特許第6580122号(P6580122)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6580122
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】ターボチャージャ
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20190912BHJP
【FI】
   F02B39/00 D
   F02B39/00 U
   F02B39/00 T
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-503291(P2017-503291)
(86)(22)【出願日】2015年3月5日
(86)【国際出願番号】JP2015056518
(87)【国際公開番号】WO2016139799
(87)【国際公開日】20160909
【審査請求日】2017年8月10日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】316015888
【氏名又は名称】三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】坂本 慶吾
(72)【発明者】
【氏名】加藤 永護
(72)【発明者】
【氏名】秋山 洋二
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 誠
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 大剛
【審査官】 種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−096110(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/005319(WO,A1)
【文献】 特開2013−068153(JP,A)
【文献】 特開2007−002791(JP,A)
【文献】 特開2014−066150(JP,A)
【文献】 特開2007−309139(JP,A)
【文献】 特開昭63−150424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気ガスによって回転するよう構成されたタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容し、前記タービンホイールへ供給する排気ガスが流れるスクロール流路の少なくとも一部を形成するタービンハウジングと、
前記タービンホイールのシャフトを回転可能に支持する軸受を収容し、前記タービンハウジングに連結された軸受ハウジングと、
前記タービンホイールのブレードの先端に対向する対向面を有し、前記タービンホイールを囲繞するように構成されたシュラウドであって、前記タービンハウジングとは別部品で構成されるとともに前記タービンハウジングに対して隙間を存して前記タービンハウジングの内側に設けられたシュラウドと、
前記タービンホイールの軸方向において前記スクロール流路よりも前記軸受ハウジング側にて前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングの少なくとも一方に支持されたマウントと、
前記マウントと前記シュラウドとを接続する少なくとも一つの接続部であって、前記マウント及び前記シュラウドの夫々に固定された少なくとも一つの接続部と、
を備え、
前記タービンハウジングは、前記タービンホイールを収容するとともに前記スクロール流路の少なくとも一部を形成する板金製の第1ハウジングを含み、
前記シュラウドは、前記第1ハウジングに対して前記隙間を存して前記第1ハウジングの内側に設けられるとともに、
前記接続部の各々は、前記タービンホイールの軸に垂直な断面形状が翼形状であり、
前記タービンハウジングは、前記第1ハウジングを収容する板金製の第2ハウジングを含む2層構造であり、
前記タービンホイールを通過した排気ガスを案内するように、前記第2ハウジングと一体で構成された出口案内筒と、
前記第1ハウジングが前記出口案内筒に対して前記タービンホイールの軸方向にスライド可能となるように、前記第1ハウジングと前記出口案内筒の隙間をシールするピストンリングと、を更に備える
ターボチャージャ。
【請求項2】
前記板金製の第1ハウジングは、前記スクロール流路に対して径方向内側において前記マウントに向かって突出するように折り返された凸部を有し、
前記シュラウドの径方向外周端が、前記第1ハウジングの前記凸部に対して径方向内側に位置するように設けられた請求項1に記載のターボチャージャ。
【請求項3】
前記シュラウドと前記タービンハウジングとの前記隙間をシールするシールリングを更に備える請求項1又は2に記載のターボチャージャ。
【請求項4】
前記マウントは、前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとに挟持された請求項1乃至3の何れか1項に記載のターボチャージャ。
【請求項5】
前記マウントは、環状の平板であり、
前記マウントの外周側部分は、前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとに挟持された請求項4に記載のターボチャージャ。
