特許第6580905号(P6580905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6580905携帯通信端末及び携帯通信端末用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6580905
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】携帯通信端末及び携帯通信端末用プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20190912BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20190912BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20190912BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   G06F3/01 560
   G06F3/0488 130
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-171353(P2015-171353)
(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公開番号】特開2017-50653(P2017-50653A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2018年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】396004833
【氏名又は名称】株式会社エクシング
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】池上 翔
【審査官】 白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−247463(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/168030(WO,A1)
【文献】 特開2011−129969(JP,A)
【文献】 特開2003−143257(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/029573(WO,A1)
【文献】 特開2006−024039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
3/048−3/0489
13/00
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、タッチパネルと、振動部を有する携帯通信端末あって、
メッセージ形成処理と、送信処理と、受信処理と、を実行可能とし、
メッセージ形成処理は、携帯通信端末のタッチパネルの予め定められた描画領域に対するタッチ操作のタッチ位置に基づいてディスプレイに描画情報を表示するとともに、当該タッチ操作のタッチ状態に基づいて振動情報を形成し、
送信処理は、メッセージ形成処理で表示された描画情報と、形成された振動情報を含むメッセージ情報を、指定された送信先に送信し、
受信処理は、メッセージ情報を受信した場合、当該メッセージ情報に含まれる描画情報をディスプレイに表示させ、振動情報に基づき振動部を振動させることを特徴とする
携帯通信端末。
【請求項2】
メッセージ形成処理は、タッチ操作におけるタッチ状態を使用して、ディスプレイに描画情報を表示することを特徴とする
請求項1に記載の携帯通信端末。
【請求項3】
タッチ操作におけるタッチ状態は、タッチ継続時間もしくはタッチ強度の何れか一方を含むことを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の携帯通信端末。
【請求項4】
携帯通信端末は、携帯通信端末の外部状況を取得するセンサを備え、
センサで取得した外部状況に基づいて、表示する描画情報を変更することを特徴とする
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の携帯通信端末。
【請求項5】
センサで取得する外部状況は、携帯通信端末の位置、外気温、湿度、気圧、外部輝度、携帯通信端末を装着するユーザの体温、脈拍の少なくとも何れか1つであることを特徴とする
請求項4に記載の携帯通信端末。
【請求項6】
ディスプレイと、タッチパネルと、振動部を有する携帯通信端末に実行させる携帯通信端末用プログラムであって、
メッセージ形成処理と、送信処理と、受信処理と、を実行可能とし、
メッセージ形成処理は、携帯通信端末のタッチパネルの予め定められた描画領域に対するタッチ操作のタッチ位置に基づいて、ディスプレイに描画情報を表示するとともに、当該タッチ操作のタッチ状態に基づいて振動情報を形成し、
送信処理は、メッセージ形成処理で表示された描画情報と、形成された振動情報を含むメッセージ情報を、指定された送信先に送信し、
受信処理は、メッセージ情報を受信した場合、当該メッセージ情報に含まれる描画情報をディスプレイに表示させ、振動情報に基づき振動部を振動させることを特徴とする
