特許第6581145号(P6581145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6581145
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】システムおよびコネクタ
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/18 20060101AFI20190912BHJP
   B25J 19/06 20060101ALI20190912BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20190912BHJP
   H01R 13/703 20060101ALI20190912BHJP
   G05B 9/02 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   G05B19/18 X
   B25J19/06
   H01R13/64
   H01R13/703
   G05B9/02 L
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-90977(P2017-90977)
(22)【出願日】2017年5月1日
(65)【公開番号】特開2018-190116(P2018-190116A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年6月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169225
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 明
(72)【発明者】
【氏名】藤森 俊祐
(72)【発明者】
【氏名】戸田 俊太郎
【審査官】 藤井 浩介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−000884(JP,A)
【文献】 特開2010−056161(JP,A)
【文献】 特開2002−224983(JP,A)
【文献】 特開昭63−276885(JP,A)
【文献】 特開2010−176873(JP,A)
【文献】 特開平07−296891(JP,A)
【文献】 特開平01−194001(JP,A)
【文献】 特開昭61−127032(JP,A)
【文献】 特開2012−088312(JP,A)
【文献】 特開2003−043901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00−21/02
G05B 9/00−9/05;19/18−19/416;
19/42−19/427
H01R 13/56−13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置と第2の装置とが、ケーブルを介して接続されるシステムであって、
前記第1の装置に接続された第1コネクタ部と、前記第1コネクタ部に対して着脱可能に設けられ、前記第2の装置に接続された第2コネクタ部とを有し、前記ケーブルに設けられたコネクタと、
前記コネクタに設けられ、前記第1コネクタ部から前記第2コネクタ部を取り外すときに操作される取り外し用スイッチと、
を備え、
前記第2の装置および前記第1の装置の各々は、データを記憶する記憶部を備え、
前記第1の装置は、前記第2コネクタ部が前記第1コネクタ部に取り付けられているときに前記取り外し用スイッチが操作された場合は、前記取り外し用スイッチの操作をトリガーとして所定の処理を行い、
前記所定の処理は、前記第2の装置の前記記憶部に記憶されているデータを自身の前記記憶部に書き込む処理である、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第1コネクタ部と前記第2コネクタ部との接続を固定するために係合し、前記第1コネクタ部に対する前記第2コネクタ部の取り外し方向とは異なる方向でその係合が解除される係合部が前記コネクタに設けられ、
前記取り外し用スイッチは、前記係合部の係合の解除に伴って操作される、システム。
【請求項3】
請求項に記載のシステムであって、
前記第2コネクタ部は、前記係合部の係合が解除されてから前記第1コネクタ部からの取り外しが可能となる、システム。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記第2の装置は、前記第2コネクタ部が前記第1コネクタ部に取り付けられているときに前記取り外し用スイッチが操作されると、前記第1の装置と前記第2の装置との接続がこれから切断される旨の切断信号を、前記第1の装置に送信し、
前記第1の装置は、前記切断信号の受信をトリガーとして、前記所定の処理を行う、システム。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記第1の装置は、ロボットの数値制御装置であり、
前記第2の装置は、操作盤である、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルを介して第1の装置と第2の装置とが接続されるシステム、および、第1の装置と第2の装置とを着脱可能に接続するためのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
