(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
液晶装置は、
図1に示す構成の一例である断面模式図のように、液晶装置31として、一般的に、液晶、配向膜、透明電極などよりなる、液晶層を挟持する一対のガラス製の透明の基板からなる液晶セル32の表面に、粘着層3を介して貼り付けられたCF側(colo
r filter
側)偏光板1と、TFT側(thin film transistor
側)偏光板2を有している。
該液晶セル表面に偏光板1、2を貼り付ける際には、液晶セル32の光学軸(液晶の分子軸)方向と、各偏光板1,2の光学軸(透過軸あるいは吸収軸)方向とを、所定の光学設計条件位置に合わせて貼り付ける必要がある。具体的には
図1の場合、液晶セル32は、配向方向が異なる2つの配向膜で液晶分子が90°ねじれる状態とした上で、CF側偏光板1と、TFT側偏光板2とが、各近傍の液晶セル32の配向膜の液晶の分子軸と同方向で、かつ、各偏光板
光学軸が、互いに90度ずれるようにして貼り付ける。
ここで該各偏光板の光学軸が、光学設計条件からずれた状態で貼り付けられてしまった場合、所望の光学特性が得られず、表示品質の低下を招くおそれがあった。
【0003】
そこで、特許文献1では、偏光板を、その光学軸方向に合わせて外形カットしておき、その偏光板の外形(頂角や辺)と、基板に設けられたアライメント用のマークとを基準として、偏光板を貼り合せる技術が開示されている。
【0004】
さらに特許文献2、または特許文献3では、光学軸の角度が既知のマスター偏光子(あるいはマスター偏光板)を基準として、液晶セルの光学軸や偏光板の光学軸を検出し、これに基づいて液晶セルと偏光板との光学設計条件位置に合わせて貼り付ける技術が開示されている。
これら光学設計条件に位置合わせする具体的な方法としては、マスター偏光子と液晶セルと偏光板に光照射を行い、透過する光の強度を計測することにより、光強度が最小または最大となるように液晶セルと偏光板との相対的な位置を調整することにより、行われている。
【0005】
ここで、上記偏光板は外観部品であり、液晶装置の製造過程で、その表面が損傷や汚損されないように、通常保護フィルムで覆われている。また、偏光板を液晶セルに貼り付けるための粘着層を有しているため、該粘着層を保護する離型フィルムも有しているが、特許文献4では、偏光板(基体フィルム)の一方の面に保護フィルムと、他方の面に粘着層と、さらに該粘着層を覆う離型フィルムと、を備え、該保護フィルムと、該離型フィルムのうち少なくとも一方の、液晶層と平面的に重なる平面領域の特定箇所に、光学的に偏光板と等方である部分としての開口部を選択的に設け、開口部を透過するように光照射を行うことで、液晶セルと偏光板との相対的な位置を精度よく調整可能となる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記技術には以下の課題がある。まず特許文献1では、偏光板自体を、該偏光板の光学軸に合わせて外形カットしなくてはならないため、偏光板形状が制限されてしまう、という課題があった。
また特許文献1〜
4で偏光板に使用される、保護フィルムや離型フィルムは、液晶装置の製造過程で最終的には除去されてしまうものの、一般的にプラスチック樹脂材料を、加圧成形や押し出し成形などの方法を用いてフィルム化しているため、必ずしも光学的に等方ではなく、材料の分子方向が特定の方向に揃った光学異方性を有している場合がある。
したがって、偏光板を液晶セルの表面に貼り付けるにあたり、上記光照射による光学設計条件位置合わせ方法を用いると、光強度が最小または最大となるという液晶セルと偏光板との相対的な位置を、高精度に特定し難いという課題があった。
また特許文献4では、保護フィルムと、離型フィルムのうち少なくとも一方の、液晶層と平面的に重なる平面領域の特定箇所に、開口部を選択的に設けることで、各フィルム自体が有する光学異方性の影響を受けずに位置調整をすることが可能であるものの、保護フィルムまたは離型フィルムの、部分的に偏光板上となる位置に開口部を設ける必要があるため、偏光板上の該開口部箇所の偏光板が露出してしまうため、偏光板の保護が完全ではなくなり、さらに特許文献2〜4では、光照射により、液晶セルと偏光板との光学設計条件位置調整を行う必要があるため、そのための工程が必要であり、かつ、それにより、コスト的にも費用がかかるという課題があった。
そこで本発明の目的は、偏光板を、光学軸方向に合わせた外形カットを必要とせずとも、目視のみで、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置把握を容易とすることができる、液晶装置用偏光体およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、液晶装置用偏光体に、光学異方性を示す光学軸を有する少なくとも1枚の偏光板と、該偏光板の一方の面を覆う保護フィルムと、該偏光板の他方の面を覆うように設けられた粘着層と、該粘着層を覆う離型フィルムとを具備させた際、該保護フィルムまたは該離型フィルムのいずれか1つを、該偏光板よりも大きい面積とし、該偏光板よりも大きい面積を有する保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板形状外表面に、目視で確認可能な、該偏
