【課題を解決するための手段】
【0011】
より具体的には、本発明は、少なくとも1種の金属ポリアルコキシレートのマトリックスを含むゾル−ゲル材料の連続フィルムの形態の少なくとも1つのゾル−ゲル層を備えるゾル−ゲルコーティングがその表面の少なくとも一方に施されている、2つの対向表面を有する支持体を備える品物であって、本発明による品物は、前記ゾル−ゲルコーティングを完全にまたは部分的に被覆する少なくとも1つの第1のスクリーン印刷ハイブリッドゾル−ゲル層を備える、ハイブリッドゾル−ゲルコーティングをさらに備え、前記第1のハイブリッドゾル−ゲル層は、少なくとも1種のシリコーン樹脂(またはポリシロキサン)、ならびに少なくとも1種のシランおよび/または少なくとも1種の金属アルコキシドを含む第1のハイブリッドゾル−ゲル組成物から形成されるマトリックスを含む、ハイブリッドゾル−ゲル材料からなることを特徴とする、品物に関する。
【0012】
本発明によるハイブリッドゾル−ゲルコーティングは、ガラス−セラミッククックトップを傷付けず、ビーズを含有する必要がなく、それにもかかわらず光沢のある滑らかな表面および良好な耐熱性を維持するという点で有利であり、調理器具の外側底部表面の装飾に特に好適となる。
【0013】
有利には、シリコーン樹脂は、前記第1のハイブリッドゾル−ゲル組成物の合計重量の40から70重量%を占める。
【0014】
本発明に関連して使用されるシリコーン樹脂に関して、WACKERによりSILRES(登録商標)610の商品名で市販されているシリコーン樹脂が、特に注目に値する。
【0015】
有利には、シリコーン樹脂は、シリコーンポリエステル樹脂である。
【0016】
本発明に関連して使用されるシリコーンポリエステル樹脂に関して、TEGOによりSILIKOFTAL(登録商標)の商品名で市販されているシリコーンポリエステル樹脂が、特に注目に値する。
【0017】
有利には、第1のハイブリッドゾル−ゲル層は、第2のスクリーン印刷された不連続ハイブリッドゾル−ゲル層により部分的に被覆され、これもまた、例えば以前に定義されたような少なくとも1種のシリコーン樹脂(好ましくはシリコーンポリエステル樹脂)、ならびに少なくとも1種のシランおよび/または少なくとも1種の金属アルコキシドを含む第2のハイブリッドゾル−ゲル組成物から形成されるマトリックスを含む、ハイブリッドゾル−ゲル材料で構成される。
【0018】
有利には、シリコーン樹脂は、前記第2のハイブリッドゾル−ゲル組成物の合計重量の40から70重量%を占める。
【0019】
本発明に関連して、金属アルコキシドという用語は、R
iMX
(n-i)の群の材料を指し、式中、
− Mは、金属または遷移金属、例えばAl、Ce、Zr、Ti、Sn、V、Nb、Hf、Mgまたはランタニドであり、
− nは、金属または遷移金属Mの価数に対応し、
− Xは、加水分解性基であり、Xiは、同一または異なっていてもよく、
− Rは、アルキル、フェニル、または有機官能基であり、Riは、同一または異なっていてもよく、
− i=0、1、・・・またはn−1である。
【0020】
有利には、金属アルコキシドは、オルトチタン酸テトライソプロピル(titanium isopropoxide :TTIP)およびジルコニウムイソプロポキシドから選択される。
【0021】
本発明に関連して、シランという用語は、R
iSiX
(4-i)の群の材料を指し、式中、
− Xは、加水分解性基であり、X
iは、同一または異なっていてもよく、
− Rは、アルキル、フェニル、または有機官能基であり、R
iは、同一または異なっていてもよく、
− i=0、1、2または3である。
【0022】
有利には、シランは、メチルトリエトキシシラン(MTES)、テトラエトキシシラン(TEOS)、(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)、およびそれらの混合物から選択される。
【0023】
有利には、第1のハイブリッドゾル−ゲル層、および/または該当する場合には第2のハイブリッドゾル−ゲル層のハイブリッドゾル−ゲル材料は、少なくとも1種の顔料充填剤および/または少なくとも1種の補強充填剤をさらに含んでもよい。
【0024】
