特許第6581292号(P6581292)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6581292
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】放射性ステント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/91 20130101AFI20190912BHJP
   A61M 36/12 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   A61F2/91
   A61M36/12
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-508676(P2018-508676)
(86)(22)【出願日】2016年8月15日
(65)【公表番号】特表2018-527987(P2018-527987A)
(43)【公表日】2018年9月27日
(86)【国際出願番号】US2016047050
(87)【国際公開番号】WO2017031065
(87)【国際公開日】20170223
【審査請求日】2018年2月21日
(31)【優先権主張番号】62/206,236
(32)【優先日】2015年8月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/355,637
(32)【優先日】2016年6月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ヒングストン、ジョン エイ.
(72)【発明者】
【氏名】クラーク、クロード オー.
【審査官】 増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0190654(US,A1)
【文献】 特表2003−534027(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0028240(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0001112(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0127087(US,A1)
【文献】 特表2003−508096(JP,A)
【文献】 特表2012−515637(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0114919(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/91
A61M 36/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の管状部材をマンドレルの上に配置することと、前記複数の管状部材の各々は、内部に延びる管腔を備え、
拡張可能な骨組みを前記複数の管状部材と前記マンドレルの上に配置することと、
前記拡張可能な骨組みと前記複数の管状部材の両方に対して被覆を施すこ
からなるステントを製造する方法であって、
前記複数の管状部材を前記マンドレルの上に配置することは、前記複数の管状部材を前記マンドレルの表面に配置された溝に沿って巻きつけることを含む、ステントを製造する方法
【請求項2】
前記複数の管状部材は、前記マンドレルの表面の周囲にらせん状に巻きつけられる、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記拡張可能な骨組みは、1つ以上の間隙腔を含み、前記被覆は、前記1つ以上の間隙腔と前記複数の管状部材の両方をまたぐように構成される、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記被覆は、前記複数の管状部材を前記拡張可能な骨組みに取り付ける、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記拡張可能な骨組みは、内側表面を備え、前記複数の管状部材は、前記拡張可能な骨組みの前記内側表面に取り付けられる、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の管状部材の1つ以上の内腔の内側に複数の放射性要素を配置することをさらに含む、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置および医療装置を製造する方法に関する。より詳細には、放射性要素を含む長尺状体内医療装置、および当該装置の製造方法ならびに使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
がんおよび腫瘍は、他のものに比べて放射線を用いて治療することがより簡単である。食道、小腸、およびその他の菅腔内の腫瘍等、到達することが困難な腫瘍は、隣接する健康な組織への放射線を最小限にすべく近接照射療法を用いて治療される。
【0003】