下記に示す特許文献1には、操作盤が着脱可能なロボット制御装置が開示されている。簡単に説明すると、制御装置本体に着脱スイッチを設ける。そして、制御装置本体は、着脱スイッチが操作されてから所定時間が経過するまでの着脱操作許可状態のときに、操作盤と制御装置本体との接続が解除されることによって操作盤から送信された非常停止信号を受信しても、ロボットの駆動電源を遮断しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−030324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1では、オペレータが、着脱スイッチ(以下、取り外し用スイッチと呼ぶ。)を操作するのを忘れて制御装置本体(以下、第1の装置と呼ぶ。)と操作盤(以下、第2の装置と呼ぶ。)との接続を解除した場合は、ロボットの駆動電源が遮断されてロボットの駆動が停止してしまう。さらに、第1の装置に取り外し用スイッチを設けるので、第1の装置の構造が複雑になる。
【0005】
そこで、本発明は、第1の装置と第2の装置との接続を解除する際に、取り外し用スイッチの操作をし忘れることを防止し、且つ、第1の装置および第2の装置に取り外し用スイッチを設ける必要がないシステムおよびコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、第1の装置と第2の装置とが、ケーブルを介して接続されるシステムであって、前記第1の装置に接続された第1コネクタ部と、前記第1コネクタ部に対して着脱可能に設けられ、前記第2の装置に接続された第2コネクタ部とを有し、前記ケーブルに設けられたコネクタと、前記コネクタに設けられ、前記第1コネクタ部から前記第2コネクタ部を取り外すときに操作される取り外し用スイッチと、を備え、前記第1の装置および前記第2の装置の少なくとも一方は、前記第2コネクタ部が前記第1コネクタ部に取り付けられているときに前記取り外し用スイッチが操作された場合は、前記取り外し用スイッチの操作をトリガーとして所定の処理を行う。
【0007】
本発明の第2の態様は、第1の装置と第2の装置とを着脱可能に接続するためのコネクタであって、前記第1の装置に接続された第1コネクタ部と、前記第1コネクタ部に対して着脱可能に設けられ、前記第2の装置に接続された第2コネクタ部と、前記第1コネクタ部および前記第2コネクタ部に設けられ、前記第1コネクタ部と前記第2コネクタ部との接続を固定するために係合し、前記第1コネクタ部に対する前記第2コネクタ部の取り外し方向とは異なる方向でその係合が解除される係合部と、前記係合部の係合時にオンになり、係合の解除に伴ってオフになる取り外し用スイッチと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1の装置と第2の装置との接続を解除する際に、オペレータが取り外し用スイッチの操作をし忘れることを防止することができる。また、第1の装置および第2の装置に取り外し用スイッチを設ける必要がないので、第1の装置および第2の装置の構造が複雑化することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態および第2の実施の形態のシステムの構成の一例を示す図である。
図2図2Aは、第2コネクタ部が、第1コネクタ部から取り外されたときのコネクタの状態または第1コネクタ部に装着される前のコネクタの状態を示す斜視図、図2Bは、第1コネクタ部の側面図、図2Cは、第2コネクタ部が第1コネクタ部に取り付けられたときのコネクタの状態を示す斜視図である。
図3】第3の実施の形態および第4の実施の形態のシステムの構成の一例を示す図である。
図4】コネクタおよび取り外し用スイッチの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るシステムおよびコネクタについて、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0011】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態のシステム10の構成の一例を示す図である。システム10は、第1の装置12と、第2の装置14と、第1の装置12と第2の装置14とをコネクタ16を介して接続するケーブル18とを備える。以下の説明では、第1の装置12として、ロボットを数値制御する数値制御装置を例に挙げて説明し、第2の装置14として教示操作盤を例に挙げて説明するが、第1の装置12および第2の装置14は、これら(数値制御装置および教示操作盤)に限定されるものではない。教示操作盤14は、ロボットの操作・教示を行うための操作盤である。
【0012】
コネクタ16は、数値制御装置12に接続された第1コネクタ部16aと、第1コネクタ部16aに対して着脱可能に設けられ、教示操作盤14に接続された第2コネクタ部16bとを有する。この第1コネクタ部16aに第2コネクタ部16bが装着される(取り付けられる)と、数値制御装置12と教示操作盤14とが導線(有線)によって接続される。本第1の実施の形態では、第1コネクタ部16aは、数値制御装置12の筐体に設けられ、第2コネクタ部16bは、教示操作盤14の筐体から外部に延びたケーブル18に接続されている。なお、第1コネクタ部16aも数値制御装置12の筐体から延びたケーブルに接続されていてもよい。
【0013】
コネクタ16には、第1コネクタ部16aから第2コネクタ部16bを取り外すときに操作される取り外し用スイッチ20が設けられている。オペレータは、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとを接続したときは取り外し用スイッチ20を閉(オン)にする。そして、第1コネクタ部16aから第2コネクタ部16bを取り外す場合は、まず、取り外し用スイッチ20を開(オフ)にしてから、第2コネクタ部16bを取り外す。なお、取り外し用スイッチ20は、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとを接続したときに取り外し用スイッチ20が自動的に閉(オン)となるような構成であってもよい。