光体を、液晶セル表面貼り付けの際の該偏光
板配置を示す加工を施しておけば、偏光板の光学軸方向に合わせた外形カットを必要とせずとも、目視のみで、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置把握を容易とすることができることを見出し、以下に示す適用例として、本発明を完成することに至った。
【0009】
[適用例1]
本適用例の液晶装置用偏光体は、液晶層が挟持された一対の基板からなる液晶セルの少なくとも一方の表面に貼り付けられる液晶装置用偏光体であって、該偏光体は、光学異方性を示す光学軸を有する少なくとも1枚の偏光板と、該偏光板の一方の面を覆う保護フィルムと、該偏光板の他方の面を覆うように設けられた粘着層と、該粘着層を覆う離型フィルムとを具備し、該保護フィルムまたは該離型フィルムのいずれか1つは、該偏光板よりも大きい面積を有しており、該偏光板よりも大きい面積を有する保護フィルムまたは離型フィルムは、偏光板形状外表面に、該偏光体を、該液晶セル表面に貼り付ける際の該偏光板配置を示す加工が付加していることを特徴とする。
この構成によれば、偏光体の保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板よりも大きい面積箇所である偏光版形状外表面に、液晶層が挟持された一対の基板からなる液晶セルの少なくとも一方の表面に偏光体を貼り付ける際の偏光板配置を示す加工を、偏光板自体に影響を与えることなく付加しているため、偏光板を、光学軸方向に合わせた外形カットを必要とせずとも、目視のみで、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置把握を容易とすることができる。
【0010】
[適用例2]
上記適用例の液晶装置用偏光体において、前記加工が、形状加工であることを特徴とする。
この構成によれば、偏光体における加工が、形状加工によるものであるため、視認性良く、目視のみで、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置把握を容易とすることができる。
【0011】
[適用例3]
上記適用例の液晶装置用偏光体において、前記偏光板よりも大きい面積を有する保護フィルムまたは離型フィルムの一辺が、前記偏光板の光学軸方向と平行な形状を有することを特徴とする。
この構成によれば、偏光体における保護フィルムまたは離型フィルムの一辺が、偏光板の光学軸方向と平行な形状を有するため、目視のみで、偏光板の光学軸方向を把握することができ、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置把握を容易とすることができる。
【0012】
[適用例4]
上記適用例の液晶装置用偏光体において、少なくとも、前記偏光板の一辺と、前記基板の一辺とが、互いに平行な形状であることを特徴とする。
この構成によれば、偏光体における偏光板の一辺と、液晶セルの基板の一辺とが、互いに平行であるため、それぞれの一辺を、液晶層が挟持された一対の基板からなる液晶セルの少なくとも一方の表面に偏光体を貼り付ける際の基準辺とすることができ、偏光板配置把握を容易とすることができる。
【0013】
[適用例5]
上記適用例の液晶装置用偏光体において、前記偏光板が、正多角形形状であることを特徴とする。
この構成によれば、偏光体における偏光板が正多角形状であることにより、液晶層が挟持された一対の基板からなる液晶セルの少なくとも一方の表面に偏光体を貼り付ける際の基準辺とすることができ、偏光板配置把握を容易とすることができる。
【0014】
[適用例6]
上記適用例の液晶装置用偏光体において、前記偏光板が、円形状であることを特徴とする。
この構成によれば、偏光体における偏光板が円形状でありながら、目視のみで、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置把握を容易とすることができる。
【0015】
[適用例7]
本適用例の液晶装置用偏光体の製造方法は、
液晶層が挟持された一対の基板からなる液晶セルの少なくとも一方の表面に貼り付けられる液晶装置用偏光体の製造方法であって、該偏光体は、光学異方性を示す光学軸を有する少なくとも1枚の偏光板と、該偏光板の一方の面を覆う保護フィルムと、該偏光板の他方の面を覆うように設けられた粘着層と、該粘着層を覆う離型フィルムとを具備し、偏光原板から、所定形状の偏光体原板を形成する工程と、該偏光体原板の保護フィルムまたは離型フィルムのいずれか1つが、偏光板よりも大きい面積を有し、かつ、該大きい面積を有する保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板形状外表面に、該偏光体を、該液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示すよう、加工を施し、所定形状の偏光体を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、
偏光体原板の保護フィルムまたは離型フィルムのいずれか1つが、偏光板よりも大きい面積を有
