特許第6581083号(P6581083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6581083医療用イメージングにおける表面スキャニング方法および関連装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6581083
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】医療用イメージングにおける表面スキャニング方法および関連装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20190912BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   A61B5/055 390
   A61B5/113
   A61B5/055ZDM
【請求項の数】22
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-530155(P2016-530155)
(86)(22)【出願日】2014年11月13日
(65)【公表番号】特表2016-538045(P2016-538045A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】EP2014074509
(87)【国際公開番号】WO2015071369
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2017年11月8日
(31)【優先権主張番号】13192786.5
(32)【優先日】2013年11月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516137591
【氏名又は名称】ダンマークス テクニスケ ユニバーシテト
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オルセン,オリン
(72)【発明者】
【氏名】ラーセン,ラスマス
(72)【発明者】
【氏名】ウィルム,ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】イェンセン,ラスマス ラムスボール
【審査官】 伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0093866(US,A1)
【文献】 特開昭60−077744(JP,A)
【文献】 特開平10−295669(JP,A)
【文献】 特開2012−239834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
A61B 6/00 − 6/14
A61B 1/00 − 1/32
A61B 5/11 − 5/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用イメージングにおける表面スキャニング方法であって、
画像源と、近位端および遠位端を有する第1の光ファイバを備える第1のファイバ束とを設けることと、
医療用スキャナのスキャナボアホール内に前記第1の光ファイバの遠位端を配置することと、
前記画像源から第1の光カプラの近位端に画像を供給することであって、前記第1の光カプラが第1のレンズ要素と第2のレンズ要素とを含む複数のレンズ要素を備えることと、
前記第1の光カプラの遠位端から前記第1の光ファイバの前記近位端に画像を供給することと、
を含む医療用イメージングにおける表面スキャニング方法。
【請求項2】
前記画像源は480×320ピクセル以上の解像度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像源はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)チップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記画像源は、制御ユニットに接続されて前記制御ユニットから制御信号を受信し、前記制御信号はパターンシーケンスセレクタを備え、前記画像源が、前記パターンシーケンスセレクタに応じて異なるパターンシーケンスを投射するように構成される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
複数の異なるパターンシーケンスが前記画像源に記憶され、前記画像源は、前記制御ユニットからの前記パターンシーケンスセレクタに基づき、選択されたパターンシーケンスを投射するように構成される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記画像源は光源を備え、前記光源からの光を前記第1の光カプラにガイドするためにミラーまたはプリズムが使用される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の光カプラはリレーレンズカプラである、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の光カプラの前記遠位端は、クリックリリースカップリングによって前記第1のファイバ束の前記近位端に着脱可能に固定される、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の光カプラの前記遠位端は、前記第1のファイバ束の前記近位端に着脱不能に固定される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第1のレンズ要素と第2のレンズ要素とを含む複数のレンズ要素を備える第2の光カプラを設けることと、
近位端および遠位端を有する第2の光ファイバを備える第2のファイバ束を設けることと、
前記医療用スキャナの前記スキャナボアホール内に前記第2の光ファイバの前記遠位端を配置することと、
前記第2の光ファイバの前記遠位端によって前記スキャナボアホール内の被験者から投射画像をキャプチャリングすることと、
前記第2の光ファイバの前記近位端から前記投射画像を前記第2の光カプラに供給することと、を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
