特許第6581312号(P6581312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6581312フロアポジショニング方法及びシステム、並びにデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6581312
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】フロアポジショニング方法及びシステム、並びにデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 64/00 20090101AFI20190912BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20190912BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20190912BHJP
【FI】
   H04W64/00 130
   H04W64/00 173
   H04W64/00 160
   H04W84/12
   G01S5/02 Z
【請求項の数】20
【全頁数】57
(21)【出願番号】特願2018-533901(P2018-533901)
(86)(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公表番号】特表2019-507518(P2019-507518A)
(43)【公表日】2019年3月14日
(86)【国際出願番号】CN2015099189
(87)【国際公開番号】WO2017113054
(87)【国際公開日】20170706
【審査請求日】2018年7月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】薛 ▲剣▼▲韜▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ ▲濱▼
(72)【発明者】
【氏名】崔 杰
(72)【発明者】
【氏名】李 安▲倹▼
(72)【発明者】
【氏名】李 伊▲ジエ▼
【審査官】 松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−046724(JP,A)
【文献】 特開2011−257162(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/025160(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
G01S 5/02
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器UEに適用されるフロアポジショニング方法であって、
前記UEが配置される屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信するステップと、
前記少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するステップであって、前記メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号の前記偏波方向垂直偏波方向近さに関するプロポーション関係値とを含む、ステップと、
前記メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信するステップと、
前記ポジショニングサーバにより送信された前記UEの位置情報を受信するステップであって、前記UEの前記位置情報は前記UEのフロア位置を含み、前記UEの前記フロア位置は前記メジャーメント情報に基づいて決定される、ステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定する前記ステップは、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するステップであって、前記第1の参照信号は、前記少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される、ステップと、
前記第1の参照信号の前記偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するステップであって、前記水平偏波方向は前記垂直偏波方向に垂直である、ステップと、
前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記垂直偏波方向との間の前記方向近似の度合いが、前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記水平偏波方向との間の前記方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定するステップと、
前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記垂直偏波方向との間の前記方向近似の度合いが、前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記水平偏波方向との間の前記方向近似の度合いよりも高いときに、前記第1の参照信号の前記偏波方向に関する前記垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記垂直偏波方向との間の前記方向近似の度合いが、前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記水平偏波方向との間の前記方向近似の度合いよりも高くないときに、前記第1の参照信号の前記偏波方向に関する前記垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナは前記UE内に配置され、前記垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向は前記水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、前記少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定する前記ステップは、
前記垂直偏波アンテナを使用することにより前記UEにより受信される第1の参照信号の信号強度を決定するステップであって、前記第1の参照信号は、前記少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される、ステップと、
前記垂直偏波アンテナを使用することにより受信される前記第1の参照信号の前記信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定するステップと、
前記垂直偏波アンテナを使用することにより受信される前記第1の参照信号の前記信号強度が、前記プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいときに、前記第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
前記垂直偏波アンテナを使用することにより受信される前記第1の参照信号の前記信号強度が、前記プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないときに、前記第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナは前記UE内に配置され、前記垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向は前記水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、前記少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定する前記ステップは、
前記垂直偏波アンテナを使用することにより前記UEにより受信される第1の参照信号の信号強度を決定するステップであって、前記第1の参照信号は、前記少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される、ステップと、
前記水平偏波アンテナを使用することにより前記UEにより受信される前記第1の参照信号の信号強度を決定するステップと、
プロポーション関係値式に従って前記第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定するステップとを含み、前記プロポーション関係値式は、
X=arctan(M/N)であり、ここで、
Mは、前記垂直偏波アンテナを使用することにより前記UEにより受信された前記第1の参照信号の前記信号強度であり、Nは、前記水平偏波アンテナを使用することにより前記UEにより受信された前記第1の参照信号の前記信号強度である、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記メジャーメント情報は、前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、前記プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAの少なくとも1つを含む、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ポジショニングサーバに適用されるフロアポジショニング方法であって、
ユーザ機器UEにより送信されたメジャーメント情報を受信するステップであって、前記メジャーメント情報は、前記UEが配置される屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を前記UEが受信した後に、前記少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいて決定され、前記メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号の前記偏波方向垂直偏波方向近さに関するプロポーション関係値とを含む、ステップと、
前記メジャーメント情報に基づいて前記UEのフロア位置を決定するステップと、
前記UEの位置情報を前記UEに送信するステップであって、前記UEの前記位置情報は、前記UEの前記フロア位置を含む、ステップと
を含む方法。
【請求項7】
前記メジャーメント情報に基づいて前記UEのフロア位置を決定する前記ステップは、
前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号の前記偏波方向に関する前記垂直偏波方向の前記プロポーション関係値に基づいて前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定するステップと、
前記目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせるステップと、
前記目標アクセスポイント識別子に対応するフロアを前記UEの前記フロア位置として決定するステップと
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号の前記偏波方向に関する前記垂直偏波方向の前記プロポーション関係値に基づいて前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定する前記ステップは、
垂直偏波方向の最大プロポーション関係値に対応する、前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、前記目標アクセスポイント識別子として使用するステップを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記メジャーメント情報は、前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、前記プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含み、
前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号の前記偏波方向に関する前記垂直偏波方向の前記プロポーション関係値に基づいて前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定する前記ステップは、
前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子の各々に対応するプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得するステップと、
前記測定値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を取得するステップと、
前記垂直偏波方向の前記プロポーション関係値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を取得するステップと、
各アクセスポイント識別子に対応する前記第1の優先度及び各アクセスポイント識別子に対応する前記第2の優先度の加重平均値を取得して、各アクセスポイント識別子の目標優先度を取得するステップと、
前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子における最高目標優先度を有するアクセスポイント識別子を前記目標アクセスポイント識別子として使用するステップと
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
送信機と、受信機と、プロセッサとを含むユーザ機器UEであって、
前記受信機は、前記UEが配置される屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信するように構成され、
前記プロセッサは、前記少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するように構成され、前記メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号の前記偏波方向垂直偏波方向近さに関するプロポーション関係値とを含み、
前記送信機は、前記メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信するように構成され、
前記受信機は、前記ポジショニングサーバにより送信された前記UEの位置情報を受信するようにさらに構成され、前記UEの前記位置情報は、前記UEのフロア位置を含み、前記UEの前記フロア位置は、前記メジャーメント情報に基づいて決定される、
ユーザ機器UE
【請求項11】
前記プロセッサは、具体的には、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、前記第1の参照信号が前記少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
前記第1の参照信号の前記偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、前記水平偏波方向が前記垂直偏波方向に垂直であり、
前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記垂直偏波方向との間の前記方向近似の度合いが、前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記水平偏波方向との間の前記方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定し、
前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記垂直偏波方向との間の前記方向近似の度合いが、前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記水平偏波方向との間の前記方向近似の度合いよりも高いときに、前記第1の参照信号の前記偏波方向に関する前記垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記垂直偏波方向との間の前記方向近似の度合いが、前記第1の参照信号の前記偏波方向と前記水平偏波方向との間の前記方向近似の度合いよりも高くないときに、前記第1の参照信号の前記偏波方向に関する前記垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定する
ように構成される、請求項10に記載のユーザ機器UE
【請求項12】
垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナは前記UE内に配置され、前記垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向は前記水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、前記プロセッサは、具体的には、
前記垂直偏波アンテナを使用することにより前記UEにより受信される第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、前記第1の参照信号が前記少なくとも1つのアクセスポイントの1つにより送信され、
前記垂直偏波アンテナを使用することにより受信される前記第1の参照信号の前記信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定し、
前記垂直偏波アンテナを使用することにより受信される前記第1の参照信号の前記信号強度が、前記プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいときに、前記第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
前記垂直偏波アンテナを使用することにより受信される前記第1の参照信号の前記信号強度が、前記プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないときに、前記第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定する
ように構成される、請求項10に記載のユーザ機器UE
【請求項13】
垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナが前記UE内に配置され、前記垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が前記水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、前記プロセッサは、具体的には、
前記垂直偏波アンテナを使用することにより前記UEにより受信される第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、前記第1の参照信号が前記少なくとも1つのアクセスポイントの1つにより送信され、
前記水平偏波アンテナを使用することにより前記UEにより受信される前記第1の参照信号の信号強度を決定し、
プロポーション関係値式に従って前記第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定するように構成され、前記プロポーション関係値式は、
X=arctan(M/N)であり、ここで、
Mは、前記垂直偏波アンテナを使用することにより前記UEにより受信される前記第1の参照信号の前記信号強度であり、Nは、前記水平偏波アンテナを使用することにより前記UEにより受信される前記第1の参照信号の前記信号強度である、
請求項10に記載のユーザ機器UE
【請求項14】
前記メジャーメント情報は、前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、前記プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAの少なくとも1つを含む、
請求項10乃至13のいずれか一項に記載のユーザ機器UE
【請求項15】
送信機と、受信機と、プロセッサとを含むポジショニングサーバであって、
前記受信機は、ユーザ機器UEにより送信されたメジャーメント情報を受信するように構成され、前記メジャーメント情報は、前記UEが配置される屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を前記UEが受信した後に、前記少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいて決定され、前記メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号の前記偏波方向垂直偏波方向近さに関するプロポーション関係値とを含み、
前記プロセッサは、前記メジャーメント情報に基づいて前記UEのフロア位置を決定するように構成され、
前記送信機は、前記UEの位置情報を前記UEに送信するように構成され、前記UEの前記位置情報は、前記UEの前記フロア位置を含む、
ポジショニングサーバ。
【請求項16】
前記プロセッサは、具体的には、
前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号の前記偏波方向に関する前記垂直偏波方向の前記プロポーション関係値に基づいて前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定し、
前記目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせ、
前記目標アクセスポイント識別子に対応するフロアを前記UEの前記フロア位置として決定する
ように構成される、
請求項15に記載のポジショニングサーバ。
【請求項17】
前記プロセッサは、具体的には、垂直偏波方向の最大プロポーション関係値に対応する、前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、前記目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される、
請求項16に記載のポジショニングサーバ。
【請求項18】
前記メジャーメント情報は、前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する前記参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、前記プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAの少なくとも1つを含み、前記プロセッサは、具体的には、
前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子の各々に対応するプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得し、
前記測定値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を取得し、
前記垂直偏波方向の前記プロポーション関係値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を取得し、
各アクセスポイント識別子に対応する前記第1の優先度及び各アクセスポイント識別子に対応する前記第2の優先度の加重平均値を取得して、各アクセスポイント識別子の目標優先度を取得し、
前記少なくとも1つのアクセスポイント識別子における最高目標優先度を有するアクセスポイント識別子を前記目標アクセスポイント識別子として使用する
ように構成される
請求項16に記載のポジショニングサーバ。
【請求項19】
請求項10乃至14のいずれか一項に記載の前記UEと、
請求項15乃至18のいずれか一項に記載の前記ポジショニングサーバと、
少なくとも1つのアクセスポイントと
を含む、フロアポジショニングシステム。
【請求項20】
コンピュータに、請求項1〜9のいずれか1項に記載の前記方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関し、特に、フロアポジショニング方法及びシステム、並びにデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の発展とともに、測位技術がますます重要な役割を果たしている。測位技術は、テレコム又はモバイルオペレータネットワーク(LTEネットワークなど)を使用することによりユーザ機器(User Equipment、略してUE)の位置情報(緯度及び経度座標など)を取得するために使用される技術である。
