(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記支持板はロール状に形成され、上記ベースフィルムを搬送しながら上記接着剤層への上記導電性粒子の配列を連続して行う請求項1又は2に記載の導電性接着フィルムの製造方法。
上記接着剤層に上記導電性粒子が配列された後、上記接着剤層の上に第2のベースフィルムがラミネートされる請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性接着フィルムの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明が適用された導電性接着フィルムの製造方法、接続体の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0015】
[異方性導電フィルム]
本発明が適用された導電性接着フィルムは、接着剤となるバインダー樹脂中に導電性粒子が所定のパターンで均等に分散配置され、相対向する接続端子間に導電性粒子が挟持されることにより当該接続端子間の導通を図る異方性導電フィルム1として好適に用いられる。また、本発明が適用された導電性接着フィルムを用いた接続体としては、例えば、異方性導電フィルム1を用いてICやフレキシブル基板がCOG接続、FOB接続あるいはFOF接続された接続体、その他の接続体であって、テレビやPC、携帯電話、ゲーム機、オーディオ機器、タブレット端末あるいは車載用モニタ等のあらゆる機器に好適に用いることができる。
【0016】
異方性導電フィルム1は、熱硬化型あるいは紫外線等の光硬化型の接着剤であり、図示しない圧着ツールにより熱加圧されることにより流動化して導電性粒子が相対向する接続端子間で押し潰され、加熱あるいは紫外線照射により、導電性粒子が押し潰された状態で硬化する。これにより、異方性導電フィルム1は、ICやフレキシブル基板をガラス基板等の接続対象に電気的、機械的に接続する。
【0017】
異方性導電フィルム1は、例えば
図1に示すように、膜形成樹脂、熱硬化性樹脂、潜在性硬化剤、シランカップリング剤等を含有する通常のバインダー樹脂2(接着剤)に導電性粒子3が所定のパターンで配置されてなり、この熱硬化性接着材組成物が上下一対の第1、第2のベースフィルム4,5に支持されているものである。
【0018】
第1、第2のベースフィルム4,5は、例えば、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methylpentene-1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)等にシリコーン等の剥離剤を塗布してなる。
【0019】
バインダー樹脂2に含有される膜形成樹脂としては、平均分子量が10000〜80000程度の樹脂が好ましい。膜形成樹脂としては、エポキシ樹脂、変形エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂等の各種の樹脂が挙げられる。中でも、膜形成状態、接続信頼性等の観点からフェノキシ樹脂が特に好ましい。
【0020】
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、市販のエポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0021】
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上の組み合わせであってもよい。
【0022】
アクリル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じてアクリル化合物、液状アクリレート等を適宜選択することができる。例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エポキシアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、テトラメチレングリコールテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等を挙げることができる。なお、アクリレートをメタクリレートにしたものを用いることもできる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】