携帯通信端末用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ間でメッセージを送受信可能な携帯通信端末、及び、携帯通信端末用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話、スマートフォン等の着信時には、呼び出し音に加え、バイブレータの振動機能が利用されている。このような振動機能は、外部に大きな呼び出し音を放音することなく、携帯電話、スマートフォンを身に付けているユーザに対し、振動で着信を知らせることができる。特許文献1には、受信した電話番号に対応する振動パターンでバイブレータを駆動することで、振動パターンから発信元を特定することのできる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−252676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在、従来の携帯電話、スマートフォンのような携帯通信端末の進化形として、ユーザが身に付けることのできるウェアラブル端末が開発、製品化されている。このようなウェアラブル端末は、腕時計型の他、眼鏡型等、各種形態のものがある。このようなウェアラブル端末は、ユーザが装着して使用するため、特許文献1に開示されるような振動による通知は、外部に音を漏らすことがなく、装着したユーザにのみ通知できるため、特に有効である。しかし、特許文献1の技術では、電話番号に対応する振動パターンでバイブレータを駆動して、受信者側に相手先が誰かを知らせることはできても、発信者側が任意の振動パターンを指定することはできなかった。
【0005】
本発明は、ウェアラブル端末、スマートフォン等を含む携帯通信端末において、描画と振動が同期した新たなメッセージサービスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明に係る携帯通信端末は、以下の構成を採用することとしている。
ディスプレイと、タッチパネルと、振動部を有する携帯通信端末あって、
メッセージ形成処理と、送信処理と、受信処理と、を実行可能とし、
メッセージ形成処理は、携帯通信端末のタッチパネルの予め定められた描画領域に対するタッチ操作のタッチ位置に基づいてディスプレイに描画情報を表示するとともに、当該タッチ操作のタッチ状態に基づいて振動情報を形成し、
送信処理は、メッセージ形成処理で表示された描画情報と、形成された振動情報を含むメッセージ情報を、指定された送信先に送信し、
受信処理は、メッセージ情報を受信した場合、当該メッセージ情報に含まれる描画情報をディスプレイに表示させ、振動情報に基づき振動部を振動させることを特徴とする。
【0007】
さらに本発明に係る携帯通信端末において、
メッセージ形成処理は、タッチ操作におけるタッチ状態を使用して、ディスプレイに描画情報を表示することを特徴とする。
【0008】
さらに本発明に係る携帯通信端末において、
タッチ操作におけるタッチ状態は、タッチ継続時間もしくはタッチ強度の何れか一方を含むことを特徴とする。
【0009】
さらに本発明に係る携帯通信端末は、
携帯通信端末の外部状況を取得するセンサを備え、
センサで取得した外部状況に基づいて、表示する描画情報を変更することを特徴とする。
【0010】
さらに本発明に係る携帯通信端末において、
センサで取得する外部状況は、携帯通信端末の位置、外気温、湿度、気圧、外部輝度、携帯通信端末を装着するユーザの体温、脈拍の少なくとも何れか1つであることを特徴とする。
【0011】
また本発明に係る携帯通信端末用プログラムは、
ディスプレイと、タッチパネルと、振動部を有する携帯通信端末に実行させる携帯通信端末用プログラムであって、
メッセージ形成処理と、送信処理と、受信処理と、を実行可能とし、
メッセージ形成処理は、携帯通信端末のタッチパネルの予め定められた描画領域に対するタッチ操作のタッチ位置に基づいて、ディスプレイに描画情報を表示するとともに、当該タッチ操作のタッチ状態に基づいて振動情報を形成し、
送信処理は、メッセージ形成処理で表示された描画情報と、形成された振動情報を含むメッセージ情報を、指定された送信先に送信し、
受信処理は、メッセージ情報を受信した場合、当該メッセージ情報に含まれる描画情報をディスプレイに表示させ、振動情報に基づき振動部を振動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る携帯通信端末または携帯通信用端末用プログラムによれば、タッチパネルに対するタッチ操作のタッチ位置に基づいて形成された描画情報と、当該タッチ操作のタッチ状態に基づいて形成された振動情報を含むメッセージ情報を形成することで、宛先にとなるユーザに対して、描画情報に基づく描画と、振動情報に基づく振動が同期する新たな感覚のメッセージを通知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ウェアラブル端末の使用環境を説明するための図
図2】ウェアラブル端末の外観図、及び、構成を示すブロック図
図3】スマートフォンの構成を示すブロック図
図4】ウェアラブル端末で実行するメッセージ送信処理を示すフロー図
図5】メッセージ送信処理における送信先選択画面を示す図
図6】メッセージ送信処理(スタンプモード選択時)における画面遷移を示す図
図7】メッセージ形成時(スタンプモード時)における表示状態、振動状態を説明するための図
図8】メッセージ送信処理(線画モード選択時)における画面遷移を示す図
図9】メッセージ形成時(線画モード時)における表示状態、振動状態を説明するための図
図10】ウェアラブル端末で実行するメッセージ受信処理を示すフロー図
図11】メッセージ受信時(スタンプモード時)における表示状態、振動状態を説明するための図
図12】メッセージ受信時(線画モード時)における表示状態、振動状態を説明するための図
図13】他の形態(変形例1)について、表示状態、振動状態を説明するための図
図14】他の形態(変形例2)について、表示状態、振動状態を説明するための図
図15】他の形態(変形例3)について、表示状態、振動状態を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1には、本実施形態のウェアラブル端末の使用環境を説明する図が示されている。この図では2人のユーザが使用している状況を示しており、各ユーザ(ユーザA、ユーザB)は、スマートフォン3A、3Bとウェアラブル端末1A、1B(本発明の「携帯通信端末」に相当)を所持して、メッセージのやり取りを行う。各ユーザが所持するウェアラブル端末1A、1Bは、当該ユーザが所持するスマートフォン3A、3Bと、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を使用して対応付けられ、相互に無線通信を行うことが可能となっている。スマートフォン3A、3Bは、近隣の無線基地局4A、4Bと通信を行い、ゲートウェイ42A、42Bを介してインターネットに接続される。インターネット上には、本実施形態のメッセージサービスを行う業者によってメッセージ管理サーバ装置5が設置されており、ユーザ間でのメッセージのやり取りを管理している。
