(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1プリント配線板、第2プリント配線板、および前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを電気的に接続するプリント配線板間コネクタとを備えて構成され、旧機器から新機器に置き換えた際に、旧機器で用いられていた配線群を新機器に接続可能とする配線変換アダプタであって、
前記第1プリント配線板は、前記旧機器の前記配線群が接続可能な第1コネクタと、前記プリント配線板間コネクタの前記第1プリント配線板に挿入されるべきピンが挿入される第1のスルーホール群とを有して構成され、
前記第2プリント配線板は、前記新機器のコネクタと接続可能な第2コネクタと、前記プリント配線板間コネクタの前記第2プリント配線板に挿入されるべきピンが挿入される第2のスルーホール群とを有して構成され、
前記第1のスルーホール群は、
前記プリント配線板間コネクタが有するピンの数よりも多くの数からなるスルーホールで形成されており、前記プリント配線板間コネクタを複数の異なる位置で実装可能であり、
かつ、異なる位置で前記プリント配線板間コネクタを実装した際に、いずれの位置に実装された場合にも共通で使用される第1の共通スルーホール群を有し、
前記第2のスルーホール群は、
前記プリント配線板間コネクタが有するピンの数よりも多くの数からなるスルーホールで形成されており、前記プリント配線板間コネクタを複数の異なる位置で実装可能であり、
かつ、異なる位置で前記プリント配線板間コネクタを実装した際に、いずれの位置に実装された場合にも共通で使用される第2の共通スルーホール群を有し、
前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを前記プリント配線板間コネクタで接続する際に、前記第1のスルーホール群および前記第2のスルーホール群のそれぞれに対する前記プリント配線板間コネクタのピンの実装位置を変えることで、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの配線接続パターンを切り替え可能な構造を有する
配線変換アダプタ。
前記第1のスルーホール群は、前記第1の共通スルーホール群と第1配線接続パターン用のスルーホール群との間、および前記第1の共通スルーホール群と第2配線接続パターン用のスルーホール群との間の両方に、スルーホールが設けられていない第1の歯抜け領域を有し、
前記第2のスルーホール群は、前記第2の共通スルーホール群と第1配線接続パターン用のスルーホール群との間、および前記第2の共通スルーホール群と第2配線接続パターン用のスルーホール群との間の両方に、スルーホールが設けられていない第2の歯抜け領域を有し、
前記プリント配線板間コネクタは、前記第1配線接続パターンを形成するための第1実装位置において前記第1の歯抜け領域と対向する位置、および前記第2配線接続パターンを形成するための第2実装位置において前記第2の歯抜け領域と対向する位置の両方に、ピンが立っていない第3の歯抜け領域を有し、前記第1実装位置および前記第2実装位置以外では、前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板との接続を不可能とする構成を有する
請求項2に記載の配線変換アダプタ。
前記第1のスルーホール群は、第2配線接続パターン用のスルーホール群が前記第1の共通スルーホール群と隣接する側と反対側に、スルーホールが設けられていない第1の歯抜け領域を介してさらに第3配線接続パターン用のスルーホール群が形成されており、
前記第2のスルーホール群は、第2配線接続パターン用のスルーホール群が前記第2の共通スルーホール群と隣接する側と反対側に、スルーホールが設けられていない第1の歯抜け領域を介してさらに第3配線接続パターン用のスルーホール群が形成されており、
前記プリント配線板間コネクタは、
第3配線接続パターンを形成するための第3実装位置において、前記第1の歯抜け領域と対向する位置に、ピンが立っていない第3の歯抜け領域を有する第2プリント配線板間コネクタ、
または、前記第3の歯抜け領域を有さず、前記第1配線接続パターンを形成するための第1実装位置と前記第2配線接続パターンを形成するための第2実装位置とで実装可能な第1プリント配線板間コネクタ
のいずれかが使用され、
前記第1プリント配線板間コネクタが使用される場合には、前記第1プリント配線板間コネクタを横方向にシフトさせた実装位置で、前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを接続することで、前記第1配線接続パターンと前記第2配線接続パターンとの切り替えを可能とし、
前記第2プリント配線板間コネクタが使用される場合には、前記第2プリント配線板間コネクタを前記第3実装位置に実装して前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを接続することで、前記第3配線接続パターンへの切り替えを可能とする
