(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層の一方の面に形成された第1の端子部と、前記第1の端子部が露出するように前記第1の樹脂層の前記一方の面に形成された第2の樹脂層とを備える配線体と、
基材と、前記基材の一方の面に形成され、前記第1の端子部と対向する第2の端子部とを備える接続配線体と、
前記第1の端子部と前記第2の端子部との間に形成され、前記第1の端子部と前記第2の端子部とを接着する導電性接着層と
を備え、
前記基材の端部と前記第2の樹脂層の端部とが相互に離間していることにより、前記第1の端子部には、前記第2の樹脂層と前記導電性接着層とから露出した露出部分が存在しており、
前記第1の樹脂層の前記一方の面に前記基材の前記端部に接し前記一方の面と前記第2の樹脂層と共に溝部を画成するように形成された凸部と、
前記凸部と前記第2の樹脂層との間に充填され、前記第1の端子部の前記露出部分を覆う封止樹脂と
を備え、
下記(1)式を満たし、
前記凸部は、前記第1の樹脂層の前記一方の面に前記基材の前記端部に接するように、前記導電性接着層と一体で形成され、前記導電性接着層を構成する導電性接着材料により構成されている配線体アセンブリ。
H1>H2…(1)
但し、H1は、前記第1の樹脂層の前記一方の面から前記凸部の頂端までの高さであり、H2は、前記第1の樹脂層の前記一方の面から前記基材の前記他方の面までの高さである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施形態に係るタッチセンサ10を示す平面図、
図2はそのタッチセンサ10を示す分解斜視図である。
図1及び
図2に示すタッチセンサ10は、投影型の静電容量方式のタッチパネルセンサであり、例えば、表示装置(不図示)等と組み合わせて、タッチ位置を検出する機能を有する入力装置として用いられる。表示装置としては、特に限定されず、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等を用いることができる。このタッチセンサ10は、相互に対向して配置された検出電極と駆動電極(後述する電極22Aと電極32A)を有しており、この2つの電極の間には、接続配線体50を介して外部回路(不図示)から所定電圧が周期的に印加されている。
【0018】
このようなタッチセンサ10では、例えば、操作者の指(外部導体)がタッチセンサ10に接近すると、この外部導体とタッチセンサ10との間でコンデンサ(静電容量)が形成され、2つの電極間の電気的な状態が変化する。タッチセンサ10は、2つの電極間の電気的な変化に基づいて、操作者の操作位置を検出することができる。
【0019】
図1及び
図2に示すように、タッチセンサ10は、配線体アセンブリ11と、カバーパネル70とを備えている。配線体アセンブリ11は、第1の配線体20と、第1の配線体20の上に設けられた第2の配線体30と、第2の配線体30の上に設けられた被覆樹脂層40と、接続配線体50とを備えている。第1の配線体20、第2の配線体30、及び被覆樹脂層40は、上記表示装置の視認性を確保するために、全体的に透明性(透光性)を有するように構成されている。
【0020】
第1の配線体20は、矩形状に形成された第1支持樹脂層21と、第1支持樹脂層21の上面に形成された複数の検出用の電極22A、複数の引出線22B、及び複数の端子部22Cとを備えている。
【0021】
第1支持樹脂層21は、透明性を有する樹脂材料で構成されている。この透明性を有する樹脂材料としては、たとえば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等を例示することができる。
【0022】
電極22Aは、網目形状を有している。それぞれの電極22Aは、図中Y方向に延在しており、複数の電極22Aは、図中X方向に並列されている。それぞれの電極22Aの長手方向一端には引出線22Bの一端が接続されている。それぞれの引出線22Bは、それぞれの電極22Aの長手方向一端から接続配線体50との接続部まで延びている。それぞれの引出線22Bの他端には、端子部22Cが設けられており、この端子部22Cが、接続配線体50に電気的に接続されている。
【0023】
電極22A、引出線22B及び端子部22Cは、導電性材料(導電性粒子)と、バインダ樹脂と、から構成されている。導電性材料としては、銀や銅、ニッケル、スズ、ビスマス、亜鉛、インジウム、パラジウム等の金属材料や、グラファイト、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック)、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ等のカーボン系材料を挙げることができる。なお、導電性材料として、金属塩を用いてもよい。金属塩としては、上述の金属の塩を挙げることができる。バインダ樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を例示することができる。このような電極22A、引出線22B及び端子部22Cは、導電性ペーストを塗布して硬化させることで形成されている。このような導電性ペーストの具体例としては、上述の導電性材料及びバインダ樹脂を、水、もしくは溶剤、及び各種添加剤に混合して構成される導電性ペーストを例示することができる。導電性ペーストに含まれる溶剤としては、α-テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、1−デカノール、ブチルセルソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラデカン等を例示することができる。なお、電極22A、引出線22B及び端子部22Cを構成する材料からバインダ樹脂を省略してもよい。
