aが出力する超音波の強さを変更することにより、超音波信号の最大振幅を設定する。または、設定部161は、前段増幅器142による第1増幅率又は後段増幅器144による第2増幅率を設定することにより、超音波信号の最大振幅を設定してもよい。
【0054】
次に、取得部162は、作業者に対して用紙の搬送を禁止するメッセージを表示装置107に表示する(ステップS102)。
【0055】
次に、取得部162は、搬送路に用紙が存在しないこと、即ち超音波発振器115aと超音波受信器115bの間に用紙が存在しないことを検出するまで待機する(ステップS103)。設定部161は、第1光センサ114から出力される第2原稿検出信号及び第2光センサ118から出力される第3原稿検出信号に基づいて、搬送路に用紙が存在するか否かを判定する。
【0056】
次に、取得部162は、超音波検出回路141が出力した第2超音波信号を受信し、受信した第2超音波信号の信号値を第1オフセット値として取得する(ステップS104)。この第2超音波信号は、超音波発振器115aと超音波受信器115bの間に用紙を介さずに、超音波信号の最大振幅を第1振幅以下に設定した状態で、超音波受信器115bから出力された第1超音波信号に基づいて生成されている。また、この第2超音波信号は、テスト環境において、超音波発振器115aから超音波が出力されていない状態で出力された第1超音波信号に基づいて生成されている。
【0057】
次に、設定部161は、超音波信号の最大振幅を第1振幅以下になるように設定し、さらに、超音波発振器115aによる超音波の出力をONに設定する(ステップS105)。なお、ステップS101において既に超音波信号の最大振幅が第1振幅以下になるように設定されているので、最大振幅の設定は省略してもよい。
【0058】
次に、取得部162は、作業者に閾値算出用の用紙の搬送を指示するメッセージを表示装置107に表示する(ステップS106)。閾値算出用の用紙は、例えば、原稿搬送装置100がサポートする用紙厚さの上限以上の厚さを有する用紙(厚紙)である。
【0059】
次に、取得部162は、搬送路に用紙が搬送されたこと、即ち用紙が存在することを検出するまで待機する(ステップS107)。
【0060】
次に、取得部162は、超音波検出回路141が出力した第2超音波信号を受信し、受信した第2超音波信号の信号値を第1用紙通過信号値として取得する(ステップS108)。この第2超音波信号は、超音波発振器115aと超音波受信器115bの間に用紙を介し、超音波信号の最大振幅を第1振幅以下に設定した状態で、超音波受信器115bから出力された第1超音波信号に基づいて生成されている。また、この第2超音波信号は、テスト環境において、超音波発振器115aから超音波が出力されている状態で出力された第1超音波信号に基づいて生成されている。
【0061】
次に、取得部162は、第1オフセット値と第1用紙通過信号値に基づいて、第1閾値を算出する(ステップS109)。この第1閾値は、テスト環境と類似する環境で原稿搬送装置100が使用される場合に、検出部166による用紙の重送検出処理において、第2超音波信号と比較するために用いられる。第1閾値は、第1オフセット値と第1用紙通過信号値の間の値となるように定められる。第1閾値は、例えば以下の式により算出される。
(第1閾値)=(第1用紙通過信号値)×α+(第1オフセット値)×β
ここで、α及びβは係数であり、0<α<1、0<β<1である。例えば、αは0.9に設定され、βは0.1に設定される。
【0062】
次に、設定部161は、超音波信号の最大振幅を第2振幅以下になるように設定し、さらに、超音波発振器115aによる超音波の出力をONに設定する(ステップS110)。第2振幅は、第1振幅より小さい振幅である。例えば、第2振幅は、超音波発振器115aと超音波受信器115bの間に用紙を介さずに超音波信号を取得する際に、A/D変換器146の入力レンジ以下になるように定められる。これにより、A/D変換器146に入力される第1超音波信号の最大振幅がA/D変換器146の入力レンジ以下となり、A/D変換器146において超音波信号が飽和することを防止することができる。なお、ステップS105において既に超音波発振器115aによる超音波の出力はONに設定されているので、超音波の出力の設定は省略してもよい。
【0063】
次に、取得部162は、作業者に用紙の搬送を禁止するメッセージを表示装置107に表示する(ステップS111)。
【0064】
次に、取得部162は、搬送路に用紙が存在しないこと、即ち超音波発振器115aと超音波受信器115bの間に用紙が存在しないことを検出するまで待機する(ステップS112)。
【0065】
