(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
酸が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ペルフルオロプロピオン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載のプロセス。
酸が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ペルフルオロプロピオン酸、ジクロロ酢酸、クロロ酢酸、酢酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩化亜鉛、臭化マグネシウム、マグネシウムトリフレート、銅トリフレート、スカンジウムトリフレート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項12または13に記載のプロセス。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の記載において、種々の実施形態の徹底的理解を提供するために、特定の具体的な詳細が説明される。しかしながら、当業者は、本発明がこれらの詳細なしでも実施され得ることを理解していると予想される。下の数件の実施形態の記載は、本開示が特許請求された対象の事物の具体例とみなされるものとするという認識をもって行われ、添付の特許請求の範囲を、例示された特定の実施形態に限定することは意図されない。この開示全体を通して使用される見出しは、便宜のために提供されたに過ぎず、特許請求の範囲を如何様にも限定すると解釈されるべきではない。任意の見出しの下に例示された実施形態は、任意の他の見出しの下に例示された実施形態と組み合わされてもよい。
【0024】
定義
文脈でそうではないことが要求されていない限り、本明細書および請求項を通して、「含む(comprise)」という語、および「含む(comprises)」および「含むこと」などのそれらの変形は、「を含むが限定されない」というオープンな包括的な意味に解釈されるべきである。
「C
u-v」または(C
u−C
v)などの接頭辞は、以下の基がuからvまでの炭素原子を有することを示す。例えば、「(C
1−C
6)アルキル」は、該アルキル基が1から6個の炭素原子を有することを示し、(C
6−C
10)アリール(C
1−C
6)アルキルは、その基のアリール部分が6から10個の炭素原子を有し、その基のアルキル部分が1から6個の炭素原子を有することを示す。
【0025】
この明細書を通して「一実施形態」または「1つの実施形態」という言及は、その実施形態と関連して記載される特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書を通して種々の場所において現れる「一実施形態において」または「ある1つの実施形態において」という語句は、同じ実施形態に関する全てとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態で任意の適切な様式で組み合わせることができる。
「アミノ」は、−NH
2ラジカルを指す。
「シアノ」は、−CNラジカルを指す。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OHラジカルを指す。
「イミノ」は=NH置換基を指す。
「ニトロ」は−N0
2ラジカルを指す。
「オキソ」は=O置換基を指す。
「チオキソ」は=S置換基を指す。
「BzOH」は、安息香酸または
【化14】
を指す。
【0026】
「アルキル」は、炭素と水素原子のみからなり、1から12個の炭素原子(C
1−C
12アルキル)、または1から8個の炭素原子(C
1−C
8アルキル)、または1から6個の炭素原子(C
1−C
6アルキル)、または1から4個の炭素原子(C
1−C
4アルキル)を有し、単結合により分子の残部に付いた直鎖または分岐の飽和炭化水素鎖ラジカルであり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、エテニル、プロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等を指す。本明細書で別段の指定がない限り、アルキル基は置換されていてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、「アルキル」は、炭素と水素原子のみからなり、1から12個の炭素原子(C
1−C
12アルキル)、または1から8個の炭素原子(C
1−C
8アルキル)、または1から6個の炭素原子(C
1−C
6アルキル)、または1から4個の炭素原子(C
1−C
4アルキル)を有し、単結合により分子の残部に付いた直鎖のまたは分岐した飽和炭化水素鎖ラジカル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル等を指す。別段の指定がない限り、本明細書では、アルキル基は置換されていてもよい。
【0028】
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖のまたは分岐した炭化水素から誘導される任意の基を指す。アルケニル基は、エテニル(ビニル)、プロペニル(アリル)、1−ブテニル、1,3−ブタジエニル等を含むが、これらに限定されない。別段の指定がない限り、アルケニル基は、2から約10個の炭素原子を有し、例えば2から10個の炭素原子、例えば2から6個の炭素原子、例えば2から4個の炭素原子を有する。
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖のまたは分岐した炭化水素ら誘導される任意の基を指し、1個の三重結合および1個の二重結合を有するこれらの基を含む。アルキニル基の例として、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CH
2C≡CH)、(E)−ペンタ−3−エン−1−イニル等が含まれるが、これらに限定されない。別段の指定がない限り、アルキニル基は、2から約10個の炭素原子、例えば2から10個の炭素原子、例えば2から6個の炭素原子、例えば2から4個の炭素原子を有する。
「アルコキシ」は、式−OR
Aのラジカルを指し、R
Aは、1から12個の炭素原子、または1から8個の炭素原子、または1から6個の炭素原子、または1から4個の炭素原子を含有する、上で定義されたアルキルラジカルである。本明細書では別段の指定がない限り、アルコキシ基は置換されていてもよい。
【0029】
「アルキルアミノ」は、式−NHR
Aまたは−NR
AR
Aのラジカルを指し、各R
Aは、独立に、1から12個の炭素原子、または1から8個の炭素原子、または1から6個の炭素原子、または1から4個の炭素原子を含有する、上で定義されたアルキルラジカルである。本明細書では別段の指定がない限り、アルキルアミノ基は置換されていてもよい。
「チオアルキル」は、式−SR
Aのラジカルを指し、R
Aは、1から12個の炭素原子、または1から8個の炭素原子、または1から6個の炭素原子、または1から4個の炭素原子を含有する、上で定義されたアルキルラジカルである。本明細書では別段の指定がない限り、チオアルキル基は置換されていてもよい。
「アリール」は、水素および6から18個の炭素原子、または6から10個の炭素原子または6から8個の炭素原子を含む単環式炭化水素環系ラジカルを指す。アリールラジカルは、ベンゼンから誘導されるアリールラジカルを含むが、これらに限定されない。本明細書では別段の指定がない限り、用語「アリール」または接頭辞「ar−」(例えば「アラルキル(aralkyl)」の場合)は、置換されていてもよいアリールラジカルを含むことが意図される。
【0030】
「アリールアルキル」は(「アラルキル」も)、式−R
B−R
Cのラジカルを指し、R
Bは、上で定義されたアルキル基であり、R
Cは、1個または複数の上で定義されたアリールラジカル、例えば、ベンジルである。アリールアルキル基は、ベンジル、トリル、ジメチルフェニル、2−フェニルエタン−1−イル、2−ナフチルメチル、フェニルメチルベンジル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル等から誘導されるこれらの基を含むが、これらに限定されない。アリールアルキル基は、6から約30個の炭素原子を含み、例えばその中のアルキル基は、1から約10個の炭素原子を含むことができ、およびアリール基は5から約20個の炭素原子を含むことができる。本明細書では別段の指定がない限り、アラルキル基は、置換されていてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、「アリールアルキル」は(「アラルキル」も)、式−R
B−R
Cのラジカルを指し、RR
Bは、上で定義されたアルキル基であり、R
Cは、1種または複数の上で定義されたアリールラジカル、例えば、ベンジルである。アリールアルキル基は、ベンジル、トリル、ジメチルフェニル、2−フェニルエタン−1−イル、2−ナフチルメチル、フェニルメチルベンジル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル等から誘導されるこれらの基を含むが、これらに限定されない。アリールアルキル基は、6から約30個の炭素原子を含み、例えばそのアルキル基は、1から約10個の炭素原子を含むことができ、そのアリール基は、6から約20個の炭素原子を含むことができる。本明細書では別段の指定がない限り、アラルキル基は、置換されていてもよい。
「シクロアルキル」は、環状アルキル基を指す。シクロアルキル基は、1個または複数のシクロ環を有することができて、融合されたおよび架橋された基も含む。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル等が含まれるが、これらに限定されない。本明細書では別段の指定がない限り、炭素環式基は置換されていてもよい。
【0032】
「炭素環式環」または「炭素環」は、炭素原子と水素原子のみからなり、3から15個の炭素原子、好ましくは3から10個の炭素原子を有し、飽和または不飽和のおよび単結合により分子の残部に付いた安定な非芳香族単環式炭化水素ラジカルを指す。単環式ラジカルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを含む。本明細書では別段の指定がない限り、炭素環式基は置換されていてもよい。
「シクロアルキルアルキル」は、式−R
BR
Dのラジカルを指し、R
Bは上で定義されたアルキル基であり、R
Dは、上で定義された炭素環式ラジカルである。本明細書では別段の指定がない限り、シクロアルキルアルキル基は、置換されていてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、「シクロアルキルアルキル」は、式−R
BR
Dのラジカルを指し、R
Bは、上で定義されたアルキル基であり、R
Dは上で定義された炭素環式ラジカルである。本明細書では別段の指定がない限り、シクロアルキルアルキル基は置換されていてもよい。
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを指す。
「ハロアルキル」は、上で定義されたアルキルラジカルを指し、それは、1種または複数の上で定義されたハロラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、1,2−ジブロモエチル等により置換されている。本明細書では別段の指定がない限り、ハロアルキル基は置換されていてもよい。
【0034】
「ヘテロシクリル」または「複素環式環」は、安定な3から18員の非芳香族環ラジカルを指し、それは、2から12個の炭素原子および窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される1から6個のヘテロ原子からなる。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルラジカルは、3から12員の非芳香族環、または3から8員の非芳香族環、または3から6員の非芳香族環である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルラジカルは、1から4個のヘテロ原子、または1から3個のヘテロ原子、または1から2個のヘテロ原子、または1個のヘテロ原子を含有する。本明細書で開示された実施形態において、ヘテロシクリルラジカルは単環式環系であり;ヘテロシクリルラジカルは、部分的にまたは完全に飽和していてもよい。そのようなヘテロシクリルラジカルの例として、ジオキソラニル、チエニル、[1,3]−ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、および1,1−ジオキソ−チオモルホリニルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書では別段の指定がない限り、ヘテロシクリル基は置換されていてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、「ヘテロシクリル」または「複素環式環」は、安定な4から18員の非芳香族環ラジカルを指し、それは、3から17個の炭素原子と窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される1から6個のヘテロ原子とからなる。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルラジカルは、4から12員の非芳香族環、または4から8員の非芳香族環、または4から6員の非芳香族環である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリルラジカルは、1から4個のヘテロ原子、または1から3個のヘテロ原子、または1から2個のヘテロ原子、または1個のヘテロ原子を含有する。本明細書では別段の指定がない限り、ヘテロシクリル基は置換されていてもよい。
【0036】
「N−ヘテロシクリル」は、少なくとも1個の窒素を含有する、上で定義されたヘテロシクリルラジカルを指し、ここで、ヘテロシクリルラジカルが分子の残部に結合する箇所には、ヘテロシクリルラジカル中の窒素原子がある。本明細書では別段の指定がない限り、N−ヘテロシクリル基は置換されていてもよい。
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−R
BR
Eのラジカルを指し、R
Bは、上で定義されたアルキル基であり、R
Eは、上で定義されたヘテロシクリルラジカルであり、ヘテロシクリルが窒素を含有するヘテロシクリルであれば、そのヘテロシクリルは、アルキルラジカルに窒素原子で結合することができる。本明細書では別段の指定がない限り、ヘテロシクリルアルキル基は置換されていてもよい。
【0037】
「ヘテロアリール」は、アリール基を指し、基中で1個または複数の炭素原子(および任意の関連する水素原子)が、窒素、酸素およびイオウから選択される同じであるかまたは異なったヘテロ原子により各々独立に置き換えられている。別段の指定がない限り、ヘテロアリール基は、5から約20個の炭素原子、例えば5から18個の炭素原子、例えば5から14個の炭素原子、例えば5から10個の炭素原子を有する。ヘテロアリール基は、1から6個のヘテロ原子、1から4個のヘテロ原子、1から3個のヘテロ原子、1から2個のヘテロ原子または1個のヘテロ原子を有する。本明細書では別段の指定がない限り、ヘテロアリール基は置換されていてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、「ヘテロアリール」は、1個または複数の炭素原子(および任意の関連する水素原子)が、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される同じであるかまたは異なったヘテロ原子により各々独立に置き換えられているアリール基を指す。ヘテロアリール基は、フラン、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール等ら誘導される基を含むが、これらに限定されない。別段の指定がない限り、ヘテロアリール基は、5から約20個の炭素原子、例えば5から18個の炭素原子、例えば5から14個の炭素原子、例えば5から10個の炭素原子を有する。ヘテロアリール基は、1から6個のヘテロ原子、1から4個のヘテロ原子、1から3個のヘテロ原子、1から2個のヘテロ原子または1個のヘテロ原子を有する。本明細書では別段の指定がない限り、ヘテロアリール基は置換されていてもよい。
【0039】
「N−ヘテロアリール」は、少なくとも1個の窒素を含有する上で定義されたヘテロアリールラジカルを指し、ここで、ヘテロアリールラジカルの分子の残部への結合点には、ヘテロアリールラジカル中の窒素原子がある。本明細書では別段の指定がない限り、N−ヘテロアリール基は置換されていてもよい。
【0040】
「ヘテロアリールアルキル」は、式−R
BR
Fのラジカルを指し、R
Bは、上で定義されたアルキル基であり、R
Fは上で定義されたヘテロアリールラジカルである。本明細書では別段の指定がない限り、ヘテロアリールアルキル基は置換されていてもよい。
【0041】
本明細書で使用される用語「置換されている」は、少なくとも1個の水素原子が:F、Cl、Br、およびIなどのハロゲン原子;ヒドロキシル基、アルコキシ基、およびエステル基などの基中の酸素原子;チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホキシド基などの基中のイオウ原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N−オキシド、イミド、およびエナミンなどの基中の窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、およびトリアリールシリル基などの基中のケイ素原子;および種々の他の基中の他のヘテロ原子などの、ただしこれらに限定されない非水素原子への結合により置き換えられている、任意の上の基(すなわち、アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、炭素環、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリールおよび/またはヘテロアリールアルキル)を意味する。「置換されている」は、1個または複数の水素原子が、例えば、オキソ、カルボニル、カルボキシル、およびエステル基中の酸素;およびイミン、オキシム、ヒドラゾン、およびニトリルなどの基中の窒素などのヘテロ原子への高次結合(例えば、二重−または三重結合)により置き換えられている任意の上の基も意味する。例えば、「置換されている」は、1個または複数の水素原子が、−NR
GR
H、−NR
GC(=O)R
H、−NR
GC(=O)NR
GR
H、−NR
GC(=O)OR
H、−NR
GC(=NR
g)NR
GR
H、−NR
GSO
2R
H、−OC(=O)NR
GR
H、−OR
G、−SR
G、−SOR
G、−SO
2R
G、−OSO
2R
G、−SO
2OR
G、=NSO
2R
G、および−SO
2NR
GR
Hで置き換えられた任意の上の基を含む。「置換されている」は、1個または複数の水素原子が、−C(=O)R
G、−C(=O)OR
G、−C(=O)NR
GR
H、−CH
2SO
2R
G、−CH
2SO
2NR
GR
Hで置き換えられている任意の上の基も意味する。前述の基では、R
GおよびR
Hは、同じであるかまたは異なり、独立に水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、炭素環、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリールおよび/またはヘテロアリールアルキルである。「置換されている」は、1個または複数の水素原子が、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、炭素環、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリールおよび/またはヘテロアリールアルキル基に対する結合により置き換えられている任意の上の基もさらに意味する。それに加えて、前述の置換基の各々は、1個または複数の上の置換基で置換されていてもよい。
【0042】
本明細書において使用される用語「アルキル化されたホルムアミドアセタール」は、式
【化15】
の化合物を指し、式中、各R
bは、独立に(C
1−C
4)アルキルであり、R
v1およびR
v2は、独立に(C
1−C
6)アルキルであるか、またはR
v1およびR
v2は、それらが結合している原子と一緒になって5から10員のヘテロシクリルを形成する。
【0043】
「アルキル化されたホルムアミドアセタール」は、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジメチルアセタール、およびN,N−ジイソプロピルホルムアミドジメチルアセタールを含むが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書において使用される用語「アシル供与体」は、基−CO−R
xを別の分子に移動させる反応性化合物を指し、ここで、R
xは、(C
1−C
6)アルキル−R
yであり、R
yは、H、CN、−NR
z1R
z2、C(O)R
z1、−C(O)OR
z1、−C(O)NR
z1R
z2、−OC(O)NR
z1R
z2、−NR
z1C(O)R
z2、−NR
z1C(O)NR
z2、−NR
z1C(O)OR
z2、−SR
z1、−S(O)
1-2R
z1、−S(O)
2NR
z1R
z2、−NR
z1S(O)
2R
z2、NR
z1S(O)
2R
z2、およびOR
z1からなる群から選択される。R
zlおよびR
z2は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-6ヘテロアルキル、C
3-10シクロアルキル、3から12員のヘテロシクリル、C
6-10アリールおよび5から10員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される。ある実施形態では、R
yはHである。ある実施形態では、R
zlおよびR
z2は、HおよびC
1-6アルキルからなる群から独立に選択される。アシル供与体は、酸無水物、エステルおよび酸塩化物、例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水酢酸、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、酢酸4−クロロフェニル、メトキシ酢酸エチル、塩化アセチルおよび塩化ベンゾイルなどを含むが、これらに限定されない。
【0045】
当業者は、本出願を通して、およびさらに特にスキームI、II、III、VおよびVIにおいて、化合物E−1は、EもしくはZ配置でまたはEおよびZ配置の混合物として存在していてもよいことを理解していると予想される。したがって、ある実施形態では、化合物E−1は、EもしくはZ配置、またはそれらの混合物である。ある実施形態では、化合物E−1は、E配置である。ある実施形態では、化合物E−1はZ配置である。ある実施形態では、化合物E−1は、Z配置とE配置の混合物である。
【化16】
【0046】
当業者は、本出願を通して、化合物B−1・J−1が塩
【化17】
であることを理解していると予想される。
【0047】
本明細書において使用する用語「保護基」は、ヒドロキシルおよびアミノ基を含むが限定されない反応性基を、合成手順中に望ましくない反応に対して保護することが当技術分野において公知の、化学変化を起こしやすい化学的部分を指す。保護基で保護されたヒドロキシルおよびアミノ基は、本明細書では「保護されたヒドロキシル基」および「保護されたアミノ基」と、それぞれ称する。保護基は、典型的には、他の反応性部位における反応中に、保護部位に選択的におよび/または完全に独立に(orthogonally)使用され、次に除去されて、保護されていない基をそのままで、またはさらなる反応のために利用し得るようにして残すことができる。当技術分野において公知の保護基は、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons, New York (1999)で一般的に説明されている。一般的に、基は、保護されているかまたは適切な時にそれらの最終の基に変換するために親分子の他の区域を改変する反応に不活性であると予想される前駆体として存在する。さらなる代表的保護基または前駆体は、Agrawal, et al, Protocols for Oligonucleotide Conjugates, Eds, Humana Press; New Jersey, 1994; Vol. 26 pp. 1-72で論じられている。「ヒドロキシル保護基」の例には、t−ブチル、t−ブトキシメチル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、2−トリメチルシリルエチル、p−クロロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、ジフェニルメチル、p−ニトロベンジル、トリフェニルメチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリフェニルシリル、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、ピバロエート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、9−フルオレニルメチルカーボネート、メシレートおよびトシレートが含まれるが、これらに限定されない。「アミノ保護基」の例は、2−トリメチルシリルエトキシカルバモイル(Teoc)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エトキシカルボニル(Bpoc)、t−ブトキシカルボニル(BOC)、アリルオキシカルバモイル(Alloc)、9−フルオレニルメチルオキシカルバモイル(Fmoc)、およびベンジルオキシカルボニル(Cbz)などのカルバメート保護基;ホルミル、アセチル、トリハロアセチル、ベンゾイル、およびニトロフェニルアセチルなどのアミド保護基;2−ニトロベンゼンスルホニルなどのスルホンアミド保護基;ならびにフタルイミドおよびジチアスクシノイルなどのイミンおよび環状イミド保護基を含むが、これらに限定されない。
本明細書で開示された本発明は、異なった原子量または質量数を有する原子により置き換えられた1個または複数の原子を有することにより同位体標識されている全ての薬学的に許容される式Iの化合物および式IIの化合物を包含することも意味される。開示された化合物中に取り込むことができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、およびヨウ素の同位体、例えば、それぞれ、
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
13N、
15N、
150、
170、
180、
31P、
32P、
35S、
18F、
36Cl、
123I、および
125Iなどを含む。これらの放射性標識した化合物は、例えば、作用部位もしくは作用様式、または薬理学的に重要な作用部位に対する結合親和性を特徴づけることによって、化合物の有効性の決定または測定を助けることに有用であり得る。ある種の同位体標識された式Iの化合物および式IIの化合物、例えば、放射性同位体を取り込んでいるものは、薬剤および/または基質の組織分布の研究に有用である。放射性同位体のトリチウム、すなわち
3H、および炭素14、すなわち
14Cは、それらの取り込みの容易さおよび便利な検出手段を考慮すると、この目的のために特に有用である。
【0048】
重水素、すなわち
2Hなどのより重い同位体を用いる置換は、より大きい代謝性安定性から生じるある種の治療上の利点を提供し得る。例えば、in vivoの半減期が増大し得るかまたは投与の必要量を減少させることができる。したがって、より重い同位体は、状況によっては好ましいことがある。
11C、
18F、
15Oおよび
13Nなどの陽電子を放出する同位体による置換は、基質の受容体占有を検査するための陽電子放出断層撮影(PET)の研究で有用であり得る。同位体標識された式Iの化合物および式IIの化合物は、当業者公知の従来の技法により、または下で説明する例に記載されたのと類似のプロセスにより、以前に使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用することにより、一般的に調製することができる。
【0049】
本明細書で開示された本発明は、開示された化合物のin vivoの代謝生成物を包含することも意図されている。そのような生成物は、例えば、投与された化合物の、主として酵素的過程に基づく酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化等から生じ得る。したがって、本発明は、本発明の化合物を哺乳動物に、それらの代謝生成物を生じるのに十分な期間投与することを含むプロセスにより製造される化合物を含む。そのような生成物は、典型的には本明細書中の実施形態に記載された放射性標識した化合物を、検出可能な用量で、ラット、マウス、モルモット、サルなどの動物、またはヒトに投与して、代謝が起こるのに十分な時間をおいて、その変換生成物を尿、血液または他の生物学的試料から単離することにより同定される。
【0050】
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物から有用な程度の純度での単離および意図した効果を生じる治療剤への剤形化に耐える十分に堅牢な化合物を示すことを意図している。
「ルイス酸」は、非結合電子対を受容することができる基、すなわち、電子対受容体を指す。ルイス酸は、ルイス塩基と反応して、ルイス塩基により供給される電子対を共有することによりルイス付加物を形成することができる。
【0051】
「哺乳動物」は、ヒト、ならびに実験室動物および家庭のペット(例えば、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ)などの家畜と野性動物などの非家畜との両方等を含む。
「任意選択の(optional)」または「任意選択で、〜てもよい(optionally)」は、その後に記載される状況の事象が起こることもあり、起こらないこともあること、およびその記載が、前記事象または状況が起こる場合およびそれが起こらない場合を含むことを意味する。例えば、「置換されていてもよいアリール」は、アリールラジカルが置換されていることもあり置換されていないこともあること、およびその記載が、置換されているアリールラジカルおよび置換を有しないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
「薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤」は、米国食品医薬品局(FDA)によりヒトまたは家畜で使用することを承認されている任意の助剤、担体、賦形剤、滑沢剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、色素/着色剤、着香増強剤、界面活性剤、加湿剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒、または乳化剤を含むが、これらに限定されない。
【0052】
「薬学的に許容される塩」とは、薬学的に許容されて、且つ親化合物の所望の薬理学的活性を有する(またはそれを有する形態に変換され得る)化合物の塩を指す。本明細書で開示される化合物の「薬学的に許容される塩」の例は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびNX
4+(ここで、XはC
1−C
4アルキルである)などの適切な塩基から誘導される塩を含む。窒素原子またはアミノ基の薬学的に許容される塩としては、有機カルボン酸、例えば、酢酸、安息酸、カンファースルホン酸、クエン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、マンデル酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、コハク酸、2−ナフタレンスルホン酸、オレイン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、ステアリン酸、およびトリメチル酢酸;有機スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸など;および無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸およびスルファミン酸などの塩が含まれる。ヒドロキシ基の化合物の薬学的に許容される塩は、Na
+およびNX
4+(ここで、Xは、HまたはC
1−C
4アルキル基から独立に選択される)などの適切なカチオンとの組合せで前記化合物のアニオンを含む。薬学的に許容される塩は、親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンかまたはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基との配位かのいずれかにより置き換えられた場合に形成される塩も含む。この定義には、アンモニウムおよび置換されているかまたは四級化されたアンモニウム塩も含まれる。薬学的に許容される塩の代表的非限定リストは、S. M. Berge et al., J. Pharma Sci., 66(1), 1-19 (1977)、およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy, R. Hendrickson, ed., 21st edition, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PA, (2005), p. 732, Table 38-5に見出すことができ、これらの両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
治療で使用するために、本明細書で開示された化合物の活性成分の塩は、通常、薬学的に許容されると予想され、すなわちそれらは生理学的に許容される酸または塩基から誘導された塩であると予想される。しかしながら、薬学的に許容されていない酸または塩基の塩にも、例えば、式Iの化合物、式IIの化合物または本明細書に記載される別の化合物の調製または精製で用途がある可能性がある。全ての塩は、生理学的に許容される酸または塩基から誘導されたか否かのどちらでも、本発明の範囲内である。
【0054】
金属塩とは、カチオンが金属である塩、例えば、化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンのいずれかにより置き換えられた場合に形成される塩など;またはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と金属イオンの配位を指す。
【0055】
金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、または典型金属であってもよい。適切な金属の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウム、および亜鉛を含むが、これらに限定されない。
適切な金属塩の例は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩、および亜鉛塩を含むが、これらに限定されない。
【0056】
それに加えて、塩は、ある種の有機酸および無機酸、例えば、HCl、HBr、H
2SO
4、H
3PO
4または有機スルホン酸の、塩基性中心、典型的にはアミンへの酸添加により形成することもできる。
最終的に、本明細書における組成物は、本明細書で開示された化合物を、イオン化されていない形態、ならびに双性イオンの形態、および水和物中の化学量論量の水との組合せで含むと理解されるものとする。
【0057】
