(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0014】
≪実施の形態1≫
図1は、本発明の実施の形態1に係るタービン式の流量制御装置を用いた空調制御システムの構成を示す図である。
同図に示される空調制御システム1は、例えばビル等の建物内の制御対象空間2の温度を調節するシステムである。具体的に、空調制御システム1は、空調機3,空調制御装置4、外部電源5、流量制御装置100、および温度センサ6を含む。
【0015】
空調機(FCU)3は、制御対象空間2へ調和された空気を供給するための装置である。空調機3は熱交換器(冷温水コイル)31とファン32とを備えている。
【0016】
なお、空調機3の熱交換器31としては、1つのコイルで冷房時は冷水として熱交換し、暖房時は温水として熱交換するシングルコイルタイプのものと、2つのコイルで冷房時は冷水コイルにて熱交換し、暖房時は温水コイルにて熱交換するダブルコイルのタイプのものとがある。この例において、熱交換器31はシングルコイルタイプであるものとする。
【0017】
流量制御装置100は、空調機3の熱交換器31に供給する冷温水の供給通路(流路)に設けられ、上記冷温水の流量を制御するためのタービン式の流量制御装置である。
図1には、流量制御装置100を空調機3の熱交換器31から戻される冷温水の還水管路LRに設けた場合が例示されているが、熱交換器31に冷温水を供給する往水管路LSに設けてもよい。
【0018】
流量制御装置100は、流量制御装置100内部の発電機によって発電した電力により動作するが、発電した電力が不足するときには、外部電源5から電力が供給されて動作する。また、流量制御装置100内部の発電機によって発電した余剰電力は、商用電源に回生し、他のコントローラやセンサ等に供給される。流量制御装置100の具体的な構成については後述する。
【0019】
制御対象空間2には、制御対象空間2内の温度を室内温度として計測する温度センサ6が設けられている。温度センサ6によって計測された室内温度の計測値tpvの情報は空調制御装置4に送信される。
【0020】
空調制御装置(コントローラ)4は、室内温度の計測値tpvと室内温度の設定値tspとの偏差がゼロとなるように、熱交換機31に供給される冷温水の設定流量Qspを算出し、算出した設定流量Qspの情報を流量制御装置100に与える。
【0021】
空調制御システム1によれば、空調制御装置4によって流量制御装置100を流れる冷温水の流量を制御することにより、空調機3の熱交換器31への冷温水の供給量が制御され、空調機3から制御対象空間2への調和空気の温度が調節される。
【0022】
次に、実施の形態1に係る流量制御装置100について具体的に説明する。
図2〜4は、流量制御装置100の構成を示す図である。
図2には、流量制御装置100の内部構成を示すブロック図が示され、
図3には、流量制御装置100の外観の一部を示す斜視図が示され、
図4には、
図3に示した流量制御装置100の分解斜視図が示されている。
【0023】
図2に示されるように、流量制御装置100は、データ通信部11、システム制御部12、流量制御部13、インバータ制御部14、インバータ15、発電機16、静翼17、蓄電部18、電源部19、商用電源回生部20、位置センサ21、および記憶部22を備えており、空調制御装置4との間および外部電源5との間は有線で接続されている。
【0024】
流量制御装置100は、管路(
図1の例の場合、還水管路LR)から流れ込む冷温水を静翼17を介して発電機16を構成するタービン160に通水するとともにタービン160のトルクを制御することによって、冷温水の流量を制御する。
【0025】
先ず、流量制御装置100内部の流路に配置される静翼17および発電機16について説明する。
図4に示されるように、発電機16のタービン160と静翼17とは、流量制御装置100内部の冷温水が通水する流路内に、それらの軸心と上記流路の軸心とが一致するように配置されている。
【0026】
発電機16は、冷温水の水流によって回転するタービンの回転によって発電する機能部である。
図5に示されるように、発電機16は、タービン(回転子)160と固定子161とを含む。タービン160は、流量制御装置100内部の流路の軸Pと同軸に配置されている。具体的に、タービン160は、永久磁石を組み込んだリング1602と、リング1602の内側に一体的に設けられた羽根車1601とから構成されている。タービン160は、管路を流れる冷温水の水流を受けて全体が回転する。すなわち、リング1602と羽根車1601とが一体となって回転する。