次に、取得部162は、超音波検出回路141が出力した第2超音波信号を受信し、受信した第2超音波信号の信号値を第1用紙非通過信号値として取得する(ステップS113)。この第2超音波信号は、超音波発振器115aと超音波受信器115bの間に用紙を介さずに、超音波信号の最大振幅を第2振幅以下に設定した状態で、超音波受信器115bから出力された第1超音波信号に基づいて生成されている。また、この第2超音波信号は、テスト環境において、超音波発振器115aから超音波が出力されている状態で出力された第1超音波信号に基づいて生成されている。第1用紙非通過信号値は、第1信号値の一例である。
【0066】
次に、取得部162は、第1オフセット値、第1用紙通過信号値、第1閾値及び第1用紙非通過信号値を記憶装置150に記憶させ(ステップS114)、一連のステップを終了する。
【0067】
図6は、最大振幅が変更された超音波信号について説明するためのグラフである。
【0068】
図6の横軸は時間を示し、縦軸は超音波信号の信号値を示す。
図6に示すグラフ600は、最大振幅が第1振幅A以下に設定された状態の第1超音波信号を示し、グラフ601は、最大振幅が第2振幅B以下に設定された状態の第1超音波信号を示す。
図6に示すように、超音波信号の最大振幅が小さくなるように最大振幅を設定することにより、超音波信号の信号値(レベル)自体も低くなる。
【0069】
図7は、原稿搬送装置100の起動処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0070】
以下、
図7に示したフローチャートを参照しつつ、原稿搬送装置100の起動処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主にCPU160により原稿搬送装置100の各要素と協働して実行される。
図7に示す動作のフローは、利用者によって原稿搬送装置100が使用される運用環境において、原稿搬送装置100の起動時に実行される。
【0071】
最初に、制御部163は、第1光センサ114及び第2光センサ118のテストを実行し、第1光センサ114及び第2光センサ118が正常であるか否かを判定する(ステップS201)。制御部163は、第1発光器114aに光を放射させた状態で第1受光器114bが出力する第2原稿検出信号を取得し、取得した信号の信号値が所定範囲内であるか否かにより、第1光センサ114が正常であるか否かを判定する。同様に、制御部163は、第2発光器118aに光を放射させた状態で第2受光器118bが出力する第3原稿検出信号を取得し、取得した信号の信号値が所定範囲内であるか否かにより、第2光センサ118が正常であるか否かを判定する。
【0072】
第1光センサ114又は第2光センサ118が正常でなかった場合、制御部163は、異常が発生したと判定して異常処理を実行し(ステップS202)、一連のステップを終了する。制御部163は、異常処理として、不図示のスピーカ、LED(Light Emitting Diode)等により、異常が発生したことを利用者に通知する。
【0073】
一方、第1光センサ114及び第2光センサ118が正常であった場合、制御部163は、駆動装置147を駆動させて、原稿台103に原稿が載置されていない状態にする(ステップS203)。制御部163は、原稿搬送装置100がサポートする最大サイズ(例えばA3サイズ)の原稿が原稿台103に載置されている場合でも、その原稿の搬送が完了するように、駆動装置147を駆動させる。
【0074】
次に、制御部163は、接触センサ111から出力される第1原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が載置されているか否かを判定する(ステップS204)。
【0075】
原稿台103に原稿が載置されている場合、制御部163は、異常が発生したと判定して異常処理を実行し(ステップS202)、一連のステップを終了する。
【0076】
一方、原稿台103に原稿が載置されていない場合、制御部163は、第1光センサ114から出力される第2原稿検出信号及び第2光センサ118から出力される第3原稿検出信号に基づいて原稿搬送路に原稿が存在するか否かを判定する(ステップS205)。
【0077】
原稿搬送路に原稿が存在する場合、制御部163は、異常が発生したと判定して異常処理を実行し(ステップS202)、一連のステップを終了する。
【0078】
次に、CPU160は、超音波センサ調整処理を実行する(ステップS206)。超音波センサ調整処理の詳細については後述する。
【0079】