【請求項6】
前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとを締結するボルトを更に備え、
前記マウントの外周側部分は、前記ボルトの軸力によって前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとに挟持された請求項5に記載のターボチャージャ。
【請求項7】
前記マウントは、前記タービンホイールの軸方向に延在する筒状部と、前記筒状部から前記筒状部の外周側に突出する突出部と、を含み、
前記マウントの突出部は、前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとに挟持された請求項4に記載のターボチャージャ。
【請求項8】
前記タービンハウジングに設けられたフランジと前記軸受ハウジングに設けられたフランジとを挟持することにより連結する挟持部材を更に備え、
前記マウントの突出部は、前記挟持部材の挟持力によって前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとに挟持された請求項7に記載のターボチャージャ。
【請求項9】
前記マウントは、環状部材であり、前記軸受ハウジングに形成された環状の段差部にインローで嵌合する嵌合部を有する請求項1乃至8の何れか1項に記載のターボチャージャ。
【請求項10】
エンジンの排気ガスによって回転するよう構成されたタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容し、前記タービンホイールへ供給する排気ガスが流れるスクロール流路の少なくとも一部を形成するタービンハウジングと、
前記タービンホイールのシャフトを回転可能に支持する軸受を収容し、前記タービンハウジングに連結された軸受ハウジングと、
前記タービンホイールのブレードの先端に対向する対向面を有し、前記タービンホイールを囲繞するように構成されたシュラウドであって、前記タービンハウジングとは別部品で構成されるとともに前記タービンハウジングに対して隙間を存して前記タービンハウジングの内側に設けられたシュラウドと、
前記タービンホイールの軸方向において前記スクロール流路よりも前記軸受ハウジング側にて前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングの少なくとも一方に支持されたマウントと、
前記マウントと前記シュラウドとを接続する少なくとも一つの接続部と、
を備え、
前記タービンハウジングは、前記タービンホイールを収容するとともに前記スクロール流路の少なくとも一部を形成する板金製の第1ハウジングを含み、
前記シュラウドは、前記第1ハウジングに対して前記隙間を存して前記第1ハウジングの内側に設けられ、
前記タービンホイールを通過した排気ガスを案内するように構成された出口案内筒であって、前記第1ハウジングおよび前記シュラウドとは別部品で構成される出口案内筒をさらに備え、
前記出口案内筒は、前記シュラウドの下流側において、前記タービンホイールの軸方向に沿って延在し、
前記第1ハウジングの外周部は、前記軸受ハウジングの側に固定され、
前記第1ハウジングの内周部は、前記出口案内筒の外周面に配置されているピストンリングを介して、前記出口案内筒に係合されている
ターボチャージャ。
【請求項11】
前記ピストンリングは、前記第1ハウジングが前記出口案内筒に対して前記タービンホイールの軸方向にスライド可能となるように、前記第1ハウジングと前記出口案内筒の隙間をシールするように構成される
請求項10に記載のターボチャージャ。
【請求項12】
エンジンの排気ガスによって回転するよう構成されたタービンホイールと、
前記タービンホイールを収容し、前記タービンホイールへ供給する排気ガスが流れるスクロール流路の少なくとも一部を形成するタービンハウジングと、
前記タービンホイールのシャフトを回転可能に支持する軸受を収容し、前記タービンハウジングに連結された軸受ハウジングと、
前記タービンホイールのブレードの先端に対向する対向面を有し、前記タービンホイールを囲繞するように構成されたシュラウドであって、前記タービンハウジングとは別部品で構成されるとともに前記タービンハウジングに対して隙間を存して前記タービンハウジングの内側に設けられたシュラウドと、
前記タービンホイールの軸方向において前記スクロール流路よりも前記軸受ハウジング側にて前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングの少なくとも一方に支持されたマウントと、
前記マウントと前記シュラウドとを接続する少なくとも一つの接続部と、
を備え、
前記タービンハウジングは、前記タービンホイールを収容するとともに前記スクロール流路の少なくとも一部を形成する板金製の第1ハウジングを含み、
前記シュラウドは、前記第1ハウジングに対して前記隙間を存して前記第1ハウジングの内側に設けられ、
前記タービンハウジングは、前記第1ハウジングを収容する板金製の第2ハウジングを含む2層構造であり、
前記タービンホイールを通過した排気ガスを案内するように、前記第2ハウジングと一体で構成された出口案内筒と、