【0014】
数値制御装置12は、非常停止回路22と、制御部24と、揮発性メモリ26aおよび不揮発性メモリ26bを有する記憶部26とを備える。教示操作盤14は、非常停止ボタン28と、スイッチSW1、SW2と、制御部30と、揮発性メモリ32aおよび不揮発性メモリ32bを有する記憶部32とを備える。
【0015】
第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとが接続されると(装着されると)、数値制御装置12と教示操作盤14とが、導線L1〜L6によって接続される。この導線L1〜L6の各々の少なくとも一部は、ケーブル18を構成する。導線L1は、24Vの電位V1を数値制御装置12から教示操作盤14に供給するものであり、導線L2は、0Vの電位(基準電位)V2を数値制御装置12から教示操作盤14に供給するものである。これにより、教示操作盤14には、数値制御装置12から24Vの電圧が供給される。教示操作盤14は、この24Vの電圧を利用して、教示操作盤14の各部(例えば、制御部30)に電圧(例えば、5V)を供給する。したがって、教示操作盤14は、数値制御装置12との接続が解除(切断)されると、電源が落ちる。なお、数値制御装置12には、図示しない電源部から電力が供給されているものとする。
【0016】
教示操作盤14のスイッチSW1は、導線L3上に設けられており、導線L3は、24Vの電位V3を数値制御装置12から教示操作盤14に送った後、スイッチSW1を介して数値制御装置12の非常停止回路22に供給するものである。教示操作盤14のスイッチSW2は、導線L4上に設けられており、導線L4は、0Vの電圧(基準電位)V4を数値制御装置12から教示操作盤14に送った後、スイッチSW2を介して数値制御装置12の非常停止回路22に供給するものである。このスイッチSW1、SW2は、通常時は閉となるノーマリーオン(ノーマリークローズ)のスイッチであり、非常停止ボタン28の操作と連動して開(オフ)になる。つまり、非常停止ボタン28が押されると、スイッチSW1、SW2は、閉(オン)から開(オフ)になる。非常停止ボタン28は、ロボットの駆動を緊急停止させるためのボタンである。
【0017】
したがって、数値制御装置12と教示操作盤14とが接続されると(第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとが接続されると)、導線L3、L4によって、非常停止回路22には24Vの電圧が印加される。この状態で、非常停止ボタン28が操作されると、スイッチSW1、SW2が開(オフ)になり、非常停止回路22に電圧が印加されなくなる。
【0018】
非常停止回路22は、入力された電圧に基づいて非常停止信号ESを生成して制御部24に出力する。非常停止回路22は、入力された電圧値が24Vから0Vに下がると、非常停止ボタン28が操作されたと見做し、非常停止信号ESを生成する。非常停止回路22は、入力された電圧に基づいて発光する発光素子と、発光素子が発光した光を受光する受光素子とを含むフォトカプラを含んでよい。非常停止回路22に入力された電圧が24Vの場合は発光素子が発光し、入力された電圧が0Vの場合は発光素子が発光しないので、非常停止回路22は、受光素子が受光した電荷量に基づいて、入力された電圧値の立ち下がりを検出して、非常停止信号ESを生成する。
【0019】
導線L5は、数値制御装置12の制御部24と教示操作盤14の制御部30との間で通信を行うためのものである。これにより、数値制御装置12の制御部24と教示操作盤14の制御部30との間で信号(データ)の授受を行うことができる。制御部24、30は、例えば、イーサネット(登録商標)通信でデータの授受を行ってもよい。
【0020】
取り外し用スイッチ20は、導線L6上に設けられており、導線L6は、取り外し用スイッチ20を介して、5Vの電位V5を教示操作盤14から数値制御装置12に供給するものである。教示操作盤14は、導線L1、L2によって数値制御装置12から供給された24Vの電圧を降圧し、降圧した電圧を用いて、5Vの電位V5を導線L6に印加する。取り外し用スイッチ20が閉(オン)の場合は、数値制御装置12に電位V5が供給され、取り外し用スイッチ20が開(オフ)の場合は、数値制御装置12には電位V5が供給されない。
【0021】
したがって、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとが接続され、取り外し用スイッチ20が閉(オン)にされると、制御部24には、電位V5が入力される。そして、取り外し用スイッチ20が開(オフ)になると、制御部24には、電位V5が入力されなくなる。これにより、制御部24は、取り外し用スイッチ20の開閉を認識することができる。
【0022】
ここで、導線L6によって制御部24に入力される電位が5Vから0Vに立ち下がった状態を切断信号と呼んでもよい。この場合は、教示操作盤14は、取り外し用スイッチ20が操作されると切断信号を制御部24に送信していると見做すことができる。制御部24は、切断信号を受信すると、取り外し用スイッチ20が閉(オン)から開(オフ)にされた、つまり、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続がこれから切断されると判断する。別の言い方で説明するならば、制御部24は、導線L6によって入力された電位を監視することで、取り外し用スイッチ20の操作の開閉を認識していると見做すこともできる。この場合は、制御部24は、導線L6によって入力された電位が5Vから0Vになると、取り外し用スイッチ20が閉(オン)から開(オフ)にされた、つまり、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続がこれから切断されると判断する。