【0015】
本実施形態のメッセージサービスは、インターフェイスとしてウェアラブル端末1A、1Bを使用することで行われる。ウェアラブル端末1A、1Bを操作して形成されたメッセージ情報は、スマートフォン3A、3Bによってインターネット上のメッセージ管理サーバ装置5に送信される。メッセージ情報を受信したメッセージ管理サーバ装置5は、宛先に指定されたスマートフォン3B、3Aに対して、メッセージ情報を送信する。メッセージ情報を受信したスマートフォン3B、3Aは、対応付けられているウェアラブル端末1B、1Aに受信したメッセージ情報を送信することで、ユーザに対してメッセージを通知する。本実施形態のウェアラブル端末1A、1Bは、携帯通信網に通信接続可能な機能(無線基地局41A、41Bと無線通信可能な機能)を備えていないため、スマートフォン3A、3Bを介してインターネットに接続しているが、ウェアラブル端末1A、1Bが携帯通信網に通信接続可能であってもよい。その場合、スマートフォン3A、3Bを介して通信する必要は無く、ウェアラブル端末1A、1Bは、直接、無線基地局41A、41Bと無線通信することで、インターネットに接続することができる。
【0016】
図2は、本実施形態で使用するウェアラブル端末1(本発明の「携帯通信端末」に相当)の外観図、及び、構成を示すブロック図である。図2(A)は、本実施形態のウェアラブル端末1の外観図である。本実施形態のウェアラブル端末1は、腕時計型の携帯通信端末であって、筐体10bとリストバンド10aを有して構成されている。筐体10bの正面には、ユーザに対して情報を表示するとともに、ユーザのタッチ操作を受け付け可能なタッチパネル表示部18を有する。また、筐体10bの側面にはユーザの操作を受け付け可能な入力スイッチ20を有する。ユーザは、従来の腕時計同様、ウェアラブル端末1を手首に装着し、各種情報の送受信を行うことが可能である。
【0017】
図2(B)は、ウェアラブル端末1の構成を示すブロック図である。本実施形態のウェアラブル端末1は、CPU11、RAM12、記憶部13、画像処理部14、音響処理部16を含んで構成された制御手段を有する。記憶部13には、NAND型フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶手段が使用される。
【0018】
CPU11は、ウェアラブル端末1全体を統括して制御する手段であり、記憶部13に記憶された各種プログラム、データに基づいて各種制御を実行する。RAM12には、CPU11の制御によって生成されたデータを一時的に格納する。
【0019】
音響処理部16は、ウェアラブル端末1の音響関係の入出力を行う手段である。CPU11の制御によりスピーカ17aに放音させる手段である。また、音響処理部16は、マイクロホン17bと接続され、マイクロホン17bから周囲の音声を取り込むことが可能である。
【0020】
タッチパネル表示部18は、画像を表示する表示部18bとその表面あるいは裏面に配設されるタッチパネル18aを有して構成されている。タッチパネル18aには、静電容量方式などユーザのタッチ位置を認識可能とする各種タイプを採用することが可能である。CPU11は、表示部18bに表示を行うとともに、タッチパネル18aからのタッチ入力にて、表示させている画像中のどの部分にタッチ入力されたかを判定することが可能である。なお、タッチパネル18aには、タッチ位置のみならずタッチの強さを検出可能なタイプを採用することも可能である。検出したタッチの強さに応じて各種制御を行うことが可能となる。
【0021】
画像処理部14は、ウェアラブル端末1の画像関係の入出力を行う手段である。画像処理部14は、CPU11で形成された画像を表示部18bに表示出力する。
【0022】
本実施形態において、ウェアラブル端末1は、Bluetooth(登録商標)規格による通信部19を使用してスマートフォン3と通信を行う。スマートフォン3は、携帯通信網を介してインターネットに接続されるため、ウェアラブル端末1は、スマートフォン3を介してインターネットと通信を行うことが可能となっている。
【0023】
生体センサ21は、装着したユーザの各種生体情報を検出可能なセンサである。本実施形態では、生体センサ21として、装着したユーザの体温を検出可能な体温センサ21aと、装着したユーザの脈拍数を検出可能な脈拍センサ21bを備えている。本実施形態では、この生体センサ21を使用することで、ユーザの体調、あるいは、ユーザがウェアラブル端末1を装着しているか、否かを検出することが可能である。
【0024】
振動部22は、ウェアラブル端末1を装着したユーザに対して、振動による通知を行うことが可能である。従来の携帯電話、スマートフォン等で使用される振動部には、回転軸にウェイトを偏心させて取り付けたモータを使用するバイブレータを使用することが多かった。本実施形態の振動部22は、リニアアクチュエータを震動源として使用し、ウェアラブル端末1を装着したユーザの手首を軽く叩くような衝撃を与えるタイプを使用している。
【0025】
図3は、本実施形態で使用するスマートフォン3の構成を示すブロック図である。本実施形態では、スマートフォン3の携帯無線通信機能を使用することで、ウェアラブル端末1をインターネットに接続可能としているが、ウェアラブル端末1をインターネットに接続するには、スマートフォン3に代え、携帯無線通信機能を有するタブレット端末、携帯電話、無線ルータ等を採用してもよい。
【0026】
本実施形態のスマートフォン3は、CPU31、RAM32、記憶部33、画像処理部34、音響処理部36を含んで構成された制御手段を有している。記憶部33には、NAND型フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶手段が使用される。
