(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スイッチ手段は、前記入力装置において選択された前記第1のポートの情報を基に、前記第2のポートと接続する前記第1のポートとの接続を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の切替装置。
前記ネットワーク上の前記サーバのそれぞれのアドレスと、前記サーバがそれぞれ接続されている前記第1のポートの識別情報を関連づけてアドレステーブルとして保存するアドレス管理手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記第2のポートと接続された前記第1のポートの前記識別情報に対応した前記アドレス宛に、前記選択信号を送信することを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の切替装置。
前記第1のポートを介して、前記サーバごとに前記アドレスの送信を要求し、前記ネットワークを介して受信する前記サーバのそれぞれの前記アドレスを基に、前記アドレステーブルを生成するアドレステーブル生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の切替装置。
【背景技術】
【0002】
情報社会の発展とともに必要なデータ処理量等が増大し、複数の情報処理装置を搭載したラックマウント型サーバやブレードサーバなどが広く用いられるようになっている。ラックマウント型サーバ等では、KVM(Keyboard, Video, Mouse)スイッチ等の切替装置を用いて接続を切り替えることで、複数のサーバを、1組のキーボードや表示装置で操作することが多い。作業者は、サーバとキーボート等で構成されるコンソールとの間の接続をKVMスイッチ等によって切り替えることで各サーバの操作を行う。
【0003】
ラックマウント型サーバ等において障害等が発生した際に、サーバから直接、ログを取得したい場合などに、操作を行っているサーバの識別が必要になる場合がある。しかし、ラックマウント型サーバ等では同仕様のサーバが搭載されていることも多く、作業者にとっては、外見ではどのサーバの操作を行っているのかが判りにくい。そのような場合には、例えば、作業者は、KVMケーブルをたどってサーバを判別することで対応する必要がある。
【0004】
しかし、そのような方法では作業性が低くなるため、KVMスイッチ等を介して複数のサーバを操作する情報システムにおいて、操作対象として選択されているサーバを、作業者が、作業性を低下させることなく容易に識別できることが望ましい。また、作業者によってサーバの識別が必要になるのは、障害対応や保守等のときなどに限られていることが多いため、操作を行っているサーバを識別するために要する構成は出来るだけ簡略化されていることが望ましい。そのような、複数のサーバを備える情報システムにおいて、作業者が、操作対象として選択されているサーバを、作業性を低下させることなく容易に識別するため技術としては、例えば、特許文献1のような技術が開示されている。
【0005】
特許文献1は、キーボード等を備える1台のコンソールでKVMスイッチを介して複数のサーバを操作する情報システムに関するものである。特許文献1のKVMスイッチのユニットは、KVMスイッチで選択されているサーバの識別番号を表示する機能を備えている。特許文献1のKVMスイッチのユニットは、LEDランプまたは液晶ディスプレイを備え、サーバに対応するLEDランプの点灯またはサーバの識別番号の表示を行うことで、選択中のサーバがいずれであるかを表示する。特許文献1は、このような構成を備えることで選択されたサーバを認識して、各サーバの処理内容を容易に確認することができるとしている。
【0006】
また、特許文献2には、切替装置を介して1組のキーボード等でサーバを操作する情報システムが示されている。特許文献2のサーバは、UID(Unit ID)ランプを備えている。特許文献2のサーバのUIDは、キーボードから所定のキーの組み合わせの入力を受けると点灯する。そのため、特許文献2の情報システムでは、作業者がキーボードの所定のキーの組み合わせを押すことで、切替装置で選択されているサーバのUIDランプを点灯することができる。特許文献2は、このような構成を備えることで操作中のサーバを外的に認識することができるとしている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態の切替装置の構成の概要を示したものである。本実施形態の切替装置は、第1の接続手段1と、第2の接続手段2と、スイッチ手段3と、送信手段4を備えている。第1の接続手段1は、複数のサーバにそれぞれ割り当てられた複数の第1のポートに接続している。第2の接続手段2は、入力装置および出力装置と入出力信号の送受信を行う第2のポートに接続している。スイッチ手段3は、複数の第1のポートのいずれかと、第2のポートとの間の接続を選択的に切り替える。送信手段4は、スイッチ手段3による切り替えが行われた際に、第2のポートと接続された第1のポートを介して入出力信号の送受信を行っているサーバに、選択されていることを示す信号を、ネットワークを介して選択信号として送信する。
