特許第6581383号(P6581383)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6581383ガラスプリフォームをプレス成形してブロー成形機械中に投入する装置及び方法並びにかかる装置を含むブロー成形機械プラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6581383
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】ガラスプリフォームをプレス成形してブロー成形機械中に投入する装置及び方法並びにかかる装置を含むブロー成形機械プラント
(51)【国際特許分類】
   C03B 9/193 20060101AFI20190912BHJP
【FI】
   C03B9/193
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-79018(P2015-79018)
(22)【出願日】2015年4月8日
(65)【公開番号】特開2015-199664(P2015-199664A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2018年2月6日
(31)【優先権主張番号】10 2014 005 279.6
(32)【優先日】2014年4月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513246344
【氏名又は名称】ツヴィーゼル クリスタルグラス アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト レック
(72)【発明者】
【氏名】クラウス レシェ
【審査官】 田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−238821(JP,A)
【文献】 米国特許第04200449(US,A)
【文献】 特開昭55−121918(JP,A)
【文献】 特開平07−187687(JP,A)
【文献】 米国特許第04105428(US,A)
【文献】 米国特許第04289523(US,A)
【文献】 特開昭50−018511(JP,A)
【文献】 特開昭53−034814(JP,A)
【文献】 特開昭51−030813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 9/193 − 9/295
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスプリフォーム(3)をプレス成形して該ガラスプリフォーム(3)をブロー成形機械中に投入する装置(1)であって、
ゴブ受け取り領域と第1のプリフォームプレス成形領域との間で往復動可能な第1のプランジャ(11)と、
前記ゴブ受け取り領域と第2のプリフォームプレス成形領域との間で往復動可能な第2のプランジャ(12)と、
前記第1のプランジャ(11)と関連していて、前記第1のプリフォームプレス成形領域とプリフォーム投入領域との間で往復動可能な第1のプレスモールド(11′)と、
前記第2のプランジャ(12)と関連していて、前記第2のプリフォームプレス成形領域と前記プリフォーム投入領域との間で往復動可能な第2のプレスモールド(12′)とを有し、
前記プランジャ(11,12)は、それぞれ対応の前記プリフォームプレス成形領域中のそれぞれ関連の前記プレスモールド(11′,12′)と相互作用することができ、その結果、それぞれの前記プランジャ(11,12)のうちの一方によって前記ゴブ受け取り領域内に受け取られたゴブ(37)が、ガラスプリフォーム(3)の状態に形成されると共に、関連の前記プレスモールド(11′,12′)によって受け取られるようになっており、
前記装置(1)は、前記プランジャ(11,12)とそれぞれ関連の前記プレスモールド(11′,12′)の相互作用後、それぞれの前記プランジャ(11,12)が前記ゴブ受け取り領域に戻され、その間、それぞれの前記プレスモールド(11′,12′)が前記ガラスプリフォーム(3)を前記ブロー成形機械中に投入するよう前記プリフォーム投入領域に動かされるよう構成され、
前記第1のプランジャ(11)、前記第2のプランジャ(12)、前記第1のプレスモールド(11′)、及び前記第2のプレスモールド(12′)は各々、共通の垂直軸線回りに回動可能に配置され、
前記ゴブ受け取り領域から前記第1のプリフォームプレス成形領域への前記第1のプランジャ(11)の運動、及び前記ゴブ受け取り領域から前記第2のプリフォームプレス成形領域への前記第2のプランジャ(12)の運動は、互いに逆の回転方向である、装置(1)。
【請求項2】
前記第1のプランジャ(11)、前記第2のプランジャ(12)、前記第1のプレスモールド(11′)、及び前記第2のプレスモールド(12′)を別個独立に動かすことができる、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記第1のプランジャ(11)、前記第2のプランジャ(12)、前記第1のプレスモールド(11′)、及び前記第2のプレスモールド(12′)は、入れ子式中空シャフト(23)を介して前記装置のベース(27)上に少なくとも部分的に支持されている、請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記第1のプランジャ(11)及び前記第2のプランジャ(12)は、それぞれリニアアクチュエータ(17,19)を有し、該リニアアクチュエータ(17,19)によりそれぞれの前記プランジャ(11,12)を垂直方向に動かすことができる、請求項1〜のうちいずれか一に記載の装置(1)。
【請求項5】
請求項1〜のうちいずれか一に記載の装置(1)を含むブロー成形機械プラント(100)であって、液滴出口(7)を備えた溶融タンク(9)と、前記液滴出口(7)のところでゴブ(37)を分離するシャー(15)と、複数個の回転可能に配置された作業台(5)を備えた回転ブロー成形機械とを更に有する、ブロー成形機械プラント(100)。
【請求項6】
前記回転ブロー成形機械は、前記作業台(5)ごとに1つの支持底部を有し、前記支持底部を垂直方向に動かすことができる、請求項記載のブロー成形機械プラント(100)。
【請求項7】
ガラスプリフォーム(3)をプレス成形して該ガラスプリフォーム(3)をブロー成形機械中に投入する方法であって、
第1のプランジャ(11)によって第1のゴブ(37)をゴブ受け取り領域で受け取るステップを含み、