【0027】
CPU31は、スマートフォン3全体を統括して制御する手段であり、記憶部33に記憶された各種プログラム、データに基づいて各種制御を実行する。RAM32には、CPU31の制御によって生成されたデータを一時的に格納する。
【0028】
音響処理部36は、スマートフォン3の音響関係の入出力を行う手段である。CPU31の制御によりスピーカ37aに放音させる手段である。また、音響処理部36は、マイクロホン37bと接続され、マイクロホン37bから歌唱音声など、周囲の音声を取り込み可能としている。
【0029】
タッチパネル表示部38は、画像を表示する表示部38bとその表面あるいは裏面に配設されるタッチパネル38aを有して構成されている。タッチパネル38aには、静電容量方式などユーザのタッチ位置を認識可能とする各種タイプを採用することが可能である。CPU31は、表示部38bに表示を行うとともに、タッチパネル38aからのタッチ入力にて、表示させている画像中のどの部分にタッチ入力されたかを判定することが可能である。
【0030】
画像処理部34は、スマートフォン3の画像関係の入出力を行う手段である。画像処理部34は、CPU11で形成された画像を表示部18bに表示出力する。そして、スマートフォン3の前面(タッチパネル表示部18側)に配置されたフロントカメラ35F、もしくは、スマートフォン3の背面に配置されたリアカメラ35Rから画像を取り込む機能を有する。
【0031】
通信部39は、スマートフォン3を外部と通信させるための手段であって、本実施形態では、Bluetooth(登録商標)による近距離無線通信を行うための第1通信部39aと、携帯無線通信網に接続するための第2通信部39bを有している。本実施形態では、第1通信部39aを使用してウェアラブル端末1と通信することが可能であり、また、第2通信部39bを使用して、無線基地局41A、41Bと通信し、インターネットに通信接続することが可能である。
【0032】
本実施形態のスマートフォン3は、入力手段としてタッチパネル38a以外に入力スイッチ40を備えて構成されている。この入力スイッチ40には、電源スイッチ、音量調整スイッチ、プログラムに応じて入力用途が変更されるスイッチなど、各種スイッチを設けることが可能である。
【0033】
以上、説明したウェアラブル端末1、スマートフォン3を使用し、ウェアラブル端末1で形成したメッセージをやり取りする本実施形態のメッセージサービスを実行することが可能である。メッセージサービスは、メッセージを送る側が、ウェアラブル端末1を使用してメッセージを作成、送信するメッセージ送信処理と、メッセージを受けた側がウェアラブル端末1を使用してメッセージを確認するメッセージ受信処理を含んで構成される。
【0034】
図4は、ウェアラブル端末1で実行するメッセージ送信処理を示すフロー図である。メッセージ送信処理は、ウェアラブル端末1において、メッセージサービス用のアプリケーションを起動することで実行される処理である。なお、メッセージサービス用のアプリケーションは、受信のため、ウェアラブル端末1において常時起動した状態であってもよい。また、本実施形態のウェアラブル端末1は、スマートフォン3と通信接続されているため、メッセージサービス用のアプリケーションの動作の一部をスマートフォン3側で行う形態としてもよい。
【0035】
本実施形態のメッセージ送信処理は、まずメッセージの送信先を選択する(S101)。メッセージの送信先を示すアドレスとしては、本実施形態のメッセージサービスにおいて、ユーザを識別するためのユーザIDが使用される。なお、ユーザIDに代え、メールアドレスや携帯電話番号を使用することとしてもよい。
【0036】
図5は、ウェアラブル端末1のタッチパネル表示部18に表示される画面であって、メッセージの送信先を選択するための送信先選択画面である。この送信先選択画面には、ユーザの友人等、事前に登録したユーザに関する情報が表示される。登録した個々のユーザについてユーザ関連情報61b〜61eが表示される。
【0037】
ユーザ関連情報61b〜61eには、ユーザを示す情報として、ユーザの写真あるいはユーザが選択したキャラクタ等を表示するためのユーザアイコン62a、ユーザ名62bが表示される。また、作成するメッセージ形態を選択するため、スタンプモード選択アイコン63、線画モード選択アイコン64が用意されている。ユーザは、スタンプモード選択アイコン63を選択することで、ユーザ関連情報61b〜61eに対して、予め用意されたスタンプを使用した形態でメッセージを作成することが可能である。一方、線画モード選択アイコン64を選択することで、ユーザ関連情報61b〜61eに対して、タッチパネル表示部18のタッチ操作による線画による形態でメッセージを作成することが可能である。
【0038】
さらに本実施形態のユーザ関連情報61b〜61eには、交友度65が表示されている。交友度65は、ユーザ関連情報61b〜61eに該当するユーザとのメッセージの送受信頻度に基づいて表示される情報であり、例えば、過去3日間、メッセージの送受信が無い場合には、ユーザ関連情報61bのように交友度65は×印となる。一方、過去3日間の期間内に、メッセージの送受信を行ったユーザ(例えば、ユーザ関連情報61cのユーザ)の交友度65は丸印となる。なお、交友度65は、メッセージの送受信ではなく、メッセージの送信、もしくは、受信の一方で判断されることとしてもよい。
【0039】
図5の送信先選択画面において、送信先となるユーザ、及び、メッセージ形態が選択された(S101)後、選択したメッセージ形態が判断される(S102)。まず、メッセージ形態としてスタンプモードが選択された場合(S102:スタンプ)について、図6に示す画面遷移図を用いて説明する。スタンプモードが選択されると、タッチパネル表示部18には、図6(A)の画面が表示され、メッセージに使用するスタンプをユーザに選択させる(S103)。図6(A)の画面には、送信先となるユーザのユーザアイコン62aと、ユーザ名62bが表示される。また、複数のスタンプ(図6(A)の例では9個)が配列されたスタンプ候補表示欄66が表示され、ユーザはこの中から、メッセージに使用したいスタンプを選択する。
