(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] アナログ・デバイスなどの追加のタイプの集積回路は、製造上の課題をもたらす。低雑音増幅器などの多くのアナログ・デバイスは、デジタル論理で使用されるFETデバイスよりも厳しい雑音耐性を有する。デジタル信号及びアナログ信号が統合された混合信号エレクトロニクスは、音楽プレーヤ、カメラ、及び携帯電話で見ることができる。メモリ・セルの場合と同様に、これらのアナログ・デバイスは、異なる製作パラメータによって製作上の課題がもたらされる。したがって、コスト、性能、信頼性、又は製造可能性の改善を容易にするために、同じ基板上に電界効果トランジスタ及び他のデバイスを集積するためのデバイス及び方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 本明細書又はその他で識別される問題のうちの少なくとも1つをなくすか又は軽減すること、或いは、既存の装置又は方法に対する代替を提供することが望ましい。本明細書で説明する実施形態は、コンピュータ・メモリ又は他の集積回路内に高電圧ゲートを形成するための方法、システム、及びデバイスを含む。
【0006】
[0006] 特に、トランジスタをエッチングするためにフォトレジスト・マスクが使用され、エッチングされるトランジスタに注入が隣接するように、フォトレジスト・マスクに合わせて高エネルギー注入が実行される間、他のデバイス及びポリを保護するために、マスクが適所に残される(すなわち再使用される)方法を説明する。高エネルギー注入の一例は、低濃度ドープのソース及びドレイン領域を形成することである。一導電型の低濃度ドープのソース及びドレイン領域を作成した後、続いてこの技法を再度使用し、相補導電型の低濃度ドープのソース及びドレイン領域を作成するために、フォトレジスト・マスクを再使用するこの技法を採用することができる。これにより、製造中に少なくとも1つのハード・マスクの使用を避けることができる。
【0007】
[0007] 実施形態において、第1基板領域及び第2基板領域を含む半導体デバイスを作成する方法。第1及び第2基板領域上にゲート層が配設される。ゲート層から第1基板領域内に第1ゲートが形成される。ゲート層から第2基板領域内に第2ゲートが形成される。第2ゲートに実質上隣接して、第1低濃度ドープのソース及びドレイン領域が形成される。ゲート層から第2基板領域内に第3ゲートが形成される。第3ゲートに実質上隣接して、第2低濃度ドープのソース及びドレイン領域が形成される。この方法において、第2低濃度ドープのソース及びドレイン領域は、第1低濃度ドープのソース及びドレイン領域に対する相補導電型である。加えて、第3ゲートは、第1ソース及びドレイン領域が形成された後に形成される。
【0008】
[0008] 実施形態において、半導体デバイスは第1基板領域及び第2基板領域を含む。第1基板領域内に第1ゲートが存在する。第2基板領域内に第2ゲートが存在する。第2基板領域内に第3ゲートが存在する。第2ゲートに実質上隣接して、第1低濃度ドープのソース及びドレイン領域が存在する。第3ゲートに実質上隣接して、第2低濃度ドープのソース及びドレイン領域が存在する。本実施形態において、第2低濃度ドープのソース及びドレイン領域は、第1低濃度ドープのソース及びドレイン領域に対する相補導電型である。第2ゲート及び第3ゲートは、第1ゲートが耐えるように構成されるよりも多くの、同量の電圧に耐えるように構成される。加えて、第1低濃度ドープのドレイン領域は第3ゲートよりも古い(すなわち第3ゲートよりも前に形成されている)。
【0009】
