(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して詳細に説明する。
図1は実施形態に係る画像形成装置1の概略図、
図2は
図1の画像形成装置1における入力部2の概略図、
図3は
図1の画像形成装置1におけるハードウエア構成のブロック図である。
図1において、画像形成装置1は、印刷処理を行う印刷機能と、シート(記録媒体)をリユースするための消色処理を行う消色機能とを有する。印刷機能を実行する印刷処理部は、定着温度で溶融するトナー画像をシートに転写し、定着部8で加熱、加圧によりトナー画像をシートに定着する。消色機能を実行する消色処理部は、消色温度で加熱されると消色する消色性色材である消色トナーにより印刷された画像を消色する。印刷機能に用いられるトナーは、消色性を有していてもいなくても良い。
【0010】
消色性色材は、呈色性化合物、顕色剤、消色剤を含む。呈色性化合物は、例えばロイコ染料が挙げられる。顕色剤は、例えばフェノール類が挙げられる。消色剤は、加熱されると呈色性化合物と相溶し、顕色剤と親和性を有さない物質が挙げられる。消色可能な色材は、呈色性化合物と顕色剤との相互作用により発色し、消色温度以上の加熱により呈色性化合物と顕色剤との相互作用が絶たれるため消色する。
【0011】
本実施形態における「消色」とは、シートの下地の色とは異なる色(有彩色のみならず白色および黒色等の無彩色を含む)で形成された画像を視覚的に見えなくすることを意味する。ここで、「視覚的に見えなくする」とは、シートの下地の色とは異なる色で形成された画像が無色化(透明)する形態以外に、シートの下地の色とは異なる色で形成された画像をシートの下地の色と同一または近似する色に変色させる構成であってもよい。
【0012】
画像形成装置1において、装置本体1Aの上部にはスキャナ部4が配置され、スキャナ部4の上部にはADF3(原稿自動給紙部)が配置される。ADF3は、原稿自動読み取り機能と消色機能を兼用する。
【0013】
装置本体1A内に、プリンタ部5、給紙カセット部6、シート搬送路7、定着部8、排紙ローラ9、排紙部10、入力部2、電源部11、画像形成装置1の全体をコントロールするコントローラ12、記憶部13等が配置される。
【0014】
ADF3において、給紙トレイ31と排紙トレイ32との間をU形状のシート搬送路33が接続する。シート搬送路33の搬送方向における上流側に表裏反転用の反転搬送路34の一端が接続し、シート搬送路33の搬送方向における下流側に反転搬送路34の他端が接続する。反転搬送路34の他端がシート搬送路33に接続する分岐位置36には、分岐位置36の下流側から搬送されるシートの搬送方向を反転搬送路34側に切り替える切り替え部材35がある。スキャナ部4は、ADF3によるシート上の画像の読み取りの際に、走査光学部41が
図1に示す位置まで移動して停止する。
【0015】
画像形成装置1がシートの両面の読み取りを行う場合、給紙トレイ31からシート搬送路33にシートを搬送し、第1面の画像を走査光学部41の位置で読み取る。画像形成装置1は、シートを下流側に搬送して分岐位置36を通過させる。画像形成装置1は、シートの一部が排紙トレイ32上に出た状態でシートの下流側への搬送を停止する。
【0016】
画像形成装置1は、排紙トレイ32上に一部が出ているシートをシート搬送路33の上流側に搬送し、切り替え部材35によってシートをシート搬送路33から反転搬送路34に搬送する。画像形成装置1は、シートを反転搬送路34を経て再びシート搬送路33に搬送し、走査光学部41により第2面を読み取った後、シートを排紙トレイ32に排紙する。
【0017】
シート搬送路33において、走査光学部41の停止位置と反転搬送路34の分岐位置36との間に消色部37がある。
【0018】
画像形成装置1は、消色部37を消色温度まで加熱することにより、消色トナーにより形成されたシート上の画像を消色できる。すなわち、画像形成装置1は、ユーザにより入力部2にて消色モードが選択され、スタートスイッチがONされたことを検知すると、消色トナーにより形成された画像を有する給紙トレイ31上のシートP1を順次シート搬送路33に搬送する。画像形成装置1は、走査光学部41によってシートP1上の画像を読み込んだ後、消色部37によって画像を消色する。その後、画像形成装置1は、シートを反転搬送路34に搬送し、シートP1の第2面の読み取りと消色を行う。なお、画像形成装置1は、読み取ったシートP1の第1面および第2面上の画像を記憶部13に保存する。
【0019】
本実施形態において、ADF3に消色機能を兼用させているが、ADF3とは別に独立して装置本体1A内に消色部、および画像消色用の搬送路等を配置してもよい。また、装置本体1Aに取り付けられるフィニッシャーに消色部を設けてもよい。
【0020】
プリンタ部5では、感光体ドラム51の周囲に現像器52、転写ローラ53、クリーニング部54等が配置される。レーザー等の画像露光部55により感光体ドラム51に画像光が照射され、感光体ドラム51の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、現像器52のトナーにより現像される。そして、給紙カセット部6から給紙されるシートP2に、トナー画像が転写ローラ53によって転写される。
