(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自装置が起動する際に、自装置に関する複数の動作環境設定情報のうちの何れかである第一の前記動作環境設定情報を、通常動作中に外部からアクセス不能な第一の記憶手段から読み込む読込手段と、
前記複数の動作環境設定情報のうちの少なくとも2以上の前記動作環境設定情報を、各々、自装置が次回起動する際に読み込む前記動作環境設定情報であることを示す読込指示情報と関連付けて記憶する、通常動作中に外部からアクセス可能な第二の記憶手段と、
前記第二の記憶手段に記憶された前記複数の動作環境設定情報の一覧と、前記読込指示情報が有効状態に設定される対象となる第二の前記動作環境設定情報として前記複数の動作環境設定情報のうちのいずれかを選択するための次回起動ボタンと、前記複数の動作環境設定情報のうちのいずれかを選択して選択した前記動作環境設定情報の詳細を表示する編集ボタンと、をひとつの表示画面に表示する入出力制御手段と、
自装置が起動する際に、前記第二の動作環境設定情報を前記第二の記憶手段から取得して、前記読込手段が前記第一の動作環境設定情報を読み込む前に、前記第一の動作環境設定情報を前記第二の動作環境設定情報に更新する更新手段と、
を備える情報処理装置。
前記第二の記憶手段に記憶された前記動作環境設定情報のうちの何れかを基にして、内容が変更された前記第二の動作環境設定情報を生成し、生成した前記第二の動作環境設定情報を前記第二の記憶手段に格納するとともに、前記第二の動作環境設定情報に関する前記読込指示情報を有効状態に設定する設定手段
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
前記設定手段は、前記第二の記憶手段に記憶された前記動作環境設定情報のうち、外部から入力された第一の入力情報により指定された前記動作環境設定情報に関する前記読込指示情報を有効状態に設定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
前記第二の記憶手段は、前記動作環境設定情報ごとに、当該動作環境設定情報を用いて自装置が最後に起動された時間を示す最終起動時間情報、当該動作環境設定情報が生成された時間を示す生成時間情報、及び、当該動作環境設定情報を用いて自装置が起動された回数の少なくともいずれかを関連付けて記憶する、
請求項2または3に記載の情報処理装置。
前記更新手段は、自装置が起動する際に、前記第一の記憶手段に記憶された前記第一の動作環境設定情報を外部から入力された第二の入力情報に基づいて更新した場合、更新した前記第一の動作環境設定情報を、前記第二の記憶手段に格納する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
情報処理装置が起動する際に、前記情報処理装置に関する複数の動作環境設定情報のうちの何れかである第一の前記動作環境設定情報を、通常動作中に外部からアクセス不能な第一の記憶手段から読み込み、
前記複数の動作環境設定情報のうちの少なくとも2以上の前記動作環境設定情報を、各々、前記情報処理装置が次回起動する際に読み込む前記動作環境設定情報であることを示す読込指示情報と関連付けて、通常動作中に外部からアクセス可能な第二の記憶手段に記憶し、
前記第二の記憶手段に記憶された前記複数の動作環境設定情報の一覧と、前記読込指示情報が有効状態に設定される対象となる第二の前記動作環境設定情報として前記複数の動作環境設定情報のうちのいずれかを選択するための次回起動ボタンと、前記複数の動作環境設定情報のうちのいずれかを選択して選択した前記動作環境設定情報の詳細を表示する編集ボタンと、をひとつの表示画面に表示し、
前記情報処理装置が起動する際に、前記第二の動作環境設定情報を前記第二の記憶手段から取得して、前記第一の動作環境設定情報を読み込む前に、前記第一の動作環境設定情報を前記第二の動作環境設定情報に更新する、
情報処理装置の動作環境設定情報を更新する方法。
情報処理装置が起動する際に、前記情報処理装置に関する複数の動作環境設定情報のうちの何れかである第一の前記動作環境設定情報を、通常動作中に外部からアクセス不能な第一の記憶手段から読み込む読込処理と、
前記複数の動作環境設定情報のうちの少なくとも2以上の前記動作環境設定情報を、各々、前記情報処理装置が次回起動する際に読み込む前記動作環境設定情報であることを示す読込指示情報と関連付けて、通常動作中に外部からアクセス可能な第二の記憶手段に記憶する記憶処理と、