前記第1のゴブ(37)を前記第1のプランジャ(11)によって第1のプリフォームプレス成形領域に移送するステップを含み、
前記第1のプランジャ(11)と第1のプレスモールド(11′)との相互作用によって前記第1のゴブ(37)を前記第1のプリフォームプレス成形領域内で成形するステップを含み、前記第1のガラスプリフォーム(3)は、前記第1のプレスモールド(11′)によって受け取られ、
前記第1のガラスプリフォーム(3)が前記第1のプレスモールド(11′)によって受け取られた後、前記第1のプランジャ(11)を前記第1のプリフォームプレス成形領域から前記ゴブ受け取り領域に戻すステップを含み、
前記第1のプレスモールド(11′)によって前記第1のガラスプリフォーム(3)を前記第1のプリフォームプレス成形領域からプリフォーム投入領域に移送して、該第1のガラスプリフォーム(3)を前記ブロー成形機械中に投入するステップを含み、
第2のゴブ(37)を第2のプランジャ(12)によって前記ゴブ受け取り領域で受け取るステップを含み、
前記第2のプランジャ(12)によって前記第2のゴブ(37)を第2のプリフォームプレス成形領域に移送するステップを含み、
前記第2のプランジャ(12)と第2のプレスモールド(12′)との相互作用によって第2のガラスプリフォーム(3)を前記第2のプリフォームプレス成形領域内で形成するステップを含み、前記第2のガラスプリフォーム(3)は、前記第2のプレスモールド(12′)によって受け取られ、
前記第2のガラスプリフォーム(3)が前記第2のプレスモールド(12′)によって受け取られた後、前記第2のプランジャ(12)を前記第2のプリフォームプレス成形領域から前記ゴブ受け取り領域に戻すステップを含み、
前記第2のプレスモールド(12′)によって前記第2のガラスプリフォーム(3)を前記第2のプリフォームプレス成形領域からプリフォーム投入領域に移送して、該第2のガラスプリフォーム(3)を前記ブロー成形機械中に投入するステップを含
前記第1のプランジャ(11)、前記第2のプランジャ(12)、前記第1のプレスモールド(11′)、及び前記第2のプレスモールド(12′)は各々、共通の垂直軸線回りに回動可能に配置され、
前記ゴブ受け取り領域から前記第1のプリフォームプレス成形領域への前記第1のプランジャ(11)の運動、及び前記ゴブ受け取り領域から前記第2のプリフォームプレス成形領域への前記第2のプランジャ(12)の運動は、互いに逆の回転方向である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスプリフォーム(「プレフォーム」とも言う)又はパリソンをプレス成形し、かかるガラスプリフォームをブロー成形機械中に投入する装置及び方法並びにかかる装置を含むブロー成形機械に関する。
【0002】
ガラス容器、例えば飲料用グラスの生産にあたり、回転ブロー成形機械が用いられる場合が多く、かかる回転ブロー成形機械では、関連の作業台及びブローヘッドを備えた複数個のブローモールドがメリゴーランド状に又はルーレット方式でブロー成形機械本体周りに回転する。ガラス容器をブロー成形するため、液体ガラスのプリフォーム又はパリソンを回転作業台上に載せ、次いで、プリフォームを関連のブローモールド内でブロー成形するために関連のブローヘッドを下降させてプリフォームのところに気密方式で配置する。
【0003】
ガラスプリフォームを提供するため、まず最初に、ゴブとも呼ばれているガラス液滴を溶融ガラスから取り出してプレスモールド内でプレス成形し、それによりガラスプリフォームを形成する。次に、投入機構体によってガラスプリフォームをブロー成形機械中に投入し、特にその作業台のうちの1つの上に載せる。このプロセスは、自動化されて可能な限り最も高い生産性を得るために高いサイクル速度で行われる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、ガラスプリフォーム又はパリソンのプレス成形及びブロー成形機械中へのガラスプリフォームの投入の際に高いスループットを達成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、独立形式の請求項の内容によって解決される。好ましい実施形態は、従属形式の請求項の内容である。
【0006】
本発明の一観点によれば、ガラスプリフォームをプレス成形してかかるガラスプリフォームをブロー成形機械中に投入する装置であって、ゴブ受け取り領域と第1のプリフォームプレス成形領域との間で往復動可能な第1のプランジャと、ゴブ受け取り領域と第2のプリフォームプレス成形領域との間で往復動可能な第2のプランジャと、第1のプランジャと関連していて、第1のプリフォームプレス成形領域とプリフォーム投入領域との間で往復動可能な第1のプレスモールドと、第2のプランジャと関連していて、第2のプリフォームプレス成形領域とプリフォーム投入領域との間で往復動可能な第2のプレスモールドとを有し、プランジャは、それぞれ対応のプリフォームプレス成形領域中のそれぞれ関連のプレスモールドと相互作用することができ、その結果、それぞれのプランジャのうちの一方によってゴブ受け取り領域内に受け取られたゴブがガラスプリフォームの状態に形成されると共に関連のプレスモールドによって受け取られるようになっており、この装置は、プランジャとそれぞれ関連のプレスモールドの相互作用後、それぞれのプランジャがゴブ受け取り領域に戻され、その間、それぞれのプレスモールドがガラスプリフォームをブロー成形機械中に投入するようプリフォーム投入領域に動かされるよう構成されていることを特徴とする装置が提供される。
【0007】
ガラスプリフォームは、液体ガラスのプリフォーム又はパリソンであり、かかるガラスプリフォームは、ブロー成形機械内でのガラスプリフォームの次の機械加工、特にブロー成形を可能にする実質的に既定の形状を有している。ガラスプリフォームは、「パステル(pastilles)」とも呼ばれている。ガラスプリフォームは、既に、ゴブレットの形になっている場合がある。しかしながら、タブレット形状を形成するためのゴブの形状の作り直しの手間が少ないのでガラスタブレット(板状小片)としての形態が好ましく、その結果、液体ガラスの熱損失が少なく、かくしてブロー成形された製品の表面品質が向上する。ガラスタブレットは、ブロー成形機械内でのブローヘッドから遠ざかる方向に向いた側部に設けられていて、完成したブロー成形ガラス製品のところにステムのためのベースとして使用できる隆起部又は先端部を有するのが良い。
【0008】
