(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。
以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0013】
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、設置枠11と、搭載枠12と、を備えている。設置枠11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための枠体(いわゆる外枠)である。搭載枠12は、各種の遊技部品を搭載するための枠である。例えば、搭載枠12は、設置枠11の側縁部を中心に回動可能となるように軸支された中枠及び前枠などのように、複数の枠体を備えていてもよい。
【0014】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備えている。遊技盤YBは、搭載枠12に搭載(支持)されている。遊技盤YBは、前面側(表側)に、遊技球が流下する遊技領域YBaを備えている。遊技盤YBは、正面から見たときの略中央部分に、開口窓YBbを備えている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備えている。発射ハンドルHDは、遊技媒体としての遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される。
【0015】
パチンコ遊技機10は、装飾ランプLAを備えている。装飾ランプLAは、演出の1つとして、図示しない発光体を発光、点滅、及び消灯する演出(以下、発光演出と示す)を実行する。例えば、装飾ランプLAは、搭載枠12や遊技盤YBに設けられている。パチンコ遊技機10は、スピーカSPを備えている。スピーカSPは、演出の1つとして、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行する。
【0016】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、所定の情報を表示可能な情報表示装置13を備えている。情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
【0017】
情報表示装置13は、第1特別図柄表示部13aを備えている。第1特別図柄表示部13aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる変動ゲームとしての第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。以下の説明では、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示す。
【0018】
情報表示装置13は、第2特別図柄表示部13bを備えている。第2特別図柄表示部13bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる変動ゲームとしての第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。以下の説明では、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。
【0019】
また、以下の説明では、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを区別しない場合、これらを纏めて「特別ゲーム」と示す。第1特別図柄及び第2特別図柄は、パチンコ遊技機10において内部的に実行される判定処理(後述する大当り判定)の結果を報知するための図柄である。なお、大当り判定において、大当りと判定されることは、いわゆる大当り抽選に当選することに相当する。
【0020】
本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。特別図柄表示部13a,13bにおいて導出可能な特別図柄には、大当り表示結果としての大当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とがある。
【0021】
本実施形態において、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に実行されない。本実施形態において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに優先して実行される。本実施形態では、大当り抽選に当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出され、当該特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。詳しくは後述するが、大当り遊技は、遊技者が多数の賞球を獲得し得るため、遊技者にとって極めて有利な状態である。
【0022】
情報表示装置13は、第1特別保留表示部13cを備えている。第1特別保留表示部13cは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を認識可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示す。
【0023】
情報表示装置13は、第2特別保留表示部13dを備えている。第2特別保留表示部13dは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数を認識可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第2特別ゲームの回数を「第2特別保留数」と示す。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の最大値は、それぞれ4である。
【0024】
情報表示装置13は、普通図柄表示部13eを備えている。普通図柄表示部13eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す場合がある。普通図柄表示部13eに導出可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とがある。本実施形態では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
【0025】
情報表示装置13は、普通保留表示部13fを備えている。普通保留表示部13fは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を認識可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。なお、表示部13a〜13fは、1つの表示装置に設けられている必要はなく、異なる部分に設けられていてもよい。
【0026】
パチンコ遊技機10は、画像表示部を有する演出表示装置EHを備えている。演出表示装置EHは、正面から見たときに、画像表示部が遊技盤YBの開口窓YBbを介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。例えば、画像表示部は、液晶パネルである。演出表示装置EHは、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行する。
【0027】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している第1始動入賞口15を備えている。第1始動入賞口15は、常に、遊技球を入球させることができるように開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞センサSE1を備えている(
図3に示す)。第1始動入賞センサSE1は、遊技盤YBに対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。本実施形態では、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数(例えば3個)の賞球の払出条件が成立する。
【0028】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している第2始動入賞口16を備えている。パチンコ遊技機10は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞センサSE2を備えている(
図3に示す)。第2始動入賞センサSE2は、遊技盤YBに対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。本実施形態では、遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数(例えば1個)の賞球の払出条件が成立する。
【0029】
パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球可能な開状態(許容状態)と、遊技球が第2始動入賞口16へ入球不能な閉状態(規制状態)と、に動作可能な普通可変部材17を備えている。閉状態は、開状態に比して、遊技球が第2始動入賞口16へ入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材17を動作させるアクチュエータとして、普通ソレノイドMS1を備えている(
図3に示す)。普通可変部材17は、普通当り遊技において、開状態に動作される。したがって、普通当り遊技は、遊技者が第2特別ゲームの保留条件を成立させ易くなることから、遊技者にとって有利な状態である。
【0030】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している大入賞口18を備えている。パチンコ遊技機10は、大入賞口18へ入球した遊技球を検知する特別入賞センサSE3を備えている(
図3に示す)。特別入賞センサSE3は、遊技盤YBに対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。本実施形態では、遊技球が特別入賞センサSE3によって検知されると、予め定めた個数(例えば15個)の賞球の払出条件が成立する。
【0031】
パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口18へ入球可能な開状態(許容状態)と、遊技球が大入賞口18へ入球不能な閉状態(規制状態)と、に動作可能な特別可変部材19を備えている。閉状態は、開状態に比して、遊技球を大入賞口18へ入球させ難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材19を動作させるアクチュエータとして、特別ソレノイドMS2を備えている(
図3に示す)。特別可変部材19は、大当り遊技において、開状態に動作される。
【0032】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに、遊技球が通過(入球)可能なゲート20を備えている。ゲート20は、ゲート20を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を備えている(
図3に示す)。ゲートセンサSE4は、遊技盤YBに対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。本実施形態では、遊技球がゲートセンサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る。
【0033】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口している複数の普通入賞口21を備えている。パチンコ遊技機10は、普通入賞口21へ入球した遊技球を検知する普通入賞センサSE5を備えている(
図3に示す)。普通入賞センサSE5は、遊技盤YBに対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。普通入賞センサSE5は、普通入賞口21ごとに1つずつ設けられていてもよく、複数の普通入賞口21に共通化されていてもよい。本実施形態では、遊技球が普通入賞センサSE5によって検知されると、予め定めた個数(例えば10個)の賞球の払出条件が成立する。
【0034】
上述のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、入賞口として、始動入賞口15,16、大入賞口18、及び普通入賞口21を備えている。なお、パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,21とは異なる入賞口を備えていてもよい。本明細書において、「入賞」とは、遊技球が入賞口に入球することを意図しており、「入賞球」とは、入賞口に入球した遊技球を意図している。
【0035】
上述のように、入賞センサSE1〜SE3,SE5は、遊技盤YBに対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。本実施形態において、入賞センサSE1〜SE3,SE5は、遊技盤YBに設けられ、入賞球を検知する入賞検知手段に相当する。また、上述のように、入賞センサSE1〜SE3,SE5では、遊技球を検知したときに払い出す賞球数が異なっている。なお、入賞センサSE1〜SE3,SE5の一部又は全部は、搭載枠12に設けられていてもよい。
【0036】
パチンコ遊技機10は、アウト口22を備えている。例えば、アウト口22は、遊技領域YBaの下端部において、遊技領域YBaに開口している。遊技領域YBaへ発射された遊技球のうち、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球は、アウト口22から機外へと排出される。
【0037】
パチンコ遊技機10は、入賞口15,16,18,21、及びアウト口22の何れかに入球し、機外へと排出される遊技球を検知するアウト球センサSE6を備えている(
図3に示す)。アウト球センサSE6は、遊技盤YBではなく、搭載枠12に対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。本実施形態では、遊技球がアウト球センサSE6によって検知されても、賞球の払出条件、特別ゲームの始動条件、及び普通ゲームの始動条件が成立しない。本明細書において「アウト球」は、遊技領域YBaへ発射された全ての遊技球を意図している。本実施形態において、アウト球センサSE6は、枠体としての搭載枠12に設けられ、アウト球を検知するアウト球検知手段に相当する。なお、アウト球センサSE6は、遊技盤YBに設けられていてもよい。
【0038】
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、ボタン式の演出ボタンBTを備えている。演出ボタンBTは、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に設けられている。パチンコ遊技機10は、振動を発生可能であって、当該振動を演出ボタンBTに伝達可能に構成されたアクチュエータとして、ボタン振動モータEV1を備えている(
図3に示す)。演出ボタンBT及びボタン振動モータEV1は、遊技盤YBに対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。
【0039】
パチンコ遊技機10は、レバー式の演出レバーLEを備えている。演出レバーLEは、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に設けられている。演出ボタンBT及び演出レバーLEは、所定の操作が可能な操作手段に相当する。パチンコ遊技機10は、振動を発生可能であって、当該振動を演出レバーLEに伝達可能に構成されたアクチュエータとして、レバー振動モータEV2を備えている(
図3に示す)。なお、パチンコ遊技機10は、演出ボタンBTと演出レバーLEとで共通化された1つのアクチュエータを備えていてもよい。演出レバーLE及びレバー振動モータEV2は、遊技盤YBに対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。
【0040】
パチンコ遊技機10は、演出用の可動体を備えている。演出用の可動体は、当該可動体を動作させる演出(以下、可動体演出と示す)を実行する。演出用の可動体には、搭載枠12に設けられた可動体と、遊技盤YBに設けられた可動体と、がある。なお、演出用の可動体は、所定のキャラクタや模様を模した意匠が施されていたり、LEDなどの発光体が内蔵されていたりしてもよい。以下、詳細に説明する。
【0041】
図1に示すように、搭載枠12に設けられた可動体には、枠可動体EK1がある。枠可動体EK1は、搭載枠12の上部に設けられており、略四角板状の可動体である。
枠可動体EK1は、枠可動体EK1が前後方向に沿って延びている原位置L10から、枠可動体EK1の後端部において左右方向に沿って延びている回動軸を中心として、上方に向かって回動可能に構成されている。枠可動体EK1が略直立し、上下方向に沿って延びている位置は、枠可動体EK1の最大位置L12であり、原位置L10と最大位置L12との間の位置は、枠可動体EK1の途中位置L11である。
【0042】
以下の説明では、枠可動体EK1が最大位置L12へと変位することを「最大駆動」と示し、枠可動体EK1が途中位置L11へと変位することを「途中まで駆動」と示し、枠可動体EK1が原位置L10と当該原位置L10から僅かに変位した位置との間で小刻みに変位を繰り返し、恰も「ガタガタ」と揺れることを「揺れ駆動」と示す。
【0043】
パチンコ遊技機10は、枠可動体EK1を駆動するアクチュエータとして、枠ステッピングモータES1を備えている(
図3に示す)。枠可動体EK1は、枠ステッピングモータES1からの動力を受けて、最大駆動、途中まで駆動、及び揺れ駆動が可能に構成されている。枠可動体EK1及び枠ステッピングモータES1は、遊技盤YBに対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。
【0044】
図2に示すように、遊技盤YBに設けられた可動体には、球可動体EK2がある。球可動体EK2は、遊技盤YBにおいて、開口窓YBbの下縁部に設けられており、円盤状の可動体である。
【0045】
球可動体EK2は、球可動体EK2が開口窓YBbの下縁部に沿って位置している原位置L20から、上方に向かって突出するように、直線状に変位可能に構成されている。正面から見たときに、球可動体EK2が演出表示装置EHの画像表示部と重なっている位置は、球可動体EK2の最大位置L22であり、原位置L20と最大位置L22との間の位置は、球可動体EK2の途中位置L21である。また、球可動体EK2は、その円周方向に沿って回転可能に構成されている。
【0046】
以下の説明では、球可動体EK2が最大位置L22へと変位することを「最大駆動」と示し、球可動体EK2が途中位置L21へと変位することを「途中まで駆動」と示し、球可動体EK2が原位置L20と当該原位置L20から僅かに変位した位置との間で小刻みに変位を繰り返し、恰も「ガタガタ」と揺れることを「揺れ駆動」と示す。また、球可動体EK2が円周方向に沿って回転することを「回転駆動」と示す。
