特許第6581330号(P6581330)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6581330塗料組成物及びこれを塗装して得られる塗膜
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6581330
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】塗料組成物及びこれを塗装して得られる塗膜
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20190912BHJP
   C09D 7/40 20180101ALI20190912BHJP
【FI】
   C09D201/00
   C09D7/40
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-124787(P2013-124787)
(22)【出願日】2013年6月13日
(65)【公開番号】特開2015-886(P2015-886A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2016年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】500286643
【氏名又は名称】アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】辻田 隆広
(72)【発明者】
【氏名】八木 信司
(72)【発明者】
【氏名】西田 信博
(72)【発明者】
【氏名】竹内 義智
【審査官】 井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−126105(JP,A)
【文献】 特開2007−290358(JP,A)
【文献】 特開2006−45510(JP,A)
【文献】 特許第4448511(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗膜形成樹脂(A)、架橋剤(B)、樹脂ビーズ(C)を含有し、該樹脂ビーズ(C)の微小圧縮試験機による単一樹脂ビーズ10%加圧変形時の圧縮強度が0.1MPa〜20MPaであり、かつ樹脂ビーズ(C)の微小圧縮試験機による単一樹脂ビーズ90%加圧変形後の復元率が80%以上であることを特徴とする塗料組成物。
【請求項2】
前記樹脂ビーズ(C)の質量含有率が、前記塗膜形成樹脂(A)と前記架橋剤(B)の固形分質量の総和に対して0.5〜20質量%である請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
前記樹脂ビーズ(C)の平均粒子径が5〜30μmの範囲内である請求項1または請求項2に記載の塗料組成物。
【請求項4】
前記10%加圧変形時の圧縮強度が0.2MPa〜1.5MPaであり、かつ前記樹脂ビーズ(C)の質量含有率が、前記塗膜形成樹脂(A)と前記架橋剤(B)の固形分質量の総和に対して0.8〜15質量%である、請求項1から3の何れか1項に記載の塗料組成物。
【請求項5】
前記樹脂ビーズ(C)がウレタン反応によって製造された請求項1から4の何れか1項に記載の塗料組成物。
【請求項6】
前記樹脂ビーズ(C)がウレタン反応によって製造され、かつ原料のイソシアネートが2官能であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の塗料組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装して得られた塗膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレコート鋼板の製造における裏面塗料として特に耐プレッシャーマーク性に優れた塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プレコート鋼板は、成型加工に先立ちあらかじめ塗装を施してある金属平板(切板もしくはコイル巻き)のことで、目的とする製品に成形加工した後に塗装するポストコーティングと区別することがあり、屋根、壁などの建材用やオーディオ、冷蔵庫、パーテッションなどの器物加工用などに幅広く使用されており、ポストコーティングに比べ経済性、省エネルギー、省資源の諸点で有利と見られている。
【0003】
プレコート鋼板の塗装は表裏両面に行われるのが一般的で、表面側は成型加工後の製品の外面となる部分であって、塗膜外観、物理的性能(硬度、付着性、耐スクラッチ性、折り曲げ加工性など)、防食性、耐候性などに優れた塗料が塗装されており、その塗装工程はプライマーおよび上塗塗料を用いた2コート2ベーク方式や、プライマー、中塗塗料および上塗塗料を用いた3コート3ベーク方式が採用されている。一方、裏面は成型加工後に製品の内側に位置するため、表面側ほどの塗膜外観や耐候性は要求されず、塗装は経済性を考慮して裏面用塗料のみを用いる1コート1ベーク方式が一般的であるが、特に防食性が要求される用途では、プライマーと裏面用塗料を用いた2コート2ベーク方式も採用されている。
