(54)【発明の名称】ガレクチン−12発現を抑制するための、および/または、リポリーシスを促進するための低分子干渉RNAおよびそれを含む医薬組成物、ならびにガレクチン−12発現を抑制するための、および/または、リポリーシスを促進するための方法
【文献】
Database GenBank [online], Accession No.FW656753,2011年 4月18日,URL,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/329395949?sat=3&satkey=16591708
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パッセンジャー鎖、および/または、前記ガイド鎖が、少なくとも一つの修飾ヌクレオチド、および/または、少なくとも一つの修飾リン酸ジエステル結合を含む、請求項1に記載の低分子干渉RNA。
前記少なくとも一つの修飾ヌクレオチドが、2’-O-メチルヌクレオチド、5’-O-メチルホスホン酸核酸、ペプチド核酸(PNA)、N-モルホリノ、またはロックド核酸(LNA)である、請求項2に記載の低分子干渉RNA。
前記少なくとも一つの修飾ヌクレオチドが2’-O-メチルヌクレオチドである、および/または、前記少なくとも一つの修飾リン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合である、請求項2に記載の低分子干渉RNA。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
以下の詳細な説明において、説明の目的で、本開示の実施態様の十分な理解を提供するために多くの具体的な詳細が記述される。しかしながら、これらの具体的な詳細なしに一つまたは複数の実施態様が実行されうることが明らかであると考えられる。他の事例において、周知の構造および装置は、図面を簡略化するために、概略図で示される。
【0013】
本開示の一実施態様において、本開示は低分子干渉RNAを提供し、この低分子干渉RNAは、ガレクチン-12発現を抑制する、および/または、リポリーシスを促進することができる。さらに、本開示の低分子干渉RNAは、ガレクチン-12発現に関連する疾患の治療に用いることができる。ガレクチン-12発現に関連する疾患の例は、代謝障害、肥満、等を含み得るが、この限りではない。
【0014】
上述の低分子干渉RNAは、(a)第一パッセンジャー鎖、および、第一ガイド鎖からなる第一低分子干渉RNA、(b)第二パッセンジャー鎖、および、第二ガイド鎖からなる第二低分子干渉RNA、(c)第三パッセンジャー鎖、および、第三ガイド鎖からなる第三低分子干渉RNA、あるいは、(d)第四パッセンジャー鎖、および、第四ガイド鎖からなる第四低分子干渉RNA、を含み得る。
【0015】
第一低分子干渉RNAに関して、第一パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 1の配列と少なくとも85%の配列が同一である配列であり得、第一ガイド鎖の配列は、SEQ ID NO. 2の配列と少なくとも85%の配列が同一である配列であり得る。
【0016】
第一パッセンジャー鎖に関して、一実施態様において、第一パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 1の配列と少なくとも85%、たとえば、85%、90%、95%、98%、および、99%の配列が同一である配列であり得る。別の実施態様において、第一パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 1の配列と100%配列が同一である配列であり得る。つまり、第一パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 1の配列であり得る。
【0017】
さらなる実施態様において、第一パッセンジャー鎖の配列は、低分子干渉RNAのヌクレアーゼ耐性を増強させるための、および/または、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)形成を促進するための少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物が、SEQ ID NO. 1の配列の3’末端に加えられた配列であり得る。上述の少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物は1、2、3、4、あるいは、5個のヌクレオチドの3’突出物であり得るが、この限りではない。たとえば、二個のヌクレオチドの3’突出物、たとえば、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)、二個のウラシルリボヌクレオチド(UU)(RNA)、一個のウラシルリボヌクレオチドと一個のグアニンリボヌクレオチド(UG)(RNA)等が、SEQ ID NO. 1の配列の3’末端に加えられてもよい。特定の実施態様において、第一パッセンジャー鎖の配列は、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)が、SEQ ID NO. 1の配列の3’末端に加えられた配列、すなわち、SEQ ID NO. 17の配列であり得る。
【0018】
第一ガイド鎖に関して、一実施態様において、第一ガイド鎖の配列は、SEQ ID NO. 2の配列と少なくとも85%、たとえば、85%、90%、95%、98%、および、99%の配列が同一である配列であり得る。別の実施態様において、第一ガイド鎖の配列は、SEQ ID NO. 2の配列と100%配列が同一である配列であり得る。つまり、第一ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 2の配列であり得る。
【0019】
さらなる実施態様において、第一ガイド鎖の配列は、低分子干渉RNAのヌクレアーゼ耐性を増強するための、および/または、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)形成を促進するための少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物が、SEQ ID NO. 2の配列の3’末端に加えられた配列であり得る。上述の少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物は、1、2、3、4、あるいは、5個のヌクレオチドの3’突出物であり得るが、この限りではない。たとえば、二個のヌクレオチドの3’突出物、たとえば、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)、二個のウラシルリボヌクレオチド(UU)(RNA)、一個のウラシルリボヌクレオチドと一個のグアニンリボヌクレオチド(UG)(RNA)等が、SEQ ID NO. 2の配列の3’末端に加えられてもよい。特定の実施態様において、第一ガイド鎖の配列は、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)が、SEQ ID NO. 2の配列の3’末端に加えられた配列、すなわち、SEQ ID NO. 18の配列であり得る。
【0020】
一実施態様において、第一低分子干渉RNAにおいて、第一パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 1の配列であり得、第一ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 2の配列であり得る。別の実施態様において、第一低分子干渉RNAにおいて、第一パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 17の配列であり得、第一ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 18の配列であり得る。
【0021】
別の実施態様において、第一パッセンジャー鎖、および/または、第一ガイド鎖は、少なくとも一つの修飾ヌクレオチド、および/または、少なくとも一つの修飾リン酸ジエステル結合を含み得る。前述の修飾ヌクレオチドの例は、これに限定されないが、2’-O-メチルヌクレオチド、5’-O-メチルホスホン酸核酸、ペプチド核酸(PNA)、N-モルホリノ、ロックド核酸(LNA)等を含み得る。前述の修飾リン酸ジエステル結合の例は、ホスホロチオエート結合、ボラノリン酸結合、PNA結合、あるいは、モルホリノ結合を含み得るが、この限りではない。例示的実施態様において、前述の修飾ヌクレオチドは2’-O-メチルヌクレオチドであり、前述の修飾リン酸ジエステル結合はホスホロチオエート結合である。
