特許第6581181号(P6581181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6581181静電誘起によるセンサ、発電機、センシング方法及び発電方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6581181
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】静電誘起によるセンサ、発電機、センシング方法及び発電方法
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/08 20060101AFI20190912BHJP
   H02N 1/08 20060101ALI20190912BHJP
   G01B 7/00 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   G01V3/08 D
   H02N1/08
   G01B7/00 101Z
【請求項の数】31
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2017-505698(P2017-505698)
(86)(22)【出願日】2015年4月17日
(65)【公表番号】特表2017-518512(P2017-518512A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(86)【国際出願番号】CN2015076872
(87)【国際公開番号】WO2015158302
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2016年10月26日
(31)【優先権主張番号】201410158431.0
(32)【優先日】2014年4月18日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410157925.7
(32)【優先日】2014年4月18日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516044129
【氏名又は名称】北京納米能源与系統研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 中林
(72)【発明者】
【氏名】朱 光
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−207344(JP,A)
【文献】 特開2011−172367(JP,A)
【文献】 特開2014−042444(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0049531(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/074114(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第103684035(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第102710166(CN,A)
【文献】 特開2013−055724(JP,A)
【文献】 特開2014−023302(JP,A)
【文献】 特開2011−015503(JP,A)
【文献】 特開2013−219922(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/021488(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/073465(WO,A1)
【文献】 特開2013−188080(JP,A)
【文献】 特開2011−188725(JP,A)
【文献】 Zhu,Linear-Grating Triboelectric Generator Based on Sliding Electrification,Nano letters,米国,American Chemical Society,2013年 4月11日,2013年13巻5号,pp 2282-2289
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 3/08
G01B 7/00
H02N 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電誘起によるセンサであって、
被検体の移動をセンシングするセンシング部品を含み、
前記センシング部品は、1つの第1の電極層と、1つの第2の電極層とからなり、前記第1の電極層と第2の電極層とは間隔を置いて設置され、かつ互いに電気的に接続されており、
前記被検体は前記センシング部品の第1の電極層に対して移動する時、前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、前記第1の電極層に誘起された、前記被検体に帯電する電荷の電荷量を変化させ、静電誘起の作用によって、電荷が第1の電極層と第2の電極層との間に流れ、電流は形成され、
前記被検体は、前記第1の電極層と接触して分離し、あるいは、互いにスライド摩擦することによって、接触面積を変化させて帯電させ
分離層を更に含み、前記分離層は、前記センシング部品の第1の電極層及び第2の電極層を分離し、両者を分離させて所定の相対位置を保持し、
前記分離層の材料は絶縁体材料であり、
前記センシング部品の第1の電極層及び第2の電極層は、いずれも前記分離層に嵌め込まれ、少なくとも第1の電極層の上面が前記分離層に露出し、
あるいは、前記分離層は、前記第1の電極層及び/又は第2の電極層を全て被覆し、
あるいは、前記分離層及び前記センシング部品の2つの電極層は積層するように設置され、センシング部品の第1の電極層及び第2の電極層はそれぞれ分離層の上下面に設置されることを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記第1の電極層の、被検体と互いに接触可能な表面の形状及びサイズは一致していることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記センシング部品の第1の電極層と被検体とが互いにスライドする表面は、スムーズで平滑な表面であり、又は、凹凸構造の非平坦な表面であることを特徴とする請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記第1の電極層の表面の凹凸構造は、周期的な凹凸構造であることを特徴とする請求項3に記載のセンサ。
【請求項5】
静電誘起によるセンサであって、
被検体の移動をセンシングするセンシング部品を含み、
前記センシング部品は、1つの第1の電極層と、1つの第2の電極層とからなり、前記第1の電極層と第2の電極層とは間隔を置いて設置され、かつ互いに電気的に接続されており、
前記被検体は前記センシング部品の第1の電極層に対して移動する時、前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、前記第1の電極層に誘起された、前記被検体に帯電する電荷の電荷量を変化させ、静電誘起の作用によって、電荷が第1の電極層と第2の電極層との間に流れ、電流は形成され、
前記センシング部品が摩擦層を更に含み、前記センシング部品の第1の電極層の前記被検体に向う面が前記摩擦層の下面に貼り付けられ、
前記被検体は、前記摩擦層と接触して分離し、又は互いにスライド摩擦することによって、接触面積を変化させて帯電させ
分離層を更に含み、前記分離層は、前記センシング部品の第1の電極層及び第2の電極層を分離し、両者を分離させて所定の相対位置を保持し、
前記分離層の材料は絶縁体材料であり、
前記センシング部品の第1の電極層及び第2の電極層は、いずれも前記分離層に嵌め込まれ、少なくとも第1の電極層の上面が前記分離層に露出し、
あるいは、前記分離層は、前記第1の電極層及び/又は第2の電極層を全て被覆し、
あるいは、前記分離層及び前記センシング部品の2つの電極層は積層するように設置され、センシング部品の第1の電極層及び第2の電極層はそれぞれ分離層の上下面に設置されることを特徴とするセンサ。
【請求項6】
前記摩擦層の材料は、絶縁材料又は半導体であり、前記摩擦層の厚さ範囲は、10nm〜5mmであることを特徴とする請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記摩擦層と被検体とが互いにスライドする表面は、スムーズで平滑な表面であり、又は、凹凸構造の非平坦な表面であることを特徴とする請求項5又は6に記載のセンサ。
【請求項8】
前記摩擦層の被検体と接触可能な表面の一部又は全部にミクロン又はサブミクロンレベルの微小構造が分布され、あるいは、前記摩擦層の被検体と接触可能な表面に対して化学的変性処理を施すことを特徴とする請求項5に記載のセンサ。
【請求項9】
前記絶縁材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリジフェニルプロパンカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アニリンホルムアルデヒド樹脂、ポリホルムアルデヒド、エチルセルロース、ポリアミド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエチレングリコールスクシナート、セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレングリコールアジペート、ポリフタル酸ジアリル、再生繊維スポンジ、ポリウレタンエラストマー、スチレンプロピレンコーポリマー、スチレンブタジエンコーポリマー、人造繊維、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリイソプチレン、ポリウレタンフレキシブルスポンジ、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、クロロプレンゴム、ブタジエンプロピレンコーポリマー、天然ゴム、ポリアクリロニトリル、ポリ(塩化ビニリデン-co-アクリルニトリル)、ポリエチレンビスフェノールカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、液晶高分子ポリマー、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、ポリジフェノールカーボネート、塩化ポリエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル及びパリレン、羊毛及びその織物、蚕糸及びその織物、紙、綿及びその織物、ポリウレタンエラストマー、木材、硬化ゴム、アセテートという材料の1種又は複数種であることを特徴とする請求項に記載のセンサ。
【請求項10】
前記第1の電極層及び第2の電極層の材料は金属または酸化インジウム・スズITO、FTO又は導電高分子材料であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項11】
前記第1の電極層及び/又は第2の電極層はフレキシブル材料であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項12】
前記第1の電極層、第2の電極層及び/又は摩擦層はフレキシブル材料であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項13】
前記分離層はフレキシブル材料であることを特徴とする請求項1又は5に記載のセンサ。
【請求項14】
静電誘起によるセンシング方法であって、請求項1〜13のいずれか1項に記載のセンサを適用し、
前記被検体が第1の電極層に対して移動し、前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、第1の電極層に誘起された、被検体に帯電する電荷の電荷量を変化させるステップと、
前記第1の電極層と第2の電極層との間に電荷流れを発生して電流を形成するステップと、を含み、
前記被検体が第1の電極層に対して移動することは、被検体と第1の電極層との表面が接触して分離し、被検体を帯電させることであり、
あるいは、前記被検体が第1の電極層に対して移動することは、被検体と第1の電極層との表面が互いにスライド摩擦し、スライド過程において接触面積を変化させ、被検体の表面を帯電させることであることを特徴とするセンシング方法。
【請求項15】
静電誘起による発電機であって、前記発電機は第1の部品及び第2の部品を含み、
前記第2の部品は、1つの第1の電極層と、1つの第2の電極層とからなり、前記第1の電極層及び第2の電極層は間隔を置いて設置され、かつ電気的に接続されており、
前記第1の部品は前記第2の部品の第1の電極層に対して移動する時、前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、前記第1の電極層に誘起された、前記第1の部品に帯電する電荷の電荷量を変化させ、静電誘起の作用によって、電荷が第1の電極層と第2の電極層との間に流れ、電流は形成され、
前記第1の部品は、前記第2の部品の第1の電極層と接触して分離し、第1の部品を第2の部品の第1の電極層に対して移動させ、前記第1の部品の表面を帯電させ、
あるいは、前記第1の部品は、前記第2の部品の第1の電極層と互いにスライド摩擦し、摩擦過程において接触面積を変化させ、第1の部品を第2の部品の第1の電極層に対して移動させ、前記第1の部品の表面を帯電させ
分離層を更に含み、前記分離層は、前記第2の部品の第1の電極層及び第2の電極層を分離し、両者を分離させて所定の相対位置を保持し、
前記分離層の材料は絶縁体材料であり、
前記第2の部品の第1の電極層及び第2の電極層は、いずれも前記分離層に嵌め込まれ、少なくとも第1の電極層の上面が前記分離層に露出し、
あるいは、前記分離層は、前記第1の電極層及び/又は第2の電極層を全て被覆し、
あるいは、前記分離層及び前記第2の部品の2つの電極層は積層するように設置され、第2の部品の第1の電極層及び第2の電極層はそれぞれ分離層の上下面に設置されることを特徴とする発電機。
【請求項16】
前記第1の部品の、前記第1の電極層と互いに接触可能な表面の形状及びサイズは一致していることを特徴とする請求項15に記載の発電機。
【請求項17】
前記第1の部品と第2の部品の第1の電極層とが互いにスライドする表面は全てスムーズで平滑な表面であり、又は、全て凹凸構造の非平坦な表面であることを特徴とする請求項15に記載の発電機。