【0004】
プレコート鋼板は、表面と裏面が同様の外観(光沢、色調)を有することが理想であるが、プレコート鋼板の裏面は成型加工後に加工製品の内側となり、見られることがほとんどないため、高度な意匠性は求められず、裏面用塗料として、例えば、高光沢裏面用塗料と低光沢裏面用塗料の2種類のみを用意し、表面の光沢が比較的高い場合には、裏面に高光沢裏面用塗料を塗装し、表面の光沢が比較的低い場合には、裏面に低光沢裏面用塗料を塗装することにより、使用塗料の品数を減らし、経済性を向上させている場合が多い。
【0005】
このうち、低光沢裏面用塗料は、従来、光沢低下効果を有するシリカなどの無機質粉末を配合することによって製造されてきたが、粘度上昇による塗装作業性の低下、折り曲げ加工性の低下、耐プレッシャーマーク性不良による光沢転写などの不具合が生じる場合があった。なお、耐プレッシャーマーク性不良による光沢転写とは、表面の光沢と裏面の光沢が異なるプレコート鋼板をコイル巻き状態にして、表面と裏面が接触した状態で強い圧力をかけた場合に、高光沢面の光沢が低下し、逆に低光沢面の光沢が上昇して、あたかも高光沢面から低光沢面へと光沢が転写されたように見える現象を指す。この現象は、比較的平滑な高光沢面に、微細な凹凸を有する低光沢面が押し付けられることによって、高光沢面に低光沢面の微細な凹凸が表面に食い込んで平滑性が低下し、同時に、低光沢面の微細な凹凸が平滑な高光沢表面に押しつぶされて平滑となるために生じると考えられる。この現象が生じると、プレコート鋼板の表面光沢がコイル巻き状態で保管している間に変化したり、さらに局部的に荷重のかかる部分については特に光沢の変化が著しくなるため光沢転写がムラ状に発生する光沢転写ムラが発生したりするため、均質な製品を供給できなくなり問題となる。
【0006】
特許文献1には、ポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂微粒子を含有することを特徴とする裏面用塗料組成物が開示されている。
しかしながら樹脂微粒子の種類により耐プレッシャーマーク試験に耐えられなかったり、微粒子自体が剥離するといった問題がある。
特許文献2には軟質のウレタンビーズを使用することにより鋼板の耐スリキズ性を向上する手法が述べられているが、高い圧力を受けるプレコート鋼板ではビーズ自体が変形して期待通りの性能を維持することができない。
特許文献3には反応型ウレタンビーズについて述べている。このビーズは表面に反応可能のブロックイソシアネートを有することを特徴としているが、実際に耐プレッシャーマーク試験を行うと良好な結果を示さない。反応型ウレタンビーズはマトリックス樹脂と化学的に結合することで擦れなどによるビーズの脱落は抑制されるが、ビーズが変形圧力を受けると元に戻らないことが原因と推定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−219731号公報
【特許文献2】特許第4448511号公報
【特許文献3】特開2009−197067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、プレコート鋼板の裏面に特に耐プレッシャーマーク性・塗膜付着性・折曲加工性の全てに優れた塗膜を与える塗料組成物、及びこの塗料組成物を塗装して得られる塗膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意研究した結果、樹脂ビーズの10%加圧変形時の圧縮強度を特定の範囲に限定し、かつ、90%加圧変形後の復元率を特定の範囲に限定した場合に、耐プレッシャーマーク性・塗膜付着性・折曲加工性の全てにおいて良好な評価結果を示す裏面塗膜を形成可能な塗料組成物が得られることを見出し、本発明の完成に到った。
また、樹脂ビーズの質量含有率を特定の範囲に限定し、かつ、平均粒子径を特定の範囲に限定することによって、耐プレッシャーマーク性・塗膜付着性・折曲加工性の全てにおいてさらに良好な評価結果が得られることが分かった。
【0010】
すなわち、本発明は、塗膜形成樹脂(A)、架橋剤(B)、樹脂ビーズ(C)を含有し、該樹脂ビーズ(C)の微小圧縮試験機による単一樹脂ビーズ10%加圧変形時の圧縮強度が0.1MPa〜20MPaであり、かつ樹脂ビーズ(C)の微小圧縮試験機による単一樹脂ビーズ90%加圧変形後の復元率が80%以上であることを特徴とする塗料組成物に関する。
また、本発明は、上記塗料組成物において、前記樹脂ビーズ(C)の質量含有率が、前記塗膜形成樹脂(A)と前記架橋剤(B)の固形分質量の総和に対して0.5〜20質量%であることを特徴とする塗料組成物を提供する。