しばしば、本明細書に記載された化合物の溶媒和物は、結晶化により、本明細書で開示された実施形態で生じる。本明細書において使用する用語「溶媒和物」は、本明細書に記載された化合物の1個または複数の分子を溶媒の1個または複数の分子と共に含む集合体を指す。溶媒は水であってもよく、その場合、溶媒和物は水和物であってもよい。あるいは、溶媒は、有機溶媒であってもよい。したがって、本発明の化合物は、一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物等を含む水和物、ならびに対応する溶媒和した形態として存在することもできる。本明細書に記載された化合物は、真の溶媒和物であってもよく、一方、他の場合には、本明細書に記載された化合物は、偶然に生じた水を単に保持していてもよく、または水に偶然に生じた何らかの溶媒が加わった混合物であってもよい。
【0058】
「医薬組成物」とは、本明細書に記載された化合物と、生物学的に活性な化合物を、哺乳動物、例えばヒトに送達するために当技術分野で一般的に許容されている媒体との調合物を指す。そのような媒体は、それらのための薬学的に許容される全ての担体、希釈剤または賦形剤を含む。
「有効量」または「治療的有効量」とは、それが必要な患者に投与されたときに、化合物が効用を有する病態、状態、または障害を治療する効果をもたらすのに十分な本発明による化合物の量を指す。そのような量は、研究者または臨床医により求められている、組織系または患者の生物学的または医学的応答を引き出すのに十分な量と予想される。治療的有効量となる本発明による化合物の量は、化合物およびその生物学的活性、投与のために使用される組成物、投与時間、投与経路、化合物の排泄速度、治療の持続時間、治療される病態または障害のタイプおよびその重症度、本明細書に記載された化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬剤、および患者の年齢、体重、一般的健康、性別および食事のような要因に依存して変化すると予想される。そのような治療的有効量は、当業者が自らの知識、最先端技術、およびこの開示を考慮することにより慣例的に決定することができる。
【0059】
本明細書において使用する用語「治療」とは、HIV感染の症状を緩和するかまたは排除するため、および/または患者におけるウイルス負荷を軽減するための本発明による化合物もしくは組成物の投与を意味することが意図される。用語「治療」は、本発明による化合物または組成物を、個人のウイルスへの露出後に投与することも含むが、疾患の症状の出現前、および/または血液中のウイルスの検出に先立って、疾患の症状の出現を予防するため、および/またはウイルスが血液中で検出可能なレベルに達することを予防するために投与すること、および出産前に母親に、および生まれて1日以内の子供に投与することにより、HIVの母親から赤児への周産期の伝染を予防するために、本発明による化合物もしくは組成物を投与することも包含する。
本明細書において使用する用語「抗ウイルス剤」は、人間におけるウイルスの形成および/または複製に必要な宿主またはウイルスいずれかの機構に干渉する活性剤を含むが、これらに限定されない、人間におけるウイルスの形成および/または複製を阻害するために効果的な活性剤(化合物または生物学的)を意味することを意図されている。
本明細書において使用する用語「HIV複製の阻害剤」は、in vitro、ex vivoまたはin vivoのいずれにおいても、宿主細胞におけるHIVの複製能力を低下または排除することができる活性剤を意味することが意図されている。
【0060】
本明細書に記載された化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩は、1つまたは複数の非対称中心を含有することができ、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学の用語で(R)−または(S)−と、またはアミノ酸については(D)−または(L)−と定義され得るその他の立体異性体を生じることができる。本発明は、全てのそのような可能な異性体、ならびにそれらのラセミおよび光学的に純粋な形態を含むことが意図されている。光学的に活性(+)および(−)、(R)−および(5)−、または(D)−および(L)−異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製するか、または従来の技法、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶化を使用して分割することができる。個々のエナンチオマーを調製/単離するための従来技法は、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成または、例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(または塩または誘導体のラセミ体)の分割を含む。本明細書に記載された化合物がオレフィン性二重結合または他の幾何学的非対称の中心を含有する場合、別段の指定がない限り、該化合物は、EおよびZ両方の幾何異性体を含有することが意図されている。同様に、全ての互変異性形態が含まれることも意図されている。
【0061】
「立体異性体」とは、同じ結合により結合された同じ原子で構成されているが、異なった3次元構造を有し、互換性でない化合物を指す。本発明は、種々の立体異性体およびそれらの混合物を考慮しており、その分子は互いに重ね合わせできない鏡像である2つの立体異性体を指す「エナンチオマー」を含む。
「互変異性体」は、分子のある1原子から同じ分子の別の原子へのプロトン移動を指す。本発明は任意の前記化合物の互変異性体を含む。
「エナンチオ富化」化合物は、エナンチオマー対の50%を超える一方を含有する化合物を指す。「エナンチオ富化」化合物は、5%超、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、99%超、または99.9%超のエナンチオマー過剰(%ee)を有することもできる。
【0062】
本明細書において、「約」がつく値またはパラメータが言及される場合は、その値またはパラメータそのものを指す実施形態を含む(および記載する)。例えば、「約X」という記載は、「X」の記載を含む。単数形「1つの(a)」および「その(the)」は、文脈で明確にそうではないことが指示されていない限り、複数の指示も含む。したがって、例えば、「化合物(the compound)」への言及は、複数のそのような化合物も含み、および「アッセイ(the assay)」への言及は、1つまたは複数のアッセイおよび当業者公知のそれらの等価な事物への言及を含む。
【0063】
一般スキーム
ある実施形態は、下に記載される多段階の一般的合成方法、すなわち一般スキームI〜VIに向けられる。下に記載されるステップにおける全ての置換基は以下のように定義される。
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Lは、−C(R
c)
2−、−C(R
c)
2C(R
c)
2−、−C(R
c)
2C(R
c)
2C(R
c)
2−、または−C(R
c)
2C(R
c)
2C(R
c)
2C(R
c)
2−であり、
各R
cは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC
1−C
4アルキルであり、
各R
a、R
b、R
d、R
1、およびR
2は、独立に、アルキル、アリール、またはアラルキルである。
いくつかの実施形態では、Halは、同じであっても異なっていてもよいハロゲンである。
ある実施形態では、各R
a、R
b、R
d、R
1、およびR
2は、独立に、(C
1−C
4)アルキル、(C
2−C
10)アリール、または(C
2−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。
【0064】
いくつかの実施形態では、各R
a、R
b、R
1、およびR
2は、独立に、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。
ある実施形態では、各R
bは、独立に、(C
1−C
4)アルキルである。
ある実施形態では、各R
cは、独立に、水素、−F、−Cl、ヒドロキシル、またはメチルである。ある実施形態では、各R
cは、独立に、水素、−F、または−Clである。ある実施形態では、各R
cは水素である。
【0065】
ある実施形態では、各R
a、R
b、R
d、R
1、およびR
2は、独立に、メチル、エチル、フェニル、またはベンジルである。ある実施形態では、各R
a、R
b、R
1、およびR
2はメチルである。特定の実施形態において、R
dはエチルである。
ある実施形態では、各R
1は、C
1−C
4アルキルであり、各R
1は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成している。ある実施形態では、各R
1は、メチルまたはエチルであり、各R
1は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成している。ある実施形態では、各R
1はメチルであり、各R
1は、それらが結合している原子と一緒になって、ヘテロシクリルを形成している。
【0066】
一般スキームI
ある実施形態では、一般スキームI
【化18】
によるプロセスであって、
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とK−1とを反応させてE−1を得るステップ;
E−1とM−1とを塩基の存在下で反応させてF−1を得るステップ;
F−1と、少なくとも1種の酸およびN−1、またはそれらの塩もしくは共結晶を、塩基の存在下で反応させてG−1を得るステップ;
G−1を適切な条件下で反応させて式Iの化合物を得るステップ
を含むプロセスが提供される。
【0067】
いくつかの実施形態では、N−1は塩または共結晶の形態である。
【0068】
一般スキームII
ある実施形態では、一般スキームI
【化19】
によるプロセスであって、
A−1とH−1とを、触媒、塩基、およびアシル化試薬の存在下に反応させてB−1を得るステップ;
B−1とJ−1とを酸の存在下で反応させてC−1を得るステップ;
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とK−1とを反応させてE−1を得るステップ;
E−1とM−1とを塩基の存在下で反応させてF−1を得るステップ;
F−1と少なくとも1種の酸およびN−1とを、塩基の存在下で反応させてG−1を得るステップ;
G−1を、式Iの化合物を得るのに適切な条件下で反応させるステップ
を含むプロセスが提供される。
【0069】
いくつかの実施形態では、J−1は塩または共結晶の形態である。
いくつかの実施形態では、N−1は塩または共結晶の形態である。
【0070】
一般スキームIII
ある実施形態では、一般スキームI
【化20】
によるプロセスであって、
B−1とQ−1とを反応させてBB−1を得るステップ;
BB−1とJ−1とを反応させてC−1を得るステップ;
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とK−1とを反応させてE−1を得るステップ;
E−1とM−1とを塩基の存在下で反応させてF−1を得るステップ;
F−1と、少なくとも1種の酸およびN−1またはそれらの塩もしくは共結晶とを、塩基の存在下で反応させてG−1を得るステップ;
G−1を、式Iの化合物を得るのに適切な条件下で反応させるステップ
を含むプロセスが提供される。
【0071】
いくつかの実施形態では、J−1は塩または共結晶の形態である。
一般スキームIV
ある実施形態では、一般スキームI
【0072】
【化21】
によるプロセスであって、
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とM−1とを反応させてEE−1を得るステップ;
EE−1とK−1とを反応させてF−1を得るステップ;
F−1と少なくとも1種の酸およびN−1とを、塩基の存在下で反応させてG−1を得るステップ;
G−1を、式Iの化合物を得るのに適切な条件下で反応させるステップ
を含むプロセスが提供される。
いくつかの実施形態では、N−1は塩または共結晶の形態である。
【0073】
一般スキームV
ある実施形態では、一般スキームI
【化22】
によるプロセスであって、
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とK−1とを反応させてE−1を得るステップ;
E−1とM−1とを塩基の存在下で反応させてF−1を得るステップ;
F−1と塩基とを反応させて式IIの化合物を得るステップ
を含むプロセスが提供される。
【0074】
一般スキームVI
ある実施形態では、一般スキームI
【化23】
一般スキームVI
によるプロセスであって、
B−1・J−1を、C−1を得るのに適切な条件下で反応させるステップ;
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とK−1とを反応させてE−1を得るステップ;
E−1とM−1とを塩基の存在下で反応させてF−1を得るステップ;
F−1と少なくとも1種の酸とを反応させてFF−1を得るステップ;
FF−1と、N−1またはそれらの塩もしくは共結晶とを、添加剤の存在下で反応させてG−1を得るステップ;
G−1を、式Iの化合物を得るのに適切な条件下で反応させるステップ
を含むプロセスが提供される。
【0075】
いくつかの実施形態では、F−1と少なくとも1種の酸とを反応させることにより、以下のアルデヒド
【化24】
が得られ、これが水和されてFF−1を生じる。
【0076】
一般スキームVII
ある実施形態は、下に記載される多段階合成、すなわち一般スキームVII。
【化25】
一般スキームVII
に向けられ、本プロセスは、
(−)−ビンスラクタムを水素化して、還元された生成物を保護してa−1を得るステップ;
a−1とR
3−Mとを反応させてb−1を得るステップ;
b−1を酸化して酸化された生成物を加水分解してc−1を得るステップ
を含む。
【0077】
一般スキームVIIにおいて、
PGは保護基であり;
R
3Mはn−アルキルグリニャール試薬またはアルキル有機リチウム試薬である。
ある実施形態では、保護基(PG)は、Boc、フタルイミド、ベンジル、FMoc、アセチル、トリフェニルメチル、トリフルオロアセチル、ベンジリデン、p−トルエンスルホンアミド、p−メトキシベンジルカルボニル、ベンゾイル、p−メトキシベンジル、カルバメート、3,4−ジメトキシベンジル、p−メトキシフェニル、スルホンアミドおよびカルボベンジルオキシからなる群から選択される。特定の実施形態において、保護基はBocである。
ある実施形態では、R
3Mは、ハロゲン化エチルマグネシウム、ハロゲン化n−プロピルマグネシウム、およびハロゲン化n−ブチルマグネシウム、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、またはn−ヘキシルリチウムである。特定の実施形態において、R
3Mは臭化メチルマグネシウムである。
【0078】
スキームVIII
ある実施形態は、下に記載される多段階の合成方法、すなわちスキームVIII
【化26】
スキームVIII
に向けられ、本プロセスは、
g−1xを、h−1xを得るのに効果的な条件下で反応させるステップ;および
h−1xを、N−1xを得るのに効果的な条件下で反応させるステップ
を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、本プロセスは、f−lxを、g−1xを得るのに効果的な条件下で反応させるステップ
【化27】
をさらに含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、g−1xは、触媒および水素の供給源の存在下で水素化されたてh−1xを生じる。
いくつかの実施形態では、触媒は、パラジウム(Pd)系触媒、PtO
2、ラネーニッケル、RhCl(PPh
3)
3、野依触媒、およびクラブトリー触媒からなる群から選択される。典型的なパラジウム触媒はPd/Cを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Pd/C、PtO
2、ラネーニッケル、RhCl(PPh
3)
3、野依触媒、およびクラブトリー触媒からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、触媒はPtO
2である。
【0081】
ある実施形態では、水素の供給源は、ギ酸、ヒドラジン、ジヒドロナフタレン、ジヒドロアントラセン、H
2ガスまたはHantzsch(Hantzch)エステルおよびイソプロパノールである。特定の実施形態において、水素の供給源はH
2ガスである。特定の実施形態において、水素の供給源は、水素雰囲気下でH
2ガスである。
いくつかの実施形態では、h−1xと酸とを反応させてN−1xを得る。いくつかの実施形態では、酸は、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびカンファースルホン酸を含むが、これらに限定されないスルホン酸;リン酸、塩酸および硫酸を含むが、これらに限定されない無機酸;トリフルオロ酢酸、シュウ酸および安息香酸を含むが、これらに限定されないカルボン酸である。ある実施形態では、酸は無機酸である。特定の実施形態において、酸は塩酸である。特定の実施形態において、酸は無水塩酸である。
【0082】
いくつかの実施形態で、g−1xは、
【化28】
であり、N−1xは、
【化29】
である。
【0083】
いくつかの実施形態で、f−lxは
【化30】
である。
スキームIX
ある実施形態は、下に記載される多段階の合成方法、すなわち一般スキームIX
【化31】
スキームIX
に向けられ、本プロセスは、
ラセミc−1a(cc−1bとcc−1aの混合物である)とアシル供与体および酵素とを反応させてcc−1bおよびe−1を得るステップ;
cc−1bからe−1を単離するステップ;および
e−1を加水分解してエナンチオ富化cc−1aを得るステップ
を含む。
【0084】
ある実施形態では、R
xは、(C
1−C
6)アルキル−R
yであり、R
yは、H、CN、−NR
z1R
z2、C(O)R
z1、−C(O)OR
z1、−C(O)NR
z1R
z2、−OC(O)NR
z1R
z2、−NR
z1C(O)R
z2、−NR
z1C(O)NR
z2、−NR
z1C(O)OR
z2、−SR
z1、−S(O)
1-2R
z1、−S(O)
2NR
z1R
z2、−NR
z1S(O)
2R
z2、NR
z1S(O)
2R
z2、およびOR
z1からなる群から選択される。
ある実施形態では、R
zlおよびR
z2は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-6ヘテロアルキル、C
3-10シクロアルキル、3から12員のヘテロシクリル、C
6-10アリールおよび5から10員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される。
【0085】
ある実施形態では、R
xは、(C
1−C
6)アルキル−R
yであり、R
yは、H、−C(O)OR
zlからなる群から選択され、R
zlは、H、C
1-6アルキル、C
3-10シクロアルキル、および3から12員のヘテロシクリルからなる群から選択される。
ある実施形態では、R
xは、(C
1−C
6)アルキル−R
yであり、R
yは、H、−C(O)OR
zlからなる群から選択され、R
zlは、HおよびC
1-6アルキルからなる群から選択される。
ある実施形態では、R
xは(C
1−C
4)アルキル−R
yあり、R
yは、HおよびCO
2Hからなる群から選択される。
【0086】
ある実施形態では、R
xはメチルまたは(CH
2)
3−CO
2Hである。ある実施形態では、R
xは(CH
2)
3−CO
2Hである。
ある実施形態では、アシル供与体は、酸無水物またはエステルである。ある実施形態では、酸無水物は、無水グルタル酸および無水酢酸を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、エステルは、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、酢酸4−クロロフェニルおよびメトキシ酢酸エチルを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、アシル供与体は無水グルタル酸である。
【0087】
ある実施形態では、酵素はリパーゼである。ある実施形態では、リパーゼは、ノボザイム435、CAL−A、CAL−B、PPL、PSL−C、PSL、CRLおよびMMLを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、リパーゼは、CAL−A、CAL−B、PPL、PSL−C、PSL、CRLおよびMMLを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、酵素はCAL−Bである。ある実施形態では、酵素はノボザイム435である。
ノボザイム435は、疎水性担体(アクリル系樹脂(acrylin resin))上に固定化されたCAL−Bリパーゼである。
【0088】
CAL−Bは、カンジダ・アンタルチカ(Candida antartica)Bリパーゼである。
CAL−Aは、カンジダ・アンタルチカAリパーゼである。
PPLはブタ膵リパーゼである。
PSLは、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)リパーゼである。
【0089】
PSL−Cは、シュードモナス・セパシア由来の固定化されたリパーゼである。
CRLは、カンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)リパーゼである。
MMLはムコール・ミエヘイ(Mucor miehei)リパーゼである。
スキームX
ある実施形態は、下に記載される多段階の合成方法、すなわち一般スキームX
【化32】
スキームX
に向けられ、本プロセスは、
ラセミc−1a(cc−1bとcc−1aの混合物である)とアシル供与体とを反応させてラセミee−1を得るステップ;
ラセミee−1(e−1とe−2の混合物である)と酵素とを反応させてe−2およびcc−1aを得るステップ;および
エナンチオ富化cc−1aを単離するステップ
を含む。
【0090】
ある実施形態では、R
xは、(C
1−C
6)アルキル−R
yであり、R
yは、H、CN、−NR
z1R
z2、C(O)R
z1、−C(O)OR
z1、−C(O)NR
z1R
z2、−OC(O)NR
z1R
z2、−NR
z1C(O)R
z2、−NR
z1C(O)NR
z2、−NR
z1C(O)OR
z2、−SR
z1、−S(O)
1-2R
z1、−S(O)
2NR
z1R
z2、−NR
z1S(O)
2R
z2、NR
z1S(O)
2R
z2、およびOR
z1からなる群から選択される。
【0091】
ある実施形態では、各R
zlおよび各R
z2は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-6ヘテロアルキル、C
3-10シクロアルキル、3から12員のヘテロシクリル、C
6-10アリールおよび5から10員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される。
ある実施形態では、R
xは、(C
1−C
6)アルキル−R
yであり、R
yは、H、−C(O)OR
zlからなる群から選択され、R
zlは、H、C
1-6アルキル、C
3-10シクロアルキル、および3から12員のヘテロシクリルからなる群から選択される。
【0092】
ある実施形態では、R
xは、(C
1−C
6)アルキル−R
yであり、R
yは、H、−C(O)OR
zlからなる群から選択され、R
zlは、HおよびC
1-6アルキルからなる群から選択される。
ある実施形態では、R
xは(C
1−C
4)アルキル−R
yであり、R
yは、HおよびCO
2Hからなる群から選択される。
ある実施形態では、R
xは、メチルまたは(CH
2)
3−CO
2Hである。ある実施形態では、R
xは、(CH
2)
3−CO
2Hである。
【0093】
ある実施形態では、アシル供与体は、酸無水物または酸塩化物を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、酸無水物は、無水コハク酸および無水酢酸を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、酸塩化物は、塩化アセチルおよび塩化ベンゾイルを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、アシル供与体は無水グルタル酸である。
ある実施形態では、酵素は、CAL−A、CAL−B、PPL、PSL−C、PSL、CRL、およびMMLなどの、ただしこれらに限定されないリパーゼである。特定の実施形態において、酵素はCAL−Bである。
【0094】
スキームXI
ある実施形態は、下に記載される多段階の合成方法、すなわちスキームXI
【化33】
スキームXI
に向けられ、本プロセスは、
ラセミc−1a(cc−1bとcc−1aの混合物である)とキラルな酸とを反応させて、dd−1およびdd−2を得るステップ;および
エナンチオ富化dd−1を単離するステップ
を含む。
【0095】
ある実施形態では、キラルな酸は、
− ナプロキセン、フェニルコハク酸、リンゴ酸、2−フェニルプロピオン酸、アルファ−メトキシ−フェニル酢酸、タルトラニル酸、3−フェニル乳酸、α−ヒドロキシイソ吉草酸、2’−メトキシ−タルトラニル酸、(α−メチルベンジル)フタラミン酸、2’−クロロ−タルトラニル酸、ピログルタミン酸を含むが、これらに限定されないカルボン酸の単独エナンチオマー;
− マンデル酸、2−クロロマンデル酸、4−ブロモ−マンデル酸、O−アセチルマンデル酸、4−メチル−マンデル酸を含むが、これらに限定されないマンデル酸誘導体の単独エナンチオマー;
− カンファースルホン酸を含むが、これらに限定されないスルホン酸の単独エナンチオマー;
− 酒石酸、ジベンゾイル酒石酸水和物、ジ−p−アニソイル酒石酸、ジ−トルイル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸水和物を含むが、これらに限定されない酒石酸誘導体の単独エナンチオマー
− フェンシホス水和物、クロシホス、アニシホス、BINAPホスフェートを含むが、これらに限定されないリン酸誘導体の単独エナンチオマー;および
−N−アセチル−フェニルアラニン、N−アセチルロイシン、N−アセチルプロリン、boc−フェニルアラニン、およびboc−ホモフェニルアラニンを含むが、これらに限定されないアミノ酸の単独エナンチオマー
からなる群から選択される。
【0096】
ある実施形態では、キラルな酸は、カルボン酸の単独エナンチオマーである。
特定の実施形態において、酸は(R)−ナプロキセンである。特定の実施形態において、酸はR−(+)−マンデル酸である。
特定の実施形態において、酸は、(S)−ナプロキセンである。特定の実施形態において、酸はS−(+)−マンデル酸である。
ある実施形態では、キラルな酸との反応は、水、アセトニトリル、エタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、ジオキサン、水と水混和性有機溶媒、例えば、エタノールおよびイソプロパノールなどとの混合物、ハロゲン化された溶媒、例えば、ジクロロメタンおよびクロロホルムなどからなる群から選択される溶媒中で起こる。特定の実施形態において、溶媒は、水またはイソプロパノールまたはそれらの混合物である。特定の実施形態において、溶媒は水である。特定の実施形態において、溶媒はイソプロパノールである。
【0097】
ある実施形態では、キラルな酸との反応は、0から120℃、20から120℃、50から120℃、80から120℃、または約100℃で撹拌される。ある実施形態では、該反応は約20℃で撹拌される。
ある実施形態では、dd−1の単離は、dd−1を選択的に再結晶させることを含む。ある実施形態では、再結晶は、水、アセトニトリル、エタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、ジオキサン;水とエタノールおよびイソプロパノールなどの水混和性有機溶媒との混合物、またはジクロロメタンもしくはクロロホルムなどのハロゲン化された溶媒中で起こる。ある実施形態では、再結晶は、メチルエチルケトンと水との混合物中で起こる。
【0098】
ある実施形態では、dd−1は、溶液から沈殿して濾過される。
スキームVII〜XIは、N−1および/または式Iの化合物を調製するために有用なステップおよび中間体を開示する。
一般スキーム −個々のステップ
追加の実施形態は、上で記載された多段階の一般的合成方法の個々のステップ、すなわち一般スキームI〜VおよびVI〜XIに向けられる。本発明のこれらの個々のステップおよび中間体を、下で詳細に説明する。下に記載されるステップにおける全ての置換基は、上の多段階の方法で定義されている。
【0099】
A.C−1を提供するためのメルドラム酸のアシル化およびアミド化
【化34】
【0100】
1.A−1のB−1への変換
特定の実施形態において、1当量のメルドラム酸(A−1)および適切な触媒を、適切な溶媒に懸濁して、生じた溶液を約1.2当量のH−1で処理する。生じた溶液に約2当量の適切な塩基をゆっくり加え、続いて約1.1当量の適切なアシル化試薬を加える。反応は約20から80℃で起こり、メルドラム酸の消費が完結するまで、当技術分野において公知の任意の適切な方法によりモニターしながら継続させる。
【0101】
ある実施形態では、触媒は、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、またはピリジンなどの、ただしこれらに限定されない求核性アミンを含有する化合物である。さらなる実施形態において、触媒は、トリフェニルホスフィンなどの、ただしこれらに限定されない求核性ホスフィンを含有する化合物である。特定の実施形態において、触媒は、4−ジメチルアミノピリジンである。
【0102】
ある実施形態では、上の反応のための溶媒は、極性の非プロトン性溶媒または芳香族溶媒である。ある実施形態では、上の反応のための溶媒は、極性の非プロトン性溶媒である。ある実施形態では、上の反応のための溶媒は芳香族溶媒である。典型的な極性の非プロトン性溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、またはN−メチル−2−ピロリジノンを含むが、これらに限定されない。典型的な芳香族の上の反応のための溶媒は、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、またはクロロベンゼンを含むが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態において、溶媒は、少なくとも1種の前述の溶媒を含む混合物である。例えば、ある実施形態では、溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、およびN−メチル−2−ピロリジノンからなる群から選択される3種まで、または2種までの極性非プロトン性溶媒の混合物である。他の実施形態では、溶媒は、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、およびクロロベンゼンからなる群から選択される3種まで、または2種までの芳香族溶媒の混合物である。一実施形態において溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリジノン、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、およびクロロベンゼンからなる群から選択される3種まで、または2種までの溶媒の混合物である。さらなる実施形態において、溶媒はアセトニトリルである。
【0103】
ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキル、(C
2−C
10)アリール、または(C
2−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態ではR
aは−CH
3であり;すなわち、H−1はメトキシ酢酸である。
ある実施形態では、塩基は、アミン塩基、芳香族塩基、無機炭酸塩、金属水素化物、アルコキシド、またはそれらの混合物である。ある実施形態では、塩基はアミン塩基である。ある実施形態では、塩基は芳香族塩基である。ある実施形態では、塩基は無機炭酸塩である。ある実施形態では、塩基は金属水素化物である。ある実施形態では、塩基はアルコキシドである。典型的なアミン塩基は、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリプロピルアミン、およびトリブチルアミンを含むが、これらに限定されない。典型的な芳香族アミン塩基は、ピリジンを含むがこれに限定されない。典型的な無機炭酸塩は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、または炭酸セシウムを含むが、これらに限定されない。典型的な金属水素化物は、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムを含むが、これらに限定されない。典型的なアルコキシドは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシドまたはリチウムtert−ブトキシドを含むが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態において、塩基は、少なくとも1種の先行の塩基を含む混合物である。例えば、ある実施形態では、塩基は3種まで、または2種までのアミン塩基の混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までの芳香族塩基の混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までの無機炭酸塩の混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までの金属水素化物の混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までのアルコキシドの混合物である。ある実施形態では、塩基は、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシドおよびリチウムtert−ブトキシドからなる群からの3種までまたは2種までの塩基の混合物である。特定の実施形態において、塩基は、トリエチルアミンである。
【0104】
ある実施形態では、アシル化試薬は、カルボン酸活性化試薬、カルボジイミド誘導体、またはそれらの混合物である。ある実施形態では、アシル化試薬は、カルボン酸活性化試薬である。ある実施形態では、アシル化試薬はカルボジイミド誘導体である。ある実施形態では、アシル化試薬は、カルボン酸活性化試薬とカルボジイミド誘導体の混合物である。典型的なカルボン酸活性化試薬は、塩化ピバロイル、カルボニルジイミダゾール、塩化チオニル、および塩化オキサリルを含むが、これらに限定されない。典型的なカルボジイミド誘導体は、カルボニルジイミダゾールおよびN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、アシル化試薬は、塩化ピバロイル、カルボニルジイミダゾール、塩化チオニル、塩化オキサリル、またはN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドである。ある実施形態では、アシル化試薬は、塩化ピバロイル、カルボニルジイミダゾール、塩化チオニル、塩化オキサリル、またはN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドからなる群からの3種までまたは2種までの試薬の混合物である。ある実施形態では、アシル化試薬は塩化ピバロイルである。ある実施形態では、反応は、約20から70℃、約20から60℃、約20から50℃、約20から40℃、約20から30℃、約30から80℃、約30から70℃、約30から60℃、約30から50℃、約30から40℃、約40から80℃、約40から70℃、約40から60℃、約40から50℃、約50から80℃、約50から70℃、約50から60℃、約60から80℃、約60から70℃、約70から80℃、またはそれらの間の任意の部分範囲で起こる。特定の実施形態において、反応は、約35から40℃、約40から45℃、約45から50℃、またはそれらの間の任意の部分範囲で起こる。
【0105】
特定の実施形態において、触媒は4−ジメチルアミノピリジンであり、溶媒はアセトニトリルであり、R
aは−CH
3であり、塩基はトリエチルアミンであり、アシル化試薬は塩化ピバロイルであり、反応は約45から50℃で起こる。