【0024】
なお、第1の配線体20が有する電極22Aの数は、特に限定されず、任意に設定することができる。また、第1の配線体20が有する引出線22B、及び端子部22Cの数は、電極22Aの数に応じて設定される。
【0025】
第2の配線体30は、矩形状に形成された第2支持樹脂層31と、第2支持樹脂層31の上面に形成された複数の検出用の電極32A、複数の引出線32B、及び複数の端子部32Cとを備えている。第2支持樹脂層31は、第1支持樹脂層21の上面、電極22A、及び引出線22Bを覆うように形成されている。ここで、第2支持樹脂層31の一辺には矩形状の切欠き部31Aが形成されており、第1の配線体20における接続配線体50との接続部を含む一部は、切欠き部31Aにおいて第2支持樹脂層31から露出しており、露出している部分が端子部22Cとなる。
【0026】
第2支持樹脂層31は、透明性を有する樹脂材料で構成されている。この透明性を有する樹脂材料としては、たとえば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等を例示することができる。
【0027】
電極32Aは、網目形状を有している。それぞれの電極32Aは、図中
X方向に延在しており、複数の電極32Aは、図中
Y方向に並列されている。それぞれの電極32Aの長手方向一端には引出線32Bの一端が接続されている。それぞれの引出線32Bは、それぞれの電極32Aの長手方向一端から接続配線体50との接続部まで延びている。それぞれの引出線32Bの他端には、端子部32Cが設けられており、この端子部32Cが、接続配線体50に電気的に接続されている。
【0028】
電極32A、引出線32B、及び端子部32Cは、導電性材料(導電性粒子)と、バインダ樹脂と、から構成されている。導電性材料としては、銀や銅、ニッケル、スズ、ビスマス、亜鉛、インジウム、パラジウム等の金属材料や、グラファイト、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック)、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ等のカーボン系材料を挙げることができる。なお、導電性材料として、金属塩を用いてもよい。金属塩としては、上述の金属の塩を挙げることができる。バインダ樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を例示することができる。このような電極32A、引出線32B、及び端子部32Cは、導電性ペーストを塗布して硬化させることで形成されている。このような導電性ペーストの具体例としては、上述の導電性材料及びバインダ樹脂を、水、もしくは溶剤、及び各種添加剤に混合して構成される導電性ペーストを例示することができる。導電性ペーストに含まれる溶剤としては、α-テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、1−デカノール、ブチルセルソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラデカン等を例示することができる。なお、電極32A、引出線32B、及び端子部32Cを構成する材料からバインダ樹脂を省略してもよい。
【0029】
なお、第2の配線体30が有する電極32Aの数は、特に限定されず、任意に設定することができる。また、第2の配線体30が有する引出線32B、及び端子部32Cの数は、電極32Aの数に応じて設定される。
【0030】
被覆樹脂層40は、矩形状に形成されており、被覆樹脂層40は、第2の配線体30の第2支持樹脂層31の上面、電極32A、及び引出線32Bを覆うように形成されている。ここで、被覆樹脂層40の一辺には矩形状の切欠き部40Aが形成されており、第2の配線体30における接続配線体50との接続部を含む一部は、切欠き部40Aにおいて第2支持樹脂層31から露出しており、露出している部分が端子部32Cとなる。また、第1の配線体20における接続配線体50との接続部を含む一部も、切欠き部40Aにおいて被覆樹脂層40から露出している。
【0031】
被覆樹脂層40は、透明性を有する樹脂材料で構成されている。この透明性を有する樹脂材料としては、たとえば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等を例示することができる。また、被覆樹脂層40は、複層であってもよい。この場合、第2の配線体30側に位置する1層目は、上述したエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等とし、第2の配線体30と反対側(カバーパネル70側)に位置する2層目はシリコン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤等の公知の接着剤を用いて接着層としてもよい。