【0023】
制御部24は、CPU等のプロセッサで構成されており、数値制御装置12の各部の制御、および、ロボットの制御を行う。揮発性メモリ26aは、一時的にデータを記憶するメモリであり、例えば、DRAM等で構成されている。揮発性メモリ26aは、制御部24のバッファメモリとして機能する。不揮発性メモリ26bは、データを保存するためのメモリであり、例えば、NAND型フラッシュメモリで構成されている。不揮発性メモリ26bは、制御部24の制御に必要なデータ等を格納する。
【0024】
制御部24は、非常停止回路22から非常停止信号ESが送られてくると、ロボットの駆動を停止させる。例えば、制御部24は、ロボットに供給する電力を遮断することで、ロボットの駆動を停止させてもよい。
【0025】
制御部30は、CPU等のプロセッサで構成されており、教示操作盤14の各部の制御を行う。揮発性メモリ32aは、一時的にデータを記憶するメモリであり、例えば、DRAM等で構成されている。揮発性メモリ32aは、制御部30のバッファメモリとして機能する。不揮発性メモリ32bは、データを保存するためのメモリであり、例えば、NAND型フラッシュメモリで構成されている。不揮発性メモリ32bは、制御部30の制御に必要なデータ等を格納する。
【0026】
ここで、数値制御装置12と教示操作盤14との接続を解除した場合、つまり、第1コネクタ部16aから第2コネクタ部16bを取り外した場合は、非常停止回路22に入力される電圧値は、24Vから0Vに下がる。そのため、非常停止ボタン28の操作がされていないにもかかわらず、非常停止回路22によって非常停止信号ESが生成されてしまい、制御部24は、ロボットの駆動を停止させてしまう。
【0027】
そこで、本第1の実施の形態では、コネクタ16に、第1コネクタ部16aから第2コネクタ部16bを取り外すときに操作される取り外し用スイッチ20を設ける。そして、この取り外し用スイッチ20を介して数値制御装置12と教示操作盤14とが接続されるように導線L6を設ける。つまり、取り外し用スイッチ20を導線L6上に設ける。そして、第1コネクタ部16aから第2コネクタ部16bを取り外すときに、オペレータによって取り外し用スイッチ20が閉(オン)から開(オフ)に操作されると、制御部24は、取り外し用スイッチ20の操作をトリガーとして、所定の処理を行う。具体的には、制御部24は、所定の処理として、その後に発生する非常停止信号ESに対してマスク処理(所定の処理)を施す。したがって、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続が解除された場合であっても、ロボットの駆動が停止してしまうことを防止することができる。
【0028】
このように、取り外し用スイッチ20を、数値制御装置12と教示操作盤14とを着脱可能に接続するためのコネクタ16に設けたので、数値制御装置12と教示操作盤14との接続を解除(切断)する際に、オペレータが取り外し用スイッチ20の操作をし忘れることを防止することができる。したがって、数値制御装置12は、数値制御装置12と教示操作盤14との接続が解除(切断)される前に、これから接続が解除されることを認識することができ、その後に発生する非常停止信号ESに対してマスク処理を行うことができる。
【0029】
本第1の実施の形態では、第1コネクタ部16aから第2コネクタ部16bを取り外す場合は、第1コネクタ部16aから第2コネクタ部16bを取り外す前に、確実に取り外し用スイッチ20が開(オフ)になる必要がある。したがって、第1コネクタ部16aから第2コネクタ部16bを取り外す前に、確実に取り外し用スイッチ20が開(オフ)になるコネクタ16および取り外し用スイッチ20の構成例を、以下、具体的に説明する。
【0030】
図2A図2Cは、コネクタ16の構成の一例を説明するための図である。図2Aは、第2コネクタ部16bが、第1コネクタ部16aから取り外されたときのコネクタ16の状態または第1コネクタ部16aに装着される前のコネクタ16の状態を示す斜視図、図2Bは、第1コネクタ部16aの側面図、図2Cは、第2コネクタ部16bが第1コネクタ部16aに取り付けられたときのコネクタ16の状態を示す斜視図である。
【0031】
図2Aに示すように、第1コネクタ部16aは、複数の第1端子40と、複数の第1端子40の外周を覆う第1円筒部42と、第1端子40および第1円筒部42を支持するベース部44とを備える。第2コネクタ部16bは、複数の第1端子40と電気的に接続される複数の第2端子(図示略)と、複数の第2端子の外周を覆う第2円筒部46とを備える。第2コネクタ部16bは、ケーブル18の先端に設けられている。
【0032】
第1円筒部42と第2円筒部46とは互いに嵌合するように設けられている。第2円筒部46の内径は、第1円筒部42の外径以上であり、好ましくは、同一または所定の許容範囲内で同一であることが好ましい。これにより、第1円筒部42に第2円筒部46を挿し込むことができ、第1円筒部42と第2円筒部46とが嵌合する(図2C参照)。第2円筒部46が所定量以上第1円筒部42に差し込まれると、第1端子40と第2端子とが接続される。
【0033】
コネクタ16には、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続を固定するために係合し、第1コネクタ部16aに対する第2コネクタ部16bの取り外し方向A2とは異なる方向B2でその係合が解除される係合部50が設けられている。係合部50は、第1コネクタ部16aの第1円筒部42の外周面に形成された溝部50aと、第2コネクタ部16bの第2円筒部46の内周面に形成された係止部50bとを有する。溝部50aは、係止部50bの移動を案内するものである。