【0106】
2.B−1のC−1への変換
別の容器で、約1.2当量のJ−1を適切な溶媒に懸濁させる。生じた溶液を、約1.5当量の適切な酸で処理して、次にこの酸性溶液を進行中の上のアシル化反応に加える。反応を約12から約24時間、約20から80℃で継続させて、その時間の後、溶媒を除去して、C−1を回収し、溶媒抽出、シリカゲルクロマトグラフィーおよび結晶化などの、ただしこれらに限定されない、当技術分野において公知の任意の適切な技法を使用して、残渣から精製する。
【0107】
ある実施形態では、J−1を、極性の非プロトン性溶媒または芳香族溶媒に懸濁させる。ある実施形態では、J−1を、極性の非プロトン性溶媒に懸濁させる。ある実施形態では、J−1を芳香族溶媒に懸濁させる。典型的な極性の非プロトン性溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、およびN−メチル−2−ピロリジノンを含むが、これらに限定されない。典型的な芳香族溶媒は、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、およびクロロベンゼンを含むが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態では、J−1を、1種または複数の極性の非プロトン性溶媒および/または1種または複数の芳香族溶媒を含む溶媒混合物に懸濁する。ある実施形態では、J−1を、3種までまたは2種までの極性の非プロトン性溶媒を含む溶媒混合物に懸濁させる。ある実施形態では、J−1は、3種までまたは2種までの芳香族溶媒を含む溶媒混合物に懸濁させる。ある実施形態では、J−1を、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリジノン、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、およびクロロベンゼンからなる群からの3種までまたは2種までの溶媒を含む溶媒混合物に懸濁させる。さらなる実施形態では、J−1をアセトニトリルに懸濁させる。
【0108】
特定の実施形態において、酸は、無機酸、有機酸、またはハロゲン化有機酸である。ある実施形態では、酸は無機酸である。ある実施形態では、酸は有機酸である。典型的な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸を含むが、これらに限定されない。典型的な有機酸は、ギ酸および酢酸を含むが、これらに限定されない。さらに他の実施形態では、有機酸は、ハロゲン化有機酸である。典型的なハロゲン化有機酸は、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、およびペルフルオロプロピオン酸を含むが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態において、酸は、1種または複数の有機酸および1種または複数の無機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までの有機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までのハロゲン化有機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までの無機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ギ酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、およびペルフルオロプロピオン酸からなる群から選択される3種までまたは2種までの酸の混合物である。特定の実施形態において、酸はトリフルオロ酢酸である。
【0109】
特定の実施形態において、各Halは、独立に−Fまたは−Clである。特定の実施形態において、Halは−Fである、ある実施形態では、n=1〜3である。ある実施形態では、n=2である。ある実施形態では、n=3である。さらなる実施形態において、J−1は、
【0110】
【化35】
である。ある実施形態では、J−1は、
【化36】
である。ある実施形態では、J−1は、
【化37】
である。
【0111】
さらにさらなる実施形態において、J−1は、塩酸またはトリフルオロ酢酸の塩または共結晶などの、ただしこれらに限定されない塩または共結晶の形態である。ある実施形態では、J−1は、メタンスルホン酸の塩または共結晶である。
例えば、ある実施形態では、J−1は、
【化38】
である。
【0112】
特定の実施形態において、J−1は、
【化39】
である。
【0113】
特定の実施形態において、J−1は、
【化40】
である。
【0114】
例えば、ある実施形態では、J−1は、
【化41】
である。
特定の実施形態において、J−1は、
【化42】
である。
【0115】
特定の実施形態において、J−1は、
【化43】
である。
【0116】
ある実施形態では、反応は、約20から70℃、約20から60℃、約20から50℃、約20から40℃、約20から30℃、約30から80℃、約30から70℃、約30から60℃、約30から50℃、約30から40℃、約40から80℃、約40から70℃、約40から60℃、約40から50℃、約50から80℃、約50から70℃、約50から60℃、約60から80℃、約60から70℃、約70から80℃、またはそれらの間の任意の部分範囲で起こる。特定の実施形態において、反応は、約35から40℃、約40から45℃、約45から50℃、またはそれらの間の任意の部分範囲で起こる。
【0117】
ある実施形態では、溶媒は、減圧下で除去する。特定の実施形態において、C−1は、粗残渣から溶媒抽出により抽出する。特定の実施形態において、粗残渣は酢酸エチルなどの有機溶媒に溶解して、有機層は水で洗浄する。合わせた水層は、酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出する。合わせた有機層は重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄して、合わせた重炭酸塩洗浄液は、酢酸エチルなどの有機溶媒で逆抽出する。合わせた全有機層は、硫酸マグネシウムなどの乾燥剤で乾燥されて濾過し、減圧下で濃縮する。生じた粗材料は、シリカゲルクロマトグラフィーなどの任意の適切な技法を使用して精製し、C−1を得る。
特定の実施形態で、J−1は、アセトニトリルに懸濁させ、酸はトリフルオロ酢酸であり、J−1は、
【化44】
であり、反応は約45から50℃で起こる。
【0118】
3.B−1・J−1塩を通すC−1の形成
あるいは、ある実施形態では、C−1は、下の手順に従って、B−1・J−1塩の形成を介して形成される。
a.J−1のB−1への添加によるB−1・J−1塩の形成
【化45】
【0119】
B−1の遊離酸(約1当量)を、溶媒に溶解し、続いてJ−1を加える(約1から約5当量)。ある実施形態では、該塩を12時間まで、10時間まで、8時間まで、6時間まで、4時間まで、または3時間まで熟成させる。該塩は、溶媒濾過、抽出、結晶化、およびシリカゲルクロマトグラフィーを含むが、これらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な方法によって得られる。
【0120】
ある実施形態では、上の反応のための溶媒は、極性の非プロトン性溶媒または芳香族溶媒である。ある実施形態では、上の反応のための溶媒は、極性の非プロトン性溶媒である。ある実施形態では、上の反応のための溶媒は芳香族溶媒である。典型的な極性の非プロトン性溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、またはN−メチル−2−ピロリジノンを含むが、これらに限定されない。典型的な上の反応のための芳香族溶媒は、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、またはクロロベンゼンを含むが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態において、溶媒は、少なくとも1種の前述の溶媒を含む混合物である。例えば、ある実施形態では、溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、およびN−メチル−2−ピロリジノンからなる群から選択される3種まで、または2種までの極性非プロトン性溶媒の混合物である。他の実施形態では、溶媒は、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、およびクロロベンゼンからなる群から選択される3種まで、または2種までの芳香族溶媒の混合物である。一実施形態において溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリジノン、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、およびクロロベンゼンからなる群から選択される3種まで、または2種までの溶媒の混合物である。さらなる実施形態において、溶媒はアセトニトリルである。
【0121】
いくつかの実施形態では、B−1・J−1は、
【化46】
である。
【0122】
ある実施形態では、反応物は、約15から30℃、約20から70℃、約20から60℃、約20から50℃、約20から40℃、約20から30℃、約30から80℃、約30から70℃、約30から60℃、約30から50℃、約30から40℃、約40から80℃、約40から70℃、約40から60℃、約40から50℃、約50から80℃、約50から70℃、約50から60℃、約60から80℃、約60から70℃、約70から80℃、またはそれらの間の任意の部分範囲で撹拌される。さらなる実施形態において、反応は、約15から約25℃で進行する。
ある実施形態では、溶媒はアセトニトリルであり、反応は約18から約25℃で進行する。
b.B−1・J−1からC−1の形成
【化47】
【0123】
塩B−1・J−1(約1当量)を適切な溶媒に懸濁させる。生じた溶液を約0.1から1当量の適切な酸で処理する。反応を約12から約24時間、約20から80℃で継続させて、その時間の後、溶媒を除去してC−1を回収し、溶媒抽出、シリカゲルクロマトグラフィー、結晶化、および濾過などの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法を使用して、残渣から精製する。
【0124】
ある実施形態では、上の反応のための溶媒は、極性の非プロトン性溶媒または芳香族溶媒である。ある実施形態では、上の反応のための溶媒は、極性の非プロトン性溶媒である。ある実施形態では、上の反応のための溶媒は芳香族溶媒である。典型的な極性の非プロトン性溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、またはN−メチル−2−ピロリジノンを含むが、これらに限定されない。典型的な上の反応のための芳香族溶媒は、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、またはクロロベンゼンを含むが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態において、溶媒は、少なくとも1種の前述の溶媒を含む混合物である。例えば、ある実施形態では、溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、およびN−メチル−2−ピロリジノンからなる群から選択される3種まで、または2種までの極性非プロトン性溶媒の混合物である。他の実施形態では、溶媒は、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、およびクロロベンゼンからなる群から選択される3種まで、または2種までの芳香族溶媒の混合物である。一実施形態において溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリジノン、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、およびクロロベンゼンからなる群から選択される3種まで、または2種までの溶媒の混合物である。さらなる実施形態において、溶媒はアセトニトリルである。
【0125】
特定の実施形態において、酸は、無機酸、有機酸、またはハロゲン化有機酸である。ある実施形態では、酸は無機酸である。ある実施形態では、酸は有機酸である。典型的な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸を含むが、これらに限定されない。典型的な有機酸は、ギ酸および酢酸を含むが、これらに限定されない。さらに他の実施形態では、有機酸は、ハロゲン化有機酸である。典型的なハロゲン化有機酸は、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、およびペルフルオロプロピオン酸を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、酸はトリフルオロ酢酸である。さらにさらなる実施形態において、酸は、1種または複数の有機酸および1種または複数の無機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までの有機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までのハロゲン化有機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までの無機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ギ酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、およびペルフルオロプロピオン酸からなる群から選択される3種までまたは2種までの酸の混合物である。特定の実施形態において、酸はトリフルオロ酢酸である。
【0126】
ある実施形態では、添加が完了した後、反応物は、約20から70℃、約20から60℃、約20から50℃、約20から40℃、約20から30℃、約30から80℃、約30から70℃、約30から60℃、約30から50℃、約30から40℃、約40から80℃、約40から70℃、約40から60℃、約40から50℃、約50から80℃、約50から70℃、約50から60℃、約60から80℃、約60から70℃、約70から80℃、またはそれらの間の任意の部分範囲に加熱される。さらなる実施形態において、反応は約60℃で進行する。
特定の実施形態において、溶媒はアセトニトリルであり、酸はトリフルオロ酢酸であり、反応は約60℃で進行する。
【0127】
B.E−1を形成させるC−1のアルキル化
【化48】
【0128】
適切な溶媒中の約1当量のC−1の溶液を、約1から1.5当量のアルキル化されたホルムアミドアセタールで処理して、約0から60℃で約10時間から約18時間撹拌する。反応物を約1当量のK−1で処理して、反応を約1から約4時間継続させて、それから酸の添加により反応を停止させる。次にE−1を抽出して、溶媒抽出、結晶化、およびシリカゲルクロマトグラフィーを含むがこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な方法により精製する。
【0129】
特定の実施形態において、溶媒は、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリジノン、またはそれらの混合物などの、ただしこれらに限定されない非プロトン性極性有機溶媒である。さらなる実施形態において、溶媒は2−メチルテトラヒドロフランである。
ある実施形態では、アルキル化されたホルムアミドアセタールは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジメチルアセタール、およびN,N−ジイソプロピルホルムアミドジメチルアセタールからなる群から選択される。特定の実施形態において、アルキル化されたホルムアミドアセタールは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールである。
特定の実施形態において、1当量のC−1を、約1.1当量のアルキル化されたホルムアミドアセタールで処理する。
【0130】
ある実施形態では、R
1は、(C
1−C
4)アルキル、(C
2−C
10)アリール、または(C
2−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
1は、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
1は、C
1−C
4アルキルである。さらなる実施形態においてR
1は−CH
3であり、すなわち、K−1はアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールである。
【0131】
ある実施形態では、反応は、無機酸、有機酸、またはハロゲン化有機酸を用いて停止させる。ある実施形態では、酸は無機酸である。ある実施形態では、酸は有機酸である。ある実施形態では、酸はハロゲン化有機酸である。典型的な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸を含むが、これらに限定されない。典型的な有機酸は、ギ酸および酢酸を含むが、これらに限定されない。典型的なハロゲン化有機酸は、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、およびペルフルオロプロピオン酸を含むが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態において、酸は、1種または複数の有機酸、1種または複数の無機酸、および/または1種または複数のハロゲン化有機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までの有機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までのハロゲン化有機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までの無機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ギ酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、およびペルフルオロプロピオン酸からなる群から選択される3種までまたは2種までの酸の混合物である。特定の実施形態において、酸はトリフルオロ酢酸である。特定の実施形態においては、反応を、塩酸で停止させる。特定の実施形態においては、反応を2N HClで停止させる。ある実施形態では、反応を停止させない。
【0132】
ある実施形態では、反応は、約10から60℃、約10から50℃、約10から40℃、約10から30℃、約10から20℃、20から60℃、約20から50℃、約20から40℃、約20から30℃、約30から60℃、約30から50℃、約30から40℃、約40から60℃、約40から50℃、約50から60℃、またはそれらの間の任意の部分範囲で進行する。特定の実施形態において、反応は室温で進行する。さらなる実施形態において、反応は、約15から約25℃で進行する。
特定の実施形態において、溶媒は、2−メチルテトラヒドロフランであり、アルキル化されたホルムアミドアセタールは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールであり、R
1は−CH
3であり、反応は、約18から約23℃で進行する。
【0133】
C.E−1の環化によるF−1の形成
【化49】
特定の実施形態において、第1の適切な溶媒中の約1当量のE−1と約1から5当量のM−1の溶液を合わせて、約0から5℃に冷却する。ある実施形態では、塩基を反応混合物にゆっくり導入し、その間、反応の内部温度を、添加の間中、冷却して保つ(例えば、室温未満、または約25℃未満、または約20℃未満、または約15℃未満)。添加が完了した後、反応物を約20から80℃で少なくとも約14時間加熱する。
【0134】
この時間が経過した後、反応混合物を、酸性水溶液で、およびさらに適切な有機溶媒で希釈して生成物を抽出し、溶媒抽出、結晶化、およびシリカゲルクロマトグラフィーを含むがこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な方法により精製する。ある実施形態では、酸性水溶液は塩酸および酢酸である。例えば、ある実施形態では、酸性水溶液は氷酢酸である。
【0135】
特定の実施形態において、第1の溶媒は、1種または複数のアルコール、1種または複数の極性有機溶媒、またはより多くのアルコールと1種または複数の極性有機溶媒の混合物である。ある実施形態では、第1の溶媒は、3種までのアルコール、3種までの極性有機溶媒、またはそれらの混合物(すなわち、3種までまたは2種までのアルコールと3種までまたは2種までの極性有機溶媒との混合物)である。ある実施形態では、第1の溶媒は、1種または2種のアルコール、1種または2種の極性有機溶媒、またはそれらの混合物(すなわち、1種または2種のアルコールおよび1種または2種の極性有機溶媒の混合物)である。ある実施形態では、第1の溶媒はアルコールである。ある実施形態では、第1の溶媒は極性有機溶媒である。典型的なアルコールとして、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、およびtert−ブタノールが含まれるが、これらに限定されない。典型的な極性有機溶媒として、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、およびN−メチル−2−ピロリジノンが含まれるが、これらに限定されない。ある実施形態では、第1の溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、tert−ブタノールアセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、またはN−メチル−2−ピロリジノンである。ある実施形態では、第1の溶媒はメタノールである。
【0136】
特定の実施形態において、塩基は、金属水素化物、アルコキシド、またはビス(トリアルキルシリル)アミドである。ある実施形態では、塩基は、金属水素化物である。ある実施形態では、塩基はアルコキシドである。ある実施形態では、塩基は、ビス(トリアルキルシリル)アミドである。典型的な金属水素化物としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、および水素化カリウムが含まれるが、これらに限定されない。典型的なアルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、およびリチウムtert−ブトキシドが含まれるが、これらに限定されない。典型的なビス(トリアルキルシリル)アミド塩基としては、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、およびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドが含まれるが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態において、塩基は、前述の塩基の少なくとも1種の混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までの金属水素化物の混合物である。ある実施形態では、塩基は3種までまたは2種までのアルコキシドの混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までの金属ビス(トリアルキルシリル)アミドの混合物である。ある実施形態では、塩基は、以下の塩基:水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、リチウムtert−ブトキシド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、またはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドの3種までもしくは2種までの混合物である。特定の実施形態において、塩基はナトリウムメトキシドである。
【0137】
ある実施形態では、R
2は、(C
1−C
4)アルキル、(C
2−C
10)アリール、または(C
2−C
10)アリール、(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
2は、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
2はC
1−C
4アルキルである。ある実施形態では、R
2は−CH
3である。
【0138】
ある実施形態では、添加が完了した後、反応物は、約20から70℃、約20から60℃、約20から50℃、約20から40℃、約20から30℃、約30から80℃、約30から70℃、約30から60℃、約30から50℃、約30から40℃、約40から80℃、約40から70℃、約40から60℃、約40から50℃、約50から80℃、約50から70℃、約50から60℃、約60から80℃、約60から70℃、約70から80℃、またはそれらの間の任意の部分範囲に加熱される。
特定の実施形態において、第1の溶媒はアルコールであり、塩基はアルコキシドであり、添加が完了した後、反応物は約40から約50℃に加熱され、R
2は(C
1−C
4)アルキルである。
特定の実施形態において、第1の溶媒はメタノールであり、塩基はナトリウムメトキシドであり、添加が完了した後、反応物は約40から約50℃に加熱され、R
2は−CH
3である。
【0139】
D.C−1のアルキル化および環化によるF−1の形成
【化50】
【0140】
ある実施形態では、約1当量のC−1および約1から約5当量のアルキル化されたホルムアミドアセタールを反応容器中で合わせて、反応混合物を約30分かき混ぜる。ある実施形態では、約1当量のC−1および約1から約3当量のアルキル化されたホルムアミドアセタールを反応容器中で合わせる。第1の適切な溶媒および約1当量のK−1を混合物に加えて、反応を数時間進行させ、その後、第1の溶媒を、当技術分野において公知の任意の適切な手段で除去する。
生じた材料を第2の適切な溶媒に溶解して、約1から約5当量のM−1を加える。反応混合物を約0℃から約5℃に冷却して、次に約1.5から2当量の塩基を反応混合物にゆっくり加える。反応の内部温度を添加の間中、冷却して保つ(例えば、室温未満、または約25℃未満、または約20℃未満、または約15℃未満)。添加が完了した後、反応物を約20から80℃で約8から約16時間加熱する。
【0141】
この時間が経過した後、反応物を室温に冷却して、酸の添加により反応を停止させ、有機溶媒を加えて希釈する。次に、生成物F−1を抽出して、溶媒抽出、結晶化およびシリカゲルクロマトグラフィーを含む当技術分野において公知の任意の適切な方法により精製することができる。
ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキル、(C
2−C
10)アリール、または(C
2−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aはC
1−C
4アルキルである。ある実施形態では、R
aは−CH
3である。
特定の実施形態において、第1の溶媒は、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリジノン、またはそれらの混合物などの、ただしこれらに限定されない非プロトン性極性有機溶媒である。さらなる実施形態において、第1の溶媒は2−メチルテトラヒドロフランである。
【0142】
ある実施形態では、アルキル化されたホルムアミドアセタールは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジメチルアセタール、およびN,N−ジイソプロピルホルムアミドジメチルアセタールからなる群から選択される。特定の実施形態において、アルキル化されたホルムアミドアセタールは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールである。
【0143】
ある実施形態では、R
1は、(C
1−C
4)アルキル、(C
2−C
10)アリール、または(C
2−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
1は、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
1は、C
1−C
4アルキルである。さらなる実施形態においてR
1は−CH
3であり、すなわち、K−1はアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールである。
【0144】
特定の実施形態において、塩基は、金属水素化物、ビス(トリアルキルシリル)アミド塩基、またはアルコキシドである。ある実施形態では、塩基は金属水素化物である。特定の実施形態において、塩基はビス(トリアルキルシリル)アミド塩基である。特定の実施形態において、塩基はアルコキシドである。典型的な金属水素化物は、水素化リチウム、水素化ナトリウム、および水素化カリウムを含むが、これらに限定されない。典型的なビス(トリアルキルシリル)アミド塩基として、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、およびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドが含まれるが、これらに限定されない。典型的なアルコキシドとして、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、およびリチウムtert−ブトキシドが含まれるが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態において、塩基は、少なくとも1種の前述の塩基の混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までの金属水素化物の混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までのビス(トリアルキルシリル)アミド塩基の混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までのアルコキシドの混合物である。ある実施形態では、塩基は、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、およびリチウムtert−ブトキシドからなる群から選択される3種までまたは2種までの塩基の混合物である。特定の実施形態において、塩基はナトリウムメトキシドである。特定の実施形態では、塩基のアルコール溶液を反応に加える。適切なアルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、またはtert−ブタノールを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、塩基は、ナトリウムメトキシドである。ある実施形態では、塩基は、メタノール中のナトリウムメトキシドの30%溶液として加えられる。
【0145】
特定の実施形態において、第2の溶媒は、アルコールまたは極性溶媒である。ある実施形態では、第2の溶媒はアルコールである。ある実施形態では、第2の溶媒は極性溶媒である。典型的なアルコールとして、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、およびtert−ブタノールが含まれるが、これらに限定されない。典型的な極性有機溶媒は、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、またはN−メチル−2−ピロリジノンを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、第2の溶媒はメタノールである。
【0146】
ある実施形態では、R
2は、(C
1−C
4)アルキル、(C
2−C
10)アリール、または(C
2−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
2は、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
2はC
1−C
4アルキルである。ある実施形態では、R
2は−CH
3である。
ある実施形態では、添加が完了した後、反応物は、約20から70℃、約20から60℃、約20から50℃、約20から40℃、約20から30℃、約30から80℃、約30から70℃、約30から60℃、約30から50℃、約30から40℃、約40から80℃、約40から70℃、約40から60℃、約40から50℃、約50から80℃、約50から70℃、約50から60℃、約60から80℃、約60から70℃、約70から80℃、またはそれらの間の任意の部分範囲に加熱される。
【0147】
特定の実施形態において、R
aは、(C
1−C
4)アルキルであり、第1の溶媒は2−メチルテトラヒドロフランであり、アルキル化されたホルムアミドアセタールはN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールであり、R
1は(C
1−C
4)アルキルであり、塩基はアルコキシドであり、第2の溶媒はアルコールであり、添加が完了した後、反応物は約40から約50℃に加熱され、R
2は(C
1−C
4)アルキルである。
特定の実施形態において、R
aは−CH
3であり、第1の溶媒は2−メチルテトラヒドロフランであり、アルキル化されたホルムアミドアセタールはN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールであり、R
1は−CH
3であり、塩基はナトリウムメトキシドであり、第2の溶媒はメタノールであり、添加が完了した後、反応物は約40から約50℃に加熱され、R
2は−CH
3である。
【0148】
E.D−1からEE−1の調製
【化51】
D−1は、M−1と反応してEE−1を生じる。例えば、D−1を適切な溶媒に溶解して、約1から約5当量のM−1を加える。反応混合物を約0℃から約5℃に冷却して、次に約1.5から2当量の塩基を反応混合物にゆっくり加える。反応物の内部温度を添加の間中、冷却して保つ(例えば、室温未満、または約25℃未満、または約20℃未満、または約15℃未満)。添加が完了した後、反応混合物を約20から80℃で約8から約16時間加熱する。
【0149】
この時間が経過した後、反応物を室温に冷却して、酸の添加により反応を停止させ、有機溶媒を加えて希釈する。次に、生成物EE−1を抽出して、溶媒抽出、結晶化およびシリカゲルクロマトグラフィーを含むが、これらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な方法により精製することができる。
【0150】
ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキル、(C
2−C
10)アリール、または(C
2−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aはC
1−C
4アルキルである。特定の実施形態では、R
aは−CH
3である。
ある実施形態では、R
bは、(C
1−C
4)アルキル、(C
2−C
10)アリール、または(C
2−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、各R
bは、独立に(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
bはC
1−C
4アルキルである。さらなる実施形態において、R
bは−CH
3である。ある実施形態では、各R
bは−CH
3である。
【0151】
