特許第6581007号(P6581007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルプス電気株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000002
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000003
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000004
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000005
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000006
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000007
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000008
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000009
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000010
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000011
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000012
  • 特許6581007-スライド型可変抵抗器 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6581007
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】スライド型可変抵抗器
(51)【国際特許分類】
   H01C 10/00 20060101AFI20190912BHJP
   H01C 10/38 20060101ALI20190912BHJP
   H01C 10/44 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   H01C10/00 B
   H01C10/38 A
   H01C10/44 A
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-25537(P2016-25537)
(22)【出願日】2016年2月15日
(65)【公開番号】特開2017-147250(P2017-147250A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120204
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 巌
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】信濃 正紹
(72)【発明者】
【氏名】川野 博文
(72)【発明者】
【氏名】浅野 昌広
(72)【発明者】
【氏名】下村 尚登
【審査官】 木下 直哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−168527(JP,A)
【文献】 実開昭49−034343(JP,U)
【文献】 実開昭49−089651(JP,U)
【文献】 特開2015−021530(JP,A)
【文献】 特開2011−077316(JP,A)
【文献】 実開昭62−063901(JP,U)
【文献】 実開昭61−009806(JP,U)
【文献】 米国特許第04518369(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 10/38
H01C 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長孔が形成されたケースと、前記長孔から突出する操作部を有すると共に、前記長孔の長手方向に沿ってスライド移動可能に前記ケース内に保持されたスライダと、前記スライダに固定された摺動子と、前記摺動子が摺接する抵抗体パターンが設けられた絶縁基板と、を備えたスライド型可変抵抗器であって、
前記スライダのスライド方向における前記操作部の一側面側には、当該操作部の他側面から遠ざかるような弾性力が作用するカバー部材が取り付けられており、当該弾性力に抗して前記カバー部材が前記操作部に対して前記スライド方向へ移動可能となっている、ことを特徴とするスライド型可変抵抗器。
【請求項2】