[0009] 実施形態において、第1基板領域及び第2基板領域を含む半導体デバイスを作成する方法。第1及び第2基板領域上にポリ薄層が配設される。ポリ薄層から第1基板領域内に第1ゲートが形成される。第1基板領域及び第2基板領域の両方にまたがって、ポリ薄層上に第1フォトレジスト・マスクが配設される。第1フォトレジスト・マスクを介して第2基板領域内に第2ゲートがエッチングされる。フォトレジスト・マスクが第1及び第2の両方の基板領域内のポリを保護する間、第1フォトレジスト・マスクを介して第1高エネルギー注入が実行される。第1フォトレジスト・マスクが除去される。第1基板領域及び第2基板領域の両方にまたがって、ポリ薄層上に第2フォトレジスト・マスクが配設される。第2フォトレジスト・マスクを介して第2基板領域内に第3ゲートがエッチングされる。フォトレジスト・マスクが第1及び第2の両方の基板領域内のポリを保護する間、第2フォトレジスト・マスクを介して第2高エネルギー注入が実行される。第2フォトレジスト・マスクが除去される。この方法に従って、ハード・マスクを必要とせずに、相補導電型の低濃度ドープのソース及びドレイン領域を形成することができる。
【0010】
[0010] これら及び他の利点及び特徴は、本発明の実施形態の以下の詳細な説明に鑑みて容易に明らかとなろう。概要及び要約の項は、発明者等によって企図された本発明の例示の実施形態の、すべてではなく1つ又は複数を記載し得ることに留意されたい。概要及び要約の項ではなく詳細な説明の項は、特許請求の範囲を解釈するために用いられるように意図されることを理解されよう。
【0011】
[0011] 本明細書に組み込まれその一部を形成する添付の図面は、説明と共に本発明を例示しており、更に本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成及び使用できるようにするのに役立つ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0016] 本発明の特徴及び利点は、全体を通じて同じ参照文字が対応する要素を識別する図面と併せて以下に示された詳細な説明から、より明らかとなろう。図面では、同じ参照番号は一般に同一の、機能的に同様の、及び/又は構造的に同様の、要素を示す。要素が最初に出現する図面は、対応する参照番号の左端の数字によって示される。
【0014】
[0017] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ又は複数の実施形態を開示している。開示された実施形態は、本発明を単に例示するものである。本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。本発明は本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義される。
【0015】
[0018] 説明される実施形態、及び本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示の実施形態」などの言及は、説明される実施形態が特定の機能、構造、又は特徴を含み得るが、あらゆる実施形態が必ずしも特定の機能、構造、又は特徴を含むとは限らない。更にこうした語句は、必ずしも同じ実施形態に言及しているとは限らない。更に、特定の機能、構造、又は特徴が実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されているか否かにかかわらず、こうした機能、構造、又は特徴を他の実施形態に関連して実行することが当業者の知識の範囲内であることを理解されよう。
【0016】
[0019] 様々な実施形態をより詳細に説明する前に、説明全体を通じて使用可能なある用語に関して更に説明を与えるものとする。
【0017】
[0020] 「エッチ」又は「エッチング」という用語は、本明細書では、エッチが完了した後に材料の少なくとも一部が残るように、材料をパターニングする製作プロセスを一般的に説明するために使用される。例えば、シリコンをエッチングするプロセスは、シリコンの上のマスキング層(例えばフォトレジスト又はハード・マスク)をパターニングし、次いで、もはやマスキング層によって保護されていないシリコンの区域を除去するステップを含むことを理解されたい。したがって、マスクによって保護されているシリコンの区域は、エッチ・プロセスが完了した後も残ることになる。しかしながら他の例では、エッチングは、マスクは使用しないが、エッチ・プロセスが完了した後に材料の少なくとも一部が依然として残るプロセスを言い表す場合もある。
【0018】