特定の実施形態において、塩基は、無機炭酸塩、金属水素化物、またはアルコキシド、またはそれらの混合物である。特定の実施形態において、塩基は無機炭酸塩である。特定の実施形態において、塩基は金属水素化物である。特定の実施形態において、塩基はアルコキシドである。典型的な無機炭酸塩は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸セシウムを含むが、これらに限定されない。典型的な金属水素化物は、水素化ナトリウムおよび水素化カリウムを含むが、これらに限定されない。典型的なアルコキシドは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、およびリチウムtert−ブトキシドを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、塩基は、3種までの混合物であり、または他の実施形態では2種までの無機炭酸塩である。ある実施形態では塩基は3種まで、または他の実施形態では2種までの金属水素化物の混合物である。ある実施形態では塩基は3種まで、または他の実施形態では2種までのアルコキシドの混合物である。ある実施形態では、塩基は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、およびリチウムtert−ブトキシドからなる群から選択される3種まで、または他の実施形態では2種までの塩基の混合物である。特定の実施形態において、塩基はナトリウムメトキシドである。
【0152】
特定の実施形態において、溶媒は、アルコールまたは極性溶媒である。ある実施形態では、溶媒はアルコールである。ある実施形態では、溶媒は極性溶媒である。典型的なアルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、およびtert−ブタノールを含むが、これらに限定されない。典型的な極性有機溶媒は、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、またはN−メチル−2−ピロリジノンを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、溶媒はN−メチル−2−ピロリジノンである。
【0153】
ある実施形態では、反応は、無機酸、有機酸、またはハロゲン化有機酸を用いて停止させる。ある実施形態では、酸は無機酸である。ある実施形態では、酸は有機酸である。ある実施形態では、酸はハロゲン化有機酸である。典型的な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸を含むが、これらに限定されない。典型的な有機酸は、ギ酸および酢酸を含むが、これらに限定されない。典型的なハロゲン化有機酸は、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、およびペルフルオロプロピオン酸を含むが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態において、酸は、1種または複数の有機酸、1種または複数の無機酸、および/または1種または複数のハロゲン化有機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までの有機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までのハロゲン化有機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までの無機酸を含む混合物である。ある実施形態では、酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ギ酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、およびペルフルオロプロピオン酸からなる群から選択される3種までまたは2種までの酸の混合物である。特定の実施形態において、酸はトリフルオロ酢酸である。特定の実施形態においては、反応を、塩酸で停止させる。特定の実施形態においては、反応を2Ν HClで停止させる。ある実施形態では、反応を停止させない。
【0154】
ある実施形態では、R
2は、(C
1−C
4)アルキル、(C
2−C
10)アリール、または(C
2−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
2は、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
2はC
1−C
4アルキルである。ある実施形態では、R
2は−CH
3である。
【0155】
ある実施形態では、添加が完了した後、反応物は、約20から80℃、約20から80℃、約20から60℃、約20から50℃、約20から40℃、約20から30℃、約30から80℃、約30から70℃、約30から60℃、約30から50℃、約30から40℃、約40から80℃、約40から70℃、約40から60℃、約40から50℃、約50から80℃、約50から70℃、約50から60℃、約60から80℃、約60から70℃、約70から80℃、またはそれらの間の任意の部分範囲に加熱される。
特定の実施形態において、R
2は(C
1−C
4)アルキルであり、各R
bは同じであるかまたは異なった(C
1−C
4)アルキルであり、R
aは(C
1−C
4)アルキルであり、塩基はアルコキシドであり、溶媒は有機溶媒である。
特定の実施形態において、R
2は−CH
3であり、各R
bは−CH
3であり、R
aは−CH
3であり、塩基はナトリウムメトキシドであり、溶媒はN−メチル−2−ピロリジノンである。
F.F−1とN−1との縮合によるG−1の形成
【0157】
1当量のF−1および適切な溶媒を反応容器中で合わせ、約5から8当量の第1の酸および約0.2から約0.5当量の第2の酸を加える。反応は約20から約100℃の間で起こり得る。
反応を約2から約5時間継続させて、その後、約1.5当量のN−1および約2から約3当量の塩基を反応容器にゆっくり導入する。添加が完了した後、反応を少なくとも約1時間進行させる。
水および追加の溶媒を反応容器に加えてG−1を抽出し、溶媒抽出、シリカゲルクロマトグラフィーおよび結晶化を含むが、これらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な方法により精製する。
特定の実施形態において、溶媒は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、またはN−メチル−2−ピロリジノン、またはそれらの混合物などの、ただしこれらに限定されない非プロトン性極性有機溶媒である。ある実施形態では、溶媒は、以下の溶媒:テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、またはN−メチル−2−ピロリジノンの1、2または3種の混合物であり、またはある実施形態では、1種または2種の混合物である。さらなる実施形態において、溶媒はアセトニトリルである。
【0158】
ある実施形態では、第1の酸は、有機酸、有機カルボン酸、または無機酸である。ある実施形態では、第1の酸は有機酸である。ある実施形態では、第1の酸は有機カルボン酸である。ある実施形態では、第1の酸は無機酸である。典型的な有機酸は、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびトリフルオロ酢酸を含むが、これらに限定されない。典型的な有機カルボン酸は、酢酸、ギ酸、酪酸、プロピオン酸、および安息香酸であるが、これらに限定されない。典型的な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、または硫酸を含むが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態において、第1の酸は酢酸である。
【0159】
ある実施形態では、第2の酸は、有機酸、有機カルボン酸、または無機酸である。ある実施形態では、第2の酸は有機酸である。ある実施形態では、第2の酸は有機カルボン酸である。ある実施形態では、第1の酸は無機酸である。典型的な有機酸は、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびトリフルオロ酢酸を含むが、これらに限定されない。典型的な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、および硫酸を含むが、これらに限定されない。典型的な有機カルボン酸は、酢酸、ギ酸、酪酸、プロピオン酸、または安息香酸を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、第2の酸は、メタンスルホン酸またはギ酸である。
【0160】
ある実施形態では、第1の酸は酢酸であり、第2の酸はメタンスルホン酸である。
ある実施形態では、第1の酸と第2の酸は同じ酸である。さらに他の実施形態では、第1の酸および第2の酸は、ギ酸または酢酸である。
ある実施形態では、N−1は、反応混合物に加えられるときに溶液である。
さらなる実施形態において、LはH
2−CH
2−であり、すなわち、N−1は、(1R,3S)−3−アミノシクロペンタン−1−オール
【化53】
である。
いくつかの実施形態では、N−1は、
【化54】
(3−アミノシクロペンタノール)である。
【0161】
特定の実施形態において、N−1は、塩または共結晶である。N−1の適切な塩または共結晶は、シュウ酸、塩酸、マンデル酸、R−マンデル酸、およびS−マンデル酸を含むが、これらに限定されない。N−1の適切な塩または共結晶は、安息香酸、ナプロキセン、S−ナプロキセンおよびR−ナプロキセンを含むが、これらに限定されない。
【0162】
さらにさらなる実施形態において、N−1は、
【化55】
である。
【0163】
さらにさらなる実施形態において、N−1は、
【化56】
である。
ある実施形態では、酸(複数可)の添加後、反応を、約20から約90℃、約20から約80℃、約20から約70℃、約20から約60℃、約20から約50℃、約20から約40℃、約20から約30℃、約30から約100℃、約30から約90℃、約30から約80℃、約30から約70℃、約30から約60℃、約30から約50℃、約30から約40℃、約40から約100℃、約40から約90℃、約40から約80℃、約40から約70℃、約40から約60℃、約40から約50℃、約50から約100℃、約50から約90℃、約50から約80℃、約50から約70℃、約50から約60℃、約60から約100℃、約60から約90℃、約60から約80℃、約60から約70℃、約70から約80℃、またはそれらの間の任意の部分範囲に保つ。さらにさらなる実施形態において、酸(複数可)の添加後、反応を約65から約70℃、約70から約75℃、約75から約80℃、またはそれらの間の任意の部分範囲に保つ。
【0164】
特定の実施形態において、溶媒はアセトニトリルであり、第1の酸は有機カルボン酸であり、第2の酸も有機カルボン酸であり、酸の添加後、反応を約70から約75℃に保つ。
特定の実施形態において、溶媒はアセトニトリルであり、第1の酸は酢酸であり、第2の酸はメタンスルホン酸であり、酸の添加後、反応は約70から約75℃に保たれて、N−1は、
【化57】
である。
【0165】
G.G−1の脱保護による式Iの化合物の形成
【化58】
【0166】
反応容器に約1当量のG−1および適切な溶媒を投入する。約2から3当量の金属塩、ルイス酸、または他の試薬を溶液に加える。生じた懸濁液を約40から約100℃で約10分から約3時間撹拌する。反応を酸の添加により停止させてから、式Iの化合物を抽出して、溶媒抽出、分取HPLCおよび結晶化などの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製する。
特定の実施形態において、溶媒は、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリジノン、またはそれらの混合物などの、ただしこれらに限定されない非プロトン性極性有機溶媒である。さらなる実施形態において、溶媒はアセトニトリルである。
【0167】
ある実施形態では、G−1を、金属塩、ルイス酸、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、トリフルオロ酢酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の試薬と反応させる。
さらなる実施形態において、上記金属塩は、臭化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、およびヨウ化リチウムからなる群から選択される。さらにさらなる実施形態において、金属塩は塩化リチウムである。
【0168】
特定の実施形態において、ルイス酸は、三フッ化ホウ素メチルエーテレート、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテレート、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、クロロトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、パラジウム、および三フッ化ホウ素ジエチルエーテレートからなる群から選択される。ある実施形態では、ルイス酸は、クロロトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、パラジウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される。
特定の実施形態において、変換を容易にするために適切な他の試薬は、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、およびトリフルオロ酢酸である。
【0169】
特定の実施形態において、式Iの化合物を形成させるためのG−1の脱保護は、臭化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、三フッ化ホウ素メチルエーテレート、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテレート、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、クロロトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、パラジウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、クロロトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、パラジウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される試薬の約2から約3当量の存在で起こる。
【0170】
ある実施形態では、反応は、約40から約50℃、約40から約60℃、約40から約70℃、約50から約60℃、約50から約70℃、約50から約80℃、約60から約70℃、約60から約80℃、またはそれらの間の任意の部分範囲で進行する。特定の実施形態において、反応は約50℃で進行する。
特定の実施形態において、溶媒はアセトニトリルであり、金属塩は臭化マグネシウムであり、反応は約50℃で進行する。
H.F−1の加水分解による式IIの化合物の生成
【化59】
【0171】
反応容器に、約1当量のF−1を投入して、約10〜15部の第1の有機溶媒および約3から8部の水の溶液を調製する。約2当量の塩基を溶液に加える。生じた懸濁液を約0から約50℃で約14から約17時間撹拌する。変換は、HPLCなどの、ただしこれに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な方法によりモニターすることができる。
水および第2の有機溶媒を上記懸濁液に加えて、適切な酸の滴下によりpHを約pH3に調節する。次に、生成物の式IIの化合物を抽出してもよく、任意選択で、溶媒抽出、シリカゲルクロマトグラフィーおよび結晶化などの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法によって精製してもよい。
【0172】
ある実施形態では、第1の有機溶媒は、アルコール性溶媒または極性有機溶媒である。ある実施形態では、第1の有機溶媒はアルコール性溶媒である。ある実施形態では、第1の有機溶媒は極性有機溶媒である。典型的なアルコール性溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、およびtert−ブタノールを含むが、これらに限定されない。典型的な極性有機溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、およびN−メチル−2−ピロリジノンを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、第1の有機溶媒はメタノールである。
【0173】
さらなる実施形態において、塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される。さらにさらなる実施形態において、塩基は水酸化リチウム一水和物である。
ある実施形態では、反応は、約10から約50℃、約10から約40、約10から約30℃、約10から約20℃、約20から約50℃、約20から約40℃、約20から約30℃、約30から約50℃、約30から約40℃
、約40から約50℃、またはそれらの間の任意の部分範囲で進行する。特定の実施形態において、反応は室温で進行する。さらなる実施形態において、反応は約18から約23℃で進行する。
【0174】
特定の実施形態において、塩基は、水酸化リチウム一水和物であり、反応は約10から約50℃で進行し、第1の有機溶媒はメタノールである。
特定の実施形態において、塩基は、水酸化リチウム一水和物であり、反応は約18から約23℃で進行し、第1の有機溶媒はメタノールである。
I.B−1とQ−1からBB−1の調製
【化60】
約1当量のB−1および8から12当量のQ−1を反応容器に加えて適切な有機溶媒に溶解する。次に該溶液を約85から約115℃に加熱して、約2から6時間進行させ、その時間の後、反応物を室温に冷却する。次に、BB−1を、シリカゲルクロマトグラフィーなどの、ただしこれに限定されない当技術分野において公知の技法を使用して精製する。
【0175】
ある実施形態では、溶媒は、非極性芳香族溶媒または極性の非プロトン性溶媒である。ある実施形態では、溶媒は、非極性芳香族溶媒である。ある実施形態では、溶媒は極性の非プロトン性溶媒である。典型的な非極性芳香族は、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、およびジクロロベンゼンを含むが、これらに限定されない。典型的なな極性の非プロトン性溶媒は、NN−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、およびN−メチルピロリジノンを含むが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態において、反応は、追加の溶媒なしで起こり得る。特定の実施形態において、溶媒はトルエンである。
ある実施形態では、反応は、約85から約105℃、約85から約95℃、約95から約105℃、約95から約115℃、約105から約115℃、約100から約105℃、約105から約110℃、約110から約115℃、またはそれらの間の任意の部分範囲で起こる。
【0176】
特定の実施形態において、反応は、約95から約115℃で起こり、溶媒はトルエンである。
特定の実施形態において、反応は約110から約115℃で進行し、溶媒はトルエンである。
J.BB−1からC−1の調製
【化61】
【0177】
約1当量のBB−1および約1から約3当量のJ−1を反応容器中で合わせる。化合物を極性の非プロトン性溶媒または芳香族溶媒に溶解する。ある実施形態では、溶解した化合物を極性の非プロトン性溶媒に懸濁する。ある実施形態では、化合物を芳香族溶媒に溶解する。典型的な極性の非プロトン性溶媒は、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、およびN−メチル−2−ピロリジノンを含むが、これらに限定されない。典型的な芳香族溶媒は、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、およびクロロベンゼンを含むが、これらに限定されない。さらにさらなる実施形態においては、化合物を、1種または複数の極性の非プロトン性溶媒および/または1種または複数の芳香族溶媒を含む溶媒混合物に溶解する。ある実施形態では、化合物を、3種までまたは2種までの極性の非プロトン性溶媒を含む溶媒混合物に溶解する。ある実施形態では、化合物を、3種までまたは2種までの芳香族溶媒を含む溶媒混合物に溶解する。ある実施形態では、化合物を、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリジノン、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、およびクロロベンゼンからなる群からの3種までまたは2種までの溶媒を含む溶媒混合物に溶解する。さらなる実施形態においては、化合物をトルエンに溶解する。
【0178】
特定の実施形態において、各Halは、独立に−Fまたは−Clである。特定の実施形態において、Halは−Fである。ある実施形態では、n=1〜3である。ある実施形態では、n=2である。ある実施形態では、n=3である。さらなる実施形態において、J−1は、
【0179】
【化62】
である。ある実施形態では、J−1は、
【化63】
である。さらなる実施形態において、J−1は、
【化64】
である。
【0180】
さらにさらなる実施形態において、J−1は、塩酸またはトリフルオロ酢酸の塩または共結晶などの、ただしこれらに限定されない塩または共結晶の形態である。ある実施形態では、J−1は、メタンスルホン酸の塩または共結晶である。
ある実施形態では、反応は、約65から約115℃、約75から約115℃
、約85から約115℃、約95から約115℃、約105から約115℃、約65から約70℃、約70から約80℃、約80から約90℃、約90から約100℃、約100から約110℃、約110から約115℃、またはそれらの間の任意の部分範囲で進行する。
【0181】
ある実施形態では、溶媒は減圧下で除去する。特定の実施形態において、C−1は、粗残渣から溶媒抽出によって抽出する。生じた粗材料は、シリカゲルクロマトグラフィーまたは結晶化などの任意の適切な技法を使用して精製し、C−1を得る。
特定の実施形態において、化合物は芳香族溶媒に溶解し、J−1は
【化65】
であり、反応は約65から約115℃で進行する。
特定の実施形態において、化合物は、トルエンに溶解して、J−1は、
【化66】
であり、反応は約100から約110℃で進行する。
【0182】
K.B−1・J−1からC−1の調製
【化67】
【0183】
B−1・J−1、溶媒および酸を、反応器中で、C−1を得るのに効果的な条件下で合わせる。
ある実施形態では、酸は存在しない。ある実施形態では、酸は、プロトン酸またはルイス酸である。ある実施形態では、プロトン酸は、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、クロロ酢酸、酢酸、ギ酸、塩酸、臭化水素酸、パラ−トルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、ルイス酸は、塩化亜鉛、臭化マグネシウム、マグネシウムトリフレート、銅トリフレート、およびスカンジウムトリフレートを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、酸はトリフルオロ酢酸である。
【0184】
ある実施形態では、約10当量、約5当量、約1当量、または約0.1当量の酸を、B−1・J−1の反応で使用してC−1を形成させる。
ある実施形態では、溶媒はトルエン、ヘプタン、水、2−メチルテトラヒドロフラン、酢酸イソ−プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、メチル−tert−ブチルエーテル、ジメチルスルホキシド、n−ブタノール、アセトニトリル、アセトン、またはそれらの混合物である。特定の実施形態において、溶媒はアセトニトリルである。
【0185】
ある実施形態では、B−1・J−1は、約2から40mL/g、約2から20mL/g、約5から15mL/gの範囲の濃度である。特定の実施形態において、B−1・J−1約10mL/gの濃度である。
ある実施形態では、反応混合物を、約20および110℃、約30および90℃、約40および80℃、約50および70℃、約55および65℃、または約58および61℃の間の温度に加熱する。特定の実施形態において、反応混合物を約60℃に加熱する。
ある実施形態では、他の添加剤を反応に加える。ある実施形態では、該添加剤は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、および塩化カリウムを含むが、これらに限定されない。
ある実施形態では、B−1・J−1を約20℃で反応器に一度に投入し、続いて加熱する。ある実施形態では、反応器に、B−1・J−1を加熱しながら分割して1時間かけて投入する。
【0186】
ある実施形態では、反応物は、約1から24時間、約2から12時間、または約3から6時間加熱される。特定の実施形態において、反応物は約2.5時間加熱される。
ある実施形態では、生成した生成物を抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
ある実施形態では、反応物を冷却して反応器の内容物を一部蒸留する。
ある実施形態では、有機相を、少なくとも1回水溶液で洗浄する。ある実施形態では、該水溶液は、約23%のNaCl、約1.5%のH
2SO
4、および約76%の水を含有する。ある実施形態では、該水溶液は約20%NaClを含有する。
ある実施形態では、生成物の溶液に、前に単離されたC−1の結晶核を入れる。ある実施形態では、固体C−1は濾過により単離する。
【0187】
特定の実施形態において、各Halは独立に−Fまたは−Clである。特定の実施形態において、各Halは−Fである。ある実施形態では、n=1〜3である。ある実施形態では、n=2である。ある実施形態では、n=3である。さらなる実施形態において、J−1は、
【化68】
である。ある実施形態では、J−1は、
【化69】
である。さらなる実施形態において、J−1は、
【化70】
である。
【0188】
ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aは(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aはメチルである。
特定の実施形態において、R
aは(C
1−C
4)アルキルであり、溶媒はアセトニトリルであり、反応混合物を約60℃に加熱して、J−1は、
【0189】
【化71】
である。
特定の実施形態において、R
aはメチルであり、溶媒はアセトニトリルであり、反応混合物を約60℃に加熱し、J−1は、
【化72】
である。
【0190】
L.C−1からのエナミン形成によるD−1の提供
【化73】
【0191】
溶媒中のC−1および酸の溶液に、約0.5から約1.5当量のアルキル化されたホルムアミドアセタールを、D−1を得るのに効果的な条件下で加える。
特定の実施形態において、1当量のC−1を約1.1当量のアルキル化されたホルムアミドアセタールと合わせる。
ある実施形態では、アルキル化されたホルムアミドアセタールは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジメチルアセタール、およびN,N−ジイソプロピルホルムアミドジメチルアセタールからなる群から選択される。特定の実施形態において、アルキル化されたホルムアミドアセタールは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールである。
【0192】
ある実施形態では、溶媒は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−メチルテトラヒドロフランまたはN−メチル−2−ピロリドンである。特定の実施形態において、溶媒は2−メチルテトラヒドロフランである。
ある実施形態では、酸は有機酸である。ある実施形態では、有機酸は、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、およびペルフルオロプロピオン酸を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、酸は、3種までまたは2種までの有機酸を含む混合物である。特定の実施形態において、酸はトリフルオロ酢酸である。
【0193】
ある実施形態では、反応混合物を約40℃の内部温度に加熱した後に、アルキル化されたホルムアミドアセタールを加える。
ある実施形態では、反応は、約0から75℃、約10から60℃、約20から50℃、約40から50℃、または約30から40℃で進行する。特定の実施形態において、反応は、室温で進行する。さらなる実施形態において、反応は約40℃で進行する。
ある実施形態では、反応は、約0.1時間から約12時間、約0.1時間から約6時間、約0.1時間から約3時間、約0.1時間から約1時間、または約0.2時間から約0.5時間の間に進行する。
ある実施形態では、D−1を抽出して、溶媒抽出、結晶化、およびクロマトグラフィーを含むが、これに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な方法により精製する。
【0194】
ある実施形態では、D−1の結晶核を加えて、その混合物を撹拌する。ある実施形態では、混合物は約40℃で少なくとも1時間撹拌する。
ある実施形態では、約0.2から0.6当量のアルキル化されたホルムアミドアセタールを加えて、反応混合物を少なくとも約25分間かき混ぜる。反応混合物を室温に冷却して、そのまま約12時間撹拌させる。
ある実施形態では、反応器の内容物を濾過して、濾過ケーキを溶媒で濯ぎ、乾燥してD−1を得る。ある実施形態では、溶媒は2−メチルテトラヒドロフランとヘプタンの組合せである。
特定の実施形態において、各Halは、独立に−Fまたは−Clである。特定の実施形態において、各Halは−Fである。ある実施形態では、n=1〜3である。ある実施形態では、n=2である。ある実施形態では、n=3である。
【0195】
ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aは(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aはメチルである。
ある実施形態では、各R
bは、独立に、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、各R
bは、独立に(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
bはメチルである。
特定の実施形態において、R
bは(C
1−C
4)アルキルであり、R
aは(C
1−C
4)アルキルであり、アルキル化されたホルムアミドアセタールは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールであり、溶媒は2−メチルテトラヒドロフランであり、反応は約10から約60℃で進行し、酸はトリフルオロ酢酸であり、各Halは−Fであり、n=3である。
特定の実施形態において、R
bはメチルであり、R
aもメチルであり、アルキル化されたホルムアミドアセタールはN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールであり、溶媒は2−メチルテトラヒドロフランであり、反応は約40℃で進行し、酸はトリフルオロ酢酸であり、Halは−Fdであり、n=3である。
【0196】
M.D−1からE−1を通るF−1の形成
【化74】
【0197】
D−1の溶媒中の溶液に、E−1を生じさせるのに効果的な条件下で約1.1当量のK−1を加える。
ある実施形態では、溶媒は、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、メタノールおよびtert−ブタノールなどの、ただしこれらに限定されないアルコール性溶媒、または2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、およびN−メチル−2−ピロリジノンなどの、ただしこれらに限定されない非プロトン性極性有機溶媒である。特定の実施形態において、溶媒はメタノールである。
【0198】
ある実施形態では、K−1は、アミノアセトアルデヒドジエチルアセタール、アミノアセトアルデヒドジプロピルアセタール、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール、およびアミノアセトアルデヒドジブチルアセタールである。ある実施形態では、K−1は、特定の実施形態において、K−1はアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールである。
ある実施形態では、反応は、約10から60℃、約10から50℃、約10から40℃、約10から30℃、約10から20℃、20から60℃、約20から50℃、約20から40℃、約20から30℃、約30から60℃、約30から50℃、約30から40℃、約40から60℃、約40から50℃、約50から60℃、またはそれらの間の任意の部分範囲で進行する。特定の実施形態において、反応は室温で進行する。さらなる実施形態において、反応は約16℃から約23℃で進行する。
ある実施形態では、反応物は、約0.1から約12時間、約0.5から約4時間、約1から約2時間撹拌される。
【0199】
反応が十分に進行してE−1が生じたら、M−1を反応混合物に加える。
ある実施形態では、約1から約10当量または約1から約5当量のM−1を加える。特定の実施形態では、約5当量のM−1を加える。
ある実施形態では、M−1は、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジプロピル、またはシュウ酸ジブチルである。特定の実施形態において、M−1はシュウ酸ジメチルである。
【0200】
反応混合物を、M−1の溶解を達成するために十分な温度で撹拌する。ある実施形態では、反応混合物を、約20〜80℃、約20〜70℃、約20〜60℃、約30〜60℃、約40〜50℃または約45℃で撹拌する。
ある実施形態では、M−1の添加後に塩基を反応混合物に加える。
ある実施形態では、塩基は、金属水素化物、アルコキシド、無機炭酸塩、またはビス(トリアルキルシリル)アミドである。ある実施形態では、塩基は金属水素化物である。ある実施形態では、塩基はアルコキシドである。ある実施形態では、塩基は無機炭酸塩である。ある実施形態では、塩基はビス(トリアルキルシリル)アミドである。典型的な金属水素化物は、水素化リチウム、水素化ナトリウム、および水素化カリウムを含むが、これらに限定されない。典型的なアルコキシドは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、およびリチウムtert−ブトキシドを含むが、これらに限定されない。典型的なビス(トリアルキルシリル)アミド塩基は、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、およびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドを含むが、これらに限定されない。典型的な炭酸塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、および炭酸セシウムを含むが、これらに限定されない。
【0201】
さらにさらなる実施形態において、塩基は、少なくとも1種の前述の塩基の混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までの金属水素化物の混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までのアルコキシドの混合物である。ある実施形態では、塩基は、3種までまたは2種までの金属ビス(トリアルキルシリル)アミドの混合物である。ある実施形態では、塩基は、以下の塩基:水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、リチウムtert−ブトキシド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、およびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドの3種までまたは2種までの混合物である。
【0202】