医療用イメージングにおける表面スキャニング用の表面スキャニング装置であって、
画像源と、
近位端および遠位端を有する第1の光ファイバを備える第1の光ファイバ束と、
前記画像源からの画像を前記第1の光ファイバの前記近位端に結合する第1の光カプラと、を備え、
前記第1の光カプラは、第1のレンズ要素および第2のレンズ要素を含む複数のレンズ要素を備え、前記複数のレンズ要素のそれぞれは、前記第1の光カプラの遠位端に面する第1面と、前記第1の光カプラの近位端に面する第2面とを備える表面スキャニング装置。
【請求項12】
前記画像源は480×320ピクセル以上の解像度を有する、請求項11に記載の表面スキャニング装置。
【請求項13】
前記画像源はデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)チップを含む、請求項11または12のいずれか1項に記載の表面スキャニング装置。
【請求項14】
前記画像源は、制御ユニットに接続されて前記制御ユニットから制御信号を受信し、前記制御信号はパターンシーケンスセレクタを備え、前記画像源は、前記パターンシーケンスセレクタに応じて異なるパターンシーケンスを投射するように構成される、請求項11から13のいずれか1項に記載の表面スキャニング装置。
【請求項15】
複数の異なるパターンシーケンスが前記画像源に記憶され、前記画像源は、前記制御ユニットからの前記パターンシーケンスセレクタに基づき、選択されたパターンシーケンスを投射するように構成される、請求項14に記載の表面スキャニング装置。
【請求項16】
前記第1の光カプラは偶数のレンズ要素、例えば、2、4、6、8、10、12、またはそれ以上のレンズ要素を含む、請求項11から15のいずれか1項に記載の表面スキャニング装置。
【請求項17】
前記第1の光カプラはリレーレンズカプラである、請求項11から16のいずれか1項に記載の表面スキャニング装置。
【請求項18】
前記第1の光カプラの前記遠位端は、クリックリリースカップリングによって前記第1のファイバ束の前記近位端に着脱可能に固定される、請求項11から17のいずれか1項に記載の表面スキャニング装置。
【請求項19】
前記第1の光カプラの前記遠位端は、前記第1のファイバ束の前記近位端に着脱不能に固定される、請求項11から17のいずれか1項に記載の表面スキャニング装置。
【請求項20】
前記複数のレンズ要素の少なくとも1つはアクロマティックレンズである、請求項11から19のいずれか1項に記載の表面スキャニング装置。
【請求項21】
前記第1のレンズ要素は前記第1の光カプラの前記近位端に配置され、前記第2のレンズ要素は第1の光カプラの前記遠位端に配置され、前記第1のレンズ要素と前記第2のレンズ要素とは、互いに面する凸側を有するアクロマティックレンズである、請求項20に記載の表面スキャニング装置。
【請求項22】
前記複数のレンズ要素のそれぞれの前記第1面は凹状または凸状であり、前記複数のレンズ要素のそれぞれの前記第2面は凹状または凸状である、請求項11から21のいずれか1項に記載の表面スキャニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用イメージングにおける表面スキャニング用の方法および装置、特に、磁気共鳴映像法(MRI)、陽電子放出断層撮影(PET)、および/またはMRI/PETの組み合わせに関する。本発明は、特に小さな形状(PET、MRI、CT、SPECT、またはPET/CTやMRI/PETなどの複合スキャナのボア内)における、表面スキャニング/モーショントラッキング(動作追跡)のために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
この数十年にわたって、脳画像の表面スキャニングおよびモーショントラッキング方法が多数開発されているが、スキャニング中の頭の動きは、アーチファクトを招く深刻な問題を引き起こし、画像品質を大幅に低下させる。
【0003】
既知の方法は、外部トラッキングシステムならびに画像ベースのモーショントラッキングおよび補正を含む。多くの外部トラッキングシステムは、被験者(subjects)の頭に装着されるマーカを使用する。このために誤差が潜在的に導入され、スキャンされる被験者を準備するプロセスが複雑化して、臨床診療上の有用性が低下する。したがって、医学用脳画像のために開発された画像ベースのモーショントラッキング方法は通常、十分に高い時間分解能と空間分解能とを同時に取得することができない。さらに、最新の医療用スキャナの高解像度(MRIでは1ミリメートルの何十分の1、PETでは数ミリメートルまで)は、モーショントラッキングシステムに厳格な要件を課す。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、医療用イメージングにおける向上された表面スキャニング(表面走査)用の方法および装置に関する。したがって、本書において被験者のトラッキング(追跡)に使用可能な医療用イメージングにおける表面スキャニング方法を開示し、該方法は、a)画像源(image source)と、近位端および遠位端を有する第1の光ファイバを備える第1のファイバ束とを設けることと、b)医療用スキャナのスキャナボアホール内に第1の光ファイバの遠位端を配置することと、c)画像源からの画像を第1の光カプラの近位端に供給することであって、第1の光カプラが第1のレンズ要素と第2のレンズ要素とを含む複数のレンズ要素を備えることと、d)第1の光カプラの遠位端から第1の光ファイバの近位端に画像を供給することと、を含む。
【0005】
本書において医療用イメージングにおける表面スキャニング用の表面スキャニング装置を開示し、該装置は、a)画像源と、b)近位端および遠位端を有する第1の光ファイバを備える第1の光ファイバ束と、c)画像源からの画像を第1の光ファイバの近位端に結合する第1の光カプラであって、第1のレンズ要素および第2のレンズ要素を含む複数のレンズ要素を備え、複数のレンズ要素がそれぞれ第1の光カプラの遠位端に面する第1面と第1の光カプラの近位端に面する第2面とを含む第1の光カプラと、を備える。
【0006】