近接照射療法は、健康な組織への暴露を抑えながら小さな組織体積に対して放射線を伝達する。この方法に依れば、正常な組織を処置することが減るため、陽子治療などの放射線の他の形式よりも、標的に対してより多くの放射線が伝達される。近接照射療法は、放射性小粒子や放射性針などの放射線源を標的組織の近傍または内部に配置することを特徴とするため、より集中性が高く、且つ周囲の健康な組織に与える傷害が少ないという点で外照射療法(EBRT:External Beam Radiation Therapy)よりも優れる。
【0004】
近接照射療法は、食道がん、前立腺がん、およびその他のがんに対する一般的な治療方法である。近接照射療法は、半世紀以上にわたって前立腺がんの治療に使用されている。この治療では、低エネルギーを放射する非常に活性の低い物質ががんの近傍、または内部に配置される。従来、このような低放射性装置は、特殊な場合を除いて永久的に留置されることがほとんどであったが、臨床的に好ましい場合には、介入性医療装置とともに放射性物質を用いることや、臨床上の必要に応じて放射性エネルギーや放射線源の伝達を調節できることが望ましい。例えば、臨床上必要とされる場合には、拡張可能なステントに放射線源を接続することや、腫瘍の形状、寸法、搬送体の位置、およびその他の関連する治療上の要因に応じてステント上の放射線源の位置と活性とを調節できることが好ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、医療装置の為の設計、材料、製造方法、および代替的使用に関する。例示のステントは、拡張可能な骨組みと、拡張可能な骨組みに沿って配置された複数の管状部材とを備える。複数の管状部材の各々は、内部に延びる管腔を備える。例示のステントは、被覆をさらに含み、被覆は、複数の管状部材と拡張可能な骨組みの両方に対して直接的に施される。
【0006】
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、拡張可能な骨組みは、1つ以上の間隙腔を含み、被覆は、1つ以上の間隙腔と複数の管状部材の両方を跨ぐように構成される。
【0007】
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、被覆は、複数の管状部材を拡張可能な骨組みに取り付ける。
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、複数の管状部材と拡張可能な骨組みは、被覆の中に埋設される。
【0008】
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、拡張可能な骨組みは、内表面を有し、複数の管状部材は、拡張可能な骨組みの内側表面に取り付けられる。
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、複数の管状部材は、拡張可能な骨組みの内側表面の周囲にらせん状に巻き付けられる。
【0009】
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、実施形態は、複数の管状部材の1つ以上の内腔の内部に配置された複数の放射性要素をさらに備える。
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、実施形態は、複数の放射性要素の2つ以上の間に配置された1つ以上のスペーサーをさらに備える。
【0010】
ステントを製造する方法の例は、マンドレルの上に複数の管状部材を配置することと、複数の管状部材の各々が内部に延びる内腔を備えることと、
拡張可能な骨組みを管状部材とマンドレルの上に配置することと、
拡張可能な骨組みと管状部材の両方に被覆を施すこと、とからなる。
【0011】
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、複数の管状部材をマンドレル上に配置することは、複数の管状部材をマンドレル表面上に配置された溝に沿って巻きつけることを含む。
【0012】
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、複数の管状部材は、マンドレル表面の周囲にらせん状に巻きつけられる。
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、拡張可能な骨組みは、1つ以上の間隙腔を含み、被覆は、1つ以上の間隙腔と状部材の両方を跨ぐように構成される。
【0013】
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、被覆は、管状部材を拡張可能な骨組みに取り付ける。
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、拡張可能な骨組みは、内側表面を有し、複数の管状部材は、拡張可能な骨組みの内側表面に取り付けられる。
【0014】
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、方法は、複数の管状部材の1つ以上の内腔の内部に、複数の放射性要素を配置することをさらに含む。
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、方法は、複数の放射性要素のうちの2つ以上の放射性要素の間に配置された1つ以上のスペーサーをさらに備える。