請求項2に記載の配線変換アダプタ。
前記プリント配線板間コネクタは、プリント配線板実装状態において、前記第1プリント配線板上および前記第2プリント配線板上の特定のシルク印刷部を覆うように延長され、ピンが配置されていない延長形状部を有する
請求項1から6のいずれか1項に記載の配線変換アダプタ。
第1プリント配線板、第2プリント配線板、および前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを電気的に接続するプリント配線板間コネクタとを備えて構成され、旧機器から新機器に置き換えた際に、旧機器で用いられていた配線群を新機器に接続可能とする配線変換アダプタであって、
前記第1プリント配線板は、前記旧機器の前記配線群が接続可能な第1コネクタと、前記プリント配線板間コネクタの前記第1プリント配線板に挿入されるべきピンが挿入される第1のスルーホール群とを有し、切り替え対象であるそれぞれの配線接続パターンに対して共通化して構成され、
前記第2プリント配線板は、前記新機器のコネクタと接続可能な第2コネクタと、前記プリント配線板間コネクタの前記第2プリント配線板に挿入されるべきピンが挿入される第2のスルーホール群とを有し、前記それぞれの配線接続パターンに対して個別化して構成され、
前記第1のスルーホール群は、
前記プリント配線板間コネクタが有するピンの数よりも多くの数からなるスルーホールで形成されており、前記プリント配線板間コネクタを複数の異なる位置で実装可能であり、
かつ、異なる位置で前記プリント配線板間コネクタを実装した際に、いずれの位置に実装された場合にも共通で使用される第1の共通スルーホール群を有し、
前記第2のスルーホール群は、
前記プリント配線板間コネクタが有するピンの数と同数からなるスルーホールで形成されており、
かつ、前記それぞれの配線接続パターンに対して共通で使用される第2の共通スルーホール群を有し、
前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを前記プリント配線板間コネクタで接続する際に、前記第1のスルーホール群に対する前記プリント配線板間コネクタのピンの実装位置を変えることで、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの配線接続パターンを切り替え可能な構造を有する
配線変換アダプタ。
第1プリント配線板、第2プリント配線板、および前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを電気的に接続するプリント配線板間コネクタとを備えて構成され、旧機器から新機器に置き換えた際に、旧機器で用いられていた配線群を新機器に接続可能とする配線変換アダプタであって、
前記第1プリント配線板は、前記新機器の前記配線群が接続可能な第1コネクタと、前記プリント配線板間コネクタの前記第1プリント配線板に挿入されるべきピンが挿入される第1のスルーホール群とを有し、切り替え対象であるそれぞれの配線接続パターンに対して共通化して構成され、
前記第2プリント配線板は、前記旧機器のコネクタと接続可能な第2コネクタと、前記プリント配線板間コネクタの前記第2プリント配線板に挿入されるべきピンが挿入される第2のスルーホール群とを有し、前記それぞれの配線接続パターンに対して個別化して構成され、
前記第1のスルーホール群は、
前記プリント配線板間コネクタが有するピンの数よりも多くの数からなるスルーホールで形成されており、前記プリント配線板間コネクタを複数の異なる位置で実装可能であり、
かつ、異なる位置で前記プリント配線板間コネクタを実装した際に、いずれの位置に実装された場合にも共通で使用される第1の共通スルーホール群を有し、
前記第2のスルーホール群は、
前記プリント配線板間コネクタが有するピンの数と同数からなるスルーホールで形成されており、
かつ、前記それぞれの配線接続パターンに対して共通で使用される第2の共通スルーホール群を有し、
前記第1プリント配線板と前記第2プリント配線板とを前記プリント配線板間コネクタで接続する際に、前記第1のスルーホール群に対する前記プリント配線板間コネクタのピンの実装位置を変えることで、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの配線接続パターンを切り替え可能な構造を有する
配線変換アダプタ。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の配線変換アダプタの好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0019】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る配線変換アダプタを構成する各部品構成を示した説明図である。本実施の形態1における配線変換アダプタは、第1プリント配線板10、第2プリント配線板20、およびプリント配線板間コネクタ30を備えて構成されている。プリント配線板間コネクタ30を間に挟んで第1プリント配線板10と第2プリント配線板20とを接続することで、配線変換アダプタが形成される。
