特許第6580132号(P6580132)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アリババ グループ ホウルディング リミテッドの特許一覧

特許6580132メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置
<>
  • 特許6580132-メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置 図000008
  • 特許6580132-メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置 図000009
  • 特許6580132-メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置 図000010
  • 特許6580132-メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置 図000011
  • 特許6580132-メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置 図000012
  • 特許6580132-メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置 図000013
  • 特許6580132-メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置 図000014
  • 特許6580132-メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置 図000015
  • 特許6580132-メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置 図000016
  • 特許6580132-メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置 図000017
  • 特許6580132-メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6580132
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/435 20110101AFI20190912BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20190912BHJP
【FI】
   H04N21/435
   H04N21/436
【請求項の数】20
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-515713(P2017-515713)
(86)(22)【出願日】2015年9月24日
(65)【公表番号】特表2017-535124(P2017-535124A)
(43)【公表日】2017年11月24日
(86)【国際出願番号】US2015051913
(87)【国際公開番号】WO2016049299
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2018年9月21日
(31)【優先権主張番号】201410509697.5
(32)【優先日】2014年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511050697
【氏名又は名称】アリババ グループ ホウルディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カオ,ダン
(72)【発明者】
【氏名】レン,ワンシー
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ジージャオ
(72)【発明者】
【氏名】ロン,シンホイ
(72)【発明者】
【氏名】リ,シャンフー
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ウェイミン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】カオ,ハイタオ
【審査官】 川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−534743(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/055835(WO,A2)
【文献】 特開2009−111972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 − 21/858
H04N 5/38 − 5/46
H04N 5/76 − 5/956
G11B 20/10 − 20/16
G11B 27/00 − 27/34
H04Q 9/00 − 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供するコンピュータ実施方法であって、
前記メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置に関連付けられた通信アドレスを同報通信する工程であって、前記同報通信された通信アドレスは、ユーザ端末装置が前記再生装置と通信することを可能にする、工程と、
前記メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する要求を前記ユーザ端末装置から受信する工程と、
1の情報に関連付けられた第1の識別子を判断する工程であって、前記第1の情報は前記メディアコンテンツに関連付けられる、工程と、
前記第1の識別子を前記ユーザ端末装置へ送信する工程と
を含み、
前記第1の識別子は、前記第1の情報を格納するロケーションに関連付けられたネットワークアドレスに関連付けられ、前記第1の識別子は、前記ユーザ端末装置がサーバから前記ネットワークアドレスを取得するために前記サーバに前記第1の識別子を提供することを可能にする、コンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記第1の識別子は、前記メディアコンテンツのうちの1つを格納するファイルの名前に関連付けられ、前記第1の情報に関連付けられた前記第1の識別子を判断する工程は、
前記ファイルの前記名前を取得する工程と、
前記ファイルの前記取得された名前に基づき前記第1の識別子を判断する工程と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、
現在の再生時間を判断する工程と、
前記判断した現在の再生時間に基づき、第2の識別子を判断する工程であって、前記第2の識別子は前記ネットワークアドレスに関連付けられる、工程と、
前記ユーザ端末装置が前記サーバから前記ネットワークアドレスを取得するために前記サーバに前記第2の識別子を提供することを可能にすべく、前記第2の識別子を前記ユーザ端末装置へ送信する工程と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ端末装置と前記再生装置とは非認証無線接続を介して通信する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得するコンピュータ実施方法であって、
前記メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置の通信アドレスを同報通信メッセージから判断する工程と、
前記メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する第1の要求を前記再生装置の前記判断された通信アドレスへ送信する工程と、
前記情報を格納するロケーションに関連付けられたネットワークアドレスに関連付けられた識別子を受信する工程と、
前記識別子を含む第2の要求をサーバに送信する工程と、
前記サーバから前記ネットワークアドレスを受信する工程と
を含む、コンピュータ実施方法。
【請求項6】
識別子とメディアコンテンツとを関連付けるコンピュータ実施方法であって、
前記メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置からメディアコンテンツのファイルのリストを取得する工程であって、前記ファイルのリストのそれぞれは1つまたは複数の再生時間に関連付けられる、工程と、
複数の識別子と前記再生時間とを関連付けるマッピング表を前記リストに基づき判断する工程と
を含み、
前記マッピング表は、ユーザ端末装置によって送信される前記メディアコンテンツに関連付けられた情報の要求に応じて前記再生装置が前記メディアコンテンツの現在の再生時間に基づいて前記複数の識別子のうちの第1の識別子を提供することを可能にし、
前記第1の識別子は、前記メディアコンテンツに関連付けられた情報をサーバから取得することを可能にする、コンピュータ実施方法。
【請求項7】
前記メディアコンテンツに関連付けられた前記情報を格納するロケーションの1つまたは複数のネットワークアドレスを取得する工程と、
前記再生時間と前記ネットワークアドレスとを関連付ける第2のリストを判断する工程と、
前記第2のリストを前記サーバに送信する工程と
をさらに含み、
前記第2のリストは、前記サーバが前記第1の識別子に基づいて前記ユーザ端末装置に前記1つまたは複数のネットワークアドレスのうちの第1のネットワークアドレスを提供することを可能にする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の識別子のそれぞれは、前記ファイルのリストのそれぞれに対して生成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ネットワークアドレスは、認証された無線接続を介して提供される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する装置であって、
命令の組を格納するメモリと、
プロセッサであって、前記命令の組を実行して、前記装置に、