また、本発明は、前記10%加圧変形時の圧縮強度が0.2〜1.5MPaであり、かつ前記樹脂ビーズ(C)の質量含有率が、前記塗膜形成樹脂(A)と前記架橋剤(B)の固形分質量の総和に対して0.8〜15質量%であることを特徴とする塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記塗料組成物において、前記樹脂ビーズ(C)がウレタン反応によって製造されたことを特徴とする塗料組成物を提供する。
また、本発明は、前記樹脂ビーズ(C)がウレタン反応によって製造され、かつ原料のイソシアネートが2官能であることを特徴とする塗料組成物を提供する。
さらに、本発明の塗料組成物を塗装することにより耐プレッシャーマーク性・塗膜付着性・折曲加工性の全てに優れた塗膜を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の塗料組成物を裏面に塗装することにより、耐プレッシャーマーク性・塗膜付着性・折曲加工性の全てに優れた塗膜を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の塗料組成物に使用する塗膜形成樹脂(A)は、塗膜形成能を有し、かつ架橋剤(B)と反応し得る官能基を有する樹脂である限り、特に限定されないが、加工性や密着性の点から、好ましくはエポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種の塗膜形成樹脂である。これらの塗膜形成樹脂は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0013】
塗膜形成樹脂(A)としてエポキシ樹脂を使用する場合において、エポキシ樹脂には、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから合成されるビスフェノールA型エポキシ樹脂と、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンから合成されるビスフェノールF型エポキシ樹脂とを挙げることができるが、耐食性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
【0014】
塗膜形成樹脂(A)としてエポキシ樹脂を使用する場合において、エポキシ樹脂の数平均分子量は、加工性、耐食性、塗装作業性などの点から、400〜10,000が好ましく、2,000〜8,000がより好ましい。なお、本発明における数平均分子量の値は、ポリスチレンを標準物質としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により得られたものである。
【0015】
塗膜形成樹脂(A)としてエポキシ樹脂を使用する場合において、このエポキシ樹脂のエポキシ基又は水酸基の全部又は一部が、変性剤との反応により変性されていてもよい。エポキシ樹脂の変性剤として、例えば、ポリエステル、アルカノールアミン、カプロラクトン、イソシアネート化合物、リン酸化合物、酸無水物などが挙げられる。これらの変性剤は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0016】
塗膜形成樹脂(A)としてポリエステル樹脂を使用する場合において、このポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸との反応を利用した、公知の方法により得ることができる。
【0017】
多価アルコールとして、グリコール及び3価以上の多価アルコールが挙げられる。グリコールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、メチルプロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオールなどが挙げられる。また、3価以上の多価アルコールとして、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらの多価アルコールは、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0018】
多塩基酸として、通常は多価カルボン酸が使用されるが、必要に応じて1価の脂肪酸などを併用することができる。多価カルボン酸として、例えば、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ピロメリット酸、ダイマー酸など、及びこれらの酸無水物、並びに1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などが挙げられる。これらの多塩基酸は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0019】
