特許第6581319号(P6581319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6581319ペイントブラシのハンドル自動装着システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6581319
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】ペイントブラシのハンドル自動装着システム
(51)【国際特許分類】
   A46B 3/00 20060101AFI20190912BHJP
   B23P 21/00 20060101ALI20190912BHJP
   B65G 47/04 20060101ALI20190912BHJP
【FI】
   A46B3/00
   B23P21/00 301Z
   B65G47/04
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-565027(P2018-565027)
(86)(22)【出願日】2016年12月7日
(65)【公表番号】特表2019-523035(P2019-523035A)
(43)【公表日】2019年8月22日
(86)【国際出願番号】CN2016108783
(87)【国際公開番号】WO2018058782
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2019年1月22日
(31)【優先権主張番号】201610879430.4
(32)【優先日】2016年9月30日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518435909
【氏名又は名称】江蘇師範大学
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU NORMAL UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】胡 寧寧
(72)【発明者】
【氏名】周 坪
(72)【発明者】
【氏名】何 貞志
(72)【発明者】
【氏名】周 公博
(72)【発明者】
【氏名】唐 超権
(72)【発明者】
【氏名】呉 金河
(72)【発明者】
【氏名】張 翔
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3747983(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第105901900(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第105661885(CN,A)
【文献】 国際公開第2013/175382(WO,A1)
【文献】 特開昭60−232308(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第105883350(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 3/00
A46B 9/00
B23P 21/00
B65G 47/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装填装置(1)、搬送装置(2)及びハンドル押出装置(3)を備え、装填装置(1)が搬送装置(2)の右側に設置され、ハンドル押出装置(3)が搬送装置(2)の後側に設置され、
装填装置(1)は、接着材が付着済みのペイントブラシのブラシヘッドを搬送装置(2)の供給口へ搬送するためのものであり、
搬送装置(2)は、ペイントブラシのブラシヘッドの搬送、押圧及び精確な位置決めを実現するためのものであり、
ハンドル押出装置(3)は、ペイントブラシハンドルを押し出して正確にペイントブラシのブラシヘッドに挿入させて、ペイントブラシハンドルの装着を実現するためのものであり、
前記装填装置(1)は、基台(11)、装着プレート(12)、ガイド機構(13)、横移動エアシリンダ(14)、昇降エアシリンダ(15)、電磁チャック(16)及びねじ接続部品(17)を備え、
前記装着プレート(12)は、水平に基台(11)に固定され、横移動エアシリンダ(14)は、装着プレート(12)に設置され、
ガイド機構(13)は、第1ガントリ(131)、第2ガントリ(132)、ガイドロッド(133)、直動軸受(134)及び接続部品(135)を備え、
第1ガントリ(131)及び第2ガントリ(132)は、装着プレート(12)に固定され、ガイドロッド(133)は、水平に第1ガントリ(131)と第2ガントリ(132)に架設され、その一端が第1ガントリ(131)を貫通して第2ガントリ(132)まで延在し、その他端が搬送装置(2)の供給口の上方まで延在しており、
前記直動軸受(134)は、ガイドロッド(133)に外挿され、接続部品(135)と一体的に接続され、
前記昇降エアシリンダ(15)が接続部品(135)の底部に固定され、横移動エアシリンダ(14)のピストンロッドが接続部品(135)と接続され、
電磁チャック(16)は、ねじ接続部品(17)を介して昇降エアシリンダ(15)のピストンロッドに設けられている
ことを特徴とするペイントブラシのハンドル自動装着システム。
【請求項2】
前記搬送装置(2)は、フレーム(21)、搬送台(22)、ブラシヘッドガイド機構(23)、ブラシヘッド予備押圧機構(24)、押圧位置決め機構(25)及びリンク搬送機構(26)を備え、
搬送台(22)は、長尺状に形成され、水平にフレーム(21)に固定され、その右端に供給口が形成され、リンク搬送機構(26)は、搬送台(22)の下方に設置され、搬送台(22)には、右から左へ順にブラシヘッドガイド機構(23)、ブラシヘッド予備押圧機構(24)及び押圧位置決め機構(25)が設置され、搬送台(22)における押圧位置決め機構(25)の箇所がハンドル装着ステーションであり、
前記リンク搬送機構(26)は、伝動機構(261)、2組の平面リンク機構、押出爪(263)及び押出爪装着ロッド(264)を備え、伝動機構(261)は、回転モータ(261-1)、カップリング(261-2)、プーリ機構及び支持台(261-9)を備え、回転モータ(261-1)及びプーリ機構が支持台(261-9)に設置され、
