(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記移動以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる方向は、所定のゲーム処理において前記プレイヤオブジェクトが攻撃を行う方向である、請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
前記表示制御部は、前記第2の表示領域に表示する画像には前記射撃処理のための照準を示す照準画像を表示し、前記第1の表示領域に表示する画像には当該照準画像の表示を行わない、請求項3に記載の情報処理装置。
前記方向設定部は、前記第2入力部からの入力に基づき、前記プレイヤオブジェクトの移動以外の当該プレイヤオブジェクトの動作に関する所定のオブジェクトの移動方向を設定する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
前記情報処理装置は、前記第1入力部からの入力に基づく前記プレイヤオブジェクトの移動操作に代えて、当該プレイヤオブジェクトの移動を自動的に制御する自動操作へと切換える移動操作切換部を更に備え、
前記方向設定部は、前記自動操作が実行されているときは、当該自動操作制御によるプレイヤオブジェクトの移動方向に基づいて前記第1の仮想カメラで撮像した画像を前記第1の表示領域に表示する、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
第1の入力部と当該第1の入力部とは異なる第2の入力部を備えた入力装置を用いて、仮想空間内に存在するプレイヤオブジェクトを制御する情報処理装置のコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記第1の入力部および第2の入力部からの入力をそれぞれ受け付ける入力受付手段と、
前記第1の入力部からの入力に基づきプレイヤオブジェクトの移動方向を設定し、前記第2の入力部からの入力に基づき前記移動以外の当該プレイヤオブジェクトの動作に関わる方向を設定する方向設定手段と、
前記プレイヤオブジェクトの移動方向に基づいて第1の仮想カメラで撮像した画像を第1の表示領域に表示し、前記移動以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる方向に基づいて第2の仮想カメラで撮像した画像を第2の表示領域に表示する表示制御手段として前記コンピュータを機能させ、
前記第1の仮想カメラおよび第2の仮想カメラは、同一の仮想空間内に存在しており、当該仮想空間内における異なる位置かつ/または異なる方向から撮像し、
前記表示制御部は、前記第1の表示領域に表示する画像が客観視点による画像となるように前記第1の仮想カメラで撮像し、前記第2の表示領域に表示する画像が主観視点による画像となるように前記第2の仮想カメラで撮像し、かつ、当該第1の仮想カメラによる撮像においては、前記プレイヤオブジェクトが常に撮像範囲内に含まれるように撮像し、
前記方向設定部は、前記第1入力部からの入力に基づき、前記プレイヤオブジェクトの移動方向および前記移動以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる方向の双方を設定し、前記第2の入力部からの入力に基づき、前記動作以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる方向を設定する、情報処理プログラム。
第1の入力部と当該第1の入力部とは異なる第2の入力部を備えた入力装置を用いて、仮想空間内に存在するプレイヤオブジェクトを制御する情報処理装置のコンピュータを制御するための情報処理方法であって、
前記第1の入力部および第2の入力部からの入力をそれぞれ受け付ける入力受付ステップと、
前記第1の入力部からの入力に基づきプレイヤオブジェクトの移動方向を設定し、前記第2の入力部からの入力に基づき前記移動以外の当該プレイヤオブジェクトの動作に関わる方向を設定する方向設定ステップと、
前記プレイヤオブジェクトの移動方向に基づいて第1の仮想カメラで撮像した画像を第1の表示領域に表示し、前記移動以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる方向に基づいて第2の仮想カメラで撮像した画像を第2の表示領域に表示する表示制御ステップとを備え、
前記第1の仮想カメラおよび第2の仮想カメラは、同一の仮想空間内に存在しており、当該仮想空間内における異なる位置かつ/または異なる方向から撮像し、
前記表示制御部は、前記第1の表示領域に表示する画像が客観視点による画像となるように前記第1の仮想カメラで撮像し、前記第2の表示領域に表示する画像が主観視点による画像となるように前記第2の仮想カメラで撮像し、かつ、当該第1の仮想カメラによる撮像においては、前記プレイヤオブジェクトが常に撮像範囲内に含まれるように撮像し、
前記方向設定部は、前記第1入力部からの入力に基づき、前記プレイヤオブジェクトの移動方向および前記移動以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる方向の双方を設定し、前記第2の入力部からの入力に基づき、前記動作以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる方向を設定する、情報処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲーム装置では、プレイヤが、射撃方向だけを変更したいと思った場合でも、射撃方向の変更操作に伴って自機の進行方向まで変更されてしまうため、自機の進行方向の操作について行いにくい側面があった。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、仮想空間内に存在するオブジェクトの進行方向操作とそれ以外の動作に関する方向指示操作とにかかる操作性をより高めた情報処理装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0007】
構成例の一例は、第1の入力部と当該第1の入力部とは異なる第2の入力部を備えた入力装置を用いて、仮想空間内に存在するプレイヤオブジェクトを制御する情報処理装置であって、入力受付部と、方向設定部と、表示制御部とを備える。入力受付部は、第1入力部および第2入力部からの入力をそれぞれ受け付ける。方向設定部は、第1入力部からの入力に基づいてプレイヤオブジェクトの移動方向を設定し、第2入力に基づいて移動以外の当該プレイヤオブジェクトの動作に関わる方向を設定する。表示制御部は、プレイヤオブジェクトの移動方向に基づいて第1の仮想カメラで撮像した画像を第1の表示領域に表示し、移動以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる方向に基づいて第2の仮想カメラで撮像した画像を第2の表示領域に表示する。そして、第1の仮想カメラおよび第2の仮想カメラは、同一の仮想空間内に存在しており、当該仮想空間内における異なる位置かつ/または異なる方向から撮像する。
【0008】