前記カバー部材には、前記弾性力を得るための弾性片が一体に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のスライド型可変抵抗器。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記操作部の上面に位置する上面部と、前記操作部の一側面に対向する側壁部と、を有し、前記弾性片は、前記側壁部の下端部からU字状に延びるように形成されており、前記操作部の前記一側面には、前記弾性片の先端部と当接可能な受け部を有した凹部が設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載のスライド型可変抵抗器。
【請求項4】
前記スライド方向と直交する方向における前記操作部の外周には、対向する一対の平坦面が設けられると共に、この平坦面に凸部が設けられており、前記カバー部材には、前記凸部を配置させると共に当該凸部により前記スライド方向に移動可能に案内される切欠き状の一対の案内部が設けられている、ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のスライド型可変抵抗器。
【請求項5】
前記カバー部材が、弾性を有する金属板からなる、ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のスライド型可変抵抗器。
【請求項6】
前記スライダの前記スライド方向と直交する方向における外周の一方の面には、弾性部が設けられていて、
前記ケースの一側面に対する前記弾性部の弾性力が、前記カバー部材の弾性力よりも大きい、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスライド型可変抵抗器。
【請求項7】
前記カバー部材のスライド方向における一側面側の外周面、及び前記操作部の他側面側の外周面が円弧状になっている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のスライド型可変抵抗器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド型可変抵抗器に関し、特に位置検出精度の優れたスライド型可変抵抗器に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどではオートフォーカスによるピント合わせのために、鏡筒部の移動が自動的に行われるように構成されている。この鏡筒部の移動を制御する為にはピントを合わせようとするレンズが設けられた鏡筒部の位置を検出する必要がある。
【0003】
昨今、鏡筒部の位置検出のためにスライド型可変抵抗器が用いられるようになった。スライド型可変抵抗器は、スライド移動可能に配置されたスライダの一部である操作部が鏡筒部の外周に設けられたガイド溝内に挿入された状態で配設される。ガイド溝はガイド溝自身の長手方向が鏡筒部の回転方向に対して斜めになる様に形成され、スライド型可変抵抗器はスライダのスライド移動方向がガイド溝の長手方向に対して斜めになるように配置されている。
【0004】
スライド型可変抵抗器はスライダのスライド移動方向がガイド溝の長手方向に対して斜めになるように配置されているため、操作部がスライド移動方向に対して斜め方向に押圧されることにより、スライダがスライド移動を行なう。スライド型可変抵抗器はスライダの位置に対応した結果を出力することで鏡筒部の位置を検出することができる。
【0005】
従来のスライド型可変抵抗器としては、下記の特許文献1に記載のスライド型可変抵抗器900が知られている。図12を用いて、スライド型可変抵抗器900について説明する。
【0006】
スライド型可変抵抗器900は、一方の面に抵抗体パターン911aと導電体パターン911bとが並んで延設された絶縁基板911と、抵抗体パターン911aおよび導電体パターン911bに摺接する摺動子912と、操作部913bを有し、摺動子912を保持するとともに絶縁基板911の長手方向に沿ってスライド移動可能なスライダ913と、絶縁基板911と離間した状態で対向配置されるとともに長孔914bが設けられた天面914aと天面914aから絶縁基板911側に向かって天面914aの長手方向に沿って設けられた互いに対向する一対の側壁914cとを有するケース914と、を備え、操作部913bが長孔914bに挿通された状態で、スライダ913がスライド移動するスライド型可変抵抗器である。スライダ913には、一方の側壁914cに弾接しスライダ913を他方の側壁914cに圧接させる弾性部913cが設けられている。尚、絶縁基板911は、ケース914と一体化される取付け板916に支持されている。
【0007】
