(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2決済処理部は、前記第1検知部により前記扉の開が検知された後に前記扉の閉が検知されていない状態が所定時間以上継続し、且つ、前記第2検知部により前記利用者が離れた状態が検知された場合に、前記商品特定部により特定された商品の決済処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の決済処理システム。
前記扉の閉が検知されていない状態において前記第2決済処理部により前記商品の決済処理が行われた場合に、前記格納庫からの前記商品の取り出しを防止するための制御を行う第2制御部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の決済処理システム。
前記第2制御部による制御は、モーターを含む駆動機構によって、前記格納庫と前記扉との間に設けられた中扉を自動的に閉じる制御であることを特徴とする請求項5に記載の決済処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る決済処理システムの実施形態について説明する。
[1.決済処理システムSの構成及び機能概要]
先ず、
図1等を参照して、本実施形態に係る決済処理システムSの構成及び概要機能について説明する。
図1は、本実施形態に係る決済処理システムSの概要構成例を示す図である。
図1に示すように、決済処理システムSは、自動販売機1、及び管理サーバ2等を含んで構成される。自動販売機1は、通信ネットワークNWを介して管理サーバ2との間で通信可能になっている。また、自動販売機1の利用者により所持される携帯端末3は、決済アプリケーションを搭載しており、商品の決済時に、通信ネットワークNWを介して管理サーバ2との間で通信を行うことが可能になっている。通信ネットワークNWは、例えば、専用回線により構成されてもよいし、インターネット及び移動体通信ネットワーク等から構成されてもよい。また、自動販売機1は、携帯端末3との間で近距離無線通信(例えば、無線LANまたはBluetooth(登録商標)規格に基づく近距離無線通信)を行うことが可能になっている。携帯端末3の例として、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、または携帯ゲーム機などが挙げられる。
【0018】
なお、自動販売機1の設置場所は、特に限定されるものではないが、例えば人が出入り可能な建物内に設置される。
図1の例では、自動販売機1を1つ示しているが、複数の自動販売機1が異なる場所に設置される場合もある。また、管理サーバ2は、自動販売機1の管理及び制御を行うとともに、利用者のアカウントを管理し利用者の認証処理及び商品の決済処理を行う。管理サーバ2は、1つのサーバで構成されてもよいし、複数のサーバから構成されてもよい。また、管理サーバ2は、自動販売機1の管理及び制御を行うサーバと、利用者のアカウントを管理し利用者の認証処理及び商品の決済処理を行うサーバとに分けられてもよい。
【0019】
図2は、自動販売機1の外観を示す斜視図である。
図2に示すように、自動販売機1は、前面に開口部を有する本体11、本体11の開口部を塞ぐ扉12、商品を格納する格納庫13、本体11と扉12とを繋ぐヒンジ機構(図示せず)、扉12を施解錠する施解錠機構(図示せず)、扉12を自動的に閉鎖する扉駆動機構14(図示しないモーター等を含む)、及びディスプレイ15を備える。
【0020】
扉12は、例えば透明のガラス材料等から構成されており、扉12が閉じられている状態であっても、格納庫13の棚13aに陳列された商品が視認可能になっている。扉12は、本体11の開口部の一端縁部にヒンジ機構を介して開閉可能に取り付けられている。また、扉12が施解錠機構により施錠されている状態(つまり、扉12の開放がロックされている状態)では、自動販売機1の利用者は扉12を開くことができない。一方、扉12が解錠されると、自動販売機1の利用者は、扉12に設けられたハンドル(図示せず)を操作することで、
図2の右側に示すように、扉12を開くことが可能となる。
【0021】
ディスプレイ15は、例えば、自動販売機1の扉12の内側(例えばガラス面)に取り付けられる。ディスプレイ15には、利用者により格納庫13から取り出された商品の名称及び販売価格等が表示されるようになっている。なお、図示しないが、自動販売機1の扉12の外側にも、自動販売機1の販売機ID(自動販売機1の識別情報)を有するQRコード(登録商標)等の2次元コードを表示するディスプレイ等が取り付けられるとよい。
【0022】
図3は、自動販売機1の機能構成例を示す図である。
図3に示すように、自動販売機1は、通信部16、記憶部17、センサ部18、及びシステム制御部19を備える。通信部16は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御、及び携帯端末3との間で行われる近距離無線通信の制御を担う。記憶部17は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、自動販売機処理プログラム等を記憶する。また、記憶部17には、格納庫13に格納されている商品の商品情報を記憶する。商品情報には、例えば、商品の商品ID(商品の識別情報)、商品の名称、商品の販売価格、商品の重量、及び商品の写真画像等の情報が含まれる。センサ部18には、扉開閉検知用センサ18a、商品検知用センサ18b、及び人物検知用センサ18c等が含まれる。
【0023】
