(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前方に向かって切断作業を行う鋸刃を回転させるモータを内蔵するモータ収容部と、前記モータの電源となる電池が装着され前記モータ収容部と離間した電池保持部とが設けられたハウジングと、
前後方向に延伸し前記ハウジングの上方において前記ハウジングに連結されたハンドルと、
を具備する携帯用切断機であって、
前記モータ収容部よりも後方において前記ハンドルは前記ハウジングに連結され、かつ前記電池保持部が前記モータ収容部よりも後方において前記ハウジングに設けられ、
前記ハンドルには、前記モータのオン・オフを制御するスイッチと、第1の位置にある場合には前記モータをオンとする状態に前記スイッチを操作させず、第2の位置にある場合に前記モータをオンとする位置に前記スイッチが操作されるように前記スイッチの動きを規定し、前記第1の位置と前記第2の位置の間を移動可能なように設けられたオフロックスイッチと、が設けられ、
左右方向における前記ハウジングの前記鋸刃が設けられた側と反対側において、前記モータ収容部の外面の一部と前記電池保持部又は前記電池の外面の一部とを前記鋸刃と略平行な第1の平面に接地させた状態で、前記第1の平面の上に載置することができ、
前記ハンドルの外面の一部と、前記モータ収容部の外面の一部と、前記電池保持部又は前記電池の一部とを前記鋸刃と交差する方向に延びる第2の平面に接地させた際に、前記オフロックスイッチを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる動作が、前記オフロックスイッチと前記第2の平面とが当接することによって抑制される構成とされたことを特徴とする携帯用切断機。
前記第1の平面の法線方向から見て、前記第1の平面と接地する前記モータ収容部の外面の一部と前記電池保持部又は前記電池の外面の一部とで形成される多角形の内部に、重心が位置することを特徴とする請求項2に記載の携帯用作業機。
前記第1の平面と接地する前記電池保持部又は前記電池の外面の一部には、前記ハウジングを構成する材料よりも軟質である軟質部材が装着されたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の携帯用切断機。
前記モータ収容部は前後方向において2つの部分が組み合わされて構成され、前記モータ収容部の外面の一部に装着された前記軟質部材は、前記2つの部分に挟持されて装着されたことを特徴とする請求項6に記載の携帯用切断機。
前記ハンドルの外面にも前記軟質部材が装着され、前記ハンドルに装着された前記軟質部材と前記電池保持部に装着された前記軟質部材とが一体化されていることを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の携帯用切断機。
前方に向かって切断作業を行う鋸刃を回転させるモータを内蔵するモータ収容部と、前記モータの電源となる電池が装着され前記モータ収容部と離間した電池保持部とが設けられたハウジングと、
前後方向に延伸し前記ハウジングの上方において前記ハウジングに連結され、前記モータのオン・オフを制御するスイッチが設けられたハンドルと、
を具備する携帯用切断機であって、
前記モータ収容部よりも後方において前記ハンドルは前記ハウジングに連結され、かつ前記電池保持部が前記モータ収容部よりも後方において前記ハウジングに設けられ、
前記ハンドルには、第1の位置にある場合には前記モータをオンとする状態に前記スイッチを操作させず、第2の位置にある場合に前記モータをオンとする位置に前記スイッチが操作されるように前記スイッチの動きを規定し、前記第1の位置と前記第2の位置の間を移動可能なように設けられたオフロックスイッチが装着され、
前記ハンドルの外面の一部と、前記モータ収容部の外面の一部と、前記電池保持部又は前記電池の一部とを平面に接地させた状態で前記平面上に載置され、前記平面上に載置された際に、前記オフロックスイッチを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる動作が、前記オフロックスイッチと前記平面とが当接することによって抑制されることを特徴とする携帯用切断機。
前記モータ収容部は、前後方向において2つの部分が組み合わされて構成され、前記モータ収容部の外面の前記一部となる前記軟質材は、前記2つの部分に挟持されていることを特徴とする請求項16に記載の携帯用切断機。
前記ハンドルの外面の一部と、前記モータ収容部の外面の一部と、前記突出部の一部とを前記鋸刃と交差する方向に延びる第2の平面に接地させた状態で、前記第2の平面の上に載置することができる構成とされたことを特徴とする請求項14から請求項17までのいずれか1項に記載の携帯用切断機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の構成の切断機を使用するにあたり、切断作業の中断時には、モータを停止させ、この切断機を何らかの箇所に載置することが必要となる。通常はこうした箇所は平面形状であり、被切断材が大きな場合には、この被切断材自身の上に切断機を載置する場合もある。こうした場合には、鋸刃は通常はソーカバーや保護カバーによって覆われているものの、これらから露出した鋸刃によって被切断材に傷がつくおそれがあった。また、切断機を地面に載置する場合において、鋸刃が地面に当接した場合には、泥等が付着する、あるいは石等によって鋸刃が破損、変形するおそれもあった。
【0007】
また、鋸刃は、作業の内容や被切断材の種類に応じて適宜選択されて使用されるため、その交換作業は、通常は作業者によって行われる。あるいは、鋸刃は消耗品であり、その定期的な交換作業も通常は作業者によって行われる。また、切り屑の除去等、鋸刃周囲のメインテナンスも、作業者によって行われる。こうした作業においては、鋸刃を上側にした状態で切断機を地面等、平坦な箇所に安定した状態で載置することが必要となる。しかしながら、大きなハンドルが固定されたハウジングがベースに装着された構成の切断機を、安定して載置することは困難であった。
【0008】
すなわち、鋸刃を載置面に当接させない状態で安定して載置することのできる携帯用切断機を得ることは困難であった。