塗膜形成樹脂(A)としてポリエステル樹脂を使用する場合において、ポリエステル樹脂の水酸基価は、耐溶剤性、加工性などの点から、5〜200mgKOH/gが好ましい。
塗膜形成樹脂(A)としてポリエステル樹脂を使用する場合において、ポリエステル樹脂の数平均分子量は、耐溶剤性、加工性などの点から、500〜20,000が好ましい。
【0020】
本発明に用いられる架橋剤(B)は、塗膜形成樹脂(A)と反応して硬化塗膜を形成するものである。架橋剤(B)としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物などを挙げることができるが、加工性や汎用性の点から、メラミン樹脂、ブロック化ポリイソシアネート化合物が好ましい。これらの架橋剤は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0021】
アミノ樹脂は、アミノ基を含有する化合物にホルムアルデヒドを付加し縮合させた樹脂の総称であり、具体的には、メラミン樹脂、尿素樹脂又はグアナミン樹脂などが挙げられる。この中でも、メラミン樹脂が好ましい。メラミン樹脂としては、例えば、メラミンとホルムアルデヒドとを反応させて得られる部分又は完全メチロール化メラミン樹脂、メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をアルコール成分で部分的に又は完全にエーテル化して得られる部分又は完全アルキルエーテル型メラミン樹脂、イミノ基含有型メラミン樹脂、及びこれらの混合型メラミン樹脂が挙げられる。アルキルエーテル型メラミン樹脂としては、例えば、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、メチル/ブチル混合アルキル型メラミン樹脂などが挙げられる。
【0022】
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、そして、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、メタキシリレンジイソシアネート、水素化XDI、水素化TDI、水素化MDIなどの環状脂肪族ジイソシアネート、さらに、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族ジイソシアネート、及びこれらのアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で使用することもでき、2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0023】
ブロック化ポリイソシアネート化合物としては、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を、例えば、ブタノールなどのアルコール類、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム類、ε−カプロラクタム類などのラクタム類、アセト酢酸ジエステルなどのジケトン類、イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾール類、又はm−クレゾールなどのフェノール類などによりブロックしたものが挙げられる。
【0024】
本発明の塗料組成物において、架橋剤(B)の塗膜形成性樹脂(A)に対する固形分質量含有比率は、耐食性、加工性の点から、3〜60質量%であることが好ましい。3未満の場合、塗膜強度が低下する場合があり、60質量%を超える場合、加工性が低下する場合がある。
【0025】
本発明の塗料組成物には、上記の成分に加えて、必要に応じて、塗料分野で通常使用されている公知の各種成分を含有させることができる。具体的には、例えば、レベリング剤、消泡剤などの各種表面調整剤、分散剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの各種添加剤、着色顔料、体質顔料などの各種顔料、光輝材、硬化触媒、有機溶剤などが挙げられる。
【0026】
本発明に用いられる樹脂ビーズ(C)は、微小圧縮試験機による単一樹脂ビーズ10%加圧変形時の圧縮強度が0.1MPa〜20MPaであり、より好ましくは0.15MPa〜10MPaであり、さらに好ましくは0.2MPa〜1.5MPaである。また、樹脂ビーズ(C)の微小圧縮機による単一樹脂ビーズ90%加圧変形後の復元率が80%以上、好ましくは90%以上であり、硬化塗膜の耐ブロッキング性に寄与するものである。
【0027】