扉開閉検知用センサ18aは、自動販売機1の扉12の開閉を検知するためのセンサである。扉開閉検知用センサ18aは、例えば、本体11と扉12との境界部分に取り付けられる。扉開閉検知用センサ18aは、扉12が開かれている状態(開放状態)では開信号(ON信号)をシステム制御部19へ出力し、扉12が閉じられている状態(閉鎖状態)では閉信号(OFF信号)をシステム制御部19へ出力する。これにより、システム制御部19は、自動販売機1の扉12の開または閉を検知することができる。なお、扉開閉検知用センサ18aは、格納庫13の温度を計測する温度センサであってもよい。この場合、扉開閉検知用センサ18aは、計測した温度を示す温度データをシステム制御部19へ出力する。
【0024】
商品検知用センサ18bは、自動販売機1の格納庫13から取り出された商品を検知したり、または取り出し後に戻された商品を検知するためのセンサである。商品検知用センサ18bは、カメラであってもよいし、重量センサであってもよい。商品検知用センサ18bがカメラである場合、商品検知用センサ18bは本体11における開口部付近に取り付けられる。この場合、商品検知用センサ18bは、カメラにより連続的に撮像された範囲(自動販売機1の開口部及び格納庫13が収まる範囲)の画像データをシステム制御部19へ出力する。これにより、システム制御部19は、当該画像データに基づいて、取り出された商品または取り出し後に戻された商品を検知することができる。
【0025】
一方、商品検知用センサ18bが重量センサである場合、商品検知用センサ18bは格納庫13内の商品が置かれている場所(
図3の例では、格納庫13の棚13a)に取り付けられる。この場合、商品検知用センサ18bは、重量センサにより連続的に検出された重量データをシステム制御部19へ出力する。これにより、システム制御部19は、当該重量データに基づいて、取り出された商品または取り出し後に戻された商品を検知することができる。
【0026】
人物検知用センサ18cは、自動販売機1の扉12を開いた人物(つまり、利用者)を検知し追跡するためのセンサである。人物検知用センサ18cは、カメラであるとよい。特に、人物検知用センサ18cとして3Dカメラを用いることで、被写体である利用者の追跡及び当該利用者までの距離を計測(例えば、TOF(Time Of Flight)方式により測距)することができる。人物検知用センサ18cは、本体11における開口部付近に取り付けられる。人物検知用センサ18cは、カメラにより連続的に撮像された範囲(自動販売機1の開口部から離れる方向の範囲)の画像データ(3Dカメラを用いる場合、画像データの画素毎に計測された距離情報を含む)をシステム制御部19へ出力する。これにより、システム制御部19は、当該画像データに基づいて、扉12を開いた利用者を検知し追跡することができる。なお、人物検知用センサ18cは、赤外線センサ、超音波センサ、LADAR (Laser Detection and Ranging)等であってもよい。
【0027】
システム制御部19(コンピュータの一例)は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備える。
図4は、システム制御部19の機能構成例を示す図である。システム制御部19(システム制御部19内のプロセッサ)は、例えば記憶部17に記憶された自動販売機処理プログラムを実行することにより、
図4に示すように、開閉検知部191、商品特定部192、人物状態検知部193、施解錠制御部194、扉駆動制御部195、及び表示制御部196等として機能する。ここで、開閉検知部191は、第1検知部の一例であり、人物状態検知部193は、第2検知部及び距離測定部の一例である。施解錠制御部194は、第1制御部の一例である。扉駆動制御部195は、第2制御部の一例である。
【0028】
開閉検知部191は、扉開閉検知用センサ18aから入力された開信号に基づいて自動販売機1の扉12の開を検知(開放状態を検知)する。ここで、扉12の開放状態は、開信号の継続時間が所定時間以上である場合に検知されてもよい。また、開閉検知部191は、扉開閉検知用センサ18aから入力された閉信号に基づいて自動販売機1の扉12の閉を検知(閉鎖状態を検知)する。ここで、扉12の閉鎖状態は、閉信号の継続時間が所定時間以上である場合に検知されてもよい。
【0029】
また、開閉検知部191は、扉開閉検知用センサ18aから入力された温度データに基づいて自動販売機1の扉12の開または閉を検知してもよい。例えば、開閉検知部191は、当該温度データが示す温度が閾値未満である場合、自動販売機1の扉12の閉を検知し、当該温度データが示す温度が閾値以上になった場合に自動販売機1の扉12の開を検知する。なお、開閉検知部191により検知された開または閉を示す扉開閉情報は、通信部16により通信ネットワークNWを介して管理サーバ2へ送信される。
【0030】
商品特定部192は、商品検知用センサ18bから入力された画像データに基づいて、扉12の開が検知された後に利用者により格納庫13から取り出された商品または格納庫13からの取り出し後に戻された商品を検知し画像認識により特定する。ここで、画像認識には機械学習(AI)が用いられるとよい。この場合、商品特定部192は、多数の画像データとラベル(画像データが何を表すかの情報)との組合せに基づいてラベル毎に画像データの特徴を学習させた学習済モデルを用いて、商品検知用センサ18bから入力された画像データから商品を特定する。
【0031】
