(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1〜3に記載される表面シートでは、繊維密度勾配や凹凸形状などを備えることにより、表面シートでの尿の移行性を向上させ、吸収体に素早く吸収させるようにしている。
【0011】
しかしながら、このような機能を有する表面シートを、前述の凹溝が形成された吸収性物品に適用し、吸収体に表面シートを積層した状態で表面シートの表面側から前記凹溝に沿って表面シートを圧搾するエンボスを施した場合、凹溝の底面で表面シートが圧縮されるため、前述の繊維密度勾配や凹凸形状などが維持できず、凹溝内において表面シートの機能が失われることが問題となっていた。
【0012】
そこで本発明の主たる課題は、肌側に長手方向に沿って凹溝が形成された吸収性物品において、表面シートの機能を損なうことなく凹溝が形成できるようにした吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、肌側に長手方向に沿って凹溝が形成された吸収性物品において、
前記透液性表面シートは、上層及び下層からなる2層構造の不織布とされるとともに、前記上層の繊維密度より下層の繊維密度が高く設定されたシートが用いられ、
前記吸収体は、前記透液性表面シート側の面に、吸収性物品の長手方向に沿うとともに尿排出部位を含む長手方向範囲に亘って、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状の吸収体凹部を備え、
前記吸収体に前記透液性表面シートを積層した状態で、前記透液性表面シートの表面側から前記吸収体凹部の底面に対し、多数のピン状エンボス又はドット状エンボスが
少なくとも凹溝の両側部に溝長手方向に沿って所定の間隔で施され、
凹溝の両側部に配列した前記ピン状エンボス又はドット状エンボスの離間幅Aが吸収体凹部の溝幅Bより小さい寸法とされるとともに、前記ピン状エンボス又はドット状エンボスの離間幅Aと前記吸収体凹部の溝幅Bとの比A/Bは0.5以上0.8未満とされ、前記吸収体凹部の両側面と、吸収体凹部内に介在する透液性表面シートとの間にそれぞれバッファゾーンが形成されていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
【0014】
上記請求項1記載の発明では、前記透液性表面シートとして、上層及び下層からなる2層構造の不織布とされるとともに、前記上層の繊維密度より下層の繊維密度が高く設定されたシートを用いている。
一方、吸収体として、透液性表面シート側の面に、吸収性物品の長手方向に沿うとともに尿排出部位を含む長手方向範囲に亘って、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状の吸収体凹部を備えたものを用いている。また、前記凹溝を形成するに際しては、前記吸収体に透液性表面シートを積層した状態で透液性表面シートの表面側から吸収体凹部の底面に対し、エンボスを施す必要があるが、本発明では、このエンボスを多数のピン状エンボス又はドット状エンボスにより行っている。このように、本吸収性物品では、前記ピン状エンボス又はドット状エンボスによって、透液性表面シートを吸収体凹部の底面に固定し、前記凹溝を形成している。
【0015】
従って、透液性表面シートとして、繊維密度勾配を設けることにより、繊維密度が低い領域から高い領域に向けて尿を素早く移行させるようにした透液性表面シートを用いた場合でも、本吸収性物品では、前記凹溝を多数のピン状エンボス又はドット状エンボスを施すことによって形成しているため、前記ピン状エンボス又はドット状エンボス以外の部分では、透液性表面シートの機能が損なわれることがなく、尿を素早く吸収できるようになる。
【0016】
仮に、前記の吸収体凹部の底面に対するエンボスを、凹溝の底面全体を圧搾するエンボスとした場合、凹溝の底面全体に亘って透液性表面シートが圧縮されるため、透液性表面シートに繊維密度勾配を設けた効果が失われ、尿の吸収スピードが著しく低下することが懸念される。
【0017】
これに対して本吸収性物品では、前述の通り多数のピン状エンボス又はドット状エンボスによってエンボスを施しているため、透液性表面シートに備えられた機能を損なうことなく凹溝が形成でき、尿を素早く吸収体に移行させることにより、湿り感を抑え、感触性を高めるなどの透液性表面シートに備えられた機能が維持できるようになる。
【0018】
請求項
2に係る本発明として、前記ピン状エンボス又はドット状エンボスは、隣り合うエンボス同士の中心間距離が3mm〜10mmである請求項