【0015】
マンドレルの例は、第1端部と第2端部とその間に延びる本体部とを有する長尺状の部材からなり、
本体部は、長さに沿って延びるらせん状の第1溝を備え、
第1端部は、管状部材の第1端を固定する第1固定部を含む。
【0016】
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、第2端部は、管状部材の第2端部を固定する第2固定部を含む。
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、第1固定部は、第1端部を貫通して延びる第1開口部を有し、第2固定部は、第2端部を貫通して延びる第2開口部を有し、第1開口部と第2開口部とは、その内部に管状部材の第1端部と第2端部とを固定することができる。
【0017】
上記実施形態のいずれか1つに代替的に又は追加的に、マンドレルは、らせん状の第2溝と、らせん状の第1溝と第2溝との間に配置された連続性隆起部とを備え、連続性隆起部は、第1端部から第2端部まで本体部の長さに沿って延びる。
【0018】
いくつかの実施形態についての上記概要は、開示した実施形態の各実施形態、または本願発明の全ての実施内容を説明することを意図したものではない。以下の図面および詳細な説明では、より詳細に上記実施形態の実例を挙げる。
【0019】
本願発明は、添付の図面と共に以下の発明の詳細な説明を考慮することにさらに完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】放射性ステントの一例を示す図。
図2】放射性ステントの一例の断面図。
図3】放射性ステントを製造する際に使用されるマンドレルの一例を示す図。
図4A】放射性ステントの一例を示す断面図。
図4B】放射性ステントの別例を示す断面図。
図5】放射性ステントの製造に使用されるマンドレルの端面図。
図6】放射性ステントの製造に使用されるマンドレルの端面図。
図7】放射性ステントの製造方法の一例を示す図。
図8】放射性ステントの製造方法の一例を示す図。
図9】放射性ステントの製造方法の一例を示す図。
図10】放射性ステントの製造方法の一例を示す図。
図11】放射性ステントの製造方法の一例を示す図。
図12】放射性ステントの製造方法の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願発明は、様々な変更形態と代替形態とが可能であり、それらのうちの特別なものが例示することを目的として図面に示され、かつ詳細に説明されている。しかしながら、これは、本願発明を説明する特定の実施形態に限定することを意図したものではない。むしろ、その意図は、本願発明の主旨および範囲に入る全ての変更形態と均等形態と変化形態とを包含させることにある。
【0022】
以下の定義された用語に関して、これらの定義は、請求項または本明細書において異なる定義が与えられない限り、適用されるものとする。
全ての数値は、明示的に示されているか否かに拘わらず、「約」という用語で修飾されることが想定されている。「約」という用語は、一般的には、例えば、同じ機能または効果をもたらすなど、当業者が、記載された値に均等であると考える数値範囲のことを言う。多くの場合において、「約」という用語には、最も近い有効数字に四捨五入される複数の数値が含まれる。
【0023】
終点によって記載される数値範囲には、その範囲に入る全ての数値が含まれる(例えば、1〜5には、1,1.5,2,2.75,3,3.80,4,5が含まれる)
本明細書および添付の請求項で使用するように、「a」、「an」、「the」は、明示の記載がない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の請求項で使用するように、明示の記載がない限り、「または」は、一般的に「および/または」を含む意味で使用する。
【0024】
本明細書の「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「その他の実施形態」は、1つ以上の特定の要素、構造体、および特徴のうちの少なくともいずれか1つを含む実施形態を示すものとする。しかしながら、このような記載は、全ての実施形態が、特定の要素、構造体、および特徴のうちの少なくともいずれか1つを備えることを必ずしも意味していない。加えて、特定の要素、構造体、および特徴のうちの少なくともいずれか1つが、一実施形態と関連付けて説明される場合には、そのような要素、構造体、および特徴のうちの少なくともいずれか1つは、反対のことが明確に記載されていない限り、明示の記載の有無に拘わらず、別の実施形態と関連付けて使用することもできる。
【0025】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれたい。異なる図面の類似する要素には同じ符号が付されている。図面は、必ずしも縮尺通りではないが、例示の実施形態を示すものであり、本願発明の範囲を限定することを意図したものではない。
【0026】