【請求項18】
前記第1の部品の、前記第1の電極層と接触可能な表面の材料は、絶縁材料又は半導体材料であることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項19】
前記第1の部品の、第1の電極層の表面における投影サイズ及び形状は、第1の電極層のサイズ及び形状に一致していることを特徴とする請求項15に記載の発電機。
【請求項20】
前記第1の部品は、エレクトレット材料であることを特徴とする請求項19に記載の発電機。
【請求項21】
静電誘起による発電機であって、前記発電機は第1の部品及び第2の部品を含み、前記第2の部品は、1つの第1の電極層と、1つの第2の電極層とからなり、前記第1の電極層及び第2の電極層は間隔を置いて設置され、かつ電気的に接続されており、
前記第1の部品は前記第2の部品の第1の電極層に対して移動する時、前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、前記第1の電極層に誘起された、前記第1の部品に帯電する電荷の電荷量を変化させ、静電誘起の作用によって、電荷が第1の電極層と第2の電極層との間に流れ、電流は形成され、
前記第2の部品が摩擦層を更に含み、前記第2の部品の第1の電極層の前記被検体に向う面は前記摩擦層の下面に貼り付けられ
分離層を更に含み、前記分離層は、前記第2の部品の第1の電極層及び第2の電極層を分離し、両者を分離させて所定の相対位置を保持し、
前記分離層の材料は絶縁体材料であり、
前記第2の部品の第1の電極層及び第2の電極層は、いずれも前記分離層に嵌め込まれ、少なくとも第1の電極層の上面が前記分離層に露出し、
あるいは、前記分離層は、前記第1の電極層及び/又は第2の電極層を全て被覆し、
あるいは、前記分離層及び前記第2の部品の2つの電極層は積層するように設置され、第2の部品の第1の電極層及び第2の電極層はそれぞれ分離層の上下面に設置されることを特徴とする発電機。
【請求項22】
前記摩擦層の材料は絶縁材料又は半導体であり、前記摩擦層の厚さ範囲は、10nm〜5cmであることを特徴とする請求項21に記載の発電機。
【請求項23】
前記第1の部品は、前記摩擦層の上面と接触して分離し、第1の部品を第2の部品の第1の電極層に対して移動させ、前記第1の部品の表面を帯電させ、
あるいは、前記第1の部品は、前記摩擦層の上面と互いにスライド摩擦し、摩擦過程において接触面積を変化させ、第1の部品を第2の部品の第1の電極層に対して移動させ、前記第1の部品の表面を帯電させることを特徴とする請求項21又は22に記載の発電機。
【請求項24】
前記第1の部品の、摩擦層と互いにスライドする表面は全てスムーズで平滑な表面であり、又は、全て凹凸構造の非平坦な表面であることを特徴とする請求項23に記載の発電機。
【請求項25】
前記第1の部品の、前記摩擦層と互いに接触可能な2つの表面の材料は絶縁材料、半導体又は導体材料であり、前記第1の部品の、前記摩擦層と互いに接触可能な2つの表面の材料に電極配列のばらつきがあることを特徴とする請求項22乃至24のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項26】
前記第1の部品の、第1の電極層の表面における投影サイズ及び形状は、第1の電極層のサイズ及び形状に一致していることを特徴とする請求項21又は22に記載の発電機。
【請求項27】
前記第1の部品は、エレクトレット材料であることを特徴とする請求項26に記載の発電機。
【請求項28】
前記第1の電極層及び第2の電極層の材料は、金属または酸化インジウム・スズITO、FTO又は導電高分子材料であることを特徴とする請求項15乃至27のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項29】
前記第1の部品、第1の電極層及び/又は第2の電極層はフレキシブル材料であることを特徴とする請求項15乃至20のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項30】
前記第1の部品、第1の電極層、第2の電極層及び/又は摩擦層はフレキシブル材料であることを特徴とする請求項21乃至27のいずれか1項に記載の発電機。
【請求項31】
静電誘起による発電方法であって、請求項15〜30のいずれか1項に記載の発電機を適用し、
前記第1の部品が第1の電極層に対して移動し、前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、前記第1の電極層に誘起された、前記第1の部品に帯電する電荷の電荷量を変化させるステップと、
前記第1の電極層と第2の電極層との間に電荷流れを発生して電流を形成するステップと、を含み、
前記第1の部品が第1の電極層に対して移動することは、具体的に、第1の部品と第1の電極層との表面が接触して分離し、第1の部品を帯電させることであり、
あるいは、前記第1の部品が第1の電極層に対して移動することは、具体的に、第1の部品と第1の電極層の表面とが互いにスライド摩擦し、スライド過程において接触面積を変化させ、第1の部品の表面を帯電させることであることを特徴とする発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサに関し、特に、静電誘起によって物体の移動を探知するセンサ及びセンシング方法に関する。本発明は、該当する発電機にも関し、特に、静電誘起によって力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換する発電機及び発電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電子技術及び材料技術の高速発展に伴って、複数の機能を有すると共に高度に集積化された新しいマイクロ電子機器が、多く開発され、各分野で広く適用されている。
【0003】
帯電又は非帯電の物体の移動に対するセンシングについて、例えば、レーザセンシングなどの複数のセンシング方法があるが、従来のセンシング方法は、いずれもマイクロセンサに合わせる電源を提供して、センサの動作を駆動する必要がある。一般的には、これらのマイクロセンサの電源は、いずれも電池から直接に又は間接に取得されるものである。電池は、体積が大きくて、質量が重いだけでなく、含有する有毒の化学物質が環境及び人体にも潜在的に危害を及ぼす。センサ電源の制限により、該当するセンシング方法の応用範囲も狭くて、悪環境の条件に適用されることができず、長期に独立して動作することも困難である。そして、ランダムな作業需要に対して、センサに電源を長時間に投入する必要があり、エネルギー節約の要求を満たしていない。
【0004】
そして、これらのマイクロ電子機器に合わせる電源システムに対する検討は、相対的に遅れている。一般的には、これらのマイクロ電子機器の電源は、全て直接に又は間接に電池から給電されている。電池は、体積が大きくて、質量が重いだけでなく、含有する有毒の化学物質が環境及び人体にも潜在的に危害を及ぼす。若し、自然界に普遍的に存在する動き、振動などの力学的エネルギーを利用できれば、マイクロ電子機器に電源を提供する可能性がある。
【0005】
現在、発明された摩擦式ナノ発電機は、自然界に普遍的に存在する動き、振動などの力学的エネルギーをマイクロ電子機器に適用できる需要に効果的に変換することができる。現在の記事された全ての摩擦式ナノ発電機の典型的な構造は、いずれも互いに接触・分離可能な2つの摩擦層を必要としている。2つの摩擦層が互いに接触し又は分離する過程において、摩擦層に設けられる2つの電極層によって、パルス電気信号を外部回路に出力する。このような構造の摩擦式発電機において、摩擦層により、他方の電極層に対する一方の電極層の距離が変化しており、このような構造により、摩擦式発電機と外部回路との接続が困難となると共に、摩擦式発電機の出力性能を保証するために、2つの摩擦層材料が接触し又は摩擦する必要がある。このため、発電機の耐久性及び安定性を保証することができない。これらの制限要素は、摩擦式発電機の普及・応用を大きく妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一面は、構造が簡単であり、静電誘起によるセンサを提供し、電源を設置する必要がなく、静電誘起原理によって、物体の移動を自動的に誘導することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために、本発明は、静電誘起によるセンサであって、被検体の移動をセンシングするセンシング部品を含み、前記センシング部品は、1つの第1の電極層と、1つの第2の電極層とからなり、前記第1の電極層と第2の電極層とは間隔を置いて設置され、かつ互いに電気的に接続されており、前記被検体は前記センシング部品の第1の電極層に対して移動する時前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、前記第1の電極層に誘起された、前記被検体に帯電する電荷の電荷量を変化させ、静電誘起の作用によって、電荷が第1の電極層と第2の電極層との間に流れ、電流は形成され、前記被検体は、予め帯電し、あるいは、センサとの接触・分離によって前記被検体を帯電させるセンサを提供する。
【0008】
好ましくは、前記被検体は、前記第1の電極層と接触して分離し、あるいは、互いにスライド摩擦することによって、接触面積を変化させて帯電させる。
【0009】
好ましくは、前記第1の電極層の、被検体と互いに接触可能な表面の形状及びサイズは一致している。
【0010】
好ましくは、前記センシング部品の第1の電極層と被検体とが互いにスライドする表面は、スムーズで平滑な表面であってもよく、凹凸構造の非平坦な表面であってもよい。
【0011】
好ましくは、前記第1の電極層の表面の凹凸構造は、周期的な凹凸構造である。
【0012】
好ましくは、前記第1の電極層の被検体と接触可能な表面の一部又は全部にミクロン又はサブミクロンレベルの微小構造が分布され、あるいは、前記第1の電極層の被検体と接触可能な表面に対して化学的変性処理を施す。
【0013】
上記目的を実現するために、本発明は、静電誘起によるセンサであって、被検体の移動をセンシングするセンシング部品を含み、前記センシング部品は、1つの第1の電極層と、1つの第2の電極層とからなり、前記第1の電極層と第2の電極層とは間隔を置いて設置され、かつ互いに電気的に接続されており、前記被検体は前記センシング部品の第1の電極層に対して移動する時、前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、前記第1の電極層に誘起された、前記被検体に帯電する電荷の電荷量を変化させ、静電誘起の作用によって、電荷が第1の電極層と第2の電極層との間に流れ、電流は形成され、前記センシング部品が摩擦層を更に含み、前記センシング部品の第1の電極層の前記被検体に向う面が前記摩擦層の下面に貼り付けられ、前記被検体は、前記摩擦層と接触して分離し、又は互いにスライド摩擦することによって、接触面積を変化させて帯電させるセンサを提供する
【0014】
好ましくは、前記摩擦層の材料は絶縁材料又は半導体であり、前記摩擦層の厚さ範囲は、10nm〜5mmである。
【0015】
好ましくは、前記摩擦層の、前記被検体と互いに接触可能な表面の形状及びサイズは一致している。
【0016】
好ましくは、前記摩擦層と被検体とが互いにスライドする表面は、スムーズで平滑な表面であってもよく、凹凸構造の非平坦な表面であってもよい。
【0017】
好ましくは、前記摩擦層の被検体と接触可能な表面の一部又は全部にミクロン又はサブミクロンレベルの微小構造が分布され、あるいは、前記摩擦層の被検体と接触可能な表面に対して化学的変性処理を施す。
【0018】
好ましくは、前記被検体は、前記センシング部品と接触しなく、前記被検体は帯電物体である。
【0019】
好ましくは、分離層を更に含み、前記分離層は、前記センシング部品の第1の電極層及び第2の電極層を分離し、両者を分離させて所定の相対位置を保持する。
【0020】
好ましくは、前記分離層の材料は絶縁体材料である。
【0021】
好ましくは、前記センシング部品の第1の電極層及び第2の電極層は、いずれも前記分離層に嵌め込まれ、少なくとも第1の電極層の上面前記分離層露出し、
あるいは、前記分離層は、前記第1の電極層及び/又は第2の電極層を全て被覆し、
あるいは、前記分離層及び前記センシング部品の2つの電極層は積層するように設置され、センシング部品の第1の電極層及び第2の電極層はそれぞれ分離層の上下面に設置される。
【0022】
好ましくは、前記絶縁材料は以下の材料の1種又は複数種であることができる:ポリテトラフルオロエチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリジフェニルプロパンカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アニリンホルムアルデヒド樹脂、ポリホルムアルデヒド、エチルセルロース、ポリアミド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエチレングリコールスクシナート、セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレングリコールアジペート、ポリフタル酸ジアリル、再生繊維スポンジ、ポリウレタンエラストマー、スチレンプロピレンコーポリマー、スチレンブタジエンコーポリマー、人造繊維、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリイソプチレン、ポリウレタンフレキシブルスポンジ、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、クロロプレンゴム、ブタジエンプロピレンコーポリマー、天然ゴム、ポリアクリロニトリル、ポリ(塩化ビニリデン-co-アクリルニトリル)、ポリエチレンビスフェノールカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、液晶高分子ポリマー、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、ポリジフェノールカーボネート、塩化ポリエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル及びパリレン、羊毛及びその織物、蚕糸及びその織物、紙、綿及びその織物、ポリウレタンエラストマー、木材、硬化ゴム、アセテート。
【0023】