1記載の吸収性物品が提供される。
【0019】
上記請求項
2記載の発明では、隣り合うエンボス同士の中心間距離を3mm〜10mmとすることにより、透液性表面シートの機能を損なうことなく、凹溝がきっちりと形成できるようにしている。
【0020】
請求項
3に係る本発明として、前記吸収体は、前記吸収体凹部の底面の密度と、その周辺の密度とがほぼ同一である請求項1
、2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
【0021】
上記請求項
3記載の発明では、吸収体凹部を圧搾によることなく形成してあるため、吸収体凹部の底面の密度と、その周辺の密度とをほぼ一定にすることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
以上詳説のとおり本発明によれば、表面シートの機能を損なうことなく凹溝が形成できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0025】
〔失禁パッド1の基本構成〕
本発明に係る失禁パッド1は、
図1〜
図3に示されるように、ポリエチレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、尿などを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2、3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、前記吸収体4の形状保持および拡散性向上のために、前記吸収体を囲繞するクレープ紙や不織布等からなる被包シート5と、前記吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも尿排出部位Hを含むように長手方向に所定の区間内において肌側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSを形成するサイド不織布7、7とから主に構成され、かつ前記吸収体4の周囲においては、その長手方向端縁部では前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート2と前記サイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合されている。なお、必要に応じて、前記透液性表面シート3と吸収体4との間に、親水性のセカンドシートを配置することができる。
【0026】
以下、さらに前記失禁パッド1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他に防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には、防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが好適に用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。
【0027】
次いで、前記透液性表面シート3は、不織布が用いられる。この不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。この透液性表面シート3については、後段で詳しく説明する。
【0028】
前記吸収体4は、たとえば綿状パルプ等の吸収性繊維と高吸水性ポリマー8とにより構成され、図示例では平面形状がパッド長手方向に長い縦長の略小判形とされている。前記高吸水性ポリマー8は例えば粒状粉とされ、吸収体4を構成するパルプ中に分散混入されている。
【0029】
前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。本失禁パッド1では、吸収体4を被包シート5で囲繞するため、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間に被包シート5が介在することになり、吸収性に優れる前記被包シート5によって尿を速やかに拡散させるとともに、これら尿等の逆戻りを防止するようになる。前記パルプの目付は、100g/m
2〜600g/m
2、好ましくは200g/m
2〜500g/m
2とするのがよい。
【0030】
前記高吸水性ポリマー8としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性ポリマーは製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸収倍率(吸水力)と吸収速度の調整が可能である。
