特許第6579953号(P6579953)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6579953純還元性プラズマ中で高アスペクト比のフォトレジストを除去する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6579953
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】純還元性プラズマ中で高アスペクト比のフォトレジストを除去する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20190912BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   H01L21/302 104H
   H01L21/302 101C
   H05H1/46 L
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-523181(P2015-523181)
(86)(22)【出願日】2013年7月16日
(65)【公表番号】特表2015-529014(P2015-529014A)
(43)【公表日】2015年10月1日
(86)【国際出願番号】US2013050674
(87)【国際公開番号】WO2014014907
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2016年6月22日
【審判番号】不服2018-3544(P2018-3544/J1)
【審判請求日】2018年3月12日
(31)【優先権主張番号】61/671,996
(32)【優先日】2012年7月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/702,865
(32)【優先日】2012年9月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502278714
【氏名又は名称】マットソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Mattson Technology, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(72)【発明者】
【氏名】リー ディアオ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ジョージ エリストン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド ギルバート
(72)【発明者】
【氏名】チャン−ユン リー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ パリス
(72)【発明者】
【氏名】ハイアウ ファンヴー
(72)【発明者】
【氏名】トム ティラリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィジェイ マシュー ヴァニアプラ
【合議体】
【審判長】 加藤 浩一
【審判官】 小田 浩
【審判官】 鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−526399(JP,A)
【文献】 特開2007−149788(JP,A)
【文献】 特開2005−183778(JP,A)
【文献】 特表2002−500276(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/121166(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高アスペクト比(HAR)用途でのフォトレジストの除去において、半導体基板上の導電材料から酸化層、またはフォトレジストと酸化層の両方を除去する方法であって、
プロセスチャンバーに基板を配置する工程であって、前記プロセスチャンバーは、基板を処理する際に使用される非酸化性プラズマを発生させるためのプラズマチャンバーから離れかつプラズマチャンバーの下流に配置され、グリッドがプロセスチャンバーからプラズマチャンバーを分離させる工程;
前記プラズマチャンバー内で、第一の反応ガス、および第一のキャリヤガスから第一の非酸化性プラズマを発生させる工程であって、前記第一の非酸化性プラズマは10%〜40%の第一の反応ガスを含み、前記第一の反応ガスは基板1平方センチメートル当たり1分当たり0.05標準立方センチメートルないし基板1平方センチメートル当たり1分当たり12.5標準立方センチメートルの流量を有し、および前記第一のキャリヤガスは基板1平方センチメートル当たり1分当たり0.25標準立方センチメートルないし基板1平方センチメートル当たり1分当たり15標準立方センチメートルの流量を有する工程;
前記プロセスチャンバー内で前記基板を第一の非酸化性プラズマにさらすことによって前記基板を処理する工程