また、制御部163は、撮像装置119及び照明装置120のテストを実行し、撮像装置119及び照明装置120が正常であるか否かを判定する(ステップS207)。制御部163は、照明装置120に光を放射させた状態で撮像装置119が出力する画像信号を取得し、取得した画像信号の信号値が所定範囲内であるか否かにより、撮像装置119及び照明装置120が正常であるか否かを判定する。また、制御部163は、原稿搬送路をはさんで撮像装置119と対向する位置に白基準板(不図示)をセットし、白基準板を撮像した白基準画像を取得する。この白基準画像は、原稿を読み取った読取画像を補正するために用いられる。
【0080】
なお、撮像装置119及び照明装置120のテストは、超音波センサ調整処理と並行して実行される。これにより、原稿搬送装置100は、起動時間を短縮することが可能となる。
【0081】
次に、制御部163は、超音波センサ調整処理、又は、撮像装置119及び照明装置120のテストで異常が検出されたか否かを判定する(ステップS208)。
【0082】
超音波センサ調整処理、又は、撮像装置119及び照明装置120のテストで異常が検出された場合、制御部163は、異常処理を実行し(ステップS202)、一連のステップを終了する。
【0083】
一方、超音波センサ調整処理、又は、撮像装置119及び照明装置120のテストで異常が検出されなかった場合、制御部163は、起動処理が正常に完了したと判定し、一連のステップを終了する。
【0084】
図8は、超音波センサ調整処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0085】
図8に示す動作のフローは、
図7に示すフローチャートのステップS206において実行される。
【0086】
最初に、設定部161は、超音波信号の最大振幅を第1振幅以下になるように設定し、さらに、超音波発振器115aによる超音波の出力をOFFに設定する(ステップS301)。
【0087】
次に、補正部164は、超音波検出回路141が出力した第2超音波信号を受信し、受信した第2超音波信号の信号値を第2オフセット値として取得する(ステップS302)。この第2超音波信号は、超音波発振器115aと超音波受信器115bの間に用紙を介さずに、超音波信号の最大振幅を第1振幅以下に設定した状態で、超音波受信器115bから出力された第1超音波信号に基づいて生成されている。また、この第2超音波信号は、運用環境において、超音波発振器115aから超音波が出力されていない状態で出力された第1超音波信号に基づいて生成されている。
【0088】
次に、設定部161は、超音波信号の最大振幅を第2振幅以下になるように設定し、さらに、超音波発振器115aによる超音波の出力をONに設定する(ステップS303)。なお、ステップS301において既に超音波発振器115aによる超音波の出力はONに設定されているので、超音波の出力の設定は省略してもよい。
【0089】
次に、補正部164は、超音波検出回路141が出力した第2超音波信号を受信し、受信した第2超音波信号の信号値を第2用紙非通過信号値として取得する(ステップS304)。この第2超音波信号は、超音波発振器115aと超音波受信器115bの間に用紙を介さずに、超音波信号の最大振幅を第2振幅以下に設定した状態で、超音波受信器115bから出力された第1超音波信号に基づいて生成されている。また、この第2超音波信号は、運用環境において、超音波発振器115aから超音波が出力されている状態で出力された第1超音波信号に基づいて生成されている。第2用紙非通過信号値は、第2信号値の一例である。
【0090】
次に、補正部164は、取得した第2用紙非通過信号値が基準範囲に含まれるか否かを判定する(ステップS305)。補正部164は、第2用紙非通過信号値が、予め定められた下限値以上であり且つ予め定められた上限値以下である場合、基準範囲に含まれると判定する。一方、設定部161は、第2用紙非通過信号値が、予め定められた下限値未満である場合、又は、予め定められた上限値より大きい場合、基準範囲に含まれないと判定する。
【0091】
第2用紙非通過信号値が基準範囲に含まれる場合、補正部164は、運用環境がテスト環境と類似していると判定し、記憶装置150に記憶された、テスト環境において算出された第1閾値を重送判定用閾値として使用することに決定する(ステップS306)。
【0092】
一方、第2用紙非通過信号値が基準範囲に含まれない場合、補正部164は、運用環境がテスト環境と大きく異なると判定し、第2オフセット値と、テスト環境において測定されていた第1用紙通過信号値とに基づいて、第2閾値を算出する(ステップS307)。この第2閾値は、テスト環境と異なる環境で原稿搬送装置100が使用される場合に、検出部166による用紙の重送検出処理において、第2超音波信号と比較するために用いられる。第2閾値は、第2オフセット値と第2用紙通過信号値の間の値となるように定められる。第2閾値は、例えば以下の式により算出される。