前記第1ハウジングが前記出口案内筒に対して前記タービンホイールの軸方向にスライド可能となるように、前記第1ハウジングと前記出口案内筒の隙間をシールするピストンリングと、を更に備える
ターボチャージャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ターボチャージャに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の熱効率を高めるための一手段として、ターボチャージャが知られている。特許文献1には、「ターボチャージャのスクロール部中心部に配置されるセンターコアを流路出口部、ベアリング嵌合部、及び支柱を鋼管材から一体的に形成して、スクロール部本体の熱変形によるチップクリアランスの変化を防止するとともに、コスト及び重量軽減を図ると共に、タービンの耐久性および信頼性および耐衝撃性を向上する」ことを目的としたターボチャージャが開示されている。
【0003】
特許文献1によれば、ターボチャージャにおいて鋼材を環状に一体成形したセンターコアを採用することにより、肉厚を薄くでき、熱容量が小さくなるのでタービン部の温度上昇が早くなり、下流側の排気ガス浄化装置の暖気が促進され、排気ガス浄化装置の浄化作用が効率よく発揮される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−1744460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本願発明者の知見によれば、ターボチャージャの運転時において、スクロール流路を形成するタービンハウジングには、タービンハウジング内の温度分布に起因して曲がり変形(熱変形)が発生する。特に、タービンハウジングにおけるスクロール流路形成部が板金製である場合には、大きな曲がり変形が発生しやすい。
【0006】
例えば、図7図9に示すように、タービンハウジング004が、板金製の第1ハウジング030と板金製の第2ハウジング032の2層構造のハウジングである場合には、スクロール流路014を形成する第1ハウジング030に図8に示すような温度分布が生じる。図8に示すように、第1ハウジング030は、軸受ハウジング006側において相対的に低温になる傾向があり、この温度分布に起因して図7及び図8に示した矢印A方向への曲がり変形が第1ハウジング030に発生する。
【0007】
このため、図7図9に示したターボチャージャでは、第1ハウジングの一部であるシュラウドとタービンホイールとのチップクリアランスを十分に大きく取らなければ、上記曲がり変形によって、タービンハウジングの舌部(2層構造の場合は第1ハウジングにおけるスクロール流路の巻き終わり部分)側の位置P1付近でシュラウドがタービンホイールに接触する可能性があった。
【0008】
したがって、斯かる接触を回避するためには、曲がり変形が生じても該接触が生じないように、タービンホイールとシュラウドとのチップクリアランスを大きく取る必要があり、このクリアランスに起因する損失によってタービン効率の向上が妨げられていた。
【0009】
この点、特許文献1に記載のターボチャージャでは、スクロール部本体の熱変形によるチップクリアランスの変化を防止することを目的の一部としているものの、スクロール部本体がシュラウドに直接接続されており、スクロール部本体の熱変形がチップクリアランスの変化に与える影響を低減する効果は限定的であった。このため、タービンホイールとシュラウドとの接触を回避しつつ高いタービン効率を実現することは困難であった。
【0010】
本発明は、上述したような従来の課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、タービンホイールとシュラウドとの接触を回避しつつ高いタービン効率を実現することを可能とするターボチャージャを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るターボチャージャは、エンジンの排気ガスによって回転するよう構成されたタービンホイールと、前記タービンホイールを収容し、前記タービンホイールへ供給する排気ガスが流れるスクロール流路の少なくとも一部を形成するタービンハウジングと、前記タービンホイールのシャフトを回転可能に支持する軸受を収容し、前記タービンハウジングに連結された軸受ハウジングと、前記タービンホイールのブレードの先端に対向する対向面を有し、前記タービンホイールを囲繞するように構成されたシュラウドであって、前記タービンハウジングに対して隙間を存して前記タービンハウジングの内側に設けられたシュラウドと、前記タービンホイールの軸方向において前記スクロール流路よりも前記軸受ハウジング側にて前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングの少なくとも一方に支持されたマウントと、前記マウントと前記シュラウドとを接続する接続部と、を備える。
【0012】
上記(1)に記載のターボチャージャによれば、スクロール流路を流れる排気ガスによってタービンハウジングに温度分布が生じてタービンハウジングが曲がり変形(熱変形)しても、シュラウドがタービンハウジングとは別部品で構成されるとともにタービンハウジングに対して隙間を存して設けられているため、シュラウドとタービンホイールとの間のチップクリアランスがタービンハウジングの上記曲がり変形の影響を基本的に受けない。このため、シュラウドとタービンホイールとの間のチップクリアランスを小さくしても、タービンハウジングの上記曲がり変形に起因するシュラウドとタービンホイールとの接触を回避することができる。したがって、タービンホイールとシュラウドとの接触を回避しつつ高いタービン効率を実現することができる。