前記メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置に関連付けられた通信アドレスを同報通信することであって、前記同報通信された通信アドレスは、ユーザ端末装置が前記再生装置と通信することを可能にする、同報通信することと、
前記メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する要求を前記ユーザ端末装置から受信することと、
1の情報に関連付けられた第1の識別子を判断することであって、前記第1の情報は前記メディアコンテンツに関連付けられる、ことと、
前記第1の識別子を前記ユーザ端末装置へ送信することと
を行わせるように構成されるプロセッサとを含み、
前記第1の識別子は、前記第1の情報を格納するロケーションに関連付けられたネットワークアドレスに関連付けられ、前記第1の識別子は、前記ユーザ端末装置がサーバから前記ネットワークアドレスを取得するために前記サーバに前記第1の識別子を提供することを可能にする、装置。
【請求項11】
前記第1の識別子は、前記メディアコンテンツのうちの1つを格納するファイルの名前に関連付けられ、前記第1の情報に関連付けられた前記第1の識別子を判断することは、前記プロセッサが、
前記ファイルの前記名前を取得することと、
前記ファイルの前記取得された名前に基づき前記第1の識別子を判断することと
を行うように構成されることを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記命令の組を実行して、前記装置に、
現在の再生時間を判断する工程と、
前記判断した現在の再生時間に基づき、第2の識別子を判断することであって、前記第2の識別子は前記ネットワークアドレスに関連付けられる、ことと、
前記ユーザ端末装置が前記サーバから前記ネットワークアドレスを取得するために前記サーバに前記第2の識別子を提供することを可能にすべく、前記第2の識別子を前記ユーザ端末装置へ送信することと
を行わせるように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記ユーザ端末装置と前記再生装置とは非認証無線接続を介して通信する、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する装置であって、
命令の組を格納するメモリと、
プロセッサであって、前記命令の組を実行して、前記装置に、
前記メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置の通信アドレスを同報通信メッセージから判断することと、
前記メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する第1の要求を前記再生装置の前記判断された通信アドレスへ送信することと、
前記情報を格納するロケーションに関連付けられたネットワークアドレスに関連付けられた識別子を受信することと、
前記識別子を含む第2の要求をサーバに送信することと、
前記サーバから前記ネットワークアドレス受信することと
を行わせるように構成されるプロセッサとを含む、装置。
【請求項15】
識別子とメディアコンテンツとを関連付ける装置であって、
命令の組を格納するメモリと、
プロセッサであって、前記命令の組を実行して、前記装置に、
前記メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置からメディアコンテンツのファイルのリストを取得することであって、前記ファイルのリストのそれぞれは1つまたは複数の再生時間に関連付けられる、ことと、
複数の識別子と前記再生時間とを関連付けるマッピング表を前記リストに基づき判断することと
を行わせるように構成されるプロセッサとを含み、
前記マッピング表は、ユーザ端末装置によって送信される前記メディアコンテンツに関連付けられた情報の要求に応じて前記再生装置が前記メディアコンテンツの現在の再生時間に基づいて前記複数の識別子のうちの第1の識別子を提供することを可能にし、
前記第1の識別子は、前記メディアコンテンツに関連付けられた情報をサーバから取得することを可能にする、装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記命令の組を実行して、前記装置に、
前記メディアコンテンツに関連付けられた前記情報を格納するロケーションの1つまたは複数のネットワークアドレスを取得することと、
前記再生時間と前記ネットワークアドレスとを関連付ける第2のリストを判断することと、
前記第2のリストを前記サーバに送信することと
を行わせるようにさらに構成され、
前記第2のリストは、前記サーバが前記第1の識別子に基づいて前記ユーザ端末装置に前記1つまたは複数のネットワークアドレスのうちの第1のネットワークアドレスを提供することを可能にする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ネットワークアドレスは、前記第1の情報を格納する前記ロケーションのユニフォームリソースロケータ(URL)である、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項18】
前記第1の識別子は、第1の副識別子と第2の副識別子とを含み、前記第1の副識別子は、前記メディアコンテンツを格納するファイルの名前に関連付けられており、前記第2の副識別子は、前記メディアコンテンツのうちの1つの現在の再生時間に関連付けられており、
前記ネットワークアドレスは、前記第1及び第2の副識別子と関連付けられており、
前記第1の情報に関連付けられる前記第1の識別子判断することが、
前記ファイルの前記名前を取得する工程と、
前記取得した名前に基づいて前記第1の副識別子を判断する工程と、
前記現在の再生時間に基づいて前記第2の副識別子を判断する工程と、
を含む、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。

【請求項19】
前記第1の識別子は30バイト以下である、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項20】
前記第1の識別子は単一のデータパケットで前記ユーザ端末装置に送信される、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年9月28日出願の中国特許出願中国特許出願公開第201410509697.5号に基づき、かつそれに対する優先権を主張し、その特許出願の全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本出願は、メディアコンテンツ処理の分野に関し、特にメディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
この情報化時代では、人々が情報を取得するための多くの方法が存在する。例えば、大画面再生装置はデパート、ブランド店、地下鉄および空港など、公共の場所のいたるところで見出され得る。大量のマルチメディアのコンテンツがこれら装置上に表示される。ユーザは、大画面再生装置上に表示されているメディアコンテンツを見ると、表示されているメディアコンテンツに関連付けられたより多くの情報を取得することを求め得る。
【0004】
例示的な例として、地下鉄駅における消費者は、大画面が製品の映像を再生していることを見て、その製品に関心を持つ。消費者は製品に関するより多くの情報を取得することを求め得る。通常、消費者は、キーワードを使用して製品を検索するために携帯装置(例えば、携帯電話)を使用することにより、ネットワークにログインし得る。検索は大量の組のデータを生成することになり、消費者は、製品に関する情報を見出すためにこれらのデータ内を探す必要がある。広告/販売コンバージョンが発生し得るが、このコンバージョン処理(検索と検索結果の後処理とを含む)は非効率的であり、より低い広告/販売比率となる。さらに、取得情報のこのような処理は、ユーザによる複雑な操作を必要とし得る一方、膨大なネットワーク資源も消費する。
【0005】
情報をより効率的な方法で提供するために、従来技術において一般的に使用される技術は、大画面上に表示されているイメージ画像内に2次元コードを挿入することである。このとき、視聴者は、現在表示されている画像についての追加情報を取得するために、携帯端末内にインストールされたアプリにより2次元コードを走査し得る。
【0006】
この技術は情報を収集するために好都合であるが、多くの短所を有する。第1に、2次元コードピクチャを画像内に埋め込むことは、画像の完全性に影響を与え、画像の映像表示の品質だけでなくその美的外観にも影響を与える。さらに、2次元コードを走査することは、長い時間を必要とし、例えば走査が完了する前に2次元コードが映像ディスプレイ内で消える危険性を伴う。さらに、正確な走査のために、携帯端末(コードを走査するためのアプリがインストールされた)が2次元コード区域に向けられる必要がある。様々な角度でかつ様々な距離から走査している可能性がある複数のユーザ間で走査精度を維持することは困難である。さらに、公衆大画面に関して、ユーザは通常、画面から遠距離に位置し、したがって2次元コード情報を正確かつ効果的に取得することをさらに困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、表示画面上に表示されているメディアコンテンツに関連付けられた情報を提供し、ユーザが情報をより効率的かつ正確に取得することを可能にする技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
本開示は、メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供するコンピュータ実施方法を提供する。本方法は、メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置に関連付けられた通信アドレスを同報通信する工程であって、同報通信された通信アドレスは、ユーザ端末装置が再生装置と通信することを可能にする、工程と、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する要求をユーザ端末装置から受信する工程と、その情報に関連付けられた識別子を判断する工程と、識別子をユーザ端末装置へ送信する工程とを含む。識別子は、ユーザ端末装置が情報を取得することを可能にする。