【0021】
給紙カセット部6に収容されているシートP2は、シート搬送路7に給紙された後、転写ローラ53と感光体ドラム51とのニップ部を経て定着部8に搬送される。
【0022】
ニップ部は、定着部8において、加熱ローラ81と加圧ローラ82が加圧接触する領域である。未定着のトナー画像が転写されたシートP2はニップ部を通過する。未定着のトナー画像は、ニップ部で加熱、加圧されてシートP2に定着する。画像が定着したシートP2は、排紙ローラ9により排紙部10に排紙される。本実施形態では、プリンタ部5は単色の画像を形成する構成とするが、プリンタ部5はフルカラーの画像を形成する構成であってもよい。
【0023】
電源部11は、商用電源から電源コード111を介して供給される電力を、定着部8と消色部37を含む画像形成装置1の各構成要素に供給する。
【0024】
図3に示すブロック図に基づいて、画像形成装置1のハードウエア構成を説明する。コントローラ12、入力部2、表示部21、記憶部(HDD)13、定着部8、消色部37、スキャナ部4、ADF3、プリンタ部5はバス14に接続される。消色動作の際には、ADF3、スキャナ部4及び消色部37が動作する。これらの要素3,4,37を含んで消色機能を実行する消色処理部が構成される。印刷動作の際には、プリンタ部5、及び定着部8が動作する。これらの要素5,8を含んで印刷機能を実行する印刷処理部が構成される。
【0025】
コントローラ12は、CPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)からなるプロセッサ121、メモリ122を有する。
【0026】
メモリ122は、例えば、半導体メモリであり、各種制御プログラムを格納するROM(Read ONly Memory)123と、プロセッサ121に一時的な作業領域を提供するRAM(Random Access Memory)124とを有する。プロセッサ121は、メモリ122内のプログラムを読み込んで実行することにより、
図4、
図5及び
図7のフローチャートに示すように、定着部8と消色部37に対する処理を実行する。
【0027】
コントローラ12は、画像形成装置1の各構成要素への電力供給をコントロールする。定着部8と消色部37は、例えばハロゲンランプ等の熱源と、温度センサー等を有する。コントローラ12は、例えば前記温度センサーの検出温度に基づいて定着部8と消色部37の温度を制御する。
【0028】
定着部8と消色部37の各熱源に対する通電をコントロールするコントローラ12の各種のモードがROM123に記憶される。各種のモードの選択は、
図2に示すように、入力部2により行われる。
【0029】
図2において、入力部2は、表示パネルである表示部21を備える。表示部21内には、コントローラ12のモードを切り替えるためのタッチスイッチとして、コピースイッチ201、印刷スイッチ202、スキャンスイッチ203、消色スイッチ204が表示される。
【0030】
コピースイッチ201は、スキャナ部4により読み取った原稿をコピーするコピーモードにコントローラ12を切り替える。印刷スイッチ202は、パソコンから転送された画像データやUSBメモリ内に記憶された画像データ等を印刷する印刷モードにコントローラ12を切り替える。スキャンスイッチ203は、スキャナ部4によりシートの読み取りを行うスキャンモードにコントローラ12を切り替える。消色スイッチ204は、シート上の画像を消色する消色モードにコントローラ12を切り替える。
【0031】
コントローラ12は、印刷モード時において、入力部2にて印刷ジョブの設定を受け付けた後、不図示のスタートスイッチ等が押されることにより印刷動作指示を受け付けると、印刷動作を行う(印刷ジョブを実行する)。
コントローラ12は、消色モード時において、入力部2にて消色ジョブの設定を受け付けた後、不図示のスタートスイッチ等が押されることにより消色動作指示を受け付けると、消色動作を行う(消色ジョブを実行する)
【0032】
入力部2において表示部21外には、省電力モードを選択する省電力モードスイッチ205、受付拒否モードスイッチ206、受付許可モードスイッチ207、優先モードスイッチ208がある。
【0033】
コントローラ12による定着部8および消色部37の温度制御に係るモードとして、スリープモード、省電力モード、ウォーミングアップ(復帰)モード、待機モード(Readyモード)、印刷実行モード、消色実行モードがある。
【0034】
各モードにおける定着部8及び消色部37の合計電力消費量は、小さい順に、スリープモード、省電力モード、待機モード、印刷実行モード、消色実行モード、ウォーミングアップモードである。
【0035】
消色実行モードまたは印刷実行モードと、ウォーミングアップモードとは、同等の電力消費量であってもよい。この場合においても消色実行モード及び印刷実行モードにおける電力消費量は、省電力モードまたは待機モードにおける電力消費量より大きい。同様に、ウォーミングアップモードにおける電力消費量は、省電力モードまたは待機モードにおける電力消費量よりも大きい。