【0020】
第1プリント配線板10は、旧機種で用いられている既存の配線群が接続できる第1コネクタ11と、プリント配線板間コネクタ30の複数のピンと接続されるためのスルーホール群12aが設けられた第1のスルーホール領域12とを含んで構成されている。
【0021】
一方、第2プリント配線板20は、新機種のモジュールに接続可能な第2コネクタ21と、プリント配線板間コネクタ30の複数のピンと接続されるためのスルーホール群22aが設けられた第2のスルーホール領域22とを含んで構成されている。スルーホール群12、またはスルーホール群22は、表面実装タイプのプリント配線板間コネクタを使用するためのパッドで代用しても良い。
【0022】
プリント配線板間コネクタ30は、第1のスルーホール領域12に設けられたスルーホール群12aと、第2のスルーホール領域22に設けられたスルーホール群22aとを接続するための複数のピンを有しており、これら複数のピンが、表面および裏面の両側に突出している。
【0023】
そして、表面の複数のピンをスルーホール群12aに挿入し、裏面の複数のピンをスルーホール群22aに挿入し、それぞれ半田付けすることで、第1プリント配線板10、第2プリント配線板20、プリント配線板間コネクタ30で構成された配線変換アダプタが完成する。
【0024】
図示は省略しているが、第1コネクタ11とスルーホール群12aとを接続する第1プリント配線板10上の配線パターンと、第2コネクタ21とスルーホール群22aとを接続する第2プリント配線板20上の配線パターンを工夫することで、第1コネクタ11と第2コネクタ21との間で所望の配線切り替えが実現できる。
【0025】
ここで、本願発明では、プリント配線板間コネクタ30に設けられた複数のピンの数よりも、スルーホール群12aおよびスルーホール群22aに設けられたスルーホールの数が多く設けられており、プリント配線板間コネクタ30の実装位置に応じて、第1コネクタ11と第2コネクタ21との間の配線切り替えパターンを変更できる点を特徴としている。そこで、この特徴について、次に、詳細に説明する。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態1における配線変換アダプタにおいて、プリント配線板間コネクタ30の実装位置に応じて2つの配線切り替えパターンを実現する説明図である。より具体的には、
図2(a)は、第1の配線パターンを実現するためのプリント配線板間コネクタ30の実装位置を例示しており、
図2(b)は、第2の配線パターンを実現するためのプリント配線板間コネクタ30の実装位置を例示している。なお、プリント配線板間コネクタ30は、第1の配線パターンを接続する実装位置、および第2の配線パターンを接続する実装位置、いずれの場合においても、同一部品にて実現している。
【0027】
なお、
図2においては、図示および説明を簡略化するために、スルーホール群12aを構成する各スルーホール、およびスルーホール群22aを構成する各スルーホールが、縦一列として、かつ12個として構成されている場合を例示している。
【0028】
第1プリント配線板10上に設けられたスルーホール群12aは、スルーホール12a1、スルーホール12a2、スルーホール12a3の3種のスルーホールで構成されている。ここで、
図2中でスルーホール群12aの中央部分に設けられたスルーホール12a2は、第1の配線パターンと第2の配線パターンとで共通の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。
【0029】
これに対して、
図2中でスルーホール群12aの上端部に設けられたスルーホール12a1は、第1の配線パターンに固有の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。また、
図2中でスルーホール群12aの下端部に設けられたスルーホール12a3は、第2の配線パターンに固有の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。
【0030】
同様に、第2プリント配線板20上に設けられたスルーホール群22aは、スルーホール22a1、スルーホール22a2、スルーホール22a3の3種のスルーホールで構成されている。ここで、
図2中でスルーホール群22aの中央部分に設けられたスルーホール22a2は、第1の配線パターンと第2の配線パターンとで共通の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。
【0031】
これに対して、