がんなどの異常な組織成長の治療は、様々な方法を用いて行われる。例えば、がんの治療には、罹患組織を横切ってステントを配置し、かつ展開することが含まれる。しかしながら、ステント処置の効果は、1つ以上の従来の治療を組み合わせることによって改善しうる。例えば、ステントの配置と放射線療法とを組み合わせることで、ステント単独あるいは放射線治療単独の場合と比べてがん治療の効果を向上させることができる。したがって、従来のステント法と放射線治療とを組み合わせる材料を用いること、およびステントを設計することのうちの少なくともいずれか一方が求められている。ここに開示する例および方法には、放射線治療を実施することができるステントが含まれる。
【0027】
ここに開示するステントは、食道がんを治療する。これに加えて、本ステントは、胃腸系、膵臓、大腸、気管支、尿道、尿管、心臓、脳、胸部、膀胱、椎体形成術、および末梢血管疾患などの、他の疾患(例えば、がん)も治療しうる。さらに、ここに開示するステントは、中実性および中空性器官のうちの少なくともいずれか一方の切除腔内でも使用することができる。
【0028】
図1は、放射性ステント10の一例を示した図である。ステント10は、様々な異なる設計で配置された複数のフィラメントおよび筋交い部材12および拡張可能な骨組みを形成する幾何学パターンのうちの少なくとも1つを備える。例えば、筋交い部材12は、単一の管状部材からレーザー切断される。別例では、フィラメント12は、編組まれ、紡まれ、織られ、またはこれらまたは類似する製造技術の組み合わせを用いて形成される。したがって、ステントのセル開口部、筋交いの厚さ、筋交いの設計、ステントのセルの形状に関して、多数の設計やパターンや構成が考えられ、ここに開示する実施形態と共に使用される。加えて、図1に示したように、ステント10は、第1フレア端部と第2フレア端部とを有する。
【0029】
さらに、ステント10は、ステント搬送システム(図示略)を介して治療部位に搬送される。例えば、いくつかの例では、ステント10は、バルーン状の拡張可能なステントである。バルーン状の拡張可能なステントは、1個の円筒状の管状部材から形成される(例えば、円筒状の管状部材は、拡張可能なステント10を形成する為にレーザー切断される)。
【0030】
別例では、ステント10は、自己展開性ステントである。自己展開性ステントは、自己展開性ステント搬送システムを介して治療部位に搬送される。ここに開示する例は、レーザー切断されたステントおよび編組ステントのうちの少なくともいずれか一方などのバルーン状の拡張可能なステント、自己展開性ステント、非拡張性ステント、またはその他のステントを含む様々なステント構成のうちの任意の1つと共に使用される。
【0031】
図1には、1つ以上の管状部材18を含むステント10が示されている。管状部材18は、管状部材18に対して連結されることおよび取り付けられることのうちの少なくともいずれか一方にされた放射性要素の1つ以上を含む。放射性要素20は、1つ以上の間隙によって互いから離間されている(図示略)。以下でさらに詳細に説明するが、管状部材18は、ステント10に沿って、らせん状に延びる。図1は、ステント10の全長に沿って延びる管状部材18を示している(例えば、両フレア端部の間のステント部分に加えて両フレア端部に沿って延びている)。しかしながら、別例では、管状部材18は、ステント10の一部のみに延びる。
【0032】
いくつかの実施例では、ステント10は、自己展開性ステントである。自己展開性ステントの例は、堅固および半堅固なステント構造体を形成する為に組み合わされた1本以上のフィラメントを有する拡張可能な骨組みを含む。例えば、ステントフィラメント12は、拡張可能な骨組みを形成する為に、編組まれ、紡がれ、織合わされ、編まれ、または織られる。自己展開性ステントは、レーザー切断された1本の円筒状の管状ニチノール部材から形成される。
【0033】
ここに開示する例に係るステントフィラメント12と管状部材18とを含むステント10は、様々な材料から形成しうる。例えば、自己展開性またはバルーン状に拡張可能なステント10は、ニチノールなどの金属から形成される。別例では、ステント10は、PETなどのポリマー材料から形成される。さらに別例では、ステント10は、金属材料とポリマー材料の組み合わせから形成される。加えて、ステント10は、生体吸収性および生分解性材料を含みうる。
【0034】
ここに開示する少なくともいくつかの例では、ステント10は、被覆14を含む。例えば、フィラメント12および管状部材18の少なくともいずれか一方は、エラストーマ(elastomeric)材料または非エラストーマ(non-elastomeric)材料で部分的にまたは全体的に被覆される。加えて、フィラメント12および状部材18のうちの少なくともいずれか一方は、シリコーンまたはePTFEなどのポリマー材料で部分的にまたは全体的に被覆される。さらには、ポリマーなどの被覆14は、ステント10の壁内の間隙、例えば、開口部やセルなどを跨ぐ。以下にさらに詳細に説明するが、被覆14は、ステント10の内部表面および外部表面の少なくともいずれか一方に対して噴出すること、浸漬すること、スピニングすること、またはポリマー性シートまたはチューブを取り付けることによって施される。いくつかの例では、被覆14は、ステントフィラメント12、管状部材18、またはステントフィラメント12と管状部材18の両方に対して施される。さらに、いくつかの実施例では、被覆14は、1つ以上のステントフィラメント12と1つ以上の管状部材18との組み合わせを覆う。例えば、いくつかの実施形態では、被覆14は、管状部材18をフィラメント12に対して取り付けるように構成される。