前記第二の記憶手段に記憶された前記複数の動作環境設定情報の一覧と、前記読込指示情報が有効状態に設定される対象となる第二の前記動作環境設定情報として前記複数の動作環境設定情報のうちのいずれかを選択するための次回起動ボタンと、前記複数の動作環境設定情報のうちのいずれかを選択して選択した前記動作環境設定情報の詳細を表示する編集ボタンと、をひとつの表示画面に表示する入出力制御処理と、
前記情報処理装置が起動する際に、前記第二の動作環境設定情報を前記第二の記憶手段から取得して、前記読込処理が前記第一の動作環境設定情報を読み込む前に、前記第一の動作環境設定情報を前記第二の動作環境設定情報に更新する更新処理と、
をコンピュータに実行させる情報処理装置の動作環境設定情報を更新するプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本願発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
図1は、本願発明の第1の実施形態の情報処理装置1を概念的に示すブロック図である。本実施形態に係る情報処理装置1は、例えば、サーバ装置、あるいは、クライアント端末装置等である。
【0016】
本実施形態に係る情報処理装置1は、大別して、メインモジュール10及びBMC(Baseboard Management Controller)モジュール11を備えている。メインモジュール10は、OS(Operating System)を実行し、そのOSが提供する環境において様々なアプリケーションを実行することによって、ユーザにサービスを提供する機能を備える。BMCモジュール11は、情報処理装置1の状態及び運用環境等を管理する機能を備える。BMCモジュール11は、単体の装置として、情報処理装置1の外部に設置される場合もある。BMCモジュール11には管理端末装置2が通信可能に接続されている。BMCモジュール11は、ユーザが管理端末装置2を使用して入力した命令を実行し、命令を実行した結果を、管理端末装置2が備える表示画面20に表示する。
【0017】
本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェアの構成を
図2に例示する。本実施形態では、メインモジュール10及びBMCモジュール11が個々に、
図2に例示する構成を備えている。以下に説明する実行環境は、本実施形態だけでなく、後述する各実施形態においても採用可能である。
【0018】
図2に示した情報処理装置1は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・外部装置との通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD−ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・入出力インタフェース909。
【0019】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置1は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。
【0020】
そして、情報処理装置1は、
図1に示すBIOS100、あるいは、BMCFW(Firm Ware)110をコンピュータプログラムとして提供されたのち、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行する。また、係るコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性の記憶メモリ(RAM903)またはハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0021】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD−ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本願発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0022】
図1に示すメインモジュール10は、BIOS側記憶部103を備えている。BIOS側記憶部103は、例えば不揮発性のメモリであり、BIOS設定情報104を記憶している。BIOS設定情報104は、情報処理装置1の動作環境を指定する様々な項目を含んでいる。本実施形態では、BIOS側記憶部103に格納されたBIOS設定情報104を参照あるいは更新可能なタイミングは、情報処理装置1が起動する最中に限定される。すなわち、情報処理装置1が通常動作中は、BIOS設定情報104を参照あるいは更新することはできない。
【0023】