【0040】
図6(A)の画面でスタンプが選択されると、メッセージ作成期間のカウントが開始される(S104)。本実施形態のメッセージは、ユーザの操作による描画(スタンプもしくは線画)を時系列的に記憶し、受信側で描画作成の様子を再現することとしている。メッセージ作成期間に時間制限を設けることで、メッセージが長時間となることを抑制している。スタンプが選択された後、図6(B)の画面に遷移し、スタンプを使用したメッセージ形成処理(S105)が開始する。図6(B)は、スタンプメッセージ作成画面を示した図である。スタンプメッセージ作成画面は、中断アイコン67、ユーザアイコン62a、送信アイコン68、残り時間表示バー69、押印領域70を有して構成されている。
【0041】
中断アイコン67は、メッセージの作成を中断するためのアイコンである。メッセージ作成中、送信を中止したい、あるいは、メッセージを作成し直したい場合等、ユーザはこの中断アイコン67を操作することで、メッセージの作成が中断される。ユーザアイコン62aは、図5の送信先選択画面で選択した送信先となるユーザを示すアイコンである。送信アイコン68は、メッセージ作成を終了したユーザが操作することで、作成したメッセージを送信先に送信するアイコンである。残り時間表示バー69は、時間の経過とともに黒色のバーの長さが短くなることで、メッセージを作成する残り時間を示す。メッセージは、メッセージを作成する残り時間が無くなることで自動送信してもよい。あるいは、メッセージを作成する残り時間が無くなることで、メッセージ作成の受付(スタンプモードでは、スタンプの押印)を中断し、送信アイコン68の操作によって送信することとしてもよい。また、メッセージを作成する残り時間が無くなった場合でも、メッセージの作成自体は受付可能としてもよい。この場合、受信したユーザ側のウェアラブル端末1でのメッセージ再生時、描画情報と振動情報との同期は、入力制限時間までとし、入力制限時間以降は、描画の再生のみとする。これにより、描画の途中で入力制限時間が到来した場合でも、中途半端な描画が送信されることが無いため、メッセージを受信したユーザに、メッセージを送信したユーザの意図が伝わらないということを防止することができる。また、再生側で冗長な振動が継続しないため、受信したユーザにとって煩わしさを抑制することが可能である。
【0042】
押印領域70には、スタンプ候補表示欄66で選択したスタンプが、ユーザがタッチした箇所に配置される。図6(B)は、1回目のタッチ操作によりスタンプS1が配置された状態を示している。タッチ操作を重ねることで、図6(C)のように複数のスタンプが押印されたメッセージが形成される。本実施形態では、スタンプの押印を時系列的に記憶したメッセージ情報が形成される。メッセージ情報を受信したユーザ側のウェアラブル端末1では、メッセージ情報に基づき、メッセージ作成の様子が再現される。
【0043】
さらに本実施形態では、スタンプによる視覚的なメッセージに加え、ウェアラブル端末1を装着する相手に対し、スタンプの描画に同期した振動を伝えることを可能としている。本実施形態では、メッセージ作成時においてもウェアラブル端末1を振動させることで、相手にどのような振動が伝わるかを、送信側においても確認することが可能となっている。図7は、メッセージ作成時(スタンプモード時)における表示状態、振動状態を説明するための図である。本実施形態では、スタンプの押印形態にタイプAとタイプBを有している。図7の例は、タイプAに続けてタイプBの押印を行った例である。
【0044】
タイプAは、ユーザが押印領域70をポンと1回、タッチ操作した場合の押印形態である。このように押印領域70を単発的に操作することで、タッチ箇所には標準サイズのスタンプS1が表示される。また、タッチ操作に同期して振動部22を振動させる。本実施形態の振動部22は、リニアアクチュエータを使用したタイプであって、タイプAの場合の振動は、衝撃を1回与える形態で振動する。このように、タイプAの押印形態は、短い期間のタッチ操作による場合であって、押印領域70には標準サイズのスタンプが表示され、タッチ操作に対応して衝撃が1回与えられる。
【0045】
タイプBは、ユーザが押印領域70を持続的にタッチ操作した場合の押印形態である。本実施形態では、押印領域70を持続的にタッチして操作した場合、まず、タッチ箇所に標準サイズのスタンプS2を表示し、タッチ継続時間に応じて表示したスタンプS2を拡大していく。また、タイプBについてもタッチ操作に応じて、振動部22を振動させることになるが、タッチ継続時間中、振動部22を繰り返し振動させる。本実施形態のようにリニアアクチュエータを使用した場合、タッチ継続時間中、所定の時間間隔で振動部22を振動させる。
【0046】
このように本実施形態では、押印領域70に対するタッチ操作に対応し、スタンプによる描画と、振動部22による振動を含んだメッセージを形成することが可能である。したがって、メッセージを受信する側では、スタンプによる描画と振動が同期したメッセージを受信することが可能である。スタンプモードにおけるスタンプの配置、振動は、その作成の過程を時系列に記憶したメッセージ情報として記憶され、宛先となるウェアラブル端末1に送信される。メッセージ情報を受信したウェアラブル端末1は、メッセージ情報に従って、スタンプの配置、振動を再現することで、宛先となるユーザにメッセージを伝える。
【0047】
次に、図5の送信先選択画面において、線画モード選択アイコン64が選択された場合(S102:線画)について、図8に示す画面遷移図を用いて説明する。スタンプモードが選択されると、タッチパネル表示部18には、図8(A)が表示され、ユーザに線画によるメッセージを形成させる。この画面には、図6で説明したスタンプモードと同様、中断アイコン67、宛先となるユーザを示すユーザアイコン62a、送信アイコン68、残り時間表示バー69が表示されている。また、線画モードでは、線画によるメッセージを作成するため線画領域71が設けられている。ユーザはこの線画領域71をタッチしてなぞることで、線画によるメッセージを作成することが可能である。図8(A)は、初回にタッチして線画領域をなぞり、線画L1を書いた状態が示されている。ユーザはタッチを繰り返すことで、線画による図形を描画することが可能である。図8(B)の状態は、タッチを4回繰り返し、線画L1〜L4を描画した状態である。