【0035】
少なくとも一実施例では、ステント10のフィラメント12は、放射性材料を含むように設計される。例えば、図1では、放射性シード20などの放射性材料を搬送するように(例えば、包含する、または含むように)設計された中空部分を備える。いくつかの実施例では、1つ以上のフィラメント12の中心は、フィラメントの全長に亘って中空性である。シード20などの放射性材料は、フィラメント12がステント10に形成される(例えば、編組まれ、巻かれる)前に、フィラメント12に搭載される。別の実施例では、シード20などの放射性材料は、ステント10が標的部位に搬送される直前に中空性フィラメント12に搭載される。
【0036】
放射性シード20は、様々な放射性材料や様々な材料の組み合わせを含む。例えば、シード20は、ヨウ素‐125(例えば、GE Oncura THINSeed(登録商標)、IsoAid社のIsoAid Advantag(登録商標)、Best(登録商標)Iodine-125など)、パラジウム‐103(例えば、CivaTech Technology社のCivaString(登録商標)、Theragenics社のTheraseed(登録商標)、Best(登録商標)Palladium-103など)、セシウム‐131、金‐198、イリジウム−192およびイッテルビウム−169、またはその他の物、およびこれらの派生物のうちの少なくともいずれか1つである。さらには、シード20は、他の種類の放射性材料であってもよい。加えて、シード20は、β線を放射する放射性核種であってもよい。
【0037】
一般的には、シード20は、標的部位に隣接して配置されて、放射性エネルギーおよび材料の少なくともいずれかい一方を放出することにより標的部位を放射性に治療する。シード20は、一般的には図1に示した形状をしている。言い換えれば、シード20は、長尺状の円筒形である。しかしながら、別の形状も考えられる。例えば、シード20は、円形、卵形、直方体形、三角形などであってもよい。シード20は、管状部材18に沿って様々なパターンおよび分布のうちの少なくともいずれか一方で、間隔をあけて配置されることおよび分布されることのうちの少なくとも一方にされる。例えば、シード20は、スペーサーを用いて互いから間隔をあけて配置される。言い換えれば、管状部材18に沿ってシード20の特定の分布、間隔、および配置の少なくともいずれか1つを形成する為に、任意の数のスペーサーが、シード20の間に配置される。スペーサーと組みあわせて行うシード20の分布や配置は、具体的な設計検討に基づいて変更することが可能である。
【0038】
図2は、図1に示したステント例10の線X−Xに沿った横断面図である。図2に示したように、被覆14は、スンテントフィラメント12、管状部材18、またはステントフィラメント12と管状部材18の両方を覆う。加えて、いくつかの実施例では、被覆14は、ステントフィラメントの1つ以上と、管状部材18の1つ以上の組み合わせを覆う。例えば、いくつかの例では、被覆14は、管状部材18をフィラメント12に取り付けるように構成される。例えば、ここに説明する少なくともいくつかの実施形態では、被覆14は、拡張可能な骨組みを形成するフィラメント12および管状部材18のうちの少なくともいずれか1つに対して直接的に施される。さらに、いくつかの実施例では、被覆14は、拡張可能な骨組みなどのフィラメント12を管状部材18に対して結合、取り付け、連結、または繋ぎ止める為に使用される。いくつかの実施形態では、被覆14は、拡張可能な骨組み12と管状部材18の両方を含む網構造体、またはマトリックス構造体に類似する。
【0039】
加えて、いくつかの実施例では、拡張可能な骨組み12および管状部材18の少なくともいずれか1つは、被覆14の内部に包囲されおよび封入されることのうちの少なくともいずれか一方にされる。言い換えれば、いくつかの実施例では、被覆14は、拡張可能な骨組み12および管状部材18のうちの少なくともいずれか一方の全表面をほぼ覆う。しかしながら、別例では、管状部材18およびフィラメント12などの拡張可能な骨組み12のうちの少なくともいずれか一方は、被覆14の内部に埋設される。本願発明の目的においては、埋設されるという用語は、管状部材18およびフィラメント12などの拡張可能な骨組み12のうちの少なくともいずれか一方が、被覆14によって部分的にまたは全体的に覆われることを表す。言い換えれば、いくつかの実施例では、管状部材18および拡張可能な骨組み12は、管状部材18および拡張可能な骨組み12のうちの少なくともいずれか一方の一部は被覆14に接するが、管状部材18および拡張可能な骨組み12のうちの少なくともいずれか一方の一部に隣接する部分は被覆14の上や被覆14から離間して延びるように(例えば、管状部材18の一部は、被覆14を欠く)被覆14内に埋設される。
【0040】
加えて、ステント10は、内部表面23と外部表面25とを備える。いくつかの実施例では、図2に示したように、管状部材18は、ステント10の内部表面23に沿ってフィラメント12に取り付けられる。加えて、上述したように、管状部材18の1つ以上は、管状部材18の内部、例えば管状部材18の中空部分の内部などに配置された1つ以上の放射性シード20を含む。
