(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示部は、前記第3オブジェクトの出現後、前記第1オブジェクトの移動の軌跡を辿るように移動し、かつ、前記第3オブジェクトの移動速度が徐々に遅くなるように前記第3オブジェクトを表示する、
請求項5に記載の表示装置。
前記表示部は、前記第3オブジェクトの出現後、前記第1オブジェクトが前記ユーザの視界内から出るまで前記第1オブジェクトに追随し、前記第1オブジェクトが前記ユーザの視界内から出ると、前記ユーザの視界内の縁に留まるように前記第3オブジェクトを表示する、
請求項5に記載の表示装置。
前記修正部は、前記第3オブジェクトが、前記第1閾時間以上継続して前記ユーザの前記視線上にある、と推定されることに起因して前記第2オブジェクトが表示された後、前記第2オブジェクトが前記ユーザの前記視線上にある、と推定された閲覧時間長に応じて、前記ユーザに対して設定される前記第3閾時間を修正する、
請求項4に記載の表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2では、ユーザが留まっている状態であるが、拡張現実(Augmented Reality)システムにおいてユーザがヘッドマウントディスプレイを装着している場合、ユーザが動いている可能性もある。従って、ユーザ及びターゲットの両方が動いているときに、ターゲットを効率的に選択する技術が望まれる。特に、ディスプレイ上で動いている複数のオブジェクトのうちから、ユーザの視線上にあるオブジェクトを、ユーザが注目しているオブジェクトとして選択する場合、ユーザの視線上にあるオブジェクトが、ユーザが意図的に注目しているオブジェクトなのか、または偶然ユーザの視線上を通過したオブジェクトなのか、区別する必要がある。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、ユーザの視線上にあるオブジェクトが、ユーザが意図的に注目しているオブジェクトなのか、偶然視線上を通過したオブジェクトなのかを適切に判定することが可能な表示装置、表示方法、プログラム、ならびに、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る表示装置は、
オブジェクトがユーザの視線上にあるか否かを推定する推定部と、
第1オブジェクトが、前記ユーザに対して設定された第1閾時間以上継続して前記ユーザの視線上にある、と推定されると、前記第1オブジェクトに係る情報を表す第2オブジェクトを、前記ユーザの視界内に表示する表示部と、
前記第2オブジェクトが、前記ユーザに対して設定された第2閾時間以上継続して前記ユーザの前記視線上にない、と推定されると、前記第2オブジェクトを前記ユーザの前記視界内から消去する消去部と、
前記第2オブジェクトが前記ユーザの前記視線上にある、と推定された閲覧時間長に応じて、前記ユーザに対して設定される前記第1閾時間を修正する修正部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
上記の観点に係る表示装置において、
前記修正部は、前記閲覧時間長が短いほど、前記第1閾時間を長く修正してもよい。
【0008】
上記の観点に係る表示装置において、
前記修正部は、前記閲覧時間長の分布に基づいて、前記第1閾時間を修正してもよい。
【0009】
上記の観点に係る表示装置において、
前記表示部は、
前記第1オブジェクトが、前記ユーザに対して設定された第3閾時間であって、前記第1閾時間より短い第3閾時間以上継続して、前記ユーザの前記視線上にある、と推定されると、前記第1オブジェクトに対応付けられる第3オブジェクトを、前記ユーザの視界内から消去して、前記第2オブジェクトを前記ユーザの視界内に表示し、
前記第3オブジェクトが、前記第1閾時間以上継続して前記ユーザの前記視線上にある、と推定されると、前記第3オブジェクトを前記ユーザの視界内から消去して、前記第2オブジェクトを前記ユーザの視界内に表示し、
前記第3オブジェクトが、前記第1閾時間以上継続して前記ユーザの前記視線上にない、と推定されると、前記第3オブジェクトを前記ユーザの視界内から消去してもよい。
【0010】
上記の観点に係る表示装置において、
前記表示部は、前記第3オブジェクトを、前記第1オブジェクトと同じ位置に出現するように表示してもよい。
【0011】
上記の観点に係る表示装置において、
前記表示部は、前記第3オブジェクトの出現後、前記第3オブジェクトを第1オブジェクトが配置される空間内の位置をそのまま維持するように表示してもよい。
【0012】
上記の観点に係る表示装置において、
前記表示部は、前記第3オブジェクトの出現後、前記第1オブジェクトの移動の軌跡を辿るように移動し、かつ、前記第3オブジェクトの移動速度が徐々に遅くなるように前記第3オブジェクトを表示してもよい。
【0013】
上記の観点に係る表示装置において、
前記表示部は、前記第3オブジェクトの出現後、前記第1オブジェクトが前記ユーザの視界内から出るまで前記第1オブジェクトに追随し、前記第1オブジェクトが前記ユーザの視界内から出ると、前記ユーザの視界内の縁に留まるように前記第3オブジェクトを表示してもよい。
【0014】
上記の観点に係る表示装置において、
前記第3閾時間は、前記第1閾時間に基づいて、計算されてもよい。
【0015】
上記の観点に係る表示装置において、
前記修正部は、前記第3オブジェクトが、前記第1閾時間以上継続して前記ユーザの前記視線上にある、と推定されることに起因して前記第2オブジェクトが表示された後、前記第2オブジェクトが前記ユーザの前記視線上にある、と推定された閲覧時間長に応じて、前記ユーザに対して設定される前記第3閾時間を修正してもよい。
【0016】
上記の観点に係る表示装置において、
前記修正部は、前記閲覧時間長が短いほど、前記第3閾時間を長く修正してもよい。
【0017】
上記の観点に係る表示装置において、
前記修正部は、前記閲覧時間長の分布に基づいて、前記第3閾時間を修正してもよい。
【0018】
本発明の第2の観点に係る表示方法は、
表示装置が実行する表示方法であって、
オブジェクトがユーザの視線上にあるか否かを推定する推定ステップと、
第1オブジェクトが、前記ユーザに対して設定された第1閾時間以上継続して前記ユーザの視線上にある、と推定されると、前記第1オブジェクトに係る情報を表す第2オブジェクトを、前記ユーザの視界内に表示する表示ステップと、
前記第2オブジェクトが、前記ユーザに対して設定された第2閾時間以上継続して前記ユーザの前記視線上にない、と推定されると、前記第2オブジェクトを前記ユーザの前記視界内から消去する消去ステップと、