図1に示すBMCモジュール11は、BMC側記憶部113を備えている。BMC側記憶部113は、例えば不揮発性のメモリであり、BIOS設定世代管理情報114を記憶している。BIOS設定世代管理情報114は、BIOS設定情報104について、その複数世代(種類)を管理する情報である。本実施形態では、BMC側記憶部113に格納されたBIOS設定世代管理情報114を参照あるいは更新可能なタイミングに関する制限はない。すなわち、情報処理装置1が通常動作中に、BIOS設定世代管理情報114を参照あるいは更新することは可能である。
【0024】
図3に、本実施形態に係るBIOS設定世代管理情報114の構成を例示する。
図3に例示する通り、BIOS設定世代管理情報114は、BIOS設定情報104について、11世代を管理可能である。尚、BIOS設定世代管理情報114がBIOS設定情報104について管理可能な世代の数は、11個に限定されない。BIOS設定世代管理情報114により管理されるBIOS設定情報は、個々に、BMC側記憶部113における11個のエントリのいずれかに格納されている。
図3に示す例では、「項番」が「9」及び「10」であるエントリ(エントリ9及び10)は、BIOS設定情報が格納されていない未使用のエントリである。
【0025】
図3に例示する通り、BIOS設定世代管理情報114は、「項番」、「生成日時」、「最終起動日時」、「BIOS設定情報」、「起動回数」、及び、「読込指示フラグ」という項目を含んでいる。
図3に示す構成は一例であり、BIOS設定世代管理情報114は、
図3に示す構成とは異なる構成であってもよい。
【0026】
BIOS設定世代管理情報114における「項番」は、エントリを識別可能な番号である。尚、「項番」が「0」であるエントリ(エントリ0)は、BIOS設定情報のデフォルト値を格納する特別なエントリである。このデフォルト値は、例えば、情報処理装置1が出荷されたときのBIOS設定情報の値である。本実施形態では、BIOS設定世代管理情報114において、エントリ1乃至10に格納された情報は、BMCFW110によって更新可能であるのに対し、エントリ0に格納された情報は、BMCFW110によって更新不能に設定されている。エントリ0は、BMC側記憶部113において、エントリ1乃至10とは異なる記憶領域に配置されてもよい。
【0027】
BIOS設定世代管理情報114における「生成日時」は、そのエントリに格納されたBIOS設定情報が生成された日時を示す。BIOS設定世代管理情報114における「最終起動日時」は、そのエントリに格納されたBIOS設定情報を使用して情報処理装置1が起動した最終(最新)の日時を示す。
【0028】
BIOS設定世代管理情報114における「BIOS設定情報」は、そのエントリに格納されたBIOS設定情報の本体であり、様々なパラメータに関する値を含んでいる。「BIOS設定情報」は、BIOS設定情報の本体の代わりに、例えば、BIOS設定情報の本体が格納された、BMC側記憶部113におけるアドレスであってもよい。
【0029】
BIOS設定世代管理情報114における「起動回数」は、そのエントリに格納されたBIOS設定情報を使用して情報処理装置1が起動した回数を示す。BIOS設定世代管理情報114における「読込指示フラグ」は、各エントリに格納されたBIOS設定情報が、情報処理装置1が次回起動する際に使用される場合に、有効状態であることを示す「1」が設定されるフラグである。
図3に例示するBIOS設定世代管理情報114は、「項番」が「2」であるエントリ(エントリ2)に格納されたBIOS設定情報が、情報処理装置1が次回起動する際に使用されることを示している。
【0030】
図1に示すBIOS100は、情報処理装置1が起動する際にメインモジュール10によって実行されるプログラム(ファームウェア)であり、読込処理101、及び、更新処理102を実行する。
【0031】
読込処理101は、情報処理装置1が起動する際に、BIOS側記憶部103からBIOS設定情報104を読み込む。これにより、情報処理装置1について、起動した後の動作環境が設定される。
【0032】
更新処理102は、情報処理装置1が起動する際に、BMCFM110を介して、BMC側記憶部113に記憶されたBIOS設定世代管理情報114へアクセスする。更新処理102は、BIOS設定世代管理情報114における何れかのエントリの「読込指示フラグ」が「1」である場合、当該エントリに格納されたBIOS設定情報を入手する。更新処理102は、読込処理101がBIOS設定情報104を読み込む前に、当該BIOS設定情報104を、BMC側記憶部113から入手したBIOS設定情報に更新する。
【0033】