【0041】
上述した放射性ステントを製造する工程の例を図3〜10を参照して説明する。図3は、被覆14を施す前に、管状部材18とフィラメント12とを互いに対して配置する為に設計されたマンドレル30の例を示す。図3に示したように、マンドレル30は、第1端部32と第2端部34と中間部(本体部)36とを備える。本体部36は、マンドレル30の外表面周囲にらせん状に延びる1つ以上のチャネルおよび溝38の少なくともいずれか一方を備える。図3では、溝38は、マンドレル30周囲にらせん状に延びているが、溝38は、マンドレル30周囲に別の配置、または方位に構成されてもよい。例えば、溝38は、本体36の長軸に沿って、直すぐに、例えば、互いに並行をなして延びてもよい。
【0042】
マンドレル30は、マンドレル30の外側表面周囲に延びる1つ以上の溝38を備えるように設計される。例えば、溝38は、マンドレル30に沿って、らせん状に延びる一本の、または連続したチャネルである。しかしながら、別の実施例では、溝38は、互いに並行をなす2、3、4、5、6、7、8、9、10本またはそれ以上の数の独立した溝を有する場合もある。例えば、図3には、互いに並行に回転する6本の独立した溝38が示されている。
【0043】
加えて、いくつかの実施例では、マンドレル30は、同じ方向にらせん状になった2つ以上の溝38を含む。さらに、マンドレル38は、同じ方向に回転して進む溝38のみを含む。言い換えれば、マンドレル30は、互いに対して逆方向にらせん状になった溝を含まない。
【0044】
しかしながら、別例では、マンドレル30は、逆方向にらせん状になった複数の溝38を備える。例えば、マンドレル30は、各溝が互いに対して逆向きのらせんとして構成された2つ以上の溝38を含む。
【0045】
加えて、マンドレル30は、同じ方向に回転して進み互いにほぼ等間隔で配置された複数のらせん状の溝38を含む。加えて、溝38は、複数の溝の間に配置された連続性隆起部41を備える。連続性隆起部は、第1端部32から第2端部34まで本体36の長さに沿って延びる。別例では、例えば、溝38がマンドレル30の全長に亘って延びている場合などでは、連続性隆起部41は、マンドレルの全長に亘って延びる。
【0046】
以下にさらに詳細に説明するが、第1端部32と第2端部34とは、それぞれ、第1固定部と第2固定部を備える。固定部は、被覆14を施す前に管状部材18を配置するのを支援する様々な構造体を形成する。言い換えれば、固定部は、被覆14を施す前にマンドレル30に対して、管状部材18の一部、例えば、管状部材18の一端、または両端を固定する。
【0047】
様々な固定機構が、以下の例で説明する固定機構に加えて想定される。例えば、いくつかの実施例では、第1端部32、および第2端部34のうちの少なくともいずれか一方は、マンドレル30に対して管状部材18を固定する為に、クリップ、ポスト、連結部、繋留具、フック、チャネル、溝、接着剤またはこれらの任意の組み合わせを備える。
【0048】
例えば、図4Aは、溝38と溝38の内部に配置された状部材18の例とを示すマンドレル30の断面図である。図4Aに示した横断面は、マンドレル30の任意の部分に沿って得られる横断面であると考えられる。例えば、図4Aに示した固定機構は、マンドレル30の本体部36、および第1端部32、および第2端部34のうちの少なくともいずれか1つの上にある溝38を表す。
【0049】
図4Aは、管状部材18の一部が溝38の内部に固定性に配置されつつ、管状部材18の一部が、マンドレル30の外表面を超えて(例えば、離間して)延びるように溝38の内部に配置される固定機構の例を示したものである。図4Aには、溝38が、マンドレル30の外表面に形成する開口部の寸法を定義する直径D1が示されている。図4Aには、さらに、溝38の内部に部分的に配置された管状部材18の直径を定義するD2も示されている。図4Aに示されているように、D2はD1より小さいため、管状部材18は、溝38の内部に固定されると解される。
【0050】
図4Bは、管状部材18の一部が、マンドレル30の外表面を超えて延びないように溝38内部に配置される固定機構の例を示したものである。言い換えれば、図4Bは、管状部材18が、マンドレル30の外表面から径方向内方に完全に配置される例である。マンドレル30の外表面の内方に管状部材18を配置することによって、管状部材18は、マンドレル30の外表面に施された被覆の内部に完全に覆われて埋設されると考えられる。溝38は、管状部材18がマンドレル30の外表面の径方向内方に位置する直径、またはマンドレル30の外表面と同一平面をなす直径、若しくはマンドレル30の外表面から径方向に延びる直径、を有しうると考えられる。
【0051】
別例では、図3は、第1端部32を貫通して延びる複数の第1端部チャネル40を示す。第1端部チャネル40は、本体部36に沿って延びる溝38の延長である。言い換えれば、遠位端チャネルは、各溝38と1対1の関係で並ぶ。図7でさらに詳細に説明するが、ステント10を製造する方法では、管状部材18は、溝38に沿って移動される前に第1端チャネル40を通って移動される。言い換えれば、遠位端チャネルは、各溝38の中に、管状部材38をガイドすること、配置すること、および送り込むことのうちの少なくともいずれか1つを行う。