このような構成によって、スライド移動方向に対して斜め方向の操作力を受けて操作された場合でも、位置検出精度の良いスライド型可変抵抗器900を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−168527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
スライド型可変抵抗器900のような構造の場合、このスライド型可変抵抗器900が取り付けられたデジタルカメラ等の電子機器の可動部材を回転移動させることによって、操作部913bを電子機器に設けられたガイド溝内で円滑に移動させるためには、操作部913bとガイド溝との間に、ある程度のクリアランスが必要となる。しかしながら、このクリアランスが必要以上に大きくなると、それがガタツキの原因となり、可動部材の回転位置検出の精度が高められないという課題があった。また、回転位置検出の精度を上げるために、クリアランスを小さくすると、部品寸法のバラツキにより、スライド型可変抵抗器900のスライダ913が駆動しない、もしくは部品が削れる等の不具合が生じる可能性があった。
【0010】
本発明はこのような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、操作部が係合する電子機器のガイド溝と操作部との間のガタツキを低減して、位置検出精度の優れたスライド型可変抵抗器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明のスライド型可変抵抗器は、長孔が形成されたケースと、前記長孔から突出する操作部を有すると共に、前記長孔の長手方向に沿ってスライド移動可能に前記ケース内に保持されたスライダと、前記スライダに固定された摺動子と、前記摺動子が摺接する抵抗体パターンが設けられた絶縁基板と、を備えたスライド型可変抵抗器であって、前記スライダのスライド方向における前記操作部の一側面側には、当該操作部の他側面から遠ざかるような弾性力が作用するカバー部材が取り付けられており、当該弾性力に抗して前記カバー部材が前記操作部に対して前記スライド方向へ移動可能となっている、という特徴を有する。
【0012】
このように構成されたスライド型可変抵抗器は、カバー部材が操作部の他側面から遠ざかるような弾性力を受けた状態で、カバー部材を操作部に対してスライド方向に変位させることができる。そのため、操作部が係合する電子機器のガイド溝と操作部との間のガタツキを低減して、位置検出精度の優れたスライド型可変抵抗器を提供することができる。
【0013】
また、上記の構成において、前記カバー部材には、前記弾性力を得るための弾性片が一体に設けられている、という特徴を有する。
【0014】
このように構成されたスライド型可変抵抗器は、弾性片がカバー部材に一体に設けられているので、別途弾性部材を設ける必要がなく、生産性が良い。また、弾性部材が脱落して長孔内に入るという不具合を生じることがない。
【0015】
また、上記の構成において、前記カバー部材は、前記操作部の上面に位置する上面部と、前記操作部の一側面に対向する側壁部と、を有し、前記弾性片は、前記側壁部の下端部からU字状に延びるように形成されており、前記操作部の前記一側面には、前記弾性片の先端部と当接可能な受け部を有した凹部が設けられている、という特徴を有する。
【0016】
このように構成されたスライド型可変抵抗器は、カバー部材の上面部を操作部に載置するように取り付ける際、弾性片がU字状に形成されているので、操作部の凹部には弾性片の先端部側ではなく、弾性片の下側にある曲面側から入ることになるので、弾性片を変形させることを防止することができる。また、弾性片をU字状に形成しているので、ばねスパンを長くでき、良好な弾性を得ることができる。また、操作部には、弾性片が配置される凹部が設けられているので、弾性片をU字状に形成しても、カバー部材が取り付けられた操作部が大きくなることを抑制することができる。
【0017】
また、上記の構成において、前記スライド方向と直交する方向における前記操作部の外周には、対向する一対の平坦面が設けられると共に、この平坦面に凸部が設けられており、前記カバー部材には、前記凸部を配置させると共に当該凸部により前記スライド方向に移動可能に案内される切欠き状の一対の案内部が設けられている、という特徴を有する。
【0018】
このように構成されたスライド型可変抵抗器は、操作部の外周に設けられた凸部を有する一対の平坦面とカバー部材に設けられた案内部とにより、カバー部材をスライド方向へ円滑に移動させることができる。
【0019】
また、上記の構成において、前記カバー部材が、弾性を有する金属板からなる、という特徴を有する。
【0020】
このように構成されたスライド型可変抵抗器は、カバー部材が金属板により構成されているので、板厚が薄くても強度を確保することができ、カバー部材が取り付けられた操作部が大きくなることを回避できる。