【0022】
本開示の第一パッセンジャー鎖、および/または、第一ガイド鎖は、少なくとも一つの2’-O-メチルヌクレオチド、および/または、少なくとも一つのホスホロチオエート結合を含み得る。たとえば、本開示の第一パッセンジャー鎖、および/または、第一ガイド鎖は、1〜10、2〜7、あるいは、3〜5個の2’-O-メチルヌクレオチドおよび/または1〜10、2〜7、あるいは、3〜5個のホスホロチオエート結合を含み得る。
【0023】
この実施態様において、第一パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 1として示される配列であり得、第1、第2、第3、第9、および、第12位のヌクレオチドがさらに2’-O-メチル化され、且つ、第1位と第2位のヌクレオチド間、第2位と第3位のヌクレオチド間、第3位と第4位のヌクレオチド間、第5位と第6位のヌクレオチド間、および、第17位と第18位のヌクレオチド間の連結が、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 9の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 1の配列は、SEQ ID NO. 9の配列になる。
【0024】
あるいは、この実施態様において、第一パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 17として示される配列であり得、第1、第2、第3、第9、および、第12位のヌクレオチドは、さらに2’-O-メチル化され、且つ、第1位と第2位のヌクレオチド間、第2位と第3位のヌクレオチド間、第3位と第4位のヌクレオチド間、第5位と第6位のヌクレオチド間、第17位と第18位のヌクレオチド間、第19位と第20位のヌクレオチド間、および、第20位と第21位のヌクレオチド間の連結が、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 25の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 17の配列は、SEQ ID NO. 25の配列になる。
【0025】
また、この実施態様において、第一ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 2として示される配列であり得、第2、第18、および、第19位のヌクレオチドは、さらに、2’-O-メチル化され、すなわち、SEQ ID NO. 10の配列である。つまり、メチル化を受けた後のSEQ ID NO. 2の配列は、SEQ ID NO. 10の配列になる。
【0026】
あるいは、この実施態様において、第一ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 18として示される配列であり得、第2、第18、および、第19位のヌクレオチドは、さらに2’-O-メチル化され、且つ、第19位と第20位のヌクレオチド間、および、第20位と第21位のヌクレオチド間の連結が、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 26の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 18の配列は、SEQ ID NO. 26の配列になる。
【0027】
一実施態様において、第一低分子干渉RNAにおいて、第一パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 9の配列であり、第一ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 10の配列である。別の実施態様において、第一低分子干渉RNAにおいて、第一パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 25の配列であり、第一ガイド鎖の配列は SEQ ID NO. 26の配列である。
【0028】
さらに、第二低分子干渉RNAに関して、第二パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 3の配列と少なくとも85%の配列が同一である配列であり得、第二ガイド鎖の配列は、SEQ ID NO. 4の配列と少なくとも85%の配列が同一である配列であり得る。
【0029】
第二パッセンジャー鎖に関して、一実施態様において、第二パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 3の配列と少なくとも85%、たとえば、85%、90%、95%、98%、および、99%の配列が同一である配列であり得る。別の実施態様において、第二パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 3の配列と100%配列が同一である配列である。つまり、第二パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 3の配列であり得る。
【0030】
さらなる実施態様において、第二パッセンジャー鎖の配列は、低分子干渉RNAのヌクレアーゼ耐性を増強するための、および/または、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)形成を促進するための少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物が、SEQ ID NO. 3の配列の3’末端に加えられた配列であり得る。上述の少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物は、1、2、3、4、あるいは、5個のヌクレオチドの3’突出物であり得るが、この限りではない。たとえば、二個のヌクレオチドの3’突出物、たとえば、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)、二個のウラシルリボヌクレオチド(UU)(RNA)、一個のウラシルリボヌクレオチドと一個のグアニンリボヌクレオチド(UG)(RNA)等が、SEQ ID NO. 3の配列の3’末端に加えられてもよい。特定の実施態様において、第二パッセンジャー鎖の配列は、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)が、SEQ ID NO. 3の配列の3’末端に加えられた配列、すなわち、SEQ ID NO. 19の配列であり得る。
【0031】
第二ガイド鎖に関して、一実施態様において、第二ガイド鎖の配列は、SEQ ID NO. 4の配列と少なくとも85%、たとえば、85%、90%、95%、98%、および、99%の配列が同一である配列であり得る。別の実施態様において、第二ガイド鎖の配列は、SEQ ID NO. 4の配列と100%配列が同一である配列であり得る。つまり、第二ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 4の配列であり得る。
【0032】
さらなる実施態様において、第二ガイド鎖の配列は、低分子干渉RNAのヌクレアーゼ耐性を増強するための、および/またはRNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)形成を促進するための少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物が、SEQ ID NO. 4の配列の3’末端に加えられた配列であり得る。上述の少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物は、1、2、3、4、あるいは、5個のヌクレオチドの3’突出物であり得るが、この限りではない。たとえば、二個のヌクレオチドの3’突出物、たとえば、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)、二個のウラシルリボヌクレオチド(UU)(RNA)、一個のウラシルリボヌクレオチドと一個のグアニンリボヌクレオチド(UG)(RNA)等が、SEQ ID NO. 4の配列の3’末端に加えられてもよい。特定の実施態様において、第二ガイド鎖の配列は、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)が、SEQ ID NO. 4の配列の3’末端に加えられた配列、すなわち、SEQ ID NO. 20の配列であり得る。
【0033】