【0016】
本実施形態の切替装置では、スイッチ手段3によって第2のポートと接続された第1のポートに対応するサーバに、選択されていることを示す信号が、送信手段4によってネットワークを介して送信されている。そのため、第2のポートと接続された第1のポートに対応するサーバは、ネットワークを介して受信する選択信号を基に、自装置が選択されていることを認識し、所定の表示等を行うことができる。また、サーバが、通常、備えている通信機能等を用いるため、サーバに選択されていることを伝えるために新たに複雑な機構を必要としない。その結果、本実施形態の切替装置を用いることで、装置を複雑化することなく、操作対象として選択されているサーバを、作業性を低下させることなく容易に識別することが可能になる。
【0017】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図を参照して詳細に説明する。
図2は、本実施形態の情報システムの構成の概要を示したものである。
【0018】
本実施形態の情報システムは、切替装置10と、操作部20と、サーバ30と、ネットワークハブ40を備えている。サーバ30は、複数、備えられている。各サーバ30と切替装置10の間、切替装置10と操作部20の間は、キーボード等からの入力信号や表示装置への出力信号等を伝送する信号ケーブルで接続されている。また、各サーバ30と切替装置10は、ネットワークハブ40およびネットワークケーブルを介して接続されている。各装置間の信号の伝送や通信は、無線通信によって行われてもよい。
【0019】
本実施形態の情報システムでは、作業者は、複数のサーバ30のうちいずれか1台を切替装置10で選択し、選択したサーバ30の操作を操作部20で行う。また、本実施形態の情報システムでは、作業者によって選択されたサーバ30にネットワークを介して制御信号が送られ、選択されたサーバ30に備えられたLED表示灯の点灯が行われる。本実施形態の情報システムは、ネットワークを介して送信された制御信号を基に、選択されたサーバ30に備えられたLED表示灯の点灯が行われることで、選択中のサーバ30の視認が可能になることを特徴としている。
【0020】
切替装置10は、操作部20において操作可能なサーバ30を切り替える機能を有する。本実施形態の切替装置10は、KVM(Keyboard, Video, Mouse)スイッチとしての機能を有している。また、切替装置10は、スイッチ管理部11と、表示灯制御部12をさらに備えている。
【0021】
スイッチ管理部11は、操作部20と接続されているサーバ30を切り替える機能を有する。スイッチ管理部11は、制御部51と、スイッチ部52と、サーバIF部53と、コンソールIF部54をさらに備えている。サーバIF部53は、接続されるサーバ30の数に応じて複数、備えられている。
【0022】
制御部51は、スイッチ部52のスイッチ素子を制御して操作部20に接続されているサーバ30を切り替える機能を有する。制御部51は、サーバ切替ボタンや操作部20において選択されたサーバ30が操作部20と接続されるようにスイッチ部52のスイッチ素子の切り替えを行う。
【0023】
スイッチ部52は、操作部20とサーバ30を選択的に接続する機能を有する。スイッチ部52は、スイッチ素子を備え、操作部20からの信号線をいずれかのサーバ30からの信号線と接続する。すなわち、操作部20は複数のサーバ30の中から選択されたサーバ30との間で信号の送受信を行うことができる。スイッチ部52のスイッチ素子は、制御部51によって制御される。本実施形態の制御部51およびスイッチ部52は、第1の実施形態のスイッチ手段3に相当する。
【0024】
サーバIF部53は、各サーバ30との間で信号の送受信を行う機能を有する。サーバIF部53は、入出力用のポートを備え、各サーバ30と信号の送受信を行う信号ケーブルが各ポートに接続されている。本実施形態のサーバIF部53は、第1の実施形態の第1の接続手段1に相当する。
【0025】
コンソールIF部54は、操作部20との間で信号の送受信を行う機能を有する。コンソールIF部54は、入出力用のポートを備え、操作部20と信号の送受信を行う信号ケーブルがポートに接続されている。本実施形態のコンソールIF部54は、第1の実施形態の第2の接続手段2に相当する。
