特許第6581345号(P6581345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6581345
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】酸性飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/60 20060101AFI20190912BHJP
   A23L 2/68 20060101ALI20190912BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20190912BHJP
   C07K 4/12 20060101ALN20190912BHJP
【FI】
   A23L2/00 C
   A23L2/60
   A23L2/68
   A23L2/00 T
   !C07K4/12
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-224295(P2014-224295)
(22)【出願日】2014年11月4日
(65)【公開番号】特開2016-86721(P2016-86721A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 知也
【審査官】 藤澤 雅樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/133442(WO,A1)
【文献】 特開2011−250709(JP,A)
【文献】 特開2006−067874(JP,A)
【文献】 特開平09−249694(JP,A)
【文献】 特開2011−182684(JP,A)
【文献】 特表平10−508744(JP,A)
【文献】 特開2013−051910(JP,A)
【文献】 特開2013−017402(JP,A)
【文献】 特開平10−150958(JP,A)
【文献】 特開平11−225686(JP,A)
【文献】 特開平09−028306(JP,A)
【文献】 特開2008−061518(JP,A)
【文献】 特表2009−533032(JP,A)
【文献】 調理科学 (1976) Vol.9, No.2, pp.2-14(60-72)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00
C07K 1/00−19/00
CAplus/FSTA/WPIDS/WPIX(STN)
MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)酸味料
(B)甘味料 ショ糖甘味換算濃度で0.1〜4質量%、及び
(C)カゼインペプチド 0.01〜0.5質量%
を含有し、
成分(C)の重量平均分子量が400650であり、
酸度が0.003〜1質量%である酸性飲料。
【請求項2】
酸度に対する成分(B)のショ糖甘味換算濃度との比率[ショ糖甘味換算濃度/酸度]が1〜500である、請求項1項記載の酸性飲料。
【請求項3】
酸度に対する成分(C)の濃度の比率[成分(C)濃度/酸度]が0.01〜50である、請求項1又は2記載の酸性飲料。
【請求項4】
成分(B)が非糖質系甘味料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸性飲料。
【請求項5】
成分(B)がアセスルファムカリウム、スクラロース、ソーマチン及びアスパルテームから選択される1種又は2種以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸性飲料。
【請求項6】
成分(A)がクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸性飲料。
【請求項7】
更に、成分(D)として炭酸ガスを含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸性飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
酸性飲料は、程よい酸味とさわやかな風味により嗜好性の高い飲料として清涼飲料水の分野において市場を拡大している。例えば、エリスリトール及び高甘味度甘味料を一定量配合することにより、低カロリーながら甘味を強化した酸性飲料が知られている(特許文献1)。
【0003】
一方、カゼインペプチドは、アンジオテンシン変換酵素阻害活性、チロシナーゼ活性阻害作用をはじめとする様々な機能を発揮し得ることが報告されており、消化吸収性や栄養生理の面からも優れた素材として、飲食品や医薬の分野において注目されている。例えば、ビタミンB2、カゼイン加水分解物及びアスコルビン酸を配合した飲料(特許文献2)や、ベータヒドロキシベータメチルブチレートカルシウムカゼイン加水分解物を含む栄養液体(特許文献3)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−150958号公報
【特許文献2】国際公開第2006/132353号
【特許文献3】特表2013−528060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、酸味の比較的高い飲料に対して特定量の甘味料を配合したところ、甘味料の増量により甘味料由来の不快味の発生などの課題が生ずることが判明した。
本発明の課題は、甘味料の増量を抑えながら、甘味の増強された酸性飲料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題に鑑み種々検討した結果、酸度の比較的高い酸性飲料に、特定量の甘味料と、特定量のカゼインペプチドとを含有させることにより、甘味料の増量を抑えながら、甘味の増強された酸性飲料が得られることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)酸味料
(B)甘味料 ショ糖甘味換算濃度で0.1〜4質量%、及び