一実施態様において、第二低分子干渉RNAにおいて、第二パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 3の配列であり得、第二ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 4の配列であり得る。別の実施態様において、第二低分子干渉RNAにおいて、第二パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 19の配列であり得、第二ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 20の配列であり得る。
【0034】
別の実施態様において、第二パッセンジャー鎖、および/または、第二ガイド鎖は、少なくとも一つの修飾ヌクレオチド、および/または、少なくとも一つの修飾リン酸ジエステル結合を含み得る。前述の修飾ヌクレオチドの例は、これに限定されないが、2’-O-メチルヌクレオチド、5’-O-メチルホスホン酸核酸、ペプチド核酸(PNA)、N-モルホリノ、ロックド核酸(LNA)等を含み得る。前述の修飾リン酸ジエステル結合の例は、ホスホロチオエート結合、ボラノリン酸結合、PNA結合、あるいは、モルホリノ結合を含み得るが、この限りではない。例示的実施態様において、前述の修飾ヌクレオチドは2’-O-メチルヌクレオチドであり、前述の修飾リン酸ジエステル結合はホスホロチオエート結合である。
【0035】
本開示の第二パッセンジャー鎖、および/または、第二ガイド鎖は、少なくとも一つの2’-O-メチルヌクレオチド、および/または、少なくとも一つのホスホロチオエート結合を含み得る。たとえば、本開示の第二パッセンジャー鎖、および/または、第二ガイド鎖は、1〜10、2〜7、あるいは、3〜5個の2’-O-メチルヌクレオチド、および/または1〜10、2〜7、あるいは、3〜5個のホスホロチオエート結合を含み得る。
【0036】
この実施態様において、第二パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 3として示される配列であり得、第1、第2、第3、第9、および、第12位のヌクレオチドが、さらに2’-O-メチル化され、且つ、第1位と第2位のヌクレオチド間、第2位と第3位のヌクレオチド間、第3位と第4位のヌクレオチド間、第5位と第6位のヌクレオチド間、および、第17位と第18位のヌクレオチド間の連結が、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 11の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 3の配列は、SEQ ID NO. 11の配列になる。
【0037】
あるいは、この実施態様において、第二パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 19として示される配列であり得、第1、第2、第3、第9、および、第12位のヌクレオチドがさらに2’-O-メチル化され、且つ、第1位と第2位のヌクレオチド間、第2位と第3位のヌクレオチド間、第3位と第4位のヌクレオチド間、第5位と第6位のヌクレオチド間、第17位と第18位のヌクレオチド間、第19位と第20位のヌクレオチド間、および、第20位と第21位のヌクレオチド間の連結が、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 27の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 19の配列は、SEQ ID NO. 27の配列になる。
【0038】
また、この実施態様において、第二パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 4として示される配列であり得、第2、第18、および、第19位のヌクレオチドがさらに2’-O-メチル化され、すなわち、SEQ ID NO. 12の配列である。つまり、メチル化を受けた後のSEQ ID NO. 4の配列は、SEQ ID NO. 12の配列になる。
【0039】
あるいは、この実施態様において、第二ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 20として示される配列であり得、第2、第18、および、第19位のヌクレオチドがさらに2’-O-メチル化され、且つ、第19位と第20位のヌクレオチド間、および、第20位と第21位のヌクレオチド間の連結が、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 28の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 20の配列は、SEQ ID NO. 28の配列になる。
【0040】
一実施態様において、第二低分子干渉RNAにおいて、第二パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 11の配列であり得、第二ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 12の配列であり得る。別の実施態様において、第二低分子干渉RNAにおいて、第二パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 27の配列であり得、第二ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 28の配列であり得る。
【0041】
さらに、第三低分子干渉RNAに関して、第三パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 5の配列と少なくとも85%の配列が同一である配列であり得、第三ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 6の配列と少なくとも85%の配列が同一である配列であり得る。
【0042】
第三パッセンジャー鎖において、一実施態様において、第三パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 5の配列と少なくとも85%、たとえば、85%、90%、95%、98%、および、99%の配列が同一である配列であり得る。別の実施態様において、第三パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 5の配列と100%配列が同一である配列であり得る。つまり、第三パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 5の配列であり得る。
【0043】
さらなる実施態様において、第三パッセンジャー鎖の配列は、低分子干渉RNAのヌクレアーゼ耐性を増強するための、および/または、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)形成を促進するための少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物が、SEQ ID NO. 5の配列の3’末端に加えられた配列であり得る。上述の少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物は、1、2、3、4、あるいは、5個のヌクレオチドの3’突出物であり得るが、この限りではない。たとえば、二個のヌクレオチドの3’突出物、たとえば、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)、二個のウラシルリボヌクレオチド(UU)(RNA)、一個のウラシルリボヌクレオチドと一個のグアニンリボヌクレオチド(UG)(RNA)等が、SEQ ID NO. 5の配列の3’末端に加えられてもよい。特定の実施態様において、第三パッセンジャー鎖の配列は、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)が、SEQ ID NO. 5の配列の3’末端に加えられた配列、すなわち、SEQ ID NO. 21の配列であり得る。
【0044】
第三ガイド鎖に関して、一実施態様において、第三ガイド鎖の配列は、SEQ ID NO. 6の配列と少なくとも85%、たとえば、85%、90%、95%、98%、および、99%の配列が同一である配列であり得る。別の実施態様において、第三ガイド鎖の配列は、SEQ ID NO. 6の配列と100%配列が同一である配列であり得る。つまり、第三ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 6の配列であり得る。
【0045】