特定の実施形態において、塩基はナトリウムメトキシドである。特定の実施形態において、塩基は、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液である。
ある実施形態では、塩基の添加後、反応物は、約20から80℃、20から70℃、約20から60℃、約20から50℃、約20から40℃、約20から30℃、約30から80℃、約30から70℃、約30から60℃、約30から50℃、約30から40℃、約40から80℃、約40から70℃、約40から60℃、約40から50℃、約50から80℃、約50から70℃、約50から60℃、約60から80℃、約60から70℃、約70から80℃、またはそれらの間の任意の部分範囲に加熱される。特定の実施形態においては、反応物は、約42から48℃に加熱される。特定の実施形態においては、反応物は、約45℃に加熱される。
【0203】
ある実施形態では、反応物は、約1から約24時間、約6から約24時間、約12から約20時間、約14から約18時間撹拌される。
ある実施形態では、反応物を水溶液で希釈して、F−1を抽出し、溶媒抽出、結晶化、およびシリカゲルクロマトグラフィーを含むがこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な方法により精製する。
ある実施形態では、反応進行中約1時間にわたって温度を約34〜37℃に下げ、任意選択でF−1の結晶を投入し、約1〜2時間熟成させる。この時点で、水を加えて温度を約18〜22℃に下げて1時間おく。生じたスラリーを濾過する。
【0204】
ある実施形態では、溶剤を再循環して反応器中に残存する固体を取り除く。次に、フィルタ上に捕集した固体を1:1の水とメタノールの混合物で、次に水で洗浄する。捕集した湿ったケーキを真空オーブン中約36〜42℃で約16時間乾燥して、F−1を提供する。
ある実施形態では、R
1は、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
1はC
1−C
4アルキルである。さらなる実施形態において、R
1は−CH
3であり、すなわち、K−1はアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールである。
【0205】
ある実施形態では、R
2は、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
2はC
1−C
4アルキルである。ある実施形態では、R
2は−CH
3である。
特定の実施形態において、各Halは独立に−Fまたは−Clである。特定の実施形態において、Halは−Fである。ある実施形態では、n=1〜3である。ある実施形態では、n=2である。ある実施形態では、n=3である。
ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aはメチルである。
【0206】
ある実施形態では、各R
bは、独立に、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、各R
bは、独立に(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
bはメチルである。
特定の実施形態において、R
bはメチルであり、R
aは(C
1−C
4)アルキルであり、各Halは−Fであり、n=3であり、R
2は(C
1−C
4)アルキルであり、R
1は(C
1−C
4)アルキルであり、溶媒はアルコール性溶媒であり、K−1はアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールであり、第1の反応は約2から約40℃で進行し、第2の反応物は約20から約80℃に加熱され、塩基はnアルコキシドであり、M−1はシュウ酸ジメチルである。
特定の実施形態において、R
bはメチルであり、R
aはメチルであり、Halは−Fであり、n=3であり、R
2は−CH
3であり、R
1は−CH
3であり、溶媒はメタノールであり、K−1はアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールであり、第1の反応は約16から約23℃で進行し、第2の反応物は約45℃に加熱され、塩基はナトリウムメトキシドであり、M−1はシュウ酸ジメチルである。
【0207】
N.F−1のアセタール加水分解によるFF−1の形成
【化75】
溶媒中のF−1の溶液に、FF−1を生じさせるのに効果的な条件下で、約0.1から1当量の第1の酸および約2から20当量の第2の酸を加える。
いくつかの実施形態では、約0.1から0.5当量の第1の酸を加える。特定の実施形態においては、約0.1当量の第1の酸を加える。
【0208】
いくつかの実施形態では、溶媒は、極性有機溶媒または弱プロトン酸である。いくつかの実施形態では、極性有機溶媒は、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン(tetrahydroduran)、1,4−ジオキサン、アセトニトリルおよび酢酸エチルを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、弱プロトン酸は、ギ酸、プロピオン酸および酪酸を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、溶媒はアセトニトリルである。
いくつかの実施形態では、第1の酸は、メタンスルホン酸、硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸およびカンファースルホン酸を含むが、これらに限定されない強プロトン酸である。
特定の実施形態において、第1の酸はp−トルエンスルホン酸である。特定の実施形態において、第1の酸はp−トルエンスルホン酸一水和物である。
【0209】
いくつかの実施形態では、第2の酸は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸および酪酸を含むが、これらに限定されない弱プロトン酸である。特定の実施形態において、第2の酸は酢酸である。
次に、反応物は、約20から120℃、約40から100℃、約60から80℃、または約70から80℃に加熱される。特定の実施形態においては、反応物は約75℃に加熱される。
ある実施形態では、反応混合物を、約1から約24時間、約4から約14時間、約8から約10時間の間撹拌する。
ある実施形態では、水を反応混合物に加える。
ある実施形態では、形成された生成物を抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
【0210】
ある実施形態では、混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去する。その結果生じたスラリーを、次に室温で約2時間熟成して濾過し、水で洗浄する。ケーキを真空オーブン中50℃で少なくとも10時間乾燥するとFF−1が生じる。
ある実施形態では、R
1は、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
1はC
1−C
4アルキルである。さらなる実施形態において、R
1は−CH
3である。
ある実施形態では、R
2は、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
2はC
1−C
4アルキルである。ある実施形態では、R
2は−CH
3である。
特定の実施形態において、各Halは独立に−Fまたは−Clである。特定の実施形態において、Halは−Fである。ある実施形態では、n=1〜3である。ある実施形態では、n=2である。ある実施形態では、n=3である。
【0211】
ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aは(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aはメチルである。
特定の実施形態において、R
aは(C
1−C
4)アルキルであり、各Halは−Fであり、n=3であり、R
2は(C
1−C
4)アルキルであり、R
1は(C
1−C
4)アルキルであり、反応物は約20から約120℃に加熱され、第1の酸はp−トルエンスルホン酸であり、第2の酸は酢酸であり、溶媒はアセトニトリルである。
特定の実施形態において、R
aはメチルであり、Halは−Fであり、n=3であり、R
2は−CH
3であり、R
1は−CH
3であり、反応物は約75℃に加熱され、第1の酸はp−トルエンスルホン酸であり、第2の酸は酢酸であり、溶媒はアセトニトリルである。
【0212】
O.FF−1およびN−1の環化によるG−1の形成
【化76】
出発原料FF−1、N−1、またはそれらの塩もしくは共結晶、および添加剤を、G−1を生じさせるのに効果的な条件下で、溶媒と合わせる。
【0213】
ある実施形態では、添加剤は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、プロピオン酸ナトリウム、およびプロピオン酸カリウムなどの、ただしこれらに限定されないカルボン酸塩である。ある実施形態では、添加剤は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、および炭酸セシウムなどの、ただしこれらに限定されない炭酸塩である。ある実施形態では、添加剤は、モレキュラーシーブス、オルト酢酸トリメチル、およびオルトギ酸トリメチルなどの、ただしこれらに限定されない脱水剤である。特定の実施形態において、添加剤は酢酸カリウムである。
ある実施形態では、約1から約2または約1から約1.5当量のN−1またはそれらの塩もしくは共結晶を使用する。
ある実施形態では、約1から約5当量の添加剤を使用する。特定の実施形態において、約2.5当量の添加剤を加える。
ある実施形態では、溶媒は、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン、2−メチルテトラヒドロフラン、酢酸イソプロピル、ジクロロメタン、またはそれらの混合物である。特定の実施形態において、溶媒はジクロロメタンである。
【0214】
ある実施形態では、反応物は、約0から約40℃、約10から約30℃、約15から約25℃、約20℃で撹拌する。
ある実施形態では、G−1を抽出して、場合により溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
特定の実施形態において、反応混合物を、水溶液で洗浄して蒸発乾固させる。特定の実施形態において、残渣をジメチルホルムアミドに溶解して、生じた溶液を水に加えて約2時間かき混ぜる。生成物のスラリーを、約20℃で約12時間熟成させて濾過する。生成物のケーキを水で洗浄して乾燥するとG−1が生じる。
【0215】
ある実施形態では、N−1は、反応混合物に加えられるときに溶液である。
さらなる実施形態において、Lは−CH
2−CH
2−である。
特定の実施形態において、N−1は、(1R,3S)−3−アミノシクロペンタン−1−オール:
【化77】
である。
特定の実施形態において、N−1は、遊離塩基であるかまたは合成して単離せずに使用する。
【0216】
特定の実施形態において、N−1は塩または共結晶である。N−1の適切な塩または共結晶は、安息香酸、酢酸、フマル酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、塩酸、ナプロキセン、S−ナプロキセン、R−ナプロキセン、マンデル酸、R−マンデル酸、およびS−マンデル酸を含むが、これらに限定されない。
【0217】
さらにさらなる実施形態において、N−1は
【化78】
である。
【0218】
特定の実施形態において、N−1は、安息香酸との塩または共結晶である。
特定の実施形態において、N−1は
【化79】
である。
【0219】
特定の実施形態において、各Halは独立に−Fまたは−Clである。特定の実施形態において、各Halは−Fである。ある実施形態では、n=1〜3である。ある実施形態では、n=2である。ある実施形態では、n=3である。
ある実施形態では、R
2は、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
2はC
1−C
4アルキルである。ある実施形態では、R
2はCH
3である。
【0220】
ある実施形態では、R
aは、(C
1−C
4)アルキル、(C
6−C
10)アリール、または(C
6−C
10)アリール(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aは(C
1−C
4)アルキルである。ある実施形態では、R
aはメチルである。
特定の実施形態において、R
aは(C
1−C
4)アルキルであり、各Halは−Fであり、n=3であり、R
2は−CH
3であり、N−1は
【化80】
であり、溶媒はジクロロメタンであり、反応物は約0から約40℃で撹拌され、添加剤は酢酸カリウムである。
【0221】
特定の実施形態において、R
aはメチルであり、Halは−Fであり、n=3であり、R
2は−CH
3であり、N−1は
【化81】
であり、溶媒はジクロロメタンであり、反応物は約20℃で撹拌され、添加剤は酢酸カリウムである。
【0222】
P.(−)−ビンスラクタムのa−1を通るb−1への変換
【化82】
不活性ガスでパージした反応器中で、触媒、溶媒および(−)−ビンスラクタムを撹拌する。水素の供給源を加える。
【0223】
ある実施形態では、水素供給源は、ギ酸、ヒドラジン、ジヒドロナフタレン、ジヒドロアントラセン、水素ガス、またはHantzschエステルおよびイソプロパノールである。特定の実施形態において、水素供給源は、水素ガスである。
ある実施形態では、触媒は、PtO
2などの白金触媒、ラネーニッケルなどのニッケル触媒、RhCl(PPh
3)
3などのロジウム触媒、パラジウム触媒、野依触媒などのルテニウム触媒またはクラブトリー触媒などのイリジウム触媒である。いくつかの実施形態では、触媒は、Pd/C、PtO
2、ラネーニッケル、RhCl(PPh
3)
3、野依触媒、およびクラブトリー触媒からなる群から選択される。特定の実施形態において、触媒はPd/Cである。
ある実施形態では、溶媒は、THF、2−MeTHF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、DME、MTBE、CPME、EtOAc、およびDCMなどの極性の非プロトン性溶媒である。ある実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ブタノール、およびイソプロパノールなどの極性プロトン性溶媒である。特定の実施形態において、溶媒は2−メチルテトラヒドロフランである。
ある実施形態では、反応物は、約0から65℃、約10から55℃、約15から45℃、約20から40℃、約25から35℃で撹拌される。
【0224】
ある実施形態では、反応器を、約0.30から約0.35MPaに保つ。
ある実施形態では、反応は、約1から約24時間、約1から約12時間、約3から約9時間、約6.5時間にわたって起こる。
ある実施形態では、形成された生成物を抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
ある実施形態では、セライトを通して反応物を濾過し、2−MeTHFで洗浄すると、水素化された生成物が溶液で生じる。
ある実施形態では、水素化された生成物の溶液に、第2の触媒ならびに保護基のために活性化された供給源を加える。
【0225】
ある実施形態では、第2の触媒は、イミダゾール、4−ジメチルアミノピリジンの誘導体、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、およびピリジンなどの求核性アミンを含有する化合物、またはトリフェニルホスフィンなどの求核性ホスフィンを含有する化合物である。特定の実施形態において、第2の触媒は4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)である。
ある実施形態では、保護基の活性化された供給源はBoc
2Oである。特定の実施形態においては、Boc
2Oを2−MeTHF中の溶液で調製する。
ある実施形態では、保護基はBocである。
【0226】
ある実施形態では、反応は、THF、EtOAc、DCM、アセトニトリルまたは2−MeTHFなどの極性の非プロトン性溶媒中で起こる。特定の実施形態において、反応は2−MeTHF中で起こる。
ある実施形態では、反応は、約20から80℃、約25から70℃、約35から60℃、約45から50℃の範囲内の温度で起こる。
ある実施形態では、反応は、約0.5から約12時間、約1から約6時間、約1から約3時間、約2時間で起こる。
ある実施形態では、形成された生成物を抽出して、場合により溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により抽出してもよい。
ある実施形態では、溶液を濃縮して第2の溶媒を加える。
【0227】
ある実施形態では、第2の溶媒は、THF、ジオキサン、DME、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、MTBE、CPME、2−MeTHFおよびトルエンなどの極性の非プロトン性溶媒である。特定の実施形態において、第2の溶媒は2−MeTHFである。
ある実施形態では、溶液を、約−50から30℃、約−50から30℃、約−30から20℃、約−20から10℃、約−10から0℃に維持する。
水素化および保護基PGの添加に続いて、求核剤R
3Mを反応混合物に加える。
ある実施形態では、求核剤R
3Mは、ハロゲン化エチルマグネシウム、n−プロピルマグネシウムハロゲン化物、およびハロゲン化n−ブチルマグネシウムなどのn−アルキルグリニャール試薬、またはメチルリチウム、n−ブチルリチウム、およびn−ヘキシルリチウムなどの有機リチウム試薬である。特定の実施形態において、求核剤は臭化メチルマグネシウムである。
ある実施形態では、反応物を所望の温度範囲内に維持しながら、求核剤R
3Mを約1から約12時間、約3から約9時間、約5から約7時間、約6時間かけて加える。添加が完了した後、混合物を、さらに約0.5から約12時間、約0.5から約6時間、約0.5から約4時間、約1から約2時間撹拌する。
ある実施形態では、形成された生成物を抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
【0228】
ある実施形態では、求核剤R
3Mの添加後、温度を約0から5℃に維持しながら、15%AcOH水溶液を加えてpHを約7に調節する。層分離をして有機層を水で2回洗浄する。有機層を減圧下に約45℃以下で、4から5分の1の体積に濃縮する。溶液を2−MeTHFと共沸させる。最終の溶液を減圧下で約2.5から3分の1の体積に濃縮して、温度を30から35℃に維持しながらn−ヘプタンをゆっくり加える。ある実施形態では、b−1の結晶核を加えて混合物を約30から35℃で約5から10時間撹拌する。
ある実施形態では、温度を30から35℃に維持しながら約5時間かけてさらにn−ヘプタンを追加する。内容物を−5から0℃に冷却して約1から2時間保つ。生成物を濾過により捕集して、−5から0℃で、n−ヘプタンで洗浄して減圧下に40から45℃で乾燥するとb−1が得られる。
【0229】
特定の実施形態において、水素供給源は水素ガスであり、触媒はパラジウム触媒であり、水素化のための溶媒は2−メチルテトラヒドロフランであり、水素化反応物は約0から約65℃で撹拌され、第2の触媒は求核性アミンを含有する化合物であり、保護基の活性化供給源はBoc
2Oであり、保護反応は2−MeTHF中において約25から70℃で起こり、第2の溶媒は2−MeTHFであり、求核剤は臭化メチルマグネシウムである。
特定の実施形態において、水素供給源は水素ガスであり、触媒はPd/Cであり、水素化のための溶媒は2−メチルテトラヒドロフランであり、水素化反応物は約25から35℃で撹拌され、第2の触媒は4−ジメチルアミノピリジンであり、保護基の活性化供給源はBoc
2Oであり、保護反応は、2−MeTHF中約45から50℃で起こり、第2の溶媒は2−MeTHFであり、求核剤は臭化メチルマグネシウムである。
【0230】
Q.b−1のc−1への変換
【化83】
溶媒中のb−1の溶液に、酸化性物質を加えて反応物を撹拌する。
ある実施形態では、PGは保護基である。ある実施形態では、保護基PGはBocである。
【0231】
ある実施形態では、溶媒は、DCM、1,2−ジクロロエタン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素およびDMFなどの極性の非プロトン性溶媒であり、または水、酢酸、メタノール、およびエタノールなどの極性プロトン性溶媒である。特定の実施形態において、溶媒はトルエンである。
ある実施形態では、酸化性物質とは、過酸化水素、オキソン、t−ブチル過酸化水素、トリフルオロ過酢酸(TFPAA)、ニトロ過安息香酸、モノ過マレイン酸(MPMA)、モノ過フタル酸、モノ過フタル酸マグネシウム塩、過硫酸、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、シリル化過酸、ベンゼンペルオキシセレニン酸、過ホウ酸ナトリウム、メタ−クロロ過安息香酸、または樹脂に結合した過酸である。特定の実施形態において、酸化性物質はメタ−クロロ過安息香酸(mCPBA)である。
ある実施形態では、mCPBAを4から6時間毎に数回に分けて加える。
ある実施形態では、反応物は、−10から50℃、0から40℃、10から45℃、15から40℃、20から35℃、25から30℃の温度範囲内で撹拌される。
ある実施形態では、反応物は、1から48時間、6から36時間、10から20時間撹拌される。
【0232】
ある実施形態では、形成された生成物を抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
特定の実施形態において、20%NaHSO
3を加えて、次に10%NaOHを加える。有機層を水で洗浄して濃縮すると、酸化された生成物が溶液で生じる。
酸化された生成物の溶液に、水、溶媒および塩基または酸を加える。
ある実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたは水などの極性プロトン性溶媒、または少なくとも1種の極性の非プロトン性溶媒とTHF、ジオキサン、DME、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、MTBE、CPME、もしくはトルエンなどの極性非プロトン性溶媒との組合せである。特定の実施形態において、溶媒は、トルエン、メタノール、および水の組合せである。
【0233】
ある実施形態では、塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの水酸化物塩基またはナトリウムトリメチルシラノエートおよびカリウムトリメチルシラノエートなどのシラノエート塩基である。特定の実施形態において、塩基は水酸化リチウムである。
ある実施形態では、酸は、硫酸および塩酸などの濃縮された強酸である。
ある実施形態では、反応物は、約0から80℃、約5から70℃、約10から60℃、約15から50℃、約20から40℃、約25から30℃で撹拌される。
ある実施形態では、形成された生成物を抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
【0234】
特定の実施形態において、トルエンおよび25%NaClを加えて、層を分離する。有機層を、1N HClで約pH7から約pH8に調節された20%NaClの溶液で洗浄する。有機層を濾過して濃縮する。トルエンを加えて蒸留を続ける。トルエンおよび活性炭素を加える。混合物を約30から約40℃に温めて約2から6時間撹拌する。内容物を冷却して、セライトを通して濾過し、トルエンで洗浄する。濾液を濃縮する。n−ヘプタンを約1から2時間かけて加え、混合物に場合によりc−1の結晶核を入れてもよく、さらに約2から3時間撹拌する。n−ヘプタンを加えて、混合物を、約2から3時間撹拌する。混合物を約10から15℃に冷却して、さらに約3から5時間撹拌する。生成物を濾過により捕集して、n−ヘプタンを用いて約10から15℃で洗浄する。生成物を乾燥してc−1を得る。
特定の実施形態においては、保護基PGはBocであり、溶媒は極性の非プロトン性溶媒であり、酸化性物質はmCPBAであり、反応物は10から45℃で撹拌され、加水分解がトルエン、メタノール、および水の組合せ中で約10から60℃で起こり、塩基は水酸化物塩基である。
【0235】
特定の実施形態において、保護基PGはBocであり、溶媒はトルエンであり、酸化性物質はmCPBAであり、反応物は25から30℃で撹拌され、加水分解はトルエン、メタノール、および水の組合せ中で約25から30℃で起こり、塩基は水酸化リチウムである。
R.c−1aの分割−選択的アシル化
【化84】
【0236】
ある実施形態では、エナンチオ富化cc−1aは、酵素触媒による選択的アシル化により得られる。
このプロセスでは、ラセミ出発原料c−1aは、cc−1bとcc−1aの混合物、(すなわち、c−1a(+/−)であり、溶媒に溶解される。
ある実施形態では、溶媒は、極性の非プロトン性溶媒、非極性溶媒、極性プロトン性溶媒、水性緩衝液と有機溶媒の混合物またはそれらの混合物である。典型的な極性の非プロトン性溶媒は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルi−ブチルエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンおよびクロロホルムを含むが、これらに限定されない。典型的な非極性溶媒は、トルエン、ヘキサンおよびヘプタンを含むが、これらに限定されない。典型的な極性プロトン性溶媒は、t−ブタノールを含むが、これに限定されない。特定の実施形態において、使用される溶媒はトルエンである。
【0237】
ラセミ出発原料c−1aが溶媒に溶解したら、約1当量のアシル供与体を加える。ある実施形態では、アシル供与体は酸無水物またはエステルである。ある実施形態では、酸無水物は、無水グルタル酸および無水酢酸を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、エステルは、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、酢酸4−クロロフェニルおよびメトキシ酢酸エチルを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、アシル供与体は無水グルタル酸である。
ある実施形態では、R
xは、(C
1−C
6)アルキル−R
yであり、R
yは、H、CN、−NR
z1R
z2、C(O)R
z1、−C(O)OR
z1、−C(O)NR
z1R
z2、−OC(O)NR
z1R
z2、−NR
z1C(O)R
z2、−NR
z1C(O)NR
z2、−NR
z1C(O)OR
z2、−SR
z1、−S(O)
1-2R
z1、−S(O)
2NR
z1R
z2、−NR
z1S(O)
2R
z2、NR
z1S(O)
2R
z2、およびOR
z1からなる群から選択される。
【0238】
ある実施形態では、R
zlおよびR
z2は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-6ヘテロアルキル、C
3-10シクロアルキル、3から12員のヘテロシクリル、C
6-10アリールおよび5から10員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される。
ある実施形態では、R
xは、(C
1−C
4)アルキル−R
yであり、R
yは、HおよびCO
2Hからなる群から選択される。
ある実施形態では、R
xはメチルまたは(CH
2)
3−CO
2Hである。ある実施形態では、R
xは(CH
2)
3−CO
2Hである。
【0239】
約15質量%酵素を加える。ある実施形態では、酵素はリパーゼである。ある実施形態では、リパーゼは、ノボザイム435、CAL−A、CAL−B、PPL、PSL−C、PSL、CRLおよびMMLを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、リパーゼは、CAL−A、CAL−B、PPL、PSL−C、PSL、CRLおよびMMLを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、使用される酵素はノボザイム435である。
ある実施形態では、反応物は、そのまま約1から48時間約6から48時間、約12から30時間、約20から26時間、約23時間撹拌させる。
ある実施形態では、反応物は、約0から60℃、約5から30℃、約10から15℃でそのまま撹拌させる。
ある実施形態では、酵素を追加して、反応を約1から48時間、約0から60℃で進行するに任せる。ある実施形態では、約5質量%の酵素を追加して、反応を、約6から24時間、約5から30℃で進行するに任せる。特定の実施形態において、酵素を追加して、反応を、約12時間、約10から15℃で進行するに任せる。
【0240】
ある実施形態では、形成されたエステルe−1を抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
ある実施形態では、沈殿した酵素固体を濾過により分離して溶媒で濯ぐ。所望のe−1をNa
2CO
3水溶液などの塩基性の水層に抽出する。水層を有機溶媒(MTBEなど)で洗浄して望ましくない物質を除去する。次に、溶媒(THFなど)を、e−1を含有する水層に加え、続いて水酸化物を加える。
ある実施形態では、溶媒は、極性の非プロトン性溶媒である。典型的な極性の非プロトン性溶媒は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンおよびクロロホルムを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、溶媒はTHFである。
【0241】
水酸化物の典型的な供給源は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、水酸化物の供給源は水酸化ナトリウムである。
ある実施形態では、混合物を約1から24時間、約0から60℃で撹拌するに任せる。ある実施形態では、混合物を約1から12時間、約5から30℃でそのまま撹拌させる。特定の実施形態において、混合物を約4時間、約15から20℃でそのまま撹拌させる。
ある実施形態では、生成物cc−1aを抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
【0242】
特定の実施形態において、層を分離して有機層を濃縮する。
ある実施形態では、有機相を濃縮して、cc−1aを、cc−1aの結晶核を添加した溶媒中で再結晶する。ある実施形態では、溶媒は、THF、ジクロロメタンおよび水の混合物であり、再結晶を約40から50℃で実施する。
ある実施形態では、生成物のエナンチオマー過剰(%ee)は、約50から100、約75から100、約90から100、約95から100、約98から100、約98.5から100、約98.5から99、約99から100、約99.5から100、約99.9から100である。
特定の実施形態においては、c−1aを非極性溶媒に溶解して、アシル供与体は無水グルタル酸であり、R
xは(CH
2)
3−CO
2Hであり、使用される酵素はリパーゼであり、反応物は約10から15℃で撹拌され、cc−1bは濾過により除去され、加水分解はTHF中約5から30℃で起こり、水酸化物の供給源は水酸化ナトリウムである。
【0243】
特定の実施形態においては、c−1aはトルエンに溶解され、アシル供与体は無水グルタル酸であり、R
xは(CH
2)
3−CO
2Hであり、使用される酵素はノボザイム435であり、反応物は約10から15℃で撹拌され、cc−1bは濾過により除去され、加水分解は、THF中約15から20℃で起こり、水酸化物の供給源は水酸化ナトリウムである。
S.c−1aの分割−選択的加水分解
【化85】
【0244】
ある実施形態では、エナンチオ富化cc−1aは、酵素触媒による選択的加水分解により得られる。
溶媒中の出発原料の混合物、c−1a、アシル供与体、塩基および触媒を撹拌する。
ある実施形態では、アシル供与体は、酸無水物または酸塩化物を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、酸無水物は、無水コハク酸および無水酢酸を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、酸塩化物は、塩化アセチルおよび塩化ベンゾイルを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、アシル供与体は無水グルタル酸である。
【0245】
ある実施形態では、R
xは、(C
1−C
6)アルキル−R
yであり、R
yは、H、CN、−NR
z1R
z2、C(O)R
z1、−C(O)OR
z1、−C(O)NR
z1R
z2、−OC(O)NR
z1R
z2、−NR
z1C(O)R
z2、−NR
z1C(O)NR
z2、−NR
z1C(O)OR
z2、−SR
z1、−S(O)
1-2R
z1、−S(O)
2NR
z1R
z2、−NR
z1S(O)
2R
z2、NR
z1S(O)
2R
z2、およびOR
z1からなる群から選択される。
ある実施形態では、R
zlおよびR
z2は、H、C
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、C
1-6ヘテロアルキル、C
3-10シクロアルキル、3から12員のヘテロシクリル、C
6-10アリールおよび5から10員のヘテロアリールからなる群から独立に選択される。
【0246】
ある実施形態では、R
xは(C
1−C
4)アルキル−R
yであり、R
yはHおよびCO
2Hからなる群から選択される。
ある実施形態では、R
xはメチルまたは(CH
2)
3−CO
2Hである。ある実施形態では、R
xは(CH
2)
3−CO
2Hである。
ある実施形態では、触媒は、求核性アミンを含有する化合物および求核性ホスフィンを含有する化合物を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、求核性アミンを含有する化合物は、イミダゾール、4−ジメチルアミノピリジンの誘導体、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、およびピリジンを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、求核性ホスフィンを含有する化合物は、トリフェニルホスフィンを含むが、これに限定されない。特定の実施形態において、触媒は4−ジメチルアミノピリジンである。
【0247】
ある実施形態では、塩基は、アミン塩基、芳香族アミン塩基、無機炭酸塩、金属水素化物およびアルコキシドを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、アミン塩基は、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリプロピルアミン、およびトリブチルアミンを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、芳香族アミン塩基は、ピリジンを含むが、これに限定されない。ある実施形態では、無機炭酸塩塩基は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および炭酸セシウムを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、金属水素化物塩基は、水素化ナトリウム、および水素化カリウムを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、アルコキシド塩基は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシドおよびリチウムtert−ブトキシドを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、塩基はピリジンである。
【0248】
ある実施形態では、溶媒は、芳香族溶媒または極性の非プロトン性溶媒である。ある実施形態では、芳香族溶媒は、ピリジン、トルエン、キシレン、ベンゼン、およびクロロベンゼンを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、極性の非プロトン性溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,4−ジオキサン、N−メチル−2−ピロリジノン、およびジクロロメタンを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、溶媒はピリジンである。