【0021】
また、上記の構成において、前記スライダの前記スライド方向と直交する方向における外周の一方の面には、弾性部が設けられていて、前記ケースの一側面に対する前記弾性部の弾性力が、前記カバー部材の弾性力よりも大きい、という特徴を有する。
【0022】
このように構成されたスライド型可変抵抗器は、カバー部材の弾性力をケースの一側面に対するスライダの弾性部の弾性力よりも小さく設定したので、スライダの弾性部による弾性力の効果を弱めることがない。
【0023】
また、上記の構成において、前記カバー部材のスライド方向における一側面側の外周面、及び前記操作部の他側面側の外周面が円弧状になっている、という特徴を有する。
【0024】
このように構成されたスライド型可変抵抗器は、操作部が挿入されるガイド溝の角度が変わっても、操作部をその角度の変化に対応させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のスライド型可変抵抗器は、カバー部材が操作部の他側面から遠ざかるような弾性力を受けた状態で、カバー部材を操作部に対して変位させることができる。そのため、操作部が係合する電子機器のガイド溝と操作部との間のガタツキを低減して、位置検出精度の優れたスライド型可変抵抗器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態におけるスライド型可変抵抗器を構成する各部材を示す分解斜視図である。
図2】スライド型可変抵抗器の外観を示す斜視図である。
図3】スライド型可変抵抗器の平面図と正面図である。
図4】絶縁基板の構造を示す斜視図である。
図5】摺動子が取り付けられたスライダを示す斜視図である。
図6】絶縁基板にスライダが載置された状態を示す斜視図である。
図7】スライド型可変抵抗器の使用方法の一例を示す模式図である。
図8】カバー部材の構造を示す斜視図である。
図9】スライダの構造を示す斜視図である。
図10】スライド型可変抵抗器の断面図である。
図11】カバー部材が取り付けられたスライダの構造を示す斜視図である。
図12】従来例に係るスライド型可変抵抗器の構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[実施形態]
以下、本発明のスライド型可変抵抗器100の実施形態について図面を参照しながら説明する。スライド型可変抵抗器100は、スライド型可変抵抗器100自身が取り付けられたデジタルカメラ等の電子機器の可動部材を回転移動させることによって、操作部5が当該電子機器に設けられたガイド溝内で移動可能となるように構成されたスライド型可変抵抗器である。スライド型可変抵抗器100からの出力結果によって操作部5の位置、即ち、電子機器の可動部材の回転移動位置を検出することができる。尚、本発明のスライド型可変抵抗器100の用途はこれに限定されず、例えば、直線的に移動する可動部材の位置検出に用いることもできる。また、本明細書では、特に断りの無い限り、各図面の+X側を右側、−X側を左側、+Y側を後側、−Y側を前側、+Z側を上側、−Z側を下側として説明する。
【0028】
最初に、図1乃至図6を参照して、スライド型可変抵抗器100の全体構成及び各構成部材について簡単に説明する。図1は、スライド型可変抵抗器100を構成する各部材を示す分解斜視図であり、図2は、スライド型可変抵抗器100の外観を示した斜視図である。図3は、図3(a)がスライド型可変抵抗器100の平面図であり、図3(b)がスライド型可変抵抗器100の正面図である。また、図4は、絶縁基板11の構造を示す斜視図であり、図5は、摺動子12が取り付けられた状態のスライダ13を、下側から見た状態を示す斜視図である。また、図6は、絶縁基板11にスライダ13が載置された状態を示す斜視図である。尚、図4及び図6において、抵抗体パターン11aには、導電体パターン11bとの差を明確にするため、ハッチングを施している。
【0029】
図1に示すように、スライド型可変抵抗器100は、絶縁基板11と、端子15と、摺動子12と、スライダ13と、ケース14と、カバー部材7と、取付け板16と、を備えて構成されている。
【0030】
図2図3(a)及び図3(b)に示すように、ケース14は、抜き加工および曲げ加工された金属板からなり、矩形状の天面14aと天面14aに対して垂直方向に向かって天面14aの長手方向に沿って設けられた互いに対向する一対の側壁14cとを有する。天面14aには天面14aの長手方向に沿って開口した長孔14bが設けられている。
【0031】
ケース14には絶縁性を有した板材から形成された絶縁基板11が取り付けられている。絶縁基板11には、図4に示すように、上側の面に抵抗体パターン11aと導電体パターン11bとが並んだ状態で延設されている。抵抗体パターン11aは、所定の抵抗値を有するカーボン等の抵抗体が絶縁基板11上に印刷又は塗布されて形成され、導電体パターン11bは、銀等の導電性の良い金属粒子を含有した塗膜が絶縁基板11上に印刷又は塗布されて形成されている。