前記プラズマチャンバー内で第二の反応ガスおよび第二のキャリヤガスから第二の非酸化性プラズマを発生させる工程であって、前記第二の非酸化性プラズマは10%〜40%の第二の反応ガスを含み、前記第二の反応ガスは基板1平方センチメートル当たり1分当たり0.05標準立方センチメートルないし基板1平方センチメートル当たり1分当たり12.5標準立方センチメートルの流量を有し、および前記第二のキャリヤガスは基板1平方センチメートル当たり1分当たり0.25標準立方センチメートルないし基板1平方センチメートル当たり1分当たり15標準立方センチメートルの流量を有する工程;および
前記プロセスチャンバー内で前記基板を第二の非酸化性プラズマにさらすことによって前記基板を処理する工程
を有し、
第一の反応ガスはH2、またはNH3であり、
第一のキャリヤガスはN、またはArであり、
第二の反応ガスはHであり、
第二のキャリヤガスはArである、
方法。
【請求項2】
前記方法は、0.4キロワット〜13.5キロワットの電源で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、13.3Pa〜533.3Paの圧力で行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記基板は、150℃〜350℃の温度で処理される、請求項1から3までの何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記基板を第一の非酸化性プラズマに10秒〜180秒の時間、さらすことによって前記基板を処理する、請求項1から4までの何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記基板は高アスペクト比のチャネルを有する、請求項1から5までの何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記チャネルは、50よりも大きいアスペクト比を有する、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記基板は、100ミリメートル〜500ミリメートルの直径を有する、請求項1から7までの何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、2012年7月16日出願の米国仮特許出願第61/671,996号および2012年9月19日出願の米国仮特許出願第61/702,865号の優先権の利益を主張し、これらは全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は一般的にフォトレジストの除去、より具体的には高アスペクト比(HAR)の用途でフォトレジストを除去できる方法に関する。
【0003】
背景
半導体産業では、回路基板上の導体パターンおよびマイクロチップ上のトランジスタのパターンは、フォトレジストを用いて基板またはウェハ上にプリントまたはエッチングされる。例えば、何百万ものミクロンの大きさの素子を、同時にかつ確実に一層または多層のフォトレジストの塗布によりシリコン基板上に製造できる。フォトレジストは光照射により特性を変えることができ、かつエッチング、イオン注入、金属堆積などに耐えることができ、必要な場合にはその下の基板を保護するポリマーコーティングである。例えば、化学処理により基板の一部がエッチング除去される状況ではフォトレジストは基板の他の領域を保護でき、その後、プラズマなどの適切な反応物が残留するフォトレジストを除去または剥離するのに使用される。
【0004】
しかし、集積回路の素子加工寸法が縮小し続けるにつれ、特に目的物の長さの目的物の幅に対する比が約25よりも大きく、例えば約50よりも大きい(すなわち、空隙の高さの空隙の幅に対する比が約25よりも大きく、例えば約50よりも大きい)高アスペクト比(HAR)用途、あるいは、基板の限界寸法(CD)がより小さくなる用途では、フォトレジストの除去または剥離はより困難になる。更に、ゲート材料の集積度を同時に維持しながら基板のロスをゼロにするフォトレジストの除去は、高ドーズイオン注入後のフォトレジスト剥離(HDIS)およびデスカムプロセスで決定的に重要である。
【0005】
従来の酸素系プラズマ剥離に関連する一つの解決策は、プラズマにするための電力を増加させることである。しかし、これは例えば、HAR孔の内表面を被覆する金属ライナーに酸化ダメージをもたらす。このような酸化は結果的にシート抵抗を高め、かつそれは酸素−リッチな還元性化学物質が高誘電率(high−k)金属ゲート(HKMGs)に関して使用される時に一般的に発生し、それ故、HKMGsの使用時に見られる電気的な利点を無効にする。さらに、酸化層の除去は、深刻なCD変化および既に薄くなっているコンタクトライナー膜の厚さのロスをもたらす。
【0006】