(C)カゼインペプチド 0.01〜1質量%
を含有し、酸度が0.003〜1質量%である、酸性飲料を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、甘味料の増量を抑えながら、甘味の増強された酸性飲料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の酸性飲料は、成分(A)として酸味料を含有する。
成分(A)は、有機酸でも、無機酸でも、それらの塩であってもよく、食品に使用されるものであれば特に限定されない。成分(A)は、1種又は2種以上を含有することができる。
有機酸としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、乳酸、酢酸、フマル酸、アジピン酸、フィチン酸、フマル酸等が挙げられる。また、無機酸としては、例えば、リン酸等が挙げられる。塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩を挙げることができる。中でも、適度な酸味付与、風味バランスの観点から、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上が好ましく、クエン酸、グルコン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上が更に好ましい。
【0010】
本発明の酸性飲料の酸度は0.003〜1質量%である。ここで、本明細書において「酸度」とは、当該酸性飲料を、フェノールフタレイン指示薬を用いて水酸化ナトリウムで滴定し、当該酸性飲料中に含まれる全ての酸の濃度をクエン酸相当量として換算したものであり、具体的には後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の酸性飲料の酸度は、適度な酸味付与の観点から、0.005質量%以上が好ましく、0.008質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、0.015質量%以上が殊更に好ましく、また風味バランスの観点から、0.8質量%以下が好ましく、0.7質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下が更に好ましく、0.5質量%以下が殊更に好ましい。かかる酸度の範囲としては、好ましくは0.005〜0.8質量%であり、より好ましくは0.008〜0.7質量%であり、更に好ましくは0.01〜0.6質量%であり、より更に好ましくは0.015〜0.5質量%である。
【0011】
また、本発明の酸性飲料は、成分(B)として甘味料を含有する。
成分(B)としては、例えば、非糖質系甘味料、糖質系甘味料等が挙げられる。甘味料は、合成品及び天然由来品のいずれも使用できる。成分(B)は、嗜好性に応じて、1種又は2種以上を含有することができる。
【0012】
非糖質系甘味料としては、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アリテーム、チクロ、ズルチン及びネオテームから選択される1種又は2種以上の非糖質系合成甘味料や、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン及びネオヘスペリジンから選択される1種又は2種以上の非糖質系天然甘味料を挙げることができる。
また、糖質系甘味料としては、糖類及び糖アルコールから選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
糖類としては、ショ糖、ブドウ糖、果糖、異性化糖、水あめ、乳糖、麦芽糖、フラクオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、パノースオリゴ糖、トレハロース、ラフィノース、セロビオース、キシロオリゴ糖、D−プシコース及びD−アロースから選択される1種又は2種以上が挙げられる。
糖アルコールとしては、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、還元パラチノース、エリスリトール、ラクチトール及び還元デンプン糖化物から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。
中でも、本発明の酸性飲料において成分(B)としては、非糖質系甘味料が好ましく、アセスルファムカリウム、スクラロース、ソーマチン及びアスパルテームから選択される1種又は2種以上が更に好ましく、アセスルファムカリウム及びスクラロースから選択される1種又は2種以上が殊更に好ましい。
【0013】
本発明の酸性飲料中の成分(B)の含有量は、ショ糖甘味換算濃度により規定される。本明細書において「ショ糖甘味換算濃度」とは、本発明の酸性飲料における成分(B)濃度と同じ濃度の成分(B)水溶液の甘味をショ糖濃度に換算した値をいう。具体的には、下記の表1に示す数式のxに、本発明の酸性飲料中の成分(B)濃度(質量%)を当て嵌めることにより、成分(B)のショ糖甘味換算濃度yを算出することができる。なお、表1に示す数式は、所定濃度のショ糖水溶液の甘味と同等の甘さを有する成分(B)の濃度を決定し、その操作を繰り返して、得られたショ糖濃度と成分(B)の濃度との測定値から最小二乗法により求めたものである。なお、表1に記載のない甘味料についても同様の操作により最小二乗法により数式を求め、被験甘味料のショ糖甘味換算濃度を算出することができる。
【0014】
【表1】
【0015】
成分(B)を2種以上含有する場合、成分(B)のショ糖甘味換算濃度は、使用する各甘味料のショ糖甘味換算濃度の総和として求めることができる。
【0016】