プーリ機構は、駆動軸(261-3)、駆動プーリ(261-4)、従動軸(261-6)、従動プーリ(261-7)、伝動ベルト(261-5)及び調整ねじ(261-8)を備え、駆動プーリ(261-4)、従動プーリ(261-7)及び調整ねじ(261-8)によって伝動ベルト(261-5)が緊張され、回転モータ(261-1)により、カップリング(261-2)を介して駆動軸(261-3)及び駆動プーリ(261-4)が回転駆動され、さらに伝動ベルト(261-5)を介して従動プーリ(261-7)及び従動軸(261-6)が回転駆動され、
2組の平面リンク機構は、互いに同じ形状及びサイズを有し、第1リンク機構(262)及び第2リンク機構を備え、第1リンク機構(262)は、第1クランク(262-1)、第1リンク(262-2)、第1揺動リンク(262-3)、第1支持ロッド(262-4)及び第1固定ロッド(262-5)を備え、第2リンク機構は、第2クランク、第2リンク、第2揺動リンク、第2支持ロッド及び第2固定ロッドを備え、
第1クランク(262-1)の始端が、駆動軸(261-3)とヒンジ接続されるとともに駆動軸(261-3)と同期に回転し、第1クランク(262-1)の末端が第1リンク(262-2)の始端とヒンジ接続され、そして第1リンク(262-2)の末端が第1揺動リンク(262-3)の始端とヒンジ接続され、さらに第1揺動リンク(262-3)の末端が第1固定ロッド(262-5)の自由端とヒンジ接続され、第2クランクの始端が、従動軸(261-6)とヒンジ接続されるとともに従動軸(261-6)と同期に回転し、
第2クランクの初期位置は、第1クランク(262-1)と一致し、第2クランク、第2リンク、第2揺動リンク及び第2固定ロッドの間の接続関係は、第1クランク(262-1)、第1リンク(262-2)、第1揺動リンク(262-3)及び第1固定ロッド(262-5)の間の接続関係と一致し、
第1固定ロッド(262-5)及び第2固定ロッドは、いずれも垂直に搬送台(22)の底部に固定され、第1支持ロッド(262-4)及び第2支持ロッドの下端は、それぞれ第1リンク(262-2)及び第2リンクの中央部とヒンジ接続され、
押出爪装着ロッド(264)は、水平に第1支持ロッド(262-4)と第2支持ロッドの上端に架設され、押出爪装着ロッド(264)には、同じ距離を隔てて、押出爪(263)が取り付けられる溝口が設けられ、搬送台(22)には、長尺方向に沿って、押出爪(263)が貫通可能な長溝(221)が形成され、
前記ブラシヘッドガイド機構(23)は、第1ガイドプレート(231)及び第2ガイドプレート(232)を備え、第1ガイドプレート(231)及び第2ガイドプレート(232)は、搬送台(22)の前後両端に対向するように設置されるとともに、その間の距離が調整可能に設けられ、
前記ブラシヘッド予備押圧機構(24)は、第1装着ラック(241)、上押圧プレート(242)、下押圧プレート(243)及び第1スプリングユニット(244)を備え、第1装着ラック(241)が搬送台(22)の前端に設置され、上押圧プレート(242)が水平に第1装着ラック(241)に固定され、下押圧プレート(243)が第1スプリングユニット(244)を介して上押圧プレート(242)の下方に配置され、
前記押圧位置決め機構(25)は、第2装着ラック(251)、押圧エアシリンダ(252)、上プレート(253)、下プレート(254)及び第2スプリングユニット(255)を備え、第2装着ラック(251)が搬送台(22)の前端に設置され、上プレート(253)が水平に第2装着ラック(251)に固定され、下プレート(254)が第2スプリングユニット(255)を介して上プレート(253)の下方に配置され、押圧エアシリンダ(252)は、第2装着ラック(251)に固定され、そのピストンロッドに押圧ブロック(256)が設けられ、上プレート(253)には、押圧ブロック(256)が貫通する開口が形成され、押圧ブロック(256)によって下プレート(254)が押下される
ことを特徴とする請求項に記載のペイントブラシのハンドル自動装着システム。
【請求項3】
前記ハンドル押出装置(3)は、支持体(31)、装着台(32)、ハンドル押出機構(33)、ハンドル収納機構(34)、ハンドル押圧機構(35)及びカバー拡開機構(36)を備え、
前記装着台(32)が、水平に支持体(31)に固定され、装着台(32)には、後から前へ順にハンドル押出機構(33)、ハンドル収納機構(34)及びカバー拡開機構(36)が設けられ、ハンドル押圧機構(35)がハンドル収納機構(34)に設けられ、
前記ハンドル押出機構(33)は、ハンドル押出エアシリンダ(331)、L型接続プレート(332)、第1押出ロッド(333)、第2押出ロッド(334)、ガイドレール(336)及びスライド座(335)を備え、ハンドル押出エアシリンダ(331)及びガイドレール(336)がいずれも装着台(32)に設置され、スライド座(335)は、ガイドレール(336)と対応し、L型接続プレート(332)は、スライド座(335)に固定されるとともにハンドル押出エアシリンダ(331)のピストンロッドと接続され、
第1押出ロッド(333)と第2押出ロッド(334)とは、取外し可能にL型接続プレート(332)に取り付けられ、ハンドルの形状に合わせるようにそれらの前端が円弧状に形成され、
前記ハンドル収納機構(34)は、装着ラック(341)、横ロッド(343)、左収納溝(344)、右収納溝(345)及び後収納溝(346)を備え、装着ラック(341)が装着台(32)に固定され、後収納溝(346)が取外し可能に装着台(32)に設けられ、左収納溝(344)と右収納溝(345)に、それぞれスライド(342)が固定接続され、左収納溝(344)と右収納溝(345)の下側のスライド(342)が装着ラック(341)に外挿され、横ロッド(343)が左収納溝(344)と右収納溝(345)の中央部のスライド(342)を貫通するように設けられ、
前記ハンドル押圧機構(35)は、接続ビーム(351)、伸縮ガイドロッド(352)、押圧ブロック(354)及び錐形ロッド(353)を備え、接続ビーム(351)の一端が装着ラック(341)の中央部に固定され、押圧ブロック(354)が伸縮ガイドロッド(352)及び錐形ロッド(353)を介して接続ビーム(351)の他端の底部に設けられ、伸縮ガイドロッド(133)にリターンスプリングが外挿され、