【0047】
パチンコ遊技機10は、球可動体EK2を駆動するアクチュエータとして、球ステッピングモータES2を備えている。球可動体EK2は、球ステッピングモータES2からの動力を受けて、最大駆動、途中まで駆動、揺れ駆動、及び回転駆動が可能に構成されている。球可動体EK2及び球ステッピングモータES2は、遊技盤YBに対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。
【0048】
遊技盤YBに設けられた可動体には、ロゴ可動体EK3がある。ロゴ可動体EK3は、遊技盤YBにおいて、開口窓YBbの上縁部に設けられており、所定のロゴを模した板状の可動体である。
【0049】
ロゴ可動体EK3は、ロゴ可動体EK3が開口窓YBbの上縁部に沿って位置している原位置L30から、下方に向かって突出するように、直線状に変位可能に構成されている。正面から見たときに、ロゴ可動体EK3が演出表示装置EHの画像表示部と重なっている位置は、ロゴ可動体EK3の最大位置L32であり、原位置L30と最大位置L32との間の位置は、ロゴ可動体EK3の途中位置L31である。
【0050】
以下の説明では、ロゴ可動体EK3が最大位置L32へと変位することを「最大駆動」と示し、ロゴ可動体EK3が途中位置L31へと変位することを「途中まで駆動」と示し、ロゴ可動体EK3が原位置L30と当該原位置L30から僅かに変位した位置との間で小刻みに変位を繰り返し、恰も「ガタガタ」と揺れることを「揺れ駆動」と示す。
【0051】
パチンコ遊技機10は、ロゴ可動体EK3を駆動するアクチュエータとして、ロゴステッピングモータES3を備えている。ロゴ可動体EK3は、ロゴステッピングモータES3からの動力を受けて、最大駆動、途中まで駆動、及び揺れ駆動が可能に構成されている。ロゴ可動体EK3及びロゴステッピングモータES3は、遊技盤YBに対して直接、又は他の遊技部品を介して間接的に組み付けられている。
【0052】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、内部抽選(大当り抽選)において大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)が異なる遊技状態として、複数の確率状態を備えている。複数の確率状態には、低確率状態と、当該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。高確率状態は、大当り抽選に当選する可能性が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって有利な遊技状態となる。高確率状態は、いわゆる確率変動状態(確変状態)である。
【0053】
パチンコ遊技機10は、ベース(遊技球の発射数に対する賞球数の割合)が異なる遊技状態として、複数のベース状態を備えている。複数のベース状態には、低ベース状態と、当該低ベース状態に比して、ベースが高い高ベース状態と、がある。本実施形態において、高ベース状態は、低ベース状態に比して、遊技球が第2始動入賞口16へ入球する確率が高まる「入球率向上状態」であり、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易になる「入球容易状態」である。即ち、高ベース状態は、いわゆる電サポ状態である。
【0054】
例えば、高ベース状態は、次に説明する3つの制御のうち任意に選択された1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通図柄の当り抽選に当選する確率(以下、普通当り確率と示す)を、低ベース状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。
【0055】
3つめの制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の合計開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材17の開放回数を、低ベース状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における普通可変部材17の1回の開放時間を、低ベース状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0056】
また、高ベース状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの平均変動時間を、低ベース状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を実行する場合、高ベース状態は、いわゆる変動時間短縮状態となる。ここで、特別ゲームの平均変動時間は、単位回数の特別ゲームが実行されたと仮定したときに、単位回数の変動ゲームにおける変動時間の積算時間を、上記単位回数で除算して求めることができる。
【0057】
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備えている。複数種類の大当り図柄には、それぞれ大当りの種類が定められている。なお、大当りの種類は、1種類でもよく、複数種類であってもよい。
【0058】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口18を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技において、大入賞口18は、所定の開放態様となるように開放される。各ラウンド遊技では、それぞれラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって、所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0059】
次に、パチンコ遊技機10が実行可能な演出の一例について説明する。
パチンコ遊技機10が実行可能な演出には、表示演出の1つである演出図柄変動ゲームがある。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出ゲームは、演出表示装置EHにおいて、複数列の演出図柄を変動表示させ、最終的に演出図柄の組み合わせ(以下、演出図柄組み合わせと示す)を導出させる演出である。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄(飾り図柄)であって、表示演出を多様化させるための図柄である。本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の演出図柄をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0060】
演出ゲームは、特別ゲームに関連して実行される。具体的に、演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。演出ゲームでは、特別ゲームにおいて導出された特別図柄に応じた演出図柄組み合わせが導出される。特別ゲームにおいて、大当り図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて、大当りの演出図柄組み合わせが導出される。例えば、大当りの演出図柄組み合わせは、「777」などのように、全列の演出図柄が同一となる図柄組み合わせである。
【0061】
また、特別ゲームにおいて、はずれ図柄が導出される場合には、演出ゲームにおいて、はずれの演出図柄組み合わせが導出される。例えば、はずれの演出図柄組み合わせは、「778」や「787」などのように、少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる演出図柄組み合わせである。なお、演出ゲームにおいて、演出図柄は、確定停止表示される前に一旦停止表示されてもよい。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームに関連して実行される演出ゲームとを区別しない場合、これらを纏めて「変動ゲーム」と示す。
【0062】
演出ゲームでは、リーチを形成して行うリーチ演出が実行される場合がある。リーチは、複数列のうち特定列(本実施形態では第1列と第3列)に同一の演出図柄が一旦停止表示されており、且つ特定列とは異なる列(本実施形態では第2列)の演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。例えば、リーチ演出には、登場するキャラクタ、及び演出図柄の動作などが異なる複数種類のリーチ演出があってもよい。
【0063】
パチンコ遊技機10が実行可能な演出には、可動体演出の1つとして、枠可動体EK1を最大駆動させる演出、枠可動体EK1を途中まで駆動させる演出、及び、枠可動体EK1を揺れ駆動させる演出がある。以下の説明では、枠可動体EK1を用いた可動体演出を纏めて「第1可動体演出」と示す場合がある。
【0064】
パチンコ遊技機10が実行可能な演出には、可動体演出の1つとして、球可動体EK2を最大駆動させる演出、球可動体EK2を途中まで駆動させる演出、球可動体EK2を回転駆動させる演出、及び、球可動体EK2を揺れ駆動させる演出がある。以下の説明では、球可動体EK2を用いた可動体演出を纏めて「第2可動体演出」と示す場合がある。
【0065】
パチンコ遊技機10が実行可能な演出には、可動体演出の1つとして、ロゴ可動体EK3を最大駆動させる演出、ロゴ可動体EK3を途中まで駆動させる演出、及び、ロゴ可動体EK3を揺れ駆動させる演出がある。以下の説明では、ロゴ可動体EK3を用いた可動体演出を纏めて「第3可動体演出」と示す場合がある。
【0066】
パチンコ遊技機10が実行可能な演出には、演出ボタンBTを用いたボタン演出がある。
ボタン演出において、最初に、演出表示装置EHでは、演出ボタンBTの操作を促す促進情報G10(例えば、「ボタンを操作してね」の文字列を模した画像など)が表示される。ボタン演出において、所定のタイミングで演出ボタンBTが操作されると、演出表示装置EHでは、第1期待度情報G11(例えば、「・・・」の文字列を模した画像)が表示される場合がある。ボタン演出において、所定のタイミングで演出ボタンBTが操作されると、演出表示装置EHでは、第1期待度情報G11に比して変動ゲームが大当りとなる期待度(以下、大当り期待度と示す)が高いことを認識可能な第2期待度情報G12(例えば、「チャンス!」の文字列を模した画像)が表示される場合がある。ボタン演出において、演出ボタンBTの操作を契機に第2期待度情報G12が表示される場合、ボタン振動モータEV1が駆動し、演出ボタンBTが振動する場合と、ボタン振動モータEV1が駆動せず、演出ボタンBTが振動しない場合と、がある。なお、ボタン演出において、所定のタイミングで演出ボタンBTが操作されなかった場合、演出表示装置EHでは、第1期待度情報G11が表示される。
【0067】
パチンコ遊技機10が実行可能な演出には、演出レバーLEを用いるレバー演出がある。
レバー演出において、最初に、演出表示装置EHでは、演出レバーLEの操作を促す促進情報G20(例えば、「レバーを操作してね」の文字列を模した画像など)が表示される。レバー演出において、所定のタイミングで演出レバーLEが操作されると、演出表示装置EHでは第1期待度情報G21(例えば「・・・」の文字列を模した画像)が表示される場合と、第1期待度情報G21に比して大当り期待度が高いことを認識可能な第2期待度情報G22(例えば「チャンス!」の文字列を模した画像)が表示される場合がある。レバー演出において、演出レバーLEの操作を契機に第2期待度情報G22が表示される場合、レバー振動モータEV2が駆動し、演出レバーLEが振動する場合と、レバー振動モータEV2が駆動せず、演出レバーLEが振動しない場合と、がある。なお、レバー演出において、所定のタイミングで演出レバーLEが操作されなかった場合、演出表示装置EHでは、第1期待度情報G21が表示される。
【0068】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、主制御基板30を備えている。主制御基板30は、所定の処理を行い、当該処理の結果に応じて、制御コマンドなどの制御信号を出力する。また、パチンコ遊技機10は、遊技盤YBの裏側(後方)に、副制御基板31を備えている。副制御基板31と、主制御基板30とは、主制御基板30から副制御基板31へと一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板31は、主制御基板30から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0069】
まず、主制御基板30について詳しく説明する。
主制御基板30は、主制御CPU30aと、主制御ROM30bと、主制御RAM30cと、を備えている。主制御CPU30aは、主制御プログラムを実行することによって、所定の処理を行う。主制御ROM30bは、主制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。
【0070】
また、主制御ROM30bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了する迄の変動時間を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンとがある。大当り変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、最終的に大当りの演出図柄組み合わせを導出する変動パターンがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行い、最終的にはずれの演出図柄組み合わせを導出することが可能な「リーチあり」のはずれ変動パターンがある。はずれ変動パターンには、演出ゲームにおいて、リーチ演出を行わず、最終的にはずれの演出図柄組み合わせを導出する「リーチなし」のはずれ変動パターンがある。
【0071】
主制御RAM30cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主制御RAM30cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、主制御基板30は、図示しない乱数生成回路を備えており、ハードウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、主制御基板30は、主制御CPU30aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0072】
主制御CPU30aとセンサSE1〜SE6とは、接続されている。主制御CPU30aは、センサSE1〜SE6が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。以下の説明では、センサSE1〜SE6に関して「ON」と示す場合、遊技球を検知して検知信号を出力していることを意図しており、「OFF」と示す場合、遊技球を検知して検知信号を出力していないことを意図している。主制御CPU30aと、情報表示装置13(表示部13a〜13f)とは、接続されている。主制御CPU30aは、情報表示装置13(表示部13a〜13f)の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU30aとソレノイドMS1,MS2とは、接続されている。主制御CPU30aは、ソレノイドMS1,MS2の動作を制御することによって、可変部材17,19の動作を制御可能に構成されている。
【0073】
次に、副制御基板31について詳しく説明する。
副制御基板31は、副制御CPU31aと、副制御ROM31bと、副制御RAM31cと、を備えている。副制御CPU31aは、副制御プログラムを実行することにより、所定の処理(例えば、演出に関する処理)を行う。副制御ROM31bは、副制御プログラムや、抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM31bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び、可動体演出に用いる可動体演出データを記憶している。
【0074】
副制御RAM31cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副制御RAM31cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板31は、副制御CPU31aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板31は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0075】
副制御CPU31aと演出表示装置EHとは、接続されている。副制御CPU31aは、演出表示装置EHの表示態様を制御可能に構成されている。本実施形態において、演出表示装置EHは、副制御基板31(副制御CPU31a)から入力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、画像表示部の表示態様を制御する図示しない制御部を備えている。なお、演出表示装置EHの制御部は、演出表示装置EHの表示態様を制御するための表示制御基板として、演出表示装置EHとは別体に設けられていてもよい。
【0076】
副制御CPU31aと装飾ランプLAとは、接続されている。副制御CPU31aは、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU31aとスピーカSPとは、接続されている。副制御CPU31aは、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。
【0077】
副制御CPU31aと演出ボタンBTとは、接続されている。副制御CPU31aは、演出ボタンBTが操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。副制御CPU31aと演出レバーLEとは、接続されている。副制御CPU31aは、演出レバーLEが操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。
【0078】
副制御CPU31aと振動モータEV1,EV2とは、接続されている。副制御CPU31aは、振動モータEV1,EV2の動作を制御することによって、演出ボタンBT及び演出レバーLEの振動の有無を制御可能に構成されている。副制御CPU31aとステッピングモータES1〜ES3とは、接続されている。副制御CPU31aは、ステッピングモータES1〜ES3の動作を制御することによって、可動体EK1〜EK3の動作を制御可能に構成されている。
【0079】
次に、主制御CPU30aによって実行される各種の処理について説明する。
主制御CPU30aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行う割り込み処理として、特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理などを実行する。なお、本実施形態において、出力バッファに設定された制御コマンドは、割り込み処理として実行されるコマンド出力処理において、副制御基板31へと出力される。