この一方で、金属表面の存在下でフォトレジストを剥離させる時、純還元性化学物質の利用が十分に確立されているが、高電力でさえ本質的に低いフォトレジスト除去速度を有し、典型的には純還元性プラズマは、同じ電力およびガス供給密度の酸素系プラズマよりも1桁低い剥離速度を有する。また、同じ厚さのモノリシックなフォトレジスト膜を剥離させるのに必要な時間を何倍も上回ってプロセス時間が延長されてさえも、残留フォトレジストはしばしばHAR孔の底部に残る。その異なる挙動は、HAR孔の容器壁に沿って表面反応への反応種が失われ、こうして孔の表面で十分な反応物の密度になることが妨げられたためと推測される。
【0007】
従って、最小からゼロまでの基板のロスしかもたらさず、このような孔内の金属ライニングの酸化をもたらさない、経済的に実現可能な様式でフォトレジストを除去する方法に対する要望が存在する。厚さのロスに至らず、導電材料から酸化層を除去するための方法についても、要望が存在する。
【0008】
要旨
本発明の態様および利点は、以下の詳細な説明中でいくらか説明され、または詳細な説明から明白であってよく、または本発明の実施を通して認識されてもよい。
【0009】
本開示の一実施態様は、半導体基板からフォトレジスト、酸化層、またはこれらの両方を除去する方法を対象とする。本方法は、基板をプロセスチャンバーに配置する工程であって、プロセスチャンバーは基板を処理する際に使用される非酸化性プラズマを発生させるためのプラズマチャンバーの下流に配置される工程;プラズマチャンバー中で第一の反応ガスおよび第一のキャリヤガスから第一の非酸化性プラズマを発生させる工程であって、第一の非酸化性プラズマが約10%〜約40%の第一の反応ガスを含有し、第一の反応ガスは基板1平方センチメートル当たり1分当たり約0.05標準立方センチメートルないし基板1平方センチメートル当たり1分当たり約12.5標準立方センチメートルの流量を有し、かつ第一のキャリヤガスは基板1平方センチメートル当たり1分当たり約0.25標準立方センチメートルないし基板1平方センチメートル当たり1分当たり約15標準立方センチメートルの流量を有する工程;およびプロセスチャンバー中で基板を第1の非酸化性プラズマにさらすことによって基板を処理する工程を有する。
【0010】
本発明のこれらのおよび他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の詳細な説明および添付した特許請求の範囲を参照することで、より良く理解できるようになる。組み込まれ本明細書の一部を構成する添付の図面は本発明の実施形態を示し、詳細な説明と共に本発明の原理を説明する役割を有する。
【0011】
ベストモードを含み当業者には十分に実施可能な開示は、以下の添付図への参照を含む明細書の残り部分でより詳細に説明される:
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示により具体化された方法で使用できるプラズマ反応器を表す。
図2図2は、本開示により具体化されたフォトレジストを除去する方法のフローダイアグラムを表す。
図3図3は、プラズマ処理中のH2含量パーセンテージに対する規格化されたシリコンロスおよびアスペクト比を表す図である。
図4図4は、フォトレジスト除去速度に対するH2/アルゴンプラズマ混合物中のH2のパーセンテージの影響を表す図である。
図5図5は、窒化チタン(TiN)の酸化された表面のシート抵抗(Rs)へのNH3だけのプラズマ処理の影響を経時的に表す図である;
図6図6(a)は、TiN表面がさらされるプラズマ処理に対するTiNロスの量をオングストロームで表す図である。図6(b)は、TiN表面がさらされるプラズマ処理に対するTiNロスの量をオングストロームで表す別の図である。
図7図7は、窒化チタン(TiN)表面のシート抵抗(Rs)への様々な処理の影響を経時的に表す図である。
【0013】
詳細な説明
ここで、1つ以上の例が図面に示されている本発明の実施形態について述べる。各例は、本発明の説明のために提供されるものであり、本発明を限定するものではない。実際に本発明の範囲または主旨から逸脱しなければ本発明に様々な改変および変更を行ってよいことは、当業者には明白である。例えば、一実施形態の一部として表し記載される特徴は他の実施形態で使用され、更なる実施形態としてよい。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内に入る改変および変更を含むことが意図されている。
【0014】
一般的に、本開示は基板からフォトレジスト、酸化層、またはこれらの両方を、下流の誘導結合プラズマ源から供給される非酸化性プラズマ化学物質を用いて除去する方法を対象とする。誘導プラズマ源はしばしばプラズマ処理のためにウェハを処理するための高密度プラズマおよび反応種を発生させるのに使用される。例えば、誘導プラズマ源は、標準13.56MHzおよび低周波電源を用いて高密度プラズマを容易に発生できる。RFバイアスと組み合わされる誘導プラズマ源もエッチャーにおいて例えば、ウェハへのイオンエネルギーおよびイオン流量の独立した制御をもたらすために使用されている。
【0015】