ゴブは、ガラス液滴を意味している。ゴブは、例えば或る特定の量の液体ガラスを溶融タンクの液滴出口から排出してこれをシャー(shear)によって液滴出口のところで分離することによって、溶融ガラスから取り出されるのが良い。
【0009】
ゴブ受け取り領域は、プランジャがゴブを受け取ることができる領域である。例えば、これは、溶融タンクの液滴出口の真下に位置する領域であるのが良い。変形例として、ゴブ受け取り領域は、ゴブシュートの端部のところに位置する領域であっても良く、ゴブシュートは、液滴出口の下に位置する領域から延びる。ゴブの受け取りプロセスを説明すると、ゴブは、プランジャ(第1又は第2のプランジャ)の専用成形部分内に落下し、ここで、成形部分が凹部として形成されるのが良い。ゴブがゴブ受け取り領域内に受け取られた後、ブロー成形機械に関して後の方の段階で説明するように、ゴブは、好ましくはシャーにより生じるゴブのところのシャーマークが側方外方に差し向けられた状態でプランジャ内に、特にその成形部分内に配置される。
【0010】
第1のプランジャと第2のプランジャは各々、ゴブ受け取り領域とそれぞれのプリフォームプレス成形領域との間で往復動可能である。この往復動は、好ましくは、水平面内で実施される。具体的に説明すると、プランジャの各々は、垂直軸線回りに回動可能であるように配置され又は支持されるのが良く、その結果、これらプランジャをゴブ受け取り領域とそれぞれのプリフォームプレス成形領域との間で往復動させることができるようになっている。ゴブの受け取りにあたってゴブ受け取り領域内には一度に1つのプランジャしか配置することができないので、プランジャは、好ましくは、ゴブを交互に受け取るようゴブ受け取り領域内に交互に配置される。ゴブ受け取り領域から対応のプリフォームプレス成形領域へのプランジャの運動並びにプリフォームプレス成形領域からゴブ受け取り領域へのこの同じプランジャの戻り運動は、特に、同じ運動経路に沿って起こるのが良い。ゴブ受け取り領域とそれぞれのプリフォームプレス成形領域との間における運動とは無関係に、第1及び第2のプランジャは、各々、垂直方向に動くことができるのが良い。
【0011】
プリフォーム投入領域は、プレスモールドがガラスプリフォームをブロー成形機械中に投入することができる領域を表している。本発明の装置をブロー成形機械とマッチさせることができ、その結果、ガラスプリフォームがプレスモールド(第1又は第2のプレスモールド)によってプリフォーム投入領域内に投入されると、ブロー成形機械のいつでも受け取る準備が整っている作業台も又、プレスモールドの下のプリフォーム投入領域内に配置されるようになっている。プレスモールドへの負圧の適用によりガラスプリフォームをプレスモールドによって受け取る又は受け入れることができる。ガラスプリフォームがブロー成形機械内に投入され、特にその作業台上に配置されると、負圧を解除すると共に/或いはガラスプリフォームを圧縮空気によってプレスモールドから離脱させるのが良い。この目的のため、プレスモールドは、各々、1つ又は複数個の吸引開口部及び/又は圧縮空気開口部を有するのが良い。
【0012】
第1のプレスモールド及び第2のプレスモールドをそれぞれのプリフォームプレス成形領域とプリフォーム投入領域との間で往復動作することができる。この往復動は、好ましくは、水平面内で行われる。具体的に説明すると、プレスモールドは各々、垂直軸線回りに回動可能であるように配置され又は支持されるのが良く、その結果、これらプレスモールドをそれぞれのプリフォームプレス成形領域とそれぞれのプリフォーム投入領域との間で往復動させることができるようになっている。プリフォームの投入にあたってプリフォーム投入領域内には一度に1つのプレスモールドしか配置することができないので、プレスモールドは、好ましくは、プリフォームを交互に受け取るようプリフォーム投入領域内に交互に配置される。対応のプリフォームプレス成形領域からプリフォーム投入領域へのプレスモールドの運動並びにプリフォーム投入領域から対応のプリフォームプレス成形領域へのこの同じプレスモールドの戻り運動は、特に、同じ運動経路に沿って起こるのが良い。
【0013】
プリフォームプレス成形領域は、ゴブ受け取り領域とプリフォーム投入領域との間に配置される。プランジャはそれぞれ、それぞれのプリフォームプレス成形領域内で、それぞれの関連のプレスモールドと相互作用し、プランジャによって受け取られたゴブがガラスプリフォームを形成するよう再付形される(ゴブの形が作り直される)。相互作用は、特に、互いに向かうプランジャ(第1及び第2のプランジャ)及び/又は関連のプレスモールドの運動を含み、その結果、ゴブは、プランジャとプレスモールドとの間でクランプされてプレス成形され、それによりガラスプリフォームが形成される。好ましくは、プランジャとプレスモールドは、プリフォームプレス成形領域では互いに上下に配置され、垂直方向に互いに向かって動かされる。この場合、プランジャは、好ましくは、プレスモールドの下に配置され、プランジャは、プレスモールドに対して垂直方向にプレスモールドに向かって動かされる。しかしながら、代替的に又は追加的に、プレスモールドをプランジャに対して垂直方向にプランジャに向かって動かすことも又想定できる。本明細書及び特許請求の範囲における方向及び位置に関する指示語、例えば水平、垂直、上、下は、設置された稼働状態の装置に対するものであると理解されるべきである。この場合、プリフォームプレス成形領域は、それぞれのプランジャ及びプレスモールドの水平運動平面内の固定された箇所に位置する必要はない。これとは異なり、相互作用中、特にガラスプリフォームの形成中、プランジャ及びプレスモールドを水平方向におけるプランジャと関連プレスモールドとの相対運動が生じない限り、水平方向に更に動かすことができる。有利には、ゴブは、ガラスプリフォームを形成するために再付形されている間、プリフォーム投入領域に向かって更に移送されるのが良い。
【0014】
対応関係をなすプランジャと関連プレスモールドの相互作用後、対応のプランジャをゴブ受け取り領域に戻し、他方、対応のプレスモールドをガラスプリフォームと共にプリフォーム投入領域に更に動かしてガラスプリフォームをブロー成形機械中に投入する。ゴブ受け取り領域に戻されたプランジャは、ここで再びゴブを受け取ることができる一方で、他方のプランジャは、ゴブ受け取り領域から遠ざけられ、この他方のプランジャは、プリフォームプレス成形領域内において、関連のプレスモールドと一緒になってガラスプリフォームを形成する。このように、本発明の装置により、それぞれのプランジャとプレスモールドが交互に、ゴブを受け取り、ガラスプリフォームをプレス成形し、そしてガラスプリフォームをブロー成形機械中に投入するワークフロー(作業の流れ)の実現が可能である。