前記第2オブジェクトが前記ユーザの前記視線上にある、と推定された閲覧時間長に応じて、前記ユーザに対して設定される前記第1閾時間を修正する修正ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
オブジェクトがユーザの視線上にあるか否かを推定する推定部と、
第1オブジェクトが、前記ユーザに対して設定された第1閾時間以上継続して前記ユーザの視線上にある、と推定されると、前記第1オブジェクトに係る情報を表す第2オブジェクトを、前記ユーザの視界内に表示する表示部と、
前記第2オブジェクトが、前記ユーザに対して設定された第2閾時間以上継続して前記ユーザの前記視線上にない、と推定されると、前記第2オブジェクトを前記ユーザの前記視界内から消去する消去部と、
前記第2オブジェクトが前記ユーザの前記視線上にある、と推定された閲覧時間長に応じて、前記ユーザに対して設定される前記第1閾時間を修正する修正部と、
として機能させることを特徴とする。
【0020】
本発明の第4の観点に係る非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体は、
オブジェクトがユーザの視線上にあるか否かを推定する推定部と、
第1オブジェクトが、前記ユーザに対して設定された第1閾時間以上継続して前記ユーザの視線上にある、と推定されると、前記第1オブジェクトに係る情報を表す第2オブジェクトを、前記ユーザの視界内に表示する表示部と、
前記第2オブジェクトが、前記ユーザに対して設定された第2閾時間以上継続して前記ユーザの前記視線上にない、と推定されると、前記第2オブジェクトを前記ユーザの前記視界内から消去する消去部と、
前記第2オブジェクトが前記ユーザの前記視線上にある、と推定された閲覧時間長に応じて、前記ユーザに対して設定される前記第1閾時間を修正する修正部と、
として機能させることを特徴とする。
【0021】
なお、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な(non-transitory)情報記録媒体とは、有形な(tangible)情報記録媒体をいう。非一時的な情報記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリである。また、一時的な(transitory)情報記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えばRAM(Random Access Memory)といった揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ユーザの視線上にあるオブジェクトが、ユーザが意図的に注目しているオブジェクトなのか、偶然視線上を通過したオブジェクトなのかを適切に判定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施形態を説明する。なお、本実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。また、本願発明の実施形態を図面を参照して説明するにあたり、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0025】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る表示装置100のハードウェア構成を示す概略ブロック図である。表示装置100は、例えば、各種のセンサや制御装置を備えたヘッドマウントディスプレイにより構成される。スマートフォンやタブレットコンピュータ、ファブレット等の携帯型コンピュータをアタッチメントに装着することにより、ヘッドマウントディスプレイが構築されてもよい。この場合には、携帯型コンピュータを上記各部として機能させるためのプログラムを、当該携帯型コンピュータにて実行させることにより、表示装置100が実現される。
図1に示すように、表示装置100は、制御部101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM103と、ディスプレイ104と、センサ部105と、撮像部106と、操作部107とから構成され、各部は、バス108により接続されている。
【0026】
制御部101は、例えばCPU(Central Processing Unit)から構成され、表示装置100全体を制御する。
【0027】
ROM102は、制御部101が表示装置100全体を制御するためのプログラムや各種データを格納する不揮発性メモリである。
【0028】
RAM103は、制御部101が生成した情報や、その情報の生成に必要なデータを一時的に格納するための揮発性メモリである。
【0029】
ディスプレイ104は、LCD(Liquid Crystal Display)およびバックライト等を備え、制御部101による制御の下、例えば、制御部101から出力された画像を表示する。
【0030】
センサ部105は、姿勢センサや加速度センサを備え、表示装置100の向きを検知する。
【0031】
撮像部106は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)といったイメージセンサを備え、表示装置100の前方、すなわち、ユーザの視線方向の様子を撮影する。
【0032】
操作部107は、ボタン、キーボード、タッチパネル等の入力装置から構成される。操作部107は、表示装置100のユーザからの操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に対応する信号を制御部101に出力する。
【0033】
次に、本実施形態での現実空間における表示装置100、ユーザ、及び第1オブジェクトの位置関係について説明する。なお、本実施形態では、表示装置100が、ディスプレイ104に表示される画像と、現実空間とをユーザが同時に視認できるように構成されるヘッドマウントディスプレイであるものとする。このような構成は、例えば、ディスプレイ104として透過型ディスプレイを採用することにより実現できる。さらに、ディスプレイ104は、透過膜への画像投影、またはユーザの網膜への画像投影により実現されてもよい。また、表示装置100は、ディスプレイ104として不透明液晶を備え、撮像部106で撮影した現実空間の画像と、仮想空間におけるオブジェクトの画像とを合成して不透明液晶に表示してもよい。
【0034】
図2Aは、現実空間201において表示装置100を装着したユーザ202と、第1オブジェクト300a〜300cとの様子を示す俯瞰図である。
図2Bは、現実空間201において表示装置100を装着したユーザ202と、第1オブジェクト300a〜300cとの様子を示す上面図である。
【0035】
図2A及び