上記方法および/または表面スキャニング装置によって、電波放射コンポーネントおよび/または強磁性コンポーネントなどのノイズを生成するコンポーネント(部品)をボアから分離して、離した状態を保つことで、向上された表面スキャニング方法および/またはモーショントラッキング方法が達成される。さらに、完全に回避されないにせよ、閉塞作用(occlusion effects)が大幅に低減される。さらに、ボアホール(穴、空洞部;borehole)でスキャンされる対象に関する向上された画像品質が提供される。スキャナと光源との間の長い距離が原因の画像品質の低下に関する上述の問題は、より長い距離であっても高い画像品質を確保する光ファイバの使用によって回避される。
【0007】
該方法は、医療用イメージングにおけるモーショントラッキング方法で特に有益であり、表面スキャニング装置はモーショントラッキング装置とすることができる。
【0008】
また、該方法および/または表面スキャニング装置を、超小型装置として実現することで、スキャナに容易に組み込むことのできる、あるいは既存のスキャニングシステムへの増設機器として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上記およびその他の特徴および利点は、添付図面を参照し、以下の例示的実施形態の詳細な説明を読むことで当業者にとって容易に自明になるであろう。
【0010】
図1a】医療用スキャナおよびコンピュータシステムと組み合わせた表面スキャニング装置を概略的に示す。
図1b】例示的表面スキャニング装置を概略的に示す図である。
図2】例示的表面スキャニング装置の一部を概略的に示す図である。
図3】例示的表面スキャニング装置の一部を概略的に示す図である。
図4】例示的表面スキャニング装置の一部を概略的に示す図である。
図5】例示的表面スキャニング装置の一部を概略的に示す図である。
図6a】光カプラ内の異なるレンズ要素で画像サイズを低減することを概略的に示す。
図6b】光カプラ内の異なるレンズ要素で画像サイズを拡大することを概略的に示す。
図7a】リレーレンズカプラを概略的に示す図である。
図7b】別のリレーレンズカプラを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面は明瞭化のために概略的であり、簡略化されており、本発明を理解するのに不可欠な細部のみを示し、他の細部は割愛する。図面全体を通じて、同一または類似の部分には同じ参照符号を付す。
【0012】
表面スキャニングは、ある時間にわたって表面または表面点の空間位置をトラッキングすること、および/または所定の時点における表面または表面点の空間位置をトラッキング/判定することを組み込む。
【0013】
医療用スキャナは磁気共鳴(MR)スキャナとすることができる。さらに、モーショントラッキング用の方法および装置は、陽電子放射断層撮影(PET)スキャナ、単一光子放射断層撮影(SPECT)スキャナ、またはコンピュータ断層撮影(CT)スキャナなどの他の医療用スキャナによって取得される画像をスキャニングするモーション補正(動作補正;motion correction)のために採用することができる。1つ以上の態様では、該方法および装置は、複合PET−MRスキャナまたは複合PET−CTスキャナにおける被験者のモーション補正のために採用することができる。
【0014】
該方法または装置に設けられる画像源は、光源および/またはデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)チップを含むことができ、DMDチップは、光源からの入射光を調節することによって所定の画像源を形成する。
【0015】
画像源は、変形DLP(デジタル光処理)プロジェクタであってもよい。
【0016】
画像源から第1の光カプラの近位端に画像を供給すること、および/または第1の光カプラの遠位端から第1の光ファイバの近位端に画像を供給することなどは、パターンまたは複数の異なるパターンを含むパターンシーケンスを供給することを含むことができる。
【0017】
画像源は、ボアホール内の被験者の表面領域またはシーン(scene)にパターンを投射(投影)するため、例えば複数の異なるパターンを含むパターンシーケンスを提供するように構成することができる。第1のパターンシーケンス(S1)および/または第2のパターンシーケンス(S2)などのパターンシーケンス(S)は、第1パターンと第2パターンとを含む複数の異なるパターンなどの1つ以上のパターン(P)を含む。パターンシーケンスはN個のパターンを含む、あるいはN個のパターンから成る。パターンシーケンスは、例えば、パターンシーケンスのパターンの数、パターンシーケンスの各パターンの構成(configuration)/構造(structure)、パターンシーケンスのパターンの順序(order)、および/またはパターンシーケンスの少なくとも一つのパターンのタイミングなどの、パターンシーケンスパラメータによって定義することができる。パターンシーケンスの持続期間は1ミリ秒〜約1秒とすることができる。パターンシーケンスの持続期間は約10ミリ秒、約20ミリ秒、約50ミリ秒、約100ミリ秒、または約200ミリ秒とすることができる。
【0018】
パターンは、第1および第2の軸に沿ってアレイ状に(整列して;in an array)配置されるなどのいくつかのピクセルを含むことができる。パターンは、パターン内の各ピクセル(画素)および/または1つ以上のピクセル群のピクセル設定(色/波長および/または強度)などのパターンパラメータによって定義することができる。パターンのピクセル群は、パターンのRで表記されるサブ領域と称することができる。したがって、パターンは1つ以上のサブ領域R、R、R…、を含むことができ、1サブ領域は1つ以上のピクセルを含む。パターンシーケンスパラメータは、第1パターン、第2パターン、および/または第3パターンなどのパターンパラメータを含むことができる。
【0019】
画像源は光変調器を含むことができる。
【0020】