フォトレジストまたは酸化層を除去する方法等のあるプラズマプロセスについては一般的に、半導体ウェハを直接的にプラズマにさらすのは望ましくない。プラズマはプロセスチャンバーから離れたところで(例えば、下流で)形成され、所望の粒子は例えば、中性粒子には透過性でプラズマには透過性でない格子を通って、半導体ウェハまたは半導体基板に導かれる。それぞれ、約300ミリメートル(mm)の全体直径を有する二つの基板を処理する時、このようなプロセスは高RF電力(例えば、約6キロワット(kW)まで)、場合によっては高ガス流量(例えば、1分当たり約20,000標準立方センチメートル(sccm))および高圧(例えば、約666.6Paまで)を必要としうる。
【0016】
しかし、一つの基板のみが処理される時、流量は一般的に二つの基板を処理するのに必要な流量の半分であってよいことが理解され得る。更に、約100mm〜約500mm、例えば、約200mm〜約450mmの直径を有する基板も本開示により具体化された方法を用いて処理することができ、その際、RF電力および流量は基板の表面積に基づいて調節できることも理解されるべきである。例えば、一つの200mmの直径の基板を一つの300mmの直径の基板の代わりに処理する時、基板の表面積の割合に基づいて使用される流量は300mmの基板に使用される流量の約0.44倍であるべきであり、一方、450mmの直径の基板が処理される時、使用される流量は300mmの基板で使用される流量の約2.25倍であるべきである。
【0017】
図1は本開示により具体化される方法で使用できるプラズマ反応器(100)を表すが、下流の誘導結合プラズマ源を有する他の任意の好適な反応器も使用してよいことが理解されるべきである。図示されるように、プラズマ反応器(100)はプロセスチャンバー(110)、およびプロセスチャンバー(110)から離れたプラズマチャンバー(120)を有する。プロセスチャンバー(110)は、フォトレジストが除去される基板(114)、例えば半導体ウェハを保持するように操作できる基板ホルダーまたは台(112)を有する。誘導プラズマはプラズマチャンバー(120)(すなわち、プラズマ発生領域)で発生させ、プロセスチャンバー(110)(すなわち、下流領域)からプラズマチャンバー(120)を分離させるグリッド(116)中に設けられる孔を通って、プラズマチャンバー(120)から基板(114)の表面まで所望の粒子が導かれる。
【0018】
プラズマチャンバー(120)は、誘電性側壁部(122)および天井部(124)を有する。誘電性側壁部(122)および天井部(124)は、プラズマチャンバーの内部(125)を規定する。誘電性側壁部(122)は任意の誘電材料、例えば石英から形成されてよい。誘導コイル(130)は、プラズマチャンバー(120)の周りに誘電性側壁部(122)に近接して配置される。誘導コイル(130)は、適切なマッチング回路(132)を通してRF電源(134)に接続される。反応ガスおよびキャリヤガスは、ガス供給器(150)および環状ガス分配チャネル(151)からチャンバーの内部に供給されうる。誘導コイル(130)がRF電源(134)からのRF電力によって通電される時、十分な誘導プラズマがプラズマチャンバー(120)内に誘導される。特別な実施形態では、プラズマ反応器(100)は誘電コイル(130)のプラズマへの容量結合を減少させるために、任意のファラデー遮蔽(128)を有してよい。
【0019】
効率を高めるため、プラズマ反応器(100)は場合によりチャンバー内部(125)に配置されたガス注入インサート(140)を含んでよい。ガス注入インサート(140)は取り外し可能なようにチャンバー内部(125)に挿入されてよく、またはプラズマチャンバー(120)の固定された部分であってよい。ある実施形態ではガス注入インサートは、プラズマチャンバーの側壁部に近いガス注入チャネルを規定する。該ガス注入チャネルは、誘導コイルに近いチャンバー内部、ならびにガス注入インサートおよび側壁部によって規定される活性領域内にプロセスガスを供給してよい。活性領域は、電子の能動加熱のためのプラズマチャンバー内の閉鎖した領域をもたらす。狭いガス注入チャネルはプラズマがチャンバー内からガスチャネル内へ広がるのを防ぐ。ガス注入インサートは、電子が能動的に加熱される活性領域内をプロセスガスが通過するようにする。
【0020】
本開示の方法で使用される下流の誘導結合プラズマ源の種類に関わらず、本発明者等は、一以上のプラズマ化学物質を用いた一以上の非酸化性プラズマ処理が、基板から除去されるフォトレジストの量を増加させるために半導体基板に対して行われ、一方で、同時に酸化量および限界寸法(CD)における変化が最小化されることを発見した。一般的に、本開示の処理プロセスで使用されるプラズマは非酸化性である。本開示の方法は、フォトレジストの除去および表面酸化の防止もしくは除去を可能とする。例えば、一実施形態で記載される方法は、フォトレジスト剥離プロセスの間に酸化されてはならないシリコン基板に対して実施してよい。本方法は、基板内の空洞の深さに対して小さい横寸法を有するHARトレンチまたは他の空洞に対して実施することもできる。他の実施形態では、本開示はフォトレジストを除去するための主要なプラズマ処理、続いて酸化物を除去すると同時に基板のロスまたは改質の量を最小化する第二のプラズマ処理を有する方法を記載する。