【0032】
被覆樹脂層40の上面には、透明粘着層60(
図4及び
図5参照)を介してカバーパネル70が接着されている。透明粘着層60は、光学用透明粘着フィルムであり、シリコン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤等の公知の接着剤を用いて形成することができる。ここで、本実施形態では、予め、透明粘着層60をカバーパネル70の下面に形成したが、被覆樹脂層40が複層構造であって、被覆樹脂層40のカバーパネル70側の層が接着層である場合には、透明粘着層60の形成は不要になるため、透明粘着層60を省略してもよい。本実施形態では、予め、透明粘着層60をカバーパネル70の下面に形成したので、切欠き部31A、40Aの上に透明粘着層60が存在するが、被覆樹脂層40が複層構造であって、被覆樹脂層40のカバーパネル70側の層が接着層である場合には、切欠き部31A、40Aの上に接着層は存在しない。
【0033】
カバーパネル70は、可視光線を透過することが可能な透明部71と、可視光線を遮蔽する遮蔽部72とを備えている。透明部71は、矩形状に形成され、遮蔽部72は、透明部71の周囲に矩形枠状に形成されている。カバーパネル70を構成する透明な材料としては、たとえば、ソーダライムガラスやホウケイ酸ガラス等のガラス材料、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂材料を例示することができる。また、遮蔽部72は、カバーパネル70の裏面の外周部に、例えば、黒色のインクを塗布することにより形成されている。
【0034】
接続配線体50は、FPCであり、帯状の基材51と、基材51の下面に形成された複数の配線52及び複数の配線53とを備えている。基材51は、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)等からなるフィルム材料から構成することができる。
【0035】
基材51の長手方向一端の幅方向中央部には、スリット51Cが形成されており、基材51の長手方向一端は、スリット51Cにより幅方向に二分されている。基材51の長手方向一端の一方側(第1の分岐部51A)の下面には、複数の配線52の一端が設けられ、基材51の長手方向一端の他方側(第2の分岐部51B)の下面には、複数の配線53の一端が設けられている。
【0036】
複数の配線52は、第1の配線体20の複数の引出線22Bに対応して設けられている。複数の配線52は、相互に並列されている。それぞれの配線52の一端には、引出線22Bの端子部22Cに対応する端子部52Cが設けられている。
【0037】
複数の配線53は、第2の配線体30の複数の引出線32Bに対応して設けられている。複数の配線53は、相互に並列されている。それぞれの配線53の一端には、引出線32Bの端子部32Cに対応する端子部53Cが設けられている。なお、配線52、53を構成する材料は特に限定されず、引出線22B、32Bと同様の材料を用いればよい。
【0038】
なお、接続配線体50は、FPCには限定されず、たとえば、リジット基板やリジットフレキシブル基板等の他の配線板としてもよい。
【0039】
図3は、タッチセンサ10と接続配線体50との接続部を拡大して示す平面図、
図4は、
図3のIV−IV線に沿った断面図、
図5は、
図3のV−V線に沿った断面図である。
図3及び
図4に示すように、第1の分岐部51Aの先端側の接着部51Dと第1支持樹脂層21の切欠き部31A内の領域とは、導電性接着層80を介して相互に上下に対向しており、導電性接着層80により接着されている。また、配線52の端子部52Cと引出線22Bの端子部22Cとは、導電性接着層80を介し相互に上下に対向している。
【0040】
導電性接着層80は、端子部52Cと端子部22Cとを相互に電気的且つ機械的に接続する機能を有している。また、導電性接着層80は、相互に隣接する端子同士を絶縁する機能を有している。このような導電性接着層80としては、異方導電フィルム(Anisotropic Conductive Film,ACF)や異方導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste,ACP)等を例示することができる。
【0041】
なお、異方導電材料を用いずに、銀ペーストや半田ペースト等の金属ペーストを用いて、端子部52Cと端子部22Cとを相互に電気的且つ機械的に接続してもよい。この場合には、隣接する端子同士が絶縁されるように、複数の接着層を、間隔を空けて形成する必要がある。
【0042】
第2支持樹脂層31は、第1の分岐部51Aの接着部51Dに対して間隔を空けて形成されている。これにより、切欠き部31Aでは、第1の配線体20の第1支持樹脂層21の上面及び端子部22Cが、第1の分岐部51A、導電性接着層80、及び第2支持樹脂層31から露出している。
【0043】