(第2閾値)=(第1用紙通過信号値)×α+(第2オフセット値)×β
ここで、α及びβは、第1閾値を算出するために使用された係数と同じ係数である。
【0093】
このように、第2閾値は、運用環境において用紙を搬送していない状態で測定された第2オフセット値と、テスト環境において用紙を搬送している状態で測定された第1用紙通過信号値とに基づいて算出される。したがって、利用者は、第2閾値を算出するために、運用環境において閾値算出用の用紙を搬送させる必要がなく、利用者の利便性を向上させることができる。
【0094】
次に、補正部164は、第1用紙非通過信号値及び第2用紙非通過信号値に基づいて、第2閾値を、運用環境に応じた値に補正する(ステップS308)。第2閾値は、例えば、以下の式により補正される。
(補正後の第2閾値)=(補正前の第2閾値)×{(第2用紙非通過信号値)÷(第1用紙非通過信号値)}×γ
ここで、γは係数である。例えば、γは1より小さい値に設定される。なお、γは1より大きい値に設定されてもよい。または、γは1に設定されてもよい。
【0095】
なお、第2閾値は、例えば、以下の式により補正されてもよい。
(補正後の第2閾値)=(補正前の第2閾値)+{(第2用紙非通過信号値)−(第1用紙非通過信号値)}×γ
【0096】
次に、補正部164は、テスト環境において算出された第1閾値を重送判定用閾値として使用することに決定する(ステップS309)。
【0097】
次に、設定部161は、超音波信号の最大振幅を第1振幅以下になるように設定し、さらに、超音波発振器115aによる超音波の出力をOFFに設定し(ステップS310)、一連のステップを終了する。
【0098】
なお、設定部161は、ステップS305において第2用紙非通過信号値が基準範囲に含まれていた場合も、ステップS307の処理と同様にして第2閾値を算出し、ステップ算出した第2閾値を重送判定用閾値として使用することに決定してもよい。これにより、運用環境に応じたオフセット値を用いて重送判定用閾値を決定することができるので、運用環境がテスト環境に類似している場合でも、運用環境に適した重送判定用閾値を使用することができる。
【0099】
また、設定部161は、ステップS305において第2用紙非通過信号値が基準範囲に含まれているか否かに関わらず、ステップS307〜S309の処理を実行してもよい。これにより、運用環境がテスト環境に類似している場合でも、運用環境により適した重送判定用閾値を使用することができる。
【0100】
以下、
図8に示したフローチャートに従って重送判定閾値を補正することの意義について説明する。
【0101】
図9A、9Bは、A/D変換器146に入力される超音波信号の信号値について説明するための図である。
【0102】
図9A、9Bの横軸は原稿搬送装置100が設置される運用環境の高度を示し、縦軸は超音波信号の信号値(電圧値)を示す。
図9A、9Bに示す各グラフ900、901、910、911は、各高度に設置された原稿搬送装置100において、超音波発振器115aから超音波が出力されている状態で、A/D変換器146に入力される超音波信号の信号値の一例である。
【0103】
図9Aに示すグラフ900は、超音波信号の最大振幅が第1振幅以下に設定され且つ用紙が搬送されていない状態における超音波信号の信号値を示す。一方、グラフ901は、超音波信号の最大振幅が第1振幅以下に設定され且つ用紙が搬送されている状態における超音波信号の信号値を示す。また、点線902は、A/D変換器146の入力レンジの最大値を示す。
【0104】
超音波の伝わり方は、重送検出装置が使用される温度、湿度又は気圧等の環境によって変化するため、
図9A、
図9Bに示すように、超音波信号の信号値910は、原稿搬送装置100が設置される高度によって変化している。そのため、原稿搬送装置100が設置される高度に応じて、重送判定閾値を変更することが望ましい。
【0105】
図9Aに示すように、用紙が搬送されている状態における超音波信号の信号値901は、原稿搬送装置100が設置される高度によらず、A/D変換器146の入力レンジの最大値902以下となる。しかしながら、用紙が搬送されていない場合、超音波発振器115aから出力された超音波は、用紙によって遮られないため、ほとんど減衰されずに、超音波受信器115bにおいて受信される。特に、原稿搬送装置100が設置される高度が低いほど、超音波発振器115aから出力された超音波の減衰率は低くなる。そのため、