【0003】
現在、グローバルポジショニングシステム(Global Positioning System、略してGPS)測位技術は主として、UEの位置を定めるために使用されている。しかし、屋内では、衛星信号が受信されないか、又は信号が過度に弱いため、GPS技術は、屋内の測位を効果的に実施することができない。一般的な屋内測位技術は、エンハンストセルアイデンティフィケーション(Enhanced Cell Identification、略してECID)測位技術に基づいて実施される測位である。ECID測位技術は、セルアイデンティティ(Cell−ID)、参照信号受信電力(Reference Signal Received Power、略してRSRP)、及び到来時間(Time of Arrival、略してTOA)などのメジャーメント情報を使用することにより測位を実施するために使用される技術である。UEが少なくとも2つのフロアを有する建物に入り、建物内の各フロアにアクセスポイントが配置され、少なくとも1つのアクセスポイントが、アクセスポイントが配置されているセルのセルアイデンティティ(Identity、略してID)を伝達する参照信号をUEに送信すると仮定される。UEは、参照信号のメジャーメント情報をポジショニングサーバに報告し、ポジショニングサーバは、セルアイデンティティ及びUEにより報告される参照信号のメジャーメント情報に基づいてUEの位置範囲を決定する。例えば、アクセスポイントにより送信される信号の強度が同じであると仮定される。UEは、異なる屋内のフロアのアクセスポイントからの参照信号を測定する。参照信号のメジャーメント情報は、参照信号中に受信電力(Reference Signal Received Power、略してRSRP)又は到来時間(Time of Arrival、略してTOA)を含んでもよい。UEは、参照信号のメジャーメント情報及びアクセスポイントのIDをポジショニングサーバに送信し、ポジショニングサーバは、異なるアクセスポイントのRSRP値を降順でソートしてもよく、最大のRSRP値に対応するアクセスポイントが配置されているフロアをUEが配置されているフロアとして使用してもよい。代替として、ポジショニングサーバは、異なるアクセスポイントのTOA値を昇順にソートしてもよく、最小TOA値に対応するアクセスポイントが配置されているフロアをUEが配置されているフロアとして使用してもよい。
【0004】
従来技術では、RSRP(又はTOA)は、測定されてソートされ、より大きいRSRP(より小さいTOA)はアクセスポイントへのより短い距離を示し、UEに最も近いアクセスポイントの位置がUEの位置として選択される。UEと同じフロアのアクセスポイントがUEから比較的遠いが、UEとは異なるフロアのアクセスポイントがUEに比較的近い場合、UEに対して誤ったフロアポジショニングが実行され、結果として、UEのフロア情報は誤って推定される。
【発明の概要】
【0005】
UEのフロア情報が誤って推定される関連技術における問題を解決するために、本発明の実施形態は、フロアポジショニング方法及びシステム、並びにデバイスを提供する。
【0006】
第1の態様によれば、フロアポジショニング方法が提供され、ユーザ機器UEに適用され、
UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信するステップと、
少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するステップであって、メジャーメント情報が、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含む、ステップと、
メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信するステップと、
ポジショニングサーバにより送信されたUEの位置情報を受信するステップであって、UEの位置情報が、UEのフロア位置を含み、UEのフロア位置が、メジャーメント情報に基づいて決定される。
【0007】
任意選択で、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するステップは、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するステップであって、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される、ステップと、
第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するステップであって、水平偏波方向が垂直偏波方向に垂直である、ステップと、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定するステップと、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高くないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するステップとを含む。
【0008】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するステップは、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定するステップであって、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される、ステップと、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定するステップと、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するステップとを含む。
【0009】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するステップは、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定するステップであって、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される、ステップと、
水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定するステップと、
プロポーション関係値式に従って第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定するステップを含み、プロポーション関係値式が、
X=arctan(M/N)であり、ここで、
Mは、垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度であり、Nは、水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度である。
【0010】
任意選択で、メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
第2の態様によれば、ポジショニングサーバに適用されるフロアポジショニング方法が提供され、
ユーザ機器UEにより送信されたメジャーメント情報を受信するステップであって、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号をUEが受信した後に、メジャーメント情報が、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいて決定され、メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含む、ステップと、
メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するステップと、
UEの位置情報をUEに送信するステップを含み、UEの位置情報は、UEのフロア位置を含む。
【0012】
任意選択で、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するステップは、
少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定するステップと、
目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせるステップと、
目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定するステップとを含む。
【0013】
任意選択で、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定するステップは、
垂直偏波方向の最大プロポーション関係値に対応する、少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するステップを含む。
【0014】
任意選択で、メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含む。
少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定するステップは、
少なくとも1つのアクセスポイント識別子の各々に対応するプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得するステップと、
測定値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を取得するステップと、
垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を取得するステップと、
各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度及び各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して、各アクセスポイント識別子の目標優先度を取得するステップと、
少なくとも1つのアクセスポイント識別子における最高目標優先度を有するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用するステップとを含む。
【0015】
第1の態様及び第2の態様では、例えば、フロアポジショニングシステムは、1つのUEと、n個のアクセスポイントと、1つのポジショニングサーバとを含むと仮定される。UEは、m個の参照信号を受信し、ここで1≦m≦nであり、UEはメジャーメント情報を生成し、メジャーメント情報は、m個のアクセスポイント識別子と、m個のアクセスポイント識別子に対応する参照信号(すなわち、m個の参照信号)の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含む。この例では、同じデバイス、すなわち、送信端からの信号は同じ信号と見なされ、同じデバイス、すなわち、送信端からの情報は同じ情報と見なされる。
【0016】
第3の態様によれば、送信機と、受信機と、プロセッサとを含むユーザ機器UEが提供され、
受信機が、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信するように構成され、
プロセッサが、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するように構成され、メジャーメント情報が、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含み、
送信機が、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信するように構成され、
受信機が、ポジショニングサーバにより送信されたUEの位置情報を受信するようにさらに構成され、UEの位置情報が、UEのフロア位置を含み、UEのフロア位置が、メジャーメント情報に基づいて決定される。
【0017】
任意選択で、プロセッサは具体的には、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、水平偏波方向が垂直偏波方向に垂直であり、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定し、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高くないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定することとを行うように構成される。
【0018】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、プロセッサは具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定し、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するように構成される。
【0019】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、プロセッサは具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、
プロポーション関係値式に従って第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定するように構成され、プロポーション関係値式が、
X=arctan(M/N)であり、ここで、
Mは、垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度であり、Nは、水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度である。
【0020】
任意選択で、メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
第4の態様によれば、送信機と、受信機と、プロセッサとを含むポジショニングサーバが提供され、
受信機が、ユーザ機器UEにより送信されたメジャーメント情報を受信するように構成され、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号をUEが受信した後に、メジャーメント情報が、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいて決定され、メジャーメント情報が、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含み、
プロセッサが、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するように構成され、
送信機が、UEの位置情報をUEに送信するように構成され、UEの位置情報が、UEのフロア位置を含む。
【0022】
任意選択で、プロセッサは具体的には、
少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定し、
目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせ、
目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定するように構成される。
【0023】
任意選択で、プロセッサは具体的には、垂直偏波方向の最大プロポーション関係値に対応する、少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0024】
任意選択で、メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含み、プロセッサは具体的には、
少なくとも1つのアクセスポイント識別子の各々に対応するプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得し、
測定値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を取得し、
垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を取得し、
各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度及び各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して、各アクセスポイント識別子の目標優先度を取得し、
少なくとも1つのアクセスポイント識別子における最高目標優先度を有するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0025】
第5の態様によれば、フロアポジショニングシステムが提供され、
第3の態様の任意の実装によるUEと、
第4の態様の任意の実装によるポジショニングサーバと、
少なくとも1つのアクセスポイントとを含む。
【0026】
第6の態様によれば、ユーザ機器UEに適用されるフロアポジショニング方法が提供され、
UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信するステップと、
少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を決定するステップであって、少なくとも1つの参照信号が、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する、ステップと、
少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定するステップと、
メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信するステップであって、メジャーメント情報が目標アクセスポイント識別子を含む、ステップと、
ポジショニングサーバにより送信されたUEの位置情報を受信するステップと、を含み、UEの位置情報が、UEのフロア位置を含み、UEのフロア位置が、メジャーメント情報に基づいて決定される。
【0027】
任意選択で、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定するステップは、
垂直偏波方向の最大プロポーション関係値を有する参照信号に対応する、少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するステップを含む。
【0028】
任意選択で、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定するステップは、
少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得するステップであって、プリセットメジャーメントパラメータが、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含むステップと、
測定値に基づくソートを介して、少なくとも1つの受信された参照信号の各々に対応する第1の優先度を取得するステップと、
垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各参照信号に対応する第2の優先度を取得するステップと、
各参照信号に対応する第1の優先度及び各参照信号に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して、各参照信号の目標優先度を取得するステップと、
最高目標優先度を有する参照信号に対応する、少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するステップとを含む。
【0029】
任意選択で、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を決定するステップは、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するステップであって、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される、ステップと、
第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するステップであって、水平偏波方向が垂直偏波方向に垂直である、ステップと、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定するステップと、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高くないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するステップとを含む。
【0030】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を決定するステップは、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定するステップであって、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される、ステップと、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定するステップと、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するステップとを含む。
【0031】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を決定するステップは、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定するステップであって、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される、ステップと、
水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定するステップと、
プロポーション関係値式に従って第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定するステップを含み、プロポーション関係値式が、
X=arctan(M/N)であり、ここで、
Mは、垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度であり、Nは、水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度である。
【0032】
第7の態様によれば、ポジショニングサーバに適用されるフロアポジショニング方法が提供され、
ユーザ機器UEにより送信されたメジャーメント情報を受信するステップであって、メジャーメント情報が、目標アクセスポイント識別子を含み、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号をUEが受信し、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値が決定された後で、目標アクセスポイント識別子が、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から決定され、少なくとも1つの参照信号が、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する、ステップと、
メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するステップと、
UEの位置情報をUEに送信するステップとを含み、UEの位置情報が、UEのフロア位置を含む。
【0033】
任意選択で、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するステップは、
目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせるステップと、