前記カバー拡開機構(36)は、カバー拡開エアシリンダ(361)、U型接続フレーム(362)、上ばね片(364)及び下ばね片(363)を備え、カバー拡開エアシリンダ(361)が装着台(32)に設置され、U型接続フレーム(362)は、その開口が右へ向かい、その中央部がカバー拡開エアシリンダ(361)のピストンロッドと接続され、上ばね片(364)及び下ばね片(363)は、それぞれU型接続フレーム(362)の上下両端に固定され、両者の自由端により傾斜角が形成され、当該傾斜角の頂端がハンドル装着ステーションに対向するように構成されている
ことを特徴とする請求項に記載のペイントブラシのハンドル自動装着システム。
【請求項4】
さらに空圧システムを備え、装填装置(1)、搬送装置(2)及びハンドル押出装置(3)が、いずれも空圧システムと接続され、
前記空圧システムは、空気圧縮機(41)、逆止弁(42)、タンク(43)、二次調圧路(44)、3ポート2位置の電磁弁(45)、5ポート2位置の電磁切換弁(46)及び調整可能なスロットル逆止弁(47)を備え、空気圧縮機(41)、逆止弁(42)、タンク(43)及び二次調圧路(44)が順に連通されることによって、メイン通気経路が形成され、タンク(43)には、圧力リレー、減圧弁及び圧力計が接続され、二次調圧路(44)の排気口から、5つの分岐路が形成され、5つの分岐路が、それぞれ昇降エアシリンダ(15)、横移動エアシリンダ(14)、ハンドル押出エアシリンダ(331)、カバー拡開エアシリンダ(361)、押圧エアシリンダ(252)と接続され、昇降エアシリンダ(15)、横移動エアシリンダ(14)、ハンドル押出エアシリンダ(331)は、それぞれ5ポート2位置の電磁切換弁(46)及び調整可能なスロットル逆止弁(47)を介して二次調圧路(44)と接続され、カバー拡開エアシリンダ(361)、押圧エアシリンダ(252)は、それぞれ3ポート2位置の電磁弁(45)及び調整可能なスロットル逆止弁(47)を介して二次調圧路(44)と接続されている
ことを特徴とする請求項に記載のペイントブラシのハンドル自動装着システム。
【請求項5】
さらに制御システムを備え、装填装置(1)、搬送装置(2)、ハンドル押出装置(3)、空圧システムが、いずれも制御システムと接続され、
前記制御システムは、コントローラ、ULN2003チップ及びステップモータ駆動器を備え、コントローラとしてAT89S52マイコンが使用され、昇降エアシリンダ(15)、横移動エアシリンダ(14)及びハンドル押出エアシリンダ(331)に磁気型スイッチが接続され、搬送台(22)におけるハンドル装着ステーションに位置スイッチが接続され、磁気型スイッチ及び位置スイッチがAT89S52マイコンの信号入力端と接続され、AT89S52マイコンの信号出力端は、ULN2003チップを介して5ポート2位置の電磁切換弁(46)、3ポート2位置の電磁弁(45)及び電磁チャック(16)と接続されるとともに、ステップモータ駆動器を介して回転モータ(261-1)と接続されている
ことを特徴とする請求項に記載のペイントブラシのハンドル自動装着システム。
【請求項6】
前記第1押出ロッド(333)と第2押出ロッド(334)との間の距離が調整可能に設けられていることを特徴とする請求項に記載のペイントブラシのハンドル自動装着システム。
【請求項7】
前記下プレート(254)の底部にブラシヘッドの形状に合わせる凹溝が形成され、搬送台(22)におけるハンドル装着ステーションには、切り欠き(222)が形成されていることを特徴とする請求項に記載のペイントブラシのハンドル自動装着システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペイントブラシのハンドル自動装着システムに関し、ブラシ製造設備の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
ブラシ製造のペイントブラシの生産プロセスにおいて、ペイントブラシのブラシヘッドに対するハンドルの装着、即ち接着材が付着済みのブラシヘッドへのハンドルの挿入は、不可欠の工程である。現在、中国のブラシ製造に用いられる機械設備は、まだ発展途上であり、ほとんどの企業が各自で設計、製造しているので、技術上のばらつきが存在し、ひいては数多くの工程を手動で行う必要がある。
【0003】
特に、ハンドル装着工程は、手動に大きく依存し、生産率及び自動化率が低いので、問題がとても顕著となっている。このため、複数種のペイントブラシに適用できるハンドル自動装着システムを設計することは、ペイントブラシの生産率、製品品質の向上及びコストの低減等に対して実益がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術の欠点を鑑みてなされたものであり、複数種のペイントブラシのハンドル装着に適用でき、自動化率が高く、操作が便利であり、ペイントブラシの生産率及び製品品質の向上、コストの低減を効果的に実現することができるペイントブラシのハンドル自動装着システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は、以下の技術を採用する。
ペイントブラシのハンドル自動装着システムは、装填装置、搬送装置及びハンドル押出装置を備え、装填装置が搬送装置の右側に設置され、ハンドル押出装置が搬送装置の後側に設置され、
装填装置は、接着材が付着済みのペイントブラシのブラシヘッドを搬送装置の供給口へ搬送するためのものであり、
搬送装置は、ペイントブラシのブラシヘッドの搬送、押圧及び精確な位置決めを実現するためのものであり、
ハンドル押出装置は、ペイントブラシハンドルを押し出して正確にペイントブラシのブラシヘッドに挿入させて、ペイントブラシハンドルの装着を実現するためのものである。
【0006】
好ましくは、前記装填装置は、基台、装着プレート、ガイド機構、横移動エアシリンダ、昇降エアシリンダ、電磁チャック及びねじ接続部品を備え、