好ましくは、前記半導体材料は以下の材料の1種又は複数種であることができる:ケイ素、ゲルマニウム、第III及び第V族化合物、第II及び第VI族化合物、III-V族化合物及びII-VI族化合物からなる固溶体、非晶質のガラス半導体、有機半導体、非導電性の酸化物、及び複雑な酸化物半導体。
【0024】
好ましくは、前記第1の電極層及び第2の電極層の材料は金属または酸化インジウム・スズITO、FTO又は導電高分子材料である。
【0025】
好ましくは、前記第1の電極層及び/又は第2の電極層はフレキシブル材料である。
【0026】
好ましくは、前記第1の電極層、第2の電極層及び/又は摩擦層はフレキシブル材料である。
【0027】
好ましくは、前記分離層はフレキシブル材料である。
【0028】
相応的には、本発明は、静電誘起によるセンシング方法を提供し、上記いずれか1項に記載のセンサを適用し、前記被検体が第1の電極層に対して移動し、前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、第1の電極層に誘起された、被検体に帯電する電荷の電荷量を変化させるステップと、前記第1の電極層と第2の電極層との間に電荷流れを発生して電流を形成するステップと、を含む。
【0029】
好ましくは、前記被検体が第1の電極層に対して移動することは、具体的に、被検体と第1の電極層との表面が接触して分離し、被検体を帯電させることであり、あるいは、前記被検体が第1の電極層に対して移動することは、具体的に、被検体と第1の電極層との表面が互いにスライド摩擦し、スライド過程に接触面積を変化させ、被検体の表面を帯電させることであり、あるいは、前記被検体が第1の電極層に対して移動することは、具体的に、被検体が第1の電極層に対して移動し、常に第1の電極層と接触しなく、前記被検体自身が帯電することである。
【0030】
本発明の他面は、構造が簡単であり、静電誘起による摩擦式発電機を提供し、環境における普通な力学的エネルギーを電気的エネルギーへ変換することができる。
【0031】
上記目的を実現するために、本発明は、静電誘起による発電機であって、前記発電機は第1の部品及び第2の部品を含み、前記第2の部品は、1つの第1の電極層と、1つの第2の電極層とからなり、前記第1の電極層及び第2の電極層は間隔を置いて設置され、かつ電気的に接続されており、前記第1の部品は前記第2の部品の第1の電極層に対して移動する時前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、前記第1の電極層に誘起された、前記第1の部品に帯電する電荷の電荷量を変化させ、静電誘起の作用によって、電荷が第1の電極層と第2の電極層との間に流れ、電流は形成される発電機を提供する。
【0032】
好ましくは、前記第1の部品は、前記第2の部品の第1の電極層と接触して分離し、第1の部品を第2の部品の第1の電極層に対して移動させ、前記第1の部品の表面を帯電させ、あるいは、前記第1の部品は、前記第2の部品の第1の電極層と互いにスライド摩擦し、摩擦過程において接触面積を変化させ、第1の部品を第2の部品の第1の電極層に対して移動させ、前記第1の部品の表面を帯電させ、あるいは、第1の電極層と接触する前に、前記第1の部品は予め帯電している。
【0033】
好ましくは、前記第1の部品の、前記第1の電極層と互いに接触可能な表面の形状及びサイズは一致している。
【0034】
好ましくは、前記第1の部品と第2の部品の第1の電極層とが互いにスライドする表面は全てスムーズで平滑な表面であってもよく、全て凹凸構造の非平坦な表面であってもよい。
【0035】
好ましくは、前記第1の部品と第1の電極層とが互いに接触可能な2つの表面のうちの少なくとも1つの表面に、物理又は化学的変性処理を施す。
【0036】
好ましくは、前記第1の部品の、前記第1の電極層と接触可能な表面の材料は、絶縁材料又は半導体材料である。
【0037】
好ましくは、前記第1の部品は前記第2の部品のいずれかの電極層に接触しなく、前記第1の部品は帯電物体である。
【0038】
好ましくは、前記第1の部品の、第1の電極層の表面における投影サイズ及び形状は、第1の電極層のサイズ及び形状に一致している。
【0039】
好ましくは、前記第1の部品は、エレクトレット材料である。
【0040】
上記目的を実現するために、本発明は、静電誘起による発電機であって、前記発電機は第1の部品及び第2の部品を含み、前記第2の部品は、1つの第1の電極層と、1つの第2の電極層とからなり、前記第1の電極層及び第2の電極層は間隔を置いて設置され、かつ電気的に接続されており、前記第1の部品は前記第2の部品の第1の電極層に対して移動する時、前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、前記第1の電極層に誘起された、前記第1の部品に帯電する電荷の電荷量を変化させ、静電誘起の作用によって、電荷が第1の電極層と第2の電極層との間に流れ、電流は形成され、前記第2の部品が摩擦層を更に含み、前記第2の部品の第1の電極層の前記被検体に向う面は前記摩擦層の下面に貼り付けられる発電機を提供する
【0041】
好ましくは、前記摩擦層の材料は絶縁材料又は半導体であり、前記摩擦層の厚さ範囲は、10nm〜5cmである。
【0042】
好ましくは、前記第1の部品は、前記摩擦層の上面と接触して分離し、第1の部品を第2の部品の第1の電極層に対して移動させ、前記第1の部品の表面を帯電させ、あるいは、前記第1の部品は、前記摩擦層の上面と互いにスライド摩擦し、摩擦過程において接触面積を変化させ、第1の部品を第2の部品の第1の電極層に対して移動させ、前記第1の部品の表面を帯電させる。
【0043】
好ましくは、前記第1の部品の、前記摩擦層と互いに接触可能な表面の形状及びサイズは一致している。
【0044】
好ましくは、前記第1の部品の、摩擦層と互いにスライドする表面は全てスムーズで平滑な表面であってもよく、全て凹凸構造の非平坦な表面であってもよい。
【0045】
好ましくは、前記第1の部品と第1の電極層とが互いに接触可能な2つの表面のうちの少なくとも1つの表面に、物理又は化学的変性処理を施す。
【0046】
好ましくは、前記第1の部品の、前記摩擦層と互いに接触可能な2つの表面の材料は絶縁材料、半導体又は導体材料であり、前記第1の部品の、前記摩擦層と互いに接触可能な2つの表面の材料に電極配列のばらつきがある。
【0047】
好ましくは、前記第1の部品は、前記摩擦層及び第2の部品と接触しなく、前記第1の部品は帯電物体である。
【0048】
好ましくは、前記第1の部品の、第1の電極層の表面における投影サイズ及び形状は、第1の電極層のサイズ及び形状に一致している。
【0049】
好ましくは、前記第1の部品は、エレクトレット材料である。
【0050】
好ましくは、分離層を更に含み、前記分離層は、前記第2の部品の第1の電極層及び第2の電極層を分離し、両者を分離させて所定の相対位置を保持する。
【0051】
好ましくは、前記分離層の材料は絶縁体材料である。
【0052】
好ましくは、前記第2の部品の第1の電極層及び第2の電極層はいずれも前記分離層に嵌め込まれ、少なくとも第1の電極層の上面前記分離層露出し、あるいは、前記分離層は、前記第1の電極層及び/又は第2の電極層を全て被覆し、あるいは、前記分離層及び前記第2の部品の2つの電極層は、積層するように設置され、第2の部品の第1の電極層及び第2の電極層はそれぞれ分離層の上下面に設置される。
【0053】
好ましくは、前記絶縁材料は以下の材料の1種又は複数種である:ポリテトラフルオロエチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリジフェニルプロパンカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アニリンホルムアルデヒド樹脂、ポリホルムアルデヒド、エチルセルロース、ポリアミド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエチレングリコールスクシナート、セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレングリコールアジペート、ポリフタル酸ジアリル、再生繊維スポンジ、ポリウレタンエラストマー、スチレンプロピレンコーポリマー、スチレンブタジエンコーポリマー、人造繊維、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリイソプチレン、ポリウレタンフレキシブルスポンジ、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、クロロプレンゴム、ブタジエンプロピレンコーポリマー、天然ゴム、ポリアクリロニトリル、ポリ(塩化ビニリデン-co-アクリルニトリル)、ポリエチレンビスフェノールカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、液晶高分子ポリマー、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、ポリジフェノールカーボネート、塩化ポリエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル及びパリレン、羊毛及びその織物、蚕糸及びその織物、紙、綿及びその織物、ポリウレタンエラストマー、木材、硬化ゴム、アセテート。
【0054】
好ましくは、前記半導体材料は以下の材料の1種又は複数種である:ケイ素、ゲルマニウム、第III及び第V族化合物、第II及び第VI族化合物、III-V族化合物及びII-VI族化合物からなる固溶体、非晶質のガラス半導体、有機半導体、非導電性の酸化物、及び複雑な酸化物半導体。
【0055】
好ましくは、物理的変性を施した前記表面の一部又は全部にミクロン又はサブミクロンレベルの微小構造アレイが分布される。
【0056】
好ましくは、化学的変性を施した前記表面の全部又は一部に、ナノメートル、ミクロン又はサブミクロンレベルの微小構造が分布され、前記微小構造は、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノ粒子、ナノ棒、ナノ花、ナノ溝、ミクロン溝、ナノコーン、ミクロンコーン、ナノボール及びミクロンボール構造、及び前記構造から形成されるアレイから選択される。
【0057】
好ましくは、前記第1の電極層及び第2の電極層の材料は、金属または酸化インジウム・スズITO、FTO又は導電高分子材料である。
【0058】
好ましくは、前記第1の部品、第1の電極層及び/又は第2の電極層はフレキシブル材料である。
【0059】
好ましくは、前記第1の部品、第1の電極層、第2の電極層及び/又は摩擦層はフレキシブル材料である。
【0060】
好ましくは、前記分離層はフレキシブル材料である。
【0061】
相応的には、本発明は、静電誘起による発電方法を更に提供し、上記いずれか1項に記載の発電機を適用し、前記第1の部品が第1の電極層に対して移動し、前記第1の電極層のみが該被検体との静電誘起が生じ、前記第1の電極層に誘起された前記第1の部品に帯電する電荷の電荷量を変化させるステップと、前記第1の電極層と第2の電極層との間に電荷流れを発生して電流を形成するステップと、を含む。
【0062】
好ましくは、前記第1の部品が第1の電極層に対して移動することは、具体的に、第1の部品と第1の電極層との表面が接触して分離し、第1の部品を帯電させることであり、あるいは、前記第1の部品が第1の電極層に対して移動することは、具体的に、第1の部品と第1の電極層の表面とが互いにスライド摩擦し、スライド過程に接触面積を変化させ、第1の部品の表面を帯電させることであり、あるいは、前記第1の部品が第1の電極層に対して移動することは、具体的に、第1の部品が第1の電極層に対して移動し、常に第1の電極層と接触しなく、前記第1の部品が帯電することである。
【発明の効果】
【0063】
従来技術と比べて、本発明は、以下の有益な効果を有する。
1、本発明に提供されるセンサにおいて、被検体と、センシング部品の第1の電極層又は第1の電極層に貼り付けられる摩擦層の表面とが互いに接触摩擦し、あるいはスライド摩擦し、被検体の表面を帯電させ、そして、被検体が第1の電極層又は摩擦層に対して接触・分離し、又はスライド摩擦するという2つの相対動きモードにおいて、第1の電極層における、被検体に帯電する電荷の電位を変化させ、センシング部品の2つの電極層間に電荷が流れ、電流を形成する。あるいは、被検体自身が帯電し、センシング部品のいずれの部分にも接触せずに、第1の電極層との相対位置が変化し、静電誘起の作用によって、電荷がセンシング部品の2つの電極層間に流れ、電流を形成してもよい。したがって、被検体が第1の電極層又は摩擦層に対して動く際に、センシング部品の2つの電極層が探知される動きを追跡する必要がなく、2つの電極層間の距離又は相対位置は、外部回路が接続される便宜性又は動作環境などの条件に応じて便宜に設置されることができる。本発明のセンサの使用範囲が広く、センサに外接電源を提供するという従来技術の欠陥を克服し、特に、電池の交換が不便である状況に対して、本発明のセンサは長期に、安定に動作することができる。
2、被検体は、半導体、絶縁体、さらに、導体であってもよく、被検体とセンシング部品との接触表面に、例えば、第1の電極層又は摩擦層に、材料表面の電子の取り込む能力のばらつきがあれば、被検体とセンシング部品とが接触して分離し、あるいは、相対的にスライド摩擦する際に、センサは、被検体の移動をセンシングすることができる。自身が帯電する被検体について、センシング部品の第1の電極層における、被検体が帯電する電荷の電位が変化すれば、センサは、その移動をセンシングする。したがって、本発明に提供されるセンサの適用範囲が広くて、異なる材料の被検体に適宜する。
3、センサの第1の電極層に摩擦層を設置し、センシング過程において、第1の電極層が被検体と直接に接触しなく、互いにスライドしなくて、センシング部品における電極層の磨耗を避け、センサの使用の耐久性を大きく向上させる。
4、センサに分離層を含んでもよく、シート状の2つの電極層をそれぞれ分離層の上下面に設け、このような複数層の構造により、センサの構造がコンパクトになると共に、他の部品と集積しやすい。