第1支持樹脂層21の上面から第2支持樹脂層31の上面までの高さH4は、第1支持樹脂層21の上面から第1の分岐部51Aの接着部51Dの上面までの高さH2と比較して大きくなっている。なお、高さH4が高さH2と比較して大きいことは必須ではなく、第1支持樹脂層21の上面から透明粘着層60の上面までの高さH0や、第1支持樹脂層21の上面から被覆樹脂層40の上面までの高さH3が、後述する下記(2´)式や下記(2)式の関係を満たせばよい。
【0044】
第1支持樹脂層21の上面には、凸部82が、第1の分岐部51Aの先端51Eに沿って、先端51Eの一端から他端まで形成されている。この凸部82は、導電性接着層80を構成する導電性接着材料により導電性接着層80と一体的に形成されている。
【0045】
凸部82は、第1支持樹脂層21の上面から第1の分岐部51Aの先端51Eに接して隆起している。第1支持樹脂層21の上面から凸部82の頂端までの高さH1と、第1支持樹脂層21の上面から第1の分岐部51Aの接着部51Dの上面までの高さH2とは、下記(1)式の関係を満たしていることが好ましい。
H1>H2…(1)
【0046】
第1支持樹脂層21の上面から透明粘着層60の上面までの高さH0と、第1支持樹脂層21の上面から凸部82の頂端までの高さH1とは、下記(2´)式の関係を満たしていることが、カバーパネル70に凸部82が接触しないことから好ましい。さらに、高さH1と、第1支持樹脂層21の上面から被覆樹脂層40の上面までの高さH3とは、下記(2)式の関係を満たしていることが好ましい。
H0≧H1…(2´)
H3≧H1…(2)
【0047】
凸部82は、第2支持樹脂層31の壁面31Bに対して平行(
図4の紙面奥行方向であり、先端51Eの延在方向に対して平行な方向)に延在するように形成されており、凸部82と壁面31Bと第1支持樹脂層21の上面とにより溝86が形成されている。この溝86には、封止樹脂90が充填されており、第1の分岐部51A、導電性接着層80、凸部82及び第2支持樹脂層31から露出した端子部22Cの露出部分が、封止樹脂90により封止されている。これにより、第1の配線体20の端子部22Cの全体が樹脂により被覆されているので、第1の配線体20の端子部22Cについては、露出することによる不具合は発生しない。ここで、導電性接着層80を液状の導電性接着剤を硬化させることにより形成した場合には、基材51の端部に接し第1支持樹脂層21の上面と第2支持樹脂層31の壁面31Bと共に溝86を画成するような凸部82が形成されることはない。それに対して、本実施形態では、導電性接着層80を異方導電フィルムや粘度を調整した異方導電ペーストを用いて形成することで、基材51の端部に接し第1支持樹脂層21の上面と第2支持樹脂層31の壁面31Bと共に溝86を画成するような凸部82を形成することが可能になっている。
【0048】
封止樹脂90は、溝86の一端から他端まで延在しており、第1支持樹脂層21における凸部82と第2支持樹脂層31の壁面31Bとの間の領域を補強する機能を有する。これにより、端子部22C及び引出線22Bの機械的強度の信頼性が向上する。なお、封止樹脂90は、溝86の両端から食み出して接着部51Dの長手方向両側まで広がっている。そして、封止樹脂90は、切欠き部31Aの隅部31C、及び切欠き部40Aの隅部40Cまで充填されている。
【0049】
封止樹脂90を構成する樹脂材料は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等を例示することができる。
【0050】
図3及び
図5に示すように、第2の分岐部51Bの先端側の接着部51Fと被覆樹脂層40の切欠き部40A内の領域とは、上記と同様の導電性接着層80を介して相互に上下に対向しており、導電性接着層80により接着されている。また、配線53の端子部53Cと引出線32Bの端子部32Cとは、導電性接着層80を介して相互に上下に対向しており、導電性接着層80により電気的且つ機械的に接続されている。
【0051】
被覆樹脂層40は、第2の分岐部51Bの接着部51Fに対して間隔を空けて形成されている。これにより、切欠き部40Aでは、第2の配線体30の第2支持樹脂層31の上面及び端子部32Cが、第2の分岐部51B、導電性接着層80、及び被覆樹脂層40から露出している。
【0052】
第2支持樹脂層31の上面から被覆樹脂層40の上面までの高さH8は、第2支持樹脂層31の上面から第
2の分岐部51
Bの接着部51
Fの上面までの高さH6と比較して大きくなっている。なお、高さH8が高さH6と比較して大きいことは必須ではなく、第2支持樹脂層31の上面から透明粘着層60の上面までの高さH7や第2支持樹脂層31の上面から被覆樹脂層40の上面までの高さH8が、後述する下記(4)式や下記(5)式の関係を満たせばよい。
【0053】
第2支持樹脂層31の上面には、凸部84が、第2の分岐部51Bの先端51Gに沿って、先端51Gの一端から他端まで形成されている。この凸部84は、導電性接着層80を構成する導電性接着材料により導電性接着層80と一体的に形成されている。
【0054】