上記構成例によれば、プレイヤオブジェクトの移動方向の指示操作と移動以外の当該プレイヤオブジェクトの動作に関わる方向の指示について、操作性をより高めることができる。
【0009】
他の構成例として、方向設定部は、第1入力部からの入力に基づいてプレイヤオブジェクトの移動方向および前記移動以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる方向の双方を設定し、第2入力部からの入力に基づき、当該動作以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる移動方向を設定するようにしてもよい。
【0010】
上記構成例によれば、プレイヤオブジェクトの移動方向の操作と、例えば射撃方向の操作を行う場合に、射撃方向の操作を移動方向の操作とは独立して操作することができ、操作性をより高めることができる。
【0011】
他の構成例として、移動以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる方向は、所定のゲーム処理においてプレイヤオブジェクトが攻撃を行う方向であってもよい。また、移動以外のプレイヤオブジェクトの動作に関わる方向は、所定のゲーム処理における射撃処理のための照準の方向であってもよい。
【0012】
上記構成例によれば、所定のゲーム処理におけるプレイヤオブジェクトの操作性をより高めることができる。
【0013】
他の構成例として、第1の表示領域は、第1の表示装置に含まれており、第2の表示領域は、当該第1の表示装置とは異なる第2の表示装置に含まれるように構成されていてもよい。
【0014】
上記構成例によれば、第1の仮想カメラで撮像した画像と第2の仮想カメラで撮像した画像とをそれぞれ異なる表示装置上に表示でき、例えばゲーム処理におけるゲームの興趣性を高めることができる。
【0015】
他の構成例として、第2の表示領域は、入力装置と同じ筐体に含まれている表示部であってもよい。また、第2の入力部は、入力装置自体の動きを検出するためのモーションセンサであってもよく、当該モーションセンサは角速度センサであってもよい。更には、第1の入力部は、非モーションセンサによる入力部であってもよい。この非モーションセンサによる入力部は、基準位置から所定方向への入力量が出力可能な入力デバイスであってもよい。
【0016】
上記構成例によれば、例えば入力装置自体を動かすことで第2入力部からの入力を行うことができ、直感的な操作が可能となる。また、第1入力部を非モーションセンサ、第2入力部をモーションセンサとすることで、操作性をより高めることも可能となる。
【0017】
他の構成例として、表示制御部は、第1の表示領域に表示する画像が客観視点による画像となるように第1の仮想カメラで撮像し、第2の表示領域に表示する画像が主観視点による画像となるように第2の仮想カメラで撮像してもよい。更に、表示制御部は、第1の仮想カメラによる撮像においては、プレイヤオブジェクトが常に撮像範囲内に含まれるように撮像してもよい。
【0018】
上記構成例によれば、主観視点では確認しにくいプレイヤオブジェクトの周囲の状況を、客観視点による画像を見ることで確認することも可能となり、ゲーム処理等でのゲームの興趣性を高めることができる。
【0019】
他の構成例として、方向設定部は、第2入力部からの入力に基づき、プレイヤオブジェクトの移動以外の当該プレイヤオブジェクトの動作に関する所定のオブジェクトの移動方向を設定するようにしてもよい。また、入力受付部は、第2入力部からの入力に基づいて、仮想空間内の所定の位置を指示する位置指示部を含んでいてもよく、この場合、方向設定部は、指示された位置に基づいて、プレイヤオブジェクトの移動以外の動作に関わる方向を設定するようにしてもよい。
【0020】
上記構成例によれば、プレイヤオブジェクトの移動方向の操作と、移動以外の動作、例えば射撃方向の操作を行う場合に、射撃方向の操作を移動方向の操作とは独立して操作することができ、操作性をより高めることができる。
【0021】
他の構成例として、情報処理装置は、第1入力部からの入力に基づくプレイヤオブジェクトの移動操作に代えて、当該プレイヤオブジェクトの移動を自動的に制御する自動操作へと切換える移動操作切換部を更に備えていてもよい。そして、方向設定部は、自動操作が実行されているときは、当該自動操作制御によるプレイヤオブジェクトの移動方向に基づいて第1の仮想カメラで撮像した画像を第1の表示領域に表示してもよい。
【0022】
上記構成例によれば、所定のゲーム処理におけるゲームの難度を軽減させることができ、プレイヤにとってより遊びやすいゲームを提供することができる。
【0023】
また、他の構成例の一例は、角速度センサと、基準位置から所定方向への入力量が出力可能な入力デバイスとを備えた入力装置を用いて、仮想空間内に存在するプレイヤオブジェクトを制御する情報処理装置であって、入力受付部と、方向設定部とを備える。入力受付部は、角速度センサおよび入力デバイスからの入力をそれぞれ受け付ける。方向設定部は、入力デバイスからの入力に基づきプレイヤオブジェクトの移動方向を設定し、角速度センサに基づき当該移動以外の当該プレイヤオブジェクトの動作に関わる方向を設定する。
【0024】
上記構成例によれば、プレイヤオブジェクトの移動方向の指示操作と移動以外の当該プレイヤオブジェクトの動作に関わる方向の指示について、操作性をより高めることができる。
【発明の効果】
【0025】
本実施形態によれば、プレイヤオブジェクトの移動方向の指示操作と移動以外の当該プレイヤオブジェクトの動作に関わる方向の指示について、操作性をより高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
[1.ゲームシステムの全体構成]
以下、図面を参照して、本実施形態にかかる情報処理システムの一例であるゲームシステム1について説明する。
図1は、ゲームシステム1の外観図である。
図1において、ゲームシステム1は、テレビジョン受像器等に代表される据置型のディスプレイ装置(以下、「テレビ」と記載する)2、据置型のゲーム装置3、および、端末装置5を含む。ゲームシステム1は、端末装置5を用いたゲーム操作に基づいてゲーム装置3においてゲーム処理を実行し、ゲーム処理によって得られるゲーム画像をテレビ2および/または端末装置5に表示するものである。
【0028】
ゲーム装置3には、当該ゲーム装置3に対して交換可能に用いられる情報記憶媒体の一例である光ディスク(図示は省略)が脱着可能に挿入される。光ディスクには、ゲーム装置3において実行されるための情報処理プログラム(典型的にはゲームプログラム)が記憶されている。ゲーム装置3の前面には光ディスクの挿入口が設けられている。ゲーム装置3は、挿入口に挿入された光ディスクに記憶されている情報処理プログラムを読み出して実行することによってゲーム処理を実行する。
【0029】
ゲーム装置3には、テレビ2が接続コードを介して接続される。テレビ2は、ゲーム装置3において実行されるゲーム処理によって得られるゲーム画像を表示する。テレビ2はスピーカ2Lおよび2Rを有しており、スピーカ2Lおよび2Rは、上記ゲーム処理の結果得られるゲーム音声を出力する。なお、他の実施形態においては、ゲーム装置3と据置型の表示装置とは一体となっていてもよい。また、ゲーム装置3とテレビ2との通信は無線通信であってもよい。