【0052】
加えて、図3は、第2端部34を貫通して延びる複数の第2端部チャネル44を示す。上述した遠位端チャネル38と同様に、第2端部チャネル44は、本体部36に沿って延びる溝38の延長である。言い換えれば、第2端チャネル44は、各溝38と1対1の関係で並ぶ。図8でさらに詳細に説明するが、ステント10を製造する方法において、管状部材18は、溝38に沿って移動された後、第1端部チャネル40に沿って移動される。
【0053】
図3は、第2端部34から離間して延びる取り付け部材42をさらに示す。取り付け部材42は、製造工程において、マンドレル30を固定、または保持する為に使用される。例えば、図11でさらに詳細に説明するが、取り付け部材42は、浸漬被覆工程で使用される。
【0054】
図5は、第1端部チャネル40を含むマンドレル30の第1端部32の端面図である。上述したように、図5には、6つの第1端部チャネル40を含むマンドレル30を示されているが、6つより多い数、または少ない数の遠位端部チャネルを含むことも可能である。図5に示したように、第1端部チャネル40は、第1端部32を貫通して延びる。言い換えれば、第1端部チャネル40は、第1端部32を貫通して延びる孔、および内腔のうちの少なくともいずれか一方として形成される。
【0055】
図6は、第2端部44チャネルを含むマンドレル30の第2端部34の端面図である。上述したように、図6には、6つの第2端部チャネル44を含むマンドレル30が示されているが、6つより多い数、または少ない数の遠位端部チャネルを含むことも可能である。図6に示したように、第2端部チャネル44は、第2端部34を貫通して延びる。言い換えれば、第2端部チャネル44は、第2端部34を貫通して延びる孔、および内腔のうちの少なくともいずれか一方として形成される。
【0056】
図7〜9は、ステント10を製造する方法の例を示したものである。図7に示したように、ステント10を製造する第1工程は、第1端部32の内部に配置された第1端部チャネル40を通って管状部材18を移動することを含む。管状部材18が移動する方向は、図7に矢印で示されている。図7には、第1端部チャネル40が、第1端部32の外表面から第1端部32を通って移動さ
れること、および第1端部チャネル40が本体部36の各溝38に一致することも示されている。
【0057】
溝38は、管状部材18を受承する寸法にされる。例えば、図8には、ステント10を製造する第2工程が、本体部36に配置された溝38に沿って管状部材18を移動することを含むことが示されている。上述し図8に示したように、溝38は、マンドレル30の外表面周囲にらせん状に配置される。図8には、管状部材が、溝38に一致する第1端部チャネル40を通って移動されることがさらに示されている。図8には、矢印で示したように、管状部材18が第1端部32から第2端部34に向かってらせん状の溝38に沿って移動されることがさらに示されている。溝38の寸法によって、管状部材18の一部は、マンドレル30の図3に示した連続性隆起部41上を延びることができると考えられる。別例では、管状部材18の外表面は、マンドレル30の外表面と同一平面に位置するか、あるいは少し下方に位置する。
【0058】
図9は、外表面に沿って配置された管状部材18を含むマンドレル30上にフィラメント12で形成したステントなどの拡張可能な骨組み50を移動することを含むステント10を製造する第3工程を示したものである。図9には、管状部材が、第2端部チャネル44を貫通して移動されて、第2端部34から離間して延びていることが示されていることに留意されたい。ステント10を製造するこの工程では、管状部材18の一端部または両端部は、延びて第1端部チャネル40と第2端部チャネル44の内部で固定される。しかしながら、管状部材18は、第1端部チャネル40と第2端部チャネル44とを通って延びるがマンドレル30に固定された管状部材18の上を拡張可能な骨組み50を移動させる前に第1端部チャネル40と第2端部チャネル44の内部に固定されない。その上、いくつかの例では、拡張可能な骨組み50は、管状部材18が第2端部チャネル44を通って移動されて第2端部チャンネル44の内部に固定される前に、マンドレル30上を移動される。
【0059】
図10は、上述したように、遠位および近位の端部チャネルを通って溝38に沿って移動された管状部材18の上に配置された拡張可能な骨組み50(例えば、フィラメント12から形成されたステントなど)を示した図である。図10に示したように、ステント部材の一部は、第1端部32と第2端部34の上に配置される。第1端部32と第2端部34とは、図1に示したステント10のフレア端部に対応すると考えられる。これに加えて、上述したように、管状部材18は、第1端部32と第2端部34とから離間して延びることが示されている。
【0060】
図11は、フィラメント12などの拡張可能な骨組み50と管状部材18の両方に対して図1で説明した被覆14を施す方法の例を示した図である。図11は、マンドレル30上に配置されたフィラメント12と管状部材18とに対して噴出54を行う噴出要素52を示している。噴出54は、フィラメント12の間のセルを通って通過するため、噴出54は、管状部材18に接することができる。例えば、上述したように、噴出54は、フィラメント12の内部表面と外部表面の両方の上、フィラメント12のセルの間、および管状部材18の全体または一部に沿って材料から成る層を形成する。いくつかの実施例では、被覆14は、拡張可能な骨組み50のセルの間の間隙腔をまたぐ。