【0031】
また、前記吸収体4には合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイドバイサイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、尿に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
【0032】
前記被包シート5は、ティシュー等の紙材あるいは不織布等の透液性のシートを用いることができる。特に、資材の破壊(破れ)が生じにくい不織布を用いるのが好ましい。このような不織布としては、薄さと強度のバランスに優れたスパンボンド法やSMS法により加工された不織布、熱可塑性エラストマー樹脂などからなる弾性繊維をスパンボンド法、メルトブロー法など紡糸工程に直結してウェブを形成する方法により加工された不織布、ラテックス、ウレタン、オレフィン系の繊維など伸縮性を有する素材を主成分とする不織布が好適である。なお、被包シート5は、少なくとも吸収体4の肌当接面側(表面側)の面が撥水性でなければシートの親水度は特に問わない。
【0033】
本失禁パッド1の表面側両側部にはそれぞれ長手方向に沿って、かつ失禁パッド1の全長に亘ってサイド不織布7,7が設けられ、このサイド不織布7,7の外側部分が側方に延在されるとともに、前記不透液性裏面シート2が側方に延在され、これら側方に延在されたサイド不織布7部分と不透液性裏面シート2部分とをホットメルト接着剤等により接合して側部フラップが形成されている。
【0034】
前記サイド不織布7としては、重要視する機能の点から撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、尿等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングしたSSMSやSMS、SMMSなどの撥水処理不織布を用いるのが望ましく、尿の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるのが望ましい。かかるサイド不織布7としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができる。
【0035】
前記サイド不織布7、7は、適宜に折り畳まれて、前記吸収体4の略側縁近傍位置を起立基端として肌側に起立する左右一対の内側立体ギャザー10、10と、相対的に前記内側立体ギャザー10より外側に位置するとともに、前記吸収体4よりも側方に延出する不透液性裏面シート2及びサイド不織布7によって形成された肌側に起立する左右一対の外側立体ギャザー11、11とからなる2重ギャザー構造の立体ギャザーBSを構成している。なお、前記立体ギャザーBSは、内側立体ギャザー10または外側立体ギャザー11のいずれかのみからなる1重ギャザー構造であっても良いし、サイド不織布7を配設するだけで肌側に起立した立体ギャザー状に形成されなくてもよい。
【0036】
前記内側立体ギャザー10および外側立体ギャザー11の構造についてさらに詳しく説明すると、前記サイド不織布7は、
図2に示されるように、幅方向両側端をそれぞれパッド裏面側に折り返して幅方向内側及び幅方向外側にそれぞれ二重シート部分7a、7bを形成するとともに、前記幅方向内側の二重シート部分7a内部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された1本または複数本の、図示例では1本の糸状弾性伸縮部材12が配設されるとともに、前記幅方向外側の二重シート部分7b内部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された1本または複数本の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材13、13が配設され、前記幅方向内側の二重シート部分7aの基端部が吸収体4の側部に配設される透液性表面シート3の上面にホットメルト接着剤等により接着されるとともに、幅方向外側の二重シート部分7bの基端部が前記吸収体4よりも側方に延出する不透液性裏面シート2の側端部にホットメルト接着剤等により接着されることにより、前記幅方向内側の二重シート部分7aによって肌側に起立する内側立体ギャザー10が形成されるとともに、前記幅方向外側の二重シート部分7bによって肌側に起立する外側立体ギャザー11が形成されている。なお、前記サイド不織布7は、パッド長手方向の両端部では、