【0009】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記の問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の携帯用切断機は、前方に向かって切断作業を行う鋸刃を回転させるモータを内蔵するモータ収容部と、前記モータの電源となる電池が装着され前記モータ収容部と離間した電池保持部とが設けられたハウジングと、前後方向に延伸し前記ハウジングの上方において前記ハウジングに連結されたハンドルと、を具備する携帯用切断機であって、前記モータ収容部よりも後方において前記ハンドルは前記ハウジングに連結され、かつ前記電池保持部が前記モータ収容部よりも後方において前記ハウジングに設けられ、前記ハンドルには、前記モータのオン・オフを制御するスイッチと、第1の位置にある場合には前記モータをオンとする状態に前記スイッチを操作させず、第2の位置にある場合に前記モータをオンとする位置に前記スイッチが操作されるように前記スイッチの動きを規定し、前記第1の位置と前記第2の位置の間を移動可能なように設けられたオフロックスイッチと、が設けられ、左右方向における前記ハウジングの前記鋸刃が設けられた側と反対側において、前記モータ収容部の外面の一部と前記電池保持部又は前記電池の外面の一部とを前記鋸刃と略平行な第1の平面に接地させた状態で、前記第1の平面の上に載置することができ、前記ハンドルの外面の一部と、前記モータ収容部の外面の一部と、前記電池保持部又は前記電池の一部とを前記鋸刃と交差する方向に延びる第2の平面に接地させた際に、前記オフロックスイッチを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる動作が、前記オフロックスイッチと前記第2の平面とが当接することによって抑制される構成とされたことを特徴とする。
本発明の携帯用切断機は、前記第1の平面の上に載置された際に、前記第1の平面と接地する前記モータ収容部の外面の一部における、少なくとも2箇所が、前記第1の平面と接地する構成とされたことを特徴とする。
本発明の携帯用切断機は、前記第1の平面の法線方向から見て、前記第1の平面と接地する前記モータ収容部の外面の一部と前記電池保持部又は前記電池の外面の一部とで形成される多角形の内部に、重心が位置することを特徴とする。
本発明の携帯用切断機において、前記第1の平面の法線方向から見て、前記重心は、前記モータ収容部がある領域内にあることを特徴とする。
本発明の携帯用切断機において、前記第1の平面と接地する前記電池保持部又は前記電池の外面の一部には、前記ハウジングを構成する材料よりも軟質である軟質部材が装着されたことを特徴とする。
本発明の携帯用切断機は、前記第1の平面と接地する前記モータ収容部の外面の一部に、前記軟質部材が装着されたことを特徴とする。
本発明の携帯用切断機において、前記モータ収容部は前後方向において2つの部分が組み合わされて構成され、前記モータ収容部の外面の一部に装着された前記軟質部材は、前記2つの部分に挟持されて装着されたことを特徴とする。
本発明の携帯用切断機は、ベースの下面側において前記鋸刃の一部を露出させるように、前記ハウジングが前記ベースの上面側に装着され、前記軟質部材のうちの少なくとも2つは、前記ベースの上面側における前記ハウジングの上下方向において離間した位置に設けられたことを特徴とする。
本発明の携帯用切断機は、前記ハンドルの外面にも前記軟質部材が装着され、前記ハンドルに装着された前記軟質部材と前記電池保持部に装着された前記軟質部材とが一体化されていることを特徴とする。
本発明の携帯用切断機において、前記電池は前記電池保持部に下側から装着され、前記電池保持部、前記電池のうちの一方には、前後方向と平行に延伸するレールが設けられ、前記電池保持部、前記電池のうちの他方には、前記レールと係合し前記電池を前後方向に案内するレールガイドが設けられたことを特徴とする。
本発明の携帯用切断機において、前記電池は前記電池保持部に下側から装着され、前記電池保持部、前記電池のうちの一方には、前後方向と交差する方向に延伸するレールが設けられ、前記電池保持部、前記電池のうちの他方には、前記レールと係合し前記電池を前記方向に案内するレールガイドが設けられたことを特徴とする。
本発明の携帯用切断機は、前方に向かって切断作業を行う鋸刃を回転させるモータを内蔵するモータ収容部と、前記モータの電源となる電池が装着され前記モータ収容部と離間した電池保持部とが設けられたハウジングと、前後方向に延伸し前記ハウジングの上方において前記ハウジングに連結され、前記モータのオン・オフを制御するスイッチが設けられたハンドルと、を具備する携帯用切断機であって、前記モータ収容部よりも後方において前記ハンドルは前記ハウジングに連結され、かつ前記電池保持部が前記モータ収容部よりも後方において前記ハウジングに設けられ、前記ハンドルには、第1の位置にある場合には前記モータをオンとする状態に前記スイッチを操作させず、第2の位置にある場合に前記モータをオンとする位置に前記スイッチが操作されるように前記スイッチの動きを規定し、前記第1の位置と前記第2の位置の間を移動可能なように設けられたオフロックスイッチが装着され、前記ハンドルの外面の一部と、前記モータ収容部の外面の一部と、前記電池保持部又は前記電池の一部とを平面に接地させた状態で前記平面上に載置され、前記平面上に載置された際に、前記オフロックスイッチを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させる動作が、前記オフロックスイッチと前記平面とが当接することによって抑制されることを特徴とする。
本発明の携帯用切断機は、ハウジングと、前記ハウジングの下方において前後に延伸し、前記ハウジングに装着されるベースと、前記ハウジングの上方において前後に延伸し、前端と後端が前記ハウジングに連結されたハンドルと、前記ハンドルの延伸方向を挟んだ一方の側において前記ハウジングに装着され、前方に向かって切断作業を行う鋸刃と、前記ハンドルの延伸方向を挟んだ他方の側において前記ハウジングに設けられ、左右方向に延伸する回転軸を有するとともに前記鋸刃を回転させるブラシレスモータを収容するモータ収容部と、を有する携帯用切断機であって、前記ハンドルの後端は、前記モータ収容部よりも後方において前記ハウジングに連結され、前記モータ収容部よりも後方に離間した位置において、前記ブラシレスモータに電源を供給するための電源コードが前記ハウジングに接続されるとともに、前記他方の側に向かって突出する突出部が前記ハウジングに設けられ、前記突出部は、前記電源コードから入力される電力を前記ブラシレスモータに供給するスイッチング素子を有する制御部を収容する制御部収容部として構成され、前記制御部収容部の内部において前記制御部が前記回転軸の軸心方向に沿って延伸するよう収容され