光変調器またはDMDチップは、ボアホール内の被験者の表面領域またはシーンにパターンを投射するように適合させることができる。光変調器は、液晶ディスプレイ(LCD)チップまたはDMDチップを含むことができる。1つ以上の実施形態では、光変調器は、反射型液晶(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)チップを含むことができる。1つ以上の実施形態では、光変調器はグリッド、スリット、またはフィルタを含むことができる。光変調器は透過型または反射型光変調器とすることができる。
【0021】
DMDチップ/光変調器は約9.86mm×6.16mmのアレイとすることができ、DMDチップ/光変調器からの画像は第1の光カプラで第1のファイバ束にマッピングされ、近位端のサイズは約6.7mm×5mmである。
【0022】
画像源は制御ユニットに接続されて制御ユニットから制御信号を受信することができる。制御信号は、パターンシーケンスのパターンの数、構成、順序、および/またはタイミングなどのパターンシーケンスパラメータを備えることができる。1つ以上の実施形態では、制御信号はパターンシーケンスセレクタを備えることができ、パターンシーケンスセレクタに応じて異なるパターンシーケンスを投射するように画像源を構成することができる。
【0023】
画像源および/または第1のファイバ束の解像度は、被験者に投射されるパターンの解像度を限定する。画像源は、被験者に有効な画像を投射するため、少なくとも500のピクセル、例えば少なくとも1,000のピクセルや少なくとも10,000のピクセルの解像度を有することができる。例示的方法および/または装置では、画像源は、HVGA(480×320ピクセル)以上の解像度、例えば(608×684ピクセル)、SVGA(800×600ピクセル)、XGA(1024×768ピクセル)、720p(1280×720ピクセル)、または1080p(1920×1080ピクセル)の解像度を有することができる。
【0024】
1つ以上の実施形態では、いくつかの異なるパターンシーケンスは画像源に記憶させることができ、制御ユニットからのパターンシーケンスセレクタに基づき、選択されたパターンシーケンスを投射するように画像源を構成することができる。
【0025】
1実施形態では、光源は、第1の波長λの光を発するように構成される第1のレーザ/LED、および/または第2の波長λの光を発するように構成される第2のレーザ/LEDを含む1つ以上のレーザまたは(高出力)LEDを含むことができる。光源は、第3の波長λの光を発するように構成される第3のレーザ/LEDをさらに含むことができる。
【0026】
光源は、メタルハライドランプなどの広いスペクトル光源を含むことができる。1つ以上の実施形態では、光源は発光ダイオード(LED)を含むことができる。光源は、所望の周波数スペクトル/波長分布の光を形成するフィルタを含むことができる。1つ以上の実施形態では、光源は、700nm〜約1,000nm、例えば約850nmの波長で赤外(IR)または近赤外(NIR)領域の光を発するように構成することができる。1つ以上の実施形態では、光源は、UV領域の光を発するように構成することができる。
【0027】
1つ以上の実施形態では、画像源は、第1の波長λが780〜900nmの範囲である光を含むことができる。例えば、波長範囲は800〜860nmとすることができる。第1のレーザ/LEDは、第1の波長λが約590nm〜約700nmの範囲である赤色またはオレンジ色/赤色レーザとすることができる。1つ以上の実施形態では、第1の波長λは約635nmである。第1のレーザ/LEDは、第1の波長λが約830nm〜約870nmの範囲、例えば約850nm、あるいは約810nm〜約850nmの範囲であるLEDとすることができる。第1のレーザ/LEDは、第1の波長λが約790nm〜約830nmの範囲、例えば約810nm、あるいは約800nm〜約820nmの範囲であるLEDとすることができる。
【0028】
第2のレーザ/LEDは、第2の波長λが約490nm〜約560nmの範囲、例えば約532nmである緑色レーザとすることができる。第2のレーザ/LEDは、第2の波長λが約880nm〜約920の範囲、例えば約900nmであるLEDとすることができる。
【0029】
第3のレーザ/LEDは、第3の波長λが430nm〜約490nmの範囲、例えば約445nmまたは約473nmである青色または紫色レーザとすることができる。第3のレーザ/LEDは、第3の波長λが930nm〜約1,000nmの範囲、例えば約940nmであるLEDとすることができる。
【0030】
光源は、約230nm〜約400nmの範囲、例えば約350nmの波長で光を発するように構成されるUV源を含むことができる。
【0031】
1つ以上のミラーまたはプリズムを使用して、光源および/または画像源から第1の光カプラへ光または画像をガイド(案内)することができる。この様々な例を図2〜5に関連して図示し説明する。
【0032】
第1の光カプラは、偶数のレンズ要素、例えば、2,4、6、8、10,12、またはそれ以上のレンズ要素を含む、あるいはそれらから成ることができる。1つ以上の実施形態では、10個のレンズが第1の光カプラに含まれる。別の実施形態では、6つのレンズが第1の光カプラに含まれる。少数のレンズを選択する際、光損失(optical loss)は最小限に保たれ、多数のレンズを選択する際、画像品質を向上させ、歪み(distortion)や滲み(不明瞭性;blurriness)が低減される。リレーレンズ(relay lens)要素は、4〜12のレンズ要素を含むことができる。
【0033】
第1の光カプラは、画像が第1の光カプラを通過した後、画像のサイズを増減させるように構成することができる。1例示的方法/装置では、第1の光カプラのレンズ要素は、入力画像サイズを1:1.2の比にマッピングすることによって、第1の光カプラの遠位端からの出力画像のサイズは、近位端で第1の光カプラに入る画像のサイズよりも20%大きくなる。概して、画像サイズを1:0.5(すなわち、出力画像は入力画像よりも50%小さい)〜1:2でマッピングすることができる。
【0034】
有利なことに、第1の光カプラは、リレーレンズカプラとすることができる。
【0035】
第1の光カプラの遠位端は、クリックリリースカップリング(click−release−coupling)によって第1のファイバ束の近位端に着脱可能に固定することができる。これにより、スキャナのボアホールに光ファイバを簡易かつ柔軟に配置することができ、両者のうち他方を移動させずに、光ファイバまたは第1の光カプラを簡単に取替および/または交換することができる。