本発明に関連して使用される顔料充填剤に関して、注目すべき変形形態(variant)は、コーティングされた、またはコーティングされていない雲母、二酸化チタン、混合酸化物(スピネル)、アルミノシリケート、酸化鉄、カーボンブラック、ペリレンレッド、金属フレーク、サーモクロマチック顔料および有機染料、ならびにそれらの混合物を含む。
【0025】
これらの顔料充填剤の目的は、第一に、色を付与することであり、第二に、熱拡散を改善し、コーティングの硬度(および耐久性)を増加させ、潤滑機能を果たすことである。
【0026】
補強充填剤という用語は、本発明に関連して、本発明によるコーティングにより、ガラス−セラミックまたは電磁誘導クックトップ表面の傷の発生を制限または排除するために使用される充填剤を指す。換言すれば、これらの補強充填剤により、本発明によるコーティングの、ガラス−セラミックまたは電磁誘導クックトップ表面の傷の発生を防止する能力を改善することができる。
【0027】
本発明に従って使用される補強充填剤は、有利には、金属ビーズを含み得る。好ましくは、前記金属ビーズの一部が、ハイブリッドゾル−ゲルコーティングから突出し、突出したビーズは前記コーティングの表面上に均一に分布している。
【0028】
ビーズという用語は、本発明に関連して、丸い、本質的に球形の形状をとる充填剤を指す。
【0029】
本発明によるハイブリッドゾル−ゲルコーティングの表面と同一平面にあるビーズは、玉軸受効果を生成することにより、ガラス−セラミックまたは電磁誘導クックトップとの接触を最小限化することが意図される。
【0030】
そのような効果を達成するために、前記ハイブリッドゾル−ゲルコーティングから突出する金属ビーズの表面密度は、有利には、50〜300充填剤/mm
2の範囲であってもよい。
【0031】
50充填剤/mm
2未満の表面密度では、本発明によるハイブリッドゾル−ゲルの重量分布が一様となり得ない。300充填剤/mm
2超の表面密度では、本発明によるハイブリッドゾル−ゲルコーティングの熱衝撃への耐性および光沢が、共に減少する。
【0032】
好ましくは、前記ハイブリッドゾル−ゲルコーティングから突出するビーズの表面密度は、100から250充填剤/mm
2の間にある。この範囲内では、塗布の容易性および最大の玉軸受効果の両方が維持される。
【0033】
補強充填剤として機能するビーズは、性質が異なっていてもよく、例えば、ガラスまたは金属(もしくは金属合金)で作製されてもよい。
【0034】
有利には、本発明に関連して、ステンレス鋼ビーズ、例えばHOGANASにより316HIC 15μmの商品名で市販されているものが使用される。
【0035】
バイブリッドゾル−ゲルコーティング中に「補強」ビーズが存在する場合、その外観を改変することなく、均一性を保持しながらコーティング表面と同一平面になければならないため、その量および粒度分布は重要な因子である。
【0036】
ビーズの量は、有利には、ベーキング後のハイブリッドゾル−ゲルコーティングの各ハイブリッドゾル−ゲル層の合計重量の0.01から40重量%、好ましくは0.01から5重量%の範囲であってもよい。
【0037】
0.01%未満では、接触後にゾル−ゲル表面がガラス−セラミッククックトップを傷付けないようにするには不十分な量であるため、ビーズはハイブリッドゾル−ゲル層の特性にマイナスの効果を有し、一方5%超では、本発明によるハイブリッドゾル−ゲル層に対するビーズの付着性が改変され得る。
【0038】
ビーズの粒度分布に関して、その直径は、好ましくは5から30μmの間にあり、好ましい平均直径は、15から20μmの間であり、一方、第1のハイブリッドゾル−ゲル層、および該当する場合は第2のハイブリッドゾル−ゲル層の厚さは、ビーズの一部がハイブリッドゾル−ゲルコーティングの表面を越えて突出するように、5から20μmの間にある。少なくともその直径に等しい厚さまで塗布されるビーズは全て、ハイブリッドゾル−ゲルコーティング内に完全に固定される。
【0039】
本発明による品物は、有利には、内側表面が食品を受け入れるように設計され、外側表面が熱源に接触するように意図された支持体を有する調理器具であってもよく、前記外側表面は、ゾルーゲルコーティングおよび上で定義されたようなハイブリッドゾル−ゲルコーティングでコーティングされている。