、前記突出部は、前記モータ収容部よりも後方において前記他方の側に向かって突出するように前記ハウジングに設けられ
、前記突出部と、前記モータ収容部の外面の一部と、を前記鋸刃と略平行な第1の平面に当接させた状態
で前記携帯用切断機を前記第1の平面に載置することができ
、前記突出部は、前記第1の平面と当接する前記突出部の一部と前記モータ収容部の外面の一部との間に前後方向の空間が生じる程度に、前記モータ収容部よりも後方に離間しており、前記回転軸の軸心方向から見た場合に、前記携帯用切断機の重心が、前記第1の平面と当接する前記モータ収容部の外面の一部及び前記突出部の一部とで囲われる領域の内部に位置するとともに、前記第1の平面と当接する前記突出部の一部と前記ハンドルとの左右方向の距離が、前記第1の平面と当接する前記モータ収容部の外面の一部と前記ハンドルとの左右方向の距離と略同じとなるよう構成されたことを特徴とする。
本発明の携帯用切断機において、前記突出部の前記第1の平面に当接する箇所は、軟質材を含んで構成されることを特徴とする。
本発明の携帯用切断機は、 前記モータ収容部の前記外面の一部における少なくとも2箇所が、前記第1の平面と接地する構成であることを特徴とする。
本発明の携帯用切断機において、前記モータ収容部の外面の前記一部は、軟質材からなることを特徴とする。
本発明の携帯用切断機において、前記モータ収容部は、前後方向において2つの部分が組み合わされて構成され、前記モータ収容部の外面の前記一部となる前記軟質材は、前記2つの部分に挟持されていることを特徴とする。
本発明の携帯用切断機は、前記ハンドルの外面の一部と、前記モータ収容部の外面の一部と、前記突出部の一部とを前記鋸刃と交差する方向に延びる第2の平面に接地させた状態で、前記第2の平面の上に載置することができる構成とされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は以上のように構成されているので、鋸刃側を載置面に当接させない状態で安定して載置することのできる携帯用切断機を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材などには同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。
【0014】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態となる携帯用切断機(切断機)について説明する。
図1は、この携帯用切断機(切断機)1の構成を示す斜視図であり、
図2はその左側から見た側面図、
図3はその上面図、
図4はその正面図である。なお、ここでの上方(
図3に対応した方向)は、実際にこの切断機1が使用される際の上方であり、
図2に対応する方向を左右における左方向、
図4に対応する方向を前後における前方とする。この切断機1を用いて、被切断材は前後方向に切断される。なお、
図4においては、仮想的な接線X、Yが追記されている。
【0015】
この切断機1においては、略矩形形状のベース10の上面側に、ハウジング20が、その前方側における回動軸21を中心として回動可能な状態でベース10に装着される。ハウジング20の上方には、前後方向に延伸したハンドル30が、その前方側と後方側でそれぞれハウジング20に固定され、装着されている。このため、作業者はこのハンドル30を把持してこの切断機1を操作することができる。
【0016】
ハウジング20における前後方向の中央付近には略円筒形状のモータ収容部22が設けられ、モータ収容部22の中にはモータが、その回転軸(図示せず)が左右方向(
図2における紙面垂直方向)となるように内蔵されている。この回転軸の右側端部には、鋸刃23が装着される。鋸刃23は、ベース10に設けられた細長い開口部(図示せず)を貫通し、ベース10を上側から下側に向かって突出する。鋸刃23のベース10の下面側で突出した部分によって、被切断材を前後方向に切断することができる。また、この構成によって、鋸刃23はハンドル30の延伸方向(前後方向)を挟んで右側(一方の側)に設けられ、モータ収容部22は左側(他方の側)に設けられる。
【0017】
鋸刃23は、ベース10の上面側では、ハウジング20に固定されたソーカバー24で覆われている。
図2に示されるように、このソーカバー24が前記の回動軸21を介してベース10に装着されることによって、ハウジング20等がベース10の上面に装着される。一方、ベース10の下面側において下側に突出した鋸刃23は、後方側から保護カバー25で覆われる。保護カバー25は、ソーカバー24の内側において、モータの回転軸と同軸となる軸を中心として、回動可能となっている。この際、保護カバー25は、バネ(図示せず)によって
図2における時計回りに付勢されている。このため、
図2における前方(図中左側)から被切断材をベース10の下側における鋸刃23と当接させた際には、鋸刃23における切断に必要な最低限の部分のみが保護カバー25の前方で露出し、切断作業が進行する(被切断材が前方から後方に移動する)に従って、保護カバー25は
図2における反時計回りに回動する。これによって、切断作業の際に、ベース10の下面側における鋸刃23の大部分は、常時保護カバー25で覆われる。
【0018】
また、
図4(正面図)に示されるように、ハウジング20は、前方側に設けられた回動軸26を軸として、前記の回動軸21の回りの回動とは異なる方向にも回動可能とされる。これにより、ハウジング20全体を左右方向に傾斜させることができ、鋸刃23と被切断材との間の角度(切断角度)を調整することもできる。回動軸21、26の回りの角度が調整された状態でハウジング20を固定することができ、ハウジング20が固定された状態で切断作業が行われる。
【0019】