また、商品特定部192は、商品検知用センサ18bから入力された重量データに基づいて、格納庫13から取り出された商品または格納庫13からの取り出し後に戻された商品を検知し重量変化により特定してもよい。この場合、商品特定部192は、棚13a上の商品の配置情報(つまり、どの位置にどの商品があるかを示す情報)を予め記憶しておき、重量データに基づいて棚13a上で重量が変化した位置にある商品を上記配置情報から特定することで、取り出された商品または戻された商品を特定する。なお、商品特定部192により特定された商品(取り出された商品または戻された商品)を示す商品情報は、通信部16により通信ネットワークNWを介して管理サーバ2へ送信される。
【0032】
人物状態検知部193は、開閉検知部191により扉12の開が検知された後に、人物検知用センサ18cから入力された画像データに基づいて、扉12を開いた利用者を検知し追跡する(つまり、画像データから人物を認識して追跡する)。そして、人物状態検知部193は、扉12の閉が検知されていない状態において、当該検知された利用者が自動販売機1から離れた状態を検知する。例えば、追跡される利用者が画像データから検知できなくなった場合、或いは追跡される利用者の画像データにおける大きさが閾値以下になった場合に、当該利用者が自動販売機1から離れた状態として検知されるように設定される。別の例として、自動販売機1が携帯端末3(つまり、扉12を開いた利用者が所持する携帯端末3)との間で近距離無線通信が開始された後、当該携帯端末3との間の近距離無線通信が途絶えた場合に、人物状態検知部193は当該利用者が自動販売機1から離れた状態として検知してもよい。なお、人物状態検知部193により検知された、利用者が離れた状態を示す離脱状態情報は、通信部16により通信ネットワークNWを介して管理サーバ2へ送信される。
【0033】
また、人物検知用センサ18cが3Dカメラである場合、人物状態検知部193は、3Dカメラから入力された画像データ(距離情報を含む)に基づいて、自動販売機1から利用者が離れた距離(つまり、自動販売機1から利用者までの距離)を連続的に特定するとよい。この場合、連続的に特定された距離(例えば、複数回数特定した距離の平均値)が所定距離以上になった場合に、当該利用者が自動販売機1から離れた状態として検知されるように設定されるとよい。別の例として、自動販売機1から利用者までの距離は、LADAR(Laser Detection and Ranging)等の測距センサにより測定されてもよい。なお、人物状態検知部193により特定された距離を示す距離情報は、通信部16により通信ネットワークNWを介して管理サーバ2へ送信される。
【0034】
施解錠制御部194は、扉12を施解錠する制御を行う。例えば、施解錠制御部194は、管理サーバ2から解錠命令が受信された場合に、解錠制御信号を施解錠機構へ出力することで扉12を解錠する制御を行う。一方、施解錠制御部194は、管理サーバ2から施錠命令が受信された場合に、施錠制御信号を施解錠機構へ出力することで扉12を施錠する制御を行う。
【0035】
扉駆動制御部195は、格納庫13からの商品の取り出しを防止するための制御を行う。例えば、扉駆動制御部195は、管理サーバ2から閉鎖命令が受信された場合に、閉鎖制御信号を扉駆動機構14へ出力することで扉12を自動的に閉じる制御を行う。
【0036】
表示制御部196は、格納庫13から取り出された商品が商品特定部192により特定されたときに、当該特定された商品の名称及び販売価格等をディスプレイ15に表示する。これにより、利用者は格納庫13から取り出した商品の名称及び販売価格等を確認した上で、扉12を閉めて当該商品の決済に進むことができる。また、表示制御部196は、取り出し後に格納庫13に戻された商品が商品特定部192により特定されたときに、当該特定された商品の名称及び販売価格等の表示をディスプレイ15から消去する。
【0037】
図5は、管理サーバ2の機能構成例を示す図である。
図5に示すように、管理サーバ2は、通信部21、記憶部22、及びシステム制御部23を備える。管理サーバ2は、決済処理装置の一例である。通信部21は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。自動販売機1から送信された扉開閉情報、商品情報、離脱状態情報、及び距離情報等は通信部21により受信される。記憶部22は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、管理サーバプログラム等を記憶する。また、記憶部22には、販売機情報データベース(DB)22a、及び利用者情報データベース(DB)22b等が構築される。
【0038】
販売機情報データベース22aには、自動販売機1の販売機ID、自動販売機1に格納される商品の商品情報、及び自動販売機1のIPアドレス等が自動販売機1毎に対応付けられて格納される。利用者情報データベース22bには、アカウントが作成された利用者のUID(利用者の識別情報)、パスワード、氏名、電話番号、メールアドレス、及び決済用情報等が利用者毎に対応付けられて格納される。ここで、利用者のID及びパスワードは、利用者の認証処理に用いられる。決済用情報は、利用者が購入する商品の決済処理に用いられる情報である。決済用情報には、利用者が利用可能な決済方法に応じた情報が含まれる。
【0039】