【0026】
表示灯制御部12は、操作を行っているサーバ30を明示するための表示に関する動作を制御する機能を有する。表示灯制御部12は、点灯制御部61と、NIC IF(Network Interface Card Interface)部62と、アドレス管理部63をさらに備えている。
【0027】
点灯制御部61は、サーバ30に備えられているLED表示灯の点灯および消灯を制御する機能を有する。点灯制御部61は、操作対象のサーバ30が接続されているポート番号の情報を制御部51から受け取ると、アドレス管理部63を参照して、受け取ったポート番号に接続されているサーバ30のアドレスの情報を抽出する。点灯制御部61は、抽出したアドレスとサーバ30のLED表示灯を点灯させる制御信号をNIC IF部62に送る。また、点灯制御部61は、LED表示灯を消灯するサーバ30がある場合には、消灯するサーバ30のアドレスとLED表示灯を消灯させる制御信号をNIC IF部62に送る。LED表示灯を点灯または消灯させる制御信号には、IPMI(Intelligent Platform Management Interface)コマンドを用いてもよい。
【0028】
NIC IF部62は、ネットワークを介してサーバ30との通信を行う機能を有する。NIC IF部62は、点灯制御部61からサーバ30のアドレスとLED表示灯を点灯または消灯させる制御信号を受け取ると、指定されたアドレスとLED表示灯を点灯または消灯させる制御信号のデータを基に送信用のフレームを生成する。送信用のフレームを生成すると、NIC IF部62は、指定されたアドレスのサーバ30にネットワークを介して生成したフレームを送信する。本実施形態の点灯制御部61およびNIC IF部62は、第1の実施形態の送信手段4に相当する。
【0029】
アドレス管理部63は、サーバ30のアドレスのデータを保存する機能を有する。アドレス管理部63は、サーバ30が接続されているポートの番号、サーバ30のアドレスおよびサーバ30のLED表示灯の点灯の有無の情報を関連づけたデータテーブルを保存している。本実施形態のアドレス管理部63は、サーバ30が接続されたポートの番号、そのポートに接続されているサーバ30のIP(Internet Protocol)アドレスおよびサーバ30のLED表示灯の点灯の有無の情報を互いに関連づけて保存している。本実施形態では、ポートの番号とサーバ30のアドレスの関係等を示すデータテーブルをアドレステーブルとよぶ。ポートの番号とサーバ30のIPアドレスは、作業者等によってあらかじめアドレステーブルに保存されている。アドレステーブルに保存されるサーバ30のアドレスは、サーバ30を識別できる情報であればIPアドレス以外の他の情報であってもよい。
【0030】
操作部20は、作業者がサーバ30の操作を行うコンソールとして機能を有する。操作部20は、入力部21と、サーバ選択部22と表示部23をさらに備えている。
【0031】
入力部21は、作業者がサーバ30で作業を行う際にデータを入力する入力機能を有する。入力部21は、キーボートやマウス等の入力デバイスによって構成されている。
【0032】
サーバ選択部22は、操作対象となるサーバ30の選択を作業者が入力する入力装置としての機能を有する。本実施形態のサーバ選択部22は、サーバ30が接続されている各ポートに対応したボタンを備えている。サーバ選択部22は、各ボタンが押された際にボタンに対応したポートの番号を、コンソールIF部54を介して制御部51に送る。ポートの番号とボタンの関係はあらかじめ設定されている。
【0033】
サーバ選択部22は、入力部21と一体の装置として構成されていてもよい。例えば、入力部21のキーボートの所定のキーまたは所定の組み合わせの複数のキーを押すことで、作業者がサーバ30を選択する構成としてもよい。また、表示部23にサーバ30の選択画面を表示し、入力部21のキーボートやマウス等によって作業者がサーバ30を選択するようにしてもよい。
【0034】
表示部23は、サーバ30から送られてくる画像データを表示する機能を有する。表示部23は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置によって構成されている。表示部23は、スイッチ部52で選択されているサーバ30から送られてくる映像信号を基に画像の表示を行う。また、表示部23は、サーバ30を選択する選択画面を、サーバ30から送られてくる画像に重ねて表示する機能を備えていてもよい。
【0035】
サーバ30は、通常のサーバとしての情報処理機能に加え、操作対象のサーバ30であることを明示するための表示機能を有する。
図3は、本実施形態のサーバ30の構成の概要を示した図である。