【0027】
固定子161には、コイルが巻かれており、このコイルを固定子巻線として、タービン160の回転による電磁誘導により発電する。
【0028】
位置センサ21は、リング1602に組み込まれた永久磁石の磁極の位置をタービン160の磁極位置として検出する。位置センサ21としては、例えばホールIC、インクリメンタルエンコーダ、アブソリュートエンコーダ等を用いることができる。
【0029】
なお、本実施の形態では、位置センサ21を設ける場合を一例として示しているが、位置センサ21以外の別の手段によって、タービン160の磁極位置の検出とタービン160の角速度の算出を実現することができるのであれば、位置センサ21を設けなくてもよい。また、上記別の手段と位置センサ21とを組み合わせた構成としてもよい。なお、この場合の位置センサ21としては、上記と同様に、例えばホールIC、インクリメンタルエンコーダ、アブソリュートエンコーダ等を用いることができる。
【0030】
静翼17は、冷温水の水流を受けても回転しないように上記流路内に固定され、流体(冷温水)を整流する。具体的に、静翼17は、
図6に示されるように、タービンと同軸に配置された基体170と、基体17上に基体17の軸(軸P)と直交する方向に延在する複数の羽根171とを有する。
【0031】
複数の羽根171は、基体170上に基体170の軸(軸P)と直交する方向に延在するとともに、基体170の円周方向に例えば等間隔で並んで配置されている。
図7に示されるように、夫々の羽根171は、流体を受ける主面171bと基体170の軸(軸P)に直交する平面(X−Z面)とのなす角(以下、「ピッチ角度」と称する。)Agvが固定されている。なお、以下の説明では、各羽根171のピッチ角度Agvを、「静翼17のピッチ角度Agv」と称することがある。
【0032】
本実施の形態では、一例として、
図7に示されるように、静翼17をZ方向からみたとき、羽根171を基体170の外周面に固定する固定軸172と羽根171の端部171aとを結ぶ直線Bと、固定軸172を通り、軸Pに直交する平面(X−Z面)と平行な直線Aとのなす角をピッチ角度Agvとしている。
【0033】
図8〜11に静翼17のピッチ角度Agvの調節例を示す。
図8には、ピッチ角度Agv=0度のときのZ軸方向から見た静翼17の斜視図が示され、
図9には、ピッチ角度Agv=45度のときのZ軸方向から見た静翼17の斜視図が示されている。また、
図10には、ピッチ角度Agv=0度のときのY軸方向から見た静翼17の平面図が示され、
図11には、ピッチ角度Agv=45度のときのY軸方向から見た静翼17の平面図が示されている。
【0034】
図8〜11から理解されるように、静翼17のピッチ角度Agvが大きくなるほど、流量制御装置100内に流れ込む冷温水の流量が大きくなる。
【0035】
次に、流量制御装置100におけるタービン160を制御するための周辺の機能部について説明する。
【0036】
データ通信部11は、空調制御装置4との間で各種データの送受信を行う機能部である。データ通信部11は、例えば、冷温水の流量の設定値等のデータを空調制御装置4から受信するとともに、流量制御装置100の内部状態(動作状態等)に関するデータを空調制御装置4へ送信する。
【0037】
システム制御部12は、流量制御装置100のシステム全体を統括的に制御するための機能部である。システム制御部12は、例えば、データ通信部11によって受信した各種設定値等の受信データを入力し、流量制御装置100の内部状態等の送信データをデータ通信部11へ出力する。また、システム制御部12は、例えば、データ通信部11によって受信した受信データから冷温水の流量の目標値(以下、「流量目標値」と称する。)Q
refを取り出し、この取り出した流量設定値Q
refを流量制御部13へ出力する。
【0038】
流量制御部13は、インバータ制御部14およびインバータ15を介して発電機16のタービン160を制御することにより、冷温水の流量を制御するための機能部である。具体的に、流量制御部13は、流量推定部131とトルク目標値算出部132とを含む。
【0039】
流量推定部131は、タービン160の角速度ωと、タービン160のトルクTと、ピッチ角度Agvとに基づいて流体の流量を推定する機能部である。
【0040】