本発明における樹脂ビーズ(C)の単一樹脂ビーズ10%加圧変形時の圧縮強度および90%加圧変形後の復元率は、微小圧縮試験機(「MCT−510」、島津製作所社製)により測定した値である。具体的には単一ビーズを試験機の下部加圧板にセットし、上部加圧圧子を下げながら単一ビーズに圧縮変形を加えつつ同時に荷重を測定し、樹脂ビーズ径が10%減少した時点での荷重を10%加圧変形時の圧縮強度として得られる。また、単一ビーズに対して圧縮変形を加え、樹脂ビーズ径が90%減少した時点で荷重を停止した。荷重をかける前の樹脂ビーズ径をdi(mm)、荷重を停止し60秒経過後の樹脂ビーズ径をdt(mm)すると、90%加圧変形後の復元率は次式(1)により算出することができる。
【0028】
90%加圧変形後の復元率=dt/di・・・式(1)
【0029】
上記樹脂ビーズ(C)の圧縮強度が0.1〜20MPaであっても、微小圧縮機による単一樹脂ビーズ90%加圧変形後の復元率が80%未満では、塗膜の耐プレッシャーマーク性が十分ではない。
【0030】
前記樹脂ビーズ(C)の質量含有率が、前記塗膜形成樹脂(A)と前記架橋剤(B)の固形分質量の総和に対して0.5〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.8〜15質量%であり、さらに好ましくは1.0〜15質量%である。0.5質量%未満の場合は、耐プレッシャーマーク性が低下する場合がある。20質量%より多い場合は、加工性が低下する場合がある。
【0031】
樹脂ビーズ(C)の平均粒子径は5〜30μmが好ましい。平均粒子径は5μm未満では、塗膜の耐プレッシャーマーク性の向上が十分ではなく、30μmを超えると、外観上好ましくないばかりか、樹脂ビーズの脱離により耐プレッシャーマーク性が低下する。
【0032】
次に、樹脂ビーズの製造工程を以下に示す
【0033】
<第一段階 ウレタン原料の調整>
第一段階では、出発原料のイソシアネートとポリオールを混合する。2官能または3官能のイソシアネートとポリオールをあらかじめ混合して次工程の懸濁重合の準備をする。2官能のイソシアネートとポリオールを使用すると弾力性に富む樹脂ビーズを得ることができる。3官能のイソシアネートとポリオールを用いると強直な樹脂ビーズとなる。物性を調整するため適宜併用してもよい。イソシアネートの種類としては黄変色タイプでも非黄変色タイプでかまわない。
【0034】
使用するポリオールは、原則イソシアネートと等モルになるよう配合する。使用するポリオールの分子量によりイソシナネートとポリオールの割合が変わる。ポリオール成分が少ないと硬い粒子が得られ、ポリオール成分が多いと、軟らかい粒子が得られやすい。
【0035】
ポリオール成分としては、ポリエステル系、ポリエーテル系、アクリルポリオール系等のいずれでもよい。またその併用も可能である。
【0036】
また、懸濁液の粘度が高く、取り扱いにくくなる場合には、ビーズ原材料に希釈溶剤を配合することが好ましい。希釈溶剤としては、ブロックイソシアネート基含有ポリイソシアネートプレポリマーを溶解し、重合反応を阻害しないものであればよい。
【0037】
上述したビーズ原材料は、懸濁安定剤を含む水に添加される。懸濁安定剤を含む水は、水に懸濁安定剤を溶解または分散させることによって調製される。
【0038】
懸濁安定剤としては、懸濁重合で一般に用いられているものであれば特に制限されず、有機系、無機系を問わない。懸濁安定剤の具体例としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系水溶性樹脂, ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩類、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド系、第三燐酸塩類などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0039】
また、懸濁安定剤に界面活性剤を併用してもよい。懸濁安定剤に併用する界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤のいずれであってもよい。
【0040】
懸濁安定剤の添加量はブロックイソシアネート基含有ポリイソシアネートプレポリマー100質量部に対して種類により異なるが1〜10質量部が好ましい。懸濁安定剤の添加量が前記範囲であれば、樹脂ビーズの平均粒子径がフィラーとして適切な5〜30μmの範囲になりやすい。
【0041】
なお、懸濁安定剤の量が10質量部より多くなると、平均粒子径が5μmより小さくなる傾向があり、且つ懸濁液の粘度が上がり、固液分離や洗浄が困難になる傾向にある。また、懸濁安定剤の量が1質量部より少ないと粒子同士の凝集がおこりやすく、且つ粒子径が30μmより大きくなる傾向にある。
【0042】
懸濁安定剤を溶解または分散させる水の量は、ブロックイソシアネート基含有ポリイソシアネートプレポリマー100質量部に対して水100〜300質量部であることが好ましい。