さらなる実施態様において、第三ガイド鎖の配列は、低分子干渉RNAのヌクレアーゼ耐性を増強するための、および/または、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)形成を促進するための少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物が、SEQ ID NO. 6の配列の3’末端に加えられた配列であり得る。上述の少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物は、1、2、3、4、あるいは、5個のヌクレオチドの3’突出物であり得るが、この限りではない。たとえば、二個のヌクレオチドの3’突出物、たとえば、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)、二個のウラシルリボヌクレオチド(UU)(RNA)、一個のウラシルリボヌクレオチドと一個のグアニンリボヌクレオチド(UG)(RNA)等が、SEQ ID NO. 6の配列の3’末端に加えられてもよい。特定の実施態様において、第三ガイド鎖の配列は、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)が、SEQ ID NO. 6の配列の3’末端に加えられた配列、すなわち、SEQ ID NO. 22の配列であり得る。
【0046】
一実施態様において、第三低分子干渉RNAにおいて、第三パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 5の配列であり得、第三ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 6の配列であり得る。別の実施態様において、第三低分子干渉RNAにおいて、第三パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 21の配列であり得、第三ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 22の配列であり得る。
【0047】
別の実施態様において、第三パッセンジャー鎖、および/または、第三ガイド鎖は、少なくとも一つの修飾ヌクレオチド、および/または、少なくとも一つの修飾リン酸ジエステル結合を含み得る。前述の修飾ヌクレオチドの例は、これに限定されないが、2’-O-メチルヌクレオチド、5’-O-メチルホスホン酸核酸、ペプチド核酸(PNA)、N-モルホリノ、ロックド核酸(LNA)等を含み得る。前述の修飾リン酸ジエステル結合の例は、ホスホロチオエート結合、ボラノリン酸結合、PNA結合、あるいは、モルホリノ結合を含み得るが、この限りではない。例示的実施態様において、前述の修飾ヌクレオチドは2’-O-メチルヌクレオチドであり、前述の修飾リン酸ジエステル結合はホスホロチオエート結合である。
【0048】
本開示の第三パッセンジャー鎖、および/または、第三ガイド鎖は、少なくとも一つの2’-O-メチルヌクレオチド、および/または、少なくとも一つのホスホロチオエート結合を含み得る。たとえば、本開示の第三パッセンジャー鎖、および/または、第三ガイド鎖は、1〜10、2〜7、あるいは、3〜5個の2’-O-メチルヌクレオチド、および/または、1〜10、2〜7、あるいは、3〜5個のホスホロチオエート結合を含み得る。
【0049】
この実施態様において、第三パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 5として示される配列であり得、第1、第2、第3、第9、および、第12位のヌクレオチドがさらに2’-O-メチル化され、且つ、第1位と第2位のヌクレオチド間、第2位と第3位のヌクレオチド間、第3位と第4位のヌクレオチド間、第5位と第6位のヌクレオチド間、および、第17位と第18位のヌクレオチド間の連結が、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 13の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 5の配列は、SEQ ID NO. 13の配列になる。
【0050】
あるいは、この実施態様において、第三パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 21として示される配列であり得、第1、第2、第3、第9、および、第12位のヌクレオチドはさらに2’-O-メチル化され、且つ、第1位と第2位のヌクレオチド間、第2位と第3位のヌクレオチド間、第3位と第4位のヌクレオチド間、第5位と第6位のヌクレオチド間、第17位と第18位のヌクレオチド間、第19位と第20位のヌクレオチド間、および、第20位と第21位のヌクレオチド間の連結が、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 29の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 21 の配列は、SEQ ID NO. 29の配列になる。
【0051】
また、この実施態様において、第三パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 6として示される配列であり、第2、第18、および、第19位のヌクレオチドはさらに2’-O-メチル化され、すなわち、SEQ ID NO. 14の配列である。つまり、メチル化を受けた後のSEQ ID NO. 6の配列は、SEQ ID NO. 14の配列になる。
【0052】
あるいは、この実施態様において、第三ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 22として示される配列であり得、第2、第18、および、第19位のヌクレオチドはさらに2’-O-メチル化され、且つ、第19位と第20位のヌクレオチド間、および、第20位と第21位のヌクレオチド間の連結が、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 30の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 22の配列はSEQ ID NO. 30の配列になる。
【0053】
一実施態様において、第三低分子干渉RNAにおいて、第三パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 13の配列であり得、第三ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 14の配列であり得る。別の実施態様において、第三低分子干渉RNAにおいて、第二パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 29の配列であり得、第二ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 30の配列であり得る。
【0054】
このほか、第四低分子干渉RNAに関して、第四パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 7の配列と少なくとも85%の配列が同一である配列であり得、第四ガイド鎖の配列は、SEQ ID NO. 8の配列と少なくとも85%の配列が同一である配列であり得る。
【0055】
第四パッセンジャー鎖に関して、一実施態様において、第四パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 7の配列と少なくとも85%、たとえば、85%、90%、95%、98%、および、99%の配列が同一である配列であり得る。別の実施態様において、第四パッセンジャー鎖の配列は、SEQ ID NO. 7の配列と100%配列が同一である配列であり得る。つまり、第四パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 7の配列であり得る。
【0056】
さらなる実施態様において、第四パッセンジャー鎖の配列は、低分子干渉RNAのヌクレアーゼ耐性を増強するための、および/または、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)形成を促進するための少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物が、SEQ ID NO. 7の配列の3’末端に加えられた配列であり得る。上述の少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物は、1、2、3、4、あるいは、5個のヌクレオチドの3’突出物であり得るが、この限りではない。たとえば、二個のヌクレオチドの3’突出物、たとえば、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)、二個のウラシルリボヌクレオチド(UU)(RNA)、一個のウラシルリボヌクレオチドと一個のグアニンリボヌクレオチド(UG)(RNA)等が、SEQ ID NO. 7の配列の3’末端に加えられてもよい。特定の実施態様において、第四パッセンジャー鎖の配列は、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)が、SEQ ID NO. 7の配列の3’末端に加えられた配列、すなわち、SEQ ID NO. 23の配列であり得る。