【0015】
以下において、ゴブ受け取り領域とそれぞれのプリフォームプレス成形領域との間におけるプランジャの往復動並びにそれぞれのプリフォームプレス成形領域とプリフォーム投入領域との間におけるプレスモールドの往復動を「移送運動」という場合があり、移送運動の方向を「移送方向」という場合がある。好ましくは、移送方向は、水平方向である。他方、相互作用時にプリフォームをプレス成形するためのプランジャ及び/又はプレスモールドの互いに対する運動を「プレス成形運動」という場合があり、プレス成形運動の方向を「プレス成形方向」という場合がある。好ましくは、プレス成形方向は、垂直方向である。
【0016】
本発明の装置は、次の利点、即ち、ゴブ受け取り領域とプリフォームプレス成形領域との間で各々往復動可能な2つのプランジャを提供することによって液滴出口のところの考えられるゴブ出力速度(これは、通常、ガラスプリフォームをプレス成形し、移送し、そして投入するための個々のプランジャ‐プレスモールド対のサイクル速度よりも高い)の最適使用が可能であるという利点を有する。というのは、プランジャ‐プレスモールド対がガラスプリフォームをプレス成形し、移送し、そして投入している間、他方のプランジャ‐プレスモールド対のプランジャをゴブ受け取り領域に戻すことができ、そしてこの他方のプランジャ‐プレスモールド対がここで再びゴブを受け取ることができるからである。さらに、プランジャをゴブ受け取り領域とプリフォームプレス成形領域との間で往復動させる必要があるに過ぎず、その結果、プランジャを既にゴブ受け取り領域に戻すことができ、その間、関連のプレスモールドは、ガラスプリフォームをプリフォーム投入領域に更に移送するようになっているので有利である。具体的に説明すると、プランジャは、新たなゴブを既に受け取ることができ、他方、このプランジャと関連したプレスモールドは、このようにして形成されたプリフォームをブロー成形機械中に投入する。プランジャは、プリフォーム投入領域まで上方に、即ち、ブロー成形機械まで上方に動かされることがないことは、もう1つの利点である。通常、プランジャは、これらがプリフォームをプレス成形するために関連のプレスモールドに対する運動を可能にするアクチュエータを有するので、高い構造高さを有する。プランジャをプリフォーム投入領域まで上方に動かす場合、ブロー成形機械は、プリフォーム投入領域でプランジャに接触するブロー成形機械の部分が存在せず、特に、ブロー成形機械の回転部分が存在しないよう設計されなければならない。プランジャがプリフォーム投入領域までではなくプリフォームプレス成形領域まで上方に動くに過ぎないので、作業台の下に配置されていて、ブロー成形されたガラス製品を支持するために垂直方向に動かすことができる支持底部を有する回転機械を用いることが特に可能である。
【0017】
好ましくは、第1のプランジャ、第2のプランジャ、第1のプレスモールド、及び第2のプレスモールドは各々、共通の垂直軸線回りに回動可能に配置される。回動可能な配置により、水平面内におけるゴブ受け取り領域とそれぞれのプリフォームプレス成形領域との間におけるそれぞれのプランジャの運動が可能である。さらに、回動可能な配置により、水平面内におけるそれぞれのプリフォームプレス成形領域とプリフォーム投入領域との間におけるそれぞれのプレスモールドの運動が可能である。プランジャ及びプレスモールドは、各々、ピボットアームを介して回動可能に配置されるのが良く、この場合、ピボットアームは、共通垂直軸線回りに回転可能に支持される。ピボットアームは、全て、実質的に同一の長さを有するのが良く、プランジャ及びプレスモールドは、平面図で見て同一の円形経路に沿って動くことができる。
【0018】
有利には、共通平面回りのプランジャ及びプレスモールドの回動可能な配置により、装置のコンパクトな構成並びにゴブを再付形するための相互作用時におけるプランジャと関連プレスモールドの互いに対する簡単な位置合わせが可能である。
【0019】
好ましくは、ゴブ受け取り領域から第1のプリフォームプレス成形領域への第1のプランジャの運動とゴブ受け取り領域から第2のプリフォームプレス成形領域への第2のプランジャの運動は、互いに逆の回転方向である。
【0020】
同様に、第1のプリフォームプレス成形領域からプリフォーム投入領域への第1のプレスモールドの運動並びに第2のプリフォームプレス成形領域からプリフォーム投入領域への第2のプレスモールドの運動は、互いに逆の回転方向であるのが良い。
【0021】
有利には、互いに逆の回転方向における運動により、第1のプランジャ‐プレスモールド対及び第2のプランジャ‐プレスモールド対の移送経路が交差することがないようにすることができる。さらに、ゴブ受け取り領域とプリフォーム投入領域との間のスペースを可能な限り最大活用することが可能である。
【0022】
好ましくは、第1のプランジャ、第2のプランジャ、第1のプレスモールド、及び第2のプレスモールドを別個独立に動かすことができる。
【0023】
また、第1のプランジャを移送方向において第2のプランジャに対して固定的に配置して第1のプランジャと第2のプランジャを移送方向において一緒に動かすことしかできないようにすることが想定できる。また、第1のプレスモールドを移送方向において第2のプレスモールドに対して固定的に配置して第1のプレスモールド及び第2のプレスモールドを移送方向において一緒に動かすことしかできないようにすることが想定できる。しかしながら、第1のプランジャ、第2のプランジャ、第1のプレスモールド、及び第2のプレスモールドが各々、互いに対して動くことができるということがプロセス速度に関してより有利である。
【0024】
有利には、プランジャ及びプレスモールドの相互に別個独立の可動性に起因して、プロセス速度及びスループットを増大させることができる。というのは、それぞれのプランジャとプレスモールドの動作シーケンスを別個独立に最適化することができるからである。
【0025】
好ましくは、第1のプランジャ、第2のプランジャ、第1のプレスモールド、及び第2のプレスモールドは、入れ子式中空シャフト(telescoped hollow shafts)を介して装置のベース上に少なくとも部分的に支持される。
【0026】