【0009】
いくつかの実施形態では、識別子は、情報を格納するロケーションに関連付けられたネットワークアドレスを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、識別子は、情報を格納するロケーションに関連付けられたネットワークアドレスに関連付けられる。識別子は、ユーザ端末装置がネットワークアドレスを取得することを可能にする。
【0011】
いくつかの実施形態では、識別子は、メディアコンテンツのうちの1つを格納するファイルの名前に関連付けられ、情報に関連付けられた識別子を判断する工程は、ファイルの名前を取得する工程と、ファイルの取得された名前に基づき識別子を判断する工程とを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、識別子は、第1の副識別子と第2の副識別子とを含み、第1の副識別子は、メディアコンテンツを格納するファイルの名前に関連付けられ、第2の副識別子は、メディアコンテンツのうちの1つの再生時間に関連付けられ、ネットワークアドレスは、第1および第2の副識別子に関連付けられる。情報に関連付けられた識別子を判断する工程は、ファイルの名前を取得する工程と、ファイルを再生する進捗に応じて再生時間を判断する工程と、取得された名前と、判断された再生時間とに基づき第1および第2の副識別子を判断する工程とを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、ユーザ端末装置と再生装置とは非認証無線接続を介して通信する。
【0014】
本開示の実施形態はまた、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得するコンピュータ実施方法を提供する。本方法は、メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置の通信アドレスを同報通信メッセージから判断する工程と、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する要求を、判断された通信アドレスへ送信する工程と、メディアコンテンツに関連付けられた識別子を受信する工程と、識別子に基づき情報を取得する工程とを含む。
【0015】
本開示の実施形態はまた、識別子とメディアコンテンツとを関連付けるコンピュータ実施方法を提供する。本方法は、メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置からメディアコンテンツのリストを取得する工程と、識別子とメディアコンテンツとを関連付けるマッピング表をリストに基づき判断する工程であって、識別子は、メディアコンテンツに関連付けられた情報を識別するように生成される、工程とを含む。マッピング表は、メディアコンテンツのうちの1つに関連付けられた情報の要求に応じて再生装置が識別子を提供することを可能にし、再生装置により提供される識別子は、メディアコンテンツのうちの1つに関連付けられた情報を取得することを可能にする。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、メディアコンテンツに関連付けられた情報を格納するロケーションの1つまたは複数のネットワークアドレスを取得する工程と、識別子と1つまたは複数のネットワークアドレスとを関連付ける工程と、識別子のうちの1つを含む要求を受信することに応じてネットワークアドレスのうちの1つを提供する工程とをさらに含む。ネットワークアドレスのうちの1つを提供する工程は、メディアコンテンツのうちの1つに関連付けられた情報を取得することを可能にする。
【0017】
いくつかの実施形態では、識別子のそれぞれは、リスト内のメディアコンテンツのそれぞれに対して生成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、ネットワークアドレスの1つは、認証された無線接続を介して提供される。
【0019】
本開示の実施形態はまた、メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する装置を提供する。本装置はプロセッサを含む。プロセッサは、メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置に関連付けられた通信アドレスを同報通信することであって、同報通信された通信アドレスは、ユーザ端末装置が再生装置と通信することを可能にする、同報通信することと、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する要求をユーザ端末装置から受信することと、その情報に関連付けられた識別子を判断することと、識別子をユーザ端末装置へ送信することとを行うように構成される。識別子は、ユーザ端末装置が情報を取得することを可能にする。
【0020】
いくつかの実施形態では、識別子は、メディアコンテンツのうちの1つを格納するファイルの名前に関連付けられ、情報に関連付けられた識別子を判断することは、プロセッサが、ファイルの名前を取得することと、ファイルの取得された名前に基づき識別子を判断することとを行うように構成されることを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、識別子は、第1の副識別子と第2の副識別子とを含み、第1の副識別子は、メディアコンテンツを格納するファイルの名前に関連付けられ、第2の副識別子は、メディアコンテンツのうちの1つの再生時間に関連付けられ、ネットワークアドレスは、第1および第2の副識別子に関連付けられ、情報に関連付けられた識別子を判断することは、プロセッサが、ファイルの名前を取得することと、ファイルを再生する進捗に応じて再生時間を判断することと、取得された名前と、判断された再生時間とに基づき第1および第2の副識別子を判断することとを行うように構成されることを含む。
【0022】
本開示の実施形態はまた、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する装置を提供する。本装置はプロセッサを含む。プロセッサは、メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置の通信アドレスを同報通信メッセージから判断することと、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する要求を、判断された通信アドレスへ送信することと、メディアコンテンツに関連付けられた識別子を受信することと、識別子に基づき情報を取得することとを行うように構成される。
【0023】
本開示の実施形態はまた、識別子とメディアコンテンツとを関連付ける装置を提供する。本装置はプロセッサを含む。プロセッサは、メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置からメディアコンテンツのリストを取得することと、識別子とメディアコンテンツとを関連付けるマッピング表をリストに基づき判断することであって、識別子は、メディアコンテンツに関連付けられた情報を識別するように生成される、判断することとを行うように構成される。マッピング表は、メディアコンテンツのうちの1つに関連付けられた情報の要求に応じて再生装置が識別子を提供することを可能にし、再生装置により提供された識別子は、メディアコンテンツのうちの1つに関連付けられた情報を取得することを可能にする。
【0024】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、メディアコンテンツに関連付けられた情報を格納するロケーションの1つまたは複数のネットワークアドレスを取得することと、識別子と1つまたは複数のネットワークアドレスとを関連付けることと、識別子のうちの1つを含む要求を受信することに応じてネットワークアドレスのうちの1つを提供することとを行うようにさらに構成される。ネットワークアドレスのうちの1つの提供は、メディアコンテンツのうちの1つに関連付けられた情報を取得することを可能にする。
【0025】
開示される実施形態の別の目的および利点は、以下の説明に部分的に記載され、その説明から部分的に明らかになるか、または実施形態の実施により学習され得る。開示される実施形態の目的および利点は、特許請求の範囲に記載される要素およびその組み合わせにより実現および達成され得る。
【0026】
これまで述べた概要および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明目的のものにすぎず、特許請求されるような開示される実施形態に限定されるものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツを表示し、表示されているメディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する例示的システムのブロック図である。
図2】本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する例示的方法のフローチャートである。
図3】本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する例示的方法のフローチャートである。
図4】本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツとメディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子とを関連付ける例示的方法のフローチャートである。
図5】本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツとメディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子との間の関連付け情報を取得する例示的方法のフローチャートである。