図2中でスルーホール群22aの上端部に設けられたスルーホール22a1は、第1の配線パターンに固有の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。また、
図2中でスルーホール群22aの下端部に設けられたスルーホール22a3は、第2の配線パターンに固有の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。
【0032】
図2(a)では、共通部分であるスルーホール12a2とスルーホール22a2が接続され、第1の配線パターンに固有であるスルーホール12a1とスルーホール22a1が接続され、その一方で、第2の配線パターンに固有であるスルーホール12a3とスルーホール22a3が接続されない位置に、プリント配線板間コネクタ30が接続されている。この結果、
図2(a)の接続構成により、第1の配線パターンに従った配線切り替えが実現できる。
【0033】
これに対して、
図2(b)では、共通部分であるスルーホール12a2とスルーホール22a2が接続され、第2の配線パターンに固有であるスルーホール12a3とスルーホール22a3が接続され、その一方で、第1の配線パターンに固有であるスルーホール12a1とスルーホール22a1が接続されない位置に、プリント配線板間コネクタ30が接続されている。この結果、
図2(b)の接続構成により、第2の配線パターンに従った配線切り替えが実現できる。
【0034】
換言すると、第1プリント配線板および第2プリント配線板をそれぞれ1種類として共用化した上で、プリント配線板間コネクタ30の接続位置を変更することで、プリント配線板上にロータリースイッチあるいはジャンパピン等の回路切替用の部品を設けることなく、第1の配線パターンと第2の配線パターンを容易に切り替えることができる。
【0035】
なお、本発明は、プリント配線板間コネクタの実装位置を変えることで、複数の配線パターンに対応するために、以下のような工夫をしている。まず始めに、複数の配線パターンで、共通な部分を抽出する。そして、抽出した共通部分が、第1のスルーホール領域12および第2のスルーホール領域22の中央部に配置されるように、第1プリント配線板10および第2プリント配線板20の配線パターンを設計する。
【0036】
次に、それぞれの配線パターンで固有の部分を抽出する。そして、抽出した固有部分が、第1のスルーホール領域12および第2のスルーホール領域22の端部にまとまって配置されるように、第1プリント配線板10および第2プリント配線板20の配線パターンを設計する。
【0037】
そして、第1プリント配線板10上、および第2プリント配線板20上では、それぞれの配線パターンに対応するプリント配線板間コネクタ30の接続位置を明示するように、シルク印刷を施している。接続位置を明示する方法は、シルク印刷に限らない。たとえば、ソルダレジストによる表示、プリンタ印刷による表示、銅箔による表示でも良い。
【0038】
以上のような工夫を施すことにより製造される本発明に係る配線変換アダプタについて、より具体的な実施例について、図面を用いて説明する。
【0039】
図3は、本発明の実施の形態1における配線変換アダプタの第1実施例を示した図である。具体的には、この
図3は、プリント配線板間コネクタ30の実装位置の変更に対応するための、第1プリント配線板のピン配置およびシルク印刷に関する説明図に相当する。
【0040】
先の
図2とは異なり、
図3では、プリント配線板間コネクタ30に設けられた複数のピンが、2×6の列状に配列されている場合を例示している。また、
図3では、第1プリント配線板10を例にスルーホール群12aを示しており、第2プリント配線板20についても、同様の構成を採用することができるが、第2プリント配線板20に関しては、図示を省略する。
【0041】
図3において、第1プリント配線板10上に設けられたスルーホール群12aは、スルーホール12a1、スルーホール12a2、スルーホール12a3の3種のスルーホールで構成されている。ここで、
図3中でスルーホール群12aの中央部分に設けられたスルーホール12a2は、第1の配線パターンと第2の配線パターンとで共通の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。
【0042】
これに対して、
図3中でスルーホール群12aの左端部に設けられたスルーホール12a1は、第1の配線パターンに固有の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。また、
図3中でスルーホール群12aの右端部に設けられたスルーホール12a3は、第2の配線パターンに固有の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。
【0043】
さらに、第1プリント配線板10上には、第1の配線パターンを実現するためのプリント配線板間コネクタ30の実装位置を明示する第1の配線パターン用の外形シルク印刷部101と、第2の配線パターンを実現するためのプリント配線板間コネクタ30の実装位置を明示する第2の配線パターン用の外形シルク印刷部102とが設けられている。