ハンドル30には、モータのオン・オフを制御するスイッチ31が、作業者がハンドル30を把持しながら操作できるように設けられている。モータは、スイッチ31が下側から上側に押された場合にオンとなる設定とされる。また、誤ってスイッチ31が操作されモータがオンとなることを抑制するために、スイッチ31に隣接して、オフロックスイッチ32も設けられている。後述するように、オフロックスイッチ32は、ハンドル30を左右方向に貫通する形態で、左右方向に移動可能な状態で装着されている。ただし、通常は左右どちらの側においても端部がわずかにハンドル30の表面から突出する位置(左右方向における中央)とされる。この状態においては、スイッチ31の動きが規制され、スイッチ31をオンすることができない構成とされる。この状態からオフロックスイッチ32が左右どちらか一方の側から押し込まれ、左右におけるオフロックスイッチ32の端部のハンドル30表面からの突出量が大きく異なった状態とされた場合において、スイッチ31をオンすることができる。このため、作業者がこのようにオフロックスイッチ32を押し込んだ状態でスイッチ31を上側に押すことによって、モータが動作し、鋸刃23が回転する。
図1、3、4においては、オフロックスイッチ32が非操作状態(スイッチ31をオンすることができない状態)とされている。
【0020】
ハウジング20の後方には電池保持部27が設けられ、電池保持部27には、モータの電源となるバッテリパック(電池)50が下側から装着されている。バッテリパック50を電池保持部27に対して前後方向(
図2における左右の方向)にスライドさせることによって、バッテリパック50の脱着は行われる。バッテリパック50と電池保持部27との間には、バッテリパック50が正規の位置(バッテリパック50への電気的接続が適正になされる位置)でバッテリパック50を電池保持部27に対して固定するラッチ機構が設けられている。この固定は、バッテリパック50の左右側面における上側にそれぞれ設けられたラッチボタン51が共に押し込まれることによって解除される。
図1、2においては、左側面におけるラッチボタン51のみが記載されている。このため、バッテリパック50の脱着作業は、作業者が 左右両側のラッチボタン51を共に押しながら電池保持部27に対してバッテリパック50を前後方向に移動させることによって行われる。
【0021】
この切断機1においては、作業時に作業者に把持される部分と、切断機1の載置時に載置面(例えば地面や被切断材の表面)に当接する部分には、軟性の合成樹脂(軟質材)で構成された軟質部材が設けられている。具体的には、作業者に把持されるハンドル30の外面にハンドル軟質部材33が装着され、モータ収容部22の外面における上下2箇所にハウジング軟質部材28A、28Bが、左側(
図2における紙面手前側:鋸刃23が装着された側と反対側)に突出するように装着されている。これらは、いずれも
図1〜4においてハッチングされて示されている。また、電池保持部27の外面には、本発明における突出部となるハウジング軟質部材28Cがハウジング軟質部材28A、28Bと同じ側に突出するように設けられている。ハンドル軟質部材33は、
図1〜4に示されるように、スイッチ31、オフロックスイッチ32が装着された箇所以外におけるハンドル30の大部分に形成されており、特に
図1〜3に示されるように、ハンドル30の後端部とハウジング20との接続部分から電池保持部27周辺まで一体化されて形成されている。ハンドル軟質部材33とハウジング軟質部材28Cとは一体化されている。
【0022】
また、この切断機1の重心の位置は、前後方向における中心付近、
図2におけるCの箇所に存在する。Cの位置は、
図2においてはモータ収容部22と重複する。
【0023】
図5、6は、この切断機1をモータの回転軸が地面(載置面)Gと垂直になるように地面Gに設置した際の、それぞれ異なる方向からみた側面図である。ここで、
図5は、切断機1の
図1における斜め上方に対応する方向から見た側面図であり、
図6は、斜め下方に対応する方向から見た側面図である。
図6においては、他の図とは異なり、バッテリパック50が装着されていない状態が示されている。
【0024】
図5、6に示されるように、上記の構成により、ハウジング軟質部材28A、28B、28Cを接地させることにより、この切断機1を平坦な地面Gに安定して設置することができる。すなわち、ハウジング軟質部材28A、28B、28Cを結んで構成される平面(第1の平面)上に、この切断機1を安定して載置することができる。
図2は、切断機1を、この第1の平面の法線方向から見た図となっている。この際、鋸刃23は地面Gにと反対側に位置するため、鋸刃23を汚染、破損することない。なお、地面Gの代わりに平坦な被切断材の上にも同様にこの切断機1を設置することもでき、この場合には、切断機1を載置することによって被切断材に傷がつくことも抑制される。また、ハウジング軟質部材28A、28B、28Cを装着せずにモータ収容部22及び電池保持部27(ハウジング20)の一部を直接接地させて切断機1を載置する構成とすることもできる。ただし、ハウジング軟質部材28A、28B、28Cを用いることにより、ハウジング20によって被切断材に傷がつくことが抑制される。
【0025】
また、鋸刃23を上側にした
図5、6の形態は、鋸刃23周辺のメインテナンスを行う、あるいは鋸刃23の交換作業を行う場合において特に好ましい形態であることも明らかである。すなわち、上記の切断機1においては、こうした作業を特に容易に行うことができる。
【0026】
また、
図5、6の形態においては、ハウジング軟質部材28A、28B、28Cの3点で切断機1が支持され、ハンドル30は地面Gとは接しない。このため、作業者がハンドル30を把持しながらこの切断機1を
図5、6の形態とすることは容易である。
【0027】
また、前記の通り、バッテリパック50はハウジング20(電池保持部27)から脱着が可能であるため、バッテリパック50が電池保持部27に装着されない状態でこの切断機1が地面Gに載置される場合もある。こうした場合においても、
図5、6の形態とすることが可能である。バッテリパック50が電池保持部27に装着されない状態では、
図2における重心Cの位置が前方側に移動するが、この場合においても、ハウジング軟質部材28A、28B、28Cで囲まれた3角形の領域の内部に重心Cが存在するような構成とすることが好ましい。
【0028】
ここで、ハウジング20は、硬質の樹脂材料で構成され、ハウジング軟質部材28A、28B、28C、ハンドル軟質部材33は、これとは異なる、より衝撃を吸収しやすい軟質の樹脂材料で構成される。例えば接着剤等を用いてこうした異なる種類の樹脂材料同士を接合した場合には、高い接合強度を得ることは一般的には困難である。この場合、例えばこの切断機1の載置を繰り返し行った場合には、ハウジング軟質部材がモータ収容部22から脱落するおそれがある。