ある実施形態では、反応混合物を約1から48時間、約6から24時間、約12時間撹拌する。
ある実施形態では、反応混合物を、約0から120℃、約20から100℃、約40から80℃、または約60℃で撹拌する。
【0249】
ある実施形態では、生成物ee−1を抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
特定の実施形態において、反応混合物を蒸発乾固してDCMに溶解し、0.2M HCl水溶液で洗浄する。有機層を蒸発乾固させる。残渣に水を加えて撹拌し、2M NaOH溶液でpHを約7.8に調節する。水層をDCMで洗浄する。次に、水層を3N HCl水溶液でpH4に酸性化してDCMで抽出する。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥して濾過し、蒸発させる。ペンタンを加えて粉砕し、続いて濾過して真空下で乾燥してee−1を得る。
ee−1を溶媒に懸濁させて、酵素を加える。
【0250】
ある実施形態では、溶媒は、極性の非プロトン性溶媒、非極性溶媒または有機溶媒と緩衝水溶液の混合物である。ある実施形態では、極性の非プロトン性溶媒は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、およびクロロホルムを含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、非極性溶媒は、ヘキサンおよびヘプタンを含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、溶媒は、1:2のジイソプロピルエーテル:リン酸緩衝液である。
ある実施形態では、酵素は、CAL−A、CAL−B、PPL、PSL−C、PSL、CRL、およびMMLなどの、ただしこれらに限定されないリパーゼである。特定の実施形態において、酵素はCAL−Bである。
ある実施形態では、反応物は、0から60℃、10から50℃、20から40℃、約30℃で撹拌される。
【0251】
ある実施形態では、反応物は、24から200時間、50から150時間、約100時間撹拌される。
ある実施形態では、生成物cc−1aを抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
ある実施形態では、e−2を水層で抽出することにより取り出す。ある実施形態では、生成物e−2を、抽出により塩基性の水層に取り出す。
特定の実施形態において、反応物を濾過して、濾液を層分離する。固体をDCMで洗浄して、濾液を水層の抽出に使用する。合わせた有機層を5%Na
2CO
3、塩水で洗浄して乾燥する。濾過して揮発性物質を減圧下で蒸発させてcc−1aを得る。
【0252】
特定の実施形態において、アシル供与体は酸無水物であり、R
xは(C
1−C
4)アルキル−R
yであり、R
yは、HおよびCO
2Hからなる群から選択され、触媒は4−ジメチルアミノピリジンであり、第1ステップのための塩基はピリジンであり、第1ステップのための溶媒は芳香族溶媒であり、第1ステップにおける反応混合物は約0から約60℃で撹拌され、加水分解のための溶媒は、1:2のジイソプロピルエーテル:リン酸緩衝液であり、酵素はCAL−Bであり、加水分解反応物は約0から約30℃で撹拌される。
【0253】
特定の実施形態において、アシル供与体は無水グルタル酸であり、R
xは(CH
2)
3−CO
2Hであり、触媒は4−ジメチルアミノピリジンであり、第1ステップのための塩基はピリジンであり、第1ステップのための溶媒はピリジンであり、第1ステップにおける反応混合物は約60℃で撹拌され、加水分解のための溶媒は、1:2のジイソプロピルエーテル:リン酸緩衝液であり、酵素はCAL−Bであり、加水分解反応物は約30℃で撹拌され、e−2を抽出により塩基性の水層中に取り出される。
ある実施形態では、生成物のエナンチオマー過剰(%ee)は、約50から100、約75から100、約90から100、約95から100、約98から100、約98.5から100、約98.5から99、約99から100、約99.5から100、約99.9から100である。
【0254】
T.c−1aの古典的分割
【化86】
ある実施形態では、c−1aを古典的分割プロセスにより分割する。このプロセスでは、c−1a、酸、および溶媒を組み合わせる。
【0255】
ある実施形態では、酸は、
− ナプロキセン、フェニルコハク酸、リンゴ酸、2−フェニルプロピオン酸、アルファ−メトキシ−フェニル酢酸、タルトラニル酸、3−フェニル乳酸、α−ヒドロキシイソ吉草酸、2’−メトキシ−タルトラニル酸、(α−メチルベンジル)フタラミン酸、2’−クロロ−タルトラニル酸、ピログルタミン酸を含むが、これらに限定されないカルボン酸の単独エナンチオマー;
− マンデル酸、2−クロロマンデル酸、4−ブロモ−マンデル酸、O−アセチルマンデル酸、4−メチル−マンデル酸を含むが、これらに限定されないマンデル酸誘導体の単独エナンチオマー;
− カンファースルホン酸を含むが、これらに限定されないスルホン酸の単独エナンチオマー;
− 酒石酸、ジベンゾイル酒石酸水和物、ジ−p−アニソイル酒石酸、ジ−トルイル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸水和物を含むが、これらに限定されない酒石酸誘導体の単独エナンチオマー
− フェンシホス水和物、クロシホス、アニシホス、BINAPホスフェートを含むが、これらに限定されないリン酸誘導体の単独エナンチオマー;および
−N−アセチル−フェニルアラニン、N−アセチルロイシン、N−アセチルプロリン、boc−フェニルアラニン、およびboc−ホモフェニルアラニンを含むが、これらに限定されないアミノ酸の単独エナンチオマー
からなる群から選択される。
【0256】
いくつかの実施形態では、酸は、(S)−ナプロキセンまたはS−(+)−マンデル酸である。特定の実施形態において、酸は(S)−ナプロキセンである。特定の実施形態において、酸はS−(+)−マンデル酸である。
ある実施形態では、溶媒は、水、アセトニトリル、エタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、ジオキサン、水とエタノールおよびイソプロパノールなどの水混和性有機溶媒との混合物、ジクロロメタンおよびクロロホルムなどのハロゲン化された溶媒である。特定の実施形態において、溶媒は、水またはイソプロパノールまたはそれらの混合物である。特定の実施形態において、溶媒は水である。特定の実施形態において、溶媒はイソプロパノールである。
ある実施形態では、反応物は、0から120℃、2から120℃、50から120℃、80から120℃、約100℃で撹拌される。ある実施形態では、反応物は約20℃で撹拌される。
【0257】
ある実施形態では、生成物を抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
ある実施形態では、dd−1が溶液から沈殿して濾過される。固体は、イソプロパノールなどの溶媒中でさらに再結晶することもできる。
特定の実施形態において、溶媒の蒸発による除去により、dd−1およびdd−2の混合物が生じる。混合物を溶媒に懸濁させる。
ある実施形態では、dd−1は選択的に再結晶される。
ある実施形態では、溶媒は、水、アセトニトリル、エタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、酢酸イソプロピル、ジオキサン;水とエタノールおよびイソプロパノールなどの水混和性有機溶媒との混合物、またはジクロロメタンまたはクロロホルムなどのハロゲン化された溶媒である。特定の実施形態において、溶媒は、メチルエチルケトンと水との混合物である。
【0258】
ある実施形態では、混合物を、約0から100℃、約20から80℃、約40から60℃で撹拌する。
ある実施形態では、混合物を室温まで冷却されるに任せて、固体を濾過により単離して、乾燥し、10%の水を含むメチルエチルケトンから再結晶してエナンチオ富化dd−1を提供する。
特定の実施形態において、酸はS−(+)−マンデル酸または(S)−ナプロキセンであり、溶媒は水またはイソプロパノールであり、反応物は約0から約20℃で撹拌され、dd−1生成物を溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せにより単離する。
【0259】
特定の実施形態において、酸はS−(+)−マンデル酸であり、溶媒はイソプロパノールであり、反応物は約20℃で撹拌され、dd−1は溶液から沈殿する。
特定の実施形態において、酸は(S)−ナプロキセンであり、溶媒は水であり、反応物は約20℃で撹拌され、dd−1は、メチルエチルケトンおよび水の混合物中で選択的に再結晶される。
ある実施形態では、生成物のエナンチオマー過剰(%ee)は、約50から100、約75から100、約90から100、約95から100、約98から100、約98.5から100、約98.5から99、約99から100、約99.5から100、約99.9から100である。
【0260】
U.アリルのアミノ化
【化87】
ある実施形態で、g−1xを得るためのアリルのアミノ化プロセスが提供される。このプロセスでは、リガンドおよび触媒を、脱ガスした溶媒中で混合し、続いてf−lx、塩基および求核剤を添加する。
ある実施形態では、リガンドは、存在しないか、トリシクロヘキシルホスフィン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン;1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、トリフェニルホスフィンまたは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンである。特定の実施形態において、リガンドはトリフェニルホスフィンである。
【0261】
ある実施形態では、触媒は、Pd(OAc)
2、PdCl
2(PPh
3)、Pd(tBu
2Ph)
2Cl
2、トリス(ジベジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびPd(amphos)
2Cl
2などのパラジウム触媒である。特定の実施形態において、触媒はトリス(ジベジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である。
ある実施形態では、溶媒は、ジメトキシエタン、THFまたはMeTHFなどのエーテル、トルエンおよびベンゼンなどの芳香族溶媒である。特定の実施形態において、溶媒はTHFである。
ある実施形態では、塩基は、カリウムイソプロポキシド、水酸化セシウム、ヒューニッヒ塩基または炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムなどの炭酸塩塩基である。特定の実施形態において、塩基は炭酸セシウムである。
【0262】
ある実施形態では、求核剤は、カリウムフタルアミドなどのフタルアミド、ナトリウムアジドまたはTMS−アジドなどのアジド、ベンジルアミンまたはジベンジルアミンなどのアミン、ジ−tert−ブチルイミノジカルボキシレートなどのカルボキシレートである。特定の実施形態において、求核剤はジ−tert−ブチルイミノジカルボキシレートである。
ある実施形態では、約1当量の求核剤を加える。
ある実施形態では、反応物は、約20から80℃、約30から70℃、約40から60℃、約50℃で撹拌される。
【0263】
ある実施形態では、混合物を約50℃で約18時間加熱する。
ある実施形態では、形成された生成物を抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
ある実施形態では、混合物を冷却して、水および酢酸エチルを加える。層を分離して有機相を酢酸エチルで洗浄する。合わせた有機相を濃縮して乾燥する。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0から40%酢酸エチル)により精製する。単離された物質をMeTHFに溶解して、5%KOH水溶液で洗浄し、濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0から10%メタノール)により精製してg−1xを提供する。
特定の実施形態において、リガンドはトリフェニルホスフィンであり、触媒(cataloyst)はパラジウム触媒であり、溶媒はエーテルであり、塩基は炭酸塩塩基であり、求核剤はジ−tert−ブチルイミノジカルボキシレートであり、反応物は約20から約80℃で撹拌される。
【0264】
特定の実施形態において、リガンドは、トリフェニルホスフィンであり、触媒はトリス(ジベジリデンアセトン)ジパラジウム(0)であり、溶媒はTHFであり、塩基は炭酸セシウムであり、求核剤はジ−tert−ブチルイミノジカルボキシレートであり、反応物は約50℃で撹拌される。
V.水素化
【化88】
ある実施形態では、h−1xを得るための水素化プロセスが提供される。このプロセスでは、g−1xおよび触媒を溶媒中で合わせ、続いて水素の供給源を加える。
【0265】
ある実施形態では、触媒は、PtO
2などの白金触媒、パラジウム触媒、ラネーニッケルなどのニッケル触媒、RhCl(PPh
3)
3などのロジウム触媒、野依触媒などのルテニウム触媒、またはクラブトリー触媒などのイリジウム触媒である。いくつかの実施形態では、触媒は、Pd/C、PtO
2、ラネーニッケル、RhCl(PPh
3)
3、野依触媒、およびクラブトリー触媒からなる群から選択される。特定の実施形態において、触媒はPtO
2である。
ある実施形態では、溶媒は、THF、2−MeTHF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、DME、MTBE、CPME、EtOAcおよびDCMなどの極性の非プロトン性溶媒またはメタノール、イソプロパノール、エタノール、およびn−ブタノールなどの極性プロトン性溶媒である。特定の実施形態において、溶媒はイソプロパノールである。
【0266】
ある実施形態では、反応物は、約0から65℃、約5から55℃、約10から45℃、約10から35℃、または約15から25℃で撹拌される。
ある実施形態では、水素の供給源は、ギ酸、ヒドラジン、ジヒドロナフタレン、ジヒドロアントラセン、H
2ガスまたはHantzschエステルおよびイソプロパノールである。特定の実施形態において、水素の供給源はH
2ガスである。特定の実施形態において、水素の供給源は水素の雰囲気である。
ある実施形態では、反応物は、1から48時間、6から24時間、10から20時間、16から20時間、または約18時間撹拌される。
【0267】
ある実施形態では、h−1xを抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
ある実施形態では、混合物を、セライトを通して濾過して、さらに精製することなくそれに続く脱保護で使用する。
特定の実施形態において、触媒は白金触媒であり、溶媒は極性プロトン性溶媒であり、反応物は約5から55℃で撹拌され、水素の供給源はH
2ガスである。
特定の実施形態において、触媒はPtO
2であり、溶媒はイソプロパノールであり、反応物は約15から25℃で撹拌され、水素の供給源はH
2ガスである。
W.脱保護
【化89】
【0268】
ある実施形態では、N−1xを得るための脱保護プロセスが提供される。このプロセスでは、h−1xを溶媒中の酸に加える。
ある実施形態では、酸は、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびカンファースルホン酸などのスルホン酸、リン酸、塩酸および硫酸などの無機酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸および安息香酸などのカルボン酸である。特定の実施形態において、酸は無水塩酸である。
ある実施形態では、溶媒は、メタノール、イソプロパノールおよびエタノールなどのアルコール性溶媒、またはジオキサン、アセトニトリルおよびジクロロメタンなどの極性の非プロトン性溶媒、または水である。ある実施形態では、溶媒はアルコール性溶媒である。ある実施形態では、溶媒は極性の非プロトン性溶媒である。ある実施形態では、溶媒は水である。ある実施形態では、溶媒は、メタノール、イソプロパノール、エタノール、ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、または水である。特定の実施形態において、溶媒はイソプロパノールである。
【0269】
ある実施形態では、反応物は、約0から80℃、約0から60℃、約5から45℃、約10から35℃、または約15から25℃で撹拌される。
ある実施形態では、約1から10当量、約5から10当量、または約7当量の酸を使用する。
ある実施形態では、反応物は、約1から48時間、約6から24時間、約12から24時間、または約18時間撹拌される。
ある実施形態では、形成された生成物N−1xを抽出して、任意選択で、溶媒抽出、クロマトグラフィー、結晶化またはそれらの組合せなどの、ただしこれらに限定されない当技術分野において公知の任意の適切な技法により精製してもよい。
【0270】
特定の実施形態において、反応物を約0℃に冷却して、生成物N−1xを濾過により捕集する。
特定の実施形態において、酸は無機酸であり、溶媒はアルコール性溶媒であり、反応物は5から45℃で撹拌される。
特定の実施形態において、酸は無水塩酸であり、溶媒はイソプロパノールであり、反応物は15から25℃で撹拌される。
【実施例】
【0271】
本発明をさらに十分に理解するために、以下の例を示す。これらの例は、実施形態を例示する目的のためであり、決して、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきでない。下の例で使用される反応物は、本明細書に記載されたようにして得られるか、または本明細書に記載されていなければ、それ自体が市販されているか、または市販の材料から当技術分野において公知の方法によって調製され得るかのいずれかである。
一実施形態において、式Iの化合物を調製するための多段階の合成方法が、下で説明するように提供される。ある実施形態では、下に示したスキームの個々のステップの各々が提供される。例および下の例の2つ以上の継続するステップの任意の組合せが提供される。
A.メルドラム酸のアシル化およびアミド化によるC−1aの形成
【化90】
反応容器中で、メルドラム酸(101g、1.0当量)および4−ジメチルアミノピリジン(1.8g、0.2当量)をアセトニトリル(300mL)と合わせた。生じた溶液をメトキシ酢酸(6.2mL、1.2当量)で処理した。生じた溶液にトリエチルアミン(19.4mL、2.0当量)をゆっくり加え、続いて塩化ピバロイル(9.4mL、1.1当量)を加えた。次に、反応物を約45から約50℃で加熱して、メルドラム酸の消費が完了したと思われるまで熟成した。
【0272】
別の反応容器にアセトニトリル(50mL)およびJ−1a(13.4g、1.2当量)を投入した。生じた溶液をトリフルオロ酢酸(8.0mL、1.5当量)で処理して、次にこの酸性溶液を、45から約50℃で進行中のアシル化反応に加えた。
反応を少なくとも18時間約45から約50℃で経過するに任せ、その時間の後、溶媒を減圧下で除去した。粗残渣を酢酸エチル(150mL)に溶解して、有機層を水で洗浄した。合わせた水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、合わせた重炭酸塩洗浄液を酢酸エチルで逆抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して濾過し、減圧下で濃縮した。生じた粗材料をシリカゲルクロマトグラフィーにより2回精製してC−1aを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.12 (br, 1H), 6.66 (見かけt, J = 8.1 Hz, 2H), 4.50 (見かけd, J = 5.7 Hz, 2H), 4.08 (s, 2H), 3.44 (s, 2H), 3.40 (s, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3): δ 203.96, 164.90, 162.37 (ddd, J = 250.0, 15.7, 15.7 Hz), 161.71 (ddd, J = 250.3, 14.9, 10.9 Hz), 110.05 (ddd, J = 19.7, 19.7, 4.7 Hz), 100.42 (m), 77.58, 59.41, 45.71, 31.17 (t, J = 3.5 Hz).LCMS, 計算値: 275.23, 実測値: 275.97 (M).
【0273】
B.C−1aのアルキル化によるE−1aの形成
【化91】
【0274】
C−1a(248mg、1.0当量)および2−メチルテトラヒドロフラン(1.3mL)の溶液を、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(0.1mL、1.1当量)で処理して、室温で終夜(約14時間)撹拌した。反応物をアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(0.1mL、1.0当量)で処理して、約2時間熟成させて、次に2N HCl(1.5mL)の添加により反応を停止させた。
【0275】
反応物を酢酸エチルの添加により希釈して、相を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥して濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製してE−1aを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 10.85 (s, 1H), 9.86 (s, 1H), 8.02 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 6.65 (dd, J = 8.7, 7.7 Hz, 2H), 4.53 (d, J = 3.9 Hz, 2H), 4.40 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 4.18 (s, 2H), 3.42 (s, 6H), 3.39 (m, 2H), 3.37 (s, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3): δ 193.30, 169.15, 162.10 (ddd, J = 248.9, 15.5, 15.5 Hz), 161.7 (ddd, J = 250.0, 14.9, 11.1 Hz), 161.66, 111.08 (ddd J = 19.9, 19.9, 4.7 Hz) 103.12, 100.29 (ddd, J = 28.1, 17.7, 2.3 Hz), 76.30, 58.83, 54.98, 53.53, 51.57, 29.89 (t, J = 3.3 Hz).LCMS, 計算値: 390.36, 実測値: 390.92 (M).
【0276】
C.E−1aの環化によるF−1aの形成
【化92】
【0277】
E−1a(0.2g、1.0当量)、シュウ酸ジメチル(0.1g、2.5当量)およびメタノール(1.5mL)を合わせて、約0から約5℃に冷却した。ナトリウムメトキシド(0.2mL、メタノール中の30%溶液、1.75当量)を反応物にゆっくり導入し、添加の間中、反応物の内部温度を絶えず約10℃未満に保った。添加が終了後、反応物を約40から約50℃で少なくとも18時間加熱した。
この時間が経過した後、反応物を2N HCl(1.5mL)および酢酸エチル(2mL)で希釈した。相分離して、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。生じた粗油をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製してF−1aを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 10.28 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 8.38 (s, 1H), 6.66 - 6.53 (m, 2H), 4.58 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.43 (t, J = 4.7 Hz, 1H), 4.00 (d, J = 4.7 Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 3.32 (s, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3): δ 173.08, 163.81, 162.17, 162.14 (ddd, J = 249.2, 15.6, 15.6 Hz), 161.72 (ddd, J = 250.5, 15.0, 10.9 Hz), 149.37, 144.64, 134.98, 119.21, 110.53 (ddd, J = 19.8, 4.7, 4.7 Hz), 102.70, 100.22 (m), 60.68, 56.75, 55.61, 53.35, 30.64.LCMS, 計算値: 458.39, 実測値: 459.15 (M+H).
【0278】
D.C−1aのアルキル化および環化によるF−1aの形成
【化93】
【0279】
反応容器にC−1a(245mg、1.0当量)およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(0.5mL、4.3当量)を加えた。反応混合物を約30分かき混ぜた。次に、反応物を2−メチルテトラヒドロフラン(2.0mL)およびアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(0.1mL、1.0当量)で処理した。反応物を数時間熟成させて、次に溶媒を減圧下で除去した。
生じた材料を、メタノールに溶解して、シュウ酸ジメチルを加えた(0.3g、2.5当量)。反応混合物を約0から約5℃に冷却して、次にナトリウムメトキシド(0.4mL、メタノール中の30%溶液、1.75当量)を反応物にゆっくり導入した。添加が終了した後、反応混合物を約40から約50℃に加熱した。
【0280】
この時間が経過した後、反応物を室温に冷却して、2N HCl(1.5mL)の添加により反応を停止させた。次に反応物を酢酸エチルで希釈して、生じた相を分離した。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製してF−1aを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 10.28 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 8.38 (s, 1H), 6.66 - 6.53 (m, 2H), 4.58 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.43 (t, J = 4.7 Hz, 1H), 4.00 (d, J = 4.7 Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 3.32 (s, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3): δ 173.08, 163.81, 162.17, 162.14 (ddd, J = 249.2, 15.6, 15.6 Hz), 161.72 (ddd, J = 250.5, 15.0, 10.9 Hz), 149.37, 144.64, 134.98, 119.21, 110.53 (ddd, J = 19.8, 4.7, 4.7 Hz), 102.70, 100.22 (m), 60.68, 56.75, 55.61, 53.35, 30.64.LCMS, 計算値: 458.39, 実測値: 459.15 (M+H).
【0281】
E.F−1aとN−1aの縮合によるG−1aの形成
【化94】
反応容器にF−1a(202mg、1.0当量)およびアセトニトリル(1.4mL)を加えた。生じた溶液を氷酢酸(0.2mL、6.0当量)およびメタンスルホン酸(0.01mL、0.3当量)で処理した。次に反応物を約70から約75℃で加熱した。
3時間後、N−1aの固体混合物(0.128g、1.5当量)および炭酸カリウム(0.2g、2.7当量)を反応物に約70から約75℃で導入した。添加が終了した後、反応を少なくとも約1時間そのまま進行させた。
【0282】
この時間が経過した後、水(1.4mL)およびジクロロメタン(1.4mL)を、反応物に導入した。相分離して、水層をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、次に濾過して減圧下で濃縮した。生じた粗材料をシリカゲルクロマトグラフィーで精製してG−1aを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 10.23 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 6.60 (t, J = 8.1 Hz, 2H), 5.29 (dd, J = 9.5, 3.7 Hz, 2H), 4.57 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 4.33 (dd, J = 12.8, 3.8 Hz, 1H), 4.02 - 3.87 (m, 1H), 3.94 (s, 3H), 2.06 - 1.88 (m, 4H), 1.78 (dd, J = 17.2, 7.5 Hz, 1H), 1.55 - 1.46 (m, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3): δ 174.53, 163.75, 162.33 (dd, J = 249.4, 15.7, 15.7 Hz), 161.86 (ddd, J = 250.4, 14.9, 10.9 Hz), 154.18, 154.15, 142.44, 129.75, 118.88, 110.58 (ddd, J = 19.8, 4.7, 4.7 Hz), 100.42 (m), 77.64, 74.40, 61.23, 54.79, 51.13, 38.31, 30.73, 29.55, 28.04.LCMS, 計算値: 463.14, 実測値: 464.15 (M+H).
【0283】
F.G−1aの脱保護による式laの化合物の形成
【化95】
【0284】
G−1a(14g)を、アセトニトリル(150mL)およびジクロロメタン(150mL)に懸濁させた。MgBr
2(12g)を加えた。反応物を40から50℃に約10分間加熱した後、室温に冷却した。反応物を0.5M HCl(140mL)に注いで、層を分離した。有機層を水(70mL)で洗浄して、次に有機層を濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(100%ジクロロメタンから6%エタノール/ジクロロメタンまで)により精製してIaを得た。
【0285】
G.F−1aの加水分解によるII−aの形成
【化96】
反応容器にF−1a(480mg、1.0当量)、メタノール(5.8mL)および水(2.4mL)を加えた。生じた均一な溶液に、水酸化リチウム一水和物(88mg、2.0当量)を加えた。生じた懸濁液を室温で約17時間撹拌した。
【0286】
水(15mL)および酢酸エチルを加えて、次に1N HClをpHが約3になるまで滴下した。層を混合して分離して、水層を酢酸エチル(15mL)で抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥した。有機層を蒸発により除去した。次に、水層をpH<2にして、酢酸エチル(2×15mL)で2回抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥して、前の抽出からの残渣と混合して溶媒を蒸発により除去した。残渣をMTBE(2.4mL)に取り入れて、スラリーを形成させ、それを濾過してMTBEで洗浄して1002を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 10.43 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 9.65 (bs, 1H), 8.52 (s, 1H), 6.67 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 4.67 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.58 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 4.16 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.37 (s, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3): δ 173.04, 164.15, 162.10, 148.63, 145.28, 137.25, 118.66, 102.46, 100.35 (t, J = 30.7 Hz), 87.42, 61.30, 57.09, 55.55, 30.94.
【0287】
H.BB−1aのB−1aからの調製
【化97】
反応容器にB−1a(0.2g、1.0当量)および3−ペンタノン(1.0mL、10.0当量)を加えた。次にこれらの化合物をトルエン(1.0mL)に溶解して約110から約115℃に加熱した。反応物をこの温度に約4時間維持して、その時間の後、反応物を室温に冷却して、溶媒を除去した。生じた粗材料をシリカゲルで精製してBB−1aを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 5.46 (t, J = 1.1 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 1.0 Hz, 2H), 3.42 (s, 3H), 1.99 (m, 4H), 0.98 (t, J = 7.5 Hz, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3): δ 167.63, 160.94, 111.05, 93.04, 70.07, 59.27, 28.08, 7.40.LCMS, 計算値: 200.10, 実測値 200.79 (M
+).
【0288】
I.BB−1aからC−1aの調製
【化98】
反応容器にBB−1a(0.08g、1.0当量)およびN−1a(0.08g、1.1当量)を加えた。次にこれらの化合物をトルエン(1.5mL)に溶解して約115℃に加熱した。約1時間後、反応物を冷却して溶媒を除去した。生じた粗材料をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製してC−1aを得た。
【0289】
C−1aについて収集した全てのスペクトルのデータは、上で提供されたものと一致した。
J.B−1a・J−1a塩の形成
【化99】
【0290】
B−1a(4.4g)の遊離酸を50mLアセトニトリルに溶解して、30mLのアセトニトリル中のJ−1a(3.3g、1.0当量)を加えた。所望の塩を得て、約1時間室温で熟成させた。固体を濾過してケーキを2×10mLのアセトニトリルで濯ぎ生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.40 (bs, 3H), 6.11 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 3.12 (s, 2H), 2.92 (s, 2H), 2.08 (s, 3H), 0.35 (s, 6H).
13C NMR (101 MHz, DMSO-d
6) δ 191.98, 164.66, 163.06 (dt, J = 248.6, 16.2 Hz), 161.82 (ddd, J = 250.4, 15.8, 10.4 Hz), 107.39 (td, J = 20.0, 4.7 Hz), 101.16 (m), 100.01, 87.01, 77.71, 58.39, 30.45, 26.37.