【0021】
プラズマ処理の回数および特定の種類に関わらず、基板の処理に使用される一以上のプラズマはそれぞれ、両方とも酸素を含まない反応ガスおよびキャリヤガスを含んでよい。ある実施形態では、反応ガスは水素を含んでよいが、キャリヤガスには水素を含まなくてもよい。例えば、反応ガスは水素(H2)、アンモニア(NH3)、またはメタン(CH4)であってよい。他の実施形態では、反応ガスは酸素および窒素の両方を含まなくてよい。例えば、反応ガスはH2またはCH4であってよい。この一方で、キャリヤガスは不活性ガスを含んでよい。ある実施形態では、不活性ガスは窒素(N2)、貴ガス、例えば、アルゴン(Ar)もしくはヘリウム(He)、またはこれらの組合せを含んでよい。他の実施形態ではしかし、キャリヤガスは窒素、例えば貴ガスの一つを含まない不活性ガスであってよい。一般的に、反応ガスは、反応ガスおよびキャリヤガスの全ガス体積の約10%〜約40%である量、例えば反応ガスおよびキャリヤガスの全ガス体積の約15%〜約30%である量、例えば反応ガスおよびキャリヤガスの全ガス体積の約20%〜約25%である量で存在してよい。一つの特別な実施形態では反応ガスは、反応ガスおよびキャリヤガスの全ガス体積の約20%である量で存在してよい。
【0022】
反応ガスおよびキャリヤガスは、種々の流量でプラズマ発生チャンバーおよびプロセスチャンバー内に導入されてよい。例えば二つの300mm基板が処理される時、反応ガスは約100〜約15,000sccmの流量、例えば約1,000sccm〜約10,000sccmの流量、例えば約2,000sccm〜約5,000sccmの流量を有してよい。この一方で、キャリヤガスは約500sccm〜約20,000sccmの流量、例えば約5,000sccm〜約17,500sccmの流量、例えば約10,000sccm〜約15,000sccmの流量を有してよい。他方で、一つの300mm基板のみが処理される時、反応ガスは約50〜約7,500sccmの流量、例えば約500〜約5,000sccmの流量、例えば約1,000〜約2,500sccmの流量を有してよい。この一方で、一つの300mm基板のみが処理される時、キャリヤガスは約250sccm〜約10,000sccmの流量、例えば約2,500sccm〜約8,750sccmの流量、例えば約5,000sccm〜約7,500sccmの流量を有してよい。
【0023】
基板(例えば、約706.5平方センチメートル(cm2)の表面積を有する直径300mmの一つの基板)の表面積に対して、これは基板1cm2当たり約0.07sccmないし基板1cm2当たり約10.75sccm、例えば基板1cm2当たり約0.7sccmないし基板1cm2当たり約7.25sccm、例えば基板1cm2当たり約1.25ないし約3.5sccmの流量を有する反応ガスに相当する。この一方で、これは基板1cm2当たり約0.35sccmないし基板1cm2当たり約14.25sccm、例えば基板1cm2当たり約3.5sccmないし基板1cm2当たり約12.5sccm、例えば基板1cm2当たり約7.0sccmないし基板1cm2当たり約10.75sccmの流量を有するキャリヤガスに相当する。流量を基板1cm2当たりのsccmで使用する際には、そのとき任意の直径を有する基板に対するsccmの流量は、基板1cm2当たりのsccmと基板の表面積を掛け合わせることによって決定できる。
【0024】
例えば、一つの200mmの基板が処理される時、反応ガスは約20〜約3,300sccmの流量、例えば約220〜約2,200sccmの流量、例えば約440〜約1,100sccmの流量を有してよい。他方で、キャリヤガスは約110〜約4,400sccmの流量、例えば約1,100sccm〜約3850sccmの流量、例えば約2,200sccm〜約3,300sccmの流量を有してよい。
【0025】
この一方で、一つの450mm基板が処理される時、反応ガスは約110sccm〜約16,875sccmの流量、例えば約1,125sccm〜約11,250sccmの流量、例えば約2,250sccm〜約5,625sccmの流量を有してよい。他方で、キャリヤガスは約560sccm〜約22,500sccmの流量、例えば約5,625sccm〜約19,675sccmの流量、例えば約11,250sccm〜約16,875sccmの流量を有してよい。
【0026】
更に、フォトレジストの除去は様々な温度および電力レベルで実施してよい。例えば、フォトレジストの除去の間の温度は約150℃〜約350℃、例えば約200℃〜約325℃、例えば約250℃〜約300℃であってよい。一つの特別な実施形態では、フォトレジストの除去は約275℃の温度で行ってよい。また、300mmの直径の基板を処理するためのRF電源は約1kW〜約6kW、例えば約1.5kW〜約5.5kW、例えば約2kW〜約5kWであってよい。この一方でRF電源は、反応ガスおよびキャリヤガスの流量について上記で説明したものと同じ様式で処理される基板の表面積に基づいて、上げたり下げたりして調節してよいことが理解され得る。従って、基板を処理する際にRF電源は、基板の時、約0.4kW〜約13.5kW、例えば約0.6kW〜約12.5kW、例えば約0.8kW〜約11.5kWであってよい。