5、本発明の発電機において、第1の部品と、第2の部品の電極層又は第1の電極層に貼り付けられる摩擦層の表面とが互いに接触摩擦し、あるいはスライド摩擦し、第1の部品の表面を帯電させ、そして、第1の部品が第1の電極層に対して接触・分離し、又はスライド摩擦するという2つの相対動きモードにおいて、第1の電極層における、第1の部品に帯電する電荷の電位を変化させ、第2の部品の2つの電極層間に電荷が流れ、電流を形成する。あるいは、第1の部品自身が帯電し、第2の部品のいずれの電極層にも接触せずに、第1の電極層との相対位置が変化し、静電誘起の作用によって、電荷が第2の部品の2つの電極層間に流れ、電流を形成する。したがって、第1の部品が第1の電極層又は摩擦層に対して動く際に、第2の部品の2つの電極層が第1の部品の動きを追跡する必要がなく、2つの電極層間の距離又は相対位置は、外部回路が接続される便宜性又は動作環境などの条件に応じて便宜に設置されることができる。本発明の発電機の使用範囲が広く、日常生活における普通な力学的エネルギーを便利に電気的エネルギーへ変換することができる。
6、第2の部品の第1の電極層に摩擦層を設置し、発電過程において、第1の部品が第1の電極層に直接に接触しなく、互いにスライドしなく、第2の部品における電極層の磨耗を避け、発電機の使用の耐久性を大きく向上させる。
7、第1の部品に電極層を設置する必要がないため、第1の部品の構造に対して特別な要求がなく、発電機の作製過程を簡単化し、発電機の作製コストを効果的に低減することができる。
8、発電機に分離層を含んでもよく、シート状の2つの電極層をそれぞれ分離層の上下面に設け、このような複数層の構造により、発電機の構造がコンパクトになると共に、他の部品と集積しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
添付される図面によって、本発明の上記の目的及びその他の目的、特徴並びに利点は、より明らかになろう。図面において、同じ符号は、同じ部分を示す。実際のサイズに基づいて等比例的に拡大または縮小したものではなく、本発明の主旨を示すのにその目的がある。なお、本明細書には、特定値を含むパラメーターの例示が提供できるが、パラメーターは相応的な値と確実に同じである必要がなく、納得可能な誤差範囲又は設計約束内に相応的な値に近づいてもよい。また、以下の実施例に言及される、例えば「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」などの方向用語は、図面を参照する方向のみである。したがって、使用される方向用語は、本発明を説明するものであり、本発明を制限しない。
図1図1は、静電誘起によるセンサ又は発電機の実施例1の典型的な構造を示す模式図である。
図2図2は、被検体と実施例1のセンサとの接触・分離によるセンシングを示す模式図であり、本発明のセンサ又は発電機の実施例1の原理を示す模式図である。
図3図3は、被検体と実施例1のセンサとのスライド摩擦によるセンシングを示す模式図であり、本発明の発電機の実施例2の構造及び発電原理を示す模式図である。
図4図4は、本発明のセンサの実施例1における第1の電極層と被検体との接触表面が凹凸構造であることを示す模式図であり、本発明の発電機の実施例2における第1の部品と第1の電極層との接触表面が凹凸構造であることを示す模式図である。
図5図5は、被検体と実施例1のセンサが接触せずに、電荷中心とセンサとの距離が変化してセンシングすることを示す模式図であり、本発明の発電機の実施例3の構造を示す模式図である。
図6図6は、本発明の発電機の実施例3の発電原理を示す模式図である。
図7図7は、本発明のセンサ又は発電機の実施例4の構造及び発電原理を示す模式図である。
図8図8は、本発明のセンサ又は発電機が分離層を含む構造を示す模式図である。
図9図9は、本発明のセンサ又は発電機が分離層を含む構造を示す模式図である。
図10図10は、本発明のセンサ又は発電機が分離層を含む構造を示す模式図である。
図11図11は、具体的なセンサ又は発電機の出力電圧の測定スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、本発明の図面を参照しながら、本発明の実施例の技術案を明らかに説明する。もちろん、説明する実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、進歩性に値する労働なしに取得した全ての実施例も、本発明の保護範囲に含まれる。
【0066】
次に、本発明に関して、模式図を参照しながら詳細に説明するが、本発明の実施例を詳細に説明するとき、前記模式図は説明の便宜上の例示に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0067】
物体の移動に関する従来のセンサは、いずれも電池等の電源を必要としている。そして、センサに電源を提供することは、センサの応用に対して沢山の要求があり、悪環境の条件に適用されることができず、長期に独立して動作することも困難である。従来の摩擦式ナノ発電機の典型的な構造は、2つの摩擦層が互いに接触し又は分離する過程において、摩擦層に設けられる2つの電極層によって、パルス電気信号を外部回路に出力し、発電過程において、他方の電極層に対する一方の電極層の距離が変化しており、発電機の電極の接続が困難となると共に、摩擦式発電機の出力性能を保証するために、2つの摩擦層材料が接触し又は摩擦する必要があり、発電機の耐久性及び安定性を保証することができない。
【0068】
本発明一形態は、静電誘起によるセンサを提供する。技術案は、以下の通りである:帯電被検体がセンシング部品の一方の導電素子に対して移動し、当該導電素子がセンシング部品の他方の導電素子に電気的に接続しており、被検体に帯電する電荷の当該導電素子における電位を変化させ、静電誘起作用によって、2つの導電素子間に電荷が流れ、2つの導電素子間に接続される負荷又は検出装置に電流が流れる。センサの動作過程において、被検体は、センシング部品の導電素子に直接に接触してもよく、互いにスライド摩擦を行い、又は、周期的に接触・分離してもよい。被検体は、センシング部品の導電素子に接触しなく、両者間の距離のみを変化させてもよい。このようなモードでは、被検体自身が帯電する必要があり、距離を変化させる過程において、被検体が帯電する電荷の導電素子における電位が変化する。本発明のセンサは、複数の動作モードを有してもよく、被検体の異なる動き方式のエネルギー収集に適応でき、広い適用範囲を有している。
【0069】
本発明の別の形態は、静電誘起による発電機を提供する。技術案は、以下の通りである:帯電する第1の部品が一方の導電素子に対して移動し、当該導電素子が他方の導電素子に電気的に接続しており、第1の部品に帯電する電荷の当該導電素子における電位を変化させ、静電誘起作用によって、2つの導電素子間に電荷が流れ、2つの導電素子間に接続される負荷に電流が流れる。発電機の動作過程において、第1の部品は、導電素子に直接に接触してもよく、互いにスライド摩擦を行い、又は、周期的に接触・分離してもよい。第1の部品は、導電素子に接触しなく、両者間の距離のみを変化させてもよい。このようなモードでは、第1の部品自身が帯電する必要がある。本発明の発電機は、複数のモードを有することができ、第1の部品の異なる動き方式のエネルギー収集に適応でき、広い適用範囲を有している。
【0070】
以下、図面を組み合わせて、本発明の静電誘起によるセンサ及び発電機の具体的な構造を詳細に説明する。
【0071】
実施例1:
本実施例に提供される静電誘起センサの典型的な構造は、図1を参照して、被検体1の移動をセンシングするためのセンシング部品を含む。その中、センシング部品は、第1の電極層2と、それと協働する第2の電極層3からなり、第1の電極層2と第2の電極層3とは分けて設けられ、かつ電気的に接続されており、被検体1は、センシング部品の第1の電極層2に接触してから分離することができ、図1の矢印に示すように、被検体1の動きによって、被検体1に帯電する電荷の第1の電極層2における電位を変化させ、静電誘起作用によって、電荷は第1の電極層と第2の電極層との間に流れ、電流を形成する。第1の電極層2と第2の電極層3との間には、検出装置4を接続し、センシング部品における電流を検出することができ、あるいは、負荷を接続し、センサが発生する電気的エネルギーによって負荷に給電することもできる。
【0072】
上記原理によって発電機を作製することもできる。当該発電機は、上記センサの被検体を自身に含まれる部品とし、即ち、当該発電機は、第1の部品1及び第2の部品を含む。その中、第2の部品は、第1の電極層2と、それと協働する第2の電極層3からなり、第1の電極層2と第2の電極層3とは分けて設けられ、かつ電気的に接続されており、第1の部品1は、第2の部品の第1の電極層2に接触してから分離することができ、図1の矢印に示すように、第1の部品1の動きによって、第1の部品1に帯電する電荷の第1の電極層2における電位を変化させ、静電誘起作用によって、電荷は第1の電極層と第2の電極層との間に流れ、電流を形成する。第1の電極層2と第2の電極層3との間には、検出装置4を接続し、発電機の電流を検出することができ、あるいは、負荷を接続し、発電機が負荷に対する給電を実現することもできる。
【0073】
第1の部品1が帯電しない場合、第1の部品1が絶縁体又は半導体材料であり、第1の電極層2が導電材料であることを例として、発電機の動作原理を具体的に説明する。説明すべきであるのは、以下の通りである:本発明のセンサが発電機と類似する構造を有するため、発電機の動作原理がセンサにも同様に適用することができ、ここでは贅言しない。
【0074】
図2を参照して、第1の部品1と第2の部品における第1の電極層2とは表面が接触する場合、両者の表面電子を取り込む・奪われる能力が異なるため、第1の電極層2は電子が奪われやすいが、第1の部品1の表面は電子を取り込みやすい。図2aを参照し、両者の表面に同量、逆符号の電荷を発生している。第1の部品1と第1の電極層2とが分離した後に、図1bを参照し、第1の電極層2の正電荷に対する第1の部品1の表面に帯電する負電荷の束縛が弱くなり、静電誘起作用によって、第1の電極層2における正電荷は第2の電極層3に向かって流れ、第1の電極層2から第2の電極層3への電流を形成する。第1の部品1と第1の電極層2との距離が十分に遠い場合、第1の部品1の表面に帯電する負電荷が第1の電極層2の電荷に影響しないため、図2cを参照し、第1の電極層2と第2の電極層3との間に電流が発生しない。表面に負電荷が帯電する第1の部品1が第1の電極層2に近づく場合、静電誘起作用によって、第1の電極層2における正電荷に対する第1の部品1の表面における負電荷の吸引が強くなり、第2の電極層3における正電荷は第1の電極層2に向かって流れ、図2dを参照し、図1bにおける電子の流れ方向とは逆であり、第2の電極層3から第1の電極層2への電流を形成している。第1の部品1が第1の電極層2の表面に再び接触するまでに、両者の表面における電荷が同量で、逆符号であり、図1aを参照し、第1の電極層2と第2の電極層3との間に電荷が流れない。第1の部品1が第2の部品の第1の電極層2に周期的に接触・分離する場合、第2の部品に第1の電極層2と第2の電極層3との間のパルス交流電流信号が発生する。
【0075】
上記過程によれば、上記構造がセンサである場合、被検体としての第1の部品1とセンシング部品における第1の電極層2とが接触・分離した後に、外接電源が必要とされておらず、センサのセンシング部品は、非帯電の被検体とされる第1の部品1の移動を探知することができる。被検体としての第1の部品1とセンサのセンシング部品とが複数回接触・分離すれば、センシング部品に複数のパルス交流電流信号が発生する。
【0076】
本実施例において、第1の部品1は、第1の電極層に接触する前に帯電してもよい。第1の部品が帯電する場合、第1の電極層に接触するとき、第1の部品が帯電する電荷は、第1の部品と第1の電極層との間に分布し直す。異なる材料の電荷束縛能力が異なるため、2つの接触面に電荷密度のばらつきがある。両者が互いに分離した後に、第1の部品1に一定の電荷が帯電し、第1の部品1と第1の電極層2との距離が変化する場合、静電誘起作用によって、第1の電極層と第2の電極層との間に電荷流れが形成され、電流が検出装置から出力される。第1の部品1が帯電する電荷は、充電等の他の方式によって取得されることができ、電荷の取得手段は、本発明のセンサの検出過程及び発電機の発電過程に影響を与えなく、本発明のセンサ又は発電機に対する制限ではない。
【0077】
本実施例において、第2の部品における2つの電極層について、1つの電極層が第1の部品1と静電作用を発生すればよく、2つの電極層の位置は互いに入れ替えることができる。第1の電極層2と第2の電極層3との材料は同じであっでもよく、異なってもよい。第1の電極層2又は第2の電極層3の材料は、金属、酸化インジウム・スズ又は有機物導体から選択されることができる。本分野によく使用される金属は、金、銀、白金、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、クロム又はセレン及びこれらの金属からなる合金を含み、有機物導体は、一般的に、導電高分子であり、ポリピロール、ポリフェニレンスルフィド、ポリフタロシアニン系化合物、ポリアニリン及び/又はポリチオフェンを含む。
【0078】
センサ又は発電機の発電原理から分かるように、第1の部品1の表面に帯電する電荷の数量は、センサまたは発電機が動作するキーポイントである。好ましくは、第1の部品1と第1の電極層2とが互いに接触する表面間の電子の取り込む・奪われる能力の相違が大きいほど、第1の部品1の表面に帯電する電荷が多くなる。好ましくは、第1の部品1と第1の電極層2とが接触する表面の材料は、絶縁体材料である。絶縁体材料において、ポリマー絶縁材料であることが好ましい。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリジフェニルプロパンカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アニリンホルムアルデヒド樹脂、ポリホルムアルデヒド、エチルセルロース、ポリアミド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエチレングリコールスクシナート、セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレングリコールアジペート、ポリフタル酸ジアリル、再生繊維スポンジ、ポリウレタンエラストマー、スチレンプロピレンコーポリマー、スチレンブタジエンコーポリマー、人造繊維、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリイソプチレン、ポリウレタンフレキシブルスポンジ、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、クロロプレンゴム、ブタジエンプロピレンコーポリマー、天然ゴム、ポリアクリロニトリル、ポリ(塩化ビニリデン-co-アクリルニトリル)、ポリエチレンビスフェノールカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、液晶高分子ポリマー、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、ポリジフェノールカーボネート、塩化ポリエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、及び、パリレン等を選択することができる。