目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定するステップとを含む。
【0034】
第6の態様及び第7の態様では、例えば、フロアポジショニングシステムは、1つのUEと、n個のアクセスポイントと、1つのポジショニングサーバとを含むと仮定される。UEは、m個の参照信号を受信し、ここで1≦m≦nであり、UEはメジャーメント情報を生成し、メジャーメント情報は、目標アクセスポイント識別子を含み、通常、1つの目標アクセスポイント識別子がある。この例では、同じデバイス、すなわち、送信端からの信号は同じ信号と見なされ、同じデバイス、すなわち、送信端からの情報は同じ情報と見なされる。
【0035】
第8の態様によれば、送信機と、受信機と、プロセッサとを含むユーザ機器UEが提供され、
受信機が、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信するように構成され、
プロセッサが、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を決定するように構成され、少なくとも1つの参照信号が、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応しており、
プロセッサが、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定するようにさらに構成され、
送信機が、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信するように構成され、メジャーメント情報が目標アクセスポイント識別子を含み、
受信機が、ポジショニングサーバにより送信されたUEの位置情報を受信するようにさらに構成され、UEの位置情報が、UEのフロア位置を含み、UEのフロア位置が、メジャーメント情報に基づいて決定される。
【0036】
任意選択で、プロセッサは具体的には、
垂直偏波方向の最大プロポーション関係値を有する参照信号に対応する、少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0037】
任意選択で、プロセッサは具体的には、
少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得し、ここで、プリセットメジャーメントパラメータが、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含み、
測定値に基づくソートを介して、少なくとも1つの受信された参照信号の各々に対応する第1の優先度を取得し、
垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各参照信号に対応する第2の優先度を取得し、
各参照信号に対応する第1の優先度及び各参照信号に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して、各参照信号の目標優先度を取得し、
最高目標優先度を有する参照信号に対応する、少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0038】
任意選択で、プロセッサは具体的には、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、水平偏波方向が垂直偏波方向に垂直であり、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定し、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高くないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するように構成される。
【0039】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、プロセッサは具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定し、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するように構成される。
【0040】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、プロセッサは具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、
プロポーション関係値式に従って第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定するように構成され、プロポーション関係値式が、
X=arctan(M/N)であり、ここで、
Mは、垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度であり、Nは、水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度である。
【0041】
第9の態様によれば、送信機と、受信機と、プロセッサとを含むポジショニングサーバが提供され、
受信機が、ユーザ機器UEにより送信されたメジャーメント情報を受信するように構成され、メジャーメント情報は、目標アクセスポイント識別子を含み、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号をUEが受信し、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値が決定された後に、目標アクセスポイント識別子が、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から決定され、少なくとも1つの参照信号が、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応し、
プロセッサが、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するように構成され、
送信機が、UEの位置情報をUEに送信するように構成され、UEの位置情報が、UEのフロア位置を含む。
【0042】
任意選択で、プロセッサは具体的には、
目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせ、
目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定するように構成される。
【0043】
第10の態様によれば、フロアポジショニングシステムが提供され、
第8の態様の任意の実装によるUEと、
第9の態様の任意の実装によるポジショニングサーバと、
少なくとも1つのアクセスポイントとを含む。
【0044】
第11の態様によれば、アクセスポイントに適用されるフロアポジショニング方法が提供され、
アクセスポイントが配置された屋内環境内のUEにより送信された参照信号を受信するステップと、
受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するステップであって、メジャーメント情報が、アクセスポイントのアクセスポイント識別子と、アクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含む、ステップと、
メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信し、それにより、ポジショニングサーバが、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定し、UEのフロア位置をUEに送信するステップとを含む。
【0045】
任意選択で、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するステップは、
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するステップと、
参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するステップであって、水平偏波方向が垂直偏波方向に垂直である、ステップと、
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定するステップと、
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高くないときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するステップとを含む。
【0046】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがアクセスポイント内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するステップは、
垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定するステップと、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定するステップと、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するステップとを含む。
【0047】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがアクセスポイント内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するステップは、
垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定するステップと、
水平偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定するステップと、
プロポーション関係値式に従って参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定するステップを含み、プロポーション関係値式が、
X=arctan(M/N)であり、ここで、
Mは、垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度であり、Nは、水平偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度である。
【0048】
任意選択で、メジャーメント情報は、アクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含む。
【0049】
第12の態様によれば、ポジショニングサーバに適用されるフロアポジショニング方法が提供され、
少なくとも1つのアクセスポイントにより送信されたメジャーメント情報を受信するステップであって、少なくとも1つのアクセスポイントが配置された屋内環境内のUEにより送信された参照信号を少なくとも1つのアクセスポイントが受信した後に、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報が、受信された参照信号の偏波方向に基づいて決定され、各メジャーメント情報が、アクセスポイント識別子と、アクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含むステップと、
少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するステップと、
UEの位置情報をUEに送信するステップとを含み、UEの位置情報が、UEのフロア位置を含む。
【0050】
任意選択で、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するステップは、
少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報におけるアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて目標アクセスポイント識別子を決定するステップと、
目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせるステップと、
目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定するステップとを含む。
【0051】
任意選択で、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報におけるアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて目標アクセスポイント識別子を決定するステップは、
垂直偏波方向の最大プロポーション関係値に対応する、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するステップを含む。
【0052】
任意選択で、各メジャーメント情報は、アクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含む。
少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報におけるアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて目標アクセスポイント識別子を決定するステップは、
少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報における各アクセスポイント識別子に対応するプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得するステップと、
測定値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を取得するステップと、
垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を取得するステップと、
各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度及び各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して、各アクセスポイント識別子の目標優先度を取得するステップと、
最高目標優先度を有するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用するステップとを含む。
【0053】
第11の態様及び第12の態様では、例えば、フロアポジショニングシステムは、1つのUEと、n個のアクセスポイントと、1つのポジショニングサーバとを含むと仮定される。n個のアクセスポイントの各々は、UEにより送信された参照信号を受信してもよく、メジャーメント情報を生成し、メジャーメント情報は、アクセスポイントのアクセスポイント識別子と、アクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含む。n個のアクセスポイントは、合計でn個のメジャーメント情報をポジショニングサーバに送信し、ポジショニングサーバはp個のメジャーメント情報を受信し、p個のメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定し、ここで1≦p≦nである。この例では、同じデバイス、すなわち、送信端からの信号は同じ信号と見なされ、同じデバイス、すなわち、送信端からの情報は同じ情報と見なされる。
【0054】
第13の態様によれば、送信機と、受信機と、プロセッサとを含むアクセスポイントが提供され、
受信機が、アクセスポイントが配置された屋内環境内のUEにより送信された参照信号を受信するように構成され、
プロセッサが、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するように構成され、メジャーメント情報が、アクセスポイントのアクセスポイント識別子と、アクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含み、
送信機が、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信するように構成され、それにより、ポジショニングサーバが、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定し、UEのフロア位置をUEに送信する。
【0055】
任意選択で、プロセッサは具体的には、
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、
参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、水平偏波方向が垂直偏波方向に垂直であり、
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定し、
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高くないときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するように構成される。
【0056】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがアクセスポイント内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、プロセッサは具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定し、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定し、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するように構成される。
【0057】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがアクセスポイント内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、プロセッサは具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定し、
水平偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定し、
プロポーション関係値式に従って参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定するように構成され、プロポーション関係値式が、
X=arctan(M/N)であり、ここで、
Mは、垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度であり、Nは、水平偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度である。
【0058】
任意選択で、メジャーメント情報は、アクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
第14の態様によれば、送信機と、受信機と、プロセッサとを含むポジショニングサーバが提供され、
受信機は、少なくとも1つのアクセスポイントにより送信されたメジャーメント情報を受信するように構成され、少なくとも1つのアクセスポイントが配置された屋内環境内のUEにより送信された参照信号を少なくとも1つのアクセスポイントが受信した後に、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報が、受信された参照信号の偏波方向に基づいて決定され、各メジャーメント情報が、アクセスポイント識別子と、アクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含み、
プロセッサは、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するように構成され、
送信機は、UEの位置情報をUEに送信するように構成され、UEの位置情報が、UEのフロア位置を含む。
【0060】
任意選択で、プロセッサは具体的には、
少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報におけるアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて目標アクセスポイント識別子を決定し、
目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせ、
目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定するように構成される。
【0061】
任意選択で、プロセッサは具体的には、
垂直偏波方向の最大プロポーション関係値に対応する、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0062】
任意選択で、各メジャーメント情報は、アクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含み、プロセッサは具体的には、
少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報における各アクセスポイント識別子に対応するプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得し、
測定値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を取得し、
垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を取得し、
各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度及び各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して、各アクセスポイント識別子の目標優先度を取得し、
最高目標優先度を有するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0063】
第15の態様によれば、フロアポジショニングシステムが提供され、
第13の態様の任意の実装によるアクセスポイントと、
第14の態様の任意の実装によるポジショニングサーバと、
少なくとも1つのUEとを含む。
【0064】
本発明の実施形態では、ポジショニングサーバにより決定されるUEの位置情報は、UEのフロア位置を含むだけでなくUEの水平位置を含んでもよい。UEの水平位置を決定するための方法については、関連技術が参照され得る。このことは、本発明の実施形態では限定されない。
【0065】
本発明の実施形態では、メジャーメントパラメータがRSRP、TOA、及びAOAのうちの少なくとも1つを含むことは、メジャーメントパラメータがRSRPのみ、TOAのみ、もしくはAOAのみを含んでもよく、RSRP及びTOA、RSRP及びAOA、もしくはTOA及びAOAを含んでもよく、又はRSRP、TOA、及びAOAのすべてを含んでもよいことを意味することに留意されたい。本発明の実施形態における少なくとも1つの受信された参照信号の各々に対応する第1の優先度を測定値に基づくソートを介して取得する方法については、関連技術が参照され得る。例えば、少なくとも1つの受信された参照信号の各々に対応する第1の優先度は、測定値に基づく昇順で又は降順でのソートを介して取得される。しかし、本発明の実施形態では、測定値のソート方法は、加重平均値の効果的な計算を確実にするように垂直偏波方向のプロポーション関係値のソート方法と同じである。
【0066】
さらに、アクセスポイント識別子とフロアとの間の対応関係は、アクセスポイント識別子と高さとの間の対応関係であってもよい。ポジショニングサーバは、アクセスポイント識別子と高さとの間の対応関係について問い合わせることにより、目標アクセスポイントに対応する高さを決定し、計算を介して高さをフロアに変換し、フロアを含むUEのフロア位置をUEに送信するか、又は高さを含むUEのフロア位置を直接UEに送信してもよい。
【0067】
本発明の実施形態において説明された各アクセスポイントは、UEと同じ屋内環境にあることに留意されたい。言い換えれば、UEが配置された屋内環境は、アクセスポイントが配置された屋内環境である。その同じ位置に配置されるUEが本発明の実施形態におけるUEであり、説明のための例として使用され、メジャーメント情報は、参照信号の偏波方向に基づいて処理が実行された後で取得される情報である。
