特許第6581705号(P6581705)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6581705
(24)【登録日】2019年9月6日
(45)【発行日】2019年9月25日
(54)【発明の名称】灯具
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/00 20060101AFI20190912BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20190912BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20190912BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20190912BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20190912BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190912BHJP
【FI】
   F21V17/00 501
   F21S2/00 431
   F21V23/04 100
   F21Y101:00 100
   F21Y103:00
   F21Y115:10
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-168287(P2018-168287)
(22)【出願日】2018年9月7日
(65)【公開番号】特開2019-121591(P2019-121591A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2018年9月7日
(31)【優先権主張番号】107100700
(32)【優先日】2018年1月8日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】515358838
【氏名又は名称】ペガトロン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ヤウ−ユウ ツァイ
(72)【発明者】
【氏名】チー−シェン ツォン
(72)【発明者】
【氏名】シン−ツォン スン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ−デュ リャオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェン−ロン シ
【審査官】 山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−201350(JP,A)
【文献】 特開2007−103204(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3071759(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 3/00 − 17/20
F21S 8/00 − 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部と外表面とを備えた筐体と、
前記筐体の前記外表面を覆う弾性カバーと、
基板と、前記基板に枢着されると共に前記開口部に位置する回転部材と、前記基板に設けられた係止機構と、前記基板に設けられ、係合部を備え、また第1位置と第2位置との間を移動する移動部材と、第1端と第2端とを備え、前記第1端が前記回転部材に連結され、前記第2端が前記移動部材に連結される連動部材と、前記移動部材に連結され、加力部材が加力を受けた時、前記移動部材は前記第1位置から前記第2位置に移動し、かつ前記係合部が前記係止機構に係合され、前記連動部材の前記第2端が前記移動部材と一緒に前記第2位置に移動され、前記連動部材の前記第1端は前記回転部材を前記基板から離れた方向に回転させ、前記回転部材が前記開口部から突出すると共に前記弾性カバーに押し付ける加力部材と、を包括し、前記筐体に設けられた本体と、
を含むことを特徴とする、灯具。
【請求項2】
前記第1位置と前記回転部材との最短距離は、前記第2位置と前記回転部材との最短距離より短いことを特徴とする、請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
前記本体は、前記基板に設けられた発光アセンブリを更に含み、前記発光アセンブリが互いにカップリングする発光ユニットとスイッチとを含み、前記スイッチが前記係止機構に隣接して設けられ、前記移動部材は前記第2位置に移動された際、一部の前記移動部材が前記スイッチをトリガーすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の灯具。