【0044】
このように、モジュールごとに配線切替が必要な固有部分であるスルーホール12a1およびスルーホール12a3を、スルーホール群12aの端部にまとめて配置することで、プリント配線板間コネクタ30の実装位置を変更するだけで、プリント配線板上の配線を変更することなく、配線パターンの切替が可能となる。
【0045】
これにより、第1プリント配線板10および第2プリント配線板20からなる1対のプリント配線板を共用化した上で、プリント配線板間コネクタ30の実装位置を変更するだけで、複数の配線パターンに切り替えることが可能となる。さらに、本発明の配線変換アダプタを製造する際には、シルク印刷に基づいて、必要な配線パターンを実現するためのプリント配線板間コネクタ30の実装位置を容易に特定することができ、間違った位置にプリント配線板間コネクタ30を実装してしまう誤挿入を未然に防ぐことができる。
【0046】
図4は、本発明の実施の形態1における配線変換アダプタの第2実施例を示した図である。具体的には、この
図4は、プリント配線板間コネクタ30の実装位置の変更に対応するための、第1プリント配線板のピン配置およびシルク印刷に関する説明図に相当する。
【0047】
図4における第1プリント配線板10上のスルーホール群12aのレイアウトは、先の
図3における第1実施例と同一である。ただし、
図4に示す第2実施例では、プリント配線板間コネクタ30を実装した後に、どの配線パターンに対応するものかを容易に識別できる方法を備えている。
【0048】
図4(b)に示すように,第2実施例におけるプリント配線板間コネクタ30は、ピンが設けられていない一端部が延長された延長形状部31を有している。なお、この第2実施例では、2×2のピン領域分だけ延長するように、延長形状部31が設けられており、この領域のサイズは、第1の配線パターンと第2の配線パターンを切り替えるためにプリント配線板間コネクタ30をシフトさせる量に相当している。
【0049】
図3に示した第1実施例と比較すると、
図4(a)に示した第2実施例では、第1プリント配線板10の第1のスルーホール領域12の右端部には、第1の配線パターンを特定するためのシルク印刷部111がさらに設けられ、左端部には、第2の配線パターンを特定するためのシルク印刷部112がさらに設けられている。
【0050】
そして、
図4(c)に示したように、第1の配線パターンを実現する位置にプリント配線板間コネクタ30を実装することで、シルク印刷部112が覆われ、シルク印刷部111のみが識別できるようになる。逆に、
図4(d)に示したように、第2の配線パターンを実現する位置にプリント配線板間コネクタ30を実装することで、シルク印刷部111が覆われ、シルク印刷部112のみが識別できるようになる。
【0051】
なお、
図4(d)においては、延長形状部31が右側にくるようにする必要がある。従って、第1の配線パターンを実現する
図4(c)と、第2の配線パターンを実現する
図4(d)では、プリント配線板間コネクタ30を180度回転させて実装することとなる。
【0052】
この結果、第2実施例によれば、プリント配線板間コネクタ30の実装位置を特定する際に、プリント配線板間コネクタ30を実装する際の概略位置を表示する外形シルク印刷部101、102に加え、配線パターンを識別するための情報を表示するシルク印刷部111、112を参照することができ、誤挿入を防止することができる。
【0053】
なお、
図4における延長形状部31の位置、大きさ、およびシルク印刷部111、112の位置は、あくまでも一例であり、適宜、位置、大きさを設計変更することも可能である。
【0054】
図5は、本発明の実施の形態1における配線変換アダプタの第3実施例を示した図である。具体的には、この
図5は、誤挿入を防止する目的で、第1プリント配線板10側には、スルーホールを形成しない部分を設け、プリント配線板間コネクタ30a側には、ピンを立てない部分を設けた場合の説明図に相当する。
【0055】
図5(a)に示すように、第1プリント配線板10側は、スルーホール12a2とスルーホール12a1の間、およびスルーホール12a2とスルーホール12a3との間に、それぞれ、スルーホールを設けない歯抜け領域12bが設けられている。
【0056】
さらに、第1プリント配線板10上には、第1の配線パターンを実現するためのプリント配線板間コネクタ30aの実装位置を明示する第1の配線パターン用の外形シルク印刷部103と、第2の配線パターンを実現するためのプリント配線板間コネクタ30aの実装位置を明示する第2の配線パターン用の外形シルク印刷部104とが設けられている。
【0057】
一方、
図5(b)に示すように、プリント配線板間コネクタ30a側には、スルーホールを設けない歯抜け領域12bに対応する位置に、ピンを立てない歯抜け領域32が設けられている。
【0058】