更新処理102は、情報処理装置1が起動する際に、管理端末装置2が備えるキーボード(不図示)において、BIOS設定情報104に対する編集画面の起動を指示する特定のキーがユーザにより押下されたことを検出する。この場合、更新処理102は、BIOS設定情報104に対する編集画面を起動することにより、BIOS設定情報104に対する編集入力を受け付ける。更新処理102は、編集入力の内容に従い、BIOS設定情報104を更新する。この場合、BIOS100は情報処理装置1を再起動し、読込処理101は、その再起動中に、更新されたBIOS設定情報104を読み込む。更新処理102は、BMCFM110を介して、更新したBIOS設定情報を、BMC側記憶部113における、エントリ1乃至10のいずれかに格納する。
【0034】
図1に示すBMCFM110は、BMCモジュール11によって実行されるプログラム(ファームウェア)であり、設定処理111、及び、入出力制御処理112を実行する。
【0035】
設定処理111は、ユーザによって管理端末装置2から入力された入力情報に基づいて、BIOS設定世代管理情報114を更新する。この際、入出力制御処理112は、ユーザインタフェースを制御する。入出力制御処理112は、BIOS設定世代管理情報114に対する編集画面を、管理端末装置2が備える表示画面20に表示する。
【0036】
図4に、本実施形態に係る入出力制御処理112が表示画面20に表示するBIOS設定世代管理情報114に対する編集画面の構成を例示する。
図4に例示する通り、入出力制御処理112は、BMC側記憶部113におけるエントリの一覧を表示する。入出力制御処理112は、エントリごとに、BIOS設定世代管理情報114が示す、「項番」、「生成日時」、「最終起動日時」、及び、「起動回数」を表示画面20に表示する。
【0037】
ユーザがいずれかのエントリに格納されたBIOS設定情報を編集する場合、表示画面20において、当該エントリに関する「編集」ボタンが、ユーザによるマウスクリック等により選択される。このとき、入出力制御処理112は、選択されたエントリに格納されたBIOS設定情報の詳細を表示画面20に表示する。ユーザは、表示画面20に表示された情報に対して、更新を指示する情報を入力する。入出力制御処理112は、入力された更新を指示する情報を、設定処理111に入力する。
【0038】
設定処理111は、入出力制御処理112から入力された、更新を指示する情報に基づいて、BIOS設定情報を新たに生成する。設定処置11は、BMC側記憶部113におけるエントリ1乃至10の少なくとも何れかが未使用である場合、未使用であるエントリの何れかに、新たに生成したBIOS設定情報を格納する。
【0039】
設定処理111は、BMC側記憶部113におけるエントリ1乃至10が全て使用済である場合、エントリ1乃至10について、「最終起動日時」を確認する。設定処理111は、「最終起動日時」が最も古いエントリを未使用状態に設定した後、当該エントリに新たに生成したBIOS設定情報を格納する。
【0040】
設定処理111は、新たに生成したBIOS設定情報を格納したエントリにおける「生成日時」を現在の日時に設定し、読込指示フラグを「1」に設定する。この際、設定処理111は、新たに生成したBIOS設定情報を格納したエントリを除くいずれかのエントリについて、読込指示フラグが「1」であるエントリが存在する場合、当該エントリの読込指示フラグを「0」に設定する。
【0041】
図4に例示する表示画面20において、いずれかのエントリに関する「次回起動」ボタンが、ユーザによるマウスクリック等により選択された場合、入出力制御処理112は、当該エントリに関する「次回起動」が選択されたことを、設定処理111へ通知する。この場合、設定処理111は、当該エントリに関する読込指示フラグを「1」に設定する。この際、設定処理111は、「次回起動」が選択されたエントリを除くいずれかのエントリについて、読込指示フラグが「1」であるエントリが存在する場合、当該エントリの読込指示フラグを「0」に設定する。
【0042】
設定処理111は、情報処理装置1が、読込指示フラグが「1」であるエントリに格納されたBIOS設定情報を使用して起動する際に、当該エントリに関する「最終起動日時」を現在の日時に設定する。その際、設定処理111は、当該エントリに関する「起動回数」を1つ加算する。
【0043】
次に
図5のフローチャートを参照して、本実施形態に係る情報処理装置1が管理装置側記憶部113に記憶されたBIOS設定世代管理情報114を更新する動作(処理)について詳細に説明する。
【0044】
入出力制御処理112は、管理端末装置2からBIOS設定世代管理情報114に対する閲覧要求を受信する(ステップS101)。入出力制御処理112は、BIOS設定世代管理情報114を、表示画面20に表示する(ステップS102)。
【0045】