【0079】
なお、他の絶縁材料は第1の部品1と第1の電極層2とが接触する表面材料とされてもよい。例えば、よく見られる羊毛及びその織物、蚕糸及びその織物、紙、綿及びその織物、ポリウレタンエラストマー、木材、硬化ゴム、アセテート等であってもよい。
【0080】
第1の電極層は導電材料である。半導体材料と導電材料とは電子の取り込む・奪われる能力が異なっている。このため、第1の部品の第1の電極層に接触可能な表面の材料は、半導体であってもよく、ケイ素、ゲルマニウム、例えばヒ化ガリウム、リン化ガリウムなどの第III及び第V族化合物と、例えば硫化クロム、硫化亜鉛などの第II及び第VI族化合物と、例えばガリウム-アルミニウム-ヒ素、ガリウム-ヒ素-リンなどのIII-V族化合物及びII-VI族化合物からなる固溶体を含む。上記結晶半導体以外、非結晶のガラス半導体、有機半導体等もある。非導電酸化物、半導体酸化物及び複雑酸化物も摩擦電気的特性を有しており、摩擦過程に表面電荷を形成することができる。したがって、本発明の第1の部品の材料とされることができる。例えば、マンガン、クロム、鉄、銅の酸化物であってもよく、シリカ、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、BiO和Yも含む。
【0081】
紙幅の限界の原因で、第1の部品1と第1の電極層2とが接触する表面の全ての材料を全て挙げることができない。ここでは、参照として、いくつかの具体的な材料を挙げる。もちろん、これらの具体的な材料は、本発明の保護範囲を限定する要素ではない。当業者は、発明の示唆の元で、これらの材料の摩擦電気的特性に基づいて、類似する他の材料を容易に選択することができるだろう。
【0082】
センサ又は発電機において、第1の部品1と第1の電極層2とが互いに接触する表面のみは、センサの発電機の出力性能に影響を与える。第1の部品1の、第1の電極層2に接触可能な表面を上記の摩擦材料に限定すればよく、第1の部品1の他の部分を限定しない。したがって、第1の部品1は、全体的に均一材料であってもよく、複数層の構造又はコア・シェル構造であってもよい。
【0083】
試験から分かるように、第1の部品1と第1の電極層2とが互いに接触する表面の材料間の電子の取り込む・奪われる能力の相違が大きいほど、第1の部品1の表面に帯電する電荷量が多くなり、センサまたは発電機から出力される電気信号が強くなる。したがって、上記材料に基づき、簡単な比較試験によって、適宜な材料を、第1の部品1と第1の電極層2とが接触する表面の材料とし、最適な電気信号出力性能を取得することができる。
【0084】
なお、第1の部品1と第1の電極層2とが互いに接触する2つの表面は、硬質材料であってもよく、フレキシブル材料であってもよい。材料の硬さは、センサ又は発電機の発電性能に著しい影響を与えないが、本発明のセンサ又は発電機の適用範囲を拡大することができる。
【0085】
センサまたは発電機の動作過程において、第1の部品1の表面に帯電する電荷の数量がセンサ又は発電機の出力性能に影響を与える以外、第1の部品1と第2の部品の第1の電極層2とが分離する距離もセンサ又は発電機の出力性能に影響を与える。分離距離が大きいほど、センサ又は発電機の出力信号が強くなる。研究過程に分かるように、分離距離がデバイスのサイズより大きい場合、特に、第1の部品1又は第1の電極層2が互いに接触する表面の最大長さより大きい場合に、センサ又は発電機の出力信号に対する分離距離の変化の影響は大きくない。好ましくは、第1の部品1と第1の電極層2との分離距離は1μmより大きく、より好ましくは、1μm〜10cmであり、さらに好ましくは、1mm〜2cmである。
【0086】
本発明に記載の「表面の最大長さ」とは、表面の各方向における最大長さである。例えば、長方形の長辺の長さ又は円形表面の直径長さであり、不規則表面について、具体的な測定によって表面の最大長さを特定することもできる。
【0087】
実施例におけるセンサ又は発電機については、第2の部品に対する第1の部品1の相対動きは複数の方式によって実現することができる。例えば、第2の部品を固定し、特に、第2の部品における第1の電極層2を固定し、第1の部品1を往復運動の部品に固定して、往復運動の部品により、センサ又は発電機の第1の部品1が往復運動を行い、第2の部品に対する第1の部品1の接触・分離を実現する。他の実施例において、第1の部品1と第1の電極層2との間に弾性接続部品を設けて、第1の部品1が第1の電極層2に近づいたり、離れたりする往復運動を行う目的を実現することもできる。上記目的を実現する技術手段は複数種類があり、距離を制御する本分野における常用な部品を採用することができる。例えば、第1の部品1と第1の電極層2との間に絶縁バネ等の部品を接続することができる。用いられるバネが第1の部品1と第1の電極層2との間の相対動きを制限しないことに注意すべきである。なお、本発明のセンサについて、被検体としての第1の部品は、例えば、走行する人の靴底などの自由に動いている物体であってもよい。本発明の発電機について、第1の部品1は、自由に動いている物体であってもよく、第1の電極層に周期的に接触・分離することができ、あるいは、第1の部品1を他の動き物体に固定して他の製品に組み合わせて用いられてもよく、他の製品の動きにより、第1の部品1と第1の電極層2とが相対的に動き、発電機の発電を実現する。
【0088】
本実施例において、第1の部品1は、第2の部品に対して独立して動いている物体であり、それに電極層が接続されていない。このため、第1の部品の厚さ、サイズ及び形状が特に限定されていない。第1の部品1と第1の電極層2とが接触する際に帯電する表面電荷量を向上させるために、第1の部品1は、全体として、ブロック、平板、シート又はフィルムであってもよい。好ましくは、第1の部品1と第1の電極層2とが互いに接触する表面の形状及びサイズは相当しており、同じであることが好ましい。これにより、第1の部品1と第1の電極層2の表面とが接触する際における接触面積を最大にし、第1の部品1の表面電荷量を向上させる目的を実現し、センサの動作性能又は発電機の出力性能を向上させることができる。
【0089】
本発明において、第1の部品1と第1の電極層2とが互いに接触する表面は、平面であってもよく、曲面であってもよい。第1の部品1と第1の電極層2とが互いに接触する表面はいずれも曲面であり、互いの接触を同様に実現することができる。好ましくは、第1の部品1と第1の電極層2とが互いに接触する表面が同時に平面又は曲面構造であり、これにより、両者の接触過程に接触面積が最大である時点が出現することを保証する。好ましくは、第1の部品1と第1の電極層2とが互いに接触する表面は、例えば、曲率が同じであり、かつ面積が同じである曲面、という形状が相補である曲面である。これにより、互いに接触する際に、第1の部品1と第1の電極層2とが互いに接触する表面が完全に接触することを保証する。
【0090】
本発明のセンサにおいて、被検体としての第1の部品1の形状によれば、第1の電極層2と被検体1とが接触する表面の形状を柔軟に選択することができ、平面であってもよく、曲面であってもよい。被検体1と第1の電極層2とが互いに接触する表面はいずれも曲面であり、互いの接触を同様に実現することができる。好ましくは、被検体1と第1の電極層2とが互いに接触する表面が同時に平面又は曲面構造であり、これにより、両者の接触過程に接触面積が最大である時点が出現することを保証する。好ましくは、被検体1と第1の電極層2とが互いに接触する表面は、例えば、曲率が同じであり、かつ面積が同じである曲面、という形状が相補である曲面である。これにより、互いに接触する際に、被検体1と第1の電極層2とが互いに接触する表面が完全に接触することを保証する。
【0091】
本発明のセンサにおいて、上記被検体とセンシング部品の第1の電極層との接触・分離の動作モード以外、センシング部品と被検体とがスライド摩擦を行う動作モードもある。センシングの動作過程については、図3を参照し、被検体11の下面と第1の電極層2の上面とが互いに接触摩擦することを例として、説明の便宜上、ここでは、被検体11の下面と第1の電極層2上面との形状及びサイズを同じにするが、実際には第1の電極層3の上面と被検体11の下面との形状及び面積を厳格に限定しなく、同じであってもよく、異なってもよい。初期状態において、被検体11の下面と第1の電極層2の上面とは、接触してもよく、接触しなくてもよい。外力F作用によって接触した後に(図3a参照)、第1の電極層2の上面と被検体11の下面との材料に電極配列のばらつきがあるため、両者間に電子の取り込む・奪われる能力のばらつきがある。被検体11の下面の電子取り込む・奪われる能力が強いが第1の電極層2の上面に電子が奪われやすいことを例として、被検体11の下面と第1の電極層2の上面とが接触する際に、表面電荷が移動し、第1の電極層2の上面が正電荷を帯電し、被検体11の下面が負電荷を帯電し(図3aに示すように)、2つの電荷の電量が同じであるため、第1の電極層2と第2の電極層3との間に電位差がなく、電荷が流れない。外力F(センシング部品に対する被検体の動きを駆動する力)の作用によって、被検体11下面と第1の電極層2上面とが相対的にスライドして接触面積を変化させた(低減させた)後に、第1の電極層2の上面と被検体11下面との間の電荷のバランスを破壊し、第1の電極層2における正電荷に対する被検体11における負電荷の束縛作用が低減し、電子は第2の電極層3から第1の電極層2へ流れ、図3bに示すように、例えば電流計という第1の電極層2と第2の電極層3との間に接続される検出装置4に、電流が流れる。図3cに示すように、外力作用によって、被検体11の下面と第1の電極層2の上面とが完全に分離し、被検体11の下面に帯電する負電荷の、第1の電極層2における電荷に対する排斥が足りなく、第1の電極層2と第2の電極層3との間の電荷が流れなく、検出装置4は電流を検出することができない。図3dに示すように、逆方向の外力Fにより、被検体11の下面と第1の電極層2の上面とが相対的にスライドし、接触面積を変化(増大)させ、第1の電極層2における正電荷に対する被検体11における負電荷の排斥作用によって、電子は、第1の電極層2から第2の電極層3へ流れ、第1の電極層2と第2の電極層3との間の接触装置4に、電流が流れる。被検体11の下面と第1の電極層2の上面とが完全に接触した後に、被検体11の下面と第1の電極層2の上面との正電荷・負電荷はバランスに達しており、この場合、電子は第1の電極層2と第2の電極層3との間に流れていない。図3aに示すように、第1の電極層2と第2の電極層3との間の検出装置4に電流信号が観察されることができない。図3a〜図3dの過程に従って往復に行って、第1の電極層3と第2の電極層4との間にパルス電流を形成する。被検体11が第1の電極層に対する単一方向の動きのみを有する場合、互いに接触・摩擦する面積が変化すれば、検出装置3に電流が検出されることができる。
【0092】
第1の電極層2と被検体11とが互いに接触スライド可能な表面は、平面であってもよく、曲面であってもよい。好ましくは、第1の電極層2と被検体11とが互いに接触スライド可能な表面形状はマッチングしており、第1の電極層2と被検体11とが互いに接触スライド可能な表面形状及びサイズは相当しており、同じであることが好ましい。互いにスライドする過程において、接触面積が最大である時点がある。例えば、第1の電極層2と被検体11とが互いに接触スライド可能な表面は、曲率が同じである弧面である。
【0093】
第1の電極層2と被検体11とが互いに接触する表面がスムーズで平滑な表面である場合、第1の電極層2と被検体11との相対スライドの空間が大きい必要がある。そして、第1の電極層2と被検体11とが互いに接触する表面のサイズのばらつきが大きい場合、第1の電極層2と被検体11とが互いにスライド摩擦する過程に接触面積を変化させ電気信号を発生する要求を満たすために、大きいスライド距離が必要である。したがって、被検体11の下面が非平坦な表面である場合について、本発明のセンサにおいて、第1の電極層2と被検体11とが互いに接触可能な表面は、非平坦な表面であってもよく、第1の電極層2と被検体11とが互いにスライドする際に、2つの表面は完全に接触しなく、図4を参照して、第1の電極層2と被検体11とが互いに接触可能な表面はいずれも凹凸構造の非平坦な表面であり、外力作用によって第1の電極層2と被検体11とが相対的にスライドする場合、小さいスライド距離だけで大きい接触面積を変化させ、第1の電極層2と第2の電極層3との間に接続される検出装置4に電流が流れる。本実施例において、被検体11と第1の電極層とが互いに接触可能な表面におけるいずれかの表面が小さい場合に用いられることができ、互いに接触する2つの表面を非平坦な表面にし、外力作用によって、第1の電極層2と被検体11とが接触する表面が互いに摩擦する際に、小さい移動範囲だけで摩擦面積の変化を満たすことができ、外力の力学的エネルギーを電気的エネルギーにし、被検体移動に対するセンシングを行う。
【0094】
好ましくは、第1の電極層2と被検体11とが接触する表面の凹凸構造は周期的な凹凸構造であり、選択可能な周期的な凹凸構造は、等間隔で平行に配列されるテープ構造、碁盤構造などの周期的な構造がある。
【0095】
本実施例のセンサにおいて、第1の電極層の被検体11と接触可能な表面に対して物理または化学的変性処理を行うこともできる。物理的変性は具体的に以下のようなものである:表面にミクロン又はサブミクロンレベルの微小構造が部分的又は全部的に分布され、第1の電極層2と被検体11との間の接触面積を増加させ、被検体の表面に帯電する電荷量を増大することができる。前記微小構造は、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノ粒子、ナノ棒、ナノ花、ナノ溝、ミクロン溝、ナノコーン、ミクロンコーン、ナノボール及びミクロンボール構造、及び前記構造から形成されるアレイであることが好ましく、特に、ナノワイヤ、ナノチューブ又はナノ棒からなるナノアレイは、フォトエッチング法、プラズマエッチング法などの方法によって作製される線状、立方体、又は四角錐形状のアレイであってもよく、アレイの各セルのサイズは、ナノ〜ミクロンレベルであり、具体的なマイクロナノ構造のセルのサイズ、形状は、本発明の範囲を制限すべきではない。ナノ材料の修飾又は塗布層によって当該目的を実現することもできる。第1の電極層の表面に対して化学的変性を施して、接触する瞬間の電荷の移動量を更に向上させることもできる。これにより、接触電荷の密度及び発電機の出力パワーを向上させることができる。化学的変性は、以下の2つの方法に分けられる。