[0021] 上記の説明は、「エッチング」と「除去」という用語を区別するのに役立つ。材料をエッチングする場合、プロセスが完了した後に材料の少なくとも一部が残る。しかしながら「除去」は、エッチングを組み込んでいる可能性のある広義な用語とみなされる。
【0019】
[0022] 本明細書における説明では、電界効果デバイスがその上に製作される基板の様々な領域に言及している。これらの領域が基板上のいずれにも存在し得ること、更に、領域が相互に排他的でない可能性があることを理解されたい。すなわちいくつかの実施形態では、1つ又は複数の領域の一部は重複する可能性がある。本明細書では、3つまでの異なる領域を説明しているが、基板上には任意数の領域が存在可能であること、及びあるタイプのデバイス又は材料を有する区域が指定可能であることを理解されたい。一般に、領域は、同様のデバイスを含む基板の区域を便宜的に説明するために使用され、説明する実施形態の範囲又は趣旨を限定するものではない。
【0020】
[0023] 「堆積」又は「配設」という用語は、本明細書では材料の層を基板に印加する動作を記述するために使用される。こうした用語は、熱、成長、スパッタリング、蒸発、化学蒸着、エピタキシャル成長、電気めっきなどを含むが、これらに限定されない、任意の可能な層形成技法を記述することを意図する。
【0021】
[0024] 本説明全体を通じて使用される「基板」という用語は、最も一般的にはシリコンであると考えられる。しかしながら基板は、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウムなどの、多彩な半導体材料のうちのいずれかとすることもできる。他の実施形態において、基板はガラス又はサファイア・ウェーハなどの非導電性とすることができる。
【0022】
[0025] 本説明全体を通じて使用される「ポリ」という用語は、最も一般的には多結晶シリコンであると考えられる。ポリは、単一の単結晶とは対照的に複数の小結晶を含む。ポリはドープ可能であるか、又はその上に金属又は金属シリサイドを堆積させることができる。
【0023】
[0026] 本明細書において、「ポリ」はゲート導体の一例として使用される。ゲートを形成するためには、当業者であれば明らかであるように、例えば金属、合金、他のドープ半導体、又は導電材料などの、他の導体が使用可能である。実施形態の説明での「ポリ」の使用は、限定的なものではない。
【0024】
[0027] 不揮発性メモリ・セルは、ストレージ層内に電荷を配置するために例えばホット・キャリア注入を使用してプログラミングされる。プログラミング・プロセスを容易にするために高いドレイン電圧及びゲート電圧が使用され、メモリ・セルはプログラミング中に比較的高い電流を導通するため、低電圧又は低電力の適用例では望ましくない場合がある。
【0025】
[0028] スプリット・ゲート・メモリ・セルは、選択ゲートがメモリ・ゲートの近隣に配置されるタイプの不揮発性メモリ・セルである。スプリット・ゲート・メモリ・セルのプログラミング中、選択ゲートは比較的低電圧でバイアスされ、ホット・キャリア注入に必要な垂直電界を提供するためにメモリ・ゲートのみが高電圧でバイアスされる。キャリアの加速は、ほとんどが選択ゲートの下のチャネル領域内で生じるため、選択ゲートの比較的低い電圧は結果として、従来のフラッシュ・メモリ・セルに比べてより効率的な水平方向のキャリア加速を生じさせる。これにより、プログラミング動作中、より低い電流及びより低い電力消費で、ホット・キャリア注入がより効率的になる。スプリット・ゲート・メモリ・セルは、ホット・キャリア注入以外の技法を使用してプログラミング可能であり、技法に応じて、プログラミング動作中、従来のフラッシュ・メモリ・セルに勝る利点は変わる場合がある。
【0026】
[0029] 高速読み取り時間は、スプリット・ゲート・メモリ・セルの別の利点である。選択ゲートはメモリ・ゲートと直列であるため、メモリ・ゲートの消去状態はデプレッション・モードに近いか又はデプレッション・モードである(すなわち、ゼロ・ボルト未満のしきい値電圧Vt)。消去されたメモリ・ゲートがこうしたデプレッション・モードの場合、オフ状態の選択ゲートはチャネルがかなりの電流を導通するのを防ぐ。しきい値電圧がゼロに近いか又はゼロより低い消去状態である場合、消去状態とプログラム済み状態との間に妥当な読み取りマージンを依然として提供しながら、プログラム済み状態のしきい値電圧が非常に高い必要はない。したがって、読み取り動作時に選択ゲートとメモリ・ゲートの両方に印加される電圧は、供給電圧よりも低いか又は等しいとすることができる。したがって、供給電圧を高レベルに押し上げる必要がないため、読み取り動作がより速くなる。