【請求項4】
前記移動部材は、トリガー部を更に備え、前記第2位置に移動された際、前記トリガー部が前記スイッチに押し付けることを特徴とする、請求項3に記載の灯具。
【請求項5】
前記係合部及び前記トリガー部は、前記移動部材の対向する両側に位置し、かつ前記スイッチと前記係止機構が間隔をあけて設けられ、前記移動部材が前記係止機構と前記スイッチとの間を移動することを特徴とする、請求項4に記載の灯具。
【請求項6】
前記発光アセンブリは、導光板を更に含み、前記導光板が前記基板に設けられると共に前記筐体の前記開口部に対応することを特徴とする、請求項3に記載の灯具。
【請求項7】
前記回転部材は、各々前記回転部材の対向する両端を嵌め込む2つのねじりばねを更に備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項8】
前記加力部材が別の加力を受けた際、前記係合部は前記係止機構から脱離し、かつ前記ねじりばねの弾性力により前記回転部材を前記基板の方向に向けて回転させ、前記移動部材も前記連動部材の前記第2端と一緒に前記第1位置に移動することを特徴とする、請求項7に記載の灯具。
【請求項9】
前記筐体は、スライドレールを更に備え、かつ前記移動部材が前記スライドレール内に位置することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項10】
前記本体は、副回転部材と少なくとも1個の連結部材とを更に含み、前記副回転部材が前記基板に枢着されると共に前記回転部材と平行に設けられ、前記連結部材は前記回転部材及び前記副回転部材に連結することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項11】
前記連動部材は、硬質な棒体で、前記連結部材が線材であることを特徴とする、請求項10に記載の灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の灯具は、主に天井に取り付けられ、又は卓上或いは地上に設置されるため、一定のスペースを占拠する。現在の壁灯若しくはダウンライトは、壁面に設けられることで空間を節約するという目的を達成できる。
【0003】
壁灯は、比較的多様化されたデザインがあるが、不使用の時、やはり壁面上のライトの存在を直接意識してしまう。ダウンライトは、壁面内に取り付けることができ、不使用の時、その存在に気付かれにくい。しかしながら、ダウンライトを取り付ける前、先に壁の構造を壊す必要があり、かつ室内設計及び内装の時、事前に企画していなければならず、一般消費者が灯具を購入した後、自ら取り付けるという方法に比較的適していない。また、ダウンライトの外観が単調で、かつ壁灯或いはダウンライトを問わず、使用状態及び不使用状態においていずれも同じ構造であるため、使用上の面白さに欠ける。
【0004】
よって、簡単かつ新規なデザインを通じて、空間を節約するという目的を達成できる以外に、使用状態、不使用状態に異なる構造となることで、使用上の面白さを実現する灯具をどのように設計するかが、灯具設計業者の重要な課題の一つとなっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記課題に鑑み、本発明の主な目的は、本体と弾性カバーとを含み、かつ本体が回転部材を備え、点灯時、回転部材が回転すると共に弾性カバーに押し付けることで、従来の灯具に使用上の面白さに欠ける問題を解決する灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、筐体と弾性カバーと本体とを含む灯具を提供する。筐体は、開口部と外表面とを備える。弾性カバーは、筐体の外表面を覆う。本体は、筐体に設けられ、基板と回転部材と係止機構と移動部材と連動部材と加力部材とを含む。回転部材は、基板に枢着されると共に開口部に位置する。係止機構は、基板に設けられる。移動部材は、基板に設けられ、係合部を備え、また第1位置と第2位置との間を移動する。連動部材は、第1端と第2端とを備え、第1端が回転部材に連結され、第2端が移動部材に連結される。加力部材は、移動部材に連結される。加力部材が加力を受けた時、移動部材は第1位置から第2位置に移動し、かつ係合部が係止機構に係合され、連動部材の第2端が移動部材と一緒に第2位置に移動され、連動部材の第1端は回転部材を基板から離れた方向に回転させ、回転部材が開口部から突出すると共に弾性カバーに押し付ける。
【0007】