利用可能な決済方法の例として、クレジット決済、電子マネー決済、及び即時引落決済等が挙げられる。利用可能な決済方法がクレジット決済である場合、決済用情報には、クレジットカード番号、名義、有効期限、与信限度額(与信枠)、利用可能額(与信限度額から当月利用額を減じた額)、及び口座情報等が含まれる。利用可能な決済方法が電子マネー決済である場合、決済用情報には、電子マネー番号、及び電子バリューの残高等の情報が含まれる。利用可能な決済方法が即時引落決済である場合、デビットカード番号、名義、有効期限、及び口座情報等が含まれる。なお、利用者の決済用情報は、決済方法に応じたサーバ(例えば、クレジット決済処理サーバ、電子マネー決済処理サーバ、即時引落決済処理サーバ)により管理されてもよい。この場合、管理サーバ2は、必要に応じて、決済方法に応じたサーバと通信を行い、利用者の決済用情報を取得する。
【0040】
システム制御部23(コンピュータの一例)は、CPU、ROM、及びRAM等を備える。
図6は、システム制御部23の機能構成例を示す図である。なお、システム制御部23は、自動販売機1から受信された扉開閉情報により、扉12の開閉状態を認識する。また、システム制御部23は、自動販売機1から受信された商品情報により、格納庫13から取り出された商品または格納庫13に戻された商品を認識する。また、システム制御部23は、自動販売機1から受信された離脱状態情報により、利用者が自動販売機1から離れた状態を認識する。また、システム制御部23は、自動販売機1から受信された距離情報により、自動販売機1から利用者までの距離を認識する。
【0041】
さらに、システム制御部23(システム制御部23内のプロセッサ)は、例えば記憶部22に記憶された管理サーバプログラムを実行することにより、
図6に示すように、認証処理部231、情報取得部232、決済処理部233、及び販売機制御部234等として機能する。ここで、決済処理部233は、第1決済処理部及び第2決済処理部の一例である。販売機制御部234は、自動販売機1の施解錠制御部194と連携して扉12を施解錠する制御を行うとともに、自動販売機1の扉駆動制御部195と連携して商品の取り出しを防止するための制御を行う。
【0042】
認証処理部231は、扉12が施錠されている状態において、例えば、自動販売機1を利用する利用者の携帯端末3から認証要求があった場合に、当該利用者の認証処理を行う。ここで、認証要求には、利用者が利用する自動販売機1の販売機ID、当該利用者のUID及びパスワード等が含まれる。利用者の認証処理では、例えば、認証要求に含まれるUID及びパスワードの組が利用者情報データベース22bに格納(登録)されているか否かが判定される。換言すると、認証要求に係る利用者が決済用情報を有するかどうかが判定される。そして、当該UID及びパスワードの組が格納されている場合には利用者が認証されて認証成功となる一方、当該UID及びパスワードの組が格納されていない場合には利用者が認証されずに認証失敗となる。これにより、認証された利用者以外による商品の持ち出しを防ぐことができ、認証された利用者に対する決済処理を正確に実行することができる。
【0043】
なお、利用者の認証処理において、認証要求に含まれるUID及びパスワードの組が格納されている場合に、さらに、当該利用者に支払能力があるか否かが判定され、支払能力がある場合に認証成功とされてもよい。例えば、利用者の決済方法としてクレジット決済が指定されている場合、当該利用者の与信照会が行われ、与信承認された場合に(つまり、支払能力がある場合に)認証成功とされる。例えば、与信照会において、有効期限が過ぎていないこと、及び利用可能額が所定額以上であることが確認された場合に与信承認される。或いは、利用者の決済方法として電子マネー決済が指定されている場合、電子バリューの残高が所定額以上である場合に認証成功とされる。なお、認証要求は、利用者のUID及びパスワードを取得した自動販売機1から管理サーバ2へ送信されてもよい。この場合、自動販売機1は、例えば近距離無線通信を介して携帯端末3から利用者のUID及びパスワードを取得する。
【0044】
情報取得部232は、認証処理部231により認証された利用者の決済用情報を当該利用者のUIDをキーとして利用者情報データベース22bから取得する。決済処理部233は、自動販売機1の扉12の開が検知された後に扉12の閉が検知された場合に、情報取得部232により取得された決済用情報に基づいて、上記取り出された商品(つまり、扉12の開から閉までの間に取り出された商品)の決済処理を行う。つまり、利用者により購入される商品の決済処理が行われる。商品の決済処理では、情報取得部232により取得された決済用情報に含まれる決済方法にしたがって当該商品の販売価格に相当する額の支払い処理(つまり、利用者に対して当該額の支払いを課す処理)が行われる。
【0045】
また、決済処理部233は、自動販売機1の扉12の開が検知された後に扉12の閉が検知されていない状態において自動販売機1から利用者が離れた状態が検知された場合に、情報取得部232により取得された決済用情報に基づいて、上記取り出された商品(つまり、扉12の開から利用者が離れるまでの間に取り出された商品)の決済処理を行う。なお、決済処理部233は、自動販売機1の扉12の開が検知された後に扉12の閉が検知されていない状態が所定時間以上継続し、且つ、自動販売機1から利用者が離れた状態が検知された場合に、当該扉12の開から利用者が離れるまでの間に取り出された商品の決済処理を行ってもよい。
【0046】
販売機制御部234は、認証処理部231により認証要求に係る利用者が認証された場合(認証成功した場合)に、通信ネットワークNWを介して自動販売機1(つまり、認証要求に含まれる販売機IDにより識別される自動販売機1)へ扉12の解錠命令を送信する。また、販売機制御部234は、自動販売機1の扉12の閉が検知された場合に、通信ネットワークNWを介して自動販売機1へ扉12の施錠命令を送信する。また、販売機制御部234は、自動販売機1の扉12の閉が検知されていない状態において決済処理部233により商品の決済処理が行われた場合に、通信ネットワークNWを介して自動販売機1へ扉12の閉鎖命令を送信する。