【0036】
待機モード、消色実行モード、印刷実行モードでは、定着部8が定着実行温度または定着実行温度に近い定着待機温度となっており短時間で印刷動作を実行できる状態であるか、消色部37が消色実行温度または消色実行温度に近い消色待機温度となっており、短時間で消色動作を実行できる。待機モード、消色実行モード、印刷実行モードを第1モードとする。
【0037】
電源OFF時、スリープモード、省電力モードでは、定着部8が定着実行温度および定着待機温度以下であり、かつ、消色部37が消色実行温度および消色待機温度以下であり、印刷動作または消色動作を行うために、時間をかけて定着部8または消色部37を昇温(ウォーミングアップ)し、第1モード(待機モード、印刷実行モード、消色実行モード)に復帰する必要がある。電源OFF時、スリープモード、省電力モードを第2モードとする。
【0038】
(省電力モード)
コントローラ12は、印刷処理又は消色処理の後等になる待機モードにおいて一定時間、印刷処理又は消色処理を実行しない場合、あるいは省電力モードスイッチ205のON信号を取得する場合、省電力モードとなる。省電力モードでは、コントローラ12は、電力消費を抑制しつつ、印刷処理又は消色処理の実行開始までの時間を短縮するために、定着部8又は消色部37をある程度高い温度に維持する。
【0039】
すなわち、コントローラ12は、定着部8を、印刷処理時の定着実行温度および後述する待機モード時の定着待機温度よりも低い定着節電温度を目標に温度維持制御するか、消色部37を、消色処理時の消色実行温度および後述する待機モード時の消色待機温度よりも低い消色節電温度を目標に温度維持制御する。
【0040】
定着実行温度とは、定着部8を用いて定着動作を実行する(画像をシートに定着させる)のに適した温度である。
定着待機温度は、定着部8を定着実行温度まで短時間で昇温できる温度であればよい。定着待機温度は、定着実行温度と同じ温度でもよい。
【0041】
消色実行温度とは、消色部37を用いて消色動作を実行する(シート上の画像を消色する)のに適した温度である。
消色待機温度は、消色部37を消色実行温度まで短時間で昇温できる温度であればよい。
消色待機温度は、消色実行温度と同じ温度でもよい。
【0042】
コントローラ12は、印刷スイッチ202(コピースイッチ201)が押されて印刷モード(コピーモード)になっていたり、印刷動作の実施により印刷モード(コピーモード)になっていたりする場合において、省電力モードとなる場合、定着部8を温度維持制御する。
コントローラ12は、消色スイッチ204が押されて消色モードになっていたり、消色動作の実施により消色モードになっていたりする場合において、省電力モードとなる場合、消色部37を温度維持制御する。
【0043】
コントローラ12が省電力モードにおいて定着部8および消色部37のいずれを温度維持制御するかは、ユーザが入力部2を用いて設定できる。
コントローラ12は、優先モードスイッチ208のON信号を取得すると、印刷処理および消色処理のいずれを優先するかを選択するための選択画面(不図示)を表示部21に表示する。コントローラ12は、定着部8および消色部37のうち、優先するとの選択を受け付けた側を温度維持制御する。
【0044】
あるいは、省電力モードにおいてコントローラ12は、直近の所定の期間において実行したジョブに印刷処理が多い場合、定着部8を温度維持制御し、直近の所定の期間において実行したジョブに消色処理が多い場合、消色部37を温度維持制御してもよい。
【0045】
直近の所定の期間において実行したジョブとは、例えば前回のジョブ又は前回のジョブから遡った複数回のジョブ、前回のジョブから遡って所定時間(例えば1時間、6時間、12時間等)、または所定日数内でのジョブ等を例示できる。
【0046】
ユーザは、画像形成装置1をプリンタとして使用することを優先するのか、消色装置として使用することを優先するのかを決定できるのである。
【0047】
温度維持制御では、コントローラ12が、目標物(定着部8又は消色部37)の温度が目標温度よりも一定以上大きくなると、目標物の熱源への電力供給を切断し、目標物の温度が目標温度よりも一定以下小さくなると、目標物の熱源への電力供給を行うことで、目標物の温度を目標温度に維持する。
【0048】
コントローラ12は、ユーザの入力部2を用いた設定等により、省電力モードにおいて定着部8および消色部37を共に温度維持制御してもよい。
【0049】
(スリープモード)
コントローラ12は、電源がOFFされた場合や、省電力モードにおいて、さらに一定時間、印刷処理又は消色処理を実行しない場合、スリープモードとなる。スリープモードでは、コントローラ12は、定着部8および消色部37の温度維持制御を行わない。そのため、定着部8および消色部37は、時間の経過とともに環境温度まで温度が低下する。
【0050】
(ウォーミングアップモード)
コントローラ12は、主電源をONとして各ディバイスへの電力供給を行う場合、スリープモード時や省電力モード時に、入力部2のボタン操作があり待機モードに復帰する場合、スリープモード時や省電力モード時に、印刷処理又は消色処理の動作指示がある場合、装置の各ディバイスのメンテナンスの終了時にドアを閉じた場合、ウォーミングアップモードとなる。