し、かつ、偏光体原板の保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板形状外表面となる箇所に対し、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示すよう、加工を施すので、偏光板に影響を与えずに加工でき、所望の加工が施された偏光体を歩留まりよく製造することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明における液晶装置用偏光体は、該偏光体が、光学異方性を示す光学軸を有する少なくとも1枚の偏光板と、該偏光板の一方の面を覆う保護フィルムと、該偏光板の他方の面を覆うように設けられた粘着層と、該粘着層を覆う離型フィルムとを具備し、該保護フィルムまたは該離型フィルムのいずれか1つは、該偏光板よりも大きい面積を有しており、該偏光板よりも大きい面積を有する保護フィルムまたは離型フィルムは、偏光板形状外表面に、該偏光体を、該液晶セル表面に貼り付ける際の該偏光板配置を示す加工が付加しているため、偏光体の保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板よりも大きい面積箇所である偏光
板形状外表面に、液晶層が挟持された一対の基板からなる液晶セルの少なくとも一方の表面に偏光体を貼り付ける際の偏光板配置を示す加工を、偏光板自体に影響を与えることなく付加しているため、偏光板を、光学軸方向に合わせた外形カットを必要とせずとも、目視のみで、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置把握を容易とすることができる有用なものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明を具体化した実施形態について、図面に従って詳細に説明するが、本発明は明細書に記載された具体例に基づき限定的に解釈されるものではない。
なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるよう、適宜拡大または縮小して表示している。
【0019】
本実施形態は、液晶層が挟持された一対の基板からなる液晶セルの少なくとも一方の表面に貼り付けられる液晶装置用偏光体およびその製造方法に関して説明する。
【0020】
<偏光体>
まず、液晶装置用偏光体について、
図2を参照して説明する。
図2は、本発明に係る液晶装置用偏光体積層構成の一例を示す斜視図である。なお本発明では、保護フィルムまたは離型フィルムのいずれか1つは、偏光板よりも大きい面積を有しているが、ここでは積層構成のみを示し、面積の大きさに関しては図示しない。
【0021】
図2に示すように、液晶装置用偏光体20は、複数の光学機能性フィルムが積層されており、例えば、光学異方性を示す光学軸を有する偏光板10に、偏光板の一方の表面を覆う保護フィルム4と、偏光板の他方の面を覆うように設けられた粘着層3と、該粘着層を覆う離型フィルム5とを備えたものが挙げられる。
さらに偏光板10は、偏光子である偏光フィルム6と、これを両面から支持する支持フィルム7とからなる。
【0022】
上記偏光フィルムは、自然光、すなわち非偏光な光線から、ある一方向の直線偏光を選択的に透過する機能を有するものであれば、種々のものが使用でき、例えば、1軸または2軸延伸されたポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着、配向させたヨウ素系偏光フィルム、該ポリビニルアルコール系フィルムに二色性の染料を吸着、配向させた染料系偏光フィルムなどを挙げることができる。
これら、ヨウ素系偏光フィルム、染料系偏光フィルムなどは、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を吸収する機能を有するもので、吸収型偏光板と呼ばれている。
該ヨウ素系偏光フィルム、および染料系偏光フィルムは、通常、その片面または両面に、偏光フィルム単独では、水分や酸素などの影響を受けて偏光機能が低下するのを防止するため、光学的に等方で高い透明性と耐久性とを兼ね備えた支持フィルム、例えばトリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロースアセテート樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリアリレート樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン樹脂フィルム、ノルボルネンのような環状オレフィンをモノマーとする環状ポリオレフィン樹脂フィルムなどを支持フィルムとして設け、偏光板としている。また支持フィルムを偏光フィルムに設ける方法としては、例えばポリビニアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤などを用いることなどができる。
なお、本発明では該支持フィルムが、偏光フィルムの片面または両面のどちらにあっても構わないが、本実施形態では、偏光フィルム表面の保護の為、偏光フィルムの両面に支持フィルムを有する構成を、偏光板として使用する。
本発明に用いる偏光板は、前述した吸収型偏光板だけではなく、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過し、もう一方向の直線偏光を反射または散乱する機能を有する反射型偏光板や、散乱型偏光板と呼ばれているものを使用しても構わない。