【0013】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載のターボチャージャにおいて、前記接続部の各々は、前記タービンホイールの軸に垂直な断面形状が翼形状である。
【0014】
上記(2)に記載のターボチャージャによれば、上記(1)に記載のターボチャージャにおいて、タービンホイールの軸に垂直な断面形状が翼形状である接続部によって、シュラウドとマウントとの間を流れる排気ガスが整流されるため、より高いタービン効率を実現することができる。
【0015】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載のターボチャージャにおいて、前記シュラウドと前記タービンハウジングとの前記隙間をシールするシールリングを更に備える。
【0016】
上記(3)に記載のターボチャージャによれば、上記(1)又は(2)に記載のターボチャージャにおいて、シュラウドとタービンハウジングとの上記隙間からの排気ガスの漏れを上記シールリングによって抑制することができる。これにより、上記隙間からの排気ガスの漏れに起因するタービン効率の低下を抑制することができるため、より高いタービン効率を実現することができる。
【0017】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載のターボチャージャにおいて、前記マウントは、前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとに挟持されている。
【0018】
上記(4)に記載のターボチャージャによれば、ターボチャージャが本来的に備えるタービンハウジングと軸受ハウジングとによってマウントを挟持することにより、簡易な構成で上記(1)乃至(3)に記載のターボチャージャを実現することができる。
【0019】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)に記載のターボチャージャにおいて、前記マウントは、環状の平板であり、前記マウントの外周側部分は、前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとに挟持されている。
【0020】
上記(5)に記載のターボチャージャによれば、環状の平板の厚さを適切に設定することにより、接続部及びシュラウドを支持するためのマウントの剛性を確保しつつ、環状の平板の片面を利用してスクロール流路の一部を形成することができる。また、環状の平板の片面を利用してスクロール流路の一部を形成した場合であっても、環状の平板の厚さ方向とタービンホイールの軸方向が一致していれば、タービンホイールの軸方向のマウントの熱伸び量を小さくすることができるため、タービンホイールとシュラウドの間のチップクリアランスの変動を抑制することができる。
【0021】
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)に記載のターボチャージャにおいて、前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとを締結するボルトを更に備え、前記マウントの外周側部分は、前記ボルトの軸力によって前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとに挟持されている。
【0022】
上記(6)に記載のターボチャージャによれば、タービンハウジングと軸受ハウジングとをボルトによって締結することでマウントがタービンハウジング及び軸受ハウジングに取り付けられるため、ボルトの締結力を適切に設定することにより、簡易な構成でマウントをタービンハウジング及び軸受ハウジングに固定することができる。
【0023】
(7)幾つかの実施形態では、上記(4)に記載のターボチャージャにおいて、前記マウントは、前記タービンホイールの軸方向に延在する筒状部と、前記筒状部から前記筒状部の外周側に突出する突出部と、を含み、前記マウントの突出部は、前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとに挟持されている。
【0024】
上記(7)に記載のターボチャージャによれば、筒状部の軸方向長さに応じた位置でマウントをタービンハウジングと軸受ハウジングとにより挟持することができる。
【0025】
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)に記載のターボチャージャにおいて、前記タービンハウジングに設けられたフランジと前記軸受ハウジングに設けられたフランジとを挟持することにより連結する挟持部材を更に備え、前記マウントの突出部は、前記挟持部材の挟持力によって前記タービンハウジングと前記軸受ハウジングとに挟持されている。
【0026】