図9Aに示すように、原稿搬送装置100が高度2km以下の環境に設置されている場合に、用紙が搬送されていない状態における超音波信号の信号値900が、A/D変換器146の入力レンジの最大値902より大きくなっている。したがって、原稿搬送装置100が高度2km以下の環境に設置されている場合、第2超音波信号の信号値は飽和し、最大値902になる。
【0106】
したがって、超音波信号の最大振幅を第1振幅以下に設定した状態では、テスト環境で測定した信号値と、運用環境で測定した信号値とを単純に比較しても各信号値の差を正しく算出することができず、重送判定閾値を適切に補正することはできない。一方、用紙を搬送させた状態で、テスト環境で測定した第2超音波信号の信号値と、運用環境で測定した第2超音波信号の信号値とを比較すれば、各信号値の差を正しく算出することができる。しかしながら、重送判定閾値の補正処理のために、利用者に用紙を搬送させると、利用者の利便性が低下する。
【0107】
図9Bに示すグラフ910は、超音波信号の最大振幅が第2振幅以下に設定され且つ用紙が搬送されていない状態における超音波信号の信号値を示す。一方、グラフ911は、超音波信号の最大振幅が第2振幅以下に設定され且つ用紙が搬送されている状態における超音波信号の信号値を示す。
【0108】
図9Bに示すように、超音波信号の最大振幅を第2振幅以下に設定することにより、用紙が搬送されていない状態における超音波信号の信号値910は、原稿搬送装置100が設置される高度によらず、A/D変換器146の入力レンジの最大値902以下となる。したがって、超音波信号の最大振幅を第2振幅以下に設定した状態で、テスト環境で測定した信号値と、運用環境で測定した信号値とを比較すれば、各信号値の差を正しく算出することができ、重送判定閾値を適切に補正することができる。
【0109】
図10は、原稿搬送装置100の原稿読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0110】
以下、
図10に示したフローチャートを参照しつつ、原稿搬送装置100の原稿読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主にCPU160により原稿搬送装置100の各要素と協働して実行される。
図10に示す動作のフローは、定期的に実行される。
【0111】
最初に、制御部163は、利用者により、原稿の読み取りを指示するための操作ボタン106が押下されて、原稿の読み取りを指示する操作検出信号を操作ボタン106から受信するまで待機する(ステップS401)。
【0112】
次に、制御部163は、接触センサ111から受信する第1原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が載置されているか否かを判定する(ステップS402)。
【0113】
原稿台103に原稿が載置されていない場合、制御部163は、ステップS401へ処理を戻し、操作ボタン106から新たに操作検出信号を受信するまで待機する。
【0114】
一方、原稿台103に原稿が載置されている場合、制御部163は、駆動装置147を駆動して給送ローラ112、ブレーキローラ113、第1搬送ローラ116及び第2搬送ローラ121を回転させて、原稿を搬送させる(ステップS403)。
【0115】
次に、画像生成部165は、搬送された原稿を撮像装置119に読み取らせ、画像A/D変換器140を介して読取画像を取得する(ステップS404)。
【0116】
次に、画像生成部165は、読取画像をインタフェース装置148を介して不図示の情報処理装置へ送信する(ステップS405)。なお、情報処理装置と接続されていない場合、画像生成部165は、読取画像を記憶装置150に記憶しておく。
【0117】
次に、制御部163は、接触センサ111から受信する第1原稿検出信号に基づいて原稿台103に原稿が残っているか否かを判定する(ステップS406)。
【0118】
原稿台103に原稿が残っている場合、制御部163は、ステップS403へ処理を戻し、ステップS403〜S406の処理を繰り返す。一方、原稿台103に原稿が残っていない場合、制御部163は、一連の処理を終了する。
【0119】
図11は、重送判定処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0120】
以下、
図11に示したフローチャートを参照しつつ、原稿搬送装置100の重送判定処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置150に記憶されているプログラムに基づき主にCPU160により原稿搬送装置100の各要素と協働して実行される。
図11に示す動作のフローは、原稿搬送時に定期的に実行される。なお、