【0029】
上記の構成においては、ハウジング20(モータ収容部22)は、
図1〜3に示された分割線Dで前後方向に2分割され、分割された2つの部品が組み立てられて上記の構成となるように構成される。この場合、分割された2つの部品にハウジング軟質部材28A、28Bを挟持して固定することができる。これによって、ハウジング軟質部材28A、28Bをハウジング20(モータ収容部22)に強固に固定することが可能となり、ハウジング軟質部材28A、28Bがハウジング20から脱落することが抑制される。また、ハウジング20内におけるモータの装着を含めた、切断機1の組み立て製造が容易となる。
【0030】
また、ハンドル30は、ハウジング20を構成する部品と一体でモールド成型によって形成される。ハンドル30のほぼ全体を覆うハンドル軟質部材33も、その後で同様にモールド成型で形成される。この際、ハンドル軟質部材33をハンドル33のほぼ全体を覆うように形成すれば、ハンドル軟質部材33はハンドル30から剥離(脱落)し難くなる。ハウジング軟質部材28Cをこのハンドル軟質部材33と一体化することによって、ハウジング軟質部材28Cの脱落も抑制することができる。
【0031】
すなわち、上記の構成によって、載置時においてこの切断機1を支持するハウジング軟質部材28A、28B、28Cを強固に固定することができる。これによって、これらが剥離することが抑制される。
【0032】
また、この切断機1を、
図5、6とは異なる形態で載置することもできる。
図7、8は、
図5、6の状態からハンドル30側を下げて全体を傾斜させた形態で載置した場合の形態を異なる方向から見た側面図である。
図5、6の状態ではハウジング軟質部材28A、28B、28Cの3点を接地させることによってこの切断機1が載置されていたのに対し、この場合には、ハウジング軟質部材28A、28Cと、ハンドル軟質部材33(ハンドル30)の一部が接地する。切断機1をこの状態で地面G上に載置することも可能である。すなわち、切断機1は
図5、6の状態では第1の平面上に載置されたのに対し、
図7、8では、これと位置関係が異なる第2の平面上に載置されている。
【0033】
図7、8の状態においては、作業者がハンドル30を上側から押さえることによって、鋸刃23を上側にした状態でこの切断機1を地面Gにおいて特に強固に固定することができる。このため、
図7、8の形態は、例えば鋸刃23周辺のメインテナンスを行う、あるいは鋸刃23の交換作業を行う場合においては更に好ましい形態である。
【0034】
また、
図5、6の構成ではバッテリパック50が最下部にあり、
図1、2等におけるバッテリパック50の左側面にあるラッチボタン51を操作することが困難となるため、
図5、6の状態でバッテリパック50の脱着作業を行うことは困難である。これに対し、
図7、8の形態では、バッテリパック50が地面Gから浮き上がるために、バッテリパック50の脱着作業も容易に行うことができる。
【0035】
このため、上記の切断機1は、
図5、6の状態における地面G(第1の平面)上に載置できると共に、
図7、8の状態における地面G(第2の平面)上にも載置することができる。
【0036】
一方で、作業者が上側からハンドル30を押さえて
図7、8の状態にした場合や、
図7、8の状態から作業者がハンドル30を把持して切断機1を持ち上げる場合に、作業者が誤ってスイッチ31に触れ、鋸刃23が回転するおそれがある。しかしながら、こうした場合に不意に鋸刃23が回転することは、以下の構造によって防止される。
【0037】
オフロックスイッチ32は、
図4に示すように、非操作状態では、ハウジング軟質部材28Aとハンドル30の頂部を結ぶ仮想線X及びソーカバー24の頂部とハンドル30の頂部を結ぶ仮想線Yよりも外側に突出しない構成となっている。これにより、
図7、8の状態においてハンドル30(ハンドル軟質部材33)が接地する箇所近傍にオフロックスイッチ32は設置され、ハンドル30が接地した際には、オフロックスイッチ32が操作できない設定とされる。
図9は、このオフロックスイッチ32周辺におけるハンドル30の構造を示す断面図であり、オフロックスイッチ32とスイッチ31の関係を示す。
図9において、スイッチ31は図中の左右方向に移動し、スイッチ31の表面(
図9における右側面)の位置がBの場合にはモータはオフとされ、スイッチ31が押し込まれ、この位置がAとされた場合にモータがオンとなる設定とされる。
【0038】
図9において、オフロックスイッチ32は図中の上下方向(実際には左右方向)に移動し、
図9(a)は、オフロックスイッチ32が図中の上側にある場合、
図9(b)は下側にある場合、
図9(c)は上下方向の中央にある場合、をそれぞれ示す。オフロックスイッチ32が図中の中央にある場合(
図9(c))には、ハンドル30の表面からオフロックスイッチ32の上端部、下端部が共にわずかに突出する設定とされる。このため、オフロックスイッチ32をどちらか一方の側から押し込んだ場合(
図9(a)(b))には、他方の側がハンドル30から大きく突出する。以下では、オフロックスイッチ32の移動方向における上下方向の中央(
図9(c))を第1の位置とし、上側又は下側(
図9(a)(b))を第2の位置とする。
【0039】
ハンドル30の内部には、バネ室321が、オフロックスイッチ32が第1の位置にあるとき(
図9(c)の場合)に、オフロックスイッチ32側に設けられた凹部322と整合するように形成される。バネ室321と凹部322とが組み合わされた内部には、その伸縮方向が図中の上下方向となるバネ323が、その上端がバネ室321及び凹部322の上端面、その下端がバネ室321及び凹部322の下端面でそれぞれ支持されるように収容される。
【0040】
オフロックスイッチ32は図中上下方向に移動するために、凹部322の上端面、下端面はこれに伴って図中上下方向に移動するが、バネ室321の上端面、下端面は固定されている。このため、バネ323の上端がバネ室321の上端面よりも上側に移動すること、及びバネ323の下端がバネ室321の下端面よりも下側に移動することはない。一方、オフロックスイッチ32を図中上下方向中央から上側に移動した場合(
図9(a))には、凹部322の下端面が上側に移動するため、バネ323が
図9(c)の状態よりも上側に圧縮される。逆に、オフロックスイッチ32を図中上下方向中央から下側に移動した場合(