【0048】
この線画モードにおいても、線画の描画に同期して同期するメッセージを形成することが可能である。また、このメッセージを受信したウェアラブル端末1側では、線画の形成の様子を再現するとともに、線画の形成に伴う振動をユーザに体感させることが可能である。
【0049】
図9は、線画モードによるメッセージ形成時の振動状態を説明するための図である。線画モード時には、描画と振動の同期はタイプCのようになる。ここでは、1本の線画Lを描画する例について説明する。ユーザが線画領域71をタッチしてなぞると、なぞった部分に線画Lが描画される。線画領域71をなぞる場合、ユーザは線画領域71にタッチした状態が継続することになる。振動部22による振動発生は、タッチ状態が継続している間継続する。本実施形態では、図7のスタンプモードで説明したタイプBと同様、所定の時間間隔で振動部22を振動させている。線画モードにおける線画の描画、それに同期した振動は、その作成の過程を時系列に記憶したメッセージ情報として記憶され、宛先となるウェアラブル端末1に送信される。メッセージ情報を受信したウェアラブル端末1は、メッセージ情報に従って、線画の描画、振動を再現することで、宛先となるユーザにメッセージを伝える。
【0050】
スタンプモードあるいは線画モードによる描画を終えたユーザは、送信アイコン68を操作する(S106:Yes)ことでメッセージ情報を送信する(S108)。一方、残り時間表示バー69が計時する残り時間が経過した場合(S107:Yes)も、同様にメッセージ情報をスマートフォン3に送信する(S108)。メッセージ情報を受信したスマートフォン3は、携帯無線通信網を介し、インターネット上のメッセージ管理サーバ装置5にメッセージ情報を送信する。メッセージ管理サーバ装置5は、メッセージ情報内の宛先に対応するウェアラブル端末1にメッセージ情報を送信する。
【0051】
図10は、ウェアラブル端末1で実行するメッセージ受信処理を示すフロー図である。このメッセージ受信処理は、ウェアラブル端末1が自己宛のメッセージ情報を確認したことで開始される処理である。メッセージ受信処理が開始されると、ウェアラブル端末1はメッセージ情報を受信し、RAM12等に記憶する(S201)。本実施形態では、ユーザがウェアラブル端末1を装着していることを条件として、メッセージ情報に基づく振動を実行することとしている。ウェアラブル端末1の装着判断(S202)は、ウェアラブル端末1の生体センサ21を使用して行うことが可能である。例えば、体温センサ21aを使用する場合は、所定範囲内の体温を計測している状態を装着状態と判定する。あるいは、脈拍センサ21bを使用する場合は、所定範囲内の脈拍数を計測している状態を装着状態と判定する。装着判断は、複数のセンサの組み合わせで行うことで、その判断精度を向上させることが可能である。生体センサ21を使用することに代え、例えば、リストバンド10aの固定状態をセンサで判定し、判定結果に基づいて装着判断を行うことも可能である。
【0052】
ウェアラブル端末1が装着中であると判定された場合(S202:Yes)、メッセージ情報に基づき表示、振動によるメッセージ通知を実行する(S203)。一方、ウェアラブル端末1が装着中で無いと判定された場合(S202:No)。振動によるメッセージ通知は行わない。本実施形態のウェアラブル端末1は、装着中で無い場合、表示によるメッセージ通知を行う第1モード、メッセージ通知自体を行わない第2モードを選択することが可能である。第1モード、第2モードの設定は、ユーザによって任意に設定することが可能である。第1モードが設定されている場合(S204:第1)、受信したメッセージ情報に基づき、描画(スタンプあるいは線画)による通知のみを実行する。一方、第2モードが設定されている場合、メッセージ情報に基づく通知は行わず、メッセージを保留状態とする。この場合、ウェアラブル端末1が装着状態となったときにメッセージ通知する、あるいは、ユーザの操作に基づいてメッセージ通知することとなる。なお、装着状態となったときに、メッセージ通知のみを実行するか、振動によるメッセージ通知を実行するかは、ユーザによって任意に設定されてもよい。
【0053】
次に、メッセージ受信時における通知形態について説明する。メッセージを作成したときの描画の様子、及び、振動状態が再現される。図11は、スタンプモードにおける表示状態、振動状態を説明するための図である。図11は、図7のメッセージ形成に対応した受信時の様子である。受信時には、時間経過に同期してスタンプによる描画、振動が再現される。図11の例では、スタンプS1が押印された後、スタンプS2が押印された場合を示している。スタンプS1は、単発的な操作で押印されているため、標準サイズで表示される。一方、スタンプS2は、タッチ状態を継続する操作で押印されたため、標準状態で押印後、その大きさを時間経過とともに拡大していく表示形態を有する。
【0054】
また、振動に関しては、スタンプS1の表示時は、スタンプS1の表示と同期して、振動部22による衝撃が1回与えられる。そして、スタンプS2の表示時は、スタンプS2の表示開始から拡大終了までの期間中、所定の時間間隔で振動部22が振動される。このように、スタンプモードで形成されたメッセージ情報を受信した場合、スタンプによる描画と、振動が同期したメッセージをユーザに伝えることが可能である。
【0055】