【0027】
[0030]
図1は、実施形態に従ったスプリット・ゲート不揮発性メモリ・セル100の例を示す。メモリ・セル100は、シリコンなどの基板102上に形成される。基板102は一般にp型又はp型ウェルであり、第1のドープされたソース/ドレイン領域104及び第2のドープされたソース/ドレイン領域106はn型である。しかしながら、基板102がn型であり、領域104及び106がp型であることも可能である。
【0028】
[0031] メモリ・セル100は、選択ゲート108及びメモリ・ゲート110という2つのゲートを含む。各ゲートは、良く知られた、例えばゲート構造を定義するために堆積及びエッチ技法によって形成される、ドープされたポリ層とすることができる。選択ゲート108は、誘電体層112の上に配設される。メモリ・ゲート110は、1つ又は複数の誘電体層を有する電荷トラップ誘電体114の上に配設される。一例において、電荷トラップ誘電体114は、3層スタックを集合的に作成するために、2つのシリコン二酸化物層の間に挟まれたシリコン窒化物層を含み、一般に「ONO」と呼ばれる。他の電荷トラップ誘電体は、シリコンに富んだ窒化膜、又は、様々な化学量論におけるシリコン、酸素、及び窒素を含むがこれらに限定されない、任意の膜を含むことができる。選択ゲート108とメモリ・ゲート110との間に、2つのゲート間の電気的分離のために垂直誘電体116も配設される。いくつかの例では、垂直誘電体116及び電荷トラップ誘電体114は同じ誘電体であり、他の例では、一方の誘電体を他方の前に形成する(例えば、それらは異なる誘電体特性を有することができる)。したがって、垂直誘電体116は、電荷トラップ誘電体114と同じ膜構造を含む必要はない。ゲートが定義された後、領域104及び106は、例えばイオン注入技法を使用してドーパントを注入することによって作成される。領域104及び106は、各々に何の電位が印加されるかに応じて、スプリット・ゲート・トランジスタのソース又はドレインを形成する。スプリット・ゲート・トランジスタでは、相対的なバイアスとは無関係に、便宜上、領域104は一般にドレインと呼ばれ、領域106は一般にソースと呼ばれる。この説明は、一般的なスプリット・ゲート・アーキテクチャの全般的な概要を提供することを意味し、実際には、最終的なメモリ・セル100を形成するために多くのより詳細なステップ及び層が提供されることを理解されよう。
【0029】
[0032] 次に、メモリ・セル100に関係する例示の書き込み、読み取り、及び消去の動作について説明する。メモリ・セル100にビットを書き込むために、例えば約5ボルトの正電圧が領域106に印加される一方、領域104及び基板102は接地される。例えば約1.5ボルトの低い正電圧が選択ゲート108に印加される一方、例えば約8ボルトのより高い正電圧がメモリ・ゲート110に印加される。ソースとドレインの間のチャネル領域内で電子が加速されると、そのうちのいくつかは上方に注入されるのに十分なエネルギーを獲得し、電荷トラップ誘電体114内部にトラップされることになる。これは、高温電子注入と呼ばれる。電荷トラップ誘電体114の一例では、電子は電荷トラップ誘電体114の窒化層内でトラップされる。この窒化層は、一般に電荷トラップ層とも呼ばれる。電荷トラップ誘電体114内でトラップされた電荷は、様々な供給電圧が除去された後であっても、メモリ・セル100内に「高」ビットを蓄える。
【0030】