【0068】
上記の解決手段では、UEは、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信し、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定し、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信することができ、それに応じて、ポジショニングサーバは、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定することができる。参照信号の偏波方向は、2つのパラメータ、すなわち参照信号の信号強度及び信号伝搬方向を反映し、フロア決定に使用されるパラメータは、関連技術においてRSRP又はTOAをソートするための方法を単に使用することにより実行されるフロア決定に使用されるパラメータよりも豊富である。したがって、UEのフロア位置が正確に取得されることができる。
【0069】
本発明の実施形態における技術的解決手段についてより明確に説明するために、以下では、実施形態について説明するのに必要な添付の図面について簡単に説明する。明らかに、以下の説明における添付の図面は、本発明の単にいくつかの実施形態を示しており、当業者は、依然として、これらの添付の図面から創作努力なしに他の図面を導き得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1】本発明の実施形態によるフロアポジショニング方法において使用されるフロアポジショニングシステムの環境の概略構成図である。
図2-1】本発明の例示実施形態によるフロアポジショニング方法の概略フローチャートである。
図2-2】本発明の例示実施形態による偏波方向決定方法の概略図である。
図2-3】本発明の別の例示実施形態によるフロアポジショニング方法において使用されるフロアポジショニングシステムの環境の概略構成図である。
図2-4】本発明の例示実施形態によるフロアポジショニング方法の概略フローチャートである。
図3】本発明の別の例示実施形態によるフロアポジショニング方法の概略フローチャートである。
図4】本発明のさらに別の例示実施形態のフロアポジショニング方法の概略フローチャートである。
図5】本発明の例示実施形態によるUEの概略構成図である。
図6】本発明の例示実施形態によるポジショニングサーバの概略構成図である。
図7】本発明の例示実施形態による別のUEの概略構成図である。
図8】本発明の例示実施形態による別のポジショニングサーバの概略構成図である。
図9】本発明の例示実施形態によるアクセスポイントの概略構成図である。
図10】本発明の例示実施形態によるさらに別のポジショニングサーバの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本発明の目的、技術的解決手段、及び利点をより明確にするために、以下では添付の図面を参照しながら本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0072】
図1を参照すると、図1は、本発明の実施形態によるフロアポジショニング方法において使用されるフロアポジショニングシステムの環境の概略構成図である。フロアポジショニングシステムは、UE110と、ポジショニングサーバ120と、少なくとも1つのアクセスポイント(Access point、略してAP)130とを含む。本発明のこの実施形態では、アクセスポイントは、マクロ基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、又はワイヤレスフェデリティ(Wireless Fidelity、略してWi−Fi)アクセスポイントなどのネットワーク側送信デバイスである。本発明のこの実施形態では、ポジショニングサーバとアクセスポイントは同じエンティティ又は異なるエンティティであってもよい。
【0073】
UE110は、スマートフォン、コンピュータ、マルチメディアプレーヤ、e−リーダ、又はウエアラブルデバイスなどのモバイル端末又は固定端末であってもよい。ポジショニングサーバ120は、サーバ、いくつかのサーバを含むサーバクラスタ、又はクラウドコンピューティングサービスセンターであってもよい。アクセスポイント130は、基地局であってもよく、少なくとも2つのフロアを有する建物内のフロアの天井に配置される。本発明のこの実施形態では、少なくとも1つのアクセスポイント130が各フロアの天井に配置される。
【0074】
UE110及びアクセスポイント130は、互いに参照信号(Reference Signal、略してRS)を送信してもよく、UE110は、アクセスポイント130により送信された参照信号を識別することによりUE110の位置を決定してもよい。参照信号は、パイロット信号と呼ばれることもあり、チャネル推定又はチャネルサウンディングを実行するために送信端により受信端に与えられる公知の信号である。本発明の実施形態では、参照信号はチャネルサウンディングに使用されてもよい。UE110とポジショニングサーバ120との間にワイアードネットワーク又はワイヤレスネットワークを介して接続が確立されてもよい。アクセスポイント130とポジショニングサーバ120との間にワイアードネットワーク又はワイヤレスネットワークを介して接続が確立されてもよい。
【0075】
信号送信/受信アンテナが、図1に示されているUE110とアクセスポイント130との両方に配置される。アンテナ偏波は、アンテナ放射時に形成される電場の方向を指す。一般に、電場方向が地面に垂直であるとき、アンテナ放射時に生成される電磁波は垂直偏波と呼ばれ、電場方向が地面に平行であるとき、アンテナ放射時に生成される電磁波は水平偏波と呼ばれる。偏波された電磁波の電場方向は偏波方向と呼ばれる。アンテナは、電磁波を周囲の空間において放射する。電磁波は電場と磁場とを含む。関連技術によれば、電場方向はアンテナ偏波方向である。頻繁に使用されるアンテナは単一偏波アンテナであり、単一偏波アンテナは通常、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナを含む。
【0076】
本発明のこの実施形態では、ポジショニングサーバ又はUEが、アクセスポイントの空間トポロジー構造を決定し、アクセスポイントの空間トポロジー構造に基づいて、UEと同じフロア上にあるか又は同じ高さにあるアクセスポイントを決定する必要があり、最後に、ポジショニングサーバが、UEと同じフロア又は同じ高さにあるアクセスポイントの位置をUEのフロア位置として決定する。UEの空間トポロジー構造及びアクセスポイントの空間トポロジー構造は、ポジショニングサーバ又はUEにより送信されるメジャーメント情報に基づいて決定される。一態様では、UEのフロア位置は、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号の偏波方向を測定することによりUEにより決定されてもよい。他の態様では、UEのフロア位置は、少なくとも1つのアクセスポイントが配置された屋内環境内でUEにより送信された参照信号を少なくとも1つのアクセスポイントが受信した後に少なくとも1つのアクセスポイントにより決定されてもよい。具体的な処理は以下の通りである。
【0077】
一態様では、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号の偏波方向を測定することにより、UEによりアクセスポイントの空間トポロジー構造が決定されて、UEのフロア位置を決定するとき、UEが、参照信号に基づいて目標アクセスポイント識別子を決定してもよく、ポジショニングサーバが、目標アクセスポイント識別子に基づいてUEのフロア位置を決定してもよく、又はポジショニングサーバが、目標アクセスポイント識別子を決定してもよく、ポジショニングサーバが、目標アクセスポイント識別子に基づいてUEのフロア位置を決定してもよい。目標アクセスポイントは、UEと同じフロア上にあるか又はUEと同じ高さにある可能性が最も高い、UEが配置された屋内環境内(又は建物内)のアクセスポイントである。例えば、目標アクセスポイントは、UEが配置されたフロアの天井に配置されたアクセスポイントであってもよい。本発明では、以下の2つの態様について説明する。
【0078】
第1の態様によれば、本発明はフロアポジショニング方法を提供する。図2−1に示されているように、この方法は以下のステップを含む。
【0079】
ステップ201:UEが、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信する。
【0080】
本発明のこの実施形態では、UEが配置された屋内環境は、少なくとも1つのフロアを有する建物であり、少なくとも1つのアクセスポイントは、建物内の各フロアの天井に配置される。図2−1では、少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つが、説明のための例として使用される。別のアクセスポイントの動作については、図2−1に示されているアクセスポイントの動作が参照され得る。
【0081】
ステップ202:UEが、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定する。メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含む。
【0082】
実際の適用例では、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するときに、UEは、まず少なくとも1つのアクセスポイント識別子を取得し、次いで少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を決定し、ここで、プロポーション関係値は、垂直偏波方向と偏波方向との間の割合関係を反映するために使用され、最後に、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、少なくとも1つの参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とに基づいてメジャーメント情報を生成してもよい。UEにより、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を決定するための複数の方法があってもよい。本発明のこの実施形態については、以下の3つの実装可能な方法を例として使用することにより説明を提供する。
【0083】
例えば、第1の実装可能な方法では、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値をUEにより決定するための方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0084】
ステップA1:UEが、第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、第1の参照信号は少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される。
【0085】
本発明のこの実施形態では、垂直偏波方向は、地面に垂直な電場方向、すなわち、重力方向に平行な方向である。図2−2に示されているように、電磁波伝搬処理の間に、電磁波伝搬方向o、電場方向p、及び磁場方向qは互いに垂直である。電場方向が決定されるときは、右手の法則が使用されてもよい。親指を他の4本の指に対して垂直にし、指が手のひらと同じ平面上にあるように右手が広げられ、磁場方向が手のひらの中央を通るようにされ、親指が電磁波伝搬方向に指すようにされる。この場合、4本の指が指す方向は電場方向である。本発明のこの実施形態における偏波方向は電場方向である。
【0086】
本発明のこの実施形態では、方向近似の度合いは2つの方向の間の近似度である。信号偏波方向、信号垂直偏波方向、及び信号水平偏波方向はすべて、本発明のこの実施形態ではベクトルとして見なされてもよい。ベクトルは、大きさ(magnitude)と方向とを有する幾何学的対象物を指す。2つのベクトルの間の方向近似の度合いは、関連技術における式、例えば、ベクトルの相関係数を算出するための式に基づく計算を介して取得されてもよい。
【0087】
図2−3に示されているように、W、Y、及びZはそれぞれ、アクセスポイント1から3により送信された参照信号の偏波方向が配置される平面である。本発明のこの実施形態では、第1の参照信号の偏波方向が配置される平面と第1の参照信号の垂直偏波方向が配置される平面との間の角度が、第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するために使用されてもよい。この角度は、方向近似の度合いと負の相関がある。言い換えれば、より小さい角度はより高い方向近似の度合いを示す。代替として、偏波方向における第1の参照信号の強度(大きさとも呼ばれる)と垂直偏波方向における第1の参照信号の強度との間の強度近似の度合いが、第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するために使用されてもよい。強度近似の度合いは方向近似の度合いと正の相関がある。言い換えれば、偏波方向における第1の参照信号の強度と垂直偏波方向における第1の参照信号の強度との間の強度近似のより高い度合いは、方向近似のより高い度合いを示す。実際の適用例では、ベクトルの相関係数を算出するための式に基づく計算を介して取得される第1の参照信号の偏波方向及び垂直偏波方向に固有の相関係数は、代替として、ステップA1において説明された方向近似の度合いとして決定されてもよい。
【0088】
ステップA2:UEが、第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、水平偏波方向は垂直偏波方向に垂直である。
【0089】
図2−3に示されているように、W、Y、及びZはそれぞれ、アクセスポイント1から3により送信された参照信号の偏波方向が配置される平面である。本発明のこの実施形態では、第1の参照信号の偏波方向が配置される平面と第1の参照信号の水平偏波方向が配置される平面との間の角度が、第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するために使用されてもよい。角度は、方向近似の度合いと負の相関がある。言い換えれば、より小さい角度はより高い方向近似の度合いを示す。代替として、偏波方向における第1の参照信号の強度と水平偏波方向における第1の参照信号の強度との間の強度近似の度合いが、第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するために使用されてもよい。強度近似の度合いは方向近似の度合いと正の相関がある。言い換えれば、偏波方向における第1の参照信号の強度と水平偏波方向における第1の参照信号の強度との間の強度近似のより高い度合いは、方向近似のより高い度合いを示す。実際の適用例では、ベクトルの相関係数を算出するための式に基づく計算を介して取得される第1の参照信号の偏波方向及び水平偏波方向に固有の相関係数が、代替として、ステップA2において説明された方向近似の度合いとして決定されてもよい。
【0090】
ステップA3:UEは、第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定してもよい。
【0091】
本発明のこの実施形態では、第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いは、プリセットアルゴリズムを使用することにより計算を介して取得された値により表されてもよく、第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いは、プリセットアルゴリズムを使用することにより計算を介して取得された値により表されてもよい。第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかは、この2つの値の大きさを比較することにより決定される。
【0092】
ステップA4:第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いとき、UEが、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定する。
【0093】
例えば、第1の参照信号の偏波方向が配置される平面と第1の参照信号の垂直偏波方向が配置される平面との間の角度が、第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するために使用され、第1の参照信号の偏波方向が配置される平面と第1の参照信号の水平偏波方向が配置される平面との間の角度が、第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するために使用されると仮定される。第1の参照信号の偏波方向が配置される平面と第1の参照信号の垂直偏波方向が配置される平面との間の角度は30°であり、第1の参照信号の偏波方向が配置される平面と第1の参照信号の水平偏波方向が配置される平面との間の角度は60°である。角度は方向近似の度合いと負の相関があるので、第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いは、第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高く、UEは、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定する。
【0094】
ステップA5:第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高くないとき、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定する。
【0095】
例えば、第1の参照信号の偏波方向が配置される平面と第1の参照信号の垂直偏波方向が配置される平面との間の角度が、第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するために使用され、第1の参照信号の偏波方向が配置される平面と第1の参照信号の水平偏波方向が配置される平面との間の角度が、第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定するために使用されると仮定される。第1の参照信号の偏波方向が配置される平面と第1の参照信号の垂直偏波方向が配置される平面との間の角度は60°であり、第1の参照信号の偏波方向が配置される平面と第1の参照信号の水平偏波方向が配置される平面との間の角度は30°である。角度は方向近似の度合いと負の相関があるので、第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いは、第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いより高くなく、UEは、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定する。
【0096】
例えば、図2−3に示されているフロアポジショニングシナリオでは、ステップA1からA5に従って、アクセスポイント1から3により送信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値はそれぞれ、1、0、及び0として決定されてもよい。第1の実装可能な方法では、第1の参照信号が1つのアクセスポイントからの参照信号であり、UEがすべての他の受信された参照信号を第1の参照信号と同じ方法で処理してもよいことに留意されたい。
【0097】
第2の実装可能な方法では、2つの単一偏波アンテナ、すなわち垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置されてもよく、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向は水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値をUEにより決定するための方法は以下のステップを含んでもよい。
【0098】
ステップB1:垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、第1の参照信号は、少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される。
【0099】
ステップB2:垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度がプリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定する。
【0100】
ステップB3:垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度がプリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいとき、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定する。
【0101】
ステップB4:垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度がプリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないとき、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定する。
【0102】
第2の実装可能な方法では、第1の参照信号が同じアクセスポイントからの参照信号であり、UEがすべての他の受信された参照信号を第1の参照信号と同じ方法で処理してもよいことに留意されたい。
【0103】
例えば、図2−3に示されているように、UEが配置された屋内環境が6つのフロアを有する建物であると仮定される。UEは、屋内環境に入った後に、それぞれ3階フロアから5階フロアの天井に配置されたアクセスポイント1から3により送信された参照信号を受信する。アクセスポイント1から3により送信され、垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された参照信号の強度はそれぞれ、10v/m(ボルト/メートル)、3v/m、及び5v/mである。プリセット垂直偏波信号閾値は8v/mであると仮定される。UEは、8v/mと、アクセスポイント1から3により送信された参照信号の強度10v/m、3v/m、及び5v/mの各々を比較し、アクセスポイント1により送信され、強度がプリセット垂直偏波信号閾値8v/mよりも大きい参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定し、アクセスポイント2及び3により送信され、強度がプリセット垂直偏波信号閾値8v/mより小さい参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定する。
【0104】
実際の適用例では、UEは、複数のUEが配置された屋内環境内のアクセスポイントにより送信された参照信号を受信してもよいが、いくつかの参照信号の強度は、UEからの距離が比較的長いこと、又はいくつかの障害物のブロックのために比較的弱い。この場合、UEは、参照信号強度がプリセット強度閾値未満である参照信号を無視し、参照信号強度がプリセット強度閾値以上である参照信号のみを処理してもよい。例えば、図2−3では、UEは、屋内環境に入った後、1階フロアから6階フロアの天井に配置されたアクセスポイントにより送信された参照信号を受信してもよい。しかし、各アクセスポイントは天井に配置され、参照信号が天井を通過するとき、比較的大きな挿入損失が生じさせられ、したがって、1階フロア及び2階フロア上のアクセスポイントにより送信された参照信号は比較的弱い。さらに、6階フロア上のアクセスポイントはUEから比較的遠くに位置するので、6階フロア上のアクセスポイントにより送信された参照信号は比較的弱い。1階フロア、2階フロア、及び6階フロア上のアクセスポイントにより送信された参照信号の信号強度がプリセット強度閾値未満であると仮定すると、UEは、1階フロア、2階フロア、及び6階フロア上のアクセスポイントにより送信された受信された参照信号を無視し、3階フロアから5階フロアの天井のアクセスポイント1から3により送信された参照信号のみを処理する。このようにして、望まない信号を処理するためのプロセスが回避されることができ、UEの負荷が軽減される。