図6】本開示の実施形態に一致する、情報の識別子と情報のネットワークロケーションとの間の関連付け情報を生成する例示的方法のフローチャートである。
図7】本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する例示的装置のブロック図である。
図8】本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する例示的装置のブロック図である。
図9】本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツとメディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子とを関連付ける例示的装置のブロック図である。
図10】本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツとメディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子との間の関連付け情報を取得する例示的装置のブロック図である。
図11】本開示の実施形態に一致する、情報の識別子と情報のネットワークロケーションとの間の関連付け情報を生成する例示的装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施形態の説明
その例が添付図面に示される例示的実施形態を次に詳細に参照する。以下の説明は、特記しない限り様々な図面内の同じ数字が同じまたは同様の要素を表す添付図面を参照する。以下の例示的実施形態の説明に記載される実装形態は、本発明によるすべての実装形態を表すとは限らない。むしろ、これらは、添付の特許請求の範囲に記載される本発明に関係する態様による装置および方法の単に一例である。
【0029】
本開示は、メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供するシステムおよび方法を提供する。本装置は、メディアコンテンツを再生するように構成された再生装置に関連付けられた通信アドレスを同報通信し得る。同報通信された通信アドレスは、ユーザ端末装置が再生装置と通信することを可能にする。通信アドレスを同報通信した後、本装置は、ユーザ端末装置から、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する要求を受信し得る。次に、本装置は、上記情報に関連付けられた識別子を判断し、その識別子をユーザ端末装置へ送信し得る。識別子はユーザ端末装置が上記情報を取得することを可能にする。このような配置により、大画面上に表示されているメディアコンテンツに関係するより多くの情報をユーザが取得することを可能にするため、「多画面相互作用(multi-screen interaction)」の形式が提供され得る。この形式の多画面相互作用により、あるプログラムが大画面装置上に表示されているとき、大画面装置上に表示されている情報との相互作用を行うために携帯装置が使用され得る。携帯装置は、タブレットコンピュータ、スマートフォン、ウェアリングデバイス(スマートウォッチなど)であり得る。例えば、プログラム、映画、音楽またはビデオゲームが大画面(例えばテレビ)上で再生されているとき、表示されているコンテンツに関係する情報が携帯装置上に同期して表示される。
【0030】
通常、表示装置(例えばスマートテレビ)は、多画面相互作用を実施するためにローカルエリアネットワークを通して携帯装置(例えばスマートフォン)に通信可能に結合され得る。ローカルエリアネットワークはWiFiにより実施され得る。スマートテレビとスマートフォンとは、スマートテレビとスマートフォンと間の多画面相互作用を実現するために、ローカルエリアネットワーク内の異種装置間でマルチメディアデータを共有する通信プロトコルに基づき、データの相互送信を行い得る。特定の通信プロトコルとしては、例えばDigital Living Network Alliance(DLNA(登録商標))、Apple(商標)Airplay(商標)などが挙げられる。この形式の多画面相互作用は、通常、スマートフォン上で視聴されている映像を継続視聴のためにテレビ等へ転送することに関わる。
【0031】
公共の場所(例えば地下鉄駅、空港、デパートなど)に取り付けられた大画面再生装置は、主としてオフライン状態であり、いかなるローカルエリアネットワークにも接続されない。再生されているメディアコンテンツは、主として再生装置にローカルに格納される(例えば、次にデータを再生装置へ送信するUSBディスク、SDカード、モバイルハードディスクなどに)。本開示の実施形態は、オフライン表示装置と別の携帯端末との間の多画面相互作用を可能にする方法および装置を提供する。ここには表示装置と携帯端末とを接続するローカルエリアネットワークは存在しない。
【0032】
本開示の実施形態は、ビデオロッド(video rod)、メディアボックス、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートテレビなどの再生装置により実施され得る。本開示の実施形態は、再生装置へ接続された画面と携帯端末の画面との間の異なる(ただし、関連する)情報の表示を可能にする。例示的な例として、再生装置がある製品またはサービスの広告を表示している間、再生装置(またはそれと結合された装置)はまた、製品またはサービスのセールと価格や、製品またはサービスなどを販売する電子商取引プラットフォームといった、広告に関連付けられた情報をユーザ端末装置へ提供することができ、そのような情報は、ユーザ端末装置において取得および表示され得る。
【0033】
図1は、本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツを表示し、表示されているメディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する例示的システム100のブロック図である。システム100は、表示画面102、再生装置104、ユーザ端末装置106、管理装置108およびサーバ110を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、再生装置104は、メディアプレーヤ112、記憶装置116および相互作用装置118を含む。オフラインメディアファイル(映像、音声、Flash、画像などのフォーマットであり得る)は、記憶装置116内に格納され得る。再生装置104はさらにメディアプレーヤ112を含む。メディアプレーヤ112は、メディアストリームを生成し、そのメディアストリームをHDMI(登録商標)インターフェイスを介して表示画面102へ送信し、表示画面102が第1の画面としてメディアデータを表示することを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、再生装置104はHDMIドングル装置であり得る。
【0035】
相互作用装置118は、ユーザ端末装置106との相互作用を行うように構成される。例えば、相互作用装置118は無線通信モジュールなどを含み得、通信アドレスを定期的に同報通信し得る。メディアプレーヤ112がメディアファイルを再生しているとき、ユーザ端末装置106から要求を受信すると、再生装置104は、メディアファイルに含まれるメディアコンテンツに関連付けられた情報を識別するように構成された識別情報を、相互作用装置118を介してプッシュし得る。例示的な例として、ユーザ端末装置106は、タッチ画面操作などの操作または端末装置の揺動行為を検知し得る。次に、ユーザ端末装置106は、メディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子を取得する要求を再生装置104へ送信し得る。識別子に基づき、ユーザ端末装置106は情報を取得し得る。さらに、識別子に基づき、ユーザの関心のある関連付け情報が、第2の画面として機能する端末装置の画面上に開かれ得る。管理装置108は、システム管理者が必要に応じて識別子情報を構成または更新することを可能にする。
【0036】
いくつかの実施形態では、相互作用装置118は低電力消費無線通信モジュールにより実施され得る。このようなモジュールは、Bluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)(例えばBLE4.0)、従来のBluetooth機能(BT3.0/2.x)またはその両方など、1つまたは複数のBluetoothプロトコルに適合可能である。ユーザ端末装置106に関して、ほとんどの端末装置が従来のBluetooth無線プロトコルをサポートし得る。加えて、BLEを備えた一層多くの端末装置が存在する。例えば、iPhone(登録商標) 4Sおよびそれ以降のバージョンならびにAndroid(登録商標) 4.3およびそれ以降のバージョンがインストールされた端末装置は、通常、BLEを備える。したがって、再生装置とユーザ端末装置とは、BLEプロトコルを介して相互作用を行い得る。
【0037】
以下に説明されるように、前述の多画面相互作用は再生装置104とユーザ端末装置106との間の相互作用を含む。いくつかの実施形態では、前述の多画面相互作用はまた、サーバ110とユーザ端末装置106との間の相互作用を含む。サーバ110はまた、再生されているメディアコンテンツに関連付けられた情報を構成または更新するために管理装置108および再生装置104と相互作用するように構成され得る。いくつかの実施形態では、サーバ110および管理装置108の少なくとも一部は単一装置として一体化され得る。いくつかの実施形態では、管理装置108および再生装置104の少なくとも一部も単一装置として一体化され得る。
【0038】
図2は、本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する例示的方法200のフローチャートである。いくつかの実施形態では、例示的方法200は、図1の再生装置104(またはそれへのアクセスを有する装置)により行われ得る。再生装置はまた、無線通信モジュール(例えば相互作用装置118内に含まれる)を含み、メディアコンテンツに関連付けられた情報の複数の識別子を含むマッピング表(例えば記憶装置116における)を格納する。マッピング表についての詳細は以下に説明される。方法200は以下の工程を含む。