上記(8)に記載のターボチャージャによれば、タービンハウジングと軸受ハウジングとを挟持部材によって挟持することでマウントがタービンハウジング及び軸受ハウジングに取り付けられるため、挟持部材の挟持力を適切に設定することにより、簡易な構成でマウントをタービンハウジング及び軸受ハウジングに固定することができる。
【0027】
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れか1項に記載のターボチャージャにおいて、前記マウントは、環状部材であり、前記軸受ハウジングに形成された環状の段差部にインローで嵌合する嵌合部を有する。
【0028】
上記(9)に記載のターボチャージャによれば、接続部を介してマウントに支持されたシュラウドの軸心と、軸受に支持されたシャフトの軸心とを、簡易な構成で一致させることができる。
【0029】
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れか1項に記載のターボチャージャにおいて、前記タービンホイールを収容するとともに前記スクロール流路の少なくとも一部を形成する板金製の第1ハウジングを前記タービンハウジングが含み、前記シュラウドは、前記第1ハウジングに対して前記隙間を存して前記第1ハウジングの内側に設けられている。
【0030】
タービンホイールを収容するとともにスクロール流路の少なくとも一部を形成する板金製の第1ハウジングをタービンハウジングが含む場合、第1ハウジングを含むタービンハウジング全体が鋳物で構成されている場合と比較して、第1ハウジングには、スクロール流路を流れる排気ガスの影響で大きな曲がり変形(熱変形)が発生しやすい。このような場合に、上記(10)に記載のように、シュラウドを板金製の第1ハウジングに対して隙間を存して第1ハウジングの内側に設けることにより、斯かる曲がり変形の影響をシュラウドが基本的に受けなくなる。このため、シュラウドとタービンホイールとの間のチップクリアランスを小さくしても、板金製の第1ハウジングの上記曲がり変形に起因するシュラウドとタービンホイールとの接触を回避することができる。したがって、タービンホイールとシュラウドとの接触を回避しつつ高いタービン効率を実現することができる。
【0031】
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)に記載のターボチャージャにおいて、前記タービンハウジングは、前記第1ハウジングを収容する板金製の第2ハウジングを更に有する2層構造のハウジングである。
【0032】
上記(11)に記載のターボチャージャによれば、タービンハウジングが2層構造のハウジングであるため、何らかの要因でタービンホイールが破損して破片が飛散しても、1層構造の場合と比較して、タービンハウジング4外への破片の飛散をより確実に防ぐことができる。
【0033】
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)に記載のターボチャージャにおいて、前記タービンホイールを通過した排気ガスを案内するように、前記第2ハウジングと一体で構成された出口案内筒と、前記第1ハウジングが前記出口案内筒に対して前記タービンホイールの軸方向にスライド可能となるように、前記第1ハウジングと前記出口案内筒の隙間をシールするピストンリングと、を更に備える。
【0034】
上記(11)に記載のようにタービンハウジングが第1ハウジングと第2ハウジングを含む2層構造のハウジングである場合には、スクロール流路の少なくとも一部を形成する第1ハウジングの方が、第2ハウジングよりも相対的に温度が上昇して熱伸び量が大きくなる。このため、何も工夫しなければ、第1ハウジングと第2ハウジングの接続部分に応力が集中して破損が生じる恐れがある。このため、上記(12)に記載のターボチャージャでは、第2ハウジングと一体で構成された出口案内筒に対して、第1ハウジングが軸方向にスライド可能となるように、第1ハウジングと出口案内筒の隙間をシールするピストンリングを備えている。これにより、第1ハウジングと出口案内筒との隙間からの排気ガスの漏れを抑制しつつ、第1ハウジングと第2ハウジングとの熱伸び量の差に起因する破損を回避することができる。
【0035】
(13)幾つかの実施形態では、上記(10)に記載のターボチャージャにおいて、前記タービンハウジングは、1層構造のハウジングであり、前記シュラウドの板厚は、前記第1ハウジングの板厚より大きい。
【0036】
上記(13)に記載のようにタービンハウジングが1層構造のハウジングである場合であっても、シュラウドの板厚を第1ハウジングの板厚より大きくすることにより、第1ハウジングの板厚をシュラウドの板厚より大きくする場合と比較して、タービンホイールが破損したときに、タービンホイールの破片を少ない材料で効果的に受け止めることができる。
【0037】
(14)幾つかの実施形態では、上記(13)に記載のターボチャージャにおいて、前記シュラウドの板厚は、前記第1ハウジングの板厚の2倍以上である。
【0038】
上記(14)に記載のターボチャージャによれば、第1ハウジングの板厚をシュラウドの板厚より大きくする場合と比較して、タービンホイールが破損したときに、タービンホイールの破片を少ない材料でより効果的に受け止めることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、タービンホイールとシュラウドとの接触を回避しつつ高いタービン効率を実現することを可能とするターボチャージャが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】一実施形態に係るターボチャージャ100Aの断面構成を模式的に示す図である。