すなわち、本発明で使用可能な偏光板は、必ずしも上記偏光板によって限定されるものではなく、自然光からある一方向の直線偏光を選択的に透過する機能を有するものであればよい。
【0023】
上記保護フィルムは、偏光板の損傷や汚染を防止するために設けられるものであるが、樹脂材料を加圧成形や押し出し成形などの方法を行うことにより加工され、さらに所定の厚みを有するフィルムとするため、1軸または2軸延伸されたものを用いることができる。中でも自己粘着タイプとしては、ポリエステルフィルムが好適に用いられるが、偏光板の表面に、表面反射を防止するためのアンチグレア処理などが施されている場合には、粘着処理が施されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが用いられることがあり、その際には、共押出しなど、公知の技術を採用することができる。
【0024】
上記粘着層は、ガラスなどの基板の表面に偏光板を貼り付けることを想定して、アクリル系粘着材が好適に用いられるが、偏光板の光学特性に影響を与えない、一般的に感圧接着剤と呼ばれるものであれば、何でもよい。
具体的には
、(メタ)アクリレート系、オキセタン系、スチレンブタジエンゴム系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコーンゴム系、ポリイソプレン系、ポリブテン系、ポリビニルエーテル系、アクリル樹脂系、ポリエステル系等などが挙げられる。
なお、粘着剤の塗布手段は特に限定されず、ロールコーティング法、またはグラビアコーティング法などを含めた、公知の塗布技術を採用することができ、または、あらかじめ粘着層を、互いに剥離力の異なるセパレーター同士で挟んだ、ノンキャリアタイプの粘着層を、偏光板に貼合させることでも、形成することができる。
【0025】
上記離型フィルムは、粘着層を保護するものであって、偏光板を基板などの被着体に貼り付ける前に除去されるものであるが、樹脂材料を加圧成形や押し出し成形などの方法を行うことにより加工され、さらに所定の厚みを有するフィルムとするため、1軸または2軸延伸されたものを用いることができる。中でも、離型処理が施されたタイプとしては、PETフィルムが好適に用いられている。
また、上記ノンキャリアタイプの粘着層を使用する場合には、セパレーターの一方として、適用することもできる。
【0026】
なお、本発明に用いられる液晶装置用偏光体においては、偏光板表面上に、他の光学機能層を設けることが可能である。他の光学機能層の例としては、位相差フィルム、異方性光拡散フィルム、輝度上昇フィルムなどを挙げることができる。
さらに粘着層に機能性を付与するため、微粒子を添加し、拡散性を有した粘着層としたり、色補正のための染料を添加した色補正粘着層とするなどの調整も可能である。
これら他の光学機能層の設置および粘着層の機能性付与に関しては、複数の機能性を同時に付与させることも可能であり、公知の技術を組み合わせて用いることができる。
【0027】
なお、本発明における液晶装置用偏光体は、光学異方性を示す光学軸を有する少なくとも1枚の偏光板と、該偏光板の一方の面を覆う保護フィルムと、該偏光板の他方の面を覆うように設けられた粘着層と、該粘着層を覆う離型フィルムとを具備し、該保護フィルムまたは該離型フィルムのいずれか1つは、該偏光板よりも大きい面積を有しており、該偏光板よりも大きい面積を有する保護フィルムまたは離型フィルムは、偏光板形状外表面に、該偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の該偏光板配置を示す加工が付加しているが、該偏光板配置を示す加工に関しては、以下続く製造方法説明内にて、工程説明を交えながら詳述する。
【0028】
<製造方法>
続いて液晶装置用偏光体の製造方法に関して
図3〜6を用いて説明する。以下の工程を順次経ることで、偏光板よりも大きい面積を有する保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板形状外表面に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示す加工が付加した液晶装置用偏光体を得ることができる。
(1)偏光原板から、所定形状の偏光体原板を形成する、偏光体原板形成工程
(2)偏光体原板の保護フィルムまたは離型フィルムのいずれか1つが、偏光板よりも大きい面積を有し、かつ、該大きい面積を有する保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板形状外表面に、該偏光体を、該液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示すよう、加工を施し、所定形状の偏光体を形成する、偏光体形成工程
【0029】
(偏光体原板形成工程)
光学軸を有する偏光原板から、所定形状の偏光体原板を形成する工程であり、
図3はその模式図である。点線の両矢印は、偏光板の光学軸方向を示している。
具体的には、ロール状に巻かれた長尺帯状の偏光原板を40を、機器により所望の形状に裁断することにより、所定形状の偏光体原板41を作製する。
裁断方法としては、トムソン型による油圧式打抜機や、連続自動裁断機(スーパーカッター)、レーザー加工機など、公知の技術を採用することができる。