図3に示されるように、前記糸状弾性伸縮部材12、13が配設されないとともに、前記幅方向内側の二重シート部分7aがホットメルト接着剤等によって吸収体4側に接合されている。
【0037】
〔透液性表面シート3について〕
前記透液性表面シート3としては、以下に示す公知のものを広く用いることが可能である。例えば、第1形態例として、
図4に示されるように、上層3A及び下層3Bからなる2層構造の不織布とされるとともに、上層3Aの繊維密度より下層3Bの繊維密度が高く設定されたものとすることができる。このような透液性表面シート3としては、上記特許文献1〜3に挙げた特開2009-233099号公報、特開2009-268559号公報、特開2004-466号公報及び特開2003-250836号公報に示されるものなどを使用することが可能である。また、同公報に示されるように、エンボスや熱収縮を施すことによって、肌側面が凹凸形状に形成されたものとしてもよい。かかる透液性表面シート3では、繊維密度勾配によって、繊維密度が相対的に低い上層3Aから、繊維密度が相対的に高い下層3Bに向けて尿が素早く移行するようになる。
【0038】
前記透液性表面シート3の第2形態例としては、
図5(C)に示されるように、厚み方向に圧密化された所定パターンの接合部3a、3a…で部分的に接合され、前記接合部3a以外の部分が肌側に突出する凸部3bを形成したものとすることができる。このような透液性表面シート3としては、上記特許文献3に挙げた特開2004-466号公報及び特開2003-250836号公報に示されるものなどを使用することが可能である。また、同公報に示されるように、肌側に配される第1層と吸収体側に配される第2層とからり、第2層が熱捲縮性を有する繊維からなり、前記接合部3a、3a…において第1層と第2層とを接合した後、加熱処理することによって第2層を収縮させ、凸部3bがドーム状をなすように肌側に突出するようにしてもよい。このように凹凸状に形成された透液性表面シート3では、肌面と点状に接触し、尿が肌に対して面状に接触しないため、べた付き感が抑えられる。また、凸部3bの頂部が肌と接触する一方で、凹部が肌と離間しているので、この凹部が空気の通り道となり、通気性が良好でムレが生じない。
【0039】
本第2形態例に係る透液性表面シート3の製造方法は、
図5(A)に示されるように、上層3Aと下層3Bとを積層した状態で、同
図5(B)に示されるように、上層3Aの外面側からの圧搾により上層3Aと下層3Bとを所定パターンの多数の接合部3a、3a…で部分的に接合した後、同
図5(C)に示されるように、下層3Bに含まれる熱収縮性繊維が熱収縮を開始する温度以上の温風を当てるなどの熱処理をして下層3Bを収縮させることにより行う。
【0040】
前記下層3Bが熱収縮することにより、隣り合う接合部3a、3a間が狭まるため、この間の上層3Aの繊維が寄り集まって相対的に目付が高くなるとともに、接合部3a、3a…で囲まれた領域の中央側にいくほど目付が高く、ドーム状に肌側に突出する凸部3bを形成するようになる。従って、第2形態例に係る透液性表面シート3は、相対的に目付が高い多数の凸部3b、3b…と、前記凸部3bの周囲に形成され、相対的に目付が低い凹部3aとからなる凹凸状のシートである。
【0041】
〔凹溝22について〕
本失禁パッド1では、肌側に長手方向に沿って尿流入用の凹溝22が形成されている。前記凹溝22は、透液性表面シート3の表面に排出された尿を受け止めて、尿を一時貯留するとともに、前後方向への尿の拡散を誘導し、且つ吸収体4への尿の吸収速度を速め、横漏れを防止するためのものである。
【0042】
前記吸収体4には、
図2に示されるように、前記凹溝22の形成予定部分に、予め、肌側(透液性表面シート3側)の面に、尿排出部位Hを含む長手方向に沿って、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状の、図示例では凹溝状の吸収体凹部20が形成されている。
図2に示される吸収体凹部20は、吸収体4の肌当接面側(透液性表面シート3側)の面において、周囲より非肌当接面側(不透液性裏面シート2側)に凹ませた、底面を有する非貫通型の凹溝部分である。この吸収体凹部20は、圧搾によることなく、例えば
図6に示されるように、(A)積繊、又は(B)吸収体凹部20の底部の厚みで形成された下層吸収体4aと、前記吸収体凹部20に対応する部分が開口した上層吸収体4bとの積層構造などによって形成されている。
【0043】
前記吸収体凹部20は、