トルク目標値算出部132は、流量推定部131によって推定された冷温水の流量(以下、「流量推定値」と称する。)Q
Zが流量設定値Q
refに一致するようにタービン160のトルクの目標値(以下、「トルク目標値」と称する。)T
refを算出する機能部である。
なお、流量推定部131およびトルク目標値算出部132による具体的な演算手法については後述する。
【0041】
記憶部22は、流量制御装置100における各種のデータ処理を実現するための各種のプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する記憶部である。例えば、記憶部22には、静翼17のピッチ角度Agvの情報220や、流量推定部131による後述する流量の推定処理に用いられる関数の情報221等が格納されている。
【0042】
インバータ制御部14は、インバータ15を制御するための機能部である。具体的に、インバータ制御部14は、タービン160のトルクがトルク目標値T
refとなるようにトルク制御則によりインバータ15への相電圧設定値を演算する。また、インバータ制御部14は、位置センサ21によって検出されたタービン160の磁極位置からタービン160の現在の角速度ωを算出するとともに、インバータ15からの発電機16の固定子161の固定子巻線の現在の相電圧値および相電流値からタービン160の現在のトルクTを算出する。算出された角速度ωおよびトルクTは、流量推定部131による流量推定値Q
Zの算出に用いられる。
【0043】
インバータ15は、電源部19からの主電源を受けて動作する。インバータ制御部14によって算出された相電圧設定値に応じた相電圧を発電機16の固定子161の固定子巻線に印加するとともに、発電機16で発電された電力を蓄電部18に供給する。
【0044】
電源部19は、外部電源5からの電力と、蓄電部18に蓄積されている電力とを入力とし、流量制御装置100内の各機能部に電源を供給する。本実施の形態では、電源部19からインバータ15へ供給される電源を主電源とし、電源部19からデータ通信部11、システム制御部12、流量制御部13、インバータ制御部14、および記憶部22等へ供給される電源を制御電源と称する。
【0045】
電源部19は、外部電源5からの電力と蓄電部18に蓄積されている電力とを合わせた電力を各機能部に分配するが、蓄電部18に蓄積されている電力を優先的に分配する。例えば、蓄電部18に蓄積されている電力で不足が生じる場合には、外部電源5から供給される電力と合わせた電力を各機能部に分配し、蓄電部18に蓄積されている電力が余る場合には、その余った電力を余剰電力として商用電源回生部20を介して商用電源(この例では、外部電源5)に回生し、他のコントローラおよびセンサ等に電力を供給する。
【0046】
上述したデータ通信部11、システム制御部12、流量制御部13、記憶部22、インバータ制御部14、電源部19、商用電源回生部20等の流量制御装置100を構成する各機能部は、例えば、プロセッサ、クロック回路、通信回路、記憶装置、デジタル入出力回路、アナログ入出力回路、パワーエレクトロニクス回路などからなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。
【0047】
次に、流量推定部131による流量推定値Q
Zの算出方法について具体的に説明する。
上述したように、流量推定部131は、インバータ制御部14によって算出されたタービン160の角速度ωおよびトルクTの情報と、記憶部22に記憶されたピッチ角度Agvの情報とに基づいて無次元流量を推定し、この推定した無次元流量から流量推定値Qzを算出する。
【0048】
ここで、無次元流量πqと無次元トルクπtは、流量,トルク目標値,角速度に着目してバッキンガムのπ定理に基づいて次元解析を行うことにより、式(1)および式(2)によって定義できることが知られている。ここで、ρ[kg/m
3]は流体の密度、D[m]はタービン160の直径(流量制御装置100内部の流路の内径)、Qは流体(冷温水)の流量、ωはタービン160の角速度、T
refはタービン160のトルク目標値である。
【0051】
また、タービン式の流量制御装置100において、無次元流量πqと、無次元トルクπtと、ピッチ角度Agvとの関係は、
図12に示されるように、一つの三次元曲面300によって表すことができる。三次元曲面300は、式(3)で表すことができる。
【0053】