図11に示す動作のフローが実行される前に、設定部161により、超音波信号の最大振幅は第1振幅以下になるように設定され、超音波発振器115aによる超音波の出力はONに設定される。
【0121】
最初に、検出部166は、超音波検出回路141から第2超音波信号を取得する(ステップS501)。
【0122】
次に、検出部166は、取得した第2超音波信号の信号値が、重送判定用閾値未満であるか否かを判定する(ステップS502)。
【0123】
図12は、第2超音波信号の特性について説明するための図である。
【0124】
図12のグラフ1200において、実線1201は単数の原稿が搬送されている場合の第2超音波信号の特性を示し、点線1202は原稿の重送が発生している場合の第2超音波信号の特性を示す。グラフ1200の横軸は時間を示し、縦軸は第2超音波信号の信号値を示す。重送が発生していることにより、区間1203において点線1202の超音波信号の信号値が低下している。そのため、第2超音波信号の信号値が重送判定閾値未満であるか否かにより原稿の重送が発生したか否かを判定することができる。
【0125】
検出部166は、第2超音波信号の信号値が重送判定用閾値未満である場合、原稿の重送が発生したと判定する(ステップS503)。その場合、検出部166は、異常処理として、不図示のスピーカ、LED等により、異常が発生したことを利用者に通知し、一連のステップを終了する。一方、検出部166は、超音波信号の信号値が重送判定用閾値以上である場合、原稿の重送は発生していないと判定し(ステップS504)、一連のステップを終了する。このように、検出部166は、超音波信号の最大振幅を第1振幅以下に設定した状態で、超音波信号の信号値と重送判定用閾値に基づいて、用紙の重送が発生したことを検出する。
【0126】
以上詳述したように、原稿搬送装置100は、
図5、7及び8に示したフローチャートに従って動作することによって、重送判定閾値を環境の変化に応じた適切な値に補正することができるので、環境の変化によらず、重送を正しく検出することが可能となった。
【0127】
図13は、他の実施形態に係る原稿搬送装置200の概略構成を示すブロック図である。
【0128】
原稿搬送装置200は、原稿搬送装置100が有する各部に加えて、処理回路250を有する。処理回路250は、DSP、LSI、ASIC又はFPGA等であり、CPU160の代わりに、超音波検出回路141の設定処理及び重送検出処理を実行する。
【0129】
図14は、処理回路250の概略構成を示す図である。処理回路250は、設定回路251、取得回路252、補正回路254及び検出回路256等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0130】
設定回路251は、設定部の一例である。設定回路251は、超音波信号の最大振幅を第1振幅以下又は第2振幅以下に設定するように、超音波発振器115a、前段増幅器142又は後段増幅器144に振幅設定信号を送信する。また、設定回路251は、超音波発振器115aによる超音波の出力をOFF又はONに設定するように、超音波発振器115aに超音波制御信号を送信する。
【0131】
取得回路252は、取得部の一例である。取得回路252は、超音波検出回路141から第2超音波信号を受信し、受信した第2超音波信号の信号値を取得して、記憶装置150に記憶する。また、取得回路252は、第1オフセット値と第1用紙通過信号値に基づいて第1閾値を算出し、記憶装置150に記憶する。
【0132】
補正回路254は、補正部の一例である。補正回路254は、超音波検出回路141から第2超音波信号を受信し、受信した第2超音波信号の信号値を取得して、記憶装置150に記憶する。また、補正回路254は、第2用紙非通過信号値が基準範囲に含まれる場合、第1閾値を重送判定用閾値として設定するように、検出回路256に閾値設定信号を送信する。また、補正回路254は、第2用紙非通過信号値が基準範囲に含まれない場合、第2オフセット値と第1用紙通過信号値に基づいて第2閾値を算出し、第1用紙非通過信号値及び第2用紙非通過信号値に基づいて第2閾値を補正する。そして、補正回路254は、第2閾値を重送判定用閾値として設定するように、検出回路256に閾値設定信号を送信する。
【0133】
検出回路256は、検出部の一例である。検出回路256は、超音波検出回路141から第2超音波信号を受信する。検出回路256は、第2超音波信号の信号値が重送判定用閾値未満である場合、重送を検出したことを示す検出信号をCPU160に送信する。
【0134】
以上詳述したように、原稿搬送装置200においても、原稿搬送装置100と同様に、環境の変化によらず、重送を正しく検出することが可能となった。