[2.決済処理システムSの動作]
次に、
図7〜
図9を参照して、決済処理システムSの動作について説明する。
図7は、管理サーバ2の処理の一例を示すフローチャートである。
図8は、
図7におけるステップS14の処理例1を示すフローチャートであり、
図9は、
図7におけるステップS14の処理例2を示すフローチャートである。
【0047】
先ず、携帯端末3を所持する利用者は、自動販売機1の扉12の前に行き、携帯端末3の決済アプリケーションを起動して自動販売機1から販売機IDを取得する。ここで、自動販売機1の販売機IDは、自動販売機1の扉12のディスプレイに表示された2次元コードを携帯端末3のカメラにより読み取ることで取得される。或いは、自動販売機1の販売機IDは、自動販売機1の通信部16から発信された、販売機IDを有する無線信号(例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)によるビーコン信号)を携帯端末3の近距離無線通信部により受信することで取得されてもよい。そして、携帯端末3は、決済アプリケーションにより通信ネットワークNWを介して管理サーバ2にアクセスし、自動販売機1から取得された販売機IDと、決済アプリケーションにより登録済のUID及びパスワードと含む認証要求を管理サーバ2へ送信する。このとき、自動販売機1の扉12はまだ施錠されている。
【0048】
管理サーバ2は、自動販売機1からの認証要求を受信すると、
図7に示す処理を開始する。
図7に示す処理が開始されると、管理サーバ2の認証処理部231は、利用者の認証処理を行う(ステップS1)。当該認証処理の結果が認証成功である場合(ステップS2:YES)、認証された利用者の決済用情報が情報取得部232により利用者情報データベース22bから取得され、処理はステップS3へ進む。例えば、認証要求に含まれるUID及びパスワードの組が利用者情報データベース22bに格納されている場合、認証成功となる。一方、当該認証処理の結果が認証成功でない場合(ステップS2:NO)、
図7に示す処理は終了する。
【0049】
ステップS3では、管理サーバ2の販売機制御部234は、通信ネットワークNWを介して自動販売機1へ扉12の解錠命令を送信する。換言すると、販売機制御部234は、上記解錠命令により、第1制御部として、自動販売機1の扉12を解錠する制御を行う。自動販売機1の施解錠制御部194は、当該解錠命令に応じて、扉12を解錠する制御を行う。これにより、自動販売機1の扉12が解錠される。なお、システム制御部23は、ステップS3で解錠命令を送信すると、設定時間が異なるタイマーA1とタイマーA2を起動する。タイマーA1とタイマーA2は、後述する処理で用いられる。
【0050】
次いで、管理サーバ2のシステム制御部23は、自動販売機1の扉12の開が検知されたか否かを判定する(ステップS4)。自動販売機1において、利用者が扉12に設けられたハンドルを操作することで扉12を開くと、自動販売機1の開閉検知部191は、自動販売機1の扉12の開を検知する。そして、当該開を示す扉開閉情報が通信ネットワークNWを介して管理サーバ2へ送信される。なお、利用者が扉12を開くと、自動販売機1の人物状態検知部193は、例えば、人物検知用センサ18cから入力された画像データに基づいて、扉12を開いた利用者を検知し追跡することになる。
【0051】
そして、管理サーバ2のシステム制御部23は、自動販売機1から、扉12の開を示す扉開閉情報を受信した場合に、自動販売機1の扉12の開が検知されたと判定し(ステップS4:YES)、ステップS6へ進む。換言すると、システム制御部23は、上記扉開閉情報に基づき、第1検知部として、自動販売機1の扉の開を検知する。なお、管理サーバ2のシステム制御部23は、扉12の開が検知されたと判定したときにタイマーA1及びタイマーA2を起動してもよい。一方、管理サーバ2のシステム制御部23は、自動販売機1の扉12の開が検知されていないと判定した場合(ステップS4:NO)、ステップS5へ進む。
【0052】
ステップS5では、管理サーバ2のシステム制御部23は、解錠命令の送信から所定時間が経過したか否かを判定する。例えば、上記タイマーA1により設定された時間(例えば、30秒〜60秒程度)がカウントアップした場合に、所定時間が経過したと判定され(ステップS5:YES)、ステップS13へ進む。一方、所定時間が経過していないと判定された場合(ステップS5:NO)、ステップS4に戻る。
【0053】
ステップS6では、管理サーバ2のシステム制御部23は、利用者により格納庫13から商品が取り出されたか否かを判定する。自動販売機1において、利用者が格納庫13から商品を取り出すと、自動販売機1の商品特定部192は、取り出された商品を画像認識により特定(または、重量変化により特定)する。そして、当該商品の商品情報(取り出されたことを示すフラグ等を含む)が通信ネットワークNWを介して管理サーバ2へ送信される。このとき、自動販売機1の表示制御部196は、当該特定された(取り出された)商品の名称及び販売価格等をディスプレイ15に表示する。
【0054】