式(3)において、a〜hは係数である。係数a〜hは、例えば、予め流量制御装置100を試作し、試作した流量制御装置100の測定結果に基づいて決められる。推定した各係数a〜hの値は、例えば、式(3)に示される関係式とともに、関数の情報221として記憶部22に予め格納される。
【0054】
式(3)を用いることにより、無次元トルクπtとピッチ角度Agvとから無次元流量πqを推定することができる。また、無次元流量πqと流量Qとの間には、上述の式(1)に示した関係が成り立つことから、流量制御装置100を流れる冷温水の流量推定値Qzは、式(4)によって算出することができる。
【0056】
具体的に、流量推定部131は、先ず、インバータ制御部14によって算出されたタービン160の角速度ωの値およびトルクTの値を式(2)に代入することにより、無次元トルクπtを算出する。
【0057】
ここで、式(2)に代入するトルクTの値としては、インバータ制御部14によって算出されたトルクの値であってもよいし、その時点で設定されているトルク目標値T
refの値であってもよく、特に限定されない。
【0058】
また、式(2)の関係式の情報と、密度ρおよびタービン160の直径Dの情報は、関数の情報221として記憶部22に予め記憶されているものとする。すなわち、流量推定部131は、記憶部22から読み出した式(2)、密度ρ、および直径Dの情報と、インバータ制御部14によって算出されたタービン160の角速度ωおよびトルクT(トルク目標値T
ref)とに基づいて、無次元トルクπtを算出する。
【0059】
次に、流量推定部131は、算出した無次元トルクπtの値と、記憶部22に記憶されたピッチ角度Agvの値および係数a〜hの値とを、式(3)に代入することにより、無次元流量πqを算出する。その後、流量推定部131は、算出した無次元流量πqを記憶部22に記憶された式(4)に代入することにより、流量推定値Q
Zを算出する。
以上の手法により、タービン160の角速度ω、タービン160のトルクT、およびピッチ角度Agvに基づいて、流量推定値Q
Zを算出することができる。
【0060】
図13〜15に、実施の形態1に係る流量制御装置100において、上述した手法によって算出した冷温水の流量推定値Q
Zと、実際に流量計を用いて測定した冷温水の流量との比較結果を示す。
図13〜15において、縦軸は流量〔m
3/s〕であり、横軸はトルク〔Nm〕である。
【0061】
図13には、静翼17のピッチ角度Agvが45度のときの流量推定値Qzと流量とが示され、
図14には、静翼17のピッチ角度Agvが32.5度のときの流量推定値Qzと流量とが示され、
図15には、静翼17のピッチ角度Agvが8.5度のときの流量推定値Qzと流量とが示されている。
【0062】
図13〜15に示されるように、ピッチ角度Agvが45度および32.5度においては、一つの点を除いて、流量推定値Qzと流量との誤差は最大±0.0006〔m3/s〕であり、ピッチ角度Agvが12.5度においては、上記誤差は最大±0.0004〔m3/s〕である。したがって、最大レンジを0.016〔m3/s〕とすれば、上記誤差は最大±3.8%FSとなることから、上記推定方法によれば、流体の流量を高精度に推定できることが理解される。
【0063】
次に、トルク目標値算出部132によるトルク目標値T
refの算出方法について具体的に説明する。
トルク目標値T
refは、流量目標値Q
refと流量推定値Q
Zとに基づいて、記憶部22に記憶された定数K
P,K
I、および下記式(5)で示されるPI(Proportional−Integral)制御則によって算出することができる。
【0065】
したがって、トルク目標値算出部132は、流量目標値Q
refと流量推定部131によって算出された流量推定値Q
Zとを式(5)に代入することによって、トルク目標値T
refを算出する。
【0066】
次に、流量制御装置100の動作について説明する。
先ず、流量制御装置100は、冷温水の供給先の負荷変動により、空調制御装置4からの冷温水の新たな流量目標値Q
refをデータ通信部11によって受信する。データ通信部11によって受信した流量目標値Q
refは、システム制御部12へ送られる。
【0067】
システム制御部12は、流量目標値Q
refの情報を流量制御部13へ送る。流量制御部13では、先ず、流量推定部131が、インバータ制御部14によって算出されたタービン160の角速度ωおよびトルクTの情報と、記憶部22に記憶されたピッチ角度Agvの情報とに基づいて、上述した手法により無次元流量πqを推定し、この推定した無次元流量πqに基づいて、上述した手法により流量推定値Q