【0032】
また、絶縁基板11には図4に示すように、抵抗体パターン11a及び導電体パターン11bに接続された複数(本実施形態では3本)の端子15が取り付けられている。端子15は、図3(b)に示すように、絞り加工および曲げ加工された導電性を有した金属材料からなり、位置検出結果を出力するために、位置検出を行う必要のある電子機器(図示せず)に接続される。
【0033】
取付け板16は、抜き加工および曲げ加工された金属板からなり、略長方形状に形成されている。図2及び図3(b)に示すように、取付け板16上に絶縁基板11が重ねて配設され、絶縁基板11、ケース14、及び取付け板16が一体になるように、取付け板16にケース14の係止片が折り曲げられて係止されることでスライド型可変抵抗器100が形成される。スライド型可変抵抗器100は、取付け板16によってデジタルカメラ等の電子機器に取り付けられる。
【0034】
スライド型可変抵抗器100は、長孔14bの長手方向に沿ってスライド移動可能にケース14内に保持されたスライダ13を有している。スライダ13は、合成樹脂材料からなり、図5に示すように、基台部13aが略直方体形状に形成されている。スライダ13の基台部13aの下側の面(−Z面)に摺動子12が保持されていると共に、基台部13aの上側の面(+Z面)には図6に示すように、外部からの操作を受ける操作部5が略円柱状に突出して形成されている。操作部5には、操作部5を覆うように、カバー部材7が取り付けられている。スライダ13は、図6に示すように、絶縁基板11の抵抗体パターン11a及び導電体パターン11bが形成されている側に配置される。
【0035】
摺動子12は、図5に示すように、抜き加工および曲げ加工された金属の薄板からなり、スライダ13に取り付けられる基部12aと、基部12aから片持ち梁状に延出され先端が二股に分割された一対の摺接片12bと、を備えている。摺接片12bの先端において円弧状に腕曲している部分が、絶縁基板11に設けられた抵抗体パターン11a又は導電体パターン11bと摺接する当接部となっている。
【0036】
次に、図7を参照して、スライド型可変抵抗器100の使用方法の一例について説明する。図7は、スライド型可変抵抗器100の使用方法の一例を示す模式図である。図7(a)は、その初期状態を示す模式図であり、図7(b)は、その操作中の状態を示す模式図である。尚、図7(a)及び図7(b)において、GDは、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの鏡筒部(図示せず)に設けられたガイド溝である。
【0037】
図7(a)及び図7(b)に示すように、スライド型可変抵抗器100はスライド移動可能に配置されたスライダ13の一部である操作部5を鏡筒部の外周に設けられたガイド溝GD内に挿入した状態で配置される。一般的に、鏡筒部に設けられるガイド溝は、ガイド溝の長手方向が鏡筒部の回転方向に対して斜めになる様に形成される。スライド型可変抵抗器100では、スライダ13のスライド移動方向がガイド溝GDの長手方向に対して斜めになるように配置される。
【0038】
スライド型可変抵抗器100では、スライダ13のスライド移動方向がガイド溝GDの長手方向に対して斜めになるように配置されているため、鏡筒部の回転に連動して操作部5がガイド溝GDによりスライド移動方向に対して斜め方向に押圧され、スライダ13はスライド移動を行なう。
【0039】
スライド型可変抵抗器100はスライダ13の位置に対応した出力電圧を出力することで鏡筒部の位置を検出することができる。スライダ13は、ケース14の長孔14bから操作部5を外方に突出させ、図5で示した摺動子12の一方の摺動片12bを図6で示した抵抗体パターン11aに当接させた状態でケース14と絶縁基板11との間にケース14の長手方向にスライド移動可能に配置されている。
【0040】
図7(a)に示す初期状態から鏡筒部が回転し、図7(b)に示すようにガイド溝GDが矢印Y方向に移動すると、操作部5はガイド溝GDとの当接位置を変えながら矢印X方向へスライド移動を行い、スライド移動に伴って出力電圧を変化させる。
【0041】
また、スライダ13は、例えばガイド溝GDのような、モータなどを動力源として動作する構成部品の動きに連動して動作する。そのため、スライダ13を弱い動力でもスムーズに動作させることができるように、スライダ13をケース14との接触面積が大きくならないような外形形状に形成して作動力を軽くしている。このようにスライダ13を形成することで、スライダ13はスムーズに動作して位置検出を実現することができる。
【0042】