前記装着プレートは、水平に基台に固定され、横移動エアシリンダは、装着プレートに設置され、ガイド機構は、第1ガントリ、第2ガントリ、ガイドロッド、直動軸受及び接続部品を備え、第1ガントリ及び第2ガントリは、装着プレートに固定され、ガイドロッドは、水平に第1ガントリと第2ガントリに架設され、その一端が第1ガントリを貫通して第2ガントリまで延在し、その他端が搬送装置の供給口の上方まで延在しており、前記直動軸受は、ガイドロッドに外挿され、接続部品と一体的に接続され、昇降エアシリンダが接続部品の底部に固定され、横移動エアシリンダのピストンロッドが接続部品と接続され、電磁チャックは、ねじ接続部品を介して昇降エアシリンダのピストンロッドに設けられている。
【0007】
電磁チャックが鉄製カバー付きのブラシヘッドを吸着した後、昇降エアシリンダで昇降され、昇降エアシリンダが横移動エアシリンダで横移動されることによって、接着材が付着済みのペイントブラシのブラシヘッドが搬送装置の供給口へ搬送されるようになる。
【0008】
好ましくは、前記搬送装置は、フレーム、搬送台、ブラシヘッドガイド機構、ブラシヘッド予備押圧機構、押圧位置決め機構及びリンク搬送機構を備え、
搬送台は、長尺状に形成され、水平にフレームに固定され、その右端に供給口が形成され、リンク搬送機構は、搬送台の下方に設置され、搬送台には、右から左へ順にブラシヘッドガイド機構、ブラシヘッド予備押圧機構及び押圧位置決め機構が設置され、搬送台における押圧位置決め機構の箇所がハンドル装着ステーションであり、
前記リンク搬送機構は、伝動機構、2組の平面リンク機構、押出爪及び押出爪装着ロッドを備え、伝動機構は、回転モータ、カップリング、プーリ機構及び支持台を備え、回転モータ及びプーリ機構が支持台に設置され、プーリ機構は、駆動軸、駆動プーリ、従動軸、従動プーリ、伝動ベルト及び調整ねじを備え、駆動プーリ、従動プーリ及び調整ねじによって伝動ベルトが緊張され、回転モータにより、カップリングを介して駆動軸及び駆動プーリが回転駆動され、さらに伝動ベルトを介して従動プーリ及び従動軸が回転駆動され、
2組の平面リンク機構は、互いに同じ形状及びサイズを有し、第1リンク機構及び第2リンク機構を備え、第1リンク機構は、第1クランク、第1リンク、第1揺動リンク、第1支持ロッド及び第1固定ロッドを備え、第2リンク機構は、第2クランク、第2リンク、第2揺動リンク、第2支持ロッド及び第2固定ロッドを備え、
第1クランクの始端が、駆動軸とヒンジ接続されるとともに駆動軸と同期に回転し、第1クランクの末端が第1リンクの始端とヒンジ接続され、そして第1リンクの末端が第1揺動リンクの始端とヒンジ接続され、さらに第1揺動リンクの末端が第1固定ロッドの自由端とヒンジ接続され、第2クランクの始端が、従動軸とヒンジ接続されるとともに従動軸と同期に回転し、第2クランクの初期位置は、第1クランクと一致し、第2クランク、第2リンク、第2揺動リンク及び第2固定ロッドの間の接続関係は、第1クランク、第1リンク、第1揺動リンク及び第1固定ロッドの間の接続関係と一致し、第1固定ロッド及び第2固定ロッドは、いずれも垂直に搬送台の底部に固定され、第1支持ロッド及び第2支持ロッドの下端は、それぞれ第1リンク及び第2リンクの中央部とヒンジ接続され、
押出爪装着ロッドは、水平に第1支持ロッドと第2支持ロッドの上端に架設され、押出爪装着ロッドには、同じ距離を隔てて、押出爪が取り付けられる溝口が設けられ、搬送台には、長尺方向に沿って、押出爪が貫通可能な長溝が形成されている。
【0009】
押出爪は、ブラシヘッドをブラシヘッドガイド機構からブラシヘッド予備押圧機構及び押圧位置決め機構へ押し、そしてハンドルが装着済みのペイントブラシを次の工程へ送り出すためのものである。
【0010】
前記ブラシヘッドガイド機構は、第1ガイドプレート及び第2ガイドプレートを備え、第1ガイドプレート及び第2ガイドプレートは、搬送台の前後両端に対向するように設置されるとともに、その間の距離が調整可能に設けられている。
【0011】
ブラシヘッドに対するブラシヘッドガイド機構による案内により、ブラシヘッドの搬送中にずれが発生することによるハンドルの装着品質への影響を防ぐことができ、第2ガイドプレートと第1ガイドプレートとの間の距離を調整することによって、異なる種類のブラシヘッドに対応できる。
【0012】
前記ブラシヘッド予備押圧機構は、第1装着ラック、上押圧プレート、下押圧プレート及び第1スプリングユニットを備え、第1装着ラックが搬送台の前端に設置され、上押圧プレートが水平に第1装着ラックに固定され、下押圧プレートが第1スプリングユニットを介して上押圧プレートの下方に配置されている。
【0013】
ブラシヘッドがブラシヘッド予備押圧機構に進入する際に、ブラシヘッドにより下押圧プレートを上方へ移動させ、この場合、ばねが付勢されて一定の圧力が生成されるので、ブラシヘッドの移動中のずれを防ぐことができ、搬送の精度を向上させた。
【0014】
前記押圧位置決め機構は、第2装着ラック、押圧エアシリンダ、上プレート、下プレート及び第2スプリングユニットを備え、第2装着ラックが搬送台の前端に設置され、上プレートが水平に第2装着ラックに固定され、下プレートが第2スプリングユニットを介して上プレートの下方に配置され、押圧エアシリンダは、第2装着ラックに固定され、そのピストンロッドに押圧ブロックが設けられ、上プレートには、押圧ブロックが貫通する開口が形成され、押圧ブロックによって下プレートが押下される。
【0015】
ハンドル装着が開始する際に、押圧エアシリンダによってプレートがブラシヘッドに押圧されることで、ハンドルの進入時にブラシヘッドが移動しないように確保することができる。
【0016】
好ましくは、前記ハンドル押出装置は、支持体、装着台、ハンドル押出機構、ハンドル収納機構、ハンドル押圧機構及びカバー拡開機構を備え、
前記装着台が、水平に支持体に固定され、装着台の前端に、搬送装置の排出口と対応するハンドル装着口が形成され、装着台には、後から前へ順にハンドル押出機構、ハンドル収納機構及びカバー拡開機構が設けられ、ハンドル押圧機構がハンドル収納機構に設けられ、
前記ハンドル押出機構は、ハンドル押出エアシリンダ、L型接続プレート、第1押出ロッド、第2押出ロッド、ガイドレール及びスライド座を備え、ハンドル押出エアシリンダ及びガイドレールがいずれも装着台に設置され、スライド座は、ガイドレールと対応し、L型接続プレートは、スライド座に固定されるとともにハンドル押出エアシリンダのピストンロッドと接続され、第1押出ロッドと第2押出ロッドとは、取外し可能にL型接続プレートに取り付けられ、ハンドルの形状に合わせるようにそれらの前端が円弧状に形成されている。
【0017】