【0096】
1つの方法としては、互いに接触する第1の電極層2及び被検体11の材料に対して、2つの材料の極性に基づいて、第1の電極層2の材料の極性が正であれば、材料の表面に電子を奪われやすい官能基(即ち、強い電子供与基)を導入し、あるいは、第1の電極層2の材料の極性が負であれば、材料の表面に、電子を取込みやすい官能基(即ち、強い電子吸引基)を導入することで、互いに接触し又はスライドする時の電荷の移動量を向上し、被検体の表面に帯電する電荷の密度及びセンシング感度を向上させる方法である。強い電子供与基は、アミノ基、ハイドロキシ、アルコキシル基などを含む。強い電子吸引基は、アシル基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホン酸基などを含む。官能基の導入は、プラズマの表面変化などの普通の方法を使用することができる。例えば、酸素と窒素の混合ガスを、所定のパワーでプラズマを形成させることにより、アミノ基を摩擦層を構成する材料の表面へ導入してもよい。
【0097】
もう1つの方法としては、極性が正である材料の表面に正の電荷を導入し、極性が負である材料の表面に負の電荷を導入する方法である。具体的には、化学結合によって実現することができる。例えば、ポリジメチルシロキサンPDMS摩擦層の表面に、ゾル・ゲル法(sol−gel)により、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を修飾して負の電荷を帯電させる。金薄膜層上において、金−硫の結合により、表面に臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)が含有される金ナノ粒子を修飾する。臭化セチルトリメチルアンモニウムが陽イオンであるため、材料全体は正に帯電する。当業者は、選択される材料が電子を取込む性質及び電子を奪われる性質並びに表面化学結合の種類に基づいて、適合する修飾材料を選択し結合させて、本発明の目的を達成することができる。したがって、このような変形も本発明の保護範囲内に属する。
【0098】
本実施例のセンサについて、被検体とセンシング部品とが接触・分離し、あるいは、互いにスライドするという動作モード以外、被検体自身に帯電する場合、被検体は、センシング部品の第1の電極層2に対して移動することができ、動き過程において、被検体は、センシング部品のいずれかの電極層に接触しない。図6の矢印に示すように、被検体12が予め負電荷を帯電するように設定し、特に、被検体12の第1の電極層2に対面する表面が負電荷を帯電する。被検体12が第1の電極層2に近づく場合、被検体12と第1の電極層2との間の静電誘起により、被検体12に帯電する負電荷が第1の電極層2における負電荷に対して排斥作用を有するため、図6aを参照し、センシング部品の第1の電極層2と第2の電極層3との間に電荷の流れを形成し、第1の電極層2と第2の電極層3との間に接続される検出装置4は、第2の電極層3から第1の電極層2への電流を検出することができる。図6bを参照し、被検体12が第1の電極層から離れる場合、第1の電極層2における負電荷に対する被検体12に帯電する負電荷の排斥作用が低減し、センシング部品の第1の電極層2と第2の電極層3との間に逆方向の電荷流れが形成され、第1の電極層と第2の電極層との間に接続される検出装置4は、第1の電極層2から第2の電極層3への電流を検出することができる。図6に示すセンシング動作過程に、被検体12は第1の電極層に対して鉛直方向に動き、その動作原理は、被検体12と第1の電極層2とが対向する表面間の距離が変わらない(即ち、被検体12が第1の電極層に平行する方向に沿って動く)状況にも適用されることができる。なお、このような動作モードにおいて、センシング部品が帯電してもよく、帯電しなくてもよい。センシング部品の2つの電極層自身が帯電しても、被検体12が第1の電極層に対して移動する場合、被検体12の表面に帯電する電荷が第1の電極層に発生する電位も変化し、電流は第1の電極層と第2の電極層との間に流れる。
【0099】
被検体12に帯電する電荷は、センシング部品以外の他の物体との摩擦によって取得されてもよく、動作前にセンシング部品との摩擦によって取得されてもよく、充電などの他の方式によって取得されてもよい。電荷の取得手段は、本発明のセンシング過程に対して影響を与えなく、本発明のセンサに対する制限ではない。
【0100】
被検体12と第1の電極層2とが対向する表面間の距離が変化する動き方式について、第1の電極層2と被検体12との間の最小距離範囲は、被検体12に対向する第1の電極層2の表面の最大長さの0.01倍であり、最大距離範囲は、被検体12に対向する第1の電極層2の表面の最大長さの10倍である。
【0101】
被検体12と第1の電極層3とが対向する表面間の距離が変化しない動き方式について、被検体12と第1の電極層2との間の距離範囲は、被検体12に対向する第1の電極層2の表面の最大長さの0.1〜10倍である。本実施例において、被検体12と第1の電極層とが対向する表面の形状及びサイズが相当することが好ましく、同じであることがより好ましい。これにより、被検体12の移動を保証する。静電誘起作用によって、被検体12の電荷に基づいて第1の電極層2と第2の電極層3との間の電荷流れを発生させる。
【0102】
実際な静電誘起によるセンサについて、被検体が第1の電極層に対して移動し、上記した3つの相対移動の組み合わせであってもよく、被検体が第1の電極層に対して単一の動き方式で動くことに限定しない。
【0103】
実施例2:
本実施例に提供される静電誘起発電機の典型的な構造について、同様に図3を参照する。発電機は、第1の部品11及び第2の部品を含む。その中、第2の部品は、実施例1と同じであり、1つの第1の電極層2と、それと協働する1つの第2の電極層3とからなる。第1の電極層2と第2の電極層3とが間隔を置いて設けられ、かつ電気的に接続される。外力Fの作用によって、第1の部品11の表面と第2の部品の第1の電極層2とが互いに接触してスライド摩擦を発生する。そして、スライド過程に接触面積が変化し、第1の電極層2に対する第1の部品11のスライドにより、第1の部品11に帯電する電荷の第1の電極層2における電位が変化し、静電誘起作用によって、電荷が第1の電極層と第2の電極層との間に流れ、電流を形成する。第1の電極層2と第2の電極層3との間に検出装置4を接続すると、発電機の電流を検出することができ、あるいは、負荷を接続して発電機から負荷に対する電力供給を実現することができる。
【0104】
以下、図面を参照して、本実施例の発電機の動作原理を詳細に説明する。第1の部品11の下面と第1の電極層2の上面とが互いに接触摩擦することを例とする。説明の便宜上、ここでは、第1の部品11の下面と第1の電極層2の上面との形状及びサイズが同じであるように設定するが、実際に、第1の部品11の下面と第1の電極層2の上面との形状及び面積を厳格に制限しなく、同じであってもよく、異なってもよい。図3を参照して、発電機の動作原理は、以下の通りである。初期状態において、第1の部品11の下面と第1の電極層2の上面とが接触してもよく、接触しなくてもよい。外力Fの作用によって接触した後に(図3aを参照する)、第1の電極層2の上面と第1の部品11の下面との材料に電極配列ばらつきがあるため、両者間に電子の取り込む・奪われる能力が異なっている。第1の部品11の下面における電子の取り込む・奪われる能力が強いが第1の電極層2の上面に電子が奪われやすいことを例として、第1の部品11の下面と第1の電極層2の上面とが接触する際に、表面電荷の移動が発生し、第1の電極層2の上面が正電荷を帯電し、第1の部品11の下面が負電荷を帯電する(図3aに示すように)。2つの電荷の電量が同じであるため、第1の電極層2と第2の電極層3との間に電位差がなく、電荷が流れない。外力Fの作用によって、第1の部品11の下面は第1の電極層2の上面に対してスライドし、接触面積を変化(減少)させた後に、第1の電極層2の上面と第1の部品11の下面における電荷のバランスを破壊し、第1の電極層2における正電荷に対する第1の部品11における負電荷の束縛作用は低減する。したがって、電子は第2の電極層3から第1の電極層2へ流れ、図3bに示すように、電流は、第1の電極層2と第2の電極層3との間に接続される負荷または電流計4に流れる。外力作用によって、第1の部品11の下面と第1の電極層2の上面とが完全に分離した場合、図3cに示すように、第1の電極層2における電荷に対する第1の部品11の下面に帯電する負電荷の排斥は、第1の電極層2と第2の電極層3との間の電荷流れを引き起こしなく、電子は負荷または電流計4に流れない。逆方向の外力Fによって第1の部品11の下面と第1の電極層2の上面とが相対的にスライドし、接触面積を変化(増大)させる場合、図3dに示すように、第1の電極層2における正電荷に対する第1の部品11における負電荷の排斥作用によって、電子は第1の電極層2から第2の電極層3へ流れ、電流は第1の電極層2と第2の電極層3との間の負荷または電流計4に流れる。第1の部品11の下面と第1の電極層2の上面とが完全に接触した後に、第1の部品11の下面と第1の電極層2の上面との正電荷・負電荷がバランスに達することになり、この場合、電子は第1の電極層2と第2の電極層3との間に流れなく、図3aに示すように、第1の電極層2と第2の電極層3との間の電流計または負荷4に電流信号が観察されることができない。図3a〜図3dの過程に従って往復に行って、第1の電極層2と第2の電極層3との間にパルス電流を形成する。
【0105】
本実施例において、発電機の各部分の材料及び構造が実施例1と同じであるため、ここでは贅言しない。
【0106】
第1の部品11と第1の電極層2とが互いに接触してスライドする表面は、平面であってもよく、曲面であってもよい。好ましくは、第1の部品11と第1の電極層2とが互いに接触してスライドする表面の形状がマッチングし、第1の部品11と第1の電極層2とが互いに接触してスライドする表面の形状及びサイズが相当しており、同じであることがより好ましい。互いにスライドする過程に、接触面積が最大である時点がある。例えば、第1の部品11と第1の電極層2とが互いに接触してスライドする表面は、曲率が同じである弧面である。
【0107】
第1の部品11と第1の電極層2とが互いに接触する表面がスムーズで平滑な表面である場合、第1の部品11と第1の電極層2との相対スライドの空間が大きい必要がある。そして、第1の部品11と第1の電極層2とが互いに接触する表面のサイズのばらつきが大きい場合、第1の部品11と第1の電極層2とが互いにスライド摩擦する過程に接触面積を変化させる要求を満たすことができない。したがって、本発明の発電機において、第1の部品11と第1の電極層2とが互いに接触可能な表面は、非平坦な表面であってもよい。第1の部品11と第1の電極層2とが互いにスライドする際に、2つの表面が非完全に接触し、図4を参照し、第1の部品11と第1の電極層2とが互いに接触する表面はいずれも凹凸構造の非平坦な表面である。外力作用によって、第1の部品11と第1の電極層2とが相対的にスライドする場合、小さいスライド距離だけで大きい接触面積の変化を発生することができ、電流は、第1の電極層2と第2の電極層3との間に接続される負荷4に流れる。本実施例において、第1の部品11と第1の電極層2とが互いに接触可能な表面のいずれかの表面が比較的に小さい場合に適用されることができる。互いに接触する2つの表面を非平坦な表面にし、外力作用によって、第1の部品11と第1の電極層2との接触表面が互いに摩擦する際に、小さい移動範囲で摩擦面積の変化を満たすことができ、これにより、外力の力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換することができる。
【0108】
好ましくは、第1の部品11と第1の電極層2とが互いに接触可能な表面の凹凸構造は周期的な凹凸構造であり、選択可能な周期的な凹凸構造は、等間隔で平行に配列されるテープ構造、碁盤構造等の周期的な構造である。
【0109】
本実施例及び第1の実施例の発電機において、第1の部品と第1の電極層と接触可能な2つの表面に対して物理または化学的変性処理を行うこともできる。物理変性は具体的に以下のようなものである:表面にミクロン又はサブミクロンレベルの微小構造が部分的又は全部的に分布され、第1の部品と第1の電極層との間の接触面積を増加させ、第1の部品の表面に帯電する電荷量を増大することができる。前記微小構造は、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノ粒子、ナノ棒、ナノ花、ナノ溝、ミクロン溝、ナノコーン、ミクロンコーン、ナノボール及びミクロンボール構造、及び前記構造から形成されるアレイであることが好ましい。く、特に、ナノワイヤ、ナノチューブ又はナノ棒からなるナノアレイは、フォトエッチング法、プラズマエッチング法などの方法によって作製される線状、立方体、又は四角錐形状のアレイであってもよく、アレイの各セルのサイズは、ナノ〜ミクロンレベルであり、具体的なマイクロナノ構造のセルのサイズ、形状は、本発明の範囲を制限すべきではない。ナノ材料の修飾又は塗布層によって当該目的を実現することもできる。互いに接触する第1の部品及び/又は第1の電極層の表面に対して化学的変性を施して、接触する瞬間の電荷の移動量を更に向上させることもできる。これにより、接触電荷の密度及び発電機の出力パワーを向上させることができる。化学的変性は、以下の2つの方法に分けられる。
【0110】
1つの方法としては、互いに接触する第1の部品及び第1の電極層の材料に対して、極性が正である材料の表面に電子を奪われやすい官能基(即ち、強い電子供与基)を導入し、あるいは、極性が負である材料の表面に、電子を取込みやすい官能基(即ち、強い電子吸引基)を導入することで、互いに接触し又はスライドする時の電荷の移動量を向上し、第1の部品の表面に帯電する電荷の密度及びセンシング感度を向上させる方法である。強い電子供与基は、アミノ基、ハイドロキシ、アルコキシル基などを含む。強い電子吸引基は、アシル基、カルボキシル基、ニトロ基、スルホン酸基などを含む。官能基の導入は、プラズマの表面変化などの普通の方法を使用することができる。例えば、酸素と窒素の混合ガスを、所定のパワーでプラズマを形成させることにより、アミノ基を摩擦層を構成する材料の表面へ導入してもよい。