【0030】
端末装置5は、ユーザが把持可能な程度の大きさであり、ユーザは端末装置5を手に持って動かしたり、あるいは、端末装置5を自由な位置に配置したりして使用することが可能である。詳細な構成は後述するが、端末装置5は、表示手段であるLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)51、および、入力手段(後述するタッチパネル52やモーションセンサ82等)を備える。端末装置5とゲーム装置3とは無線(有線であってもよい)によって通信可能である。端末装置5は、ゲーム装置3で生成された画像(例えばゲーム画像)のデータをゲーム装置3から受信し、画像をLCD51に表示する。なお、本実施形態では表示装置としてLCDを用いているが、端末装置5は、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置等、他の任意の表示装置を有していてもよい。また、端末装置5は、自機に対して行われた操作の内容を表す操作データをゲーム装置3に送信する。
【0031】
[2.ゲーム装置3の内部構成]
次に、
図2を参照して、ゲーム装置3の内部構成について説明する。
図2は、ゲーム装置3の内部構成を示すブロック図である。ゲーム装置3は、プロセッサ10、メインメモリ11、内部記憶装置12、端末装置通信部13、AV−IC15等を有する。その他、図示は省略するが、ゲーム装置3は、上記光ディスクからプログラムデータやテクスチャデータ等を読み出し、内部メインメモリまたは上記メインメモリ11に読み出したデータを書き込むためのディスクドライブも有する。
【0032】
プロセッサ10は、図示しない光ディスクや内部記憶装置12に記憶されたゲームプログラムを実行することによってゲーム処理を実行するものであり、ゲームプロセッサとして機能する。プロセッサ10は、メインメモリ11、内部記憶装置12、端末装置通信部13、AV−IC15に接続される。揮発性のメインメモリ11は、光ディスクから読み出されたゲームプログラムや、内部記憶装置12から読み出されたゲームプログラム等のプログラムを記憶したり、各種データを記憶したりするものであり、プロセッサ10のワーク領域やバッファ領域として用いられる。内部記憶装置12は、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブである。
【0033】
また、図示は省略するが、プロセッサ10には、入出力プロセッサ(I/Oプロセッサ)、GPU(Graphics Processor Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、VRAM(Video RAM)、および内部メインメモリが含まれる。GPUは、描画手段の一部を形成し、所定のグラフィクスコマンド(作画命令)に従って画像を生成する。VRAMは、GPUがグラフィクスコマンドを実行するために必要なデータ(ポリゴンデータやテクスチャデータ等のデータ)を記憶する。画像が生成される際には、GPUは、VRAMに記憶されたデータを用いて画像データを作成する。なお、本実施形態においては、ゲーム装置3は、テレビ2に表示するゲーム画像と、端末装置5に表示するゲーム画像との両方を生成する。以下では、テレビ2に表示されるゲーム画像を「テレビ用ゲーム画像」と呼び、端末装置5に表示されるゲーム画像を「端末用ゲーム画像」と呼ぶことがある。
【0034】
DSPは、オーディオプロセッサとして機能し、内部メインメモリや上記メインメモリ11に記憶されるサウンドデータや音波形(音色)データを用いて、音声データを生成する。なお、本実施形態においては、ゲーム音声についてもゲーム画像と同様、テレビ2のスピーカから出力するゲーム音声と、端末装置5のスピーカから出力するゲーム音声との両方が生成される。
【0035】
上記のようにゲーム装置3において生成される画像および音声のうちで、テレビ2において出力される画像および音声のデータは、AV−IC15によって読み出される。AV−IC15は、読み出した画像データをテレビ2に出力するとともに、読み出した音声データを、テレビ2に内蔵されるスピーカ2Lおよび2Rに出力する。これによって、テレビ2に画像が表示されるとともにスピーカ2Lおよび2Rから音が出力される。
【0036】
また、ゲーム装置3において生成される画像および音声のうちで、端末装置5において出力される画像および音声のデータは、端末装置通信部13を介して端末装置5へ送信される。
【0037】
また、ゲーム装置3は、端末装置5との間で画像や音声等のデータを送受信することが可能である。プロセッサ10は、端末装置5へゲーム画像(端末用ゲーム画像)を送信する場合、上記GPUが生成したゲーム画像のデータに対して所定の圧縮処理を行う。当該圧縮された画像データは、端末装置通信部13によって端末装置5へ送信される。なお、本実施形態では、ゲーム装置3から端末装置5へ送信される画像データはゲームに用いるものであり、ゲームにおいては表示される画像に遅延が生じるとゲームの操作性に悪影響が出る。そのため、ゲーム装置3から端末装置5への画像データの送信に関しては、できるだけ遅延が生じないようにすることが好ましい。したがって、本実施形態では、コーデックLSI27は、例えばH.264規格といった高効率の圧縮技術を用いて画像データを圧縮する。なお、それ以外の圧縮技術を用いてもよいし、通信速度が十分である場合には無圧縮で画像データを送信する構成であってもよい。
【0038】
また、ゲーム装置3は、画像データの他、音声データを端末装置5へ送信する。すなわち、プロセッサ10は、上記DSPが生成した音声データに対して、上記画像データと同様に圧縮処理を行う。そして、プロセッサ10は、圧縮された画像データおよび音声データを、端末装置通信部13を介して端末装置5へ送信する。
【0039】
その他、ゲーム装置3は、上記画像データおよび音声データの他に、必要に応じて各種の制御データも端末装置5へ送信する。
【0040】
また、ゲーム装置3は、端末装置5から各種データを受信可能である。本実施形態では、端末装置5は、操作データを送信する。端末装置5から送信される操作データは端末装置通信部13によって受信される。当該操作データは、端末装置通信部13で受信された後、プロセッサ10に出力される。プロセッサ10は、端末装置5から受信したデータを、上記内部メインメモリまたはメインメモリ11のバッファ領域に記憶(一時記憶)する。
【0041】
なお、上記プロセッサ10に関して、後述する処理は単一のプロセッサ10で処理されても良いし、単一のゲーム装置3に複数のプロセッサ10を搭載し、これら複数のプロセッサ10を併用して処理されてもよい。また、いわゆるシングルコアタイプのプロセッサでも良いし、マルチコアタイプのプロセッサでもよい。
【0042】
[3.端末装置5の構成]
次に、
図3を参照して、端末装置5の構成について説明する。
図3は、端末装置5の外観構成を示す図である。
図3における(a)図は端末装置5の正面図であり、(b)図は上面図であり、(c)図は右側面図であり、(d)図は下面図である。
【0043】
図3に示されるように、端末装置5は、大略的には横長の長方形の板状形状であるハウジング50を備える。ハウジング50は、ユーザが把持することができる程度の大きさである。したがって、ユーザは、端末装置5を持って動かしたり、端末装置5の配置位置を変更したりすることができる。