【0105】
第3の実装可能な方法では、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向は、水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値をUEにより決定する方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0106】
ステップC1:垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、第1の参照信号は少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信される。
【0107】
ステップC2:水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定する。
【0108】
ステップC3:プロポーション関係値式に従って第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定し、ここで、プロポーション関係値式は、
X=arctan(M/N)であり、
ここで、Mは、垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度であり、Nは、水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度であり、arctan(M/N)は、M/Nの逆正接関数を表す。
【0109】
例えば、図2−3に示されているように、アクセスポイント1から3により送信され、垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された参照信号の強度はそれぞれ、10v/m、3v/m、及び5v/mであり、アクセスポイント1から3により送信され、水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された参照信号の強度はそれぞれ、1v/m、11v/m、及び5v/mであると仮定される。この場合、アクセスポイント1により送信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値はarctan(10/1)=arctan10であり、アクセスポイント2により送信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値はarctan(3/11)であり、アクセスポイント3により送信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値はarctan(5/5)=arctan1である。第3の実装可能な方法では、第1の参照信号が同じアクセスポイントからの参照信号であり、UEがすべての他の受信された参照信号を第1の参照信号と同様に処理してもよいことに留意されたい。
【0110】
UEにより少なくとも1つのアクセスポイント識別子を取得するための方法については、関連技術が参照され得ることに留意されたい。例えば、参照信号を送信する前に、各アクセスポイントがアクセスポイント測位支援情報を送信する必要があり、アクセスポイント測位支援情報は、アクセスポイント識別子及びその他の関連情報を伝達する。UEは、アクセスポイント測位支援情報に基づいて、対応するアクセスポイントにより送信された参照信号を受信し、参照信号を受信した後で、参照信号とアクセスポイント識別子との間の対応関係を確立することができる。したがって、UEは最終的に、少なくとも1つの受信された参照信号に基づいて少なくとも1つの参照信号に対応するアクセスポイント識別子を決定して少なくとも1つのアクセスポイント識別子を取得し、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のものであり、かつ、上記の3つの実装可能な方法のうちのいずれか1つにおいて取得されたプロポーション関係値とに基づいてメジャーメント情報を生成することができる。
【0111】
ステップ203:UEがポジショニングサーバにメジャーメント情報を送信する。
【0112】
例えば、UEは、UEとポジショニングサーバとの間に確立されたワイヤレス接続を使用することによりポジショニングサーバにメジャーメント情報を送信してもよい。
【0113】
ステップ204:ポジショニングサーバが、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定する。
【0114】
任意選択で、図2−4に示されているように、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するための方法は以下のステップを含んでもよい。
【0115】
ステップ2041:少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定する。
【0116】
本発明のこの実施形態では、目標アクセスポイントは、UEが配置された屋内環境内(又は建物内)のアクセスポイントであり、UEと同じフロア上又は同じ高さにある可能性が高い。例えば、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定する方法は以下の2つの方法を含んでもよい。
【0117】
第1の方法:ポジショニングサーバは、垂直偏波方向の最大プロポーション関係値に対応する少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用する。
【0118】
任意選択で、ポジショニングサーバは、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を、メジャーメント情報に基づいて記録し、最大プロポーション関係値を選択し、最大プロポーション関係値に対応するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。ポジショニングサーバは代替として、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて、メジャーメント情報中に記録された少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号をソートし、ソート結果に基づいて最大プロポーション関係値を決定し、最大プロポーション関係値に対応するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。例えば、ソートが降順で実行されるとき、1番目にランキングされるプロポーション関係値に対応するアクセスポイント識別子が目標アクセスポイント識別子として使用されてもよい。例えば、図2−3に示されているフロアポジショニングシナリオでは、アクセスポイント1から3により送信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値はそれぞれ、0.8、0.2、及び0.5であると仮定すると、最大プロポーション関係値は0.8である。プロポーション関係値0.8は、アクセスポイント1により送信された参照信号の垂直偏波方向のプロポーション関係値であり、この場合、ポジショニングサーバは、プロポーション関係値0.8に対応するアクセスポイント1のアクセスポイント識別子を取得し、取得されたアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。
【0119】
第2の方法:メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含んでもよく、プリセットメジャーメントパラメータは、RSRP、TOA、及び到来角(Angle of Arrival、略してAOA)のうちの少なくとも1つを含む。ポジショニングサーバは、少なくとも1つのアクセスポイント識別子の各々に対応するプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得し、測定値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を取得し、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を取得し、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度及び各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して各アクセスポイント識別子の目標優先度を取得し、少なくとも1つのアクセスポイント識別子における最高目標優先度を有するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。ソート方法は、ソートが昇順又は降順で実行される方法であってもよく、実際のケースに応じて事前に設定されてもよい。
【0120】
本発明のこの実施形態では、加重平均値を算出するために使用される重みは事前に設定される。加重平均式はE=r1*K1+r2*K2+r3*K3+g*H及びr1+r2+r3+g=1であると仮定される。K1は、RSRP測定値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を表し、r1はK1の重みを表し、K2は、TOA測定値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を表し、r2はK2の重みを表し、K3は、AOA測定値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を表し、r3はK3の重みを表し、「*」は乗算を表し、Hは、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を表し、gはHの重みを表す。メジャーメント情報がRSRP、TOA、又はAOAを含まないとき、メジャーメント情報に含まれないパラメータに対応する第1の優先度の重みは0である。例えば、メジャーメント情報がTOAのみを含むとき、r1及びr3は0、E=r2*K2+g*H、r2+g=1である。加重平均式が本発明のこの実施形態における説明のための単なる例であり、別の加重平均式に基づく計算を介して取得された加重平均値も本発明の実施形態の保護範囲内であることに留意されたい。
【0121】
本発明のこの実施形態では、すべてのソートを介して取得された、優先度とシーケンス番号値との間の対応関係は一定である。例えば、プリセットメジャーメントパラメータの測定値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度が、シーケンス番号値と正の相関がある場合、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度が、シーケンス番号値と正の相関があり、各アクセスポイント識別子の目標優先度がシーケンス番号値と正の相関がある。プリセットメジャーメントパラメータの測定値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度が、シーケンス番号値と負の相関がある場合、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度が、シーケンス番号値と負の相関があり、各アクセスポイント識別子の目標優先度がシーケンス番号値と負の相関がある。例えば、プリセットメジャーメントパラメータがTOAを含むと仮定すると、次の式E=r2*K2+g*H及びr2+g=1が真であり、r2=30%、g=70%であると仮定される。図2−3に示されているフロアポジショニングシナリオでは、アクセスポイント1から3により送信された参照信号のTOAはそれぞれ、2s(秒)、1s、及び1.5sである。アクセスポイント1から3により送信された参照信号に対応するアクセスポイント識別子は、表1に列挙されているようにTOA測定値の昇順でソートされてもよい。アクセスポイント識別子のソートシーケンスは、アクセスポイント2のアクセスポイント識別子、アクセスポイント3のアクセスポイント識別子、及びアクセスポイント1のアクセスポイント識別子である。より高いランクはより高い第1の優先度を示すので、この実施形態では、表1内のより小さいシーケンス番号値がより高い第1の優先度を示す。アクセスポイント1から3のアクセスポイント識別子に対応する偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値はそれぞれ、0.8、0.2、及び0.5である。アクセスポイント1から3のアクセスポイント識別子は、表2に列挙されているように、垂直偏波方向のプロポーション関係値の降順でソートされてもよい。アクセスポイント識別子のソートシーケンスは、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子、アクセスポイント3のアクセスポイント識別子、及びアクセスポイント2のアクセスポイント識別子である。より高いランクはより高い第2の優先度を示すので、この実施形態では、表2内のより小さいシーケンス番号値がより高い第2の優先度を示す。第1の優先度が対応するシーケンス番号値により表され、第2の優先度が対応するシーケンス番号値により表され、優先度がシーケンス番号値と負の相関があると仮定される。この場合、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子については、第1の優先度に対応するシーケンス番号値は3であり、第2の優先度に対応するシーケンス番号値は1であり、加重平均式に基づく計算を介して取得された、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子の目標優先度に対応するシーケンス番号値は、30%*3+70%*1=1.6である。これに応じて、アクセスポイント2のアクセスポイント識別子については、第1の優先度に対応するシーケンス番号値は1であり、第2の優先度に対応するシーケンス番号値はであり、加重平均値式に基づく計算を介して取得された、アクセスポイント2のアクセスポイント識別子の目標優先度に対応するシーケンス番号値は、30%*1+70%*3=2.4である。アクセスポイント3のアクセスポイント識別子については、第1の優先度に対応するシーケンス番号値は2であり、第2の優先度に対応するシーケンス番号値は2であり、加重平均値式に基づく計算を介して取得された、アクセスポイント3のアクセスポイント識別子の目標優先度に対応するシーケンス番号値は、30%*2+70%*2=2である。アクセスポイント1のアクセスポイント識別子の目標優先度に対応するシーケンス番号値が最小であり、それに応じてアクセスポイント1のアクセスポイント識別子の目標優先度が最高であるので、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子が目標アクセスポイント識別子として使用される。
【0122】
【表1】

【0123】
【表2】

【0124】
ステップ2042:目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせる。
【0125】
アクセスポイント識別子とフロアとの間の対応関係がフロアポジショニングシステムの配備時にポジショニングサーバにおいて設定されてもよいことに留意されたい。表3に列挙されているように、図2−3に示されているフロアポジショニングシナリオでは、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子が目標アクセスポイント識別子であり、目標アクセスポイント識別子が003であると仮定される。表3に列挙されているアクセスポイント識別子とフロアとの間の対応関係について問い合わせられ、目標アクセスポイント識別子003に対応するフロアが3階フロアであることを決定する。したがって、UEのフロア位置は3階フロアである。
【0126】
【表3】

【0127】
ステップ2043:目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定する。
【0128】
ステップ2041において、ポジショニングサーバは、メジャーメント情報に基づいて、少なくとも2つの目標アクセスポイント識別子があり、すなわち、少なくとも2つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値が同じであると決定した場合、ポジショニングサーバは、少なくとも2つの目標アクセスポイント識別子に基づいてUEのフロア位置を決定する必要があることに留意されたい。
【0129】
例えば、ポジショニングサーバは、少なくとも2つの目標アクセスポイント識別子に対応するフロアについて別々に問い合わせ、プリセットスクリーニングアルゴリズムに応じてUEのフロア位置を決定してもよい。例えば、プリセットスクリーニングアルゴリズムは以下のようであってもよい。最大量の目標アクセスポイント識別子に対応するフロアがUEのフロア位置として決定される。少なくとも2つの目標アクセスポイント識別子に対応するフロアのフロア番号に対して加重平均が実行され、加重平均値が四捨五入されて、UEが配置されたフロアのフロア番号として与えられる。少なくとも2つの目標アクセスポイント識別子に対応するフロアにおける最も高いフロアがUEのフロア位置として決定される。又は、少なくとも2つの目標アクセスポイント識別子に対応するフロアにおける最も低いフロアがUEのフロア位置として決定される。プリセットスクリーニングアルゴリズムは、特定のケースに基づいて選択されるか又は組み合わされてもよく、本発明のこの実施形態の説明のための単なる例として使用される。
【0130】
ステップ205:ポジショニングサーバが、UEの位置情報をUEに送信し、ここで、UEの位置情報はUEのフロア位置を含む。
【0131】
UEは、ポジショニングサーバにより送信されたUEの位置情報を受信した後、UEの位置情報がUEのフロア位置を含むので、UEのフロア位置をユーザに示してもよく、それによりユーザが現在のフロア位置を知る。UEの位置情報がUEの水平位置をさらに含んでもよいことに留意されたい。水平位置を決定するための方法については、関連技術が参照され得る。本発明のこの実施形態では詳細は記載されない。
【0132】
本発明のこの実施形態では、UEは、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信し、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定し、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信することができ、それに応じて、ポジショニングサーバは、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定することができる。参照信号の偏波方向は、2つのパラメータ、すなわち、参照信号の信号強度及び信号伝搬方向を反映し、フロア決定に使用されるパラメータは、関連技術におけるRSRP又はTOAをソートするための方法を単に使用することにより実行されるフロア決定に使用されるパラメータよりも豊富である。したがって、UEのフロア位置は正確に取得されることができる。
【0133】
第2の態様によれば、本発明はフロアポジショニング方法を提供する。図3に示されているように、この方法は以下を含む。
【0134】
ステップ301:UEが、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信する。
【0135】
ステップ301の具体的な説明において、ステップ201が参照され得る。本発明のこの実施形態において再び詳細は説明されない。
【0136】
ステップ302:UEが、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を決定し、ここで、少なくとも1つの参照信号は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する。
【0137】
本発明のこの実施形態では、少なくとも1つの参照信号は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と1対1で対応する。少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値をUEにより決定するための方法で、ステップ202における3つの実装可能な方法が参照され得る。本発明のこの実施形態において再び詳細は説明されない。
【0138】
ステップ303:UEが、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定する。
【0139】
任意選択で、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子をUEにより決定することは、以下の2つの方法を含んでもよい。
【0140】
第1の方法:UEが、垂直偏波方向の最大プロポーション関係値を有する参照信号に対応する、少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用する。
【0141】
任意選択で、UEは、垂直偏波方向の最大プロポーション関係値を有する参照信号を少なくとも1つの受信された参照信号から直接選択し、最大プロポーション関係値を有する参照信号に対応するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。任意選択で、代替として、UEは、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つの受信された参照信号をソートし、ソート結果に基づいて最大プロポーション関係値を有する参照信号を決定し、最大プロポーション関係値を有する参照信号に対応するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。例えば、ソートが降順で実行されるとき、1番目にランキングされる参照信号が最大プロポーション関係値を有する参照信号として決定される。例えば、図2−3に示されているフロアポジショニングシナリオにおいて、アクセスポイント1から3により送信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値がそれぞれ、0.8、0.2、及び0.5であると仮定すると、最大プロポーション関係値を有する参照信号はアクセスポイント1により送信される。UEは、アクセスポイント1により送信された参照信号に対応するアクセスポイント1のアクセスポイント識別子を取得し、取得されたアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。
【0142】
第2の方法:UEが、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得し、ここで、プリセットメジャーメントパラメータは、RSRP、TOA、及びAOAのうちの少なくとも1つを含み、少なくとも1つの受信された参照信号の各々に対応する第1の優先度を、測定値に基づくソートを介して取得し、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各参照信号に対応する第2の優先度を取得し、各参照信号に対応する第1の優先度及び各参照信号に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して、各参照信号の目標優先度を取得し、最高目標優先度を有する参照信号に対応する、少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用する。上記のソート処理時に使用されるソート方法は、ソートが昇順で又は降順で実行される方法であってもよく、実際のケースに応じて事前に設定されてもよい。
【0143】