このように、スルーホールを設けない歯抜け領域12b、およびピンを立てない歯抜け領域32を設けることで、プリント配線板間コネクタ30aは、外形シルク印刷部103、または外形シルク印刷部104に合う位置にしか挿入することしかできない。
【0059】
先の
図3における第1実施例、あるいは
図4における第2実施例では、外形シルク印刷部の位置に合わせない場合でも、プリント配線板間コネクタ30を挿入することが可能であった。これに対して、
図5における第3実施例によれば、外形シルク印刷部の位置に合わせない限り、プリント配線板間コネクタ30aが挿入不可となり、誤挿入防止を強化することができる。
【0060】
以上の第1実施例〜第3実施例では、プリント配線板間コネクタ30、30aの誤挿入防止を中心に説明した。次に、以下の第4実施例〜第7実施例では、複数の配線パターンの切り替えを実現するための、スルーホールおよびピンの配置方法のバリエーションについて説明する。
【0061】
図6は、本発明の実施の形態1における配線変換アダプタの第4実施例を示した図である。具体的には、この
図6は、先の
図3〜
図5で説明した第1実施例〜第3実施例のスルーホールおよびピンの配置方法に相当している。
【0062】
この第4実施例によれば、1種類のプリント配線板間コネクタ30を、列状に配置されたスルーホール群に実装する際に、横方向にシフトさせることで、2種類の配線パターンの切り替えを実現できる。
【0063】
図7は、本発明の実施の形態1における配線変換アダプタの第5実施例を示した図である。具体的には、この
図7は、先の
図3で説明した第1実施例のスルーホールおよびピンの配置方法と、先の
図5で説明した第3実施例のスルーホールおよびピンの配置方法とを組み合わせたものに相当している。
【0064】
また、
図8は、本発明の実施の形態1における配線変換アダプタの第5実施例を実現するための、第1プリント配線板10の実際のスルーホール配置を示した図である。なお、
図8では、スルーホール群12aの中央部分に設けられた共通部分のスルーホール12a2は、2×16個で構成され、それぞれの配線パターンで固有のスルーホール12a1、12a2、12a4は、2×16個で構成されている。
【0065】
この第5実施例によれば、第1プリント配線板10および第2プリント配線板20からなる1対のプリント配線板を共用化した上で、プリント配線板間コネクタ30を一方向にシフトさせる、あるいはプリント配線板間コネクタ30aを用いることで、外形シルク印刷部101、102、104に対応した3種類の配線パターンの切り替えを実現できる。
【0066】
図9は、本発明の実施の形態1における配線変換アダプタの第6実施例を示した図である。具体的には、この
図9は、先の
図3で説明した第1実施例のスルーホールおよびピンの配置方法を、縦方向および横方向の2方向にシフトさせる場合に相当している。すなわち、横方向にシフトさせるだけでなく、一列分、縦にシフトした状態でも、さらに横方向にシフトさせることで、合計4つの配線パターンの切り替えを行うことができる。
【0067】
この第6実施例によれば、1種類のプリント配線板間コネクタ30を上下方向あるいは左右方向にシフトさせることで、外形シルク印刷部101、102、105、106に応じて、4種類の配線パターンの切り替えを実現できる。
【0068】
図10は、本発明の実施の形態1における配線変換アダプタの第7実施例を示した図である。具体的には、この
図10は、先の
図3で説明した第1実施例のスルーホールおよびピンの配置方法を応用して、プリント配線板間コネクタ30を90度回転させることで、2方向の配線パターンに対応する場合に相当している。
【0069】
この第7実施例によれば、1種類のプリント配線板間コネクタ30を水平方向で用いる場合と、90度回転させて縦方向で用いる場合を切り替えることで、外形シルク印刷部107、108に応じて、2種類の配線パターンの切り替えを実現できる。
【0070】
上述した第6実施例、第7実施例は、特に、共通部分の配線が少ない場合には、配線パターンに固有のスルーホールを多く設けることができ、設計自由度を持たせることができる。
【0071】
以上のように、実施の形態1によれば、第1プリント配線板と第2プリント配線板において、複数の配線パターンに共通する配線部分と個別配線部分に分けてパターン設計を行い、両プリント配線板の共通配線部分同士が常に接続され、切り替えパターンに応じて両プリント配線板の個別配線部分同士が接続されるように、プリント配線板間コネクタの装着位置を可変できる構成を備えている。
【0072】
このような構成を備えることで、プリント配線板上の配線を切り替えることなく、複数の配線パターンの切り替えを行うための1対のプリント配線板を共用化することが可能となる。この結果、限られたパターン配線領域の中で、プリント配線板サイズおよび部品点数の増加を抑制した上で、複数の切り替えパターンに対応可能な配線変換アダプタを得ることができる。
【0073】
実施の形態2.