【0043】
<第二段階 懸濁重合>
ビーズ原材料を、懸濁安定剤を含む水中に添加した後、粒子状に分散するためには、通常、攪拌する方法が採られる。その際の攪拌速度は、第一段階で調整したウレタン原料が所定の粒子径になるように適宜調節することが好ましい。
【0044】
ブロックイソシアネート基含有ポリイソシアネートプレポリマー分散粒子の粒子径の調整が終了した後、温度30〜90℃に加熱し、1〜6時間懸濁重合させて懸濁液を得る。
【0045】
<第三段階 後処理>
後処理工程における固液分離では、例えば、ろ過や遠心分離などが適用される。
洗浄では、分離回収された反応性ポリウレタンビーズを、さらに水等で洗浄して、ポリウレタンビーズに残留している懸濁安定剤を取り除く。乾燥では、例えば、加熱乾燥法、気流乾燥法、真空乾燥法、赤外線乾燥法などが適用される。例えば、加熱乾燥法を適用した場合には、乾燥温度は40〜110℃とすることが好ましく、乾燥時間は2〜40時間とすることが好ましい。
懸濁液を固液分離、洗浄する際は、懸濁安定剤を分解するセルロース分解酵素、ポリビニルアルコール分解酵素などの酵素、次亜塩素酸塩などの試薬等で懸濁液を処理してもよい。前記試薬で処理することにより、懸濁液の粘度を下げて固液分離作業を容易にでき、また、洗浄もしやすくなる。
【0046】
本発明の塗料組成物を塗装する被塗物としては、例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金化亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム−亜鉛メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛メッキ鋼板、マグネシウム−アルミニウム−亜鉛メッキ鋼板、マグネシウム−アルミニウム−シリカ−亜鉛メッキ鋼板などの各種亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板などに、クロムフリー系やクロメート系など化成処理剤による処理を施したものが挙げられる。
【0047】
プレコート鋼板の製造においては、一般的に、下塗り塗膜上に上塗り塗料が塗装される。上塗り塗料を塗装することで、プレコート鋼板に美観を付与することができ、また、プレコート鋼板に要求される加工性、耐候性、耐薬品性、耐汚染性、耐水性、耐食性などの各種性能を高めることができる。
【0048】
本発明の塗料組成物の用途は特に限定されないが、プレコート鋼板の製造における裏面塗料として使用することが好ましい。
【0049】
本発明の塗料組成物の塗装方法は、プレコート鋼板の製造において通常用いられている方法、例えば、ロールコーター塗装、カーテンフローコーター塗装などが適用できる。
【0050】
本発明の塗料組成物の塗装条件は、プレコート鋼板の製造における一般的な塗装条件を適用することができる。プレコート鋼板の製造における下塗り塗料の塗装膜厚は、例えば1〜30μmであり、下塗り塗膜の加熱硬化条件は、例えば、最高到達板温150〜300℃、硬化時間15〜150秒である。プレコート鋼板の製造における上塗り塗料の塗装膜厚は、例えば10〜25μmであり、上塗り塗膜の加熱硬化条件は、例えば、最高到達板温190〜250℃、硬化時間20〜180秒である。
【実施例】
【0051】
以下、本発明について、実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、各例中の部、%、比は、それぞれ質量部、質量%、質量比を表す。
【0052】
<樹脂ビーズの合成例C−1〜C−14及び比較合成例RC−1〜RC−3>
2Lの攪拌機付フラスコ(第1フラスコ)に、表1に示す原料を表1に示す配合量で仕込み、撹拌下80℃にて4時間反応させて、ウレタンプレポリマーを作製した。次に、別の2L攪拌機付フラスコ(第2フラスコ)に、表1に示す原料を表1に示す配合量で仕込み、撹拌下で第1フラスコで作製したウレタンプレポリマーを分散させ、60℃で2時間反応させた。反応によって得られた樹脂ビーズは、金網にてろ別し、純水で洗浄したのち80℃の温風乾燥炉にて3時間乾燥して樹脂ビーズC−1〜C−14及びRC−1〜RC−3を得た。
【0053】
【表1】
【0054】
なお、表1で使用した原料の詳細は、以下の通りである。
ヘキサメチレンジイソシアネート3量体:スミジュールN3200(住化バイエルウレタン社製)
ヘキサメチレンジイソシアネート2量体:スミジュールN3400(住化バイエルウレタン社製)
ジフェニルメタンジソシアネート重合体:ミリオネートMR200(日本ポリウレタン工業社製)
トリレンジイソシナネート単量体:コスモネートT100(三井化学(株)社製)
ポリカプロラクトンポリオール:プラクセル303(ダイセル社製)