図9(b))には、凹部322の上端面が下側に移動するため、バネ323が
図9(c)の状態よりも下側に圧縮される。このため、
図9(a)(b)のどちらの場合にも、バネ323による弾性力によって、オフロックスイッチ32は図中の中央付近に押し戻される。このため、作業者がオフロックスイッチ32に触れない状態(非操作状態)では、オフロックスイッチ32は
図9(c)の状態となる。すなわち、上記の構造により、オフロックスイッチ32は、作業者が触れない状態では、第1の位置とされる。
【0041】
ここで、スイッチ31には、オフロックスイッチ32側(
図9中の左側)に向かって突出するリブ311が設けられている。
図9(c)の状態において、このリブ311は、オフロックスイッチ32におけるスイッチ31側(
図9中の右側)に突出するように設けられたリブ当接部324に当接する構成とされる。このため、
図9(c)の状態においては、スイッチ31の
図9中の左方向への動きがリブ当接部324によって制限され、スイッチ31の表面(
図9における右側面)の位置がAとなるまでスイッチ31を押し込むことができない。すなわち、オフロックスイッチ32が第1の位置にある場合には、モータがオンとなるようにスイッチ31を操作することができない。バネ323により、作業者が操作しない限りオフロックスイッチ32は第1の位置にあるため、作業者がオフロックスイッチ32を操作しない場合には、鋸刃23を回転させることができない。
【0042】
一方、オフロックスイッチ32がバネ323に逆らって図示上側に移動した場合(
図9(a))、下側に移動した場合(
図9(b))には、リブ当接部324が上側、下側にそれぞれ移動するため、スイッチ31の図中左方向への動きがリブ当接部324によって制限されることはない。このため、これらの場合には、スイッチ31の表面(
図9における右側面)の位置がAとなるまでスイッチ31を押し込むことができる。すなわち、作業者がオフロックスイッチ32を第2の位置に移動させることによって、モータをオンすることができる。
【0043】
このため、モータをオンする(鋸刃23を回転させる)ためには、作業者は、オフロックスイッチ32をどちらかの側から押し込んだ状態で、スイッチ31を押し込む動作を行う。スイッチ31とオフロックスイッチ32は共にハンドル30において近接して設けられているために、この動作を容易に行うことができる。
【0044】
ここで、オフロックスイッチ32は、
図9(c)に表れる非操作状態においては、
図4に示すように、ハウジング軟質部材28Aとハンドル30の頂部を結ぶ接線X及びソーカバー24の頂部とハンドル30の頂部を結ぶ接線Yよりも外側に突出しない構成となっているため、
図7、8の形態においては、オフロックスイッチ32が地面Gと直接接することがなく、地面Gの極近傍に位置する。また、この状態から、オフロックスイッチ32を下側に突出させようとすると、オフロックスイッチ32が地面Gに当接するため、
図9(b)に示す状態にまで移動することができない。このために、作業者が上側からオフロックスイッチ32を押し込み、スイッチ31の操作を行うことができない。一方、オフロックスイッチ32の下側と地面Gとの間には作業者の手指が入るスペースがないため、作業者が下側からオフロックスイッチ32を上側に押し込むこともできない。すなわち、
図7、8の形態においては、作業者がオフロックスイッチ32を第2の位置に移動する操作を行うことができない。
【0045】
このため、
図7、8の状態においては、オフロックスイッチ32は常に第1の位置(
図9(c)の状態)とされ、作業者が誤ってスイッチ31に触れても、モータがオンすることはない。
【0046】
すなわち、上記の切断機1は、
図5、6の形態、
図7、8の形態で地面Gの上に載置することができる。これによって、鋸刃23周辺のメインテナンス、鋸刃23の交換作業、あるいはバッテリパック50の脱着作業を容易に行うことができ、その際に誤ってモータがオンすることを抑制することができる。
【0047】
なお、切断機1を上側から見た構造の透視図を
図10(a)に、後方側から見た構造の透視図を、
図10(b)に、それぞれ示す。ここでは、バッテリパック50及びこれを装着するための電池保持部27の構造が示されている。ここでは、バッテリパック50を前後方向にスライドさせることによってその電池保持部27に対する脱着が行われる。
【0048】
このため、電池保持部27の下面側におけるバッテリパック装着面271には、上側に凹形状とされ前後方向(
図10(a)においては左右方向)に平行に延伸したレールガイド272が、左右(
図10(a)においては上下)に2つ設けられている。一方、バッテリパック50の上面には、レールガイド272に対応した箇所に、レールガイド272と係合するように上側に突出したレール501が形成されている。バッテリパック50における2本のレール501の間には、複数の端子502が形成されており、バッテリパック50がバッテリパック装着面271に対して正規の位置とされた場合には、バネによって係止爪(どちらも図示せず)がバッテリパック装着面271に係止されることによって、バッテリパック50が固定され、かつバッテリパック50側の端子502から電池保持部27側に電力が供給される。ラッチボタン51が押された場合には、係止爪による係止が解除され、バッテリパック50をバッテリパック装着面271に沿って移動させることができる。ラッチボタン51の周囲には構造物がないために、作業者は、ラッチボタン51を押した状態でバッテリパック50を前後方向にスライドさせることができる。
【0049】
図10においては切断機1におけるバッテリパック50と電池保持部27の構造が示されているが、バッテリパック50のスライド方向が左右方向である切断機2、3の場合には、バッテリパック装着面が
図10(a)の構造から時計回りに90°回転した構造となる。すなわち、レールガイド272等が
図10(a)における上下方向(
図10(b)における左右方向)となる。この場合においても、ラッチボタン51とモータ収容部22との間の間隔を広くとることにより、上記と同様に、作業者がラッチボタン51を押した状態でバッテリパック50を左右方向にスライドさせることができる。
【0050】
(第2の実施の形態)