本発明の一実施例によれば、第1位置と回転部材との最短距離は、第2位置と回転部材との最短距離より短い。
【0008】
本発明の一実施例によれば、本体は、基板に設けられた発光アセンブリを更に含み、発光アセンブリが互いにカップリングする発光ユニットとスイッチとを含み、スイッチが係止機構に隣接して設けられ、移動部材は第2位置に移動された際、一部の移動部材がスイッチをトリガーする。
【0009】
本発明の一実施例によれば、移動部材は、トリガー部を更に備え、第2位置に移動された際、トリガー部がスイッチに押し付ける。
【0010】
本発明の一実施例によれば、係合部及びトリガー部は移動部材の対向する両側に位置し、かつスイッチと係止機構が間隔をあけて設けられ、移動部材が係止機構とスイッチとの間を移動する。
【0011】
本発明の一実施例によれば、発光アセンブリは、導光板を更に含み、導光板が基板に設けられると共に筐体の開口部に対応する。
【0012】
本発明の一実施例によれば、回転部材は、各々回転部材の対向する両端を嵌め込む2つのねじりばねを更に備える。
【0013】
本発明の一実施例によれば、加力部材が別の加力を受けた際、係合部は係止機構から脱離し、かつねじりばねの弾性力により回転部材を基板の方向に向けて回転させ、移動部材も連動部材の第2端と一緒に第1位置に移動する。
【0014】
本発明の一実施例によれば、筐体は、スライドレールを更に備え、かつ移動部材がスライドレール内に位置する。
【0015】
本発明の一実施例によれば、本体は、副回転部材と少なくとも1個の連結部材とを更に含み、副回転部材が基板に枢着されると共に回転部材と平行に設けられ、連結部材は回転部材及び副回転部材に連結する。
【0016】
本発明の一実施例によれば、連動部材は、硬質な棒体で、該連結部材が線材である。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る灯具は、使用者が点灯しようとした時、加力部材に力をかけると、移動部材を第1位置から第2位置に移動させることができ、連動部材は移動部材と一緒に第2位置に移動すると共に回転部材を基板から離れた方向に回転させ、回転部材が開口部から突出して弾性カバーに押し付けることで、立体構造を形成する。また、係合部は係止機構に係合することで、立体構造を保持する。よって、使用(点灯)の時、灯具の表面は、弾性カバーが凸起する立体構造となり、不使用(消灯)の時、灯具の表面が平坦な弾性カバーであることで、形の変化により、使用上の面白さを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例に係る灯具の分解図である。
図2A図1に示す本体の模式図である。
図2B図2Aに示す本体の部分拡大図である。
図3図1に示す灯具を組み立てた後の部分断面図である。
図4A図2Aに示す移動部材が第2位置に移動された場合の模式図である。
図4B図4Aに示す本体の部分拡大図である。
図5図1に示す灯具を組み立てた後、使用状態にある部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の技術内容を更に理解してもらうため、以下に好ましい実施例を挙げて説明する。
【0020】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る灯具の分解図である。本実施例において、灯具1は、本体10と筐体20と弾性カバー30とを含む。本体10は、主要作動のエレメントを含み、筐体20が対向する内表面21と外表面22とを備え、本体10に設けられ、内表面21を本体10に対応させる。筐体20の外表面22は、平滑な表面であり、弾性カバー30が筐体20の外表面22を覆う。好ましくは、弾性カバー30は、弾性を持つ光透過可能な布地、例えばライクラ生地であり、灯具1が使用(点灯)状態にある時、弾性カバー30は、立体態様となると共に光を透過でき、その詳細な内容は後記で更に説明する。
【0021】
図1図2A及び図2Bを参照すると、図2Aは、図1に示す本体の模式図であり、図2B図2Aに示す本体の部分拡大図である。本実施例において、本体10は、基板11と回転部材12と係止機構13と移動部材14と連動部材15と加力部材16と発光アセンブリ17と、を含む。回転部材12は、基板11に枢着される。具体的に言うと、本実施例の回転部材12は、線状支持具であると共に円弧形或いは半円形を呈し、その他の構造としてもよく、本発明では制限しない。回転部材12の対向する両端は、折り曲げられて枢軸部121を形成し、枢軸部121が基板11に連結し、回転部材12全体が枢軸部121を軸にして基板11に対して回転させることができる。また筐体20は、開口部23を更に備え、本体10が筐体20に設けられ、回転部材12が開口部23に位置し、回転部材12の回転過程で、筐体20に邪魔されることなく、開口部23から突出できる(図5)。