【0034】
溝部50aは、係止部50bがベース部44に向かう方向(第2コネクタ部16bの第1コネクタ部16aへの差し込み方向)A1に向けて移動するとともに、係合方向(回転方向)である方向B1に向けて移動するように、係止部50bを案内する(図2B参照)。方向B1は、第2コネクタ部16bを第1コネクタ部16aに取り付ける方向A1とは異なる方向となっている。この係止部50bが溝部50aに沿って移動するように、第2コネクタ部16bを方向A1に移動させて方向B1に回転させることで、係止部50bと溝部50aの先端部51とが係合する(図2C参照)。
【0035】
これにより、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続が固定され、第2コネクタ部16bを第1コネクタ部16aから取り外す方向A2(方向A1とは反対方向)に引っ張っても第2コネクタ部16bを第1コネクタ部16aから取り外すことができない。つまり、第2コネクタ部16bを、単に方向A2に引っ張って第1コネクタ部16aから取り外そうとしても、係合部50の係合が解除することはない。したがって、第2コネクタ部16bを第1コネクタ部16aから取り外すためには、係合を解除する方向B2(方向B1とは反対方向)に第2コネクタ部16bを回転させながら、方向A2に引っ張る必要がある。
【0036】
また、取り外し用スイッチ20は、第1接点20aと第2接点20bとから構成され、第1接点20aは、第1コネクタ部16aの第1円筒部42の外周面に設けられ、第2接点20bは、第2コネクタ部16bの第2円筒部46の内周面に設けられている(図2A図2C参照)。第1接点20aと第2接点20bとは、係止部50bが溝部50aの先端部51と係合したときに、接触するように設けられている(図2C参照)。これにより、取り外し用スイッチ20は、係合部50の係合時にオンになり、係合部50の係合の解除に伴ってオフになる。つまり、取り外し用スイッチ20は、係合部50の係合に伴ってオンに操作され、係合の解除に伴ってオフに操作される。これにより、第1コネクタ部16aから第2コネクタ部16bを取り外す前に、確実に取り外し用スイッチ20を開(オフ)にすることができる。したがって、数値制御装置12と教示操作盤14との接続を解除する際に、オペレータが取り外し用スイッチ20の操作をし忘れることを確実に防止することができる。
【0037】
また、取り外し用スイッチ20に係合部50を設けることで、係合部50の係合が解除されてから、第2コネクタ部16bが第1コネクタ部16aから取り外される(第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続が解除される)までの時間を長くすることができるので、所定の処理を行うための時間を確保することができる。
【0038】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態におけるシステム10について説明する。第2の実施の形態のシステム10の構成は、上記第1の実施の形態で説明したシステム10と同様であるため、図1を用いて第2の実施の形態のシステム10を説明する。
【0039】
上記第1の実施の形態では、制御部24は、所定の処理として、非常停止信号ESに対してマスク処理を施すようにしたが、本第2の実施の形態では、数値制御装置12の制御部24は、所定の処理として、教示操作盤14の記憶部32に記憶されているデータを読み出し、読み出したデータを記憶部26に書き込む処理(記憶処理)を行う。読み出される記憶部32に記憶されているデータとは、揮発性メモリ32aに記憶されているデータを少なくとも含む。また、読み出したデータの記憶先は、記憶部26の揮発性メモリ26aであってもよく、不揮発性メモリ26bであってもよい。
【0040】
これにより、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続が解除されて、教示操作盤14の電源が落ちた場合であっても、教示操作盤14の記憶部32(特に、揮発性メモリ32a)に記憶されているデータを保護することができる。したがって、次に、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとが接続されて教示操作盤14が起動した場合は、教示操作盤14は、数値制御装置12側で保護したデータ(記憶部26に記憶したデータ)を利用することができる。
【0041】
なお、本第2の実施の形態においても、コネクタ16および取り外し用スイッチ20は、上記第1の実施の形態で説明した図2A図2Cのような構成を有してもよい。
【0042】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態におけるシステム10Aについて説明する。図3は、第3の実施の形態のシステム10Aの構成の一例を示す図である。なお、上記第1の実施の形態で説明した構成と同様の構成については同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。
【0043】
第3の実施の形態では、導線L6の代わりに導線L7を設け、取り外し用スイッチ20は、導線L7上に設けられている。導線L7は、取り外し用スイッチ20を介して5Vの電位V5を数値制御装置12から教示操作盤14に供給するものである。取り外し用スイッチ20が閉(オン)の場合は、教示操作盤14に電位V5が供給され、取り外し用スイッチ20が開(オフ)の場合は、教示操作盤14に電位V5が供給されない。
【0044】
したがって、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとが接続され、取り外し用スイッチ20が閉(オン)にされると、制御部30には、電位V5が入力される。そして、取り外し用スイッチ20が開(オフ)になると、制御部30には、電位V5が入力されなくなる。これにより、制御部30は、取り外し用スイッチ20の開閉を認識することができる。