図12は、線画モードにおける表示状態、振動状態を説明するための図である。図12は、図9のメッセージ形成に対応した受信時の様子である。受信時には、時間経過に同期して線画による描画、振動が再現される。図12の例では、一本の線画Lを描画した場合の例であり、線画Lの描画開始に伴って、振動部22による振動が開始し、線画Lの描画期間中、振動が継続する。このように線画モードで形成されたメッセージ情報の場合においても、線画による描画と振動が同期したメッセージをユーザに伝えることが可能である。
【0056】
以上、本実施形態のメッセージサービスについて、スタンプを使用した描画、線画による描画を説明したが、どちらの場合も描画と、描画に同期したメッセージを相手に伝えることが可能である。本実施形態では、メッセージ作成時においても振動部22を振動させることとしているが、これは相手にどのような振動が体感されるかを伝えるためである。メッセージ作成時の振動は行わない形態とすることも可能である。また、以上説明した実施形態以外に、以下に説明する他の形態(変形例)を採用することも可能である。
【0057】
(変形例1)
図13は、メッセージ形成時の表示状態、振動状態について他の形態(変形例1)を説明するための図である。本実施形態では、タッチパネル表示部18はタッチ操作の押圧強度を判定することが可能である。また、振動部22は、ユーザに与える衝撃(振動)の強さを変化させることが可能である。このような場合、タッチ操作の押圧強度に応じて、スタンプの大きさを変化させる、あるいは、振動の強度の少なくとも一方を変化させることが可能である。この変形例1は、タッチ操作の強度に応じて、スタンプの大きさ及び振動の強度の両方を変化させた実施形態となっている。
【0058】
図13は、図7の場合と同様、メッセージ形成時の様子を示した図であって、2回のタッチ操作を行ったときの様子を示している。1回目のタッチ操作の形態(タイプD)と、2回目のタッチ操作の形態(タイプE)は、どちらも、押印領域70をポンと1回、単発的に操作した場合の押圧形態であるが、その押圧強度において異なっている。1回目のタイプDの場合に比較して2回目のタイプEの場合の方が、押圧強度が大きくなっている。この変形例1では、タッチ操作の押圧強度に応じて、押印するスタンプの大きさを変化させている。具体的には2回目の押圧強度は、1回目の押圧強度よりも大きいため、2回目に押印するスタンプS2の大きさは、1回目に押印するスタンプS1の大きさよりも大きく描画される。このように本実施形態では、押印領域70に対する押圧強度に応じて、描画するスタンプの形態(大きさ)を変化させている。この変形例1では、描画するスタンプの大きさを変化させることとしたが、描画形態としては、このような形態以外に、押圧強度に応じてスタンプの種別を変化させる、あるいは、スタンプの色、スタンプに対する効果を変化させる等、各種形態を採用することが可能である。
【0059】
また、変形例1では、タッチパネル表示部18で検出した押圧強度に応じて、振動部22の振動状態も変化させている。本実施形態では、押圧強度が大きいほど、振動を大きく制御している。2回目の押圧強度は、1回目の押圧強度よりも大きいため、2回目の振動状態の大きさは、1回目の振動状態の大きさよりも大きく振動させている。このように本実施形態では、タッチ操作の押圧強度に応じた振動形態としている。また、描画形態についても押圧強度に応じて制御しているため、ユーザの押圧強度に応じた描画形態と振動形態を有するメッセージを形成することが可能である。この図13では、メッセージ作成時の様子を説明したが、ここで作成した描画と振動によるメッセージは、受信側のウェアラブル端末1でその作成時過程が再現されるため、メッセージの受信側では、描画と振動が同期し、振動の大きさも変化するメッセージを受け取ることが可能となる。
【0060】
(変形例2)
図14は、他の形態(変形例2)について、表示状態、振動状態を説明するための図である。図2(B)で説明した実施形態では、振動部22は、リニアアクチュエータを使用したタイプであったが、振動部22には他のタイプを使用することも可能である。図14は、リニアアクチュエータとバイブレータ(回転軸にウェイトを偏心させて取り付けたモータを使用する)を両方備えたタイプの振動部22を使用した場合の例である。変形例2では、タッチ状態に応じて振動形態を異ならせている。図14のタッチ状態は、図7の場合と同様、1回目がポンと1回、タッチ操作した場合の押印形態(タイプA’)であり、2回目が押印領域70を持続的にタッチ操作した場合の押印形態(タイプB’)である。また、スタンプを使用した描画形態は、図7の場合と同様である。
【0061】
本実施形態では、タイプA’のように単発的に1回、タッチ操作した場合、リニアアクチュエータによる振動を与えることとしている。また、タイプB’のように持続的なタッチ操作の場合、最初にリニアアクチュエータによる振動を与えた後に、バイブレータにより、タッチ操作期間中、継続して振動を与えることとしている。このように変形例2では、複数形態の振動を発生可能な振動部22を使用し、タッチ操作の形態に応じて、振動形態を異ならせることで、多様な振動形態によるメッセージを形成し、送信相手に伝えることが可能である。このように、ユーザの接触操作が、所定未満の接触時間の場合、リニアアクチュエータにより振動を与え、所定以上の接触時間の場合は、バイブレータにより振動を与える実施形態に代え、ユーザの接触操作から、所定以上の強度を検出した場合、リニアアクチュエータにより振動を与え、所定未満の強度情報の場合は、バイブレータにより振動を与えてもよい。
【0062】
(変形例3)
図15は、他の形態(変形例3)について、表示状態、振動状態を説明するための図である。図7図14の実施形態では、リニアアクチュエータを使用して振動を発生させる形態を説明したが、振動部22にはバイブレータ(回転軸にウェイトを偏心させて取り付けたモータを使用する)のみを使用する形態を採用してもよい。この変形例3では、タッチパネル表示部18にタッチしている期間中、バイブレータによる振動させることとしている。バイブレータを使用した振動部22は、スマートフォンやタブレット端末で使用されている。このようなバイブレータを使用しても本発明のメッセージサービスは実演可能である。言い換えると、ウェアラブル端末1のみならず、タッチパネル表示部と振動部を備えたスマートフォン、タブレット端末を使用して、本発明のメッセージ作成、メッセージ受信を行うことも可能である。