そして、管理サーバ2のシステム制御部23は、自動販売機1から、上記特定された(取り出された)商品の商品情報を受信した場合に、当該商品が取り出されたと判定し(ステップS6:YES)、当該取り出された商品の商品情報を記録し(ステップS7)、ステップS8へ進む。換言すると、システム制御部23は、記録される商品情報に基づき、商品特定部として、格納庫13から取り出された商品を特定する。ここで、商品情報を記録とは、例えば、決済対象となる商品のリストに記録(登録)されることをいう。一方、管理サーバ2のシステム制御部23は、格納庫13から商品が取り出されていないと判定した場合(ステップS6:NO)、ステップS8へ進む。
【0055】
ステップS8では、管理サーバ2のシステム制御部23は、利用者により取り出された商品が格納庫13に戻されたか否かを判定する。自動販売機1において、利用者が取り出した商品を格納庫13に戻すと、自動販売機1の商品特定部192は、戻された商品を画像認識により特定(または、重量変化により特定)する。そして、当該商品の商品情報(戻されたことを示すフラグ等を含む)が通信ネットワークNWを介して管理サーバ2へ送信される。このとき、自動販売機1の表示制御部196は、当該特定された(戻された)商品の名称及び販売価格等の表示をディスプレイ15から消去する。
【0056】
そして、管理サーバ2のシステム制御部23は、自動販売機1から、上記特定された(戻された)商品の商品情報を受信した場合に、当該商品が格納庫13に戻されたと判定し(ステップS8:YES)、当該戻された商品の商品情報の記録を消去(例えば、上記リストから消去)し(ステップS9)、ステップS10へ進む。一方、管理サーバ2のシステム制御部23は、商品が格納庫13に戻されていないと判定した場合(ステップS8:NO)、ステップS10へ進む。
【0057】
ステップS10では、管理サーバ2のシステム制御部23は、自動販売機1の扉12の閉が検知されたか否かを判定する。自動販売機1において、利用者は取り出した商品の名称及び販売価格等をディスプレイ15で確認した上で当該商品の決済処理に進めるべく、扉12を閉じると、自動販売機1の開閉検知部191は、自動販売機1の扉12の閉を検知する。そして、当該閉を示す扉開閉情報が通信ネットワークNWを介して管理サーバ2へ送信される。
【0058】
そして、管理サーバ2のシステム制御部23は、自動販売機1から、扉12の閉を示す扉開閉情報を受信した場合に、自動販売機1の扉12の閉が検知されたと判定し(ステップS10:YES)、ステップS11へ進む。換言すると、システム制御部23は、上記扉開閉情報に基づき、第1検知部として、自動販売機1の扉の閉を検知する。一方、管理サーバ2のシステム制御部23は、自動販売機1の扉12の閉が検知されていないと判定した場合(ステップS10:NO)、ステップS14へ進む。
【0059】
ステップS11では、管理サーバ2のシステム制御部23は、商品情報が記録(例えば、上記リストに記録)されているか否かを判定する。管理サーバ2のシステム制御部23は、商品情報が記録されていると判定した場合(ステップS11:YES)、上記認証された利用者の決済用情報及び上記記録された商品情報に基づいて、決済処理部233により決済処理を行い(ステップS12)、ステップS13へ進む。この決済処理により、当該利用者に対して当該商品の販売価格に相当する額の支払いが課される。一方、管理サーバ2のシステム制御部23は、商品情報が記録されていないと判定した場合(ステップS11:NO)、ステップS13へ進む。
【0060】
ステップS13では、管理サーバ2の販売機制御部234は、通信ネットワークNWを介して自動販売機1へ扉12の施錠命令を送信し、
図7に示す処理は終了する。自動販売機1の施解錠制御部194は、当該施錠命令に応じて、扉12を施錠する制御を行う。これにより、自動販売機1の扉12が施錠される。
【0061】
ステップS14では、利用者が離れた状態の検知処理が実行される。この検知処理の例として、
図8に示す処理例1と、
図9に示す処理例2とが挙げられ、どちらが採用されてもよい。
図8に示す処理例1では、管理サーバ2のシステム制御部23は、扉12の開が検知された後に扉12の閉が検知されていない状態において、自動販売機1から利用者が離れた状態が検知されたか否かを判定する(ステップS14a)。自動販売機1において、利用者が自動販売機1から、ある距離以上離れると、自動販売機1の人物状態検知部193は、例えば、人物検知用センサ18cから入力された画像データに基づいて自動販売機1から離れた状態を検知する。そして、当該離れた状態を示す離脱状態情報が通信ネットワークNWを介して管理サーバ2へ送信される。
【0062】
そして、管理サーバ2のシステム制御部23は、自動販売機1から、利用者が離れた状態を示す離脱状態情報を受信した場合に、当該利用者が離れた状態が検知されたと判定し(ステップS14a:YES)、ステップS14bへ進む。換言すると、システム制御部23は、上記離脱状態情報に基づき、第2検知部として、自動販売機1から利用者が離れた状態を検知する。
【0063】
なお、ステップS14aにおいて、システム制御部23は、扉12の開が検知された後に扉12の閉が検知されていない状態が所定時間以上継続し、且つ、自動販売機1から利用者が離れた状態が検知されたか否かを判定してもよい。これにより、安全に決済処理を完了させることができるとともに、利用者が一時的に自動販売機1から離れて戻ってくるケースなどに柔軟に対応することができる。例えば、上記タイマーA2により設定された時間(例えば、20秒〜40秒程度)がカウントアップした場合(つまり、扉12の開が検知された時点からカウントして上記設定された時間に達した場合)に、所定時間以上継続したと判定される。或いは、管理サーバ2のシステム制御部23は、利用者が離れた状態が検知されたと判定したときにタイマーBを起動してもよい。この場合、利用者が離れた状態が検知された時点からカウントして上記設定された時間に達した場合に、所定時間以上継続したと判定される。一方、管理サーバ2のシステム制御部23は、当該離れた状態が検知されていないと判定した場合(ステップS14a:NO)、