【0030】
裁断に使用するレーザー加工機において照射するレーザー光は、特に限定されるものではなく、赤外レーザーや、半導体レーザー、炭酸ガスレーザー、ファイバーレーザー、フェムト秒レーザー、YAGレーザーなどを用いることができる。
レーザー光の照射条件は、被加工物である偏光原板の材質や構成によって出力やレーザー光の走査速度などを調整するので、特に限定されるものではない。つまり、単位長さ当たりに投入するエネルギーは、レーザーパワー(W)を走査速度(mm/s)で除して得られるものであり、所望のカット処理を行なうには、レーザーパワーまたは走査速度の何れかを変更することによって、単位長さ当たりに投入するエネルギー量を調整することができる。
【0031】
(偏光体形成工程)
偏光体原板の保護フィルムまたは離型フィルムのいずれか1つが、偏光板よりも大きい面積を有し、かつ、該大きい面積を有する保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板形状外表面に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示すよう、加工を施し、所定形状の偏光体を形成する工程であり、まず
図4模式図により、偏光体原板にハーフカットを行い、偏光体原板内の偏光板を所定形状とする形状加工の1つである、第1加工に関して説明する。
図4向かって左側(a)が斜視図、右側(b)は(a)と対応しており、(a)の各斜視図表面より眺めた平面図である。
最下層は保護フィルム4または離型フィルム5であり、どちらを偏光板よりも大きな面積とするかにより、保護フィルム4または離型フィルム5を除く上層構成は変わるため、便宜上、該上層(3層分)を、以降まとめてハーフカット層(該図においては50)と称することとする。また、(b)平面図における点線の両矢印は、偏光板の光学軸方向を示している。
具体的には、偏光体原板内偏光板を、所望の偏光板形状とするため、保護フィルム4または離型フィルム5を、該偏光板よりも大きな面積となるよう、機器によりハーフカットする。これにより、必要とする偏光板箇所には影響を与えずに、偏光板配置を示す加工が該大きな面積個所になされることとなる。
ハーフカット方法としては、トムソン型による油圧式打抜機や、連続自動裁断機(スーパーカッター)、レーザー加工機など、公知の技術を採用することができるが、前工程である偏光体原板形成工程で使用した機器を用いることが好適である。
また
図4(a)に示すように、保護フィルム4または離型フィルム5を、偏光板よりも大きな面積となるようにした形状は特に限定されるものではなく、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置把握を容易とするために、保護フィルム4または離型フィルム5の偏光板形状外表面が、偏光板の1辺に対してのみ接しているもの(61)や、該1辺に対して部分的に接しているもの(62)なども含まれる。
さらに該偏光板形状外表面の形状は特に限定されないが、
図4に示すような矩形に加え、平行四辺形形状であることが好適である。
【0032】
ハーフカットに使用するレーザー加工機において照射するレーザー光は、ハーフカット処理が施されるレーザー光であれば特に限定されるものではなく、赤外レーザーや、半導体レーザー、炭酸ガスレーザー、ファイバーレーザー、フェムト秒レーザー、YAGレーザーなどを用いることができる。
レーザー光の照射条件は、被加工物である偏光体原板の材質や構成によって出力やレーザー光の走査速度などを調整するので、特に限定されるものではない。つまり、単位長さ当たりに投入するエネルギーは、レーザーパワー(W)を走査速度(mm/s)で除して得られるものであり、所望のハーフカット処理を行なうには、レーザーパワーまたは走査速度の何れかを変更することによって、単位長さ当たりに投入するエネルギー量を調整することができる。
【0033】
上記第1加工により、偏光体原板内の偏光板を所定形状とした際、後に詳細に関しては、具体例を挙げて説明をするが、偏光板の光学軸方向と、保護フィルムまたは離型フィルムの特定の辺とが、平行となるよう、偏光体原板形成工程の段階であらかじめ裁断しておけば、第1加工完了の時点で、所定形状の偏光体とすることができる場合がある。
上記以外の場合、偏光体原板の保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板形状外表面に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示す第2加工を引き続き施すことにより、所定形状の偏光体とすることができる。
第2加工は主に、保護フィルムまたは離型フィルムに対して行う、第2形状加工と、第2印加工とに分類することができる。両加工は単独行っても複合で行っても構わないが、本発明においては、第2形状加工のみを行う方が、前工程である偏光体原板内の偏光板を所定形状とするハーフカット(第1加工)時の機器を引き続き用いることができる場合があるので、好適である。
【0034】
本発明における第2形状加工方法は、偏光板配置を示す形状的加工を行う方法であれば、特に限定されない。
すなわち、偏光板よりも大きい面積を有する保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板形状外表面に対し、カット、凹凸付与などの形状加工を行うことを意味する。