【0051】
ウォーミングアップモードでは、コントローラ12は、定着部8および消色部37を同時に昇温させることなく、定着部8および消色部37の少なくとも一方を昇温する。
コントローラ12は、省電力モード等の第2モードから待機モードに復帰する場合、定着部8を定着待機温度を目標に昇温するか、消色部37を消色待機温度を目標に昇温する。
【0052】
コントローラ12は、待機モードに復帰する場合、定着部8および消色部37のいずれを昇温するかは、ユーザが入力部2を用いて設定できる。
【0053】
コントローラ12は、印刷スイッチ202(コピースイッチ201)が押されて印刷モード(コピーモード)になっていたり、印刷動作の実施により印刷モード(コピーモード)になっていたりする場合において、省電力モード等を経てウォーミングアップモードとなる場合、定着部8を昇温する。
コントローラ12は、消色スイッチ204が押されて消色モードになっていたり、消色印刷動作の実施により消色モードになっていたりする場合において、省電力モード等を経てウォーミングアップモードとなる場合、消色部37を昇温する。
【0054】
コントローラ12は、優先モードスイッチ208が押された際に、印刷処理および消色処理のいずれを優先するかを選択するための選択画面を表示部21に表示する。コントローラ12は、待機モードに復帰する場合、定着部8および消色部37のうち、優先するとの選択を受け付けた側を昇温してもよい。
【0055】
あるいは、コントローラ12は、直近の所定の期間において実行したジョブに印刷処理が多い場合、定着部8を昇温し、直近の所定の期間において実行したジョブに消色処理が多い場合、消色部37を昇温してもよい。
【0056】
印刷ジョブと消色ジョブの動作頻度はユーザにより異なるので、画像形成装置1の工場出荷時には、定着部8と消色部37を同じ優先度で予熱(待機温度への温度維持制御)できるように設定し、ユーザの使用履歴に基づいて優先度を変更してもよい。また、ユーザが印刷動作までの立ち上げ時間を短くするなど、優先度を選択できるようにしてもよい。例えば、印刷動作までの立ち上げ時間を最短に設定した場合には、消色動作の終了後に定着部8を所定の温度まで昇温することになる。
【0057】
待機モードにおいて定着部8を定着待機温度に温度維持制御するとともに、同時に消色部37を消色待機温度に温度維持制御する設定の場合、コントローラ12は、定着部8と消色部37に対する通電タイミングをずらす。コントローラ12は、定着部8と消色部37のいずれか一方を、待機温度を目標に昇温した後に、他方を、待機温度を目標に昇温する。
【0058】
コントローラ12は、省電力モード等の第2モード時において、例えばパソコンから印刷動作指示を受け付ける場合、ウォーミングアップモードの後、直接印刷実行モードとなる。この場合、コントローラ12は、ウォーミングアップモードにおいて、定着部8を、定着待機温度より高い定着実行温度を目標に昇温する。
【0059】
コントローラ12は、省電力モード等の第2モード時において、例えばパソコンから消色動作指示を受け付ける場合、ウォーミングアップモードの後、直接消色実行モードとなる。この場合、コントローラ12は、ウォーミングアップモードにおいて、消色部37を、消色待機温度より高い消色実行温度を目標に昇温する。
【0060】
(待機モード)
コントローラ12は、省電力モード等の第2モード時において入力部2のボタン操作があった場合や、印刷動作後や、消色動作後に待機モードとなる。
待機モードでは、コントローラ12は、印刷(コピー)あるいは消色の動作指示を待つ。待機モードでは、コントローラ12は、定着部8を、定着実行温度よりも低く、定着節電温度よりも高い定着待機温度に温度維持制御するか、消色部37を、消色実行温度よりも低く消色節電温度よりも高い消色待機温度に温度維持制御する。
【0061】
コントローラ12は、印刷スイッチ202(コピースイッチ201)が押されて印刷モード(コピーモード)になっていたり、印刷動作の実施により印刷モード(コピーモード)になっていたりする場合において、待機モードとなる場合、定着部8を温度維持制御する。
コントローラ12は、消色スイッチ204が押されて消色モードになっていたり、消色印刷動作の実施により消色モードになっていたりする場合において、待機モードとなる場合、消色部37を温度維持制御する。
【0062】
コントローラ12は、優先モードスイッチ208が押された際に、印刷処理および消色処理のいずれを優先するかを選択するための選択画面を表示部21に表示する。コントローラ12は、定着部8および消色部37のうち、優先するとの選択を受け付けた側を待機モードにおいて温度維持制御してもよい。
【0063】
コントローラ12は、ユーザの入力部2を用いた設定等により、待機モードにおいて定着部8を定着待機温度に温度維持制御するとともに、同時に消色部37を消色待機温度に温度維持制御してもよい。
【0064】
(印刷実行モード)