潜在性硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、加熱硬化型、UV硬化型等の各種硬化剤が挙げられる。潜在性硬化剤は、通常では反応せず、熱、光、加圧等の用途に応じて選択される各種のトリガにより活性化し、反応を開始する。熱活性型潜在性硬化剤の活性化方法には、加熱による解離反応などで活性種(カチオンやアニオン、ラジカル)を生成する方法、室温付近ではエポキシ樹脂中に安定に分散しており高温でエポキシ樹脂と相溶・溶解し、硬化反応を開始する方法、モレキュラーシーブ封入タイプの硬化剤を高温で溶出して硬化反応を開始する方法、マイクロカプセルによる溶出・硬化方法等が存在する。熱活性型潜在性硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミン塩、ジシアンジアミド等や、これらの変性物があり、これらは単独でも、2種以上の混合体であってもよい。中でも、マイクロカプセル型イミダゾール系潜在性硬化剤が好適である。
【0024】
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ系、アミノ系、メルカプト・スルフィド系、ウレイド系等を挙げることができる。シランカップリング剤を添加することにより、有機材料と無機材料との界面における接着性が向上される。
【0025】
[導電性粒子]
導電性粒子3としては、例えば、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバルト、銀、金等の各種金属や金属合金の粒子、金属酸化物、カーボン、グラファイト、ガラス、セラミック、プラスチック等の粒子の表面に金属をコートしたもの等が挙げられる。樹脂粒子の表面に金属をコートしたものである場合、樹脂粒子としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、スチレン系樹脂等の粒子を挙げることができる。
【0026】
導電性粒子3は、
図2に示すように、表面が絶縁材料によって被覆されることにより絶縁皮膜3aが形成されている。これにより、導電性粒子3は、絶縁皮膜3aに電荷を帯電させることができる。
【0027】
絶縁皮膜3aを構成する絶縁材料としては、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、イミド系、アミド系等の各重合体が挙げられる。また、絶縁皮膜の製造方法としては、「ハイブリダイゼーション処理」が挙げられる。ハイブリダイゼーション処理は、微粒子に微粒子を複合化するもので、母粒子と子粒子とを気相中に分散させながら、衝撃力を主体とする機械的熱エネルギーを粒子に与えることによって、粒子の固定化および成膜処理を行うものである。
【0028】
[絶縁皮膜の膜厚]
また、絶縁皮膜3aは、膜厚が導電性粒子3の粒子径の0.1〜50%に形成されることが好ましい。後述するように、導電性粒子3は、帯電された状態でバインダー樹脂2に配列される必要があることから、電荷を帯びる絶縁皮膜3aの厚みが薄いとバインダー樹脂2へ付着する前に帯電性が落ちてしまい、所定のパターンに配列することができないおそれがある。一方、導電性粒子3は、絶縁皮膜3aが厚すぎると、接続端子間の導通抵抗が上がってしまう。そこで、絶縁皮膜3a、導電性粒子3の粒子径の0.1〜50%の膜厚で形成されることが好ましい。
【0029】
具体的に、絶縁皮膜3aの膜厚は、絶縁皮膜3aを構成する材料の誘電率をもとに決めることができる。例えば、平均粒径4μmの導電性粒子3の表面に形成する絶縁皮膜3aとして(材料名:ポリメチルメタクリレート、誘電率:3)を用いる場合、膜厚は0.004〜2.0μm程度にできる。
【0030】
異方性導電フィルム1は、後述するように、導電性粒子3が所定の配列パターンで規則的に配列され、導電性粒子の凝集による粗密の発生が防止されている。したがって、異方性導電フィルム1によれば、接続端子間の狭小化の進行によっても導電性粒子の凝集体による端子間ショートを防止することができ、また微小化された接続端子においても導電性粒子を捕捉することができ、高密度実装の要求に応えることができる。
【0031】