第1押出ロッド及び第2押出ロッドは、ハンドル押出エアシリンダによる押力で、ハンドル収納機構におけるハンドルを押圧位置決め機構のブラシヘッド内に押し込む。
【0018】
前記ハンドル収納機構は、装着ラック、横ロッド、左収納溝、右収納溝及び後収納溝を備え、装着ラックが装着台に固定され、後収納溝が取外し可能に装着台に設けられ、左収納溝と右収納溝に、それぞれスライドが固定接続され、左収納溝と右収納溝の下側のスライドが装着ラックに外挿され、横ロッドが左収納溝と右収納溝の中央部のスライドを貫通するように設けられている。
【0019】
左収納溝と右収納溝との間の距離及び後収納溝の位置を調整することによって、異なる種類のハンドルの収納に適用できる。
【0020】
前記ハンドル押圧機構は、接続ビーム、伸縮ガイドロッド、押圧ブロック及び錐形ロッドを備え、接続ビームの一端が装着ラックの中央部に固定され、押圧ブロックが伸縮ガイドロッド及び錐形ロッドを介して接続ビームの他端の底部に設けられ、伸縮ガイドロッドにリターンスプリングが外挿されている。
【0021】
ハンドル押圧機構は、ハンドルと装着台との接触を良好に保つものであり、リターンスプリングは、押圧及びリターンを補助するものであり、錐形ロッドは、重力による押圧ブロックの落下を保証するものである。
【0022】
前記カバー拡開機構は、カバー拡開エアシリンダ、U型接続フレーム、上ばね片及び下ばね片を備え、カバー拡開エアシリンダが装着台に設置され、U型接続フレームは、その開口が右へ向かい、その中央部がカバー拡開エアシリンダのピストンロッドと接続され、上ばね片及び下ばね片は、それぞれU型接続フレームの上下両端に固定され、両者の自由端により傾斜角が形成され、当該傾斜角の頂端がハンドル装着ステーションに対向するように構成されている。
【0023】
カバー拡開機構によって、ハンドルがブラシヘッドを挿入する前に、ハンドルをガイドするとともにブラシヘッドの鉄製カバーの開口を拡開することができる。
【0024】
好ましくは、さらに空圧システムを備え、装填装置、搬送装置及びハンドル押出装置が、いずれも空圧システムと接続され、空圧システムは、空気圧縮機、逆止弁、タンク、二次調圧路、3ポート2位置の電磁弁、5ポート2位置の電磁切換弁及び調整可能なスロットル逆止弁を備え、空気圧縮機、逆止弁、タンク及び二次調圧路が順に連通されることによって、メイン通気経路が形成され、タンクには、圧力リレー、減圧弁及び圧力計が接続され、二次調圧路の排気口から、5つの分岐路が形成され、5つの分岐路が、それぞれ昇降エアシリンダ、横移動エアシリンダ、ハンドル押出エアシリンダ、カバー拡開エアシリンダ、押圧エアシリンダと接続され、昇降エアシリンダ、横移動エアシリンダ、ハンドル押出エアシリンダは、それぞれ5ポート2位置の電磁切換弁及び調整可能なスロットル逆止弁を介して二次調圧路と接続され、カバー拡開エアシリンダ、押圧エアシリンダは、それぞれ3ポート2位置の電磁弁及び調整可能なスロットル逆止弁を介して二次調圧路と接続されている。
【0025】
空圧システムの動作原理は、以下のようである。空気圧縮機により圧力を生成し、圧力リレーの電気信号に基づいて空気圧縮機を制御し、これによってタンクにおける圧力を一定に保つ。そして二次調圧路で、出力される気圧を設定範囲内に保つ。さらに電磁弁を介して気体をエアシリンダ内に導入し、調整可能なスロットル逆止弁によりエアシリンダの走行速度を調整する。
【0026】
好ましくは、さらに制御システムを備え、装填装置、搬送装置、ハンドル押出装置、空圧システムが、いずれも制御システムと接続され、制御システムは、コントローラ、ULN2003チップ(チップが、フォトカプラーの機能を備え、直接マイコンの出力口と接続することができる)及びステップモータ駆動器を備え、コントローラとしてAT89S52マイコンが使用され、昇降エアシリンダ、横移動エアシリンダ及びハンドル押出エアシリンダに磁気型スイッチが接続され、搬送台におけるハンドル装着ステーションに位置スイッチが接続され、磁気型スイッチ及び位置スイッチがAT89S52マイコンの信号入力端と接続され、AT89S52マイコンの信号出力端は、ULN2003チップを介して5ポート2位置の電磁切換弁、3ポート2位置の電磁弁及び電磁チャックと接続されるとともに、ステップモータ駆動器を介して回転モータと接続されている。
【0027】
制御システムの動作原理は次の通りである。開始/停止ボタンを押すと、システムが起動又は停止する。稼働する場合、昇降エアシリンダ、横移動エアシリンダ及びハンドル押出エアシリンダにおける磁気型スイッチにより、該エアシリンダが所定位置に到達したか否かを検出し、ハンドル装着ステーションにおける位置スイッチにより、ブラシヘッドが所定位置に到達したか否かを検出する。磁気型スイッチ及び位置スイッチにより検出結果がコントローラの信号入力端へ送信される。コントローラは、検出された信号を受信した後、設定されたプログラムに従って操作命令を出力する。コントローラにより出力された制御信号は、ULN2003チップで増幅された後、3ポート2位置の電磁弁、5ポート2位置の電磁切換弁及び電磁チャックへ送信され、3ポート2位置の電磁弁、5ポート2位置の電磁切換弁及び電磁チャックの給電が制御されることによってエアシリンダの動作が相応に制御される。また、コントローラによりステップモータ駆動器を介して回転モータの回転速度を制御する。
【0028】
好ましくは、前記第1押出ロッドと第2押出ロッドとの間の距離が調整可能に設けられている。これによって、異なる種類のブラシハンドルに適用できる。
【0029】
好ましくは、前記下プレートの底部にブラシヘッドの形状に合わせる凹溝が形成されている。これによって、下プレートの押下時にブラシヘッドが凹溝に位置するので、ハンドル装着の精度が向上する。さらに搬送台におけるハンドル装着ステーションには、切り欠きが形成されている。これによって、カバー拡開機構のばね片との干渉を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明のペイントブラシのハンドル自動装着システムは、従来技術に比べて、以下のメリットを有する。