凸部84は、第2支持樹脂層31の上面から第2の分岐部51Bの先端51Gに接して隆起している。第2支持樹脂層31の上面から凸部84の頂端までの高さH5と、第2支持樹脂層31の上面から第2の分岐部51Bの接着部51Fの上面までの高さH6とは、下記(3)式の関係を満たしていることが好ましい。
H5>H6…(3)
【0055】
第2支持樹脂層31の上面から透明粘着層60の上面までの高さH7と、第2支持樹脂層31の上面から凸部84の頂端までの高さH5とは、下記(4)式の関係を満たしていることが、カバーパネル70に凸部84が接触しないことから好ましい。さらに、高さH5と、第2支持樹脂層31の上面から被覆樹脂層40の上面までの高さH8とは、下記(5)式の関係を満たしていることが好ましい。
H7≧H5…(4)
H8≧H5…(5)
【0056】
凸部84は、被覆樹脂層40の壁面40Bに対して平行(
図5の紙面奥行方向であり、先端51Gの延在方向に対して平行な方向)に延在するように形成されており、凸部84と壁面40Bと第2支持樹脂層31の上面とにより溝88が形成されている。この溝88には、封止樹脂90が充填されており、第2の分岐部51B、導電性接着層80、凸部84及び被覆樹脂層40から露出した端子部32Cの露出部分が、封止樹脂90により封止されている。これにより、第2の配線体30の端子部32Cの全体が樹脂により被覆されているので、第2の配線体30の端子部32Cについては、露出することによる不具合は発生しない。ここで、導電性接着層80を液状の導電性接着剤を硬化させることにより形成した場合には、基材51の端部に接し第2支持樹脂層31の上面と被覆樹脂層40の壁面40Bと共に溝88を画成するような凸部84が形成されることはない。それに対して、本実施形態では、導電性接着層80を異方導電フィルムや粘度を調整した異方導電ペーストを用いて形成することで、基材51の端部に接し第2支持樹脂層31の上面と被覆樹脂層40の壁面40Bと共に溝88を画成するような凸部84を形成することが可能になっている。
【0057】
封止樹脂90は、溝88の一端から他端まで延在しており、第2支持樹脂層31における凸部84と被覆樹脂層40の壁面40Bとの間の領域を補強する機能を有する。これにより、端子部32C及び引出線32Bの機械的強度の信頼性が向上する。なお、封止樹脂90は、溝88の両端から食み出して接着部51Dの長手方向両側まで広がっていてもよい。
【0058】
以下、タッチセンサ10と接続配線体50との接続方法について説明する。なお、第1の配線体20と接続配線体50との接続方法と、第2の配線体30と接続配線体50との接続方法は同様であるため、後者の接続方法については説明を省略し、前者の接続方法についての説明を援用する。
【0059】
図6及び
図7は、第1の配線体20と接続配線体50との接続方法を説明するための断面図である。
図6及び
図7に示すように、接続配線体50の端子部52Cと第1の配線体20の端子部22Cと
を導電性接着層80を介して熱圧着するのと併せて、凸部82を形成する。なお、タッチセンサ10の製造時には、第1支持樹脂層21の下面に基材12が設けられている。
【0060】
まず、
図6に示すように、導電性接着層80を構成するACFやACP等の導電性接着材料81を第1支持樹脂層21の接着領域に配置する。ここで、導電性接着材料81の幅D1は、第1の分岐部51Aの接着部51Dの幅D2に対して大きく設定されている。それにより、導電性接着材料81には、第1の分岐部51Aの接着部51Dと第1支持樹脂層21との間に介在する領域81Aと、第1の分岐部51Aの接着部51Dから食み出した幅dの領域81Bとが存在する。
【0061】
導電性接着材料81の厚さtは、端子部52Cと端子部22Cとを接着するのに必要とされる厚さと比較して大きく設定されている。例えば、基材51の厚さが30μm、配線52の厚さが35μmの場合には、導電性接着材料81の厚さtを35μmに設定する。
【0062】
次に、
図7に示すように、圧着ヘッド1と圧着台2とにより、第1の分岐部51Aの接着部51Dと第1支持樹脂層21の接着領域とを導電性接着材料81を挟んだ状態で熱圧着させる。ここで、熱圧着時に、導電性接着材料81の領域81Aは、減厚するのに対して、導電性接着材料81の領域81Bは、第1の分岐部51Aの先端51E及び圧着ヘッド1の側面に接して隆起する。これにより、第1支持樹脂層21の上面から第1の分岐部51Aの接着部51Dの上面を超える高さH1まで隆起した凸部82が形成される。
【0063】
図8は、導電性接着材料81の領域81Bの幅dと、凸部82の高さH1との関係を確認する試験結果を示すグラフである。このグラフに示すように、導電性接着材料81の領域81Bの幅dが大きくなるほど、凸部82の高さH1が大きくなる傾向があることが確認された。なお、本確認試験では、デクセリアルズ社製の型番CP801CM−35Cの異方性導電膜(厚さ35μm)を使用し、端子部52Cの幅と間隔はそれぞれ0.2mmとし、基材51の厚さを30μmとし、端子部52Cの厚さを35μmとした。
【0064】
接続配線体50の端子部52Cと第1の配線体20の端子部22Cとを、導電性接着材料81を介して熱圧着すると共に、凸部82を形成した後に、封止樹脂90を形成する。本工程では、凸部82と第2支持樹脂層31の壁面31Bと第1支持樹脂層21の上面とにより形成される溝86に液状樹脂を充填して硬化させる。液状樹脂の充填は、ディスペンサーを使用して液状樹脂を溝86に滴下し、滴下された液状樹脂を溝86の全体に塗り広げることにより行う。