【0080】
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
図4に示すように、主制御CPU30aは、第1始動入賞センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS101)。第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合(ステップS101:YES)、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0081】
第1特別保留数が上限数未満である場合(ステップS102:YES)、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数を1加算して更新する(ステップS103)。ステップS103の処理において、主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を認識可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると成立する。また、主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な保留数コマンドを出力バッファに設定する。
【0082】
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる(ステップS104)。例えば、乱数は、大当り判定に用いる大当り判定乱数、大当り図柄の決定に用いる図柄決定乱数、変動パターンの決定に用いる変動パターン決定乱数などである。ステップS104の処理において、主制御CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び、乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態では、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことによって、当該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0083】
第1始動入賞口15へ遊技球が入球していない場合(ステップS101:NO)、第1特別保留数が上限数未満ではない場合(ステップS102:NO)、及び、ステップS104の処理を終了した場合、主制御CPU30aは、ステップS105の処理へと移行する。ステップS105の処理において、主制御CPU30aは、第2始動入賞センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したか否かを判定する。第2始動入賞口16へ遊技球が入球している場合(ステップS105:YES)、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS106)。
【0084】
第2特別保留数が上限数未満である場合(ステップS106:YES)、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数を1加算して更新する(ステップS107)。ステップS107の処理において、主制御CPU30aは、更新後の第2特別保留数を認識可能な情報を表示するように、第2特別保留表示部13dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2特別保留数が上限数未満である状態において、遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されると成立する。また、主制御CPU30aは、更新後の第2特別保留数を特定可能な保留数コマンドを出力バッファに設定する。
【0085】
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる(ステップS108)。例えば、乱数は、大当り判定に用いる大当り判定乱数、大当り図柄の決定に用いる図柄決定乱数、変動パターンの決定に用いる変動パターン決定乱数などである。ステップS108の処理において、主制御CPU30aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことによって、当該第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0086】
第2始動入賞口16へ遊技球が入球していない場合(ステップS105:NO)、第2特別保留数が上限数未満ではない場合(ステップS106:NO)、及び、ステップS108の処理が終了した場合、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0087】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
図5に示すように、主制御CPU30aは、特別ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップS201)。主制御CPU30aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲーム中ではない場合に、肯定判定する一方で、大当り遊技中、又は特別ゲーム中である場合に、否定判定する。特別ゲームの実行条件が成立していない場合(ステップS201:NO)、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0088】
その一方で、特別ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS203)。第2特別保留数が0よりも大きい場合(ステップS202:YES)、主制御CPU30aは、ステップS209の処理へと移行し、第2特別ゲームを開始させる。その一方で、第2特別保留数が0の場合(ステップS202:NO)、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS203)。第1特別保留数が0よりも大きい場合(ステップS203:YES)、主制御CPU30aは、ステップS204の処理へと移行し、第1特別ゲームを開始させる。このように、主制御CPU30aは、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを同時に実行させず、第2特別ゲームを優先的に実行させる。なお、第1特別保留数、及び第2特別保留数が何れも0である場合(ステップS202,S203:NO)、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0089】
第1特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数を1減算して更新する(ステップS204)。主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を認識可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。また、主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な保留数コマンドを出力バッファに設定する。
【0090】
次に、主制御CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM30cから取得する(ステップS205)。そして、主制御CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り判定乱数を用いて、大当りか否かの大当り判定を行う(ステップS206)。例えば、大当り判定は、大当り判定乱数の値と大当り判定値とが一致するか否かによって判定してもよい。例えば、大当り判定は、大当り判定乱数の値と大当り判定値とを加算した値が、所定値を超えているか否かによって判定してもよい。
【0091】
大当り判定において大当りと判定した場合(ステップS206:YES)、主制御CPU30aは、大当り変動処理を行う(ステップS207)。大当り変動処理において、主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な図柄決定乱数を用いて、特別図柄の大当り図柄を決定する。主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な変動パターン決定乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。
【0092】
大当り判定において大当りと判定しなかった場合(ステップS206:NO)、主制御CPU30aは、はずれ変動処理を行う(ステップS208)。はずれ変動処理において、主制御CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な変動パターン決定乱数を用いて、変動パターン決定抽選を行い、リーチあり、又はリーチなしのはずれ変動パターンを決定する。
【0093】
第2特別ゲームを開始させる場合、主制御CPU30aは、ステップS209〜S213において、第1特別ゲームを開始させるときと同様の処理を、第2特別ゲームを対象として行う。即ち、主制御CPU30aは、第2特別保留数の減算及び保留数コマンドの設定(ステップS209)と、大当り判定(ステップS211)と、当該大当り判定の結果に基づく何れかの変動処理(ステップS212,S213)と、を行う。
【0094】
主制御CPU30aは、大当り変動処理、又ははずれ変動処理を終了すると、特別図柄開始処理を終了する。なお、主制御CPU30aは、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、決定した特別図柄を特定可能な制御コマンド(以下、特別図柄コマンドと示す)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU30aは、特別ゲームの開始と、決定した変動パターンと、を特定可能な制御コマンド(以下、特別開始コマンドと示す)を出力バッファに設定する。なお、特別開始コマンドには、第1特別ゲーム用の特別開始コマンドと、第2特別ゲーム用の特別開始コマンドと、がある。
【0095】
そして、特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU30aは、所定の図柄の変動表示を開始することによって、特別ゲームを開始するように、特別図柄表示部13a,13bを制御する。主制御CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、特別図柄表示部13a,13bを制御する。また、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、ゲーム終了コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
【0096】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技を付与するための処理である。大当り遊技処理において、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、付与する大当り遊技の種類を特定する。そして、主制御CPU30aは、特定した大当り遊技を付与する処理を行う。
【0097】
最初に、主制御CPU30aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU30aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU30aは、特定した大当り遊技用の開放パターンデータ(開放制御データ)を用いて特別ソレノイドMS2を制御し、大入賞口18を開放させる。主制御CPU30aは、ラウンド遊技の実行中に第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、大入賞口18を閉鎖するように特別ソレノイドMS2を制御し、ラウンド遊技を終了する。主制御CPU30aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU30aは、ラウンド遊技を開始するごとに、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。主制御CPU30aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
【0098】
次に、遊技状態処理について説明する。
遊技状態処理は、パチンコ遊技機10の遊技状態を制御するための処理である。なお、主制御CPU30aは、大当り遊技中、遊技状態を低確低ベース状態に制御する。主制御CPU30aは、大当り遊技を終了すると、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技後の遊技状態を特定する。
【0099】
主制御CPU30aは、高ベース状態の付与を定めた大当り図柄である場合、大当り遊技の終了後の遊技状態を高ベース状態に制御する一方で、低ベース状態の付与を定めた大当り図柄である場合、大当り遊技の終了後の遊技状態を低ベース状態に制御する。主制御CPU30aは、高ベース状態に制御可能な変動ゲームの回数を定めた大当り図柄である場合、当該回数の変動ゲームが終了すると、遊技状態を低ベース状態に制御する。
【0100】
主制御CPU30aは、高確率状態の付与を定めた大当り図柄である場合、大当り遊技の終了後の遊技状態を高確率状態に制御する一方で、低確率状態の付与を定めた大当り図柄である場合、大当り遊技の終了後の遊技状態を低確率状態に制御する。例えば、主制御CPU30aは、高確率状態に制御可能な変動ゲームの回数を定めた大当り図柄である場合、当該回数の変動ゲームが終了すると、遊技状態を低確率状態に制御する。
【0101】
最初に、普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において、主制御CPU30aは、ゲートセンサSE4から検知信号を入力したか否かに基づいて、ゲート20を遊技球が通過したか否かを判定する。遊技球がゲート20を通過した場合、主制御CPU30aは、普通保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。
【0102】
普通保留数が上限数未満である場合、主制御CPU30aは、普通保留数を1加算して更新する。主制御CPU30aは、更新後の普通保留数を認識可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。普通ゲームの保留条件は、普通保留数が上限数未満である状態において、遊技球がゲートセンサSE4によって検知されると成立する。
【0103】
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる。例えば、乱数は、普通当り判定に用いる普通当り判定乱数などである。主制御CPU30aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、普通ゲームに用いる乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことによって、当該普通ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0104】
遊技球がゲート20を通過していない場合、普通保留数が上限数未満ではない場合、及び、普通ゲーム用の乱数情報を記憶させた場合、主制御CPU30aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0105】
次に、普通図柄開始処理について説明する。
主制御CPU30aは、普通ゲームの実行条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU30aは、普通当り遊技中ではなく、且つ普通ゲーム中ではない場合に、肯定判定する一方で、普通当り遊技中、又は普通ゲーム中である場合に、否定判定する。普通ゲームの実行条件が成立していない場合、主制御CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0106】
その一方で、普通ゲームの実行条件が成立している場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている普通保留数が0よりも大きいか否かを判定する。普通保留数が0である場合、主制御CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。普通保留数が0よりも大きい場合、主制御CPU30aは、普通ゲームを開始させる。
【0107】
普通ゲームを開始させる場合、主制御CPU30aは、普通保留数を1減算して更新する。主制御CPU30aは、更新後の普通保留数を認識可能な情報を表示するように、普通保留表示部13fを制御する。主制御CPU30aは、普通ゲームに用いる乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM30cから取得する。
【0108】
主制御CPU30aは、取得した乱数情報から特定される普通当り判定乱数を用いて、普通当りか否かの普通当り判定を行う。普通当り判定において普通当りと判定した場合、主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な乱数を用いた抽選により、普通当り図柄を決定する。その一方で、普通当り判定において普通当りと判定しなかった場合、主制御CPU30aは、普通はずれ図柄を決定する。また、主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な乱数を用いた抽選により普通ゲームの変動時間を決定する。また、主制御CPU30aは、普通ゲームの開始を特定可能な制御コマンド(以下、普通開始コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
【0109】
そして、普通図柄開始処理を終了すると、主制御CPU30aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU30aは、所定の図柄の変動表示を開始することによって、普通ゲームを開始するように、普通図柄表示部13eを制御する。主制御CPU30aは、普通図柄開始処理において決定した変動時間を計測する。主制御CPU30aは、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過すると、普通図柄開始処理において決定した普通図柄を導出するように、普通図柄表示部13eを制御する。
【0110】
次に、普通当り遊技処理について説明する。