コントローラ12は、印刷スイッチ202(コピースイッチ201)が押されて印刷モード(コピーモード)になっている待機モード時にスタートスイッチが押されて印刷指示を受け付ける場合、またはスリープモードや省電力モード、待機モード時にコンピュータから印刷動作の指示を受け付ける場合、印刷動作(印刷処理)を行う。
【0065】
この際、コントローラ12は、定着部8を、定着実行温度を目標に昇温(ウォーミングアップ処理)した後、印刷実行モードとなり、定着部8を、定着実行温度に温度維持制御しながら印刷動作を行う。コントローラ12は、給紙カセット部6からシートをシート搬送路7に給紙し、プリンタ部5にてシートに画像を形成する。コントローラ12は、定着実行温度に温度維持制御した定着部8により画像をシートに定着させ、シートを排紙部10に排紙する。
【0066】
(消色実行モード)
コントローラ12は、消色スイッチ204が押されて消色モードになっている待機モード時にスタートスイッチが押されて消色指示を受け付ける場合、またはスリープモードや省電力モード、待機モード時にコンピュータから消色動作の指示を受け付ける場合、消色動作(消色処理)を行う。
【0067】
この際、コントローラ12は、消色部37を、消色実行温度を目標に昇温(ウォーミングアップ処理)した後、消色実行モードとなり、消色部37を、消色実行温度に温度維持制御しながら消色動作を行う。コントローラ12は、給紙トレイ31からシートをシート搬送路33に給紙する。コントローラ12は、消色実行温度に温度維持制御した消色部37によりシート上の画像を消色した後、シートを排紙トレイ32に排紙する。なお、消色実行温度は、定着実行温度より高い。
【0068】
ウォーミングアップモードにおいて、コントローラ12が、定着部8および消色部37を同時に昇温する場合、消費電力量は非常に大きくなる。このため、コントローラ12は、定着部8と消色部37を同時にウォーミングアップすることを避ける。
コントローラ12が、印刷実行モードと消色実行モードとに同時になる場合、すなわち、定着部8を定着実行温度に温度維持制御するとともに、同時に消色部37を消色実行温度に温度維持制御する場合、消費電力量は非常に大きくなる。このため、コントローラ12は、定着部8を定着実行温度に温度維持制御するとともに、同時に消色部37を消色実行温度に温度維持制御することを避ける。
【0069】
本実施形態において、コントローラ12は、例えば印刷動作中には消色動作の受付自体を拒否する受付拒否モード(Aモードと称す)と、例えば印刷動作中に消色動作の受付は許可する受付許可モード(Bモードと称す)を有する。受付許可モード(Bモードと称す)では、コントローラ12は、消色動作、すなわち消色部37の消色実行温度への昇温、および消色部37を消色実行温度を目標に温度維持制御すること、は印刷動作の終了を待って行う。
【0070】
ユーザはAモードを選択する場合、受付拒否モードスイッチ206をONする。コントローラ12は、例えば印刷スイッチ202の選択状態で受付拒否モードスイッチ206のON信号を取得すると、消色スイッチ204の表示をグレーアウトする。したがって、消色スイッチ204を押しても消色モードには切り替わらず、消色動作の指示の受付が拒否される。この際、コントローラ12は、コンピュータから消色動作の指示を受信しても、消色動作の指示を受け付けない、すなわち、未実行のジョブとして消色ジョブを保持しない。
【0071】
ユーザはBモードを選択する場合、受付許可モードスイッチ207をONする。コントローラ12は、例えば印刷スイッチ202がONされた状態でスタートスイッチが押されることと等により印刷動作を行う。コントローラ12は、この間に、消色スイッチ204がONされた状態でスタートスイッチが押されることと等により消色動作の指示を受け付けると、消色動作の指示の受け付けを許可する。
【0072】
しかし、コントローラ12は、現在動作中の印刷動作の終了を待って、消色動作を行う、すなわち、現在動作中の印刷動作の終了を待って、消色部37を消色実行温度を目標に昇温(ウォーミングアップ処理)した後、消色部37を消色実行温度に温度維持制御し、消色動作を行う。これにより、コントローラ12は、定着部8と消色部37を同時にウォーミングアップすることを避ける。また、コントローラ12は、定着部8を定着実行温度に温度維持制御するとともに、同時に消色部37を消色実行温度に温度維持制御することを避ける。
【0073】
図6に示すように、コントローラ12は、表示部21に、定着部8の温度を表示する第1温度表示部91と、消色部37の温度を表示する第2温度表示部92を表示させ、待機モード時等における定着部8と消色部37がどの程度温まっているかを表示する。したがって、ユーザは、印刷処理または消色処理が可能となる時間を知ることができる。
【0074】
次に、コントローラ12による定着部8と消色部37の熱源に対する通電動作を
図4および
図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
図4は、省電力モード等の第2モードから待機モードや印刷実行モード、消色実行モード等の第1モードに復帰する際に、定着部8と消色部37を同時に昇温(ウォーミングアップ処理)せず、かつ定着部8を定着実行温度に消色部37を消色実行温度には同時には温度維持制御しない処理、すなわち定着部8および消色部37を排他的に動作させる処理に関する。