この場合、少なくとも部分的にという表現は、入れ子式シャフトの最も内側のシャフトも又、中実シャフトであるのが良いことを意味している。最も内側のシャフトは、好ましくは、垂直方向において最も高い位置に配置されるプランジャ又はプレスモールドのためのシャフトである。最も外側の中空シャフトは、好ましくは、垂直方向において最も低い位置に配置されるプランジャ又はプレスモールドのためのシャフトである。好ましくは、最も外側の中空シャフト、即ち最も大きな直径を有する中空シャフトは、適当な支承手段により装置のベース上に支持され、残りのシャフトは、適当な支承手段により中空シャフト内に支持される。これにより、装置の組立てが単純化される。装置のベースという表現は、装置の本体又は装置のフレームを意味している。プランジャ及びプレスモールドをそれぞれのシャフトにより移送運動を可能に駆動することができる。この目的のため、各シャフトは、外歯を有するのが良く、歯車、歯付きベルト、又は駆動モータの歯付きチェーンがこれら外歯に係合する。変形例として、トルクモータをシャフトのところに直接配置しても良く、その結果、モータのそれぞれのロータ又は出力シャフトがプランジャ又はプレスモールドのそれぞれのシャフトに直接連結されるようになる。
【0027】
有利には、プランジャ及びプレスモールドの中空シャフトの入れ子式構造により、公知のコンパクトで安定した構成及び単純な組立てが可能である。
【0028】
好ましくは、第1のプランジャ及び第2のプランジャは、それぞれリニアアクチュエータを有し、かかるリニアアクチュエータによりそれぞれのプランジャを垂直方向に動かすことができる。
【0029】
リニアアクチュエータは、空気圧又は油圧シリンダを含むのが良い。しかしながら、好ましくは、リニアサーボモータが用いられ、かかるリニアサーボモータは、ロバストネス(堅牢性)及び制御性の面で利点を有する。リニアアクチュエータにより、プランジャは、関連のプレスモールドとの相互作用中にプレス成形運動を行うことができ、即ち、プランジャ内のゴブを再付形してプリフォームを形成するためにプランジャを相対方向において関連のプレスモールドに対して動かすことができる。
【0030】
有利には、プランジャの一部としてプランジャと一緒に動かされるリニアアクチュエータにより、プランジャは、移送運動とは独立してプレス成形運動を行うことができる。さらに、垂直可動性を利用すると、プランジャをゴブ受け取り領域内へのゴブの受け取り時に目標とする高さ位置に配置することができる。その目的は、ゴブを最適な仕方で受け取ることにある。
【0031】
本発明の別の観点は、本発明の上述の装置を含むブロー成形機械プラントであって、液滴出口を備えた溶融タンクと、液滴出口のところでゴブを分離するシャーと、複数個の回転可能に配置された作業台を備えた回転ブロー成形機械とを更に有することを特徴とするブロー成形機械プラントに関する。
【0032】
ガラスを溶融タンク内で溶融させることができ、これを次に液滴出口経由で取り出すことができる。液滴出口を出た液体ガラスをシャーによって切断し又は分離するのが良く、その目的は、ゴブを得ることにある。ゴブ受け取り領域は、実質的に液滴出口の下に配置されるのが良く、或いは、ゴブシュートが存在する場合、ゴブシュートの端部のところに配置されるのが良い。作業台は、メリゴーランド状又はルーレット方式で垂直軸線回りに回転可能に配置される。ブロー成形機械プラントは、作業台を次々に通過させる設定されたプリフォーム投入領域を含む。
【0033】
作業台は、少なくとも部分的に、板状のコンポーネントであるのが良く、これら板状コンポーネントは各々、例えば、円形の凹部を有する。作業台は、ゴブをこれら作業台の上に配置することができ、その結果、凹部がゴブによって覆われると共にゴブの周辺領域が作業台によって支持されるよう設計される。回転ブロー成形機械のブローヘッドは、ゴブ上に下降することができ、その結果、ブローヘッドは、ゴブと気密シールを形成し、作業台の凹部を通ってゴブをブロー成形することができる。ブロー成形されるべきガラス製品の外側輪郭を定めるブローモールドを作業台の下に配置するのが良い。回転ブロー成形機械は、特に、ゴブレットブロー成形機械であるのが良い。
【0034】
好ましくは、回転ブロー成形機械は、作業台一つ当たり1つの支持底部を有し、支持底部を垂直方向に動かすことができる。
【0035】
支持底部は、対応の作業台の下に且つオプションとして対応のブローモールドの下に配置され、この支持底部は、対応の関連作業台と一緒に回転する。本発明の装置により、かかる支持底部を提供することが可能である。支持底部は、ブロー成形されたプリフォーム又はガラス製品を下から支持するのに役立ち、その結果、ブロー成形プロセスを改良された仕方で制御することができるようになっている。
【0036】
本発明の別の観点は、ガラスプリフォームをプレス成形してこのガラスプリフォームをブロー成形機械中に投入する方法であって、第1のプランジャによって第1のゴブをゴブ受け取り領域で受け取るステップと、第1のゴブを第1のプランジャによって第1のプリフォームプレス成形領域に移送するステップと、第1のプランジャと第1のプレスモールドとの相互作用によって第1のゴブを第1のプリフォームプレス成形領域内で成形するステップとを含み、第1のガラスプリフォームは、第1のプレスモールドによって受け取られ、この方法は、第1のガラスプリフォームが第1のプレスモールドによって受け取られた後、第1のプランジャを第1のプリフォームプレス成形領域からゴブ受け取り領域に戻すステップと、第1のプレスモールドによって第1のガラスプリフォームを第1のプリフォームプレス成形領域からプリフォーム投入領域に移送してこの第1のガラスプリフォームをブロー成形機械中に投入するステップと、第2のゴブを第2のプランジャによってゴブ受け取り領域で受け取るステップと、第2のプランジャによって第2のゴブを第2のプリフォームプレス成形領域に移送するステップと、第2のプランジャと第2のプレスモールドとの相互作用によって第2のガラスプリフォームを第2のプリフォームプレス成形領域内で形成するステップとを更に含み、第2のガラスプリフォームは、第2のプレスモールドによって受け取られ、この方法は更に、第2のガラスプリフォームが第2のプレスモールドによって受け取られた後、第2のプランジャを第2のプリフォームプレス成形領域からゴブ受け取り領域に戻すステップと、第2のプレスモールドによって第2のガラスプリフォームを第2のプリフォームプレス成形領域からプリフォーム投入領域に移送してこの第2のガラスプリフォームをブロー成形機械中に投入するステップとを含むことを特徴とする方法に関する。
【0037】
好ましくは、第1のゴブを第1のプランジャによって受け取って第1のプリフォームプレス成形領域に移送した後に第2のゴブを第2のプランジャによって受け取る。さらに好ましくは、第1のゴブを形成した後に第2のゴブを形成する。さらに好ましくは、第1のゴブをブロー成形機械中に投入し、第1のプレスモールドを第1のプリフォームプレス成形領域に戻した後、第2のゴブをブロー成形機械中に投入する。