普通当り遊技処理は、普通当りの普通ゲームの終了後に普通当り遊技を付与するための処理である。普通当り遊技処理において、主制御CPU30aは、普通図柄開始処理にて決定した普通当り図柄(即ち、普通当りの種類)に基づいて、普通当り遊技の種類を特定する。そして、主制御CPU30aは、特定した普通当り遊技用の開放パターンデータ(開放制御データ)を用いて普通ソレノイドMS1を制御し、第2始動入賞口16を開放させる。
【0111】
次に、副制御CPU31aによって実行される各種の処理について説明する。
最初に、大当り演出処理を説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。副制御CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU31aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように、演出表示装置EHを制御する。なお、大当り演出は、表示演出に加えて、又は代えて、音声演出、発光演出、及び可動体演出の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0112】
副制御CPU31aは、大当り演出の1つとして、今回の大当り遊技における払出球数(賞球数)Eaを認識可能な情報(例えば、「○○○球ゲット!」などの文字列を模した画像)を表示するように、演出表示装置EHを制御する。以下の説明では、払出球数Eaを特定可能な情報を表示する演出を「払出球数表示演出」と示す場合がある。払出球数Eaは、副制御RAM31cに記憶されており、大当り遊技が開始してから終了する迄の間における、大入賞口18への入賞に伴って遊技者に払い出された賞球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。
【0113】
副制御CPU31aは、第4通過指定コマンドを入力すると、払出球数Eaを、大入賞口18に定めた賞球数に相当する15を加算して更新する。そして、副制御CPU31aは、更新後の払出球数Eaを認識可能な情報を表示するように、演出表示装置EHを制御する。副制御CPU31aは、オープニングコマンドを入力する初期化条件が成立すると、払出球数Eaを初期化する。
【0114】
なお、払出球数Eaの初期化条件としては、大当り遊技の終了後における変動ゲームの実行回数が所定回数に達したことを契機に低ベース状態へと移行したことを定めてもよい。この場合、副制御CPU31aは、低ベース状態へと移行するまで、払出球数Eaを認識可能な情報を継続して表示するように、演出表示装置EHを制御してもよい。これによれば、払出球数Eaは、いわゆる連チャン中に、遊技者に払い出された賞球数となる。また、払出球数Eaは、入賞口15,16,21への入賞に伴って遊技者に払い出された賞球数を含んでもよい。この場合、副制御CPU31aは、第1〜第3通過指定コマンドを入力すると、払出球数Eaを、入力した通過指定コマンドに対応する入賞口に定めた賞球数を加算して更新するとよい。
【0115】
次に、演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した演出ゲームを実行させるための処理である。演出ゲーム処理において、副制御CPU31aは、特別開始コマンドを入力すると、当該特別開始コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出内容を特定する。
【0116】
また、副制御CPU31aは、特別図柄コマンドを入力すると、当該特別図柄コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにおいて導出させる演出図柄組み合わせを決定する。副制御CPU31aは、特別図柄の大当り図柄を特定可能である場合、大当りの演出図柄組み合わせを決定する。また、副制御CPU31aは、特別図柄のはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの演出図柄組み合わせを決定する。
【0117】
ここで、副制御CPU31aは、リーチ演出の実行条件が成立しており、今回の演出ゲームにおいてリーチ演出を実行する場合には、リーチを含むはずれの演出図柄組み合わせを決定する。例えば、リーチ条件としては、リーチありのはずれ変動パターンが指定されていることを定めてもよく、さらに所定のリーチ演出抽選を行い、当該リーチ演出抽選に当選したことを定めてもよい。副制御CPU31aは、リーチ演出の実行条件が成立しておらず、今回の演出ゲームにおいてリーチ演出を実行しない場合には、リーチを含まないはずれの演出図柄組み合わせを決定する。
【0118】
副制御CPU31aは、特別開始コマンドを入力すると、各列の演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。即ち、副制御CPU31aは、演出ゲームを開始させる。副制御CPU31aは、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、決定した演出図柄組み合わせを一旦停止表示させるとともに、ゲーム終了コマンドの入力を契機に、演出図柄組み合わせを確定停止表示させる。なお、副制御CPU31aは、ゲーム終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定められた変動時間の経過を契機に演出図柄組み合わせを確定停止表示させてもよい。この場合、ゲーム終了コマンドは省略してもよい。
【0119】
次に、ボタン演出処理について説明する。
ボタン演出処理は、ボタン演出を実行させるための処理である。
副制御CPU31aは、ボタン演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。例えば、ボタン演出の実行条件としては、特別開始コマンドを入力したときにボタン演出抽選を行い、当該ボタン演出抽選に当選したことを定めるとよい。この場合、ボタン演出は、変動ゲームの実行中に行なわれる演出となる。副制御CPU31aは、ボタン演出の実行条件が成立していない場合、ボタン演出を実行させることなく、ボタン演出処理を終了する。
【0120】
副制御CPU31aは、ボタン演出の実行条件が成立している場合、ボタン演出の演出内容(演出態様)を特定可能なボタン演出パターンを決定する。ここで、ボタン演出パターンについて説明する。ボタン演出パターンEPa1は、演出ボタンBTの操作有効期間Ta中に、演出ボタンBTが操作された場合、第1期待度情報G11を表示する演出内容が定められている。ボタン演出パターンEPa2は、演出ボタンBTの操作有効期間Ta中に、演出ボタンBTが操作された場合、第2期待度情報G12を表示するとともに、ボタン振動モータEV1を駆動しない演出内容が定められている。ボタン演出パターンEPa2は、演出ボタンBTの操作有効期間Ta中に、演出ボタンBTが操作された場合、第2期待度情報G12を表示するとともに、ボタン振動モータEV1を駆動する演出内容が定められている。
【0121】
副制御CPU31aは、所定の乱数を用いたボタン演出パターン抽選を行い、ボタン演出パターンEPa1〜EPa3の何れかを決定する。例えば、副制御CPU31aは、ボタン演出パターンEPa1<EPa2<EPa3の順に、決定割合の全体に占める大当りの場合の決定割合が高くなるように、ボタン演出パターン抽選を行うとよい。この場合、大当り期待度は、ボタン演出パターンEPa1<EPa2<EPa3の順に高くなる。
【0122】
そして、副制御CPU31aは、ボタン演出の開始タイミングが到来すると、演出ボタンBTの操作を有効なものとして受け付ける操作有効期間Taを開始する。副制御CPU31aは、操作有効期間Taの開始から所定時間が経過するか、所定時間が経過する前に演出ボタンBTから操作信号を入力すると、操作有効期間Taを終了する。副制御CPU31aは、操作有効期間Ta中に、演出ボタンBTの操作を促す促進情報G10を表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0123】
副制御CPU31aは、操作有効期間Ta中に、演出ボタンBTから操作信号を入力すると、決定しているボタン演出パターンに定めた演出内容となるように、期待度情報G11,G12の何れかの表示と、ボタン振動モータEV1の駆動の有無と、を制御する。副制御CPU31aは、演出ボタンBTから操作信号を入力しないまま操作有効期間Taを終了すると、第1期待度情報G11を表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0124】
そして、副制御CPU31aは、期待度情報G11,G12の何れかを表示させてから、ボタン演出の終了条件が成立すると、期待度情報の表示を終了するとともに、ボタン振動モータEV1が駆動中であれば、当該ボタン振動モータEV1の駆動を終了する。その後、副制御CPU31aは、ボタン演出処理を終了する。
【0125】
次に、レバー演出処理について説明する。
レバー演出処理は、レバー演出を実行させるための処理である。
副制御CPU31aは、レバー演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。例えば、レバー演出の実行条件としては、特別開始コマンドを入力したときにレバー演出抽選を行い、当該レバー演出抽選に当選したことを定めるとよい。この場合、レバー演出は、変動ゲームの実行中に行なわれる演出となる。副制御CPU31aは、レバー演出の実行条件が成立していない場合、レバー演出を実行させることなく、レバー演出処理を終了する。
【0126】
副制御CPU31aは、レバー演出の実行条件が成立している場合、レバー演出の演出内容(演出態様)を特定可能なレバー演出パターンを決定する。ここで、レバー演出パターンについて説明する。レバー演出パターンEPb1は、演出レバーLEの操作有効期間Tb中に、演出レバーLEが操作された場合、第1期待度情報G21を表示する演出内容が定められている。レバー演出パターンEPb2は、演出レバーLEの操作有効期間Tb中に、演出レバーLEが操作された場合、第2期待度情報G22を表示するとともに、レバー振動モータEV2を駆動しない演出内容が定められている。レバー演出パターンEPb2は、演出レバーLEの操作有効期間Tb中に、演出レバーLEが操作された場合、第2期待度情報G22を表示するとともに、レバー振動モータEV2を駆動する演出内容が定められている。
【0127】
副制御CPU31aは、所定の乱数を用いたレバー演出パターン抽選を行い、レバー演出パターンEPb1〜EPb3の何れかを決定する。例えば、副制御CPU31aは、レバー演出パターンEPb1<EPb2<EPb3の順に、決定割合の全体に占める大当りの場合の決定割合が高くなるように、レバー演出パターン抽選を行うとよい。この場合、大当り期待度は、レバー演出パターンEPb1<EPb2<EPb3の順に高くなる。
【0128】
副制御CPU31aは、レバー演出の開始タイミングが到来すると、演出レバーLEの操作を有効なものとして受け付ける操作有効期間Tbを開始する。副制御CPU31aは、操作有効期間Tbの開始から所定時間が経過するか、所定時間が経過する前に演出レバーLEから操作信号を入力すると、操作有効期間Tbを終了する。副制御CPU31aは、操作有効期間Tb中に、演出レバーLEの操作を促す促進情報G20を表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0129】
副制御CPU31aは、操作有効期間Tb中に、演出レバーLEから操作信号を入力すると、決定しているレバー演出パターンに定めた演出内容となるように、期待度情報G21,G22の何れかの表示と、レバー振動モータEV2の駆動の有無と、を制御する。副制御CPU31aは、演出レバーLEから操作信号を入力しないまま操作有効期間Tbを終了すると、第1期待度情報G21を表示するように、演出表示装置EHを制御する。
【0130】
そして、副制御CPU31aは、期待度情報G21,G22の何れかを表示させてから、レバー演出の終了条件が成立すると、期待度情報の表示を終了するとともに、レバー振動モータEV2が駆動中であれば、当該レバー振動モータEV2の駆動を終了する。その後、副制御CPU31aは、レバー演出処理を終了する。
【0131】
次に、第1可動体演出処理について説明する。
第1可動体演出処理は、枠可動体EK1を用いた第1可動体演出を実行させるための処理である。
【0132】
副制御CPU31aは、第1可動体演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。例えば、第1可動体演出の実行条件としては、特別開始コマンドを入力したときに第1可動体演出抽選を行い、当該第1可動体演出抽選に当選したことを定めるとよい。この場合、第1可動体演出は、変動ゲームの実行中に行なわれる演出となる。副制御CPU31aは、第1可動体演出の実行条件が成立していない場合、第1可動体演出を実行させることなく、第1可動体演出処理を終了する。
【0133】
副制御CPU31aは、第1可動体演出の実行条件が成立している場合、第1可動体演出の演出内容(演出態様)を特定可能な第1可動パターンを決定する。ここで、第1可動パターンについて説明する。第1可動パターンKP11は、枠可動体EK1を揺れ駆動させる演出内容が定められている。第1可動パターンKP12は、枠可動体EK1を途中まで駆動させる演出内容が定められている。第1可動パターンKP13は、枠可動体EK1を最大駆動させる演出内容が定められている。
【0134】
副制御CPU31aは、所定の乱数を用いた第1可動パターン抽選を行い、第1可動パターンKP11〜KP13の何れかを決定する。例えば、副制御CPU31aは、第1可動パターンKP11<KP12<KP13の順に、決定割合の全体に占める大当りの場合の決定割合が高くなるように、第1可動パターン抽選を行うとよい。この場合、大当り期待度は、第1可動パターンKP11<KP12<KP13の順に高くなる。
【0135】
副制御CPU31aは、第1可動体演出の開始タイミングが到来すると、決定している第1可動パターンに定めた演出内容により第1可動体演出を実行するように、枠ステッピングモータES1を制御する。そして、副制御CPU31aは、第1可動体演出を開始してから、第1可動体演出の終了条件が成立すると、枠可動体EK1が原位置L10に戻るように、枠ステッピングモータES1を制御する。その後、副制御CPU31aは、第1可動体演出処理を終了する。
【0136】
次に、第2可動体演出処理について説明する。
第2可動体演出処理は、球可動体EK2を用いた第2可動体演出を実行させるための処理である。
【0137】
副制御CPU31aは、第2可動体演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。例えば、第2可動体演出の実行条件としては、特別開始コマンドを入力したときに第2可動体演出抽選を行い、当該第2可動体演出抽選に当選したことを定めるとよい。この場合、第2可動体演出は、変動ゲームの実行中に行なわれる演出となる。副制御CPU31aは、第2可動体演出の実行条件が成立していない場合、第2可動体演出を実行させることなく、第2可動体演出処理を終了する。
【0138】
副制御CPU31aは、第2可動体演出の実行条件が成立している場合、第2可動体演出の演出内容(演出態様)を特定可能な第2可動パターンを決定する。ここで、第2可動パターンについて説明する。第2可動パターンKP21は、球可動体EK2を揺れ駆動させる演出内容が定められている。第2可動パターンKP22は、球可動体EK2を回転駆動させる演出内容が定められている。第2可動パターンKP23は、球可動体EK2を途中まで駆動させる演出内容が定められている。第2可動パターンKP24は、球可動体EK2を最大駆動させる演出内容が定められている。
【0139】
副制御CPU31aは、所定の乱数を用いた第2可動パターン抽選を行い、第2可動パターンKP21〜KP24の何れかを決定する。例えば、副制御CPU31aは、第2可動パターンKP21<KP22<KP23<KP24の順に、決定割合の全体に占める大当りの場合の決定割合が高くなるように、第2可動パターン抽選を行うとよい。この場合、大当り期待度は、第2可動パターンKP21<KP22<KP23<KP24の順に高くなる。
【0140】
副制御CPU31aは、第2可動体演出の開始タイミングが到来すると、決定している第2可動パターンに定めた演出内容により第2可動体演出を実行するように、球ステッピングモータES2を制御する。そして、副制御CPU31aは、第2可動体演出を開始してから、第2可動体演出の終了条件が成立すると、球可動体EK2が原位置P10に戻るように、球ステッピングモータES2を制御する。その後、副制御CPU31aは、第2可動体演出処理を終了する。
【0141】
次に、第3可動体演出処理について説明する。
第3可動体演出処理は、可動体EK3を用いた第3可動体演出を実行させるための処理である。
【0142】
副制御CPU31aは、第3可動体演出の実行条件が成立しているか否かを判定する。例えば、第3可動体演出の実行条件としては、特別開始コマンドを入力したときに第3可動体演出抽選を行い、当該第3可動体演出抽選に当選したことを定めるとよい。この場合、第3可動体演出は、変動ゲームの実行中に行なわれる演出となる。副制御CPU31aは、第3可動体演出の実行条件が成立していない場合、第3可動体演出を実行させることなく、第3可動体演出処理を終了する。
【0143】
副制御CPU31aは、第3可動体演出の実行条件が成立している場合、第3可動体演出の演出内容(演出態様)を特定可能な第3可動パターンを決定する。ここで、第3可動パターンについて説明する。第3可動パターンKP31は、ロゴ可動体EK3を揺れ駆動させる演出内容が定められている。第3可動パターンKP32は、ロゴ可動体EK3を途中まで駆動させる演出内容が定められている。第3可動パターンKP33は、ロゴ可動体EK3を最大駆動させる演出内容が定められている。
【0144】
副制御CPU31aは、所定の乱数を用いた第3可動パターン抽選を行い、第3可動パターンKP31〜KP33の何れかを決定する。例えば、副制御CPU31aは、第3可動パターンKP31<KP32<KP33の順に、決定割合の全体に占める大当りの場合の決定割合が高くなるように、第3可動パターン抽選を行うとよい。この場合、大当り期待度は、第3可動パターンKP31<KP32<KP33の順に高くなる。
【0145】
副制御CPU31aは、第3可動体演出の開始タイミングが到来すると、決定している第3可動パターンに定めた演出内容により第3可動体演出を実行するように、ロゴステッピングモータES3を制御する。そして、副制御CPU31aは、第3可動体演出を開始してから、第3可動体演出の終了条件が成立すると、ロゴ可動体EK3が原位置P10に戻るように、ロゴステッピングモータES3を制御する。その後、副制御CPU31aは、第3可動体演出処理を終了する。
【0146】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、副制御基板31において、遊技に関する情報としての遊技データを生成可能に構成されている。遊技データは、パチンコ遊技機10の稼働状態に関する情報ともいえる。このような、副制御基板31における遊技データの生成は、以下に詳しく説明するように、主制御基板30がセンサSE1〜SE6による検知結果に基づいて出力するコマンドに基づいて行われる。