【0045】
ここで、導線L7によって制御部30に入力される電位が5Vから0Vに立ち下がった状態を切断信号と呼ぶ場合は、数値制御装置12は、取り外し用スイッチ20が操作されると切断信号を制御部30に送信していると見做すことができる。制御部30は、切断信号を受信すると、取り外し用スイッチ20が閉(オン)から開(オフ)にされた、つまり、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続がこれから切断されると判断する。別の言い方で説明するならば、制御部30は、導線L7によって入力された電位を監視することで、取り外し用スイッチ20の操作の開閉を認識していると見做すこともできる。この場合は、制御部30は、導線L7によって入力された電位が5Vから0Vになると、取り外し用スイッチ20が閉(オン)から開(オフ)にされた、つまり、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続がこれから切断されると判断する。
【0046】
制御部30は、取り外し用スイッチ20の操作をトリガーとして、所定の処理を行う。具体的には、制御部30は、所定の処理として、揮発性メモリ32aに記憶されているデータを不揮発性メモリ32bに書き込む処理(記憶処理)を行う。
【0047】
これにより、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続が解除されて、教示操作盤14の電源が落ちた場合であっても、教示操作盤14の揮発性メモリ32aに記憶されているデータを保護することができる。したがって、次に、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとが接続されて教示操作盤14が起動した場合は、教示操作盤14は、不揮発性メモリ32bで保護したデータ(不揮発性メモリ32bに記憶したデータ)を利用することができる。
【0048】
なお、本第3の実施の形態においても、コネクタ16および取り外し用スイッチ20は、上記第1の実施の形態で説明した図2A図2Cのような構成を有してもよい。
【0049】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態におけるシステム10Aについて説明する。第4の実施の形態のシステム10Aの構成は、上記第3の実施の形態で説明したシステム10Aと同様であるため、図3を用いて第4の実施の形態のシステム10Aを説明する。
【0050】
上記第3の実施の形態では、制御部30は、所定の処理として、揮発性メモリ32aに記憶されたデータを不揮発性メモリ32bに書き込む処理を行うようにしたが、第4の実施の形態では、制御部30は、所定の処理として、揮発性メモリ32aに記憶されているデータの不揮発性メモリ32bへの書き込みを禁止する処理を行う。
【0051】
揮発性メモリ32aに記憶されているデータの不揮発性メモリ32bへの書き込み処理中に、教示操作盤14の電源が落ちた場合は、不揮発性メモリ32bに記憶されているデータが破損してしまうが、そのような事態が発生することを防止することができる。
【0052】
なお、本第4の実施の形態においても、コネクタ16および取り外し用スイッチ20は、上記第1の実施の形態で説明した図2A図2Cのような構成を有してもよい。
【0053】
[変形例]
上記各実施の形態(第1〜第4の実施の形態の各々)を、以下のように変形してもよい。
【0054】
(変形例1)第1コネクタ部16aから第2コネクタ部16bを取り外す前に、確実に取り外し用スイッチ20が開(オフ)になるコネクタ16および取り外し用スイッチ20の構成例として、図2A図2Cを挙げて説明したがこれに限られるものではない。図4は、コネクタ16および取り外し用スイッチ20の変形例を示す図である。図2A図2Cで示した構成と同様の構成については同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。図4においては、ケーブル18、第1コネクタ部16aの第1端子40、および、第2コネクタ部16bの第2端子の図示を省略している。なお、本変形例1のコネクタ16を、以下、16Aと呼ぶ。
【0055】
本変形例1においても、コネクタ16Aには、第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続を固定するために係合し、第1コネクタ部16aに対する第2コネクタ部16bの取り外し方向A2とは異なる方向C2でその係合が解除される係合部60が設けられている。係合部60は、第1コネクタ部16aの第1円筒部42の外周面に形成された凹部60aと、凹部60aと嵌合(係合)する係止部60bと、係止部60bを操作するために第2コネクタ部16bの第2円筒部46の外周面側に設けられた操作部60cとを有する。
【0056】
操作部60cは、第2円筒部46の外周面と平行して、第1コネクタ部16aのベース部44に向かって延び、第2円筒部46の外周面に設けられた支点部62によって支持されている。係止部60bは、操作部60cのベース部44側の端部に設けられ、第2円筒部46に形成された貫通孔46aを通って凹部60aに向かって突出するように形成されている。支点部62を基準として、操作部60cの係止部60bが設けられた側とは反対側の操作端部61側には、係止部60bを凹部60a方向(係合する方向C1)に付勢するためのバネ64が設けられている。オペレータが、操作部60cの操作端部61を第2円筒部46側に向けて押圧することで、操作部60cは、支点部62を支点として傾斜する。これにより、係止部60bが方向C2方向に移動し、係止部60bと凹部60aとの嵌合(係合)が解除される。したがって、係合部60の係合が解除されてから、第2コネクタ部16bを第1コネクタ部16aから取り外すことができる。