【0036】
あるいは、第1の光カプラから光ファイバへの画像の安定した最適結合を確保するため、第1の光カプラの遠位端は、第1のファイバ束の近位端に着脱不能に固定することができる。
【0037】
第1のレンズ要素および第2のレンズ要素を含む複数のレンズ要素を備える第2の光カプラは、モーションをトラッキングする表面スキャニング装置および/または方法に含めることができる。また、近位端および遠位端を有する第2の光ファイバを備える第2のファイバ束を設けて、その遠位端を医療用スキャナのスキャナボアホール内に配置することができる。第2の光ファイバの遠位端をボアホール内の被験者から投射画像をキャプチャリング(キャプチャ)するために適用することができる。通常、この投射画像は、第2の光ファイバの近位端から第2の光カプラへと供給される。
【0038】
画像が第2の光カプラを通過した後に投射画像のサイズを拡大または縮小するために、第2の光カプラを適合することもできる。
【0039】
第1の光カプラおよび/または第2の光カプラの複数のレンズ要素のうちの少なくとも1つはアクロマティックレンズ(アクロマートレンズ)とすることができる。
【0040】
本発明の1実施形態では、第1の光カプラおよび/または第2の光カプラの第1のレンズ要素は、対応する第1の光カプラおよび/または第2の光カプラの近位端に配置することができ、第2のレンズ要素は、対応する第1の光カプラおよび/または第2の光カプラの遠位端に配置することができる。第1のレンズ要素と第2の要素とは、互いに面する凸側を有するアクロマティックレンズとすることができる。
【0041】
第1のおよび/または第2の光カプラにおける複数のレンズ要素のそれぞれの第1面は、凹状、凸状、平面状、またはそれらの組み合わせとすることができる。同様に、第1のおよび/または第2の光カプラにおける複数のレンズ要素のそれぞれの第2面は、凹状、凸状、平面状、またはそれらの組み合わせとすることができる。1つ以上のレンズ要素の第1面は凹状とすることができる。1つ以上のレンズ要素の第1面は凸状とすることができる。1つ以上のレンズ要素の第1面は平面状とすることができる。1つ以上のレンズ要素の第2面は凹状とすることができる。1つ以上のレンズ要素の第2面は凸状とすることができる。1つ以上のレンズ要素の第2面は平面状とすることができる。
【0042】
該装置および方法はミラーおよび/またはプリズムをさらに含むことができ、光源からの光は、第1の光カプラに入る前にミラー/プリズムを通過することができる。さらに、第1の光ファイバは、医療用スキャナのボアホールに配置される被験者の表面領域に、第1の光ファイバを介して画像源から少なくとも1つのパターンを投射するように適合させることができる。
【0043】
第1の光ファイバは、少なくとも100の光ファイバ、例えば少なくとも10,000のファイバを含むことができ、各ファイバは被験者の表面領域に投射されるパターン内のピクセルに対応する。1つ以上の実施形態では、第1の光ファイバの数は、画像源の解像度を十分に生かすために、画像源におけるピクセル数以上である。第2の光ファイバの数は、画像源の解像度に合わせる、あるいは画像源の解像度の±20%の範囲とすることができる。1つ以上の実施形態では、第1の光ファイバの数は、光ファイバを最大限に生かすために画像源のピクセル数より少ない。
【0044】
少なくとも1つの投射パターンおよび/または被験者から投射される画像をキャプチャリングするために、第2の光ファイバを適合することができる。第2の光ファイバは、少なくとも100の光ファイバ、例えば少なくとも100,000のファイバを含むことができる。第2の光ファイバはそれぞれ、キャプチャリングした画像を送信する第1のカメラにおいて1つ以上のピクセルに対応させることができる。1つ以上の実施形態では、第2の光ファイバの数は、カメラの処理時間を増大させるために第1のカメラのピクセル数以上とすることができる。1つ以上の実施形態では、第2の光ファイバの数は、画像キャプチャリングの精度を向上させるために第1のカメラのピクセル数より少ない。第2の光ファイバの数は、第1のカメラの解像度に合わせる、あるいは第1のカメラの解像度の±50%の範囲にすることができる。
【0045】
第1のカメラはCCDカメラまたはCMOSカメラとすることができる。第1のカメラは、少なくとも640×480、例えば1280×960、3264×2448以上の解像度を有することができる。
【0046】
表面領域は、少なくとも0.1cm、例えば、1cm〜500cmの範囲とすることができる。1つ以上の実施形態では、表面領域は20cm〜100cmの範囲とすることができる。
【0047】
表面領域は、被験者の鼻領域を少なくとも部分的に対象とすることができる。これにより、本領域における被験者表面の大きな曲率のため、モーショントラッキングを向上させることができる。さらに、顔面の動きは、頭蓋骨および脳の運動をトラッキングする際に好ましい鼻のブリッジ近辺に限定される。
【0048】
該装置は第1のレンズアセンブリ、すなわち、第1の光ファイバから画像またはパターンシーケンスを被験者の表面領域に結合するため、第1の光ファイバの遠位端に配置される、および/または装着されるプロジェクタ側の投射光学部品をさらに備えることができる。第2の光ファイバの遠位端には、第2のレンズアセンブリ、すなわち、被験者の表面領域から第2の光ファイバに画像またはパターンシーケンスを結合する画像キャプチャリング光学部品を設けることができる。
【0049】
装置はフレームを備えることができ、第1および第2のレンズアセンブリがフレームに搭載される。フレームは、正確なムーブメント補正(動作補正;movement correction)を行うために、および/または2つのファイバ束をボアホール内で共に移動させるよう、ファイバ束の2つの遠位端間および/または第1および第2のレンズアセンブリ間の位置を固定して、固定された位置関係を維持する。第1および第2のファイバ束の遠位端をフレームに搭載することができる。
【0050】