【0027】
また、フォトレジストの除去は様々な圧力で行ってよい。例えば、圧力は約13.3Pa〜約533.3Pa、例えば約33.3Pa〜約466.6Pa、例えば約66.7Pa〜約333.3Pa、例えば約100Pa〜約133.3Paであってよい。一つの特別な実施形態では、圧力は約120Paであってよい。
【0028】
また、フォトレジストの除去の間、フォトレジストが除去される基板は、除去される基板における任意の孔、空洞もしくはチャネルのCDおよびアスペクト比に基づいて特定の時間の間、処理することができる。例えば、処理時間は約10秒〜約180秒、例えば約20秒〜約90秒、例えば約30秒〜約60秒であってよい。一つの特別な実施形態では、例えば処理される基板が50を超えるアスペクト比および0.03マイクロメートル未満の限界寸法を有する孔、空洞、またはチャネルを有する時、処理時間は約45秒であってよい。
【0029】
本発明者等は、プラズマを形成する際の反応ガス及びキャリヤガスの使用の組み合わせに基づいて、あるプロセス条件を発見した。例えば、反応ガスが20%NH3または20%H2であり、キャリヤガスがN2である時、基板を約45秒の間、約275℃の温度、約120Paの圧力、および5kWのRF電源で処理してよく、その際、反応ガスは3,000sccmの流量を有し、キャリヤガスは12,000sccmの流量を有する。この一方で反応ガスが20%H2、キャリヤガスがArである時、基板は約45秒の間、約275℃の温度、約120Paの圧力、および5kWのRF電源で処理してよく、その際、反応ガスは2,500sccmの流量を有し、キャリヤガスは10,000sccmの流量を有する。
【0030】
上記で説明した条件下で発生したプラズマを用いて基板を一回以上、処理しフォトレジストを除去した後、基板を評価してそのシート抵抗の増加を決定することができる。シート抵抗のパーセンテージの増加が大きくなるにつれて、フォトレジスト剥離除去後の基板への酸化物またはダメージの量が大きくなる。そのようなものとして、シート抵抗のより高いパーセンテージの変化よりもシート抵抗のより低いパーセンテージの変化を有することがより望ましい。フォトレジストが現在の特許請求の範囲の方法に従って基板から除去された後、シート抵抗は一般的に単に約5%以下だけ変化する。例えば、シート抵抗の変化は約0.1%〜約4%、例えば約0.5%〜約4%、例えば約1%〜約3%であってよい。更に、一以上のプラズマ処理後、基板は約0.75ナノメートル未満の厚さの減少があってよい。ある実施形態では、厚さの減少は約0.05ナノメートル〜約0.6ナノメートル、例えば約0.075ナノメートル〜約0.5ナノメートル、例えば約0.1ナノメートル〜約0.4ナノメートル、例えば約0.3ナノメートル未満である。これらの最小の変化は、本開示の方法が、損傷なくまたは基板それ自体から材料を除去することなく、効果的にフォトレジストおよび生じ得る酸化層を除去できることを示す。
【0031】
上記で説明したパラメータによって規定されるフォトレジストおよび酸化物の除去法は、多数の基板材料に対して実施できる。例えば本方法は、50よりも大きいアスペクト比(空洞の高さ/空洞の直径)および約0.03マイクロメートルの直径を有する孔、空洞またはチャネルを有する、HAR基板に適用してよい。伝統的に、そのような孔、空洞またはチャネルからフォトレジストを除去することは困難である。しかし、下記例に示されかつ予想されるものとは対照的に、反応ガス(すなわち、水素含有ガス)と別の不活性キャリヤガスを組み合わせることにより、本発明者等は、水素含有ガスだけにより除去する場合と比較して、HAR孔からのより効果的なフォトレジストの除去を行えることを発見した。更に、反応ガスおよびキャリヤガスを用いることにより、本発明の方法は高い効率を維持しつつ酸素の影響を受けやすいHAR孔の損傷を防ぐことができる。
【0032】
本開示のフォトレジスト除去法は、表面酸化が問題となってこれを防止すべきであり、かつ高いフォトレジストの除去が必要とされる他用途にまで拡張できる。例えば、本開示の方法は、フォトレジスト剥離プロセスで酸化されてはいけないシリコン表面の存在下で使用できる。本開示の方法が適用される他の導電材料は、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、銅(Cu)、タングステン(W)、またはかかる材料も酸素曝露の影響を受けやすいので式Mxy(式中、Mは金属、ならびにxおよびyは正の整数、ならびにNは窒素)を有する任意の材料を含む。本方法は、フォトレジスト除去またはデスカムフォトレジスト除去の間に金属材料がさらされる金属上のHDISフォトレジスト剥離およびフォトレジスト剥離に使用してもよい。更に、本方法は、材料の最小の変更(すなわち、厚さの小さな変化)で、導電材料上の酸化層の除去に使用してよい。
【0033】