本発明の酸性飲料中の成分(B)のショ糖甘味換算濃度による含有量は0.1〜4質量%であるが、風味バランスの観点から、0.2質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、また甘味増強の観点から、3.5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。かかるショ糖甘味換算濃度の範囲としては、本発明の酸性飲料中に、好ましくは0.2〜3.5質量%であり、より好ましくは0.3〜2質量%である。
【0017】
成分(B)の含有量は、甘味料の種類に応じて適宜設定される。例えば、成分(B)が非糖質系甘味料である場合には、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.0001〜0.05質量%であり、より好ましくは0.001〜0.04質量%であり、更に好ましくは0.0012〜0.025質量%である。中でも、成分(B)がアセスルファムカリウムである場合には、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.001〜0.05質量%であり、より好ましくは0.0015〜0.04質量%であり、更に好ましくは0.002〜0.025質量%である。また、成分(B)がスクラロースの場合には、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.0008〜0.02質量%であり、より好ましくは0.001〜0.018質量%であり、更に好ましくは0.0012〜0.015質量%である。更に、成分(B)がソーマチンである場合には、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.0001〜0.002質量%であり、より好ましくは0.0003〜0.0015質量%であり、更に好ましくは0.0005〜0.001質量%である。
また、成分(B)がブドウ糖である場合には、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.85〜6.6質量%であり、より好ましくは0.9〜6.3質量%であり、更に好ましくは1〜6質量%であり、成分(B)がマルチトールの場合には、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.65〜5質量%であり、より好ましくは0.68〜4.5質量%であり、更に好ましくは0.7〜4質量%である。
【0018】
また、酸度に対する成分(B)のショ糖甘味換算濃度の比率[ショ糖甘味換算濃度/酸度]は、甘味増強の観点から、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、10以上が更に好ましく、また風味バランスの観点から、500以下が好ましく、400以下がより好ましく、350以下が更に好ましく、300以下が殊更に好ましい。かかる比率[ショ糖甘味換算濃度/酸度]の範囲としては、好ましくは1〜500、より好ましくは1〜400、更に好ましくは3〜350、殊更に好ましくは10〜300である。
【0019】
本発明の酸性飲料は、成分(C)としてカゼインペプチドを含有する。
成分(C)は、カゼインの加水分解、又はアミノ酸からのペプチド合成より得ることが可能である。中でも、カゼインペプチドとしては、カゼイン加水分解物が好ましい。カゼイン加水分解物は、好ましくは乳カゼインを種々のタンパク質分解酵素を用いて分解したものである。乳カゼインとしては、例えば、牛乳、馬乳、ヤギ乳、羊乳由来のカゼインが挙げられ、中でも、牛乳カゼインが好ましい。また、タンパク質分解酵素としては、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン等の市販のプロテアーゼや、酵母、乳酸菌、枯草菌、麹菌等の微生物由来のプロテアーゼ及びペプチダーゼを挙げることができる。なお、カゼインの加水分解は、公知の方法を適宜採用することができる。
【0020】
成分(C)は、重量平均分子量が300以上であることが好ましく、重量平均分子量が350以上であることが好ましく、重量平均分子量が400以上であることが好ましい。一方、重量平均分子量が750以下であることが好ましく、重量平均分子量が700以下であることが好ましく、重量平均分子量が650以下であることが好ましい。かかる重量平均分子量の範囲としては、好ましくは300〜750、より好ましくは350〜700、更に好ましくは400〜650である。なお、カゼインペプチドの重量平均分子量は、後掲の実施例に記載の方法により測定するものとする。
【0021】
このような成分(C)として、市販品を使用することも可能であり、例えば、CE90GMM(日本新薬(株) 製、重量平均分子量640ダルトン)、CU−2500A(森永乳業(株) 製、重量平均分子量550ダルトン)、MCH−30(森永乳業(株) 製、重量平均分子量406ダルトン)等を挙げることができる。
【0022】
本発明の酸性飲料中の成分(C)の含有量は、0.01〜1質量%であるが、甘味増強の観点から、0.02質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましく、また成分(C)由来の異味、異臭の抑制の観点から、0.9質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。本発明の酸性飲料中の成分(C)の含有量の範囲としては、好ましくは0.02〜0.9質量%、より好ましくは0.03〜0.5質量%、更に好ましくは0.05〜0.1質量%である。
【0023】
また、酸度に対する成分(C)の濃度の比率[成分(C)濃度/酸度]は、甘味増強の観点から、0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、1以上が更に好ましく、2以上が殊更に好ましく、また風味バランスの観点から、50以下が好ましく、30以下がより好ましく、10以下が更に好ましく、5以下が殊更に好ましい。かかる比率[成分(C)濃度/酸度]の範囲としては、好ましくは0.01〜50、より好ましくは0.1〜30、更に好ましくは1〜10であり、殊更に好ましくは2〜5である。
【0024】