図2】一実施形態に係るターボチャージャ100Bの断面構成を模式的に示す図である。
図3】一実施形態に係るターボチャージャ100Cの断面構成を模式的に示す図である。
図4】一実施形態に係るターボチャージャ100Dの断面構成を模式的に示す図である。
図5図1図4に示した接続部12におけるタービンホイール2の軸O1に垂直な断面形状の一例を示す図である。
図6図1図4に示した接続部12におけるタービンホイール2の軸O1に垂直な断面形状の一例を示す図である。
図7】一参考形態に係るターボチャージャの断面構成を模式的に示す図である。
図8図7に示したターボチャージャの運転時における内側ケーシング030の温度分布を示す図である。
図9図7に示したタービンハウジング004の軸に垂直な断面構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0042】
図1は、一実施形態に係るターボチャージャ100Aの断面構成を模式的に示す図である。図2は、一実施形態に係るターボチャージャ100Bの断面構成を模式的に示す図である。図3は、一実施形態に係るターボチャージャ100Cの断面構成を模式的に示す図である。図4は、一実施形態に係るターボチャージャ100Dの断面構成を模式的に示す図である。
【0043】
幾つかの実施形態では、例えば図1図4に示すように、ターボチャージャ100(100A〜100D)は、タービンホイール2、タービンハウジング4、軸受ハウジング6、シュラウド8、マウント10及び少なくとも一つの接続部12を備える。
【0044】
図1図4に示すターボチャージャ100(100A〜100D)において、タービンホイール2は、不図示のエンジンの排気ガスによって回転するよう構成されている。タービンハウジング4は、タービンホイール2を収容し、タービンホイール2へ供給する排気ガスが流れるスクロール流路14の少なくとも一部を形成している。軸受ハウジング6は、タービンホイール2のシャフト16を回転可能に支持する軸受18を収容し、タービンハウジング4に連結されている。シュラウド8は、タービンホイール2のブレード20の先端20aに対向する対向面8aを有し、タービンホイール2を囲繞するように構成されている。また、シュラウド8は、タービンハウジング4とは別部品で構成されるとともにタービンハウジング4に対して隙間22を存してタービンハウジング4の内側に設けられている。マウント10は、タービンホイール2の軸方向においてスクロール流路14よりも軸受ハウジング6側にてタービンハウジング4と軸受ハウジング6の少なくとも一方に支持されている。少なくとも一つの接続部12(図1図4に示す形態では複数の接続部12)の各々は、マウント10とシュラウド8とを接続するよう構成されている。
【0045】
このように、ターボチャージャ100(100A〜100D)によれば、スクロール流路14を流れる排気ガスによってタービンハウジング4に温度分布が生じてタービンハウジング4が曲がり変形(熱変形)しても、シュラウド8がタービンハウジング4とは別部品で構成されるとともにタービンハウジング4に対して隙間22を存して設けられているため、シュラウド8とタービンホイール2との間のチップクリアランス(対向面8aと先端20aとのクリアランス)がタービンハウジング4の上記曲がり変形の影響を基本的に受けない。このため、シュラウド8とタービンホイール2との間のチップクリアランスを小さくしても、タービンハウジング4の上記曲がり変形に起因するシュラウド8とタービンホイール2との接触を回避することができる。したがって、タービンホイール2とシュラウド8との接触を回避しつつ高いタービン効率を実現することができる。
【0046】
幾つかの実施形態では、例えば図1図4に示すように、タービンホイール2を収容するとともにスクロール流路14の少なくとも一部を形成する板金製の第1ハウジング30をタービンハウジング4が含み、シュラウド8は、第1ハウジング30に対して隙間22を存して第1ハウジング30の内側に設けられている。
【0047】
斯かる構成では、第1ハウジング30を含むタービンハウジング4全体が鋳物で構成されている場合と比較して、第1ハウジング30が板金製であるため、スクロール流路14を流れる排気ガスの影響で大きな曲がり変形(熱変形)が第1ハウジング30に発生しやすい。このような場合においても、シュラウド8が板金製の第1ハウジング30に対して隙間22を存して第1ハウジング30の内側に設けられているため、上述したように、タービンホイール2とシュラウド8との接触を回避しつつ高いタービン効率を実現することができる。
【0048】
幾つかの実施形態では、例えば図1及び図2に示すように、タービンハウジング4は、第1ハウジング30を収容する板金製の第2ハウジング32を更に有する2層構造のハウジングである。
【0049】
斯かる構成では、タービンハウジングが2層構造のハウジングであるため、何らかの要因でタービンホイール2が破損して破片が飛散しても、1層構造の場合と比較して、タービンハウジング4外への破片の飛散をより確実に防ぐことができる。