図2Bに示すように、現実空間201において、ユーザ202は、表示装置100を眼前に装着している。ユーザ202が表示装置100を装着しているときには、表示装置100の表示方向203は、ユーザ202が表示装置100を見る視線方向204と逆向きになる。
【0036】
また、
図2A及び
図2Bに示すように、現実空間201において、静止もしくは移動する複数の観察対象者301a〜301cが存在している。観察対象者301a〜301cは、それぞれ第1オブジェクト300a〜300cを装着している。本実施形態においては、第1オブジェクト300a〜300cは、観察対象者301a〜301cと対応付けられた所定のパターン画像を含むARマーカである。第1オブジェクト300a〜300cのパターン画像は、例えば予めROM102に記憶されている。ユーザ202は、観察対象者301a〜301cのうち、興味がある観察対象者の第1オブジェクト300a〜300cに注目することにより、後述するように注目した観察対象者に関連する情報をディスプレイ104に表示させることができる。
【0037】
図3は、本発明の実施形態に係る表示装置100の機能構成を示す概略ブロック図である。
図3に示すように、表示装置100は、推定部111と、表示部112と、消去部113と、修正部114と、ディスプレイ104とを備える。
【0038】
推定部111は、オブジェクトがユーザ202の視線上にあるか否かを推定する。本実施形態において、推定部111は、第1オブジェクト300a〜300c、及び後述する第2オブジェクト500がユーザ202の視線上にあるか否かを推定する。
【0039】
まず、推定部111が、第1オブジェクト300a〜300cがユーザ202の視線上にあるか否かを推定する方法の一例を説明する。例えば、推定部111は、撮像部106によりユーザ202の視線方向204を撮影し、その撮像画像の所定の範囲を注目領域として特定する。注目領域は、例えば、撮像画像中の中央を視線方向として、中央から所定の範囲が注目領域として特定される。そして、推定部111は、撮像画像中の注目領域内に第1オブジェクト300a〜300cが存在するとき、その第1オブジェクト300a〜300cがユーザ202の視線上にあると推定する。
【0040】
例えば、撮像部106が
図4に示す撮像画像400を撮影したとき、推定部111は、撮像画像400のうち、中央から所定の範囲を注目領域401として特定する。そして、推定部111は、注目領域401内の画像と、予め記憶された第1オブジェクト300a〜300cのパターン画像とを比較し、画像認識により、注目領域401内に第1オブジェクト300a〜300cがあるか否かを判定する。推定部111は、
図4に示すように注目領域401内に第1オブジェクト300bのパターン画像があると判定すると、第1オブジェクト300bがユーザ202の視線上にあると推定する。
【0041】
なお、推定部111が、第2オブジェクト500がユーザ202の視線上にあるか否かを推定する場合について説明する。推定部111は、ディスプレイ104の所定の範囲を注目領域として特定する。注目領域は、例えば、ディスプレイ104の中央から所定の領域が注目領域として特定される。そして、推定部111は、ディスプレイ104の注目領域内に第2オブジェクト500が表示されているか否かを判定する。注目領域内に第2オブジェクト500が表示されていると判定すると、その第2オブジェクト500がユーザ202の視線上にあると推定する。
【0042】
例えば、表示部112が
図5に示すようにディスプレイ104に第2オブジェクト500を表示しているとき、推定部111は、ディスプレイ104の中央から所定の範囲を注目領域601として特定する。そして、推定部111は、注目領域601内に第2オブジェクト500が表示されていると判定すると、第2オブジェクト500がユーザ202の視線上にあると推定する。なお、推定部111は、第2オブジェクト500の代表点(例えば、中心点や重心点)の位置を、第2オブジェクト500の位置として、注目領域601内に表示されているか否かを判定する。
【0043】
本実施形態において、制御部101及び撮像部106が協働することにより、推定部111として機能する。
【0044】
表示部112は、第1オブジェクト300a〜300cが、ユーザ202に対して設定された第1閾時間以上継続してユーザ202の視線上にある、と推定されると、第1オブジェクト300a〜300cに係る情報を表す第2オブジェクト500を、ユーザ202の視界内に表示する。
【0045】
ここで、第1閾時間は、ユーザ202が第1オブジェクト300a〜300cに注目しているか否かを推定するための閾時間である。第1閾時間は、ユーザ毎に設定され、例えばRAM103に記憶される。
【0046】
また、第2オブジェクト500は、第1オブジェクト300a〜300cに係る情報を表すオブジェクトである。本実施形態において、第2オブジェクト500は、第1閾時間以上継続してユーザ202の視線上にあると推定された第1オブジェクト300a〜300cを装着している観察対象者301a〜301cに関する情報を表す。観察対象者301a〜301cに関する情報は、例えば第1オブジェクト300a〜300cのマーカ画像と対応付けて予めROM102に記憶されていてもよいし、外部の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0047】
例えば、表示部112は、推定部111により第1オブジェクト300bがユーザ202の視線上にあると推定されると、継続してその第1オブジェクト300bがユーザ202の視線上にある時間長(視線上時間長)をカウントする。そして、表示部112は、カウントした視線上時間長が第1閾時間以上であると判定すると、第1オブジェクト300bと対応付けられた観察対象者301bに関する情報をROM102から取得し、取得された情報を表す第2オブジェクト500をユーザ202の視界内に表示する。
【0048】
例えば、表示部112は、
図6に示すように、ディスプレイ104の注目領域601内に観察対象者301bに関する情報を表す第2オブジェクト500を表示する。さらに、表示部112は、第2オブジェクト500が現実空間201において静止しているように見えるように、表示装置100の向きに応じて第2オブジェクトの表示位置を変更する。具体的には、表示部112は、視線上時間長が第1閾時間以上であると判定すると、
図6に示すように第2オブジェクト500を注目領域601内であって、
図7に示すように現実空間201において観察対象者301bの手前の位置Pbに出現したように見えるように、ディスプレイ104に表示する。また、
図7に示すように、ユーザ202が頭を破線の位置から実線の位置へ移動するように反時計回りにθ回転させると、表示部112は、センサ部105により表示装置100の向きの変化を検知する。そして、表示部112は、第2オブジェクト500が現実空間201において位置Pbに留まっているように見えるように、すなわち