【0040】
有利には、ゾル−ゲルコーティングは、調理器具の支持体の外側表面全体を被覆し、一方、ハイブリッドゾル−ゲルコーティングは、器具の基部に対応する外側表面にのみ塗布される。
【0041】
本発明に関連した使用に選択される支持体材料は、有利には、金属、ガラス、プラスチックまたはセラミックであってもよい。
【0042】
本発明に関連して使用される金属支持体に関して、注目すべき変形形態は、単層アルミニウムもしくはアルミニウム合金支持体、または、鋳造アルミニウム、ステンレス鋼、鋳鋼もしくは銅で作製された支持体、あるいは、以下の層(フェライト系ステンレス鋼/アルミニウム/オーステナイト系ステンレス鋼の層で、またはさらに、外側ステンレス鋼で補強された鋳造アルミニウム、アルミニウムもしくはアルミニウム合金のキャップ)で、外側から内側まで構築された複数層の支持体を含む。
【0043】
本発明は、さらに、上で定義されたような品物を製造するための方法であって、
a)少なくとも2つの対向表面を有する支持体を提供するステップと、
b)ゾル−ゲル組成物を調製するステップであって、b1)少なくとも1種の金属アルコキシド型ゾル−ゲル前駆体を含む水性ゾル−ゲル組成物を調製することと、b2)水および酸性または塩基性触媒の導入により、前記ゾル−ゲル前駆体を加水分解することと、最後にb3)縮合反応させてアルコールの形成をもたらし、ゾル−ゲル組成物を生成することとを含む、ステップと、
c)ハイブリッドゾル−ゲル組成物を調製するステップであって、c1)溶媒媒体中で、少なくとも1種のシリコーン樹脂、ならびに少なくとも1種のシランおよび/または少なくとも1種の金属アルコキシドを含む混合物を調製することと、c2)縮合反応させて、ハイブリッドゾル−ゲル組成物を生成することとを含む、ステップと、
d)ステップb)から得られたゾル−ゲル組成物の少なくとも1つの層を、支持体の表面の少なくとも1つに塗布し、連続フィルムの形態で少なくとも1つのゾル−ゲル層を備えるゾル−ゲルコーティングを形成するステップと、
e)ステップc)から得られたハイブリッドゾル−ゲル組成物の少なくとも1つの層を、前記ゾル−ゲルコーティング上に部分的または連続的にスクリーン印刷し、第1のスクリーン印刷されたハイブリッドゾル−ゲル層を形成するステップと、次いで、
f)150℃から350℃の間の温度で全体をベーキングするステップと
を含む方法に関する。
【0044】
本発明による方法は、単純であり、生産ワークフローに容易に統合される。
【0045】
ハイブリッドゾル−ゲル組成物中に使用されるシリコーン樹脂、シランおよび金属アルコキシドは、以前に定義された通りである。
【0046】
同様に、品物および支持体も、以前に定義された通りである。
【0047】
本発明によるゾル−ゲルコーティングおよびハイブリッドゾル−ゲルコーティングが塗布される支持体は、
− 品物、特に、調理器具の場合、食品を受容するように設計された内側表面と、熱源と接触するように意図された外側表面とを有する品物の最終形態をとる支持体、または、
− 本発明による前記コーティングの塗布前に、例えば冷間成形によりドーム型に整形され、次いで切断されるディスク(すなわち、本質的に平坦である)であってもよい。
【0048】
本発明による方法の1つの具体的実施形態において、支持体はディスクの形態をとり、方法は、さらに、ゾル−ゲル組成物が塗布されるステップd)の前に、支持体形成ステップを含む。
【0049】
本発明による方法の有利な実施形態において、コーティングされることが意図された支持体の表面は、まず、支持体へのゾル−ゲルコーティングの付着性を改善するために、品物の性質に特有な脱脂プロセス、サンドブラストプロセス、および表面処理の少なくとも1つに供されてもよい。
【0050】
本発明による方法の有利な実施形態において、ステップd)において塗布されるゾル−ゲルコーティングの表面は、ゾル−ゲルコーティングへのハイブリッドゾル−ゲルコーティングの付着性を改善するために、ステップe)におけるハイブリッドゾル−ゲル組成物の塗布前に、特定の表面処理に供されてもよい。
【0051】