【0057】
本変形例1では、係合部60の係合方向は、方向A1および方向A2と直交し、第1円筒部42の外周面に向かう方向C1である。また、係合部60の係合が解除される方向は、方向A1および方向A2と直交し、第1円筒部42の外周面から離れる方向C2であり、方向C1とは反対側の方向である。したがって、方向C1は、方向A1とは異なる方向であり、方向C2は、方向A2とは異なる方向である。そのため、第2コネクタ部16bを方向A2に引っ張って第1コネクタ部16aから取り外そうとしても、係合部60の係合を解除することができない。
【0058】
取り外し用スイッチ20の第1接点20aは、凹部60aの底面側に設けられており、第2接点20bは、係止部60bの第1円筒部42側の先端に設けられている。したがって、第1接点20aと第2接点20bとは、係止部60bが凹部60aと係合したときに、接触する。これにより、取り外し用スイッチ20は、係合部60の係合時にオンになり、係合部60の係合の解除に伴ってオフになる。つまり、取り外し用スイッチ20は、係合部60の係合に伴ってオンに操作され、係合の解除に伴ってオフに操作される。したがって、第1コネクタ部16aから第2コネクタ部16bを取り外す前に、確実に取り外し用スイッチ20を開(オフ)にすることができる。なお、図4に示す構成の場合は、第2コネクタ部16bを第1コネクタ部16aに装着する際に、自動的に取り外し用スイッチ20がオンになる。
【0059】
また、取り外し用スイッチ20に係合部60を設けることで、係合部60の係合が解除されてから、第2コネクタ部16bが第1コネクタ部16aから取り外される(第1コネクタ部16aと第2コネクタ部16bとの接続が解除される)までの時間を長くすることができるので、所定の処理を行うための時間を確保することができる。
【0060】
(変形例2)上記各実施の形態および上記変形例1では、取り外し用スイッチ20は、係合部50、60の係合時にオンとなり、係合の解除に伴ってオフとなるようにしたが、係合部50、60の係合時にオフとなり、係合の解除に伴ってオンとなるようにしてもよい。この場合は、数値制御装置12の制御部24および教示操作盤14の制御部30の少なくとも一方は、取り外し用スイッチ20がオンになったことをトリガーとして、所定の処理を行えばよい。
【0061】
以上のように、上記第1〜第4の実施の形態および変形例で説明した第1の装置(12)と第2の装置(14)とが、ケーブル(18)を介して接続されるシステム(10、10A)は、第1の装置(12)に接続された第1コネクタ部(16a)と、第1コネクタ部(16a)に対して着脱可能に設けられ、第2の装置(14)に接続された第2コネクタ部(16b)とを有し、ケーブル(18)に設けられたコネクタ(16、16A)と、コネクタ(16、16A)に設けられ、前記第1コネクタ部(16a)から前記第2コネクタ部(16b)を取り外すときに操作される取り外し用スイッチ(20)と、を備える。第1の装置(12)および第2の装置(14)の少なくとも一方は、第2コネクタ部(16b)が第1コネクタ部(16a)に取り付けられているときに取り外し用スイッチ(20)が操作された場合は、取り外し用スイッチ(20)の操作をトリガーとして所定の処理を行う。
【0062】
このように、取り外し用スイッチ(20)を、第1の装置(12)と第2の装置(14)とを着脱可能に接続するためのコネクタ(16、16A)に設けたので、第1の装置(12)と第2の装置(14)との接続を解除する際に、オペレータが取り外し用スイッチ(20)の操作をし忘れることを防止することができる。したがって、第1の装置(12)および第2の装置(14)の少なくとも一方は、第1の装置(12)と第2の装置(14)との接続が解除される前に、これから接続が解除されることを認識することができ、所定の処理を行うことができる。また、第1の装置(12)および第2の装置(14)に取り外し用スイッチ(20)を設ける必要がないので、第1の装置(12)および第2の装置(14)の構造が複雑化することを防止することができる。
【0063】
第1コネクタ部(16a)と第2コネクタ部(16b)との接続を固定するために係合し、第1コネクタ部(16a)に対する第2コネクタ部(16b)の取り外し方向とは異なる方向でその係合が解除される係合部(50、60)をコネクタ(16、16A)に設けてもよい。取り外し用スイッチ(20)は、係合部(50、60)の係合の解除に伴って操作される。これにより、オペレータは、第1コネクタ部(16a)から第2コネクタ部(16b)を取り外す前に、取り外し用スイッチ(20)を操作することになる。したがって、第1の装置(12)と第2の装置(14)との接続を解除する際に、オペレータが取り外し用スイッチ(20)の操作をし忘れることを確実に防止することができる。
【0064】
第2コネクタ部(16b)は、係合部(50、60)の係合が解除されてから第1コネクタ部(16a)からの取り外しが可能となってもよい。これにより、オペレータは、第1コネクタ部(16a)から第2コネクタ部(16b)を取り外す前に、取り外し用スイッチ(20)を必ず操作することになる。
【0065】
第2の装置(14)は、非常停止ボタン(28)を備えてもよい。第1の装置(12)は、非常停止ボタン(28)が操作された場合、および、第1の装置(12)と第2の装置(14)との接続が解除された場合は、非常停止信号(ES)を生成して、ロボットの駆動を停止させてもよい。第1の装置(12)は、所定の処理として、非常停止信号(ES)に対してマスク処理を行ってもよい。これにより、第1の装置(12)と第2の装置(14)との接続が解除された場合に、ロボットの駆動が停止することを防止することができる。