なお、異方性導電フィルム1の形状は、特に限定されないが、例えば、
図1に示すように、巻取リール6に巻回可能な長尺テープ形状とし、所定の長さだけカットして使用することができる。
【0032】
また、上述の実施の形態では、異方性導電フィルム1として、バインダー樹脂2に導電性粒子3を含有した熱硬化性樹脂組成物をフィルム状に成形した接着フィルムを例に説明したが、本発明に係る接着剤は、これに限定されず、例えばバインダー樹脂2のみからなる絶縁性接着剤層と導電性粒子3を含有したバインダー樹脂2からなる導電性粒子含有層とを積層した構成とすることができる。
【0033】
[異方性導電フィルムの製造方法]
次いで、異方性導電フィルム1の製造方法について説明する。異方性導電フィルム1の製造工程は、第1のベースフィルム4の一面に形成されたバインダー樹脂2に、導電性粒子3を所定のパターンに配列させる工程を有する。バインダー樹脂2に配列された導電性粒子3は、バインダー樹脂2の当該導電性粒子3が配列された面が第2のベースフィルム5によってラミネートされることにより、バインダー樹脂2に押し込まれる。
【0034】
導電性粒子の配列工程は、
図3に示すように、一面にバインダー樹脂2が設けられた第1のベースフィルム4を支持する導電性の支持板10と、支持板10に支持された第1のベースフィルム4のバインダー樹脂2と対峙して配置され、導電性粒子3の配列パターンに応じたパターンに配列された貫通孔12が複数形成された配列板11と、配列板11の上方に配置され、導電性粒子3に電圧を印加しながら液体とともに帯電した導電性粒子3を噴霧するスプレー13を用いる。
【0035】
支持板10は、スプレー13との間で電圧が印加されることにより、第1のベースフィルム4に設けられたバインダー樹脂2に、帯電した導電性粒子3を吸着させるものであり、例えばニッケル板によって形成される。支持板10は、導電性を有するものであれば材料は問わない。
【0036】
配列板11は、バインダー樹脂2上に近接配置されることにより、貫通孔12を通過した導電性粒子3を当該貫通孔12の配列パターンでバインダー樹脂2の表面に配列させるものである。配列板11は、導電性粒子3の所定の配列パターンに応じて複数の貫通孔12が形成されている。例えば、配列板11は、複数の貫通孔が均等間隔で格子状に形成される。これにより、貫通孔12を通過した導電性粒子は、バインダー樹脂2の表面に格子状に均等配置される。なお、貫通孔12は、レーザ加工等、公知の加工技術を用いて形成することができる。
【0037】
貫通孔12の開口径は、導電性粒子3の平均粒子径の100%以上の径を有し、好ましくは導電性粒子3の平均粒子径の120〜200%である。貫通孔12の開口径が導電性粒子3の平均粒子径の100%未満の径とすると、導電性粒子3を通過させることが困難となる。また、貫通孔12の開口径が導電性粒子3の平均粒子径の200%以上となると、複数の導電性粒子3が一つの貫通子12を通過する恐れがあり、導電性粒子を均等に分散配置することができず、また粒子凝集を招く恐れがある。
【0038】
なお、配列板11は、帯電が防止されることにより、帯電した導電性粒子3の付着や、反発による貫通孔12の通過を阻害することが防止されている。例えば、配列板11は、ニッケル等の導電性材料を用いて形成されるとともにアースされることにより帯電が防止されている。あるいは、配列板11は、帯電しにくい材料を用いて形成することにより帯電を防止するようにしてもよい。
【0039】
スプレー13は、配列板11上に設けられ、配列板11を介して支持板10に支持されている第1のベースフィルム4のバインダー樹脂2に向かって、水等の液体に分散された導電性粒子3を、当該液体とともに噴霧する。このとき、スプレー13は、導電性粒子3に支持板10に印加した電圧と反対の極性の電荷を印加する。スプレー13は、例えばノズル先端にてコロナ放電を行うことにより導電性粒子3を帯電させることができる。
【0040】
これら支持板10、配列板11、及びスプレー13を用いて、第1のベースフィルム4の一面に形成されたバインダー樹脂2に、導電性粒子3を所定のパターンに配列させるには、スプレー13と、バインダー樹脂2を上に向けた状態で第1のベースフィルム4を支持する支持板10との間に電圧を印加しながら、スプレー13より電荷が帯電された導電性粒子3を液体とともに噴霧する。