【0065】
ここで、充填時の液状樹脂は、封止樹脂90の延在方向のみならず幅方向にも濡れ広がろうとする。しかし、封止樹脂90の幅方向の一方側には凸部82が存在し、他方側には第2支持樹脂層31、被覆樹脂層40が存在するので、充填時の液状樹脂が凸部82と第2支持樹脂層31、被覆樹脂層40とに塞き止められることにより、充填時の液状樹脂の幅方向への濡れ広がりが制限される。これにより、充填時の液状樹脂は、幅が一定の状態で、延在方向へ濡れ広がると共に、溝86内での堆積高さを増大させる。
【0066】
図10は、比較例に係るタッチセンサ10と接続配線体50との接続部を拡大して示す断面図である。
図10に示すように、本比較例では、上述の凸部82が備えられていない。そのため、封止樹脂90を形成する際、充填時の液状樹脂は、第1の分岐部51A上で濡れ広がる。
【0067】
ここで、充填時の液状樹脂の濡れ広がりを制御することは容易ではないので、第1の分岐部51Aの先端51Eと第2支持樹脂層31の壁面31Bとの間に充填される液状樹脂の厚さを制御することも容易ではない。そのため、封止樹脂90の延在方向について、第1支持樹脂層21を覆う封止樹脂90の厚さにバラつきが生じる。従って、封止樹脂90による第1支持樹脂層21の補強効果にバラつきが生じる。また、封止樹脂90に所望の厚さと比較して薄い部分が出来ることにより、封止樹脂90による第1支持樹脂層21の補強効果が低下する。さらに、熱等の影響で封止樹脂90が流動性を有するようになった場合には、封止樹脂90が第1の分岐部51Aの上で広がる。
【0068】
それに対して、本実施形態では、
図4や
図9に示すように、第1支持樹脂層21の上面から凸部82の頂端までの高さH1が、第1支持樹脂層21の上面から第1の分岐部51Aの接着部51Dの上面までの高さH2よりも高く設定されているため、充填時の液状樹脂は、凸部82と第2支持樹脂層31、被覆樹脂層40とに塞き止められることにより、封止樹脂90の幅方向への濡れ広がりが制限される。これにより、第1の分岐部51Aの先端51Eと第2支持樹脂層31の壁面31Bとの間に充填される液状樹脂の厚さを制御することが容易になる。従って、封止樹脂90の延在方向について、第1支持樹脂層21を覆う封止樹脂90の厚さにバラつきが生じることを抑制できるので、封止樹脂90による第1支持樹脂層21の補強効果にバラつきが生じることを抑制できる。また、封止樹脂90の全体を所望の厚さに形成できることにより、封止樹脂90による第1支持樹脂層21の補強効果を向上できる。さらに、熱等の影響で封止樹脂90が流動性を有するようになった場合でも、封止樹脂90が凸部82と第2支持樹脂層31、被覆樹脂層40とに塞き止められることにより、封止樹脂90の幅方向への濡れ広がりが制限される。同様に第2の配線体30においても、
図5に示すように、第2支持樹脂層31の上面から凸部84の頂端までの高さH5が、第2支持樹脂層31の上面から第2の分岐部51Bの接着部51Fの上面までの高さH6よりも高く設定されていることにより、上述した第1の配線体20の効果と同様の効果を奏する。
【0069】
また、本実施形態では、凸部82が、第1支持樹脂層21の上面に第1の分岐部51Aの先端51Eに接するように、導電性接着層80と一体で形成され、導電性接着層80を構成する導電性接着材料により構成されている。このような構成の凸部82は、上述したように、接続配線体50の端子部52Cと第1の配線体20の端子部22Cとを導電性接着材料81を介して熱圧着するのに併せて形成することができる。従って、凸部82を形成するための単独の工程を不要にでき、工数を低減できる。また、凸部82と導電性接着層80との間に隙間が生じず、封止樹脂90の全体を所望の厚さに形成できるため、封止樹脂90による第1支持樹脂層21の補強効果を向上できる。同様に第2の配線体30においても、凸部84が、第2支持樹脂層31の上面に第2の分岐部51Bの先端51Gに接するように、導電性接着層80と一体で形成され、導電性接着層80を構成する導電性接着材料により構成されていることにより、上述した第1の配線体20の効果と同様の効果を奏する。
【0070】
また、本実施形態では、第1支持樹脂層21の上に形成された第2支持樹脂層31、被覆樹脂層40の厚さH3が、第1支持樹脂層21の上面から凸部82の頂部までの高さH1以上に設定されている。これにより、封止樹脂90を形成する際、充填時の液状樹脂が、被覆樹脂層40の上面で濡れ広がることを防止できる。また、封止樹脂90が被覆樹脂層40の上面から突出しないことにより、カバーパネル70等を被覆樹脂層40の上面に接着する際に、封止樹脂90が障害になったり、余計な応力が生じたりすることを防止できる。同様に第2の配線体30においても、第2支持樹脂層31の上に形成された被覆樹脂層40の厚さH8が、第2支持樹脂層31の上面から凸部84の頂部までの高さH5以上に設定されていることにより、上述した第1の配線体20の効果と同様の効果を奏する。
【0071】