本発明のこの実施形態では、加重平均値を算出するために使用される重みが事前に設定される。加重平均式はE=r1*K1+r2*K2+r3*K3+g*H、r1+r2+r3+g=1であると仮定される。K1は、RSRP測定値に基づくソートを介して取得された、第1の参照信号に対応する第1の優先度を表し、r1はK1の重みを表し、K2は、TOA測定値に基づくソートを介して取得された、第1の参照信号に対応する第1の優先度を表し、r2はK2の重みを表し、K3は、AOA測定値に基づくソートを介して取得された、第1の参照信号に対応する第1の優先度を表し、r3はK3の重みを表し、Hは、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して取得された、第1の参照信号に対応する第2の優先度を表し、gはHの重みを表し、第1の参照信号は、UEが配置された屋内環境内の任意のアクセスポイントにより送信される。メジャーメント情報がRSRP、TOA、又はAOAを含まないとき、メジャーメント情報に含まれないパラメータに対応する第1の優先度の重みは0である。例えば、メジャーメント情報がTOAのみを含むとき、r1及びr3は0、E=r2*K2+g*H、r2+g=1である。加重平均式が本発明のこの実施形態における単なる説明のための例であり、別の加重平均式に基づく計算を介して取得された加重平均値も本発明の実施形態の保護範囲内であることに留意されたい。
【0144】
本発明のこの実施形態では、すべてのソートを介して取得された、優先度とシーケンス番号値との間の対応関係は一定である。例えば、プリセットメジャーメントパラメータの測定値に基づくソートを介して取得された、各参照信号に対応する第1の優先度が、シーケンス番号値と正の相関がある場合、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して取得された、各参照信号に対応する第2の優先度が、シーケンス番号値と正の相関があり、各参照信号の目標優先度がシーケンス番号値と正の相関がある。プリセットメジャーメントパラメータの測定値に基づくソートを介して取得された、各参照信号に対応する第1の優先度が、シーケンス番号値と負の相関がある場合、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して取得された、各参照信号に対応する第2の優先度が、シーケンス番号値と負の相関があり、各参照信号の目標優先度がシーケンス番号値と負の相関がある。
【0145】
例えば、プリセットメジャーメントパラメータがRSRPを含むと仮定すると、次の式E=r1*K1+g*H及びr1+g=1が真であり、r1=30%、g=70%であると仮定される。図2−3に示されているフロアポジショニングシナリオでは、アクセスポイント1から3により送信された参照信号のRSRPはそれぞれ、100dB(デシベル)、130dB、及び110dBである。アクセスポイント1から3により送信された参照信号は、表4に列挙されているようにRSRP測定値の降順でソートされてもよい。参照信号のソートシーケンスは、アクセスポイント2により送信された参照信号、アクセスポイント3により送信された参照信号、及びアクセスポイント1により送信された参照信号である。より高いランクはより高い第1の優先度を示すので、この実施形態では、表4内のより小さいシーケンス番号値がより高い第1の優先度を示す。例えば、アクセスポイント1から3により送信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向の、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値をUEにより決定する第1の実装可能な方法に従って決定されたプロポーション関係値はそれぞれ、0.8、0.2、及び0.5である。アクセスポイント1から3により送信された参照信号は、表2に列挙されているように、垂直偏波方向のプロポーション関係値の降順でソートされてもよい。参照信号のソートシーケンスは、アクセスポイント1により送信された参照信号、アクセスポイント3により送信された参照信号、及びアクセスポイント2により送信された参照信号である。より高いランクはより高い第2の優先度を示すので、この実施形態では、表2内のより小さいシーケンス番号値がより高い第2の優先度を示す。第1の優先度が対応するシーケンス番号値により表され、第2の優先度が対応するシーケンス番号値により表され、優先度がシーケンス番号値と負の相関があると仮定される。この場合、アクセスポイント1により送信された参照信号については、第1の優先度に対応するシーケンス番号値は3であり、第2の優先度に対応するシーケンス番号値は1であり、加重平均値式に基づく計算を介して取得された、アクセスポイント1により送信された参照信号の目標優先度に対応するシーケンス番号値は、30%*3+70%*1=1.6である。これに応じて、アクセスポイント2により送信された参照信号については、第1の優先度に対応するシーケンス番号値は1であり、第2の優先度に対応するシーケンス番号値はであり、加重平均値式に基づく計算を介して取得された、アクセスポイント2により送信された参照信号の目標優先度に対応するシーケンス番号値は、30%*1+70%*3=2.4である。アクセスポイント3により送信された参照信号については、第1の優先度に対応するシーケンス番号値は2であり、第2の優先度に対応するシーケンス番号値は2であり、加重平均値式に基づく計算を介して取得された、アクセスポイント3により送信された参照信号の目標優先度に対応するシーケンス番号値は、30%*2+70%*2=2である。アクセスポイント1により送信された参照信号の目標優先度に対応するシーケンス番号値が最小であり、それに応じてアクセスポイント1により送信された参照信号の目標優先度が最高であるので、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子が目標アクセスポイント識別子として使用される。
【0146】
【表4】

【0147】
実際の適用例では、第1の優先度は対応するシーケンス番号値により表されてもよく、第2の優先度は対応するシーケンス番号値により表されてもよく、優先度はシーケンス番号値と正の相関がある。言い換えれば、より大きいシーケンス番号値はより高い優先度を示し、加重平均式に基づいて取得された、目標優先度に対応するより大きいシーケンス番号値は、より高い優先度を示す。したがって、最高目標優先度に対応する参照信号が目標参照信号として使用される。
【0148】
少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて、UEにより少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定することが、他の方法を含んでもよいことに留意されたい。例えば、UEがステップ202における第1の実装可能な方法又は第2の実装可能な方法を使用して、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を決定するとき、各参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値は0又は1である。UEは、偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値が1である参照信号を、取得された参照信号から選択し、選択された参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得してもよく、ここで、プリセットメジャーメントパラメータは、RSRP、TOA、及びAOAのうちの少なくとも1つを含む。UEは、測定値に基づいて選択された参照信号をソートし、選択された参照信号に対応する優先度をソート結果に基づいて取得し、選択された参照信号における最高優先度を有する参照信号に対応するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用する。
【0149】
代替として、UEはまず、受信された参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得してもよく、ここで、測定値は、RSRP、TOA、及びAOAのうちの少なくとも1つを含み、測定値に基づくソートを介して、各参照信号に対応する第1の優先度を取得し、各参照信号に対応する第1の優先度と参照信号の垂直偏波方向のプロポーション関係値との積を取得し、1番目にランキングされる積に対応する参照信号に対応するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。
【0150】
代替として、UEは、まず、受信された参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得してもよく、ここで、測定値は、RSRP、TOA、及びAOAのうちの少なくとも1つを含み、測定値に基づくソートを介して、各参照信号に対応する第1の優先度を取得し、プロポーション関係値が1である少なくとも1つの参照信号における最高優先度を有する参照信号に対応するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。
【0151】
例えば、図2−3に示されているフロアポジショニングシナリオでは、アクセスポイント1から3により送信された参照信号が、表4に列挙されているようにRSRP測定値の降順でソートされ得ると仮定される。アクセスポイント1から3により送信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値はそれぞれ1、0、及び0である。プロポーション関係値が1である参照信号における最高の第1の優先度を有する参照信号は、アクセスポイント1により送信された参照信号であり、又は各参照信号に対応する第1の優先度と参照信号の垂直偏波方向のプロポーション関係値との積を取得するための方法を使用することにより、1番目にランキングされる積に対応する参照信号は、アクセスポイント1により送信された参照信号であると決定されてもよい。したがって、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子は目標アクセスポイント識別子である。
【0152】
本発明のこの実施形態における少なくとも1つの受信された参照信号の各々に対応する第1の優先度を、測定値に基づくソートを介して取得するための方法については、関連技術が参照され得ることに留意されたい。例えば、少なくとも1つの受信された参照信号の各々に対応する第1の優先度は、測定値に基づく昇順で又は降順でのソートを介して取得される。しかし、本発明のこの実施形態では、測定値のソート方法は、効果的な加重平均計算を保証するように垂直偏波方向のプロポーション関係値のソート方法と同じである。
【0153】
ステップ304:UEが、ポジショニングサーバにメジャーメント情報を送信し、ここで、このメジャーメント情報は目標アクセスポイント識別子を含む。
【0154】
例えば、UEは、UEとポジショニングサーバとの間に確立されたワイヤレス接続を使用することによりメジャーメント情報をポジショニングサーバに送信してもよい。
【0155】
ステップ305:ポジショニングサーバが、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定する。
【0156】
メジャーメント情報は目標アクセスポイント識別子を含むので、ポジショニングサーバによりメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定することは、目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせることと、目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定することとを含んでもよい。具体的な処理については、前述の実施形態におけるステップ2042及び2043が参照され得る。本発明のこの実施形態において再び詳細は説明されない。
【0157】
ステップ306:ポジショニングサーバが、UEにUEの位置情報を送信する。UEの位置情報は、UEのフロア位置を含む。
【0158】
UEがポジショニングサーバにより送信されたUEの位置情報を受信した後、UEの位置情報はUEのフロア位置を含むので、UEは、UEのフロア位置をユーザに示してもよく、それによりユーザは現在のフロア位置を知る。
【0159】
本発明のこの実施形態では、UEは、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信し、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定し、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信することができ、それに応じて、ポジショニングサーバは、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定することができる。参照信号の偏波方向は、2つのパラメータ、すなわち参照信号の信号強度及び信号伝搬方向を反映し、フロア決定に使用されるパラメータは、関連技術におけるRSRP又はTOAをソートするための方法を単に使用することにより実行されるフロア決定に使用されるパラメータよりも豊富である。したがって、UEのフロア位置は正確に取得されることができる。
【0160】
他の態様では、少なくとも1つのアクセスポイントが配置された屋内環境内のUEにより送信され、少なくとも1つのアクセスポイントにより受信される参照信号に基づいてアクセスポイントの空間トポロジー構造を決定することによりUEのフロア位置を決定するために、本発明はフロアポジショニング方法を提供する。UEが配置された屋内環境内に複数のアクセスポイントがあってもよいので、UEが配置された屋内環境内の第1のアクセスポイントが本発明のこの実施形態における例として使用される。別のアクセスポイントの動作については、第1のアクセスポイントの動作が参照され得る。図4に示されているように、この方法は以下のステップを含む。
【0161】
ステップ401:第1のアクセスポイントが配置された屋内環境内のUEが、第1のアクセスポイントに参照信号を送信する。
【0162】
ステップ402:第1のアクセスポイントが、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定し、ここで、メジャーメント情報は、第1のアクセスポイントのアクセスポイント識別子と、アクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含む。
【0163】
本発明のこの実施形態では、第1のアクセスポイントにより、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するための処理は、以下の3つの方法を含んでもよい。
【0164】
第1の方法では、第1のアクセスポイントにより、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定することは、以下のステップを含んでもよい。
【0165】
ステップD1:第1のアクセスポイントが、参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定する。
【0166】
ステップD2:第1のアクセスポイントが、参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、水平偏波方向は垂直偏波方向に垂直である。
【0167】
ステップD3:第1のアクセスポイントが、参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定する。
【0168】
ステップD4:参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いとき、第1のアクセスポイントが、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定する。
【0169】
ステップD5:参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高くないとき、第1のアクセスポイントが、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定する。
【0170】
本発明のこの実施形態におけるステップD1からD5については、前述の実施形態におけるステップ202のステップA1からA5が参照され得る。ステップD1からD5では、第1のアクセスポイントが、配置されるUEにより送信された参照信号を受信し、ステップA1からA5では、配置されるUEが、少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信する。したがって、ステップD1からD5における第1のアクセスポイントにより参照信号を処理するためのプロセスについては、ステップA1からA5におけるUEにより参照信号(例えば、第1の参照信号)を処理するためのプロセスが参照され得る。本発明のこの実施形態において再び詳細は説明されない。
【0171】
第2の方法では、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナが第1のアクセスポイント内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向は水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、第1のアクセスポイントにより、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定することは以下のステップを含む。
【0172】
ステップE1:第1のアクセスポイントが、垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定する。
【0173】
ステップE2:第1のアクセスポイントが、垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度がプリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定する。
【0174】
ステップE3:垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度がプリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいとき、第1のアクセスポイントが、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定する。
【0175】
ステップE4:垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度がプリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないとき、第1のアクセスポイントが、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定する。
【0176】
例えば、図2−3に示されているように、UEが配置された屋内環境が6つのフロアを有する建物であると仮定する。UEは、屋内環境に入った後、3階フロアから5階フロアの天井に配置されたアクセスポイント1から3のそれぞれに参照信号を送信する。UEにより送信され、垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイント1から3により受信される参照信号の強度はそれぞれ、10v/m(ボルト/メートル)、3v/m、及び5v/mである。プリセット垂直偏波信号閾値が8v/mであると仮定される。アクセスポイント1から3は、アクセスポイント1から3により受信された参照信号の強度の各々、すなわち10v/m、3v/m、及び5v/mと8v/mを比較し、受信された参照信号の強度が8v/mよりも大きいときは、受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定し、受信された参照信号の強度が8v/m以下であるときは、受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定する。例えば、第1のアクセスポイントがアクセスポイント1であり、第1のアクセスポイントが、第1のアクセスポイントにより受信された参照信号の強度、すなわち10v/mが8v/mよりも大きいと決定したと仮定すると、第1のアクセスポイントにより受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値が1として決定される。
【0177】
実際の適用例では、第1のアクセスポイントは、複数のUEにより送信された参照信号を受信してもよいが、いくつかの参照信号の強度は、UE又はいくつかの障害物のブロックからの距離が比較的長いことに起因して比較的弱い。この場合、第1のアクセスポイントは、参照信号強度がプリセット強度閾値未満である参照信号を無視し、参照信号強度がプリセット強度閾値以上である参照信号のみを処理してもよい。例えば、第1のアクセスポイントが3階フロア上に配置され、3階フロア上に配置されたUE1及び6階フロア上に配置されたUE2が建物内にあり、第1のアクセスポイントが、UE1及びUE2により送信された参照信号を受信し、各参照信号が対応するUE識別子を伝達すると仮定される。しかし、6階フロア上に配置されたUE2は第1のアクセスポイントから比較的遠いので、UE2により送信される参照信号は比較的弱い。UE2のUE識別子を伝達し第1のアクセスポイントにより受信される参照信号の信号強度はプリセット強度閾値未満であると仮定すると、第1のアクセスポイントは、UE2により送信された受信された参照信号を無視し、UE1により送信された受信された参照信号のみを処理する。このようにして、望まない信号を処理するためのプロセスが回避されることができ、第1のアクセスポイントの負荷が低減させられる。
【0178】
本発明のこの実施形態におけるステップE1からE4では、前述の実施形態におけるステップ202のステップB1からB4が参照され得る。ステップE1からE4では、第1のアクセスポイントが、配置されるUEにより送信された参照信号を受信し、ステップB1からB4では、配置されるUEが少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信する。したがって、ステップE1からE4において第1のアクセスポイントにより参照信号を処理するためのプロセスについては、ステップB1からB4においてUEにより参照信号(例えば、第1の参照信号)を処理するためのプロセスが参照され得る。本発明のこの実施形態において再び詳細は説明されない。
【0179】
第3の方法では、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがアクセスポイント内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向は水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、第1のアクセスポイントにより、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定することは以下のステップを含んでもよい。
【0180】
ステップF1:第1のアクセスポイントが、垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定する。
【0181】
ステップF2:第1のアクセスポイントが、水平偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定する。
【0182】
ステップF3:第1のアクセスポイントが、プロポーション関係値式に従って参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定し、ここで、プロポーション関係値式は、
X=arctan(M/N)であり、
ここで、Mは、垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度であり、Nは、水平偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度である。
【0183】
例えば、図2−3に示されているように、第1のアクセスポイントはアクセスポイント1であり、UEにより送信され垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイント1により受信される参照信号の強度は10v/mであり、UEにより送信され水平偏波アンテナを使用することによりアクセスポイント1により受信される参照信号の強度は1v/mであると仮定される。この場合、アクセスポイント1により受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値は、arctan(10/1)=arctan10である。