有利には、低温プラズマ表面処理を使用して、本発明によるゾル−ゲルコーティングの表面を処理することができる。
【0052】
低温プラズマ表面処理は、有利には、アンモニアプラズマを使用して行われてもよい。ハイブリッドゾル−ゲルコーティングがシリコーンポリエステル樹脂を含む場合、第1のハイブリッドゾル−ゲル層が塗布される際、アンモニアプラズマにより形成される表面アミノ基は、樹脂中のポリエステルから残留した遊離官能基と反応し得る。
【0053】
別の可能な低温プラズマ表面処理の変形形態は、ゾル−ゲルコーティングの表面上に−N基を形成するプラズマ(N
2/H
2)を使用して、ゾル−ゲルコーティングと第1のハイブリッドゾル−ゲル層との間にシラザン(Si−N)結合を形成することである。
【0054】
本発明による方法の一実施形態において、ハイブリッドゾル−ゲルコーティングとゾル−ゲルコーティングとの間の付着性を改善するために、カップリング剤、例えば(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)等のアミノシランが使用されてもよく、これは、
− ステップc)の調製において、シリコーンポリエステル樹脂を含むハイブリッドゾル−ゲル組成物に直接組み込まれてもよく(そしてそれ自身を樹脂中のポリエステルに結合させ、次いでシラン成分が、ゾル−ゲルコーティングの表面上のヒドロキシルと縮合により自由に反応する)、または、
− ステップe)の塗布プロセスの前に、無水トルエンの存在下でゾル−ゲルコーティング上に堆積してもよい。
【0055】
ゾル−ゲル組成物を調製するステップb)は、従来の様式で、例えば特許文献3に記載のような様式で行われる。
【0056】
好ましくは、水性ゾル−ゲル組成物の調製b1)のために、金属アルコキシド前駆体は、
− 一般式M
1(OR
1)
nを有する前駆体、
− 一般式M
2(OR
2)
(n-1)R
2’を有する前駆体、および
− 一般式M
3(OR
3)
(n-2)R
3’
2を有する前駆体から選択され得、
式中、
− R
1、R
2、R
3またはR
3’は、アルキル基を表し、
− R
2’は、アルキルまたはフェニル基を表し、
− nは、金属M
1、M
2、M
3の最大価数に対応する整数であり、
− M
1、M
2、またはM
3は、Si、Zr、Ti、Sn、Al、Ce、V、Nb、Hf、Mgまたはランタニドから選択される金属、遷移金属または非金属に対応する。
【0057】
有利には、ステップb1)の水性ゾル−ゲル組成物の金属アルコキシドは、アルコキシシランである。
【0058】
本発明の方法のステップb1)の水性ゾル−ゲル組成物中に使用され得るアルコキシシランに関して、注目すべき変形形態は、メチルトリメトキシシラン(MTMS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、メチルトリエトキシシラン(MTES)、ジメトキシジメチルシラン、およびそれらの混合物を含む。
【0059】
アルコキシシランMTESおよびTEOSは、有利にはメトキシ基を含有しないため、好ましくはそれらが使用される。実際に、メトキシ基の加水分解は、ゾル−ゲル配合物中のメタノールの形成をもたらすが、これは毒素として分類されているため、塗布段階において追加的な注意を必要とする。一方、エトキシ基の加水分解は、エタノールを生成するだけであり、これはより好ましい分類による利益を得、したがって、ゾル−ゲルコーティングとしてのその使用に関して受ける規制はより厳しくない。
【0060】
ステップc1)の調製において使用される溶媒媒体は、有利には、希釈剤として使用される少なくとも1種の軽質有機溶媒、および保湿剤として使用される少なくとも1種の重質有機溶媒を含み得る。
【0061】
これらの溶媒(軽質および重質の両方)は、ハイブリッドゾル−ゲル組成物(または「スクリーン印刷インク」)が、スクリーン印刷スクリーン上で乾燥するのを防止し(重質溶媒の作用による)、また組成物の表面乾燥時間を加速して、複数層スクリーン印刷を容易化する(軽質溶媒の急速蒸発による)。
【0062】
本発明によるハイブリッドゾル−ゲル組成物中で使用される重質溶媒は、有利には、ポリオール(特に、ジオール、エステルジオール、エーテルジオールもしくはポリフェノール)またはテルペン誘導体(例えばテルピネオール)から選択され得る。本発明による重質有機溶媒は、典型的には、高分子量(100g.mol