【0044】
端末装置5は、ハウジング50の表面にLCD51を有する。LCD51は、ハウジング50の表面の中央付近に設けられる。したがって、ユーザは、LCD51の両側部分のハウジング50を持つことによって、LCD51の画面を見ながら端末装置を持って動かすことができる。
【0045】
図3の(a)図に示すように、端末装置5は、操作手段として、LCD51の画面上にタッチパネル52を有する。本実施形態では、タッチパネル52は抵抗膜方式のタッチパネルである。ただし、タッチパネルは抵抗膜方式に限らず、例えば静電容量方式等、任意の方式のタッチパネルを用いることができる。また、タッチパネル52はシングルタッチ方式でもよいし、マルチタッチ方式であってもよい。本実施形態では、タッチパネル52として、LCD51の解像度と同解像度(検出精度)のものを利用する。ただし、必ずしもタッチパネル52の解像度とLCD51の解像度が一致している必要はない。タッチパネル52に対する入力は通常タッチペンを用いて行われるが、タッチペンに限らずユーザの指でタッチパネル52に対する入力をすることも可能である。なお、ハウジング50には、タッチパネル52に対する操作を行うために用いられるタッチペンを収納するための収納穴が設けられていてもよい。このように、端末装置5はタッチパネル52を備えるので、ユーザは、端末装置5を動かしながらタッチパネル52を操作することができる。つまりユーザは、LCD51の画面を動かしつつ、その画面に対して直接(タッチパネル52によって)入力を行うことができる。
【0046】
図3に示すように、端末装置5は、操作手段として、2つのアナログスティック55Lおよび55Rと、十字ボタン56と、複数の操作ボタン57とを備えている。各アナログスティック55Lおよび55Rは、方向を指示するデバイスである。すなわち、所定方向への入力操作が行われたとき、無操作状態である中立状態から当該方向への入力が可能な限界位置に達するまでの入力における中間値が出力可能な方向入力デバイスである。そのため、他の実施形態では、例えばこれはアナログパッド等であってもよい。各アナログスティック55Lおよび55Rは、ユーザの指で操作されるスティック部がハウジング50の表面に対して任意の方向(上下左右および斜め方向の任意の角度)にスライドまたは傾倒することができるように構成されている。また、左アナログスティック55LはLCD51の画面の左側に、右アナログスティック55RはLCD51の画面の右側にそれぞれ設けられる。したがって、ユーザは、左右いずれの手でもアナログスティックを用いて方向を指示する入力を行うことができる。また、各アナログスティック55Lおよび55Rは、ユーザが端末装置5の左右部分を把持した状態で操作可能な位置に設けられるので、ユーザは、端末装置5を持って動かす場合においても各アナログスティック55Lおよび55Rを容易に操作することができる。
【0047】
各ボタン56および57は、所定の入力を行うための操作手段である。各ボタン56および57は、ユーザが端末装置5の左右部分を把持した状態で操作可能な位置に設けられる。したがって、ユーザは、端末装置5を持って動かす場合においてもこれらの操作手段を容易に操作することができる。
【0048】
図3の(a)図に示すように、ハウジング50の表面には、十字ボタン(方向入力ボタン)56と、4つのボタン57とが設けられる。つまり、これらのボタンは、ユーザの親指で操作可能な位置に配置されている。
【0049】
十字ボタン56は、LCD51の左側であって、左アナログスティック55Lの下側に設けられる。つまり、十字ボタン56はユーザの左手で操作可能な位置に配置されている。十字ボタン56は、十字の形状を有しており、上下左右の方向を指示することが可能なボタンである。また、4つのボタン57は、LCD51の右側であって、右アナログスティック55Rの下側に設けられる。つまり、4つのボタン57はユーザの右手で操作可能な位置に配置されている。さらに、4つのボタン57は、(4つのボタン57の中心位置に対して)上下左右の位置関係となるように配置されている。したがって、端末装置5は、ユーザに上下左右の方向を指示させるためのボタンとして4つのボタン57を機能させることも可能である。
【0050】
その他、上記以外の操作ボタンとして、LCD51の下側にも操作ボタンが、設けられる。また、ハウジング50の斜め上部分(左上部分および右上部分)に第1Lボタン、第1Rボタンも設けられる。また、板状のハウジング50の裏面(すなわちLCD51が設けられる表面の反対側の面)に突起して設けられる足部に、第2Lボタンおよび第2Rボタンも設けられる。
【0051】
なお、
図3に示した端末装置5に関して、各操作ボタンやハウジング50の形状や、各構成要素の数および設置位置等は単なる一例に過ぎず、他の形状、数、および設置位置であってもよい。
【0052】
[4.端末装置5の内部構成]
次に、
図4を参照して、端末装置5の内部構成について説明する。
図4は、端末装置5の内部構成を示すブロック図である。
図4に示すように、端末装置5は、上記
図3に示したLCD51、タッチパネル52、アナログスティック55Lおよび55R、十字ボタン56や複数のボタン57に相当する操作部81という構成の他、モーションセンサ82、制御部83、無線通信部84等を備える。これらの電子部品は、電子回路基板上に実装されてハウジング50内に収納される。
【0053】
モーションセンサ82は、端末装置5に加えられた動きや端末装置5の姿勢等を検出するためのセンサである。本実施形態では、当該モーションセンサ82として、加速度センサ、角速度センサ(ジャイロセンサ)、磁気センサが備えられている。加速度センサは、3軸(
図3の(a)図に示すxyz軸)方向に沿った直線加速度の大きさを検出する。具体的には、加速度センサは、ハウジング50の長辺方向をx軸、ハウジング50の短辺方向をy軸、ハウジング50の表面に対して垂直な方向をz軸として、各軸の直線加速度の大きさを検出する。検出された加速度を表す加速度データは制御部83へ出力される。また角速度センサは、上記x軸、y軸およびz軸の3軸周りの角速度を検出する。検出された角速度を表す角速度データは、制御部83へ出力される。磁気センサは、磁界の大きさおよび方向を検知することで方位を検出する。検出された方位を示す方位データは、制御部83へ出力される
【0054】
制御部83は、UIコントローラ85やコーデック部86等を含む。UIコントローラ85は、各種の入出力部に対するデータの入出力を制御する。コーデック部86は、ゲーム装置3へ送信するデータに対する圧縮処理、および、ゲーム装置3から送信されたデータに対する伸張処理を行う。制御部83は、タッチパネル52、操作部81(上記アナログスティック55Lおよび55R、十字ボタン56、複数のボタン57等)、モーションセンサ82から得られた操作データを、端末操作データとして無線通信部84を介してゲーム装置3へ送信する。また、上述のように、ゲーム装置3から端末装置5へは、圧縮された画像データおよび音声データが送信される。これらのデータは無線通信部84を介して制御部83に送られる。制御部83(のコーデック部86)は、受信した画像データおよび音声データを伸張する。伸張された画像データはLCD51へ出力され、画像がLCD71に表示される(端末用ゲーム画像が表示されることになる)。また、伸張された音声データは図示しないサウンドICへ出力され、サウンドICは図示しないスピーカから音を出力させる(端末用ゲーム音声が出力されることになる)。