【0057】
第四ガイド鎖に関して、一実施態様において、第四ガイド鎖の配列は、SEQ ID NO. 8の配列と少なくとも85%、たとえば、85%、90%、95%、98%、および、99%の配列が同一である配列であり得る。別の実施態様において、第四ガイド鎖の配列は、SEQ ID NO. 8の配列と100%配列が同一である配列であり得る。つまり、第四ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 8の配列であり得る。
【0058】
さらなる実施態様において、第四ガイド鎖の配列は、低分子干渉RNAのヌクレアーゼ耐性を増強するための、および/または、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)形成を促進するための少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物が、SEQ ID NO. 8の配列の3’末端に加えられた配列であり得る。上述の少なくとも一つのヌクレオチドの3’突出物は、1、2、3、4、あるいは、5個のヌクレオチドの3’突出物であり得るが、この限りではない。たとえば、二個のヌクレオチドの3’突出物、たとえば、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)、二個のウラシルリボヌクレオチド(UU)(RNA)、一個のウラシルリボヌクレオチドと一個のグアニンリボヌクレオチド(UG)(RNA)等が、SEQ ID NO. 8の配列の3’末端に加えられてもよい。特定の実施態様において、第四ガイド鎖の配列は、二個のチミンデオキシリボヌクレオチド(dTdT)(DNA)が、SEQ ID NO. 8の配列の3’末端に加えられた配列、すなわち、SEQ ID NO. 24の配列であり得る。
【0059】
一実施態様において、第四低分子干渉RNAにおいて、第四パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 7の配列であり得、第四ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 8の配列であり得る。別の実施態様において、第四低分子干渉RNAにおいて、第四パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 23の配列であり得、第四ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 24の配列であり得る。
【0060】
別の実施態様において、第四パッセンジャー鎖、および/または、第四ガイド鎖は、少なくとも一つの修飾ヌクレオチド、および/または、少なくとも一つの修飾リン酸ジエステル結合を含み得る。前述の修飾ヌクレオチドの例は、これに限定されないが、2’-O-メチルヌクレオチド、5’-O-メチルホスホン酸核酸、ペプチド核酸(PNA)、N-モルホリノ、ロックド核酸(LNA)等を含み得る。前述の修飾リン酸ジエステル結合の例は、ホスホロチオエート結合、ボラノリン酸結合、PNA結合、あるいは、モルホリノ結合を含み得るが、この限りではない。例示的実施態様において、前述の修飾ヌクレオチドは2’-O-メチルヌクレオチドであり、前述の修飾リン酸ジエステル結合はホスホロチオエート結合である。
【0061】
本開示の第四パッセンジャー鎖、および/または、第四ガイド鎖は、少なくとも一つの2’-O-メチルヌクレオチド、および/または、少なくとも一つのホスホロチオエート結合を含み得る。たとえば、本開示の第四パッセンジャー鎖、および/または、第四ガイド鎖は、1〜10、2〜7、あるいは、3〜5個の2’-O-メチルヌクレオチド、および/または、1〜10、2〜7、あるいは、3〜5個のホスホロチオエート結合を含み得る。
【0062】
この実施態様において、第四パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 7 として示される配列であり得、第1、第2、第3、第9、および、第12位のヌクレオチドはさらに2’-O-メチル化され、且つ、第1位と第2位のヌクレオチド間、第2位と第3位のヌクレオチド間、第3位と第4位のヌクレオチド間、第5位と第6位のヌクレオチド間、および、第17位と第18位のヌクレオチド間の連結は、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 15の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 7の配列は、SEQ ID NO. 15の配列になる。
【0063】
あるいは、この実施態様において、第四パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 23として示される配列であり得、第1、第2、第3、第9、および、第12位のヌクレオチドはさらに2’-O-メチル化され、且つ、第1位と第2位のヌクレオチド間、第2位と第3位のヌクレオチド間、第3位と第4位のヌクレオチド間、第5位と第6位のヌクレオチド間、第17位と第18位のヌクレオチド間、第19位と第20位のヌクレオチド間、および、第20位と第21位のヌクレオチド間の連結が、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 31の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 23の配列は、SEQ ID NO. 31の配列になる。
【0064】
また、この実施態様において、第四パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 8として示される配列であり得、第2、第18、および、第19位のヌクレオチドはさらに2’-O-メチル化され、すなわち、SEQ ID NO. 16の配列である。つまり、メチル化を受けた後のSEQ ID NO. 8の配列は、SEQ ID NO. 16の配列になる。
【0065】
あるいは、この実施態様において、第四ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 24として示される配列であり得、第2、第18、および、第19位のヌクレオチドはさらに2’-O-メチル化され、且つ、第19位と第20位のヌクレオチド間、および、第20位と第21位のヌクレオチド間の連結は、ホスホロチオエート結合へと、すなわち、SEQ ID NO. 32の配列へとさらに修飾される。つまり、メチル化を受け、修飾された後のSEQ ID NO. 24の配列は、SEQ ID NO. 32の配列になる。
【0066】
一実施態様において、第四低分子干渉RNAにおいて、第四パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 15の配列であり得、第四ガイド鎖の配列はSEQ ID NO. 16の配列であり得る。別の実施態様において、第四低分子干渉RNAにおいて、第二パッセンジャー鎖の配列はSEQ ID NO. 31の配列であり得、第二ガイド鎖の配列は SEQ ID NO. 32の配列である。
【0067】
さらに、本開示の任意の前述の低分子干渉RNAは、単独で、あるいは、薬学的に許容可能な担体または塩と一緒に医用薬剤へと製剤化することができる。
【0068】
上述の薬学的に許容可能な担体は、これに限定されないが、薬学的投与に適合性があるリポソーム、ミセル、金属粒子、ポリマー粒子、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、あるいは、等張剤、吸収遅延剤等を含み得る。異なる投与経路用に、従来の方法を用いて、医薬組成物を投薬形態に製剤化することができる。一実施態様において、上述の薬学的に許容可能な担体はリポソーム、ミセル、金属粒子、あるいは、ポリマー粒子であり得る。
【0069】
上述の粒子は、各種材料、たとえば、脂質、プロテイン、多糖、および、合成ポリマーから調整することができる。調整方法に基づいて、ナノ粒子、ナノスフェア、あるいは、ナノカプセルを得ることができる。
【0070】