ポリビニルアルコール:ホバール220(クラレ社製)
【0055】
<平均粒子径の測定方法>
合成した樹脂ビーズの平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD−2300 島津製作所者製」を用いて測定した。その結果を表1に示す。
【0056】
<樹脂ビーズの圧縮強度および復元率の測定>
合成した樹脂ビーズの10%加圧変形時の圧縮強度および90%加圧変形後の復元率を、微小圧縮試験機(「MCT−510」、島津製作所社製)により測定、算出した。これらの結果を表1にまとめた。
【0057】
<製造例1(裏面用塗料ベースE−1の製造)>
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコを用いて、エポキシ樹脂(商品名「jER 1009」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学社製)80部を、混合溶剤(芳香族系溶剤(商品名「ソルベッソ100」、エクソンモービルケミカル社製)/シクロヘキサノン/n−ブタノール=55/27/18(質量比))120部に加熱溶解させ、塗膜形成樹脂(A)となるエポキシ樹脂溶液を得た。次に、このエポキシ樹脂溶液200部に、シクロヘキサノン30部、芳香族系溶剤(商品名「ソルベッソ150」、エクソンモービルケミカル社製)30部を加え、二酸化チタン(商品名「JR701」、テイカ社製)70部、カーボンブラック顔料1部、防錆顔料(商品名「シールデックスC303」、GRACE社製)20部、沈降性硫酸バリウム8部を添加し、サンドグラインドミルで粒度が5〜10μmになるまで分散して、ミルベースを得た。このミルベースに、架橋剤(B)としてブロック化ポリイソシアネート化合物(商品名「デスモジュールBL−3175」(固形分75%)、住化バイエルウレタン社製)21部、ジブチルスズジラウリレート(DBTDL)1.2部を加えて均一に混合し、裏面用塗料ベースE−1(固形分51%)を得た。
【0058】
<製造例2(裏面用塗料ベースE−2の製造)>
エボニックテグサ社製 LH822(固形分55% 数平均分子量5000 水酸基価50mg/g)160部、シクロヘキサノン30部、芳香族系溶剤(商品名「ソルベッソ150」、エクソンモービルケミカル社製)30部を加え、二酸化チタン(商品名「JR701」、テイカ社製)70部、カーボンブラック顔料1部、防錆顔料(商品名「シールデックスC303」、GRACE社製)20部、沈降性硫酸バリウム15部を添加し、サンドグラインドミルで粒度が5〜10μmになるまで分散して、ミルベースを得た。このミルベースに、架橋剤(B)として、n−ブチル化メラミン樹脂(三井化学(株)社製 ユーバン122(固形分60%))40部を加えて均一に混合し、裏面用塗料ベースE−2(固形分60%)を得た。
【0059】
<製造例3(下塗り塗料P−1の製造)>
撹拌機、冷却管及び温度計を備えたフラスコを用いて、エポキシ樹脂(商品名「jER 1009」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学社製)80部を、混合溶剤(芳香族系溶剤(商品名「ソルベッソ100」、エクソンモービルケミカル社製)/シクロヘキサノン/n−ブタノール=55/27/18(質量比))120部に加熱溶解させ、塗膜形成樹脂(A)となるエポキシ樹脂溶液を得た。次に、このエポキシ樹脂溶液200部に、シクロヘキサノン30部、芳香族系溶剤(商品名「ソルベッソ150」、エクソンモービルケミカル社製)30部を加え、30部の防錆顔料(商品名「シールデックスC303」、GRACE社製)を添加し、サンドグラインドミルで粒度が20〜25μmになるまで分散して、ミルベースを得た。このミルベースに、架橋剤(C)としてブロック化ポリイソシアネート化合物(商品名「デスモジュールBL−3175」、住化バイエルウレタン社製)21部、ジブチルスズジラウリレート(DBTDL)1.2部を加えて均一に混合し、下塗り塗料P−1を得た。
【0060】
<実施例CB−1〜CB−18、比較例RCB−1〜RCB−3(裏面塗料の製造)>
製造例1で得られた裏面塗料ベースE−1を400部に、表2〜表3に示す樹脂ビーズ(C)を表2〜表3に示す配合量で加え、微粉末シリカ(商品名「NIPSIL E−200A」、東ソー・シリカ社製)を添加して60度鏡面光沢度が10になるように調整を行い、裏面塗料CB−1〜CB−18及びRCB−1〜RCB−3を得た。なお、400質量部の裏面塗料ベースE−1に含まれる塗膜形成樹脂(A)と架橋剤(B)の合計は、100質量部である。
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
<実施例CB−31〜CB−48、比較例RCB−31〜RCB−33(裏面塗料の製造)>