図1に示されるように、吸収体4に対して、尿排出部位Hに対応するパッド幅方向の中央部であって長手方向の中間部に、1条のみ形成するのが好ましいが、失禁パッド1の幅方向に離間して複数条で形成したり、パッド長手方向に離間する不連続線状に形成するなど、種々の形態で形成することができる(
図9〜
図11参照)。なお、複数の吸収体凹部20を設ける場合は、それぞれの吸収体凹部20に対してピン状エンボス21、21…を設けるのが好ましい。
【0044】
前記吸収体凹部20の平面寸法は、パッド長手方向の長さが100〜320mm、溝幅(底面の溝幅)が5〜45mmとするのがよい。前記吸収体凹部20の深さは、吸収体4の厚みの50%以上、具体的には2〜8mm程度とするのがよい。この数値範囲は、本形態例で例示した失禁パッドのみならず、使い捨ておむつに凹溝構造を採用した場合も考慮して設定されている。使い捨ておむつの場合には失禁パッドより比較的大きな寸法で形成される。
【0045】
前記吸収体4は、吸収体凹部20の底面の密度と、その周辺(吸収体凹部20以外の部分)の密度とがほぼ同一となるように設定するのが好ましい。つまり、吸収体凹部20を圧搾によることなく凹溝状に形成することにより、吸収体の密度をほぼ同一にすることができる。
【0046】
前記吸収体凹部20の底部(不透液性裏面シート2側の部分、非肌側の部分)に介在する吸収体4部分は、パルプの目付が0g/m
2〜210g/m
2、好ましくは70g/m
2〜190g/m
2とするのがよい。この吸収体部分にも吸水性ポリマー8が所定の目付で分散混入されている。
【0047】
本失禁パッド1では、上述のように吸収体凹部20が形成された吸収体4の肌側に前記透液性表面シート3を積層した状態で、
図1及び
図2に示されるように、前記透液性表面シート3の表面側(肌側)から吸収体凹部20の底面に対し、多数のピン状エンボス又はドット状エンボス(以下、代表的に「ピン状エンボス」ともいう。)21、21…が施されている。
【0048】
前記ピン状エンボスとドット状エンボスとを区別する境界は必ずしも明確である必要はないが、前記ピン状エンボスとは、比較的小さな面積で形成されたエンボスであり、エンボス形状が長手方向に長く形成されたものでないもの、すなわち長手方向の寸法とこれに直交する短手方向の寸法との比が比較的小さいものを指し、ドット状エンボスとは、ピン状エンボスより大きな面積で形成されたエンボスであり、小さな面積であってもエンボス形状が長手方向に長く形成されたもの、すなわち長手方向の寸法とこれに直交する短手方向の寸法との比が比較的大きなものを含む概念である。具体的には、前記ピン状エンボスは、1つのエンボス面積が0.3mm
2〜2mm
2であって、エンボス形状の長手方向とこれに直交する短手方向との比が1:1〜2:1程度のものをいう。また、ドット状エンボスは、1つのエンボス面積が2mm
2〜7mm
2のものであり、2mm
2より小さな面積のものであってもエンボス形状の長手方向とこれに直交する短手方向との比が2:1を超えるものはドット状エンボスの概念に含まれる。
【0049】
前記吸収体凹部20の底面に多数の前記ピン状エンボス21、21…が施されることによって、
図2に示されるように、ピン状エンボス21…が施された部分が吸収体凹部20の底面に窪むとともに、これに引っ張られてピン状エンボス21、21間の透液性表面シート3も吸収体凹部20の底面に窪むようになる。このとき、ピン状エンボス21…以外の透液性表面シート3は圧搾されておらず、ピン状エンボス21近傍の僅かな領域がピン状エンボス21に繊維が引っ張られて若干密度が高くなるものの、それより外側領域では前記ピン状エンボス21の付与前と付与後とで透液性表面シート3の密度は変化することはない。
【0050】
前記ピン状エンボス21、21…は、吸収体凹部20の底面に対し、パッド幅方向及び長手方向に離間して適宜のパターンで設けられている。具体的には、
図1に示す例では、凹溝22の両側部にそれぞれ、溝長手方向に沿って所定の間隔で設けるとともに、溝幅方向中央部に、溝長手方向に沿って所定の間隔で設けることにより、全体として千鳥状パターンで配置されている。図示例では、溝幅方向中央部のピン状エンボス21を、溝幅方向両側部の溝長手方向に隣り合うピン状エンボス21、21の中間部分に位置した千鳥状パターンとしているが、溝幅方向に整列させた格子状パターンで配置してもよい。
【0051】
また、
図7に示されるように、前記ピン状エンボス21、21…は、少なくとも凹溝22の両側部に溝長手方向に沿って所定の間隔で配置してあればよく、溝幅方向中間部分にはなくてもよい。
図7(A)は両側部のエンボス21、21…を溝幅方向に整列させた格子状に配列したもので、同