次に、図6及び図8乃至図11を参照して、スライド型可変抵抗器100の操作部5、カバー部材7及びスライダ13の構造について詳細に説明する。図8は、カバー部材7の構造を示す斜視図であり、図9は、スライダ13の構造を示す斜視図である。図10は、図3(a)のA−A線から見たスライド型可変抵抗器100の断面図である。また、図11は、カバー部材7が操作部5に取り付けられた状態のスライダ13の構造を示す斜視図である。
【0043】
スライド型可変抵抗器100を操作するには、操作部5を長孔14bの長手方向に沿って、即ち図6及び図10に示すスライド方向D1に沿ってスライド移動させる。そのことによって、図6及び図10に示すように、スライダ13に固定された摺動子12が抵抗体パターン11a上及び導電体パターン11b上を摺動することになる。スライダ13のスライド移動に伴って抵抗体パターン11aおよび導電体パターン11bと摺動子12(摺動片12b)との当接位置が変化することで抵抗値が変化する。図4で示した3つの端子15の内の、抵抗体パターン11aの両端にそれぞれ導通する2つの端子間に電子機器から電圧を印加し、他の1つの端子から分圧された電圧を出力させることができる。
【0044】
カバー部材7は、弾性を有する金属板からなり、図8に示すように、スライダ13の操作部5の上面に配置される上面部7bと、操作部5の一側面(−X側の面)に対向する円弧板状の側壁部7cと、操作部5の一側面(−X側の面)に対して直角の方向に設けられた一対の平板状の側壁部7gと、を有している。また、カバー部材7には、弾性片7aが一体に設けられている。弾性片7aは、側壁部7cの下端部から、カバー部材7の中央の方向に、U字状に延びるように形成されており、弾性片7aの先端部7fは、上面部7bとの間に所定の距離を隔てている。更に、カバー部材7のスライド方向D1における一側面側の外周面7eは、+Z側からの平面視においてその形状が円弧状になっている。
【0045】
操作部5の一側面(−X側の面)には、図9に示すように、凹部5aが設けられている。凹部5aは、所定の切り幅を有して、操作部5の一側面(−X側の面)から略円筒形状をした操作部5の中央まで切り込まれて形成されている。凹部5aを形成している凹部5aの+X側にある面は、表面が平坦な受け部5bとなっており、弾性片7aと当接可能となっている。
【0046】
また、図9に示すように、スライド方向D1と直交する方向における操作部5の外周には、対向する一対の平坦面5cが設けられていると共に、この平坦面5cの一側面側(−X側)の端部に凸部5dが設けられている。尚、凸部5dの上部には傾斜が付けられている。そして、カバー部材7の当該凸部5dに対応した位置には、図8に示すように、一対の案内部7dが設けられている。案内部7dは、一対の側壁部7gの一側面側(−X側)が切り欠かれた切欠き状となっており、操作部5に設けられた凸部5dを配置させるように構成されている。更に、操作部5の他側面側(+X側の面)の外周面5eは、+Z側からの平面視においてその形状が円弧状になっている。
【0047】
図10に示すように、スライダ13のスライド方向D1における操作部5の一側面側(−X側)には、操作部5の他側面(+X側)から遠ざかるような弾性力が作用するカバー部材7が取り付けられる。カバー部材7は、操作部5の上方から弾性片7aが操作部5の凹部5a内に差し込まれた後に、上面部7bが操作部5上に載置されるように取り付けられる。図8に示したカバー部材7の+Y側及び−Y側にある側壁部7gは、カバー部材7が上方から操作部5に取り付けられる時、操作部5の凸部5dの上部に設けられた傾斜を乗り越えて、操作部5に取り付けられる。その結果、図11に示すように、操作部5に設けられた凸部5dがカバー部材7の案内部7dに配置され、操作部5の凸部5dによりカバー部材7がスライド方向D1に移動可能に案内されることになる。
【0048】
カバー部材7が操作部5に取り付けられた後、弾性片7aは、操作部5の受け部5bに当接する。その結果、カバー部材7には、操作部5の他側面(+X側)から遠ざかるような弾性力が作用し、その弾性力に抗して、カバー部材7が操作部5に対してスライド方向D1へ移動可能となる。
【0049】
スライド型可変抵抗器100が取り付けられたデジタルカメラ等の電子機器に設けられた、図7で示したガイド溝GD内にカバー部材7が取り付けられている操作部5が挿入され、操作部5がガイド溝GD内を移動する。そのため、カバー部材7のスライド方向D1における一側面側の外周面7e及び操作部5の他側面側の外周面5eがガイド溝GDに当接する。このカバー部材7の外周面7e及び操作部5の外周面5eは、前述したように、円弧状になっているため、ガイド溝GDの角度が変化しても、操作部5及びカバー部材7をその角度の変化に対応させることができる。
【0050】