【0066】
第2の装置(14)および第1の装置(12)の各々は、データを記憶する記憶部(32、26)を備える。第1の装置(12)は、所定の処理として、第2の装置(14)の記憶部(32)に記憶されているデータを自身の記憶部(26)に書き込む処理を行ってもよい。これにより、第1コネクタ部(16a)と第2コネクタ部(16b)との接続が解除されて、第2の装置(14)の電源が落ちた場合であっても、第2の装置(14)の記憶部(32)に記憶されているデータを保護することができる。したがって、次に、第1コネクタ部(16a)と第2コネクタ部(16b)とが接続されて第2の装置(14)が起動した場合は、第2の装置(14)は、第1の装置(12)の記憶部(26)で保護したデータを利用することができる。
【0067】
第2の装置(14)は、第2コネクタ部(16b)が第1コネクタ部(16a)に取り付けられているときに取り外し用スイッチ(20)が操作されると、第1の装置(12)と第2の装置(14)との接続がこれから切断(解除)される旨の切断信号を、第1の装置(12)に送信してもよい。第1の装置(12)は、切断信号の受信をトリガーとして、所定の処理を行ってもよい。これにより、第1の装置(12)は、第1の装置(12)と第2の装置(14)との接続がこれから切断されることを認識することができる。
【0068】
第2の装置(14)は、プロセッサ(30)と、プロセッサ(30)のバッファメモリとして機能する揮発性メモリ(32a)およびデータを格納する不揮発性メモリ(32b)を有する記憶部(32)とを備える。第2の装置(14)は、所定の処理として、揮発性メモリ(32a)に記憶されているデータを不揮発性メモリ(32b)に書き込む処理を行ってもよい。これにより、第1コネクタ部(16a)と第2コネクタ部(16b)との接続が解除されて、第2の装置(14)の電源が落ちた場合であっても、第2の装置(14)の揮発性メモリ(32a)に記憶されているデータを保護することができる。したがって、次に、第1コネクタ部(16a)と第2コネクタ部(16b)とが接続されて第2の装置(14)が起動した場合は、第2の装置(14)は、不揮発性メモリ(32b)で保護したデータを利用することができる。
【0069】
また、第2の装置(14)は、所定の処理として、揮発性メモリ(32a)に記憶されているデータの不揮発性メモリ(32b)への書き込みを禁止する処理を行ってもよい。これにより、第1コネクタ部(16a)と第2コネクタ部(16b)との接続が解除されて、第2の装置(14)の電源が落ちた場合に、不揮発性メモリ(32b)に記憶されているデータが破損することを防止することができる。
【0070】
第1の装置(12)は、第2コネクタ部(16b)が第1コネクタ部(16a)に取り付けられているときに取り外し用スイッチ(20)が操作されると、第1の装置(12)と第2の装置(14)との接続がこれから切断される旨の切断信号を、第2の装置(14)に送信してもよい。第2の装置(14)は、切断信号の受信をトリガーとして、所定の処理を行ってもよい。これにより、第2の装置(14)は、第1の装置(12)と第2の装置(14)との接続がこれから切断されることを認識することができる。
【0071】
第1の装置(12)と第2の装置(14)とを着脱可能に接続するためのコネクタ(16、16A)は、第1の装置(12)に接続された第1コネクタ部(16a)と、第1コネクタ部(16a)に対して着脱可能に設けられ、第2の装置(14)に接続された第2コネクタ部(16b)と、第1コネクタ部(16a)および第2コネクタ部(16b)に設けられ、第1コネクタ部(16a)と第2コネクタ部(16b)との接続を固定するために係合し、第1コネクタ部(16a)に対する第2コネクタ部(16b)の取り外し方向とは異なる方向でその係合が解除される係合部(50、60)と、係合部(50、60)の係合時にオンになり、係合の解除に伴ってオフになる取り外し用スイッチ(20)と、を備える。
【0072】
これにより、オペレータは、第1コネクタ部(16a)から第2コネクタ部(16b)を取り外す前に、取り外し用スイッチ(20)を操作することになる。したがって、第1の装置(12)と第2の装置(14)との接続を解除する際に、オペレータが取り外し用スイッチ(20)の操作をし忘れることを確実に防止することができる。したがって、第1の装置(12)および第2の装置(14)の少なくとも一方は、第1の装置(12)と第2の装置(14)との接続が解除される前に、これから接続が解除されることを認識することができ、所定の処理を行うことができる。また、第1の装置(12)および第2の装置(14)に取り外し用スイッチ(20)を設ける必要がないので、第1の装置(12)および第2の装置(14)の構造が複雑化することを防止することができる。
【0073】
第1の装置(12)は、ロボットの数値制御装置であってもよい。第2の装置(14)は、操作盤であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
10、10A…システム 12…数値制御装置(第1の装置)
14…教示操作盤(操作盤、第2の装置) 16、16A…コネクタ
16a…第1コネクタ部 16b…第2コネクタ部
18…ケーブル 20…取り外し用スイッチ
20a…第1接点 20b…第2接点
22…非常停止回路 24、30…制御部
26、32…記憶部 26a、32a…揮発性メモリ
26b、32b…不揮発性メモリ 28…非常停止ボタン
40…第1端子 42…第1円筒部
44…ベース部 46…第2円筒部
50、60…係合部 50a…溝部
50b、60b…係止部 51…先端部
60a…凹部 60c…操作部
図1
図2
図3
図4