更に、本発明の酸性飲料は、成分(D)として炭酸ガスを含有することができる。炭酸ガスは、清涼感の付与の観点から、本発明の酸性飲料中に、標準状態、すなわち0℃、1気圧におけるガス容量(ガスボリューム)(v/v)として、1(v/v)以上が好ましく、1.5(v/v)以上がより好ましく、2(v/v)以上が更に好ましく、そして、3(v/v)以下が好ましく、2.7(v/v)以下がより好ましく、2.5(v/v)以下が更に好ましい。本発明の酸性飲料中の成分(D)の含有量の範囲としては、ガス容量として、好ましくは1〜3(v/v)、より好ましくは1.5〜2.7(v/v)、更に好ましくは2〜2.5(v/v)である。ここで、本明細書において「ガス容量(ガスボリューム)」とは、飲料中に溶解している炭酸ガスの1気圧、0℃における容積と飲料の容積比を表す。
【0025】
本発明の酸性飲料は水を含有する。水の量が少な過ぎると、口当たりや喉越しが重く感じる飲料になり、他方水の量が多過ぎると、サラッとした口当たりとなるが、ボディ感の不十分な飲料となるため、水は飲用したときの口当たりや喉越しを形成するために大切な役割を果たすものである。かかる観点から、本発明の酸性飲料中の水の含有量は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、97質量%以上が更に好ましく、97.5質量%以上が殊更に好ましく、そして99.98質量%以下が好ましく、99.975質量%以下がより好ましく、99.97質量%以下が更に好ましく、99.965質量%以下が殊更に好ましい。本発明の酸性飲料中の水の含有量の範囲としては、好ましくは90〜99.98質量%、より好ましくは95〜99.975質量%、更に好ましくは97〜99.97質量%であり、殊更に好ましくは97.5〜99.965質量%である。
【0026】
本発明の酸性飲料は、所望により、果汁、植物エキス、香料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、各種エステル類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上更に含有することができる。これら添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
【0027】
本発明の酸性飲料は、非アルコール飲料でも、アルコール飲料でもよい。非アルコール飲料としては、例えば、炭酸飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、茶飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等を挙げることができる。アルコール飲料としては、例えば、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等を挙げることができる。
【0028】
本発明の酸性飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、瓶、紙等の通常の包装容器に充填して容器詰酸性飲料として提供することができる。
【0029】
本発明の酸性飲料は、加熱殺菌されていてもよい。加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)、充填後殺菌法(パストリゼーション)等を挙げることができる。また、容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶、瓶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌できる場合にあってはレトルト殺菌や充填後殺菌法(パストリゼーション)を採用することができる。また、PETボトルのようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
【0030】
上記実施形態に関し、本発明は更に以下の酸性飲料及び方法を開示する。
【0031】
<1>
次の成分(A)、(B)及び(C);
(A)酸味料
(B)甘味料 ショ糖甘味換算濃度で0.1〜4質量%、及び
(C)カゼインペプチド 0.01〜1質量%
を含有し、
酸度が0.003〜1質量%である酸性飲料。
【0032】
<2>
次の成分(A)及び(B);
(A)酸味料
(B)甘味料:ショ糖甘味換算濃度で0.1〜4質量%
を含有し、酸度が0.003〜1質量%である酸性飲料に、(C)カゼインペプチドを0.01〜1質量%配合する、酸性飲料の甘味増強方法。
【0033】
<3>
成分(A)が、好ましくは有機酸、無機酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上である、前記<1>記載の酸性飲料、又は前記<2>記載の酸性飲料の甘味増強方法(以下、「酸性飲料又は酸性飲料の甘味増強方法」を「酸性飲料等」と称する。)
<4>
成分(A)が、好ましくはクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸、コハク酸、乳酸、酢酸、フマル酸、アジピン酸、フィチン酸、フマル酸、リン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上であり、より好ましくはクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくはクエン酸、グルコン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上である、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<5>
塩が、好ましくはアルカリ金属塩であり、より好ましくはカリウム塩及びナトリウム塩から選択される1種又は2種である、前記<3>又は<4>記載の酸性飲料等。
<6>