さらに、上述の薬学的に許容可能な塩は、これに限定されないが、無機カチオンの塩、たとえば、アルカリ金属塩、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩、あるいは、アミン塩、たとえば、アルカリ土類金属塩、たとえば、マグネシウム塩、あるいは、カルシウム塩、たとえば、二価、あるいは、四価カチオンを含む塩、たとえば、亜鉛塩、アルミニウム塩、あるいは、ジルコニウム塩を含み得る。このほか、薬学的に許容可能な塩は、有機塩、たとえば、ジシクロヘキシルアミン塩、メチル-D-グルカミン、および、アミノ酸塩、たとえば、アルギニン、リジン、ヒスチジン、あるいは、グルタミンもまた含み得る。
【0071】
本開示の別の実施態様において、本開示は、ガレクチン-12発現を抑制するための、および/または、リポリーシスを促進するための医薬組成物を提供する。ガレクチン-12発現を抑制するための、および/または、リポリーシスを促進するための医薬組成物は、上述の本開示の任意の低分子干渉RNAを含み得るが、この限りではない。
【0072】
一実施態様において、ガレクチン-12発現を抑制するための、および/または、リポリーシスを促進するための医薬組成物は、薬学的に許容可能な担体または塩をさらに含んでいてもよい。
【0073】
本開示の医薬組成物に含まれる薬学的に許容可能な担体の説明は、上記を参照することができる。一実施態様において、上述の薬学的に許容可能な担体は、リポソーム、ミセル、金属粒子、あるいは、ポリマー粒子であり得る。
【0074】
さらに、本開示の医薬組成物に含まれる薬学的に許容可能な塩の説明もまた、上記を参照することができる。
【0075】
本開示の医薬組成物は、経口で、非経口で吸入スプレーによって、あるいは、埋込み式リザーバー(implanted reservoir)を介して投与され得る。非経口方法は、皮下、皮内、静脈、筋肉内、関節内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、および、病変内、ならびに、注入技術を含み得る。
【0076】
経口組成物は、これに限定されないが、錠剤、カプセル、乳剤、および、水性懸濁液、分散液、および、溶液を含み得る。
【0077】
本開示の別の実施態様において、本開示は、ガレクチン-12発現を抑制するための、および/または、リポリーシスを促進するための方法を提供する。本開示の、ガレクチン-12発現を抑制するための、および/または、リポリーシスを促進するための方法は、ガレクチン-12発現に関連する疾患を治療するための方法としてもみなすことができる。ガレクチン-12発現に関連する疾患の例は、代謝障害、肥満等を含み得るが、この限りではない。
【0078】
本開示の、ガレクチン-12発現を抑制するための、および/または、リポリーシスを促進するための方法は、上述の本開示の医薬組成物の有効量を必要とする対象に投与する段階を含み得るが、この限りではない。
【0079】
対象は、哺乳動物、たとえば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、サル、オラウータン、ヒト等であり得るが、この限りではない。一実施態様において、対象はヒトであり得る。
【0080】
一実施態様において、必要とする対象は、ガレクチン-12発現に関連する疾患、たとえば、肥満を患っている可能性がある。
【実施例】
【0081】
A. 材料と方法
1. siRNA設計と修飾
siRNAのセットを、ヒトあるいはマウス種におけるガレクチン-12 mRNAおよびその変異体を標的として設計した。配列の構成、標的、および、修飾を、表1にまとめた。siRNA-1、ITRI-1、およびITRI-2(非修飾形態、および、修飾形態)を、ヒトのガレクチン-12 mRNAサイレンシング用に設計した。さらなる薬剤開発における動物実験の要件を満たすために、ヒトおよびマウスのガレクチン-12 mRNAおよびその変異体を標的とする特異的siRNAであるITRI-3(非修飾形態、および、修飾形態)も設計した。骨格のホスホロチオエートと糖2’-OMeを含むsiRNAの化学的修飾は、誘発される先天性免疫応答を減少させ、オフターゲット効果を減少させ、血清安定性を増加させることが示唆される。
【0082】
【表1】
修飾注釈:
アンダーラインを引いたヌクレオチド: 2’-O-メチル化
*: ホスホロチオエート結合
T: チミンデオキシリボヌクレオチド(dT)
【0083】
2. siRNAの化学的修飾の影響
血清安定性試験
非修飾siRNA、および、修飾されたsiRNA(1uM)を、異なる種(ヒト、マウス、あるいは、ウシ胎仔血清)の50%血清中で、37℃でインキュベートした。5μlのサンプリングアリコートを、異なる時間点(0時間、1時間、6時間、24時間、48時間、あるいは、72時間)で収集し、直ちに、-20℃で保存した。収集されたsiRNAサンプルを、2%のアガロースゲルで1xTAE緩衝液を用いて、100Vで20分間電気泳動し、その後、ゲルを30分間穏やかに振盪してSYBR goldで染色し、その後すぐに撮影した。SYBR Green撮影条件(染料-核酸複合物の最大励起は約495nmおよび約300nm、最大発光は約537nm)を用いることにより、染色されたゲルのイメージを、ImageQuant LAS 4000(GE Healthcare Life Sciences)により、視覚化および捕捉した。
【0084】
3. 細胞培養
(1) ヒト間葉幹細胞
ヒト間葉幹細胞を、37℃で、5%のCO
2を含む湿気のある環境で、α-MEM(Gibco)、10%ウシ胎仔血清、2mM L-glutamin(Gibco)、100U/mlペニシリン + 100mg/mlストレプトマイシン(Gibco)、および1ng/ml bFGF(Instruchemie, PhP105)で培養した。
【0085】
(2) NIH-3T3-L1細胞
NIH-3T3-L1細胞を、DMEM(Gibco)、100U/ml ペニシリン + 100mg/ml ストレプトマイシン(Gibco)、および、10% ウシ胎仔血清中で培養した。
【0086】
4.脂肪細胞分化の誘導
(1)ヒト間葉幹細胞
分化を誘導するため、コンフルエントな細胞を、培養培地中、DMEM(Gibco)、100U/ml ペニシリン + 100mg/ml ストレプトマイシン(Gibco)、10%ウシ胎仔血清、0.2mM インドメタシン(Sigma)、0.5mM IBMX(Sigma)、10
-6M デキサメタゾン(Sigma)、10mg/ml インスリン(human, Sigma)からなる分化促進レジメンに、二日間供する。その後、細胞を、インスリンだけを有する培地中で培養する。
【0087】
(2) NIH-3T3-L1細胞
分化を誘導するため、コンフルエントな細胞を、培養培地中、DMEM(Gibco)、100U/ml ペニシリン + 100mg/ml ストレプトマイシン(Gibco)、10% ウシ胎仔血清、0.2mM インドメタシン(Sigma)、0.5mM IBMX(Sigma)、10
-6M デキサメタゾン(Sigma)、10mg/ml インスリン(human, Sigma)からなる分化促進レジメンに、二日間供する。その後、細胞を、インスリンだけを有する培地中で培養する。
【0088】
5. NIH-3T3-L1細胞およびヒト間葉幹細胞由来の脂肪細胞におけるsiRNAトランスフェクション(誘導された分化した脂肪細胞におけるガレクチン-12のノックダウン)
(1) NIH-3T3-L1細胞由来の脂肪細胞におけるsiRNAトランスフェクション
市販のsiRNAトランスフェクション試薬(INTERFERin
(登録商標); Polyplus Transfection)により、150nMの陰性対照siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)、およびITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)を、分化した脂肪細胞内に送達した。製造者のプロトコルに従って、48時間のトランスフェクションについて、細胞からRNAサンプルを収集し抽出した。特異的TagMan
(登録商標)定量PCR(quantitative polymerase chain reaction、qPCR)分析を実施して、ガレクチン-12のmRNA発現レベルを検査した。
【0089】
(2)ヒト間葉幹細胞由来の脂肪細胞におけるsiRNAトランスフェクション
(i) ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)
市販のsiRNAトランスフェクション試薬(INTERFERin