-1以上)および高沸点(特に150℃以上)を有する。
【0063】
本発明によるハイブリッドゾル−ゲル組成物中に使用される軽質溶媒は、有利には、150℃以下の沸点を有する極性溶媒から選択され得る。
【0064】
キシレンは、シリコーンポリエステル樹脂中にすでに存在しているため、好ましくはそれが軽質溶媒として使用される。それはまた、エステル、ケトンおよびグリコールエーテルに可溶である。
【0065】
ハイブリッドゾル−ゲル組成物がシランを含む場合、前記シランは、好ましくは、予め加水分解されることになる。
【0066】
ハイブリッドゾル−ゲル組成物が金属アルコキシドを含む場合、前記金属アルコキシドは、好ましくは、水および酸、例えばギ酸または酢酸の存在下で予め加水分解(pre-hydrolyzed)されることになる。有利には、金属アルコキシドが加水分解されるステップの前に、アセチルアセトン(ACAC)またはアセト酢酸エチル(EAA)等のキレート剤を使用して、金属アルコキシドのキレート化が行われてもよい。
【0067】
さらに、ハイブリッドゾル−ゲル組成物が、シランおよび金属アルコキシドの両方を含む場合、シランおよび金属アルコキシドの少なくとも一方が、好ましくは予め加水分解されることになる。
【0068】
本発明による方法は、有利には、ステップc)の直後に、ハイブリッドゾル−ゲル組成物の粘度を、0.2Pa.sから5Pa.s(2から50ポアズ)の範囲の値に、好ましくは0.5Pa.sから2Pa.s(5から20ポアズ)の範囲の値に調節するステップc’)を含んでもよい。
【0069】
このために、ハイブリッドゾル−ゲル組成物は、スクリーン印刷による塗布を容易化するべく粘度を増加させるために、有利には、改質された、またはされていないセルロース、好ましくはエチルセルロース(例えばDow Ethocel STD300(登録商標))で増粘されてもよい。
【0070】
ハイブリッドゾル−ゲル組成物のレオロジーを所望通りに調節するために、キサンタンガムもしくはクレイ(例えばBentone SD(登録商標)−2)等の様々な性質の他の有機増粘剤、またはさらには、改質ウレア等のチキソトロピックレオロジー添加剤の、ハイブリッドゾル−ゲル組成物への添加が考えられる。
【0071】
さらに、調製ステップc)の直後に、少なくとも1種の顔料充填剤および/または少なくとも1種の補強充填剤を、ハイブリッドゾル−ゲル組成物に添加することもできる。
【0072】
顔料充填剤および/または補強充填剤は、以前に定義された通りである。
【0073】
水性ゾル−ゲル組成物は、単層または複数層として、ゾル−ゲルコーティングに塗布され得る。
【0074】
ステップd)におけるゾル−ゲル組成物の塗布は、当業者に知られている任意の技術を使用して達成され得る。例えば、ゾル−ゲル組成物の塗布は、コーティングされる支持体表面上へのゾル−ゲル組成物の噴霧、ソーキング、ディップコーティング、またはスピンコーティングにより行われてもよい。
【0075】
有利には、ゾル−ゲル組成物塗布のステップd)は、さらに、50℃から100℃の範囲の温度で赤外光等を使用してゾル−ゲルコーティングを乾燥させることをさらに含んでもよい。
【0076】
塗布ステップe)において、ハイブリッドゾル−ゲル組成物は、有利には、ステップd)から得られたゾル−ゲルコーティング上にスクリーン印刷を用いて塗布される。ハイブリッドゾル−ゲル組成物は、単層または複数層として塗布され得る。
【0077】
有利には、ステップe)は、50℃から100℃の範囲の温度で赤外光等を使用してハイブリッドゾル−ゲルコーティングを乾燥させることをさらに含んでもよい。
【0078】
ベーキングステップf)は、有利には、従来の対流炉内で、不活性か酸化性かを問わず従来の雰囲気中で行われてもよい。
【0079】
好ましくは、ベーキングステップf)は、200℃から300℃の範囲の温度で行われる。
【0080】
例示を目的として提供され、したがって非限定的であり、また対応する付属の図面における例を参照する以下の説明から、本発明の他の利点および詳細が得られる。