フォトレジストおよび酸化物を除去できる本方法は、図1を参照して上記で説明したプラズマ反応器中、または代替的な形状を有するガス注入インサートを有してよい任意の適切なプラズマ反応器中で行ってよい。一般的に、図2のブロック図に示されるように、半導体基板からフォトレジスト、酸化層、またはこれらの両方を除去する方法(200)は、プラズマチャンバー(201)の下流に配置されたプラズマ反応器のプロセスチャンバーに基板を配置する工程、プラズマ反応器(202)のプラズマチャンバー内で第一の反応ガスおよび第一のキャリヤガスから第一の非酸化性プラズマを発生させる工程、ならびにプロセスチャンバー(203)中で基板を第一の非酸化性プラズマにさらすことによって基板を処理する工程を有する。第一の非酸化性プラズマは、約10%〜約40%の第一の反応ガスを含んでよい。更に、第一の反応ガスは1分当たり約100標準立方センチメートルないし1分当たり約15,000標準立方センチメートルの流量を有してよく、第一のキャリヤガスは1分当たり約500標準立方センチメートルないし1分当たり約20,000標準立方センチメートルの流量を有してよい。
【0034】
本方法はさらに、プラズマチャンバー(204)中の第二の反応ガスおよび第二のキャリヤガスから第二の非酸化性プラズマを発生できる第二のプラズマ処理工程を含んでよい。第二の非酸化性プラズマは、約10%〜約40%の第二の反応ガスを含んでもよい。更に、第二の反応ガスは1分当たり約100標準立方センチメートルないし1分当たり約15,000標準立方センチメートルの流量を有してよく、第二のキャリヤガスは1分当たり約500標準立方センチメートルないし1分当たり約20,000標準立方センチメートルの流量を有してよい。第二のプラズマ処理工程では、プロセスチャンバー(205)中で基板を第二の非酸化性プラズマにさらすことによって基板を処理することができる。
【0035】
本開示の態様は、図3〜7を参照し上記で説明したフォトレジスト除去法の有効性を実証する以下の例を参照して、よりよく理解できる。
【0036】
例1
キャリヤガスとしてN2および反応ガスとしてH2を使用し、その際、組み合わせるキャリヤガスおよび反応ガスの全体積に対してH2のパーセンテージを変化させて、約1.5の正規化されるアスペクト比を有するシリコン基板を、個別のプラズマ発生チャンバーとプロセスチャンバーを有するプラズマ反応器中で処理した。一対の300mmシリコン基板をプロセスチャンバー内に配置し、次いでプラズマ発生チャンバー内で形成したプラズマで処理した。使用されるH2の量は0%〜約80%であった。図3に示すように、H2/N2混合物中のH2反応ガスの量が20%を超えて増加すると、シリコンロス量は増加した。
【0037】
例2
次に、プラズマ反応器の種類、RF電力、および反応/キャリヤガス組成を変えて、本開示の方法の、一対の300mm基板から効果的にフォトレジストを除去する能力に対する影響を調べた。それぞれの場合のキャリヤガスはN2であり、反応ガスは全ガス体積の20%の体積のH2またはNH3であった。使用されるプラズマ反応器の一つは図1に示され上記で詳細に説明されたものであり、かつ壁型のガス注入インサート(図1のインサート140を参照)を有していた。使用される他のプラズマ反応器は、上記で説明したように管であるガス注入インサートを有する。基板は、50を超えるアスペクト比および0.03マイクロメートル未満のCDを有するHARコンタクト収容部であった。試験された事例では、プラズマ源のガス注入インサートが管であり3kWのRF電力が使用され、反応ガスがH2の時に多少の残留物が残ったことを除いて、金属ライナーの品質を低下させることなく経済的に実行可能な速度において、50:1のアスペクト比の孔が十分に清浄化された。結果を下記第1表に要約する。
【0038】
【表1】
【0039】
例3
次に、上記例1および2では、HARコンタクト収容部からフォトレジストを除去する際に20%H2/N2および20%NH3/H2が有用であることを示したが、そのような例はTiN基板の厚さに対してそのようなプラズマ処理が影響することを示さない。次に、例3では、コンタクトライナーとして一般的に使用されるTiNを、反応ガス/キャリヤガス混合物として20%NH3/N2を用いたフォトレジスト除去の間にさらした。下記第2表に示すように、フォトレジストの除去は0.3ナノメートル未満の厳格な仕様よりも大きなTiN厚のロスを引き起こした。
【0040】
【表2】
【0041】
例4
次に、20%NH3/N2を用いてTiNからフォトレジストを除去すると、0.3ナノメートル厚よりも大きなTiNロスが生ずるため、その結果、代わりにArを有する20%H2を用い、様々な電力レベルでフォトレジスト除去を行った。結果を下記第3表および図4に要約する。図4は、H2およびArを用いたフォトレジスト除去速度がH2およびArの全体積に対するH2の体積パーセンテージに依存することを示す。図4に示されるように、フォトレジストの除去は、フォトレジストアッシング速度により測定されるように20%のH2パーセンテージにおいて最も効率が高く、10%および30%H2で効率が低下する。例えば、20%H2のアッシング速度は約7600オングストローム/分であるが、10%H2のときの速度は約6600オングストローム/分であり、30%H2のときの速度は約6500オングストローム/分であった。その一方で、第3表は、20%H2/Arを用いたフォトレジストの除去は、電力が5kW未満の時、0.3ナノメートル未満までTiNロスを制限することを示す。