【0036】
サーバ30は、NIC(Network Interface Card)31と、BMC(Base Management Controller)32と、識別表示部33を備えている。
【0037】
NIC31は、ネットワークを介して他の情報処理装置や通信装置とデータの送受信を行う機能を有する。本実施形態のNIC31は、ネットワークインタフェースカードとしての機能を備え、他の情報処理装置や通信装置との通信に加えて、切替装置10との通信を、ネットワークを介して行う。
【0038】
BMC32は、サーバ30の各ハードウェアを制御する機能を有する。BMC32は、識別表示部33のLED表示灯の点灯の有無を制御する機能をさらに有する。BMC32は、切替装置10から送られてくる制御信号に基づいて、識別表示部33のLED表示灯の点灯または消灯を行う。
【0039】
識別表示部33は、切替装置10による自装置の選択の有無の情報を示す機能を有する。本実施形態の識別表示部33は、選択の有無を示すLED(Light-Emitting Diode)表示灯を備え、自装置が選択されているときはLED表示灯を点灯状態にする。また、識別表示部33は、自装置が選択されていないときに、LED表示灯を消灯状態にする。LED表示灯の点灯または消灯によって選択の有無を表示する構成に代えて、表示色によって選択の有無を表示する構成としてもよい。また、有機EL素子等の他の発光素子や表示装置を用いて、選択の有無を表示するようにしてもよい。
【0040】
図4は、本実施形態の情報システムにおいて、サーバ30をラック34に取り付けた状態を模式的に示した図である。
図4の例は、6台のサーバ30がラック34に取り付けられているラックマウント型サーバを示している。また、それぞれのサーバ30の前面には、識別表示部33が備えられている。サーバ30の前面の識別表示部33のLED表示灯を点灯させることで、作業者は、操作中のサーバ30を視認することができる。各サーバ30は、ブレードサーバとしてラックに搭載されていてもよい。また、各サーバ30は、それぞれ独立した筐体の装置として備えられていてもよい。
【0041】
ネットワークハブ40は、切替装置10および各サーバ30をネットワーク上で接続するハブとして備えられている。ネットワークハブ40には、スイッチング機能を有するスイッチングハブ等を用いてもよい。ネットワークハブ40は、さらにルータ等に接続され、他のネットワークと接続されていてもよい。また、ネットワークハブ40は、ハブに代えてルータによって構成されていてもよい。本実施形態の情報システムにおいて、切替装置10と各サーバ30の間のネットワークハブ40を介したネットワークは、イーサネット(登録商標)として構成されている。
【0042】
本実施形態の情報システムにおいて、操作対象のサーバ30の切り替えが行われる際の動作について説明する。
図5は、本実施形態の情報システムの動作フローの概要を示したものである。
【0043】
作業者によってサーバ選択部22のボタンが押されると、操作部20で操作を行う対象となるサーバ30の切り替えの動作が開始される。
【0044】
ボタンが押されると、サーバ選択部22は、押されたボタンに対応するポート番号の情報を、コンソールIF部54を介して制御部51に送る。制御部51は、ポート番号の情報を受け取ると、サーバ30の切り替えの指示が送られてきたと判断し、操作部20と接続するサーバ30の切り替えの動作を開始する(ステップ101)。制御部51は、スイッチ部52を制御して受け取った番号のポートに接続されている信号線と、操作部20からの信号線とを接続するようにスイッチ素子を動作させる。すなわち、制御部51は、スイッチ部52のスイッチ素子の切り替えを行い、新たに選択されたサーバ30と操作部20を接続する(ステップ102)。
【0045】
新たに選択されたサーバ30に対応するポートと操作部20が接続されると、作業者は新たに選択したサーバ30を操作することが可能になる。また、新たに選択されたサーバ30との接続が確立すると、それまで選択されていたサーバ30と操作部20の間の接続は切断される。
【0046】
スイッチ素子を動作させて新たに選択されたサーバ30と操作部20の接続を行うと、制御部51は、点灯制御部61に、新たに選択されたサーバ30に対応するポートの番号の情報を送る。ポートの番号の情報を受け取ると、点灯制御部61はアドレス管理テーブルを参照し点灯状態のサーバ30の有無を確認する。
【0047】
点灯状態のサーバ30がないとき(ステップ103でNo)、点灯制御部61は、アドレス管理部63を参照して、受け取ったポートの番号に対応し、LED表示灯を点灯する対象となるサーバ30のIPアドレスの情報を取得する(ステップ109)。また、点灯制御部61は、受け取ったポートの番号に対応するアドレステーブルの情報を点灯状態に更新する。