図8に示すようにディスプレイ104において右方向に移動させて、第2オブジェクト500を表示する。
【0049】
また、表示部112は、第2オブジェクト500の表示を開始すると、継続してその第2オブジェクト500がユーザ202の視線上にある時間、すなわち第2オブジェクト500の閲覧時間長のカウントを開始する。
【0050】
本実施形態において、制御部101及びセンサ部105が協働することにより、表示部112として機能する。
【0051】
消去部113は、第2オブジェクト500が、ユーザ202に対して設定された第2閾時間以上継続してユーザ202の視線上にない、と推定されると、第2オブジェクト500をユーザ202の視界内から消去する。
【0052】
ここで、第2閾時間は、ユーザ202が第2オブジェクト500に注目しているか否かを推定するための閾時間である。第2閾時間は、ユーザ毎に設定され、例えばRAM103に記憶される。
【0053】
消去部113は、推定部111により第2オブジェクト500がユーザ202の視線上にないと推定されると、第2オブジェクト500の閲覧時間長のカウントを停止し、第2オブジェクト500がユーザの視線上にないと推定される時間長(視線外時間長)のカウントを開始する。そして、消去部113は、視線外時間長が第2閾時間以上になると、その第2オブジェクト500をユーザ202の視界内から消去する。
【0054】
例えば、
図8に示すように、第2オブジェクト500が注目領域601内に表示されず、推定部111によりユーザ202の視線上にないと推定される視線外時間長が第2閾時間以上になると、消去部113は、
図9に示すように、第2オブジェクト500の表示を終了することにより、ディスプレイ104から第2オブジェクト500を消去する。
【0055】
すなわち、消去部113は、第2オブジェクト500が第2閾時間以上継続してユーザ202の視線上にないと推定されたとき、ユーザ202は第2オブジェクト500に注目していないと推定する。そして、消去部113は、ユーザ202が注目していないと推定された第2オブジェクト500をユーザ202の視界内、すなわちディスプレイ104から消去する。
【0056】
本実施形態において、制御部101が、消去部113として機能する。
【0057】
修正部114は、第2オブジェクト500がユーザ202の視線上にある、と推定された閲覧時間長に応じて、ユーザ202に対して設定される第1閾時間を修正する。具体的には、修正部114は、閲覧時間長が所定の閾時間よりも短いとき、第1閾時間を所定時間だけ長く修正する。
【0058】
すなわち、閲覧時間長が所定の閾時間よりも短いとき、第2オブジェクト500は、表示されてから第2閾時間経過後すぐに、詳細には第2閾時間と閲覧時間長とを足し合わせた時間が経過した後に、消去される。このように第2オブジェクト500の閲覧時間長が所定の閾時間よりも短いとき、第1閾時間が短すぎて、偶然ユーザ202の注目領域401内を通過した第1オブジェクト300a〜300c、すなわち、ユーザが注目していない第1オブジェクト300a〜300cに係る情報を表す第2オブジェクト500が表示された可能性が高いと考えられる。そのため、修正部114は、第1閾時間が長くなるように修正する。
【0059】
本実施形態において、制御部101が、修正部114として機能する。
【0060】
次に、本発明の実施形態にかかる表示装置100の動作について説明する。
図10は、表示装置100の制御部101により実行される表示処理の流れを表すフローチャートである。本処理は、例えば、操作部107を介して本処理の開始指示を受け付けたことを契機として開始する。
【0061】
まず、表示装置100は、現実空間201内における表示装置100の向きを予め定められた初期状態に設定する(ステップS101)。
【0062】
次に、表示装置100は、表示装置100の向きを検知し、視線方向を検知する(ステップS102)。
【0063】
次に、表示装置100は、視線方向を撮像する(ステップS103)。
【0064】
そして、表示装置100は、ステップS103において撮像された撮像画像に基づいて、ユーザ202の視線上に第1オブジェクト300a〜300cがあるか否かを判定する(ステップS104)。表示装置100は、ユーザ202の視線上に第1オブジェクト300a〜300cがないと判定したとき(ステップS104;No)、ステップS103の処理に戻る。
【0065】
表示装置100は、ユーザ202の視線上に第1オブジェクト300a〜300cがあると判定したとき(ステップS104;Yes)、第2オブジェクト表示処理を実行する(ステップS105)。
【0066】
図11は、表示装置100の制御部101により実行される第2オブジェクト表示処理の流れを表すフローチャートである。
【0067】
表示装置100は、第2オブジェクト表示処理を開始すると、
図10のステップS104においてユーザ202の視線上にあると判定された第1オブジェクト300a〜300cの視線上時間長のカウントを開始する(ステップS201)。
【0068】
表示装置100は、視線方向を撮像する(ステップS202)。
【0069】
表示装置100は、ステップS202において撮像された撮像画像に基づいて、ユーザの視線上に第1オブジェクト300a〜300cがあるか否かを判定する(ステップS203)。表示装置100は、ユーザ202の視線上に第1オブジェクト300a〜300cがないと判定したとき(ステップS203;No)、視線上時間長のカウントを停止して
図10のステップS103の処理に戻る。
【0070】
表示装置100は、ユーザの視線上に第1オブジェクト300a〜300cがあると判定したとき(ステップS203;Yes)、視線上時間長が第1閾時間以上か否かを判定する(ステップS204)。表示装置100は、視線上時間長が第1閾時間以上でないと判定したとき(ステップS204;No)、ステップS202の処理に戻る。
【0071】
表示装置100は、視線上時間長が第1閾時間以上であると判定したとき(ステップS204;Yes)、ユーザ202の視線上にあると判定された第1オブジェクト300a〜300cと対応付けられた観察対象者301a〜301cに関する情報を取得する(ステップS205)。
【0072】
表示装置100は、ステップS205において取得した情報を表す第2オブジェクト500を生成する(ステップS206)。
【0073】
表示装置100は、ステップS206において生成した第2オブジェクト500をディスプレイ104に表示する(ステップS207)。
【0074】
表示装置100は、閲覧時間長のカウントを開始する(ステップS208)。そして、表示装置100は、第2オブジェクト表示処理を終了し、