【0075】
コントローラ12は、
図4に示すAct1からAct17の処理を実行する。すなわち、Act.1において、受付拒否モードであるAモードか、受付許可モードであるBモードであるかの判定を行い、AモードであるとAct.2に進み、BモードであるとAct.3に進む。
【0076】
Act.2において、印刷動作指示または消色動作指示を受け付けたかを判定する。動作指示を受け付けていると(Y)、Act.4に進む。
【0077】
Act.4において、受け付けた動作指示が印刷動作(Y)であればAct.5に進み、消色動作(N)であればAct.6に進む。
Act.5において、消色スイッチ204の表示をグレーアウトし、消色動作指示の選択を禁止し、Act.7に進む。なお、ここでの「禁止」とは、例えば、ユーザから入力部2を介して入力された情報(消色動作の指示)をコントローラ12が受け付けないこと、またはユーザからパソコンを介して入力された情報(消色動作の指示)をコントローラ12が受け付けないこと、を意味する。
Act.7において、例えば定着節電温度や定着待機温度に温度維持制御されている定着部8を、定着実行温度を目標に昇温した後、印刷動作を実行し、Act.2に戻る。
【0078】
Act.6において、コピースイッチ201の表示をグレーアウトし、印刷動作指示の選択を禁止し、Act.8に進む。なお、ここでの「禁止」とは、例えば、ユーザから入力部2を介して入力された情報(印刷指示)をコントローラ12が受け付けないこと、またはユーザからパソコンを介して入力された情報(印刷指示)をコントローラ12が受け付けないこと、を意味する。
Act.8において、例えば消色節電温度や消色待機温度に温度維持制御されている消色部37を、消色実行温度を目標に昇温した後、消色動作を実行し、Act.2に戻る。
【0079】
すなわち、受付拒否モード(Aモード)では、実行中の動作(印刷動作又は消色動作)と異なる動作の指示は受付が拒否される。このため、定着部8を定着実行温度に消色部37を消色実行温度に同時に温度維持制御することを回避できる。また、定着部8と消色部37を同時に昇温(ウォーミングアップ処理)することを回避できる。
【0080】
一方、Act.1において、Bモードが選択されていると判定されると、Act.3において、印刷動作指示または消色動作指示を受け付けたかを判定する。動作指示を受け付けていると(Y)、Act.9に進む。
【0081】
Act.9において、印刷動作または消色動作中であるか否かを判定し、現在動作中であれば(Y)Act.10に進み、現在動作中でなければ(N)、Act.11に進む。
Act.10において、前回の指示動作(現在実行している動作)と今回受け付けた指示動作とが一致すればAct.12に進み、一致しなければAct.13に進む。
Act.12において、現在の指示動作が終了すると、Act.14に進む。
Act.14において、前回の指示動作と同じ指示動作を実行し、Act.3に戻る。すなわち、前回の指示動作と今回の指示動作とが例えば共に印刷指示である場合、定着部8を定着実行温度に温度維持制御したまま、今回指示を受け付けた印刷動作を行う。
【0082】
Act.10において、前回の指示動作(現在実行している指示動作)と今回受け付けた指示動作とが不一致と判定されるとAct.13において、今回受け付けた指示動作の受付を許可し、Act.15に進む。
【0083】
Act.15において、現在の指示動作が終了すると(Y)、Act.16に進む。
Act.16において、今回受け付けた指示動作に対応するモードに切り替え、Act.17に進む。前回、印刷動作の指示を受け付け、今回消色動作の指示を受け付ける場合、印刷実行モードから消色実行モードに切り替える。すなわち、定着部8を定着実行温度に温度維持制御した状態を止め、消色部37を消色実行温度を目標に昇温した後、消色部37を消色実行温度に温度維持制御し、Act.17に進む。
Act.17において、今回受け付けた指示動作を実行し、Act.3に戻る。
【0084】
受付許可モードであるBモードにおいて、印刷動作を実行中に、次のモードとして例えば消色動作指示を受け付けた場合、消色実行モードの受付が許可されるので、コントローラ12は、印刷実行モードが終了すると、ユーザからの再度の入力指示を受け付けることなく直ちに消色動作を実行できる。
【0085】
図5は、印刷実行モードあるいは消色実行モードの終了後に、定着部8、消色部37への通電を完全に遮断せず、予熱通電を行う待機モード(あるいは待機モードからさらに省電力モード)にコントローラ12のモードが移行する際の処理に関する。印刷実行モードあるいは消色実行モードの終了後に待機モード(あるいは待機モードからさらに省電力モード)にコントローラ12が移行する際、Act.31において、コントローラ12は、動作モード(印刷実行モード又は消色実行モード)の優先度の指示の有無を判定し、優先する動作モードの指示があれば(Y)、Act.32に進み、優先する動作モードの指示が無ければ(N)Act.33に進む。
【0086】