【0147】
最初に、主制御基板30がセンサSE1〜SE6による検知結果に基づいて出力する通過指定コマンドについて説明する。
図6に示すように、本実施形態において、通過指定コマンドには、第1通過指定コマンドから第6通過指定コマンドまで、全部で7種類のコマンドがある。
【0148】
第1通過指定コマンド(第1始動入賞コマンド)は、第1始動入賞口15に入球した遊技球が第1始動入賞センサSE1を通過し、該第1始動入賞センサSE1により検知されたことを指定するコマンドである。第1通過指定コマンドは、遊技球が第1始動入賞センサSE1により検知されるごとに出力される。第2通過指定コマンド(第2始動入賞コマンド)は、第2始動入賞口16に入球した遊技球が第2始動入賞センサSE2を通過し、該第2始動入賞センサSE2により検知されたことを指定するコマンドである。第2通過指定コマンドは、遊技球が第2始動入賞センサSE2により検知されるごとに出力される。
【0149】
第3通過指定コマンド(普通入賞コマンド)は、普通入賞口21に入球した遊技球が普通入賞センサSE5を通過し、該普通入賞センサSE5により検知されたことを指定するコマンドである。第3通過指定コマンドは、遊技球が普通入賞センサSE5により検知されるごとに出力される。第4通過指定コマンド(特別入賞コマンド)は、大入賞口18に入球した遊技球が特別入賞センサSE3を通過し、該特別入賞センサSE3により検知されたことを指定するコマンドである。第4通過指定コマンドは、遊技球が特別入賞センサSE3により検知されるごとに出力される。
【0150】
第5通過指定コマンド(ゲート通過コマンド)は、ゲート20に入球した遊技球がゲートセンサSE4を通過し、該ゲートセンサSE4により検知されたことを指定するコマンドである。第6通過指定コマンドは、遊技球がゲートセンサSE4により検知されるごとに出力される。第6通過指定コマンド(アウト球コマンド)は、遊技球がアウト球センサSE6を通過し、該アウト球センサSE6により検知されたことを指定するコマンドである。第6通過指定コマンドは、遊技球がアウト球センサSE6により検知されるごとに出力される。
【0151】
次に、実行するコマンド設定処理について説明する。
コマンド設定処理は、センサSE1〜SE6による検知結果に基づいて、遊技球を検知したセンサに対応する通過指定コマンドを出力するための処理である。本実施形態において、コマンド設定処理は、割り込み処理として実行される。
【0152】
図7に示すように、主制御CPU30aは、第1始動入賞センサSE1がONであるか否かを判定する(ステップS301)。第1始動入賞センサSE1がONである場合(ステップS301:YES)、主制御CPU30aは、第1通過指定コマンドを出力バッファに設定する(ステップS302)。
【0153】
第1始動入賞センサSE1がOFFである場合(ステップS301:NO)、及びステップS302の処理を終了した場合、主制御CPU30aは、第2始動入賞センサSE2がONであるか否かを判定する(ステップS303)。第2始動入賞センサSE2がONである場合(ステップS303:YES)、主制御CPU30aは、第2通過指定コマンドを出力バッファに設定する(ステップS304)。
【0154】
第2始動入賞センサSE2がOFFである場合(ステップS303:NO)、及びステップS304の処理を終了した場合、主制御CPU30aは、普通入賞センサSE5がONであるか否かを判定する(ステップS305)。普通入賞センサSE5がONである場合(ステップS305:YES)、主制御CPU30aは、第3通過指定コマンドを出力バッファに設定する(ステップS306)。
【0155】
普通入賞センサSE5がOFFである場合(ステップS305:NO)、及びステップS306の処理を終了した場合、主制御CPU30aは、特別入賞センサSE3がONであるか否かを判定する(ステップS307)。特別入賞センサSE3がONである場合(ステップS307:YES)、主制御CPU30aは、第4通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS308)。
【0156】
特別入賞センサSE3がOFFである場合(ステップS307:NO)、及びステップS308の処理を終了した場合、主制御CPU30aは、ゲートセンサSE4がONであるか否かを判定する(ステップS309)。ゲートセンサSE4がONである場合(ステップS309:YES)、主制御CPU30aは、第5通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS310)。
【0157】
ゲートセンサSE4がOFFである場合(ステップS309:NO)、及びステップS310の処理を終了した場合、主制御CPU30aは、アウト球センサSE6がONであるか否かを判定する(ステップS311)。アウト球センサSE6がONである場合(ステップS311:YES)、主制御CPU30aは、第6通過指定コマンドを所定の出力バッファに設定する(ステップS312)。その後、主制御CPU30aは、コマンド設定処理を終了する。
【0158】
以上のように、本実施形態では、割り込み処理としてコマンド設定処理が実行されることにより、センサSE1〜SE6において、遊技球の通過が検知されるごとに、遊技球の通過が検知されたセンサに対応する通過指定コマンドが出力されるようになっている。
【0159】
次に、副制御基板31において生成可能な第1種基礎データと、該第1種基礎データを生成するための第1情報生成処理について、詳しく説明する。
図8には、副制御基板31が生成可能な第1種基礎データのうち、一部である21種類の遊技データが例示されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1種基礎データの全てについて生成が可能に構成されているが、第1種基礎データのうち一部である1又は複数の基礎データの生成が可能に構成されていてもよい。
【0160】
副制御RAM31cには、第1種基礎データのそれぞれについて、低確低ベース状態、高確低ベース状態、低確高ベース状態、高確高ベース状態、第1特別図柄の大当り遊技、及び第2特別図柄の大当り遊技の6種類の遊技状態に区分した遊技データと、全遊技状態を合計した遊技データとを記憶するための領域が設定されている。
【0161】
アウト球数Daは、計数を開始してからの、アウト球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御CPU31aは、第6通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられたアウト球数Daと合計のアウト球数Da7とを1加算して更新する。例えば、副制御CPU31aは、低確低ベース状態において、第6通過指定コマンドを入力すると、アウト球数Da1を1加算して更新するとともに、各遊技状態の合計であるアウト球数Da7を、1加算して更新する。例えば、副制御CPU31aは、第1特別図柄の大当り遊技において、第6通過指定コマンドを入力すると、アウト球数Da5を、1加算して更新するとともに、各遊技状態の合計であるアウト球数Da7を、1加算して更新する。
【0162】
払出球数(賞球数)Dbは、計数を開始してからの、入賞口15,16,18,21への入賞に伴って遊技者に払い出された賞球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御CPU31aは、第1〜第4通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた払出球数Dbと、合計の払出球数Db7とを、入力した通過指定コマンドに対応する入賞口に定めた賞球数に相当する数を加算して更新する。例えば、副制御CPU31aは、低確低ベース状態において、第1通過指定コマンドを入力すると、低確低ベース状態に対応付けられた払出球数Db1を、第1始動入賞口15に定めた賞球数に相当する3を加算して更新するとともに、各遊技状態の合計である払出球数Db7を、3加算して更新する。
【0163】
差球数Dcは、払出球数Dbから特定可能な払出球数から、アウト球数Daから特定可能なアウト球数を減算した差球数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御CPU31aは、アウト球数Da及び払出球数Dbの少なくとも一方が更新されると、払出球数Dbからアウト球数Daを減算(演算)し、該減算して算出された数値データに差球数Dcを更新する。副制御CPU31aは、アウト球数Da及び払出球数Dbの少なくとも一方が更新されたときの遊技状態に対応付けられた差球数Dcと、合計の差球数Dc7とについて、同様の処理を実行する。
【0164】
第1始動入賞口15への入賞数Ddは、計数を開始してからの、第1始動入賞口15に入球した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御CPU31aは、第1通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた第1始動入賞口15への入賞数Ddと、合計の入賞数Dd7とを1加算して更新する。
【0165】
第2始動入賞口16への入賞数Deは、計数を開始してからの、第2始動入賞口16に入球した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御CPU31aは、第2通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた第2始動入賞口16への入賞数Deと、合計の入賞数De7とを1加算して更新する。
【0166】
普通入賞口21への入賞数Dfは、計数を開始してからの、普通入賞口21に入球した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御CPU31aは、第3通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた普通入賞口21への入賞数Dfと、合計の入賞数Df7とを1加算して更新する。
【0167】
大入賞口18への入賞数Dgは、計数を開始してからの、大入賞口18に入球した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御CPU31aは、第4通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた大入賞口18への入賞数Dgと、合計の入賞数Dg7とを1加算して更新する。
【0168】
第2大入賞口への入賞数Dhは、計数を開始してからの、第2大入賞口に入球した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御CPU31aは、第2大入賞口に対応する通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた大入賞口への入賞数Dhと、合計の入賞数Dh7とを1加算して更新する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2大入賞口を搭載していないことから、入賞数Dhは未使用の遊技データとされている。
【0169】
ゲート通過数Diは、計数を開始してからの、ゲート20を通過した遊技球の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個」である。副制御CPU31aは、第5通過指定コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられたゲート通過数Diと、合計のゲート通過数Di7とを1加算して更新する。
【0170】
第1特別ゲームの開始回数Djは、計数を開始してからの、第1特別ゲームの開始回数(スタート数)を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、第1特別ゲーム用の特別開始コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた第1特別ゲームの開始回数Djと、合計の開始回数Dj7とを1加算して更新する。
【0171】
第2特別ゲームの開始回数Dkは、計数を開始してからの、第2特別ゲームの開始回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、第2特別ゲーム用の特別開始コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた第2特別ゲームの開始回数Dkと、合計の開始回数Dk7とを1加算して更新する。
【0172】
普通ゲームの開始回数Dlは、計数を開始してからの、普通ゲームの開始回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、普通開始コマンドを入力すると、該コマンドを入力したときの遊技状態に対応付けられた普通ゲームの開始回数Dlと、合計の開始回数Dl7とを1加算して更新する。
【0173】
第1特別図柄の大当り回数Dmは、計数を開始してからの、第1特別図柄の大当り抽選における当選回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、図柄コマンドを入力した場合であって、該コマンドから第1特別図柄の大当り図柄を特定可能なときには、そのときの遊技状態に対応付けられた第1特別図柄の大当り回数Dmと、合計の大当り回数Dm7とを1加算して更新する。
【0174】
第2特別図柄の大当り回数Dnは、計数を開始してからの、第2特別図柄の大当り抽選における当選回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、図柄コマンドを入力した場合であって、該コマンドから第2特別図柄の大当り図柄を特定可能なときには、そのときの遊技状態に対応付けられた第2特別図柄の大当り回数Dnと、合計の大当り回数Dn7とを1加算して更新する。
【0175】
第1特別図柄の小当り回数Doは、計数を開始してからの、第1特別図柄の小当り抽選における当選回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、図柄コマンドを入力した場合であって、該コマンドから第1特別図柄の小当り図柄を特定可能なときには、そのときの遊技状態に対応付けられた第1特別図柄の小当り回数Doと、合計の小当り回数Do7とを1加算して更新する。
【0176】
第2特別図柄の小当り回数Dpは、計数を開始してからの、第2特別図柄の小当り抽選における当選回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、図柄コマンドを入力した場合であって、該コマンドから第2特別図柄の小当り図柄を特定可能なときには、そのときの遊技状態に対応付けられた第2特別図柄の小当り回数Dpと、合計の小当り回数Dp7とを1加算して更新する。
【0177】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り抽選を搭載していないことから、小当り回数Do,Dpは未使用の遊技データとされている。小当り抽選は、小当りとするか否かの抽選である。小当り抽選を搭載する場合、主制御CPU30aは、大当り抽選に当選しなかった場合に小当り抽選を実行し、該小当り抽選に当選した場合、小当り図柄が導出される特別ゲームの終了後に、大入賞口18を開放する小当り遊技を付与するとよい。そして、主制御CPU30aは、小当り抽選に当選したときの遊技状態と、小当り遊技の終了後の遊技状態とを同じ遊技状態に制御するとよい。
【0178】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技において特別ゲームが実行される状況が発生しないことから、開始回数Dj5,Dj6,Dk5,Dk6は、未使用の遊技データとされている。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、複数の大当り遊技が重複して付与される状況が発生しないことから、大当り回数Dm5,Dm6,Dn5,Dn6は、未使用の遊技データとされている。
【0179】
特別保留数=0,1での保留消化回数Dqは、計数を開始してからの、特別保留数が0,1である状況における、特別ゲームの開始回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、特別開始コマンドを入力した場合であって、保留数コマンドから特定可能な特別保留数が0であるときには、そのときの遊技状態に対応付けられた保留消化回数Dqと、合計の保留消化回数Dq7とを1加算して更新する。
【0180】
特別保留数=2での保留消化回数Drは、計数を開始してからの、特別保留数が2である状況における、特別ゲームの開始回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、特別開始コマンドを入力した場合であって、保留数コマンドから特定可能な特別保留数が1であるときには、そのときの遊技状態に対応付けられた保留消化回数Drと、合計の保留消化回数Dr7とを1加算して更新する。
【0181】
特別保留数=3での保留消化回数Dsは、計数を開始してからの、特別保留数が3である状況における、特別ゲームの開始回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、特別開始コマンドを入力した場合であって、保留数コマンドから特定可能な特別保留数が2であるときには、そのときの遊技状態に対応付けられた保留消化回数Dsと、合計の保留消化回数Ds7とを1加算して更新する。
【0182】
特別保留数=4での保留消化回数Dtは、計数を開始してからの、特別保留数が4である状況における、特別ゲームの開始回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、特別開始コマンドを入力した場合であって、保留数コマンドから特定可能な特別保留数が3であるときには、そのときの遊技状態に対応付けられた保留消化回数Dtと、合計の保留消化回数Dt7とを1加算して更新する。
【0183】
遊技時間(プレイ時間)Duは、パチンコ遊技機10において遊技が行われている時間を積算した遊技時間を特定可能な数値データである。例えば、単位は、「秒」である。例えば、副制御CPU31aは、第1〜第6通過指定コマンドの何れかを入力する計測開始条件が成立すると、遊技時間の計測を開始する。その一方で、副制御CPU31aは、最後に第1〜第6通過指定コマンドの何れかを入力してから、第1〜第6通過指定コマンドの何れも入力しないまま第1待機時間(例えば10秒)が経過する計測停止条件が成立すると、遊技時間の計測を中断する。計測停止条件には、大当り遊技及び特別ゲームの何れかが終了してから第2待機時間(例えば10秒)が経過することが含まれていてもよい。即ち、副制御CPU31aは、第1待機時間と第2待機時間の両方が経過したことを条件として、遊技時間の計測を中断してもよい。
【0184】
また、副制御CPU31aは、遊技時間の計測を中断している状態において、第1〜第6通過指定コマンドの何れかを入力する計測再開条件が成立すると、遊技時間の計測を再開する。例えば、遊技時間の計測は、割り込み処理において、副制御RAM31cに記憶されている遊技時間Duに割り込み処理の実行間隔に相当する値を加算して更新することにより計測できる。副制御CPU31aは、このような計測するための処理を、複数の遊技状態ごとに区分された遊技時間Duに対して実行する。