図10のステップS106に進む。
【0075】
図10に戻って、表示装置100は、視線方向を撮像する(ステップS106)。
【0076】
そして、表示装置100は、ステップS105の第2オブジェクト表示処理により表示された第2オブジェクト500がユーザ202の視線上にあるか否かを判定する(ステップS107)。表示装置100は、第2オブジェクト500がユーザ202の視線上にあると判定したとき(ステップS107;Yes)、ステップS106の処理に戻る。
【0077】
そして、表示装置100は、第2オブジェクト500がユーザ202の視線上にないと判定したとき(ステップS107;No)、第2オブジェクト消去処理を実行する(ステップS108)。
【0078】
図12は、表示装置100の制御部101により実行される第2オブジェクト消去処理の流れを表すフローチャートである。
【0079】
表示装置100は、第2オブジェクト消去処理を開始すると、第2オブジェクトの閲覧時間長のカウントを停止する(ステップS301)。そして、表示装置100は、第2オブジェクト500の視線外時間長のカウントを開始する(ステップS302)。
【0080】
表示装置100は、視線方向を撮像する(ステップS303)。
【0081】
表示装置100は、ステップS303において撮像された撮像画像に基づいて、ユーザ202の視線上に第2オブジェクト500があるか否かを判定する(ステップS304)。
【0082】
表示装置100は、ユーザ202の視線上に第2オブジェクト500があると判定したとき(ステップS304;Yes)、視線外時間長のカウントを停止する(ステップS305)。そして、表示装置100は、閲覧時間長のカウントを開始し(ステップS306)、
図10のステップS106に戻る。
【0083】
表示装置100は、ユーザ202の視線上に第2オブジェクト500がないと判定したとき(ステップS304;No)、視線外時間長が第2閾時間以上か否かを判定する(ステップS307)。表示装置100は、視線外時間長が第2閾時間以上でないと判定したとき(ステップS307;No)、ステップS303の処理に戻る。
【0084】
表示装置100は、視線外時間長が第2閾時間以上であると判定したとき(ステップS307;Yes)、視線外時間長のカウントを停止する(ステップS308)。そして、表示装置100は、第2オブジェクト500をユーザ202の視界内から消去し(ステップS309)、
図10のステップS109の処理に進む。
【0085】
図10に戻って、表示装置100は、ステップS108の第2オブジェクト消去処理により閲覧時間長のカウントが停止されるまでの閲覧時間長に応じて、第1閾時間を修正する(ステップS109)。そして、表示装置100は、ステップS103の処理に戻る。
【0086】
そして、表示装置100は、例えば操作部107を介して本処理の終了指示を受け付けるまで、繰り返し上記の処理を実行する。
【0087】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る表示装置100は、第2オブジェクト500の閲覧時間長に応じて、ユーザ202が第1オブジェクト300a〜300cに注目しているか否かを推定するための第1閾時間を修正する。そのため、表示装置100は、ユーザ202の視線上にある第1オブジェクト300a〜300cが、ユーザ202が意図的に注目しているオブジェクトなのか、偶然視線上を通過したオブジェクトなのかを適切に判定することができる。
【0088】
また、表示装置100は、第2オブジェクト500の閲覧時間長が所定の閾時間よりも短いとき、第1閾時間を所定時間だけ長くなるように修正する。第2オブジェクト500の閲覧時間長が所定の閾時間よりも短いとき、偶然ユーザ202の視線上を通った第1オブジェクト300a〜300cの第2オブジェクト500が表示された可能性が高い。この場合、第1閾時間を長くすることにより、ユーザ202が第1オブジェクト300a〜300cに注目しているのかを推定するための第1閾時間をユーザ202に応じて適切に修正することができる。
【0089】
(第2実施形態)
上記の第1実施形態では、第1オブジェクト300a〜300c自体の視線上時間長と第1閾時間とを比較して、ユーザ202が第1オブジェクト300a〜300cに注目しているか否かを判定する例について説明した。本実施形態では、第1オブジェクト300a〜300cに対応付けられる第3オブジェクトを表示し、第3オブジェクトの視線上時間長を第1閾時間と比較することにより、ユーザ202が第1オブジェクト300a〜300cに注目しているか否かを判定する例について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を用い、その詳細な説明を省略する。
【0090】
図13は、本発明の実施形態に係る表示装置100aの機能構成を示す概略ブロック図である。
図13に示すように、表示装置100aは、推定部111aと、表示部112aと、消去部113と、修正部114aと、ディスプレイ104とを備える。
【0091】
推定部111aは、さらに第3オブジェクトがユーザ202の視線上にあるか否かを推定する。推定部111aは、実施形態1における第2オブジェクト500と同様に、第3オブジェクトがユーザ202の視線上にあるか否かを推定することができる。
【0092】
表示部112aは、第1オブジェクト300a〜300cが、ユーザ202に対して設定された第3閾時間であって、第1閾時間より短い第3閾時間以上継続して、ユーザ202の視線上にある、と推定されると、第1オブジェクト300a〜300cに対応付けられる第3オブジェクトを、ユーザ202の視界内にさらに表示する。そして、表示部112aは、第3オブジェクトが、第1閾時間以上継続してユーザ202の視線上にある、と推定されると、第3オブジェクトをユーザ202の視界内から消去して、第2オブジェクト500をユーザ202の視界内に表示する。また、表示部112aは、第3オブジェクトが、第1閾時間以上継続してユーザ202の視線上にない、と推定すると、第3オブジェクトをユーザ202の視界内から消去する。
【0093】
ここで、第3閾時間は、第1オブジェクト300a〜300cに注目しているか否かを予備的に判定するための閾時間である。第3閾時間は、第1閾時間よりも短く設定されており、例えば、第3閾時間=第1閾時間×k(0<k<1の定数)のように、第1閾時間に基づいて計算されてもよい。
【0094】
また、第3オブジェクトは、第1オブジェクト300a〜300cの代わりとして、第1オブジェクト300a〜300cがユーザ202に注目されているか否かの判定に用いられるオブジェクトである。第3オブジェクトは、例えば、人型のオブジェクトである。
【0095】