図7(B)は両側部のエンボス21、21…を溝幅方向に互い違いに配置した千鳥状に配列したものである。一方、溝幅方向中間部分に、溝幅方向に間隔をあけて複数列のピン状エンボス21、21…を配置してもよい。
【0052】
図1に示す例では、前記凹溝22の両側部に沿って配置するピン状エンボス21、21…は、吸収体凹部20の両側部の近傍に沿って配置されている。これにより、凹溝22の両側部が吸収体凹部20の両側部に近接して設けられるようになる。
【0053】
前記ピン状エンボス21は、
図1に示されるように、隣り合うエンボス同士の中心間距離Lが3mm〜10mm、好ましくは5mm〜7mmとするのがよい。この間隔でピン状エンボス21を施すことにより、ピン状エンボス21の圧搾時に周辺の透液性表面シート3が引っ張られて密度が変化することがなく、透液性表面シート3に密度勾配を持たせた機能が損なわれないとともに、透液性表面シート3が吸収体凹部20の底面に対し大きな弛みや浮きが生じることなく密着でき、凹溝22がきっちりと形成できるようになる。
【0054】
前記ピン状エンボス21の平面形状は、
図8(A)〜(C)に示されるように、縦横比がほぼ同一(1:1)の円形、四角形、菱形などとすることができ、同
図8(D)、(E)に示されるように、長手方向に長く形成された菱形、楕円などとしてもよい。透液性表面シート3の機能をできる限り損なわずにエンボスを施すためには、(A)〜(C)に示される縦横比がほぼ同一の図形とするのが好ましい。
【0055】
前記ピン状エンボス21の大きさ(面積)は、上述の通りピン状エンボス又はドット状エンボスの概念に含まれる大きさの範囲内であればよいが、透液性表面シート3の肌側面に多数の凹凸形状が形成される場合、この1つの凸部の面積より小さい面積で形成するのが好ましい。これにより、透液性表面シート3を凹凸形状にした機能、具体的には尿の吸収性、尿の拡散性などの機能を大きく低下させることがなくなる。
【0056】
以上の構成からなる本失禁パッド1の効果について説明する。前記凹溝22を形成するには、前記吸収体凹部20が備えられた吸収体4に前記透液性表面シート3を積層した状態で、透液性表面シート3の表面側から吸収体凹部20の底面に対しエンボスを施す必要があるが、本失禁パッド1では、このエンボスを多数の前記ピン状エンボス21、21…により行っている。仮に、このエンボスを凹溝22の底面全体を圧搾するエンボスにより行った場合、凹溝22の底面全体に亘って透液性表面シート3が圧縮されるため、前述の透液性表面シート3の機能が失われ、尿の吸収スピードが著しく低下するなどの問題が発生する。これに対して本失禁パッド1では、前記エンボスを多数のピン状エンボス21、21…により行っているため、このピン状エンボス21以外の部分はエンボスの影響をほとんど受けずに、透液性表面シート3の機能を損なうことなく凹溝22が形成できるようになり、透液性表面シート3の機能が維持できるようになる。
【0057】
具体的に、前記透液性表面シート3として、前記第1形態例の繊維密度勾配を設けたものを用いた場合でも、前記ピン状エンボス21、21…以外の部分で、繊維密度勾配による尿の素早い浸透が維持されるため、透液性表面シート3の機能が損なわれることなく、尿を素早く吸収体4に吸収できるようになる。
【0058】
また、前記第2形態例の接合部3aを設けることにより凸部3bを形成したものを用いた場合でも、凹溝22内において透液性表面シート3の凹凸形状が維持される。凹溝22内は肌と直接的に接する部分ではないが、周辺の肌に接する部分の通気性が良好であることから、この部分を通ってきた空気が凹溝22内にも流れ込み、この凹溝22内で透液性表面シート3の凹凸形状が維持されているため、空気の流れが良好となり、より一層通気性が向上するようになる。また、凹溝22の底面や側面においても透液性表面シート3の凹凸形状が維持されるため、平板状に形成されたものに比べ透液性表面シート3と尿との接触面積が増加し、尿の吸収効率が向上できる。
【0059】
前記凹溝22は、種々の形態で配置することができる。前記凹溝22は、
図1に示されるように、尿排出部位Hに対応するパッド幅方向の中央部であって長手方向の中間部に、1条のみ形成するのが好ましいが、
図9(A)、(B)に示されるように、パッド幅方向に離間して複数条形成してもよいし、同
図9(C)に示されるように、パッド長手方向に離間して不連続線状に形成してもよい。複数条形成した場合には、多くの尿が一気にドッと出たときでも尿の拡散効果をより確実に高めることができるようになる。また、不連続線状に形成した場合には、凹溝22が幅方向両側から脚圧などの外力を受けたときの潰れがより確実に防止できる。パッド幅方向に離間して複数条形成する場合、同