Zを算出する。
【0068】
そして、トルク目標値算出部132は、流量推定部131によって算出された流量推定値Q
Zが流量目標値Q
refに一致するようなトルク目標値T
refを上述した手法により算出し、インバータ制御部14に送る。
【0069】
インバータ制御部14は、流量制御部13からのトルク目標値T
refを受けて、発電機16のタービン160のトルクTがトルク目標値T
refと一致するような相電圧設定値を算出し、インバータ15へ送る。インバータ15は、インバータ制御部14からの相電圧設定値を受けて、発電機16の固定子161の固定子巻線に上記相電圧設定値に応じた相電圧を供給する。これにより、タービン160のトルクがトルク目標値T
refに合わせ込まれ、管路を流れる冷温水の流量が流量目標値Q
refに調整される。
【0070】
以上、本実施の形態に係る流量制御装置100によれば、流量制御におけるレンジアビリティを向上させることが可能となる。以下、
図16〜18を用いて具体的に説明する。
【0071】
図16〜18は、流量制御装置1の各ピッチ角度Agvにおける、流量とトルクと角速度との関係を示す図である。
図16〜18において、縦軸は流量〔m
3/s〕であり、横軸はトルク〔Nm〕である。
図16には、静翼17のピッチ角度Agvが45度である場合において、タービン160の角速度ωを100〔rpm〕、500〔rpm〕、1000〔rpm〕、1500〔rpm〕、2000〔rpm〕、2500〔rpm〕、3000〔rpm〕、3500〔rpm〕、4000〔rpm〕としたときのタービン160のトルクTに対する電磁流量計によって計測した流量の特性が、参照符号400〜408によって夫々示されている。
【0072】
また、
図17には、静翼17のピッチ角度Agvが32.5度である場合において、タービン160の角速度ωを100〔rpm〕、500〔rpm〕、1000〔rpm〕、1500〔rpm〕、2000〔rpm〕、2500〔rpm〕、3000〔rpm〕、3500〔rpm〕としたときのタービン160のトルクTに対する電磁流量計によって計測した流量の特性が参照符号500〜507によって夫々示されている。
【0073】
また、
図18には、静翼17のピッチ角度Agvが8.5度である場合において、タービン160の角速度ωを100〔rpm〕、500〔rpm〕、1000〔rpm〕、1500〔rpm〕としたときのタービン160のトルクTに対する電磁流量計によって計測した流量の特性が参照符号600〜603によって夫々示されている。
【0074】
図16に示されるように、静翼17のピッチ角度Agvが45度である場合において、タービン160の角速度を変えたときの電磁流量計によって計測した流量の範囲は、約0.0036〔m
3/s〕(参照符号400の流量値の最小値)から約0.016〔m
3/s〕(参照符号408の流量値)となる。
【0075】
また、
図17に示されるように、静翼17のピッチ角度Agvが32.5度である場合において、タービン160の角速度を変えたときの電磁流量計によって計測した流量の範囲は、約0.003〔m
3/s〕(参照符号500の流量値の最小値)から約0.012〔m
3/s〕(参照符号407の流量値)となる。
【0076】
また、
図18に示されるように、静翼17のピッチ角度Agvが8.5度である場合において、タービン160の角速度を変えたときの電磁流量計によって計測した流量の範囲は、約0.001〔m
3/s〕(参照符号600の流量値の最小値)から約0.0033〔m
3/s〕(参照符号603の流量値)となる。
【0077】
以上のことから理解されるように、静翼17のピッチ角度Agv毎に、流量の制御範囲が異なる。したがって、本実施の形態1に係る流量制御装置100のようにタービン160のトルクT、角速度ω、およびピッチ角度Agvの3つのパラメータに基づいて冷温水の流量を推定した上で、更に静翼17のピッチ角度を調節すれば、流量制御のレンジアビリティを向上させることが可能となる。例えば、
図16〜
図18に示されるように、タービン160のトルクのみならず、ピッチ角度Agvを8.5度から45度まで変化させることにより、流量の制御範囲を約0.001〔m
3/s〕(参照符号600の流量推定値の最小値)から約0.016〔m
3/s〕(参照符号408の流量推定値)まで広げることが可能となる。