[0033] メモリ・セル100内に蓄えられた電荷を「消去」して、メモリ・セル100の状態を「低」ビットに戻すために、例えば約5ボルトの正電圧が領域106に印加される一方、領域104は浮動されるか又はあるバイアスにあり、選択ゲート108及び基板102は典型的には接地される。例えば約−8ボルトの高い負電圧がメモリ・ゲート110に印加される。メモリ・ゲート110と領域106との間のバイアス条件は、帯域間トンネリングを介してホールを生成する。生成されたホールには、メモリ・ゲート110の下の強い電界によって十分にエネルギーが与えられ、電荷トラップ誘電体114内へ上方に注入される。注入されたホールは、メモリ・セル100を「低」ビット状態に効果的に消去する。
【0031】
[0034] メモリ・セル100の蓄積ビットを「読み取る」ために、選択ゲート、メモリ・ゲート、及び領域104の各々に、例えばゼロから3ボルトの間の低電圧が印加される一方で、領域106及び基板102は典型的には接地される。メモリ・ゲートに印加される低電圧は、「高」ビットを蓄える時にトランジスタをオンにするために必要なしきい値電圧と、「低」ビットを蓄える時にトランジスタをオンにするために必要なしきい値電圧との間で、この2つの状態を明確に区別するために、両方のしきい値電圧のほぼ中間にあるように選択される。例えば、「読み取り」動作中、低電圧の印加によって領域104と106との間にかなりの電流が流された場合、メモリ・セルは「低」ビットを保持し、「読み取り」動作中、低電圧の印加によって領域104と106との間にそれほどの電流が流されない場合、メモリ・セルは「高」ビットを保持する。
【0032】
[0035]
図2は、半導体デバイス内の様々な金属層への接続を含むメモリ・セル100の例示の回路図を示す。単一のメモリ・セル100のみが示されているが、X及びYの両方向の省略記号によって裏付けられるように、メモリ・セルのアレイはX及びYの両方向に走る様々なラインによって接続することができる。この場合、使用されるビット・ライン(BL)及びソース・ライン(SL)に基づき、ビットの読み取り、書き込み、及び消去用に1つ又は複数のメモリ・セル100を選択することができる。
【0033】
[0036] 例示のソース・ライン(SL)はX方向に走り、第1の金属層(M1)内に形成される。ソース・ライン(SL)は、X方向に延在する行に沿って各メモリ・セル100のドープ領域106と電気的に接続するために使用することができる。
【0034】
[0037] 例示のビット・ライン(BL)はY方向に走り、第2の金属層(M2)内に形成される。ビット・ライン(BL)は、Y方向に延在する列に沿って各メモリ・セル100のドープ領域104と電気的に接続するために使用することができる。
【0035】
[0038]
図2に示される回路接続は単なる例示であり、図示された以外の異なる金属層内で様々な接続が可能であることを理解されよう。更に、図示されていないが、メモリ・セル100は複数のスタック層内に形成されるZ方向にも配列可能である。
【0036】
[0039]
図3は、同じ基板内にメモリ及び周辺回路の両方を含む例示の半導体デバイスを示す。この例では、基板102はコア領域302及び周辺領域304を含む。コア領域302は、前述と同様に動作可能な複数のメモリ・セル100を含む。
図3の断面図は単なる例示であり、コア領域302及び周辺領域304は基板102のいずれの区域にも配置可能であって、様々な異なる領域で構成可能であることを理解されたい。更に、コア領域302及び周辺領域304は、基板102の同じ一般区域内に存在可能である。
【0037】
[0040] 周辺領域304は、レジスタ、キャパシタ、インダクタなど、並びにトランジスタなどの、集積回路構成要素を含むことができる。例示の実施形態では、周辺領域304は複数の高電圧トランジスタ306及び低電圧トランジスタ308を含む。一例では、高電圧トランジスタ306は、低電圧トランジスタ308とは別の基板102の領域内に存在する。高電圧トランジスタ306は、例えば25ボルトまでの電圧を処理することが可能であり、低電圧トランジスタ308はより高速で動作するが、高電圧トランジスタ306ほどの高電圧では動作不可能である。実施形態において、低電圧トランジスタ308は高電圧トランジスタ306よりも短いゲート長さを有するように設計される。高電圧トランジスタ306は一般に、低電圧トランジスタ308のゲート誘電体よりも厚いゲート誘電体310を有するものと特徴付けられる。
【0038】