【0022】
好ましくは、回転部材12は、2つのねじりばね122を更に備え、2つのねじりばね122が各々回転部材12の対向する両端を嵌め込み、すなわち、枢軸部121を嵌め込む。具体的に言うと、基板11は、固定部111を更に含み、ねじりばね122の一端が基板11に固定され、本実施例では基板11上の固定部111に固定され、ねじりばね122の他端が回転部材12に連結されることで、回転部材12に復元力を提供し、その詳細な内容は、後記で更に説明する。
【0023】
本実施例において、回転部材12の作動は、移動部材14、連動部材15及び加力部材16を通じて共同で実現する。まず、移動部材14は、基板11に設けられると共に基板11上において移動できる。好ましくは、筐体20は、スライドレール24(図1)を更に備え、筐体20が本体10に設けられた後、移動部材14がスライドレール24内に位置し、またスライドレール24内を移動できる。本実施例のスライドレール24は、筐体20を貫通する貫通孔であり、他の実施例において、筐体20の内表面21に溝が形成されてもよく、本発明では制限されない。また、連動部材15は、第1端151と第2端152(図2B)とを備え、第1端151が回転部材12に連結され、第2端152が移動部材14に連結される。移動部材14が移動した時、連動部材15は、基板11に対して回転する力を回転部材12に提供できる。また、移動部材14は、連動部材15と互いに連結する以外に、移動部材14の他端が加力部材16に更に連結されることで、使用者が加力部材16に対し力をかけることができる。本発明は、加力部材16の構造及び材質を限定するものではなく、使用者が力をかけやすい紐状物とすることが好ましく、例えば綿紐、ナイロン紐、革紐、チェーン或いはそれらの組み合わせであるがこれに限定されるものではない。
【0024】
使用者が加力部材16に力をかけた時、移動部材14を基板11上(すなわち、スライドレール24内)において移動させることができる。明確に説明するため、本実施例は、移動部材14が第1位置P1と第2位置P2との間を移動するのを例として説明し、図2A及び図2Bも移動部材14が第1位置P1にある時の模式図である。灯具1が不使用(すなわち、消灯状態)の時、移動部材14は、第1位置P1に位置する。この時、図3に示すように回転部材12は、実質的に基板11と互いに平行となり、かつ筐体20の開口部23内に収容されるため、灯具1の表面が平坦な弾性カバー30である。図3は、図1に示す灯具を組み立てた後の不使用状態にある時の部分断面図である。
【0025】
使用者が点灯しようとした時、図4A図4B及び図5に示すように、加力部材16を引っ張るだけで、加力部材16が下向きに引っ張る力を受けた時、移動部材14を第1位置P1から第2位置P2に移動させる。図4Aは、図2Aに示す移動部材が第2位置に移動された場合の模式図であり、図4B図4Aに示す本体の部分拡大図であり、図5図1に示す灯具を組み立てた後、使用状態にある部分断面図である。第1位置P1の説明に関しては、図2A図2B及び図3を参照する。第2位置P2の説明に関しては、図4A図4B及び図5を参照する。移動部材14が移動した時、連動部材15の第2端152は移動部材14と一緒に第2位置P2に移動する(図4B)。同時に、連動部材15の第1端151は、基板11に対して回転する力を回転部材12に提供でき、すなわち、回転部材12を基板11から離れた方向に回転させ、かつ回転部材12が筐体20の開口部23から突出すると共に筐体20外側の弾性カバー30(図5)に押し付けることができる。言い換えると、回転部材12は基板11に垂直する方向に向けて回転した後、開口部23を貫通して弾性カバー30に直接押し付け、弾性カバー30が外方に向けて凸起する立体構造を生じさせる。
【0026】
本実施例において、第1位置P1と回転部材12との最短距離は、第2位置P2と回転部材12との最短距離より短く、すなわち、第1位置P1が第2位置P2より回転部材12に近い。図面の方向を例にすると、第1位置P1、第2位置P2は回転部材12の下方にあり、かつ第2位置P2が第1位置P1の下方にある。よって、使用者は、加力部材16を下向きに引っ張ることにより、移動部材14を第1位置P1から第2位置P2に移動させ、連動部材15も下向きに移動すると同時に回転部材12を下向きに引っ張ることで、回転部材12を基板11に垂直になるように回転させる。
【0027】