(登録商標); Polyplus Transfection)により、130および170nMの陰性対照siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)、およびITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)を、分化した脂肪細胞内に送達した。製造者のプロトコルに従って、48時間のトランスフェクションについて、細胞からRNAサンプルを収集し抽出した。特異的qPCR分析を実施して、ガレクチン-12のmRNA発現レベルを検査した。
【0090】
(ii) siRNA-1、ITRI-1、ITRI-2、およびITRI-3ガレクチン-12_siRNA(非修飾形態)
市販のsiRNAトランスフェクション試薬(INTERFERin
(登録商標); Polyplus Transfection)により、150nMの陰性対照siRNA(非修飾形態)、およびsiRNA-1、ITRI-1、ITRI-2、ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(非修飾形態)を、分化した脂肪細胞内に送達した。製造者のプロトコルに従って、48時間のトランスフェクションについて、細胞からRNAサンプルを収集し抽出した。特異的qPCR分析を実施して、ガレクチン-12のmRNA発現レベルを検査した。
【0091】
6. 初代の組織におけるsiRNAのトランスフェクション(マウス脂肪組織におけるガレクチン-12のex vivoノックダウン)
精巣上体脂肪パッドを10週齢のオスのC57 BL/6Jマウスから得た。新たに得た脂肪組織を、滅菌状態下でPBSにより洗浄した。各トランスフェクションにおいて、60〜80mgの組織を約1〜2mmのサイズに切った。電気穿孔キュベット(0.4cm)において、16nmolの陰性対照siRNA(修飾形態)またはITRI-3 siRNA(修飾形態)と混合した200μlの電気穿孔用緩衝液中に組織外植片を再懸濁し、BTXエレクトロポレータ上で、30msecのタイムコンスタントで、50Vあるいは80Vのショックに16回供した。電気穿孔後、直ちに、10%ウシ胎仔血清,100U/ml ペニシリン + 100mg/ml ストレプトマイシンを添加したDMEMを加え、外植片を、5% CO
2中、37℃で培養した。2時間後、続いて5時間後、その後48時間まで24時間ごとに、培地を交換した。RNAを組織から抽出して、qPCR分析を実施し、組織のガレクチン-12のmRNA発現レベルを検査した。
【0092】
7. in vivoでのsiRNA研究(マウス脂肪組織におけるガレクチン-12のin vivoノックダウン)
15匹の10週齢のオスのマウスを、PBS緩衝液(n=3)、26mg/kg 陰性対照siRNA(修飾形態)(n=3)、26mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)(n=3)、13mg/kg 陰性対照siRNA(修飾形態)(n=3)、および13mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)(n=3)を受ける5グループに、無作為に割り当てた。静脈注射(i.v.)、あるいは、腹腔内注射(i.p.)で、三日毎に二週間、PBS緩衝液、あるいは、siRNA(26mg/kgまたは13mg/kg)をマウスに注入した。RNAを組織から抽出し、qPCR分析を実行して、ガレクチン-12のmRNA発現レベルを検査した。
【0093】
8. in vivoでのsiRNA研究(ガレクチン-12のin vivoノックダウンは、肥満動物モデルにおいてマウス脂肪組織のリポリーシスを誘導する)
(1) 動物の治療
20匹の6週齢のオスのマウスを高脂肪食飼料で8週間肥育して、体重を約40gまで増加させ、その後、1.08mg/kg 陰性対照siRNA(修飾形態)(n=5)、1.08mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)(n=5)、9mg/kg 陰性対照siRNA(修飾形態)(n=5)、および9mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)(n=5)を受ける4グループに、無作為に割り当てた。このほか、高脂肪食給餌で肥育されていない5匹の14週齢のオスのマウス(n=5)を、陰性対照グループとしてPBS緩衝液を受けるグループに割り当てた。静脈注射(i.v.)、あるいは、腹腔内注射(i.p.)を用いて、一週間に二回、42日間、PBS緩衝液、あるいは、siRNA(10.8mg/kgまたは9 mg/kg)をマウスに注入した。
【0094】
(2) ガレクチン-12のmRNA発現レベル
上述の各グループのマウスの脂肪組織からRNAを抽出し、qPCR分析を実施して、ガレクチン-12のmRNA発現レベルを検査した。
【0095】
(3) リポリーシス分析
上述の各グループのマウスの脂肪細胞におけるリポリーシスを、脂肪酸とグリセロールの遊離を測定することにより観察した。簡単に説明すると、脂肪細胞を、0.3ml KRH/3% FAA-free BSA中で、150rpmで振盪しながら37℃で、0〜2時間インキュベートした。インキュベーション終了時に、下澄液中に放出されたグリセロールおよびNEFAをそれぞれ、Free Glycerol Reagent(Sigma)およびNonesterified Fatty Acids Kit(Catachem)で測定した。
【0096】
B. 結果
1. siRNAの化学修飾の効果
血清安定性試験
ITRI-1、ITRI-2、およびITRI-3 siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)(1μM)を、37℃下で、異なる種(ヒト、マウス、あるいは、ウシ胎仔血清)の50%血清中でインキュベートして、異なる種の血清における、非修飾形態、および、修飾形態のsiRNAの安定性を確認した。詳細な実験方法は上述の通りであった。ヒト血清、マウス血清、および、ウシ胎仔血清における、非修飾形態、および、修飾形態のsiRNAの安定性試験の結果を、それぞれ、
図1A、
図1B、および、
図1Cに示す。
【0097】
図1A、
図1B、および、
図1Cは、非修飾siRNA(>6時間)と比較して、修飾されたsiRNA(約72時間)が血清中で安定性が上昇していることを示す。
【0098】
2.誘導された分化した脂肪細胞におけるガレクチン-12のノックダウン
150nMの陰性対照siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)、およびITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)を、NIH-3T3-L3細胞由来の脂肪細胞内に送達し、130および170nMの陰性対照siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)、ならびにITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)をヒト間葉幹細胞由来の脂肪細胞内に送達し、150nMの陰性対照siRNA(非修飾形態)、およびsiRNA-1、ITRI-1、ITRI-2、ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(非修飾形態)をヒト間葉幹細胞由来の脂肪細胞内に送達し、その後、NIH-3T3-L1細胞由来の脂肪細胞およびヒト間葉幹細胞由来の脂肪細胞の、ガレクチン-12のmRNA発現レベルをそれぞれ決定した。詳細な実験方法は上述の通りであった。
【0099】
陰性対照siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)をトランスフェクトしたNIH-3T3-L1細胞由来の脂肪細胞と、ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)をトランスフェクトしたNIH-3T3-L1細胞由来の脂肪細胞の、ガレクチン-12のmRNA発現レベルを
図2Aに示す。
【0100】
このほか、陰性対照siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)をトランスフェクトしたヒト間葉幹細胞由来の脂肪細胞と、ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(非修飾形態、および、修飾形態)をトランスフェクトしたヒト間葉幹細胞由来の脂肪細胞の、ガレクチン-12のmRNA発現レベルを
図2Bに示す。
【0101】
さらに、陰性対照siRNA(非修飾形態)をトランスフェクトしたヒト間葉幹細胞由来の脂肪細胞と、siRNA-1, ITRI-1, ITRI-2, ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(非修飾形態)をトランスフェクトしたヒト間葉幹細胞由来の脂肪細胞の、ガレクチン-12のmRNA発現レベルを