【0041】
噴出した導電性粒子3は、静電気により、均一に分散するとともに配列板11の貫通孔12を通過し、反対の極性に印加されている支持板10に支持された第1のベースフィルム4上のバインダー樹脂2の表面に、貫通孔12の配列パターンに応じたパターンで付着する(
図4(A))。なお、導電性粒子3に付着している水分は、落下中に導電性粒子3の表面より振り落とされる。
【0042】
[絶縁皮膜3aの膜厚]
ここで、導電性粒子3は、反対の極性に印加されている支持板10に引き寄せられることによりバインダー樹脂2の表面に付着されるため、少なくともバインダー樹脂2の表面に付着するまでは電荷が帯電している必要がある。そこで、上述したように、導電性粒子3は、電荷が帯電される絶縁皮膜3aの膜厚が、導電性粒子3の粒子径の0.1%以上の厚さに形成されることにより、バインダー樹脂2へ付着する前に帯電性が落ちることがなく、確実に配列板11の貫通孔12のパターンに応じて均等に分散配置される。一方、導電性粒子3は、絶縁皮膜3aが厚すぎると、接続端子間の導通抵抗が上がってしまう。そこで、絶縁皮膜3aは、導電性粒子3の粒子径の0.1〜50%の膜厚で形成されることが好ましい。
【0043】
また、導電性粒子3は、それぞれ同極性の電荷が帯電されているため、たがいに反発しあう。これにより、一つの貫通子12に複数の導電性粒子3が通過することを防止することができ、バインダー樹脂2の表面には、貫通孔12のパターンに応じて導電性粒子3が単層配列される。
【0044】
導電性粒子3が貫通孔12のパターンに応じた所定のパターンで配列された後、導電性粒子3が配列されたバインダー樹脂2の上には、第2のベースフィルム5がラミネートされる(
図4(B))。
【0045】
第2のベースフィルム5は、導電性粒子3をバインダー樹脂2に押し込み、位置決めを図るものである。第2のベースフィルム5は、剥離処理された面をバインダー樹脂2の導電性粒子3が転写された面に貼り合わされることにより、導電性粒子3を第1のベースフィルム4,5に塗布されたバインダー樹脂2中に保持する。これにより、導電性粒子3を含有するバインダー樹脂2が上下一対の第1、第2のベースフィルム4,5に支持された異方性導電フィルム1が形成される。
【0046】
図4(C)に示すように、異方性導電フィルム1は、適宜、ラミネートロール21によって押圧されることにより、バインダー樹脂2中に押し込まれる。次いで、異方性導電フィルム1は、第1のベースフィルム4側から紫外線が照射される等により、バインダー樹脂2の導電性粒子3が押し込まれた面が硬化され、これにより導電性粒子3を配列されたパターンに固定する。
【0047】
[接続体の製造工程]
異方性導電フィルム1は、ICやフレキシブル基板がCOG接続、FOB接続あるいはFOF接続された接続体等であって、テレビやPC、携帯電話、ゲーム機、オーディオ機器、タブレット端末あるいは車載用モニタ等のあらゆる電子機器に好適に用いることができる。
【0048】
図5に示すように、異方性導電フィルム1を介してICやフレキシブル基板が接続されるリジッド基板22は、複数の接続端子23が並列して形成されている。これら接続端子23は、高密度実装の要求から微小化、及び接続端子間の狭小化が図られている。
【0049】
異方性導電フィルム1は、実使用時には、幅方向のサイズを接続端子23のサイズに応じて切断された後、第1のベースフィルム4が剥離され、接続端子23の並列方向を長手方向として、複数の接続端子23上に貼り付けられる。次いで、接続端子23上には、異方性導電フィルム1を介してICやフレキシブル基板側の接続端子が搭載され、その上から図示しない圧着ツールにより熱加圧される。
【0050】
これにより異方性導電フィルム1は、バインダー樹脂2が軟化して導電性粒子3が相対向する接続端子間で押し潰され、加熱あるいは紫外線照射により、導電性粒子3が押し潰された状態で硬化する。これにより、異方性導電フィルム1は、ICやフレキシブル基板をガラス基板等の接続対象に電気的、機械的に接続する。
【0051】
ここで、異方性導電フィルム1は、長手方向にわたって導電性粒子3が格子状かつ均等に配列されている。したがって、異方性導電フィルム1は、微小化された接続端子23上にも確実に捕捉され、導通性を向上させることができ、また、狭小化された接続端子間においても導電性粒子3が連結することなく、隣接する端子間におけるショートを防止することができる。