【0078】
以上のように、実施の形態1に係る流量制御装置100によれば、タービン160のトルクと角速度のみならずピッチ角度Agvをも考慮して流量を推定する構成を備えているので、例えば静翼17のピッチ角度Agvを調節できる機構を流量制御装置100に追加することにより、流量制御のレンジアビリティを向上させることが可能となる。例えば、ピッチ角度Agvの異なる静翼17を手動により切り替えられる機構を流量制御装置100に設けることにより、流量制御装置100を適用するアプリケーションに応じて流量の制御範囲を選択することができるようになるので、流量制御のレンジアビリティの向上が期待できる。
【0079】
≪実施の形態2≫
図19は、実施の形態2に係る流量制御装置101の構成を示す図である。
図19に示される流量制御装置101は、角度検出部23を備える点において、実施の形態1に係る流量制御装置100と相違する一方、その他の点においては実施の形態1に係る流量制御装置100と同様である。
【0080】
角度検出部23は、各羽根171のピッチ角度Agvを検出する機能部である。角度検出部23としては、ポテンショメータ、インクリメンタルエンコーダ、およびアブソリュートエンコーダ等を例示することができる。
【0081】
流量推定部131は、角度検出部23によって検出されたピッチ角度Agvの値に基づいて流量推定値Q
Zを算出する。なお、流量推定値Q
Zの算出方法については、実施の形態1に係る流量制御装置100と同様である。
【0082】
以上、実施の形態2に係る流量制御装置101によれば、実施の形態1に係る流量制御装置100と同様に、流量制御におけるレンジアビリティを向上させることが可能となる。
【0083】
また、実施の形態2に係る流量制御装置101によれば、上述した例のように、ピッチ角度Agvの異なる静翼17に交換した場合であっても、静翼17の交換後のピッチ角度Agvを角度検出部23によって検出することができるので、ユーザ自らがピッチ角度Agvの情報を流量制御装置101内の記憶部に再設定する必要がなく、ユーザの手間を省くことができる。
【0084】
≪実施の形態3≫
図20は、実施の形態3に係る流量制御装置102の構成を示す図である。
図20に示される流量制御装置102は、空調制御装置4との間および外部電源5との間を無線で接続する点において、実施の形態1に係る流量制御装置100と相違する一方、その他の点においては実施の形態1に係る流量制御装置100と同様である。
【0085】
流量制御装置102では、データ通信部11に代えてワイヤレスデータ通信部24を設け、アンテナ25を通して空調制御装置4との間のデータの送受信を無線で行う。また、流量制御装置102では、商用電源回生部20に代えてワイヤレス送受電部26を設け、外部電源5からの電力をアンテナ25を通して無線で受けて電源部19へ送るとともに、電源部19からの余剰電力をアンテナ25を通して無線で商用電源(この例では、外部電源5)に回生し、他のコントローラおよびセンサ等に電力を供給する。
【0086】
流量制御装置102によれば、空調制御装置4との間および外部電源5との間を無線で接続するようにしているので、流量制御装置102と外部機器との間の配線をなくすことが可能となる。これにより、配線材料の撤廃、施工性/メンテナンス性向上への貢献、配線個工数の撤廃、劣悪な環境での作業工数の低減、既設建物の追加計装および置き換えでの作業工数の低減など、ワイヤレス化による環境負荷低減への貢献が期待できる。
【0087】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0088】
例えば、上記実施の形態において、流量制御装置100〜102を空調制御システム1に適用する場合を例示したが、これに限られず、各種の流量制御のアプリケーションに適用でき、更には一般産業機器までにも拡大して適用することが可能である。
【0089】
また、上記実施の形態において、流量制御装置100〜102による制御対象の流体が冷温水である場合を例示したが、これに限れず、冷温水以外の液体でもよいし、ガス等の気体であってもよい。
【0090】
また、実施の形態3において、空調制御装置4との間および外部電源5との間を無線で接続する流量制御装置102を例示したが、これに限られず、流量制御装置102において、空調制御装置4との間および外部電源5との間の何れか一方を無線とし、他方を実施の形態1に係る流量制御装置100と同様に有線としてもよい。