[0041] 電荷トラップ・メモリを用いる場合、薄層が性能を向上させることから、ポリ薄層から低電圧トランジスタ308及びメモリ・セル100を製造することが望ましい。しかしながら、半導体デバイスの製造が、一般に層の配設を含む一連のステップを生じさせることを考えると、低電圧トランジスタ308とは異なるポリ層から高電圧トランジスタ306を製造し、高電圧トランジスタ306に低電圧トランジスタ308と同じ厚みを有するよう強いることは非現実的であろう。薄さが低電圧トランジスタ308の性能を向上させる場合、薄さによってトランジスタ306及び308は依然として注入浸透の影響を受けやすいままである可能性がある。特に高電圧トランジスタ306は、低濃度ドープのドレイン及びソースを形成するために高エネルギー注入を受け取る。高エネルギー注入は、注入の種類に応じて、しばしば80,000電子ボルト以上で実行される。高電圧トランジスタ306内で低濃度ドープのドレインを形成するための高エネルギー注入は、薄いポリの厚み全体に浸透し、ポリ・ゲートの下のトランジスタ・チャネル領域のドーピング・プロファイルに悪影響を及ぼす可能性がある。ポリ薄層の厚みは40ナノメートル(nm)から100nmであり得、好ましくは80nmである。薄いポリを保護するための一手法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれた、「High Voltage Gate Formation」という名称の同時係属出願第13/715739号に記載されている。
【0039】
[0042] しかしながら、同時係属出願の手法は、高エネルギー注入に対して保護するためにハード・マスクを使用する。同時係属出願の手法は、高電圧トランジスタ306を作成するために3つのブランケット・レジスト・プロセスも使用した(すなわち、低電圧トランジスタ308をエッチングするためのブランケット・レジストは4番目のブランケット・レジストとなる)。ハード・マスク又はブランケット・レジストのうちの1つを回避することができれば、大幅なコスト節約になり得る。ハード・マスクを有さないもう1つの製造利点は、ポリがより薄くなるにつれて、適切なハード・マスク手法を高度な論理プロセス・フローに適合させることがより困難になることである。
【0040】
[0043]
図4A〜4Jは、本発明の実施形態に従った半導体デバイス400を形成するための例示の製作プロセスを集合的に示している。本開示が与えられた当業者であれば理解されるように、様々な層及び構造は必ずしも一定の縮尺で描かれていないこと、及び、本明細書で図示及び説明されるステップ間で他の処理ステップが実行可能であることを理解されたい。
【0041】
[0044] 通常の当業者であれば明らかであるように、
図4Aのステップに先立ち、層の配設、マスキング、ストリッピングなどの、基板402上に構造を作成するための多くのステップが必要である。
【0042】
[0045]
図4Aは、シリコンなどを含む基板402とその内部に形成された浅いトレンチ分離404とを示している。ポリ層408が基板402上に形成される。ポリ層408はゲート層の例である。フォトレジスト・マスク406の2つのインスタンスが、ポリ層408上にパターニングされる。フォトレジストを形成するための方法の1つは、ブランケット・レジスト上でスピンし、フォトマスクを使用してブランケット・レジストのあるセクションを紫外線に露光した後、ブランケット・レジストに現像液を塗布することである。
【0043】
[0046] 別の実施形態において、ゲート層は金属層を含むことができる。金属層を採用する実施形態では、金属層を配設する前にポリ層を配設することができる。このポリ層は、その後のステップで金属ゲートによって置き換えられる犠牲ゲートとして働くことができる。金属ゲートを作成するための一手法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれた、「Memory System with Poly Metal Gate」という名称の同時係属出願第11/735241号に記載されている。
【0044】
[0047]