【0038】
したがって、本発明の装置及び本発明のブロー成形機械プラントに関する上述の説明は、本発明の方法に当てはまる。
【0039】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】ブロー成形機械プラントの一部としての一実施形態による装置の斜視図である。
図2】本装置の動作シーケンスを第1の状態で示す斜視図である。
図3】本装置の動作シーケンスを第2の状態で示す斜視図である。
図4】本装置の動作シーケンスを第3の状態で示す斜視図である。
図5】本装置の動作シーケンスの平面図である。
図6】本装置の取り付け手段及び駆動手段の断面図である。
図7】別の実施形態としての装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、ガラスプリフォーム又はパリソン3をプレス成形し、これらプリフォーム3を図示していないブロー成形機械の作業台5上に載せる装置1の実施形態を示している。図示していないブロー成形機械は、ブロー成形機械周りにメリゴーランド状又はルーレット方式で回転可能に配置された複数個の作業台5を有する。しかしながら、図1にはこれら作業台5のうち3つしか図示されていない。装置1は、溶融タンク9の液滴出口7と回転ブロー成形機械の作業台5との間に配置されている。装置1は、第1のプランジャ11及び第1のプランジャ11と関連した第1のプレスモールド11′を有している。装置1は、第2のプランジャ12及び第2のプランジャ12と関連した第2のプレスモールド12′を更に有している。プランジャ11,12は、液滴出口7のところに設けられたシャー15によって溶融ガラスから分離されたゴブを専用受け取り領域で受け取るようになっている。プランジャの受け取り領域は、カップの形をしているのが良く且つ頂部に向かって開口しているのが良い。プランジャ11,12は、プレスモールド11′,12′と相互作用することによって、ゴブを再付形してガラスプリフォーム又はパリソン3を形成する。ガラスプリフォーム3の形成後、プレスモールド11′,12′は、例えば吸引によってガラスプリフォーム3を受け取り、ゴブ37を更に作業台5まで移送し、そして例えばこれを吹き落とすことによってこれを作業台上に載せる。
【0042】
プランジャ11,12は、それぞれ、リニアアクチュエータ17,19を有し、リニアアクチュエータ17,19は、対応のプランジャ、特にその受け取り領域を垂直方向に直線的に動かすことができる。リニアアクチュエータ17,19を空気圧により、油圧により又は電気的に駆動するのが良い。プランジャ11,12及びプレスモールド11′,12′は各々、ピボットアーム21により関連のピボットシャフト23に連結されている。ピボットアーム21の長さは、互いに異なるブロー成形機械プラントの装置1に合うよう調節可能である。ピボットシャフト23は各々、垂直軸線回りに回転可能に支持されている。具体的に言えば、ピボットシャフト23はそれぞれ、互いの中に嵌め込まれる中空シャフト23として設計されており、これら中空シャフトは、互いに対して回転可能に支持されている。最も外側のピボットシャフト23は、中空円筒形ガイド25内に支持された状態で配置されている。中空円筒形ガイド25は、装置のベース27に連結され又はベース27の一部をなしている。プランジャ11,12及びプレスモールド11′,12′は、ピボットシャフト23及びアーム21を介して水平面内で回動可能であるよう装置1に連結されている。
【0043】
ピボットシャフト23一本当たり又はプランジャ11,12一本当たり且つプレスモールド11′,12′一つ当たり1つの駆動モータ29が装置1のベース27のところに配置されている。4つの駆動モータ29がそれぞれ1本の駆動シャフト31を駆動し、この場合、駆動シャフト31は各々、1つの駆動歯車33を有している。他方、ピボットシャフト23は各々、ピボットシャフト23の下端領域に設けられた歯車35を有している。駆動シャフト31のそれぞれの駆動歯車33は、図示していない歯付きベルトによってピボットシャフト23のそれぞれ関連の歯車35に連結されている。このように、ピボットシャフト23をそれぞれ対応の駆動モータ29により独立して駆動することができる。駆動モータ29及び/又はリニアアクチュエータ17,19を制御する制御ユニットは図示されていない。
【0044】
図2は、装置1の動作シーケンスを第1の状態で示している。この第1の状態では、第1のプランジャ11は、既にゴブ37を受け取ると共に第1のプリフォームプレス成形領域内に既に回動しており、第1のプランジャは、ここで、第1のプレスモールド11′に対して位置合わせされており、その結果、第1のプランジャ11は、垂直方向に見て第1のプレスモールド11′の真下に配置されるようになっている。図示の第1の状態では、プランジャ11は、第1のプレスモールド11′と一緒になってゴブ37からガラスプリフォームを形成するためにリニアアクチュエータ17によって垂直方向に見て上方に引っ込んでいる。この場合、第1のプランジャ11及び第1のプレスモールド11′は、角度的同期方式により更に回動し、その結果、ガラスプリフォームのプレス成形中、ゴブ37又はガラスプリフォームが回転ブロー成形機械に向かって更に動かされるようになっている。第1のプランジャ11及び第1のプレスモールド11′の回動方向は、装置1を平面図で見て(上から見て)反時計回りである。プランジャ(第1又は第2のプランジャ)及び関連のプレスモールド(第1又は第2のプレスモールド)が相互位置合わせ状態にあり、オプションとして、角度的同期方式で動く運動範囲又は角度範囲をプリフォームプレス成形領域(第1又は第2のプリフォームプレス成形領域)という場合がある。しかしながら、図示の第1の状態では、第2のプレスモールド12′は、プリフォーム投入領域内に配置され、ここで、第2のプレスモールド12′は、先に形成されたガラスプリフォーム3をブロー成形機械の作業台5上にまさに置こうとしている。他方、図示の第1の状態では、第2のプランジャ12は、液滴出口7の下のゴブ受け取り領域内に配置され、この第2のプランジャ12は、シャー15によって液体溶融ガラス39から切断された新たなゴブをまさに受け取ろうとしている。矢印で示されているように、プランジャ12をリニアアクチュエータ19によって垂直方向に動かすことができ、それによりプランジャ12内におけるゴブのピックアップ位置に影響を及ぼすことができるようになっている。
【0045】