第2形状加工方法は、偏光体原板の保護フィルムまたは離型フィルムの偏光版形状外表面に対し、トムソン型による油圧式打抜機や、連続自動裁断機(スーパーカッター)、レーザー加工機によるカット、スリッター加工機によるスリット、エンボス加工機によるエンボス加工などの公知の技術を採用することで行えるが、前工程である偏光体原板形成工程と、第1加工である偏光体原板内の偏光板を所定形状とするハーフカットと、で用いた機器を用いることが好適である。
【0035】
ここで具体的な第1加工および第2形状加工の一例を
図5に示す。
図5は本発明に係る液晶装置用偏光体20の保護フィルム4または離型フィルム5の第1加工および第2形状加工の一例を示す平面模式図であり、
図4(b)と同視点による平面図である。また、点線の両矢印は、偏光板の光学軸方向を示している。
(a)は第1加工の一例を示し、保護フィルム4または離型フィルム5の形状が平行四辺形となっており、偏光板の光学軸方向が平行四辺形の長辺斜線方向と同じであることから、偏光板の光学軸方向を、目視のみで簡単に把握することができるため、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付けることができる。さらに本加工の場合、偏光体形成工程の第1加工までで、偏光体とすることができるので、第2加工を必要とせず、歩留まりよく液晶装置用偏光体を製造することができる。
(b)は第2形状加工の一例を示し、偏光板の光学軸方向と同方向に、保護フィルム4または離型フィルム5をカットしている。これにより、偏光板の光学軸方向を、目視のみで簡単に把握することができるので、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付けることができる。
(c)は第2形状加工の一例を示し、偏光板の光学軸方向と、保護フィルム4または離型フィルム5の少なくとも1辺が形状加工前に平行となっているため、この場合、保護フィルム4または離型フィルム5の頂点を2箇所カットしている。頂点がカットされていない保護フィルム4または離型フィルム5の一辺を、偏光板の光学軸方向とすれば、偏光板の光学軸方向を、目視のみで簡単に把握することができるので、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付けることができる。
(d)は第2形状加工の一例を示し、(a)〜(c)とは異なり、保護フィルム4または離型フィルム5の一箇所に、偏光板の光学軸方向を示さない矩形形状の型抜き加工をしており、70は空洞である。この場合、偏光板の光学軸方向は偏光体からは分からないが、該一箇所の加工が、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の目印とすることができるため、光学軸方向を把握せずとも、目視のみで、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付けることができる。
なお、該偏光板の光学軸方向を示さない矩形形状の型抜き加工は、本発明の一例であり、本発明において、型抜き加工の形状は、あらゆる形状であっても、該型抜き加工形状が、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の目印とすることができるのであれば、特に制限されない。
上記各加工の際、偏光板を含むハーフカット層50の形状は特に限定されないが、
図5に示すような、円、矩形、正方形などに加え、多角形形状が好適である。特に辺を有する形状のものは、液晶セル表面貼り付けの際、配置を把握しやすいため、より好適である。
【0036】
本発明における第2印加工方法は、偏光板配置を示す印的加工を行う方法であれば、特に限定されない。
すなわち、偏光板よりも大きい面積を有する保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板形状外表面に対し、印を付加するための加工を行うことを意味する。
第2印加工方法は、偏光体原板の保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板形状外表面に対し、筆記具や画材などによる描画、印刷機による印刷、ステッカー、ラベルまたはデカールなどによる貼り付けなどの公知の技術を採用することで行える。
【0037】
ここで具体的な第2印加工の一例を
図6に示す。
図6は本発明に係る液晶装置用偏光体20の保護フィルム4または離型フィルム5の第2印加工の一例を示す平面模式図であり、
図4(b)と同視点による平面図である。また、点線の両矢印は、偏光板の光学軸方向を示している。
(a)の場合、偏光板の光学軸方向と同方向に、保護フィルム4または離型フィルム5に印加工をしている。これにより、偏光板の光学軸方向を、目視のみで簡単に把握することができるので、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付けることができる。