図9(A)に示す偶数条でもよいし、同
図9(B)に示す奇数条でもよい。
【0060】
また、前記凹溝22の平面形状は、
図1に示されるように、パッド長手方向に沿って等幅で形成してもよいし、
図10に示されるように、異なる溝幅で形成してもよい。
図10(A)では、凹溝22のパッド長手方向の前側端部に、溝幅を拡大した拡幅部22aを設けている。前記拡幅部22aを設けることにより、尿の一時貯留空間が拡大でき、特に切迫性失禁などのように大量の尿が一度にドッと出た場合でも確実に凹溝22で尿を受け止めることが可能となる。前記拡幅部22aは、同
図10(B)に示すようにパッド後側の端部に設けてもよいし、同
図10(C)に示すように前後端部にそれぞれ設けてもよい。
【0061】
前記凹溝22は、
図11に示されるように、1又は複数の枝分かれ部22b、22cを設けてもよい。前記枝分かれ部22b、22cを設けることにより、凹溝22に一時貯留された尿が凹溝22に沿って吸収体4の広い範囲に拡散するようになり、吸収体4のより広い範囲で尿を吸収できるようになる。
図11(A)〜(C)に示される例では、前記枝分かれ部22bとして、パッド長手方向の前側、後側又は前側及び後側のそれぞれに、凹溝22の両側縁から外側に延びるとともに、パッド長手方向の端部側に傾斜する複数、図示例では左右それぞれ3本ずつ設けられている。また、
図11(D)〜(F)に示される例では、前記枝分かれ部22cとして、パッド長手方向の前端、後端又は前端及び後端のそれぞれに、凹溝22が放射状に複数に、図示例では5本に枝分かれしたものが設けられている。
【0062】
なお、予め吸収体4の凹溝22の形成予定部分に前記吸収体凹部20を設ける場合、上記凹溝22の形状に沿って吸収体凹部20を設けるようにする。
【0063】
上記形態例では、前記吸収体凹部20は、
図2に示されるように、有底の凹溝状に形成していたが、
図12に示されるように、表面側から裏面側にかけて貫通したスリット状に形成してもよい。前記吸収体凹部20をスリット状とした場合、前記ピン状エンボス21、21…は、
図12に示されるように、吸収体凹部20の底面に配置される吸収体凹部20を貫通した不透液性裏面シート2に対して施すようにする。前記吸収体凹部20をスリット状に形成し凹溝22の底部に吸収体4が介在しない場合であっても、凹溝22の底面に介在する透液性表面シート3を通じても尿が吸収体4に吸収保持されるとともに、この凹溝底面の透液性表面シート3に吸収された尿が凹溝22に沿って拡散するため、吸収性能の低下は極僅かに抑えられる。特に、前記透液性表面シート3を上記の凹凸形状や波形状に形成した場合、凹溝22の底部においても凹凸形状や波形状が維持されるため、尿の吸収性や拡散性の低下はほとんど生じない。
【0064】
次に、前記凹溝22の他の形態例について、
図13及び
図14に基づいて説明する。本形態例に係る失禁パッド1では、
図14に示されるように、凹溝22の幅方向両側に配列したピン状エンボス21、21…の離間幅Aを、吸収体凹部20の幅Bより小さい寸法で形成している。すなわち、透液性表面シート3の表面側から多数のピン状エンボス21、21…を施した状態で、
図14に示されるように、吸収体凹部20の両側面と、この吸収体凹部20内に介在する透液性表面シート3との間にそれぞれ、空間(バッファーゾーンZ)が形成されるようにしている。このバッファーゾーンZは、
図15(A)に示されるように、凹溝22内に流入した尿が透液性表面シート3を透過して吸収体凹部20の側面と透液性表面シート3との間に一時貯留される空間として利用され、このバッファーゾーンZに一時貯留された尿は、吸収体凹部20に沿って前後方向に拡散するとともに、吸収体凹部20の側面を通じて吸収体4内に吸収保持されるようになる。このため、一気に大量の排尿があった場合でも、尿が前記バッファーゾーンZに一時貯留されることにより素早く吸収できるようになる。
【0065】
また、前記吸収体凹部20が圧搾によることなく形成されているため、
図15(B)に示されるように、前記吸収体凹部20内に尿が浸透して吸収体凹部20周辺の高吸水性ポリマー8やパルプが吸水することにより膨張した場合に、圧搾によって底部にパルプや高吸水性ポリマーの高密度領域が形成されたものに比べて、底部の盛り上がりが極めて小さく抑えられるようになる。また、この吸収体凹部20に対して、透液性表面シート3の表面側から吸収体凹部20の底面に対し多数のピン状エンボス21、21…が施されているため、吸収体凹部20の両側面が内側に膨出しても、吸収体凹部20内に介在した透液性表面シート3の張力によって膨張しようとする吸収体凹部20の両側面をしっかりと押さえ込むように作用するので、両側面の膨張も小さく抑えられるようになる。従って、吸液時に膨張した高吸水性ポリマー8やパルプによって吸収体凹部20が塞がれて尿の吸収性が低下するのが防止できるようになる。