図3は、装置1の動作シーケンスを第2の状態で示しており、この第2の状態は、図2に示された第1の状態直後の状態である。第2の状態では、第2のプランジャ12は、ゴブ37を受け取り、そしてゴブ受け取り領域から第2のプリフォームプレス成形領域に向かって遠ざかっている。第2のプランジャ12の回動方向は、装置1を平面図で見ると、時計回りである。他方、第2の状態では、第2のプレスモールド12′は、ガラスプリフォーム3を作業台5上に載せ、作業台5は、プリフォーム投入領域から遠ざかっている。ブロー成形機械は、プリフォーム投入領域では、作業台5がそれぞれの速度を減少させ、短時間で停止し又はこれら作業台の速度を変えることなくプリフォーム投入領域を通過するよう設計されるのが良い。第2の状態では、第2のプレスモールド12′は、プリフォーム投入領域から遠ざかって第2のプリフォームプレス成形領域に近づいている。換言すると、第2のプランジャ12と第2のプレスモールド12′は、第2のプリフォームプレス成形領域内では互いに対して位置合わせするよう第2の状態では互いに近づく。第2の状態では、第1のプランジャ11と第1のプレスモールド11′は、閉じられてガラスプリフォームをプレス成形し、この場合、第1のプランジャ11及び第1のプレスモールド11′を角度的同期方式により回転ブロー成形機械に向かって更に回動させる。
【0046】
図4は、装置1の動作シーケンスを第3の状態で示しており、第3の状態は、図3に示された第2の状態直後の状態である。この第3の状態では、第2のプランジャ12は、第2のプリフォームプレス成形領域中に既に回動していて、第2のプレスモールド12′に対して位置合わせされており、そして先に受け取ったゴブをプレス成形してリニアアクチュエータ19による垂直運動によって第2のプレスモールド12′と協働してガラスプリフォームを形成する。ガラスプリフォームが形成されている間、角度的同期方式により第2のプランジャ12及び第2のプレスモールド12′を更に回動させ、その結果、ガラスプリフォームのプレス成形中、ゴブ又はガラスプリフォームを回転ブロー成形機械に向かって更に動かす。第2のプランジャ12及び第2のプレスモールド12′の回動方向は、装置1を平面図で見た場合、時計回りである。しかしながら、図示の第3の状態では、第1のプレスモールド11′は、プリフォーム投入領域内に配置され、ここで、第1のプレスモールド11′は、先に形成されたガラスプリフォーム3をブロー成形機械の作業台5上にまさに載せようとしている。他方、図示の第3の状態では、第1のプランジャ11は、液滴出口7の下のゴブ受け取り領域内に配置され、この第1のプランジャは、シャー15によって液体溶融ガラス39から切断された新たなゴブをまさに受け取ろうとしている。矢印で示されているように、プランジャ11をリニアアクチュエータ17によって垂直方向に動かすことができ、それによりプランジャ11内におけるゴブのピックアップ位置に影響を及ぼすことができるようになっている。図4に示された第3の状態は、図2に示された第1の状態と図3に示された第2の状態との間の状態にほぼ対応しており、違いは、第1のプランジャ11及び第2のプランジャ12の位置及び運動方向並びに第1のプレスモールド11′及び第2のプレスモールド12′の位置及び運動方向が互いに入れ替わっていることにある。
【0047】
良好な理解を得るため、図5は、装置1の動作シーケンスをこの場合も又平面図で示している。図5(a)〜図5(d)は、装置の動作シーケンス中におけるプランジャ11,12及びプレスモールド11′,12′の4つの連続した状態(a)〜(d)を示している。
【0048】
図5(a)に示された状態(a)では、第1のプランジャ11は、液滴出口7の下のゴブ受け取り領域内に配置されている。状態(a)では、第1のプランジャ11は、ゴブ37を既に受け取っており、この第1のプランジャは、ゴブ受け取り領域から遠ざかって第1のゴブ37と共に第1のプリフォームプレス成形領域に近づこうとしているところである。状態(a)では、第1のプレスモールド11′は、第1のプランジャ11に向かって第1のプリフォームプレス成形領域の方向に動く。他方、状態(a)では、第2のプレスモールド12′は、第2のプランジャ12と協働して形成されたガラスプリフォーム3を既に受け取り、この第2のプレスモールドは、プリフォーム投入領域に向かって動いている。しかしながら、第2のプランジャ12は、ゴブ受け取り領域に向かって戻っている。より分かりやすくするために、作業台5は、図5(a)では、プリフォーム投入領域に位置した状態で示されている。しかしながら、実際には、回転作業台5は、状態(a)ではプリフォーム投入領域に配置される必要はない。図5(a)〜図5(d)では、ゴブ受け取り領域は、常時、「12時の位置」のところに位置し、プリフォーム投入領域は、常時、「6時の位置」に位置している。ゴブ受け取り領域及びプリフォーム投入領域は、必ずしも、180°のオフセットを持って配置される必要はない。図5(b)〜図5(d)では、液滴出口7及び作業台5は、分かりやすくするためにそれ以上については図示されていない。
【0049】
図5(b)に示された状態(b)では、第1のプランジャ11と第1のプレスモールド11′は、互いに対して位置合わせされ又は互いに上下に配置され、これらは、垂直方向における相互運動によってガラスプリフォームを形成するようゴブ37をまさに再付形しようとしている。この場合、第1のプランジャ11と第1のプレスモールド11′は、水平方向に更に動いて互いに位置合わせされる。この状態では、第1のプランジャと第1のプレスモールドの両方は、第1のプリフォームプレス成形領域内に配置される。他方、状態(b)では、第2のプランジャ12は、ゴブ受け取り位置に配置され、この第2のプランジャは、新たなゴブ37をまさに受け取ろうとしている。しかしながら、第2のプレスモールド12′は、プリフォーム投入領域内に配置され、この第2のプレスモールドは、ガラスプリフォーム3をブロー成形機械中にまさに投入しようとしている。
【0050】
図5(c)に示された状態(c)では、第1のプランジャ11及び第1のプレスモールド11′は、ゴブを再付形してガラスプリフォーム3の状態にしてある。第1のプレスモールド11′は、完成したガラスプリフォーム3をまさに受け取ると共にプリフォーム投入領域に向かって動こうとしており、他方、第1のプランジャ11は、ガラスプリフォーム3なしでゴブ受け取り領域に向かってまさに戻ろうとしている。状態(c)では、第1のプランジャ及び第1のプレスモールド11′は、プリフォームプレス成形領域の端位置に配置されている。他方、状態(c)では、ガラスプリフォームを先にブロー成形機械中に投入した第2のプレスモールド12′は、第2のプリフォームプレス成形領域に向かって戻り、新たなゴブ37を先に受け取った第2のプランジャ12も又、第2のプリフォームプレス成形領域に向かって逆の回動方向に動く。