【0052】
[凝集体の含有割合]
なお、上述したように、本発明によれば、スプレー13より噴出した導電性粒子3は、静電気により、均一に分散するとともに配列板11の貫通孔12を通過し、第1のベースフィルム4上のバインダー樹脂2の表面に、貫通孔12の配列パターンに応じたパターンで付着する(
図4(A))。
【0053】
このとき、導電性粒子3が複数連結する凝集体は、全導電性粒子数の15%以内、好ましくは8%以内、より好ましくは5%となる。凝集体の大きさは、最大でも導電性粒子の平均粒子径の8倍以下とすることが好ましく、より好ましくは5倍以下である。ここでいう凝集体の大きさとは、導電性粒子3が連結された凝集体の最大長も含む。
【0054】
[貫通孔との擦過傷]
また、導電性粒子3は、貫通子12との摩擦によるものと思われる、微小な擦過傷ができる場合がある。この擦過傷は、導電性粒子3の表面積に対して3〜20%程度にできる。また、擦過傷ができる導電性粒子3は、全導電性粒子数の0.5%以上に存在し、これによりバインダー樹脂2の転写時や異方性導電フィルム1の熱加圧時等において導電性粒子3の流動が抑制される。また、擦過傷が発生した導電性粒子3が全導電性粒子数の30%以内であれば、導通性能に影響はないが、全導電性粒子数の15%以内とすることが好ましい。
【0055】
[第2の実施の形態]
なお、第1のベースフィルムを支持する支持板は、平板状に形成する他に、
図6に示すように、ロール状に形成してもよい。ロール状支持板30は、回転されることにより第1のベースフィルム4を搬送する。また、ロール状支持板30は、第1のベースフィルム4を支持する上部に配列板11が配設される。さらに、ロール状支持板30は、配列板11と対峙するスプレー13との間に電圧が印加され、スプレー13より噴出される導電性粒子の電荷と反対の極性に帯電される。
【0056】
そして、ロール状支持板30の上部を第1のベースフィルム4が移動する際に、スプレー13より噴出された導電性粒子3が配列板11の貫通孔12を通過して、ベースフィルム4上に設けられたバインダー樹脂2の表面に所定のパターンで付着する。これにより、ロール状支持板30によって搬送される第1のベースフィルム4のバインダー樹脂2に、導電性粒子3を連続して配列させることができ、製造効率を向上させることができる。
【0057】
さらに、バインダーの表面に導電性粒子3が配列された第1のベースフィルム4は、搬送方向下流側において、第2のベースフィルム5のロールラミネート、及び接着剤層の光硬化が同様に連続して行われることで、異方性導電フィルム1を一連の工程で連続して形成することができる。
【実施例】
【0058】
次いで、本発明の実施例について説明する。本実施例では、製法及び導電性粒子の構成が異なる複数の異方性導電フィルムを用意し、各異方性導電フィルムを用いてガラス基板上にICを接続した接続体サンプルを製造した。そして各接続体サンプルについて、導通抵抗(Ω)及び端子間のショート割合(ppm)を求めた。
【0059】
実施例及び比較例に係る異方性導電フィルムは、バインダー樹脂として、
フェノキシ樹脂(YP‐50、新日鉄住金化学株式会社製) 60質量部
エポキシ樹脂(jER828 三菱化学株式会社製) 40質量部
カチオン系硬化剤(SI‐60L 三新化学工業株式会社製) 2質量部
を配合した樹脂組成物を用いた。
【0060】
実施例及び比較例に係る異方性導電フィルムは、これら樹脂組成物をトルエンにて固形分50%になるように調整した混合溶液を作成し、厚さ50μmのPETフィルム上に塗布した後、80℃オーブンにて5分間乾燥した。これにより、厚さ20μmのバインダー樹脂を有する異方性導電フィルムを得た。
【0061】
また、実施例及び比較例に係る異方性導電フィルムは、導電性粒子として、AUL704(樹脂コアAuメッキ粒子、平均粒子径:4μm 積水化学工業株式会社製)を用いた。
【0062】
ガラス基板としては、ICチップのパターンに対応したアルミ配線パターンが形成されたガラス基板(商品名:1737F、コーニング社製、サイズ:50mm×30mm、厚さ:0.5mm)を用いた。
【0063】