(1)本発明の構成は、コンパクトであり、操作が簡単、生産率が高く、信頼性が高いので、手動の代わりに、ペイントブラシのハンドル自動装着を実現することができる。(2)一連の部品を調整することによって複数種のペイントブラシのハンドル装着に適用でき、コストを低減することができる。(3)自動化率が高く、装着、位置決めが精確であるので、ペイントブラシの生産率及び製品品質を向上させるとともに、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の全体構成模式図である。
図2】本発明の装填装置の正面図である。
図3】本発明の搬送装置の構成模式図である。
図4】本発明の搬送装置の背面図である。
図5】本発明の押出爪の運動軌跡図である。
図6】本発明の搬送台の構成模式図である。
図7】本発明のブラシヘッド予備押圧機構の構成模式図である。
図8】本発明の押圧位置決め機構の構成模式図である。
図9】本発明のハンドル押出機構の構成模式図である。
図10】本発明のハンドル収納機構の構成模式図である。
図11】本発明のハンドル押圧機構の構成模式図である。
図12】本発明のカバー拡開機構の構成模式図である。
図13】本発明の空圧システムの原理図である。
図14】本発明の制御システムの原理図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面及び実施例を参照しながら本発明を説明する。
【0033】
図1に示すように、ペイントブラシのハンドル自動装着システムは、装填装置1、搬送装置2及びハンドル押出装置3を備え、装填装置1が搬送装置2の右側に設置され、ハンドル押出装置3が搬送装置2の後側に設置されている。
【0034】
装填装置1は、接着材が付着済みのペイントブラシのブラシヘッドを搬送装置2の供給口へ搬送するためのものである。
【0035】
搬送装置2は、ペイントブラシのブラシヘッドの搬送、押圧及び精確な位置決めを実現するためのものである。
【0036】
ハンドル押出装置3は、ペイントブラシハンドルを押し出して正確にペイントブラシのブラシヘッドに挿入させて、ペイントブラシハンドルの装着を実現するためのものである。
【0037】
本実施例において、図2に示すように、前記装填装置1は、基台11、装着プレート12、ガイド機構13、横移動エアシリンダ14、昇降エアシリンダ15、電磁チャック16及びねじ接続部品17を備えている。
【0038】
前記装着プレート12は、水平に基台11に固定され、横移動エアシリンダ14は、装着プレート12に設置されている。ガイド機構13は、第1ガントリ131、第2ガントリ132、ガイドロッド133、直動軸受134及び接続部品135を備えている。第1ガントリ131及び第2ガントリ132は、装着プレート12に固定されている。ガイドロッド133は、水平に第1ガントリ131と第2ガントリ132に架設され、その一端が第1ガントリ131を貫通して第2ガントリ132まで延在し、その他端が搬送装置2の供給口の上方まで延在するように構成されている。直動軸受134は、ガイドロッド133に外挿され、接続部品135と一体的に接続されている。昇降エアシリンダ15が接続部品135の底部に固定され、横移動エアシリンダ14のピストンロッドが接続部品135と接続されている。電磁チャック16は、ねじ接続部品17を介して昇降エアシリンダ15のピストンロッドに設けられている。
【0039】
本実施例において、前記搬送装置2は、フレーム21、搬送台22、ブラシヘッドガイド機構23、ブラシヘッド予備押圧機構24、押圧位置決め機構25及びリンク搬送機構26を備えている。
【0040】
搬送台22は、長尺状に形成され、水平にフレーム21に固定され、その右端に供給口が形成されている。リンク搬送機構26は、搬送台22の下方に設置されている。搬送台22には、右から左へ順にブラシヘッドガイド機構23、ブラシヘッド予備押圧機構24及び押圧位置決め機構25が設置され、搬送台22における押圧位置決め機構25の箇所が、ハンドル装着ステーションである。
【0041】
図3及び図4に示すように、前記リンク搬送機構26は、伝動機構261、2組の平面リンク機構、押出爪263及び押出爪装着ロッド264を備えている。伝動機構261は、回転モータ261-1、カップリング261-2、プーリ機構及び支持台261-9を備えている。回転モータ261-1及びプーリ機構が支持台261-9に設置されている。プーリ機構は、駆動軸261-3、駆動プーリ261-4、従動軸261-6、従動プーリ261-7、伝動ベルト261-5及び調整ねじ261-8を備えている。駆動プーリ261-4、従動プーリ261-7及び調整ねじ261-8によって伝動ベルト261-5が緊張されている。回転モータ261-1により、カップリング261-2を介して駆動軸261-3及び駆動プーリ261-4が回転駆動され、さらに伝動ベルト261-5を介して従動プーリ261-7及び従動軸261-6が回転駆動されている。
【0042】
2組の平面リンク機構は、互いに同じ形状及びサイズを有し、第1リンク機構262及び第2リンク機構を備えている。第1リンク機構262は、第1クランク262-1、第1リンク262-2、第1揺動リンク262-3、第1支持ロッド262-4及び第1固定ロッド262-5を備え、第2リンク機構は、第2クランク、第2リンク、第2揺動リンク、第2支持ロッド及び第2固定ロッドを備えている。
【0043】
第1クランク262-1の始端が、駆動軸261-3とヒンジ接続されるとともに駆動軸261-3と同期に回転する。第1クランク262-1の末端が第1リンク262-2の始端とヒンジ接続され、そして第1リンク262-2の末端が第1揺動リンク262-3の始端とヒンジ接続され、さらに第1揺動リンク262-3の末端が第1固定ロッド262-5の自由端とヒンジ接続されている。第2クランクの始端が、従動軸261-6とヒンジ接続されるとともに従動軸261-6と同期に回転する。第2クランクの初期位置は、第1クランク262-1と一致し、第2クランク、第2リンク、第2揺動リンク及び第2固定ロッドの間の接続関係は、第1クランク262-1、第1リンク262-2、第1揺動リンク262-3及び第1固定ロッド262-5の間の接続関係と一致している。第1固定ロッド262-5及び第2固定ロッドは、いずれも垂直に搬送台22の底部に固定され、第1支持ロッド262-4及び第2支持ロッドの下端は、それぞれ第1リンク262-2及び第2リンクの中央部とヒンジ接続されている。
【0044】