図7に示すステップS6へ戻る。
【0064】
ステップS14bでは、管理サーバ2のシステム制御部23は、商品情報が記録されているか否かを判定する。管理サーバ2のシステム制御部23は、商品情報が記録されていると判定した場合(ステップS14b:YES)、上記認証された利用者の決済用情報及び上記記録された商品情報に基づいて、決済処理部233により決済処理を行い(ステップS14c)、ステップS14dへ進む。一方、管理サーバ2のシステム制御部23は、商品情報が記録されていないと判定した場合(ステップS14b:NO)、ステップS14dへ進む。
【0065】
ステップS14dでは、管理サーバ2の販売機制御部234は、通信ネットワークNWを介して自動販売機1へ扉12の閉鎖命令を送信する。換言すると、販売機制御部234は、上記閉鎖命令により、第2制御部として、自動販売機1の格納庫13からの商品の取り出しを防止するための制御を行う。自動販売機1の扉駆動制御部195は、管理サーバ2から閉鎖命令が受信された場合に、扉12を自動的に閉じる制御を行う。これにより、自動販売機1の扉12が自動的に閉鎖される。次いで、管理サーバ2の販売機制御部234は、通信ネットワークNWを介して自動販売機1へ扉12の施錠命令を送信し(ステップS14e)、
図8に示す処理は終了する。なお、販売機制御部234は、ステップS14dで閉鎖命令の送信後、自動販売機1から、扉12の閉を示す扉開閉情報を受信することにより、扉12の閉が検知されたと判定した場合に、自動販売機1へ扉12の施錠命令を送信してもよい。自動販売機1の施解錠制御部194は、当該施錠命令に応じて、扉12を施錠する制御を行う。これにより、自動販売機1の扉12が施錠される。
【0066】
一方、
図9に示す処理例2は、自動販売機1から少し離れた位置(ただし、利用者が離れた状態として検知される位置)にある椅子やテーブル等で格納庫13から取り出した商品を利用者が飲食するケースを想定する。この場合、人物検知用センサ18cとして3Dカメラが用いられるとよい。
図9に示す処理例2においても、管理サーバ2のシステム制御部23は、扉12の開が検知された後に扉12の閉が検知されていない状態において、自動販売機1から利用者が離れた状態が検知されたか否かを判定する(ステップS14f)。自動販売機1において、利用者が自動販売機1から離れると、自動販売機1の人物状態検知部193は、例えば、人物検知用センサ18cから入力された画像データ(距離情報を含む)に基づいて、自動販売機1から利用者が離れた距離を特定(例えば、複数回数特定)し、特定された距離(例えば、複数回数特定した距離の平均値)が所定距離(例えば、1m)以上になった場合に、当該利用者が自動販売機1から離れた状態を検知する。そして、当該離れた状態を示す離脱状態情報及びその検知時に特定された距離を示す距離情報が通信ネットワークNWを介して管理サーバ2へ送信される。
【0067】
そして、管理サーバ2のシステム制御部23は、自動販売機1から、利用者が離れた状態を示す離脱状態情報及び距離情報を受信した場合に、当該利用者が離れた状態が検知されたと判定し(ステップS14f:YES)、ステップS14gへ進む。このとき、システム制御部23は、上記距離情報に基づき、距離特定部として、自動販売機1から利用者が離れた距離を特定する。一方、管理サーバ2のシステム制御部23は、当該離れた状態が検知されていないと判定した場合(ステップS14f:NO)、
図7に示すステップS6へ戻る。ステップS14gでは、管理サーバ2のシステム制御部23は、受信された距離情報が示す距離(つまり、利用者が離れた距離)がXm(第1の所定距離)以上、且つYm(第2の所定距離)未満であるか否かを判定する。管理サーバ2のシステム制御部23は、受信された距離情報が示す距離がXm(例えば、1m)以上、且つYm(例えば、5m)未満でない(つまり、当該距離がYm以上である)と判定した場合(ステップS14g:NO)、ステップS14iへ進む。一方、管理サーバ2のシステム制御部23は、受信された距離情報が示す距離がXm以上、且つYm未満であると判定した場合(ステップS14g:YES)、ステップS14hへ進む。
【0068】
ここで、上記距離がXm以上、且つYm未満である場合には、利用者が自動販売機1の近くに留まっている(例えば、利用者が椅子やテーブル等が有る位置にいる)場合が該当する。この場合、利用者は、扉12を開放した状態で、自動販売機1とテーブル等がある位置とを行き来しながら、何度か商品を格納庫13から取り出してテーブルに置くことが想定される。そのような時間(ただし、安全に決済処理を完了させるという趣旨から逸脱しない時間)を確保するため、ステップS14hにおいて、管理サーバ2のシステム制御部23は、扉12の閉が検知されていない状態が所定時間以上継続したか否かを判定し、所定時間以上継続したと判定するまで繰り返す。例えば、上記タイマーA2により設定された時間(例えば、1分〜2分程度)がカウントアップした場合(つまり、扉12の開が検知された時点からカウントして上記設定された時間に達した場合)に、所定時間以上継続したと判定される。或いは、管理サーバ2のシステム制御部23は、利用者が離れた状態が検知されたと判定したときにタイマーBを起動してもよい。この場合、利用者が離れた状態が検知された時点からカウントして上記設定された時間に達した場合に、所定時間以上継続したと判定される。
【0069】