先の実施の形態1では、1対のプリント配線板の両方に、プリント配線板間コネクタが有するピンの数よりも多くの数からなるスルーホールを設け、1対のプリント配線板を共用化する場合を例示した。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されるものではない。
【0074】
1対のプリント配線板の一方のプリント配線板のみに、プリント配線板間コネクタが有するピンの数よりも多くの数からなるスルーホールを設けて共用化し、1対のプリント配線板の他方のプリント配線板には、プリント配線板間コネクタが有するピンの数と同数のスルーホールを、異なる配置(シフトした位置)に設けて、所望の配線接続パターンに応じて個別化する構成を採用しても良い。
【0075】
図11は、本発明の実施の形態2における配線変換アダプタにおいて、プリント配線板間コネクタ30の実装位置に応じて2つの配線切り替えパターンを実現する説明図である。より具体的には、
図11(a)は、第1の配線パターンを実現するためのプリント配線板間コネクタ30の実装位置を例示しており、
図11(b)は、第2の配線パターンを実現するためのプリント配線板間コネクタ30の実装位置を例示している。なお、プリント配線板間コネクタ30は、第1の配線パターンを接続する実装位置、および第2の配線パターンを接続する実装位置、いずれの場合においても、同一部品にて実現している。
【0076】
また、
図11においては、図示および説明を簡略化するために、スルーホール群12aを構成する各スルーホールが、縦一列として、かつ12個として構成され、スルーホール群22aを構成する各スルーホールが、縦一列として、かつ10個として構成されている場合を例示している。
【0077】
第1プリント配線板10上に設けられたスルーホール群12aは、スルーホール12a1、スルーホール12a2、スルーホール12a3の3種のスルーホールで構成されている。ここで、
図11(a)および
図11(b)中でスルーホール群12aの中央部分に設けられたスルーホール12a2は、第1の配線パターンと第2の配線パターンとで共通の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。
【0078】
これに対して、
図11(a)および
図11(b)中でスルーホール群12aの上端部に設けられたスルーホール12a1は、第1の配線パターンに固有の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。また、
図11(a)および
図11(b)中でスルーホール群12aの下端部に設けられたスルーホール12a3は、第2の配線パターンに固有の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。
【0079】
一方、
図11(a)に示した第2プリント配線板20(1)上に設けられたスルーホール群22aは、スルーホール22a1、スルーホール22a2の2種のスルーホールで構成されている。また、
図11(b)に示した第2プリント配線板20(2)上に設けられたスルーホール群22aは、スルーホール22a2、スルーホール22a3の2種のスルーホールで構成されている。
【0080】
ここで、
図11(a)および
図11(b)で共通して設けられたスルーホール22a2は、第1の配線パターンと第2の配線パターンとで共通の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。
【0081】
これに対して、
図11(a)中でスルーホール群22aの上端部に設けられたスルーホール22a1は、第1の配線パターンに固有の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。また、
図11(a)中でスルーホール群22aの下端部には、スルーホールを無くし配線パターンを設計することのできる領域に相当する配線可能領域23(1)が設けられている。すなわち、第1の配線パターンを実現するための第2プリント配線板20(1)は、スルーホール22a3の代わりに配線可能領域23(1)を有する構成となっている。
【0082】
一方、
図11(b)中でスルーホール群22aの下端部に設けられたスルーホール22a3は、第2の配線パターンに固有の配線パターンが接続されたスルーホールに相当する。また、
図11(b)中でスルーホール群22aの上端部には、スルーホールを無くし配線パターンを設計することのできる領域に相当する配線可能領域23(2)が設けられている。すなわち、第2の配線パターンを実現するための第2プリント配線板20(2)は、スルーホール22a1の代わりに配線可能領域23(2)を有する構成となっている。
【0083】
図11(a)では、共通部分であるスルーホール12a2とスルーホール22a2が接続され、第1の配線パターンに固有であるスルーホール12a1とスルーホール22a1が接続され、その一方で、第2の配線パターンに固有であるスルーホール12a3には接続されない位置に、プリント配線板間コネクタ30が接続されている。この結果、
図11(a)の接続構成により、第1の配線パターンに従った配線切り替えが実現できる。
【0084】
これに対して、