すなわち、画像形成装置1において、待機モード(あるいは待機モードからさらに移行した省電力モード)において、定着部8および消色部37のいずれを待機温度に温度維持制御するか、すなわち、印刷実行モードおよび消色実行モードのいずれへの早い移行を優先するが予め指示される。該指示は、印刷スイッチ202(またはコピースイッチ201)をONするか、消色スイッチ204をONするかで指示される。あるいは、優先モードスイッチ208をONした際に表示される選択画面にてユーザにより指示される。選択画面にて優先する動作モードとして印刷実行モードが選択されていたり、印刷スイッチ202(またはコピースイッチ201)がONされていれば、ユーザは画像形成装置1を印刷装置として使用することを優先することとなる。選択画面にて優先する動作モードとして消色実行モードが選択されていたり、消色スイッチ204がONされていれば、ユーザは画像形成装置1を消色装置として使用することを優先することとなる。
【0087】
Act.32において、指示された優先する動作モードが印刷実行モードであるか否かを判定する。Act.32において、印刷実行モードを優先すると判断した場合(Y)、Act.34に進む。
Act.34において、コントローラ12は、定着部8を定着待機温度に温度維持制御する。なお、コントローラ12は、待機モードから省電力モードにさらに移行する場合、定着部8を定着待機温度より低い定着節電温度に温度維持制御する。
【0088】
Act31において、予熱の優先について指示が無い場合(N)、Act.33において、直近のジョブに印刷モードが多いか否かを判定する。Act.33にて、印刷モードのジョブが予め定められた値より多いと判断した場合には(Y)、Act.34に進む。一方、Act.33にて印刷モードのジョブが予め定められた値より多くないと判断した場合(N)Act.35に進む。なお、直近のジョブに印刷モードが多いか否かの判定は、例えば、過去に予め定められた期間内にコントローラが受け付けたジョブ(印刷動作指示または消色動作指示)を参照することで実施してもよい。
【0089】
また、Act.32において、指示された優先する動作モードが印刷実行モードであるか否かを判定し、Act31にて指示された優先する動作モードが印刷実行モードでないと判断した場合(N)、Act.35に進む。Act.35において、消色部37を消色待機温度に温度維持制御し、終了する。なお、コントローラ12は、待機モードから省電力モードに移行する場合、消色部37を消色待機温度より低い消色節電温度に温度維持制御する。
【0090】
すなわち、画像形成装置1を、印刷動作を優先して使用する場合には、印刷動作または消色動作の終了後に定着部8を予熱し、定着部8の定着実行温度への昇温を短時間で行えるようにする。一方、画像形成装置1を、消色動作を優先して使用する場合には、印刷動作または消色動作の終了後に消色部37を予熱し、消色実行温度への昇温を短時間で行えるようにする。
【0091】
また、画像形成装置1を印刷装置として使用すること、消色装置としてしようすることを特に決めていない場合、あるいは消色動作又は印刷動作の一方の動作を集中して使用する場合等では、直近の使用状態から次に実行される動作も同じ動作であると看做し、予熱を行う。このため、次の動作を短時間に開始することができる。
【0092】
省電力モードから待機モードあるいは印刷実行モード、消色実行モードに復帰する際の定着部7と消色部37に対するコントローラ12が実行する通電動作を
図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、
図7中の文字において、C.SWはコピースイッチ201,P.SWは印刷スイッチ202,S.SWはスキャンスイッチ203,D.SWは消色スイッチ204をそれぞれ示す。
【0093】
Act.41において、省電力モードに移行する。省電力モードへの移行は、省電力モードスイッチ205のON、または印刷動作、消色動作、スキャン動作等の動作が終了し待機モードとなってから所定時間経過後に実行される。
【0094】
Act.42において、コントローラ12は、何らかの信号を取得するのを待って、Act.43に進む。何らかの信号としては、画像形成装置1において、コントローラ12に入力される信号であればどのような信号であっても良く、例えば操作スイッチ201〜204のON信号を例示することができる。コントローラ12は、操作スイッチ201〜204のいずれかのON信号を取得すると、Act.43に進む。
【0095】
Act.43において、ON信号を取得した操作スイッチがS.SW203か否かを判定する。S.SW203がONしたと判定すると(Y)、Act.44に進む。Act.43において、S.SW203がONしていないと判定すると(N)Act.45に進む。Act.44では、スキャン動作が可能であることを表示部21に表示する。また、Act.44では、定着部8又は消色部37を昇温するウォーミングアップモードを経た後、定着部8又は消色部37を待機温度に温度維持制御する待機モードに移行する。
【0096】
Act.45において、ON信号を取得した操作スイッチがC.SW201又はP.SW202であるか否かを判定する。C.SW201又はP.SW202がONしたと判定すると(Y)、Act.46に進み、C.SW201又はP.SW202がONしていないと判定すると(N)Act.47に進む。