【0039】
工程S201では、再生装置104は、無線通信モジュールに関連付けられた通信アドレス情報を同報通信する。通信アドレス情報は、対応する無線通信モジュール(例えばユーザ端末装置106)を有する端末装置が、再生装置により送信された情報を受信することを可能にする。
【0040】
多画面相互作用は、再生装置とユーザ端末装置との両方が従来の無線通信モジュールを含むときに実施され得る。無線通信モジュールは、様々な無線標準規格により実施され得る。例えば、無線通信モジュールは従来のBluetoothモジュールであり得る。この場合、装置同士は接続がそれらの間に設定される前にペアになる必要がある。ペアリング処理をトリガするために、ユーザ端末装置は他の無線通信装置を最初に検索し得る。発見された無線通信装置のリストから、ユーザは、ユーザにより見られているメディアコンテンツを再生している再生装置とその関連情報とをユーザ端末装置を介して選択し得る。このような情報は、再生装置に関連付けられた名前を含み得、再生装置により同報通信され得る。次に、その名前に基づきペアにする再生装置が選択され得る。場合により、ユーザ端末装置内にインストールされたクライアント側アプリケーションがまた、他のBluetooth装置を検索することにより再生装置を検索する処理を自動的にトリガし得る。例えば、アプリケーションは、ユーザがある公共の場所に現在位置することを、測位システムを介して検知し得る。予め設定されたデータベースに格納された情報から、アプリケーションは、その公共の場所に位置する再生装置のリストを判断し得る。ある判定基準を満たす(例えば、予め格納された再生装置名に一致する)再生装置がマッチングの目的のためにリストから選択され得る。ペアリングが成功した後、2つの装置(ユーザ端末装置および再生装置)は、通信接続を設定するためにそれらの通信アドレス(例えば、MACアドレス)を交換する。この場合、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する命令を受信すると、ユーザ端末装置のクライアントアプリケーションは、情報の要求をペアの再生装置の無線通信モジュールへ無線で送信し得る。
【0041】
場合により、ペアリング処理は情報の取得の効率に影響を与え得る。例えば、ペアリングは要求情報の取得に遅延を導入し得る。さらに、混雑した場所では、多数のBluetooth装置(ユーザ端末装置を含む)が検索過程において発見され得、ユーザ端末装置のなかから、ユーザにより見られ照会されているメディアコンテンツを再生している再生装置を選択することを困難にする。さらに、従来のBluetooth装置は多数のチャネル(例えば数十)を有し得る。したがって、ユーザ端末装置と再生装置との検索およびペアリング中、ユーザ端末装置と再生装置との両方は周波数ホッピングを連続的に行い得、各パーティが他のパーティを発見するのを困難にする。
【0042】
いくつかの実施形態では、前述の欠陥を緩和するために、再生装置とユーザ端末装置との間の無線通信はBLE(例えばBLE4.0)プロトコルに基づき実施され得る。BLEは以下の利点を少なくとも提供し得る。第1に、BLE装置はそれらの間の認証された接続を必要としない、すなわち、従来のBluetoothのものと同様のペアリング処理は必要とされない。したがって、要求情報の取得における遅延は低減され得る。第2に、BLEは、再生装置がその通信アドレス情報(MACアドレス等)を一定間隔で(例えば100ms毎に)同報通信することを可能にする同報通信能力を提供する。ユーザ端末装置もBLE機能を含む場合、ユーザ端末装置は、同報通信をリッスンすることにより通信アドレスを取得し得る。次に、ユーザ端末装置は、ペアリング処理を行うことなしに再生装置と直接通信し得る。ユーザ端末装置はまた、他のユーザ端末装置が同報通信しなければ、再生装置とこれら他のユーザ端末装置とを区別する必要はない。複数のユーザ端末装置が同報通信無線通信モジュール(再生装置内の)に関連付けられた通信アドレスを同時にまたは極めて短い時間間隔内に取得し、それとの接続を確立し得る。したがって、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する効率はさらに改善され得る。
【0043】
工程S202では、再生装置は、再生装置内で現在再生されているメディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する要求を端末装置から受信する。
【0044】
本開示の実施形態によると、再生装置は無線通信モジュールを含む。したがって、ユーザ端末装置も無線通信能力を含む場合、2つの装置は多画面相互作用を行い得る。したがって、ある再生装置において再生されているメディアコンテンツに関連付けられた情報を取得するために、ユーザ端末装置は情報の要求を再生装置へ無線で送信し得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、ユーザ端末装置上のクライアントアプリケーションは、ターゲット再生装置により同報通信された情報を受信すると、再生装置内のメディアコンテンツに関連付けられた情報を取得するようにユーザに促し得る。次に、クライアントアプリケーションは、ユーザからの取得命令を検知し得る。命令を入力するために異なるタイプのインターフェイスがユーザへ提供され得る。例えば、ボタンなどの制御機器がユーザインターフェース上に提供され得、ユーザ端末装置は制御機器の操作を検知した後に要求を送信し得る。いくつかの実施形態では、ユーザ端末装置は、ユーザからの要求を送信する命令を表すように予め定められた特定の事象を検知するように構成された加速度センサおよび光センサなどのセンサ装置を含み得る。例えば、ユーザ端末装置は、「ユーザ端末装置を揺動する」方法でユーザに操作命令を送信するように促し得る。次に、端末装置内の加速度センサは揺動行為を検知し得る。揺動行為を検知すると、ユーザ端末装置は、現在再生されているメディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する要求をターゲット再生装置へ送信し得る。
【0046】
工程S203では、再生装置は、現在再生されているメディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子をマッピング表に基づき判断する。
【0047】
要求をユーザ端末装置から受信した後、再生装置は最初に、現在再生されているメディアコンテンツを判断し得る。次に、再生装置は、現在再生されているメディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子を予め設定されたマッピング表に基づき判断し得る。
【0048】
マッピング表は再生装置内に予め格納され得、様々な種類の識別子とメディアコンテンツに関連付けられた情報とを関連付け得る。いくつかの実施形態では、識別子は情報の名前を含む。名前は、名前をキーワードとして使用することにより、ユーザ端末装置が予め構成された検索エンジンにより検索することを可能にする。このとき、検索は、情報についてのより多くの詳細をもたらし得る。いくつかの実施形態では、識別子は、関連情報を格納する場所のユニフォームリソースロケータ(URL)などのネットワークアドレスを含む。URLは、ユーザ端末装置が情報についてより多くの詳細を取り出せるようにし得る。
【0049】
場合により、URLストリングは部分毎に送信される必要がある。これは、いくつかの無線通信プロトコル(例えばBLE4.0)が送信パケットの最大サイズ(例えば30バイト以下)を制限し、一方、関連情報のURL(例えば電子商取引プラットフォームにおける製品詳細ページのURL)ストリングの長さが通常、サイズ限度を超えるためである。この場合、URLは複数の部分に分割され得、関連URLの各部分と識別子とが関連付けられる。次に、複数の部分は複数のパケットでユーザ端末装置へ送信され得る。しかし、URLの分割は情報の取得に対して遅延を加え得る。さらに、複数のクライアントからの要求に同時に応答する際、輻輳および伝送エラーなどの様々な問題が発生し得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、情報は所定の識別子に関連付けられ得る。情報と所定の識別子との関連性はマッピング表内に格納され得る。所定の識別子の長さは8バイト〜16バイトに制御され得、識別子が分割を必要とすることなく単一パケットで送信されることを可能にする。いくつかの実施形態では、サーバ(例えば図1のサーバ110)は、所定の識別子とネットワークアドレスとを関連付ける第2のマッピング表を格納し得、情報は第2のマッピング表を介してアクセスされ得る。第2のマッピング表はサーバに格納され得る。識別子を再生装置から取得した後、ユーザ端末装置は識別子を含む第2の要求をサーバへ送信し得る。次に、サーバは、識別子により第2のマッピング表にアクセスし、識別子に関連付けられたネットワークアドレスをユーザ端末装置へ提供し得る。次に、ユーザ端末装置はネットワークアドレスを使用することにより情報の詳細を取得し得る。
【0051】
所定の識別子の使用はまた、ハッキングの危険性を緩和し得る。特に、BLE4.0はペアリングを必要としないため、BLE4.0プロトコル下で送信されるメッセージのコンテンツはユーザ端末装置へ向かう途中で遮断および改ざんされ得る。例えば、再生装置がBLE4.0を使用してネットワークアドレスをユーザ端末装置へ送信すれば、ハッカーは、送信されたアドレスを改ざんしてユーザ端末装置を別のネットワークアドレスへ振り向け得る。一方、ハッカーは、識別子と、関連する情報場所とのマッピング(サーバに格納されるような)を変更することなく、ユーザ端末装置を異なるネットワークロケーションへ振り向けるように識別子を改ざんすることができない。このような配置は、多画面相互作用のセキュリティを強化し得る。
【0052】