【0055】
[5.本実施形態にかかる情報処理の動作概要]
次に、本実施形態にかかる情報処理システムで実行される情報処理の動作概要を説明する。本実施形態にかかる情報処理の一例として、ゲーム処理を想定する。より具体的には、3Dフライトシューティングゲームを想定する。
図5および
図6は、本実施形態に係るゲーム処理のゲーム画面の一例を示す図である。
図5は、端末用ゲーム画像の一例であり、
図6は、テレビ用ゲーム画像の一例である。本ゲームでは、プレイヤオブジェクトは戦闘機101であり、仮想3次元ゲーム空間(以下、仮想ゲーム空間)内で当該戦闘機101を移動(移動・飛行)させて、敵オブジェクト102を攻撃(射撃)する。また、戦闘機101の移動方向は、360度任意の方向に変更することが可能となっている。
【0056】
図5に示す端末用ゲーム画像は、上記戦闘機のコックピットからみた視点で描かれている。換言すれば、パイロットの視点といえ、いわゆる一人称視点(主観視点)の画像となっている。これに対して、
図6に示すテレビ用ゲーム画像は、戦闘機101の後方から見た視点で描画されている。いわゆる3人称視点(客観視点)であり、仮想カメラは戦闘機の後方を追従するように制御される。つまり、同一の仮想ゲーム空間内の2つの仮想カメラが存在しており、それぞれ異なる位置から仮想ゲーム空間を撮影していることになる。
図7に、テレビ用ゲーム画像における戦闘機101と仮想カメラとの位置関係を示す。また、
図8に、端末用ゲーム画像における戦闘機101と仮想カメラとの位置関係を示す。いずれの場合でも、原則として、仮想カメラの撮像方向は、戦闘機101の機首方向(移動方向)である。また、仮想カメラの位置は、戦闘機101の移動に伴い、
図7や
図8のような位置関係を保ったまま、適宜移動する。なお、以下の説明では、テレビ用ゲーム画像生成するために用いられる仮想カメラを第1の仮想カメラ111と呼ぶ。また、端末用ゲーム画像の生成に用いられる仮想カメラを第2の仮想カメラ112と呼ぶ。
【0057】
図5の端末用ゲーム画像では、コックピットから見た仮想ゲーム空間の様子が描かれている(敵オブジェクト102等も描画されている)。その他、端末用ゲーム画像には、照準103や各種メータ104、105も描かれている。照準103は、戦闘機の攻撃方向(射撃方向)を示すものである。本実施形態では、照準103の位置の初期値として、戦闘機の機首方向に設定されているものとする。なお、本実施形態では、端末用ゲーム画像において、照準103の描画位置は当該画像(画面)の中央部分に固定的に描画されるものとする(換言すれば、第1の仮想カメラの撮像方向に沿った位置に照準103が配置されており、結果的に、画面の中央部分に照準が固定的に描画されるものとする)。メータ104や105は、例えば戦闘機101のエネルギー残量や速度等を示す。つまり、戦闘機の各種計器類に相当する表示である。ここで、本ゲームでは、プレイヤが、基本的には端末用ゲーム画像のほうを見ながらプレイすることを想定している。そのため、これら計器類に相当する表示を端末用ゲーム画像のほうに表示してプレイの際の利便性を高めている。但し、本実施形態では、自機の周囲の敵の存在を示すための、いわゆる「レーダー」に相当する表示は、端末用ゲーム画面には表示されていない。なお、他の実施形態では、いわゆる「レーダー」に相当する表示を端末用ゲーム画面に表示するような構成としてもよい。
【0058】
なお、照準103に関しては、「照準オブジェクト」を生成して仮想ゲーム空間内(戦闘機101の機首方向であって、機首から所定の距離だけ離れた位置等)に配置するようにしてもよい。あるいは、オブジェクトという形ではなく、端末側ゲーム画像において照準103の画像を描画する処理としてもよい(例えば、第2の仮想カメラ112で撮像した画像に照準の画像を重畳して描画する等)。
【0059】
図6のテレビ用ゲーム画面では、上記のような3人称視点で仮想ゲーム空間の様子が描かれている。この画面では、端末用ゲーム画像で表示されていた照準103や各種メータ104や105の類いは一切表示されない。すなわち、戦闘機101の後方からみた仮想ゲーム空間の様子のみが描画されている(テレビ2に表示されるため、プレイヤ以外のユーザも視聴できる、いわばライブカメラ的な役目も果たしている)。また、テレビ用ゲーム画面では、戦闘機101(プレイヤオブジェクト)が常に表示されている(存在している)状態となっている。また、このような戦闘機101の後方からの視点で描画していることで、上記端末用ゲーム画像の場合と比べて、戦闘機101の周囲の状況がプレイヤにとって把握しやすいといえる。そのため、プレイヤがテレビ用ゲーム画面を見ることで、戦闘機101の周囲の状況をプレイヤが把握するためのレーダー画面的な活用も可能である。
【0060】
次に、上述のような2つの画面を用いた構成において、本実施形態で実行される処理の概要を説明する。本実施形態で説明する処理は、主に戦闘機の移動操作と照準の方向の操作に関する処理である。なお、照準の方向は、攻撃方向や射撃方向ともいえるが、以下の説明では「照準方向」と呼ぶ。
【0061】
上記の操作について、本実施形態では、2つの操作系を併用する処理を行う。具体的には、「第1の操作」として、上記左アナログスティック55Lを操作することで、戦闘機101の移動方向および照準方向を連動させて変化させることが可能である。また、「第2の操作」として、上記端末装置5自体を動かすことで、その姿勢に基づいて照準方向のみを変化させる操作が可能である。
【0062】
第1の操作について、
図9〜
図11を用いて説明する。
図9は、戦闘機101を俯瞰した状態で示している。
図9では、戦闘機101の移動方向はz軸正方向(上記端末用ゲーム画像、テレビ用ゲーム画像における奥行き方向)である。また、照準方向も、移動方向と一致した方向となっている。このような状態で、プレイヤが左アナログスティック55Lを用いて、例えば右方向入力を行なったとする。この場合、
図10および
図11に示すように、戦闘機101が右に旋回するような動作を行う。その結果、戦闘機101の移動方向もx軸正方向へと変化していき、これに伴って照準方向もx軸正方向へと変化していく。つまり、第1の操作の場合は、戦闘機101の移動方向および照準方向を変化させることができる。
【0063】
次に、第2の操作について、
図12〜
図23を用いて説明する。ここでは、戦闘機101の状態が上記
図9で示した状態であるときに、プレイヤが照準方向を右方向に変更しようとした場合を例として説明する。
図12〜
図14は、プレイヤが照準方向を右方向に変更する操作を示す模式図である。この図では、プレイヤを俯瞰した様子を示している。まず、
図12に示すように、プレイヤが、端末装置5がテレビ2とほぼ並行となるような姿勢でプレイしていたとする。この状態では、戦闘機101は上記
図9で示したように、仮想ゲーム空間のz軸正方向に移動している状態であるとする。この状態から、プレイヤが端末装置5をy軸周りに右に少し回転させたとする。回転のさせ方は、