第1および第2のレンズアセンブリは通常、所定の焦点距離とアパーチャ(口径)を有する対物レンズを含む。焦点距離は対物レンズを交換することによって変更することができる。また、対物レンズと第1または第2の光ファイバ束内の光ファイバの遠位端との間の距離を変更することによって、画像源がどの程度被験者を照らすか、および投射光がどの領域でキャプチャリングされるかを制御することができる。第1のおよび/または第2のレンズアセンブリのアパーチャはアセンブリを開くおよび/または閉じることによって調節することができ、第1のレンズアセンブリおよび第2のレンズアセンブリに関して、第1の光ファイバから被験者への出力、被験者から第2の光ファイバへの投射画像を制御するツールも提供する。
【0051】
第2のレンズアセンブリは、NIRフィルタなどのフィルタも含むことができる。同様に、第1のレンズアセンブリもフィルタを含むことができる。
【0052】
第1のレンズアセンブリは、第1のミラー/プリズムを含むことができる。第2のレンズアセンブリは、第2のミラー/プリズムをそれぞれ含むことができる。共通のミラー/プリズムは、第1のレンズアセンブリと第2のレンズアセンブリで共有することができる。レンズアセンブリのミラー/プリズムは、遠位ファイバ端/レンズアセンブリをボア内に配置する自由度を高めることができる光の転送を提供することができる。
【0053】
第1および第2の光ファイバは、対応する第1および第2のファイバアレイに配置することができる。1つ以上の実施形態では、第1の光ファイバは、少なくとも10,000のファイバ、例えば、100×100のファイバ、例えば400×400または600×600のファイバ、あるいは680×480のファイバ、あるいは1,200×1,200ファイバあるいはそれ以上のファイバの第1のアレイを含むことができる。第1の光ファイバは、少なくとも100,000のファイバ、例えば5,000×5,000のファイバの第1のアレイを含むことができる。1つ以上の実施形態では、第2の光ファイバは、少なくとも10,000のファイバ、例えば、100×100のファイバ、例えば400×400、あるいは600×600のファイバ、または680×480のファイバ、あるいは1,200×1,200のファイバあるいはそれ以上のファイバの第2のアレイを含むことができる。第2の光ファイバは、少なくとも100,000のファイバ、例えば5,000×5,000のファイバの第2のアレイを含むことができる。光ファイバは、矩形、円形、楕円形、多角形などの任意の適切なサイズおよび形状のアレイで配置することができる。通常、ファイバ径は、5〜20マイクロメートルの範囲である。第1の光ファイバの数は、1,000超、例えば10,000超とすることができる。第2の光ファイバの数は、1,000超、例えば10,000超とすることができる。
【0054】
第1および第2の光ファイバを使用することで、MRスキャナなどの対象を取り巻く永久磁場を有する医療用スキャナのための方法および装置の使用が可能になる、あるいは簡易化される。さらに、第1および第2の光ファイバを使用することで、被験者がスキャニング中にスキャナボアホールに配置されるために、被験者へのアクセスが制限される医療用スキャナのための方法および装置の使用が可能になる、あるいは簡易化される。
【0055】
第1および第2のファイバ束はそれぞれ、1メートルより長い、例えば、2メートルより長い、例えば約5メートルまたは約10メートルの長さを有することができる。例示的装置および/または方法では、第1および第2のファイバ束は、1〜5メートル、例えば、2.5〜3メートル、例えば約2.7メートルの長さを有することができる。この長さ範囲のファイバ束を有することで、ユーザは、第1のおよび/または第2の光カプラを、スキャナから離れた別の位置、あるいはスキャニング室からさらに離れた位置/スキャニング室の外部に保持しつつ、スキャナ内に第1および第2のファイバ束の遠位端を配置することができる。
【0056】
ファイバ束の長さによって、画像源に関連するシーケンス、画像パターンなどを制御する電源管理部および/またはコンピュータを、スキャナを備えた部屋の外部に配置することができる。このため、遠隔表面スキャナを形成することができる。2つのファイバ束によって電子部品と光学端とを分離することによって、小型の、無線周波数ノイズのない、低減衰表面スキャナが達成される。
【0057】
本発明の装置および方法では、最小数の構成要素がスキャナのボアホールに配置され、妨害する構成要素が常にボアホール外に置かれる。このため、視界と最新の表面スキャナの高解像度とが維持される。さらに、スキャナのボアホールに配置される構成要素は、非金属材料で形成することができる。
【0058】
表面スキャニング装置は、すべてのモーショントラッキング素子を取り囲むハウジングを、ハウジングの表面から延在するファイバ束とは別にさらに備えることができる。ハウジングは、例えば厚さ1mmの薄銅層あるいはシートで覆われるフレームから成る無線周波数遮蔽ボックスとすることができる。電気部品の遮蔽に適した任意の金属を使用することができる。
【0059】
1つ以上のコンデンサのフィルタは、ハウジング内の構成要素から生じる電磁ノイズが、電源テーブルに沿って伝播しないように確保することができる。したがって、電源はスキャナ室の外部に配置され、壁内のフィルタを介して、スキャナ室とハウジングの内部に通電して、その中の関連構成要素に給電する。
【0060】
表面スキャニング装置は、医療用スキャナの一部である、あるいは、既存のスキャナの増設機器として使用することができるように構成することができる。
【0061】
図1aは、該方法および装置と共に使用される医療用スキャナ30を概略的に示す。スキャナ30は、スキャナボアホール36を形成するスキャナハウジング34に永久磁石32を備えるMRスキャナである。スキャナ30は、支持構造(スキャナベッド)39に配置される被験者をスキャニングするヘッドコイル38を備える。
【0062】
第1のレンズアセンブリ42および第2のレンズアセンブリ44は、第1の光ファイバ16および第2の光ファイバ20の対応する遠位端に搭載され、ヘッドコイル38内の表面領域に/表面領域からパターンシーケンスを投射し検出するためにスキャナボアホール36に配置される。