何れかのエントリのBIOS設定情報について編集が行われた場合(ステップS103でYes)、設定処理111は、BMC側記憶部113に未使用エントリがあるか確認する(ステップS105)。未使用エントリがある場合(ステップS106でYes)、設定処理111は、未使用エントリに、編集により新たに生成したBIOS設定情報を格納し、「生成日時」を現在の日時に設定する(ステップS108)。未使用エントリがない場合(ステップS106でNo)、設定処理111は、エントリ1乃至10のうち、「最終起動日時」が最も古いエントリを未使用状態に設定し(ステップS107)、処理はステップS108へ進む。設定処理111は、当該エントリにおける、読込指示フラグを「1」に設定し(ステップS109)、全体の処理は終了する。
【0046】
BIOS設定情報について編集が行われたエントリが無い場合(ステップS103でNo)、処理はステップS104へ進む。何れかのエントリのBIOS設定情報について「次回起動」が設定された場合(ステップS104でYes)、処理はステップS109へ進む。BIOS設定情報について「次回起動」が設定されたエントリが無い場合(ステップS104でNo)、全体の処理は終了する。
【0047】
次に
図6のフローチャートを参照して、本実施形態に係る情報処理装置1がBIOS側記憶部103に記憶されたBIOS設定情報104を更新する動作(処理)について詳細に説明する。
【0048】
情報処理装置1は、電源ONあるいはリブートコマンドによる起動を開始する(ステップ201)。更新処理102は、BMCFM110を介してBIOS設定世代管理情報114へアクセスする(ステップS202)。更新処理102は、BIOS設定世代管理情報114における読込指示フラグを確認する(ステップS203)。
【0049】
何れかのエントリの読込指示フラグが「1」である場合(ステップS204でYes)、更新処理102は、読込指示フラグが「1」であるBIOS設定情報を入手して、BIOS設定情報104を、入手したBIOS設定情報に更新する(ステップS205)。設定処理111は、読込指示フラグが「1」であるBIOS設定情報に関する「最終起動日時」及び「起動回数」を更新する(ステップS206)。読込処理101は、BIOS側記憶部103からBIOS設定情報104を読み込み(ステップS207)、全体の処理は終了する。
【0050】
読込指示フラグが「1」であるエントリがない場合(ステップS204でNo)、処理はステップS207へ進む。
【0051】
次に
図7のフローチャートを参照して、本実施形態に係る情報処理装置1が起動時に管理端末装置2からの情報入力によってBIOS設定情報104を更新した場合に、更新されたBIOS設定情報104をBMC側記憶部113に格納する動作(処理)について詳細に説明する。
【0052】
情報処理装置1は、電源ONあるいはリブートコマンドによる起動を開始する(ステップ301)。管理端末装置2からBIOS設定情報104に対する編集画面の起動を指示されなかった場合(ステップS302でNo)、全体の処理は終了する。管理端末装置2からBIOS設定情報104に対する編集画面の起動を指示された場合(ステップS302でYes)、更新処理102は、BIOS設定情報104を更新し、更新したBIOS設定情報104を設定処理111へ入力する(ステップS303)。
【0053】
設定処理111は、BMC側記憶部113に未使用エントリがあるか確認する(ステップS304)。未使用エントリがない場合(ステップS305でNo)、設定処理111は、「最終起動日時」が最も古いエントリを未使用状態に設定し(ステップS306)、処理はステップS307へ進む。
【0054】
未使用エントリがある場合(ステップS305でYes)、設定処理111は、未使用エントリに、更新されたBIOS設定情報104を格納し、「生成日時」を設定する(ステップS307)。設定処理111は、当該エントリにおける、読込指示フラグを「1」に設定し(ステップS308)、全体の処理は終了する。
【0055】
本実施形態に係る情報処理装置1は、自装置に関する複数の動作環境設定情報を管理する場合における作業効率を向上することができる。その理由は、情報処理装置1が以下の通りに動作するからである。すなわち、
・読込処理100は、情報処理装置1が起動する際に、情報処理装置1に関する複数のBIOS設定情報(動作環境設定情報)のうちの何れかであるBIOS設定情報104を、通常動作中に外部からアクセス不能なBIOS側記憶部104から読み込む。
・BMC側記憶部113は、複数のBIOS設定情報のうちの少なくとも2以上のBIOS設定情報を、各々、情報処理装置1が次回起動する際に読み込むBIOS設定情報であることを示す読込指示フラグと関連付けて記憶する。BMC側記憶部113は、通常動作中に外部からアクセス可能である。