【0042】
【表3】
【0043】
例5
次に、本開示の方法の導電材料から酸化層を除去する能力を分析した。最初に、純NH3を使用してTiNを含む一対の300mmの導電性基板を処理し、その際、40%NH3/O2のドライプラズマ処理により酸化層が存在した。図5に示すように、酸化されたTiN基板のシート抵抗(Rs)のパーセンテージの変化は、0秒で約5%であった後、純NH3を用いた約60秒の処理後に単に約1%であった。このことは、NH3はTiN基板からいくらかの酸化物を除去できたことを示している。この一方で、下記第4表に要約されるように、様々な還元性化学物質およびそれらのTiNロスへの影響が試験された。示されるように、コントロールについてのTiNロスが約0.4ナノメートルだけであるのと比較して、O2リッチ還元性化学物質(10%NH3/O2)は、後NH3処理をした時、約1.0ナノメートル(10オングストローム)のロスが生じた。
【0044】
【表4】
【0045】
例6
例6では、様々な酸化層の除去工程を比較した。結果を図6(a)および6(b)ならびに第5表に要約する。図6(a)および6(b)に示すように、湿式酸化物除去工程としての順序の制御されたフッ化水素酸(HF)の浸漬は、数時間以内で0.4ナノメートル(4オングストローム)のTiNロスを示す。自然酸化物を除去するためのこの最初のHF浸漬の後、各基板の膜厚を測定し、次いで、下記第5表に記載されるように酸化物除去のための様々な他の処理を行い、第2のHF浸漬を続けて行い、その後に基板のTiNロスが比較できるように基板の厚さを測定した。基準としてHF浸漬を使用して、更なる処理として60秒間、3kWのRF電力におけるTiN基板の様々なプラズマへさらすことを含んでいた。示されるように、TiN基板がH2、Heまたはこれらの両方とArの組み合わせを用いて処理された時、最小のTiNロス(約0.3ナノメートル/3オングストローム未満)が観察された。
【0046】
【表5】
【0047】
例7
例7では、TiN膜からの酸化層の除去工程におけるいくつかの時点の間でだけ、NH3を供給する影響を比較した。サンプルに応じて、以下の工程:(1)ストライク、(2)ストライクおよび後処理、ならびに(3)前プラズマ処理、ストライクおよび40%NH3/O2後ドライプラズマ処理、のいくつかの時点でNH3を供給した。前プラズマ処理工程は、ガスが流れ温度/圧力が制御されるが、RF電力が導入されずプラズマが形成されていない工程の時点を表す。この工程は、一般的に基板を配置した後、チャンバー環境を安定化させるために実行され基板温度を平衡化することができる。ストライク工程は、プラズマ点火の時点を表す。この一方で、後プロセス工程は、チャンバー圧力が基板交換に必要なレベルまで制御され、任意の反応性ガスがチャンバーのドアを開ける前にパージされるプロセスの時点を表す。
【0048】
図7では、PORは、40%NH3/O2ドライプラズマ処理を含むコントロールを表す。シート抵抗のパーセンテージの変化の点で酸化物の減少が測定され、最も低いシート抵抗のパーセンテージの変化は最小の材料の改質で膜から最大の酸化物が除去されたことに対応していた。結果を図7に示す。示されるように、NH3を供給する前プロセス処理工程および後プロセス処理工程を追加すると、シート抵抗のパーセンテージの変化が大きく減少した。NH3ストライクと前処理および後処理の組合せは、材料の改質を最小化するのに最も有効であることが示された。しかし、同じ戦略をN2/H2、Ar、He、H2、CH4などの他のプラズマを用いて使用してよいことが理解されるべきである。
【0049】
例8
次に、後処理工程と組み合わせる主剥離プロセス工程を、50のアスペクト比および0.03マイクロメートルの直径を有する孔を含むTiNライナーに対して行ったが、それは20%NH3/N2(第一の非酸化性プラズマ処理)を用いた主フォトレジスト除去プロセスに続いて、20%H2/Ar後−主剥離処理(第二の非酸化性プラズマ処理)を行った。これを次いで、単独の20%H2/Ar処理と比較した。下記第6表に示すように、これらの処理は約0.3ナノメートル以下のTiNロスしかもたらさなかった。
【0050】
【表6】
【0051】
より具体的には添付の特許請求の範囲に記載される本発明の主旨および範囲から離れることなく、本発明に対するこれらならびに他の改変および変更は当業者によって実施することができる。また、様々な実施形態の態様は全体でまたは部分的に交換し合えることが理解されるべきである。更に、当業者は、上記の記載が単なる例にすぎず、このような添付の特許請求の範囲に更に記載された本発明の限定を意図するものでないことを理解する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7