【0051】
図5(d)に示された状態(d)では、第1のプランジャ11は、ゴブ受け取り位置に配置され、この第1のプランジャは、新たなゴブ37をまさに受け取ろうとしている。しかしながら、第1のプレスモールド11′は、プリフォーム投入領域内に配置され、この第1のプレスモールドは、ガラスプリフォーム3をブロー成形機械中にまさに投入しようとしている。他方、第2のプランジャ12と第2のプレスモールド12′は、互いに対して位置合わせされ又は互いに上下に配置されて垂直方向における相互運動によってガラスプリフォームを形成するようゴブ37をまさに再付形しようとしている。この場合、第2のプランジャ12と第2のプレスモールド12′は、水平方向に更に動いて互いに対して位置合わせされる。この状態では、第2のプランジャと第2のプレスモールドの両方は、第2のプリフォームプレス成形領域内に配置される。
【0052】
状態(d)は、状態(b)に対応しており、違いは、第1のプランジャ11及び第2のプランジャ12の位置及び運動方向並びに第1のプレスモールド11′及び第2のプレスモールド12′の位置及び運動方向が入れ替わっていることにある。このように、装置の運動シーケンスは、ガラスプリフォームの連続プレス成形及び投入を可能にする。
【0053】
図6は、左上のところの装置1の縮小表示に示されているように断面線A‐Aに沿って取った装置1の取り付け手段及び駆動手段の断面図である。プランジャ11,12及びプレスモールド11′,12′のピボットシャフト23は、互いに嵌め込まれた中空シャフト23として設計されている。ピボットシャフト23は、上端部のところがそれぞれ対応のプランジャ11,12及びプレスモールド11′,12′のピボットアーム21に連結されている。好ましくは、垂直方向に見て最も低いところに配置されたプランジャ11,12又はプレスモールド11′,12′は、ピボットシャフト23の最も外側のシャフト(半径方向で見て)に連結され、垂直方向に見て第2の最も低いところに配置されたプランジャ11,12又はプレスモールド11′,12′は、ピボットシャフト23の第2の最も外側のシャフト(半径方向に見て)に連結され、垂直方向に見て第3の最も低いところに配置されたプランジャ11,12又はプレスモールド11′,12′は、ピボットシャフト23の第3の最も外側のシャフト(半径方向に見て)に連結され、垂直方向に見て最も高いところに配置されたプランジャ11,12又はプレスモールド11′,12′は、ピボットシャフト23の最も内側のシャフト(半径方向に見て)に連結されている。例えば、最も外側のピボットシャフト23は、第1のプランジャ11に連結され、第2の最も外側のピボットシャフト23は、第2のプランジャ12に連結され、第3の最も外側のピボットシャフト23は、第1のプレスモールド11′に連結され、最も内側のピボットシャフト23は、第2のプレスモールド12′に連結されている。最も外側のピボットシャフト23は、転がり軸受41によって装置1のベース27の中空円筒形ガイド25内に支持されている。同様に、第2の最も外側のピボットシャフト23は、別の転がり軸受41によって最も外側のピボットシャフト23内に支持され、第3の最も外側のピボットシャフト23は、別の転がり軸受41によって第2の最も外側のピボットシャフト23内に支持され、最も内側のピボットシャフト23は、別の転がり軸受41によって第3の最も外側のピボットシャフト23内に支持されている。ピボットシャフト23のそれぞれの下端部のところに歯車35が配置されている。4つの歯車35は、同一サイズのものであり、互いに上下に同心状に配置されている。歯車35は、端キャップと同様、回転しないよう固定された仕方でそれぞれ対応のピボットシャフト23の下端部のところに適切に連結されるのが良い。端キャップ状歯車35、特に最も外側、第2の最も外側、及び第3の最も外側のピボットシャフト23の歯車は、各々、転がり軸受41のうちの1つを受け入れるよう形成されるのが良い。歯車35は各々、歯付きベルトによって4つの駆動モータ29の駆動歯車33の各々にそれぞれ連結されている。駆動歯車33の各々が回転しないよう固定された仕方で設けられている駆動モータ29のそれぞれの駆動シャフト31を駆動することにより、それぞれ対応のピボットシャフト23を回転させることができ、かくしてそれぞれ対応のプランジャ11,12及びプレスモールド11′,12′を回動させることができる。
【0054】
図7は、別の実施形態としての装置1の斜視図である。この実施形態としての装置1は、プランジャ11,12及びプレスモールド11′,12′の駆動装置の構成の点で上述の実施形態とは異なっている。図7に示されている実施形態では、プランジャ11,12及びプレスモールド11′,12′、具体的には、これらのピボットアーム21は各々、モータ43、具体的にはトルクモータ43の出力シャフトに直接連結されている。モータ43は、共通取り付けシャフト45に取り付けられ、その長手方向軸線は、プランジャ11,12及びプレスモールド11′,12′の回転軸線に一致している。取り付けシャフト45は、好ましくは、装置1のベースに連結されている。第1のプレスモールド11′及び第2のプレスモールド12′のモータ43の出力側は、互いに向かって差し向けられ、この場合、この配置状態をオーバーヘッド配置状態という場合がある。この配置状態により、第1のプレスモールド11′及び第2のプレスモールド12′の最小限の高さのオフセットの実現が可能である。同様に、第1のプランジャ11及び第2のプランジャ12のモータ43は、オーバーヘッド配置状態に配置されている。
【符号の説明】
【0055】
1 装置
2 ガラスプリフォーム又はパリソン
5 作業台
7 液滴出口
9 溶融タンク
11 第1のプランジャ
11′ 第1のプレスモールド
12 第2のプランジャ
12′ 第2のプレスモールド
15 シャー
17 リニアアクチュエータ(第1のプランジャ)
19 リニアアクチュエータ(第2のプランジャ)
21 ピボットアーム
23 ピボットシャフト,中空シャフト
25 中空円筒形ガイド
27 ベース又は台座
29 駆動モータ
31 駆動シャフト
33 駆動歯車
35 歯車
37 ゴブ
39 溶融ガラス
41 転がり軸受
43 モータ
45 取り付けシャフト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7