図4Bによって示されるように、例えば、フォトレジスト・マスク406によって保護されていないポリ層408の部分を除去するためにエッチングが使用される。エッチングは、ソース、ドレイン、及び書き込みを用いて低電圧トランジスタ410として働くことが可能なポリのセクションを画定する。次いで、フォトレジスト406がストリップされる。
【0045】
[0048] 別の実施形態において、低電圧トランジスタ410が代わりにメモリ・セルとして働くことができる。低電圧トランジスタ410の代わりにメモリ・セルを作成するためには、ポリ層408を配設する前に、基板402の領域上に誘電体を配設することが好ましい。低電圧トランジスタ410の下に誘電体が存在した場合、低電圧トランジスタ410は選択ゲートとして働くことができる。同時係属出願第13/715739号に記載されているように、ONOなどの電荷トラップ層を追加し、その後更にポリ層を追加して、メモリ・セルを完成するためのメモリ・ゲートを形成することができる。この手法は、メモリ基板領域として第1の基板領域を形成する例である。
【0046】
[0049] 別の実施形態において、同時係属出願第13/715739号に記載されているように、低電圧トランジスタ410と同じ基板402の領域内にメモリ・セルを形成することができる。この手法は、メモリ及び低電圧領域の組み合わせとして第1の基板領域を形成する例である。こうした第1の基板領域は、
図4Bに示された領域よりも大きいことが可能である。
【0047】
[0050]
図4Cによって示されるように、第2のフォトレジスト・マスク412が配設される。第2のフォトレジスト・マスク412を印加する1つの方法は、スピンコーティングである。
【0048】
[0051]
図4Dによって示されるように、例えば、フォトレジスト・マスク412によって保護されていないポリ層408の部分を除去するためにエッチングが使用される。エッチングは、ソース、ドレイン、及び書き込みを用いて高電圧トランジスタ414として働くことが可能なポリのセクションを画定する。
【0049】
[0052]
図4Eによって示されるように、低濃度ドープのソース及びドレイン領域416が高電圧トランジスタ414に隣接して注入される。低濃度ドープ領域416は、好ましくは高電圧トランジスタ414の縁部から、或いは高電圧トランジスタ414のわずかに下から形成され、浅いトレンチ分離404へと延在する。ソース及びドレイン領域416は、n型の低濃度ドープ・ドレイン領域(すなわちn
−導電型ドーパントを使用する)、又はp型の低濃度ドープ・ドレイン領域(すなわちp
−導電型ドーパントを使用する)とすることができる。ドープされた領域のソース又はドレインとしての状況は、部分的に、後に製造プロセスで一般的に形成される電気接続によって決定される。したがって、本出願ではソース領域とドレイン領域を区別しているが、この2つは交換可能とみなすことができる。
【0050】
[0053]
図4Fによって示されるように、フォトレジスト・マスク412がストリップされる。このステップでフォトレジスト・マスク412を除去することの一利点は、
図4Dでのエッチング用、並びに再度、
図4Eでの低濃度ドープのソース及びドレイン領域の注入用の両方に、フォトレジスト・マスク412を再使用できることである。
【0051】
[0054]
図4Gによって示されるように、第3のフォトレジスト・マスク418が配設される。
【0052】
[0055]
図4Hによって示されるように、例えば、フォトレジスト・マスク418によって保護されていないポリ層408の部分を除去するためにエッチングが使用される。エッチングは、ソース、ドレイン、及び書き込みを用いて第2の高電圧トランジスタ420として働くことが可能なポリのセクションを画定する。
【0053】
[0056]
図4Iによって示されるように、第2のセットの低濃度ドープのソース及びドレイン領域422が第2の高電圧トランジスタ420に隣接して注入される。第2のセットの低濃度ドープ領域422は、好ましくは第2の高電圧トランジスタ420の縁部から、或いは第2の高電圧トランジスタ420のわずかに下から形成され、浅いトレンチ分離404へと延在する。第2のセットの低濃度ドープ領域422は、第1のソース及びドレイン領域416に対する相補導電型であることが好ましい。例えば、第1のソース及びドレイン領域416がp型の低濃度ドープ領域(すなわちp