メディアコンテンツは、通常、メディアファイルの形式で格納される。場合により、各メディアファイルは特定のメディアコンテンツに関するデータを格納し得る。例えば、オーディオビデオインタリーブ(AVI)ファイルはある製品の広告のデータを格納し得る。再生装置に格納されたマッピング表は、識別子とメディアファイルの名前との間のマッピングを格納し得る。したがって、工程S203において、再生装置は、現在再生されているメディアファイルの名前を判断し、次に、メディアファイルの名前に関連付けられた識別子をマッピング表に基づき判断し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、1つのメディアファイルが複数のメディアコンテンツを格納し得る。例えば、AVIファイルは複数の製品および/またはサービスの広告のためのデータを格納し得、各製品またはサービスは1つのメディアコンテンツと関連付けられる。この場合、ファイルに含まれる各メディアコンテンツはタイムスタンプによりマーキングされ得る。タイムスタンプは、ファイルが再生されるときのメディアコンテンツの再生時間を表すように構成され得る。識別子はまた、ファイルに関連付けられた第1の副識別子とメディアコンテンツに関連付けられた第2の副識別子とを含み得る。次に、再生装置に格納されるマッピング表は、メディアコンテンツを格納するファイルの名前と、メディアコンテンツの再生時間と、第1および第2の副識別子との間の関連性とを提供し得る。さらに、サーバに格納される第2のマッピング表はまた、第1および第2の副識別子とメディアコンテンツに関連付けられた情報を格納するロケーションのネットワークアドレスとの間の関連性を提供し得る。したがって、工程S203において、再生装置は、現在再生されているメディアファイルの名前を判断し得、ファイルの現在の再生時間をファイルを再生する進捗に基づき判断し得る。次に、再生装置は、メディアファイルの名前と再生時間とに基づきマッピング表から第1および第2の副識別子を判断し得る。次に、再生装置は第1および第2の副識別子をユーザ端末装置へ送信し得、次にユーザ端末装置は第1および第2の副識別子に関連付けられたネットワークアドレスをサーバから取得し得る。ネットワークアドレスは、現在再生されているメディアファイルの一部に関連付けられた情報をユーザ端末装置が取得することを可能にする。
【0054】
再生装置におけるマッピング表は様々な方法で生成され得る。いくつかの実施形態では、マッピング表は管理者により手動で生成および更新される。いくつかの実施形態では、効率を改善するために、管理装置(例えば図1の管理装置108)がマッピング表の生成を容易にするために提供される。例えば、名前またはネットワークアドレスが識別子として使用される状況では、管理装置は、再生装置により再生される(または、再生されている)メディアコンテンツのリストを提供し得る。リストは例えば再生装置または他のソースから取得され得る。次に、マッピング表は、列挙されたメディアコンテンツのそれぞれと名前とを関連付け、および/または情報のネットワークアドレスとメディアコンテンツとを関連付けるために生成され得る。次に、管理装置は格納のためにマッピング表を再生装置へ返送し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、所定の識別子が使用される状況では、サーバはまた識別子を生成するように構成される。このような構成は、異なる管理装置同士が識別子とメディアコンテンツとの間の競合関連性を生成する(例えば、異なる管理装置同士が異なるメディアコンテンツに対して同じ識別子を生成する)シナリオを回避し得る。このような競合は、識別子とメディアコンテンツに関連付けられた情報との間の関連性を第2のマッピング表を使用して格納するサーバにおいて混乱を生じ得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、再生装置内のメディアコンテンツのリストを判断した後、管理装置はメディアコンテンツのリストをサーバへ送信し得る。次に、サーバは、列挙されたメディアコンテンツのそれぞれの識別子を生成し得、この識別子情報を管理装置へ戻す。次に、サーバからの識別子情報に基づき、管理装置は、識別子が、列挙されたメディアコンテンツに関連付けられた情報に関連付けられていることを確認し得る。次に、管理装置はマッピング表を生成し、格納のためにマッピング表を再生装置へ提供し得る。いくつかの実施形態では、管理装置はまた、列挙されたメディアコンテンツに関連付けられた情報のネットワークアドレスを受信し、ネットワークアドレスをサーバへ提供し得る。これにより、サーバは、識別子とネットワークアドレスとの関連性を第2のマッピング表内に格納することを可能にする。
【0057】
1つのメディアファイルが1つのメディアコンテンツを格納するいくつかの実施形態では、メディアコンテンツのリストはメディアファイル名のリストであり得、マッピング表を生成する工程は次の工程を含む。
【0058】
工程S203a1では、管理装置(例えば図1の管理装置108)は再生装置内のメディアファイルリストを取得する要求を再生装置(例えば図1の再生装置104)へ送信する。ファイルリストの例を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
工程S203a2では、管理装置は識別子の要求(メディアファイルリストを含む)をサーバ(例えば図1のサーバ110)へ送信する。要求は、列挙されたメディアファイルのそれぞれの識別子をサーバが生成し戻すことを可能にする。識別子はアルゴリズムにより生成され得る。
【0061】
工程S203a3では、管理装置はメディアファイルのそれぞれに関連付けられた情報のURLを取得する。URLは管理者により指定され得る。メディアファイル、識別子、URL間の関連性が生成され得る。
【0062】
工程S203a4では、管理装置は、メディアファイル名と識別子とを関連付ける第1のマッピング表を生成し、それを再生装置へ送信する。第1のマッピング表は再生装置に格納され得る。第1のマッピング表の例を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】
工程S203a5では、管理装置は、識別子のそれぞれに関連付けられたURLをサーバへ送信し、サーバが識別子とURLとの関連性を第2のマッピング表内に格納することを可能にする。第2のマッピング表の例を表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
1つのメディアファイルが複数のメディアコンテンツを格納するいくつかの実施形態では、ターゲット再生装置から取得されるメディアコンテンツのリストがメディアファイル名と複数のメディアコンテンツのそれぞれに対応する時間情報とを関連付け得る。例示的な例として、第1のメディアコンテンツの再生時間は0秒〜30秒であり得、第2のメディアコンテンツの再生時間は31秒〜45秒等である。この場合、マッピング表を生成する工程は次の工程を含み得る。
【0067】
工程203blにおいて、管理装置(例えば図1の管理装置108)は、再生装置内のメディアファイルリストを取得する要求を再生装置(例えば図1の再生装置104)へ送信する。
【0068】
例えば、ファイルリストは表4に示すようなものである。
【0069】
【表4】
【0070】
工程203b2では、管理装置は、各再生時間に対応するメディアコンテンツに関連付けられた情報のURLをリスト内の情報に基づき指定する。
【0071】
工程203b3では、管理装置は、リスト内の再生時間情報をURLで置換する(または代替として、URLと表4内の各再生時間とを関連付ける)。次に、管理装置は更新されたリストをサーバへ送信する。更新されたリストは、サーバが各メディアファイルの第1の副識別子と各URLの第2の副識別子とをアルゴリズムにより生成することを可能にする。第2のマッピング表は、第1および第2の識別子とURLとの間の関連性を格納するために生成され得る。第2のマッピング表の例が表5に示される。
【0072】
【表5】
【0073】
工程203b4において、サーバは、第1および第2の副識別子をメディアファイルリスト内に添付し、更新されたリストを管理装置へ戻す。次に、管理装置は、識別子とマッピング表内のエントリの残りとを関連付けるために第1のマッピング表を生成し得る。次に、第1のマッピング表は格納のために再生装置へ送信される。第1のマッピング表の例を表6に示す。
【0074】
【表6】
【0075】
いくつかの実施形態では、管理装置はまた、関連付け情報の識別情報を更新するために使用され得る。例えば、特定のメディアコンテンツに関連付けられたURLが更新され得る。管理装置は更新のためにサーバと同期し得る。また、第1の副識別子に関連付けられた第2の副識別子も管理装置において更新され得る。次に、管理装置は更新のために再生装置およびサーバと同期し得る。したがって、ユーザ端末装置は、第2の副識別子を受信し、更新された第2の副識別子を使用して関連URLを取り出し得る。ユーザ端末装置は、表示のための関連情報を関連URLから取得し得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、管理装置は、無線通信または有線通信のいずれかにより、再生装置において第1のマッピング表を構成し得る。構成する工程が無線通信により実施される場合、認証された接続が構成データの送信のために設定されることを可能にする従来のBluetoothプロトコルが使用され得る。認証された接続により、送信中に構成データ(例えば関連情報のネットワークロケーション)を改ざんすることが困難になり、したがって、構成する操作の安全性が改善され得る。したがって、再生装置は、BLEモジュールと従来のBluetoothモジュールとの両方を備え得、その2つは無線通信モジュールを形成する。BLEモジュールは、ユーザ端末装置との多画面相互作用を行うように構成され得、従来のBluetoothモジュールが再生装置における第1のマッピング表を構成する工程のために構成され得る。
【0077】
工程S204では、再生装置は、無線通信モジュールを介して関連情報の識別子をユーザ端末装置へ戻す。識別子は、ユーザ端末装置が関連情報を取得することを可能にする。
【0078】