【0066】
前記凹溝22の幅方向両側に配列される前記ピン状エンボス21、21の外縁同士の幅Aは、
図14に示されるように、吸収体凹部20の溝幅Bより小さく形成され(A<B)、前記幅Aと前記吸収体凹部20の溝幅Bとの比A/Bは、0.5以上1未満、好ましくは0.5以上0.8未満とするのがよい。これにより、吸収体凹部20の側面と透液性表面シート3との間に浸透した尿が一時貯留されるとともに、高吸水性ポリマー8やパルプが吸水して膨潤した際に緩衝領域となるバッファーゾーンZ、Zが、適度に形成されるようになる。
【0067】
〔他の形態例〕
(1)前記透液性表面シート3は、
図16及び
図17に示されるように、失禁パッド1の長手方向に伸びる凸部3cと凹部3dがパッド幅方向に交互に繰り返し形成された断面波状の不織布によって構成してもよい。前記凸部3c及び凹部3dは、失禁パッド1の長手方向に略平行に直線的に延びている。前記凸部3cと凹部3dとはパッド幅方向に連続的に連なっており、平面部を有しないように交互に配置されている。前記凸部3cは肌側に凸状に湾曲し、前記凹部3dは非肌側に凸状に湾曲している。前記凸部3cはパッド長手方向に沿って延びており、畝部を形成している。また、前記凹部3dもパッド長手方向に沿って延びており、溝部を形成している。
【0068】
断面波状に形成された透液性表面シート3では、肌面と線状に接触し、尿が肌に対して面線状に接触しないため、べた付き感が抑えられるとともに、波状の凸部3cが肌と接触し、凹部3dが肌と離間するので、通気性が良好となり、ムレが生じないなどの効果を有する。
【0069】
前記断面波状の透液性表面シート3を用いた場合においても、前記ピン状エンボス21、21…により前記凹溝22を形成しているため、前記凹溝22内において透液性表面シート3の波形状が維持できるようになる。この凹溝22内は直接的に肌と接していないが、凹溝22周辺の肌と接した部分を通ってきた空気が凹溝22内に流れ込んだ際、凹溝22内で透液性表面シート3の波形状が維持されているため、空気の流れが良好となり、より一層通気性が向上するようになる。
【0070】
また、透液性表面シート3の波状加工がバッファとなって、透液性表面シート3の表面側からピン状エンボス21、21…を施したときでも、透液性表面シート3に過度に引っ張り応力がかからなくなり、透液性表面シート3の強度が低下することによる装着中の破れが防止できるようになる。また、前記凹溝22を形成した状態で、前記凹溝22内の透液性表面シート3が完全に伸びきらず、凹凸形状が残るため、平板状に形成されたものより透液性表面シート3と尿との接触面積が増加し、尿の吸収効率が向上できるようになる。
【0071】
(2)上記形態例では、失禁パッド1を例に挙げ説明したが、本発明に係る凹溝構造は、
図18に示されるように、綿状パルプまたは合成パルプなどからなり、たとえば砂時計形状(または長方形状等)のある程度の剛性を有する吸収体4と、該吸収体4の肌面側(使用面側)を覆うように配設された尿などを速やかに透過させる透液性表面シート3と、前記吸収体4の非肌面側(非使用面側)に配設され、少なくとも吸収体4の全面積を覆うように配設されたポリエチレンシートなどからなる不透液性の防漏シート2と、この防漏シート2の外面側(非肌面側)に設けられた不織布からなるとともに、おむつ外形を画成する外面バックシート2aと、前記吸収体4の形状保持および拡散性向上のために、前記吸収体4を囲繞するクレープ紙や不織布等からなる被包シート5と、前記吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも尿排出部位を含むように長手方向に所定の区間内において肌側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSを形成するサイド不織布7、7と、おむつ後側(背側)両側部に設けられた機械接合式のファスニングテープF、Fとから主に構成された使い捨ておむつ1Aにも同様に採用できる。また、
図18ではテープ式の使い捨ておむつを示したが、パンツ式の使い捨ておむつにも同様に採用できる。また、
図18では、上記形態例のうち代表的な凹溝構造について図示したが、上記形態例で説明した全ての変形例を同様にして採用できる。