【0111】
もう1つの方法としては、極性が正である材料の表面に正の電荷を導入し、極性が負である材料の表面に負の電荷を導入する方法である。具体的には、化学結合によって実現することができる。例えば、ポリジメチルシロキサンPDMS摩擦層の表面に、ゾル・ゲル法(sol−gel)により、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を修飾して負の電荷を帯電させる。金薄膜層上において、金−硫の結合により、表面に臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)が含有される金ナノ粒子を修飾する。臭化セチルトリメチルアンモニウムが陽イオンであるため、材料全体は正に帯電する。当業者は、選択される材料が電子を取込む性質及び電子を奪われる性質並びに表面化学結合の種類に基づいて、適合する修飾材料を選択し結合させて、本発明の目的を達成することができる。したがって、このような変形も本発明の保護範囲内に属する。
【0112】
実施例1及び実施例2の発電機について、第1の部品はいずれも第2の部品に対して独立して動く物体であり、発電機が電気信号を出力するための電極を第1の部品に設ける必要がなく、電気的に接続される2つの電極はいずれも第2の部品に設けられる。実際な適用環境に基づいて2つの電極層を固定し、その距離または相対位置を、外部回路に接続される便宜性または動作環境などの条件に基づいて設置することができ、発電機の動作過程における電極層の移動による問題を考慮する必要がない。これにより、発電機の1つの電極が動いている第1の部品と常に一緒に移動するという従来技術の欠陥を避けている。
【0113】
実施例3:
本実施例に提供される発電機の典型的な構造については、図5を参照する。発電機は、第1の部品12及び第2の部品を含む。その中、第2の部品は、1つの第1の電極層2と、それと協働する1つの第2の電極層3とからなり、第1の電極層2と第2の電極層3とは間隔を置いて設けられ、かつ電気的に接続されている。第1の部品1自身が帯電しており、第2の部品の第1の電極層2に対して移動することができる。動き過程に第1の部品と第2の部品のいずれかの電極層とが接触しなく、図5の矢印に示すように、第1の部品12の動きにより、第1の電極層2における第1の部品12に帯電する電荷の電位が変化し、静電誘起の作用によって、電荷は第1の電極層2と第2の電極層3との間に流れ、電流を形成する。第1の電極層2と第2の電極層3との間に検出装置4を接続して、発電機の電流を検出することができ、あるいは、負荷を接続して発電機から負荷への電力供給を実現することができる。
【0114】
本実施例における発電機の動作過程は、実施例1のセンサに類似しており、同様に図6を参照し、第1の部品12が負電荷を帯電するように設定し、特に、第1の電極層2に対向する第1の部品12の表面が負電荷を帯電し、第1の部品12が第1の電極層2に近づく場合、第1の部品と第1の電極層との間の静電誘起により、第1の部品12に帯電する負電荷は、第1の電極層2における負電荷に対して排斥作用を有し、第2の部品の第1の電極層2と第2の電極層3との間に電荷流れが形成され、図6aを参照し、第1の電極層と第2の電極層との間に接続される検出装置4は、第2の電極層3から第1の電極層2への電流を検出することができる。第1の部品12が第1の電極層から離れる場合、第1の電極層2における負電荷に対する第1の部品12に帯電する負電荷の排斥作用が低減し、図6bを参照し、第2の部品の第1の電極層2と第2の電極層3との間に逆方向の電荷流れが形成され、第1の電極層と第2の電極層との間に接続される検出装置4は、第1の電極層2から第2の電極層3への電流を検出することができる。図6に示す発電機において、第1の部品12は第1の電極層に対して鉛直方向に動き、その発電原理は、第1の部品12と第1の電極層2とが対向する表面間の距離が変わらない(即ち、第1の部品12は、第1の電極層に平行する方向に沿って動く)状況にも適用されることができる。
【0115】
なお、本実施例において、第2の部品は、帯電してもよく、帯電しなくてもよい。第2の部品の2つの電極層自身が帯電しても、第1の部品12が第1の電極層に対して移動する場合、第1の部品12の表面に帯電する電荷が第1の電極層に発生する電位も変化し、電流は第1の電極層と第2の電極層との間に流れる。
【0116】
第1の部品12に帯電する電荷は、発電機以外の他の物体との摩擦によって取得されてもよく、動作前に発電機自身の第2の部品との摩擦によって取得されてもよく、充電などの他の方式によって取得されてもよい。電荷の取得手段は、本発明の発電過程に対して影響を与えなく、本発明の発電機に対する制限ではない。
【0117】
第1の部品12と第1の電極層2とが対向する表面間の距離が変化する動き方式について、第1の部品12と第1の電極層2との間の最小距離範囲は、第1の電極層2に対向する第1の部品12の表面の最大長さの0.01倍であり、最大距離範囲は、第1の電極層2に対向する第1の部品12の表面の最大長さの10倍である。
【0118】
第1の部品12と第1の電極層2とが対向する表面間の距離が変化しない動き方式について、第1の部品12と第1の電極層2との間の距離範囲は、第1の電極層2に対向する第1の部品12の表面の最大長さの0.1〜10倍である。本実施例において、第1の部品が第1の電極層の表面に投影する投影形状及びサイズと第1の電極層の形状及びサイズとが相当することが好ましく、同じであることがより好ましい。これにより、第1の部品12の移動を保証し、静電誘起の作用によって、第1の部品12の電荷で第1の電極層2と第2の電極層3との間に電荷を流せることができる。
【0119】
本実施例の発電機が非接触モードで長期に、安定に動作させ、摩擦によって静電荷を補充する必要がなくするために、第1の電極層2に対して移動する第1の部品12は、良好な静電荷保持能力を有する必要がある。したがって、絶縁体材料及び半導体材料から選択されることができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化エチレンプロピレン、石英、パーフルオロ環状ポリマーなどの静電荷を「擬似永久」に保持できるエレクトレット材料であることが好ましい。このように、第1の部品12は、摩擦作用又は他の方式によって静電荷を帯電し、長く保持することができる。その中、絶縁体は常用な有機ポリマー材料及び天然材料から選択されることができ、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリジフェニルプロパンカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アニリンホルムアルデヒド樹脂、ポリホルムアルデヒド、エチルセルロース、ポリアミド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエチレングリコールスクシナート、セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレングリコールアジペート、ポリフタル酸ジアリル、再生繊維スポンジ、ポリウレタンエラストマー、スチレンプロピレンコーポリマー、スチレン-アクリロニトリルコーポリマー、スチレン-ブタジエンコーポリマー、ポリアミドナイロン11、ポリアミドナイロン66、羊毛及びその織物、蚕糸及びその織物、紙、人造繊維、棉及びその織物、木材、硬化ゴム、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリイソプチレン、ポリウレタンエラストマー、ポリウレタンフレキシブルスポンジ、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、クロロプレンゴム、ブタジエンプロピレンコーポリマー、天然ゴム、ポリアクリロニトリル、ポリ(塩化ビニリデン-co-アクリルニトリル)、ポリエチレンビスフェノールカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、液晶高分子ポリマー、ポリクロロプレン、ポリアクリロニトリル、アセテート、ポリジフェノールカーボネート、塩化ポリエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、及び、パリレンC、パリレンN、パリレンD、パリレンHT又はパリレンAF4を含むパリレンを含む。
【0120】
常用な半導体は、ケイ素、ゲルマニウム、例えばヒ化ガリウム、リン化ガリウムなどの第III及び第V族化合物と、例えば硫化クロム、硫化亜鉛などの第II及び第VI族化合物と、例えばガリウム-アルミニウム-ヒ素、ガリウム-ヒ素-リンなどのIII-V族化合物及びII-VI族化合物からなる固溶体を含む。上記結晶半導体以外、非晶質のガラス半導体、有機半導体等も含む。例えば、マンガン、クロム、鉄又は銅の酸化物、酸化ケイ素、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、BiO、及び、Yのような、非導電酸化物、半導体酸化物和複雑酸化物も本発明の第1の部品10の帯電表面とされることができる。
【0121】
第1の部品12の裏面に金属電極が堆積する必要がないため、その厚さに対して特別な要求がない。体材料であってもよく、フィルム材料であってもよい。これにより、本発明の発電機の適用範囲が大きく拡大される。例えば、薄層状の第1の部品12を移動物体に貼り付け、第1の部品12と第2の部品との相対動きを制御することができる。
【0122】
第2の部品における2つの電極層の材料や構造などは、いずれも第1の実施例及び第2の実施例と同じであってもよく、ここでは贅言しない。
【0123】
静電誘起による実際な発電機について、第1の部品は第1の電極層に対して移動するが、上記した3つの相対移動の組合せであってもよく、第1の部品が第1の電極層に対して単一の動き方式で移動することに限られない。
【0124】
実施例4:
上記した3つの実施例のセンサ又は発電機において、いずれも摩擦層を含んでもよい。センシング部品(又は、発電機の第2の部品)の第1の電極層を摩擦層の下面に貼り付け、第1の電極層が他の物体と直接に接触しなく、センサ又は発電機の第2の部品を保護することができる。センサ又は発電機の摩擦層は、帯電してもよく、帯電しなくてもよい。摩擦層と第1の電極層との相対位置が変化しないため、帯電する第1の部品が第1の電極層に対して移動する際に、摩擦層は第2の部品における第1の電極層と第2の電極層との間の電荷の移動に影響を与えない。
【0125】
本実施例において、センサ又は発電機の典型的な構造については、図7を参照する。センサ又は発電機は第1の部品13を含み、第2の部品は、第1の電極層2と第2の電極層3とが電気的に接続して成り、摩擦層5は第1の電極層2の上面に設けられ、摩擦層5の上面は第1の部品13に対向する。その中、第2の部品(又は、センシング部品)は、前記実施例と同じであってもよい。第1の部品13と摩擦層5の上面とは相対的に動くように接触・分離し、第1の部品13と第1の電極層との距離を変化させてもよく、第1の部品13と摩擦層の上面とはスライド摩擦し、接触面積を変化させてもよく、第1の部品13自身は帯電し、第1の電極層に対する移動過程に常に摩擦層と接触しなくてもよい。
【0126】
以下、第1の部品13が摩擦層の上面と接触・分離可能な動きモードで、摩擦層を含むセンサ又は発電機の動作原理を説明する。第1の部品13の下面と摩擦層5の上面との材料が異なるようにし、両者の材料に電極配列のばらつきがある。以下、図7の構造を例として本実施例のセンサ又は発電機の動作原理を詳細に説明する。初期状態において、第1の部品13と摩擦層5とは接触しない(図7aを参照する)。摩擦層5の上面と第1の部品13の下面との材料に電極配列のばらつきがあるため、両者間に電子の取り込む能力が異なっている。摩擦層5の上面の電子の取り込む能力が強いが第1の部品13の下面に電子が奪われやすいことを例として、第1の部品13(又は、被検体)の下面と摩擦層5の上面とが接触する際に表面電荷が移動し、摩擦層5の上面が負電荷を帯電し、第1の部品13の下面が正電荷を帯電し(図7bに示すように)、2つの電荷の電量が同じであるため、第1の電極層2と第2の電極層3との間に電位差がなく、電荷が流れない。外力作用によって、第1の部品13と摩擦層5の上面とが分離し(図7cに示すように)、摩擦層5及び第1の電極層2からなる全体に残りの負電荷があり、第1の部品13の下面に正電荷があり、第1の部品13と摩擦層5との距離が増大することに伴って、第1の電極層2における負電荷に対する第1の部品13の上面における負電荷の静電排斥が大きくなり、第1の電極層2における電子は、外部回路を介して第2の電極層3へ流れる。このため、電流は、第1の電極層2と第2の電極層3との間に接続される電流計又は負荷4に流れる。第1の部品13と摩擦層5の上面との間の距離が初期位置に戻るときに、第1の部品13と摩擦層5の上面との間の距離が最大となり、摩擦層5、第1の電極層2及び第2の電極層3に帯電する全ての負電荷と第1の部品13の下面における正電荷とがバランスに達することになり、第1の電極層2と第2の電極層3との間に電流が発生しない(図7dに示すように)。第1の部品13が再びに摩擦層5に近づくとき、第1の部品1と摩擦層5の上面との間の間隔が小さくなるため、第1の電極層2における正電荷に対する第1の部品13の下面における正電荷の静電排斥作用が増強し、電子は、外部回路を介して第2の電極層3から第1の電極層2へ流れ、外部回路に第1回目の方向と逆となる瞬時電流が発生する(図7eに示すように)。外力によって第1の部品13と摩擦層5の上面とが接触した後に、上記した図7b〜図7eの状況を繰り返す。第1の部品13と摩擦層5とが繰り返して接触・分離し、第1の電極層2と第2の電極層3との間に交流パルス電流を形成する。
【0127】
図7に示すセンサ又は発電機の動作原理から分かるように、摩擦層5が第1の部品13と接触して分離した後に、その表面が負電荷を帯電し、それらの負電荷はずっと保留され、第1の部品13が第1の電極層2に対して離れたり、近づいたりする際に、摩擦層5の表面に帯電する電荷は、第1の電極層2と第2の電極層3との間の電荷流れに影響を与えない。
【0128】