(b)の場合、偏光板の光学軸方向と、保護フィルム4または離型フィルム5の少なくとも1辺とが第2印加工前に平行となっているため、この場合、保護フィルム4または離型フィルム5の頂点近傍2箇所に印加工をしている。印加工されていない2つの頂点による保護フィルム4または離型フィルム5の一辺を、偏光板の光学軸方向とすれば、偏光板の光学軸方向を、目視のみで簡単に把握することができるので、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付けることができる。
(c)の場合、(a)、(b)とは異なり、保護フィルム4または離型フィルム5の一箇所に、偏光板の光学軸方向を示さない矩形形状の印加工をしており、71は印である。この場合、偏光板の光学軸方向は偏光体からは分からないが、該一箇所の加工が、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の目印とすることができるため、光学軸方向を把握せずとも、目視のみで、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付けることができる。
なお、該偏光板の光学軸方向を示さない(c)の印は、本発明の一例であり、本発明において、印の形状は、文字や記号などを含むあらゆる形状であっても、該印が、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の目印とすることができるのであれば、特に制限されない。
上記各印加工の際、偏光板を含むハーフカット層50の形状は特に限定されないが、
図6に示すような、円、矩形、正方形などに加え、多角形形状が好適である。特に辺を有する形状のものは、液晶セル表面貼り付けの際、配置を把握しやすいため、より好適である。
【0038】
本実施形態としての液晶装置用偏光体は、上記偏光体および製造方法を考慮してなされたものであり、以降実施例を挙げて、液晶装置用偏光体およびその製造方法の説明を行う。
【0039】
(実施例1)
図7(a)に示すように、長さ方向に沿った光学軸(点線の両矢印)を有するロール状に巻かれた長尺帯状の偏光原板40を、レーザー加工機(炭酸ガスレーザー)により、該偏光原板の長さ方向Aを0°とした際、長さ方向Aに対して左回りに135°の角度で所定間隔毎に裁断することにより、大形平行四辺形形状の第1偏光体原板42を作製した。
続いて
図7(b)に示すように、該大形平行四辺形形状の第1偏光体原板42を、該レーザー加工機により、両側辺に対して平行に所定間隔毎に平行四辺形形状にカットして、小形平行四辺形形状の第1偏光体原板43としてから(この段階で、小形平行四辺形形状の第1偏光体原板43の長辺斜線方向と、偏光板光学軸方向が、小形平行四辺形形状の第1偏光体原板43の短辺に対し、共に向かって左周りに45°で等しい状態となっている)、引き続き
図7(c)に示すように、該小形平行四辺形形状の第1偏光体原板43の離型フィルム側表面より、該レーザー加工機によるハーフカットを行い、ハーフカット層51は真円形状、保護フィルム80は偏光板よりも大きな面積となるようにカットすることで、保護フィルム80が偏光板よりも大きい面積を有し、保護フィルム80の偏光板形状外表面に、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示す形状加工が施された実施例1の液晶装置用偏光体21を作製した。
【0040】
(実施例2)
実施例1小形平行四辺形形状の第1偏光体原板の保護フィルム側表面より、実施例1で使用したレーザー加工機(炭酸ガスレーザー)によるハーフカットを行い、ハーフカット層は真円形状、離型フィルムは偏光板よりも大きな面積となるようにカットする以外は、実施例1と同様にして、離型フィルムが偏光板よりも大きい面積を有し、離型フィルムの偏光板形状外表面に、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示す形状加工が施された実施例2の液晶装置用偏光体を作製した。
【0041】
(実施例3)
図8(a)に示すように、長さ方向に沿った光学軸(点線の両矢印)を有するロール状に巻かれた長尺帯状の偏光原板40を、レーザー加工機(炭酸ガスレーザー)により、該偏光原板の長さ方向Aを0°とした際、長さ方向Aに対して左回りに135°の角度で所定間隔毎に裁断することにより、大形平行四辺形形状の第2偏光体原板44を作製した。
続いて
図8(b)に示すように、該大形平行四辺形形状の
第2偏光体原板44を、該レーザー加工機により、両長辺に対して直角に所定間隔毎に矩形形状にカットして、小形矩形形状の第1偏光体原板45としてから(この段階で、小形矩形形状の第1偏光体原板45の光学軸方向は、短辺と長辺とが形成する角度の半分である45°となっている)、引き続き
図8(c)に示すように、該小形矩形形状の第1偏光体原板45の離型フィルム93側表面より、該レーザー加工機によるハーフカットを行い、ハーフカット層52(偏光板94)は正方形形状、保護フィルム90は偏光板94よりも大きな面積となるようにカットした後、保護フィルム90の偏光板形状外表面に、偏光板94の光学軸方向を示す45°方向のカットを、該レーザー加工機により行うことで、保護フィルムが偏光板94よりも大きい面積を有し、保護フィルムの偏光板形状外表面に、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示す形状加工が施された実施例3の液晶装置用偏光体22を作製した。
【0042】
(実施例4)