【0050】
幾つかの実施形態では、例えば図1及び図2に示すように、ターボチャージャ100(100A,100B)は、出口案内筒34と、ピストンリング36とを更に備える。出口案内筒34は、タービンホイール2を通過した排気ガスを案内するように構成されており、ターケーシング4の出口フランジ35に接合されている。出口フランジ35は第2ハウジング32に例えば溶接により接合されており、第2ハウジング32と出口案内筒34とが出口フランジ35とともに一体で構成されている。ピストンリング36は、第1ハウジング30が出口案内筒34に対してタービンホイール2の軸方向にスライド可能となるように、第1ハウジング30と出口案内筒34の隙間38をシールするよう構成されている。
【0051】
図1及び図2に示したようにタービンハウジング4が第1ハウジング30と第2ハウジング32を含む2層構造のハウジングである場合には、スクロール流路14の少なくとも一部を形成する第1ハウジング30の方が、第2ハウジング32よりも相対的に温度が上昇して熱伸び量が大きくなる。このため、何も工夫しなければ、第1ハウジング30と第2ハウジング32の接続部分に応力が集中して破損が生じる恐れがある。この点、図1及び図2に示したターボチャージャ100(100A,100B)では、上記のように、第2ハウジング32と一体で構成された出口案内筒34に対して、第1ハウジング30が軸方向にスライド可能となるように、第1ハウジング30と出口案内筒34の隙間38をシールするピストンリング36を備えている。これにより、第1ハウジング30と出口案内筒34との隙間38からの排気ガスの漏れを抑制しつつ、第1ハウジング30と第2ハウジング32との熱伸び量の差に起因する破損を回避することができる。
【0052】
幾つかの実施形態では、例えば図3及び図4に示すように、タービンハウジング4は、1層構造のハウジングであり、シュラウド8の板厚は、第1ハウジング30の板厚より大きい。
【0053】
このようにタービンハウジング4が1層構造のハウジングである場合であっても、シュラウド8の板厚を第1ハウジング30の板厚より大きくすることにより、第1ハウジング30の板厚をシュラウド8の板厚より大きくする場合と比較して、タービンホイール2が破損したときに、タービンホイール2の破片を少ない材料で効果的に受け止めることができる。なお、シュラウド8の板厚は、第1ハウジング30の板厚の2倍以上とすることが望ましい。
【0054】
幾つかの実施形態では、例えば図1図4に示すように、タービンハウジング4は、軸受ハウジング6に隣接する部分に環状の構造部33を有しており、マウント10は、タービンハウジング4の構造部33と軸受ハウジング6とに挟持されている。構造部33は、なお、図1及び図2に示す2層構造のタービンハウジング4では、環状の構造部33は、例えば鋳物であり、板金製の第1ハウジング30及び板金製の第2ハウジング32に溶接等によって接合されていてもよい。また、図3及び図4に示す1層構造のタービンハウジング4では、環状の構造部33は例えば鋳物であり、第1ハウジング30に溶接等によって接合されていてもよい。
【0055】
このように、図1図4に示すターボチャージャ100(100A〜100D)では、ターボチャージャが本来的に備えるタービンハウジング4と軸受ハウジング6とによってマウント10を挟持することにより、簡易な構成でマウント10を固定することができる。
【0056】
幾つかの実施形態では、例えば図1及び図3に示すターボチャージャ100(100A,100C)において、マウント10は、環状の平板であり、マウント10の外周側部分10aは、タービンハウジング4と軸受ハウジング6とに挟持されている。
【0057】
この場合、環状の平板の厚さを適切に設定することにより、シュラウド8を接続部12を介して支持するためのマウント10の剛性を確保しつつ、マウント10の片面10fを利用してスクロール流路14の一部を形成することができる。また、マウント10の片面10fを利用してスクロール流路14の一部を形成する場合であっても、マウント10の厚さ方向とタービンホイール2の軸方向が一致していれば、タービンホイール2の軸方向のマウント10の熱伸び量を小さくすることができるため、タービンホイール2とシュラウド8の間のチップクリアランスの変動を抑制することができる。
【0058】
幾つかの実施形態では、例えば図1及び図3に示すように、ターボチャージャ100(100A,100C)は、タービンハウジング4の構造部33と軸受ハウジング6とを締結するボルト26を更に備えている。この場合、マウント10の外周側部分10aは、ボルト26の軸力によってタービンハウジング4の構造部33と軸受ハウジング6とに挟持されている。
【0059】
このように、タービンハウジング4と軸受ハウジング6とをボルト26によって締結することでマウント10がタービンハウジング4及び軸受ハウジング6に取り付けられるため、ボルト26の締結力を適切に設定することにより、簡易な構成でマウント10をタービンハウジング4及び軸受ハウジング6に固定することができる。
【0060】