酸性飲料の酸度が、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.008質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、殊更に好ましくは0.015質量%以上であって、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下、更に好ましくは0.6質量%以下、殊更に好ましくは0.5質量%以下である、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<7>
酸性飲料の酸度が、好ましくは0.005〜0.8質量%、より好ましくは0.008〜0.7質量%、更に好ましくは0.01〜0.6質量%、更に好ましくは0.015〜0.5質量%である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<8>
成分(B)が、好ましくは非糖質系甘味料、及び糖質系甘味料から選択される1種又は2種以上である、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<9>
非糖質系甘味料が、好ましくは非糖質系合成甘味料、及び非糖質系天然甘味料から選択される1種又は2種以上であり、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アリテーム、チクロ、ズルチン、ネオテーム、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン及びネオヘスペリジンから選択される1種又は2種以上である、前記<8>記載の酸性飲料等。
<10>
糖質系甘味料が、好ましくは糖類及び糖アルコールから選択される1種又は2種以上であり、ショ糖、ブドウ糖、果糖、異性化糖、水あめ、乳糖、麦芽糖、フラクオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、パノースオリゴ糖、トレハロース、ラフィノース、セロビオース、キシロオリゴ糖、D−プシコース、D−アロース、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、還元パラチノース、エリスリトール、ラクチトール及び還元デンプン糖化物から選択される1種又は2種以上である、前記<8>記載の酸性飲料等。
【0034】
<11>
成分(B)が、好ましくは非糖質系甘味料であり、より好ましくはアセスルファムカリウム、スクラロース、ソーマチン及びアスパルテームから選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくはアセスルファムカリウム及びスクラロースから選択される1種又は2種以上である、前記<1>〜<10>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<12>
酸性飲料中の成分(B)の含有量が、ショ糖甘味換算濃度で、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であって、好ましくは3.5質量%以下、より好ましくは2質量%以下である、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<13>
酸性飲料中の成分(B)の含有量が、ショ糖甘味換算濃度で、好ましくは0.2〜3.5質量%、より好ましくは0.3〜2質量%である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<14>
成分(B)が非糖質系甘味料である場合、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.0001〜0.05質量%、より好ましくは0.001〜0.04質量%、更に好ましくは0.0012〜0.025質量%であり、
成分(B)がアセスルファムカリウムである場合、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.001〜0.05質量%、より好ましくは0.0015〜0.04質量%、更に好ましくは0.002〜0.025質量%であり、
成分(B)がスクラロースの場合、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.0008〜0.02質量%、より好ましくは0.001〜0.018質量%、更に好ましくは0.0012〜0.015質量%であり、
成分(B)がソーマチンである場合、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.0001〜0.002質量%、より好ましくは0.0003〜0.0015質量%、更に好ましくは0.0005〜0.001質量%であり、
成分(B)がブドウ糖である場合、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.85〜6.6質量%、より好ましくは0.9〜6.3質量%、更に好ましくは1〜6質量%であり、
成分(B)がマルチトールの場合、その含有量は、酸性飲料中に、好ましくは0.65〜5質量%であり、より好ましくは0.68〜4.5質量%であり、更に好ましくは0.7〜4質量%である、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<15>
酸度に対する成分(B)のショ糖甘味換算濃度の比率[ショ糖甘味換算濃度/酸度]が、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは10以上であって、好ましくは500以下、より好ましくは400以下、更に好ましくは350以下、殊更に好ましくは300以下である、前記<1>〜<14>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<16>
酸度に対する成分(B)のショ糖甘味換算濃度の比率[ショ糖甘味換算濃度/酸度]が、好ましくは1〜500、より好ましくは1〜400、更に好ましくは3〜350、殊更に好ましくは10〜300である、前記<1>〜<15>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<17>