また、本実施形態では、封止樹脂90が切欠き部31Aの隅部31C、及び切欠き部40Aの隅部40Cまで充填されていることにより、第2支持樹脂層31や被覆樹脂層40に温度サイクルが与えられた場合に、切欠き部31Aの隅部31Cや切欠き部40Aの隅部40Cにクラックが発生することを抑制できる。
【0072】
図11は、他の実施形態に係るタッチセンサ10と接続配線体50との接続部を拡大して示す断面図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
【0073】
図11に示すように、本実施形態に係るタッチセンサ10と接続配線体50との接続部では、封止樹脂90が、凸部82と壁面31B、40Bと第1支持樹脂層21の上面とにより形成される溝86に充填されると共に、封止樹脂90の幅方向一端側が、第1の分岐部51Aの一部を被覆している。即ち、上述の実施形態と比較して、第1支持樹脂層21を覆う封止樹脂90の厚さが大きくなっており、封止樹脂90の幅方向一端側は、凸部82に覆い被さった状態で第1の分岐部51A上まで広がっている。
【0074】
本実施形態では、封止樹脂90は、第1支持樹脂層21における凸部82と壁面31B、40Bとの間の領域を補強する機能に加えて、第1支持樹脂層21における第1の分岐部51Aの接着部51Dとの接着領域を補強する機能をも有する。これにより、端子部22Cと端子部52Cとの接続の信頼性を向上させることができる。
【0075】
ここで、本実施形態においても、封止樹脂90の幅方向の一方側には凸部82が存在し、他方側には第2支持樹脂層31、被覆樹脂層40が存在するので、充填時の液状樹脂は、凸部82の高さまで確実に充填される。従って、封止樹脂90の延在方向について、第1支持樹脂層21を覆う封止樹脂90の厚さにバラつきが生じることを抑制でき、封止樹脂90による第1支持樹脂層21の補強効果にバラつきが生じることを抑制できる。
【0076】
図12は、他の実施形態に係るタッチセンサ10と接続配線体50との接続部を拡大して示す断面図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
【0077】
図12に示すように、本実施形態に係るタッチセンサ10と接続配線体50との接続部では、凸部82が、導電性接着層80と別体で形成されている。本実施形態の凸部82を構成する材料としては、絶縁性を有する種々の樹脂材料を用いることができ、たとえば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等を例示することができる。封止樹脂90は、凸部82と壁面31B、40Bと第1支持樹脂層21の上面とにより形成された溝86に充填されている。
【0078】
本実施形態における凸部82の形成方法について説明する。本実施形態では、接続配線体50の端子部52Cと第1の配線体20の端子部22Cとを、導電性接着層80を介して熱圧着した後、凸部82を形成する。
【0079】
まず、ディスペンサーを使用して、第1の分岐部51Aの先端51Eに沿って樹脂材料を塗布する。この際、樹脂材料の堆積高さを、第1の分岐部51Aの接着部51Dの上面の高さと比較して大きくする。そして、加熱や紫外線の照射等の方法により樹脂材料を硬化させる。これにより、第1支持樹脂層21の上面から第1の分岐部51Aの接着部51Dの上面を超える高さまで隆起した凸部82が形成される。
【0080】
図13は、他の実施形態に係るタッチセンサ10と接続配線体50との接続部を拡大して示す断面図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
【0081】
図13に示すように、本実施形態に係るタッチセンサ10と接続配線体50との接続部では、凸部82が、第1の分岐部51Aの接着部51Dの上に形成されている。凸部82は、第1の分岐部51Aの先端51Eに対して平行に延在するように形成されている。凸部82と先端51Eとの距離Xは、適宜設定すればよく、例えば、距離Xを0としてもよい。また、本実施形態の凸部82を構成する材料としては、たとえば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等を例示することができる。
【0082】
図14は、他の実施形態に係るタッチセンサ10と接続配線体50との接続部を拡大して示す平面図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
【0083】
図14に示すように、本実施形態に係るタッチセンサ10と接続配線体50との接続部では、凸部82が、第1の分岐部51Aの先端51Eに沿って先端51Eの一端から他端まで形成された第1の凸部82Aと、この第1の凸部82Aの延在方向の両端に形成された第2の凸部82Bとを備える。この第2の凸部82Bは、第1の分岐部51Aの幅方向(端子部52Cに対して直交する方向)の両側の端部51Hに沿って、第1支持樹脂層21の上面に形成されている。即ち、凸部82は、第1の分岐部51Aの先端の端面に沿って延在すると共に、第1の分岐部51Aの幅方向両側の端面にまで及ぶように形成されている。これにより、第1の分岐部51Aの幅方向両側においても、充填時の液状樹脂の濡れ広がりを制限できるので、封止樹脂90の厚さのばらつきをより一層抑制でき、封止樹脂90による第1支持樹脂層21の補強効果をより一層安定させることができる。