図13に示すように、プレイヤ自身の向きはテレビ2に向いたまま、腕や手首だけ動かして端末装置5を回転させても良いし、あるいは、
図14に示すように、プレイヤ自身が右回転するような操作でもよい。
【0064】
このような操作を行うことで、端末装置5の背面は、
図12の姿勢に比べて少し右に向いた状態となる。端末装置5に内蔵されているモーションセンサ82からの出力に基づき、この端末装置5の姿勢が算出され、この姿勢(端末装置5の向き)に応じて、照準方向が変化する。具体的には、
図15に示すように、戦闘機101の移動方向はz軸正方向のままで、照準方向のみがx軸正方向(右方向)に向けて少し変化する。また、この場合の仮想カメラの向き(撮像方向)は、
図16に示すような状態となる。すなわち、第2の仮想カメラの向きは、照準方向の変化に合わせて右方向に変化する。一方、第1の仮想カメラの向きは変化しない。その結果、テレビ用ゲーム画像としては画面に大きな変化はない(移動方向への戦闘機101の移動分の変化のみ)。一方、端末用ゲーム画像は、
図17に示すように、上記
図5の画像と比べて視線が少し右を向いたような画像が表示される(照準103自体は、上記のように画面のほぼ中央に描画されている)。つまり、戦闘機101の移動方向はそのままで、照準方向のみ変化させる操作が可能となっている。
【0065】
第2の操作の別の例として、
図18〜
図23に、端末装置5を少し上に向けた場合の例を示す。すなわち、端末装置5を
図3で示すx軸周りに回転させた場合の例である。
図18〜
図20は、プレイヤが端末装置5を上に向けて傾ける操作を示す模式図である。
図18では、端末装置5がテレビ2とほぼ並行となるような姿勢でプレイヤがプレイしている状態を示す。この状態から、
図19に示すように、プレイヤ自身が少し上を向く姿勢になるか、または、
図20で示すように、プレイヤは正面を向いたまま手首だけ動かして端末装置5だけ少し上向きに傾ける操作を行ったとする。このような操作の場合は、
図21に示すように、照準方向のみが上方向に変化する。また、仮想カメラの向きについても、
図22に示すように、第2の仮想カメラの向き(撮像方向)は、照準方向の変化に合わせて上方向に変化するが、第1の仮想カメラの向きは変化しない。そして、端末用ゲーム画像としては、
図23に示すように、上記
図5の画像に比べて視線を少し上に向けた状態の画像が表示される。
【0066】
ここで、第2の操作にて照準方向を変化させることができる範囲について補足する。本実施形態では、
図24で示すように、戦闘機101の前方で半球となる範囲内で照準方向を変化させることが可能である。そのため、移動方向は前方のまま、例えば戦闘機101の真上や真下に回り込んだ敵オブジェクトを狙って照準方向を変化させるようなことも可能である。また、他の実施例では、このような半球状の範囲に限らずともよい。
【0067】
このように、本実施形態では、アナログスティック55Lを用いる第1の操作で戦闘機101の移動方向および照準方向を変化させることができると共に、端末装置5自体を動かす第2の操作で、照準方向のみ変化させることもできる。これにより、移動方向の制御や大まかな照準あわせは第1の操作で行い、細かい照準調整や、移動方向は変えたくないが照準方向だけ変えたい場合は、第2の操作を利用して攻撃することが可能となる。例えば戦闘機101の真上に敵に回り込まれた場合に、移動方向を変えずに真上を狙って攻撃する操作や、また例えば、敵オブジェクトに背を向けて逃げながら射撃を行うような操作も可能となる。このような2つの操作系を併用することで、新たな操作感覚のゲームが提供できる。
【0068】
[6.本実施形態にかかる情報処理の詳細]
次に、
図25〜
図28を参照して、本実施形態におけるゲーム処理をより詳細に説明する。
【0069】
図25は、ゲーム装置3のメインメモリ11に格納されるプログラムおよび情報の一例を示している。メインメモリ11には、ゲーム処理プログラム201、操作データ202、第1仮想カメラデータ207、第2仮想カメラデータ208、各オブジェクトデータ209、照準方向データ210等が格納される。
【0070】
ゲーム処理プログラム201は、上述したような戦闘機101の移動方向や照準方向を操作するための処理等を実行するためのプログラムである。具体的には、後述する
図26のフローチャート処理を実行するためのプログラムである。
【0071】
操作データ202は、端末装置5に対して行われた各種操作を示すデータである。操作データ202には、アナログスティックデータ203、操作ボタンデータ204、モーションセンサデータ205、およびタッチ座標データ206が含まれる。アナログスティックデータ203は、上記アナログスティック55Lおよび55Rに対して行われた操作内容を示すデータである。上記第1の操作にかかる操作データともいえる。操作ボタンデータ204は、上記ボタン56や57等の各種ボタンに対して行なわれた操作内容(各種ボタンの押下状態)を示すデータである。モーションセンサデータ205は、上記モーションセンサ82から出力されるデータであり、加速度データや角速度データが含まれる。なお、本実施形態では、主に角速度データを用いて上記第2の操作の内容(端末装置の姿勢や回転方向等)を判別する。また、タッチ座標データ206はタッチパネル52のタッチ座標等を示すデータである。
【0072】
第1仮想カメラデータ207は、上記第1の仮想カメラ111の仮想空間内における位置や向き、画角等を示すデータである。また、第2仮想カメラデータ208は、上記第2の仮想カメラ112の仮想空間内における位置や向き、画角等を示すデータである。各オブジェクトデータ209は、上記戦闘機101(プレイヤオブジェクト)や敵オブジェクトに関するデータである。各オブジェクトのモデルデータや、仮想ゲーム空間での位置や向き、移動方向等を示すデータが含まれている。照準方向データ210は、上述したような照準方向を示すためのデータである。
【0073】
次に、
図26〜
図28のフローチャートを参照して、ゲーム装置3のプロセッサ10によって実行される処理の流れを説明する。なお、以下では主に、上述したような第1の操作および第2の操作に関する制御について説明し、その他のゲーム処理に関しては詳細な説明は省略する。また、説明の便宜のため、上記第1の操作と第2の操作は、同時には行われないものとして説明する。なお、両操作が同時に行なわれた場合、照準方向の制御に関しては、何れか一方の操作を優先するような制御を行なえばよい。
【0074】
図26は、本実施形態にかかるゲーム処理の詳細を示すフローチャートである。
図26におけるステップS2〜S11の処理ループは、1/60秒単位(毎秒60フレーム)で繰り返し実行されるものとする。
【0075】
ゲーム処理が開始されると、まず、ステップS1で、プロセッサ10は、初期処理を実行する。この処理では、次のような処理が実行される。まず、仮想ゲーム空間が生成され、各オブジェクトデータ209に基づき、プレイヤオブジェクト(戦闘機101)や各種敵オブジェクト、地形オブジェクト等が生成され、仮想ゲーム空間内に配置される。また、ゲーム処理で用いられる各種データも初期化される。
【0076】