【0185】
したがって、本実施形態では、副制御CPU31aによって、遊技に関する遊技データを生成するための基礎データを取得する取得手段としての機能が実現されている。特に、副制御CPU31aが取得する基礎データ(Da〜Di)は、遊技盤における事象に関する基礎データに相当する。
【0186】
また、本実施形態の第1〜第6通過指定コマンドは、遊技に関する遊技データを生成するために必要な情報を少なくとも特定可能である。このため、本実施形態では、第1〜第5通過指定コマンドに特定される内容も、遊技盤YBにおける事象に関する基礎データに相当し、第6通過指定コマンドに特定される内容も、搭載枠12における事象に関する基礎データに相当する。即ち、主制御CPU30aは、入賞センサSE3,SE5による検知結果に基づいて基礎データを取得し、アウト球センサSE6による検知結果に基づいて基礎データを取得する。したがって、本実施形態では、主制御CPU30aによっても、遊技に関する遊技データを生成するための基礎データを取得する取得手段としての機能が実現されている。
【0187】
また、本実施形態では、主制御基板30(主制御CPU30a)によって、制御信号を出力する出力手段としての機能が実現されている。本実施形態では、第1〜第6通過指定コマンドが基礎データに関する制御信号に相当する。本実施形態において、払出球数Dbは、所定の入賞センサSE1〜SE3,SE5による検知数と、当該所定の入賞センサSE1〜SE3,SE5の賞球数と、を乗算して生成される基礎データの1つに相当する。
【0188】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、任意のタイミングにおいて、上述した第1種基礎データに基づいて、遊技に関する第1種遊技データを生成可能に構成されている。以下、副制御基板31において生成可能な第1種遊技データと、該第1種遊技データを生成するための第2情報生成処理について、詳しく説明する。
【0189】
図9には、副制御基板31が生成可能な第1種遊技データのうち、一部である26種類の第1種遊技データが例示されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1種遊技データの全てについて生成が可能に構成されているが、第1種遊技データのうち一部である1又は複数の遊技データの生成が可能に構成されていてもよい。
【0190】
副制御CPU31aは、予め定めた第1種遊技データの生成条件(以下、第1生成条件と示す)が成立すると、副制御RAM31cに記憶されている第1種基礎データに基づいて、第1種遊技データを生成する。例えば、第1生成条件は、演出ボタンBTが操作されたことであってもよく、電源投入に伴って起動したことであってもよく、遊技時間Duが所定時間に達したことであってもよい。第1生成条件は、一定期間が経過するごとに(周期的に)成立する条件であってもよい。また、第1生成条件は、アウト球数Da7が規定数に達したことであってもよい。
【0191】
時間あたりアウト球数P1は、単位遊技時間あたりのアウト球数(以下、時間あたりアウト球数と示す)を特定可能な数値データである。例えば、単位は「個/時間」である。副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式1によって、時間あたりアウト球数P1を算出する。例えば、副制御CPU31aは、時間あたりアウト球数P1として、1時間の遊技時間あたりのアウト球数を算出するとよい。
【0192】
時間あたりアウト球数P1=Da7/Du7…(1)
時間あたり開始回数P2は、単位遊技時間あたりの特別ゲームの開始回数(以下、時間あたり開始回数と示す)を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/時間」である。副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式2によって、時間あたり開始回数P2を算出する。例えば、副制御CPU31aは、時間あたり開始回数P2として、1時間の遊技時間あたりの特別ゲームの開始回数を算出するとよい。
【0193】
時間あたり開始回数P2=(Dj7+Dk7)/Du7…(2)
保留消化割合P3a〜P3d,P4a〜P4d,P5a〜P5dは、全ての特別保留数における特別ゲームの開始回数の合計に対する、特定の特別保留数であるときの特別ゲームの開始回数の割合(以下、保留消化割合と示す)を特定可能なデータである。例えば、単位は「%」である。副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式3a〜3d,4a〜4d,5a〜5dによって、遊技状態ごとであって、且つ特別保留数ごとに、保留消化割合P3a〜P3d,P4a〜P4d,P5a〜P5dを算出する。
【0194】
次に示す計算式3a〜3dは、低確低ベース状態における第1保留消化割合データの算出に用いられる。
第1保留消化割合(保0,1)P3a=Dq1/(Dq1+Dr1+Ds1+Dt1)×100…(3a)
第1保留消化割合(保2)P3b=Dr1/(Dq1+Dr1+Ds1+Dt1)×100…(3b)
第1保留消化割合(保3)P3c=Ds1/(Dq1+Dr1+Ds1+Dt1)×100…(3c)
第1保留消化割合(保4)P3d=Dt1/(Dq1+Dr1+Ds1+Dt1)×100…(3d)
次に示す計算式4a〜4dは、高ベース状態における第2保留消化割合データの算出に用いられる。
【0195】
第2保留消化割合(保0,1)P4a=Dq3+Dq4/(Dq3+Dq4+Dr3+Dr4+Ds3+Ds4+Dt3+Dt4)×100…(4a)
第2保留消化割合(保2)P4b=Dr3+Dr4/(Dq3+Dq4+Dr3+Dr4+Ds3+Ds4+Dt3+Dt4)×100…(4b)
第2保留消化割合(保3)P4c=Ds3+Ds4/(Dq3+Dq4+Dr3+Dr4+Ds3+Ds4+Dt3+Dt4)×100…(4c)
第2保留消化割合(保4)P4d=Dt3+Dt4/(Dq3+Dq4+Dr3+Dr4+Ds3+Ds4+Dt3+Dt4)×100…(4d)
次に示す計算式5a〜5dは、高確率状態における第3保留消化割合データの算出に用いられる。
【0196】
第3保留消化割合(保0,1)P5a=Dq2+Dq4/(Dq2+Dq4+Dr2+Dr4+Ds2+Ds4+Dt2+Dt4)×100…(5a)
第3保留消化割合(保2)P5b=Dr2+Dr4/(Dq2+Dq4+Dr2+Dr4+Ds2+Ds4+Dt2+Dt4)×100…(5b)
第3保留消化割合(保3)P5c=Ds2+Ds4/(Dq2+Dq4+Dr2+Dr4+Ds2+Ds4+Dt2+Dt4)×100…(5c)
第3保留消化割合(保4)P5d=Dt2+Dt4/(Dq2+Dq4+Dr2+Dr4+Ds2+Ds4+Dt2+Dt4)×100…(5d)
第1特定入賞払出球数P6は、大入賞口18、及び第2始動入賞口16への入賞を契機に払い出される賞球数の合計(以下、第1特定入賞払出球数と示す)を特定可能なデータである。例えば、単位は「個」である。なお、入賞口16,18は、何れも可変部材(いわゆる電動役物)付きの入賞口である。副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式6によって、第1特定入賞払出球数P6を算出する。なお、第2大入賞口を備える場合、第1特定入賞払出球数P6には、第2大入賞口への入賞を契機に払い出される賞球数が含まれるとよい。
【0197】
第1特定入賞払出球数P6=De7×第2始動入賞口16の賞球数+Dg7×大入賞口18の賞球数+Dh7×大入賞口18の賞球数…(6)
役物比率P7は、払出球数の合計に対する、上記第1特定入賞払出球数の割合(以下、役物比率と示す)を特定可能なデータである。副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式7aによって、役物比率P7を算出する。また、副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式7bによって、役物比率P7を算出してもよい。
【0198】
役物比率P7=(De7×第2始動入賞口16の賞球数+Dg7×大入賞口18の賞球数+Dh7×大入賞口18の賞球数)/Db7…(7a)
役物比率P7=1−(Dd7×第1始動入賞口15の賞球数+Df7×普通入賞口21の賞球数)/Db7…(7b)
第2特定入賞払出球数P8は、大当り遊技中において、大入賞口18への入賞を契機に払い出される賞球数の合計(以下、第2特定入賞払出球数と示す)を特定可能なデータである。例えば、単位は「個」である。なお、大入賞口18は、可変部材(いわゆる特別電動役物)付きの入賞口である。また、大当り遊技中は、役物連続作動装置が特別電動役物を連続して作動させている期間ともいえる。副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式8によって、第2特定入賞払出球数P8を算出する。なお、第2大入賞口を備える場合、第2特定入賞払出球数P8には、第2大入賞口への入賞を契機に払い出される賞球数が含まれるとよい。
【0199】
第2特定入賞払出球数P8=(Dg5+Dg6)×大入賞口18の賞球数+(Dh5+Dh6)×大入賞口18の賞球数…(8)
連続役物比率P9は、払出球数の合計に対する、上記第2特定入賞払出球数の割合(以下、連続役物比率と示す)を特定可能なデータである。副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式9aによって、連続役物比率P9を算出する。
【0200】
連続役物比率P9={(Dg5+Dg6)×大入賞口18の賞球数+(Dh5+Dh6)×大入賞口18の賞球数}/Db7…(9a)
なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り遊技中でのみ、大入賞口18への入賞が可能となることから、大入賞口18への入賞数Dg1〜Dg4(第2大入賞口への入賞数Dh1〜Dh4)は、何れも0になる。したがって、副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式9bによって、連続役物比率P9を算出することもできる。
【0201】
連続役物比率P9=(Dg7×大入賞口18の賞球数+Dh7×大入賞口18の賞球数)/Db7…(9b)
出玉率P10a〜P10dは、アウト球数に対する、払出球数の割合(以下、出玉率と示す)を特定可能なデータである。単位は、例えば「%」である。副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式10aによって、全体出玉率P10aを算出する。
【0202】
全体出玉率P10a=Db7/Da7×100…(10a)
また、副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式10b〜10dによって、遊技状態別の出玉率P10b〜P10dを算出してもよい。
【0203】
以下に示す計算式10bは、低確低ベース状態における第1出玉率P10bの算出に用いられる。
第1出玉率P10b=Db1/Da1×100…(10b)
以下に示す計算式10cは、高ベース状態における第2出玉率P10cの算出に用いられる。
【0204】
第2出玉率P10c=(Db3+Db4)/(Da3+Da4)×100…(10c)
以下に示す計算式10dは、高確率状態における第3出玉率P10dの算出に用いられる。
【0205】
第3出玉率P10d=(Db2+Db4)/(Da2+Da4)×100…(10d)
ゲーム数率P11a〜P11dは、アウト球数に対する、特別ゲームの開始回数の割合(以下、ゲーム数率と示す)を特定可能なデータである。例えば、単位は「%」である。副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式11aによって、全体ゲーム数率P11aを算出する。
【0206】
全体ゲーム数率P11a=(Dj7+Dk7)/Da7×100…(11a)
また、副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式11b〜11dによって、遊技状態別のゲーム数率P11b〜P11dを算出してもよい。
【0207】
以下に示す計算式11bは、低確低ベース状態における第1ゲーム数率P11bの算出に用いられる。
第1ゲーム数率P11b=(Dj1+Dk1)/Da1×100…(11b)
以下に示す計算式11cは、高ベース状態における第2ゲーム数率P11cの算出に用いられる。
【0208】
第2ゲーム数率P11c=(Dj3+Dj4+Dk3+Dk4)/(Da3+Da4)×100…(11c)
以下に示す計算式11dは、高確率状態における第3ゲーム数率P11dの算出に用いられる。
【0209】
第3ゲーム数率P11d=(Dj2+Dj4+Dk2+Dk4)/(Da2+Da4)×100…(11d)
次に、副制御基板31において生成可能な第2種基礎データと、該第2種基礎データを生成するための第3情報生成処理について、詳しく説明する。
【0210】
図10には、副制御基板31が生成可能な第2種基礎データのうち、一部である12種類の基礎データが例示されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2種基礎データの全てについて生成が可能に構成されているが、第2種基礎データのうち一部である1又は複数の遊技データの生成が可能に構成されていてもよい。副制御RAM31cには、第2種基礎データのそれぞれについて、全遊技状態を合計した遊技データを記憶するための領域が設定されている。
【0211】
ボタン振動時間DE1は、演出ボタンBTが振動した時間、即ち、ボタン振動モータEV1を駆動した時間を積算したボタン振動時間を特定可能な数値データである。例えば、単位は「時間」である。副制御CPU31aは、ボタン振動モータEV1の駆動を開始すると、ボタン振動時間の計測を開始する。その一方で、副制御CPU31aは、ボタン振動モータEV1の駆動を終了すると、ボタン振動時間の計測を終了する。例えば、ボタン振動時間の計測は、割り込み処理において、副制御RAM31cに記憶されているボタン振動時間DE1に割り込み処理の実行間隔に相当する値を加算して更新することにより計測できる。副制御CPU31aは、このような計測するための処理を、全ての遊技状態を通してボタン振動時間DE1に対して実行する。
【0212】
レバー振動時間DE2は、演出レバーLEが振動した時間、即ち、レバー振動モータEV2を駆動した時間を積算したレバー振動時間を特定可能な数値データである。例えば、単位は「時間」である。副制御CPU31aは、レバー振動モータEV2の駆動を開始すると、レバー振動時間の計測を開始する。その一方で、副制御CPU31aは、レバー振動モータEV2の駆動を終了すると、レバー振動時間の計測を終了する。例えば、レバー振動時間の計測は、割り込み処理において、副制御RAM31cに記憶されているレバー振動時間DE2に割り込み処理の実行間隔に相当する値を加算して更新することにより計測できる。副制御CPU31aは、このような計測するための処理を、全ての遊技状態を通してレバー振動時間DE2に対して実行する。
【0213】
枠可動体の揺れ駆動回数DE3は、計数を開始してからの、枠可動体EK1の揺れ駆動の実行回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、枠可動体EK1の揺れ駆動を開始すると、枠可動体の揺れ駆動回数DE3を1加算して更新する。
【0214】
枠可動体の揺れ駆動回数DE4は、計数を開始してからの、枠可動体EK1の途中まで駆動の実行回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、枠可動体EK1の途中まで駆動を開始すると、枠可動体の揺れ駆動回数DE4を1加算して更新する。
【0215】
枠可動体の最大駆動回数DE5は、計数を開始してからの、枠可動体EK1の最大駆動の実行回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、枠可動体EK1の最大駆動を開始すると、枠可動体の最大駆動回数DE5を1加算して更新する。
【0216】
ロゴ可動体の揺れ駆動回数DE6は、計数を開始してからの、ロゴ可動体EK3の揺れ駆動の実行回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、ロゴ可動体EK3の揺れ駆動を開始すると、ロゴ可動体の揺れ駆動回数DE6を1加算して更新する。
【0217】
ロゴ可動体の揺れ駆動回数DE7は、計数を開始してからの、ロゴ可動体EK3の途中まで駆動の実行回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、ロゴ可動体EK3の途中まで駆動を開始すると、ロゴ可動体の揺れ駆動回数DE7を1加算して更新する。
【0218】
ロゴ可動体の最大駆動回数DE8は、計数を開始してからの、ロゴ可動体EK3の最大駆動の実行回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、ロゴ可動体EK3の最大駆動を開始すると、ロゴ可動体の最大駆動回数DE8を1加算して更新する。
【0219】
球可動体の揺れ駆動回数DE9は、計数を開始してからの、球可動体EK2の揺れ駆動の実行回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、球可動体EK2の揺れ駆動を開始すると、球可動体の揺れ駆動回数DE9を1加算して更新する。
【0220】
球可動体の回転駆動回数DE10は、計数を開始してからの、球可動体EK2の回転駆動の実行回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、球可動体EK2の回転駆動を開始すると、球可動体の回転駆動回数DE10を1加算して更新する。
【0221】
球可動体の揺れ駆動回数DE11は、計数を開始してからの、球可動体EK2の途中まで駆動の実行回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、球可動体EK2の途中まで駆動を開始すると、球可動体の揺れ駆動回数DE11を1加算して更新する。
【0222】
球可動体の最大駆動回数DE12は、計数を開始してからの、球可動体EK2の最大駆動の実行回数の総数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回」である。副制御CPU31aは、球可動体EK2の最大駆動を開始すると、球可動体の最大駆動回数DE12を1加算して更新する。
【0223】
以上のように、本実施形態の副制御CPU31aは、ステッピングモータES1〜ES3、及び振動モータEV1,EV2の制御に伴って、遊技データを生成するための情報を取得しているとも言える。したがって、本実施形態では、この観点においても、副制御CPU31aによって、遊技に関する遊技データを生成するための基礎データを取得する取得手段としての機能が実現されている。本実施形態において、第2種基礎データとしての駆動回数DE3〜DE12は、枠体における事象に関する基礎データに相当する。駆動回数DE3〜DE12は、可動体の動作に関する基礎データに相当する。また、基礎データとしての振動時間DE1,DE2は、遊技盤YBにおける事象に関する基礎データであって、演出用の操作手段の動作に関する基礎データに相当する。