押出爪装着ロッド264は、水平に第1支持ロッド262-4と第2支持ロッドとの上端に架設されている。押出爪装着ロッド264には、同じ間隔を隔てて、押出爪263が取り付けられる溝口が設けられている。図5は、リンク搬送機構26による押出爪263の運動軌跡を示す。
【0045】
図6に示すように、搬送台22には、長尺方向に沿って、押出爪263が貫通可能な長溝221が形成され、搬送台22におけるハンドル装着ステーションには、切り欠き222が形成されている。
【0046】
図3に示すように、前記ブラシヘッドガイド機構23は、第1ガイドプレート231及び第2ガイドプレート232を備えている。第1ガイドプレート231及び第2ガイドプレート232は、搬送台22の前後両端に対向するように設置されるとともに、その間の距離が調整可能に設けられている。
【0047】
図7に示すように、前記ブラシヘッド予備押圧機構24は、第1装着ラック241、上押圧プレート242、下押圧プレート243及び第1スプリングユニット244を備え、第1装着ラック241が搬送台22の前端に設置されている。上押圧プレート242が水平に第1装着ラック241に固定され、下押圧プレート243が第1スプリングユニット244を介して上押圧プレート242の下方に配置されている。
【0048】
図8に示すように、前記押圧位置決め機構25は、第2装着ラック251、押圧エアシリンダ252、上プレート253、下プレート254及び第2スプリングユニット255を備え、第2装着ラック251が搬送台22の前端に設置されている。上プレート253が水平に第2装着ラック251に固定され、下プレート254が第2スプリングユニット255を介して上プレート253の下方に配置されている。押圧エアシリンダ252は、第2装着ラック251に固定され、そのピストンロッドに押圧ブロック256が設けられている。上プレート253には、押圧ブロック256が貫通する開口が形成され、押圧ブロック256によって下プレート254が押下される。下プレート254の底部にブラシヘッドの形状に合わせる凹溝が形成され、下プレート254が押下された際に、ブラシヘッドが凹溝内に位置する。
【0049】
本実施例において、前記ハンドル押出装置3は、支持体31、装着台32、ハンドル押出機構33、ハンドル収納機構34、ハンドル押圧機構35及びカバー拡開機構36を備えている。
【0050】
前記装着台32が、水平に支持体31に固定されている。装着台32には、後から前へ順にハンドル押出機構33、ハンドル収納機構34及びカバー拡開機構36が設置され、ハンドル押圧機構35がハンドル収納機構34に設置されている。
【0051】
図9に示すように、前記ハンドル押出機構33は、ハンドル押出エアシリンダ331、L型接続プレート332、第1押出ロッド333、第2押出ロッド334、ガイドレール336及びスライド座335を備え、ハンドル押出エアシリンダ331及びガイドレール336が一列に装着台32に設置されている。スライド座335は、ガイドレール336と対応し、L型接続プレート332は、スライド座335に固定されるとともにハンドル押出エアシリンダ331のピストンロッドと接続されている。第1押出ロッド333と第2押出ロッド334とは、取外し可能にL型接続プレート332に装着けられ、ハンドルの形状に合わせるようにそれらの前端が円弧状に形成されている。また、異なる種類のブラシハンドルに適用できるように、第1押出ロッド333と第2押出ロッド334との間の距離が調整可能に設けられている。
【0052】
図10に示すように、前記ハンドル収納機構34は、装着ラック341、横ロッド343、左収納溝344、右収納溝345及び後収納溝346を備え、装着ラック341が装着台32に固定され、後収納溝346が取外し可能に装着台32に設けられている。左収納溝344と右収納溝345に、それぞれ2つのスライド342が固定接続されている。左収納溝344と右収納溝345の下側のスライド342が装着ラック341に外挿され、横ロッド343が左収納溝344と右収納溝345の中央部のスライド342を貫通するように設けられている。左収納溝344と右収納溝345との距離及び後収納溝346の位置を調整することによって、異なる種類のブラシハンドルの収納に適用できる。
【0053】
図11に示すように、前記ハンドル押圧機構35は、接続ビーム351、伸縮ガイドロッド352、押圧ブロック354及び錐形ロッド353を備えている。接続ビーム351の一端が装着ラック341の中央部に固定され、押圧ブロック354が伸縮ガイドロッド352及び錐形ロッド353を介して接続ビーム351の他端の底部に設けられ、伸縮ガイドロッド352にリターンスプリングが外挿されている。
【0054】
図12に示すように、前記カバー拡開機構36は、カバー拡開エアシリンダ361、U型接続フレーム362、上ばね片364及び下ばね片363を備えている。カバー拡開エアシリンダ361が装着台32に設置されている。U型接続フレーム362は、その開口が右へ向かい、その中央部がカバー拡開エアシリンダ361のピストンロッドと接続されている。上ばね片364及び下ばね片363は、それぞれU型接続フレーム362の上下両端に固定され、両者の自由端により傾斜角が形成され、当該傾斜角の頂端がハンドル装着ステーションに対向するように構成されている。
【0055】
本実施例において、さらに空圧システムを備え、装填装置1、搬送装置2及びハンドル押出装置3が、いずれも空圧システムと接続されている。
【0056】
図13に示すように、前記空圧システムは、空気圧縮機41、逆止弁42、タンク43、二次調圧路44、3ポート2位置の電磁弁45、5ポート2位置の電磁切換弁46及び調整可能なスロットル逆止弁47を備えている。空気圧縮機41、逆止弁42、タンク43及び二次調圧路44が順に連通されることによって、メイン通気経路が形成される。タンク43には、圧力リレー、減圧弁及び圧力計が接続されている。二次調圧路44の排気口から、5つの分岐路が形成され、5つの分岐路が、それぞれ昇降エアシリンダ15、横移動エアシリンダ14、ハンドル押出エアシリンダ331、カバー拡開エアシリンダ361、押圧エアシリンダ252と接続されている。昇降エアシリンダ15、横移動エアシリンダ14、ハンドル押出エアシリンダ331は、それぞれ5ポート2位置の電磁切換弁46及び調整可能なスロットル逆止弁47を介して二次調圧路44と接続されている。カバー拡開エアシリンダ361、押圧エアシリンダ252は、それぞれ3ポート2位置の電磁弁45及び調整可能なスロットル逆止弁47を介して二次調圧路44と接続されている。