図5、6の形態において切断機1を支持するハウジング軟質部材28A、28B、28Cにおいて、ハウジング軟質部材28C用いずに、代わりにバッテリパック50側で切断機1を支持することもできる。
図11は、こうした構成を具備する第2の実施の形態となる切断機2の、
図1に対応した斜視図である。この切断機2においては、バッテリパック50の装着は前記の切断機1とは異なり、左右方向(モータの回転軸と平行な方向)にスライドすることによって行われる。切断機2では、第1の実施の形態において突出部とされたハウジング軟質部材28Cが用いられず、代わりにバッテリパック軟質部材52が、左側のラッチボタン51の下側に突出部として設けられる。すなわち、バッテリパック50の装着方向によらず、バッテリパック軟質部材52を設けることができる。バッテリパック50の外装もハウジング20と同様の硬質の樹脂材料で形成することができ、バッテリパック軟質部材52をこの外装におけるラッチボタン51と異なる箇所に設けることも、モータ収容部22に対するハウジング軟質部材28A、28B、ハンドル30に対するハンドル軟質部材33と同様に行うことができる。
【0051】
ハウジング軟質部材28C、バッテリパック軟質部材52のどちらを突出部として用いるか、あるいはこれらを用いる場合にはこれらをどの箇所に設けるかは、ハウジング軟質部材28A、28Bの位置と
図2に示されたこの切断機の重心Cの位置に応じて設定することができる。
【0052】
(第3の実施の形態)
図12は、第3の実施の形態となる切断機3の構成を示す、
図1(
図11)に対応した斜視図である。切断機3におけるバッテリパック50の装着方向は切断機2と同様であるが、切断機3の場合には、バッテリパック50における前後の側面にラッチボタン51が設けられ、バッテリパック軟質部材(突出部)52は、左側面に設けられる。この場合には、バッテリパック50におけるバッテリパック軟質部材52が設けられた面にはラッチボタン51が設けられないために、バッテリパック軟質部材52の設置箇所の自由度が高まる。この場合においても、バッテリパック50を左右方向にスライドさせてその脱着作業を容易に行うことができることは明らかである。
【0053】
また、この切断機3においては、前記の切断機1と同様のハウジング軟質部材(突出部)28Cも同時に設けられている。この場合においては、ハウジング軟質部材28A、28B、28C、バッテリパック軟質部材52の4点でこの切断機3を支持することができる。この場合には、バッテリパック50がハウジング20に装着されない場合においても、この切断機3を
図5、6における切断機1と同様に地面G(第1の平面)の上に載置することができる。また、
図7、8における切断機1と同様に地面G(第2の平面)の上に載置することができることも明らかである。
【0054】
第1〜第3の実施の形態に係る切断機1、2、3は、いずれも鋸刃23が設けられた側と反対側におけるハウジング20の外面の一部、あるいはこれに加えてバッテリパック50の外面の一部を部分的に接地させることによって、これらを安定して載置することができる。この際、バッテリパック50を装着する際のスライド方向も、切断機1と切断機2、3で示されたように、選択することができる。
【0055】
(第4の実施の形態)
第1〜第3の実施の形態に係る切断機1〜3においては、モータを駆動するための電源としてバッテリパック50が用いられたが、同様の構成は、バッテリパックを具備せず商用交流電源等を用いる場合においても、実現することができる。
図13は、この切断機(携帯用切断機)4の構成を示す
図1等に対応した斜視図であり、
図14はその背面図(
図4とは反対側から見た図)、
図15はその上面から透視図、
図16はこれを第1の平面に載置した際の側面図である。
【0056】
この切断機4においては、電源は、外部の商用交流電源から電源コード150を介して供給される。モータ60を収容するモータ収容部22は実施の形態1と同様に、ハウジング軟質部材28A、28Bが左側に突出するように装着されている。モータ収容部22は、前記の切断機1等と同様に、ベース10上において左側(ハンドル30を挟んだ一方の側)に突出するように設けられている。鋸刃23(
図13〜16において図示せず)は、ハンドル30の右側(ハンドル30を挟んだ他方の側)に設けられている。なお、
図13、14、16においては、電源コード150におけるハンドル30に近い側の部分のみが記載されている。また、前記の電池保持部27あるいはバッテリパック50の代わりに、モータ収容部22の後方の左側(モータ収容部22と同じ側)には、モータ収容部22と同様にハウジング20の一部とされた制御部収容部40が設けられている。
【0057】
モータ収容部22の左側には、切断機1と同様にハウジング軟質部材28A、28Bが左側に突出するように装着されている。ハウジング軟質部材28A、28Bのモータ収容部22(ハウジング20)に対する固定は、前記の切断機1と同様に、分割線Dを境界としてハウジング20を構成する2つの部品に挟持されることによって行われる。また、モータ収容部22の左側には、その内部の空間と外気との間を連通させる風窓22Aが複数設けられており、制御部収容部40にも、同様に多数の風窓40Aが設けられている。
【0058】
制御部収容部40における風窓40Aが形成された領域の上下には、それぞれ左側に向かって突出する制御部収容部突出部40B、40Cが設けられている。
図14(背面図)に示されるように、制御部収容部突出部40Bは、ハンドル30からの水平方向の距離が、ハウジング軟質部材28A、28Bと略同一となるように設けられる。また、
図14に示されるように、前後方向から見て、制御部収容部突出部40Bは、ハウジング軟質部材28A、28Bの間に位置する。この構造において前記の突出部として機能するのは、制御部収容部40自身、あるいはこれに設けられた制御部収容部突出部40B、40Cである。
【0059】
図15に示されるように、モータ収容部22内には、回転軸60Aを具備するモータ60が内蔵されている。モータ60としては、ブラシレスモータが用いられる。特に商用交流電源を用いる場合には、モータ60を大電力で駆動することができ、この場合にはモータ60の発熱量は大きくなる。このため、回転軸60Aには、冷却ファン60Bが固定されており、回転軸60A(冷却ファン60B)が回転することにより、風窓22Aを介してモータ収容部22内に大気が取り込まれ、モータ60を冷却する冷却風が生成される。この冷却風によってモータ60は冷却(空冷)される。