製造例2で得られた裏面塗料ベースE−2を327部に、表4〜表5に示す樹脂ビーズ(C)を表4〜表5に示す配合量で加え、微粉末シリカ(商品名「NIPSIL E−200A」、東ソー・シリカ社製)を添加して60度鏡面光沢度が10になるように調整を行い、裏面塗料CB−31〜CB−48及びRCB−31〜RCB−33を得た。なお、327質量部の裏面塗料ベースE−2に含まれる塗膜形成樹脂(A)と架橋剤(B)の合計は、100質量部である。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
<試験片の作成>
裏面用塗料塗装板の作成
化成処理が施された板厚0.35mmのアルミニウム/亜鉛合金めっき鋼板(Al55%)の片面に、裏面塗料CB−1〜CB−48及びRCB1〜RCB33をバーコーターにて乾燥膜厚が8μmになるように塗布し、最高到達板温220℃にて40秒間、熱風乾燥機中で焼き付けて裏面塗膜を形成した。
【0067】
表面用塗装板の作成
化成処理が施された板厚0.35mmのアルミニウム/亜鉛合金めっき鋼板(Al55%)の裏面塗料が塗装されていない表面に、下塗り塗料P−1をバーコーターにて乾燥膜厚が5μmになるように塗布し、最高到達板温210℃にて40秒間、熱風乾燥機中で焼き付けて下塗り塗膜を形成した。
【0068】
この下塗り塗膜の上に、ポリエステル樹脂系上塗り塗料(商品名「プレカラーHD0030」、BASFジャパン(株)製、ブラウン色)」をバーコーターにて乾膜厚が15μmになるように塗布し、最高到達板温が220℃にて40秒間、熱風乾燥機中で焼き付けて上塗り塗膜を形成して試験片を得た。
得られた試験片の裏面側について、以下の塗膜性能評価を行い、結果を表2〜表5に示した。
【0069】
<耐プレッシャーマーク性>
作成した塗装鋼板から試験片が10cm×10cmになるようにカットし、表面と裏面を重ね合わせ、圧力5MPa/cm2を加えた状態で50℃の雰囲気で24時間放置した。その後、室温まで冷却し圧力を解除し、重ね合せた試験片を引き離し、表面のプレッシャーマーク性を観察する。
◎:表面の外観が試験前後で変化していない。
○:表面の外観にわずかに変化がみられ、一見しても分からない程度である。
△:表面の外観にわずかに変化がみられ、一見して分かる程度である。
×:著しい変化が見られる。
【0070】
<塗膜付着性>
試験片の塗膜に、カッターナイフを用いて1mm×1mmの碁盤目を100個形成した。次に、エリクセン試験機を使用し、試験片の押さえ面からポンチの先端までの距離が6mmとなるように、碁盤目が形成された部分の塗膜を、試験片の裏側からポンチで張り出した。最後に、この張り出した塗膜の碁盤目部分にセロハンテープを強く圧着させ、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がし、碁盤目の状態を観察して、以下の基準で評価した。
◎:塗膜の剥離が認められない。
○:塗膜の剥離面積が5%以下である
△:塗膜の剥離面積が20%以下である。
×:塗膜の剥離面積が20%超である。
【0071】
<折曲加工性>
試験片と同一の板を間に挟み込むようにして、試験片を180度に折り曲げた。この際、試験片の間に挟み込まれる、試験片と同一の板の枚数により、0T、2Tなどと表記される。例えば、0Tとは、試験片と同一の板を挟み込まずに試験片を折り曲げることであり、2Tとは、試験片と同一の板を2枚挟み込むようにして試験片を折り曲げることを示す。本発明の塗膜の性能評価では、2T、3Tを実施し、折り曲げ後の頂部にセロハンテープを強く圧着させ、テープの端を45°の角度で一気に引き剥がし、塗膜の剥離状態により以下の基準で評価した。
◎:2T,3Tの何れにおいても塗膜の剥離が認められない。
○:3Tでは塗膜の剥離が認められないが、2Tでは塗膜の剥離がわずかに認められる。
△:3Tで塗膜の剥離がわずかに認められる。
×:3Tで塗膜の剥離が著しく認められる。
【0072】
<考察>
全ての実施例では、10%加圧変形時の圧縮強度が0.1MPa〜20MPaでありかつ90%加圧変形後の復元率が80%以上である樹脂ビーズを用いたことにより、耐プレッシャーマーク性・塗膜付着性・折曲加工性の全てにおいて良好な評価結果が得られた。
また、CB−1〜CB−14と、CB−31〜CB−44では、塗膜形成樹脂(A)と架橋剤(B)の固形分質量の総和に対して樹脂ビーズ(C)の質量含有率を0.5〜20質量%とし、かつ平均粒子径が5〜30μmである樹脂ビーズ(C)を使用したことによって、耐プレッシャーマーク性・塗膜付着性・折曲加工性の全てにおいてさらに良好な評価結果が得られた。 また、さらに、CB−2〜CB−7と、CB−32〜CB−37では、樹脂ビーズ(C)の質量含有率を10%加圧変形時の圧縮強度が0.2〜1.5MPaである樹脂ビーズ(C)を用い、その質量含有率を0.8〜15質量%とすることによって、さらに良好な評価結果が得られた。