【0061】
上述したように、噴出54は、管状部材18および拡張可能な骨組み50のうちの少なくとも一方の全体または一部に施される被覆14に対応する。例えば、拡張可能な骨組み50は、管状部材18の上に配置されるため、被覆14は、管状部材18を拡張可能な骨組み50の内部表面に対して取り付けうる。さらに、図11に示したように、噴出要素52がマンドレル30の全長に亘って移動することにより、拡張可能な骨組み50および管状部材18の全体または一部に対して材料を配置しうる。マンドレル30、拡張可能な骨組み50、および管状部材18のうちの少なくともいずれか1つは、噴出54が施される際に回転されうる。
【0062】
被覆14は、拡張可能な骨組み50の外表面に沿って施される(配置される)。別例では、被覆14は、拡張可能な骨組み50の内側表面上に配置されることが好ましい。さらに別例では、被覆14は、拡張可能な骨組み50の外側表面と内側表面の組み合わせに沿って配置するのが望ましい。いくつかの実施例では、被覆14は、管状部材18の外側表面および内側表面のうちの少なくともいずれか一方といった管状部材18の表面に対して施される。加えて、いくつかの実施例では、被覆14は、拡張可能な骨組み50、および管状部材18の少なくともいずれか一方の表面全体に亘って施されることが望ましい。更には、拡張可能な骨組み50、および管状部材18のうちの少なくともいずれか一方の任意の部分は、1つ以上の構造上の特徴の一部(例えば、フィラメント12および管状部材18の少なくともいずれか一方など)が、変化されないように、または比較的程度は小さいが変化されるように覆われると解される。
【0063】
図12は、ステント10を製造する工程の別例を示した図である。図12は、ステント10に対して被覆14を施す際に浸漬被覆工程を用いる例である。図12に示したように、拡張可能な骨組み50、および管状部材18の少なくともいずれか一方を備えるステント10は、ステント10に対して被覆14を施すために容器56内に浸漬される(例えば、下降される)。容器56には、被覆14が含まれる。
【0064】
少なくともいくつかの実施形態では、被覆14を用いたステント10の浸漬被覆は、ステント10を容器56の内外に移動すること、およびステント10を容器56の内部で回転する間に行われる。例えば、ステント10は、ステント10を容器56に出し入れすることによって、またはステント10を容器56内で回転することによって、またはこれらの両方によって被覆される。しかしながら、いくつかの実施例では、回転と移動が必要とされない。いくつかの実施形態では、ステント10を移動、および回転するうちの少なくともいずれか一方の速度は、様々である。一般的に、移動速度、容器56内での時間、およびステント10を被覆14に浸漬する繰り返しはステント10に施す被覆14の量に対応する。さらに、フィラメント12および管状部材18の少なくともいずれか一方の任意の部分は、1つ以上の構造上の特徴部分、例えばフィラメント12および管状部材18のうちの少なくともいずれか一方などの部分が、変化されないように、または比較的程度は小さいが変化されるように覆われると解される。
【0065】
ここで説明した例では、拡張可能な骨組み50の内側表面上にマンドレル30の本体部36に沿って配置された管状部材18が示されているが、管状部材18は、拡張可能な骨組み50の任意の部分に沿って配置されてマンドレル30の両端部まで延びうると解される。例えば、いくつかの実施例では、マンドレル30は、第1端部32、および第2端部34の表面のうちの少なくともいずれか一方の上に延びる溝38を含む。
【0066】
いくつかの実施例では、マンドレル30を互いに分離することが可能な複数の構成部材から形成することが望ましい場合がある。例えば、いくつかの実施例では、第1端部32と第2端部34と本体部36とは、3つの独立した部材に分かれる。各部材は、ここで説明したマンドレル30を形成する為に、ねじ込み(screw)などによって連結される。
【0067】
ステント10、およびここで説明した様々な実施例の構成要素に用いられる材料には、医療装置に一般に関連するものが含まれる。簡潔化の為に、本開示は、ステント10に関してなされている。しかしながら、これは、ここで説明した装置及び用法を限定することを意図したものではなく、ここで開示したステントシステム、または装置の他の類似のシステムや構成要素にも適用することが可能である。
【0068】
多くの観点において、本願発明は、単なる例示であると理解されたい。本願発明の範囲を逸脱することなく、詳細、特に形状、寸法、および工程の順序に関して変更を加えることが可能である。これは、適切とされる程度において、ある実施例の任意の特徴を別の実施形態に使用することも含む。当然ながら、本願発明の範囲は、添付の請求項に記載された文言において定義される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12