成分(C)が、好ましくはカゼイン加水分解、又はアミノ酸からのペプチド合成より得られたものであり、より好ましくはカゼイン加水分解物であり、更に好ましくは乳カゼインの加水分解物であり、より更に好ましくは牛乳カゼインの加水分解物である、前記<1>〜<16>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<18>
成分(C)の重量平均分子量が、好ましくは300以上、より好ましくは350以上、更に好ましくは400以上であって、好ましくは750以下、より好ましくは700以下、更に好ましくは650以下である、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<19>
成分(C)の重量平均分子量が、好ましくは300〜750、より好ましくは350〜700、更に好ましくは400〜650である、前記<1>〜<18>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<20>
酸性飲料中の成分(C)の含有量が、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であって、好ましくは0.9質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である、前記<1>〜<19>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
【0035】
<21>
酸性飲料中の成分(C)の含有量が、好ましくは0.02〜0.9質量%、より好ましくは0.03〜0.5質量%、更に好ましくは0.05〜0.1質量%である、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<22>
酸度に対する成分(C)の濃度の比率[成分(C)濃度/酸度]が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは1以上、より更に好ましくは2以上であって、好ましくは50以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは5以下である、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<23>
酸度に対する成分(C)の濃度の比率[成分(C)濃度/酸度]が、好ましくは0.01〜50、より好ましくは0.1〜30、更に好ましくは1〜10、より更に好ましくは2〜5である、前記<1>〜<22>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<24>
好ましくは成分(D)として炭酸ガスを更に含有する、前記<1>〜<23>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<25>
酸性飲料中の炭酸ガスの含有量が、標準状態(0℃、1気圧)におけるガス容量(ガスボリューム)(v/v)として、好ましくは1(v/v)以上、より好ましくは1.5(v/v)以上、更に好ましくは2(v/v)以上であって、好ましくは3(v/v)以下、より好ましくは2.7(v/v)以下、更に好ましくは2.5(v/v)以下である、前記<24>記載の酸性飲料等。
<26>
酸性飲料中の炭酸ガスの含有量が、標準状態(0℃、1気圧)におけるガス容量(ガスボリューム)(v/v)として、好ましくは1〜3(v/v)、より好ましくは1.5〜2.7(v/v)、更に好ましくは2〜2.5(v/v)である、前記<24>又は<25>記載の酸性飲料等。
<27>
酸性飲料中の水の含有量が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、更に好ましくは97質量%以上、より更に好ましくは97.5質量%以上であって、好ましくは99.98質量%以下、より好ましくは99.975質量%以下、更に好ましくは99.97質量%以下、より更に好ましくは99.965質量%以下である、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<28>
酸性飲料中の水の含有量が、好ましくは90〜99.98質量%、より好ましくは95〜99.975質量%、更に好ましくは97〜99.97質量%であり、殊更に好ましくは97.5〜99.965質量%である、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<29>
好ましくは果汁、植物エキス、香料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、各種エステル類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、及び品質安定剤から選択される1種又は2種以上の添加剤を更に含有する、前記<1>〜<28>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<30>
好ましくは非アルコール飲料、又はアルコール飲料であり、より好ましくは炭酸飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、茶飲料、栄養ドリンク剤、及び美容ドリンク剤から選ばれる非アルコール飲料である、前記<1>〜<29>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
【0036】
<31>
好ましくは容器詰酸性飲料である、前記<1>〜<30>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<32>