【0291】
K.B−1a・J−1a塩の形成
【化100】
【0292】
メルドラム酸(10.1g、1.1当量)およびDMAP(0.6g、0.08当量)を300mLのアセトニトリルに溶解した。メトキシ酢酸(5.8g、1当量)および17.6g(2.1当量)のヒューニッヒ塩基を加えた。該溶液を約45℃に温めて30mLのアセトニトリル中8.4g(1.1当量)の塩化ピバロイルを約1時間かけて加えた。
約45℃で約2.5時間後に、溶液を室温に冷却して真空下で濃縮した。生じた油を110mLのジクロロメタンに溶解して氷浴で冷却し、50mLの1N HClで抽出した。層を分離して、水層を40mLのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を濃縮し、アセトニトリルで希釈して、再び蒸発させた。該材料を220mLのアセトニトリルに溶解した。
【0293】
氷浴で冷却した後、約9℃のトリフルオロベンジルアミン(11.4g、1.1当量)および上記混合物を室温に温まるに任せ、どろどろしたスラリーとしてかき混ぜた。約2時間後に、220mLのMTBEをゆっくり加えて、スラリーを終夜熟成させた。スラリーを氷浴で約3時間冷却して濾過し、50mLの冷1:1アセトニトリル/MTBEで濯ぎ、真空オーブン中で終夜乾燥して生成物を得た。
L.B−1a・J−1a塩を使用するアミド化によるC−1aの形成
【化101】
【0294】
B−1a・J−1a塩(3.7g、1.0当量)を50mLのアセトニトリルに懸濁させて、次にトリフルオロ酢酸(0.1mL、0.1当量)で処理した。反応物を約40から約50℃で約18時間加熱して、次に室温に冷却した。溶媒を減圧下で除去して、生じた残渣を5体積分の2−メチルテトラヒドロフランに懸濁させて、5体積分のヘキサンを1時間かけて滴下した。生じた混合物を少なくとも24時間そのまま撹拌させて、次に生じたスラリーを濾過して生成物を得た。
M.B−1a・J−1aのC−1aへのアミド化
【化102】
【0295】
B−1a・J−1a(75.077g、198.97mmol、1.0当量)、アセトニトリル(750mL)、およびトリフルオロ酢酸(1.5mL、20mmol、0.1当量)を反応器中で合わせた。反応器を、内部温度が約58℃に達するまで加熱して、反応器内容物を約58〜61℃の間で約3.5時間熟成させた。次にジャケット温度を約45℃に調節して真空を適用した。反応器内容物を残量が約150mLになるまで蒸留した。次に、酢酸イソプロピル(300mL)を反応器に投入して、蒸留を体積が約150mLになるまで継続した。次に酢酸イソプロピル(150mL)を反応器に投入して、ジャケット温度を約20℃に調節して、内容物をそのままにして内部温度を<25℃にした。洗浄溶液(22.8%NaCl、1.5%H
2SO
4、75.7%水、300mL)を反応器に投入して、内容物を約30分間かき混ぜた。底相を分離して、第2の洗浄溶液(22.8%NaCl、1.5%H
2SO
4、75.7%水、300mL)を反応器に投入した。約15分間かき混ぜた後、底相を分離して、20%NaCl水溶液(300mL)を反応器に投入し、約15分間かき混ぜた。底相を分離した。ヘプタン(150mL)を反応器に投入し、続いて結晶核(51mg、0.1質量%)を入れた。混合物を約30分間熟成させ、その間にスラリーが形成された。次に、追加のヘプタン(450mL)を30分以上かけて投入した。次にジャケット温度を約29℃に調節して、溶媒を、反応器内容物が約450mLの体積に達するまで真空蒸留した。次にスラリーを1時間以上かけて約5℃の内部温度に冷却した。反応器内容物を排出して固体を濾過により捕集した。固体を反応器から除くために、母液を2回再循環させ、各回、内部温度が約<6℃に達するに任せた後、排出させた。次にヘプタン/酢酸イソプロピルの溶液(75%v/v、225mL)を反応器に投入して、内部温度が<6℃に達したときに、先にスラリーを濯ぎ、フィルタを通してケーキを得た。次に湿潤したケーキを真空下約40℃で約18時間乾燥して、C−1aを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.12 (br, 1H), 6.66 (見かけt, J = 8.1 Hz, 2H), 4.50 (見かけd, J = 5.7 Hz, 2H), 4.08 (s, 2H), 3.44 (s, 2H), 3.40 (s, 3H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3): δ 203.96, 164.90, 162.37 (ddd, J = 250.0, 15.7, 15.7 Hz), 161.71 (ddd, J = 250.3, 14.9, 10.9 Hz), 110.05 (ddd, J = 19.7, 19.7, 4.7 Hz), 100.42 (m), 77.58, 59.41, 45.71, 31.17 (t, J = 3.5 Hz).LCMS, 計算値: 275.23, 実測値: 275.97 (M).
【0296】
N.C−1aからD−1aのエナミン形成
【化103】
【0297】
C−1a(8.4g、1.0当量)を反応器に投入し、続いて2−メチルテトラヒドロフラン(166.7mL、20体積分、0.18M)およびトリフルオロ酢酸(231.9μL、0.1当量)を加えた。反応混合物を約40℃の内部温度になるまで加熱して、DMF−DMA(3.0mL、0.75当量)を速やかに加えた。反応混合物を2〜3分間かき混ぜ、続いてD−1a結晶核(20mgs、0.002当量)を約40℃で添加した。その不均一な混合物を40℃で約1時間熟成させた。DMF−DMAの追加部分を加えて(1.5mL、0.37当量)、反応混合物を約25分間かき混ぜた。DMF−DMA(1.5mL、0.37当量)の最後の1回分を加え、反応混合物を約40℃から室温に冷却して、終夜かき混ぜたままにした。
【0298】
反応器の内容物を濾過して、濾過ケーキを2−メチルテトラヒドロフランとヘプタンの溶媒の組合せ(67.1mL、8体積分)で濯いでD−1aを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 8.34 (br, 1H), 7.83 (s, 1H), 6.63 (m, 2H), 4.53 (s, 2H), 4.12 (s, 2H), 3.34 (s, 3H), 3.10 (s, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3): δ 192.33, 165.85, 163.03, 160.54, 158.00, 110.89, 103.50, 100.05, 76.11, 58.77, 44.74, 30.61.LCMS, 計算値: 330.12, 実測値: 330.91 (M).
【0299】
O.E−1aを経るD−1aの縮合および環化によるF−1aの形成
【化104】
D−1a(70.0g、212mmol、1.0当量)を不活性化した1L反応器に投入した。次に、この反応器にメタノール(420mL、6体積分)およびアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(7、28.8mL、233mmol、1.1当量)を投入した。反応器のジャケット温度を約16と23℃の間に維持した。
【0300】
反応物を約1〜2時間熟成させた後、シュウ酸ジメチル(2、125g、1.06mol、5.0当量)を反応器に投入して、反応器のジャケット温度を約42〜48℃の間に上昇させた。シュウ酸ジメチルが完全に溶解したら、反応器にナトリウムメトキシドをメタノール中の溶液として(84.7g、25質量%、197mmol、1.85当量)投入した。反応器のジャケット温度は約42〜48℃の間に約14〜18時間維持した。
反応器のジャケット温度を約1時間かけて約34〜37℃に低下させた。この範囲内で安定な温度に達したら、反応器にF−1aの結晶核(0.350g、約0.5質量%)を入れて、約1〜2時間熟成するに任せた。この時点で、水(420mL、6体積分)を反応器に、約2〜3時間かけて投入した。反応器のジャケット温度を約1時間にわたって約18〜22℃に低下させておいた。
【0301】
生じたスラリーを反応器から排出させて、固体を濾過により捕集した。反応器に残存する固体を除くために溶剤を再循環させた。フィルタ上に捕集された固体を次に1:1の水とメタノールの混合物(420mL、6体積分)で、続いて水(420mL、6V)で洗浄した。捕集された湿潤したケーキを真空オーブン中約36〜42℃で約16時間乾燥して、F−1aを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 10.28 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 8.38 (s, 1H), 6.66 - 6.53 (m, 2H), 4.58 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.43 (t, J = 4.7 Hz, 1H), 4.00 (d, J = 4.7 Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 3.32 (s, 6H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3): δ 173.08, 163.81, 162.17, 162.14 (ddd, J = 249.2, 15.6, 15.6 Hz), 161.72 (ddd, J = 250.5, 15.0, 10.9 Hz), 149.37, 144.64, 134.98, 119.21, 110.53 (ddd, J = 19.8, 4.7, 4.7 Hz), 102.70, 100.22 (m), 60.68, 56.75, 55.61, 53.35, 30.64.LCMS, 計算値: 458.39, 実測値: 459.15 (M+H).
【0302】
P.F−1aのアセタール加水分解によるFF−1aの形成
【化105】
F−1a(10.0g、1.0当量)およびアセトニトリル(50mL)の溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(0.414g、0.10当量)および酢酸(16.3mL、12当量)を加えた。次に反応物を約75℃に加熱して、約8〜10時間熟成させた。反応の完結がHPLCにより確認されたら、反応物を室温に冷却して水(60mL)を加えた。次に混合物を減圧下で濃縮してアセトニトリルを除去した。その結果生じたスラリーを、次に室温で約2時間熟成させて濾過し、水(2×30mL)で洗浄した。ケーキを真空オーブン中約50℃で約10時間乾燥してFF−1aを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.34 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 8.45 (s, 1H), 7.19 (m, 2H), 6.37 (m, 2H), 4.96 (m, 1H), 4.55 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 3.95 (m, 2H), 3.93 (s, 3H).3.79 (s, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d
6): δ 172.32, 163.47, 162.10, 161.93 (dt, J = 246, 15.0 Hz), 161.41 (ddd, J = 247, 15.0, 11.0 Hz), 148.01, 145.57, 135.84, 118.32, 111.48 (td, J = 20.0, 5.0 Hz), 101.17 (m), 87.99, 60.55, 60.50, 53.98, 30.37.LCMS, 計算値: 431.1061, 実測値: 431.1062 (M+H).
【0303】
Q.FF−1aおよびN−1a・BzOHの環化によるG−1aの形成
【化106】
【0304】
FF−1a(90.0g、1.0当量)、N−1a・BzOH(60.7g、1.3当量)、および酢酸カリウム(51.3g、2.5当量)を反応器に投入した。ジクロロメタン(DCM、1.1L)を投入して混合物を約20℃で反応が完結するまでかき混ぜた。5%NaHCO
3水溶液(540mL)を反応器に投入して、混合物を固体が完全に溶解するまでかき混ぜた。相を分離して、底有機相を反応器に戻し入れた。水(450mL)を反応器に投入して、混合物を約15分間かき混ぜた。相を分離して有機相を蒸留して乾燥した。
【0305】
粗G−1aをジメチルホルムアミド(DMF、180mL)に溶解して、生じた溶液を水(1.1L)の入った反応器に、水をかき混ぜながら約2時間かけて投入した。生成物のスラリーを約20℃で約12時間熟成させてから濾過した。生成物のケーキを水(360mL)で洗浄して乾燥し、G−1aを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 10.23 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 6.60 (t, J = 8.1 Hz, 2H), 5.29 (dd, J = 9.5, 3.7 Hz, 2H), 4.57 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 4.33 (dd, J = 12.8, 3.8 Hz, 1H), 4.02 - 3.87 (m, 1H), 3.94 (s, 3H), 2.06 - 1.88 (m, 4H), 1.78 (dd, J = 17.2, 7.5 Hz, 1H), 1.55 - 1.46 (m, 1H).
13C NMR (100 MHz, CDCl
3): δ 174.53, 163.75, 162.33 (dd, J = 249.4, 15.7, 15.7 Hz), 161.86 (ddd, J = 250.4, 14.9, 10.9 Hz), 154.18, 154.15, 142.44, 129.75, 118.88, 110.58 (ddd, J = 19.8, 4.7, 4.7 Hz), 100.42 (m), 77.64, 74.40, 61.23, 54.79, 51.13, 38.31, 30.73, 29.55, 28.04.LCMS, 計算値: 463.14, 実測値: 464.15 (M+H).
【0306】
R.(−)−ビンスラクタムのb−1aへの変換
【化107】
湿ったPd/C(0.138kg)を反応器に投入し、続いて2−MeTHF(421kg)および(−)−ビンスラクタム(55kg)を投入した。容器を窒素で、続いて水素でパージした。内容物を約25から35℃に調節して、水素を約0.30から0.35MPaに維持した。約6.5時間後に、HPLCにより反応は完結したように思われた。内容物を、セライト(11kg)を通して濾過して2−MeTHF(102kg)で洗浄した。生成物を溶液で得た。
【0307】
Boc
2Oの2−MeTHF中の溶液を以下のようにして調製した。Boc
2O(123kg)を反応器に投入し、続いて2−MeTHF(60kg)を投入した。溶液が得られた後、それをコンテナ中に放出し、2−MeTHF(44.6kg)で予め濯いでさらに使用するまで保管した。
水素化生成物の溶液を反応器に投入して、≦45℃で減圧下に約5から6V濃縮した。DMAP(0.34kg)を投入して、混合物を約45〜50℃に温めた。Boc
2Oの溶液を約2時間かけて加え、混合物をさらに2時間目標温度でそのまま撹拌させた。この時間の後、HPLCにより反応が完結したように思われた。2−MeTHFを投入して(480kg)、約≦45℃で溶液を減圧下で約4から5Vに濃縮した。このプロセスをさらに2回繰り返してt−BuOHを除去した。2−MeTHFを投入して(278.8kg)、溶液中でa−1aを得た。
【0308】
a−1aの溶液を2−MeTHF(405.8kg)で希釈して−10から0℃に冷却した。MeMgBr(2−MeTHF中で35%、201.3kg)を約6時間かけて加え、温度を約−10から0℃に維持した。添加が完了した後、反応が完結したとHPLCにより決定されるまで混合物をさらに約1から2時間撹拌した。15%AcOH水溶液(350kg)を加え、温度を約0から5℃に維持して、pHを約7に調節した。層を分離して、有機層を水で2回洗浄した(使用した水の合計は726kg)。有機層を約4から5Vに約≦45℃で減圧下に濃縮した。溶液を2−MeTHFと3回共沸させ、各回約4から5Vにした(使用した2−MeTHFは2810kg)。最終の溶液を減圧下で濃縮して約2.5から3Vにした。n−ヘプタン(126kg)をゆっくり加えて、温度を30から35℃に維持した。b−1aの結晶核を加えて(0.7kg)、混合物を約30から35℃で5から10時間撹拌した。追加のn−ヘプタンを加えて(200.4kg)、温度を約30から35℃に約5時間にわたって維持した。内容物を減圧下に約≦45℃で蒸留して約6から7Vにした。追加のn−ヘプタンを加えて(243.2kg)、温度を約30から35℃に約1から2時間にわたって維持した。内容物を減圧下に約≦45℃で蒸留して約6から7Vにした。追加のn−ヘプタンを加えて(241.4kg)温度を約30から35℃に約1から2時間にわたって維持した。内容物を減圧下に約≦45℃で蒸留してから約6から7Vにした。追加のn−ヘプタンを加えて(253.6kg)、温度を約30から35℃に約1から2時間にわたって維持した。内容物を約−5から0℃に冷却して約1から2時間保った。生成物を濾過により捕集し、n−ヘプタン(187kg)を用いて約−5から0℃で洗浄して、減圧下に約40から45℃で乾燥して単独のエナンチオマーb−1aを得た。
【0309】
S.b−1aのcc−1aへの変換
【化108】
【0310】
b−1a(90.9kg)およびトルエン(822kg)を反応器に投入し、25から30℃で撹拌して溶液を得た。m−CPBA(174kg)を5分割して反応器に投入した(添加間隔は4から6時間)。反応物を、約25から30℃で、HPLCにより反応が完結したと思われるまで(約10から20時間)撹拌し続けた。20%NaHSO
3(428kg)を加え、温度を約30℃未満に維持して、混合物を、ヨウ素デンプンカリウム紙で陰性になるまで撹拌した。10%NaOH(698kg)を加えて温度を約30℃未満に維持した。混合物を約30から60分間撹拌した。有機層を水(500kg)で洗浄して、有機層を減圧下約≦45℃で5から6Vに濃縮した。温度を15から25℃に調節して酸化された生成物を溶液で得た。
【0311】
水(90kg)、メタノール(70kg)、およびLiOH−H
20(29.5kg)を、酸化された生成物の溶液に加えて、混合物を25から30℃で、HPLCにより反応が完結したと思われる3から6時間撹拌した。トルエン(390kg)および25%NaCl(278kg)を混合物に加えて約30から60分間撹拌した。層を分離して20%NaCl(259kg)を有機層に加えた。溶液のpHを、1N HCl(7.6kg)で約7から8に調節して層を分離した。有機層を20%NaCl(259.4kg)で洗浄した。有機層を濾過して減圧下に約≦45℃で約4.5から5.5Vに濃縮した。トルエン(385.6kg)を投入して、蒸留/トルエン添加を、KF≦0.05%になるまで繰り返した。トルエン(385.3kg)を投入し、続いて活性炭素(6.5kg)を投入した。混合物を約30から40℃に温めて、約2から6時間撹拌した。内容物を捕集し、セライト(6.3kg)を通して濾過して、トルエン(146kg)で洗浄した。濾液を減圧下に約≦45℃で約1.5から1.6Vに濃縮した。混合物を約30から60分間約30から35℃で撹拌した。n−ヘプタン(87kg)を約1から2時間かけて投入し、混合物にcc−1aの結晶核を入れ(0.516kg)、さらに2から3時間撹拌した。n−ヘプタン(286.4kg)をゆっくり投入して、約2から3時間撹拌した。混合物を約10から15℃に冷却してさらに約3から5時間撹拌した。生成物を濾過により捕集してn−ヘプタン(40kg)を用いて約10から15℃で洗浄した。生成物を減圧下約35から45℃で乾燥して単独のエナンチオマーcc−1aを得た。
【0312】
T.c−1aの古典的分割
【化109】
【0313】
容器にc−1a(10.0g、1当量)、(5)−ナプロキセン(11.5g、1.03mmol)および水(200mL)を投入した。混合物を終夜還流させると、その後混合物は暗色になった。ロータリーエバポレーターにより溶媒を除去して所望の塩を褐色固体として得た。dd−2aおよびdd−1a(3.0g)の混合物をMEK(50mL)に懸濁させ、混合物を加熱して還流させた。水を加えた(4mL)。混合物を室温に冷却するに任せた。固体を濾過により単離して乾燥し、10%水を含むMEK(30mL)から再結晶して光学的純度>90%eeを示すdd−1aを得た。
【0314】
U.c−1aの古典的分割
【化110】
【0315】
c−1a(89.7mgs、1.0当量)のIPA(0.9mL)中の溶液に、S−(+)−マンデル酸(134.9mgs、1.0当量)のIPA(0.9mL)中の溶液を速やかに加えた。該混合物をおよそ室温で撹拌して、約20分後に固体の沈殿を観察した。スラリーをさらに15分間撹拌して、固体を濾過して捕集した。初期の塩形成から得られた固体をIPA中で再結晶して、約80℃から約0℃にゆっくり冷却してエナンチオ富化生成物dd−1bを得た。
【0316】
V.c−1aの酵素的分割−選択的アシル化
【化111】
【0317】
トルエン(500mL)を反応容器に加え、続いてc−1a(50g、1当量)を加えた。無水グルタル酸(28.4g、1当量)を加え、続いてノボザイム435(7.5g、15質量%)を加えた。反応物を約23時間、約10から15℃でそのまま撹拌させた。追加のノボザイム(2.5g、5質量%)を投入して、反応を約12時間約10から15℃で進行させた。固体を濾過により分離してトルエン(100mL)で濯いだ。有機相を10%Na
2CO
3(250mL)で洗浄し、続いて5%Na
2CO
3(250mL)で洗浄した。合わせた水相をMTBE(2×500mL)で洗浄した。生じた水相にTHF(150mL)を加え、続いて水酸化ナトリウム(14.9g、3当量)を加えた。混合物を約4時間約15から20℃でそのまま撹拌させた。層を分離して、THF層を濃縮した。水層をジクロロメタンで抽出した(2×250mL)。THF層からの残渣を合わせたジクロロメタンに溶解して、混合物を水(250mL)で洗浄した。有機相を約100mLに濃縮して水(300mL)を加えた。混合物を、約55から60℃で約250mLにさらに濃縮した。混合物を約47℃に約1時間かけて冷却し、生成物の結晶核(200mg)を加えて、混合物を約1時間約45から47℃で熟成させた。混合物を約25℃に約2時間かけて冷却し、約0.5時間熟成させた。固体を濾過により捕集して水(50mL)で洗浄した。生成物を約35から40℃で真空下に乾燥して所望の生成物cc−1aを得た(>95%ee)。
【0318】
W.c−1aの酵素的分割−選択的加水分解
【化112】
【0319】
化合物c−1a(50g、1当量)、無水グルタル酸(42.5g、1.5当量)およびDMAP(50mg、0.001当量)の300mLピリジン中の混合物を、終夜約60℃で撹拌した。反応混合物を蒸発乾固した。その後、残渣をDCM(250mL)に溶解して3×250mLの0.2M HCl(aq)で洗浄した。有機層を蒸発乾固させた。残渣に300mLの水を加えて撹拌し、約300mLの2M NaOH溶液でpHを7.8に調節した。水層をDCM(3×70mL)で洗浄した。次に水層を3N HCl(aq)でpH4に酸性化して、DCM(4×150mLおよび2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過して蒸発させると、無色の油が得られ、それは静置すると結晶化した。ペンタン(約100mL)を加えて粉砕し、続いて濾過して真空下で乾燥して、ラセミee−1aを得た。
【0320】
ラセミee−1a(1.008g)をジイソプロピルエーテル(10mL)に懸濁させた。懸濁液に200mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7(20mL)およびCal−B(0.2g)を加えた。反応混合物を250rpm、30℃で約100時間震盪した(91.5時間後に>80%eeが観察された)。反応混合物を濾過して、濾液の層を分離した。固体をDCM(2×10mL)で洗浄した。水層を抽出するために濾液を使用した。水層を2度目はDCM(10mL)で抽出した。合わせた有機層を5%Na
2CO
3(2×20mL)、塩水(10mL)で洗浄してNa
2SO
4で乾燥した。濾過して揮発性物質を減圧下で蒸発させて、所望の生成物cc−1aを得た。
【0321】
X.f−1aのアリル位のアミノ化によるg−1aの形成
【化113】
【0322】
トリフェニルホスフィン(0.37g、0.02当量)およびPd
2(dba)
3(0.32g、0.005当量)を、脱ガスしたTHF(200mL)中およそ室温で約20分間混合した。f−1a(10g、1当量、単独エナンチオマー)、Ca
2CO
3(46g、2当量)およびジ−tert−ブチルイミノジカルボキシレート(16.05g、1.05当量)を加えて、混合物を50℃で約18時間加熱した。混合物を冷却して水(100mL)および酢酸エチル(50mL)を加えた。層を分離して有機相を2×酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮乾固させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0から40%酢酸エチル)により精製した。単離された材料をMeTHFに溶解して、5%aqKOHで洗浄して濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0から10%メタノール)により精製して所望の生成物g−1aを得た。
【0323】
Y.g−1aの水素化によるh−1aの形成
【化114】
g−1a(1.0g)およびPtO
2(0.008g)をイソプロパノール(10mL)中で合わせた。容器をH
2ガスでフラッシュして水素雰囲気下におよそ室温で約18時間撹拌した。混合物を、セライトを通して濾過し、さらなる精製はせずにその後の脱保護で使用した。
【0324】
Z.h−1aの脱保護によるN−1aの形成
【化115】
【0325】
塩化アセチル(1.7mL、7当量)をイソプロパノール(5mL)と合わせておよそ室温で約15分間撹拌して、イソプロパノール中でHClを発生させた。イソプロパノール(2.5mL)中の粗出発原料h−1aを加えてイソプロパノール(2.5mL)でその後のために濯いだ。約18時間後に、スラリーを約0℃に冷却して、N−1aを濾過により捕集した。
lHNMR(CD
3OD)により所望の生成物が単離されたことを確認した。
【0326】
本出願で引用された全ての特許、特許出願および公報を含む引用文献の各々は、それら各々が個々に組み込まれているかのようにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、上記の発明の教示において、当業者が、本発明にある種の変化または改変をなすことができ、これらの等価な事物も本出願の添付の特許請求の範囲により定義された開示の範囲内であることが理解されると予想される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕式I
の化合物を以下の一般スキームI
により調製するプロセスであって、
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とK−1とを反応させてE−1を得るステップ;
E−1とM−1とを塩基の存在下で反応させてF−1を得るステップ;
F−1と、少なくとも1種の酸およびN−1またはそれらの塩もしくは共結晶とを、塩基の存在下で反応させてG−1を得るステップ;
G−1を、式Iの化合物を得るのに適切な条件下で反応させるステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Lは、−C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−、または−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−であり、
各Rcは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1−C4アルキルであり、
各Ra、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔2〕アルキル化されたホルムアミドアセタールが、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジメチルアセタール、およびN,N−ジイソプロピルホルムアミドジメチルアセタールからなる群から選択される、前記〔1〕に記載のプロセス。
〔3〕アルキル化されたホルムアミドアセタールがN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールである、前記〔1〕に記載のプロセス。
〔4〕各Ra、R1、およびR2が、独立に、C1−C4アルキルである、前記〔1〕から〔3〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔5〕R1が−CH3である、前記〔1〕から〔4〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔6〕E−1とM−1とを、金属水素化物、アルコキシド、ビス(トリアルキルシリル)アミド塩基、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩基の存在下で反応させる、前記〔1〕から〔5〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔7〕塩基が、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、リチウムtert−ブトキシド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔6〕に記載のプロセス。
〔8〕塩基がナトリウムメトキシドである、前記〔7〕に記載のプロセス。
〔9〕R2が−CH3である、前記〔1〕から〔8〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔10〕F−1を、有機酸、無機酸、有機カルボン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の酸と反応させる、前記〔1〕から〔9〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔11〕少なくとも1種の酸が、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酪酸、プロピオン酸、安息香酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔10〕に記載のプロセス。
〔12〕少なくとも1種の酸がメタンスルホン酸または酢酸である、前記〔11〕に記載のプロセス。
〔13〕G−1を、金属塩、ルイス酸、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、トリフルオロ酢酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の試薬と反応させる、前記〔1〕から〔12〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔14〕少なくとも1種の試薬が、臭化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、クロロトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、パラジウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される、前記〔13〕に記載のプロセス。
〔15〕Lが−CH2−CH2−である、前記〔1〕から〔14〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔16〕N−1が
である、前記〔1〕から〔15〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔17〕N−1が塩または共結晶の形態である、前記〔1〕から〔15〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔18〕N−1が
である、前記〔17〕に記載のプロセス。
〔19〕N−1が
である、前記〔17〕に記載のプロセス。
〔20〕N−1が溶液中にある、前記〔1〕から〔19〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔21〕F−1とN−1との反応が、無機炭酸塩、金属水素化物、アルコキシド、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩基の存在下で起こる、前記〔1〕から〔20〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔22〕塩基が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、およびリチウムtert−ブトキシドからなる群から選択される、前記〔21〕に記載のプロセス。
〔23〕塩基が炭酸カリウムである、前記〔22〕に記載のプロセス。
〔24〕各Halが独立に−Fまたは−Clである、前記〔1〕から〔23〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔25〕nが3である、前記〔1〕から〔24〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔26〕式I
の化合物を以下の一般スキームII
により調製するプロセスであって、
A−1とH−1とを、触媒、塩基、およびアシル化試薬の存在下に反応させてB−1を得るステップ;
B−1とJ−1とを酸の存在下で反応させてC−1を得るステップ;
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とK−1とを反応させてE−1を得るステップ;
E−1とM−1とを塩基の存在下で反応させてF−1を得るステップ;
F−1と少なくとも1種の酸およびN−1とを、塩基の存在下で反応させてG−1を得るステップ;
G−1を、式Iの化合物を得るのに適切な条件下で反応させるステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Lは、−C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−、または−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−であり、
各Rcは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1−C4アルキルであり、
各Ra、Rb、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔27〕触媒が求核性アミンを含有する触媒または求核性ホスフィンを含有する触媒である、前記〔26〕に記載のプロセス。
〔28〕触媒が、イミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、トリフェニルホスフィン、またはそれらの混合物である、前記〔27〕に記載のプロセス。
〔29〕触媒が4−ジメチルアミノピリジンである、前記〔28〕に記載のプロセス。
〔30〕A−1とメトキシ酢酸とを、アミン塩基、芳香族アミン塩基、無機炭酸塩、金属水素化物、アルコキシド、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩基の存在下で反応させる、前記〔26〕〜〔29〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔31〕塩基が、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、リチウムtert−ブトキシド、またはそれらの混合物である、前記〔30〕に記載のプロセス。
〔32〕アシル化試薬が、カルボン酸活性化試薬、カルボジイミド誘導体、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔26〕から〔31〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔33〕アシル化試薬が、塩化ピバロイル、カルボニルジイミダゾール、塩化チオニル、塩化オキサリル、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔32〕に記載のプロセス。
〔34〕アシル化試薬が塩化ピバロイルである、前記〔33〕に記載のプロセス。
〔35〕B−1とJ−1とを、無機酸、有機酸、ハロゲン化有機酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される酸の存在下で反応させる、前記〔26〕から〔34〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔36〕酸が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ペルフルオロプロピオン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔35〕に記載のプロセス。
〔37〕酸がトリフルオロ酢酸である、前記〔36〕に記載のプロセス。
〔38〕J−1が塩または共結晶の形態である、前記〔26〕から〔37〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔39〕HalがFである、前記〔26〕から〔38〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔40〕J−1が
である、前記〔26〕から〔39〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔41〕J−1が
である、前記〔26〕から〔39〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔42〕J−1が
である、前記〔26〕から〔39〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔43〕G−1を、金属塩、ルイス酸、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、トリフルオロ酢酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の試薬と反応させる、前記〔26〕から〔42〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔44〕少なくとも1種の試薬が、臭化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、クロロトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、パラジウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される、前記〔43〕に記載のプロセス。
〔45〕式I
の化合物を、以下の一般スキームIII
により調製するプロセスであって、
B−1とQ−1とを反応させてBB−1を得るステップ;
BB−1とJ−1とを反応させてC−1を得るステップ;
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とK−1とを反応させてE−1を得るステップ;
E−1とM−1とを塩基の存在下で反応させてF−1を得るステップ;
F−1と、少なくとも1種の酸およびN−1またはそれらの塩もしくは共結晶とを、塩基の存在下で反応させてG−1を得るステップ;
G−1を、式Iの化合物を得るのに適切な条件下で反応させるステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Lは、−C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−、または−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−であり、
各Rcは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1−C4アルキルであり、
各Ra、Rb、Rd、R1およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔46〕Rdが−CH2CH3である、前記〔45〕に記載のプロセス。
〔47〕J−1が、塩または共結晶の形態である、前記〔45〕または〔46〕に記載のプロセス。
〔48〕HalがFである、前記〔45〕から〔47〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔49〕J−1が
である、前記〔45〕から〔48〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔50〕J−1が
である、前記〔45〕から〔48〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔51〕J−1が
である、前記〔45〕から〔48〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔52〕G−1を、金属塩、ルイス酸、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、トリフルオロ酢酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の試薬と反応させる、前記〔45〕から〔51〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔53〕少なくとも1種の試薬が、臭化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、クロロトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、パラジウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される、前記〔52〕に記載のプロセス。
〔54〕式I
の化合物を以下の一般スキームIV
により調製するプロセスであって、
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とM−1とを反応させてEE−1を得るステップ;
EE−1とK−1とを反応させてF−1を得るステップ;
F−1と少なくとも1種の酸およびN−1とを、塩基の存在下で反応させてG−1を得るステップ;
G−1を、式Iの化合物を得るのに適切な条件下で反応させるステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Lは、−C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−、または−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−であり、
各Rcは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1−C4アルキルであり、
各Ra、Rb、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔55〕G−1を、金属塩、ルイス酸、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、トリフルオロ酢酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の試薬と反応させる、前記〔54〕に記載のプロセス。
〔56〕少なくとも1種の試薬が、臭化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、クロロトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、パラジウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される、前記〔55〕に記載のプロセス。
〔57〕式II
の化合物を以下の一般スキームV
により調製するプロセスであって、
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とK−1とを反応させてE−1を得るステップ;
E−1とM−1とを塩基の存在下で反応させてF−1を得るステップ;
F−1と塩基とを反応させて式IIの化合物を得るステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
各Ra、Rb、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔58〕アルキル化されたホルムアミドアセタールが、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジメチルアセタール、およびN,N−ジイソプロピルホルムアミドジメチルアセタールからなる群から選択される、前記〔57〕に記載のプロセス。
〔59〕アルキル化されたホルムアミドアセタールがN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールである、前記〔58〕に記載のプロセス。
〔60〕R1がC1−C4アルキルである、前記〔57〕から〔59〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔61〕R1が−CH3である、前記〔60〕に記載のプロセス。
〔62〕E−1とM−1とを、無機炭酸塩、金属水素化物、アルコキシド、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩基の存在下で反応させる、前記〔57〕から〔61〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔63〕塩基が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、リチウムtert−ブトキシド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔62〕に記載のプロセス。