【0060】
また、
図15に示されるように、制御部収容部40には、モータ60を制御及び駆動するための回路が形成された制御部41が設けられている。モータ60はブラシレスモータであるため、その駆動には制御部41に搭載されたスイッチング素子42が用いられる。スイッチング素子42は、IGBTやFET等のパワー半導体素子で構成され、モータ60に流される大電流のスイッチング動作を行うため、スイッチング素子42あるいは制御部41の動作時における発熱量も大きい。このため、モータ収容部22内の冷却風は、制御部収容部40に導かれ、制御部41(スイッチング素子42等)を冷却した後に、風窓40Aを通り外気に放出される。
【0061】
前記の切断機1と同様に、ハンドル軟質部材33がハンドル30のほぼ全面を覆うように形成することによって、ハンドル軟質部材33のハンドル30への固定強度を高くすることができる。この際、切断機1におけるハウジング軟質部材28Cと同様に、制御部収容部突出部40Bも、ハンドル軟質部材33と一体化して同じ材料(軟質材)で形成することができ、ハンドル30、制御部収容部40とは別部材で、制御部収容部突出部40B、ハンドル軟質部材33は一体成型で形成される。
【0062】
このため、この切断機4を載置するに際しては、制御部収容部突出部40Bを切断機1におけるハウジング軟質部材28Cの代わりに用いることができ、
図16に示されるように、
図5における切断機1と同様に、ハウジング軟質部材28A、28B、及び制御部収容部突出部40Bの3点を接地させてこの切断機4を地面(載置面)Gに安定して載置することができる。この際、回転軸60Aの軸心方向(
図16における上下方向)から見た場合に、切断機4の重心が、ハウジング軟質部材28A、28B、制御部収容部突出部40Bで囲まれる三角形の内部に存在する構成とすることにより、この切断機4を地面Gに特に安定して載置することができる。
【0063】
前記の切断機1等とは異なり、この切断機4にはおいては
図16の状態においても電源コード150が接続され、例えば載置中に電源コード150に作業者や他人が触れることによって不安定となるおそれがあるため、重心位置をこうした設定とすることによって載置時の安定性を高めることは特に好ましい。切断機4においては、モータ収容部22内に設けられ大電力で駆動されるモータ60が重くなるため、こうした設定は容易である。このように
図16において切断機4を3点支持とする場合には、制御部収容部突出部40Cが制御部収容部突出部40Bよりも突出しないように形成すればよい。この場合には、制御部収容部突出部40Cは切断機4を載置する際には使用されないが、これによって、例えば切断機4を誤って落下させた場合等において、制御部収容部40(制御部41)を保護することができる。
【0064】
図16に示された載置時に風窓22A、40Aは地面Gによって閉塞されるが、切断機4が載置される際にはモータ60は停止した状態とされるため、
図16の状態でモータ60を冷却する必要はない。この状態で、鋸刃23の交換作業等を容易に行うことができる。また、切断機4におけるハウジング軟質部材28A、28B、及び制御部収容部突出部40Bのみが接地するため、切断機4を被切断材上に載置しても、被切断材に傷が付くことが抑制される。
【0065】
ハンドル30からの水平方向の距離がハウジング軟質部材28A、28Bと略同一となるように制御部収容部突出部40Cを設けることにより、
図16の状態において、ハウジング軟質部材28A、28B、制御部収容部突出部40B、40Cによる4点支持とすることもできる。この場合においても、重心位置をハウジング軟質部材28A、28B、制御部収容部突出部40B、40Cで囲まれる四角形の内部に設定することは容易であり、これによって安定して切断機4を載置することができる。この場合には、制御部収容部突出部40Cも制御部収容部突出部40Bと同様に軟質材で構成することが好ましい。ただし、制御部収容部突出部40Cが軟質材で構成されていなくとも、
図16に示すように切断機4を安定して載置することができる限りにおいて、鋸刃23の交換作業等を容易に行うことができる。また、他の接地点が軟質材で構成されていれば、
図16に示すように切断機4を載置した際に、切断機4が載置面上で移動することが抑制される。
【0066】
なお、
図7、8に示されたように、
図16に示された地面G(第1の平面)とは異なる第2の平面に切断機4を載置することができること、及び、こうした場合において不意に鋸刃23が回転しないようにオフロックスイッチ32を設けることができることも、切断機1と同様である。
【0067】
また、上記の切断機4においては、制御部収容部突出部40B、又は制御部収容部突出部40B及び40Cが、モータ収容部22の外面の一部(ハウジング軟質部材28A、28B)と共に地面Gに当接可能な構成とした。しかしながら、制御部収容部40自身において、制御部収容部40から更に左側に突出する部分を設けず、モータ収容部22と制御部収容部40の鋸刃23が設けられた側の反対側(左側)の端面が略同一面となるようにし、これらの端面が地面Gに当接する構造としてもよい。この構造の場合には、制御部収容部40自身が本発明における突出部を構成する。この場合には、モータ収容部22や制御部収容部40の左側の端面の一部のみを軟質材で構成してもよい。
【0068】
なお、上記の切断機1〜4は、第1の平面、第2の平面のどちらの上にも載置できる構成とされたが、これらのうちの一方の平面上においてのみ載置できる構成としてもよい。第1の平面上においてのみ載置することができ第2の平面上に載置することができない構成の場合には、スイッチ、オフロックスイッチのハンドルにおける装着位置は任意である。この場合、作業者によって操作しやすい任意の箇所にこれらを装着することができる。
【0069】
また、上記の構成においては、第1の平面、第2の平面のどちらの上に載置する場合においても、切断機における離間した3点又は4点が接地するものとした。しかしながら、安定して切断機を載置することができる限りにおいて、離間した5点以上で接地する構成とすることもできる。すなわち、接地点は3点以上あればよい。また、軟質部材を全ての接地点に設ける必要はなく、これを強固に固定することが可能な箇所においてのみ設けてもよい。また、この場合において上記のモータ収容部と突出部以外に設けられる接地点は、切断機における任意の箇所に設けることができる。