実施例3で使用したレーザー加工機の代わり全てに、トムソン型による油圧式打抜機を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、保護フィルムが偏光板よりも大きい面積を有し、保護フィルムの偏光板形状外表面に、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示す形状加工が施された実施例4の液晶装置用偏光体を作製した。
【0043】
(実施例5)
実施例3で使用したレーザー加工機の代わり全てに、連続自動裁断機(スーパーカッター)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、保護フィルムが偏光板よりも大きい面積を有し、保護フィルムの偏光板形状外表面に、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示す形状加工が施された実施例5の液晶装置用偏光体を作製した。
【0044】
(実施例6)
実施例3小形矩形形状の第1偏光体原板の保護フィルム側表面より、実施例3で使用したレーザー加工機(炭酸ガスレーザー)によるハーフカットを行い、ハーフカット層は正方形形状、離型フィルムは偏光板よりも大きな面積となるようにカットした後、離型フィルムの偏光板形状外表面に、偏光板の光学軸方向を示す45°方向のカットを、該レーザー加工機により行う以外は、実施例3と同様にして、離型フィルムが偏光板よりも大きい面積を有し、離型フィルムの偏光板形状外表面に、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示す形状加工が施された実施例6の液晶装置用偏光体を作製した。
【0045】
(実施例7)
図9(a)に示すように、長さ方向に沿った光学軸(点線の両矢印、以降同)を有するロール状に巻かれた長尺帯状の偏光原板40を、レーザー加工機(炭酸ガスレーザー)により、該偏光原板の長さ方向Aを0°とした際、長さ方向Aに対して左回りに90°の角度で所定間隔毎にカットすることにより、大形矩形形状の偏光体原板46を作製した。
続いて
図9(b)に示すように、該大形矩形形状の偏光体原板46を、該レーザー加工機により、両側辺に対して平行に所定間隔毎に矩形形状にカットして、小形矩形形状の第2偏光体原板47としてから、引き続き
図9(c)に示すように、該小形矩形形状の第2偏光体原板47の離型フィルム103側表面より、該レーザー加工機によるハーフカットを行い、ハーフカット層53(偏光板104)は正方形形状、保護フィルム100は偏光板104よりも大きな面積となるようにカットした後、保護フィルム100の偏光板形状外表面に、偏光板104の光学軸方向を示さない小形の矩形形状のカット(型抜き)72を、該レーザー加工機により行い、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の目印とすることで、保護フィルムが偏光板104よりも大きい面積を有し、保護フィルムの偏光板形状外表面に、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示す形状加工が施された実施例7の液晶装置用偏光体23を作製した。
【0046】
(実施例8)
実施例3と同様に小形矩形形状の第1偏光体原板45を形成後、引き続き
図10(a)に示すように、該小形矩形形状の第1偏光体原板45の離型フィルム93側表面より実施例3で使用したレーザー加工機(炭酸ガスレーザー)によるハーフカットを行い、ハーフカット層54(偏光板110)は正方形形状、保護フィルム90は偏光板110よりも大きな面積となるようにカットした後、保護フィルム90の偏光板形状外表面に、偏光板110の光学軸方向を示さないが、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の目印とすることができるドライデカール(インスタントレタリング)73を貼り付けることで、保護フィルムが偏光板110よりも大きい面積を有し、保護フィルムの偏光板形状外表面に、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示す印加工が施された実施例8の液晶装置用偏光体24を作製した。
【0047】
以上本発明の液晶装置用偏光体およびその製造方法は、構成によれば、偏光体の保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板よりも大きい面積箇所である偏光
板形状外表面に、液晶層が挟持された一対の基板からなる液晶セルの少なくとも一方の表面に偏光体を貼り付ける際の偏光板配置を示す加工を、偏光板自体に影響を与えることなく付加しているため、偏光板を、光学軸方向に合わせた外形カットを必要とせずとも、目視のみで、簡易的に、かつ、正確に、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置把握を容易とすることができ、方法によれば、偏光板よりも大きい面積を有する、偏光体原板の保護フィルムまたは離型フィルムの偏光板形状外表面となる箇所に対し、偏光体を、液晶セル表面に貼り付ける際の偏光板配置を示すよう、加工を施すので、偏光板に影響を与えずに加工でき、所望の加工が施された偏光体を歩留まりよく製造することができるものである。