・更新処理102は、情報処理装置1が起動する際に、読込指示フラグが有効状態に設定されたBIOS設定情報をBMC側記憶部113から取得して、読込処理100がBIOS設定情報104を読み込む前に、BIOS設定情報104をBMC側記憶部113から取得したBIOS設定情報に更新する。
【0056】
以下に、本実施形態に係る情報処理装置1によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0057】
情報処理装置が通常動作中は、通常、BIOS設定情報を閲覧あるいは更新することができないので、ユーザは、BIOS設定情報を閲覧あるいは更新するたびに、情報処理装置を再起動する必要がある。また、例えば、情報処理装置を、その使用目的に応じて複数の動作環境を設定できるようにしたい場合、ユーザは、複数の世代のBIOS設定情報を管理することが必要になる。したがって、複数世代のBIOS設定情報の閲覧あるいは更新を、上述したような制限事項に影響されずに容易に行うことができる技術が期待されている。
【0058】
このような背景において、本実施形態に係る情報処理装置1では、BMCモジュール11における、通常動作中に外部からアクセス可能なBMC側記憶部113に、複数のBIOS設定情報が記憶されている。すなわち、ユーザは、情報処理装置1が通常動作中に、BMC側記憶部113に記憶された複数のBIOS設定情報を参照あるいは更新することができる。BMC側記憶部113は、これらのBIOS設定情報を、情報処理装置1が次回起動する際に読み込むBIOS設定情報であることを示す読込指示フラグと関連付けて記憶している。BIOS100における更新処理102は、情報処理装置1が起動する際に、読込指示フラグが有効状態に設定されたBIOS設定情報をBMC側記憶部113から取得する。そして、更新処理102は、読込処理100がBIOS設定情報104を読み込む前に、BIOS設定情報104をBMC側記憶部113から取得したBIOS設定情報に更新する。これにより、本実施形態に係る情報処理装置1は、自装置に関する複数の動作環境設定情報(BIOS設定情報)を管理する場合における作業効率を向上することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る情報処理装置1では、BMCFW110における設定処理111は、BMC側記憶部113に記憶された複数のBIOS設定情報の何れかを基にして、内容が変更された新たなBIOS設定情報を生成し、生成したBIOS設定情報をBMC側記憶部113に格納する。そして設定処理111は、生成したBIOS設定情報に関する読込指示フラグを有効状態に設定する。すなわち、情報処理装置1は、更新前のBIOS設定情報をBMC側記憶部113に残すとともに、更新後のBIOS設定情報を、次回起動時に使用するBIOS設定情報として自動で設定する。これにより、本実施形態に係る情報処理装置1は、複数のBIOS設定情報を管理する場合における作業効率をさらに向上することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る情報処理装置1では、設定処理111は、表示画面20においてユーザが「次回起動」を設定したBIOS設定情報に関する読込指示フラグを有効状態に設定する。すなわち、情報処理装置1は、BIOS側記憶部113に記憶されたBIOS設定情報のうち、ユーザが指定したBIOS設定情報を、次回起動時に使用するBIOS設定情報として設定できる。これにより、本実施形態に係る情報処理装置1は、動作環境をユーザの希望に合わせて変更することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る情報処理装置1では、BMC側記憶部113は、BIOS設定情報ごとに、当該BIOS設定情報が最後に使用された最終起動日時を関連付けて記憶している。そして、設定処理111は、BMC側記憶部113が使用するエントリが全て使用中である場合は、最終起動日時が最も古いBIOS設定情報を削除して、新たに生成したBIOS情報をエントリに格納する。これにより、本実施形態に係る情報処理装置1は、限られた記憶容量を備えるBMC側記憶部113を、効率的に使用できる。
【0062】
なお、設定処理111は、BMC側記憶部113が使用するエントリが全て使用中である場合にBIOS設定情報を削除する基準として、最終起動日時以外の情報を使用してもよい。設定処理11は、エントリが全て使用中である場合に、例えば、生成日時が最も古いBIOS設定情報、あるいは、起動回数が最も少ないBIOS設定情報を削除するようにしてもよい。