さらに、表示部112aは、第3オブジェクトを、第1オブジェクト300a〜300cと同じ現実空間201の位置に出現させる。そして、表示部112aは、第3オブジェクトを、現実空間201における出現した位置を維持するように表示する。例えば、表示部112aは、
図4に示すように、第1オブジェクト300bが第3閾時間以上継続して、ユーザ202の視線上にある、と推定すると、
図14Aに示すように、その時点における第1オブジェクト300bの現実空間201の位置に出現するように、第3オブジェクト700をディスプレイ104に表示する。そして、実施形態1における第2オブジェクト500と同様に、表示部112aは、第3オブジェクトが現実空間201において静止しているように見えるように、表示装置100aの向きに応じて第3オブジェクトの表示位置を変更する。従って、例えば、ユーザ202が視線方向を変化させず、第1オブジェクト300bを装着した観察対象者301bが左方向に移動しているとき、
図14Bに示すように、第3オブジェクト700は、出現時における第1オブジェクト300bの位置に留まって表示される。
【0096】
また、表示部112aは、
図14Bに示すように、第3オブジェクト700が、第1閾時間以上継続して注目領域601内にある、すなわちユーザ202の視線上にある、と推定すると、
図15に示すように、第3オブジェクト700をユーザ202の視界内から消去して、第2オブジェクト500をユーザ202の視界内に表示する。また、表示部112aは、第3オブジェクト700が、第1閾時間以上継続してユーザ202の視線上にない、と推定すると、第3オブジェクト700をユーザ202の視界内から消去する。
【0097】
修正部114aは、第3オブジェクト700が第1閾時間以上継続してユーザ202の視線上にあると推定されたことに起因して第2オブジェクト500が表示された後、第2オブジェクト500がユーザ202の視線上にある、と推定された閲覧時間長に応じて、ユーザに対して設定される第3閾時間を修正する。
【0098】
具体的には、修正部114aは、実施形態1における第1閾時間と同様に、閲覧時間長が所定の閾時間よりも短いとき、第3閾時間を所定時間だけ長く修正してもよい。すなわち、第2オブジェクト500の閲覧時間長が所定の閾時間よりも短いとき、第3閾時間が短すぎて、偶然ユーザ202の注目領域401内を通過した第1オブジェクト300a〜300c、すなわち、ユーザが注目していない第1オブジェクト300a〜300cに対応付けられる第3オブジェクト700が表示された可能性が高いと考えられる。そのため、修正部114aは、第3閾時間が長くなるように修正する。
【0099】
次に、本発明の実施形態にかかる表示装置100aの動作について説明する。
図16は、表示装置100aの制御部101により実行される表示処理の流れを表すフローチャートである。本処理は、例えば、操作部107を介して本処理の開始指示を受け付けたことを契機として開始する。
【0100】
まず、表示装置100aは、
図10に示す表示処理のステップS101〜S104と同様にステップS401〜S404の処理を実行する。
【0101】
表示装置100aは、ユーザ202の視線上に第1オブジェクト300a〜300cがあると判定したとき(ステップS404;Yes)、第3オブジェクト表示処理を実行する(ステップS405)。
【0102】
図17は、表示装置100aの制御部101により実行される第3オブジェクト表示処理の流れを表すフローチャートである。
【0103】
表示装置100aは、第3オブジェクト表示処理を開始すると、
図16のステップS404においてユーザ202の視線上にあると判定された第1オブジェクト300a〜300cの視線上時間長のカウントを開始する(ステップS501)。
【0104】
表示装置100aは、視線方向を撮像する(ステップS502)。
【0105】
表示装置100aは、ステップS502において撮像された撮像画像に基づいて、ユーザ202の視線上に第1オブジェクト300a〜300cがあるか否かを判定する(ステップS503)。表示装置100aは、ユーザ202の視線上に第1オブジェクト300a〜300cがないと判定したとき(ステップS503;No)、視線上時間長のカウントを停止して
図16のステップS403の処理に戻る。
【0106】
表示装置100aは、ユーザの視線上に第1オブジェクトがあると判定したとき(ステップS503;Yes)、視線上時間長が第3閾時間以上か否かを判定する(ステップS504)。表示装置100aは、視線上時間長が第3閾時間以上でないと判定したとき(ステップS504;No)、ステップS502の処理に戻る。
【0107】
表示装置100aは、視線上時間長が第3閾時間以上であると判定したとき(ステップS504;Yes)、第3オブジェクト700をディスプレイに表示する(ステップS505)。そして、表示装置100aは、
図16のステップS406に進む。
【0108】
図16に戻って、表示装置100aは、第2オブジェクト表示処理を実行する(ステップS406)。
【0109】
図18は、表示装置100aの制御部101により実行される第2オブジェクト表示処理の流れを表すフローチャートである。
【0110】
表示装置100aは、第2オブジェクト表示処理を開始すると、第3オブジェクト700の視線上時間長のカウントを開始する(ステップS601)。
【0111】
表示装置100aは、視線方向を撮像する(ステップS602)。
【0112】
表示装置100aは、ステップS602において撮像された撮像画像に基づいて、ユーザ202の視線上に第3オブジェクト700があるか否かを判定する(ステップS603)。
【0113】
表示装置100aは、ユーザ202の視線上に第3オブジェクト700があると判定したとき(ステップS603;Yes)、視線上時間長が第1閾時間を経過したか否かを判定する(ステップS604)。表示装置100aは、視線上時間長が第1閾時間を経過していないと判定したとき(ステップS604;No)、ステップS602の処理に戻る。
【0114】
表示装置100aは、視線上時間長が第1閾時間を経過したと判定したとき(ステップS604;Yes)、第3オブジェクト700を消去する(ステップS605)。
【0115】
表示装置100aは、第3オブジェクト700と対応付けられた第1オブジェクト300a〜300cの観察対象者301a〜301cに関する情報を取得する(ステップS606)。
【0116】
表示装置100aは、ステップS606において取得した情報を表す第2オブジェクトを生成する(ステップS607)。
【0117】
表示装置100aは、ステップS607において生成した第2オブジェクトをディスプレイ104に表示する(ステップS608)。
【0118】
そして、表示装置100aは、閲覧時間長のカウントを開始する(ステップS609)。そして、表示装置100aは、第2オブジェクト表示処理を終了し、