【0063】
図1aに示すMRスキャナの代わりに、スキャナボアホールを形成するスキャナハウジングに少なくとも1つの検出リングを備えるPETスキャナも企図することができる。この場合、光ファイバ16、20の遠位端は、スキャナボアホール内の表面領域に/表面領域からパターンシーケンスを投射し検出するために、検出リング外、かつスキャナボアホールの近傍に配置することができる。図1のMRスキャナの代替は、複合MR/PETスキャナである。
【0064】
図1aは表面スキャニング装置2を示し、該装置は、装置2の左側の1つの壁/ファラデーケージとして示される周壁52によって画定されるスキャナ室内に配置される。電源管理部および/またはコントローラ部50、例えば図1aに示すコンピュータは、スキャナ室外に配置される。表面スキャニング装置2は、光ファイバ16、20が十分に長い場合、周壁52によってスキャナ室外に配置することができる。
【0065】
図1aは、表面スキャニング装置2とスキャナ室外のコンピュータ50との間で画像データをノイズなしに転送する光学エクステンダ(optical extender)54も示す。装置2は、無線周波数遮蔽ボックスとして機能するハウジング4で囲むことができる。ハウジング4は、1mmの銅層で覆われる木製フレームなどのフレームで製造することができる。コンデンサ(図示せず)のフィルタは、ハウジング内の構成要素から生じる電磁ノイズが、電源ケーブルに沿って伝播しないように確保することができる。任意で、別個の電源である、あるいは電源管理部/コントローラ部50の一部である電源はスキャナ室外に配置され、壁52内のフィルタを介して、スキャナ室と装置2のハウジング4内の要素とに給電される。
【0066】
ファイバの遠位端には、それぞれ投射光学部品と画像キャプチャリング光学部品とから成る第1のレンズアセンブリ42および第2のレンズアセンブリ44が設けられる。フレーム46は、第1のレンズアセンブリ42と第2のレンズアセンブリ44間、および/または第1の光ファイバ16と第2の光ファイバ18の遠位端間の位置を固定するために使用される。
【0067】
第1および第2のレンズアセンブリはそれぞれ、所定の焦点距離とアパーチャを有する対物レンズを含むことができる。また、第2のレンズアセンブリは近赤外線(NIR)フィルタを含むことができる。第1および第2のレンズアセンブリはいずれも、対応する第1のミラー/プリズムおよび/または第2のミラー/プリズムを含むことができる。ミラー/プリズムは、2つのレンズアセンブリで共有することができる。
【0068】
図1bは、本発明の表面スキャニング装置2を概略的に示す。装置2は、制御ユニット6と、光源10および光変調器12を備える画像源8とを収容するハウジング4を備える。さらに、装置2は、制御ユニット6と第1のカメラ14との間で制御信号および/またはパターンシーケンスデータをやり取りするため、制御ユニット6に接続される第1のカメラ14を任意で備える。使用中、第1の光ファイバ16が、第1の光カプラ18を介して第1の光ファイバの近位端17で装置に接続されるため、画像源8からの光が第1の光ファイバ16に結合される。第1の光カプラ18は近位端15と遠位端19を有する。
【0069】
装置は任意で、メモリ部24とユーザインタフェース部26とを含む。
【0070】
第1の光ファイバ16をハウジング4に固定的に搭載することができる、すなわち、第1の光ファイバ16は装置2の一部を形成することができる。あるいは、第1の光カプラ18の遠位端19は、クリックリリースカップリングによって第1のファイバ束16の近位端17に着脱可能に固定することができる。
【0071】
使用中、第2の光ファイバ20は第2の光カプラ22を介して第2の光ファイバ20の近位端21で装置2に接続されて、表面領域に投射されるパターンシーケンスまたは画像が第1のカメラ14によって検出される。第2の光カプラ18は近位端23と遠位端25とを含む。
【0072】
第1および第2の光ファイバはハウジング4に固定的に搭載することができる。すなわち、第1および第2の光ファイバは装置2の一部を成すことによって、装置の設定を簡易化することができる。
【0073】
あるいは、第1の光カプラ18の遠位端19および/または第2の光カプラ22の遠位端25は、クリックリリースカップリングによって第1のファイバ束16の近位端17および第2のファイバ束20の近位端21に着脱可能に固定することができる。
【0074】
装置2は、画像源10で被験者の表面領域に第1のパターンシーケンス(S1)を投射するために構成され、被験者は医療用スキャナのスキャナボアホールに配置され、第1のパターンシーケンスは任意で第1の第1パターン(P1、1)と第1の第2パターン(P1、2)とを備える。装置2は、投射された第1のパターンシーケンス(S1’)を第1のカメラ14で検出するように構成することができる。制御ユニット6は任意で、検出された第1のパターンシーケンス(S1’)に基づき第2の第1パターン(P2、1)を備える第2のパターンシーケンス(S2)を決定し、制御信号を画像源8に送信し、画像源10と光変調器12が第1の光カプラ18を介して、第2のパターンシーケンス(S2)の形状の画像を被験者の表面に投射する。投射される第2のパターンシーケンス(S2’)は第1のカメラ14で検出することができ、パターンシーケンスデータは制御ユニットおよび/または第1のカメラ14および/または外部コンピュータ50で処理される。パターンシーケンスデータの検出時および検出中、装置2または外部コンピュータ50は、検出された第2のパターンシーケンス(S2’)に基づきモーショントラッキングパラメータを判定する。
【0075】
図2〜5は、第1のレンズ要素lと第2のレンズ要素lとを含む複数のレンズ要素l...,lを備える第1の光カプラ18の様々な実施形態を示す。図2では、2つのレンズ要素が提供されるが、図3および4は多数のレンズ要素を示す。図5では、第1の光カプラ18は、リレーレンズカプラの外部ハウジング内に配置されるN個のレンズ要素を含む、あるいはN個のレンズ要素から成るリレーレンズカプラである。Nは、6、8、または10とすることができる。
【0076】