図2Cに示す。
【0102】
図2Aおよび
図2Bによると、修飾形態ITRI-3 ガレクチン-12_siRNAは、in vitroで、二つの異なる種であるマウスおよびヒトの脂肪細胞の、ガレクチン-12の内因性mRNA発現レベルを顕著に抑制することがわかる。
【0103】
さらに、
図2Cに基づいて、非修飾形態のsiRNA-1, ITRI-1, ITRI-2, ITRI-3 ガレクチン-12_siRNAは全て、in vitroで、ヒトの脂肪細胞のガレクチン-12の内因性mRNA発現レベルを顕著に抑制することができることが分かる。
【0104】
3.マウス脂肪組織におけるガレクチン-12のex vivoノックダウン
10週齢のオスのC57 BL/6Jマウスから得られる精巣上体脂肪パッドの組織外植片に、16nmolの陰性対照siRNA(修飾形態)、あるいは、ITRI-3 siRNA(修飾形態)を、50Vおよび80Vの電気穿孔でトランスフェクトし、その後、5% CO
2中、37℃で培養した。その後、16nmolの陰性対照siRNA(修飾形態)をトランスフェクトした組織外植片と、ITRI-3 siRNA(修飾形態)をトランスフェクトした組織外植片の、ガレクチン-12のmRNA発現レベルを測定した。詳細な実験方法は上述の通りである。
【0105】
陰性対照siRNA(修飾形態)を50Vおよび80Vの電気穿孔でトランスフェクトした組織外植片(マウスの脂肪組織)と、ITRI-3 siRNA(修飾形態)を50Vおよび80Vの電気穿孔でトランスフェクトした組織外植片(マウスの脂肪組織)の、ガレクチン-12のmRNA発現レベルを
図3に示す。
【0106】
図3は、修飾形態ITRI-3 siRNAは、二つの異なる電気穿孔条件(50Vおよび80V)の両方で、マウスの脂肪組織のガレクチン-12のmRNA発現レベルを著しく抑制することを示す。
【0107】
4.マウスの脂肪組織におけるガレクチン-12のin vivoノックダウン
15匹の10週齢のオスのマウスを、PBS緩衝液、26mg/kg陰性対照siRNA(修飾形態)、26mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)、13mg/kg 陰性対照siRNA(修飾形態)、および13mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)を受ける5グループに無作為に割り当て、その後、マウス由来の組織のガレクチン-12のmRNA発現レベルを決定した。詳細な実験方法は上述の通りであった。
【0108】
PBS緩衝液、26mg/kg 陰性対照 siRNA(修飾形態)、26mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)、13mg/kg 陰性対照siRNA(修飾形態)、および13mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)を受けたマウスの脂肪組織の、ガレクチン-12のmRNA 発現レベルを
図4に示す。
【0109】
図4は、修飾形態の陰性対照siRNAと比較して、修飾形態のITRI-3 siRNAの二種の投与量(26mg/kgおよび13mg/kg)がともに、in vivoで脂肪組織のガレクチン-12のmRNA発現レベルを抑制することができ、且つ、ガレクチン-12のmRNA発現レベルに対する二種の投与量(26mg/kgおよび13mg/kg)の抑制率が60%に達し得ることを示す。この結果は、全身投与による末梢循環システムにより、修飾形態ITRI-3 siRNAが、局所の脂肪組織のガレクチン-12のmRNA発現レベルを正確に抑制することができることを示す。
【0110】
5.ガレクチン-12のin vivoノックダウンは、肥満動物モデルにおいてマウスの脂肪組織のリポリーシスを誘導する
20匹の6週齢のオスのマウスを高脂肪食飼料で8週間肥育して、体重を約40gまで増加させ、その後、1.08mg/kg 陰性対照 siRNA(修飾形態)、1.08mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)、9mg/kg 陰性対照 siRNA(修飾形態)、および9 mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)を受ける4グループに無作為に割り当て、高脂肪食給餌により肥育されていない5匹の14週齢のオスのマウスを、陰性対照グループとして、PBS緩衝液を受けるグループに割り当てた。その後、マウス由来の組織のガレクチン-12のmRNA発現レベル、および、リポリーシスレベルを測定した。詳細な実験的方法は上述の通りであった。
【0111】
1.08mg/kg 陰性対照 siRNA(修飾形態)、1.08mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)、9mg/kg 陰性対照 siRNA(修飾形態)、および9mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)を受けたマウスの脂肪組織の、ガレクチン-12のmRNA発現レベルを
図5Aに示す。
【0112】
図5Aは、修飾形態の陰性対照siRNAと比較して、修飾形態ITRI-3 siRNAの二種の投与量(1.08mg/kgおよび9mg/kg)がともに、in vivoで脂肪組織のガレクチン-12のmRNA発現レベルを抑制することができ、ガレクチン-12のmRNA発現レベルに対する二種の投与量(1.08mg/kgおよび9mg/kg)の抑制率が30%に達し得ることを示す。この結果は、肥満動物モデルにおいて、全身投与による末梢循環システムにより、修飾形態ITRI-3 siRNAが、局所の脂肪組織のガレクチン-12のmRNA発現レベルを正確に抑制することができることを示す。
【0113】
PBS緩衝液、1.08mg/kg 陰性対照 siRNA (修飾形態)、1.08mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)、9mg/kg 陰性対照 siRNA(修飾形態)、および9mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)を受けたマウスの脂肪組織のリポリーシス分析結果を
図5Bに示す。
【0114】
図5Bは、修飾形態の陰性対照siRNAと比較して、修飾形態ITRI-3 siRNAの二種の投与量(1.08mg/kgおよび9mg/kg)がともに、in vivoで脂肪組織のリポリーシスを促進することができることを示す。
【0115】
この結果は、修飾形態ITRI-3 siRNAが、全身投与により脂肪組織のガレクチン-12 mRNAの発現を抑制することができるだけではなく、脂肪細胞の脂質代謝を変化させることもできてリポリーシスを促進し、且つ、飲食物への適用をサポートすることを示す。
【0116】
さらに、ヘマトキシリン・エオシン染色(H&E stains)を、上述の、PBS緩衝液、1.08mg/kg 陰性対照 siRNA(修飾形態)、1.08mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)、9mg/kg 陰性対照siRNA(修飾形態)、および9mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)を受けたマウスの脂肪組織生検材料で実施し、且つ、結果を
図5Cに示す。
【0117】
図5Cは、陰性対照siRNA(修飾形態)を受けたマウスの脂肪組織と比較して、ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)を受けたマウスの脂肪組織がさらに収縮したことを示し、且つ、9mg/kg ITRI-3 ガレクチン-12_siRNA(修飾形態)を受けたマウスの脂肪組織が最も収縮を受けることを示す。この結果は、修飾形態ITRI-3 siRNAは、全身投与による脂肪組織のガレクチン-12 mRNAの発現を抑制することができるだけでなく、脂肪組織のガレクチン-12 mRNAの発現を抑制することにより、脂肪細胞の脂質代謝を変化させることもできてリポリーシスを促進し、且つ、飲食物への適用をサポートすることを示す。
【0118】
開示した実施態様に対して様々な変更や変形なされ得ることは当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は例示のみを目的とし、本開示の真の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって示されることが意図される。