導通抵抗(Ω)の測定に用いる接続体サンプルは、このガラス基板上に、実施例及び比較例に係る異方性導電フィルムを配置し、異方性導電フィルム上にICチップ(寸法:1.8mm×20.0mm、厚さ:0.5mm、金バンプサイズ:30μm×85μm、バンプ高さ:15μm、ピッチ:50μm)を配置し、加熱押圧することにより、ICチップとアルミ配線パターンガラス基板とを接続した。圧着条件は、180℃、80MPa、5secとした。
【0064】
また、端子間のショート割合(ppm)の測定に用いる接続体サンプルは、このガラス基板上に、実施例及び比較例に係る異方性導電フィルムを配置し、異方性導電フィルム上にICチップ(寸法:1.5mm×13.0mm、厚さ:0.5mm、金バンプサイズ:25μm×140μm、バンプ高さ:15μm、ピッチ:7.5μm)を配置し、加熱押圧することにより、ICチップとアルミ配線パターンガラス基板とを接続した。圧着条件は、180℃、80MPa、5secとした。
【0065】
[実施例1]
実施例1に係る異方性導電フィルムの製造工程は、PETフィルムの一面に形成されたバインダー樹脂に、導電性粒子を所定のパターンに配列させた後、当該バインダー樹脂の導電性粒子が配列された面を剥離処理されたPETフィルムによってラミネートすることにより、バインダー樹脂中に押し込むことにより製造した。
【0066】
導電性粒子の配列は、バインダー樹脂が設けられたPETフィルムを支持する導電性の支持板と、支持板に支持されたPETフィルムのバインダー樹脂と対峙して配置され、導電性粒子の配列パターンに応じたパターンに配列された貫通孔が複数形成された配列板と、配列板の上方に配置され、導電性粒子に電圧を印加しながら液体とともに帯電した導電性粒子を噴霧するスプレーを用いた(
図3参照)。
【0067】
そして、スプレーと、支持板との間に電圧を印加しながら、スプレーにより電荷が帯電された導電性粒子を水とともに噴霧する。噴出した導電性粒子は、静電気により、均一に分散するとともに配列板の貫通孔を通過し、反対の極性に印加されている支持板に支持されたPETフィルム上のバインダー樹脂の表面に、貫通孔の配列パターンに応じたパターンで付着した。
【0068】
その後、ラミネートロールによって、剥離処理されたPETフィルムをバインダー樹脂の表面にラミネートすることにより、導電性粒子3をバインダー樹脂中に押し込み異方性導電フィルムを得た。
【0069】
この異方性導電フィルムを、ガラス基板に形成されたアルミ配線パターンの接続端子の並列方向を長手方向として、複数の接続端子上にわたって貼りつけた。
【0070】
ここで、実施例1では、導電性粒子の表面に絶縁皮膜(ポリメチルメタクリレート)を、導電性粒子の平均粒子径(4μm)の0.1%の厚さで形成した。
【0071】
[実施例2]
実施例2では、導電性粒子の表面に形成した絶縁皮膜の厚さを、導電性粒子の平均粒子径(4μm)の10%とした他は、実施例1と同一の条件とした。
【0072】
[実施例3]
実施例3では、導電性粒子の表面に形成した絶縁皮膜の厚さを、導電性粒子の平均粒子径(4μm)の50%とした他は、実施例1と同一の条件とした。
【0073】
[比較例1]
比較例1では、従来通りの製法で異方性導電フィルムを得た。すなわち、上述したバインダー樹脂中に導電性粒子(AUL704)を分散した樹脂組成物をPETフィルム上に塗布、乾燥することによりフィルム状に成形した異方性導電フィルムを得た。比較例1に係る異方性導電フィルムは、バインダー樹脂中に導電性粒子がランダムに配置されている。
【0074】
なお、比較例1では、導電性粒子の表面に形成した絶縁皮膜の厚さを、導電性粒子の平均粒子径(4μm)の10%とした。
【0075】
この異方性導電フィルムを、ガラス基板に形成されたアルミ配線パターンの接続端子の並列方向を長手方向として、複数の接続端子上にわたって貼りつけた。
【0076】
[比較例2]
比較例2では、100μm無延伸共重合ポリプロピレンフィルム上にアクリルポリマーを塗布、乾燥することにより粘着剤層を形成した。この粘着材層上に導電性粒子(AUL704)を一面に充填し、エアーブローにより粘着剤に到達していない導電性粒子を排除することにより、充填率60%の単層導電性粒子層を形成した。
【0077】
次に、この導電性粒子が固定されたポリプロピレンフィルムを、試験用二軸延伸装置を用いて、135℃で、縦横共に10%/秒の比率で2.0倍まで延伸し、徐々に室温まで冷却し、配列シートを得た。