図16のステップS407に進む。
【0119】
また、表示装置100aは、ユーザの視線上に第3オブジェクトがないと判定したとき(ステップS603;No)、第3オブジェクト消去処理を実行する(ステップS610)。
【0120】
図19は、表示装置100aの制御部101により実行される第3オブジェクト消去処理の流れを表すフローチャートである。
【0121】
表示装置100aは、第3オブジェクト消去処理を開始すると、第3オブジェクトの視線上時間長のカウントを停止する(ステップS701)。そして、表示装置100aは、第3オブジェクト700の視線外時間長のカウントを開始する(ステップS702)。
【0122】
表示装置100aは、視線方向を撮像する(ステップS703)。
【0123】
表示装置100aは、ステップS703において撮像された撮像画像に基づいて、ユーザ202の視線上に第3オブジェクト700があるか否かを判定する(ステップS704)。
【0124】
表示装置100aは、ユーザ202の視線上に第3オブジェクト700があると判定したとき(ステップS704;Yes)、視線外時間長のカウントを停止する(ステップS705)。そして、表示装置100aは、第3オブジェクト700の視線上時間長のカウントを開始し(ステップS706)、
図18のステップS602に戻る。
【0125】
表示装置100aは、ユーザ202の視線上に第3オブジェクト700がないと判定したとき(ステップS704;No)、視線外時間長が第1閾時間以上か否かを判定する(ステップS707)。表示装置100aは、視線外時間長が第1閾時間以上でないと判定したとき(ステップS707;No)、ステップS703の処理に戻る。
【0126】
表示装置100aは、視線外時間長が第1閾時間以上であると判定したとき(ステップS707;Yes)、視線外時間長のカウントを停止する(ステップS708)。そして、表示装置100aは、第3オブジェクト700をユーザ202の視界内から消去し(ステップS709)、
図16のステップS403の処理に戻る。
【0127】
図16に戻って、表示装置100aは、
図10の表示処理のステップS106〜S109と同様の処理をステップS407〜S410において実行する。
【0128】
表示装置100aは、ステップS409の第2オブジェクト消去処理により閲覧時間長のカウントが停止されるまでの閲覧時間長に応じて、第3閾時間を修正する(ステップS411)。そして、表示装置100aは、ステップS403の処理に戻る。
【0129】
そして、表示装置100aは、例えば操作部107を介して本処理の終了指示を受け付けるまで、繰り返し上記の処理を実行する。
【0130】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る表示装置100aは、第1オブジェクト300a〜300cが第3閾時間以上ユーザ202の視線上にあると推定されると、第3オブジェクト700が表示される。また、第3オブジェクト700が、第1閾時間以上継続してユーザ202の視線上にあると推定されると、第3オブジェクト700が消去され、第2オブジェクト500が表示される。そのため、ユーザ202は、第2オブジェクト500を表示させたい第1オブジェクト300a〜300cが移動している場合であっても、第1オブジェクト300a〜300cを第1閾時間よりも短い第3閾時間注目することにより、第3オブジェクト700を表示させ、その第3オブジェクト700を第1閾時間注目することにより、第2オブジェクトを表示させることができる。従って、ユーザ202は、第1オブジェクト300a〜300cを第1閾時間注目しつづけることにより第2オブジェクト500を表示させる場合よりも、容易に第2オブジェクト500を表示させることができる。
【0131】
また、表示装置100aは、第3オブジェクト700が第1閾時間以上継続してユーザ202の視線上にある、と推定されることに起因してユーザ202の視線上にあると推定された閲覧時間長に応じて、第3閾時間を修正する。そのため、表示装置100aは、ユーザ202の視線上にある第1オブジェクト300a〜300cが、ユーザ202が意図的に注目しているオブジェクトなのか、偶然視線上を通過したオブジェクトなのかを予備的に判定するための第3閾時間をユーザ202に応じて適切に修正することができる。
【0132】
以上に本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。即ち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0133】
上記の実施形態1及び実施形態2において、第1オブジェクト300a〜300cが、所定のパターン画像を表すARマーカである例について説明したが、第1オブジェクトとして適用可能なものはこれに限られない。例えば、第1オブジェクトは、現実空間201に存在する任意の物体であってもよい。この場合、表示装置100,100aは、予め物体の形状パターンを記憶し、撮像画像と形状パターンとから、画像認識により物体を認識してもよい。
【0134】
さらに、第1オブジェクトは、仮想空間におけるオブジェクトであってもよい。この場合、表示装置100,100aは、表示装置100,100aの向きに応じて仮想空間における視線方向を検知し、仮想空間における第1オブジェクトの既知の位置や移動速度に基づいて、ユーザ202の視線上にある第1オブジェクトを推定してもよい。
【0135】
また、上記の実施形態1及び2において表示装置100,100aは、画像認識により第1オブジェクト300a〜300cがユーザ202の視線上にあるか否かを推定し、表示装置100,100aの向きに応じて視線方向及び注目領域601を移動させることにより第2オブジェクト500及び第3オブジェクト700がユーザ202の視線上にあるか否かを推定する例について説明した。しかし、推定部111が、第1オブジェクト300a〜300c、第2オブジェクト500、及び第3オブジェクト700がユーザ202の視線上にあるか否かを推定する方法はこれに限られない。表示装置100,100aは、アイトラッキングによりユーザ202の視線方向を検知し、第1オブジェクト300a〜300c、第2オブジェクト500、及び第3オブジェクト700がユーザ202の視線上にあるか否かを推定してもよい。
【0136】
また、上記の実施形態1及び2において、表示装置100,100aは、第2オブジェクト500の閲覧時間長が所定の閾時間よりも短いとき、第1閾時間または第3閾時間を所定時間だけ長く修正する例について説明した。しかし、閲覧時間長に応じて第1閾時間及び第3閾時間を修正する方法はこれに限られない。
【0137】