【0063】
(変形例4)
本実施形態のウェアラブル端末1は、生体センサ21を使用して、装着するユーザの生体情報を検出可能としている。メッセージ作成時には、外部状況として生体センサ21で検出したユーザの状態を使用してメッセージを形成することとしてもよい。図6(A)で説明したスタンプ候補表示欄66では、予め定められたスタンプの中から選択することとしているが、生体センサ21を使用することで、生体センサ21で検出したユーザの状態に基づいて、スタンプ候補表示欄66に表示するスタンプ候補を変更してもよい。例えば、生体センサ21で検出した結果、ユーザが運動中、あるいは、運動直後と推定される場合には、運動に関するスタンプの種類を表示する、あるいは、ユーザが風邪を引いて発熱中と推定される場合には、病気に関するスタンプの種類を表示すること等が考えられる。この場合、スタンプはスタンプ候補表示欄66に表示させた中から選択させることに代え、生体センサ21で検出したユーザの状態を使用して、1のスタンプを選択することとしてもよい。このように、生体センサ21を使用することで、ユーザの状態あるいは体調に応じたスタンプを使用することが可能である。
【0064】
なお、変形例4では、ユーザの状態に応じて、スタンプの種類を変更する形態としているが、スタンプの種類に代え、スタンプの色を変更する、あるいは、線画モードの場合、描画する線画の太さ、色を変更することとしてもよい。また、ウェアラブル端末1の外部状況としては、生体センサ21で検出したユーザの状態以外に、GPS機能により検出した位置情報を使用することも考えられる。GPS機能は、ウェアラブル端末1、あるいは、スマートフォン3に搭載することで、ウェアラブル端末1の位置情報を検出することが可能である。このように位置情報に基づいて、使用できるスタンプの種類を変更する等、描画に関して変更を行うことで、ご当地ならではの描画を行うことも可能となる。この他、ウェアラブル端末1の外部状況としては、ウェアラブル端末1で計測した、外気温、湿度、気圧を使用して、描画に関する変更を行うことが考えられる。
【0065】
また、ウェアラブル端末1、あるいは、スマートフォン3で外部輝度を検出して、これを使用することも考えられる。外部輝度は、例えば、スマートフォン3に搭載されているフロントカメラ35Fあるいはリアカメラ35Rからの映像で判定することが考えられる。ウェアラブル端末1にカメラが設けられている場合には、このカメラの映像で判定しても良い。あるいは、ウェアラブル端末1もしくはスマートフォン3に輝度センサを設け、輝度センサの出力に基づいて外部輝度を検出してもよい。外部輝度を使用する形態としては、例えば、外気温や湿度が高い場合、スタンプに含まれるキャラクタが汗をかく、あるいは、サングラスを付ける等、キャラクタを変更することが考えられる。あるいは、外部輝度が高い場合、スタンプに含まれるキャラクタの色が明るめの色になってもよい。あるいは、外部輝度が高いということは昼間であると推測されるため、太陽のスタンプ等、昼間に関係するスタンプの数を選択候補に加える、あるいは、変更する制御をしてもよい。
【0066】
また、メッセージを送信するウェアラブル端末1Aで検出した外部状況と、メッセージを受信するウェアラブル端末1Bで検出した外部状況との差分に応じてスタンプを変更することとしてもよい。例えば、ウェアラブル端末1Aの脈拍センサ21bで検出したユーザの脈拍が150で、ウェアラブル端末1Bの脈拍センサ21bで検出したユーザの脈拍が90の場合、ウェアラブル端末1Aのユーザが興奮しているのに対し、ウェアラブル端末1Bのユーザが冷めていると推測される。この場合、相手方の興奮度が相対的に高いことが分かるように、ウェアラブル端末1Bが受信したスタンプに設定された大きさに、所定の値をかけて、スタンプを拡大して表示することとしてもよい。なお、外部状況の差分を取得するためには、メッセージに外部状況を含ませて送信することが必要である。
【0067】
以上、本実施形態のウェアラブル端末1(携帯通信端末)によれば、スタンプや線画等、視覚的な通知と、振動部22で発生させる振動による通知とが同期した新しいメッセージを形成し、友人や知人等を宛先として通知することが可能である。なお、本発明で使用する携帯通信端末としては、各種実施形態として説明した腕時計型のウェアラブル端末1以外に、前段落で説明したスマートフォン、タブレット端末を使用することも可能である。なお、これらの携帯通信端末において、メッセージの形成、送信、受信といった各種処理を実行する携帯通信端末用プログラムについても、本発明の範疇に属するものである。
【符号の説明】
【0068】
1(1A、1B):ウェアラブル端末 35F:フロントカメラ
3(3A、3B):スマートフォン 35R:リアカメラ
4A、4B:無線基地局 36:音響処理部
5:メッセージ管理サーバ装置 37a:スピーカ
10a:リストバンド 37b:マイクロホン
10b:筐体 38:タッチパネル表示部
11:CPU 38a:タッチパネル
12:RAM 38b:表示部
13:記憶部 39:通信部
14:画像処理部 39a:第1通信部
16:音響処理部 39b:第2通信部
17a:スピーカ 40:入力スイッチ
17b:マイクロホン 41A、41B:無線基地局
18:タッチパネル表示部 42A、42B:ゲートウェイ
18a:タッチパネル 61b〜61e:ユーザ関連情報
18b:表示部 62a:ユーザアイコン
19:通信部 62b:ユーザ名
20:入力スイッチ 63:スタンプモード選択アイコン
21:生体センサ 64:線画モード選択アイコン
21a:体温センサ 65:交友度
21b:脈拍センサ 66:スタンプ候補表示欄
22:振動部 67:中断アイコン
31:CPU 68:送信アイコン
32:RAM 69:時間表示バー
33:記憶部 70:押印領域
34:画像処理部 71:線画領域

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15