移動部材14を第2位置P2に保持させ、並びに弾性カバー30を外方へ凸起させる立体構造を維持するため、移動部材14は、係合部141(図2B)を備え、かつ係止機構13が基板11に設けられると共に第2位置P2の付近に位置する。よって、移動部材14が第2位置P2に移動した際、係合部141は係止機構13に係合されることで、移動部材14を第2位置P2に保持させ、同時に弾性カバー30を外方へ凸起する立体構造を維持させることができる。
【0028】
また、発光アセンブリ17も基板11に設けられる。本実施例の発光アセンブリ17は、互いにカップリングする発光ユニット171とスイッチ172とを含み、スイッチ172が係止機構13に隣接して設けられる。よって、移動部材14が第2位置P2に移動した際、弾性カバー30に外方へ凸起する立体構造を生じさせる以外に、一部の移動部材14がスイッチ172を更にトリガーすることで、発光ユニット171を起動させ、同時に点灯の機能を実現できる。本実施例において、移動部材14は、トリガー部142を更に備え、係合部141及びトリガー部142が移動部材14の対向する両側に位置することが好ましい。また、スイッチ172と係止機構13が間隔をあけて設けられ、ここで移動部材14の移動ルートの間隔を指し、すなわち、スイッチ172及び係止機構13がスライドレール24の対向する両側に位置し、移動部材14を係止機構13とスイッチ172との間を移動させる。移動部材14が第2位置P2に移動した際、トリガー部142を介してスイッチ172に押し付けて発光ユニット171を起動し、係合部141が係止機構13に固定され、更に灯具1を点灯及び立体(弾性カバー30が外方へ凸起する)の状態に維持させることができる。
【0029】
また、本発明は、発光ユニット171のタイプを制限せず、例えば白熱灯、蛍光灯又は発光ダイオード(Light−Emitting Diode、LED)等が挙げられるがこれに限定されず、発光ダイオードを本実施例の発光ユニット171として使用できることが好ましい。好ましくは、発光アセンブリ17は、基板11に設けられた導光板173を更に備え、本実施例では固定部111を介して導光板173を基板11に固定する。導光板173の一側は、発光ユニット171に連結し、かつ設置位置が開口部23に対応し、発光ユニット171に発した光が導光板173を通じて出射でき、また開口部23及び光透過材質の弾性カバー30を順次透過する。好ましくは、弾性カバー30も様々なパターンを具えることができ、発光ユニット171の光が弾性カバー30を透過した時、様々な異なる変化を演出できる。
【0030】
好ましくは、本実施例の係止機構13は、プッシュプッシュ型(push−push)係止機構とすることができ、係合部141と係止機構13とが係合した後、加力部材16が別の加力(すなわち、使用者がもう一度加力部材16に力をかける)を更に受けた時、係合部141は係止機構13から脱離できる。この時、ねじりばね122の弾性力により回転部材12を基板11の方向に向けて回転させ、移動部材14が連動部材15の第2端152と一緒に第1位置P1に移動され、すなわち、消灯状態に戻る。具体的に言うと、移動部材14が第1位置P1にある時、回転部材12は、基板11に平行となることで、ねじりばね122が力を受けていない自由な状態となり;連動部材15が移動部材14と一緒に第2位置P2に移動した時、回転部材12が基板11に垂直になることで、ねじりばね122が力を受け、かつ圧縮された状態となる。本実施例では、係合部141を介して係止機構13と互いに係合し、移動部材14を第2位置P2に保持させ、またねじりばね122が力を受けることで圧縮された状態を維持させる。よって、係合部141が係止機構13から脱離した時、ねじりばね122が力を受けていない自由な状態に戻ると同時に、回転部材12に基板11に平行となることに戻る弾性力を提供できる。同時に、連動部材15は、更に移動部材14を第1位置P1に引き戻す。
【0031】
言及すべき点は、本発明は、連動部材15の構造及び材質を限定するものではなく、回転部材12が基板11から離れた方向に移動した時、ねじりばね122に力をかけなければならないため、連動部材15は好ましくは例えば金属材質の棒体のような硬質な棒体としてもよい。また、連動部材15の第1端151及び第2端152は、回転部材12の回転動作に合わせるため、枢着方式で各々回転部材12及び移動部材14に連結できる。
【0032】
また、本実施例の灯具1は、壁面或いは例えば家具の表面等の他の平面に直接取り付けることができ、好ましくは加力部材16が下方に位置して自然に吊り下げさせることができる。不使用(消灯)の時、灯具1の表面が平坦な弾性カバー30となり、使用(点灯)したい時、加力部材16を下向きに引っ張った後、弾性カバー30が凸起して立体構造となり、この形態上の変化を通じて使用上の面白さを実現する。
【0033】