上述のように、メディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子を再生装置が判断した後、識別子情報は無線通信モジュールを介してユーザ端末装置へ戻され得る。次に、ユーザ端末装置は識別子により情報を取得し得る。情報は、例えば、ある電子商取引プラットフォームなどに製品を列挙するウェブページであり得る。このウェブページは、価格およびユーザコメントなど、ユーザにとって興味ある情報を含み得る。情報の識別子がネットワークアドレスを含む場合、ユーザ端末装置はネットワークアドレスにより直接情報を取得し得る。所定の識別子が使用される場合、識別子は関連するネットワークアドレスを取得するためにサーバへ送信され得、次に、その関連するネットワークアドレスは、情報を取得するためにユーザ端末装置により使用され得る。
【0079】
したがって、本開示の実施形態は、再生装置における無線通信モジュールとマッピング表とを提供し、マッピング表はメディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子を格納する。無線通信モジュールは、再生装置が、再生装置により現在再生されているメディアコンテンツに関連付けられた情報の要求をユーザ端末装置から受信することを可能にする。次に、再生装置は、マッピング表に基づき情報の識別子を判断し、情報の識別子を無線通信モジュールを介して戻し得る。次に、ユーザ端末装置は情報を取得するために識別子を使用し得る。無線通信モジュールは、再生装置とユーザ端末装置とが同じローカルエリアネットワークに接続されなくても多画面相互作用が行われることを可能にする。
【0080】
さらに、無線通信モジュールは同報通信をサポートし得、認証された接続を必要としないため、再生装置は無線通信モジュールに関連付けられた通信アドレスを同報通信し得る。したがって、多画面相互作用は、再生装置とユーザ端末装置との間の認証された接続の必要なしに行われ得る。これにより、ユーザ端末装置は、メディアコンテンツに関連付けられた情報をより効率的な方法で取得することを可能にする。同報通信無線方式により実施される多画面相互作用はまた、地下鉄駅および空港などの混雑した場所に適応され得る。
【0081】
図3は、本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する例示的方法300のフローチャートである。いくつかの実施形態では、例示的方法300は図1のユーザ端末装置106により行われ得る。方法300は以下の工程を含む。
【0082】
工程S301では、ユーザ端末装置106は、メディアコンテンツを再生している再生装置(例えば図1の再生装置104)に関連付けられた通信アドレスを、同報通信メッセージをリッスンすることにより判断する。
【0083】
工程S302では、ユーザ端末装置は、メディアコンテンツに関連付けられた情報を再生装置から取得する要求を通信アドレスへ送信する。
【0084】
いくつかの実施形態では、ユーザ端末装置は、ユーザのためにプロンプト情報をさらに提供し得る。次に、ユーザ端末装置は、ユーザからの予め設定された操作を検知し得る。予め設定された操作のイベントを検知すると、ユーザ端末装置は要求を送信し得る。
【0085】
工程S303では、ユーザ端末装置は、メディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子を受信する。識別子はマッピング表に基づき判断される。マッピング表の詳細および機能は、表2〜4に関して上に述べられており、ここでは繰り返さない。
【0086】
工程S304では、ユーザ端末装置は、メディアコンテンツに関連付けられた情報を識別子に基づき取得する。
【0087】
図4は、本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子とメディアコンテンツとを関連付ける例示的方法400のフローチャートである。いくつかの実施形態では、例示的方法400は図1の管理装置108により行われ得る。方法400は以下の工程を含む。
【0088】
工程S401では、管理装置108は、再生装置に関連付けられたメディアコンテンツのリストを取得する。
【0089】
工程S402では、管理装置は、列挙されたメディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子を取得する。
【0090】
いくつかの実施形態では、識別子は、列挙されたメディアコンテンツ毎にサーバ(例えば図1のサーバ110)により生成され得る。次に、管理装置は識別子を受信し、それを再生装置へ送信する。次に、識別子は、再生装置においてマッピング表に格納され得る。管理装置はまた、列挙されたメディアコンテンツのそれぞれに関連付けられた情報のネットワークアドレスを取得する。次に、管理装置はネットワークアドレス情報をサーバへ送信し、これによりサーバが識別子とネットワークアドレスとの間の関連性を格納することを可能にする。次に、サーバは、識別子を含む要求をユーザ端末装置から受信すると、識別子に関連付けられたネットワークアドレスを提供し、これによりユーザ端末装置がネットワークアドレスを使用して関連情報を取得することを可能にする。マッピング表の構造は、列挙されたメディアファイルが唯一のメディアコンテンツを含む場合と、列挙されたメディアファイルが複数のメディアコンテンツを含む場合とで異なり得る。マッピング表および識別子の様々な構造の詳細は、表2〜4に関して上に述べられており、それらの詳細はここでは繰り返さない。
【0091】
工程S403では、管理装置108は、メディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子に基づきマッピング表(再生装置に格納される)を決定する。ユーザ端末装置から要求を受信すると、マッピング表は、再生装置において再生されているメディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子を再生装置が提供することを可能にする。次に、ユーザ端末装置は、関連情報を取得するために識別子を使用し得る。管理装置から再生装置へのマッピング表(および更新)の送信は、認証された無線接続上で行われ得る。
【0092】
図5は、本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツと、当該メディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子との間の関連付け情報を取得する例示的方法500のフローチャートである。いくつかの実施形態では、例示的方法500は図1の再生装置104により行われ得る。方法500は以下の工程を含む。
【0093】
工程S501では、再生装置104は、メディアコンテンツリストを取得する要求を管理装置(例えば図1の管理装置108)から受信する。
【0094】
工程S502では、再生装置は、ローカルに格納されたメディアコンテンツに基づきメディアコンテンツリストを戻す。メディアコンテンツはメディアファイルとして格納される。各メディアファイルが1つのメディアコンテンツを格納する場合、メディアコンテンツリストはそれぞれローカルに格納されたメディアファイルの名前を含む。各メディアファイルが複数のメディアコンテンツを格納する場合、メディアコンテンツリストは各メディアコンテンツの再生時間情報をさらに含む。
【0095】
工程S503では、再生装置は、1つまたは複数の識別子と、列挙されたメディアコンテンツとを関連付けるマッピング表を受信し、それを格納する。マッピング表および識別子の機能は、図2図4に関して上に述べられており、ここでは繰り返さない。
【0096】
図6は、本開示の実施形態に一致する、情報の識別子と、当該情報のネットワークロケーションとの間の関連付け情報を生成する例示的方法600のフローチャートである。いくつかの実施形態では、例示的方法600は図1のサーバ110により行われ得る。方法600は以下の工程を含む。
【0097】
工程S601では、サーバ110は、再生装置(例えば再生装置104)に関連付けられたメディアコンテンツリストを管理装置(例えば図1の管理装置108)から受信する。
【0098】
工程S602では、サーバは、メディアコンテンツリスト内の列挙されたメディアコンテンツのそれぞれの識別子を生成する。
【0099】
工程S603では、サーバは、メディアコンテンツと識別子との間の関連付け情報を管理装置へ戻す。次に、第1のマッピング表が関連付け情報に基づき生成され得る。第1のマッピング表は、メディアコンテンツに関連付けられた識別子を提供するために再生装置により使用され得る。第1のマッピング表の例および機能は表1〜4に関して述べられており、ここでは繰り返さない。
【0100】
工程S604では、サーバは、列挙されたメディアコンテンツのそれぞれに関連付けられた情報のネットワークアドレスを管理装置から受信する。
【0101】
工程S605では、サーバは、識別子とネットワークアドレスとを第2のマッピング表内で関連付ける。第2のマッピング表は、ユーザ端末装置からの要求に含まれる識別子に関連付けられたネットワークアドレスをサーバが提供することを可能にする。第2のマッピング表の例および機能は、表5〜6に関して上に述べられており、ここでは繰り返さない。
【0102】
図7は、本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツに関連付けられた情報を提供する例示的システム700のブロック図である。システム700は、再生装置(例えば図1の再生装置104)の一部であり得、図2の方法200の一部または全体を実施するように構成される。システム700(またはメディア再生装置)は、少なくとも1つのメディアコンテンツと、メディアコンテンツと識別子とを関連付けるマッピング表とを格納する。識別子はメディアコンテンツに関連付けられた情報を識別するように構成される。図7を参照すると、システム700は、同報通信ユニット701、要求受信ユニット702、識別情報判断ユニット703および識別情報の戻しユニット704を含む。
【0103】