同様な原理に基づいて、第1の部品が摩擦層の上面とスライド摩擦し、接触面積を変化させる状況について、摩擦層の存在はセンサ又は発電機の動作にも影響を与えない。このような状況において、実施例2に類似し、第1の部品の下面と摩擦層の上面との形状及びサイズが相当することが好ましく、同じであることがより好ましい。第1の部品と摩擦層とが互いにスライドする表面はスムーズで平滑な表面であることができ、もちろん、第1の部品の下面が図4における凹凸構造に作製される場合に対して、相応的には、摩擦層の上面も凹凸構造の表面に作製される。
【0129】
実施例3における第1の部品と第2の部品の電極層とが接触しない状況について、本実施例において、第1の部品と摩擦層とは接触しなくてもよい。そして、第2の部品(即ち、第1の電極層又は第2の電極層)にも接触しない。摩擦層と第1の電極層との相対位置が固定であるため、摩擦層の存在は、第2の部品における第1の電極層と第2の電極層との間の電荷移動に影響を与えなく、帯電する第1の部品と摩擦層とが接触しないように制御すればよい。
【0130】
第1の部品と摩擦層とが互いに接触・分離し、あるいは、互いにスライドする場合について、適宜な摩擦層材料を選択する。第1の部品については、実施例1に言及される絶縁体材料及び半導体材料以外、例えば、金属または酸化インジウム・スズITOという導電材料であってもよい。常用な金属は、金、銀、白金、アルミニウム、ニッケル、銅、チタン、クロム又はセレン、及びこれらの金属からなる合金を含む。第1の部品と摩擦層とが互いに接触可能な2つの表面の材料に摩擦電極配列のばらつきがあればよい。両者が互いに接触する際に表面に電荷を形成し、互いに分離する際に電荷が材料の表面に依然として保留されている。同様に、摩擦層の上面も物理又は化学的変性によって、摩擦層と第1の部品とが接触する際に第1の部品の表面により多くの電荷を発生させる。
【0131】
第1の部品が帯電し、第1の電極層に対して移動する過程に常に摩擦層と接触しない場合について、摩擦層5と第1の電極層とが相対的に動かないため、摩擦層の表面が帯電するか否かに問わず、第2の部品における第1の電極層と第2の電極層との電荷流れに影響を与えない。第1の部品自身に帯電する電荷は、センサ又は発電機以外の他の物体との摩擦によって取得されてもよく、動作前にセンサ又は発電機自身の摩擦層との摩擦によって取得されてもよく、充電等の他の方式によって取得されてもよい。
【0132】
摩擦層の材料は非導電材料であってもよく、絶縁材料であることが好ましい。実施例1における第1の部品の選択可能な材料から選択することができる。摩擦層の存在により、第1の電極層2をよく保護することができるため、その表面サイズ及び形状が少なくとも第1の電極層2を完全に覆うことが好ましい。好ましくは、摩擦層は、第2の電極層3を覆ってもよい。しかしながら、摩擦層が第1の部品13と第2の部品との間の鉛直分離距離を増大するため、その厚さが厚すぎることはいけなく、シート状又はフィルム状であることが好ましく、一般的には、10nm〜5cmであり、100nm〜5mmであることが好ましく、1μm〜500μmであることがより好ましい。
【0133】
第1の電極層2がセンサ又は発電機の電極層であるため、従来のマグネトロンスパッタ、蒸着及び印刷プリント等技術によって摩擦層の下面に第1の電極層を作製することが好ましい。もちろん、例えば、CuやAl箔という厚い第1の電極層2によって、その表面に摩擦層5の材料を作製し、第1の電極層2と摩擦層5との接触設置を実現してもよい。
【0134】
摩擦層は、個別構造であってもよく、例えば、分離する2つの部分からなり、そのうちの1つの部分は第1の電極層2の表面を覆い、別の部分は第2の電極層3の表面を覆う。摩擦層の具体的な構造及び形状は、センサ又は発電機における第1の電極層の需要に応じて設置されてもよく、センサ又は発電機の動作に影響せずに第1の電極層を磨耗から保護する。
【0135】
本発明の全ての実施例において、第1の部品、第2の部品及び摩擦層はいずれも硬質材料又はフレキシブル材料であってもよい。材料の硬さが、両者間のスライド摩擦又は接触摩擦の効果に影響を与えないため、第1の電極層又は第1の部品の表面を平面にする必要があれば、他の部品の支持によって実現することもできる。
【0136】
実施例5:
本発明に提供されるセンサ又は発電機は、分離層を含んでもよく、第2の部品の第1の電極層及び第2の電極層を分離し、両者間に間隔を置いて所定の相対位置を保持し、そして、第2の部品と他の部品とを絶縁して分離させてもよい。
【0137】
図8を参照し、第2の部品の第1の電極層2及び第2の電極層3はいずれも分離層6に嵌め込まれ、第1の電極層2と第2の電極層3とを分離して設置し、かつ相対位置が固定している。そして、少なくとも第1の電極層2の上面に分離層6が露出している。第2の電極層3の上面に分離層6が露出してもよく、露出しなくてもよい。第1の電極層2と第2の電極層3とは、導線又は導電フィルムによって電気的に接続されることができる。
【0138】
他の実施例において、分離層は、第1の電極層2及び/又は第2の電極層3を完全に被覆してもよく、図9を参照し、第1の電極層2及び第2の電極層3の全ての表面は、分離層61によって被覆される。このような構造のセンサ又は発電機については、第1の電極層2の上面に覆われる分離層61は、実施例4における摩擦層としても機能している。第1の電極層2と第2の電極層3とは、導線又は導電フィルムによって電気的に接続されることができる。
【0139】
他の実施例において、分離層及び第2の部品の2つの電極層は、積層するように設置されてもよく、図10を参照し、第2の部品の第1の電極層2及び第2の電極層3はそれぞれ分離層62の上下面に設けられ、複数層の構造を形成し、第1の電極層2と第2の電極層3とは導線又は導電フィルムによって電気的に接続されることができる。本実施例において、好ましくは、第1の電極層2、第2の電極層3及び分離層62はいずれも薄層構造であり、センサ又は発電機全体の構造を小さくし、機器を小型化することができる。前記複数層の構造は、第1の電極層2の上面に摩擦層5を設けてもよく、それによって、第1の電極層を保護するとともに、第1の部品1と接触して分離し、あるいは、互いにスライド摩擦して、第1の部品1の表面を帯電させることができる。なお、前記複数層の構造は、第2の電極層の下面に設けられる保護層7を含んでもよく、第2の電極層を保護する。このような複数層の構造は、常用な半導体機器の作製工程によって作製されることができる。
【0140】
図10の複数層の構造において、第1の電極層2及び第2の電極層3はいずれも導電フィルムであってもよく、フィルムの厚さは、10nm〜5mmであってもよく、100nm〜500μmであることが好ましい。第1の電極層2及び第2の電極層3が金属フィルム層であることが好ましく、従来のマグネトロンスパッタ、蒸着及び印刷プリント等の技術によって分離層62の上下面に作製することができる。厚さが厚い第1の電極層2及び第2の電極層3に対して、接着などの方式によって分離層62の上下面に設置することができる。
【0141】
分離層及び保護層の材料が絶縁材料又は半導体材料であることが好ましく、本発明において、分離層及び保護層は、センサ又は発電機の動作過程に参与しないため、材料の選択範囲が広く、例えば、有機物絶縁体材料PDMS、ゴム又はガラス板等の従来の絶縁材料及び半導体材料はいずれも選択されることができる。具体的な材料は、実施例1に例示される第1の部品が採用可能な絶縁材料及び半導体から選択されてもよい。
【0142】
分離層及び保護層は、硬質材料であってもよく、フレキシブル構造であってもよい。第1の電極層2、第2の電極層3、分離層6、摩擦層5及び保護層7がいずれもフレキシブル構造であるセンサ又は発電機に対して、センサ又は発電機を1つのフレキシブルとして、他のフレキシブル部品と組み合わせて使用してもよい。フレキシブル材料によって作製されるセンサ又は発電機の長所は、以下の通りである:柔軟で軽い摩擦表面が僅かな外力作用を受けて変形し、このような変形により、2つの摩擦材料層(第1の部品1及び第1の電極層2又は摩擦層5)が相対的に変位し、スライド摩擦によって電気信号を外部へ出力する。フレキシブル材料の使用により、本発明のセンサ又は発電機は、生物及び医学分野に広く適用されることができる。使用過程において、超薄くて柔軟な、弾性の有する材料及び/又は高分子材料をベースとして、パッケージを行い、便宜に使用し強度を向上させる。もちろん、本発明に開示される全ての構造は、相応的な超柔軟で、弾性の有する材料によって作製されることができ、これにより、フレキシブルのセンサ又は発電機を形成する。
【0143】
本発明において、第1の電極層2と第2の電極層3とが電気的に接続する限り、第1の電極層2と第2の電極層3との間に電流が発生し、第1の電極層2は直接に負荷によって第2の電極層3に電気的に接続することができ、前記負荷は簡単な抵抗(例えば、照明設備)であってもよく、複雑な回路(例えば、複数の電子素子が直列/並列に接続される回路)であってもよい。ここでは特に限定しておらず、第1の電極層2と第2の電極層3とを電気的に接続すればよい。
【0144】
実施例6:
相応的には、本発明は、上記のいずれかのセンサに適用されるセンシング方法を提供し、上記のいずれかの発電機を適用する発電方法を更に提供する。
第1の部品1が第1の電極層2に対して移動し、第1の電極層2における、第1の部品1に帯電する電荷の電位を変化させるステップと、
第1の電極層2と第2の電極層との間に電荷の流れを発生して電流を形成するステップと、を含む。
【0145】
第1の部品1が第1の電極層2に対して移動することは、第1の部品1と第1の電極層2との表面が接触して分離し、第1の部品1を帯電させることであってもよい。第1の部品1と第1の電極層2とが互いに離れたり、近づいたりする過程において、第1の電極層2における、第1の部品1に帯電する電荷の電位を変化させ、第1の部品1と第1の電極層2との間の静電誘起により、電流は、第1の電極層2と第2の電極層3との間に接続される負荷等に流れる。
【0146】
第1の部品1が第1の電極層2に対して移動することは、第1の部品1と第1の電極層2との表面が互いにスライド摩擦し、スライド過程に接触面積を変化させ、第1の部品1の表面を帯電させることであってもよい。第1の部品1と第1の電極層2とが互いにスライドする過程において、第1の電極層2における、第1の部品1に帯電する電荷の電位を変化させ、第1の部品1と第1の電極層2との間の静電誘起により、電流は、第1の電極層2と第2の電極層3との間に接続される負荷等に流れる。
【0147】
第1の部品1が第1の電極層2に対して移動することは、第1の部品1が第1の電極層2に対して移動し、常に第1の電極層2に接触しなく、第1の部品1自身が帯電することであってもよい。第1の部品1が第1の電極層2に対して移動する過程において、第1の電極層2における、第1の部品1に帯電する電荷の電位を変化させ、第1の部品1と第1の電極層2との間の静電誘起により、電流は、第1の電極層2と第2の電極層3との間に接続される負荷等に流れる。第1の部品に帯電する電荷は、第1の電極層と互いに接触して分離することによって帯電されてもよく、他の方式によって帯電されてもよい。
【0148】
その中、前記第1の部品、第2の部品の第1の電極層及び第2の電極層の材料及び構造は、本発明に記載したセンサ又は発電機における各部分の材料及び構造であってもよく、ここでは贅言しない。
【0149】
実施例7:
長さ10cm×幅10cm×厚さ1mmであるポリメチルメタクリレートシートを切断してベースとし、ポリイミドシートの一面に銅フィルムを堆積して第1の電極層とし、他面に銅フィルムを堆積して第2の電極層とし、銅導線によって銅フィルムを接続して電圧計を接続し、第1の電極層の表面に長さ10cm×幅10cm×厚さ75μmであるポリテトラフルオロエチレンフィルムを接着して摩擦層とし、第2の電極層の表面に長さ10cm×幅10cm×厚さ50μmであるナイロンフィルムを接着して保護層とし、ポリテトラフルオロエチレンフィルムを上方に向けて地面に置き、靴底を周期的に接触して分離し、2つの銅フィルムに接続される電圧計から相応的に変化する電気信号が出力され、図11を参照し、電圧計によって分かるように、2つの銅フィルム間の電圧信号の最大値は約650Vであり、これにより、センサは、移動している物体に対してセンシングすることができ、外力の力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換して物体移動のセンシングを行い、センサに対して外部電源を提供する必要がない。発電機として、外力の力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換して発電することができる。
【0150】
実施例8:
実施例5における静電誘起による発電機の構造に基づいて、本実施例は、具体的な発電機の作製過程を提供する。レーザによって、長さ10cm×幅2cm×厚さ1.59mmである有機ガラスを切断して発電機の分離層とする。マグネトロンスパッタの方法によって、分離層の上面に1μmのアルミニウムフィルムを堆積して第1の電極層とし、下面に長さ10cm×幅2cm×厚さ25μmであるアルミニウム箔を貼り付けて第2の電極層とし、第1の電極層と第2の電極層との間にはLEDランプによって電気的に接続されている。長さ10cm×幅2cm×厚さ50μmであるポリテトラフルオロエチレンフィルムの上面にポリテトラフルオロエチレンのナノワイヤ被覆層を作製して摩擦層とし、導電ガムによって上記ポリテトラフルオロエチレンフィルムの下面を第1の電極層の上面に接続する。長さ10cm×幅2cm×厚さ2mmであるアルミニウムシートを第1の部品とし、アルミニウムシートの表面とポリテトラフルオロエチレンフィルムの表面とが互いに重なり合って置かれ、外力の作用によって、アルミニウムシートはポリテトラフルオロエチレンフィルムに対してスライドし、接触面積を変化させ、第1の電極層と第2の電極層との間に接続されるLEDランプを点灯する。これにより、発電機は、外力の力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換して発電することができる。
【0151】
以上の記載は、本発明の最適的な実施例に過ぎず、本発明を制限するものではない。当業者は、本発明の技術範囲を逸脱しない範囲で、上記に開示された方法及び技術内容に基づいて、本発明の技術案に対して、いろいろ可能な変更及び改進を行ってもよいし、また、同等に変化した等価実施例に変更してもよい。したがって、本発明の技術案の内容を逸脱しない限り、本発明の技術に基づいて実質的に以上の実施例に対する全ても簡単な修正、等価変化及び改進は、全て本発明の技術案が保護する範囲内に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11