初期処理が終われば、次に、ステップS2で、プロセッサ10は、操作データ202を取得する。次に、ステップS3で、プロセッサ10は、操作データ202を参照し、上記の第1の操作が行われたか否か(アナログスティック55Lの操作が行われたか)否かを判定する。その結果、第1の操作が行われているときは(ステップS3でYES)、ステップS4で、プロセッサは第1操作処理を実行し、その後、後述のステップS8に処理を進める。
【0077】
図27は、上記ステップS4にかかる第1操作処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS21で、プロセッサ10は、操作データ202(アナログスティックデータ203)に基づき、プレイヤオブジェクト(戦闘機101)の移動方向を算出する。
【0078】
次に、ステップS22で、プロセッサ10は、照準方向(攻撃方向)を算出し、照準方向データ210として格納する。ここでは、プレイヤオブジェクトの移動方向と同じ方向が照準方向として算出される。
【0079】
次に、ステップS23で、プロセッサ10は、第1の仮想カメラ111の向き(撮像方向)を算出する。ここでは、照準方向と同じ方向が第1仮想カメラの向きとして算出され、その向きを示す値が第1仮想カメラデータ207に格納される。
【0080】
続くステップS24で、プロセッサ10は、第2の仮想カメラ112の向きを算出する。ここでは、移動方向と同じ方向が第2の仮想カメラ112の向きとして算出され、その向きを示す値が第2仮想カメラデータ208に格納される。
【0081】
次に、ステップS25で、プロセッサ10は、上記第1仮想カメラデータ207および第2仮想カメラデータ208に基づいて、第1の仮想カメラ111および第2の仮想カメラ112の向きを制御する。そして、第1操作処理は終了する。このような第1操作処理の結果として、移動方向と照準方向は一致することになり、また、第1の仮想カメラと第2の仮想カメラの向きも一致することになる。
【0082】
図26に戻り、上記ステップS3の判定の結果、第1の操作が行われていないと判定されたときは(ステップS3でNO)、ステップS5で、プロセッサ10は、モーションセンサデータ205(に含まれる角速度データ)に基づいて、上述したような第2の操作が行われたか否かを判定する。具体的には、プロセッサ10は、モーションセンサデータ205を参照し、例えば所定の閾値以上の角速度の変化が発生しているかを判定する。当該判定の結果、第2の操作が行なわれたと判定されたときは(ステップS5でYES)、ステップS6で、プロセッサ10は第2操作処理を実行し、その後、後述のステップS8に処理を進める。
【0083】
図28は、上記第2操作処理の詳細を示すフローチャートである。
図28において、まず、ステップS31で、プロセッサ10は、モーションセンサデータ205に含まれる角速度データに基づき、端末装置5の現在の姿勢を算出する。なお、他の実施形態では、角速度データに限らず、加速度データに基づいて端末装置5の姿勢を算出しても良いし、加速度データと角速度データを併用して端末装置5の姿勢を算出しても良い。
【0084】
次に、ステップS32で、プロセッサ10は、端末装置5のz軸正方向(
図3参照)の向きを算出し、この向きに対応する仮想ゲーム空間内における方向を算出し、照準方向データ210として格納する。
【0085】
次に、ステップS33で、プロセッサ10は、上記算出された照準方向データ210に基づき、第2の仮想カメラの向き(撮像方向)を算出する。すなわち、上記照準方向と同じ向きに仮想カメラの向きを設定し、その向きを示すデータを第2仮想カメラデータ208に格納する。
【0086】
次に、ステップS34で、プロセッサ10は、上記算出された第2仮想カメラデータ208に基づいて、第2の仮想カメラ112の向きを制御する。そして、第2操作処理は終了する。このような第2操作処理の結果として、照準方向(および第2仮想カメラの向き)のみが変更されることになる(第1の仮想カメラの向きと第2の仮想カメラの向きとは必ずしも一致しない)。
【0087】
図26に戻り、上記ステップS5の判定の結果、第2の操作も行われていないときは(ステップS5でNO)、ステップS7で、プロセッサ10は、操作データ202に基づき、その他の入力操作(上記第1の操作および第2の操作以外の操作)に基づくゲーム処理を実行する。例えば、射撃操作が行われている場合は、上記照準方向に向けて射撃する処理を実行する。また、例えば、プレイヤオブジェクト(戦闘機101)の移動速度を変更するための操作が行われていれば、その操作内容に基づいてプレイヤオブジェクトの移動速度を変更する。
【0088】
次に、ステップS8で、プロセッサ10は、移動処理を実行する。具体的には、プロセッサ10は、仮想ゲーム空間内の各種移動可能なオブジェクト(プレイヤオブジェクトを含む)を移動させる処理を実行する。また、プレイヤオブジェクトの移動に伴い、第1の仮想カメラ111および第2の仮想カメラ112も移動させる処理も行う。プレイヤオブジェクトについては、そのときに設定されている移動方向および移動速度に基づいて移動される。敵オブジェクトについては、例えば所定のアルゴリズムに基づいて移動される。
【0089】
次に、ステップS9で、その他のゲーム処理が実行される。例えば、プレイヤオブジェクトが行なった射撃の命中判定処理が実行される。また、例えば、上記の移動処理の結果、プレイヤオブジェクトが所定のアイテムオブジェクトや地形オブジェクトに接触したか否か等の接触判定処理等が実行される。また、接触しているときは、その接触内容に応じたゲーム処理が適宜実行される(アイテムの取得処理など)。
【0090】
次に、ステップS10で、プロセッサ10は、描画処理を実行する。すなわち、プロセッサは、上記のような処理が行なわれた仮想ゲーム空間を、第1の仮想カメラ111で撮影し、テレビ用ゲーム画像を生成する。更に、当該仮想ゲーム空間を第2の仮想カメラ112で撮影し、端末用ゲーム画像を生成する。そして、テレビ用ゲーム画像についてはテレビ2に出力され、端末用ゲーム画像については端末装置5に送信される。端末装置5では、当該端末用ゲーム画像のデータを受信し、これに基づいて端末用ゲーム画像をLCD51に表示する処理が行なわれる。
【0091】
次に、ステップS11で、プロセッサ10は、ゲーム終了のための条件が満たされたか否かを判定し、満たされていなければ(ステップS11でNO)、上記ステップS2に戻り、処理を繰り返す。当該条件が満たされていれば(ステップS11でYES)、プロセッサ10は、当該ゲーム処理を終了する。
【0092】
このように、本実施形態では、照準方向(射撃方向)の操作について、プレイヤオブジェクトの移動方向についての操作系から独立させた操作系を用いるようにしている。これにより、プレイヤオブジェクトの移動方向を変化させることなく、照準方向だけ変化させることができ、照準方向の操作を行いやすくすることができる。
【0093】
また、照準方向の操作について、上記のように端末装置5自体を動かす操作で照準方向を変化させることができる。特に、本実施形態では、プレイヤが把持可能な筐体に入力装置と表示部とを設けた構成とし、この表示部に、ゲームプレイ時にプレイヤが主に見るべきゲーム画像を表示している。このような構成により、細かい照準位置の調整ができ、また、より直感的な操作も可能となる。
【0094】