【0184】
本発明のこの実施形態におけるステップF1からF3では、前述の実施形態におけるステップ202のステップC1からC3が参照され得る。ステップF1からF3では、第1のアクセスポイントが、配置されるUEにより送信された参照信号を受信し、ステップC1からC3では、配置されるUEが少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信する。したがって、ステップF1からF3において第1のアクセスポイントにより参照信号を処理するためのプロセスについては、ステップC1からC3においてUEにより参照信号(例えば、第1の参照信号)を処理するためのプロセスが参照されることがある。本発明のこの実施形態において再び詳細は説明されない。
【0185】
ステップ403:第1のアクセスポイントが、ポジショニングサーバにメジャーメント情報を送信する。
【0186】
ステップ404:ポジショニングサーバが、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定する。
【0187】
ポジショニングサーバは、少なくとも1つのアクセスポイントにより送信されたメジャーメント情報を受信し、ここで、少なくとも1つのアクセスポイントが配置された屋内環境内のUEにより送信された参照信号を少なくとも1つのアクセスポイントが受信した後、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報が、受信された参照信号の偏波方向に基づいて決定され、各メジャーメント情報は、アクセスポイント識別子と、アクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含む。アクセスポイント識別子は、プロポーション関係値に対応する。
【0188】
ポジショニングサーバは、複数のアクセスポイントにより送信されたメジャーメント情報を受信してもよく、各メジャーメント情報は、各アクセスポイントを識別するためのアクセスポイント識別子を伝達してもよく、各アクセスポイントにより受信される参照信号は、複数のUEからであってもよい。したがって、UEは、参照信号を送信する前に、UE測位支援情報を送信する必要があり、UE測位支援情報は、UE識別子及び他の関連情報を伝達する。第1のアクセスポイントは、対応するUEにより送信された参照信号をUE測位支援情報に基づいて受信し、参照信号を受信した後に参照信号とUE識別子との間の対応関係を確立することができる。したがって、第1のアクセスポイントは最終的に、少なくとも1つの受信された参照信号に基づいて少なくとも1つの参照信号に対応するUE識別子を決定し、少なくとも1つのUE識別子を取得し、少なくとも1つのUE識別子と、少なくとも1つのUE識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とに基づいてメジャーメント情報を生成することができる。したがって、各メジャーメント情報がUE識別子を伝達してもよい。このことは、ポジショニングサーバが、配置されるUEを決定し、UEに測位情報を送信するのを助ける。ポジショニングサーバは、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信されたメジャーメント情報を受信した後、少なくとも1つのメジャーメント情報において伝達されるUE識別子に基づいて、異なるUEに対応するメジャーメント情報を決定し、同じUEのメジャーメント情報を処理して、UEが配置されたフロアを取得する必要がある。
【0189】
例えば、表5に列挙されているように、ポジショニングサーバは、それぞれアクセスポイント1及びアクセスポイント2により送信された4つのメジャーメント情報、すなわち情報1から情報4を受信し、情報1〜情報4において伝達されたUE識別子はそれぞれ、1、1、2、及び2である。この場合、これに応じて、情報1及び情報2は、UE1に対応するメジャーメント情報であり、UE1を測位するために使用され、情報3及び情報4は、UE2に対応するメジャーメント情報であり、UE2を測位するために使用される。
【0190】
【表5】
【0191】
本発明のこの実施形態では、1つの配置されるUEがあり、ポジショニングサーバにより受信される少なくとも1つのメジャーメント情報が同じUEのメジャーメント情報であることが、説明のための例として使用される。複数の配置されるUEがあるとき、各UEの処理プロセスについては、UEの処理プロセスが参照され得る。
【0192】
任意選択で、ポジショニングサーバにより、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するための方法は、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報におけるアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて目標アクセスポイント識別子を決定することと、目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせることと、目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定することとを含んでもよい。
【0193】
ポジショニングサーバにより、目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせ、目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定するための具体的な処理については、前述の実施形態におけるステップ2042及びステップ2043が参照され得る。本発明のこの実施形態において再び詳細は説明されない。
【0194】
例えば、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報におけるアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて目標アクセスポイント識別子を決定するための方法は、以下の2つの方法を含んでもよい。
【0195】
第1の方法:ポジショニングサーバは、垂直偏波方向の最大プロポーション関係値に対応する、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用する。
【0196】
任意選択で、ポジショニングサーバは、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報において、垂直偏波方向の最大プロポーション関係値を直接選択し、最大プロポーション関係値を有する参照信号に対応するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。ポジショニングサーバは代替として、プロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのメジャーメント情報をソートし、ソート結果に基づいて最大プロポーション関係値を決定し、最大プロポーション関係値に対応するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。例えば、ソートが降順で実行される際、1番目にランキングされるプロポーション関係値に対応するアクセスポイント識別子が目標アクセスポイント識別子として使用されてもよい。例えば、図2−3に示されているフロアポジショニングシナリオでは、アクセスポイント1から3により受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値がそれぞれ、0.8、0.2、及び0.5であり、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向の、アクセスポイント1から3により送られたメジャーメント情報(全部で3つのメジャーメント情報)において伝達されたプロポーション関係値がそれぞれ、0.8、0.2、及び0.5であると仮定される。この場合、垂直偏波方向の最大プロポーション関係値を有する参照信号がアクセスポイント1により受信され、すなわち、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子に対応する参照信号の垂直偏波方向のプロポーション関係値が最大である。ポジショニングサーバは、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子を取得し、取得されたアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。
【0197】
第2の方法:各メジャーメント情報は、アクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、RSRP、TOA、及びAOAのうちの少なくとも1つを含む。ポジショニングサーバは、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報における各アクセスポイント識別子に対応するプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得し、測定値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を取得し、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を取得し、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度及び各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して、各アクセスポイント識別子の目標優先度を取得し、最高目標優先度を有するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用してもよい。
【0198】
本発明のこの実施形態では、加重平均値を算出するために使用される重みが事前に設定される。加重平均式がE=r1*K1+r2*K2+r3*K3+g*H、r1+r2+r3+g=1であると仮定される。K1は、RSRP測定値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を表し、r1は、K1の重みを表し、K2は、TOA測定値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を表し、r2は、K2の重みを表し、K3は、AOA測定値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を表し、r3は、K3の重みを表し、Hは、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を表し、gはHの重みを表し、各アクセスポイント識別子は、UEが配置された屋内環境内の任意のアクセスポイントにより送信される。メジャーメント情報がRSRP、TOA、又はAOAを含まないとき、メジャーメント情報に含まれないパラメータに対応する第1の優先度の重みは0である。例えば、メジャーメント情報がTOAのみを含むとき、r1及びr3は0、E=r2*K2+g*H、r2+g=1である。加重平均式が本発明のこの実施形態における単なる説明のための例であり、別の加重平均式に基づく計算を介して取得された加重平均値も本発明の実施形態の保護範囲内であるべきことに留意されたい。
【0199】
本発明のこの実施形態では、すべてのソートを介して取得された優先度とシーケンス番号値との間の対応関係は一定である。例えば、プリセットメジャーメントパラメータの測定値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度が、シーケンス番号値と正の相関がある場合、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度が、シーケンス番号値と正の相関があり、各アクセスポイント識別子の目標優先度がシーケンス番号値と正の相関がある。プリセットメジャーメントパラメータの測定値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度が、シーケンス番号値と負の相関がある場合、垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して取得された、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度が、シーケンス番号値と負の相関があり、各アクセスポイント識別子の目標優先度がシーケンス番号値と負の相関がある。例えば、プリセットメジャーメントパラメータがAOAを含むと仮定すると、次の数式E=r3*K3+g*H及びr3+g=1が真であり、r3=30%及びg=70%が仮定される。図2−3に示されているフロアポジショニングシナリオでは、アクセスポイント1から3のアクセスポイント識別子に対応するAOAはそれぞれ、30°、90°、及び70°である。アクセスポイント1から3のアクセスポイント識別子は、表6に列挙されているようにAOA測定値の昇順でソートされてもよい。アクセスポイント識別子のソートシーケンスは、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子、アクセスポイント3のアクセスポイント識別子、及びアクセスポイント2のアクセスポイント識別子である。より高い順位はより高い第1の優先度を示すので、この実施形態では、表におけるより小さいシーケンス番号値は、より高い第1の優先度を示す。例えば、アクセスポイント1から3のアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向の、アクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を、第1のアクセスポイントにより決定する第3の実装可能な方法に従って決定されたプロポーション関係値はそれぞれ、1、0、及び0である。アクセスポイント1から3のアクセスポイント識別子は、表2に列挙されているように垂直偏波方向のプロポーション関係値の降順でソートされてもよい。アクセスポイント識別子のソートシーケンスは、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子、そして、アクセスポイント2及びアクセスポイント3のアクセスポイント識別子である。より高い順位はより高い第2の優先度を示すので、この実施形態では、表7におけるより小さいシーケンス番号値は、より高い第2の優先度を示す。第1の優先度が、対応するシーケンス番号値により表され、第2の優先度が、対応するシーケンス番号値により表され、優先度はシーケンス番号値と負の相関があると仮定される。この場合、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子については、第1の優先度に対応するシーケンス番号値はであり、第2の優先度に対応するシーケンス番号値は1であり、加重平均値式に基づく計算を介して取得された、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子の目標優先度に対応するシーケンス番号値は、30%*1+70%*1=1である。これに応じて、アクセスポイント2のアクセスポイント識別子については、第1の優先度に対応するシーケンス番号値はであり、第2の優先度に対応するシーケンス番号値はであり、加重平均値式に基づく計算を介して取得された、アクセスポイント2のアクセスポイント識別子の目標優先度に対応するシーケンス番号値は、30%*3+70%*2=2.3である。アクセスポイント3のアクセスポイント識別子については、第1の優先度に対応するシーケンス番号値は2であり、第2の優先度に対応するシーケンス番号値は2であり、加重平均値式に基づく計算を介して取得された、アクセスポイント3のアクセスポイント識別子の目標優先度に対応するシーケンス番号値は、30%*2+70%*2=2である。アクセスポイント1のアクセスポイント識別子の目標優先度に対応するシーケンス番号値が最小であり、それに応じてアクセスポイント1のアクセスポイント識別子の目標優先度が最高であるので、アクセスポイント1のアクセスポイント識別子は目標アクセスポイント識別子として使用される。
【0200】
【表6】

【0201】
【表7】

【0202】
実際の適用例では、第1の優先度が、対応するシーケンス番号値により表されてもよく、第2の優先度が、対応するシーケンス番号値により表されてもよく、優先度はシーケンス番号値と正の相関がある。言い換えれば、より大きいシーケンス番号値がより高い優先度を示し、加重平均式に基づいて取得された、目標優先度に対応するより大きいシーケンス番号値は、より高い優先度を示す。したがって、最高目標優先度に対応するアクセスポイント識別子が目標アクセスポイント識別子として使用される。
【0203】
ステップ402において生成されたメジャーメント情報が、加重平均値とアクセスポイント識別子とを含んでもよく、加重平均値が第1のアクセスポイントによる計算を介して取得されることに留意されたい。例えば、第1のアクセスポイントは、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を決定し、ここで、垂直偏波方向は、重力方向と平行であり、参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得し、ここで、プリセットメジャーメントパラメータは、RSRP、TOA、及びAOAのうちの少なくとも1つを含み、参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値と垂直偏波方向のプロポーション関係値の加重平均値を取得する。ステップ404において、ポジショニングサーバにより、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するためのプロセスは、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報における最大加重平均値に対応するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用することと、目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせることと、目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定することとを含んでもよい。
【0204】
ステップ405:ポジショニングサーバが、UEの位置情報をUEに送信し、ここで、UEの位置情報はUEのフロア情報を含む。
【0205】
UEが、ポジショニングサーバにより送信されたUEの位置情報を受信した後、UEの位置情報がUEのフロア情報を含むので、UEは、UEのフロア位置をユーザに示してもよく、それによりユーザは現在のフロア位置を知る。
【0206】
本発明のこの実施形態では、アクセスポイントは、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定し、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信することができ、それに応じて、ポジショニングサーバは、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定することができる。参照信号の偏波方向は、2つのパラメータ、すなわち参照信号の信号強度及び信号伝搬方向を反映し、フロア決定に使用されるパラメータは、関連技術においてRSRP又はTOAをソートするための方法を単に使用することにより実行されるフロア決定に使用されるパラメータよりも豊富である。したがって、UEのフロア位置が正確に取得されることができる。
【0207】
本発明のこの実施形態において提供されるフロアポジショニング方法のステップの順序が適切に調整されてもよく、代替として、それに応じて、ステップがケースに応じて追加又は削除されてもよいことに留意されたい。本発明において開示された技術的範囲内において当業者により容易に想到されるすべての変形方法が本発明の保護範囲内であるべきものであり、したがって、説明されない。
【0208】
さらに、前述の実施形態において、図2−1から図2−4、図3、及び図4に示されている関連処理については、互いに参照され得る。実際の適用例では、関連するステップが組み合わされるか又は交換されてもよい。したがって、本発明の趣旨及び原則から逸脱せずに施されるあらゆる修正、均等な置換、及び改良は、本発明の保護範囲内であるべきものとする。
【0209】
図5は、本発明の別の実施形態によるUE5の概略構成図である。UE5は、送信機51と、受信機52と、プロセッサ53とを含み、
受信機52は、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信するように構成され、
プロセッサ53は、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するように構成され、メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含み、
送信機51は、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信するように構成され、
受信機52は、ポジショニングサーバにより送信されたUEの位置情報を受信するようにさらに構成され、UEの位置情報は、UEのフロア位置を含み、UEのフロア位置は、メジャーメント情報に基づいて決定される。
【0210】
任意選択で、プロセッサ53は具体的には、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、水平偏波方向が垂直偏波方向に垂直であり、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定し、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高くないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するように構成される。
【0211】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、プロセッサ53は具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定し、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するように構成される。
【0212】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、プロセッサ53は具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、
プロポーション関係値式に従って第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定するように構成され、プロポーション関係値式が、
X=arctan(M/N)であり、ここで、
Mは、垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度であり、Nは、水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度である。
【0213】
任意選択で、メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含む。
【0214】
本発明のこの実施形態では、受信機は、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信することができ、プロセッサは、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定し、送信機は、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信し、それに応じて、ポジショニングサーバは、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定することができる。参照信号の偏波方向は、2つのパラメータ、すなわち参照信号の信号強度及び信号伝搬方向を反映し、フロア決定に使用されるパラメータは、関連技術においてRSRP又はTOAをソートするための方法を単に使用することにより実行されるフロア決定に使用されるパラメータよりも豊富である。したがって、UEのフロア位置が正確に取得されることができる。