幾つかの実施形態では、例えば図2及び図4に示すように、マウント10は、タービンホイール2の軸方向に延在する筒状部10bと、筒状部10bから筒状部10bの外周側に突出する環状の突出部10cと、を含む。この場合、マウント10の突出部10cは、タービンハウジング4と軸受ハウジング6とに挟持されている。これにより、筒状部10bの軸方向長さに応じた位置でマウント10をタービンハウジング4と軸受ハウジング6とにより挟持することができる。
【0061】
幾つかの実施形態では、例えば図2及び図4に示すように、ターボチャージャ100(100B,100D)は、タービンハウジング4の構造部33に設けられたフランジ40と軸受ハウジング6に設けられたフランジ42とを挟持することにより連結する挟持部材28を更に備える。この場合、マウント10の突出部10cは、挟持部材28の挟持力によってタービンハウジング4の構造部33と軸受ハウジング6とに挟持されている。なお、挟持部材28は、例えばC字形状の断面を有するCリングであってもよい。
【0062】
このように、タービンハウジング4のフランジと軸受ハウジング6のフランジとを挟持部材28によって連結することでマウント10がタービンハウジング4及び軸受ハウジング6に取り付けられるため、挟持部材28の挟持力を適切に設定することにより、簡易な構成でマウント10をタービンハウジング4及び軸受ハウジング6に固定することができる。
【0063】
幾つかの実施形態では、例えば図1図4に示すように、マウント10は、環状部材であり、軸受ハウジング6に形成された環状の段差部6aにインローで嵌合する嵌合部10dを有する。これにより、マウント10に接続部12を介して支持されたシュラウド8の軸心O2と、軸受18に支持されたシャフト16の軸心O1とを、簡易な構成で一致させることができる。
【0064】
幾つかの実施形態では、例えば図1図4に示すように、ターボチャージャ100(100A〜100D)は、バックプレート23を更に備える。バックプレート23は、タービンホイール5の入口から漏れ出てタービンホイール5の背面側に流れる排ガスをシールするとともに、熱が軸受側へ伝わらないようする遮熱するために設けられている。バックプレート23の外周側端は、マウント10の内周面に設けられた環状の段差部10eによって支持されており、バックプレートの内周側端は、軸受ハウジング6の環状の段差部6bによって支持されている。なお、環状の段差部6bは、環状の段差部6aよりも内周側に設けられている。
【0065】
幾つかの実施形態では、例えば図1図4に示すように、ターボチャージャ100(100A〜100D)は、シュラウド8と第1ハウジング30との隙間22をシールするシールリング24を更に備える。シールリング24は、第1ハウジング30に熱変形が生じてもシュラウド8と第1ハウジング30との隙間のシールを維持できる程度の弾性を有することが望ましく、例えば図1図4に示すようにC字形状の断面を有するものを用いてもよいし、Oリングであってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0066】
これにより、シュラウド8と第1ハウジング30との隙間22からの排気ガスの漏れをシールリング24によって抑制することができる。したがって、隙間22からの排気ガスの漏れに起因するタービン効率の低下を抑制し、より高いタービン効率を実現することができる。
【0067】
図5は、図1図4に示した接続部12におけるタービンホイール2の軸O1に垂直な断面形状の一例を示す図である。図6は、図1図4に示した接続部12におけるタービンホイール2の軸O1に垂直な断面形状の他の一例を示す図である。
【0068】
幾つかの実施形態では、図5に示すように、接続部12の各々は、タービンホイール2の軸に垂直な断面形状が翼形状である。図示した実施形態では、スクロール流路14を流れてタービンホイール2に流入する排気ガスの流れ方向に沿うように、翼形状の前縁部(排気ガス流れの上流側)が、後縁部(排気ガス流れの下流側)よりも径方向外側に位置するように構成される。これにより、タービンホイール2の軸O1に垂直な断面形状が翼形状である接続部12によって、シュラウド8とマウント10との間を流れる排気ガスが整流されるため、より高いタービン効率を実現することができる。
【0069】
幾つかの実施形態では、図6に示すように、接続部12の各々は、タービンホイール2の軸に垂直な断面形状が円形である。これにより、簡易な構成でシュラウド8とマウント10とを接続することができる。
【0070】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【符号の説明】
【0071】
2 タービンホイール
4 タービンハウジング
6 軸受ハウジング
6a 段差部
6b 段差部
8 シュラウド
8a 対向面
10 マウント
10a 外周側部分
10b 筒状部
10c 突出部
10d 嵌合部
10e 段差部
10f 片面
12 接続部
14 スクロール流路
16 シャフト
18 軸受
20 ブレード
20a 先端
22 隙間
23 バックプレート
24 シールリング
26 ボルト
28 挟持部材
30 第1ハウジング
32 第2ハウジング
33 構造部
34 出口案内筒
35 出口フランジ
36 ピストンリング
38 隙間
40 フランジ
42 フランジ
100(100A,100B,100C,100D) ターボチャージャ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9