【0057】
本実施例において、さらに制御システムを備え、装填装置1、搬送装置2、ハンドル押出装置3、空圧システムが、いずれも制御システムと接続されている。
【0058】
図14に示すように、前記制御システムは、コントローラ、ULN2003チップ及びステップモータ駆動器を備え、コントローラとしてAT89S52マイコンが使用されている。昇降エアシリンダ15、横移動エアシリンダ14及びハンドル押出エアシリンダ331に磁気型スイッチが接続され、搬送台22におけるハンドル装着ステーションに位置スイッチが接続され、磁気型スイッチ及び位置スイッチがAT89S52マイコンの信号入力端と接続されている。AT89S52マイコンの信号出力端は、ULN2003チップを介して5ポート2位置の電磁切換弁46、3ポート2位置の電磁弁45及び電磁チャック16と接続されるとともに、ステップモータ駆動器を介して回転モータ261-1と接続されている。
【0059】
本発明の具体的な実施形態は、以下の通りである。
接着材が付着済みのペイントブラシのブラシヘッドが、電磁チャック16により吸着されて、昇降エアシリンダ15及び横移動エアシリンダ14で搬送装置2の供給口まで移動される。そして、ブラシヘッドが、ブラシヘッドガイド機構23でガイドされた後、押出爪263でブラシヘッド予備押圧機構24及び押圧位置決め機構25へ押され、押圧エアシリンダ252による下プレート254の押下により押圧した後、ハンドルの装着が開始する。ハンドル収納機構34にはハンドルが収納され、左収納溝344と右収納溝345との距離及び後収納溝346の位置を調整することによって、異なるハンドルの収納に適用できる。ハンドル収納機構34の底に位置するハンドルが、第1押出ロッド333及び第2押出ロッド334で押し出され、押圧されているブラシヘッド内に挿入される。カバー拡開機構36により、ハンドルがブラシヘッドに挿入される前に、ハンドルをガイドするとともにブラシヘッドの鉄製カバーの開口を拡開させる。ハンドル装着が完成された後、押圧エアシリンダ252がリターンし、ハンドル装着後のブラシヘッドが押出爪263で次の工程へ押し出される。
【0060】
該プロセスにおいて、各エアシリンダによる動力が、空圧システムにより生成、制御される。空気圧縮機41により圧縮された空気が、タンク43、二次調圧路44を介して出力気圧が調整されてから、電磁弁を介してエアシリンダ内に流れ込むとともに、調整可能なスロットル逆止弁47によりエアシリンダの走行速度が調整される。各電磁弁、電磁チャック16及び回転モータ261-1が制御システムにより制御される。昇降エアシリンダ15、横移動エアシリンダ14及びハンドル押出エアシリンダ331における磁気型スイッチにより、該エアシリンダが所定位置に到達したか否かを検出し、ハンドル装着ステーションにおける位置スイッチにより、ブラシヘッドが所定位置に到達したか否かを検出する。磁気型スイッチ及び位置スイッチを介して検出結果がコントローラの信号入力端へ送信される。コントローラ(AT89S52マイコン)は、検出された信号を受信した後、設定されたプログラムに従って操作命令を出力する。コントローラにより出力された制御信号は、ULN2003チップで増幅された後、3ポート2位置の電磁弁45、5ポート2位置の電磁切換弁46及び電磁チャック16へ送信され、3ポート2位置の電磁弁45、5ポート2位置の電磁切換弁46及び電磁チャック16の給電が制御されることによってエアシリンダの動作が相応に制御される。また、コントローラによりステップモータ駆動器を介して回転モータ261-1の回転速度を制御する。
【0061】
以上は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、当業者は、本発明の原理を逸脱しない範囲内において、変更及び修正を行うことができ、これらの変更及び修正も本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0062】
1…装填装置、11…基台、12…装着プレート、13…ガイド機構、14…横移動エアシリンダ、15…昇降エアシリンダ、16…電磁チャック、17…ねじ接続部品、131…第1ガントリ、132…第2ガントリ、133…ガイドロッド、134…直動軸受、135…接続部品
2…搬送装置、21…フレーム、22…搬送台、23…ブラシヘッドガイド機構、24…ブラシヘッド予備押圧機構、25…押圧位置決め機構、26…リンク搬送機構、261…伝動機構、262…第1リンク機構、263…押出爪、264…押出爪装着ロッド、261-1…回転モータ、261-2…カップリング、261-3…駆動軸、261-4…駆動プーリ、261-5…伝動ベルト、261-6…従動軸、261-7…従動プーリ、261-8…調整ねじ、261-9…支持台、262-1…第1クランク、262-2…第1リンク、262-3…第1揺動リンク、262-4…第1支持ロッド、262-5…第1固定ロッド、221…長溝、222…切り欠き、231…第1ガイドプレート、232…第2ガイドプレート、241…第1装着ラック、242…上押圧プレート、243…下押圧プレート、244…第1スプリングユニット、251…第2装着ラック、252…押圧エアシリンダ、253…上プレート、254…下プレート、255…第2スプリングユニット、256…押圧ブロック
3…ハンドル押出装置、31…支持体、32…装着台、33…ハンドル押出機構、34…ハンドル収納機構、35…ハンドル押圧機構、36…カバー拡開機構、331…ハンドル押出エアシリンダ、332…L型接続プレート、333…第1押出ロッド、334…第2押出ロッド、335…スライド座、336…ガイドレール、341…装着ラック、342…スライド、343…横ロッド、344…左収納溝、345…右収納溝、346…後収納溝、351…接続ビーム、352…伸縮ガイドロッド、353…錐形ロッド、354…押圧ブロック、361…カバー拡開エアシリンダ、362…U型接続フレーム、363…下ばね片、364…上ばね片
41…空気圧縮機、42…逆止弁、43…タンク、44…二次調圧路、45…3ポート2位置の電磁弁、46…5ポート2位置の電磁切換弁、47…調整可能なスロットル逆止弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14