また、図9に示すように、スライダ13のスライド方向D1と直交する方向における、基台部13aの外周の一方の面(本実施形態では−Y側の面)のみに、両持ち梁状に形成された弾性部13bが設けられている。弾性部13bは弾性を有する弾性腕部13d及び突出部13cからなり、弾性腕部13dの両端が基台部13aに連結されている。突出部13cは、弾性腕部13dの中央部に基台部13aから離れる方向へ突出するように形成されている。突出部13cは、図2で示したケース14の側壁14cに弾接するように配設される。尚、弾性部13bは、基台部13aの外周の−Y側の面ではなく、+Y側の面に設けられても良い。
【0051】
スライダ13に弾性部13bを設けることにより、スライダ13がケース14の側壁14cの内の一方に弾接すると共に、側壁14cの内の他方に圧接させることができる。その結果、スライダ13とケース14との間の不要な隙間をなくすことができる。これによりスライダ13をスライド移動させたときのガタツキを防止し、摺動子12と抵抗体パターン11aとの当接位置のバラツキを小さくすることができて、精度の良い位置検出が可能となる。
【0052】
尚、ケース14の一側面に対するスライダ13の弾性部13bの弾性力は、操作部5に取り付けられたカバー部材7の弾性力よりも大きくなるように設定されている。
【0053】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0054】
スライド型可変抵抗器100は、カバー部材7が操作部5の他側面から遠ざかるような弾性力を受けた状態で、カバー部材7を操作部5に対してスライド方向D1に変位させることができる。そのため、操作部5が係合する電子機器のガイド溝GDと操作部5との間のガタツキを低減することができ、位置検出精度の優れたスライド型可変抵抗器100を提供することができる。
【0055】
また、弾性片7aがカバー部材7に一体に設けられているので、別途弾性部材を設ける必要がなく、生産性が良い。また、弾性部材が脱落してケース14の長孔14b内に入るという不具合を生じることがない。
【0056】
また、カバー部材7の上面部7bを操作部5に載置するように取り付ける際、弾性片7aがU字状に形成されているので、操作部5の凹部5aには弾性片7aの先端部7f側ではなく、弾性片7aの下側にある曲面側から入ることになるので、弾性片7aを変形させることを防止することができる。また、弾性片7aをU字状に形成しているので、ばねスパンを長くでき、良好な弾性を得ることができる。また、操作部5には、弾性片7aが配置される凹部5aが設けられているので、弾性片7aをU字状に形成しても、カバー部材7が取り付けられた操作部5が大きくなることを抑制することができる。
【0057】
また、操作部5の外周に設けられた凸部5dを有する一対の平坦面5cとカバー部材7に設けられた案内部7dとにより、カバー部材7をスライド方向D1へ円滑に移動させることができる。
【0058】
また、カバー部材7が金属板により構成されているので、板厚が薄くても強度を確保することができ、カバー部材7が取り付けられた操作部5が大きくなることを回避できる。
【0059】
また、カバー部材7の弾性力をケース14の一側面に対するスライダ13の弾性部13bの弾性力よりも小さく設定したので、スライダ13の弾性部13bによる弾性力の効果を弱めることがない。
【0060】
また、電子機器のガイド溝GDへ当接するカバー部材7の外周面7e及び操作部5の外周面5eが円弧状になっているので、操作部5が挿入されるガイド溝GDの角度が変わっても、操作部5をその角度の変化に対応させることができる。
【0061】
以上説明したように、本発明のスライド型可変抵抗器は、カバー部材が操作部の他側面から遠ざかるような弾性力を受けた状態で、カバー部材を操作部に対してスライド方向に変位させることができる。そのため、操作部が係合する部材と操作部との間のガタツキを低減して、位置検出精度の優れたスライド型可変抵抗器を提供することができる。
【0062】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
5 操作部
5a 凹部
5b 受け部
5c 平坦面
5d 凸部
5e 外周面
7 カバー部材
7a 弾性片
7b 上面部
7c 側壁部
7d 案内部
7e 外周面
7f 先端部
7g 側壁部
11 絶縁基板
11a 抵抗体パターン
11b 導電体パターン
12 摺動子
12a 基部
12b 摺接片
13 スライダ
13a 基台部
13b 弾性部
13c 突出部
13d 弾性腕部
14 ケース
14a 天面
14b 長孔
14c 側壁
15 端子
16 取付け板
100 スライド型可変抵抗器
D1 スライド方向
GD ガイド溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12