〔64〕塩基がナトリウムメトキシドである、前記〔63〕に記載のプロセス。
〔65〕R2がC1−C4アルキルである、前記〔57〕から〔64〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔66〕R2が−CH3である、前記〔65〕に記載のプロセス。
〔67〕F−1を、水酸化物塩基、炭酸塩塩基、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩基と反応させて式IIの化合物を得る、前記〔57〕から〔66〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔68〕塩基が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、またはそれらの混合物である、前記〔67〕に記載のプロセス。
〔69〕塩基が水酸化リチウムである、前記〔68〕に記載のプロセス。
〔70〕式D−1の化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を調製するステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
各RaおよびRbは、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔71〕アルキル化されたホルムアミドアセタールが、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジメチルアセタール、およびN,N−ジイソプロピルホルムアミドジメチルアセタールからなる群から選択される、前記〔70〕に記載のプロセス。
〔72〕アルキル化されたホルムアミドアセタールがN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールである、前記〔71〕に記載のプロセス。
〔73〕各Ra、およびRbが、独立に、C1−C4アルキルである、前記〔70〕から〔72〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔74〕各Halが独立に−Fまたは−Clである、前記〔70〕から〔73〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔75〕nが3である、前記〔70〕から〔74〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔76〕式E−1の化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
D−1とK−1とを反応させてE−1を得るステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
各Ra、RbおよびR1は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔77〕各Ra、RbおよびR1が、独立にC1−C4アルキルである、前記〔76〕に記載のプロセス。
〔78〕R1が−CH3である、前記〔76〕または〔77〕に記載のプロセス。
〔79〕各Halが独立に−Fまたは−Clである、前記〔76〕から〔78〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔80〕nが3である、前記〔76〕から〔79〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔81〕式F−1の化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
E−1とM−1とを塩基の存在下で反応させてF−1を得るステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
各Ra、Rb、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔82〕各Ra、Rb、R1、およびR2が、独立に、C1−C4アルキルである、前記〔81〕に記載のプロセス。
〔83〕R1が−CH3である、前記〔81〕または〔82〕に記載のプロセス。
〔84〕E−1とM−1とを、金属水素化物、アルコキシド、ビス(トリアルキルシリル)アミド塩基、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩基の存在下で反応させる、前記〔81〕から〔83〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔85〕塩基が、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、リチウムtert−ブトキシド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔84〕に記載のプロセス。
〔86〕塩基がナトリウムメトキシドである、前記〔85〕に記載のプロセス。
〔87〕R2が−CH3である、前記〔81〕から〔86〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔88〕各Halが独立に−Fまたは−Clである、前記〔81〕から〔87〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔89〕nが3である、前記〔81〕から〔88〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔90〕式G−1の化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
F−1と、少なくとも1種の酸およびN−1、またはそれらの塩もしくは共結晶とを、塩基の存在下で反応させてG−1を得るステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Lは、−C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−、または−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−であり、
各Rcは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1−C4アルキルであり、
各Ra、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔91〕各Ra、R1、およびR2が、独立にC1−C4アルキルである、前記〔90〕に記載のプロセス。
〔92〕R1が−CH3である、前記〔90〕または〔91〕に記載のプロセス。
〔93〕R2が−CH3である、前記〔90〕から〔92〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔94〕F−1を、有機酸、無機酸、有機カルボン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の酸と反応させる、前記〔90〕から〔93〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔95〕少なくとも1種の酸が、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酪酸、プロピオン酸、安息香酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔94〕に記載のプロセス。
〔96〕少なくとも1種の酸がメタンスルホン酸または酢酸である、前記〔95〕に記載のプロセス。
〔97〕Lが−CH2−CH2−である、前記〔90〕から〔96〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔98〕N−1が
である、前記〔90〕から〔97〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔99〕N−1が塩または共結晶の形態である、前記〔90〕から〔97〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔100〕N−1が
である、前記〔99〕に記載のプロセス。
〔101〕N−1が
である、前記〔99〕に記載のプロセス。
〔102〕N−1が溶液中にある、前記〔90〕から〔99〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔103〕F−1とN−1との反応が、無機炭酸塩、金属水素化物、アルコキシド、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩基の存在下で起こる、前記〔90〕から〔102〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔104〕塩基が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、およびリチウムtert−ブトキシドからなる群から選択される、前記〔103〕に記載のプロセス。
〔105〕塩基が炭酸カリウムである、前記〔104〕に記載のプロセス。
〔106〕各Halが独立に−Fまたは−Clである、前記〔90〕から〔105〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔107〕nが3である、前記〔90〕から〔106〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔108〕式Iの化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
G−1を、式Iの化合物を得るのに適切な条件下で反応させるステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Lは、−C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−、または−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−であり、
各Rcは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1−C4アルキルであり、
Raは、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔109〕RaがC1−C4アルキルである、前記〔108〕に記載のプロセス。
〔110〕G−1を、金属塩、ルイス酸、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、トリフルオロ酢酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の試薬と反応させる、前記〔108〕または〔109〕に記載のプロセス。
〔111〕少なくとも1種の試薬が、臭化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、クロロトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、パラジウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される、前記〔110〕に記載のプロセス。
〔112〕Lが−CH2−CH2−である、前記〔108〕から〔111〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔113〕各Halが独立に−Fまたは−Clである、前記〔108〕から〔112〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔114〕nが3である、前記〔108〕から〔113〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔115〕式B−1の化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、A−1とH−1とを、触媒、塩基、およびアシル化試薬の存在下で反応させて、B−1を得るステップを含み、式中、
Raは、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔116〕触媒が求核性アミンを含有する触媒または求核性ホスフィンを含有する触媒である、前記〔115〕に記載のプロセス。
〔117〕触媒が、イミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、トリフェニルホスフィン、またはそれらの混合物である、前記〔116〕に記載のプロセス。
〔118〕触媒が4−ジメチルアミノピリジンである、前記〔117〕に記載のプロセス。
〔119〕A−1とメトキシ酢酸とを、アミン塩基、芳香族アミン塩基、無機炭酸塩、金属水素化物、アルコキシド、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩基の存在下で反応させる、前記〔115〕〜〔118〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔120〕塩基が、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、リチウムtert−ブトキシド、またはそれらの混合物である、前記〔119〕に記載のプロセス。
〔121〕アシル化試薬が、カルボン酸活性化試薬、カルボジイミド誘導体、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔115〕から〔120〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔122〕アシル化試薬が、塩化ピバロイル、カルボニルジイミダゾール、塩化チオニル、塩化オキサリル、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔121〕に記載のプロセス。
〔123〕アシル化試薬が塩化ピバロイルである、前記〔122〕に記載のプロセス。
〔124〕式C−1の化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
B−1の遊離酸と約1から5当量のJ−1とを反応させるステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Raは、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔125〕B−1とJ−1とを、無機酸、有機酸、ハロゲン化有機酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される酸の存在下で反応させる、前記〔124〕に記載のプロセス。
〔126〕酸が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ペルフルオロプロピオン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔125〕に記載のプロセス。
〔127〕酸がトリフルオロ酢酸である、前記〔126〕に記載のプロセス。
〔128〕J−1が塩または共結晶の形態である、前記〔124〕から〔127〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔129〕HalがFである、前記〔124〕から〔128〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔130〕J−1が
である、前記〔124〕から〔129〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔131〕J−1が
である、前記〔124〕から〔129〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔132〕J−1が
である、前記〔124〕から〔129〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔133〕式BB−1の化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
B−1とQ−1とを反応させてBB−1を得るステップ
を含み、式中、
各RaおよびRdは、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔134〕Rdが−CH2CH3である、前記〔133〕のプロセス。
〔135〕式C−1の化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
BB−1とJ−1とを反応させてC−1を得るステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
各RaおよびRdは、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1-C4)アルキルであるプロセス。
〔136〕HalがFである、前記〔135〕に記載のプロセス。
〔137〕J−1が
である、前記〔135〕または〔136〕に記載のプロセス。
〔138〕J−1が
である、前記〔135〕または〔136〕に記載のプロセス。
〔139〕J−1が
である、前記〔135〕または〔136〕に記載のプロセス。
〔140〕式EE1
の化合物を調製するプロセスであって、
D−1とM−1とを反応させてEE−1を得るステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
各Ra、Rb、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔141〕式F1
の化合物を調製するプロセスであって、
EE−1とK−1とを反応させてF−1を得るステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり
各Ra、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔142〕式II
の化合物を調製するプロセスであって、
F−1と塩基とを反応させて式IIの化合物を得るステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
各Ra、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔143〕F−1を、水酸化物塩基、炭酸塩塩基、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩基と反応させて式IIの化合物を得る、前記〔142〕に記載のプロセス。
〔144〕塩基が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、またはそれらの混合物である、前記〔143〕に記載のプロセス。
〔145〕塩基が水酸化リチウムである、前記〔144〕に記載のプロセス。
〔146〕式B−1・J−1
の塩を調製するプロセスであって、
B−1の遊離酸を溶解するステップおよび1当量のJ−1を加えるステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Raは、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔147〕式C−1
の化合物を調製するプロセスであって、
式B−1・J−1の塩と約0.1から1当量の適切な酸とを反応させるステップ
を含み、式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Raは、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔148〕構造:
を有する化合物、それらの塩または共結晶。
(式中、
Halはハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Lは、−C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−、または−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−であり、
各Rcは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1−C4アルキルであり、
各Ra、Rb、Rd、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルである)
〔149〕以下の構造を有する、前記〔148〕に記載の化合物。
〔150〕以下の構造を有する、前記〔148〕に記載の化合物。
〔151〕以下の構造を有する前記〔148〕に記載の化合物。
〔152〕構造:
を有する化合物、またはそれらの塩もしくは共結晶。
〔153〕以下の構造を有する化合物。
〔154〕式I
の化合物を以下の一般スキームVI
により調製するプロセスであって、
B−1・J−1を、C−1を得るのに適切な条件下で反応させるステップ;
C−1とアルキル化されたホルムアミドアセタールとを反応させてD−1を得るステップ;
D−1とK−1とを反応させてE−1を得るステップ;
E−1とM−1とを塩基の存在下で反応させてF−1を得るステップ;
F−1と少なくとも1種の酸とを反応させてFF−1を得るステップ;
FF−1と、N−1またはそれらの塩もしくは共結晶とを、添加剤の存在下で反応させてG−1を得るステップ;
G−1を、式Iの化合物を得るのに適切な条件下で反応させるステップ
を含み、式中、
Halは、同じであっても異なっていてもよいハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Lは、−C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−、または−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−であり、
各Rcは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1−C4アルキルであり、
各Ra、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであり、
各Rbは独立に(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔155〕B−1・J−1を酸の存在下で反応させる、前記〔154〕に記載のプロセス。
〔156〕酸が、無機酸、有機酸、ハロゲン化有機酸、ルイス酸およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔155〕に記載のプロセス。
〔157〕酸が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ペルフルオロプロピオン酸、ジクロロ酢酸、クロロ酢酸、酢酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩化亜鉛、臭化マグネシウム、マグネシウムトリフレート、銅トリフレート、スカンジウムトリフレート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔155〕または〔156〕に記載のプロセス。
〔158〕酸がトリフルオロ酢酸である、前記〔155〕から〔157〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔159〕アルキル化されたホルムアミドアセタールが、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジエチルホルムアミドジメチルアセタール、およびN,N−ジイソプロピルホルムアミドジメチルアセタールからなる群から選択される、前記〔154〕に記載のプロセス。
〔160〕アルキル化されたホルムアミドアセタールがN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールである、前記〔154〕から〔159〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔161〕酸の存在下でC−1を、アルキル化されたホルムアミドアセタールと反応させる、前記〔154〕から〔160〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔162〕酸が、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸、硫酸トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、およびペルフルオロプロピオン酸からなる群から選択される、前記〔161〕に記載のプロセス。
〔163〕酸がトリフルオロ酢酸である、前記〔161〕または〔162〕に記載のプロセス。
〔164〕K−1が、アミノアセトアルデヒドジエチルアセタール、アミノアセトアルデヒドジプロピルアセタール、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール、およびアミノアセトアルデヒドジブチルアセタールからなる群から選択される、前記〔154〕から〔163〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔165〕K−1がアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールである、前記〔154〕から〔164〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔166〕M−1が、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジプロピル、およびシュウ酸ジブチルからなる群から選択される、前記〔154〕から〔165〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔167〕M−1がシュウ酸ジメチルである、前記〔154〕から〔166〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔168〕E−1とM−1とを、金属水素化物、アルコキシド、無機炭酸塩、ビス(トリアルキルシリル)アミド塩基、およびそれらの混合物からなる群から選択される塩基の存在下で反応させる、前記〔154〕から〔167〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔169〕塩基が、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、リチウムtert−ブトキシド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔168〕に記載のプロセス。
〔170〕塩基がナトリウムメトキシドである、前記〔168〕または〔169〕に記載のプロセス。
〔171〕F−1を、有機酸、無機酸、有機カルボン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の酸と反応させる、前記〔154〕から〔170〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔172〕少なくとも1種の酸が、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酪酸、プロピオン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔171〕に記載のプロセス。
〔173〕少なくとも1種の酸がp−トルエンスルホン酸である、前記〔171〕または〔172〕に記載のプロセス。
〔174〕Lが−CH2−CH2−である、前記〔154〕から〔173〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔175〕N−1が
である、前記〔154〕から〔174〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔176〕N−1が塩または共結晶の形態である、前記〔154〕から〔175〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔177〕N−1が
である、前記〔176〕に記載のプロセス。
〔178〕N−1が溶液中にある、前記〔154〕から〔177〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔179〕添加剤が、カルボン酸塩、無機炭酸塩、金属水素化物、アルコキシド、水スカベンジャーおよびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔154〕から〔178〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔180〕添加剤が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、リチウムtert−ブトキシド、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、モレキュラーシーブス、オルト酢酸トリメチル、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸リチウムおよびオルトギ酸トリメチルからなる群から選択される、前記〔154〕から前記〔179〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔181〕添加剤が酢酸カリウムである、前記〔154〕から〔180〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔182〕G−1を、金属塩、ルイス酸、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、トリフルオロ酢酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の試薬と反応させる、前記〔154〕から〔181〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔183〕少なくとも1種の試薬が、臭化マグネシウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、クロロトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、ナトリウムエタンチオレート、ナトリウムヘキサメチルジシロキサン、パラジウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、およびトリフルオロ酢酸からなる群から選択される、前記〔182〕に記載のプロセス。
〔184〕少なくとも1種の試薬が臭化マグネシウムである、前記〔182〕または〔183〕に記載のプロセス。
〔185〕各Ra、Rb、R1、およびR2が、独立にC1−C4アルキルである、前記〔154〕から〔184〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔186〕R2が−CH3である、前記〔154〕から〔185〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔187〕R1が−CH3である、前記〔154〕から〔186〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔188〕Raが−CH3である、前記〔154〕から〔187〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔189〕Rbが−CH3である、前記〔154〕から〔188〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔190〕各Halが独立に−Fまたは−Clである、前記〔154〕から〔189〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔191〕HalがFである、前記〔154〕から〔190〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔192〕nが3である、前記〔154〕から〔191〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔193〕J−1が
である、前記〔154〕から〔192〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔194〕式C−1
の化合物を調製するプロセスであって、
式B−1・J−1の化合物を約0.1から1当量の適切な酸と反応させるステップ
を含み、式中、
Halは、同じであっても異なっていてもよいハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Raは、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔195〕酸が、無機酸、有機酸、ハロゲン化有機酸、ルイス酸およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔194〕に記載のプロセス。
〔196〕酸が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ペルフルオロプロピオン酸、ジクロロ酢酸、クロロ酢酸、酢酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、塩化亜鉛、臭化マグネシウム、マグネシウムトリフレート、銅トリフレート、スカンジウムトリフレート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔194〕または〔195〕に記載のプロセス。
〔197〕酸がトリフルオロ酢酸である、前記〔194〕から〔196〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔198〕式FF−1の化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
F−1と少なくとも1種の酸とを反応させてFF−1を得るステップ
を含み、式中、
Halは、同じであっても異なっていてもよいハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
各Ra、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔199〕F−1を、有機酸、無機酸、有機カルボン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の酸と反応させる、前記〔198〕に記載のプロセス。
〔200〕少なくとも1種の酸が、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酪酸、プロピオン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔198〕または〔199〕に記載のプロセス。
〔201〕少なくとも1種の酸がp−トルエンスルホン酸である、前記〔198〕から〔200〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔202〕各Ra、R1、およびR2が、独立にC1−C4アルキルである、前記〔198〕から〔201〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔203〕R1が−CH3である、前記〔198〕から〔202〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔204〕R2が−CH3である、前記〔198〕から〔203〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔205〕各Halが独立に−Fまたは−Clである、前記〔198〕から〔204〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔206〕nが3である、前記〔198〕から〔205〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔207〕式G−1の化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
FF−1と、少なくとも1種の添加剤およびN−1、またはそれらの塩もしくは共結晶とを反応させてG−1を得るステップ
を含み、式中、
Halは、同じであっても異なっていてもよいハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Lは、−C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−、または−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−であり、
各Rcは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1−C4アルキルであり、
各Ra、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルであるプロセス。
〔208〕Lが−CH2−CH2−である、前記〔207〕に記載のプロセス。
〔209〕N−1が
である、前記〔207〕または〔208〕に記載のプロセス。
〔210〕N−1が塩または共結晶の形態である、前記〔207〕から〔209〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔211〕N−1が
である、前記〔207〕、〔208〕、および〔210〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔212〕N−1が溶液中にある、前記〔207〕から〔211〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔213〕添加剤が、カルボン酸塩、無機炭酸塩、金属水素化物、アルコキシド、水スカベンジャーおよびそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔207〕から〔212〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔214〕添加剤が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ペントキシド、リチウムtert−ブトキシド、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、モレキュラーシーブス、オルト酢酸トリメチル、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸リチウムおよびオルトギ酸トリメチルからなる群から選択される、前記〔207〕から〔213〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔215〕添加剤が酢酸カリウムである、前記〔207〕から〔214〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔216〕各Ra、R1、およびR2が、独立にC1−C4アルキルである、前記〔207〕から〔215〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔217〕R1が−CH3である、前記〔207〕から〔216〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔218〕R2が−CH3である、前記〔207〕から〔217〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔219〕各Halが独立に−Fまたは−Clである、前記〔207〕から〔218〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔220〕nが3である、前記〔207〕から〔219〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔221〕式N−1xの化合物を以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
g−1xを反応させてh−1xを得るステップ;および
h−1xを反応させてN−1xを得るステップ
を含むプロセス。
〔222〕f−lxを反応させてg−1xを得るステップ
をさらに含む、前記〔221〕に記載のプロセス。
〔223〕g−1xを、触媒および水素の供給源の存在下で水素化してh−1xを得る、前記〔221〕または〔222〕に記載のプロセス。
〔224〕触媒が、Pd/C、PtO2、ラネーニッケル、RhCl(PPh3)3、野依触媒、およびクラブトリー触媒からなる群から選択される、前記〔223〕に記載のプロセス。
〔225〕触媒がPtO2である、前記〔223〕または〔224〕に記載のプロセス。
〔226〕水素の供給源が水素ガスである、前記〔223〕から〔225〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔227〕h−1xを酸と反応させてN−1xを得る、前記〔221〕から〔226〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔228〕酸が塩酸である、前記〔227〕に記載のプロセス。
〔229〕エナンチオ富化cc−1aをラセミc−1aから、以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
ラセミc−1aとアシル供与体および酵素とを反応させて、cc−1bおよびe−1を得るステップ;
e−1をcc−1bから単離するステップ;および
e−1を加水分解してcc−1aを得るステップ
を含み、式中、
Rxは、(C1−C6)アルキル−Ryであり、Ryは、H、CN、−NRz1Rz2、C(O)Rz1、−C(O)ORz1、−C(O)NRz1Rz2、−OC(O)NRz1Rz2、−NRz1C(O)Rz2、−NRz1C(O)NRz2、−NRz1C(O)ORz2、−SRz1、−S(O)1-2Rz1、−S(O)2NRz1Rz2、−NRz1S(O)2Rz2、NRz1S(O)2Rz2、およびORz1からなる群から選択され;
RzlおよびRz2は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、3から12員のヘテロシクリル、C6-10アリールおよび5から10員のヘテロアリールからなる群から独立に選択されるプロセス。
〔230〕アシル供与体が、無水グルタル酸、無水酢酸、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、酢酸4−クロロフェニルおよびメトキシ酢酸エチルからなる群から選択される、前記〔229〕に記載のプロセス。
〔231〕アシル供与体が無水グルタル酸である、前記〔229〕または〔230〕に記載のプロセス。
〔232〕酵素が、CAL−B、CAL−A、PPL、PSL−C、PSL、CRLおよびMMLからなる群から選択されるリパーゼである、前記〔229〕から〔231〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔233〕酵素がCAL−Bリパーゼである、前記〔229〕から〔232〕のいずれか1項に記載のプロセス。
〔234〕エナンチオ富化cc−1aをラセミc−1aから、以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
ラセミc−1aとアシル供与体とを反応させてラセミee−1を得るステップ;
ラセミee−1と酵素とを反応させてe−2およびcc−1aを得るステップ;および
cc−1aを単離するステップ
を含み、式中、
Rxは、(C1−C6)アルキル−Ryであり、Ryは、H、CN、−NRz1Rz2、C(O)Rz1、−C(O)ORz1、−C(O)NRz1Rz2、−OC(O)NRz1Rz2、−NRz1C(O)Rz2、−NRz1C(O)NRz2、−NRz1C(O)ORz2、−SRz1、−S(O)1-2Rz1、−S(O)2NRz1Rz2、−NRz1S(O)2Rz2、NRz1S(O)2Rz2、およびORz1からなる群から選択され;
RzlおよびRz2は、H、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ヘテロアルキル、C3-10シクロアルキル、3から12員のヘテロシクリル、C6-10アリールおよび5から10員のヘテロアリールからなる群から独立に選択されるプロセス。
〔235〕アシル供与体が無水グルタル酸である、前記〔234〕に記載のプロセス。
〔236〕酵素がCAL−Bリパーゼである、前記〔234〕または〔235〕に記載のプロセス。
〔237〕エナンチオ富化dd−1をラセミc−1aから、以下のスキーム
により調製するプロセスであって、
ラセミc−1aとキラルな酸とを反応させてdd−1およびdd−2を得るステップ;および
エナンチオ富化dd−1を単離するステップ
を含むプロセス。
〔238〕キラルな酸が、(S)−ナプロキセンおよび−(+)−マンデル酸からなる群から選択される、前記〔237〕に記載のプロセス。
〔239〕dd−1を単離するステップが、ラセミd−1からdd−1を選択的に再結晶させることを含む、前記〔237〕または〔238〕に記載のプロセス。
〔240〕再結晶が、メチルエチルケトンと水との混合物中で行われる、前記〔239〕に記載のプロセス。
〔241〕構造:
を有する化合物、またはそれらの塩もしくは共結晶。
(式中、
Halは、同じであっても異なっていてもよいハロゲンであり、
nは1、2、または3であり、
Lは、−C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2−、−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−、または−C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2C(Rc)2−であり、
各Rcは、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシルまたはC1−C4アルキルであり、
各Ra、Rb、Rd、R1、およびR2は、独立に、(C1−C4)アルキル、(C6−C10)アリール、または(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルである)
〔242〕構造:
を有する化合物、またはそれらの塩もしくは共結晶。