同報通信ユニット701は、無線モジュールを含んでおり、無線通信モジュールに関連付けられた通信アドレス情報を無線で同報通信するように構成される。対応する無線通信モジュールを有するユーザ端末装置(例えば図1のユーザ端末装置106)が通信アドレス情報を受信し得る。いくつかの実施形態では、無線通信モジュールは、同報通信機能を有し、認証された接続を必要としないBluetoothモジュールを含む。
【0104】
要求受信ユニット702は、再生装置内で現在再生されているメディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する要求をユーザ端末装置から受信するように構成される。
【0105】
識別情報判断ユニット703は、再生装置において現在再生されているメディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子を、対応表に基づきローカルに格納されたマッピング表に基づいて判断するように構成される。いくつかの実施形態では、識別情報判断ユニット703は方法200の工程S203の一部または全体を実施するように構成される。識別子は、メディアコンテンツに関連付けられた情報を格納するロケーションのネットワークアドレスを含み得る。識別子はまた、メディアコンテンツに関連付けられた所定の識別子であり得る。再生装置において格納されたメディアファイルが複数のメディアコンテンツを含む場合、識別子は、メディアファイルに関連付けられた第1の副識別子とメディアコンテンツに関連付けられた第2の副識別子とを含み得る。
【0106】
識別情報戻しユニット704は、識別情報判断ユニット703により判断された識別子を無線通信モジュールを介して戻すように構成される。識別子は、再生装置において再生されているメディアコンテンツに関連付けられた情報をユーザ端末装置が取得することを可能にする。
【0107】
図8は、本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する例示的システム800のブロック図である。システム800は、ユーザ端末装置(例えば図1のユーザ端末装置106)の一部であり得、図3の方法300の一部または全体を実施するように構成される。システム800は無線通信モジュールを含む。図8を参照すると、システム800は通信アドレス判断ユニット801、要求送信ユニット802、識別情報受信ユニット803および情報取得ユニット804を含む。
【0108】
通信アドレス判断ユニット801は、メディアコンテンツを再生している再生装置(例えば図1の再生装置104)に関連付けられた通信アドレスを、同報通信メッセージをリッスンすることにより判断するように構成される。
【0109】
要求送信ユニット802は、メディアコンテンツに関連付けられた情報を取得する要求を無線通信モジュールにより再生装置へ送信するように構成される。メディアコンテンツは、再生装置において現在再生され得、ユーザ端末装置を操作するユーザにより見られ得る。
【0110】
識別情報受信ユニット803は、メディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子を受信するように構成される。識別子はマッピング表(例えば、上に説明したような表2〜4)に基づき再生装置により判断される。
【0111】
情報取得ユニット804は、識別子に基づき情報を取得するように構成される。
【0112】
図9は、本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツと、当該メディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子との間の関連付け情報を生成する例示的システム900のブロック図である。システム900は、管理装置(例えば図1の管理装置108)の一部であり得、図4の方法400の一部または全体を実施するように構成される。図9を参照すると、システム900はリスト取得ユニット901、識別情報取得ユニット902およびマッピング表決定ユニット903を含む。
【0113】
リスト取得ユニット901は、再生装置(例えば図1の再生装置104)からメディアコンテンツのリストを取得するように構成される。システム900と再生装置とは、認証された無線接続により互いに相互作用し得る。
【0114】
識別情報取得ユニット902は、メディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子を取得するように構成される。いくつかの実施形態では、識別子取得ユニット902は、方法400の工程S402の一部または全体を実施するように構成される。識別情報取得ユニット902は、サーバ(例えば図1のサーバ110)から識別子を取得し、関連情報を格納するロケーションのネットワークアドレスをサーバへ送信し、これによりサーバがネットワークアドレスと識別子とを関連付けることを可能し得る。再生装置に格納されたメディアファイルが複数のメディアコンテンツを含む場合、識別子は、メディアファイルに関連付けられた第1の副識別子とメディアコンテンツに関連付けられた第2の副識別子とを含み得る。
【0115】
マッピング表決定ユニット903は、識別情報取得ユニット902により取得された識別子に基づきマッピング表を決定するように構成される。マッピング表の例と機能は表1〜4に関して述べられており、ここでは繰り返さない。
【0116】
図10は、本開示の実施形態に一致する、メディアコンテンツと、当該メディアコンテンツに関連付けられた情報の識別子との間の関連付け情報を取得する例示的システム1000のブロック図である。システム1000は、再生装置(例えば図1の再生装置104)の一部であり得、図5の方法500の一部または全体を実施するように構成される。図10を参照すると、システム1000は要求受信ユニット1001、リスト戻しユニット1002およびマッピング表取得ユニット1003を含む。
【0117】
要求受信ユニット1001は、メディアコンテンツリストを取得する要求を管理装置(例えば図1の管理装置108)から受信するように構成される。
【0118】
リスト戻しユニット1002は、ローカルに格納されたメディアコンテンツに基づきメディアコンテンツリストを戻すように構成される。
【0119】
マッピング表取得ユニット1003は、管理装置からマッピング表を取得するように構成され、マッピング表を格納する。マッピング表は、1つまたは複数の識別子と、列挙されたメディアコンテンツとを関連付ける。マッピング表の例および機能は表1〜4に関して述べられており、ここでは繰り返さない。
【0120】
図11は、本開示の実施形態に一致する、情報の識別子と情報のネットワークロケーションとの間の関連付け情報を生成する例示的システム1100のブロック図である。システム1100は、サーバ(例えば図1のサーバ110)の一部であり得、図6の方法600の一部または全体を実施するように構成される。図11を参照すると、システム1100はリスト受信ユニット1101、識別情報生成ユニット1102および関連付け情報戻しユニット1103を含む。
【0121】
リスト受信ユニット1101は、メディアコンテンツリストを管理装置(例えば図1の管理装置108)から受信するように構成される。管理装置はメディアコンテンツリストを再生装置(例えば図1の再生装置104)から受信する。
【0122】
識別情報生成ユニット1102は、列挙されたメディアコンテンツのそれぞれの識別子を生成するように構成される。
【0123】
関連付け情報戻しユニット1103は、メディアコンテンツと識別子との間の関連付け情報を管理装置へ戻すように構成され、これにより識別子とメディアコンテンツとを関連付ける第1のマッピング表を管理装置が生成することを可能にする。第1のマッピング表の例および機能は表1〜4に関して述べられており、ここでは繰り返さない。
【0124】
システム1100はまた、メディアコンテンツに関連付けられた情報を格納するロケーションのネットワークアドレスを受信し、識別子とネットワークアドレスとを関連付ける第2のマッピング表を格納するように構成される。第2のマッピング表の例および機能は表5〜6に関して上に述べられており、ここでは繰り返さない。
【0125】
実装形態のこれまでの説明に基づき、当業者は、本出願が必要な汎用ハードウェアプラットフォームに加えてソフトウェアにより実施され得ることを明確に理解し得る。このような理解に基づき、本質的には本出願の技術的解決策または従来技術に寄与する部分がソフトウェア製品の形式で実施され得る。コンピュータソフトウェア製品は、ROM/RAM、磁気ディスクおよび光ディスクなどの記憶媒体内に格納され、本出願の例において述べられた方法のすべてまたは一部を行うようにコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバまたはネットワーク装置であり得る)に指示するためのいくつかの命令を含み得る。
【0126】
本明細書の例は段階的な方法で説明され、例の同じまたは同様の部分は互いに参照することにより得られ、各例は他の例との差異を強調する。特に、システムまたはシステム例は方法例と基本的に同様であるため、比較的簡単に説明され、これらの関係部分は方法例における説明の一部を参照することにより得られ得る。説明したシステムおよびシステム例は単に例示的であり、分離された部分として説明されたユニットは物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして表示された部分は物理装置であってもなくてもよく、1つの位置に位置し得るか、または複数のネットワークユニット上に分散され得る。モジュールの一部またはすべては、本出願の解決策の目的を達成するために実際のニーズに基づき選択され得る。当業者は、創造的努力なしに本開示を理解および実施し得る。
【0127】
本出願において提供されるメディアコンテンツを提供する方法および装置は詳細に説明され、特別な例は、本出願の原理および実装形態を説明するために本文中において適用され、例の説明は、本出願の方法およびその中核的な理念の理解を促進するためにのみ使用され、その一方で、当業者は特定の実装形態および応用範囲に対する変形形態を本出願の考えに基づいてなし得る。このことから、本明細書の情報は本出願の限定と考えるべきでない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11