図2〜5は単独の第1の光カプラ18を示すが、第2の光カプラ22は、第1の光カプラ18に関して図2〜5に示す実施形態と同一または異なる構成を有することができる。したがって、第1の光カプラ18内のレンズ要素の以下の説明は、第2の光カプラ22のレンズ要素に適用することができる。
【0077】
複数のレンズ要素l...,lの各レンズ要素は、第1の光カプラ18の遠位端19に面する第1面28と、第1の光カプラ18の近位端15に面する第2面29とを備える。通常、第1の光カプラ18および/または第2の光カプラ22に偶数のレンズ要素が含まれる。2、4、6、8、10、12、またはそれ以上のレンズ要素l...,lを設けることができる。
【0078】
レンズ要素lのうちの1つ以上はアクロマティックレンズとすることができ、例えば、複数のレンズ要素のうちの少なくとも1つはアクロマティックレンズである。図2〜5は、クロマティックレンズ要素のみを示す。
【0079】
1つ以上の実施形態では、図2に示すように、第1のレンズ要素lは第1の光カプラ18の近位端15に配置され、第2のレンズ要素lは第1の光カプラ18の遠位端19に配置される。図2では、両レンズ要素ともクロマティックである。しかしながら、第1のレンズ要素lと第2の要素lとは、凸側が相互に対面するアクロマティックレンズにすることもできる。
【0080】
該装置では、ミラーおよび/またはプリズムを使用して、画像源8から第1の光カプラ18に画像をガイドすることができる。図2および図3では、ミラー7は、画像源から光変調器12へ、および光変調器12から第1の光カプラ18の近位端15へ画像をガイドするために使用される。図4および図5では、画像は、画像源8からプリズム9を介して光変調器12へ通過し、再度プリズム9を通過して、第1の光カプラ18の近位端15に直接ガイドされる。
【0081】
第1の光カプラ18および/または第2の光カプラ22は、画像および/または投射画像のサイズを増減させるように適合させることができるため、画像/投射画像のサイズは、第1のおよび/または第2の光カプラを通過後、大きくまたは小さくなる。
【0082】
光カプラを使用して画像サイズをどのように増減させるかを図6aおよび図6bに概略的に示す。図6aでは、画像サイズは入力画像サイズdinから出力画像サイズdoutまで低減され、dinはdoutより大きく、図6bでは、画像サイズは入力画像サイズdinからdoutまで増大され、dinはdoutより大きい。レンズ要素の様々な焦点距離f、fを図面に示す。
【0083】
3つ以上のレンズ要素を使用することによって、補正を向上させ、(幾何学的)歪みを低減することができる。さらに、収差作用も低減される。これにより、ユーザは、第1の光ファイバ16に結合される画像の一部の大きさと、第2の光ファイバ20によって収集された後の第2の光カプラ22から出力される投射画像のサイズとを制御することができる。
【0084】
図7aおよび図7bは、第1の光カプラ18および/または第2の光カプラ22として本発明で使用することのできるリレーレンズカプラの2つの異なる例を示す。
【0085】
図7aでは、リレーカプラは、対称的に配置される6つのレンズ要素l、l、l、l、l、lを含み、あるいは6つのレンズ要素から成り、最も外側のレンズ要素l、lは略同一のサイズで、互いに鏡像となるように配向される。同様に、最も外側のレンズ要素l、lに隣接するレンズ要素l、lは、鏡像対を形成し、リレーレンズカプラの真ん中に近づいていく次のレンズ要素も同様である。4つのレンズ要素l、l、l、lは平凸であり、すなわち、凸側と平面側とを有する。別の2つのレンズ要素l、lは両凹であり、すなわち、レンズ要素の第1側と第2側の両方が凹状である。
【0086】
図7bは、対称的に配置される10個のレンズ要素l、l、l、l、l、l、l、l、l、l10を備えるリレーレンズカプラを示し、2つの最も外側のレンズ要素からリレーレンズカプラの中央へと向かうレンズ要素対は相互に鏡像である。図7aでは、4つのレンズ要素l、l、l、l10は平凸であり、2つのレンズ要素l、lは両凹であり、2つのレンズ要素l、lは両凸であり、すなわち、レンズ要素の第1側と第2側とは凹状であり、最後の2つの要素l、lは平凹であり、すなわち、凹側と平面側とを有する。
【0087】
レンズ要素対の数は、図7aおよび図7bに示す例に限定されない。さらに、レンズ要素のサイズと形状の組み合わせは変更することができる。例えば、互いに鏡像を形成するように配置される、様々な組み合わせの平凹、平凸、両凹、および/または両凸レンズ要素対に撮像させることができる。
【0088】
なお、添付図面に示す本発明の例示的実施形態に加えて、本発明は、様々な形状で具体化することができ、本明細書に記載する実施形態に限定するものと解釈すべきではない。逆に、これらの実施形態は、本開示が綿密で完全なものになり、本発明の概念を当業者に伝えるように提示される。
【符号の説明】
【0089】
2 装置
4 ハウジング
6 制御ユニット
7 ミラー
8 画像源
9 プリズム
10 光源
12 光変調器
14 第1のカメラ
15 第1の光カプラの近位端
16 第1の光ファイバ
17 第1の光ファイバの近位端
18 第1の光カプラ
19 第1の光カプラの遠位端
20 第2の光ファイバ
21 第2の光ファイバの近位端
22 第2の光カプラ
23 第2の光カプラの近位端
24 メモリ
25 第2の光カプラの遠位端
26 ユーザインタフェース
28 レンズ要素の第1面
29 レンズ要素の第2面
30 医療用スキャナ
32 磁石
34 スキャナハウジング
36 スキャナボアホール
38 ヘッドコイル
39 スキャナベッド
40 被験者
42 第1のレンズアセンブリ
44 第2のレンズアセンブリ
46 フレーム
50 電源管理部
52 スキャナ室の周壁
54 光学エクステンダ
第Nのレンズ要素
第1のレンズ要素
第2のレンズ要素
第3のレンズ要素
第4のレンズ要素
第5のレンズ要素
第6のレンズ要素
第7のレンズ要素
第8のレンズ要素
第9のレンズ要素
10 第10のレンズ要素
in 第1の/第2の光カプラ入力前の画像のサイズ
out 第1の/第2の光カプラ出力後の画像のサイズ
第1のレンズ要素の焦点距離
第2のレンズ要素の焦点距離
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b