【0215】
図6は、本発明の実施形態によるポジショニングサーバ6の概略構成図である。ポジショニングサーバ6は、送信機61と、受信機62と、プロセッサ63とを含み、
受信機62は、ユーザ機器UEにより送信されたメジャーメント情報を受信するように構成され、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号をUEが受信した後に、メジャーメント情報が、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいて決定され、メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子と、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含み、
プロセッサ63は、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するように構成され、
送信機61は、UEの位置情報をUEに送信するように構成され、UEの位置情報は、UEのフロア位置を含む。
【0216】
任意選択で、プロセッサ63は具体的には、
少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定し、
目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせ、
目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定するように構成される。
【0217】
任意選択で、プロセッサ63は具体的には、垂直偏波方向の最大プロポーション関係値に対応する、少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0218】
任意選択で、メジャーメント情報は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含み、プロセッサ63は具体的には、
少なくとも1つのアクセスポイント識別子の各々に対応するプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得し、
測定値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を取得し、
垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を取得し、
各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度及び各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して、各アクセスポイント識別子の目標優先度を取得し、
少なくとも1つのアクセスポイント識別子における最高目標優先度を有するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0219】
本発明のこの実施形態では、プロセッサは、受信機により受信されたメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定することができ、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号をUEが受信した後に、メジャーメント情報が、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいて決定される。参照信号の偏波方向は、2つのパラメータ、すなわち参照信号の信号強度及び信号伝搬方向を反映し、フロア決定に使用されるパラメータは、関連技術においてRSRP又はTOAをソートするための方法を単に使用することにより実行されるフロア決定に使用されるパラメータよりも豊富である。したがって、UEのフロア位置が正確に取得されることができる。
【0220】
本発明の実施形態は、図5に示されるUE5と、図6に示されるポジショニングサーバ6と、少なくとも1つのアクセスポイントとを含むフロアポジショニングシステムを提供する。
【0221】
図7は、本発明の実施形態によるUE7の概略構成図である。UE7は、送信機71と、受信機72と、プロセッサ73とを含み、
受信機72は、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信するように構成され、
プロセッサ73は、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を決定するように構成され、少なくとも1つの参照信号は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応し、
プロセッサ73は、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から目標アクセスポイント識別子を決定するようにさらに構成され、
送信機71は、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信するように構成され、メジャーメント情報は、目標アクセスポイント識別子を含み、
受信機72は、ポジショニングサーバにより送信されたUEの位置情報を受信するようにさらに構成され、UEの位置情報は、UEのフロア位置を含み、UEのフロア位置は、メジャーメント情報に基づいて決定される。
【0222】
任意選択で、プロセッサ73は具体的には、垂直偏波方向の最大プロポーション関係値を有する参照信号に対応する、少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0223】
任意選択で、プロセッサ73は具体的には、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得し、ここで、プリセットメジャーメントパラメータが、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含み、
測定値に基づくソートを介して、少なくとも1つの受信された参照信号の各々に対応する第1の優先度を取得し、
垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各参照信号に対応する第2の優先度を取得し、
各参照信号に対応する第1の優先度及び各参照信号に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して、各参照信号の目標優先度を取得し、
最高目標優先度を有する参照信号に対応する、少なくとも1つのアクセスポイント識別子におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0224】
任意選択で、プロセッサ73は具体的には、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、水平偏波方向が垂直偏波方向に垂直であり、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定し、
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
第1の参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが第1の参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高くないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するように構成される。
【0225】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、プロセッサ73は具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定し、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された第1の参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないときに、第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するように構成される。
【0226】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがUE内に配置され、プロセッサ73は具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、ここで、第1の参照信号が少なくとも1つのアクセスポイントのうちの1つにより送信され、
水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度を決定し、
プロポーション関係値式に従って第1の参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定するように構成され、プロポーション関係値式が、
X=arctan(M/N)であり、ここで、
Mは、垂直偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度であり、Nは、水平偏波アンテナを使用することによりUEにより受信された第1の参照信号の信号強度である。
【0227】
本発明のこの実施形態では、受信機は、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号を受信することができ、プロセッサは、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定し、送信機はメジャーメント情報をポジショニングサーバに送信し、それに応じて、ポジショニングサーバは、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定することができる。参照信号の偏波方向は、2つのパラメータ、すなわち参照信号の信号強度及び信号伝搬方向を反映し、フロア決定に使用されるパラメータは、関連技術においてRSRP又はTOAをソートするための方法を単に使用することにより実行されるフロア決定に使用されるパラメータよりも豊富である。したがって、UEのフロア位置が正確に取得されることができる。
【0228】
図8は、本発明の実施形態によるポジショニングサーバ8の概略構成図である。ポジショニングサーバ8は、送信機81と、受信機82と、プロセッサ83とを含み、
受信機82は、ユーザ機器UEにより送信されたメジャーメント情報を受信するように構成され、メジャーメント情報は、目標アクセスポイント識別子を含み、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号をUEが受信し、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値が決定された後に、目標アクセスポイント識別子が、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から決定され、少なくとも1つの参照信号は、少なくとも1つのアクセスポイント識別子に対応し、
プロセッサ83は、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するように構成され、
送信機81は、UEの位置情報をUEに送信するように構成され、UEの位置情報は、UEのフロア位置を含む。
【0229】
任意選択で、プロセッサ83は具体的には、
目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせ、
目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定するように構成される。
【0230】
本発明のこの実施形態では、プロセッサは、受信機により受信されたメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定することができ、メジャーメント情報は、目標アクセスポイント識別子を含み、UEが配置された屋内環境内の少なくとも1つのアクセスポイントにより送信された参照信号をUEが受信し、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値が決定された後に、目標アクセスポイント識別子が、少なくとも1つの受信された参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて少なくとも1つのアクセスポイント識別子から決定される。参照信号の偏波方向は、2つのパラメータ、すなわち参照信号の信号強度及び信号伝搬方向を反映し、フロア決定に使用されるパラメータは、関連技術においてRSRP又はTOAをソートするための方法を単に使用することにより実行されるフロア決定に使用されるパラメータよりも豊富である。したがって、UEのフロア位置が正確に取得されることができる。
【0231】
本発明の実施形態は、図7に示されるUE7と、図8に示されるポジショニングサーバ8と、少なくとも1つのアクセスポイントとを含むフロアポジショニングシステムを提供する。
【0232】
図9は、本発明の実施形態によるアクセスポイント9の概略構成図である。アクセスポイント9は、送信機91と、受信機92と、プロセッサ93とを含み、
受信機92は、アクセスポイントが配置された屋内環境内のUEにより送信された参照信号を受信するように構成され、
プロセッサ93は、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定するように構成され、メジャーメント情報は、アクセスポイントのアクセスポイント識別子と、アクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含み、
送信機91は、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信するように構成され、それにより、ポジショニングサーバは、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定し、UEのフロア位置をUEに送信する。
【0233】
任意選択で、プロセッサ93は具体的には、
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、
参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いを決定し、ここで、水平偏波方向が垂直偏波方向に垂直であり、
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いかどうかを決定し、
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高いときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
参照信号の偏波方向と垂直偏波方向との間の方向近似の度合いが参照信号の偏波方向と水平偏波方向との間の方向近似の度合いよりも高くないときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するように構成される。
【0234】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがアクセスポイント内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、プロセッサ93は具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定し、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいかどうかを決定し、
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きいときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を1として決定するか、又は
垂直偏波アンテナを使用することにより受信された参照信号の信号強度が、プリセット垂直偏波信号閾値よりも大きくないときに、参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値を0として決定するように構成される。
【0235】
任意選択で、垂直偏波アンテナ及び水平偏波アンテナがアクセスポイント内に配置され、垂直偏波アンテナの信号送信/受信方向が水平偏波アンテナの信号送信/受信方向に垂直であり、プロセッサ93は具体的には、
垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定し、
水平偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度を決定し、
プロポーション関係値式に従って参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値Xを決定するように構成され、プロポーション関係値式が、
X=arctan(M/N)であり、ここで、
Mは、垂直偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度であり、Nは、水平偏波アンテナを使用することによりアクセスポイントにより受信された参照信号の信号強度である。
【0236】
任意選択で、メジャーメント情報は、アクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含む。
【0237】
本発明のこの実施形態では、受信機は、アクセスポイントが配置された屋内環境内のUEにより送信された参照信号を受信することができ、プロセッサは、受信された参照信号の偏波方向に基づいてメジャーメント情報を決定し、送信機は、メジャーメント情報をポジショニングサーバに送信し、それに応じて、ポジショニングサーバは、メジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定し、フロア位置をUEに送信する。参照信号の偏波方向は、2つのパラメータ、すなわち参照信号の信号強度及び信号伝搬方向を反映し、フロア決定に使用されるパラメータは、関連技術においてRSRP又はTOAをソートするための方法を単に使用することにより実行されるフロア決定に使用されるパラメータよりも豊富である。したがって、UEのフロア位置が正確に取得されることができる。
【0238】
図10は、本発明の実施形態によるポジショニングサーバ10の概略構成図である。ポジショニングサーバ10は、送信機101と、受信機102と、プロセッサ103とを含み、
受信機102は、少なくとも1つのアクセスポイントにより送信されたメジャーメント情報を受信するように構成され、少なくとも1つのアクセスポイントが配置された屋内環境内のUEにより送信された参照信号を少なくとも1つのアクセスポイントが受信した後に、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報が、受信された参照信号の偏波方向に基づいて決定され、各メジャーメント情報は、アクセスポイント識別子と、アクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含み、
プロセッサ103は、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定するように構成され、
送信機101は、UEの位置情報をUEに送信するように構成され、UEの位置情報は、UEのフロア位置を含む。
【0239】
任意選択で、プロセッサ103は具体的には、
少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報におけるアクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づいて目標アクセスポイント識別子を決定し、
目標アクセスポイント識別子に基づいてアクセスポイント識別子とフロアとの間の事前設定された対応関係について問い合わせ、
目標アクセスポイント識別子に対応するフロアをUEのフロア位置として決定するように構成される。
【0240】
任意選択で、プロセッサ103は具体的には、
垂直偏波方向の最大プロポーション関係値に対応する、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報におけるアクセスポイント識別子を、目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0241】
任意選択で、各メジャーメント情報は、アクセスポイント識別子に対応する参照信号のプリセットメジャーメントパラメータの測定値をさらに含み、プリセットメジャーメントパラメータは、参照信号受信電力RSRP、到来時間TOA、及び到来角AOAのうちの少なくとも1つを含み、プロセッサ103は具体的には、
少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報における各アクセスポイント識別子に対応するプリセットメジャーメントパラメータの測定値を取得し、
測定値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度を取得し、
垂直偏波方向のプロポーション関係値に基づくソートを介して、各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度を取得し、
各アクセスポイント識別子に対応する第1の優先度及び各アクセスポイント識別子に対応する第2の優先度の加重平均値を取得して、各アクセスポイント識別子の目標優先度を取得し、
最高目標優先度を有するアクセスポイント識別子を目標アクセスポイント識別子として使用するように構成される。
【0242】
本発明のこの実施形態では、プロセッサは、少なくとも1つのアクセスポイントにより送信され受信機により受信されたメジャーメント情報に基づいてUEのフロア位置を決定して、UEのフロア位置をUEに送信し、少なくとも1つのアクセスポイントが配置された屋内環境内のUEにより送信された参照信号を少なくとも1つのアクセスポイントが受信した後に、少なくとも1つの受信されたメジャーメント情報が、受信された参照信号の偏波方向に基づいて決定され、各メジャーメント情報は、アクセスポイント識別子と、アクセスポイント識別子に対応する参照信号の偏波方向に関する垂直偏波方向のプロポーション関係値とを含む。参照信号の偏波方向は、2つのパラメータ、すなわち参照信号の信号強度及び信号伝搬方向を反映し、フロア決定に使用されるパラメータは、関連技術においてRSRP又はTOAをソートするための方法を単に使用することにより実行されるフロア決定に使用されるパラメータよりも豊富である。したがって、UEのフロア位置が正確に取得されることができる。
【0243】
本発明の実施形態は、フロアポジショニングシステムを提供し、
図9に示されるアクセスポイント9と、図10に示されるポジショニングサーバ10と、UEとを含む。
【0244】
好ましい簡単な説明を目的として、前述のシステム、デバイス、及びモジュールの詳細なワーキングプロセスについては、前述の方法実施形態における対応する処理が参照され得ることが、当業者には明らかに理解されうる。本明細書において再び詳細は説明されない。
【0245】
当業者は、実施形態のステップのうちのすべて又はいくつかがハードウェア又は関連するハードウェアに命令するプログラムにより実装されてもよいことを理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体は、読取り専用メモリ、磁気ディスク、光ディスクなどであってもよい。
【0246】
前述の説明は、本発明の実施形態の単なる例であり、本発明を限定することは意図されていない。本発明の趣旨及び原則から逸脱せずになされるあらゆる修正、均等な置換、及び改良は、本発明の保護範囲内であるべきものとする。
図1
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10