好ましくは、本実施例の本体10は、副回転部材18と少なくとも1個の連結部材19とを更に含み、副回転部材18が基板11に枢着されると共に連結部材19を介して回転部材12及び副回転部材18に連結し、副回転部材18を回転部材12と連動させることができる。本実施例において、副回転部材18は、回転部材12と同じように円弧形で、副回転部材18のサイズが回転部材12より小さく、かつ副回転部材18が回転部材12に平行となるよう設けられる。また、本実施例の連結部材19は、線材を例に説明すると、綿紐、ナイロン紐或いは革紐等の線材としてもよい。図2A及び図4Aに示すように、線材の連結部材19は、回転部材12及び副回転部材18を巻き付ける方式により回転部材12及び副回転部材18に連結することができる。好ましくは、回転部材12及び副回転部材18は、連結部材19の巻き付けに供するため、各々止め輪123、止め輪181を備え、連結部材19がスナップファスナー191を更に備える。本実施例は、線材の連結部材19を各々止め輪123、止め輪181に一周巻いてからスナップファスナー191で固定する。
【0034】
移動部材14が第2位置P2に移動し、連動部材15は回転部材12を基板11から離れた方向に回転させた時、連結部材19を通じて副回転部材18に力をかけて副回転部材18も同時に基板11から離れた方向に向けて回転させる。回転部材12と副回転部材18は、いずれも開口部23から突き抜けると共に弾性カバー30に押し付け、弾性カバー30を半分の円錐台の立体構造(図5)を形成させる。
【0035】
好ましくは、副回転部材18と基板11との枢着部位にもねじりばねを嵌め込み、その設置及び力を受ける方式が回転部材12のねじりばね122と同じである。これにより、係合部141が係止機構13から脱離した時、副回転部材18を嵌め込んでいるねじりばねも副回転部材18に弾性力を提供して副回転部材18を基板11に平行となる状態に戻すことができる。
【0036】
言及すべき点は、本発明は、副回転部材18の構造を制限することなく、回転部材12と同じでも異なっていてもよく、また回転部材18の数量及び設置位置も制限することなく、弾性カバー30に押し付けた後で形成したい立体構造によって調整できる。本発明は、連結部材19の構造及び材質を制限することなく、同様に形成したい立体構造によって調整でき、本実施例の連結部材19は気付かない線材を例にしている。具体的に言うと、線材の材質は、柔軟で、回転部材12と副回転部材18が弾性カバー30に押し付けた時、弾性カバー30の表面から線材の連結部材19の存在を気付くにくい。その他の実施例において、筐体20に収容溝(図示せず)が形成されることができ、かつ連結部材19が収容溝内に移動可能に設けられることで、連結部材19の構造が弾性カバー30の表面に現れるのを防止できる。
【0037】
上記をとりまとめ、本発明に係る灯具は、使用者が点灯しようとした時、加力部材に力をかけると、移動部材を第1位置から第2位置に移動させることができ、連動部材は移動部材と一緒に第2位置に移動すると共に回転部材を基板から離れた方向に回転させ、回転部材が開口部から突出して弾性カバーに押し付けることで、立体構造を形成する。また、係合部は係止機構に係合することで、立体構造を保持する。よって、使用(点灯)の時、灯具の表面は、弾性カバーが凸起する立体構造となり、不使用(消灯)の時、灯具の表面が平坦な弾性カバーであることで、形の変化により、使用上の面白さを実現する。
【0038】
また、本発明に係る灯具は、主に本体と筐体と弾性カバーとから成り、壁面に直接設けられることができ、かつ不使用(消灯)の時、灯具の表面が平坦な弾性カバーであり、更に空間を節約する効果を奏する。
【0039】
ここで留意すべき点は、上述になされた実施例があくまでも本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例に限定して解釈されるべきものではなく、本発明が主張する権利範囲は、特許請求の範囲での記載を基準とする。
【符号の説明】
【0040】
1 灯具
10 本体
11 基板
111 固定部
12 回転部材
121 枢軸部
122 ねじりばね
123 止め輪
13 係止機構
14 移動部材
141 係合部
142 トリガー部
15 連動部材
151 第1端
152 第2端
16 加力部材
17 発光アセンブリ
171 発光ユニット
172 スイッチ
173 導光板
18 副回転部材
181 止め輪
19 連結部材
191 スナップファスナー
20 筐体
21 内表面
22 外表面
23 開口部
24 スライドレール
30 弾性カバー
P1 第1位置
P2 第2位置
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5