Act.46において、印刷モード且つウォーミングアップモードになり、定着部8を印刷待機温度を目標に昇温(ウォーミングアップ処理)し、Act.48に進む。
【0097】
Act.48において、ウォーミングアップ処理(復帰処理)が完了したか否かを判定し、ウォーミングアップ処理が完了するとAct.44に進み、定着部8を印刷待機温度に温度維持制御する待機モードに移行するとともに、表示部21に印刷動作の可能表示を行って、本処理を終了する。
【0098】
Act.47において、ON信号を取得した操作スイッチがD.SW204であるか否かを判定する。D.SW204がONしたと判定すると(Y)、Act.49に進み、D.SW204がONしていないと判定すると(N)Act.50に進む。
【0099】
Act.49において、消色モード且つウォーミングアップモードになり、消色部37を消色待機温度を目標に昇温(ウォーミングアップ処理)し、Act.48に進む。Act.48において、ウォーミングアップ処理(復帰処理)が完了したか否かを判定し、ウォーミングアップ処理が完了するとAct.44に進み、消色部37を消色待機温度に温度維持制御する待機モードに移行するとともに、表示部21に消色動作の可能表示を行って、本処理を終了する。
【0100】
Act.47において、ON信号を取得した操作スイッチがD.SW204でないと判定されるのは、操作スイッチ201〜204のいずれもがON操作されていない場合である。すなわち、Act.50とAct.51は、省電力モード中に、コントローラ12が印刷処理と消色処理と直接的に関連しない動作指示の信号を取得した場合の動作である。この場合、次の操作で印刷処理又は消色処理が指示される可能性がある。したがって、コントローラ12は、Act.50において、先ず定着部8を定着待機温度を目標に昇圧するウォーミングアップモードに移行し、続いてAct.51に進んで消色部37を消色待機温度に昇圧するウォーミングアップモードに移行した後、Act.48に進む。Act.50おいて消色部37を消色待機温度に昇圧するウォーミングアップモードに移行し、Act.51において定着部8を定着待機温度を目標に昇圧するウォーミングアップモードに移行しても良い。
【0101】
定着部8と消色部37とを同時にウォーミングアップ処理しないので、大きな電力消費を回避できる。そして、Act.48において、定着部8と消色部37のウォーミングアップ処理(復帰処理)が完了したと判定すると、Act.44に進む。Act.44では、定着部8と消色部37を共に待機温度に温度維持制御する待機モードに移行するとともに、印刷動作と消色動作のいずれも動作可能である表示を行い、本処理を終了する。
【0102】
省電力モードにおいて、定着部8および消色部37への電力供給が遮断されている場合、待機温度まで昇温するにはある程度の昇温時間を要し、また大きな電力を消費する。
操作スイッチ201〜204は、省電力モードから復帰可能なスイッチとして機能する。そして、コピースイッチ201、印刷スイッチ202等の印刷に係るスイッチがONされれば、スタートスイッチ209のONを待つことなく印刷部(定着部8)の復帰動作(ウォーミングアップ処理)を行う。また、スキャンスイッチ203、消色スイッチ204等原稿読み取り関連のスイッチがONされれば、スタートスイッチ209のONをまつことなく消色部37の復帰動作(ウォーミングアップ処理)を行う。
したがって、実際にユーザがスタートスイッチ209をONすると、直ちに印刷動作又は消色動作を実行することが可能となる。
【0103】
本実施形態では、上記のように、コントローラ12は、定着部8および消色部37を同時に昇温させることなく、定着部8および消色部37の少なくとも一方を昇温した後、定着部8を定着動作のために所定の温度(定着待機温度又は定着実行温度)を目標に温度維持制御するか、消色部37を消色動作のために所定の温度(消色待機温度又は消色実行温度)を目標に温度維持制御するかの少なくとも一方を行う。従って、本実施形態では、大電力の消費を抑えつつ、迅速な定着動作、または消色動作を実行できる。
【0104】
なお、本実施形態では、加熱により、画像を消色する消色処理を例に挙げて説明したが、当該実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態で説明した「消色処理」は、光の照射によってシート上の画像を消す処理、特殊シートに形成された画像を消す処理でもあってもよい。あるいは、シート上の画像を除去(消去)する処理であってもよい。すなわち、「消色処理」とは、シートを再利用可能にするために、シート上の画像を見えなくする処理であればよい。
シート(記録媒体)は、普通紙、感熱紙、樹脂フィルムであってもよく、適宜のものを使用できる。
【0105】
本実施形態は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施できる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。