【0063】
また、本実施形態に係る情報処理装置1では、起動する際に、更新処理102は、BIOS設定情報104に対する編集画面を介してBIOS設定情報104を更新した場合、更新したBIOS設定情報104をBIOS側記憶部113に格納する。すなわち、情報処理装置1は、BIOS設定情報104に対する編集画面を介して更新したBIOS設定情報を、BMC側記憶部113に記憶されたBIOS設定世代管理情報に反映する。これにより、本実施形態に係る情報処理装置1は、BIOS設定情報に対する更新内容を、漏れなく管理することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る情報処理装置1では、BMC側記憶部113は、格納された情報を削除不能なエントリ0に、BIOS設定情報のデフォルト値(例えば情報処理装置1が出荷された時の値)を格納している。すなわち、情報処理装置1は、BIOS設定情報104をデフォルト値に戻したり、あるいは、当該デフォルト値を基に更新したBIOS設定情報を生成したりすることができる。これにより、本実施形態に係る情報処理装置1は、BIOS設定情報をより柔軟に更新することができる。
【0065】
尚、本実施形態に係る情報処理装置1が管理及び更新する対象は、BIOS設定情報に限定されない。本実施形態に係る情報処理装置1は、特定のタイミングにしかアクセスできない記憶領域に格納された動作環境設定情報について、同様の処理を行うことも可能である。また、本実施形態に係る読込処理101、更新処理102、設定処理111、及び、入出力制御処理112は、例えば、専用のハードウェアによって実現されてもよい。
【0066】
<第2の実施形態>
図8は、本願発明の第2の実施形態の情報処理装置3の構成を概念的に示すブロック図である。
【0067】
本実施形態に係る情報処理装置3は、読込部301、更新部302、及び、第2の記憶部313を備えている。
【0068】
読込部301は、情報処理装置3が起動する際に、情報処理装置3に関する複数の動作環境設定情報のうちの何れかである第1の前記動作環境設定情報304を、通常動作中に外部からアクセス不能な第1の記憶部303から読み込む。
【0069】
第2の記憶部313は、複数の動作環境設定情報のうちの少なくとも2以上(例えばn個(nは2以上の任意の整数))の動作環境設定情報314−1乃至314−nを、各々、読込指示情報315−1乃至315−nと関連付けて記憶する。読込指示情報315−1乃至315−nは、情報処理装置3が次回起動する際に読み込む動作環境設定情報であることを示す情報である。第2の記憶部313は、通常動作中に外部からアクセス可能である。
【0070】
更新部302は、情報処理装置3が起動する際に、読込指示情報315−i(iは2乃至nのいずれかの整数)が有効状態に設定された第2の動作環境設定情報314−iを第2の記憶部313から取得する。更新部302は、読込部301が第1の動作環境設定情報304を読み込む前に、第1の動作環境設定情報304を第2の動作環境設定情報314−iに更新する。
【0071】
本実施形態に係る情報処理装置3は、自装置に関する複数の動作環境設定情報を管理する場合における作業効率を向上することができる。その理由は、情報処理装置3が以下の通りに動作するからである。すなわち、
・読込部301は、情報処理装置3が起動する際に、情報処理装置3に関する複数の動作環境設定情報のうちの何れかである第1の前記動作環境設定情報304を、通常動作中に外部からアクセス不能な第1の記憶部303から読み込む。
【0072】
第2の記憶部313は、通常動作中に外部からアクセス可能であり、複数の動作環境設定情報のうちの少なくとも2以上の前記動作環境設定情報314−1乃至314−nを、各々、情報処理装置3が次回起動する際に読み込む動作環境設定情報であることを示す読込指示情報315−1乃至315−nと関連付けて記憶する。
【0073】
更新部302は、情報処理装置3が起動する際に、読込指示情報315−iが有効状態に設定された第2の動作環境設定情報314−iを第2の記憶部313から取得して、読込部301が第1の動作環境設定情報304を読み込む前に、第1の動作環境設定情報304を第2の動作環境設定情報314−iに更新する。
【0074】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本願発明を説明した。しかしながら、本願発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本願発明は、本願発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。