例えば、表示装置100,100aは、第2オブジェクト500の閲覧時間長の出現頻度の分布を求め、分布に基づいて第1閾時間及び第3閾時間を修正してもよい。例えば、表示装置100,100aは、第2オブジェクトの閲覧時間長を記録し、
図20Aに示すような分布が得られたとする。
図20Aにおいて、横軸は、第2オブジェクト500の閲覧時間長、縦軸は閲覧時間長の出現頻度を表す。ユーザ202にとって興味がある情報が第2オブジェクト500に表されている場合、閲覧時間長は長くなり、ユーザ202にとって興味がない情報が第2オブジェクト500に表されている場合、閲覧時間長は短くなる傾向にあると考えられる。従って、
図20Aに示すように、閲覧時間長の出現頻度の分布は、閲覧時間長が短い側のピークと、閲覧時間長が長い側のピークとの2つのピークを持つと考えられる。そのため、例えば、0≦t≦tcの閲覧時間長tの分布が得られた場合、閲覧時間長の長さに応じて分布を0≦t<ta、ta≦t<tb、tb≦t≦tcのように3分割し、閲覧時間長tが0≦t<taのとき、第1閾時間T1を1.05倍、閲覧時間長tがta≦t<tbのとき、現在の第1閾時間T1を維持、閲覧時間長tがtb≦t≦tcのとき、第1閾時間T1を0.96倍、のように閲覧時間長tの分布に基づいて、第1閾時間T1を修正してもよい。なお、閲覧時間長tが0≦t<taのとき、またはtb≦t≦tcのときにおける第1閾時間T1が増加または減少する度合は、上記の例に限られず、閲覧時間長tが0≦t<taのとき、第1閾時間T1をC1×T1(C1はC1>1であって、1に近い定数)、閲覧時間長tがtb≦t≦tcのとき、第1閾時間T1をC2×T1(C2はC2<1であって、1に近い定数)のように定数C1,C2を適宜定めることが可能である。
【0138】
また、
図20Bに示すように、閲覧時間長の分布における2つのピークの間の谷である閲覧時間長tdを閾値として、第1閾時間を所定時間だけ増減してもよい。例えば、閲覧時間長tが短い閲覧時間長のピーク側である0≦t<tdのとき、第1閾時間を所定時間α(αは正の数)だけ増加させ、閲覧時間長tが長い閲覧時間長のピーク側であるtd≦tのとき、第1閾時間T1を所定時間αだけ減少させてもよい。
【0139】
また、
図20Cに示すように、閲覧時間長の分布において、m個(m≧3)のピークがある場合には、閲覧時間長tが、短い閲覧時間長側からm/3個のピークに属する0≦t<teのとき、第1閾時間T1を所定時間αだけ増加させてもよい。
【0140】
なお、上記の
図20A〜
図20Cに示す例では、閲覧時間長の分布に基づいて、第1閾時間を修正する例について説明したが、同様の方法により、閲覧時間長の分布に基づいて第3閾時間を修正してもよい。
【0141】
また、実施形態2において、第3オブジェクト700は、出現後、第1オブジェクト300a〜300cと同じ位置に留まる例について説明した。しかし、第3オブジェクト700の態様はこれに限られない。例えば、表示装置100aは、第3オブジェクト700の出現後、第1オブジェクト300a〜300cの移動の軌跡を辿るように移動し、かつ、第3オブジェクトの移動速度が徐々に遅くなるように、第3オブジェクト700を表示してもよい。
【0142】
さらに、表示装置100aは、第3オブジェクト700の出現後、第1オブジェクト300a〜300cがユーザ202の視界内から出るまで第1オブジェクト300a〜300cに追随し、第1オブジェクト300a〜300cがユーザ202の視界内から出ると、ユーザ202の視界内の縁に留まるように第3オブジェクト700を表示してもよい。例えば、
図14Aに示すように、第3オブジェクト700が第1オブジェクト300bの位置に出現した場合、第1オブジェクト300bが左方向に移動しているとすると、
図21Aに示すように、第3オブジェクト700は、第1オブジェクト300bに追随して移動するように表示される。そして、第1オブジェクト300bがユーザ202の視界内から出たことが検知されると、第3オブジェクト700は、ディスプレイ104の左縁に留まるように表示される。このように、第1オブジェクト300a〜300cに対応付けられる第3オブジェクト700がユーザの視界内に留まるように表示されることにより、注目したい第1オブジェクト300a〜300cが移動しており、ユーザの視界から外れた場合であっても、第3オブジェクト700はユーザの視界内に残るため、第3オブジェクト700に容易に注目することができ、第2オブジェクト500を表示させることができる。
【0143】
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた表示装置100,100aとして提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器等を、本発明に係る表示装置100,100aとして機能させることもできる。即ち、上記実施形態で例示した表示装置100,100aによる各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器を制御するCPU等が実行できるように、既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器に適用することで、そのパーソナルコンピュータや情報端末機器を本発明に係る表示装置100,100aとして機能させることができる。また、本発明に係る表示方法は、表示装置100,100aを用いて実施できる。
【0144】
また、このようなプログラムは、上記に限られず、任意の方法で適用可能である。プログラムを、例えば、コンピュータが読取可能な記録媒体[CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical disc)等]に格納して適用できる他、インターネット等のネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより適用することもできる。
【0145】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。即ち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
推定部(111)は、オブジェクトがユーザの視線上にあるか否かを推定する。表示部(112)は、第1オブジェクトが、ユーザに対して設定された第1閾時間以上継続してユーザの視線上にある、と推定されると、第1オブジェクトに係る情報を表す第2オブジェクトを、ユーザの視界内に表示する。消去部(113)は、第2オブジェクトが、ユーザに対して設定された第2閾時間以上継続してユーザの視線上にない、と推定されると、第2オブジェクトをユーザの視界内から消去する。修正部(114)は、第2オブジェクトがユーザの視線上にある、と推定された閲覧時間長に応じて、ユーザに対して設定される第1閾時間を修正する。