【0084】
一方、凸部84は、第2の分岐部51Bの先端51Gに沿って先端51Gの一端から他端まで形成された第1の凸部84Aと、この第1の凸部84Aの延在方向の両端に形成された第2の凸部84Bとを備える。この第2の凸部84Bは、第2の分岐部51Bの幅方向(端子部53Cに対して直交する方向)の両側の端部51Iに沿って、第2支持樹脂層31の上面に形成されている。即ち、凸部84は、第2の分岐部51Bの先端の端面に沿って延在すると共に、第2の分岐部51Bの幅方向両側の端面にまで及ぶように形成されている。これにより、第2の分岐部51Bの幅方向両側においても、充填時の液状樹脂の濡れ広がりを制限できるので、封止樹脂90の厚さのばらつきをより一層抑制でき、封止樹脂90による第2支持樹脂層31の補強効果をより一層安定させることができる。
【0085】
上記実施形態における「第1の配線体20」、「第2の配線体30」が本発明における「配線体」の一例に相当する。上記実施形態における「第1の配線体20」が本発明における「配線体」に相当する場合には、上記実施形態における「第1支持樹脂層21」が本発明における「第1の樹脂層」に相当し、上記実施形態における「端子部22C」が本発明における「第1の端子部」に相当し、上記実施形態における「第2支持樹脂層31」及び「被覆樹脂層40」が本発明における「第2の樹脂層」に相当する。一方、上記実施形態における「第2の配線体30」が本発明における「配線体」に相当する場合には、上記実施形態における「第1支持樹脂層21」及び「第2支持樹脂層31」が本発明における「第1の樹脂層」に相当し、上記実施形態における「端子部32C」が本発明における「第1の端子部」に相当し、上記実施形態における「被覆樹脂層40」が本発明における「第2の樹脂層」に相当する。
【0086】
上記実施形態における「接続配線体50」が本発明における「接続配線体」の一例に相当し、上記実施形態における「基材51」が本発明における「基材」の一例に相当する。上記実施形態における「第1の配線体20」が本発明における「配線体」に相当する場合には、上記実施形態における「端子部52C」が本発明における「第2の端子部」の一例に相当する。一方、上記実施形態における「第2の配線体30」が本発明における「配線体」に相当する場合には、上記実施形態における「端子部53C」が本発明における「第2の端子部」の一例に相当する。
【0087】
上記実施形態における「導電性接着層80」が本発明における「導電性接着層」の一例に相当する。上記実施形態における「第1の配線体20」が本発明における「配線体」に相当する場合には、上記実施形態における「先端51E」が本発明における「基材の端部」の一例に相当し、上記実施形態における「壁面31B」、「壁面40B」が本発明における「第2の樹脂層の端部」の一例に相当する。一方、上記実施形態における「第2の配線体30」が本発明における「配線体」に相当する場合には、上記実施形態における「先端51G」が本発明における「基材の端部」の一例に相当し、上記実施形態における「壁面40B」が本発明における「第2の樹脂層の端部」の一例に相当する。
【0088】
上記実施形態における「凸部82」、「凸部84」が本発明における「凸部」の一例に相当し、上記実施形態における「封止樹脂90」が本発明における「封止樹脂」の一例に相当する。上記発明における「第1の凸部82A」、「第1の凸部84A」が本発明における「第1の凸部」の一例に相当し、上記発明における「第2の凸部82B」、「第2の凸部84B」が本発明における「第2の凸部」の一例に相当する。さらに、上記実施形態における「切欠き部31A」、「切欠き部40A」が本発明における「切欠き部」の一例に相当し、上記実施形態における「隅部31C」、「隅部40C」が本発明における「隅部」の一例に相当する。
【0089】
上記実施形態における「配線体アセンブリ11」が本発明における「配線体アセンブリ」の一例に相当し、上記実施形態における「基材12」、「カバーパネル70」が本発明における「支持体」の一例に相当し、上記実施形態における「タッチセンサ10」が本発明における「配線構造体」、「タッチセンサ」の一例に相当する。
【0090】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0091】
例えば、上記実施形態のタッチセンサ10は、2層の電極部からなる投影型の静電容量方式のタッチパネルセンサであるが、特にこれに限定されず、1層の電極部からなる表面型(容量結合型)静電容量方式のタッチパネルセンサにも、本発明を適用することができる。
【0092】
さらに、上記実施形態では、配線体アセンブリ又は配線構造体は、タッチパネルセンサに用いられるとして説明したが、特にこれに限定されない。たとえば、配線体に通電して抵抗加熱等で発熱させることにより当該配線体をヒーターとして用いてもよい。また、配線体の導体部の一部を接地することにより当該配線体を電磁遮蔽シールドとして用いてもよい。また、配線体をアンテナとして用いてもよい。この場合、配線体を実装する実装対象が本発明の「支持体」の一例に相当する。