容器が、好ましくはポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、瓶又は紙である、前記<1>〜<31>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<33>
好ましくは加熱殺菌されたものである、前記<1>〜<32>のいずれか一に記載の酸性飲料等。
<34>
加熱殺菌が、好ましくは適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであり、より好ましくはレトルト殺菌、高温短時間殺菌(HTST法)、超高温殺菌(UHT法)、又は充填後殺菌(パストリゼーション)である、前記<33>記載の酸性飲料等。
【実施例】
【0037】
1.カゼインペプチドの分子量測定
「タンパク質・ペプチドの高速液体クロマトグラフィー(宇井信生編、化学増刊題102号、第241ページ、株式会社化学同人、1984年)」に記載の方法に準じて高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
ポリハイドロキシエチル・アスパルタミド・カラム[Poly Hydroxyethyl Aspartamide Column:ポリ・エル・シー(PolyLC)社製。φ4.6mm×200mm]を用い、20mM塩化ナトリウム、50mMギ酸により溶出速度0.4mL/分で溶出した。検出は、UV検出器(島津製作所社製)を用い、データ解析はGPC分析システム(島津製作所社製)を使用した。
【0038】
2.酸度の分析
1)滴定
試料5〜15gを200mL容三角フラスコに正確に量り取り、水で適宜希釈して1%フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、25mLビューレットに入れた0.1M水酸化ナトリウムで振り混ぜながら滴定する。30秒間赤色が持続する点を終点とする。水素イオン濃度計を用いる場合には、マグネティックスターラーでかき混ぜながら同様に滴定し、pH8.1になったときを終点とした。
【0039】
2)計算
下記式(1)により酸度を求めた。
【0040】
酸度(質量%)=A×f×100/W×0.0064 (1)
〔式(1)中、Aは0.1M水酸化ナトリウム溶液による滴定量(mL)、fは0.1M水酸化ナトリウム溶液の力価、Wは試料質量(g)、をそれぞれ示す。〕
【0041】
3.炭酸ガスの分析
「最新・ソフトドリンクス(最新・ソフトドリンクス編集委員会、株式会社光琳、平成15年9月30日発行)」の第VI編 3−1−2ガス内圧力の検査に記載の方法に準じて分析した。具体的には、以下のとおりである。
【0042】
1)測定前に製品を恒温槽にて20℃程度(18〜22℃)まで温め、液温を均一にした。
2)製品を測定機にかけ、スニフト(スニフトバルブを開放し、大気圧までゲージを戻す)を行う。スニフト操作を行うことによりヘッドスペース中のエアーを抜いた。
3)次に激しく振動させゲージ圧が一定値を示したら、その値を読み、製品の温度を測定し、表(スニフト用ガスボリュームチャート)よりガスボリュームを求めた。
【0043】
4.官能評価
各実施例及び比較例で得られた酸性飲料の甘味増強度について、専門パネル3名が各表中の対応するカゼインペプチド0質量%の比較例の酸性飲料の甘味を基準(0)として、下記にしたがって評価した。その後、協議により評点を決定した。
【0044】
評価基準
++:比較例の酸性飲料に比べて甘味が格段に向上する
+ :比較例の酸性飲料に比べて甘味が向上する
0 :比較例の酸性飲料の甘味と同レベルである
− :比較例の酸性飲料に比べて甘味がやや抑制される
−−:比較例の酸性飲料に比べて甘味が抑制される
【0045】
実施例1〜4及び比較例1〜2
表2に示す各成分を配合し、PETボトルに充填して容器詰酸性飲料を得た。得られた各容器詰酸性飲料について分析及び官能評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
【0046】
【表2】
【0047】
実施例5〜7及び比較例3〜8
表3に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により、容器詰酸性飲料を得た。得られた容器詰酸性飲料の分析結果及び官能評価の結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
実施例8〜9及び比較例9〜10
表4に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により、容器詰酸性飲料を得た。得られた容器詰酸性飲料の分析結果及び官能評価の結果を表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
実施例10〜12及び比較例11〜14
表5に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により、容器詰酸性飲料を得た。得られた容器詰酸性飲料の分析結果及び官能評価の結果を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】
実施例13〜17及び比較例15〜19
表6に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により、容器詰酸性飲料を得た。得られた容器詰酸性飲料の分析結果及び官能評価の結果を表6に示す。
【0054】
【表6】
【0055】
実施例18及び比較例20
表7に示す炭酸水以外の各成分をイオン交換水に混合溶解し、次いで炭酸ガスを含む炭酸水で全容量を100質量%に調整し(炭酸ガスの最終容量は2.2(v/v))、耐熱耐圧性PETボトルに充填して容器詰炭酸飲料を得た。得られた容器詰炭酸飲料の分析結果及び官能評価の結果を表7に示す。
【0056】
【表7】
【0057】
表2〜7から、酸度が0.003〜1%で、甘味料がショ糖甘味換算濃度で0.1〜4質量%含有される酸性飲料に、特定量のカゼインペプチドを配合することにより、甘味料の増量を抑えながら、甘味の増強された酸性飲料が得られることがわかる。