そして、管理サーバ2のシステム制御部23は、扉12の閉が検知されていない状態が所定時間以上継続したと判定した場合(ステップS14h:YES)、ステップS14iへ進む。つまり、上記距離がXm以上、且つYm未満である場合、扉12の閉が検知されていない状態が所定時間以上継続したことを条件として、取り出された商品の決済処理が行われることになる。一方、上記距離がYm以上である(例えば、利用者が扉12を閉めずに自動販売機1から立ち去った)場合、扉12の閉が検知されていない状態が所定時間以上継続したか否かに関わらず、取り出された商品の決済処理が直ちに行われることになる。このように、安全に決済処理を完了させることができるとともに、自動販売機1から少し離れた位置において、利用者が取り出した商品を飲食するケースなどに柔軟に対応することができる。
【0070】
ステップS14iでは、
図8に示すステップS14bと同様、管理サーバ2のシステム制御部23は、商品情報が記録されているか否かを判定する。管理サーバ2のシステム制御部23は、商品情報が記録されていると判定した場合(ステップS14i:YES)、
図8に示すステップS14cと同様、上記認証された利用者の決済用情報及び上記記録された商品情報に基づいて、決済処理部233により決済処理を行い(ステップS14j)、ステップS14kへ進む。一方、管理サーバ2のシステム制御部23は、商品情報が記録されていないと判定した場合(ステップS14j:NO)、ステップS14kへ進む。ステップS14kでは、
図8に示すステップS14dと同様、管理サーバ2の販売機制御部234は、通信ネットワークNWを介して自動販売機1へ扉12の閉鎖命令を送信する。次いで、
図8に示すステップS14eと同様、管理サーバ2の販売機制御部234は、通信ネットワークNWを介して自動販売機1へ扉12の施錠命令を送信し(ステップS14l)、
図9に示す処理は終了する。
【0071】
以上説明したように、上記実施形態によれば、決済処理システムSは、自動販売機1の扉12の開が検知された後に扉12の閉が検知された場合に、利用者の決済用情報に基づいて、当該利用者により取り出された商品の決済処理を行う一方、自動販売機1の扉12の開が検知された後に扉12の閉が検知されていない状態において自動販売機1から利用者が離れた状態が検知された場合に、利用者の決済用情報に基づいて、当該利用者により取り出された商品の決済処理を行うように構成したので、自動販売機1の扉12が閉じられない状態が続いたとしても、安全に決済処理を完了させることができる。すなわち、例えば利用者が扉12を閉め忘れたまま立ち去った場合であっても、第三者が商品を格納庫13から取り出すことで、立ち去った利用者に対して当該商品の支払い義務が課されることを防ぐ(つまり、利用者の保護を図る)ことができる。
【0072】
また、上記実施形態によれば、決済処理システムSは、自動販売機1の扉12の閉が検知されていない状態において商品の決済処理が行われた場合に、格納庫13からの商品の取り出しを防止するための制御を行うように構成したので、例えば利用者が扉12を閉め忘れたまま立ち去った場合であっても、安全に決済処理を完了させることができるとともに、第三者が商品を格納庫13から持ち出すことを防ぐ(つまり、自動販売機1のオーナーの保護を図る)ことができる。
【0073】
なお、上記実施形態において、格納庫13からの商品の取り出しを防止するための制御の一例として、扉駆動制御部195及び扉駆動機構14によって扉12を自動的に閉じる制御を示した。この構成により、商品の取り出しを防止するための複雑な機構を自動販売機1に追加することなく、第三者が商品を格納庫13から持ち出すことを防ぐことができるが、この構成に限定されなくてもよい。例えば、格納庫13の棚13aに商品の取り出し防止機構を設けたり、或いは、格納庫13と扉12との間に中扉を設けて、商品の取り出しを防止するための制御が行われるように構成してもよい。
図10は、格納庫13と扉12との間に中扉12aが設けられた自動販売機1の外観を示す斜視図である。
図10の例では、図示しないが、自動販売機1には、中扉12a(例えば、シャッター)を駆動させる中扉駆動機構が更に設けられる。この場合、自動販売機1の扉駆動制御部195は、管理サーバ2から閉鎖命令が受信された場合に、閉鎖制御信号を中扉駆動機構へ出力することで中扉12aを自動的に閉じる制御を行う。例えば自動販売機1の上部に収納された中扉12aは、中扉駆動機構によって、自動販売機1の下部方向(矢印方向)に下がる。これにより、自動販売機1の扉12が何らかの理由で閉まらなくなった場合であっても、第三者が商品を格納庫13から持ち出すことを防ぐことができる。
【0074】
なお、上記実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、上記実施形態においては、管理サーバ3が商品の決済処理を行うように構成したが、これに代えて、自動販売機1が商品の決済処理を行うように構成してもよい。この場合、自動販売機1は決済処理装置として機能し、システム制御部19は、管理サーバ2と通信により連携しつつ、情報取得部、第1決済処理部、及び第2決済処理部として機能し、
図6に示す処理を実行する。
決済処理システムSは、自動販売機1の扉12の開が検知された後に扉12の閉が検知された場合に、利用者の決済用情報に基づいて、当該利用者により取り出された商品の決済処理を行う一方、自動販売機1の扉12の開が検知された後に扉12の閉が検知されていない状態において自動販売機1から利用者が離れた状態が検知された場合に、利用者の決済用情報に基づいて、当該利用者により取り出された商品の決済処理を行う。