【0224】
さらに、本実施形態のパチンコ遊技機10は、任意のタイミングにおいて、各種の基礎データに基づいて、第2種遊技データを生成可能に構成されている。以下、副制御基板31において生成可能な第2種遊技データと、該第2種遊技データを生成するための第4情報生成処理について、詳しく説明する。
【0225】
図11には、副制御基板31が生成可能な第2種遊技データのうち、一部である12種類の第2種遊技データが例示されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2種遊技データの全てについて生成が可能に構成されているが、第2種遊技データのうち一部である1又は複数の遊技データの生成が可能に構成されていてもよい。
【0226】
本実施形態の副制御CPU31aは、予め定めた第2種遊技データの生成条件(以下、第2生成条件と示す)が成立すると、副制御RAM31cに記憶されている各種遊技データに基づいて、第2種遊技データを生成する。例えば、第2生成条件は、演出ボタンBTが操作されたことであってもよく、電源投入に伴って起動したことであってもよく、遊技時間Duが所定時間に達したことであってもよい。第2生成条件は、一定期間が経過するごとに(周期的に)成立する条件であってもよい。また、第2生成条件は、アウト球数Da7が規定数に達したことであってもよい。また、第1生成条件と第2生成条件とは、同一条件であってもよく、異なる条件であってもよい。
【0227】
時間あたりボタン振動時間P21は、単位遊技時間において演出ボタンBTが振動した時間(以下、時間あたりボタン振動時間と示す)を特定可能な数値データである。例えば、単位は「秒/時間」である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式21によって、時間あたりボタン振動時間P21を算出する。例えば、副制御CPU31aは、時間あたりボタン振動時間P21として、1時間の遊技時間あたりの時間あたりボタン振動時間を算出するとよい。
【0228】
時間あたりボタン振動時間P21=DE1/Dt7×3600…(21)
時間あたりレバー振動時間P22は、単位遊技時間において演出レバーが振動した時間(以下、時間あたりレバー振動時間と示す)を特定可能な数値データである。例えば、単位は「秒/時間」である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式22によって、時間あたりレバー振動時間P22を算出する。例えば、副制御CPU31aは、時間あたりレバー振動時間P22として、1時間の遊技時間あたりの時間あたりレバー振動時間を算出するとよい。
【0229】
時間あたりレバー振動時間P22=DE2/Dt7×3600…(22)
平均アウトあたり枠可動体の揺れ駆動回数P23aは、平均アウト球数(以下、平均アウトと示す)あたりの枠可動体の揺れ駆動回数(以下、平均アウトあたり枠可動体の揺れ駆動回数と示す)を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/平均アウト」である。例えば、平均アウトは、18000個である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式23aによって、平均アウトあたり枠可動体の揺れ駆動回数P23aを算出する。
【0230】
平均アウトあたり枠可動体の揺れ駆動回数P23a=DE3/Da7×18000…(23a)
平均アウトあたり枠可動体の途中まで駆動回数P23bは、平均アウトあたりの枠可動体の途中まで駆動回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/平均アウト」である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式23bによって、平均アウトあたり枠可動体の途中まで駆動回数P23aを算出する。
【0231】
平均アウトあたり枠可動体の途中まで駆動回数P23b=(DE4/Da7)×18000…(23b)
平均アウトあたり枠可動体の最大駆動回数P23cは、平均アウトあたりの枠可動体の最大駆動回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/平均アウト」である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式23cによって、平均アウトあたり枠可動体の最大駆動回数P23cを算出する。
【0232】
平均アウトあたり枠可動体の最大駆動回数P23c=(DE5/Da7)×18000…(23c)
平均アウトあたりロゴ可動体の揺れ駆動回数P24aは、平均アウトあたりのロゴ可動体の揺れ駆動回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/平均アウト」である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式24aによって、平均アウトあたりロゴ可動体の揺れ駆動回数P24aを算出する。
【0233】
平均アウトあたりロゴ可動体の揺れ駆動回数P24a=(DE6/Da7)×18000…(24a)
平均アウトあたりロゴ可動体の途中まで駆動回数P24bは、平均アウトあたりのロゴ可動体の途中まで駆動回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/平均アウト」である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式24bによって、平均アウトあたりロゴ可動体の途中まで駆動回数P24aを算出する。
【0234】
平均アウトあたりロゴ可動体の途中まで駆動回数P24b=(DE7/Da7)×18000…(24b)
平均アウトあたりロゴ可動体の最大駆動回数P24cは、平均アウトあたりのロゴ可動体の最大駆動回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/平均アウト」である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式24cによって、平均アウトあたりロゴ可動体の最大駆動回数P24cを算出する。
【0235】
平均アウトあたりロゴ可動体の最大駆動回数P24c=(DE8/Da7)×18000…(24c)
平均アウトあたり球可動体の揺れ駆動回数P25aは、平均アウトあたりの球可動体の揺れ駆動回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/平均アウト」である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式25aによって、平均アウトあたり球可動体の揺れ駆動回数P25aを算出する。
【0236】
平均アウトあたり球可動体の揺れ駆動回数P25a=(DE9/Da7)×18000…(25a)
平均アウトあたり球可動体の回転駆動回数P25cは、平均アウトあたりの球可動体の回転駆動回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/平均アウト」である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式25aによって、平均アウトあたり球可動体の回転駆動回数P25cを算出する。
【0237】
平均アウトあたり球可動体の回転駆動回数P25c=(DE10/Da7)×18000…(25b)
平均アウトあたり球可動体の途中まで駆動回数P25cは、平均アウト球数(以下、平均アウトと示す)あたりの球可動体の途中まで駆動回数(以下、平均アウトあたり球可動体の途中まで駆動回数と示す)を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/平均アウト」である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式25cによって、平均アウトあたり球可動体の途中まで駆動回数P25a(平均アウトあたり球可動体の途中まで駆動回数)を算出する。
【0238】
平均アウトあたり球可動体の途中まで駆動回数P25c=(DE11/Da7)×18000…(25c)
平均アウトあたり球可動体の最大駆動回数P25dは、平均アウトあたりの球可動体の最大駆動回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/平均アウト」である。副制御CPU31aは、第2生成条件が成立すると、次に示す計算式25dによって、平均アウトあたり球可動体の最大駆動回数P25dを算出する。
【0239】
平均アウトあたり球可動体の最大駆動回数P25d=(DE12/Da7)×18000…(25d)
以上のように、副制御CPU31aは、基礎データを取得するとともに、当該基礎データをもとに、遊技に関する各種の遊技データを生成しているといえる。したがって、本実施形態では、副制御CPU31aによって、遊技データを生成する生成手段としての機能が実現されている。
【0240】
本実施形態において、遊技データとしての出玉率P10a〜P10dは、入賞センサSE1〜SE3,SE5による検知結果に基づいた基礎データと、アウト球センサSE6による検知結果に基づいた基礎データと、に基づいて生成される遊技データに相当する。本実施形態において、払出球数P6,P8、役物比率P7,P9,出玉率P10a〜P10dは、所定の入賞センサSE1〜SE3,SE5による検知数と、当該所定の入賞センサSE1〜SE3,SE5の賞球数と、を乗算して生成される基礎データに基づいて生成される遊技データに相当する。
【0241】
遊技データとしての駆動回数P23a〜P23c,P24a〜P24c,P25a〜P25dは、可動体の動作に関する基礎データに基づいて生成される遊技データに相当する。遊技データとしての振動時間P21,P22は、演出用の操作手段の動作に関する基礎データに基づいて生成される遊技データに相当する。
【0242】
次に、データ表示処理について説明する。
データ表示処理は、上述のように取得された第1種基礎データ(Da〜Du)、及び第2種基礎データ(DE1〜DE12)の全部、又は任意に選択された一部の基礎データを、演出表示装置EHにおいて表示するための処理である。また、データ表示処理は、上述のように生成された第1種遊技データ(P1〜P11)、及び第2種遊技データ(P21〜P25)の全部、又は任意に選択された一部の遊技データを、演出表示装置EHにおいて表示するための処理である。以下の説明では、データ表示処理において表示対象とするデータを単に「表示対象データ」と示す場合がある。
【0243】
データ表示処理において、副制御CPU31aは、表示対象データを表示中であるか否かを判定する。表示対象データを表示中ではない場合、副制御CPU31aは、予め定めた表示開始条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態において、表示開始条件としては、副制御基板31が電源投入に伴って起動したときに、演出ボタンBTから操作信号を入力していることに定められている。なお、表示開始条件は、これに限られず、演出ボタンBTが所定の態様により操作されたことであってもよく、表示対象データの一部又は全部が更新されたことであってもよい。また、表示開始条件としては、大当り遊技、又は特別ゲームが終了してから、新たに特別ゲームが実行されることなく所定時間が経過したことであってもよい。
【0244】
予め定めた表示開始条件が成立していない場合、副制御CPU31aは、演出表示装置EHに表示対象データを表示させることなく、データ表示処理を終了する。したがって、本実施形態の演出表示装置EHでは、表示開始条件が成立していないとき、主制御基板30(主制御CPU30a)が出力する制御信号に基づいた遊技データの表示のうち一部又は全部が制限されるようになっている。本実施形態において、演出表示装置EHは、所定の表示手段に相当する。また、表示開始条件は、予め定めた表示条件に相当する。
【0245】
その一方で、表示開始条件が成立している場合、副制御CPU31aは、表示対象データの表示を開始するように、演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU31aは、表示対象データの表示開始を特定可能な開始指定コマンドを演出表示装置EHの制御部に出力する。また、副制御CPU31aは、表示対象データの種類を特定可能なデータ指定コマンドと、当該表示対象データの数値データを特定可能な数値指定コマンドと、を表示対象データごとに演出表示装置EHの制御部に出力する。本実施形態において、データ指定コマンド、及び数値指定コマンドは、遊技データ又は基礎データに関する制御信号に相当する。したがって、副制御基板31(副制御CPU31a)は、制御信号を出力する出力手段としても機能する。なお、データ指定コマンド、及び数値指定コマンドは、単一コマンドとして構成されていてもよい。
【0246】
ここで、演出表示装置EHの制御部は、開始指定コマンドを入力すると、データ指定コマンドから特定可能な表示対象データを認識可能なデータ情報と、数値指定コマンドから特定可能な数値データを認識可能な数値情報と、を対応付けて認識可能となるように、演出表示装置EHの画像表示部を制御する。例えば、演出表示装置EHの制御部は、表示対象データが「役物比率P7」であり、数値データが「40」であることを特定した場合、「役物比率P7=40%」の文字列を模した画像を表示するように、演出表示装置EHの画像表示部を制御する。例えば、演出表示装置EHの制御部は、表示対象データが「差球数Dc7」であり、数値データが「2400」であることを特定した場合、「差球数Dc7=2,400個」の文字列を模した画像を表示するように、演出表示装置EHの画像表示部を制御する。
【0247】
なお、表示対象データを表示させるに際して、副制御CPU31aは、演出表示装置EHの1画面中に全ての表示対象データを表示させるように制御してもよく、複数画面に分割して表示対象データを表示させるように制御してもよい。副制御CPU31aは、複数画面に分割して表示対象データを表示させる場合、演出ボタンBTや演出レバーLEから操作信号を入力すると所定の制御コマンドを出力し、表示させる画面(表示対象データ)を切り替えさせるとよい。
【0248】
また、表示対象データを表示中である場合、副制御CPU31aは、予め定めた表示終了条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態において、表示終了条件としては、遊技データの表示開始から所定時間が経過したことに定められている。なお、表示終了条件としては、これに限られず、演出ボタンBTが所定の態様により操作されたことであってもよく、新たに特別ゲームが開始されたことであってもよく、演出表示装置EHにおいて所定の演出(例えば、リーチ演出)が開始されることであってもよい。また、例えば、表示終了条件としては、副制御基板31が電源遮断のために停止することであってもよい。
【0249】
予め定めた表示終了条件が成立している場合、副制御CPU31aは、表示中である表示対象データを非表示とするように、演出表示装置EHを制御する。具体的に、副制御CPU31aは、表示対象データの表示終了を特定可能な終了指定コマンドを演出表示装置EHの制御部に出力する。ここで、演出表示装置EHの制御部は、終了指定コマンドを入力すると、表示中である表示対象データを非表示とするように、演出表示装置EHの画像表示部を制御する。なお、演出表示装置EHの制御部は、開始指定コマンドを入力してから終了指定コマンドを入力する迄の間、表示対象データを連続的に表示させてもよいし、間欠的に表示させてもよい。その一方で、予め定めた表示終了条件が成立していない場合、副制御CPU31aは、終了指定コマンドを出力せず、表示対象データの表示を継続させる。
【0250】
ここで、副制御CPU31aは、表示対象データのうち全部、又は任意に選択された所定の表示対象データに関して、所定の表示対象データの数値と予め定めた閾値とを比較し、その比較結果に応じて、所定の表示対象データの表示態様を通常表示態様から特別表示態様に切り替えるように構成されていてもよい。例えば、通常表示態様は、第1色(例えば青)で常時表示させる態様であり、特別表示態様は、第1色とは異なる第2色(例えば赤)で表示させたり、点滅表示させたりする態様である。
【0251】
例えば、副制御CPU31aは、役物比率P7が閾値としての0.7を超えていない場合には、役物比率P7を通常表示態様にて表示させる一方で、超えているときには、役物比率P7を特別表示態様にて表示させる。例えば、副制御CPU31aは、連続役物比率P9が閾値としての0.6を超えていない場合には、連続役物比率P9を通常表示態様にて表示させる一方で、超えているときには、役物比率P7を特別表示態様にて表示させる。
【0252】
例えば、副制御CPU31aは、時間あたりボタン振動時間P21が閾値としての80秒/時間を超えていない場合には、時間あたりボタン振動時間P21を通常表示態様にて表示させる一方で、超えているときには、時間あたりボタン振動時間P21を特別表示態様にて表示させる。例えば、副制御CPU31aは、時間あたりレバー振動時間P22が閾値としての80秒/時間を超えていない場合には、時間あたりレバー振動時間P22を通常表示態様にて表示させる一方で、超えているときには、時間あたりレバー振動時間P22を特別表示態様にて表示させる。
【0253】
そして、副制御CPU31aは、データ指定コマンド、及び数値指定コマンドの出力に際しては、さらに表示対象データの表示態様を特定可能な表示態様指定コマンドを演出表示装置EHの制御部に出力する。ここで、演出表示装置EHの制御部は、データ情報、及び数値情報を表示させるに際して、その表示態様を、表示態様指定コマンドから特定可能な表示態様となるように、演出表示装置EHの画像表示部を制御する。以上のように、本実施形態では、副制御CPU31aがデータ表示処理を実行することによって、演出表示装置EHを制御する表示制御手段としての機能が実現されている。
【0254】
したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10は、次の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、演出表示装置EHでは、表示開始条件が成立していないとき、主制御基板30が出力する第1〜第6通過指定コマンドに基づいた遊技データ(表示対象データ)の表示のうち一部又は全部が制限される。したがって、遊技データの表示によって遊技に集中し難くなることを抑制し、これにより遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【0255】
(2)本実施形態によれば、表示開始条件が成立していないとき、入賞センサSE1〜SE3,SE5による検知結果に基づいた基礎データと、アウト球センサSE6による検知結果に基づいた基礎データと、に基づいた遊技データ(P10a〜P10d)の表示が制限される。したがって、遊技データの表示によって遊技に集中し難くなることをさらに抑制できる。