−導電型ドーパントを使用する)である場合、第2のセットの低濃度ドープ領域422はn型の低濃度ドープ領域(すなわちn
−導電型ドーパントを使用する)である。
【0054】
[0057]
図4Jによって示されるように、フォトレジスト・マスク418はストリップされる。第2のフォトレジスト・マスク412と同様に、第3のフォトレジスト・マスク418は、高電圧トランジスタ420のエッチング用、及び低濃度ドープのソース及びドレイン領域422の注入用に使用されてきている。
【0055】
[0058] 最も左の浅いトレンチ分離404Aの左側までの基板402の領域が、第1の基板領域の例である。この基板領域内の低電圧トランジスタ410が、第1のゲートの例である。ポリ層408がポリ薄層の例である。最も左の浅いトレンチ分離404Aの右側までの基板402の領域が、第2の基板領域の例である。第1の高電圧トランジスタ414が第2のゲートの例である。第1の高電圧トランジスタ414に隣接する低濃度ドープのソース及びドレイン領域416が、第2のゲートに実質的に隣接する第1のソース及びドレイン領域の例である。第2の高電圧トランジスタ420が、第2の基板領域内の第3のゲートの例である。第2の高電圧トランジスタ420に隣接する低濃度ドープのソース及びドレイン領域422が、第3のゲートに実質的に隣接する第2のソース及びドレイン領域の例である。
【0056】
[0059]
図4Jのステップに続き、従来の製造ステップが実行可能である。これらのステップは、高電圧トランジスタ414及び420並びに低電圧トランジスタ410のための、スペーサ、低エネルギーのソース及びドレイン注入を含むことができる。追加のステップは、シリサイド、金属間誘電体層、接点、金属などを含む。
【0057】
[0060]
図4Jは特定数のトランジスタ410、414、及び420が形成されることを示しているが、その他の恐らくはより多数のこれらのトランジスタが、このプロセスに従って形成可能である。更に、同時係属出願第13/715739号に記載されたプロセスのうちの1つに従って、メモリ・セルを形成することも可能である。
【0058】
[0061]
図4A〜4Jに示された方法の代替方法では、低電圧トランジスタ410が形成される前に高電圧トランジスタ414及び420を形成することができる。実際には、
図4A及び4Bのステップが方法の終わりに移動されることになる。
【0059】
[0062]
図4A〜4Jを参照しながら説明した技法は、アナログ半導体設計にも適用可能である。特に、高エネルギー注入から薄いポリを保護するためにフォトレジストを使用することは、演算増幅器などのアナログ回路と関係している可能性があり、高エネルギー注入を使用して増幅された電力量を導通することになるトランジスタを形成することが可能であるが、薄いポリは差動増幅器の応答時間を向上させることが望ましい場合がある。
【0060】
[0063] 以上、本発明の実施形態について、指定された機能の実装及びそれらの関係を示す機能構築ブロックの助けを借りて説明してきた。これらの機能構築ブロックの境界は、本明細書では説明の便宜上、任意に画定されている。指定された機能及びそれらの関係が適切に実行される限り、代替の境界が画定可能である。
【0061】
[0064] 特定の実施形態の前述の説明は、当業者の知識を適用することによって、他者が、本発明の一般概念から逸脱することなく、過度の実験なしに、こうした特定実施形態を容易に修正すること及び/又は様々な適用範囲に適合させることが可能であるように、本発明の一般的な性質を完全に明らかにするものである。したがって、こうした適合及び修正は、本明細書で提示される教示及び指導に基づき、開示された実施形態の等価物の意味及び領域内にあることが意図される。本明細書の用語又は表現が当業者によって教示及び指導に照らして解釈されるように、本明細書の表現及び用語は限定ではなく説明を目的とするものであることを理解されよう。
【0062】
[0065] 本発明の広がり及び範囲は、前述の例示の実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。