【0078】
次に、配列シートの導電性粒子側に、バインダー樹脂が塗布されたPETフィルム(転写フィルム)を重ね、60℃、0.3MPaの条件でラミネートを行って導電性粒子をバインダー樹脂に埋め込んだ後、ポリプロピレンフィルムと粘着剤を剥離した。その後、実施例1と同様に、PETフィルムに第2のPETフィルムが貼り合わされることにより、異方性導電フィルムを得た。
【0079】
この異方性導電フィルムを、ガラス基板に形成されたアルミ配線パターンの接続端子の並列方向を長手方向として、複数の接続端子上にわたって貼りつけた。
【0080】
なお、比較例2では、導電性粒子の表面に形成した絶縁皮膜の厚さを、導電性粒子の平均粒子径(4μm)の10%とした。
【0081】
[比較例3]
比較例3では、導電性粒子の表面に形成した絶縁皮膜の厚さを、導電性粒子の平均粒子径(4μm)の0.05%とした他は、実施例1と同一の条件とした。
【0082】
[比較例4]
比較例4では、導電性粒子の表面に形成した絶縁皮膜の厚さを、導電性粒子の平均粒子径(4μm)の80%とした他は、実施例1と同一の条件とした。
【0083】
これら各実施例及び比較例に係る異方性導電フィルムを用いてガラス基板上にICを接続した接続体サンプルを製造した。そして各接続体サンプルについて、導通抵抗(Ω)及び端子間のショート割合(ppm)を求めた。結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
表1に示すように、実施例1〜3は、いずれもICチップとガラス基板に形成された接続端子との間の導通抵抗が0.5Ω以下と低く、かつ端子間のショート割合も1ppm以下であった。
【0086】
一方、比較例1では、導通抵抗は0.2Ωと低いものの、端子間のショート割合が3000ppmと多かった。同様に、比較例2では、導通抵抗は0.2Ωと低いものの、端子間のショート割合が3000ppmと多く、比較例3でも導通抵抗は0.2Ωと低いものの、端子間のショート割合が130ppmと多かった。また、比較例4では、端子間のショート割合は1ppm以下と低かったものの、導通抵抗が2.0Ωと高くなった。
【0087】
これは、実施例1〜3では、本発明に係る製造工程を用いて製造された異方性導電フィルムを用いているため、導電性粒子が配列板11の貫通孔12のパターンに応じたパターンで均等に分散配置され、接続端子の微小化、及び接続端子間の狭小化に対しても、高い粒子捕捉率を維持し、かつ粒子の凝集が防止され狭小化された端子間における短絡を防止することができたことによる。
【0088】
一方、比較例1では、導電性粒子をバインダー樹脂中にランダムに分散させていることから、バインダー樹脂中に導電性粒子が密集する箇所や分散する箇所が生じ、狭小化された隣接端子間において導電性粒子が連結し、3000ppmと、端子間ショートが頻発した。
【0089】
また、比較例2においても、2軸延伸によって導電性粒子間を離す方法では、すべての導電性粒子が離間するわけではなく、複数個の導電性粒子が連結する粒子凝集が残存し、狭小化された隣接端子間における端子間ショートが300ppmで発生し、完全に防ぐことはできなかった。
【0090】
また、比較例3では、導電性粒子の表面に形成した絶縁皮膜の膜厚が、導電性粒子の平均粒子径の0.1%に満たないため、スプレーから噴出された後、バインダー樹脂の表面に付着する前に帯電性が落ちしてしまい、これにより導電性粒子がランダムに飛散し、また、一つの貫通孔に複数の導電性粒子が通過する等、均等に分散配置されなかった。このため、比較例3においても、複数個の導電性粒子が連結する粒子凝集が発生し、狭小化された隣接端子間における端子間ショートが130ppmで発生し、完全に防ぐことはできなかった。
【0091】
また、比較例4では、導電性粒子の表面に形成した絶縁皮膜の膜厚が、導電性粒子の平均粒子径の80%と厚くなり、接続端子間に挟持されたときに厚い絶縁皮膜が導通性を阻害してしまった。このため、比較例4では、帯電性は良好で隣接する端子間のショートは1ppmと良好であったものの、接続端子間の導通抵抗が2.0Ωと高くなった。
【0092】
これより、導電性粒子の表面に形成する絶縁皮膜の厚さは、導電性粒子の粒径の0.1%以上、50%以下とすることが好ましいことが分かる。