【0048】
アドレステーブルの情報を更新すると、点灯制御部61は、点灯するサーバ30のIPアドレスと、LED表示灯を点灯することを示す制御信号をNIC IF部62に送る。IPアドレスと、LED表示灯を点灯することを示す制御信号を受け取ると、NIC IF部62は、IPアドレスと、LED表示灯を点灯することを示す制御信号によって構成されるフレームをネットワークに送信する(ステップ110)。
【0049】
切替装置10から送信されたフレームは、ネットワークハブ40等を介してIPアドレスで指定されたサーバ30に送られる。
【0050】
LED表示灯を点灯することを示す制御信号を含むフレームを受け取ったサーバ30のNIC31は、受け取った情報をBMC32に送る。BMC32は、受け取った情報がLED表示灯を点灯することを示す制御信号であることを検知すると、識別表示部33のLED表示灯を点灯状態にする(ステップ111)。
【0051】
識別表示部33のLED表示灯が点灯状態になると、作業者は新たに選択したサーバ30がどれであるかを視認することができる。
【0052】
ステップ103で点灯状態のサーバ30があるとき(ステップ103でYes)、点灯制御部61は、点灯状態のサーバ30のIPアドレスを取得する。点灯状態のサーバ30のIPアドレスの情報を取得すると、点灯制御部61は、それまで選択されていたサーバ30のポートの番号に対応するアドレステーブルの情報を消灯状態に更新する。
【0053】
点灯状態のサーバ30のポート番号に対応する情報を消灯状態にすると、点灯制御部61は、アドレス管理部63を参照して新たに受け取ったポートの番号に対応するサーバ30のIPアドレスの情報を取得する(ステップ104)。また、点灯制御部61は、新たに受け取ったポートの番号に対応するアドレステーブルの情報を点灯状態に更新する。
【0054】
消灯するサーバ30と点灯するサーバ30のIPアドレスを取得すると、点灯制御部61は、消灯するサーバ30のIPアドレスと、LED表示灯を消灯することを示す制御信号をNIC IF部62に送る。IPアドレスと、LED表示灯を消灯することを示す制御信号を受け取ると、NIC IF部62は、IPアドレスと、LED表示灯を消灯することを示す制御信号によって構成されるフレームをネットワークに送信する(ステップ105)。
【0055】
消灯することを示す制御信号によって構成されるフレームは、ネットワークハブ40等を介してIPアドレスで指定されたサーバ30に送られる。
【0056】
LED表示灯を消灯することを示す情報を含むフレームを受け取ったサーバ30のNIC31は、受け取った情報をBMC32に送る。BMC32は、受け取った情報がLED表示灯を消灯することを示す制御信号であることを検知すると、識別表示部33のLED表示灯を消灯状態にする(ステップ106)。
【0057】
また、ステップ105においてLED表示灯を消灯することを示す情報を送ると、点灯制御部61は、LED表示灯を点灯するサーバ30のIPアドレスと、LED表示灯を点灯することを示す制御信号をNIC IF部62に送る。IPアドレスと、LED表示灯を点灯することを示す制御信号を受け取ると、NIC IF部62は、IPアドレスと、LED表示灯を点灯することを示す制御信号によって構成されるフレームをネットワークに送信する(ステップ107)。
【0058】
点灯することを示す制御信号によって構成されるフレームは、ネットワークハブ40等を介してIPアドレスで指定されたサーバ30に送られる。
【0059】
LED表示灯を点灯することを示す制御信号を含むフレームを受け取ったサーバ30のNIC31は、受け取った情報をBMC32に送る。BMC32は、受け取った情報がLED表示灯を点灯することを示す制御信号であることを検知すると、識別表示部33のLED表示灯を点灯状態にする(ステップ108)。
【0060】
本実施形態の情報システムにおいて、作業者がサーバ選択部22で既にLED表示灯が点灯しているサーバ30を繰り返し選択した場合には、LED表示灯を消灯するようにししてもよい。そのような構成とした場合には、再度、同じサーバ選択部22が選択された際に、LED表示灯を点灯させるトグル動作でLED表示灯の点灯と消灯を制御することができる。
【0061】
作業者がサーバ選択部22で既にLED表示灯が点灯しているサーバ30を繰り返し選択した場合に、入力信号を無視してLED表示灯の点灯を継続するようにしてもよい。そのような構成とした場合は、例えば、ボタンを長押しした場合にLED表示灯を消灯するような機能を備えることで、作業者がサーバ選択部22の操作を誤った場合に操作対象のサーバ30が切り替わってしまう状態を避けることができる。