【0256】
(3)本実施形態によれば、表示開始条件が成立していないとき、入賞センサSE1〜SE3,SE5による検知数と、当該入賞センサSE1〜SE3,SE5の賞球数と、を乗算して生成される基礎データに基づいた遊技データ(P6〜P10)の表示が制限される。したがって、遊技データの表示によって遊技に集中し難くなることをさらに抑制できる。
【0257】
(4)本実施形態によれば、表示開始条件が成立していないとき、可動体EK1〜EK3の動作に関する基礎データ(DE3〜DE12)に基づいた遊技データ(P23〜P25)の表示が制限される。したがって、遊技データの表示によって遊技に集中し難くなることをさらに抑制できる。
【0258】
(5)本実施形態によれば、演出表示装置EHでは、表示開始条件が成立していないとき、主制御基板30が出力する第1〜第6通過指定コマンドに基づいた遊技データの表示のうち一部又は全部が制限される。したがって、搭載枠12といった枠体における事象に関する基礎データが加味された遊技データの表示によって遊技に集中し難くなることを抑制し、これにより遊技者の興趣が低下することを抑制できる。なお、上述のように、第6通過指定コマンドは、搭載枠12における事象に関する基礎データを特定可能な制御信号である。
【0259】
(6)本実施形態によれば、表示開始条件が成立していないとき、入賞センサSE1〜SE3,SE5による検知結果に基づいた基礎データと、アウト球センサSE6による検知結果に基づいた基礎データと、に基づいた遊技データの表示が制限される。したがって、搭載枠12における事象に関する基礎データが加味された遊技データの表示によって遊技に集中し難くなることをさらに抑制できる。
【0260】
(7)本実施形態によれば、表示開始条件が成立していないとき、入賞センサSE1〜SE3,SE5による検知数と、当該入賞センサSE1〜SE3,SE5の賞球数と、を乗算して生成される基礎データに基づいた遊技データ(P6〜P10)の表示が制限される。したがって、遊技盤YBにおける事象に関する基礎データが加味された遊技データの表示によって遊技に集中し難くなることをさらに抑制できる。
【0261】
(8)本実施形態によれば、表示開始条件が成立していないとき、可動体EK1〜EK3の動作に関する基礎データに基づいた遊技データの表示が制限される。したがって、搭載枠12における事象に関する基礎データが加味された遊技データの表示によって遊技に集中し難くなることをさらに抑制できる。
【0262】
(9)本実施形態によれば、副制御基板31において、枠可動体EK1の動作に関する基礎データ(駆動回数DE3〜DE5)を取得するとともに、当該取得した基礎データに基づいて遊技データ(駆動回数P23a〜P23c)を生成する。したがって、搭載枠12における事象として、枠可動体EK1の動作状況を容易に把握することができる。
【0263】
(10)本実施形態によれば、副制御基板31において、可動体EK2,EK3の動作に関する基礎データ(駆動回数DE6〜DE12)を取得するとともに、当該取得した基礎データに基づいて遊技データ(駆動回数P24a〜P24c,P25a〜P25d)を生成する。したがって、遊技盤YBにおける事象として、可動体EK2,EK3の動作状況を容易に把握することができる。
【0264】
(10)本実施形態によれば、副制御基板31において、演出ボタンBT及び演出レバーLEの振動に関する基礎データ(振動時間DE1,DE2)を取得するとともに、当該取得した基礎データに基づいて遊技データ(振動時間P21,P22)を生成する。したがって、搭載枠12における事象として、演出ボタンBT及び演出レバーLEの振動状況を容易に把握することができる。
【0265】
(11)本実施形態によれば、第4通過指定コマンドを用いて、基礎データや遊技データを適切に生成できるだけでなく、所定の演出(払出球数表示演出)を行わせ、遊技者の興趣を向上できる。即ち、第4通過指定コマンドについては、基礎データ及び遊技データを生成するために必要な情報、及び演出を実行するために必要な情報の両方を特定可能なコマンドとして兼用できるため、無駄にコマンドの種類が増えてしまうことを抑制できる。
【0266】
(12)本実施形態によれば、複数の通過指定コマンドは、1回の割り込み処理において出力バッファに設定されることから、コマンドの入力タイミングがずれてしまうことで、情報が不足し、基礎データ及び遊技データが適切に生成できなくなることを抑制できる。
【0267】
(13)本実施形態によれば、基礎データ及び遊技データ(遊技機の稼働状態に関する情報)が表示されることから、遊技性に関する検証作業を行い易くできる。
(14)本実施形態によれば、表示対象データの数値と予め定めた閾値とを比較し、その比較結果に応じて、表示対象データの表示態様を通常表示態様から特別表示態様に切り替える。これにより、閾値を遊技性の変更が必要となる値としておくことで、表示対象データの表示態様により再検討が必要となるデータ(指標値)を容易に把握することができるようになる。
【0268】
(15)本実施形態では、表示対象データを演出表示装置EHにて表示することにより、遊技性の検証をパチンコ遊技機10単体で行うことが可能となる。例えば、試射時の遊技データを簡単に確認することができるため、パチンコ遊技機10の遊技性に対する素早い対応が可能となる。また、パチンコ遊技機10で実際に遊技(試打ち)を行い実行される演出を体感しながら、遊技性検証を行うことができるため、例えば、特別保留数=3の保留消化割合から変動効率を上げるために、特別保留数=4の状態での所定の演出(リーチ演出等)の発展率を下げても良いのではないかといった遊技性に関する具体的な修正案の提示も可能となる。
【0269】
(16)本実施形態では、表示対象データ(基礎データ及び遊技データ)の他にも、払出球数(賞球数)Eaを所定の演出(払出球数表示演出)として表示可能である。払出球数(賞球数)Eaは、大当り遊技の開始など、何らかの特殊な操作を必要とせずに表示される一方で、表示対象データ(基礎データ及び遊技データ)は、上記特殊な操作をしなければ表示されない。したがって、本実施形態では、遊技者の興趣の向上に適した演出用のデータについては制限せずに表示する一方で、表示対象データ(基礎データ及び遊技データ)については、表示開始条件が成立しない限り表示しないことで、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
【0270】
例えば、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・表示開始条件は、さらに次のように変更してもよい。例えば、表示開始条件は、表示対象データが予め定めた数値と一致するとき、又は予め定めた数値範囲内であるときに成立する条件であってもよい。具体的に、表示開始条件は、アウト球数Da7が規定数に達したときに成立する条件であってもよい。また、表示開始条件は、遊技状態が変化したときに成立する条件であってもよい。具体的に、表示開始条件は、高ベース状態から低ベース状態へ移行したときや、高確率状態から低確率状態へ移行したときに成立する条件であってもよい。また、表示開始条件は、大当り遊技ではない遊技状態から大当り遊技へと移行したときに成立する条件であってもよい。さらに、表示開始条件は、大当り遊技の中でも、オープニング時間の開始(オープニングコマンドの入力)、ラウンド遊技の開始(ラウンドコマンドの入力)、及び、エンディング時間の開始(エンディングコマンドの入力)の何れを契機として成立する条件であってもよい。例えば、表示開始条件は、所定の制御コマンドを入力したことであってもよい。例えば、表示開始条件は、演出ボタンBTや演出レバーLEとは異なる専用の操作手段が操作されることによって成立する条件であってもよい。例えば、この専用の操作手段は、遊技盤YBの裏側に設けるとよい。また、表示対象データごとに、異なる表示開始条件を定めてもよい。
【0271】
・パチンコ遊技機10は、電源遮断がされた場合であっても副制御RAM31cの記憶内容を保持するための補助電源(バックアップ手段)を備えていてもよい。これによれば、電源遮断がされた場合であっても、副制御基板31において取得した基礎データ、及び生成した遊技データを保持し、電源が投入されたのちにも、継続してデータを蓄積できる。
【0272】
・パチンコ遊技機10は、上記バックアップ手段を備える場合、副制御RAM31cの記憶内容をリセットするためのリセット手段を備えていてもよい。例えば、リセット手段としての機能は、副制御CPU31aが次のようなリセット処理を実行することによって実現できる。リセット処理において、副制御CPU31aは、電源投入がされたときに、演出レバーLEから操作信号を入力しているか否かを判定する。演出レバーLEから操作信号を入力していない場合、副制御CPU31aは、リセット処理を終了する。演出レバーLEから操作信号を入力している場合、副制御CPU31aは、副制御RAM31cに記憶されている基礎データ及び遊技データを初期値に更新し、リセットする。その後、副制御CPU31aは、リセット処理を終了する。本別例において、演出レバーLEの操作は、副制御RAM31cの記憶内容をリセットするためのリセット操作に相当する。例えば、リセット操作は、演出ボタンBTの操作であってもよく、パチンコ遊技機10の裏側に設けられたリセットボタンの操作によって可能であってもよい。
【0273】
・パチンコ遊技機10は、上記リセット処理において、演出ボタンBTや演出レバーLEなどの操作に応じて、副制御RAM31cに記憶されている基礎データ及び遊技データのうち、リセットするデータを選択可能に構成されていてもよい。
【0274】
・副制御CPU31aは、第1種遊技データとして収支P12を生成可能であってもよい。収支P12は、差球数Dcと所定値(本実施形態では4)とを乗算した収支を特定可能な数値データである。例えば、単位は「円」である。副制御CPU31aは、差球数Dcが更新されると、当該差球数Dcと所定値とを乗算して算出された数値データに収支P12を更新する。
【0275】
・副制御CPU31aは、第1種遊技データとして、千円あたり開始回数P13を生成可能であってもよい。千円あたり開始回数P13は、千円あたりの変動ゲームの開始回数を特定可能な数値データである。例えば、単位は「回/千円」である。副制御CPU31aは、第1生成条件が成立すると、次に示す計算式13によって、千円あたり開始回数P13(千円あたりの変動ゲームの開始回数)を算出する。但し、BS=Db1/Da1×100、S=(Dj1+Dk1)/Da1×100である。
【0276】
千円あたり開始回数P13=250/(100−BS)×S…(13)
・副制御CPU31aは、基礎データ及び遊技データのうち、一部のデータについては、常時、表示するように、演出表示装置EHを制御する一方で、他のデータについては、表示開始条件の成立を契機に表示するように、演出表示装置EHを制御してもよい。
【0277】
・副制御CPU31aは、演出表示装置EHの画像表示部を制御するように構成してもよい。この場合、パチンコ遊技機10は、遊技データに関する制御信号(開始指定コマンド、データ指定コマンド、数値指定コマンド、及び表示態様指定コマンド)を出力する構成を省略できる。
【0278】
・アウト球センサSE6は、アウト口22に入球した遊技球のみを検知するセンサであってもよい。この場合、遊技データのうちアウト球数Daは、センサSE1〜SE3,SE5,SE6における遊技球の検知回数の合計として算出するとよい。即ち、アウト球数Daは、第1〜第4,第6通過指定コマンドの入力回数となる。
【0279】
・パチンコ遊技機10は、基礎データ及び遊技データの少なくとも一方を表示するための専用の表示装置を備えていてもよい。また、当該専用の表示装置は、遊技盤YBの裏側(後方)に設けられていてもよい。
【0280】
・パチンコ遊技機10は、基礎データ及び遊技データの少なくとも一方を特定可能な信号を出力するための外部端子(以下、データ端子と示す)を備えていてもよい。副制御CPU31aは、生成したデータを特定可能な信号を上記外部端子から出力するための処理を行う。本変更例によれば、外部機器を外部端子に接続することで、基礎データ及び遊技データの少なくとも一方を外部機器にて取得することができる。
【0281】
・パチンコ遊技機10は、基礎データ及び遊技データの一部又は全部について、表示不能に構成されていてもよい。例えば、副制御基板31(副制御CPU31a)は、演出表示装置EHの制御部に対して、開始指定コマンド、データ指定コマンド、数値指定コマンド、及び表示態様指定コマンドを出力しないように構成されていてもよい。例えば、演出表示装置EHの制御部は、開始指定コマンド、データ指定コマンド、数値指定コマンド、及び表示態様指定コマンドを入力しても、表示対象データを表示させないように構成されていてもよい。このように構成しても、パチンコ遊技機10は、基礎データ及び遊技データを蓄積できる。
【0282】
・副制御基板31において取得する基礎データの種類を変更してもよい。
・副制御基板31において生成する遊技データの種類を変更してもよい。例えば、副制御基板31において生成する遊技データには、入賞口15,16,18,21ごとに定めた払出個数を特定可能な数値データがあってもよく、演出ボタンBT等の所定の操作部材の操作回数を特定可能な数値データがあってもよい。また、副制御CPU31aは、単位遊技時間あたりの可動体EK1〜EK3の駆動回数を特定可能な第2種遊技データを生成してもよい。
【0283】
・副制御CPU31aは、普通ゲームの開始回数Dlを用いて第1種遊技データを生成してもよい。例えば、副制御CPU31aは、単位遊技時間あたりの普通ゲームの開始回数Dlを特定可能なデータを生成してもよい。
【0284】
・副制御CPU31aは、ゲート通過数Diを用いて第1種遊技データを生成してもよい。例えば、副制御CPU31aは、単位遊技時間あたりのゲート20への遊技球の通過数を特定可能なデータを生成してもよい。
【0285】
・主制御CPU30aは、上述した遊技データの一部又は全部を生成してもよい。この場合、主制御CPU30aは、生成した遊技データを特定可能な制御信号を副制御基板31に対して出力する処理を実行するとよい。そして、副制御CPU31aは、入力した制御信号から特定可能な遊技データを表示するように、演出表示装置EHを制御可能であればよい。なお、パチンコ遊技機10は、主制御CPU30aが遊技データの全てを生成する場合、基礎データに関する制御信号(第1〜第6通過指定コマンド)を出力する構成を省略できる。
【0286】
・第1〜第6通過指定コマンドは、1つのコマンド設定処理において出力バッファに設定されなくてもよい。例えば、2以上のコマンド設定処理によって、第1〜第6通過指定コマンドを出力バッファに設定してもよい。
【0287】
・副制御CPU31aが生成する遊技データの種類に応じて、遊技データの生成に用いない通過指定コマンドについては、コマンド設定処理において出力バッファに設定しないようにしてもよい。
【0288】
・パチンコ遊技機10は、大入賞口18へと入球した遊技球が特定領域(いわゆるV領域)を通過し、V入賞センサによって検知されるV入賞の発生を条件として、特典を付与するように構成されていてもよい。この場合、副制御CPU31aは、V入賞センサから検知信号を入力すると、遊技球が特定領域を通過したことを特定可能なコマンドを生成し、出力バッファに設定するとよい。
【0289】
・V入賞の発生を条件に付与する特典は、大当り遊技の終了後の高確率状態、及び大当り遊技の終了後の高ベース状態の一方又は両方であってもよい。例えば、小当り抽選を搭載する場合において、小当り遊技中にV入賞が発生したときに、主制御CPU30aが付与する特典は、大当り遊技であってもよい。
【0290】
・入賞口ごとの賞球数は適宜変更してもよい。
・副制御CPU31aが実行させる各種の演出は、装飾ランプLAによる発光演出、及びスピーカSPによる音声演出を含んで構成されていてもよい。
【0291】
・特別ゲームは、演出表示装置EHにて表示してもよい。この場合、演出ゲームを表示しないようにしてもよい。
・第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、保留順に実行してもよく、交互に実行してもよく、同時に並行して実行してもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
【0292】
・主制御基板30の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御基板30は、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
・主制御CPU30a、主制御ROM30b、及び主制御RAM30cは、ワンチップのマイクロプロセッサとして構成されていてもよい。
【0293】
・副制御基板31の機能は、複数の基板に分割して実現されていてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、演出表示装置EHを専門に制御する表示基板、装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板、及びスピーカSPを専門に制御する音声基板を備えていてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに備えていてもよい。また、副制御CPU31aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0294】
・遊技機としてのスロットマシンに適用してもよい。この場合、スロットマシンは、遊技媒体としてメダルが用いられる。また、スロットマシンは、投入口から投入されたメダルを検知するメダルセンサを検知手段として備える。そして、主制御基板30の主制御CPU30aは、メダルセンサにてメダルが検知されると、通過指定コマンド(第1コマンド)を出力バッファに設定する。また、主制御CPU30aは、メダルの受け付けが可能な状態において、メダルセンサにてメダルが検知された場合であって、且つベット数が上限数に達していない特定条件が成立しているときには、所定の音声(メダル投入音)の出力を指示する投入コマンド(第2コマンド)を出力バッファに設定する。
【0295】
また、主制御CPU30aは、所定数のメダルがベットされた状態において、操作レバーの操作を受け付けると役抽選を行い、リールの回転を開始させる。主制御CPU30aは、ストップボタンの操作を受け付けると、役抽選の結果とストップボタンの操作タイミングとに応じてリールを停止させ、図柄の組み合わせ(表示結果)を導出させる。主制御CPU30aは、有効ライン上に停止された図柄の組み合わせが、賞を付与するものとして予め定めたものである場合には、その図柄の組み合わせに定めた賞を遊技者に付与する。例えば、賞は、再遊技(リプレイ遊技)、メダルの払い出し、ボーナス遊技の付与、及びART状態の付与などである。
【0296】
例えば、副制御基板31の副制御CPU31aは、通過指定コマンドに基づいて、メダルの投入数を特定可能な投入数データを生成するとよい。また、例えば、副制御CPU31aは、投入コマンドを入力するとスピーカを制御し、所定の音声を出力させるとよい。