また、上記のように2つの表示装置を用いて、一方は主観視点、他方は客観視点によるゲーム画像を表示している。更に、客観視点の画像(上記ではテレビ用ゲーム画像)では、常にプレイヤオブジェクトが画面内に存在するような表示を行なっている。そのため、ゲームプレイの際、プレイヤは基本的には、主観視点による画像を見ながらゲームプレイしつつ、必要に応じて客観視点による画像を見ることで、プレイヤオブジェクトの周囲の状況を把握しやすくなる。
【0095】
なお、上述の実施形態では、2つの表示装置(テレビ2と端末装置5のLCD51)を用いる場合を例に挙げた。他の実施形態では、1つの表示装置を用いるような構成としても良い。例えば、1つの画面に2つの表示領域を設けておき、一方の表示領域には上記テレビ用ゲーム画像を表示、他方の表示領域には上記端末用ゲーム画像を表示するようにしても良い。
【0096】
また、上記実施形態では、端末側ゲーム画像、すなわち、主にプレイヤがゲームプレイのために利用するゲーム画像が表示される表示部(LCD51)が、入力装置に含まれている構成(同一筐体内に含まれている構成)を例に挙げた(すなわち、端末装置5)。他の実施形態では、入力装置と、上記端末側ゲーム画像を表示するための表示部とは別の装置(別の筐体)であっても良い。例えば、上記テレビ用ゲーム画像を表示するための第1の表示装置、上記端末用ゲーム画像を表示するための第2の表示装置、これらとは別の入力装置(コントローラ)、というような構成としてもよい。そして、当該入力装置自体を動かすことで、上記実施形態と同様に照準方向を変更するようにすればよい。
【0097】
また、上述の実施形態では、第1の操作について、アナログスティック55Lの操作、第2の操作として、端末装置5自体を動かす操作、すなわち、モーションセンサを利用した操作の場合を例に挙げた。他の実施形態では、この関係を逆にしても良い。すなわち、上記第1の操作(移動方向の操作)についてモーションセンサを利用し、第2の操作(照準方向の操作)を、アナログスティック55L(非モーションセンサ)を用いた操作としてもよい。また、更に他の実施形態では、第1の操作、第2の操作共に、非モーションセンサによる操作としてもよい(例えば、第1操作をアナログスティック55L、第2操作をアナログスティック55Rで行う等)。
【0098】
また、他の実施形態では、上述した照準103を表示しないようにしてもよい。つまり、攻撃方向(照準方向)の算出・設定は行うが、画面上には照準を表示しないような構成としてもよい。
【0099】
また、上述の実施形態では、第1の操作で移動方向の制御と照準方向の制御とを連動させていたが、他の実施形態では、第1の操作で移動方向だけ制御するようにしてもいい。つまり、第1の操作で移動方向を制御し、第2の操作で照準方向を制御するようにしてもよい。
【0100】
また、他の実施形態では、ゲームプレイ中に、上記第1の操作について、プレイヤによる操作(手動操作)から、プロセッサ10が自動制御する「自動操作」へ切り替え可能に構成してもよい。例えば、仮想ゲーム空間において、予め決められたルートに沿って移動することを要求するゲームステージを用意しておく。そして、このステージをプレイする場合に、プレイヤが上記手動操作と自動操作を切換えることができるように構成する。この場合、第1の操作が自動操縦で制御されている間は、プレイヤは、上記第2の操作による照準方向の操作に専念することができる(この間、第1の操作による照準方向の変更処理は行なわれないようにすればよい)。
【0101】
また、2つの仮想カメラの位置に関して、上記実施形態では、異なる位置から仮想ゲーム空間を撮影する場合を例に挙げた。他の実施形態では、2つの仮想カメラが同じ位置であって、異なる方向を撮影するようにしても良い。例えば、戦闘機の後方の同じ位置に双方の仮想カメラを配置する。そして、第1の仮想カメラ111は戦闘機の移動方向に係る方向で仮想ゲーム空間を撮影し、第2の仮想カメラ112は、移動方向とは逆の方向で撮影するようにしてもよい。
【0102】
また、上述した実施形態では、照準103は端末用ゲーム画像の中央に固定的に表示されている場合を例に挙げたが、他の実施形態では、必ずしも固定的な表示ではなくとも良い。上記第2の操作による端末装置5の姿勢の変化に応じて、画面内を照準が移動するような構成としても良い。例えば、端末装置5をy軸周りに右方向に回転させた場合(上記
図12〜
図14参照)、まずは、
図29に示すように、第1の仮想カメラ111の向きは変更せずに照準103を画面内において右方向に移動させていき、照準103が画面右端に到達すれば、第1の仮想カメラ111の向きを変更するようにしてもよい。また、更に他の実施例では、端末装置5に加えられた動きの大きさを判定し、所定の閾値より小さな動きであれば、第1の仮想カメラの向きは変えずに照準103を画面内で移動させ、所定の閾値より大きな動きが加えられたときは、端末装置5の姿勢に基づいて第1の仮想カメラの向きも変更するようにしてもよい。
【0103】
また、上述した実施形態では、3Dのフライトシューティングゲームを例に挙げたため、移動方向と照準方向(攻撃方向)との制御する例で説明していた。このようなゲームの他、他のゲーム処理にも上記実施形態の処理は適用可能である。例えば、上記のような攻撃・射撃以外のプレイヤオブジェクトの動作に関する方向を上記第2の操作で設定しても良い。例えば、プレイヤオブジェクトがカメラを持っており、このカメラで撮影する方向を上記第2の操作で設定しても良い。また、例えば、つりゲームの場合で、プレイヤオブジェクトが小舟に乗っているような場合を想定すると、上記第1の操作で小舟の移動方向を設定し、第2の操作で釣り針を投げる方向を設定しても良い。また、プレイヤオブジェクト以外のオブジェクトであって、プレイヤオブジェクトの攻撃動作に関わるオブジェクトの移動方向を上記第2の操作で設定しても良い。例えば、上記照準を「照準オブジェクト」として扱う場合や、その他、例えば誘導ミサイル等の攻撃用オブジェクトを生成し、当該誘導ミサイルオブジェクトを上記第2の操作を用いて移動させるようにしてもよい。つまり、プレイヤオブジェクトの移動方向を上記第1の操作で制御し、移動以外の動作に関する方向を上記第2の操作で制御するものについて、上記実施形態は適用可能である。
【0104】
また、その他、上記第2の操作に基づいて仮想ゲーム空間内の所定の位置を指示し、当該指示位置に基づいて、上記のような照準方向を設定するようにしても良い。
【0105】
また、上述の実施形態では、テレビ用ゲーム画像の例として、プレイヤオブジェクト(戦闘機101)の後方からの客観視点による画像を表示する例を挙げた。他の実施形態では、例えば俯瞰視点や、プレイヤオブジェクトの斜め上からの視点等からの画像を表示するようにしてもよい。
【0106】
また、上記実施形態においては、プレイヤオブジェクトの移動方向と照準方向を変更するための一連の処理が単一の装置において実行される場合を説明したが、他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側となる装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。さらには、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。