【0062】
本実施形態の情報システムにおいて、切替装置10は、スイッチ部52の切り替えが行われ、操作部20と接続されているサーバ30が変更になった場合に、ネットワークを介して識別表示部33のLED表示灯の点灯を要求している。ネットワークを介して自装置のアドレス宛に送られてくるLED表示灯の点灯を要求する制御信号を受け取ったサーバ30が、LED表示灯を点灯することで作業者は、実際にどのサーバ30が選択中なのかを識別することができる。また、本実施形態の情報システムでは、サーバ30が、通常、備えている通信機能等を用いるため、サーバ30に選択されていることを伝えるために新たに複雑な機構を必要としない。その結果、本実施形態の情報システムでは、装置を複雑化することなく、操作対象として選択されているサーバ30を、作業性を低下させることなく容易に識別することが可能になる。
【0063】
第2の実施形態では、サーバ30が接続されているポートと対応するサーバ30のアドレスの関係は、作業者等によってあらかじめアドレス管理部63のアドレステーブルに設定されていた。このような構成に代えて、切替装置10が新たなサーバ30の接続を検知して、自動でポートと対応するサーバ30のアドレスの関係を設定しアドレステーブルを生成できるようにしてもよい。
【0064】
自動でアドレステーブルを生成する構成とする場合には、例えば、制御部51が、操作部20と接続されているサーバ30にIPアドレスの送信を要求するコマンドをスイッチ部52およびサーバIF部53を介して出力する。制御部51は、サーバ30の入力装置の信号線を介してIPアドレスの送信を要求するコマンドを送る。また、制御部51は、ポートの番号を点灯制御部61に送る。自動でアドレステーブルを生成する際に、IPアドレスの送信の要求のコマンド入力は作業者が行ってもよい。
【0065】
点灯制御部61は、サーバ30からネットワークを介して送られてくるIPアドレスをNIC IF部62を介して受信し、制御部51から受け取ったポートの番号と関連付けてアドレス管理部63に保存する。このような構成とする場合には、制御部51は、IPアドレスの送信を要求するコマンドおよびサーバ30に送るシーケンスをあらかじめ保存している。アドレステーブルを自動で生成することで、新たにサーバ30が接続された場合であっても、複雑な作業を必要とすることなく操作対象のサーバ30を識別することが可能になる。
【0066】
第2の実施形態では、LED表示灯の点灯を行うサーバ30と消灯を行うサーバ30にそれぞれ制御信号をそれぞれ送信していたが、点灯を行うサーバ30のIPアドレスと点灯を示す制御信号をブロードキャストで送信するようにしてもよい。そのような構成とした場合には、制御信号を含むフレームを受信したサーバ30のBMC32が、フレーム内に自装置のIPアドレスが指定されているかを確認する。
【0067】
指定されたIPアドレスが自装置である場合には、BMC32は、識別表示部33のLED表示灯を点灯する。また、LED表示灯を点灯中に自装以外のIPアドレスが指定された制御信号を受け取ったときは、BMC32は、LED表示灯を消灯する。LED表示灯を消灯中に自装以外のIPアドレスが指定された制御信号を受け取ったときは、BMC32は受け取った制御信号を破棄する。このような構成とすることで、切替装置20からサーバ30へ1つの制御信号を送るのみでLED表示灯の点灯と消灯を制御することができるので、必要な処理量を低減することができる。また、LED表示灯の点灯を行うサーバ30の指定はIPアドレス以外の識別子を用いて指定してもよい。例えば、LED表示灯の点灯を行うサーバ30を、サーバ30のMAC(Media Access Control)アドレスを用いて指定してもよい。
【0068】
第2の実施形態では、切替装置10で選択されているサーバ30において識別表示部33のLED表示灯の点灯を行っているが、サーバ30の故障表示用のLED表示灯をさらに備えてもよい。例えば、ネットワークに接続された監視装置やサーバ30が、サーバ30の異常を検知したときに、異常が生じたサーバ30のサーバ30の故障表示用のLED表示灯を点灯せるようにしてもよい。また、そのような構成として場合に、ネットワークを介して故障の情報を受信した切替装置10および操作部20のいずれか1つまたは両方に、異常が生じたサーバ30の情報が表示されるにようにしてもよい。そのような構成にすることで、異常が生じたサーバ30とその他のサーバ30のいずれを選択しているかを識別することが容易になり作業性が向上する。また、ネットワークを介して選択されているサーバ30と選択および故障等の情報を管理することで、新たな装置の追加等を必要とせずに選択中や故障等の生じたサーバ30の識別を行うことができるので装置構成を簡略化することができる。