図11(b)では、共通部分であるスルーホール12a2とスルーホール22a2が接続され、第2の配線パターンに固有であるスルーホール12a3とスルーホール22a3が接続され、その一方で、第1の配線パターンに固有であるスルーホール12a1には接続されない位置に、プリント配線板間コネクタ30が接続されている。この結果、
図11(b)の接続構成により、第2の配線パターンに従った配線切り替えが実現できる。
【0085】
換言すると、
図11では、第1プリント配線板は、1種類として共用化し、第2プリント配線板は、配線可能領域を有する別個のプリント配線板とする構成を採用している。この結果、プリント配線板間コネクタ30の接続位置を変更することで、プリント配線板上にロータリースイッチあるいはジャンパピン等の回路切替用の部品を設けることなく、第1の配線パターンと第2の配線パターンを容易に切り替えることができ、先の実施の形態1と同様の効果を実現できる。
【0086】
さらに、第2プリント配線板を共用化しない代わりに、配線可能領域が設けられており、それぞれの配線パターンに応じた第2プリント配線板を製造するための設計自由度を向上させることができる。
【0087】
次に、
図11に示した第2プリント配線板20(1)、20(2)とは異なる構成を用いて、配線パターンの切り替えを行う場合について説明する。
図12は、本発明の実施の形態2における配線変換アダプタにおいて、先の
図11とは異なる構成によりプリント配線板間コネクタ30の実装位置に応じて2つの配線切り替えパターンを実現する説明図である。
【0088】
図12の構成は、先の
図11の構成と比較すると、以下の2点異なっている。
・第1の配線パターンを形成するために用いられる第2プリント配線板20(3)は、第2プリント配線板20(1)と比較して、配線可能領域23(1)を有しておらず、その分、縦方向のサイズが小さくなるように形成されている。
・第2の配線パターンを形成するために用いられる第2プリント配線板20(4)は、第2プリント配線板20(2)と比較して、配線可能領域23(2)を有しておらず、その分、縦方向のサイズが小さくなるように形成されている。
【0089】
このような
図12の構成によれば、配線可能領域はないものの、プリント配線板のサイズをより小型化することができ、製造コストを削減することができる。
【0090】
図11、
図12の構成を総括すると、本実施の形態2では、第1プリント配線板は、1種類として共用化し、第2プリント配線板は、配線可能領域を有するか、あるいはサイズをより小型化して、それぞれの配線パターンに応じて別個のプリント配線板とした上で、プリント配線板間コネクタ30の接続位置を変更する構成となっている。
【0091】
このような構成においても、他方のプリント配線板のスルーホール位置に合わせて、プリント配線板間コネクタを挿入することで、限られたパターン配線領域の中で、プリント配線板サイズおよび部品点数の増加を抑制した上で、複数の切り替えパターンに対応可能な配線変換アダプタを得ることができる。さらに、個々の配線パターンに応じて、1対のプリント配線板の他方のプリント配線板の設計自由度を増大させることができる。
【0092】
また、実施の形態1で説明した構成、および実施の形態2の
図11で説明した構成は、プリント配線板の長辺と短辺の最大長が同一の一対のプリント配線板を使用していた。これに対して、実施の形態2の
図12で説明した構成は、第1プリント配線板と第2プリント配線板のそれぞれの形状が同一ではない。
【0093】
一対のプリント配線板を構成するそれぞれのプリント配線板を同一サイズにすれば、同一の筐体内に効率よく内蔵でき、かつ、実施の形態1で説明した構成によれば、第2プリント配線板を共用化することができる。ただし、
図12を用いて説明したように、対となるプリント配線板の長辺、短辺の最大長は、同一にする必要はない。
【0094】
第2プリント配線板のサイズを第1プリント配線板のサイズよりも小さくすることによっても、「限られたパターン配線領域の中で、プリント配線板サイズおよび部品点数の増加を抑制した上で、複数の切り替えパターンに対応可能な配線変換アダプタを得る」という本発明の効果を得ることが可能である。
【0095】
また、
図11および
図12で示した構成は、第1プリント配線板10の構成と第2プリント配線板20の構成を逆にすることも可能であり、同様の効果を実現できる。
【0096】
また、個別配線部分のパターン設計を工夫することで、プリント配線板間コネクタ30、30aを実装しないピン同士が、第1プリント配線板10内で短絡しないように設計することができる。すなわち、第1プリント配線板10上では、2つのピン間が接続される配線を回避し、第2プリント配線板20側でこれらのピン間を短絡するように、個別配線部分のスルーホールを増加させて、配線パターンを設計することができる。
【0097】
この結果、プリント配線板間コネクタ30、30aによって第1プリント配線板10と第2プリント配線板20とが接続されない限り、両ピン間は短絡されない。その一方で、プリント配線板間コネクタ30、30aによって第1プリント配線板10と第2プリント配線板20とが接続されることで、第2プリント配線板20側で両ピン間を短絡させることでき、プリント配線板間コネクタ未実装時の短絡解消を図ることができる。